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減配する
げんぱい【減配する】
reduce the dividend <to 10%> .→英和
減量
げんりょう【減量】
a loss in weight[quantity].〜する reduce one's weight.
減量
げんりょう [0] 【減量】 (名)スル
(1)分量や重量を減らすこと。特に体重を減らすこと。
⇔増量
「三キロ―する」
(2)〔経〕 貨物売買に際して,風袋(フウタイ)・目減りなどとして全体から差し引くべき一定の量。
減音程
げんおんてい [3] 【減音程】
完全音程や短音程を半音減じた音程。例えば,完全五度を半音狭めれば減五度,短三度を半音狭めれば減三度になる。
→増音程
減額
げんがく【減額】
a cut;→英和
a reduction.→英和
〜する cut (down);reduce.→英和
減額
げんがく [0] 【減額】 (名)スル
金額や数量を減らすこと。
⇔増額
「割当を―する」
減食
げんしょく [0] 【減食】 (名)スル
(1)食事の量をへらすこと。「体重をへらすために―する」
(2)監獄において,懲罰の一つとして食事の分量を七日以内の期間減らすこと。
減食する
げんしょく【減食する】
go on a diet.→英和
渟名井
ぬない 【渟名井】
〔「ぬ」は「玉」,「な」は助詞「の」の意〕
玉のような井。水を汲む井を神聖視してたたえた語。「天の―,またの名はいざの真名井に/日本書紀(神代上)」
渟足柵
ぬたりのさく 【渟足柵】
古代の日本海方面の蝦夷(エゾ)征討のための基地。647年に今の新潟市沼垂(ヌツタリ)付近に設置。ぬたりのき。
渠底
きょてい [0] 【渠底】
ドックの底。
渠魁
きょかい [0] 【巨魁・渠魁】
(盗賊などの悪い仲間の)首領。「盗賊団の―」
渡し
わたし【渡し】
(1)[渡船場]a ferry;→英和
a landing stage.(2)[受渡し]delivery.(3)[譲渡](a) transfer (権利の).→英和
渡し
わたし [0] 【渡し】
(1)船で人を対岸に運ぶこと。また,その船。また,その船の着くところ。
(2)物と物とにかけ渡す板など。
(3)直径。さしわたし。「―二尺の,縁を択んで/虞美人草(漱石)」
渡し場
わたしば [0] 【渡し場】
船で人・車などを対岸に渡す所。渡し。渡船場。渡り場。
渡し守
わたしもり【渡し守】
a ferryman.→英和
渡し守り
わたしもり [3] 【渡し守り】
渡し舟の船頭。わたりもり。
渡し箸
わたしばし [3] 【渡し箸】
食事中に箸を食器の上などに置くこと。不作法とされる。
渡し舟
わたしぶね [4] 【渡し舟・渡し船】
人・車・荷物などを乗せ,川の両岸を往復する船。
渡し船
わたしぶね【渡し船(で)】
(in) a ferry(boat).→英和
渡し船
わたしぶね [4] 【渡し舟・渡し船】
人・車・荷物などを乗せ,川の両岸を往復する船。
渡し賃
わたしちん [3] 【渡し賃】
「渡し銭」に同じ。
渡し込み
わたしこみ [0] 【渡し込み】
相撲のきまり手の一。片手で相手の足を引っ張り込むと同時に他の手を相手の胸に当ててもたれかかるようにして倒す技。
渡し金
わたしがね [0][3] 【渡し金】
(1)火の上に渡して魚肉などをあぶるのに使う鉄の棒。鉄灸(テツキユウ)。
(2)耳だらいの上に渡しかけて,お歯黒の道具を載せる銅の板。わたし。
(3)枡の上に斜めに渡した鉄線。弦(ツル)。
渡し銭
わたしせん [3] 【渡し銭】
(1)渡し舟で渡るときの料金。渡し賃。
(2)有料の橋を渡るときの料金。橋銭。
渡す
わた・す [0] 【渡す】 (動サ五[四])
(1)水の上を,船・人手などによって対岸へ移す。「向こう岸へ船で―・す」
(2)離れた二点に,物をまたがらせて,つなぐ。「船と岸の間に板を―・す」「ロープを―・す」
(3)人・物を他に移す。
(ア)別の人の手に移す。「バトンを―・す」「手紙を―・す」
(イ)他の人の所有物とする。「家屋敷を人手に―・す」
(4)通りなどを進んで行かせる。通過させる。「みこしを―・す」
(5)人や物を別の場所に移らせる。「宮に―・し奉らむと侍るめるを/源氏(若紫)」
(6)仏や僧が,人々を迷いの世界から,浄土や悟りの世界へ至らせて救う。済度する。度(ド)す。「人―・すことも侍らぬに/源氏(東屋)」
(7)動詞の連用形の下に付いて,その動作が全体に及ぶようにする意を表す。ずっと…する。「架け―・す」「言い―・す」「見―・す」
(8)外国からもたらす。「百済国より仏像僧尼を―・せり/愚管 1」
〔「渡る」に対する他動詞〕
[可能] わたせる
[慣用] 引導を―・橋を―・バトンを―
渡す
わたす【渡す】
(1)[手渡す]hand;→英和
[引き渡す]hand over;surrender;→英和
[交付する]deliver;→英和
[譲り渡す]transfer;→英和
make over.(2)[支払う]pay;→英和
give.→英和
(3)[船で]take[ferry]over.(4)[架ける]build <a bridge over a river> .→英和
渡らせられる
わたらせ∘られる 【渡らせられる】 (連語)
〔動詞「渡る」の未然形に,尊敬の助動詞「す」の未然形「せ」,尊敬の助動詞「られる」が付いたもの〕
「居る」を尊敬した言い方。いらっしゃる。おいであそばす。現代では高度な尊敬の意をもって手紙文などに用いられる。「御清栄に―∘られ大慶至極に存じます」
→渡る(12)(13)
渡らひ
わたらい ワタラヒ 【渡らひ】
生活のための仕事。生業。また,生活。「年頃―などもいとわろくなりて/大和 148」
渡らひ心
わたらいごころ ワタラヒ― 【渡らひ心】
生活力。生活への才覚。「―ある人につきて家刀自づき/宇津保(祭の使)」
渡らふ
わたら∘う 【渡らふ】 (連語)
〔動詞「渡る」に継続の助動詞「ふ」の付いたもの〕
渡っていく。「妻ごもる屋上の山の雲間より―∘ふ月の惜しけども/万葉 135」
渡らふ
わたら・う ワタラフ 【渡らふ】 (動ハ四)
〔「渡る」に継続の助動詞「ふ」の付いた語〕
(1)渡って行く。「屋上の山の雲間より―・ふ月の/万葉 135」
(2)暮らしを立てる。生活する。「肉(シシ)をくらひて―・ふとまうす/日本書紀(斉明訓)」
渡り
わたり 【渡り】
■一■ [0] (名)
〔動詞「渡る」の連用形から〕
(1)川の渡し場。また,海峡などで,対岸に渡るのに適した所。「津の―」
(2)外国から渡来したこと。また,その物。「古―」
(3)離れた二点に掛け渡すもの。渡り板など。
(4)二者を仲介すること。下交渉をすること。また,話し合いのてづる。
→渡りを付ける
(5)あちこちと移り歩くこと。また,その人。「―職人」
(6)神・人・行列などが通り過ぎること。「みこしの御―」
(7)(「径」と書く)物の端から端までの長さ。また,直径。「社前に石車輪一隻を造れり。―一尺五六寸なり/伊沢蘭軒(鴎外)」
(8)連結する二つの単音を発音するとき,一つの単音から次の単音へ移るための調音の態勢の動き。また,それによって生じる音をもいう。渡り音。
(9)ある種の鳥が越年地と繁殖地との間を定まった季節に往復すること。環境条件(食物・日照時間・気温など)や体内要因(生殖腺の機能・ホルモンなど)の変化が原因と考えられる。
→渡り鳥
(10)囲碁で,二群の石が盤側(多くは第一線または第二線)で連絡しあうこと。
(11)移動すること。引っ越すこと。また,来訪すること。「御―めづらしくうれしく侍る/著聞 7」
■二■ (接尾)
助数詞。物事が一通りゆきわたる回数を数えるのに用いる。「あたりを一―見まわす」
渡りの島
わたりのしま 【渡りの島】
海を渡った所にある辺境の島。一説に,北海道南部,渡島(オシマ)のこととする。「―の蝦夷等を召し聚へて/日本書紀(斉明訓)」
渡りをつける
わたり【渡りをつける】
make contacts[arrangements] <with> .
渡り並み
わたりなみ 【渡り並み】
世間普通。世間なみ。「―の客に身を売るは傾城の習/浄瑠璃・寿の門松」
渡り初め
わたりぞめ【渡り初め】
the opening <of a new bridge> .→英和
渡り初め
わたりぞめ [0] 【渡り初め】
新造の橋を初めて渡ること。また,その儀式。三代そろった夫婦などを先頭にしたりする。
渡り台詞
わたりぜりふ [4] 【渡り台詞】
歌舞伎で,一続きの台詞(セリフ)を二人以上の役者が分担して順々に言うこと。また,その台詞。
渡り合う
わたりあ・う [4] 【渡り合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)相手になって争う。応戦する。「敵と―・う」「チャンピオンと互角に―・う」
(2)言葉で争う。論争する。「政策をめぐって与野党が―・う」
(3)特に,切り合う。
[可能] わたりあえる
渡り合う
わたりあう【渡り合う】
fight <with> ;→英和
argue <with> (口で).→英和
渡り場
わたりば [0] 【渡り場】
(1)渡るべき場所。
(2)「渡し場」に同じ。
渡り奉公
わたりぼうこう [4] 【渡り奉公】
諸所を渡り歩いて奉公すること。
渡り守
わたりもり 【渡り守】
「渡し守」に同じ。「嘆かす児ら―舟も設けず/万葉 4125」
渡り廊
わたりろう [3] 【渡り廊】
渡り廊下。
渡り廊下
わたりろうか【渡り廊下】
a roofed passage (connecting two buildings).
渡り廊下
わたりろうか [4] 【渡り廊下】
二つの建物をつなぐ廊下。わたろう。わたどの。
渡り手
わたりで 【渡り手】
川の渡り場所。渡り瀬。「天の川去年の―移ろへば/万葉 2018」
渡り拍子
わたりびょうし [4] 【渡り拍子】
(1)神楽(カグラ)囃子(バヤシ)の一種。神輿の渡御,山車(ダシ)の進行の際に奏するもの。
(2)能・狂言の囃子の一。「下がり端(ハ)」のこと。また,それに続く,平ノリの謡。
(3)歌舞伎の下座音楽の一。祭りの行列や,郭の道中,大勢の人物のにぎやかな登場などに用いる。
渡り板
わたりいた [4] 【渡り板】
二地点をつなぐ通路とするために掛け渡した板。あゆみいた。
渡り櫓
わたりやぐら [4] 【渡り櫓】
(1)長屋状の櫓。多聞(タモン)。
(2)石垣と石垣を結んで渡した櫓。下には櫓門を開く。
渡り櫓門
わたりやぐらもん [6] 【渡り櫓門】
渡り櫓の下に開いた門。櫓門。
渡り歩く
わたりある・く [5] 【渡り歩く】 (動カ五[四])
一か所に落ち着かないで,仕事などを求めてあちらこちら移り歩く。「旅から旅へと―・く」「いくつもの勤め先を―・く」
渡り殿
わたりどの [0][3] 【渡り殿】
⇒わたどの(渡殿)
渡り瀬
わたりぜ 【渡り瀬】
「渡り手(デ)」に同じ。「宇治の渡りに―に/古事記(中)」
渡り物
わたりもの [0] 【渡り物】
(1)先祖から代々伝えられた物。「代々の―にて,朱雀院のおなじ事に侍べきにこそ/大鏡(三条)」
(2)外国または遠くから運ばれて来た物。特に,舶来品。「下着上着も―/浄瑠璃・博多小女郎(上)」
(3)祭礼のねりもの。「今日に至るまで―の様子をも談合いたさぬ/狂言・鬮罪人」
渡り箸
わたりばし [4] 【渡り箸】
「移り箸」に同じ。
渡り粥
わたりがゆ 【渡り粥】
「家(ヤ)移り粥」に同じ。
渡り者
わたりもの【渡り者】
a wanderer;→英和
a stranger (よそ者);→英和
a vagabond (放浪者).→英和
渡り者
わたりもの [0] 【渡り者】
(1)主人を替えてあちこちを転々とする者。渡り奉公をする者。
(2)きまった仕事もなく,土地から土地へ渡り歩く者。流れ者。
(3)よその地から来て住みついた者。
渡り腮
わたりあご [3] 【渡り腮】
梁などを十字に組む仕口で,上の材に溝をほり,これに合わせて削った下の材にはめこむもの。
→仕口
渡り荘
わたりしょう 【渡り荘】
渡り領の荘園。世襲の荘園。
→渡り領
渡り間
わたりま [0] 【渡り間・径間】
壁・アーチ・橋梁などで,支柱から支柱までの長さ。径間(ケイカン)。
渡り音
わたりおん [3] 【渡り音】
「渡り{(8)}」に同じ。トランジェント。
渡り領
わたりりょう 【渡り領】
家あるいは官職に付属して世襲される所領。天皇・上皇の後院領,藤原氏の氏の長者に付属した所領など。
渡り鳥
わたりどり [3] 【渡り鳥】
(1)繁殖地と遠く離れた越冬地との間を,年に一回,定期的に往復する鳥。ある地域で,春・夏に繁殖するか,越冬するか,通過するかにより,夏鳥・冬鳥・旅鳥に分ける。ツバメ・ガンなど。[季]秋。
→留鳥
→漂鳥
→候鳥
(2)ある場所から次の場所へ転々と旅行しながら商売や興行をして稼ぐ人。「―稼業」
渡り鳥
わたりどり【渡り鳥】
a bird of passage.
渡り鳥条約
わたりどりじょうやく 【渡り鳥条約】
渡り鳥に関する調査・保護・管理について,二国間で締結される条約。日本は,1972年(昭和47)以降,アメリカ・オーストラリア・中国などと締結。
渡る
わた・る [0] 【渡る】 (動ラ五[四])
(1)人・動物・乗り物が,川・海や道などを横切って向こう側へ移動する。
〔水の場合は「渉る」とも書く〕
(ア)間をさえぎるものを越えて,向こう側に移る。「太平洋を船で―・る」「川を泳いで―・る」「通りを―・る」
(イ)橋や通路を通って向こう側に移る。「橋を―・る」「横断歩道を―・る」「踏切を―・る」
(ウ)海などで隔てられた地点へ移動する。外国へ行く。「シベリアから日本へ―・って来る白鳥」「彼は若い時に南米へ―・って農場を始めた」
(エ)風などが,ある場所を通って吹く。「梢(コズエ)を―・る風」「水面(ミナモ)を―・る風が快い」
(2)あちらこちらと移る。「あちこちの店を―・ってきた職人」
(3)世間の人々の間で暮らしてゆく。生きてゆく。「巧みに世の中を―・ってゆく」「―・る世間に鬼はない」「いかにしつつか汝が世は―・る/万葉 892」
(4)物が,ある人の手元から他の人へ移動する。
(ア)(主に「…の手に渡る」の形で)ある人の所有物が他の人のものとなる。「先祖伝来の田畑(デンパタ)も今はみな人手に―・ってしまった」「極秘書類が他社の手に―・る」
(イ)物を複数の人に配って,それぞれの人の手に届く。ゆきわたる。「この資料は出席者全員に―・るだけ用意してある」
(5)〔「亘る」とも書く〕
ある範囲に及ぶ。
(ア)要する時間・回数・数量が,ある大きな数値に達する。「この問題については,一〇〇ぺージに―・って詳しく論ぜられている」「再三に―・って警告した」「二か月に―・る大旅行」
(イ)広い範囲に及ぶ。くまなく及ぶ。「各分野に―・る広い学識を備えている」「研究は多岐に―・っている」「原因を細部に―・って調べる」「話が私事に―・って恐縮ですが…」
(ウ)一方から他方に及ぶ。「公私両面に―・ってお世話になった」「この三時の業,善悪に―・るなり/正法眼蔵」
(6)他の動詞の連用形に付いて,その動作が続く意を表す。
(ア)広い範囲に…する。一面に…する。「青み―・る」「知れ―・る」
(イ)長い時間…する。…し続ける。「命死ぬべく恋ひ―・るかも/万葉 599」
(7)ある場所へ行く。また,ある場所へ来る。「上にも聞こし召して,―・りおはしましたり/枕草子 9」
(8)人・乗り物がある地点を通過する。「ある御達の局の前を―・りけるに/伊勢 31」
(9)鳥が空を飛ぶ。太陽や月が空を移動する。「はつかりの鳴きて―・ると/古今(恋四)」
(10)広がる。広く及ぶ。「雲の薄く―・れるが/源氏(薄雲)」
(11)年月がたつ。年月を送る。「ありさりて後も逢はむと思へこそ露の命を継ぎつつ―・れ/万葉 3933」
(12)(尊敬を表す語と共に用いて)「ある」「いる」の尊敬語。おありになる。いらっしゃる。「君の御世に―・らせ給はんを見参らせで死に候はん事/平家 11」
(13)(補助動詞)
形容詞・形容動詞の連用形および断定の助動詞「なり」の連用形「に」,または,それに接続助詞「て」を添えたものに付く。叙述の意を添える「ある」を敬っていう。…でいらっしゃる。…でおいでになる。「おろかに―・らせ給ふ物かな/曾我 3」「さきのきさいの宮にて,幽なる御ありさまにて―・らせ給ひしかば/平家 1」
〔「渡す」に対する自動詞〕
[可能] わたれる
[慣用] 危ない橋を―・石橋を叩(タタ)いて―・世を―
渡る
わたる【渡る】
(1)[越える]cross <a bridge> ;→英和
go over <to America> ;sail[swim,wade]across <a river> .
(2)[ゆきわたる]be supplied <with> ;[人手に]pass into another's possession;[世を]get along.
渡る世間に鬼はない
渡る世間に鬼はない
世の中は無慈悲な人間ばかりではない。
渡世
とせい [1] 【渡世】
社会の中で働きつつ生きていくこと。世渡り。また,その仕事。なりわい。稼業。生業。
渡世
とせい【渡世】
<earn> one's living <by> .
渡世人
とせいにん [0] 【渡世人】
やくざ。ばくちうち。
渡仏
とふつ [0] 【渡仏】 (名)スル
フランスへ行くこと。
渡会
わたらい ワタラヒ 【度会・渡会】
三重県伊勢市を中心とした地域の旧地名。古くから伊勢神宮の神郡(カミゴオリ)であった。1871年(明治4)に度会県となり,76年に三重県に合併。
渡口
とこう [0] 【渡口】
渡し場。
渡唐
ととう [0] 【渡唐】 (名)スル
中国に渡航すること。
渡唐銭
ととうせん [0] 【渡唐銭】
日本に渡来し流通した中国銭。唐の開元通宝,宋の皇宋通宝,明の永楽通宝など。
渡天
とてん [0] 【渡天】
天竺(テンジク)(=インド)へ渡ること。
渡天僧
とてんそう [2] 【渡天僧】
天竺へ渡る僧。
渡島
わたりじま 【渡島】
北海道南部,現在の渡島(オシマ)の古称。
渡島
ととう [0] 【渡島】 (名)スル
(船で)島に渡ること。「荒天をついて小船で―する」
渡島
おしま ヲシマ 【渡島】
(1)北海道旧一一か国の一。渡島支庁と檜山支庁の南部を占める地域。
(2)北海道南西部の支庁。支庁所在地,函館市。渡島半島の東半を占める。
渡島半島
おしまはんとう ヲシマ―タウ 【渡島半島】
北海道南西部,津軽海峡に突出する半島。寿都(スツツ)と長万部(オシヤマンベ)を結ぶ地溝帯以南の地域。
渡島大島
おしまおおしま ヲシマオホシマ 【渡島大島】
渡島半島の西約50キロメートルにある島。活火山島で無人。1741年(寛保1)の噴火で大津波が発生し,渡島半島西岸で約一五〇〇人が死亡した。
渡座
わたまし 【移徙・渡座】
(1)貴人の転居を敬っていう語。御転居。「あたらしく家を造て―せられける夜/十訓 6」
(2)神輿の渡御。
渡御
とぎょ [1] 【渡御】 (名)スル
(1)天皇・三后(のちには将軍)がお出ましになること。出御(シユツギヨ)。
(2)祭礼の際の,神輿(ミコシ)のお出まし。[季]夏。
渡日
とにち [0] 【渡日】 (名)スル
日本にやって来ること。来日。
渡月橋
とげつきょう 【渡月橋】
京都市右京区,嵐山の大堰(オオイ)川にかかる橋。亀山上皇の命名という。現在の橋は1934年(昭和9)竣工。
渡来
とらい [0] 【渡来】 (名)スル
外国から海を越えて渡ってくること。舶来。「中国から―した品」「南蛮―の風俗」「―種」
渡来する
とらい【渡来する】
come over <to> ;visit;→英和
be introduced[brought over] <from> (伝来).
渡来人
とらいじん [2] 【渡来人】
他の国から渡来した人。特に古代,四世紀から七世紀にかけて日本に渡来し定住した朝鮮・中国の人々をいう。先進の学芸・技術・文化をもたらし,政治や文化の発展に大きく寄与した。
渡欧
とおう [0] 【渡欧】 (名)スル
欧州へわたること。「使節が―する」
渡殿
わたどの [0] 【渡殿】
寝殿造りの殿舎から殿舎に通じる渡り廊下。細殿。わたりどの。
渡河
とか [1] 【渡河】 (名)スル
川を渡ること。「敵前を―する」
渡洋
とよう [0] 【渡洋】 (名)スル
広い海を渡ること。「―爆撃」
渡津
としん [0] 【渡津】
渡し場。
渡海
とかい [0] 【渡海】 (名)スル
(1)船で海を渡ること。渡航。航海。「荒波を越えて―する」
(2)「渡海船」の略。
渡海船
とかいぶね [4] 【渡海船】
(1)海を渡る船。
(2)江戸時代,大坂を中心に瀬戸内海沿岸や北九州の諸都市間を結ぶ航路に就航した貨客輸送船。大坂・丸亀間の金毘羅(コンピラ)船もその一つ。渡海。とかいせん。
渡海造り
とかいづくり [4] 【渡海造り】
⇒とうかいづくり(渡海造)
渡海造り
とうかいづくり [5] 【渡海造り】
〔「とかいづくり」の転〕
江戸時代,旅客・荷物をのせて主な港間を航行した船。大きさは五,六反帆から一七,八反帆ほどで,船室は蔀(シトミ)を巡らしただけのものや,総屋形・総矢倉造りのものもある。代表的なものに大坂・小倉間を航行した小倉船がある。
渡渉
としょう [0] 【渡渉】 (名)スル
川を渡ること。
渡瀬
わたせ 【渡瀬】
姓氏の一。
渡瀬庄三郎
わたせしょうざぶろう 【渡瀬庄三郎】
(1862-1929) 動物学者。江戸の人。節足動物の視覚器の比較形態学に業績を残し,発光生物の研究にも力を注いだ。一方,生物地理学の発展に尽力し,吐蝎喇(トカラ)海峡の生物地理学的境界線である渡瀬線にその名を残す。
渡烏
わたりがらす [4] 【渡烏】
スズメ目カラス科の鳥。最も大形のカラスで,体長70センチメートルに及ぶ。全身黒色で,くちばしが強大。雑食性。北半球に広く分布。日本では北海道に冬鳥として少数が渡来。
渡独
とどく [0] 【渡独】 (名)スル
ドイツへ渡ること。「単身―する」
渡盞
とさん [0] 【渡盞】
杯を載せる台。さかずき台。しりざら。
渡米
とべい [0] 【渡米】 (名)スル
アメリカ合衆国へ行くこと。
渡米する
とべい【渡米する】
visit[go to]America.
渡線橋
とせんきょう [0] 【渡線橋】
⇒跨線橋(コセンキヨウ)
渡航
とこう [0] 【渡航】 (名)スル
航空機や船で外国へ出かけること。「―手続き」「海外へ―する」
渡航する
とこう【渡航する】
make a voyage <to> ;→英和
go over <to> .‖渡航者 a passenger <to> .渡航手続きをする arrange passage <to> .
渡航免状
とこうめんじょう [4] 【渡航免状】
パスポート。
渡船
とせん [0] 【渡船】
わたしぶね。
渡船
とせん【渡船(場)】
⇒渡し,渡し船.
渡船場
とせんば [0] 【渡船場】
わたしぶねの発着する場所。わたしば。
渡船橋
とせんきょう [0] 【渡船橋】
船と陸との間をつなぐ可動橋。
渡良瀬川
わたらせがわ 【渡良瀬川】
栃木県西部の皇海(スカイ)山に発し,南西流して埼玉県栗橋付近で利根川に注ぐ川。長さ108キロメートル。足尾銅山の精錬による汚染で上流山地の森林が枯死し,広範囲の裸地ができ,中・下流域でしばしば氾濫。
→足尾鉱毒事件
渡良瀬遊水池
わたらせゆうすいち 【渡良瀬遊水池】
栃木県南部,渡良瀬川,思川,巴波川(ウズマガワ)の合流点付近にある洪水調節のための遊水池。1918年(大正7)造成。現在は都市用水を供給する貯水池として整備された。
渡英
とえい [0] 【渡英】 (名)スル
英国へわたること。
渡蟹
わたりがに [3] 【渡蟹】
ガザミの別名。
渡辺
わたなべ 【渡辺】
姓氏の一。
渡辺一夫
わたなべかずお 【渡辺一夫】
(1901-1975) 仏文学者。東京生まれ。東大教授。ラブレーの翻訳・紹介,ルネサンス・ユマニスムの研究など多くの業績を残す。また,すぐれた批評家でもあった。
渡辺崋山
わたなべかざん 【渡辺崋山】
(1793-1841) 江戸後期の洋学者・南画家。三河国田原藩の家老。名は定静(サダヤス),通称は登,崋山は号。儒学を佐藤一斎・松崎慊堂に,南画を金子金陵(?-1817)・谷文晁に学んだ。さらに西洋画の技法を研究し,肖像画など写生画にすぐれた。また,藩の海防掛に任じたことから蘭学にも通じ,高野長英・小関三英らと交わり尚歯会の一員となる。幕府の対外政策を批判した「慎機論」を著し,蛮社の獄に連座,国元に蟄居中に自殺。作「一掃百態」「鷹見泉石像」など。
渡辺政之輔
わたなべまさのすけ 【渡辺政之輔】
(1899-1928) 労働運動家。千葉県生まれ。労働組合の結成とその指導に従事。1922年(大正11)日本共産党に入党。コミンテルンの招集で27年テーゼ起草に参画,帰国後の28年中央委員長。同年,台湾基隆で官憲と交戦,自殺。
渡辺海旭
わたなべかいきょく 【渡辺海旭】
(1872-1933) 浄土宗の学僧。東京生まれ。ドイツに留学後,東洋大学などで教えた。高楠順次郎と行なった「大正新修大蔵経」の監修の功績が知られる。
渡辺綱
わたなべのつな 【渡辺綱】
(953-1025) 平安中期の武士。源頼光の臣で,その四天王とされる。洛北市原野の鬼同丸,羅生門の鬼,大江山の酒呑童子を退治した武勇の伝説で知られる。
渡辺霞亭
わたなべかてい 【渡辺霞亭】
(1864-1926) 小説家。尾張国生まれ。本名,勝。「大阪朝日新聞」などに,新聞小説を連載,大衆的人気を博す。著「大石内蔵助」「渡辺崋山」「渦巻」
渡頭
ととう [0] 【渡頭】
渡し場のほとり。
渣滓
さし [1] 【渣滓】
液体の底に沈んでいるおり。沈殿物。
渤海
ぼっかい 【渤海】
(1)中国,遼東半島と山東半島とに囲まれた海域。黄海に通じる。沿岸では製塩業が発達。ポー-ハイ。
(2)中国の東北地方東部・沿海州・朝鮮北部を領土として栄えた高句麗(コウクリ)族・靺鞨(マツカツ)族の国。698年震国を建てた大祚栄(ダイソエイ)が713年唐により渤海郡王に封ぜられ渤海と称した。唐文化を輸入,日本とも頻繁に通交した。都は国都の上京竜泉府(黒竜江省東京城)をはじめ五京(ゴケイ)があった。926年遼に亡ぼされた。渤海靺鞨。
渤海楽
ぼっかいがく [3] 【渤海楽】
奈良時代から平安初期にかけて日本に伝来した渤海国の楽舞。平安時代以降は右方(ウホウ)高麗(コマ)楽に編入された「綾切(アヤキリ)」「新靺鞨(シンマカ)」「古鳥蘇(コトリソ)」などの曲がそれに当たるといい伝えられる。
渥美
あつみ 【渥美】
愛知県渥美郡の町。渥美半島の先端に位置し伊良湖岬がある。
渥美半島
あつみはんとう 【渥美半島】
愛知県南部,伊勢湾・三河湾と太平洋を分かつ半島。温室栽培が盛んで,メロンや花卉(カキ)などを産出。
渦
うず ウヅ [1] 【渦】
(1)水などが中心に向かって巻き込みながら,激しい勢いで回っている状態。また,その流れ。流体力学では流体中の微小部分が自転運動しているとき,その運動が集中して流体中に回転運動がみえる部分。流速の違いや圧力差などによって生じる。うずまき。「―を巻く」
(2){(1)}のような形や模様。
(3)入り乱れた,めまぐるしい動き。また,周囲を巻き込みながら一つの方向へ向かう流れ。「人の―」「興奮の―」「紛争の―に巻き込まれる」
渦
うず【渦】
⇒渦巻き.〜を巻く ⇒渦巻く.
渦中
かちゅう クワ― [0][1] 【渦中】
(1)水のうずまく中。
(2)物事が混乱し,もめている真っただ中。「政局の―に立つ人」「噂(ウワサ)の―にある人」
渦中
かちゅう【渦中】
a whirlpool;→英和
a vortex.→英和
〜に捲き込まれる be involved[entangled] <in a war> .
渦動
かどう クワ― [0] 【渦動】
うず。うず巻き形の運動。
渦動輪
かどうりん クワ― [2] 【渦動輪】
円輪状をなして軸方向に進行する流体の渦。タバコの煙の輪などに見られる。
渦動電流
かどうでんりゅう クワ―リウ [4] 【渦動電流】
⇒渦電流(ウズデンリユウ)
渦巻
うずまき ウヅ― [2] 【渦巻(き)】
(1)水などの渦を巻く流れ・動き。うず。
(2)渦を巻いた形や模様。「―パン」
渦巻き
うずまき【渦巻き】
<be drawn into> a whirlpool;→英和
an eddy (小さい);→英和
[水・風の]a swirl;→英和
a vortex;→英和
[螺旋]a spiral;→英和
[模様]scroll.→英和
〜型の spiral.
渦巻き
うずまき ウヅ― [2] 【渦巻(き)】
(1)水などの渦を巻く流れ・動き。うず。
(2)渦を巻いた形や模様。「―パン」
渦巻きポンプ
うずまきポンプ ウヅ― [5] 【渦巻(き)―】
遠心ポンプの一。吸入管と吐出管とをもつ渦巻室の中で羽根車(翼車)を高速回転させ,その遠心力によって液体を輸送する機械。
→往復ポンプ
→遠心ポンプ
渦巻き小紋
うずまきこもん ウヅ― [5][6] 【渦巻(き)小紋】
渦巻模様を表した小紋染め。
渦巻き漬け
うずまきづけ ウヅ― [0] 【渦巻(き)漬け】
胡瓜(キユウリ)を縦に二つに割り,種などをとって乾かし,固く巻いて糠(ヌカ)と塩に漬けたもの。切り口が渦巻のようになる。
渦巻き発条
うずまきばね ウヅ― [4][5] 【渦巻(き)発条】
⇒発条(ゼンマイ)
渦巻き管
うずまきかん ウヅ―クワン [0] 【渦巻(き)管】
哺乳類・鳥類の内耳にある巻貝状の骨性の管。ヒトでは約二巻き半を描き,内部は膜によって三つの部屋に分けられ,それぞれがリンパ液で満たされて鼓膜の振動を伝えていく。中央の部屋を渦巻細管といい,聴覚の中心となる。蝸牛(カギユウ)。
渦巻き細管
うずまきさいかん ウヅ―クワン [5] 【渦巻(き)細管】
内耳の渦巻き管の中央部を占める膜迷路。聴覚の受容器で,中耳で増幅された音波を,内腔(ナイコウ)のリンパの振動に変えて有毛細胞を刺激し,興奮を蝸牛神経に伝達する。蝸牛管。
→コルティ器
渦巻き線
うずまきせん ウヅ― [0] 【渦巻(き)線】
⇒螺線(ラセン)(1)
渦巻き銀河
うずまきぎんが ウヅ― [5] 【渦巻(き)銀河】
見かけの形による銀河の分類の一。球状の中心部と,渦巻形の腕があるのが特徴。銀河系やアンドロメダ銀河など。渦状銀河。
→楕円銀河
渦巻く
うずまく【渦巻く】
whirl around;swirl.→英和
渦巻く
うずま・く ウヅ― [3] 【渦巻く】 (動カ五[四])
(1)水などが渦になって動く。「怒濤―・く玄界灘」
(2)入り乱れて収拾がつかなくなる。「欲望が―・く都会」「疑惑が―・く」
渦巻ポンプ
うずまきポンプ ウヅ― [5] 【渦巻(き)―】
遠心ポンプの一。吸入管と吐出管とをもつ渦巻室の中で羽根車(翼車)を高速回転させ,その遠心力によって液体を輸送する機械。
→往復ポンプ
→遠心ポンプ
渦巻小紋
うずまきこもん ウヅ― [5][6] 【渦巻(き)小紋】
渦巻模様を表した小紋染め。
渦巻漬け
うずまきづけ ウヅ― [0] 【渦巻(き)漬け】
胡瓜(キユウリ)を縦に二つに割り,種などをとって乾かし,固く巻いて糠(ヌカ)と塩に漬けたもの。切り口が渦巻のようになる。
渦巻発条
うずまきばね ウヅ― [4][5] 【渦巻(き)発条】
⇒発条(ゼンマイ)
渦巻管
うずまきかん ウヅ―クワン [0] 【渦巻(き)管】
哺乳類・鳥類の内耳にある巻貝状の骨性の管。ヒトでは約二巻き半を描き,内部は膜によって三つの部屋に分けられ,それぞれがリンパ液で満たされて鼓膜の振動を伝えていく。中央の部屋を渦巻細管といい,聴覚の中心となる。蝸牛(カギユウ)。
渦巻細管
うずまきさいかん ウヅ―クワン [5] 【渦巻(き)細管】
内耳の渦巻き管の中央部を占める膜迷路。聴覚の受容器で,中耳で増幅された音波を,内腔(ナイコウ)のリンパの振動に変えて有毛細胞を刺激し,興奮を蝸牛神経に伝達する。蝸牛管。
→コルティ器
渦巻線
うずまきせん ウヅ― [0] 【渦巻(き)線】
⇒螺線(ラセン)(1)
渦巻銀河
うずまきぎんが ウヅ― [5] 【渦巻(き)銀河】
見かけの形による銀河の分類の一。球状の中心部と,渦巻形の腕があるのが特徴。銀河系やアンドロメダ銀河など。渦状銀河。
→楕円銀河
渦流
かりゅう クワリウ [0] 【渦流】
(1)うずまいて流れる流れ。
(2)〔電〕「渦電流(ウズデンリユウ)」に同じ。
渦潮
うずしお ウヅシホ [0] 【渦潮】
渦を巻きながら激しく流れる海水。潮の干満の差の激しい狭い海峡で起こる。鳴門海峡のものが有名。
渦潮
うずしお【渦潮】
an eddying current.
渦状
かじょう クワジヤウ [0] 【渦状】
うずまきのような状態。うずまきがた。「―紋」
渦状銀河
かじょうぎんが クワジヤウ― [4] 【渦状銀河】
⇒渦巻銀河(ウズマキギンガ)
渦紋
かもん クワ― [0] 【渦紋】
渦巻きの模様。渦巻き形。
渦虫
うずむし ウヅ― 【渦虫】
ミズスマシの別名。[物類称呼]
渦虫類
かちゅうるい クワチユウ― [2] 【渦虫類】
⇒うずむしるい(渦虫類)
渦虫類
うずむしるい ウヅ― [4] 【渦虫類】
扁形動物渦虫綱の総称。一般には体は扁平で細長く,体表に繊毛があり,前端は広がって三角形状の頭となり,一対の目をもつ。日本各地の淡海水域や湿地に多種生息する。コウガイビル・プラナリアなど。
渦輪
うずわ ウヅ― [0] 【渦輪】
(1)渦巻状の形。
(2)「うずわがつお」の略。
渦輪鰹
うずわがつお ウヅ―ガツヲ [4] 【渦輪鰹】
ソウダガツオの異名。
渦雷
からい クワ― [0] 【渦雷】
発達した低気圧や台風の中心付近の,強い上昇気流によって生ずる雷。うず雷。低気圧雷。
渦電流
うずでんりゅう ウヅデンリウ [3] 【渦電流】
導体を通る磁束が変化するとき,電磁誘導によって導体中に流れる渦状の電流。導体の運動を妨げる作用があるので,積算電力計の回転円板の制動や車両のブレーキに利用される。渦動(カドウ)電流。フーコー電流。かでんりゅう。かりゅう。
→レンツの法則
渦電流
かでんりゅう クワデンリウ [2] 【渦電流】
⇒うずでんりゅう(渦電流)
渦鞭毛植物
うずべんもうしょくぶつ ウヅベンモウ― [8] 【渦鞭毛植物】
プランクトン生活をし,主として鞭毛をもつ植物の一群。クロロフィル a と c とを含む色素体を有するため赤色から褐色を呈する。赤潮の原因となる。ギムノジニウム・ヤコウチュウ・ツノモなど。炎色植物。炎藻植物。黄褐色植物。
温
ぬく 【温】
〔形容詞「ぬくい」の語幹から〕
人をののしっていう語。のろま。うすのろ。「そこな―め/浄瑠璃・鑓の権三(上)」
温い
ぬるい【温い】
[湯などが]not hot enough;tepid;→英和
lukewarm.→英和
温い
ぬる・い [2] 【温い】 (形)[文]ク ぬる・し
(1)熱さが不十分である。なまあたたかい。飲み物や液体の温度にいうことが多い。「風呂が―・い」「お茶が―・い」
(2)厳しさが足りない。手ぬるい。軟弱だ。「そんな―・いやり方ではいい後継者は育たない」
(3)動きが激しくない。ゆるやかだ。「これは風―・くこそありけれとて,御扇おき給ひて/源氏(若菜下)」
(4)才覚がにぶい。愚鈍だ。「はかばかしき方(=政治的ナ方面)には―・く侍る家の風の/源氏(若菜上)」
(5)情熱がうすい。熱心でない。「かかればこそ,世の覚えの程よりは内々の御心ざし―・きやうにはありけれ/源氏(若菜上)」
[派生] ――さ(名)
温い
ぬく・い 【温い】 (形)[文]ク ぬく・し
(1)あたたかい。ぬくとい。[季]春。「こりやあ何だか―・いではないか/当世書生気質(逍遥)」
(2)愚かである。「談議は―・い波寄する磯/当流籠抜」
〔おもに関西地方など西日本で用いる〕
[派生] ――さ(名)
温か
あたたか [3][2] 【暖か・温か】 (形動)[文]ナリ
(1)暑くも寒くもなく,また熱くも冷たくもなく,肌に気持ちのよいぬくもりを感じさせる温度であるさま。あったか。[季]春。「春も近づき日ごとに―になる」「―な着物」「―な御飯」
(2)愛情や思いやりがあるさま。「―な心の持ち主」「―な家庭」
(3)経済状態がよいさま。金銭が十分あるさま。「きょうは懐が―だ」
(4)穏やかなさま。事を荒だてないさま。「銀も見ずに,―に請け取りをせうわいなあ/浄瑠璃・生玉心中(上)」
(5)ずうずうしいさま。人をばかにしたさま。「おのれ一人が銭とらう,やあ―なかすわつぱ/浄瑠璃・用明天皇」
温か
あったか [3] 【暖か・温か】 (形動)
「あたたか」に同じ。「―な布団」「―ごはん」
温かい
あたたか・い [4] 【暖かい・温かい】 (形)[文]ク あたたか・し
〔形容動詞「あたたか」の形容詞化したもの。近世以降の語〕
(1)気温や温度が程よい。あったかい。「―・い日ざし」
(2)金銭が十分ある。あったかい。「懐が―・い」
(3)愛情や思いやりがある。
⇔冷たい
「―・い手をさしのべる」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)――み(名)
温かい
あったか・い [4] 【暖かい・温かい】 (形)
「あたたかい」に同じ。「―・い部屋」
[派生] ――さ(名)――み(名)
温し
ぬく・し 【温し】 (形ク)
⇒ぬくい
温し
ぬる・し 【温し】 (形ク)
⇒ぬるい
温とい
ぬくと・い [3] 【温とい】 (形)[文]ク ぬくと・し
あたたかい。ぬくい。
[派生] ――さ(名)
温まり
ぬくまり [4][0][3] 【温まり】
ぬくもり。
温まる
ぬくま・る [3] 【温まる】 (動ラ五[四])
あたたまる。ぬくもる。「まだ―・らぬ臥床を/文づかひ(鴎外)」
温まる
ぬくまる【温まる】
get warm.
温まる
あたたま・る [4] 【暖まる・温まる】 (動ラ五[四])
(1)熱が加わって程よい温度にまで上がる。あったまる。
⇔冷える
「ストーブで部屋が―・る」「この温泉は体が―・る」「席の―・る暇もない」
(2)満たされて欠乏感がなくなる。「心―・る話」「懐が―・る」
温まる
あったま・る [4] 【暖まる・温まる】 (動ラ五[四])
「あたたまる」に同じ。「よく―・ってから出なさい」
温み
ぬくみ【温み】
(slight) warmth.→英和
温み
ぬるみ [0][3] 【温み】
(1)ややあたたかいこと。なまぬるいこと。
(2)ぬるま湯。「釜に―も沸いてある/浄瑠璃・卯月の潤色(中)」
(3)川などの流れのゆるやかな所。「弱き馬をば下手に立てて,―に付けて渡すべし/盛衰記 35」
温み
ぬくみ [3] 【温み】
あたたかみ。「布団に―が残っている」
温む
ぬるむ【温む】
get tepid;get warm;cool (熱いものが).→英和
温む
あたた・む 【暖む・温む】 (動マ下二)
⇒あたためる
温む
ぬく・む 【温む】 (動マ下二)
⇒ぬくめる
温む
ぬる・む [2] 【温む・微温む】
■一■ (動マ五[四])
(1)熱いものの熱がやや冷める。「―・んだ茶に咽喉(ノド)を湿ほしつつ/社会百面相(魯庵)」
(2)冷たいものの温度が上がって,冷たさがゆるむ。ぬるくなる。「水―・む頃」
(3)病気で体温が上がる。「御身も―・みて御心地もいと悪しけれど/源氏(若菜下)」
■二■ (動マ下二)
⇒ぬるめる
温め
ぬくめ [0] 【温め】
〔動詞「温(ヌク)める」の連用形から〕
寒い時期,川に枯れ木などを沈め,魚がその中にこもるのを獲る漁法。
温める
ぬく・める [3] 【温める】 (動マ下一)[文]マ下二 ぬく・む
あたためる。あたたかくする。「されば,是にて少し腹を―・めて息をつく/咄本・昨日は今日」
温める
ぬる・める [3] 【温める・微温める】 (動マ下一)[文]マ下二 ぬる・む
お湯などの温度を下げる。ぬるくする。「水で風呂を―・める」
温める
あった・める [4] 【暖める・温める】 (動マ下一)
「あたためる」に同じ。「かじかんだ手を―・める」
温める
あたた・める [4] 【暖める・温める】 (動マ下一)[文]マ下二 あたた・む
(1)熱を加えて適度な温度にまで上げる。
⇔冷やす
「部屋を―・める」「牛乳を―・める」「ベンチを―・める(=選手ガ試合ニ出ラレズ控エノママデイル)」
(2)公表せず自分の手もとにおく。「数年来―・めていた構想」
(3)(「旧交を―・める」の形で)昔の親密なつきあいを回復する。
(4)こっそりと自分のものにする。「店の灰皿を一つ―・める」
温め酒
ぬくめざけ [3] 【温め酒】
「温(アタタ)め酒」に同じ。[季]秋。《―夫の心妻は知る/大橋越央子》
温め酒
あたためざけ [4] 【暖め酒・温め酒】
燗(カン)をして温めた酒。また,身を温めるために飲む酒。古く,陰暦九月九日を境とし,この日以降は式事の酒を温めて用い,また,この日温めた酒を飲むと病気にならないという言い伝えがあった。ぬくめざけ。[季]秋。
温め鳥
ぬくめどり [3] 【温め鳥】
(1)冬の寒い晩など,鷹(タカ)が小鳥を捕らえてつかみ,自分の足を温めること。また,その小鳥。翌朝,鷹はその鳥を放し,その飛び去った方向へその日は行かないようにしてその恩に報いるという。「鷹のとるこぶしのうちの―氷る爪根の情をぞ知る/後京極鷹三百首」
(2)親鳥が自分の羽の下にひな鳥を入れて保護すること。「羽交の下の―,恩愛こそは哀なれ/浄瑠璃・百合若大臣」
温もり
ぬくもり [0] 【温もり】
あたたかみ。ぬくまり。「布団の中の―」「肌の―」
温もり
ぬくもり【温もり】
warmth.→英和
温もる
ぬくも・る [3] 【温もる】 (動ラ五[四])
あたたまる。ぬくまる。「こたつに入って―・る」
温サラダ
おんサラダ ヲン― [3] 【温―】
温かいサラダの総称。ゆでる・蒸す・焼くなど加熱した材料を温かいままソースなどで和えて供する。ホット-サラダ。
温位
おんい ヲンヰ [1] 【温位】
水蒸気を含まない大気の塊を1000ミリバールに断熱圧縮したと仮定した時の温度。気団の特性を表すのに用いられる。ポテンシャル温度。
温低
おんてい ヲン― [0] 【温低】
「温帯低気圧」の略。
温光
おんこう ヲンクワウ [0] 【温光】
あたたかくやわらかい日光。
温助
ぬくすけ 【温助】
ぼんやりした男,または,お人よしの男の擬人名。ぬく太郎。
温厚
おんこう ヲン― [0] 【温厚】 (名・形動)[文]ナリ
人柄が穏やかで,温かみのある・こと(さま)。「―な紳士」
[派生] ――さ(名)
温厚な
おんこう【温厚な】
gentle;→英和
affable.→英和
温厚篤実
おんこうとくじつ ヲン― [0] 【温厚篤実】 (名・形動)[文]ナリ
人柄が温厚で,情にあつく,まじめである・こと(さま)。
温和
おんわ ヲン― [0] 【温和・穏和】 (名・形動)[文]ナリ
(1)(気候が)暖かで,おだやかな・こと(さま)。「気候の―な土地」
(2)(性質などが)おだやかでおとなしい・こと(さま)。「―な性格の人」
[派生] ――さ(名)
温和な
おんわ【温和な】
gentle (態度・人柄が);→英和
moderate (意見が);→英和
mild (気候が).→英和
温存
おんぞん ヲン― [0] 【温存】 (名)スル
(1)使わないで大事に保存すること。「切り札を―する」
(2)手を加えずに,そのままにしておくこと。「悪習を―する」
(3)いたわり大切にすること。「棭斎の病める霞亭に対する―の工夫の至れるを/霞亭生涯末の一年(鴎外)」
温存する
おんぞん【温存する】
preserve;→英和
retain.→英和
温室
おんしつ ヲン― [0] 【温室】
(1)植物を促成栽培するためや,寒さから保護するための保温装置のある建物。
(2)〔仏〕
〔古くは,「おんじつ」〕
浴室。湯殿。「上人―に入て瘡をたでられけるが/太平記 18」
温室
うんじつ 【温室】
(寺院の)湯あみする建物。湯殿。また,行として僧に湯あみさせること。
温室
おんしつ【温室】
a hothouse;→英和
a greenhouse;→英和
frame (小型).→英和
〜栽培の hothouse <fruit> .栽培する grow <plants> under glass.〜育ち <lead> a sheltered life.‖温室効果 the greenhouse effect.温室栽培 greenhouse cultivation.
温室効果
おんしつこうか ヲン―カウクワ [5] 【温室効果】
ガラスや大気中の水蒸気・二酸化炭素など,太陽光のような可視光線は通すが赤外線は吸収するような物質が存在することによって,その内側に温度の上昇をもたらすこと。
温室効果ガス
おんしつこうかガス ヲン―カウクワ― [8] 【温室効果―】
温室効果を起こす気体の総称。二酸化炭素・フロン・メタン・亜酸化窒素など。
温室育ち
おんしつそだち ヲン― [5] 【温室育ち】
大切に保護されて,苦労を知らずに育ったこと。また,その人。世間知らずでひよわな人間の意に使う。「―のぼんぼん」
温容
おんよう ヲン― [0] 【温容】
おだやかでやさしい顔つき。「―に接する」
温州
うんしゅう 【温州】
⇒おんしゅう(温州)
温州
おんしゅう ヲンシウ 【温州】
中国,浙江(セツコウ)省の東シナ海に面する港湾都市。甌江(オウコウ)流域の茶・ミカンなどの集散地。うんしゅう。ウェンチョウ。
温州和え
うんしゅうあえ [0] 【温州和え】
ミカンの実を用い,その酸味を生かした和え物。
温州橘
うんしゅうきつ [3] 【温州橘】
温州蜜柑(ミカン)のこと。
温州蜜柑
うんしゅうみかん [5] 【温州蜜柑】
ミカンの一品種。日本原産。一般にミカンとして親しまれているもので,日本で偶発実生(ミシヨウ)としてできたものといわれる。今日では海外でも広く栽培される。果実は扁円形で大形,果皮は薄く離れやすい。通常,種子がなく,多液で美味。うんしゅうきつ。
温帯
おんたい【温帯】
the Temperate Zone.温帯低気圧 an extratropical cyclone.
温帯
おんたい ヲン― [0] 【温帯】
熱帯と寒帯との間の地帯。種種の区分法があるが,ケッペンは最も暖かい月の平均気温摂氏一〇度の等温線と,最も寒い月の平均気温摂氏一八度の等温線とに挟まれた地帯を広義の温帯とし,そのうち最も寒い月の平均気温が摂氏マイナス三度以下の地帯を亜寒帯として除いた地帯を狭義の温帯とする。また,緯度によって二三・二七度(回帰線)と六六・三三度(極圏)の間とする区分もある。
温帯低気圧
おんたいていきあつ ヲン― [7] 【温帯低気圧】
主として中緯度帯に発生する低気圧。寒暖両気団の接するところに発生し,初期から前線を伴う。中緯度天気変化の主要原因となる。
温帯林
おんたいりん ヲン― [3] 【温帯林】
温帯のうち冷温帯に発達する樹林の総称。主にブナ・ミズナラ・クリなどの落葉広葉樹からなり,ときにスギ・ヒノキなどの常緑針葉樹も含む。夏緑樹林。冷温帯林。
温帯植物
おんたいしょくぶつ ヲン― [6] 【温帯植物】
温帯を中心に自生する植物。ケヤキ・ナラ・ブナなどの夏緑樹が主となる。
温帯気候
おんたいきこう ヲン― [5] 【温帯気候】
温帯にみられる気候。温和で,降水量もあり,四季の変化が明瞭(メイリヨウ)。夏季の気温はかなり上昇する。冬季にはかなり寒く降雪もみられるが,長い積雪期間をもたないのが通例で,降水量は大陸の東岸に多い。
温帯湖
おんたいこ ヲン― [3] 【温帯湖】
表面水温の年最高値が摂氏四度以上,最低値が摂氏四度未満になる湖。
→熱帯湖
温床
おんどこ ヲン― [0] 【温床】
⇒おんしょう(温床)
温床
おんしょう【温床】
a hotbed <of crime> .→英和
温床
おんしょう ヲンシヤウ [0] 【温床】
(1)わら・落ち葉などの有機物の発酵熱や電熱などを利用して土の温度を高めた苗床。熱を保つようにガラス・ビニールなどで覆う。苗の促成,寒害からの保護などに用いる。おんどこ。フレーム。
⇔冷床
[季]冬。
(2)ある傾向や風潮が育つのに都合のよい環境。普通,悪いものについていう。「悪の―」
温度
おんど ヲン― [1] 【温度】
暖かさ冷たさの度合を示す数値。物理的には熱平衡を特徴づけ,熱の移動する傾向を表す量。微視的には,系を構成する粒子のもつエネルギーの分布を決め,その平均値の目安となる量。
→絶対温度
→温度[表]
温度
おんど【温度】
(a) temperature <rises,falls> .→英和
温度計 a thermometer.→英和
温度調節器 a thermostat (自動の).→英和
温度差発電
おんどさはつでん ヲン― [5] 【温度差発電】
海洋の表層水と深海の冷水など温度差を熱エネルギーとして利用する発電。
→海洋温度差発電
温度感覚
おんどかんかく ヲン― [4] 【温度感覚】
温・冷の刺激を受け取る感覚。温度覚。
温度放射
おんどほうしゃ ヲン―ハウ― [4] 【温度放射】
⇒熱放射(ネツホウシヤ)
温度目盛
おんどめもり ヲン― [4] 【温度目盛(り)】
温度を数値で表すために付けるしるし。理論的には熱力学によって定められた単位(K 絶対温度)を基準にする。実用的には,絶対温度(�K)と �=(�‐273.15)の関係にある摂氏目盛り(� ℃)を用いるが,アメリカなどでは華氏目盛り(℉)も用いる。
温度目盛り
おんどめもり ヲン― [4] 【温度目盛(り)】
温度を数値で表すために付けるしるし。理論的には熱力学によって定められた単位(K 絶対温度)を基準にする。実用的には,絶対温度(�K)と �=(�‐273.15)の関係にある摂氏目盛り(� ℃)を用いるが,アメリカなどでは華氏目盛り(℉)も用いる。
温度計
おんどけい ヲン― [0] 【温度計】
温度を測定する計器。液体温度計・気体温度計・抵抗温度計・熱電温度計・放射温度計・超音波温度計などがある。
温座
おんざ ヲン― [0] 【温座】
(1)安心してすわっていること。
(2)〔仏〕 座が冷える間もないほど休まず修行を続けること。温座行法(ギヨウボウ)。
温庭筠
おんていいん ヲンテイヰン 【温庭筠】
(812-870頃) 中国,晩唐の詩人。字(アザナ)は飛卿(ヒケイ)。艶麗な詩を作り,李商隠(リシヨウイン)と並び称せられる。また,詞の文学的質を高め,五代・宋の詞全盛時代の先駆をなした。著「温飛卿詩集」
温恭
おんきょう ヲン― [0] 【温恭】 (名・形動)[文]ナリ
おだやかでつつしみ深い・こと(さま)。「天資―」
温情
おんじょう ヲンジヤウ [0] 【温情】
思いやりのあるやさしい心。「―あふれる言葉」
温情ある
おんじょう【温情ある】
warmhearted.温情主義 paternalism.→英和
温情主義
おんじょうしゅぎ ヲンジヤウ― [5] 【温情主義】
他人に温情をもって接しようとする態度・傾向。特に労使関係で,福利厚生・賃上げなどに,労働者の権利としてではなく,経営者の温情として一定の理解を示し,労使協調を保とうとする考え方。家族主義。パターナリズム。
温排水
おんはいすい ヲン― [3] 【温排水】
原子力や火力の発電所,製鉄工場や化学工場などの産業施設の冷却水として用いられ,温かいまま海などに大量に排水される温水。
温故焼
おんこやき ヲンコ― [0] 【温故焼】
岐阜県大垣市から産する陶器。無釉(ムユウ)の炻器(セツキ)に金銀で絵付けをしたもの。1849年に清水温故が創始したという。美濃万古(ミノバンコ)。
温故知新
おんこちしん ヲンコ― [1] 【温故知新】
〔論語(為政)〕
昔の事を調べて,そこから新しい知識や見解を得ること。ふるきをたずねて新しきを知る。
温故知新書
おんこちしんしょ ヲンコ― 【温故知新書】
室町時代の国語辞書。三冊。大伴広公編。1484年成立。約一万二千語を頭音によって五十音の各部に分け,さらに乾坤(ケンコン)・時候など一二門に分ける。最古の五十音引き国語辞書。
温明殿
うんめいでん 【温明殿】
内裏の殿舎の一。紫宸殿(シシンデン)の東北にあって神鏡を安置する殿舎。おんめいでん。
→賢所(カシコドコロ)
→内侍所(ナイシドコロ)
→内裏
温暖
おんだん ヲン― [0] 【温暖】 (名・形動)[文]ナリ
気候などがあたたかな・こと(さま)。
⇔寒冷
「気候―な土地」
温暖な
おんだん【温暖な】
warm;→英和
mild <climate> .→英和
温暖前線 a warm front.
温暖前線
おんだんぜんせん ヲン― [5] 【温暖前線】
暖気が寒気を押すようにして移動していく前線。寒気側の広範囲に曇雨天が出現する。
⇔寒冷前線
温暖化
おんだんか ヲン―クワ [0] 【温暖化】
人間活動によって放出された温室効果ガスで地球の気温が上昇すること。地球の温暖化。
温暖夏雨気候
おんだんかうきこう ヲン― [7] 【温暖夏雨気候】
サバンナ気候の外側や大陸東岸の内陸部にみられる温帯気候の一。温暖湿潤気候に比し気温の年較差は小さいが,夏季は高温多雨,冬季は温暖で雨量は少ない。中国の華南・ガンジス川流域・ブラジル高原の南部・グランチャコ地方・オーストラリアの北東岸に分布する。温帯冬季少雨気候。
温暖湿潤気候
おんだんしつじゅんきこう ヲン― [9] 【温暖湿潤気候】
大陸の中緯度の東岸地方に分布する温帯気候の一。四季の変化がみられ,モンスーンが吹きこみ,雨量は比較的多い。夏季は高温多湿で,冬季は比較的気温が低く,乾燥する。西岸海洋性気候に比し,気温の年較差は大きい。日本(北海道を除く)・米国の東部・中国の華中・アルゼンチンのパンパ(東部)・オーストラリアの東部に分布する。温帯東岸気候。
温暖高気圧
おんだんこうきあつ ヲン―カウ― [7] 【温暖高気圧】
気温が周囲より高い高気圧。晴れることが多い。小笠原高気圧はその一。
温服
おんぷく ヲン― [0] 【温服】
薬を温めて飲むこと。
温柔
おんじゅう ヲンジウ [0] 【温柔】 (名・形動)[文]ナリ
(1)穏やかでやさしい・こと(さま)。「―な性質」
(2)あたたかでやわらかな・こと(さま)。
温柔敦厚
おんじゅうとんこう ヲンジウ― [0] 【温柔敦厚】
(性格が)柔和で誠実な人柄。温厚。
温柔郷
おんじゅうきょう ヲンジウキヤウ [0] 【温柔郷】
(1)遊里。花柳界。
(2)ねや。閨房(ケイボウ)。
温気
おんき ヲン― [1] 【温気】
あたたかみ。暖気。うんき。
温気
うんき [1] 【温気】
温かい空気。特に,蒸し暑い空気。「―に蒸される」「スチームの―の為めに/飇風(潤一郎)」
温水
おんすい ヲン― [0] 【温水】
あたたかい水。湯。
⇔冷水
「―プール」
温水器
おんすいき ヲン― [3] 【温水器】
電力・太陽熱などを利用して,水を加熱する器具。
温水暖房
おんすいだんぼう ヲン―バウ [5] 【温水暖房】
室外で加熱した温水を建物に循環させ,室内に放熱器を置いて暖房する方式。
温水浴
おんすいよく ヲン― [3] 【温水浴】 (名)スル
湯に入ること。温浴。
⇔冷水浴
温泉
おんせん【温泉】
a hot spring;a spa (鉱泉).→英和
‖温泉場(宿) a hot spring resort(hotel).温泉療法 a hot-spring cure;balneotherapy.
温泉
おんせん ヲン― [0] 【温泉】
(1)その地方の年平均気温より高い温度のわき水。日本では湯温が摂氏二五度以上か,または規定された物質を溶存するものと定められている。地下水が火山起源の熱で熱せられたものが多い。含有成分によって,単純泉・炭酸泉・硫黄泉などに分ける。いでゆ。
⇔冷泉
→鉱泉
(2){(1)}を利用した浴場。また,その浴場のある地域。温泉場。「鄙(ヒナ)びた―」
温泉マーク
おんせんマーク ヲン― [5] 【温泉―】
(1)地図で,温泉の記号。「♨」で表す。
(2)〔(1)を看板にすることが多かったことから〕
つれこみ宿。さかさくらげ。
温泉余土
おんせんよど ヲン― [5] 【温泉余土】
温泉水や噴気孔のガスによって,岩石が変質してできた粘土。温泉粘土。
温泉卵
おんせんたまご ヲン― [6][5] 【温泉卵】
卵黄は固まり,卵白は軟らかいゆで卵。摂氏六五〜六八度の湯に三〇分程度漬けておくとできる。この温度の温泉なら簡単に作れることからこの名がついたといわれる。
温泉場
おんせんば ヲン― [0] 【温泉場】
温泉のある場所。湯治場。
温泉宿
おんせんやど ヲン― [5] 【温泉宿】
温泉場にある宿屋。
温泉権
おんせんけん ヲン― [3] 【温泉権】
温泉源を利用する権利。湧出地で直接利用する権利のほか,引き湯して利用する権利も含む。慣習法上,湧出地の土地所有権とは別個の権利として取り扱われる。温泉専用権。源泉権。湯口権。
温泉津
ゆのつ 【温泉津】
島根県邇摩(ニマ)郡の町。日本海に臨む温泉町。泉質は含食塩炭酸泉。かつては対朝鮮航路の要港で,大森銀山の銀積み出し港として栄えた。
温泉生物
おんせんせいぶつ ヲン― [5] 【温泉生物】
湯温が摂氏五〇度以上の温泉にすむ生物。藍藻(ランソウ)類や細菌類などの原核植物・原生動物に属するものが多い。
温泉療法
おんせんりょうほう ヲン―レウハフ [5] 【温泉療法】
慢性疾患の治療や病後の疲労回復のため温泉を利用する方法。入浴・飲泉・吸入などの方法がある。
温泉華
おんせんか ヲン―クワ [3] 【温泉華】
温泉水の沈殿物。細かい結晶の集まりで,主成分は石灰・硫黄・ケイ酸など。ゆのはな。
温浴
おんよく【温浴】
<take> a hot bath.
温浴
おんよく ヲン― [0] 【温浴】 (名)スル
湯に入ること。「―療法」
温海温泉
あつみおんせん 【温海温泉】
山形県西部,温海川河畔の硫化水素泉。湯は天候により七色に変化する。庄内三楽湯の一つ。
温淸
おんせい ヲン― [0][1] 【温淸】
〔礼記(曲礼上)「凡為�人子�之礼,冬温而夏淸,昏定而晨省」による〕
父母が冬は暖かく夏は涼しく暮らせるように,子が親に孝行すること。温淸定省(テイセイ)。
温温
ぬくぬく [1] 【温温】 (副)
(多く「と」を伴って)
(1)体の中まで暖かく心地良いさま。「―と布団にくるまっている」
(2)苦労がなく,のんびりするさま。「親もとで―と暮らす」
(3)(食べ物などが)できたてで,あたたかいさま。「―のごはん」
(4)平然としているさま。ずうずうしいさま。ぬけぬけ。「此の孫右衛門を―とだまし/浄瑠璃・天の網島(中)」
温湯
おんとう ヲンタウ [0] 【温湯】
あたたかい湯。
温湯浸法
おんとうしんぽう ヲンタウ―パフ [5] 【温湯浸法】
播種用の種子を一定時間ぬるま湯に浸して消毒し,病害を予防する方法。黒穂病に有効。
温湿布
おんしっぷ ヲン― [3] 【温湿布】
温罨法(オンアンポウ)の一種。温湿布薬または温湯に浸してしぼった布などを患部に当てて温める方法。
⇔冷湿布
温灰
ぬくばい [2] 【温灰】
あたたかい灰。あつばい。
温灸
おんきゅう ヲンキウ [0] 【温灸】
もぐさを器具に入れて,間接的に患部にすえる灸。
温点
おんてん ヲン― [1][0] 【温点】
感覚点の一。皮膚と粘膜の一部に点在し,皮膚温より高い温度刺激を感ずる。
⇔冷点
温熱
おんねつ ヲン― [0] 【温熱】 (名・形動)[文]ナリ
(1)あたたかさ。
(2)熱。「自からの溢れる光輝と,―によつて全世界を照覧し/元始女性は太陽であつた(雷鳥)」
(3)温度が高いこと。あついこと。また,そのさま。「此の東南風は印度洋,支那海を経て吹き到る,故に本来甚だ―なるが上に/日本風景論(重昂)」
温熱療法
おんねつりょうほう ヲン―レウハフ [5] 【温熱療法】
摂氏三三度〜四五度くらいの温度で患部をあたためる治療法。
温燗
ぬるかん [0] 【温燗】
酒の燗の温度を低めにすること。また,その酒。
温燻
おんくん ヲン― [0] 【温燻】
摂氏四〇〜九〇度で数日ないし数時間燻煙をかけて燻製にする方法。水分が多く,長期保存はできない。
⇔冷燻
温石
おんじゃく ヲン― [0] 【温石】
(1)焼いた石を綿などで包んだもの。冬,体を暖めるのに使った。焼き石。[季]冬。《草庵の―の暖唯一つ/虚子》
(2)〔温石をぼろ切れに包んで用いたことから〕
ぼろを着ている人をあざけっていう語。
温石綿
おんじゃくめん ヲン― [4] 【温石綿】
⇒石綿(イシワタ)
温突
オンドル [0] 【温突】
〔朝鮮語〕
朝鮮や中国東北部の家屋で用いられている暖房装置。たき口で火を燃やし,床下に設けた煙道に煙を通して床を暖める。
温糟粥
うんぞうがゆ ウンザウ― [3] 【温糟粥】
禅寺で一二月八日朝に煮る粥。酒粕(カス)と味噌を加えた粥とも,昆布・串柿・大豆の粉などを入れた粥ともいい,なお異説もある。蝋八(ロウハチ)粥。
温純
おんじゅん ヲン― [0] 【温純】 (名・形動)[文]ナリ
おだやかで,すなおなこと。温和で混じりけのないこと。「―な気風」
温罨法
おんあんぽう ヲンアンパフ [3] 【温罨法】
患部を温める治療法。温湿布などの湿性温罨法と湯たんぽ・光線照射などの乾性温罨法がある。
⇔冷罨法
温習
おんしゅう ヲンシフ [0] 【温習】 (名)スル
繰り返し練習すること。おさらい。
温習会
おんしゅうかい ヲンシフクワイ [3] 【温習会】
日本舞踊や邦楽などで,練習の成果を発表する会。おさらい会。
温良
おんりょう ヲンリヤウ [0] 【温良】 (名・形動)[文]ナリ
(人の性質が)穏やかで,素直な・こと(さま)。「以前の通りの―な婦人となり/あめりか物語(荷風)」
[派生] ――さ(名)
温良恭倹譲
おんりょうきょうけんじょう ヲンリヤウ―ジヤウ 【温良恭倹譲】
〔論語(学而)〕
おだやかで,すなおで,うやうやしく,つつましく,人にゆずる態度。聖人が人に接するさまをいう。
温色
おんしょく ヲン― [0] 【温色】
(1)「暖色(ダンシヨク)」に同じ。
⇔冷色
(2)穏やかな顔色。
温藉
おんしゃ ヲン― [0][1] 【温藉】 (名・形動)[文]ナリ
心が広くやさしい・こと(さま)。「吟蜩は風流―,金を返して恩を報じ/露団々(露伴)」
温血
おんけつ ヲン― [0] 【温血】
あたたかい血液。
⇔冷血
温血動物
おんけつ【温血動物】
a warm-blooded animal.
温血動物
おんけつどうぶつ ヲン― [5] 【温血動物】
⇒恒温動物(コウオンドウブツ)
温覚
おんかく ヲン― [0] 【温覚】
皮膚および粘膜の温点が刺激を受けて,温度が上昇したことを感じる働き。刺激が大きいと痛覚になる。
⇔冷覚
温言
おんげん ヲン― [0] 【温言】
おだやかでやさしい言葉。温辞。「『お銀ちやん!』などと―で呼留める/二人女房(紅葉)」
温語
おんご ヲン― [0] 【温語】
あたたかく思いやりのある言葉。「―をきいた事も無い/浮雲(四迷)」
温野菜
おんやさい ヲン― [3] 【温野菜】
付け合わせに用いる温かい野菜料理。グラッセ,温サラダなど。
温量指数
おんりょうしすう ヲンリヤウ― [6][5] 【温量指数】
月平均気温五度以上の月について,月平均気温から五度を減じて加算した値。植物分布と密接に関係する。暖かさの指数。
温間加工
おんかんかこう ヲンカン― [5] 【温間加工】
塑性加工の一。金属を再結晶温度以下,室温以上に熱して成形する方法。加工力が小さくてすみ,寸法精度・品質の高い製品が得られる。
温雅
おんが ヲン― [1][0] 【温雅】 (名・形動)[文]ナリ
穏やかで上品な・こと(さま)。「―な立ち居振る舞い」
[派生] ――さ(名)
温雅な
おんが【温雅な】
graceful.→英和
温静
おんせい ヲン― [0] 【温静・穏静】 (名・形動)[文]ナリ
落ち着いていて穏やかな・こと(さま)。「何を以て心情の―を感ぜん/欺かざるの記(独歩)」
温順
おんじゅん ヲン― [0] 【温順】 (名・形動)[文]ナリ
(人柄などが)穏やかで素直な・こと(さま)。「―な性格」
[派生] ――さ(名)
温顔
おんがん【温顔】
a genial look[face].
温顔
おんがん ヲン― [0] 【温顔】
あたたかみのあるやさしい顔。「先生の御―に接する」
温風
おんぷう ヲン― [0] 【温風】
(1)暖房装置であたためて送り出す空気の流れ。
(2)あたたかい風。春の風。
温飽
おんぽう ヲンパウ [0] 【温飽】
衣服を暖かく着て,食物を十分に食べること。生活に不自由のないこと。暖衣飽食。
温麦
ぬるむぎ 【温麦】
ぬるくして食べる麺(メン)。熱麦(アツムギ)と冷麦(ヒヤムギ)の中間のもの。
温麺
うんめん [0][1] 【温麺】
油を使わないで作る素麺の一種。汁で煮て食べる。宮城県白石名物。うーめん。
渫い
さらい サラヒ [0] 【浚い・渫い】
さらうこと。かいて取り除くこと。掃除。さらえ。「どぶ―」
渫う
さら・う サラフ [0] 【浚う・渫う】
■一■ (動ワ五[ハ四])
(1)川・井戸などの底にたまった泥などを取り除く。さらえる。「どぶを―・う」
(2)すっかり取り除く。さらえる。「鍋の中を―・う」
[可能] さらえる
■二■ (動ハ下二)
⇒さらえる
渫え
さらえ サラヘ [0] 【浚え・渫え】
「さらい(浚)」に同じ。
測る
はか・る [2] 【計る・測る・量る】 (動ラ五[四])
〔名詞「はか」の動詞化〕
(1)物差し・枡(マス)・秤(ハカリ)などを用いて,物の長さ・量・重さなどを調べる。測定する。計測する。「物差しで寸法を―・る」「枡でお米を―・る」「ストップウオッチでタイムを―・る」
〔長さ・面積などをかぞえる場合「測る」,重さ・容積などをかぞえる場合「量る」,時間などをかぞえる場合「計る」とも書く〕
(2)心の中で推定する。想像する。おしはかる。「相手の気持ちを―・りかねている」「ころあいを―・る」
(3)(「図る」とも書く)予測する。「あに―・らんや(=ドウシテコノヨウナコトヲ予想シヨウカ?)」「―・らざるに病をうけて/徒然 49」
→図らず
→図らずも
[可能] はかれる
測候
そっこう ソク― [0] 【測候】
気象を観測すること。
測候所
そっこうじょ【測候所】
a meteorological observatory.
測候所
そっこうじょ ソク― [0][5] 【測候所】
気象庁の地方機関。管区気象台の下部組織で,全国に約百か所ある。定時の地上観測のほか,地震観測や,場所によっては火山・潮位の観測,ラジオ-ゾンデなどによる高層気象の観測などを行う。
測光
そっこう ソククワウ [0] 【測光】
光の強さ(光度・輝度・照度など)を測定すること。「―器」
測器
そっき ソク― [1][0] 【測器】
気象観測・測量などに使用する計測機器の総称。
測地
そくち【測地】
land surveying.
測地
そくち [0] 【測地】 (名)スル
土地を測量すること。
測地学
そくちがく [3] 【測地学】
地球およびその表面の地物の位置・形状を測定し,その変化を追究するとともに,地球の内部の構造・状態をも研究する学問。
測地線
そくちせん [0] 【測地線】
曲面上で,二点間の最短距離を与える曲線。球面の場合には中心を通る平面で切ったときの切り口に現れる円(大円)の弧。測地曲線。
測天法
そくてんほう [0] 【測天法】
⇒天文航法(テンモンコウホウ)
測定
そくてい [0] 【測定】 (名)スル
長さ・重さ・速さなど種々の量を器具や装置を用いてはかること。直接行う方法と,理論によって間接的に行う方法とがある。また,広く自然や社会の現象を記述するため,一定の規則にしたがいその対象の量に数値をわりあてることをいう。「距離を―する」「民度を―する」「体力―」「―値」
測定
そくてい【測定】
measurement.→英和
〜する measure.→英和
⇒測量.
測度
そくたく [0] 【測度】 (名)スル
おしはかること。推測。
測度
そくど [1] 【測度】
(1)度数をはかること。
(2)〔数〕
〔measure〕
長さ・面積・体積の概念の拡張として,一般の集合に対して定義される量。
→ルベーグ積分
測微尺
そくびしゃく [3] 【測微尺】
⇒マイクロメーター
測微計
そくびけい [0] 【測微計】
⇒マイクロメーター
測斜計
そくしゃけい [0] 【測斜計】
⇒クリノメーター
測桿
そっかん ソク― [0] 【測桿】
測量の際の目標,また尺度として用いられる木製の棒。直径約3センチメートル,長さ2〜4メートルで,二〇あるいは30センチメートルごとに交互に赤白に塗りわけてある。ポール。
測深
そくしん [0] 【測深】 (名)スル
水深を測ること。「鋼索―」
測深
そくしん【測深】
sounding.→英和
測深器 a sounder.
測深器
そくしんき [3] 【測深器】
水深を測るための装置。ワイヤーに錘(オモリ)をつけたものと,超音波の反射を利用する音響測深器とがある。
測深錘
そくしんすい [3] 【測深錘】
⇒測鉛(ソクエン)
測点
そくてん [0] 【測点】
測量の基準とする点。
測程器
そくていき [3] 【測程器】
航海中の船舶の速力および航走距離を測る機器。ログ。測程儀。
測算
そくさん [0] 【測算】 (名)スル
はかりかぞえること。
測索
そくさく [0] 【測索】
水深を測るための,先端に錘(オモリ)がついた綱。
測色計
そくしょくけい [0] 【測色計】
色を測定して数値で表す計器。色を三原色に分解しそれぞれを物理的数値で表す。色彩計。カラー-メーター。
測角器
そっかくき ソクカク― [4][3] 【測角器】
角度を測定する器具。分度器・角度定規や六分儀・経緯儀などがある。角度計。
測距儀
そっきょぎ ソクキヨ― [3] 【測距儀】
目標物までの距離を測定する機器。ふつうは二つの視点による視差から三角法で距離を求める方式のものをいうが,レーザー光線や電波を利用するものもある。
測量
そくりょう【測量】
measurement;→英和
survey(-ing) (土地の);→英和
sounding (水深の).→英和
〜する (make a) survey;sound.→英和
‖測量技師 a surveyor.測量図 a survey map.写真測量 a photo survey.
測量
そくりょう [0][2] 【測量】 (名)スル
(1)機器を用いて地表上の各点相互の距離・角度・高低差を測定し,形状や面積などを求め,これを数値や図面で表す技術。
(2)おしはかること。推測。「器械的に輿論を―する能はざるは勿論/花間鶯(鉄腸)」
測量器械
そくりょうきかい [6][5] 【測量器械】
測量で使う器械。トランシット・レベルなど。
測量図
そくりょうず [3] 【測量図】
測量して作った地図。
測量士
そくりょうし [3] 【測量士】
測量法に基づき,測量に関する計画を作成し,実施する者。
測量標
そくりょうひょう [0] 【測量標】
測量のため,一定の地点に設けた標識。
測量法
そくりょうほう 【測量法】
土地の測量の実施基準,実施に必要な権能を定め,測量業の適正な運営を図るための法律。1949年(昭和24)制定。
測量船
そくりょうせん ソクリヤウセン 【測量船】
詩集。三好達治作。1930年(昭和5)刊。抒情詩のさまざまな可能性を探った昭和新詩の代表的詩集。
測量船
そくりょうせん [0] 【測量船】
(1)海図作製のため,海上,沿岸陸地の形状,海洋・港湾の水深,海底の地形・地質,海流調査などの測量を行う船。
(2)書名(別項参照)。
測鉛
そくえん [0] 【測鉛】
綱の先に鉛の錘(オモリ)をつけたもの。海中に投げ入れて水深を測る。測錘。測深錘。
測錘
そくすい [0] 【測錘】
⇒測鉛(ソクエン)
測鎖
そくさ [0] 【測鎖】
距離を測るための器具。一定の長さの鉄棒を鎖状につないだもの。チェーン。測鏈(ソクレン)。
測風気球
そくふうききゅう [5] 【測風気球】
上空の風向・風速観測用のゴム気球。水素ガスまたはヘリウム-ガスを詰めて飛ばし,測風経緯儀によって追跡する。
測高器
そっこうき ソクカウ― [3] 【測高器】
樹木や建物などの高さを測量する器具。
渭川
いせん ヰ― [0] 【渭川】
渭水の別名。
渭水
いすい ヰ― 【渭水】
中国,陝西(センセイ)省を東流する黄河の大支流。甘粛(カンシユク)省南東部に源を発する。長さ870キロメートル。西安を中心とする渭水盆地は周代から唐代まで政治・文化の中心であった。渭河。渭川(イセン)。ウェイシュイ。
渭河
いが ヰ― 【渭河】
⇒渭水(イスイ)
港
みなと [0] 【港・湊】
〔「水の門(ト)」の意〕
(1)海が陸地に入り込んだ所を利用したり,防波堤などを築いて外海の荒い波を防ぎ,船舶が安全に停泊できるようにした所。港湾。「船が―にはいる」
(2)河・海などの水の出入り口。「近江の海八十の―に鶴(タズ)さはに鳴く/万葉 273」
(3)行き着く所。「年ごとにもみぢ葉ながす竜田川―や秋のとまりなるらむ/古今(秋下)」
港
みなと 【港】
東京都二三区の一。都心の南部に隣接する。赤坂・芝・麻布の旧三区が合併。大阪市・名古屋市にも港区がある。
港
みなと【港】
a harbor;→英和
a port.→英和
港町 a port (town).
港内
こうない カウ― [1] 【港内】
港のなか。
⇔港外
港内に[で]
こうない【港内に[で]】
inside the harbor;→英和
in the port.→英和
港則
こうそく カウ― [0] 【港則】
港湾内で,船舶が守るべき規則。
港務
こうむ カウ― [1] 【港務】
港湾施設の管理・維持に関する事務。
港口
こうこう カウ― [0] 【港口】
港の出入り口。
港図
こうず カウヅ [1] 【港図】
⇒港泊図(コウハクズ)
港外
こうがい カウグワイ [1] 【港外】
みなとのそと。
⇔港内
「―待避」
港外の[に]
こうがい【港外の[に]】
outside the port[harbor].→英和
港川人
みなとがわじん ミナトガハ― [5] 【港川人】
沖縄県島尻郡具志頭村にある港川遺跡から発見された化石人骨。旧石器時代約一万七〇〇〇年前の新人で,完全な骨格標本。
港市
こうし カウ― [1] 【港市】
みなとまち。港湾都市。
港江
みなとえ 【港江】
港のある入り江。「夕立のまだ過ぎやらぬ―の/続古今(雑上)」
港泊図
こうはくず カウハクヅ [4] 【港泊図】
港湾・泊地・錨地(ビヨウチ)・水道・瀬戸などの小区域を詳細に描いた航海用海図。船舶が港湾に出入りしたり,停泊する時に使用する。港図。
港津
こうしん カウ― [0] 【港津】
みなと。船着き場。
港湾
こうわん カウ― [0] 【港湾】
外海からの風浪をさえぎり,船舶が安全に発着または停泊できるような陸地に入り込んだ海域。また,人工的にそのように作った所。一般に貨客の積みおろし,商品の貯蔵,水陸の連絡などの設備を有する。みなと。
港湾
こうわん【港湾】
harbors.‖港湾施設 harbor facilities.港湾労働者 a docker;stevedore; <米> a longshoreman.
港湾都市
こうわんとし カウ― [5] 【港湾都市】
港湾を中心として,水上交通の要地に発達した都市。商業・貿易都市であることが多いが,後背地が工業地帯である場合は工業都市としての機能を有する。港市。
港町
みなとまち [3] 【港町】
港が中心となって交通や商業活動が行われている町。
港界
こうかい カウ― [0] 【港界】
港の境界。法律上,船舶が出港あるいは入港したと認定される境界線。港界線。
游ぐ
およ・ぐ [2] 【泳ぐ・游ぐ】 (動ガ五[四])
〔古くは「およく」と清音か〕
(1)人・動物などが,手足やひれを動かして水面や水中を移動する。「海で―・ぐ」「川を―・いで渡る」「鹿は三四許(バカリ)―・ぎて渡りける/今昔 23」
(2)うまく世の中で活動する。巧みに世を渡る。「政界を巧みに―・ぐ」
(3)人ごみの中で,人をかき分けて進む。「群集の中を―・いでつき進む」
(4)よろめいて空(クウ)をかくようなかっこうになる。また,ゆれる。「体が―・ぐ」
(5)遊興に深入りする。「自身陥(ハ)まつて―・ぎ出すものなり/浮世草子・禁短気 5」
[可能] およげる
游侠
ゆうきょう イウケフ [0] 【遊侠・游侠】
仁義を守り,任侠を売り物にする人。おとこだて。侠客。
游動
ゆうどう イウ― [0] 【遊動・游動】 (名)スル
(1)自由に動くこと。「小魚の―するを見るなど,如何にも閑雅の棲居(スマイ)なり/花間鶯(鉄腸)」
(2)哺乳類の生活様態の一。かなり広い地域を日常的な生活の場を移動しながら暮らし,年間を通じてみると一定の範囲内を規則的に巡回しているもの。
游士
ゆうし イウ― [1] 【遊士・游士】
(1)風流に遊んで暮らす男。みやびお。
(2)中国の春秋戦国時代,仕官を目的として,抗争中の諸侯を歴訪し政策を説いた人。遊説家。
游子
ゆうし イウ― [1] 【遊子・游子】
家を離れて他郷にある人。旅人。「小諸なる古城のほとり,雲白く―悲しむ/落梅集(藤村)」
游撃
ゆうげき イウ― [0] 【遊撃・游撃】 (名)スル
(1)あらかじめ攻撃する敵を定めておかず,時に応じて敵に襲いかかり,また味方を助けること。
(2)「遊撃手」の略。
游民
ゆうみん イウ― [0] 【遊民・游民】
職業にもつかず,遊んで暮らしている人。のらくらもの。遊手。「高等―」
游泳
ゆうえい イウ― [0] 【遊泳・游泳】 (名)スル
(1)泳ぐこと。水泳。「―禁止」
(2)じょうずに世間を渡ること。世渡り。「―術にたけている」
游禽
ゆうきん イウ― [0] 【游禽】
水面に浮かんで休息したり餌(エサ)をさがす鳥類の総称。水かきをもち,脂腺が発達し,遊泳に適した形態をそなえる。ガンカモ類・カモメ・ウなど。
游軍
ゆうぐん イウ― [1] 【遊軍・游軍】
(1)待機していて,時機を見計らって出動し,味方を助ける部隊。遊撃隊。
(2)特定の,所属や任務が決められていないで,忙しい仕事やむずかしい仕事を援助する人たち。「―記者」
游魚
ゆうぎょ イウ― [1] 【游魚・遊魚】
泳いでいる魚。
渺
びょう ベウ [1] 【渺】 (ト|タル)[文]形動タリ
水のはてしなく広がっているさま。「水煙―として,曇らぬ空に雲かと見る/歌行灯(鏡花)」
渺乎
びょうこ ベウ― [1] 【渺乎】 (ト|タル)[文]形動タリ
たいへん小さいさま。「―たる一小島なるにも係らず/愛弟通信(独歩)」
渺渺
びょうびょう ベウベウ [0] 【渺渺】 (ト|タル)[文]形動タリ
果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。「―たる平原の尽くる下より/趣味の遺伝(漱石)」
渺漠
びょうばく ベウ― [0] 【渺漠】 (ト|タル)[文]形動タリ
広々として果てしないさま。広漠。「亜細亜は―たる曠野多く/明六雑誌 5」
渺漫
びょうまん ベウ― [0] 【渺漫】 (ト|タル)[文]形動タリ
広々として果てしのないさま。渺渺。「小松原―として遠く連り/日光山の奥(花袋)」
渺然
びょうぜん ベウ― [0] 【渺然】 (ト|タル)[文]形動タリ
広々として果てしのないさま。遥かに限りないさま。「―たる大海」
渺茫
びょうぼう ベウバウ [0] 【渺茫】 (ト|タル)[文]形動タリ
果てしなく広いさま。「―として際涯なき大洋/良人の自白(尚江)」「半夜孤月を―たる滄溟の上に眺めては/世路日記(香水)」
渺茫たる
びょうぼう【渺茫たる】
vast;→英和
boundless.→英和
渾円
こんえん [0] 【渾円】
完全にまるいこと。まんまる。
渾円球
こんえんきゅう [0] 【渾円球】
(1)まるいたま。
(2)地球のこと。
渾名
あだな [0] 【渾名・綽名】 (名)スル
〔「あだ」は他・別の意〕
(1)本名のほかに,その人の容姿・性行などの特徴をとらえてつけた別の名前。愛称や蔑称としてつけた名。ニックネーム。「―をつける」
(2)別の名で呼ばれること。「南海の竜と―される男」
渾名
こんめい [0] 【渾名・諢名】
あだな。愛称。
渾天
こんてん [0] 【渾天】
天。まるい天。
渾天儀
こんてんぎ [3] 【渾天儀】
古代中国の天文観測装置。地平線およびそれに直角に交わる子午線,天の赤道や黄道などを表す目盛付各円環を組み合わせたもの。赤道環や黄道環を回転させて,天体の位置や運行を観測する。渾儀。
渾天儀[図]
渾天説
こんてんせつ [3] 【渾天説】
古代中国の代表的な宇宙観・宇宙構造説の一。球状の天に包まれて,地が中央に存在するというもの。前四世紀頃より説かれ,後漢の張衡によって明確に論じられた。
→蓋天説
→宣夜説
渾成
こんせい [0] 【渾成】 (名)スル
ひとつにまとめあげること。ひとつにまとまること。「其妙味は…自然に―する処にあるが如し/獺祭書屋俳話(子規)」
渾沌
こんとん [0] 【混沌・渾沌】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)天地創造の神話で,天と地がまだ分かれず,まじり合っている状態。カオス。「―たる宇宙/社会百面相(魯庵)」
(2)入りまじって区別がつかず,はっきりしないさま。「勝敗の行方は―としている」「敗戦直後はすべてが―の中にあった」
渾渾
こんこん [0] 【渾渾・混混】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)「こんこん(滾滾)」に同じ。「葡萄の美酒は―として傍(ワキ)を流れて/うづまき(敏)」
(2)入り乱れるさま。「―沌沌(トントン)」
渾然
こんぜん [0] 【渾然】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔「混然」とも書く〕
いくつかのものがとけ合って区別できないさま。「―と融和する」「―として一如となる/平凡(四迷)」
渾然と
こんぜん【渾然と】
harmoniously;→英和
wholly.→英和
渾然一体
こんぜんいったい [0] 【渾然一体】
全体が溶けあって一つのものになること。
渾融
こんゆう [0] 【渾融】 (名)スル
入りまじって,一つにとけ合うこと。「―して一となす/真善美日本人(雪嶺)」
渾身
こんしん [0] 【渾身】
からだ全体。満身。「―の力をふりしぼって戦う」「―の血は湧き立てり/即興詩人(鴎外)」
渾身の力
こんしん【渾身の力】
<with> all one's might.
湊
みなと [0] 【港・湊】
〔「水の門(ト)」の意〕
(1)海が陸地に入り込んだ所を利用したり,防波堤などを築いて外海の荒い波を防ぎ,船舶が安全に停泊できるようにした所。港湾。「船が―にはいる」
(2)河・海などの水の出入り口。「近江の海八十の―に鶴(タズ)さはに鳴く/万葉 273」
(3)行き着く所。「年ごとにもみぢ葉ながす竜田川―や秋のとまりなるらむ/古今(秋下)」
湊合
そうごう [0] 【湊合】 (名)スル
一つに集まること。「諸の意志の―するものに非ずして/民約論(徳)」
湊川
みなとがわ 【湊川】
六甲山地を水源とする天王谷川と石井川の合流点から下流部の称。神戸市街中央を流れて神戸港に注ぐ。
湊川の戦い
みなとがわのたたかい 【湊川の戦い】
建武政府の崩壊と足利幕府の成立を決定させた合戦。1336年5月,九州から東上した足利尊氏兄弟の大軍を新田義貞・楠木正成の朝廷軍が摂津兵庫浜の湊川付近に迎え撃ったが,新田勢は敗走し,楠木正成は奮戦のすえ自害。足利軍は京都を占領,南北朝時代が開始されることとなった。
湊川神社
みなとがわじんじゃ 【湊川神社】
神戸市にある神社。楠木正成を主祭神とする。1872年(明治5)の創建。楠公(ナンコウ)さん。
湊成
そうせい [0] 【湊成】 (名)スル
(1)成し遂げること。出来上がること。「角柱数千万より―するを/日本風景論(重昂)」
(2)一つに集めること。集まること。「光りの―すること,及び色の原因を発明したるも/西国立志編(正直)」
湊紙
みなとがみ [3] 【湊紙】
和泉国(現在の大阪府)湊村で創製された粗製の鳥の子紙。壁の腰張りなどに用いる。
湍津姫命
たぎつひめのみこと 【湍津姫命・多岐都比売命】
記紀神話の神。宗像(ムナカタ)三女神の一柱。天照大神(アマテラスオオミカミ)と素戔嗚尊(スサノオノミコト)との誓約(ウケイ)の際生まれた。大国主神の妻。
湍流
たんりゅう [0] 【湍流】
水勢が強くて速い流れ。急流。
湑み
したみ [0] 【湑み】
〔動詞「湑む」の連用形から〕
(1)水滴などのしたたり。
(2)「湑み酒」の略。「此一木の陰にて呑み懸け間もなき―露よりかろき事なれども/浮世草子・二十不孝 1」
湑み酒
したみざけ 【湑み酒】
升などからあふれてたまった酒。また,飲み残しの酒や燗(カン)冷ましをいう。したみ。「京屋で太々講があつて,一番好きな―/咄本・無事志有意」
湑む
した・む [2] 【湑む・釃む】 (動マ五[四])
(1)水分が残らないように,しずくを垂らし切る。「煮汁を―・む」
(2)水分を布に吸い取らせる。「着る物にて残らず―・み/浮世草子・一代男 6」
湖
みずうみ ミヅ― [3] 【湖】
〔水海の意〕
周囲を陸地で囲まれたくぼ地で水をたたえた所。池や沼よりも大きく,沿岸植物が生育できない深い湖盆(5メートル以上)をもつもの。
→湖[表]
湖
みずうみ【湖】
a lake.→英和
湖上
こじょう [0] 【湖上】
湖の上。「―の月」
湖上の美人
こじょうのびじん コジヤウ― 【湖上の美人】
〔原題 The Lady of the Lake〕
イギリスの詩人スコットの物語詩。1810年刊。スコットランドの湖の小島に住む貴族の娘をめぐって,国王ら三人の勇士が恋と武勇を競う。
湖中
こちゅう [0] 【湖中】
湖の中。湖の水の中。
湖処子
こしょし 【湖処子】
⇒宮崎(ミヤザキ)湖処子
湖北
こほく [1][0] 【湖北】
湖の北。日本では多く琵琶湖の北,中国では洞庭湖の北の地をいう。
湖北
こほく 【湖北】
中国,長江中流域を占める省。米・綿花の産出が多い。鉄鉱・石炭などの地下資源も豊富。省都,武漢。別名,鄂(ガク)。フーペイ。
湖南
こなん 【湖南】
(1)琵琶湖の南側一帯の地。
(2)中国,長江中流の南にある省。北部に洞庭湖がある。温暖・湿潤で,米作を中心とする農耕地帯。アンチモン・水銀など地下資源も豊富。省都,長沙(チヨウサ)。別名,湘(シヨウ)。フーナン。
湖南事件
こなんじけん 【湖南事件】
⇒大津事件(オオツジケン)
湖尻
こじり [0] 【湖尻】
湖の水が河川に流出していく側。また,湖の端の狭くなっている部分。
→湖頭
湖岸
こがん [0] 【湖岸】
みずうみのきし。湖畔。
湖川
こせん [0] 【湖川】
湖沼と河川。
湖川港湾
こせんこうわん [0][4] 【湖川港湾】
湖川および港など平水区域の水域。内水。
湖州鏡
こしゅうきょう コシウキヤウ [0] 【湖州鏡】
中国,宋代に浙江(セツコウ)省湖州で鋳造され,背面に湖州の名を鋳出してある鏡。円形・方形・六花形などで,背面に文様のない鏡が多い。日本には平安後期・鎌倉時代に伝えられた。
湖底
こてい [0] 【湖底】
みずうみの底(ソコ)。
湖心
こしん [0] 【湖心】
湖の真ん中。「―に浮かぶ島」
湖月
こげつ [1] 【湖月】
湖水に映った月。湖上の月。
湖月抄
こげつしょう 【湖月抄】
注釈書。六〇巻。北村季吟著。1673年成立。源氏物語の古注の集大成。青表紙系統本に,古注・師説・自説を注記。源氏物語を一般に普及させるのに役立った。
湖東焼
ことうやき [0] 【湖東焼】
〔「湖東」は琵琶湖の東の意〕
江戸後期から明治時代にかけて滋賀県彦根付近に産した陶器。彦根の商人が始め,のちに井伊家の藩窯となった。
湖水
こすい【湖水】
a lake.→英和
湖水
こすい [0] 【湖水】
みずうみ。また,みずうみの水。
湖水地方
こすいちほう 【湖水地方】
〔Lake District〕
イギリス,イングランド北西部にある山岳地方。氷河により形成された湖沼群からなる景勝地で,ワーズワースやコールリッジなどの詩人たちに愛された。
湖沼
こしょう [0] 【湖沼】
みずうみとぬま。
湖沼
こしょう【湖沼】
lakes and marshes.
湖沼型
こしょうがた [0] 【湖沼型】
生物相や生産量,水中の成分などによって分類した湖沼の型。栄養塩類などの条件が適度で,総生産量にかかわらず全体として生産・消費・分解のバランスのとれた生物相を有する調和型と,特定の物質の過剰などによって一定の種のみが繁殖するか,全生産量の低下する非調和型に大別する。
湖沼学
こしょうがく [2] 【湖沼学】
陸水学の分野の一。湖沼の成因・形態・水質・生物などに関する研究を行う。
湖沼法
こしょうほう 【湖沼法】
「湖沼水質保全特別措置法」の略称。湖沼の水質保全のための諸施策・規制を定める。1984年(昭和59)制定。
湖海
こかい [1] 【湖海】
(1)みずうみとうみ。また,みずうみ。
(2)民間。世間。江湖。
湖海の士
こかいのし 【湖海の士】
〔魏書(陳登伝)〕
民間にいて雄大な気を有する人物。
湖港
ここう [0] 【湖港】
湖にある港。
湖田
こでん [0] 【湖田】
中国,宋代の囲田の一。湖の一部を堤防で囲み,その中を田地として稲や麦を植えたもの。
湖畔
こはん [0] 【湖畔】
湖のほとり。
湖畔の
こはん【湖畔の】
lakeside <hotel> ; <a house> by[on]the lake.→英和
湖畔詩人
こはんしじん [4] 【湖畔詩人】
〔Lake Poets〕
一九世紀初頭,イギリスで活躍したワーズワース・コールリッジ・サウジーらをいう。イングランドの湖水地方に居住し,自然の素朴さを愛好してそこに霊感を求め,瞑想的な詩を作った。
湖西
こさい 【湖西】
静岡県西部,浜名湖西岸にある市。養殖漁業・花卉(カキ)栽培が盛ん。電気・自動車部品工業が立地。
湖西
こせい [0] 【湖西】
湖の西。こさい。
湖西線
こせいせん 【湖西線】
JR 西日本の鉄道線。京都市山科と滋賀県近江塩津間,74.1キロメートル。琵琶湖西岸を通じ,京阪神と北陸とを結ぶ。
湖辺
こへん [0] 【湖辺】
湖のほとり。
湖都
こと [1] 【湖都】
湖のほとりにある都市。
湖面
こめん [0] 【湖面】
湖の水面。湖の表面。
湖頭
ことう [0] 【湖頭】
(1)湖沼で,河川が流入する側。
→湖尻(コジリ)
(2)湖のほとり。
湘勇
しょうゆう シヤウ― 【湘勇】
太平天国平定のため,1853年曾国藩(ソウコクハン)が郷里の湖南省湘郷県で組織した義勇軍。湘軍。
湘南
しょうなん シヤウナン 【湘南】
神奈川県相模(サガミ)湾沿岸一帯の地域の称。鎌倉・逗子・葉山・大磯などを含む。温暖な気候と長い海岸線に恵まれ,京浜地区の住宅地・行楽地。
湘南工科大学
しょうなんこうかだいがく シヤウナンコウクワ― 【湘南工科大学】
私立大学の一。1963年(昭和38)相模工業大学として設立,90年(平成2)現名に改称。本部は藤沢市。
湘君
しょうくん シヤウ― 【湘君】
古代中国の女神。尭帝の二人の娘娥皇・女英がともに舜の妃となったが,舜の没後その死を悲しんで,湘水に投身し,水神になったものという。
湘水
しょうすい シヤウ― 【湘水】
⇒湘江(シヨウコウ)
湘江
しょうこう シヤウカウ 【湘江】
中国,湖南省の東部を流れる河川。広西チワン族自治区の北部に源を発し,北流して洞庭湖に注ぐ。流域に衡陽・湘潭(シヨウタン)・長沙などの都市がある。長さ1150キロメートル。湘水。シアン-チアン。
湘軍
しょうぐん シヤウ― [0] 【湘軍】
⇒湘勇(シヨウユウ)
湛える
たたえる【湛える】
fill[brim] <with> .→英和
笑(えみ)を湛えて with a smile.→英和
湛える
たた・える タタヘル [0][3] 【湛える】 (動ア下一)[文]ハ下二 たた・ふ
(1)液体をいっぱいにする。みたす。「満々と水を―・えた湖」「目に涙を―・える」「池を―・へしめ給へるを/栄花(駒競べの行幸)」
(2)表情を浮かべる。「悲しみを―・える」「笑みを―・える」
湛ふ
たた・う タタフ 【湛ふ】
■一■ (動ハ四)
水などがいっぱいに満ちている。「濁れる水の―・ふさかりに/山家(雑)」
■二■ (動ハ下二)
⇒たたえる
湛慶
たんけい 【湛慶】
(1173-1256) 鎌倉時代の仏師。運慶の子。洗練された温和な作風をもち,三十三間堂の千手観音,雪蹊寺の毘沙門天三尊などを造った。
湛水
たんすい [0] 【湛水】
水をたたえること。
湛水直播
たんすいちょくはん [5] 【湛水直播】
種子を水を入れた田にじかまきすること。北海道など寒冷地で試みられる。
⇔乾田直播
湛海
たんかい 【湛海】
(1629-1716) 江戸中期の修験僧・仏師。伊勢の人。諸国を行脚したのち,生駒山の宝山寺を中興。不動明王・歓喜天(カンギテン)を深く信仰,専門仏師と異なる力強い彫刻で「五大明王像」などの作を多く残す。
湛湛
たんたん [0][3] 【湛湛】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)水などが深くたたえられているさま。「―たる禅心は清みて水に似たれども/南遊集」
(2)露の多いさま。「晞陽―として群黎せらる/凌雲集」
湛然
たんぜん [0] 【湛然】 (ト|タル)[文]形動タリ
静かに水をたたえているさま。また,静かで動かないさま。「―として音なき秋の水に臨むが如く/薤露行(漱石)」
湛然
たんねん 【湛然】
(711-782) 中国天台宗の第九祖(智顗(チギ)を初祖として六祖と通称)。天台中興の祖。荊渓尊者・妙楽大師と称される。智顗の著述の研究とその教学の宣揚につとめた。著「法華玄義釈籤」「摩訶止観輔行伝弘決」など。
湧かす
わか・す [0] 【湧かす】 (動サ五[四])
〔「沸かす」と同源〕
(1)虫などが発生するにまかせる。「ごみ箱にうじ虫を―・す」
(2)わき出るようにする。「水をも―・し出して/撰集抄 7」
湧き
わき [0] 【湧き・涌き】
〔動詞「湧く」の連用形から〕
魚群が押し寄せて,海面が泡立ち白くなること。
湧き上がる
わきあが・る [4] 【湧き上(が)る・涌き上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)下の方からわいて,現れる。「雲が―・る」
(2)盛んに起こる。「歓声が―・る」
(3)感情が高まってくる。「―・つて来る癇癪を抑へ/いさなとり(露伴)」
湧き上る
わきあが・る [4] 【湧き上(が)る・涌き上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)下の方からわいて,現れる。「雲が―・る」
(2)盛んに起こる。「歓声が―・る」
(3)感情が高まってくる。「―・つて来る癇癪を抑へ/いさなとり(露伴)」
湧き出す
わきだ・す [3] 【湧き出す・涌き出す】 (動サ五[四])
わいて出てくる。「泉が―・す」
湧き出づ
わきい・ず 【湧き出づ・涌き出づ】 (動ダ下二)
「涌き出る」に同じ。「―・でたる水を見て/宇津保(祭の使)」
湧き出る
わき・でる [3] 【湧き出る・涌き出る】 (動ダ下一)[文]ダ下二 わき・づ
(1)水が地中から出てくる。「地下水が―・でる」
(2)涙などが流れ出る。感情がこみ上げる。「―・でる涙」
(3)急に起こる。突然あらわれる。「黒雲がにわかに―・でる」
(4)考え・感情などがつぎつぎと心に生じる。「勇気が―・でる」
(5)虫などが発生する。「虫ガ―・ヅル/日葡」
湧き出る
わきでる【湧き出る】
[泉などが]gush (out);→英和
flow;→英和
[涙が]flow;→英和
gush;start.→英和
湧き口
わきぐち [2] 【湧き口・涌き口】
温泉などがわき出てくる所。
湧き水
わきみず [0][2] 【湧き水・涌き水】
地中からわいて出る水。ゆうすい。
湧き湯
わきゆ [0] 【湧き湯・涌き湯】
地中からわき出る湯。温泉。いでゆ。
湧き立つ
わきた・つ [3] 【湧き立つ・涌き立つ】 (動タ五[四])
雲などが,勢いよく出てくる。「入道雲が―・つ」
湧き起こる
わきおこ・る [4] 【湧き起こる・涌き起こる】 (動ラ五[四])
(1)底の方から表面に勢いよく現れる。「雲が―・る」
(2)急に起こる。「天女の合唱―・り/ふらんす物語(荷風)」
湧く
わく【湧く】
(1)[湧出]⇒湧き出る.
(2)[発生][うじなどが]breed;→英和
grow.→英和
希望が〜 gain[have](fresh) hope.
湧く
わ・く [0] 【湧く・涌く】 (動カ五[四])
(1)水などが地中から出てくる。「泉が―・く」
(2)汗・涙などが出る。「涙が―・く」
(3)感情などが生じる。「喜びが―・く」「興味が―・く」「希望が―・く」
(4)物事が生じる。急に表れる。また,盛んに起こる。「アイディアが―・く」「歌声が―・く」「雲が―・く」「憂き事のかく―・く時は/伊勢集」
(5)虫などが発生する。「ぼうふらが―・く」
〔「わかす」に対する自動詞〕
[慣用] 降って湧いたよう
湧出
ようしゅつ [0] 【湧出・涌出】 (名)スル
「ゆうしゅつ(湧出・涌出)」に同じ。「水忽(タチマ)ち―すればなり/月世界旅行(勤)」
湧出
ゆうしゅつ [0] 【湧出・涌出】 (名)スル
地中からわき出ること。ようしゅつ。「温泉の―するを見る/日光山の奥(花袋)」
湧昇
ゆうしょう [0] 【湧昇】
深層の海水が上昇して表層で発散する現象。それに伴って栄養塩類が運び上げられて生物の繁殖を助け,好漁場となる。カリフォルニア沖・ペルー沖などに発達する。湧昇流。上昇流。
湧水
ゆうすい [0] 【湧水】
わきみず。
湧泉
ゆうせん [0] 【湧泉・涌泉】
いずみ。ようせん。
湧然
ゆうぜん [0] 【湧然・涌然】 (ト|タル)[文]形動タリ
水や声・感情などが盛んにわき起こるさま。「絃歌の声が―と起こり/幇間(潤一郎)」
湫
くで 【湫】
〔古くは「くて」〕
水草などの生えている低湿地。
湮没
いんぼつ [0] 【湮没】 (名)スル
すっかりうずもれて見えなくなること。「学術文芸終に―するに至れり/新聞雑誌 56」
湮滅
いんめつ [0] 【湮滅・堙滅】 (名)スル
うずもれて跡形もなくなること。すっかりなくしてしまうこと。「証拠を―する」「当代の遺蹟今将(ハ)た―し去つて/続千山万水(乙羽)」
湯
ゆ【湯】
hot water;⇒風呂.〜を沸かす boil water.‖男(女)湯 the men's (women's) section.湯加減はいかがですか How is the bath? 湯の町 a hot spring resort;a spa.
湯
ゆ [1] 【湯】
(1)水を煮えたたせて熱くしたもの。「―ざまし」「鉄瓶の―がたぎっている」
(2)入浴するため,あたためた水。風呂。「―加減」「―にはいる」「―から上がる」
(3)温泉。いでゆ。「箱根の―」「―の里」
(4)金属を溶かして液状にしたもの。「なまりの―」
(5)煎(セン)じ薬。薬湯(ヤクトウ)。「なほ試みに,暫し―を飲ませなどして助け試みむ/源氏(手習)」
(6)船の底にたまった水を忌んでいう語。淦(アカ)。
湯
とう タウ 【湯】
殷(イン)の湯王のこと。
湯たんぽ
ゆたんぽ【湯たんぽ】
a hot-water bottle.
湯の泡
ゆのあわ 【湯の泡】
硫黄(イオウ)。[和名抄]
湯の神
ゆのかみ [1] 【湯の神】
医薬の神。温泉療養を始めたとされ,各地の温泉でまつる。大己貴(オオナムチ)・少彦名(スクナビコナ)の二神をあてることが多い。
湯の粉
ゆのこ [2] 【湯の粉】
懐石料理で,練り湯に入れる焦げ飯などの称。
湯の花
ゆのはな【湯の花】
incrustations of a hot spring.
湯の花
ゆのはな [1] 【湯の花】
鉱泉中に生じる沈殿物。例えば,硫黄(イオウ)泉では硫黄が沈殿する。ゆばな。温泉華。
湯ノ山温泉
ゆのやまおんせん 【湯ノ山温泉】
三重県三重郡菰野町(コモノチヨウ)にある温泉。御在所山東麓にある。放射能泉。
湯ノ峰温泉
ゆのみねおんせん 【湯ノ峰温泉】
和歌山県東牟婁(ヒガシムロ)郡本宮町(ホングウチヨウ)にある温泉。含重曹硫化水素泉。本宮参拝者の湯垢離(ユゴリ)場として知られる。
湯ヶ島温泉
ゆがしまおんせん 【湯ヶ島温泉】
静岡県伊豆半島,田方郡天城湯ヶ島町にある温泉。重炭酸土類泉・石膏泉・単純泉。
湯ヶ野温泉
ゆがのおんせん 【湯ヶ野温泉】
静岡県河津(カワヅ)町の温泉。天城(アマギ)峠の南,河津川の上流にある。
湯上がり
ゆあがり [2] 【湯上(が)り】
(1)風呂から出たばかりの時。「―の化粧」
(2)入浴後に着るひとえ物。浴衣。
湯上がりの
ゆあがり【湯上がりの(に)】
after having a bath;→英和
straight after a bath.湯上がりタオル a bath towel.
湯上がりタオル
ゆあがりタオル [5] 【湯上(が)り―】
湯上がりに使う大きいタオル。バス-タオル。
湯上り
ゆあがり [2] 【湯上(が)り】
(1)風呂から出たばかりの時。「―の化粧」
(2)入浴後に着るひとえ物。浴衣。
湯上りタオル
ゆあがりタオル [5] 【湯上(が)り―】
湯上がりに使う大きいタオル。バス-タオル。
湯下駄
ゆげた [1] 【湯下駄】
昔,湯殿で履いた下駄。
湯中り
ゆあたり [2] 【湯中り】 (名)スル
何度も入浴したり,長く湯につかっていたりしたために,気分が悪くなること。
湯中りする
ゆあたり【湯中りする】
be affected by hot spring.
湯傷
とうしょう タウシヤウ [0] 【湯傷】
熱湯によるやけど。
湯元
ゆもと【湯元】
the source of a hot spring.
湯元
ゆもと [3] 【湯元・湯本】
温泉がわき出ている土地。温泉の出るもと。箱根の湯本,日光の湯元などのように地名となっていることが多い。
湯入り
ゆいり [0] 【湯入り】
(1)入浴すること。
(2)船底にたまった水あかで船荷がぬれ損ずること。また,その船荷。
湯具
ゆぐ [1] 【湯具】
(1)入浴のための道具類。
(2)湯帷子(ユカタビラ)。[運歩色葉集]
(3)湯巻。[日葡]
湯冷まし
ゆざまし [2] 【湯冷まし】
(1)湯がさめて冷たくなったもの。
(2)湯をさますのに用いる器。
湯冷まし
ゆざまし【湯冷まし】
boiled water.
湯冷め
ゆざめ [3][0] 【湯冷め】 (名)スル
湯から出たあと,からだが冷えて寒けを感じること。[季]冬。
湯冷めする
ゆざめ【湯冷めする】
feel cold after a bath.→英和
湯剥き
ゆむき [0] 【湯剥き】
熱湯をくぐらせて皮をむくこと。トマトなどの皮の薄いものに用いる。
湯加減
ゆかげん [2] 【湯加減】
風呂の湯のあつさの具合。「―をみる」
湯化粧
ゆげしょう [2] 【湯化粧】
入浴後に化粧すること。
湯原王
ゆはらのおおきみ 【湯原王】
奈良中期の歌人。父は志貴皇子(シキノミコ)。伝未詳。技巧的な歌風であるが気品に富む。万葉集に一九首を残す。生没年未詳。
湯取り
ゆとり 【湯取り・淦取り】
(1)和船で,淦(アカ)をくみとる器。あかとり。あかとり杓。[和名抄]
(2)入浴後,体のしめりをとるために着る着物。ゆかた。
(3)「湯取り飯」の略。
湯取り飯
ゆとりめし [0] 【湯取り飯】
多量の湯に米を入れて炊き,米だけを蒸籠(セイロウ)にあげて蒸したもの。老人・病人用。
湯口
ゆぐち [1] 【湯口】
(1)湯の出口。温泉のわき出る口。
(2)浴室の出入り口。
(3)鋳造で,溶融した金属を鋳型へ注ぎ込む口。「―がわれた,心得て踏まい中たたら/閑吟集」
湯呑
ゆのみ【湯呑】
a (tea)cup.
湯呑み
ゆのみ [3] 【湯呑み・湯飲み】
「湯呑み茶碗」の略。
湯呑み茶碗
ゆのみぢゃわん [4] 【湯呑み茶碗】
湯茶をのむのに用いる茶碗。
湯坐
ゆえ ユヱ 【湯坐】
〔「湯うゑ(=湯ヲ据エル意)」の転かという〕
産児を入浴させるための湯を用意する人。「栲幡(タクハタ)の皇女と―の廬城部連武彦とを譖(シコ)ぢて曰く/日本書紀(雄略訓注)」
湯垢
ゆあか【湯垢(がつく)】
(be covered with) fur[scale].→英和
湯垢
ゆあか [3] 【湯垢】
(1)鉄瓶・風呂桶などの内側にこびりつく,垢のようなもの。水にとけている石灰などが固まったもの。
(2)缶石(カンセキ)のこと。
湯場
ゆば [2] 【湯場】
温泉のある所。温泉場。
湯壺
ゆつぼ [1] 【湯壺】
温泉などで,わき出した湯をたたえてあるところ。湯ぶね。
湯女
ゆな [1] 【湯女】
(1)温泉宿にいて客の接待をする女。
(2)江戸時代,市中の湯屋にいた遊女。
湯女風呂
ゆなぶろ [0] 【湯女風呂】
江戸時代,湯女{(2)}のいた風呂屋。
湯奴
ゆやっこ [2] 【湯奴】
湯豆腐。
湯始め
ゆはじめ 【湯始め】
⇒御湯殿始(オユドノハジ)め
湯婆
とうば タウ― [1] 【湯婆】
ゆたんぽ。たんぽ。
湯婆
たんぽ [1] 【湯婆】
〔唐音〕
(1)金属製・陶製などの容器の中に湯を入れて布で包み,寝床などに入れて暖をとるのに用いるもの。ゆたんぽ。[季]冬。《目さむるや―わづかに暖き/正岡子規》
(2)京阪地方で,「ちろり」のこと。
湯宿
ゆやど [0] 【湯宿】
温泉場の宿。温泉宿。
湯屋
ゆや [2] 【湯屋】
(1)浴室。風呂場。湯殿。
(2)料金を取って入浴させる家。風呂屋。銭湯。公衆浴場。
湯屋泥棒
ゆやどろぼう [3] 【湯屋泥棒】
風呂屋で入浴中の客の衣類・金品などを盗む泥棒。板の間かせぎ。
湯屋浄瑠璃
ゆやじょうるり [3] 【湯屋浄瑠璃】
〔銭湯ではよく声が響いて,へたな浄瑠璃もじょうずに聞こえることから〕
せいぜい銭湯で自慢げに演じる程度の,へたな芸。
湯島
ゆしま 【湯島】
東京都文京区南東端の地名。孔子をまつった湯島聖堂,菅原道真をまつった湯島天神がある。
湯島聖堂
ゆしませいどう 【湯島聖堂】
⇒聖堂(セイドウ)(2)
湯川
ゆかわ ユカハ 【湯川】
姓氏の一。
湯川温泉
ゆのかわおんせん ユノカハヲンセン 【湯川温泉】
北海道函館市東部にある温泉。道内最古の温泉の一。含石膏土類食塩泉。
湯川秀樹
ゆかわひでき ユカハ― 【湯川秀樹】
(1907-1981) 理論物理学者。東京生まれ。小川琢治の三男。京大教授。核力を媒介する新粒子(中間子)の存在を予言,中間子場の理論を展開して素粒子論の新生面を開いた。1949年(昭和24)日本人として初めてノーベル物理学賞を受賞。その後素粒子に時空的な広がりをもたせた非局所場の理論,さらにそれを発展させた素領域の理論を提唱。また,核兵器の廃絶を訴え続けた。
湯巫女
ゆみこ 【湯巫女】
湯立(ユダ)てをする巫女(ミコ)。
湯巻
ゆまき [3] 【湯巻】
(1)入浴するときに腰に巻いた布。江戸時代中頃まで男女とも裸で入浴することはなかった。湯文字。
(2)中古,貴人の入浴に奉仕する人がぬれないように衣服の上から腰にまとったもの。多くは白い生絹(スズシ)を用いた。のちには身分の高くない女性が袿(ウチキ)代わりに用いた。
(3)女性の腰巻。蹴出(ケダ)し。ふたの。
湯布院
ゆふいん ユフヰン 【湯布院】
大分県中部,大分郡の町。別府市の西に接し,由布院温泉・湯平温泉がある。
湯帰り
ゆがえり [2] 【湯帰り】
風呂からの帰り。
湯帷子
ゆかたびら [2] 【湯帷子】
浴後に着た汗取りの着物。古くは入浴の際に着用した。湯具。ゆかた。[和名抄]
湯引き
ゆびき [3] 【湯引き】 (名)スル
ゆびくこと。湯でさっと煮ること。湯振り。
湯引く
ゆび・く [2] 【湯引く】 (動カ五[四])
魚・肉などを熱湯でさっと煮る。ゆがく。「タイを―・く」
湯張り
ゆばり [0] 【湯張り】 (名)スル
入浴できるように,湯船に湯をためること。
湯手
ゆて 【湯手】
〔「ゆで」とも〕
手拭い。また,風呂で体を洗う,洗い粉などを包んだ布袋やへちま。
湯振り
ゆぶり [0] 【湯振り】
⇒湯引(ユビ)き
湯掛け
ゆがけ 【湯掛け】
湯浴み。「―をせばやと宣ひければ/盛衰記 45」
湯掻く
ゆが・く [2] 【湯掻く】 (動カ五[四])
野菜などのあくを抜くために熱湯にひたす。「わらびを―・く」
湯掻く
ゆがく【湯掻く】
scald;→英和
parboil.→英和
湯文字
いもじ 【湯文字】
〔「ゆもじ」の転〕
腰巻。
湯文字
ゆもじ [0][1] 【湯文字】
〔「湯具」の文字詞〕
(1)婦人の腰巻。
(2)〔女房詞〕
湯帷子(ユカタビラ)。
湯本
ゆもと [3] 【湯元・湯本】
温泉がわき出ている土地。温泉の出るもと。箱根の湯本,日光の湯元などのように地名となっていることが多い。
湯村温泉
ゆむらおんせん 【湯村温泉】
(1)山梨県甲府市,湯村山南西麓にある温泉。硫黄泉。昇仙峡探勝の基地。
(2)兵庫県北西部,美方(ミカタ)郡温泉町にある温泉。弱重曹泉。山陰地方名湯の一。
(3)島根県東部,木次(キスキ)町にある温泉。斐伊(ヒイ)川上流の単純泉。
湯桁
ゆげた [1] 【湯桁】
湯ぶね。浴槽。また,そのまわりの桁。
湯桶
ゆおけ [0][2] 【湯桶】
(1)入浴のときなどに用いる湯を入れる桶。
(2)茶席で寒中に湯を入れて露地の蹲(ツクバイ)に出す桶。
湯桶
ゆとう [0] 【湯桶】
湯を入れるのに用いる木製の器。桶(オケ)の形をして,注ぎ口と柄があり,普通は漆塗り。そば屋などで,そば湯を入れて供するのに用いる。ゆつぎ。
湯桶[図]
湯桶石
ゆおけいし [3] 【湯桶石】
蹲(ツクバイ)の役石の一。手燭(テシヨク)石と相対して据え,湯桶{(2)}をのせる石。
→蹲
湯桶読み
ゆとうよみ [0] 【湯桶読み】
(「ゆ」は「湯」を訓読みにしたもの,「とう」は「桶」を音読みにしたものであるところから)「湯桶」のように,漢字二字でできている熟語の上の字を訓で読み,下の字を音で読むこと。また,そういう読み方。「手本(テホン)」「野宿(ノジユク)」「夕飯(ユウハン)」の類。
⇔重箱読み
湯槽
ゆぶね [1] 【湯船・湯槽】
(1)入浴用の湯をたたえ,人がその中にはいって湯浴(ア)みをする大きな入れもの。浴槽。
(2)江戸時代,港湾・河川などで,内部に浴槽を設け,料金を取って入浴させた船。
湯檜曾温泉
ゆびそおんせん 【湯檜曾温泉】
群馬県利根郡水上町の温泉。利根川の支流,湯檜曾川に臨む。単純泉。
湯次
ゆつぎ [0] 【湯次・湯注】
⇒湯桶(ユトウ)
湯殿
ゆどの [0][3] 【湯殿】
(1)入浴するためにこしらえた部屋。風呂場。浴室。
(2)入浴すること。「御―,春宮の若宮の御迎湯に参り給ひし/宇津保(蔵開上)」
(3)入浴に奉仕する役。「御―は宰相の君/紫式部日記」
(4)貴族の邸宅で,湯などをわかし,食膳などの器具を置く所。「雉・松茸などは,御―の上にかかりたるも苦しからず/徒然 118」
湯殿
ゆどの【湯殿】
a bathroom.→英和
湯殿の長兵衛
ゆどののちょうべえ 【湯殿の長兵衛】
歌舞伎「極付(キワメツキ)幡随長兵衛」の通称。世話物。河竹黙阿弥作。1881年(明治14)東京春木座初演。水野十郎左衛門と幡随院長兵衛が対立し,水野邸へ単身乗り込んだ長兵衛が湯殿で殺されるまでを描く。
湯殿始め
ゆどのはじめ 【湯殿始め】
⇒おゆどのはじめ(御湯殿始)
湯殿山
ゆどのさん 【湯殿山】
山形県中部,月山(ガツサン)の西に連なる山。月山・羽黒山とともに出羽三山の一で,三山の奥の院とされる。海抜1504メートル。
湯殿山神社
ゆどのさんじんじゃ 【湯殿山神社】
山形県東田川郡朝日村湯殿山にある神社。祭神は大山祇神(オオヤマツミノカミ)・大己貴命(オオナムチノミコト)・少彦名命(スクナビコナノミコト)。月山神社・羽黒山神社とともに出羽三山神社の一。
湯母
ゆおも 【湯母】
乳児に湯を飲ませる役の女性。「乳母(チオモ),―,及び飯嚼(イイカミ)・湯坐(ユエビト)としたまふ/日本書紀(神代下訓)」
湯気
ゆけ [1] 【湯気】
(1)入浴時に起こる脳貧血。
(2)ゆげ。
湯気
ゆげ [1] 【湯気】
湯などから立ちのぼる水蒸気が冷えて微細な水滴となり,それが集まって煙のように見えるもの。「―が立ちのぼる」
湯気
ゆげ【湯気】
steam;→英和
vapor.→英和
〜が立つ steam.
湯気立て
ゆげたて [2] 【湯気立て】
室内の乾燥を防ぐため,水を入れた容器を暖房器具の上に置くなどして湯気を立てること。[季]冬。
湯水
ゆみず [1] 【湯水】
湯と水。
湯水のように使う
ゆみず【湯水のように使う】
spend <money> freely <on> ;waste away.
湯汲み
ゆくみ 【湯汲み】
江戸時代,銭湯で,陸湯(オカユ)のそばにいて上がり湯を汲む人。
湯沢
ゆざわ ユザハ 【湯沢】
姓氏の一。
湯沢
ゆざわ ユザハ 【湯沢】
(1)秋田県南東部,横手盆地南部の市。近世,佐竹氏支藩の城下町。「東北の灘(ナダ)」といわれる秋田銘酒の産地。曲木(マゲキ)細工を特産。
(2)新潟県南東部,南魚沼郡にある温泉・観光の町。三国街道の旧宿場町。多くのスキー場がある。越後湯沢。
湯沢幸吉郎
ゆざわこうきちろう ユザハカウキチラウ 【湯沢幸吉郎】
(1877-1963) 国語学者。秋田県生まれ。早大教授。中世以降の国語史研究に業績を残す。著「室町時代言語の研究」「徳川時代言語の研究」「江戸言葉の研究」など。
湯河原
ゆがわら ユガハラ 【湯河原】
神奈川県南西端,足柄下郡の町。丹那トンネルの開通以後,温泉観光地として急速に発展。
湯沸かし
ゆわかし [2] 【湯沸かし】
湯をわかすための器具。多く,やかんなど金属製のものをいう。
湯沸し
ゆわかし【湯沸し】
a kettle.→英和
湯沸器 <米> a water heater; <英> a geyser.→英和
湯治
とうじ タウヂ [0] 【湯治】 (名)スル
温泉や薬草入りの湯にはいって病気を治療すること。「―客」「山の湯で―する」
湯治に行く
とうじ【湯治に行く】
go <to Atami> for the baths.‖湯治客 visitors at hot springs.湯治場 a watering place (場所);a spa hotel (旅館).
湯治場
とうじば タウヂ― [0] 【湯治場】
湯治をする場所。温泉場。
湯波
ゆば [1] 【湯葉・湯波】
豆乳(トウニユウ)を煮立て,表面にできた薄皮をすくい上げて作った食品。生ゆばと干しゆばとがある。
湯注
ゆつぎ [0] 【湯次・湯注】
⇒湯桶(ユトウ)
湯洗い
ゆあらい [2] 【湯洗い】
魚介類や肉を熱湯に通したあと冷水で冷やし,身を締めること。
湯浅
ゆあさ 【湯浅】
姓氏の一。
湯浅
ゆあさ 【湯浅】
和歌山県北西部,有田郡の町。紀伊水道に面し,港町,熊野街道の宿場町として発達。
湯浅常山
ゆあさじょうざん 【湯浅常山】
(1708-1781) 江戸中期の儒学者。備前岡山藩士。名は元禎,常山は号。服部南郭に古文辞学を学ぶ。藩の寺社・町奉行から判形役に進んだが,重臣たちに忌まれて籠居(ロウキヨ),著述に専念。著「常山紀談」など。
湯浅年子
ゆあさとしこ 【湯浅年子】
(1909-1980) 物理学者。東京生まれ。東京文理科大卒。パリに留学し,β 崩壊を研究。原子核の小数核子系の実験で知られる。日仏交流に尽くした。著「パリ随想」
湯浴
ゆよく [0] 【湯浴】
〔化〕 シリコーン油などを一定温度に保ち,その温度によって加熱・保温などを行うこと。また,それに用いる金属製の化学実験用器具。
湯浴び
ゆあび [3] 【湯浴び】 (名)スル
「ゆあみ(湯浴)」に同じ。「―して若葉見に行夕かな(鈍可)/曠野」
湯浴み
ゆあみ【湯浴み】
<take> a bath.→英和
湯浴み
ゆあみ [0][3] 【湯浴み】 (名)スル
湯につかって体を暖め,洗うこと。入浴。沐浴。「―する女性を描いた絵」
湯浴む
ゆあ・む 【湯浴む】 (連語)
湯浴みする。入浴する。湯治する。「秋ごろ山ざとにて,―・むるとて/右京大夫集」
湯液
とうえき タウ― [1] 【湯液】
漢方療法に用いられる煎じ薬の総称。一般には数種の生薬から成る漢方薬を水に浸し,土瓶で約半量になるまでとろ火で煎じて濾過(ロカ)し,熱いうちに服用する。
湯湯婆
ゆたんぽ [2] 【湯湯婆】
〔「たんぽ」は唐音〕
金属・ゴム・陶器製の容器の中に湯を入れ,その温度で寝床や足をあたためるもの。[季]冬。《―の一温何にたとふべき/虚子》
湯漬
ゆづけ [0][3] 【湯漬(け)】
飯に湯をかけて食べること。また,その食事。
湯漬け
ゆづけ [0][3] 【湯漬(け)】
飯に湯をかけて食べること。また,その食事。
湯潅する
ゆかん【湯潅する】
wash a dead body (for burial).
湯瀬温泉
ゆぜおんせん 【湯瀬温泉】
秋田県鹿角(カヅノ)市,米代川上流にある温泉。硫化水素泉。
湯灌
ゆかん [0][1] 【湯灌】 (名)スル
仏葬で,死体を棺におさめる前に,湯でふき清めること。湯洗。
湯灌場
ゆかんば [0] 【湯灌場】
江戸時代,寺の一画に設けられた湯灌をするための場所。地主・家持ちではない者は自宅で湯灌をすることが許されなかったことによる。
湯灌場買い
ゆかんばかい [4][0] 【湯灌場買い】
湯灌場をまわって死者の衣服や葬式に使った物を買って歩く,一種の屑屋(クズヤ)。
湯炊き
ゆだき [0][1] 【湯炊き】 (名)スル
米を水ではなく湯の中へ入れてたくこと。
湯煎
ゆせん [0][1] 【湯煎】
火で直接熱する代わりに,湯の中に入れて間接的に加熱すること。
湯煙
ゆけむり [2] 【湯煙】
温泉・風呂などから煙のように立ちのぼる湯気。ゆけぶり。
湯煠で
ゆゆで 【湯茹で・湯煠で】
入浴すること。湯治(トウジ)。「御―などし,薬きこしめして/栄花(月の宴)」
湯煮
ゆに [2] 【湯煮】 (名)スル
食物などをゆでること。「料理番(チヤブヤ)がにんじんと混雑煮(ゴツタニ)にして―をして/安愚楽鍋(魯文)」
湯熨
ゆのし [3] 【湯熨・湯熨斗】 (名)スル
湯気にあてて布のしわをのばすこと。
湯熨をかける
ゆのし【湯熨をかける】
steam and iron <cloth> .
湯熨斗
ゆのし [3] 【湯熨・湯熨斗】 (名)スル
湯気にあてて布のしわをのばすこと。
湯玉
ゆだま [0] 【湯玉】
(1)湯が煮えたつときに表面に浮きあがる気泡。湯花。
(2)玉となって飛び散る熱湯。
湯王
とうおう タウワウ 【湯王】
中国,殷王朝の創始者。成湯ともいう。名臣,伊尹(イイン)らとともに夏の桀王(ケツオウ)を討って殷王朝を建国したという。
湯瓶
とうびん タウ― [0] 【湯瓶】
湯沸かし。やかん。
湯田中温泉
ゆだなかおんせん 【湯田中温泉】
長野県下高井郡山ノ内町にある温泉。山ノ内温泉郷の一。弱食塩泉・硫黄泉。志賀高原の玄関口にあたる。
湯田温泉
ゆだおんせん 【湯田温泉】
山口市内南西部にある温泉。湯量豊富。秋吉台観光の基地。
湯番
ゆばん [1] 【湯番】
銭湯で,風呂を沸かしたり,湯の加減をみたりする者。
湯疲れ
ゆづかれ [2] 【湯疲れ】 (名)スル
風呂や温泉にはいりすぎて疲れること。「―して横たわる」
湯痩せ
ゆやせ [0][3] 【湯痩せ】 (名)スル
過度の入浴のために身体がやせること。湯あたりでやせること。
湯盤
タンパ [1] 【湯盤】
〔中国語〕
熱湯を入れた小鉢。中国料理で,コースの途中で出し,散蓮華(チリレンゲ)を洗う。タンパン。
湯立ち
ゆだち [0] 【湯立ち】
⇒ゆだて(湯立)
湯立て
ゆだて [3] 【湯立て】
卜占(ボクセン)の一種。神前に大釜(オオガマ)を据えて湯を煮えたぎらせ,笹(ササ)の枝をその湯に浸して周囲の人々に振りかけるもの。かつては巫祝(フシユク)がこのしぶきを浴びて神懸りし,神意をうかがったという。問湯(トイユ)。ささばたき。ゆだち。
湯立て神楽
ゆだてかぐら [4] 【湯立て神楽】
湯立てを中心とする神楽。多く陰暦一一月頃行われるところから霜月神楽とも,また伊勢外宮の影響が濃いので,伊勢流神楽とも呼ばれる。猿楽風の古い芸能を残す三河の花祭り,長野の遠山祭・冬祭りなどが著名。
湯腹
ゆばら [0] 【湯腹】
湯を飲んでいっぱいになった腹。
湯舟[船]
ゆぶね【湯舟[船]】
a bathtub.→英和
湯船
ゆぶね [1] 【湯船・湯槽】
(1)入浴用の湯をたたえ,人がその中にはいって湯浴(ア)みをする大きな入れもの。浴槽。
(2)江戸時代,港湾・河川などで,内部に浴槽を設け,料金を取って入浴させた船。
湯花
ゆばな [1] 【湯花】
(1)「湯の花」に同じ。
(2)「湯玉(ユダマ)」に同じ。
湯若望
とうじゃくぼう タウジヤクバウ 【湯若望】
⇒アダム=シャール
湯茶
ゆちゃ [1] 【湯茶】
湯や茶。「―の接待」
湯茹で
ゆゆで 【湯茹で・湯煠で】
入浴すること。湯治(トウジ)。「御―などし,薬きこしめして/栄花(月の宴)」
湯葉
ゆば [1] 【湯葉・湯波】
豆乳(トウニユウ)を煮立て,表面にできた薄皮をすくい上げて作った食品。生ゆばと干しゆばとがある。
湯薬
とうやく タウ― [0] 【湯薬】
せんじ薬。煎薬。
湯西川温泉
ゆにしがわおんせん ユニシガハヲンセン 【湯西川温泉】
栃木県北部塩谷郡栗山村,鬼怒川支流の湯西川の渓谷にある重曹泉。古くからの湯治場。平家の落人伝説がある。
湯谷
ゆや 【熊野・湯谷】
(1)能の一。作者未詳。三番目物。平宗盛の愛妾熊野は遠江(トオトウミ)国にいる病母のことを案じて暇を乞(コ)うが許されず,清水寺への花見の供をさせられる。しかし,にわかに降り出した村雨に桜花が散るのを見て熊野が詠んだ歌をきいた宗盛は哀れに思って,帰郷を許す。
(2)箏曲の一。山田検校作曲。謡曲「熊野」の後半の詞章に基づいて作曲したもの。
湯豆腐
ゆどうふ [2] 【湯豆腐】
切った豆腐を,昆布をだしにした湯で煮た料理。醤油や薬味をつけて食べる。[季]冬。
湯豆腐
ゆどうふ【湯豆腐】
bean curd boiled in water.
湯走り
ゆばしり [2] 【湯走り】
(1)金属が溶解すること。「―セネバ鋳ラレヌ/日葡」
(2)刀の沸(ニエ)が多く凝って,しずくのような斑紋となっているもの。
湯起請
ゆぎしょう [2] 【湯起請】
中世,起請文を書かせたうえ,罪の存否をただすために熱湯に手を入れさせること。古代の探湯(クカタチ)の遺風。
湯通し
ゆどおし [2][0] 【湯通し】 (名)スル
(1)織物の仕上げ工程の一。温湯に浸して糊(ノリ)を除き,光沢を出す。
(2)食物をあたためたり,油気を抜いたり,食器を消毒したりするために熱湯にくぐらせること。
湯道
ゆみち [1] 【湯道】
鋳造で,湯口から鋳型へ湯(溶解した金属)をみちびく道。
湯道具
ゆどうぐ [2] 【湯道具】
タオル・石けんなど,入浴に使う道具。
湯郷温泉
ゆのごうおんせん ユノガウヲンセン 【湯郷温泉】
岡山県英田(アイダ)郡美作(ミマサカ)町の,吉井川支流の吉野川沿いにある硫黄泉。美作三湯の一つ。
湯野浜温泉
ゆのはまおんせん 【湯野浜温泉】
山形県鶴岡市にある温泉。日本海に面し,海水浴場を兼ねる。含塩化物泉。
湯量
ゆりょう [0] 【湯量】
温泉からわき出る湯の量。
湯釜
ゆがま [1] 【湯釜】
湯をわかすのに用いる釜。
湯銭
ゆせん [1] 【湯銭】
銭湯に入る料金。ふろせん。入浴料。
湯鏝
ゆごて [1] 【湯鏝】
湯で暖めて用いるこて。焼きごてを当てることのできない布に用いる。
湯零し
ゆこぼし [2] 【湯零し】
飲み残した湯茶を捨てる器。茶こぼし。こぼし。
湯顕祖
とうけんそ タウ― 【湯顕祖】
(1550-1616) 中国,明代の戯曲作家。字は儀仍,号は海若・若士,清遠道人とも。臨川の人。作「牡丹亭還魂記」,「邯鄲記」「南柯記」「紫釵記」は合わせて「玉茗堂四夢」と称される。
湯風呂
ゆぶろ 【湯風呂】
(1)入浴用に沸かした風呂。また,入浴。「生れて此かた―を仕た事もごあらぬ/狂言・粟田口」
(2)蒸し風呂。「水風呂より―が徳なれど/浮世草子・色三味線」
湯飲み
ゆのみ [3] 【湯呑み・湯飲み】
「湯呑み茶碗」の略。
湯鯉
ゆごい [1] 【湯鯉】
スズキ目の淡水魚。全長20センチメートル余り。体は長楕円形で側扁し,目が大きい。体は銀白色で背面に黒色の小斑点が散在する。熱帯性で,河川中流から汽水域にかけて生息し,南日本以南に広く分布。静岡県伊東の温泉がわく浄ノ池は有名な生息地であった。
湯麺
タンメン [1] 【湯麺】
〔中国語。本来は汁そばのこと〕
いためた野菜をのせ,塩味のスープをかけた中華そば。
湾
のたれ [0] 【湾】
刀剣の刃文(ハモン)の一。大波がゆったりとうねるような曲線のもの。のたれ刃。のたれ焼き刃。
湾
わん【湾】
a bay;→英和
a gulf (大きい);→英和
an inlet (入江).→英和
湾
わん [1] 【湾】
海面が陸地に入り込み,外海に向かって開いている所。「東京―」
湾入
わんにゅう [0] 【湾入・彎入】 (名)スル
海や湖が弓形に陸地に入り込んでいること。
湾内
わんない [1] 【湾内】
湾のなか。
湾処
わんど [0] 【湾処】
入り江。また,川のよどみや水たまり。
湾口
わんこう [0] 【湾口】
湾の入り口。
⇔湾奥
湾外
わんがい [1] 【湾外】
湾のそと。
⇔湾内
湾央
わんおう [0] 【湾央】
湾の中央。
湾奥
わんおう [0] 【湾奥】
湾の奥。
⇔湾口
湾屈
わんくつ [0] 【湾屈・彎屈】 (名)スル
曲がりかがまっていること。
湾岸
わんがん [0] 【湾岸】
(1)湾沿いの陸地。入り江の岸。「―道路」
(2)ペルシャ湾(アラビア湾)沿岸の略称。
湾岸協力会議
わんがんきょうりょくかいぎ 【湾岸協力会議】
サウジアラビア・クウェート・アラブ首長国連邦・カタール・オマーン・バーレーンのペルシャ湾岸六か国の安全保障の性格をもつ地域機構。1981年設立。本部はリヤド。
湾岸戦争
わんがんせんそう 【湾岸戦争】
1990年8月イラクのクウェート侵攻に始まり,91年1月から二月にかけての米軍主力の多国籍軍とイラク軍との間に戦われた戦争。イラクの敗北で停戦。
湾曲
わんきょく [0] 【湾曲・彎曲】 (名)スル
弓形に曲がること。「―している海岸線」
湾曲する
わんきょく【湾曲する】
curve;→英和
bend.→英和
湾流
わんりゅう [0] 【湾流】
メキシコ湾に発源し,北アメリカ東岸をフロリダ半島沿いに北東方向に進み,北欧の北緯四五度付近まで流れて北大西洋海流へと移行する海流。太平洋の黒潮に対比される大規模な暖流。メキシコ湾流。ガルフ-ストリーム。
湾渓
わんけい [0] 【湾渓】
湾曲した谷。入り組んだ谷。
湾頭
わんとう [0] 【湾頭】
湾のほとり。
湿
しつ [2] 【湿】
(1)しめりけ。しめったところ。
(2)皮膚病の一種。かいせん。湿瘡(シツソウ)。
湿し
しめし [0] 【湿し】
(1)湿すこと。濡らすこと。
(2)おしめ。おむつ。
湿し灰
しめしばい [3] 【湿し灰】
茶道で,炉の蒔灰(マキバイ)などに用いる,あく抜きをして湿り気をもたせた灰。風情を添え,火の起こりを助ける。
湿し緯
しめしよこ [3] 【湿し緯】
緯(ヨコ)糸にする生糸・絹糸を水や薄い糊液で湿らせてから織ること。組織が密になる。ぬれよこ。
湿す
しめ・す [0][2] 【湿す】 (動サ五[四])
(1)水分を少し与えて湿った状態にする。湿らせる。湿らす。「タオルを―・して顔をふく」「水でのどを―・す」
(2)筆に墨をつける。また,手紙を書く。「一筆―・す」「奉書二枚に長々と―・しまゐらせ/浮世草子・好色万金丹」
(3)水にぬらして火を消す。灯火を消す。「ほたるほどの火も―・せと/浄瑠璃・碁盤太平記」
湿す
しめす【湿す】
wet;→英和
moisten.→英和
湿っぽい
しめっぽ・い [4][0] 【湿っぽい】 (形)
(1)湿り気が多く,じめじめしている。湿度が高くて,じとじとしている。「雨が降り続いて家の中が―・い」
(2)人々の気分や話の調子に活気がなく沈んでいる。陰気くさい。「話がだんだん―・くなる」
[派生] ――さ(名)
湿っぽい
しめっぽい【湿っぽい】
moist;→英和
damp;→英和
wet;→英和
[陰気] <feel> gloomy;→英和
depressing.→英和
湿らす
しめら・す [0][3] 【湿らす】 (動サ五[四])
水気を帯びさせる。しめり気を帯びさせる。しめす。「のどを―・す」
湿り
しめり [0] 【湿り】
(1)しめること。水気。湿気。「―を帯びる」「―をくれる」
(2)雨が降ること。
→おしめり
(3)火の消えること。火事が鎮火すること。
→湿り半
湿り
しめり【湿り】
dampness;→英和
humidity;→英和
rain (雨).→英和
湿り
しとり [0] 【湿り】
しとること。しめり。「穢い部屋の中は殊更ら―が強く来るやうに思へた/或る女(武郎)」
湿り半
しめりばん [0] 【湿り半】
〔「ばん」は半鐘の意〕
火事が鎮火したことを知らせる半鐘。しめり。
湿り声
しめりごえ [4] 【湿り声】
泣いたり悲しんだりしているときの沈んだ声。
湿り気
しめりけ [0] 【湿り気】
湿気(シツケ)。水分。
湿る
しと・る [0] 【湿る】 (動ラ五[四])
しめる。しける。また,濡れる。「布団が―・る」「―・つた塩煎餅/新世帯(秋声)」
湿る
しめる【湿る】
dampen;→英和
become moist.→英和
湿った damp;→英和
wet;→英和
moist.
湿る
しめ・る [0] 【湿る】 (動ラ五[四])
(1)水分を含んで,しっとりする。湿気を帯びる。「―・った布団を干す」「―・った空気」
(2)悲しみなどのために気持ちが沈む。「座が―・る」「劣勢に応援も―・りがちだ」
(3)静かになる。ひっそりする。「夜深きほどの人の気―・りぬるに/源氏(椎本)」
(4)雨などの勢いが静まる。おとろえる。「やう��風なほり,雨の脚―・り/源氏(明石)」
(5)態度や考え方が落ち着いている。「人ざまもいたう―・り,はづかしげに/源氏(絵合)」
(6)消える。「火―・りはてて/蜻蛉(下)」
湿ドック
しつドック [3] 【湿―】
⇒係船(ケイセン)ドック
湿原
しつげん【湿原】
a marshland;a bog.→英和
湿原
しつげん [0] 【湿原】
草原の一。土壌の低温・過湿のために植物遺体の分解が阻害され,泥炭となって堆積した上に発達する。環境条件によって高層湿原・低層湿原などになる。
→泥炭地
湿土
しつど [1] 【湿土】
しめった土。また,湿気の多い土地。
湿地
しっち【湿地】
damp ground;marsh.→英和
湿地
しっち [0] 【湿地】
水けの多い,じめじめとした土地。
湿地
しめじ [0][1] 【湿地・占地】
担子菌類ハラタケ目のきのこの総称。普通ホンシメジをいう。色は薄い灰色。茎の下部が肥大し癒着して,多数が一株となって生える。俗に「においマツタケ,味シメジ」といわれ,食用となる。千本しめじ。なお,ヒラタケの栽培品種を「○○シメジ」と称しているものが多い。[季]秋。
湿地草原
しっちそうげん [4] 【湿地草原】
川や湖の岸の湿地に発達する草原。ヨシ・アゼスゲなどが主に生える。
湿布
しっぷ [0] 【湿布】 (名)スル
湿布薬やガーゼなどを水や湿布剤に浸したものなどを患部に当て,炎症の治療などをすること。また,その当てるもの。「喉に―する」「温―」
湿布
しっぷ【湿布】
a <cold,hot> compress;→英和
a stupe.→英和
〜する stupe;pack.→英和
湿度
しつど【湿度】
<determine the> humidity <of> .→英和
〜が高い show a high percentage of humidity;be wet (むしむしする).‖湿度計 a hygrometer.
湿度
しつど [2][1] 【湿度】
(1)空気中に含まれている水蒸気の量。
→絶対湿度
(2)空気の乾湿の程度を示す目安。普通,これを湿度という。
→相対湿度
湿度計
しつどけい [0] 【湿度計】
湿度を測る計器。乾湿球湿度計・毛髪湿度計・露点湿度計・電気湿度計などがある。
湿式
しっしき [0] 【湿式】
液体を用いる方式。
⇔乾式
「―複写機」
湿式工法
しっしきこうほう [5] 【湿式工法】
〔wet construction〕
コンクリートや漆喰など,水を混ぜた材料が乾かないうちに使用して構造物をつくる方法。
→乾式工法
湿式製錬
しっしきせいれん [5] 【湿式製錬】
鉱石中の金属を酸やアルカリの溶液中に浸出させ,溶液を化学的に処理して目的の金属を取り出す方法。
⇔乾式製錬
湿性
しっせい [0] 【湿性】
しめっている性質。また,しめりやすい性質。
⇔乾性
湿性の
しっせい【湿性の】
wet.→英和
湿性肋膜炎 wet pleurisy.
湿性咳
しっせいせき [3] 【湿性咳】
痰を伴う咳。
⇔乾性咳
湿性肋膜炎
しっせいろくまくえん [8][0] 【湿性肋膜炎】
胸膜腔(クウ)に滲出(シンシユツ)液がたまる胸膜炎。湿性胸膜炎。
湿拓
しったく [0] 【湿拓】
拓本をとる方法の一。石碑などに紙を当て水で湿らせてはりつけ,上から墨汁を含ませたたんぽで軽くたたいて文字や模様を写し取るもの。
⇔乾拓(カンタク)
湿数
しっすう [3] 【湿数】
気温と露点温度との差。露点温度差。気温露点差。
湿板
しつばん [0] 【湿板】
写真感光板の一。ガラス板にコロジオンの膜を作り,硝酸銀の溶液に浸して感光性を与えたもの。1851年イギリスの F = S =アーチャーが発明。ぬれたままでカメラに装着して撮影する。
⇔乾板
湿果
しっか [1] 【湿果】
⇒液果(エキカ)
湿気
しっき [0] 【湿気】
しめりけ。しっけ。
湿気
しっき【湿気】
moisture;→英和
humidity.→英和
〜のある damp;→英和
moist.→英和
〜のない dry.→英和
湿気
しっけ [0] 【湿気】
しめりけ。しっき。「―を嫌う」
湿気っぽい
しけっぽ・い [4] 【湿気っぽい】 (形)
何となく湿気を帯びているようである。「―・い空気」
湿気る
しけ・る [2][0] 【湿気る】 (動ラ五)
〔下一段動詞「湿気る」の五段化〕
「しける(湿気)」に同じ。「―・った煎餅(センベイ)」
湿気る
しける【湿気る】
be[get]wet[damp].
湿気る
しっ・ける [3] 【湿気る】 (動カ下一)
〔「しける」の転〕
しめりけを帯びる。しける。「せんべいが―・ける」
湿気る
しっける【湿気る】
⇒湿気(しけ)る.
湿気る
し・ける [2][0] 【湿気る】 (動カ下一)
しめりけを帯びる。「海苔(ノリ)が―・ける」「―・けた壁のにおい」
湿深
しつぶか 【湿深】 (名・形動)
〔近世語〕
人一倍好色なさま。また,そのような人。「娘の手と取ちがへてわたしが手を握るといふは,おへねえお前も―な人だ/咄本・無事志有意」
湿深い
しつぶか・い 【湿深い】 (形)
〔近世語〕
(1)湿気が多い。湿っぽい。「極楽は水辺(スイヘン)にて―・い所故/滑稽本・見外白宇瑠璃」
(2)人一倍好色である。多淫である。「―・くして女郎にきらはれ,陰で笑はるる/滑稽本・志道軒伝」
湿潤
しつじゅん [0] 【湿潤】 (名・形動)[文]ナリ
しめりけのあるさま。水分が多くじめじめとしているさま。「―な土地」
[派生] ――さ(名)
湿潤な
しつじゅん【湿潤な】
damp;→英和
moist.→英和
湿潤指数
しつじゅんしすう [6][5] 【湿潤指数】
アメリカの気候学者ソーンスウエートが気候の湿潤状態の区分に用いた指数。乾湿指数。
湿爛
しつらん [0] 【湿爛】
腋の下や太股などの互いに触れ合う面が,汗や摩擦によって赤くただれた状態。間擦性湿疹(カンサツセイシツシン)。
湿球
しっきゅう [0] 【湿球】
湿球温度計の感温部のこと。
湿球温度
しっきゅうおんど [5] 【湿球温度】
湿球温度計が示す温度。
湿球温度計
しっきゅうおんどけい [0] 【湿球温度計】
球部を水でぬらしたガーゼで包んで湿らせた温度計。乾湿球湿度計に用いられる。
湿生
しっしょう [0] 【湿生】
〔仏〕 四生の一。蚊・蛙(カエル)など,湿気の中から生まれるとされるもの。また,その生まれ方。
湿生
しっせい [0] 【湿生】
植物が湿潤な場所に生育すること。
⇔乾生
湿生植物
しっせいしょくぶつ [6] 【湿生植物】
湿潤な水辺・湿原などに生育する植物群。ヨシ・イ・サワギキョウなど。
湿生遷移
しっせいせんい [5] 【湿生遷移】
植物群落の遷移の一型。湖沼などが貧栄養の段階から次第に富栄養化し,湿地草原を経て陸化する過程をいう。陸化後は乾性遷移と同じ経過を経て陰樹林となる。
→乾生遷移
湿田
しつでん [0] 【湿田】
水はけが悪く,一年中水の抜けない田。
⇔乾田
湿疹
しっしん【湿疹】
《医》eczema.→英和
湿疹
しっしん [0] 【湿疹】
皮膚の炎症性疾患。皮膚の表面に紅斑・丘疹・小水疱・膿疱などを生じる。感染しないが,痒(カユ)みを伴う。
湿瘡
しっそう [0] 【湿瘡】
⇒疥癬(カイセン)
湿羊歯
しけしだ [0] 【湿羊歯】
オシダ科の夏緑性シダ植物。山中の湿地や日陰に自生。葉は短毛があり長さ約30センチメートルの羽状複葉で,小葉はさらに羽状に深裂。裂片の中脈に沿って,線形の胞子嚢(ホウシノウ)群を生じる。シケクサ。
湿舌
しつぜつ [0] 【湿舌】
天気図上で,水蒸気を多量に含む気団が舌状に張り出している部分。梅雨前線の南側に現れ,しばしば大雨を降らせる。
湿船渠
しつせんきょ [3] 【湿船渠】
⇒係船(ケイセン)ドック
湿虫
しっちゅう [0] 【湿虫】
ワラジムシの異名。
湿電池
しつでんち [3] 【湿電池】
電解液を液状のまま用いる電池。
⇔乾電池
湿霧
しつむ [1] 【湿霧】
地面の物がぬれるほど十分に大きな水滴からなる霧。
⇔乾霧
満
みつ [1] 【満】
暦注の十二直の一。家作り・移転などに吉,土を動かすこと・服薬始めに凶という日。
満
まん [1] 【満】
(1)みちること。いっぱいになること。
(2)翌年の同月同日をもって一年とする数え方。丸。「―で数える」
→数え
→足掛け
満々たる
まんまん【満々たる】
<be> full <of ambition,confidence> .→英和
満ず
まん・ず 【満ず】 (動サ変)
⇒まんずる(満)
満ずる
まん・ずる 【満ずる】 (動サ変)[文]サ変 まん・ず
(1)期限に達する。期日が来る。「月―・じて生まれたるは女子なり/盛衰記 43」
(2)願い事などがかなう。「我が願すでに―・ずとて/著聞 13」
(3)ある範囲をいっぱいにする。欠けるところがないようにする。「累代繁栄四海に―・ぜし先代をば/太平記 27」
満たす
みたす【満たす】
[充満さす]fill (up) <a cup with water> ;→英和
[満足さす]satisfy;→英和
meet <a demand> .→英和
満たす
みた・す [2] 【満たす・充たす】 (動サ五[四])
(1)いっぱいにする。容器などに入れて満ちるようにする。「ごちそうで腹を―・す」「杯に酒を―・す」
(2)満足させる。「―・されない心」「要求を―・す」
(3)〔数〕 ある条件にあう。「以下の条件を―・す数値」
[可能] みたせる
満たない
みた∘ない 【満たない】 (連語)
〔動詞「満(ミ)つ」の未然形に打ち消しの助動詞「ない」のついた形〕
足りない。及ばない。…以下である。満たぬ。「百にも―∘ない数」「意に―∘ない」
→みちる
→みつ(満)■一■(1)
満ち
みち [2] 【満ち】
満ちること。「潮の―ひき」「夕潮の―のとどみに舟子(フナコ)を率(アドモ)ひ立てて呼び立てて/万葉 1780」
満ちる
み・ちる [2] 【満ちる・充ちる】 (動タ上一)[文]タ上二 み・つ
(1)主に形のないものや,抽象的なものによって,ある空間がいっぱいになる。「悪意に―・ちた書評」「自信に―・ちた返事」「希望に―・ちた日々」「蝉ノ声ガ耳ニ―・ツル/日葡」
(2)満月になる。「月が―・ちる」
(3)満潮になる。「潮が―・ちてくる」
(4)一定の期間が終わる。期限に達する。「刑期が―・ちて出所する」「月―・ちて玉のような男の子が生まれた」
〔(1)古くは四段活用。中世以降上二段活用が生じた。(2)現代語でも打ち消しの表現には五段活用が用いられる。「百人にも満たない」「意に満たない」→みつ・みたない(満)〕
満ちる
みちる【満ちる】
be filled <with> ;become[be]full <of> ;[期限が]expire;→英和
terminate;→英和
[潮が]rise;→英和
flow.→英和
満ち干
みちひ [1] 【満ち干】
海水が満ちることと引くこと。満潮と干潮。干満(カンマン)。「潮の―が激しい」
満ち干の珠
みちひのたま 【満ち干の珠】
潮満つ珠(タマ)と潮干(フ)る珠の併称。
満ち引き
みちひき [2] 【満ち引き】
満潮と干潮。満ち干(ヒ)。
満ち欠け
みちかけ [2][0] 【満ち欠け・盈ち虧け】
月が丸くなることと欠けること。「月の―」
満ち満ちる
みちみ・ちる [4] 【満ち満ちる】 (動タ上一)[文]タ上二 みちみ・つ
十分に満ちる。いっぱいになる。「闘志が―・ちる」
満ち溢れる
みちあふ・れる [5] 【満ち溢れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 みちあふ・る
あふれそうなほどである。「―・れる若さ」
満ち潮
みちしお【満ち潮】
the flow tide.
満ち潮
みちしお [0] 【満ち潮】
潮が満ちてくること。上げ潮。まんちょう。
⇔引き潮
満ち足りる
みちた・りる [0][4] 【満ち足りる】 (動ラ上一)
十分に満足する。「―・りた生活」「何か―・りない気持ち」
満つ
み・つ 【満つ・充つ】
■一■ [1] (動タ五[四])
(1)「みちる」に同じ。現代語では打ち消し表現を伴って用いられる。「人口六万にも―・たない小さな市」「人多(サワ)に国には―・ちて/万葉 485」
(2)望みがかなう。充足する。「若君国の母となり給ひて,願ひ―・ち給はむ世に/源氏(若菜上)」
→みたない(満)
■二■ (動タ上二)
⇒みちる
■三■ (動タ下二)
(1)いっぱいにする。行き渡らせる。満たす。「植ゑ―・つる田の面の早苗/壬二集」
(2)願いをかなえる。望みを満足させる。「その本尊,願ひ―・て給ふべくはこそ/源氏(東屋)」
(3)課せられたこと,自ら課したことをすべて達成する。「慈救の三洛叉を―・てうど思ふ大願あり/平家 5」
満つれば虧(カ)く
満つれば虧(カ)く
〔史記(蔡沢伝)〕
満月になれば,月は欠け始める。栄華を究めれば,次には衰え始める。
満タン
まんタン [0] 【満―】
〔タンはタンクの略〕
燃料などが容器いっぱいにはいっていること。満杯。
満タンにして下さい.
まんタン【満タンにして下さい.】
Fill it up,please.
満中陰
まんちゅういん [3] 【満中陰】
人の死後四九日目にあたる日。四十九日。
満了
まんりょう [0] 【満了】 (名)スル
定められた期限が来て期間が終わること。「任期が―する」
満了
まんりょう【満了】
expiration.→英和
〜する expire;→英和
come to an end.→英和
⇒満期.
満会
まんかい [0] 【満会】
無尽(ムジン)などの会期が終わること。また,最終の会。
満作
まんさく [0] 【満作】
(1)穀物がよくみのること。豊作。「豊年―」
(2)マンサク科の落葉小高木。山地に生え,庭木にもする。葉はゆがんだ菱形。早春,他の花に先立って開花。花は黄色で短枝の節に二個ずつつき,細長いややよじれた花弁が四個ある。蒴果は卵形。金縷梅。[季]春。
満作(2)[図]
満卓
まんたく [0] 【満卓】
全部のテーブルが客でふさがっていること。
満参
まんさん [0] 【満参】
満願の日の参詣。
満員
まんいん [0] 【満員】
定員に達すること。また,それ以上はいれないほど人が大勢いること。「―電車」「―御礼」
満員である
まんいん【満員である】
be full;be crowded[packed] <with> ;be booked up (予約で).満員 <掲示> House[Car]Full.満員電車 a jam-packed car.
満喫
まんきつ [0] 【満喫】 (名)スル
(1)十分に飲み食いすること。「山海の珍味を―する」
(2)十分に楽しみ,心ゆくまで味わうこと。また,欲望がみたされ満足すること。「京都の秋を―する」「山気を―した」
満喫する
まんきつ【満喫する】
have enough <of> ;enjoy fully[to the full].
満地
まんち [1] 【満地】
地面いっぱいに満ちていること。
満城漢墓
まんじょうかんぼ マンジヤウ― 【満城漢墓】
中国,河北省満城県にある前漢中期の墓。1968年発掘。被葬者は景帝の子中山王劉勝とその妻とみられ,玉片を金糸でつづる金縷(キンル)玉衣をまとう。
満堂
まんどう [0] 【満堂】
堂いっぱいに満ちていること。また,堂にいる人全部。満場。
満場
まんじょう [0] 【満場】
会場全体。また,その場にいる人全部。「―の紳士淑女」「―の喝采を浴びる」
満場の聴衆
まんじょう【満場の聴衆】
a packed audience.〜のかっさい general applause.〜の諸君! Ladies and gentlemen! 〜一致で unanimously;by a unanimous vote.
満場一致
まんじょういっち [0] 【満場一致】
その場にいる人全部の意見が,一致すること。全員異議のないこと。「―で可決する」
満塁
まんるい [0] 【満塁】
野球で,一塁・二塁・三塁のすべてに走者がいること。フル-ベース。「二死―」
満塁の
まんるい【満塁の】
《野》bases-loaded <single> .〜である The bases are full.‖満塁ホーマー a base-loaded homer;a grand slam.一死満塁 one out[down]bases loaded.
満天
まんてん [0] 【満天】
空いっぱいになること。また,大空一面。「―の星」
満天下
まんてんか [3] 【満天下】
天下全体。国中。世界中。「―を沸かせる」
満天星
どうだん [0] 【満天星】
〔「とうだい(灯台)」の転〕
ドウダンツツジの略。
〔「満天星の花」は [季]春〕
満天星
まんてんせい [3] 【満天星】
(1)ドウダンツツジのこと。
(2)植物ハクチョウゲの異名。
満天星
どうだんつつじ [5][6] 【満天星】
ツツジ科の落葉低木。山地に自生し,観賞用に広く栽植される。枝はよく分枝する。葉は倒卵形で枝先に輪生状につく。春,新葉とともに長さ1〜2センチメートルの白色壺形の小花を下垂する。秋の紅葉も美しい。ドウダン。[季]春。
満室
まんしつ [0] 【満室】
(1)すべての部屋がふさがり空室のないこと。「土日はいつも―です」
(2)部屋が人などでいっぱいになること。「―の青年老年或は哄笑し/思出の記(蘆花)」
満尾
まんび [1] 【満尾】
連歌・俳諧で,百韻・歌仙などの一巻を完結すること。また一般に,物語などが終わりとなること。大尾。「是までの筆をおくにしくことなしと漸く―し/滑稽本・膝栗毛 5」
満山
まんざん [1] 【満山】
(1)山全体。全山。「―のつつじ」
(2)寺全体。寺の僧全部。「されば―歎て年を経る処に/太平記 2」
満州
まんしゅう【満州(の)】
Manchuria(n).→英和
満州
まんしゅう マンシウ 【満州・満洲】
(1)「満州国」の略。また,満州国の全領域の称。
(2)中国の東北部をさしていった旧通称。満州族の居住域をさしたもの。
→満州族
(3)中華民国時代,奉天(現在の遼寧(リヨウネイ))・吉林・黒竜江の東三省の総称。
満州事変
まんしゅうじへん マンシウ― 【満州事変】
1931年(昭和6)9月18日,奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖で満鉄線路の爆破事件を契機として始まった日本軍の中国東北への侵略戦争。若槻内閣は不拡大方針をとったが,関東軍は東北三省を占領。翌年,「満州国」を樹立し,以後15年に及ぶ日中戦争の発端となった。
満州国
まんしゅうこく マンシウ― 【満州国】
日本が満州事変によって占領した中国東北部(現在の黒竜江省・吉林省・遼寧省・内モンゴル自治区北東部)につくりあげた傀儡(カイライ)国家。1932年(昭和7),もと清朝の宣統帝溥儀(フギ)を執政に迎え(34年には皇帝),中華民国から分離させて建国。首都は新京(長春)。翌年熱河省も加えた。政府の要職には満州人を起用したが,事実上は日本人官吏および関東軍の指導下にあった。45年8月,日本の第二次世界大戦敗北とともに消滅。
満州国協和会
まんしゅうこくきょうわかい マンシウ―ケフワクワイ 【満州国協和会】
満州国唯一の公認政治団体。1932年(昭和7)7月設立。当初日本の植民地政策徹底のための宣撫(センブ)工作・青年訓練・社会教化・示威運動にあたったが,のち総力戦体制のなかで人的・物的収奪機関となった。
満州文字
まんしゅうもじ マンシウ― [5] 【満州文字】
満州語の表記に用いられてきた音素文字。清の太祖のとき,蒙古(モウコ)文字を応用して表記したのに始まり,二代太宗のとき,これらの文字に圏点を付すなどの改良を加えて成立。
満州族
まんしゅうぞく マンシウ― [3] 【満州族】
中国東北地方に分布するツングース族南方系民族。一七世紀,中国を征服,後金(コウキン)国を建て清朝をひらいた女真族が,みずからの族名として用いるようになった名称。
満州某重大事件
まんしゅうぼうじゅうだいじけん マンシウ―ヂユウダイ― 【満州某重大事件】
張作霖(チヨウサクリン)爆殺事件(1928年6月)を当時の日本政府が秘匿(ヒトク)しようとして称した語。
満州語
まんしゅうご マンシウ― [0] 【満州語】
アルタイ諸語ツングース系に属する言語。満州族の用いる言語であるが,現在は中国語の使用者が多く,満州語の話し手の数は僅少。文字は縦書きの満州文字を使用。
満州里
まんしゅうり マンシウリ 【満州里】
中国,内モンゴル自治区北東部の都市。家畜・乳製品の集散が盛ん。ロシア連邦との国境近くにあり,シベリア鉄道への連絡点。マンチューリ。
満帆
まんぱん [0] 【満帆】
帆(ホ)をいっぱいに張ること。「順風―」
満席
まんせき [0] 【満席】
劇場・乗り物などの座席がすべてふさがること。「連休中の指定席はすべて―です」
満幅
まんぷく [0] 【満幅】
(1)幅いっぱい。全幅。
(2)多く「満幅の」の形で,全面的・心から,の意で用いる。全幅。「―の信頼をおく」「画家は殊に眼に―の精神を注いで/肖像画(四迷)」
満干
まんかん [0] 【満干】
潮が満ちることと干ること。みちひ。
満干
みちひ【満干】
⇒干満.
満年齢
まんねんれい [3] 【満年齢】
誕生日を迎えるごとに一歳を加える年齢の数え方。また,そうして数えた年齢。
満床
まんしょう [0] 【満床】
病院のベッドが,入院患者で全部ふさがっていて空きがないこと。
満座
まんざ [0] 【満座】
(1)その座にいっぱいになっていること。また,その座にいる者すべて。「―の中で恥をかく」
(2)法会(ホウエ),説法などの最終日。満願の日。
(3)連歌・俳諧で,一巻が成就して会席が終了すること。
満座の中で
まんざ【満座の中で】
in public;publicly;→英和
before the whole company.
満庫
まんこ [0] 【満庫】
倉庫がいっぱいであること。
満庭
まんてい [0] 【満庭】
庭全体。庭いっぱい。「―の胡蝶花開く/日乗(荷風)」
満廷
まんてい [0] 【満廷】
朝廷・法廷などが人でいっぱいになること。また,廷中のすべての人。「―身じろぎもしない」
満引
まんいん [0] 【満引】 (名)スル
「満を引く」に同じ。引満。「大盃を―し名媛を提挈して/獺祭書屋俳話(子規)」
満忌
まんき [1][0] 【満忌】
忌があけること。喪があけること。
満悦
まんえつ [0] 【満悦】 (名)スル
満足して喜ぶこと。「至極御―の体(テイ)」「山海の珍味に―する」
満悦の様子である
まんえつ【満悦の様子である】
look greatly delighted[pleased] <with> .
満更
まんざら [0] 【満更】
■一■ (副)
(1)(あとに否定的な語を伴って)否定的な意味をさらに強める。全く本当に。「―くめんができないといつてやつたら/安愚楽鍋(魯文)」
(2)(否定的な語のあとにさらに打ち消しの語を伴って)否定の意味をやわらげたり,むしろ逆であるの意味を表したりする。必ずしも。「―嫌でもなさそうだ」「―捨てたものでもない」
■二■ (形動)
(1)全くだめであるさま。「―な腰を禿はおしならひ/柳多留 2」
(2)困難なさま。こまりはてるさま。「いづれ―なことさね/黄表紙・孔子縞于時藍染」
〔語源未詳。「満更」は当て字〕
満更
まんざら【満更】
<not> altogether.→英和
満月
まんげつ【満月】
a full moon.
満月
まんげつ [1] 【満月】
(1)全面が明るく輝いてまんまるに見える月。太陽と月との黄経の差が一八〇度のときに見える。陰暦(八月)一五夜の月。望月(ボウゲツ)((モチヅキ))。望(ボウ)。[季]秋。
(2)琵琶の部分の,隠月(インゲツ)の別名。
満月様顔貌
まんげつようがんぼう [7] 【満月様顔貌】
⇒ムーン-フェース
満期
まんき【満期】
expiration;→英和
maturity (手形などの).→英和
〜になる[人が主語]complete one's term of office;serve one's term;serve one's time (刑期が);[任期が主語]expire;→英和
[手形など]mature;→英和
become due.
満期
まんき [1][0] 【満期】
期限に達すること。一定の期日になること。「定期預金が―になる」「兵役が―になる」
満杯
まんぱい [0] 【満杯・満盃】
(1)酒が杯になみなみとあること。「―の酒」
(2)容器が物で満たされること。「タンクに水が―になる」
(3)物を収容する場所などに物がいっぱいはいって,それ以上はいらないこと。「―の駐車場」
満株
まんかぶ [0][1] 【満株】
株式の購入申し込み数が募集数に達すること。
満款
マンガン [0] 【満貫・満款】
〔中国語〕
麻雀で,一回の上がりの点数が多くなりすぎないように特定の点数で決めた限度。
満水
まんすい [0] 【満水】
水がいっぱいになること。「ダムが―になる」「―時の水位」
満洲
まんしゅう マンシウ 【満州・満洲】
(1)「満州国」の略。また,満州国の全領域の称。
(2)中国の東北部をさしていった旧通称。満州族の居住域をさしたもの。
→満州族
(3)中華民国時代,奉天(現在の遼寧(リヨウネイ))・吉林・黒竜江の東三省の総称。
満洲源流考
まんしゅうげんりゅうこう マンシウゲンリウカウ 【満洲源流考】
中国,清の地誌。二〇巻。乾隆帝に仕えた阿桂(1717-1797)らの奉勅撰。1778年成立。満州の部族・地理・風俗に関する古来の史伝を列挙,考証している。
満済
まんさい 【満済】
(1378-1435) 室町初期の真言宗の僧。醍醐寺座主。東寺長者。足利義満の猶子。朝廷・幕府の厚い尊信を得て准三后(ジユンサンゴウ)となる。政務にも関係し黒衣の宰相と称された。「満済准后日記」を残す。まんぜい。
満満
まんまん [0] 【満満】 (ト|タル)[文]形動タリ
満ち満ちているさま。満ちあふれているさま。「自信―」「―と水をたたえた湖」
満漢偶数官制
まんかんぐうすうかんせい [9] 【満漢偶数官制】
中国,清代,六部や都察院など中央官庁の要職の定員を偶数とし,満州人と漢人を同数任命した制度。清朝の漢民族懐柔策の一。
満漢全席
まんかんぜんせき [5] 【満漢全席】
中国料理で,二〜三日かけて食べる,山海の珍味を集めた料理の称。満族と漢族の料理の集大成の意。ツバメの巣・フカの鰭(ヒレ)など高級な材料のほか,熊の掌(テノヒラ)・象の鼻・蛇・猿なども用いる。
満潮
まんちょう [0] 【満潮】
潮が満ちて,海水面が上がりきった状態。また,その時。一日のうち,普通二回出現し,高い方の満潮を高高潮(コウコウチヨウ),低い方の満潮を低高潮という。みちしお。高潮(コウチヨウ)。
⇔干潮
満潮
まんちょう【満潮(時に)】
(at) high[full]tide.満潮線 the high-tide limit; <米> the tidewater limit.
満濃池
まんのういけ 【満濃池】
香川県満濃町にある灌漑用の溜め池。大宝年間(701-704)創設。821年,空海が修築。1959年(昭和34)大改修を完了。面積1.4平方キロメートル。
満点
まんてん [3] 【満点】
(1)試験などで,想定された最高の点数。誤りや失敗が全くない状態。「―をとる」
(2)満足できる状態であること。非常に良いこと。「サービス―」
満点を取る
まんてん【満点を取る】
get a perfect[full]mark <in> .〜の perfect;→英和
satisfactory.→英和
満珠
まんじゅ 【満珠】
海に投げ入れると潮が満ちるという珠(タマ)。しおみつたま。
⇔干珠
「竜宮城に宝とする干珠・―を借り召さる/太平記 39」
満盃
まんぱい [0] 【満杯・満盃】
(1)酒が杯になみなみとあること。「―の酒」
(2)容器が物で満たされること。「タンクに水が―になる」
(3)物を収容する場所などに物がいっぱいはいって,それ以上はいらないこと。「―の駐車場」
満盈
まんえい [0] 【満盈】
十分に満ちること。盈満。
満目
まんもく [0] 【満目】
見渡す限り。あたり一面。「小降りとなりて,―の雲霧白み/自然と人生(蘆花)」
満目蕭条
まんもくしょうじょう [0] 【満目蕭条】
見渡す限りもの寂しいこと。
満眸
まんぼう [0] 【満眸】
見渡す限り。満目。
満票
まんぴょう [0] 【満票】
選挙で,投票数の全部。また,一人がすべての票を得ること。「―を獲得する」
満腔
まんくう [0] 【満腔】
「まんこう(満腔)」の誤読。
満腔
まんこう [0] 【満腔】
体じゅうに満ちていること。また,体全体。満身。「―の謝意を表する」「―の怒り」
満腔の
まんこう【満腔の】
wholehearted;→英和
hearty <thanks> .→英和
満腹
まんぷく [0] 【満腹】 (名)スル
(1)腹がいっぱいになること。それ以上食べられないほど腹がいっぱいであること。
⇔空腹
「たくさん食べて―する」
(2)腹にある全部。多く「満腹の」の形で,全面的・心から,などの意で用いる。「―の敬意と,謝意とを表し申し候ふ/東西南北(鉄幹)」
満腹である
まんぷく【満腹である】
have eaten[had]enough; <話> be full.
満船
まんせん [0] 【満船】
船の乗客・積み荷などが最大積載量に達していること。
満艦飾
まんかんしょく [3] 【満艦飾】
(1)軍艦の儀礼の一。祝祭日などに,停泊中の艦艇の各マストに信号旗と軍艦旗を掲げること。
(2)転じて,派手に飾り立てること。また,たくさんの洗濯物を干して翻らせること。
満蒙
まんもう 【満蒙】
第二次大戦前,中国の満州と内蒙古を指していった語。
満蒙開拓団
まんもうかいたくだん [8] 【満蒙開拓団】
満州事変後,日本が満州・内蒙古などに行なった農業移民団。農業を中心とする国内の諸矛盾解決,満州国の治安維持,対ソ戦備など国策的な性格を帯びていた。移民は武装し組織的な軍事訓練を受けた。ソ連の参戦により壊滅的な打撃を受け,多くの犠牲者を出した。
満誓
まんせい 【満誓】
奈良前期の官人・僧。俗名,笠朝臣麻呂(カサノアソミマロ)。右大弁のとき,元明上皇の病気平癒を祈願して出家。勅命により723年筑紫観世音寺を造り別当として太宰府に住し,大伴旅人らと親交。万葉集に短歌七首を残す。生没年未詳。沙弥満誓。
満貫
マンガン [0] 【満貫・満款】
〔中国語〕
麻雀で,一回の上がりの点数が多くなりすぎないように特定の点数で決めた限度。
満足
まんぞく [1] 【満足】 (名・形動)スル [文]ナリ
(1)望みが達せられて不平のないこと。十分満ち足りていること。また,そのさま。「自己―」「―が得られる」「結果に―する」「それで―ですか」
(2)十分であること。完全であること。また,そのさま。「五体―な人」「―に口もきけない」
(3)〔数〕 ある条件に合うこと。「方程式を―する値」
[派生] ――げ(形動)
満足
まんぞく【満足】
satisfaction;→英和
contentment;→英和
gratification.→英和
〜さす satisfy;→英和
please.→英和
〜する be satisfied[pleased] <with> .〜な(に) satisfactory(-ily);→英和
[完全な]perfect(ly);→英和
complete(ly);→英和
[十分な]sufficient(ly);→英和
enough.→英和
満足感
まんぞくかん [4][3] 【満足感】
満ち足りた感じ。「―をおぼえる」
満身
まんしん [0] 【満身】
体じゅう。全身。「―の力をふりしぼる」
満身の力をこめて
まんしん【満身の力をこめて】
with all one's strength[might].〜血だらけである be smeared all over with blood.満身創痍である be covered all over with wounds.
満身創痍
まんしんそうい [5] 【満身創痍】
(1)全身傷だらけであること。
(2)徹底的に非難を受けること。手ひどくいためつけられること。
満車
まんしゃ [0] 【満車】
駐車場などで,車の収容能力が限界に達したこと。
→空車
満載
まんさい [0] 【満載】 (名)スル
(1)車・船などに荷物をいっぱいのせること。「救援物資を―した船」
(2)新聞・雑誌に記事をたくさんのせること。「楽しい読み物を―した新年号」
満載する
まんさい【満載する】
be fully loaded <with> ;be crowded <with passengers> .
満遍
まんべん [0] 【満遍】
(1)残りなく全体に等しく行き渡ること。全体。全般。
(2)〔仏〕(禅宗で)平均・平等の意。「―ニセヨ/日葡」
満遍ない
まんべんな・い [5] 【満遍ない・万遍ない】 (形)[文]ク まんべんな・し
行き届かぬところがない。あまねく行きわたっている。現代では多く,「まんべんなく」の形で用いる。「―・く塗りつぶす」「皮膚は美しく排色点して,―・い血行に/青春(風葉)」
満都
まんと [1] 【満都】
都に満ちていること。また,都にいる人。
満鉄
まんてつ [0] 【満鉄】
南満州鉄道株式会社の略称。
満鉄付属地
まんてつふぞくち 【満鉄付属地】
日露戦争の結果,日本が獲得した中国東北部の鉄道沿線の地域。南満州鉄道株式会社が行政権をもった。
満鉄調査部
まんてつちょうさぶ 【満鉄調査部】
満鉄の調査研究機関。1907年(明治40)中国に関する総合的調査研究機関として満鉄本社内に設けられ,以後日本の華北侵略の拡大に伴って,調査研究を充実させ,盛時には二千名以上を擁した。日本軍との緊密な協力の下での国策研究機関であったが,「支那抗戦力調査」など反戦的意味をもつ成果も生み出した。日本の敗戦とともに消滅。
満開
まんかい [0] 【満開】 (名)スル
十分に開くこと。特に,花が十分に開くこと。「桜の花が―になる」「汽道を―しければ汽車の速力弥々加はり/八十日間世界一周(忠之助)」
満開である
まんかい【満開である】
be in full bloom.
満限
まんげん [0] 【満限】
定められた期限が来ること。満了。「―に至る」
満面
まんめん [0] 【満面】
顔じゅう。顔全体。「得意―」「―に笑みを浮かべる」
満面微笑して
まんめん【満面微笑して】
<be> smiling all over one's face.
満韓交換論
まんかんこうかんろん 【満韓交換論】
日露戦争前,ロシアの満州支配を認める代わりに日本の朝鮮支配を認めさせるという構想。
満額
まんがく [0] 【満額】
目標または要求の金額に達すること。全く欠けていないこと。「保険金が―おりる」「―回答」
満顔
まんがん [0] 【満顔】
顔じゅう。顔いっぱい。満面。「―に羞色を帯び/花柳春話(純一郎)」
満願
まんがん [0] 【満願】
期間をあらかじめ定めて神仏に願いをかけ,その期限に達すること。「―の日」
満5年
まん【満5年】
five full years;a full five years.〜を持する watch for an opportunity[a chance].→英和
溌刺とした
はつらつ【溌刺とした】
lively;→英和
brisk.→英和
溌剌
はつらつ [0] 【溌剌・溌溂】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)きびきびとして元気のよいさま。生き生きとしているさま。「元気―たる青年」「―とした新人」
(2)魚の飛びはねるさま。「徒らに湖水の浪に―たり/太平記 9」
[派生] ――さ(名)
溌墨
はつぼく [0] 【溌墨】
水墨画で,画面に墨をそそぎ,そのかたまりをぼかしながら描く方法。雨景を描くときに用いることが多い。
→破墨
溌溂
はつらつ [0] 【溌剌・溌溂】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)きびきびとして元気のよいさま。生き生きとしているさま。「元気―たる青年」「―とした新人」
(2)魚の飛びはねるさま。「徒らに湖水の浪に―たり/太平記 9」
[派生] ――さ(名)
源
みなもと【源】
(1)[水源]the source;→英和
the fountainhead.→英和
(2)[起源]the origin;→英和
the beginning.〜を…に発する rise in[from]… (川などが);come from….
源
みなもと 【源】
姓氏の一。嵯峨天皇がその皇子を臣籍に降下させ源姓を賜ったのに始まる。嵯峨・淳和・仁明・文徳・清和・宇多・醍醐・村上・花山などの諸源氏があるが,とりわけ清和源氏は畿内を中心に土着し,一一世紀以降には関東武士団を従えて,嫡流の頼朝による鎌倉幕府創設に至る。
→清和源氏
→嵯峨源氏
→村上源氏
→宇多源氏
源
みなもと [0] 【源】
〔「水(ミ)の本(モト)」の意〕
(1)川の水の流れ出る所。水源。「川の―をさぐる」「槍ヶ岳に―を発している」
(2)物事の起こるはじめ。起源。根源。源流。「この行事は―を平安時代に求めることができる」
源おぢ
げんおじ ゲンヲヂ 【源おぢ】
小説。国木田独歩作。1897年(明治30)「文芸倶楽部」に発表。原題「源叔父」。侠気(キヨウキ)ある源叔父の,ままならぬ人生を哀感を込めて描く。
源三位頼政
げんざんみよりまさ ゲンザンヰ― 【源三位頼政】
⇒源頼政(ミナモトノヨリマサ)
源九郎狐
げんくろうぎつね ゲンクラウ― [6] 【源九郎狐】
(1)大和にいたという,いたずら狐。
(2)浄瑠璃「義経千本桜」に登場する狐。
源五郎
げんごろう ゲンゴラウ [0] 【源五郎】
ゲンゴロウ科の昆虫。体長35〜40ミリメートル。体は長卵形で平たく,黒色で緑銅光沢があり,外縁部や肢は暗黄褐色。池や沼にすみ,昆虫・小魚などを捕食する。地方によっては食用にする。日本全土と台湾・朝鮮・シベリアなどに分布。[季]夏。
源五郎[図]
源五郎鮒
げんごろうぶな ゲンゴラウ― [6] 【源五郎鮒】
コイ目の淡水魚。全長40センチメートルに達する。フナの一種で,体は側扁し,体高が高い。琵琶湖特産であったが,移殖により各地の河川湖沼で繁殖している。食用。釣りの対象魚。ヘラブナ。ヘラ。カワチブナ。オウミブナ。
→フナ
源俊頼
みなもとのとしより 【源俊頼】
(1055-1129) 平安後期の歌人。経信の子。白河院の命により「金葉和歌集」を撰進。新奇な表現と題材を積極的に開拓し,歌壇に新風を吹き込んだ。著「俊頼髄脳」,家集「散木奇歌(サンボクキカ)集」がある。多くの古筆切の筆者に比定される。
源信
げんしん 【源信】
(942-1017) 平安中期の天台宗の僧。恵心僧都・横川(ヨカワ)僧都。大和の人。比叡山で良源に師事し,横川恵心院に住す。「往生要集」を著して浄土教の興隆に大きく貢献し,また文学・芸術にも多くの影響を与えた。一方,天台宗恵心流の祖とされ,中古・中世の天台本覚思想の先駆をなした。著「一乗要訣」「観心略要集」「阿弥陀経略記」など。
源信
みなもとのまこと 【源信】
(810-868) 平安初期の廷臣。嵯峨天皇の皇子。814年源姓を賜り臣籍に降下,皇子で源姓を賜る初例となった。857年左大臣。応天門の変では放火の罪に問われたが疑いは晴れた。
源光行
みなもとのみつゆき 【源光行】
(1163-1244) 鎌倉初期の歌人・文学者。親行の父。法名,寂因。和歌を藤原俊成に学び,古典・故実に通じる。親行とともに「源氏物語(河内本)」を校訂する。承久の乱に連座。著「蒙求和歌」
源兼昌
みなもとのかねまさ 【源兼昌】
平安後期の歌人。俊輔の子。従五位下皇后宮少進。堀河院歌壇・忠通家歌壇で活躍。「金葉和歌集」以下の勅撰集に七首入集。生没年未詳。
源内
げんない 【源内】
⇒平賀(ヒラガ)源内
源内櫛
げんないぐし [3] 【源内櫛】
棟を銀で飾った伽羅(キヤラ)の櫛。平賀源内がつくりだしたという。
源内焼
げんないやき [0] 【源内焼】
香川県志度(シド)で焼かれた色絵陶器。平賀源内が創始したという。舜民焼。
源博雅
みなもとのひろまさ 【源博雅】
(918?-980) 平安中期の雅楽家。醍醐天皇の孫。従三位。博雅三位(ハクガノサンミ)と称される。笛・篳篥(ヒチリキ)・琵琶・箏(ソウ)などの名手。蝉丸から秘曲を伝授されたと伝えられ,「長慶子(チヨウゲイシ)」の作曲者ともいう。著「博雅笛譜」
源四郎
げんしろう ゲンシラウ 【源四郎】
〔人形浄瑠璃の隠語から〕
金銭や数をごまかすこと。ぴんはね。また,そうする人。「おまへさんがたの―してぢや/滑稽本・膝栗毛 8」
源宗于
みなもとのむねゆき 【源宗于】
(?-939) 平安前期の歌人。三十六歌仙の一人。是忠親王の子。正四位下右京大夫。「大和物語」に不遇を嘆く歌を残す。「古今和歌集」以下の勅撰集に一五首入集。家集「宗于集」
源実朝
みなもとのさねとも 【源実朝】
(1192-1219) 鎌倉幕府三代将軍。頼朝の二男,頼家の弟。母は北条政子。幼名,千幡(センマン)。1203年将軍となるが実権は北条氏が握った。18年右大臣。翌年正月,鶴岡八幡宮社頭で甥の公暁(クギヨウ)に暗殺され,頼朝直系の子孫は断絶。万葉調の和歌に秀で,家集「金槐和歌集」がある。
源家
げんけ 【源家】
「源氏{(1)}」に同じ。
源家長
みなもとのいえなが 【源家長】
(1170?-1234) 平安末期・鎌倉初期の歌人。従四位但馬守。和歌所開闔(カイコウ)。後鳥羽院歌壇で活躍し,新古今集以下の勅撰集に三四首入集。著「源家長日記」
源師房
みなもとのもろふさ 【源師房】
(1008-1077) 平安後期の廷臣。村上天皇の孫,具平(トモヒラ)親王の長子。藤原頼通の猶子。村上源氏の祖。1077年太政大臣。著「叙位除目抄」,日記「土右記」など。
源平
げんぺい [0] 【源平】
(1)源氏と平氏。「―の戦い」
(2)二組に分かれてする勝負。「―ガルタ」
(3)〔源氏が白旗,平氏が紅旗を用いたので〕
白と紅。「―餅」「―なます」
源平布引滝
げんぺいぬのびきのたき 【源平布引滝】
人形浄瑠璃の一。時代物。並木千柳(宗輔)・三好松洛の合作。1749年初演。通称「布引滝」。木曾義賢の最期,義仲の生い立ち,多田蔵人の後白河院救出などを描く。三段目の「実盛物語」が有名。
源平時代
げんぺいじだい [5] 【源平時代】
平安末期,源氏と平氏の擡頭(タイトウ)から互いに覇を競って栄枯盛衰があった時代。一一世紀末から一二世紀末までの約一世紀。
源平桃
げんぺいもも [3] 【源平桃】
花桃の一品種。紅白の花がまじって咲くもの。日月桃。咲きわけもも。[季]春。《―地にも紅白散りみだれ/鈴木花蓑》
源平盛衰記
げんぺいじょうすいき 【源平盛衰記】
軍記物。四八巻。作者未詳。鎌倉後期以降に成立。「平家物語」の異本の一種。一般に流布した「平家物語」に比べて歴史を精密に再現しようとする傾向が強く,そのため文体も,やや流麗さを欠く。ただし謡曲・浄瑠璃など後世の文芸への影響は大きい。げんぺいせいすいき。盛衰記。
源平臭木
げんぺいくさぎ [5] 【源平臭木】
クマツヅラ科の常緑つる性低木。西アフリカ原産。観賞用に温室栽培する。葉は対生し,卵円形。夏,開花。花は鮮紅色の筒状花で,白色鐘状の萼(ガク)の中にある。その紅白の対照からこの名がある。
源平藤橘
げんぺいとうきつ [0][0] 【源平藤橘】
一門がそれぞれ繁栄した源氏,平氏,藤原氏,橘(タチバナ)氏の四氏をあわせ呼ぶ称。四姓。
源平香
げんぺいこう [3] 【源平香】
江戸時代の組香の一。赤方・白方の二組に分かれ,香をききあてることを競う。盤物で一炷(イツチユウ)聞き。
源有仁
みなもとのありひと 【源有仁】
(1103-1147) 平安後期の廷臣。通称,花園左大臣。後三条天皇の孫。詩歌・書に秀で,衣装に精通して朝廷の装束制度を改革した。日記「園槐記」のほか有職故実書がある。
源氏
げんじ [0] 【源氏】
(1)源(ミナモト)姓の氏族の称。814年嵯峨天皇が皇子に賜って臣下としたのに始まる。特に,清和源氏・村上源氏・宇多源氏・花山源氏が著名。源家。
(2)「源氏物語」の略。また,その主人公。
→源氏物語
(3)〔源氏・平氏の旗色から〕
紅白の意を表す。
源氏の君
げんじのきみ 【源氏の君】
光(ヒカル)源氏。
源氏の大将
げんじのだいしょう 【源氏の大将】
光(ヒカル)源氏。
源氏の氏神
げんじのうじがみ 【源氏の氏神】
清和源氏が氏神として崇拝した八幡大神。
源氏の間
げんじのま 【源氏の間】
紫式部が源氏物語を執筆したという,石山寺の一室の名。
源氏ガルタ
げんじガルタ [4] 【源氏―】
源氏物語中の和歌を題材にしたカルタ。
源氏供養
げんじくよう 【源氏供養】
能の一。三番目物。石山寺に参詣した安居院(アグイ)法印は,紫式部の霊に頼まれて,光源氏の供養を行う。
源氏八領の鎧
げんじはちりょうのよろい 【源氏八領の鎧】
源氏相伝の八種の鎧。月数(ツキカズ)・日数(ヒカズ)・源太産衣(ゲンタノウブギヌ)・八竜(ハチリヨウ)・沢瀉(オモダカ)・薄金・楯無(タテナシ)・膝丸(ヒザマル)をいう。
源氏名
げんじな [3] 【源氏名】
(1)芸妓などがつける呼び名。
(2)源氏物語五四帖の巻名にちなんでつけられた女官の名。夕霧典侍,薄雲命婦など。のち,武家の奥女中などにも用いられた。
源氏国名連歌
げんじこくめいれんが [8] 【源氏国名連歌】
物名連歌の一。長句に源氏物語の巻名,短句に六十余州の国名を詠み込むもの。源家長「源氏国名百韻」など。
源氏塀
げんじべい [3] 【源氏塀】
板塀の一。腰長押(コシナゲシ)から下は羽目板を太鼓張りにし,腰長押の上は笠木との間に襷(タスキ)を入れたもの。数寄屋などに用いる。
源氏塀[図]
源氏巻
げんじまき [0] 【源氏巻(き)】
棹物(サオモノ)菓子の一種。小口切りにした切り口が紅白の渦巻きになっているもの。
源氏巻き
げんじまき [0] 【源氏巻(き)】
棹物(サオモノ)菓子の一種。小口切りにした切り口が紅白の渦巻きになっているもの。
源氏打ち
げんじうち [0] 【源氏打ち】
打ち紐(ヒモ)の名。白地に色糸を矢筈に打ち組みとしたもの。甲冑(カツチユウ)の緒所などに用いた。
源氏星
げんじぼし [3] 【源氏星】
オリオン座 β 星のリゲルの和名。同じオリオン座の赤色の輝星ベテルギウスに対して,青白色のため源氏の白旗にたとえて名づけられた。〇・一等星。
→平家星
源氏物語
げんじものがたり 【源氏物語】
物語。五四帖。紫式部作。一〇〇一〜五年の間に起筆,成立年未詳。巻名と巻序は次のとおり。桐壺(「壺前栽」「かがやく日の宮」とも)・帚木(ハハキギ)・空蝉(ウツセミ)・夕顔・若紫・末摘花(スエツムハナ)・紅葉賀(モミジノガ)・花宴(ハナノエン)・葵・賢木(サカキ)・花散里・須磨・明石(「浦伝(ウラツタイ)」とも)・澪標(ミオツクシ)・蓬生(ヨモギウ)・関屋・絵合・松風・薄雲・朝顔(アサガオ)・乙女(オトメ)(「日影」とも)・玉鬘(タマカズラ)・初音・胡蝶・蛍・常夏(トコナツ)・篝火(カガリビ)・野分(ノワキ)・行幸(ミユキ)・藤袴・真木柱・梅枝・藤裏葉・若菜上(「箱鳥」とも)・若菜下(「諸鬘(モロカズラ)」とも)・柏木・横笛・鈴虫・夕霧・御法(ミノリ)・幻・匂宮(ニオウノミヤ)(「匂兵部卿」「薫中将」とも)・紅梅・竹河・橋姫(「優婆塞(ウバソク)」とも)・椎本(シイガモト)・総角(アゲマキ)・早蕨(サワラビ)・宿木(「貌鳥(カオドリ)」とも)・東屋(「狭蓆(サムシロ)」とも)・浮舟・蜻蛉(カゲロウ)・手習・夢浮橋(「法の師」とも)。「幻」の次に「雲隠」の巻があったとも言われているが,巻名だけで本文は伝わっていない。「幻」までは,多くの女性との交渉を中心に光源氏の栄華と苦悩の生涯を描く。「匂宮」から「竹河」の三帖をつなぎとして,「橋姫」以下の一〇帖(特に「宇治十帖」と呼ぶ)は,舞台を洛外に移して,薫・匂宮と宇治の姫君たちとの恋愛,そしてその悲劇を綴る。構成・心理描写・自然描写に優れ,物語文学の最高峰とされる。後世の文学に及ぼした影響はきわめて大きい。古くは「源氏の物語」「光源氏物語」「紫の物語」などと呼ばれた。
源氏物語奥入
げんじものがたりおくいり 【源氏物語奥入】
⇒奥入(オクイリ)
源氏物語玉の小櫛
げんじものがたりたまのおぐし 【源氏物語玉の小櫛】
注釈書。九巻。本居宣長著。1796年成立。源氏物語の本質を「もののあはれ」と見る立場から論じ,旧注を批判的に取捨して注釈を施す。
源氏物語絵巻
げんじものがたりえまき [9] 【源氏物語絵巻】
源氏物語を主題にした絵巻物。平安時代以降数多く作られ,現存するものでは伝藤原隆能(タカヨシ)筆とする極彩色のもの(徳川黎明会・五島美術館蔵)が有名。1120〜40年の作といわれ,「引目鉤鼻(カギバナ)」の技法を用いている。
源氏物語評釈
げんじものがたりひょうしゃく 【源氏物語評釈】
注釈書。一四巻。萩原広道著。1854〜61年刊。「花宴」までを新旧の注約三〇種を折衷して,注釈したもの。
源氏窓
げんじまど [4] 【源氏窓】
⇒火灯窓(カトウマド)
源氏箱
げんじばこ [3] 【源氏箱】
源氏物語を入れて黒棚(クロダナ)に飾る箱。
源氏節
げんじぶし [0] 【源氏節】
平家琵琶に対抗して,明治時代に名古屋から起こって流行した音曲(オンギヨク)の一。岡本美根太夫が新内節に説経節を採り入れて語り出し,これを地にした芝居も起こった。
源氏糸
げんじいと [4] 【源氏糸】
紅白の糸をより合わせた糸。源平糸。
源氏絵
げんじえ [3] 【源氏絵】
(1)源氏物語を題材にした絵。古来,絵巻・扇絵・屏風(ビヨウブ)絵・蒔絵(マキエ)など多数制作された。源氏物語絵。
(2)平安時代の風俗を源氏雲などを用いて描いた絵。
源氏蛍
げんじぼたる [4] 【源氏蛍】
ホタルの一種。体長15ミリメートル前後。全体が黒く,前胸背面は淡赤色で中央に細い黒条がある。雌雄とも腹端に発光器があり,一分間に七〇〜八〇回光る。幼虫もさなぎも光る。幼虫は清流にすみ,カワニナを食べる。本州・四国・九州に分布。[季]夏。
源氏豆
げんじまめ [3] 【源氏豆】
いった大豆に砂糖をかけて紅白にした菓子。蓬莱(ホウライ)豆。源平豆。
源氏車
げんじぐるま [4] 【源氏車】
(1)貴人の乗る牛車(ギツシヤ)。御所車。
(2)模様・家紋の一。御所車の車輪を図案化したもの。全形と半形がある。
源氏車(2)[図]
源氏酒
げんじざけ 【源氏酒】
酒宴の遊びの一。詳細は不明。源氏物語の巻名・人名などを応酬するものか。「―とたはぶれしも/浮世草子・一代男 1」
源氏釈
げんじしゃく 【源氏釈】
源氏物語の最初の注釈書。一巻。世尊寺(藤原)伊行(コレユキ)著。平安末期成立。引き歌・出典・故事の考証が中心。藤原定家の「奥入」の基礎となった。源氏物語釈。伊行釈。
源氏雲
げんじぐも [4] 【源氏雲】
洲浜(スハマ)形に金箔(キンパク)を押したり,金泥(コンデイ)・銀泥で雲がたなびいている模様を描き,画面の区切りや装飾としたもの。また,その雲。源氏絵に多く見られるところからいう。絵雲。
源氏香
げんじこう [0][3] 【源氏香】
組香の一。五種の香木五包ずつ,計二五包から任意の五包を取り出して炷(タ)き,香の異同を図によって答えるもの。図は五十二種あり,源氏物語の巻名(桐壺と夢浮橋は除く)をあてている。
→源氏香の図
源氏香の図
げんじこうのず [0] 【源氏香の図】
源氏香の答えを表した図。また,図に各巻の絵や歌が描かれている折り本。
源氏香の図[図]
源氏鶏太
げんじけいた 【源氏鶏太】
(1912-1985) 小説家。富山県生まれ。本名,田中富雄。サラリーマン体験に取材した,ユーモアのある作品で知られる。代表作「英語屋さん」「三等重役」
源水
げんすい 【源水】
⇒松井(マツイ)源水
源水独楽
げんすいごま [5] 【源水独楽】
〔松井源水が曲独楽に用いたところから〕
心棒の長い博多独楽。
源泉
げんせん [0] 【源泉・原泉】
(1)水・温泉などのわき出るところ。みなもと。
(2)物が生ずるところ。もと。「活力の―」
源泉
げんせん【源泉】
a source <of knowledge> .→英和
‖源泉課税(をとる) taxation (tax) at the source.源泉所得税 a withholding income tax.源泉徴収票 a tax receipt from work.
源泉分離課税
げんせんぶんりかぜい [8] 【源泉分離課税】
他の所得と分離して課税し,その税額を源泉徴収する分離課税の一種。配当所得と利子所得の課税に対して選択的に認められている。
→源泉分離選択課税制度
源泉分離選択課税制度
げんせんぶんりせんたくかぜいせいど [5][8] 【源泉分離選択課税制度】
他の所得と合算して課税される総合課税か,分離して課税される源泉分離課税かを納税者が自己に有利なほうに選択できる制度。利子所得と配当所得に対して認められている。源泉選択課税。
源泉徴収
げんせんちょうしゅう [5] 【源泉徴収】
給与所得・利子所得・配当所得などについて,その支払い者が支払いの際に所得税を徴収し,国に納付すること。
源泉課税
げんせんかぜい [5] 【源泉課税】
一定の所得・収益に対して,それが支払われる度に支払い場所で個別に賦課する課税方法。
源泉選択課税
げんせんせんたくかぜい [9] 【源泉選択課税】
⇒源泉分離選択課税制度(ゲンセンブンリセンタクカゼイセイド)
源注拾遺
げんちゅうしゅうい ゲンチユウシフヰ 【源注拾遺】
源氏物語の注釈書。八巻。契沖著。1698年初校成立。北村季吟の「湖月抄」をもととし,旧注を訂正したもの。新注の嚆矢(コウシ)として安藤為章の「紫家七論」と並び称される。
源流
げんりゅう [0] 【源流】
(1)川のみなもと。水源。
(2)連綿と続いている物事の始まり。起こり。起源。
源流
げんりゅう【源流】
⇒源(みなもと).
源満仲
みなもとのみつなか 【源満仲】
(?-997) 平安中期の武将。経基の子,頼光・頼信の父。鎮守府将軍。安和(アンナ)の変で,源氏発展のきっかけをつかんだ。摂津多田荘に住み多くの郎等を養い,多田源氏を称したので多田満仲(タダノマンジユウ)ともいう。摂津源氏の祖。
源為憲
みなもとのためのり 【源為憲】
(?-1011) 平安中期の学者・文人。源順(シタゴウ)に師事し,漢詩文に秀でる。出家した冷泉天皇皇女尊子(タカコ)内親王のために「三宝絵詞」を撰進。ほかに著「口遊」「世俗諺文」など。
源為朝
みなもとのためとも 【源為朝】
(1139-1170) 平安末期の武将。為義の八男,義朝の弟。巨躯・剛勇・強弓をもって聞こえ,一三歳の時九州に渡り,各地を席巻して鎮西八郎と称された。保元の乱には崇徳上皇方で奮戦したが捕らえられ,伊豆大島に配流された。のち狩野茂光に攻められて自害。琉球に逃れて琉球王朝の祖になったという伝説もある。
源為義
みなもとのためよし 【源為義】
(1096-1156) 平安末期の武将。義家の孫。義朝・為朝・行家の父。源氏の家督を継ぐ。世に六条判官ともいう。保元の乱に崇徳上皇方について敗れ,後白河天皇方についた義朝の嘆願も及ばず殺された。
源琦
げんき 【源琦】
⇒駒井琦(コマイキ)
源知行
みなもとのともゆき 【源知行】
⇒行阿(ギヨウア)
源空
げんくう 【源空】
法然(ホウネン)の僧としての正式の名前。
源等
みなもとのひとし 【源等】
(877-951) 平安中期の歌人。希の子。正四位下参議。「後撰和歌集」に四首入集。
源範頼
みなもとののりより 【源範頼】
(?-1193) 鎌倉初期の武将。義朝の六男。遠江蒲御厨(カバノミクリヤ)に成長したので蒲の冠者ともいう。弟義経とともに源義仲を近江粟津に殺し,平家を一ノ谷・壇ノ浦に破った。義経没落後,頼朝にとりいったが伊豆修善寺で殺された。
源経信
みなもとのつねのぶ 【源経信】
(1016-1097) 平安後期の廷臣・歌人。俊頼の父。帥大納言・桂大納言・源都督などと称された。大納言・大宰権帥。三船(詩・歌・管弦)の才を兼備。清新な歌風を示し,藤原通俊らと対立した。著「難後拾遺」,家集に「大納言経信集」「帥大納言集」がある。
源経基
みなもとのつねもと 【源経基】
(?-961) 平安中期の武将。清和天皇の第六皇子貞純親王の子。満仲の父。六孫王とも。藤原純友の乱制圧のために小野好古に従い,これを鎮定。のち瀬戸内海地方で活躍した。961年,源朝臣の姓を賜って臣籍に降下し清和源氏の祖となった。
源義仲
みなもとのよしなか 【源義仲】
(1154-1184) 平安末期の武将。為義の孫。木曾山中で育てられ,木曾次郎と称した。1180年,以仁王(モチヒトオウ)の令旨に応じて挙兵し,平維盛の大軍を倶利伽羅(クリカラ)峠に破り,平氏を都落ちさせて入京。勢威を振るったが後白河院と対立,源義経・範頼軍に攻められて,近江粟津で敗死した。木曾義仲。朝日将軍。
源義光
みなもとのよしみつ 【源義光】
(1045-1127) 平安後期の武将。頼義の三男,義家の弟。通称,新羅(シンラ)三郎。後三年の役に義家の苦戦を聞き,官許を得ずに救援に赴き解官された。のち東国を経営,武田氏・佐竹氏・小笠原氏などの祖となった。射術にすぐれ,また笙(シヨウ)の名手。
源義家
みなもとのよしいえ 【源義家】
(1039-1106) 平安後期の武将。頼義の長男,義光の兄。八幡太郎と号す。前九年の役に活躍して出羽守となり,ついで陸奥守兼鎮守府将軍となった。後三年の役を鎮定し,東国武士の信望を集め,東国における源氏の勢力の基礎を築いた。
源義平
みなもとのよしひら 【源義平】
(1141-1160) 平安末期の武将。義朝の長男。一五歳の時合戦で叔父の義賢を殺して武名をあげ,悪源太と称された。平治の乱には父に従ったが,敗れて美濃に逃れ,のち再び入京,平清盛らを討とうとして斬られた。
源義朝
みなもとのよしとも 【源義朝】
(1123-1160) 平安末期の武将。為義の長男,為朝・行家の兄。保元の乱で後白河天皇方に加わり,功によって左馬頭となった。のち平清盛と対立,平治の乱を起こして敗れ,東国に逃れる途中,尾張で家人長田忠致(オサダタダムネ)に殺された。
源義経
みなもとのよしつね 【源義経】
(1159-1189) 平安末・鎌倉初期の武将。義朝の九男。母は常盤(トキワ)。幼名,牛若丸・九郎・遮那(シヤナ)王。検非違使尉(判官)に任ぜられたので九郎判官とも。平治の乱後,鞍馬寺に預けられ,のち奥州平泉の藤原秀衡(ヒデヒラ)の保護を受けた。1180年兄頼朝の挙兵に応じて84年源義仲を討ち,一ノ谷・屋島・壇ノ浦に平家一族を破った。のち後白河院の信任を得て頼朝と対立,再び秀衡のもとに逃れたが,その子泰衡に襲われ,衣川で自刃した。悲劇的な生涯が伝説や文学作品の素材となって後世に伝えられる。
源翁
げんのう ゲンヲウ 【玄翁・源翁】
南北朝時代頃の曹洞宗の僧。諱(イミナ)は心昭。越後の人。遊行中,下野(シモツケ)那須野の殺生石を杖で打ち砕いたという。生没年未詳。
→殺生石
源融
みなもとのとおる 【源融】
(822-895) 平安初期の廷臣。嵯峨天皇の皇子。源姓を授けられ臣籍に降下,872年左大臣になった。河原院という豪邸を営んだので,河原左大臣ともいう。宇治の別荘はのち平等院となった。歌をよくした。
源行家
みなもとのゆきいえ 【源行家】
(?-1186) 平安末・鎌倉初期の武将。為義の十男,義朝・為朝の弟。名は義盛。新宮十郎とも称す。以仁王(モチヒトオウ)の平氏追討の令旨を諸国の源氏に伝えた。平氏滅亡後は,義経と結んだが,和泉で頼朝の兵に殺された。
源親行
みなもとのちかゆき 【源親行】
鎌倉初期の廷臣・歌学者。光行の子。法名,覚因。鎌倉幕府の和歌所奉行となり,父とともに「源氏物語(河内本)」を校訂。著「原中最秘抄」「水原抄」などがある。生没年未詳。
源語
げんご [1][0] 【源語】
源氏物語の略称。
源通具
みなもとのみちとも 【源通具】
(1171-1227) 鎌倉初期の歌人。通親の子。妻は藤原俊成の娘。正二位大納言。「新古今和歌集」撰者の一人で,同集以下の勅撰集に三七首入集。
源通親
みなもとのみちちか 【源通親】
⇒土御門通親(ツチミカドミチチカ)
源都督
げんととく 【源都督】
〔都督は大宰権帥の唐名〕
源経信(ツネノブ)の別名。
源重之
みなもとのしげゆき 【源重之】
(?-1000) 平安中期の歌人。三十六歌仙の一人。清和天皇の曾孫。帯刀先生(センジヨウ)・左馬助・相模権守。旅の歌が多く,また冷泉天皇の東宮時代に奉った百首は現存最古の百首歌。家集に「重之集」がある。
源隆国
みなもとのたかくに 【源隆国】
(1004-1077) 平安後期の廷臣・文学者。幼名,宗国。高明の孫。権大納言にいたり,宇治に別荘があったことから宇治大納言と称された。「宇治拾遺物語」の序によれば,人々から諸国の話を聞き,「宇治大納言物語」(散逸)を著したという。「今昔物語集」の編者ともいわれるが不詳。
源順
みなもとのしたごう 【源順】
(911-983) 平安中期の学者・歌人。嵯峨源氏。三十六歌仙の一人。梨壺の五人の一人として万葉集の訓釈(古点)ならびに「後撰和歌集」の撰進に参加。漢詩文は「扶桑集」「本朝文粋」などに散見。著「倭名類聚鈔」,家集「源順集」
源頼信
みなもとのよりのぶ 【源頼信】
(968-1048) 平安中期の武将。満仲の三男,頼義の父,頼光の弟。藤原道長に仕えた。1031年平忠常の乱を戦わずして平定し武名を高めた。河内源氏の祖。
源頼光
みなもとのよりみつ 【源頼光】
(948-1021) 平安中期の武将。満仲の長男,頼信の兄。射術にすぐれ,大江山酒呑童子退治伝説の主人公とされる。部下に頼光四天王がある。
源頼家
みなもとのよりいえ 【源頼家】
(1182-1204) 鎌倉幕府二代将軍。頼朝の長男,実朝の兄。母は北条政子。幼名,万寿。1199年頼朝の死により家督を継ぎ,1202年征夷大将軍に任じられたが,北条時政らに実権を奪われた。義父の比企能員(ヨシカズ)とともに北条氏追討を企てるも失敗,伊豆修善寺に幽閉,謀殺された。
源頼政
みなもとのよりまさ 【源頼政】
(1104-1180) 平安末期の武将。従三位に進み出家して源三位(ゲンザンミ)入道と称された。平治の乱では,平清盛につく。1180年以仁王(モチヒトオウ)を奉じて平氏追討のために挙兵したが宇治で敗死。宮中の鵺(ヌエ)退治などの武勇にすぐれ,和歌にも長じたことから,後世,謡曲・浄瑠璃などに脚色された。家集「源三位頼政卿集」
源頼朝
みなもとのよりとも 【源頼朝】
(1147-1199) 鎌倉幕府初代将軍。義朝の三男。平治の乱後,伊豆蛭ヶ小島に配流。1180年以仁王(モチヒトオウ)の平氏追討の令旨に応じ挙兵。石橋山に敗れ安房に逃げたが,東国武士の来援を得て関東を制しつつ鎌倉にはいって根拠地とした。同年,平維盛の追討軍を富士川に破る。83年,東国支配を認める宣旨を得,ついで弟の範頼・義経を西上させ,85年壇ノ浦で平氏を討滅し全国を平定。その後,義経追討を口実に全国に守護・地頭を設置,武家政治の基礎を確立。92年征夷大将軍に任ぜられた。
源頼義
みなもとのよりよし 【源頼義】
(985-1078)平安中期の武将。頼信の長男。子の義家とともに前九年の役を鎮定,東国における源氏の勢力を強化。
源高明
みなもとのたかあきら 【源高明】
(914-982) 平安中期の廷臣・学者。醍醐天皇の皇子。西宮左大臣・西宮殿と称される。安和(アンナ)の変に連座,大宰権帥に左遷される。朝儀に通じ,有職故実書「西宮記」がある。
準
みずもり ミヅ― [0] 【水盛・準】
水準器の一種。細長い角材の上に溝を掘って水を入れ,傾斜の度を測る。みずばかり。水尺(スイシヤク)。また,これを用いて水平を得る作業。
準
じゅん 【準・准】 (接頭)
名詞に付いて,それに次ぐものである,それに近いものであるという意を表す。「―決勝」「―優勝」「―社員」
準々決勝
じゅんじゅんけっしょう【準々決勝】
a quarterfinal (game).→英和
準える
なずら・える ナズラヘル [4] 【準える・准える・擬える】 (動ア下一)[文]ハ下二 なずら・ふ
(1)「なぞらえる{(1)}」に同じ。「女性の美しさを花に―・える」
(2)「なぞらえる{(2)}」に同じ。「右の例に―・へて白馬引き/源氏(少女)」
準える
なぞら・える ナゾラヘル [4] 【準える・准える・擬える】 (動ア下一)[文]ハ下二 なぞら・ふ
(1)同類・同格とみなす。たとえる。「人生を旅に―・える」
(2)他のものに似せる。「富士山に―・えた築山」
(3)比べる。「昔に―・へて知りぬべし/方丈記」
準える
なぞらえる【準える】
[たとえる]compare;→英和
liken <a thing to another> ;→英和
model <a thing after[on]another> (にせる).→英和
準え歌
なずらえうた ナズラヘ― [4] 【準え歌】
和歌六義(リクギ)の一。物事にたとえてその意を述べる歌。詩の六義の「比」にあたる。
準じる
じゅん・じる [0][3] 【準じる・准じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「準ずる」の上一段化〕
「準ずる」に同じ。「給与は社員に―・じる」
準じる
じゅんじる【準じる】
apply correspondingly <to> ;be proportionate <to> .…に準じて in accordance with;in proportion to.
準ずる
じゅん・ずる [0][3] 【準ずる・准ずる】 (動サ変)[文]サ変 じゆん・ず
(1)ある根拠に従う。のっとる。「通則に―・じて取り扱う」
(2)正規なものにならう。なぞらえる。「幼稚園児の料金は学童の料金に―・ずる」「優勝に―・ずる成績」
準ひ
なずらい ナズラヒ 【準ひ・准ひ・擬ひ】
本物に準ずること。似ていること。また,そのもの。なずらえ。「―におぼさるるだにいとかたき世かなと/源氏(桐壺)」
準ふ
なぞら・う ナゾラフ 【準ふ・准ふ・擬ふ】
■一■ (動ハ四)
準ずる。匹敵する。なずらう。「見ぬ人に形見がてらは折らざりき身に―・へるいろにさかねば/後撰(春中・片仮名本)」
■二■ (動ハ下二)
⇒なぞらえる
準ふ
なそ・う ナソフ 【準ふ・准ふ・擬ふ】 (動ハ下二)
〔後世は「なぞう」〕
見たてる。なぞらえる。「灯火を月夜(ツクヨ)に―・へその影も見む/万葉 4054」
準ふ
なずら・う ナズラフ 【準ふ・准ふ・擬ふ】
■一■ (動ハ四)
準ずる。匹敵する。「かへりくる道にぞけさはまどふらむこれに―・ふ花なきものを/後撰(雑三)」
■二■ (動ハ下二)
⇒なずらえる
準へ
なぞえ ナゾヘ 【準へ・准へ】
なぞらえること。「―なく高き卑しき苦しかりけり/伊勢 93」
準へ
なずらえ ナズラヘ 【準へ・准へ・擬へ】
似た他のものと同等にみなすこと。なぞらえ。「少し―なる世を見るまじきか/狭衣 3」
準不燃材料
じゅんふねんざいりょう [6] 【準不燃材料】
不燃材料に準ずる防火性能をもつ石膏ボードなど,建設大臣が指定する建築材料。
準会員
じゅんかいいん【準会員】
an associate member.
準体助詞
じゅんたいじょし [5] 【準体助詞】
助詞の分類の一。いろいろの語に付いてある意味を添え,それの付いた語句を全体として体言と同じはたらきをもつものにするもの。「行くのをやめる」「向こうに着いてからが心配だ」の「の」「から」などの類。
準体言
じゅんたいげん [3] 【準体言】
体言以外の語句が文中において体言と同じはたらきを果たしているもの。「乏しきを分かつ」「逢うは別れの始め」の「乏しき」「逢う」などの類。
準例
じゅんれい [0] 【準例・准例】
従うべき前例。
準依
じゅんい [1] 【準依】
基準としてよりしたがうこと。準由。
準備
じゅんび【準備】
preparation(s);→英和
arrangements.〜する prepare oneself <for> ;get ready <for> .〜が整う be ready.〜中である[人が主語]be getting ready;[物が主語]be in preparation.‖準備委員 an arrangement committee.準備金 a reserve fund.
準備
じゅんび [1] 【準備】 (名)スル
用意すること。支度すること。「―に余念がない」「昼食を―して待つ」
準備手続
じゅんびてつづき [5] 【準備手続】
民事訴訟法上は,口頭弁論の準備のため当事者にあらかじめ一切の攻撃防禦方法を提出させ,争点や証拠を整理する非公開手続。刑事訴訟法上は,審理促進のため事件の争点や証拠を整理する手続。
準備教育
じゅんびきょういく [4] 【準備教育】
より高度の教育を受けるための準備として行われる教育。
⇔完成教育
準備書面
じゅんびしょめん [4] 【準備書面】
民事訴訟において,当事者が口頭弁論において陳述しようとする事項を記載して,あらかじめ裁判所に提出する書面。
準備通貨
じゅんびつうか [4] 【準備通貨】
政府・中央銀行が対外支払準備として保有する外貨。
→基軸通貨
準備金
じゅんびきん [3][0] 【準備金】
会社の純資産額が資本額を超えた額のうち,利益として配当せず,会社に留保する金額。法定準備金と任意準備金があり,商法では前者のみをいう。
→法定準備金
準備預金制度
じゅんびよきんせいど [7] 【準備預金制度】
1957年(昭和32)の「準備預金制度に関する法律」によって設立された,日本での支払準備制度。
準公共財
じゅんこうきょうざい [5] 【準公共財】
個人が占有することのできる私的財と,公共財との中間的性質をもつ財・サービス。純粋な公共財がもつ消費における排除不能性や非競合性といった性格を完全には備えていない。交通・学校・病院などのように,部分的には政府が供給することが望ましい。
準共有
じゅんきょうゆう [3] 【準共有】
地上権・抵当権・特許権・著作権など,所有権以外の財産権を複数の人が所有すること。
準則
じゅんそく [0] 【準則】
規則を守り,それに従うこと。また,守るべき規則。準拠。
準則主義
じゅんそくしゅぎ [5] 【準則主義】
法律が定めた要件を備えた社団または財団の設立があれば,当然に法人格を付与する主義。会社・有限会社・労働組合などはこの主義による。
準占有
じゅんせんゆう [3] 【準占有】
〔法〕 自己のためにする意思をもって財産権を行使すること。占有と同じ効果が与えられる。
準名人
じゅんめいじん [5] 【準名人】
もと囲碁・将棋で,九段を名人と称したのに対して,八段の称。
準問屋
じゅんといや [3] 【準問屋】
自己の名で他人のために販売・買い入れ以外の営業を行う者。新聞広告や保険契約の取次営業者など。問屋に関する規定が準用される。
準地代
じゅんちだい [3] 【準地代】
土地ほどではないが,短期的には供給が固定的な生産要素に地代と同じように生じる報酬。
準委任
じゅんいにん [3] 【準委任】
法律行為以外の事務の処理を委託する契約。委任に関する規定が準用される。
→委任
準婚
じゅんこん [0] 【準婚】
実質的に婚姻関係にありながら,法的に婚姻成立の要件の一部を欠くために,婚姻に準じて扱われる男女関係。婚姻の効果の大半が付与される。内縁は,婚姻届の要件に欠ける準婚として扱われる。
準学士
じゅんがくし [3] 【準学士】
短期大学・高等専門学校卒業生に与えられる学位。1991年(平成3)施行の改正学校教育法が定める。
準学校法人
じゅんがっこうほうじん [7] 【準学校法人】
専修学校または各種学校の設置のみを目的として設立される法人。
準安定
じゅんあんてい [3] 【準安定】
(1)量子力学で,なんらかの理由により励起状態が長寿命を保っている状態。
(2)相転移が起こる温度を超えても,前の相にとどまっている状態。過熱や過冷却がその例。
準平原
じゅんへいげん [3] 【準平原】
地表面が長い間の浸食作用を受けてできた,ほとんど平らな地形。
準強姦罪
じゅんごうかんざい 【準強姦罪】
人の心神喪失もしくは抵抗困難な状態に乗じ,またはそのような状態に陥らせて姦淫する犯罪。強姦罪と同様に罰せられる。
準強盗
じゅんごうとう [3] 【準強盗】
刑法上,強盗に準じて扱われる犯罪。窃盗犯が事後に暴行・脅迫に及んだ事後強盗と,昏酔(コンスイ)させて財物を盗取する昏酔強盗とがある。
準急
じゅんきゅう【準急】
a semi-express; <米> a local express.
準急
じゅんきゅう [0] 【準急】
「準急行列車」の略。急行列車より停車駅が多い。
準抗告
じゅんこうこく [3] 【準抗告】
(1)刑事訴訟法上,勾留・保釈・押収などの裁判や検察官・司法警察職員による一定の処分について,裁判所に対してその取り消しまたは変更を求めること。
(2)民事訴訟法上,受命・受託裁判官の裁判に不服のある者が,受訴裁判所に申し立てる異議。
準拠
じゅんきょ [1] 【準拠】 (名)スル
ある事をよりどころとして,それにしたがうこと。また,よりどころとなる事柄。標準。「指導要領に―した本」
準拠する
じゅんきょ【準拠する】
be based <on> ;conform <to> .→英和
〜して in conformity <to> ;in accordance <with> .
準拠法
じゅんきょほう [0] 【準拠法】
ある法律関係に適用されるべきものとして選択された法。
準拠集団
じゅんきょしゅうだん [4] 【準拠集団】
個人が自分や他人を評価したり,自らの態度形成をする場合にその基準となる集団。関係集団。
準擬
じゅんぎ [1] 【準擬】
ある基準にならうこと。
準教員
じゅんきょういん [3] 【準教員・准教員】
旧制の小学校で,本科正教員を補助した教員。
準文書
じゅんぶんしょ [3] 【準文書】
一つの思想を表した文書でなく,証徴のために作られたもの。境界標・図面など。
準星
じゅんせい [0] 【準星】
非常に遠方にあって,銀河の中心核が爆発しているものと考えられている天体。光学望遠鏡では,暗い恒星状に見える。強い電波を発する天体として発見されたが,その後電波の弱いものも多数見つかっている。恒星状天体。クエーサー。
準正
じゅんせい [0] 【準正】
〔法〕 婚姻関係にない父母から生まれた子が嫡出子としての身分を取得すること。認知後の父母の婚姻によるものと,父母の婚姻後の認知によるものがある。
準決勝
じゅんけっしょう【準決勝】
a semifinal (game).〜に出る go on to[play in]a semifinal.
準決勝
じゅんけっしょう [3] 【準決勝】
競技で決勝戦に進出する選手やチームをきめるための試合。セミ-ファイナル。
準法
じゅんぽう [0] 【準法】
法律や規則にのっとること。
準準決勝
じゅんじゅんけっしょう [5] 【準準決勝】
競技で,準決勝に出場する選手やチームを決める試合。
準物権
じゅんぶっけん [3] 【準物権】
民法上の物権ではないが,特別法上,物権とみなされる権利。鉱業権・漁業権などがその例。
準率
じゅんりつ [0] 【準率】
一定の基準を設け,それに従った割合。準拠すべき割合。
準現行犯
じゅんげんこうはん [5] 【準現行犯】
刑事訴訟法上,犯罪の証跡があきらかな場合など,現行犯に準じて令状なしで逮捕することができる犯罪人。
準用
じゅんよう [0] 【準用】 (名)スル
ある事項に関する規定を,それと類似する事項について,必要な変更を加えてあてはめること。「業務規定を臨時雇用者にも―する」
準用する
じゅんよう【準用する】
apply correspondingly.
準用河川
じゅんようかせん [5] 【準用河川】
一級河川・二級河川以外の河川で,市町村が指定したもの。二級河川に関する規定が準用される。
準的
じゅんてき [0] 【準的】
めあて。まと。めど。標準。「府県は藩政の―にもなる可きを/新聞雑誌 4」
準盲
じゅんもう [0] 【準盲】
視力の程度が,全盲と弱視の中間の状態。半盲。
準社員
じゅんしゃいん【準社員】
a junior employee.
準禁治産
じゅんきんちさん【準禁治産】
quasi-incompetence.準禁治産者 a quasi-incompetent.
準禁治産者
じゅんきんちさんしゃ [6] 【準禁治産者】
心神耗弱・浪費癖のため,家庭裁判所から禁治産者に準ずる旨の宣告を受けた者。法律の定める重要な財産上の行為についてのみ保佐人の同意を要する。
準粒子
じゅんりゅうし [3] 【準粒子】
⇒素励起(ソレイキ)
準結晶
じゅんけっしょう [3] 【準結晶】
結晶のようなラウエ斑点を示すにもかかわらず,周期的な並進対称性と抵触するような特殊な対称性をもつ物質構造。アルミニウム・マグネシウムの合金で発見された。
準線
じゅんせん [1][0] 【準線】
円錐曲線を作る基本となる定直線。円錐曲線は定点(焦点)とこの定直線とからの距離の比が一定な点全体の集合として定義される。
準縄
じゅんじょう [0] 【準縄】
〔「準」は水平を定める水盛り,「縄」は直線を決める墨なわの意〕
基準となるもの。規則。手本。「規矩(キク)―」
準行
じゅんこう [0] 【準行・准行】 (名)スル
他のものを基準にして行うこと。
準規
じゅんき [1] 【準規】
よりどころとすべき規則。準拠すべき規則。
準貨幣
じゅんかへい [3] 【準貨幣】
〔quasi-money〕
定期性預金や短期債など,それ自体は支払い手段として機能しないが,ただちに確実に貨幣に換えることができる金融資産。準通貨。近似貨幣。
準起訴手続
じゅんきそてつづき [6] 【準起訴手続】
公務員の職権濫用罪についての告訴・告発を検察官が不起訴処分にした場合,それを不服として告訴人・告発人が裁判所にその事件を審判に付するよう請求することのできる制度。裁判所により審判に付する決定がなされると公訴提起の効果を生じる。付審判手続。
準通貨
じゅんつうか [3] 【準通貨】
⇒準貨幣(ジユンカヘイ)
準静的
じゅんせいてき [0] 【準静的】
〔物〕 物質系の変化が,常に熱平衡状態に十分近い(熱平衡状態からのずれを任意に小さくすることができる)状態を保ちながら起こること。準静的変化は可逆変化であるが,一般の可逆変化は必ずしも準静的ではない。
溘焉
こうえん カフ― [0] 【溘焉】 (ト|タル)[文]形動タリ
にわかであるさま。人の死についていう。「―として逝(ユ)く」
溜
ため [0] 【溜】
〔動詞「溜める」の連用形から〕
(1)必要な力を集中させること。「腰の―がきかない」
(2)ためておく場所。とくに肥料用の糞尿をためておく所。肥えだめ。
(3)〔音〕 リズム全体,また特定の楽器のリズムを微妙に後ろにずらすことで生まれるリズムのニュアンス。
(4)「非人溜(ヒニンタメ)」に同じ。
溜の間
たまりのま 【溜の間】
江戸城中,黒書院に付属して設けられた控え室。
溜の間詰
たまりのまづめ [0] 【溜の間詰】
徳川幕府が親藩・譜代の大名に対してあたえた待遇・資格。また,それを許された大名。登城の際,本来将軍が老中を謁見する場である溜の間に詰める。松平・保科・井伊などの高い格式をもつ親藩・譜代大名とともに,老中経験者が選ばれた。
溜まり
たまり [0] 【溜まり】
〔動詞「溜まる」の連用形から〕
(1)人が集まって控えている所。
(ア)江戸時代,奉行所にあった控え所。
(イ)相撲で,土俵際の審判員や行司・力士などが控えている所。土俵だまり。
(2)味噌からしたたった液汁。
(3)「たまり醤油」の略。
(4)こらえること。「年取つた人は,かうと言つたら―がないんですわ/桑の実(三重吉)」
→ひとたまり
(5)(水などの)たまった所。また,たまったもの。「中島に水の―に/宇津保(藤原君)」
溜まり場
たまりば [0] 【溜まり場】
ある仲間がいつも集まったり出入りしている場所・店。
溜まり水
たまりみず [3] 【溜まり水】
たまって流れない水。
溜まり醤油
たまりじょうゆ [4] 【溜まり醤油】
大豆麹に塩水を混ぜ熟成させて造った濃厚な醤油。愛知・岐阜を中心に生産され主に関西で使用される。たまり。
溜まる
たま・る [0] 【溜まる】 (動ラ五[四])
(1)水などが流れ去らないでそこにとどまる。「窪地に雨水が―・る」
(2)ものが集まってかなりの量になる。積もる。「ほこりが―・る」「借金が―・る」「仕事が―・る」「あわ雪の―・ればかてに砕けつつ/古今(恋一)」
(3)〔「貯まる」とも書く〕
金の蓄えが増える。「一年でこれだけ―・った」
〔「ためる」に対する自動詞〕
溜まる
たまる【溜まる】
[集まる]collect;→英和
gather;→英和
accumulate (積もる);→英和
be dusty (ほこりが);have a lot of work to do (仕事が);be saved (金が);[水が]stay;→英和
stand;→英和
[支払が]be in arrears;be overdue;be heavily in debt (借金が).‖溜り水 standing water.水溜り a pool.
溜む
た・む 【溜む・矯む】 (動マ下二)
⇒ためる(溜)
⇒ためる(矯)
溜める
ためる【溜める】
accumulate (蓄積);→英和
[貯える]save;→英和
store;→英和
put aside;collect (集める);→英和
[支払を]run up <bills> ;leave <one's work> undone (仕事を).
溜める
た・める [0] 【溜める】 (動マ下一)[文]マ下二 た・む
(1)水などを一か所に集めておく。「雨水を―・める」「クーポン券を―・める」
(2)(「貯める」とも書く)金品をたくわえる。「小金(コガネ)を―・める」
(3)処理すべきものをとどこおらせる。「家賃を大分―・めてしまった」「宿題を―・める」
(4)ある状態でとめる。とどめる。「我ヲ見テ一足モ―・メイデ逃ゲ行ク/日葡」「暫時も我が宿に尻も―・めず/浮世草子・風流曲三味線」
〔「たまる」に対する他動詞〕
溜め井
ためい [0] 【溜め井】
水をためておく井戸。
溜め塗
ためぬり [0] 【溜め塗(り)】
漆塗りの一種。朱漆・青漆などで下塗りをし,木炭で艶消しをした上に,透漆を塗ったもの。下塗りの色が透けて見える。
溜め塗り
ためぬり [0] 【溜め塗(り)】
漆塗りの一種。朱漆・青漆などで下塗りをし,木炭で艶消しをした上に,透漆を塗ったもの。下塗りの色が透けて見える。
溜め息
ためいき [3] 【溜め息】
心配・失望・感動などの時に思わずもらす大きな息。「―をもらす」「―をつく」「―が出るようなすばらしい演奏」
溜め桶
ためおけ [0] 【溜め桶】
(1)糞尿をためておく桶。また,それを入れて運ぶ桶。
(2)近世,防火用に雨水をためておく桶。天水桶。
溜め水
ためみず [0][2] 【溜め水】
防火用・飲用などのためにためておく水。
溜め池
ためいけ [0] 【溜め池】
用水をためておく池。
溜め涙
ためなみだ [3] 【溜め涙】
泣くのをこらえてたまった涙。「こらへに堪へた―の関が一時に切れた/あひびき(四迷)」
溜め漉き
ためずき [0] 【溜め漉き】
和紙の手漉き法の一。パルプ状にした紙料を簀(ス)ですくい上げ,前後左右に揺り動かして一定の厚さの湿紙(シツシ)を作る。この湿紙に紗(シヤ)をかぶせ,さらに別の湿紙を積み重ねた上に重石(オモシ)をのせて水を切り,一枚ずつ湿紙をはがして干し板に張り天日で乾かす。
→流し漉き
溜め込む
ためこむ【溜め込む】
save up.
溜め込む
ためこ・む [3] 【溜め込む】 (動マ五[四])
ためて,大量に所有している。「小金(コガネ)を―・む」
溜り
たまり【溜り(場)】
a waiting room;a lounge (休憩室);→英和
a stand (タクシーの);→英和
a motor pool (軍・官庁用自動車の).
溜出
りゅうしゅつ リウ― [0] 【留出・溜出】 (名)スル
蒸留操作の際,ある成分が液体となって取り出されること。
溜分
りゅうぶん リウ― [0][1] 【留分・溜分】
蒸留によって,もとの液体混合物から沸点別に蒸発分離して得られる各成分。石油の分留におけるナフサ留分・灯油留分など。
→蒸留
溜息をつく
ためいき【溜息をつく】
(heave a) sigh.→英和
(ほっと)〜をついて with a sigh (of relief).
溜池
ためいけ【溜池】
a reservoir.→英和
溜込
たらしこみ [0] 【溜込】
日本画の彩色技法の一。色を塗ってまだ乾かないうちに他の色をたらし,そのにじみによって独特の色彩効果を出すもの。自覚的に用いたのは宗達が初めで,以後,琳派がさかんに用いた。
溜預け
ためあずけ [3] 【溜預け】
江戸時代,重病の囚人や一五歳未満の犯罪人を回復・成長まで一時的に非人溜に預けた措置。非人預け。
溜飲
りゅういん リウ― [0] 【溜飲】
胃の消化作用が不十分で,胸やけがしたり口にすっぱい液が出たりする症状。「―の黄水と一緒に/平凡(四迷)」
溜飲が下がる
りゅういん【溜飲が下がる】
feel satisfied.
溝
せせなぎ 【溝】
(1)「せせらぎ」に同じ。[名義抄]
(2)どぶ。溝(ミゾ)。せせなげ。「―の傍に立寄り/甲陽軍鑑(品四八)」
溝
こう [1] 【溝】
数の単位。穣(ジヨウ)の一万倍。すなわち一〇の三二乗。[塵劫記]
溝
みぞ [0] 【溝】
(1)水を流すために地面を細長く掘ったもの。どぶ。
(2)敷居や鴨居などに掘った細長いくぼみ。
(3)人と人との間の感情や関係に生じた隔て。障害。ギャップ。「両国間の―が深まる」
(4)本の部分の名。本製本で,表紙の平と背の境目にあるくぼんだ部分。本の開きをよくする。
→製本
溝
どぶ [0] 【溝】
(1)雨水や汚水などの流れるみぞ。下水のみぞ。下水。「―をさらう」
(2)釣りで,淵(フチ)のこと。
溝
どぶ 【溝・溷】
(1)江戸時代,浅草「どぶだな」の略。「いい男―から女房つれて来る/柳多留 24」
(2)江戸時代,「お歯黒溝」の俗称。
溝
どぶ【溝】
a ditch;→英和
[排水路]a drain;→英和
a gutter.→英和
〜をさらう clear a ditch.‖溝板 a board cover of a ditch.溝川 a ditch.溝さらい draining.溝ねずみ a water rat.
溝
みぞ【溝】
a ditch (堀);→英和
a gutter (道路わきの);→英和
a drain (下水);→英和
a groove (細長いへこみ);→英和
[隔て]a gulf;→英和
a gap.→英和
溝五位
みぞごい [0] 【溝五位】
コウノトリ目サギ科の鳥。全長約50センチメートルの濃褐色のサギ。薄暗い山林中にすみ,谷川でサワガニやカエルなどを食う。本州と伊豆七島などで繁殖,冬は南へ渡る。夜,ボォーボォーと低い陰気な声で鳴く。
溝口
みぞぐち 【溝口】
姓氏の一。
溝口健二
みぞぐちけんじ 【溝口健二】
(1898-1956) 映画監督。東京生まれ。傾向映画や女性ドラマ「滝の白糸」で注目され,「浪華悲歌」「祇園の姉妹」でリアリズムを確立。他に「残菊物語」「浪花女」「西鶴一代女」「雨月物語」「近松物語」など。
溝口流
みぞぐちりゅう 【溝口流】
和様書道御家流の一派。江戸中期,溝口千谷(センコク)(通称,荘司)創始。
溝埋め
みぞうめ 【溝埋め】
上代の不法行為の一。田に水を引くための溝を埋めて水を引けないようにする罪。「生剥(イキハギ),逆剥(サカハギ),阿離(アハナチ),―/古事記(中訓)」
溝川
みぞがわ [0] 【溝川】
水が流れている溝。
溝川
どぶがわ [0] 【溝川】
どぶのように汚れた川。
溝店
どぶだな 【溝店・溷店】
江戸時代の,浅草新寺町の俗称。長遠寺などの寺があり,その門前は私娼窟として知られた。
溝掃除
どぶそうじ [3] 【溝掃除】 (名)スル
どぶさらいすること。
溝板
みぞいた [0] 【溝板】
溝の上をおおう板。どぶ板。
溝板
どぶいた [0] 【溝板】
路地の下水溝をおおう板。
溝板政治
どぶいたせいじ [5] 【溝板政治】
庶民の日常生活に密着した政治。
溝橋
こうきょう [0] 【溝橋】
築堤・運河・道路などの下を横切って設けられた地下水路。
溝泥
どぶどろ [0] 【溝泥】
下水の底にたまっている泥。どぶからさらい出した泥。
溝浚い
どぶさらい [3] 【溝浚い】 (名)スル
どぶの泥をさらうこと。どぶ掃除。
溝浚え
みぞさらえ [3] 【溝浚え】
流れをよくして,蚊などの発生を防いだり,悪臭を消すためなどに,溝や用水路の底の汚泥を取り除くこと。どぶさらえ。[季]夏。
溝渠
こうきょ [1] 【溝渠】
(1)水を流すみぞ。給排水のためのみぞ。
(2)(比喩的に)心のへだたり。
溝瀆
こうとく [0] 【溝瀆】
みぞ。どぶ。
溝真田虫
みぞさなだむし [5] 【溝真田虫】
⇒広節裂頭条虫(コウセツレツトウジヨウチユウ)
溝羊歯
みぞしだ [2][3] 【溝羊歯】
オシダ科の夏緑性シダ植物。山野の湿地に生える。高さ約60センチメートル。葉は羽状複葉で,羽片はとがる。胞子嚢(ノウ)群は葉脈に沿ってつく。
溝蕎麦
みぞそば [0] 【溝蕎麦】
タデ科の一年草。田の畔(アゼ)や小川の岸などに生える。高さ約40センチメートル。茎は下向きのとげがあり,ほこ形の葉を互生。夏から秋,枝先に淡紅色の小花を球状につける。ウシノヒタイ。[季]秋。
溝蕎麦[図]
溝貝
みぞがい [2] 【溝貝】
海産の二枚貝。殻長約3センチメートル。貝殻は細長い小判形で平たく,薄紫色で薄くもろい。本州・四国・九州の沿岸の砂浜にすむ。
溝貝
どぶがい [2] 【土負貝・溝貝】
淡水産の二枚貝。殻長10センチメートル内外。貝殻は薄く,表面は黒褐色。内面は白色で真珠光沢がある。全国の池沼などの泥底にすむ。
溝酸漿
みぞほおずき [3] 【溝酸漿】
ゴマノハグサ科の多年草。水湿地に生える。高さ約15センチメートル。葉は卵状楕円形。夏,葉腋に黄色の花をつける。萼(ガク)は広卵形となって果実を包みホオズキに似る。
溝金
みぞがね [0] 【溝金】
重い引き戸の敷居の溝に,滑りをよくするために打ちつける薄い金属板。
溝鉋
みぞかんな [3] 【溝鉋】
のみ状の刃をつけ,敷居・鴨居などの溝をほるのに用いる鉋。さくりかんな。
→台鉋
溝隠
みぞかくし [3] 【溝隠】
キキョウ科の多年草。田の畔(アゼ)などに群生する。茎は細く地をはい,よく分枝して長楕円形の葉を互生。夏から秋,淡青紫色の花が咲く。畔筵(アゼムシロ)。
溝香薷
みぞこうじゅ [3] 【溝香薷】
シソ科の二年草。田の畔(アゼ)などに生える。高さ約50センチメートル。葉は長楕円形。初夏,花穂を出し淡紫色の唇形花を穂状につける。ユキミソウ。
溝鼠
どぶねずみ [3] 【溝鼠】
(1)ネズミ科の哺乳類。アジア中央部の原産で,現在では世界中に広く分布するイエネズミの一種。頭胴長20センチメートル,尾長18センチメートルほど。背面は褐色,腹面は灰白色。夜行性で水辺を好み,泳ぎや潜水が巧み。床下や下水に多く,野外にもすむ。雑食性。実験動物化されたものをラットといい,全身白色のものはシロネズミとも呼ばれる。七郎鼠。ノルウェーネズミ。
(2)〔(1)の体色から〕
暗灰色。濃いねずみ色。
(3)主人の目をかすめて金銭をごまかすなど悪い事をする使用人。
溟海
めいかい [0] 【溟海】
あおうなばら。大海。
溟濛
めいもう [0] 【溟濛】 (ト|タル)[文]形動タリ
うす暗くぼんやりとしているさま。「彼(カ)の―たる瓦斯(ガス)の霧に混ずる所が/カーライル博物館(漱石)」
溢し
こぼし [3] 【零し・溢し】
(1)こぼすこと。
(2)〔水こぼしの意〕
建水(ケンスイ)の通称。
(3)「湯こぼし」に同じ。
溢す
あぶ・す 【溢す】 (動サ四)
あます。すてる。「おとし―・さず取りしたため給ふ/源氏(玉鬘)」
溢す
こぼ・す [2] 【零す・溢す】 (動サ五[四])
(1)不注意から器を傾けたりして,中の液体・粉末・粒状の物を外に出してしまう。「コーヒーを―・した」「砂糖を―・す」「球をミットから―・す」
(2)容器内の液体や粉末などを外に出して捨てる。「茶わんをすすいだ水を建水に―・す」
(3)(涙などを)こらえ切れずに落とす。「大粒の涙を―・す」「よだれを―・しそうになる」
(4)不平・愚痴などを言う。ぼやく。「愚痴を―・してばかりいる」
(5)うれしさなどを表情に表す。「思わず笑みを―・す」
(6)すき間から外にはみ出るようにする。「色々の衣ども―・し出でたる人の/枕草子 76」
〔「こぼれる」に対する他動詞〕
[可能] こぼせる
溢る
あふ・る 【溢る】 (動ラ下二)
⇒あふれる
溢る
はふ・る 【溢る】 (動ラ下二)
(1)水があふれる。「葦鴨のすだく池水―・るとも/万葉 2833」
(2)雲・浪・風などが生じる。湧(ワ)きおこる。「我(ア)が面の忘れむしだは国―・り嶺(ネ)に立つ雲を見つつ偲はせ/万葉 3515」
溢る
あぶ・る 【溢る】 (動ラ下二)
⇒あぶれる
溢れ
あぶれ [0] 【溢れ】
(1)仕事などにあぶれること。また,その人。あぶれ者。
(2)手に余ること。無頼。あぶれ者。
溢れる
あぶ・れる [3] 【溢れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あぶ・る
〔「あふれる」と同源〕
(1)「あふれる」に同じ。「カワガ―・レタ/ヘボン」
(2)所定の人数からはみ出す。希望者が多くて仕事を得ることができないでいる。「仕事に―・れる」
(3)狩猟や釣りで,獲物を得ることに失敗する。
(4)余計者になる。落ちぶれる。「また見苦しきさまにて世に―・れむも/源氏(東屋)」
溢れる
こぼ・れる [3] 【零れる・溢れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 こぼ・る
(1)液体が容器から出て外へ落ちる。また,中に入っているべきものが外に出る。「コップの水が―・れる」「球がグローブから―・れる」「自然に―・れた種が芽を出す」
(2)抑え切れなくて,外に表れる。「くやし涙が―・れる」「色気が―・れる」「―・れんばかりの笑み」
(3)普通は何かにおおわれて見えないものが,ちらりと見える。「枝の間から秋の陽(ヒ)が―・れる」「笑うと白い歯が―・れる」
(4)あふれて外へ出る。「車に乗り―・れて/宇治拾遺 11」
〔「こぼす」に対する自動詞〕
溢れる
あふれる【溢れる】
overflow <the bank> ;→英和
run[flow]over <the brim> ;flood <the land> ;→英和
be full <of joy> .感謝の念に〜 be overwhelmed with gratitude.乗客で〜 be overcrowded.
溢れる
あふ・れる [3] 【溢れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あふ・る
〔「あぶれる」と同源〕
(1)液体が容器や池・川などにいっぱいになって上の方からこぼれる。「浴槽から湯が―・れる」「大雨で川が―・れる」「―・れる涙をぬぐう」
(2)人や物が入り切らずに外に残る。「道路にまで人が―・れる」
(3)(入り切らないほど)たくさんある。「デパートには品物が―・れている」「才気―・れる青年」「魅力―・れる人物」
溢れ出る
あふれ・でる [4] 【溢れ出る】 (動ダ下一)
いっぱいになって外に出る。「涙が―・でる」
溢れ者
あぶれもの [0][5] 【溢れ者】
(1)日雇いなどで,その日の仕事にありつけなかった人。
(2)無法者。ならずもの。「今はさやうなる―出で来まじげなる世にこそ/狭衣 4」
(3)社会から脱落して放浪し,徒党をなすもの。悪党。「―の不敵武者に跳り合て,命失て何かせん/太平記 6」
溢乳
いつにゅう [0] 【溢乳】 (名)スル
授乳直後,乳児が少量の乳を口から出すこと。乳流。乳多。
→吐乳(トニユウ)
溢水
いっすい [0] 【溢水】 (名)スル
水があふれ出ること。水をあふれさせること。溢流。
溢水罪
いっすいざい [3] 【溢水罪】
溢水させて,住居などの建造物や汽車・電車・鉱坑を水浸しにし,またはその他の物を水浸しにして公共の危険を発生させることにより成立する罪。建造物等浸害罪。
溢泌
いっぴつ [0] 【溢泌】
植物の枝や幹などを切断すると,その傷口から多量の水液が出てくる現象。ブドウ・ミズキなどにみられる。出液。いっぴ。
溢流
いつりゅう [0] 【溢流】 (名)スル
あふれ流れること。「―堰堤(エンテイ)」
溢流堤
いつりゅうてい [0] 【溢流堤】
⇒越流堤(エツリユウテイ)
溢美
いつび [1] 【溢美】
ほめ過ぎること。過賞。「天下の勝境と称するも決して��―にあらず/日光山の奥(花袋)」
溢血
いっけつ [0] 【溢血】 (名)スル
身体組織の内部に出血がおきること。また,その血。「脳―」
溢血斑
いっけつはん [4] 【溢血斑】
⇒紫斑(シハン)
溥儀
ふぎ 【溥儀】
(1906-1967) 中国,清の第一二代皇帝(在位 1908-1912)宣統帝の名。清朝最後の皇帝。辛亥革命で退位。1932年日本軍部の満州建国の際執政に擁立され,34年皇帝となる。第二次大戦後,戦犯となったが,59年釈放。愛新覚羅溥儀。プーイー。
溯る
さかのぼ・る [4] 【遡る・溯る】 (動ラ五[四])
(1)水の流れにさからって進む。上流へ進む。「河口から一〇〇キロほど―・った所にある町」「水脈(ミオ)―・る梶の音の/万葉 4461」
(2)過去や根源となる事柄にもどる。「話は一〇年前に―・る」「根源に―・って考える」
[可能] さかのぼれる
溯上
そじょう [0] 【遡上・溯上】 (名)スル
流れをさかのぼって行くこと。「鮭が産卵のために母川(ボセン)を―する」
溯及
そきゅう [0] 【遡及・溯及】 (名)スル
(1)過去のある時点までさかのぼること。
(2)法律をその施行以前になされた行為や生じた事実にさかのぼって適用すること,または法律要件の効力をその成立以前にさかのぼらせること。さっきゅう。
溯江
そこう [0] 【遡江・溯江】 (名)スル
川をさかのぼること。特に,揚子江をさかのぼること。
溯河
そか [1] 【遡河・溯河】 (名)スル
海から川へ,または川の下流から上流の方へさかのぼること。
溯河魚
さっかぎょ サクカ― [3] 【溯河魚】
⇒そかぎょ(溯河魚)
溯河魚
そかぎょ [2] 【遡河魚・溯河魚】
産卵のために海から川へさかのぼる魚。サケ・マス・アユなど。
溯洄
そかい [0] 【遡洄・溯洄】 (名)スル
流れをさかのぼること。また,歴史をさかのぼること。「十数年の前に―して之を視れば/明六雑誌 24」
溯源
そげん [0] 【遡源・溯源】 (名)スル
源にさかのぼること。根本をきわめること。さくげん。
溯源
さくげん [0] 【遡源・溯源】
〔「そげん(遡源)」の慣用読み〕
源にさかのぼること。物事の根本をつきとめること。
溯航
そこう [0] 【遡航・溯航】 (名)スル
船で流れをさかのぼること。「川上の湖まで―する」
溯行
そこう [0] 【遡行・溯行】 (名)スル
流れをさかのぼって行くこと。「天竜川を―する」
溲瓶
しびん [0] 【溲瓶】
〔「しゅびん」の転〕
病人などが排尿するための瓶。尿器。尿瓶。
溲瓶
しびん【溲瓶】
a chamber pot.
溲瓶
しゅびん [0] 【溲瓶】
〔「しゅ」は唐音〕
⇒しびん(溲瓶)
溶かす
とかす【溶かす】
melt;→英和
dissolve;→英和
fuse.→英和
溶かす
とか・す [2] 【解かす・溶かす・融かす】 (動サ五[四])
(1)固形物を,熱を加えて液状にする。溶解する。「氷を―・して水にする」「金属を―・して鋳型に流しこむ」
〔金属の場合は「熔かす」「鎔かす」とも書く〕
(2)固形物などを,液体の中に入れて液状にする。とく。溶解する。「砂糖を水に―・す」
[可能] とかせる
溶き卵
ときたまご [3] 【溶(き)卵】
生卵を割って,かきまぜほぐしたもの。
溶き芥子
ときがらし [3] 【溶き芥子】
芥子(カラシ)の粉末を溶いたもの。
溶き解す
ときほぐ・す [4][0] 【溶き解す】 (動サ五[四])
割った卵をかきまぜる。
溶く
とく【溶く】
⇒溶かす.
溶く
と・く [1] 【溶く・解く・融く】
〔「とく(解)」と同源〕
■一■ (動カ五[四])
(1)かたまっていた物に液体を加えて液状にする。とかす。「小麦粉を水で―・く」「粉末を水に―・く」
(2)かきまぜて液状にする。ほぐす。「卵を―・く」
[可能] とける
■二■ (動カ下二)
⇒とける
溶ける
とける【溶ける】
melt;→英和
dissolve (溶解);→英和
fuse (火・熱に);→英和
thaw (氷・雪が).→英和
溶けやすい(にくい) (in)soluble;→英和
(in)fusible.→英和
溶ける
と・ける [2] 【溶ける・解ける・融ける】 (動カ下一)[文]カ下二 と・く
〔「とける(解)」と同源〕
(1)ある物質の分子が液体中に均一に核散すること。溶解する。「塩は水に―・ける」「酸素は水にあまり―・けない」
(2)固形物が,熱によって液状になる。「チョコレートが―・けてべたべたになる」「春になって雪が―・ける」「溶鉱炉の中で鉱石が―・ける」
〔金属の場合は「熔ける」「鎔ける」とも書く〕
溶け合う
とけあ・う [3][0] 【溶(け)合う】 (動ワ五[ハ四])
物がとけて,まざり合う。
溶け込む
とけこ・む [0][3] 【溶(け)込む・解(け)込む・融け込む】 (動マ五[四])
(1)液体になって他のものの中に混じる。「塩分が―・んだ水」
(2)その場の雰囲気や,周囲の環境に,次第になじみ同化する。「会場の空気に―・む」
[可能] とけこめる
溶体
ようたい [0] 【溶体】
二種以上の物質から成る均一な混合物。気相の場合は混合気体,液相の場合は溶液,固相の場合は固溶体という。
溶冶
ようや [1] 【溶冶・鎔冶】
金属をとかし鋳造すること。
溶出
ようしゅつ [0] 【溶出】 (名)スル
成分が水などに溶けてにじみ出ること。
溶剤
ようざい【溶剤】
a solvent.→英和
溶剤
ようざい [0] 【溶剤】
特に工業の分野で用いる,物質を溶かすのに用いる液体。アルコール・ガソリンなどの類。溶媒。
溶化
ようか [0] 【溶化・熔化】 (名)スル
熱してとかすこと。熱でとけること。「玻質を―すべき火炉/新聞雑誌 45」
溶卵
ときたまご [3] 【溶(き)卵】
生卵を割って,かきまぜほぐしたもの。
溶原菌
ようげんきん [0] 【溶原菌】
バクテリオファージに感染された細菌で,溶菌せずにバクテリオファージのゲノムを染色体の一部として組み込むことなどによって保持しているもの。見かけは正常な細菌だが,リプレッサーの不活性化によって,バクテリオファージが増殖を始めると,溶菌する。
溶合う
とけあ・う [3][0] 【溶(け)合う】 (動ワ五[ハ四])
物がとけて,まざり合う。
溶和
ようわ [0] 【溶和・熔和】 (名)スル
金属をとかしてまぜること。金属がとけてまざること。
溶媒
ようばい [0] 【溶媒】
溶液の成分のうち,他の成分を溶かしている液体物質。普通は最も多量に存在する液体物質。溶液の場合だけでなく,一般の溶体の場合にも,最も多量に存在する成分を溶媒という。
⇔溶質
溶媒
ようばい【溶媒】
《化》a solvent.→英和
溶媒抽出
ようばいちゅうしゅつ [5] 【溶媒抽出】
⇒抽出(チユウシユツ)(2)
溶存酸素
ようぞんさんそ [5] 【溶存酸素】
水中に溶解している分子状の酸素。略記 DO その量は,水質汚濁を示す尺度の一つで,ふつう清浄な河川では七〜一〇 ppm である。空気中から溶け込むほか,水中植物の光合成によって供給され,水中生物の呼吸や,有機物の存在によって消費される。
→COD
→ BOD
溶射
ようしゃ [0] 【溶射】 (名)スル
金属の表面に,溶融した金属やセラミック材料の微粒子などを吹きつけて皮膜を作ること。防錆・表面硬化などの目的で用いられる。
溶岩
ようがん【溶岩】
lava.→英和
溶岩流 a stream of lava.→英和
溶岩
ようがん [1][0] 【溶岩・熔岩】
地下深部のマグマが地表に噴出し,流動している溶融体。また,それが冷却・固結してできた火山岩。ラバ。
溶岩トンネル
ようがんトンネル [5] 【溶岩―】
溶岩流の表面が冷却・固結し,内部の溶融部分が流れ去ってできたトンネル状の空洞。富士山の山麓の風穴など。
溶岩円頂丘
ようがんえんちょうきゅう [7] 【溶岩円頂丘】
粘性の高い溶岩から成るドーム状の火山。箱根の二子山など。鐘状火山。塊状火山。トロイデ。
溶岩台地
ようがんだいち [5] 【溶岩台地】
地殻の割れ目または多くの火口から多量の玄武岩質の溶岩流が噴出し,ほぼ水平に重なってつくられた広大な台地。インドのデカン高原,北アメリカのコロンビア高原など。香川県の屋島などは小規模な例。ペディオニーテ。
溶岩尖塔
ようがんせんとう [5] 【溶岩尖塔】
ほとんど固結した溶岩が火道から地表にゆっくり押し出され,火口上に柱状に突出したもの。1902年,ペレー火山(小アンチル諸島マルチニク島)の活動のときには,最高300メートルにも達した。火山岩尖。ベロニーテ。
溶岩樹形
ようがんじゅけい [5] 【溶岩樹形】
溶岩中に残された樹木の形。溶岩流が地表を流動中に樹木をとりこみ,その形が残った空洞。富士山麓の青木ヶ原溶岩流に見られる。
溶岩流
ようがんりゅう [3] 【溶岩流】
火口あるいは地殻の割れ目から噴出した溶融体の流れ。また,それが流れたまま固結してできた岩体。
溶成燐肥
ようせいりんぴ [5] 【溶成燐肥・熔成燐肥】
リン鉱石を他の材料とともに加熱溶解して製造したリン酸肥料。土壌改良材として広く用いられる。
溶接
ようせつ [0] 【溶接・熔接】 (名)スル
金属・ガラス・プラスチックなどの接合で,その部位を溶かして継ぎ合わせること。電気溶接(アーク溶接・抵抗溶接)・ガス溶接などがある。
溶接する
ようせつ【溶接する】
weld.→英和
溶接棒
ようせつぼう [4] 【溶接棒】
金属の溶接のとき,母材とともに溶融して接合を助ける融点の低い金属棒。
溶明
ようめい【溶明】
《映》fade-in.〜する fade in.
溶明
ようめい [0] 【溶明】
⇒フェード-イン
溶暗
ようあん [0] 【溶暗】
⇒フェード-アウト
溶暗
ようあん【溶暗】
《映》fade-out.〜になる fade out.
溶液
ようえき [1] 【溶液】
液体状態にある均一な混合物。その成分のうち,最も多量に存在する液体物質(溶かしている物質)を溶媒,その他の物質(溶けている物質)を溶質という。水が溶媒の場合は水溶液というが,水溶液であることが明らかな場合は,単に溶液という。
→溶体
溶液
ようえき【溶液】
a <strong,five-percent> solution.→英和
溶溶
ようよう [0] 【溶溶】 (ト|タル)[文]形動タリ
水がゆたかに流れるさま。「―として流れ去る大河/田舎教師(花袋)」
溶滓
ようし [1] 【溶滓・鎔滓】
⇒スラグ
溶滓
ようさい [0] 【溶滓・鎔滓】
⇒スラグ
溶炉
ようろ【溶炉】
a cupola.→英和
溶炉
ようろ [1] 【溶炉・熔炉】
金属をとかす炉。
溶着
ようちゃく [0] 【溶着・熔着】 (名)スル
溶接あるいは高温で加熱して接着させること。
溶結凝灰岩
ようけつぎょうかいがん [7] 【溶結凝灰岩】
高温の火山灰が大量に厚く積もり,その内部で再融・圧密されて生じた岩石。爆発的な火山活動に伴って発生した大規模な火砕流の堆積物中にみられる。しばしば粗い柱状節理を呈し,大雪山ふもとの層雲峡,十和田の奥入瀬(オイラセ),阿蘇の高千穂峡などが有名。
溶菌
ようきん [0] 【溶菌】
(1)抗体が細菌と反応し,補体の存在下でその細菌を死滅溶解させること。
(2)バクテリオファージが細菌内に入り,細菌を溶かすこと。
溶蝕
ようしょく [0] 【溶食・溶蝕】
雨水や地下水が岩石を溶解・浸食する作用。特に二酸化炭素を含んだ水は石灰岩を溶解し,ドリーネ・鍾乳洞などの特有の地形をつくる。
溶融
ようゆう [0] 【溶融・熔融】 (名)スル
「融解(ユウカイ)」に同じ。「銅が―する」
溶融電解
ようゆうでんかい [5] 【溶融電解】
常温で固体の電解質を,水溶液にすることなく,そのまま高温に加熱溶融して行う電気分解。ナトリウム・アルミニウム・フッ素などの製造に用いる。溶融塩電解・融解電解。
溶血
ようけつ [0] 【溶血】
赤血球の膜が破れるなどして,ヘモグロビンが血球外に出る現象。溶血素の作用による抗原抗体反応によるほか,浸透圧の低下,ある種の細菌の分泌する毒素,薬剤など,種々の要因で起こる。溶血現象。溶血反応。
溶血反応
ようけつはんのう [5] 【溶血反応】
⇒溶血(ヨウケツ)
溶血性貧血
ようけつせいひんけつ [0] 【溶血性貧血】
何らかの原因で赤血球の破壊が亢進した結果起こる,貧血を主症状とする疾患の総称。黄疸を伴う。先天的に赤血球に異常がある場合のほか,自己免疫疾患,薬物過敏症,新生児の Rh 不適合,異型輸血などで起こる。
溶血性連鎖球菌
ようけつせいれんさきゅうきん [10] 【溶血性連鎖球菌】
連鎖球菌属の細菌の一群。血液寒天培地で培養したとき,集落の周囲に透明な溶血環を生じるもの。溶連菌。
溶血素
ようけつそ [4] 【溶血素】
(1)赤血球を破壊しヘモグロビンを出させる物質(抗体)。通常,補体の協力を必要とする。
(2)細菌毒素や,蛇毒・蜂毒などの動物性毒素。溶血毒。
溶解
ようかい [0] 【溶解】 (名)スル
(1)とけること。とかすこと。
(2)気体・液体・固体状の物質が,ほかの物質(液体・固体)に溶けて,均一な混合物をつくる現象。
→溶体
(3)転じて,疑いや心のしこりなどがすっかりとけてなくなること。「次第に其敵意を―するを得べし/文明論之概略(諭吉)」
溶解する
ようかい【溶解する】
[水に]melt;→英和
dissolve;→英和
[金属が]melt;smelt;→英和
fuse.→英和
〜しない〔形〕insoluble.→英和
‖溶解液 a solution.
溶解度
ようかいど [3] 【溶解度】
溶質が溶媒中に溶解する量の上限値。溶質が固体の場合は,溶媒100グラムに溶ける溶質の質量( g )で表すことが多く,溶質が気体の場合は,普通,一気圧のもとで溶媒1ミリリットルに溶ける気体の体積を標準状態に換算した値で表す。温度によって変わる。
→溶液
→溶解度[表]
溶解度曲線
ようかいどきょくせん [6] 【溶解度曲線】
溶解度と温度との関係を示したグラフ。多くの固体物質の水に対する溶解度は温度が高くなるにつれて大きくなり,気体の溶解度は温度の上昇とともに小さくなる。
溶解度積
ようかいどせき [5] 【溶解度積】
難溶性塩の飽和溶液中の陰陽両イオンの濃度の相乗積。その値は,温度が一定ならば,その物質に固有であり,化学分析において沈殿の生成を考える際に重要。
溶解熱
ようかいねつ [3] 【溶解熱】
一定温度で溶質が溶媒に溶ける際に,放出あるいは吸収される熱量。
溶質
ようしつ [0] 【溶質】
溶液の成分のうち,溶媒に溶けている物質。
⇔溶媒
溶込む
とけこ・む [0][3] 【溶(け)込む・解(け)込む・融け込む】 (動マ五[四])
(1)液体になって他のものの中に混じる。「塩分が―・んだ水」
(2)その場の雰囲気や,周囲の環境に,次第になじみ同化する。「会場の空気に―・む」
[可能] とけこめる
溶連菌
ようれんきん [0] 【溶連菌】
⇒溶血性連鎖球菌(ヨウケツセイレンサキユウキン)
溶鉱炉
ようこうろ【溶鉱炉】
a furnace.→英和
溶鉱炉
ようこうろ ヨウクワウ― [3] 【溶鉱炉・鎔鉱炉】
鉄・銅・鉛などの金属の製錬用に用いるたて型の炉。製鉄用には大形のものが用いられ高炉という。炉頂から原料鉱石・融剤・燃料を装入し,下方の羽口から熱風を送り,融解・製錬して粗金属あるいは鈹(カワ)と呼ばれる中間製品を得る。
溶銑
ようせん [0] 【溶銑・鎔銑】
銑鉄をとかすこと。また,とけた銑鉄。
溶銑炉
ようせんろ [3] 【溶銑炉・鎔銑炉】
⇒キューポラ
溶錬
ようれん [0] 【溶錬・熔錬】
鉱石を溶鉱炉その他の炉で溶融・還元して粗金属を得る操作。
溶食
ようしょく [0] 【溶食・溶蝕】
雨水や地下水が岩石を溶解・浸食する作用。特に二酸化炭素を含んだ水は石灰岩を溶解し,ドリーネ・鍾乳洞などの特有の地形をつくる。
溷
どぶ 【溝・溷】
(1)江戸時代,浅草「どぶだな」の略。「いい男―から女房つれて来る/柳多留 24」
(2)江戸時代,「お歯黒溝」の俗称。
溷
かわや カハ― [0] 【厠・圊・溷】
〔川の流れの上に作った小屋の意味からか〕
便所。
溷店
どぶだな 【溝店・溷店】
江戸時代の,浅草新寺町の俗称。長遠寺などの寺があり,その門前は私娼窟として知られた。
溷濁
こんだく [0] 【混濁・溷濁】 (名)スル
(1)いろいろなものがまじってにごること。「白く―した液」
(2)秩序なく乱れること。混乱すること。「―の世」「意識が―する」
溺ほす
おぼほ・す 【溺ほす】 (動サ四)
溺れさせる。「何為(イカニ)ぞ波瀾(ナミ)を起てて―・すや/日本書紀(神武訓)」
溺ほる
おぼほ・る 【溺ほる・惚ほる】 (動ラ下二)
〔「おぼる」の古形〕
(1)水中に沈む。おぼれる。「今何の報いにかここら横ざまなる波風には―・れ給はむ/源氏(明石)」
(2)(涙に)むせぶ。「ただ涙に―・れたるばかりを/源氏(蜻蛉)」
(3)もっぱら,そればかりする。「尼君しはぶき―・れて起きにたり/源氏(手習)」
(4)ぼける。ぼんやりする。「夢ばかりだになく―・れて,何のわきまへか侍らん/増鏡(序)」
溺る
おぼ・る 【溺る】 (動ラ下二)
⇒おぼれる
溺れる
おぼれる【溺れる】
(1)[水に]be drowned.(2)[ふける]indulge <in> ;→英和
give oneself up <to gambling> ;be addicted <to wine> .
溺れる
おぼ・れる [0] 【溺れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 おぼ・る
(1)泳げないために,水中で死にそうになる。また,死ぬ。「川で―・れて死ぬ」「―・れている子を助ける」
(2)あることに夢中になって,心をうばわれる。耽溺(タンデキ)する。ふける。「酒に―・れる」「愛に―・れる」
(3)ぼんやりする。「帰りこむ道も―・れておもほえず今日の別れを惜しむ涙に/堀河百首」
溺れる者は藁(ワラ)をも掴(ツカ)む
溺れる者は藁(ワラ)をも掴(ツカ)む
危急の時は全然頼みにならないものにでも頼ろうとする。
溺れ死に
おぼれじに [0] 【溺れ死に】 (名)スル
おぼれて死ぬこと。溺死(デキシ)。水死。「船が沈没して―した人も出たそうだ」
溺れ谷
おぼれだに [3] 【溺れ谷】
〔drowned valley〕
陸上の谷が,陸地の沈降や海水面の上昇により沈水してできた湾。リアス式海岸の湾入部やフィヨルドなど。
溺惑
できわく [0] 【溺惑】 (名)スル
あることに心を奪われて迷うこと。惑溺。
溺愛
できあい [0] 【溺愛】 (名)スル
相手を客観的に見る目を失い,むやみにかわいがること。盲愛。「孫を―する」
溺愛する
できあい【溺愛する】
dote <upon a child> .→英和
溺死
できし [0] 【溺死】 (名)スル
水におぼれて死ぬこと。おぼれ死に。「高波にのまれ―する」
溺死する
できし【溺死する】
be drowned;drown.→英和
溺死体(者) a drowned body (person).
溺没
できぼつ [0] 【溺没】 (名)スル
おぼれること。「近頃大西洋にて―せしと人の告るものあり/竜動鬼談(勤)」
溽暑
じょくしょ [1] 【溽暑】
湿気が多くてむし暑いこと。「西南の風烈しく―夏日の如し/日乗(荷風)」
滂沱
ぼうだ バウ― [1] 【滂沱】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)雨が激しく降るさま。「唯だ猛雨の―たるを聞くのみ/花柳春話(純一郎)」
(2)涙がとめどなく流れるさま。「君を懐ふて涙―たり/佳人之奇遇(散士)」
(3)水・汗などが激しく流れ落ちるさま。「馬背の流汗―として掬すべく/義血侠血(鏡花)」
滄州
そうしゅう サウシウ [0] 【滄州】
青々とした水に囲まれた洲や浜。隠者のすむ所。
滄桑
そうそう サウサウ [0] 【滄桑】
「滄海桑田(ソウカイソウデン)」の意。「滄桑の変」に同じ。
滄浪
そうろう サウラウ [0] 【蒼浪・滄浪】
(1)青々とした波。
(2)老いて髪につやがなくなること。「肌膚虚しくして髪―たり/本朝文粋」
滄浪
そうろう サウラウ 【滄浪】
中国,湖北省を南流する漢水の分流の夏水。また,漢水のことともいう。
滄浪亭
そうろうてい サウラウ― 【滄浪亭】
中国,江蘇省蘇州市にある名勝。広陵王銭元璙の別園に北宋の蘇舜欽が築いた亭の名。
滄海
そうかい サウ― [0] 【滄海・蒼海】
あおい海。あおうなばら。
滄海桑田
そうかいそうでん サウ―サウ― [5] 【滄海桑田】
「滄海変じて桑田となる」に同じ。桑田滄海。
滄溟
そうめい サウ― [0] 【滄溟】
あおあおとした広い海。滄海。
滅
めつ 【滅】
(1)ほろびること。なくなること。「一切の法は久しからずして皆,―有り/今昔 3」
(2)涅槃(ネハン)のこと。釈迦や高僧の死。
滅する
めっ・する [0] 【滅する】 (動サ変)[文]サ変 めつ・す
(1)ほろびる。死ぬ。「生あるものは必ず―・する」
(2)ほろぼす。「仏法を―・して/今昔 9」
(3)なくなる。消える。「ちくせうの業(ゴウ)が―・して/安愚楽鍋(魯文)」
(4)なくす。消す。「私心を―・する」
滅び
ほろび [0] 【滅び】
ほろびること。滅亡。衰亡。
滅びる
ほろ・びる [3][0] 【滅びる・亡びる】 (動バ上一)[文]バ上二 ほろ・ぶ
(1)存在していたものがなくなる。絶える。「国が―・びる」「一族が―・びる」
(2)死ぬ。「其人の―・びたらば其国はあきなむ/平家 1」
(3)おちぶれる。「いとこと様に―・びて侍るなれば/枕草子 185」
〔「滅ぼす」に対する自動詞〕
滅びる
ほろびる【滅びる】
fall;→英和
be ruined;perish.→英和
滅ぶ
ほろ・ぶ [2][0] 【滅ぶ・亡ぶ】
■一■ (動バ五[四])
「滅びる」に同じ。「マンモスは氷河期に―・んだ」
■二■ (動バ上二)
⇒ほろびる
滅ぼす
ほろぼす【滅ぼす】
ruin;→英和
destroy.→英和
身を〜 ruin oneself.
滅ぼす
ほろぼ・す [3] 【滅ぼす】 (動サ五[四])
(1)根絶やしにする。滅亡させる。「敵を―・す」「身を―・す」
(2)跡形もなく崩す。「道の長手を繰り畳ね焼き―・さむ天の火もがも/万葉 3724」
〔「滅びる」に対する他動詞〕
[可能] ほろぼせる
滅亡
めつぼう [0] 【滅亡】 (名)スル
ほろびること。ほろびてなくなること。「インカ帝国は―した」
滅亡
めつぼう【滅亡】
a fall;→英和
ruin;→英和
destruction;→英和
annihilation (絶滅).〜する be ruined[destroyed];perish.→英和
滅入る
めいる【滅入る】
feel[be]depressed (気が).
滅入る
めい・る [2] 【滅入る】 (動ラ五[四])
(1)元気がなくなる。気分が沈む。「気が―・る」
(2)めりこむ。「見しうちに―・りて柱もゆがみ壁もこぼれ/浮世草子・武家義理物語 4」
滅却
めっきゃく [0] 【滅却】 (名)スル
ほろぼしなくすこと。また,ほろびること。「其人民の権利を―し/民約論(徳)」
滅多
めった [1] 【滅多】 (形動)[文]ナリ
〔「めた」「めたと」と同源。「滅多」は当て字〕
(1)思慮のないさま。いいかげんなさま。下に打ち消しの語を伴って用いる。「―なことは言えない」
(2)しきりにするさま。やたらに行うさま。「むやみ―になぐりつくる/当世書生気質(逍遥)」
→めったに
滅多な事をしてはいけない
めった【滅多な事をしてはいけない】
You must be careful.〜に…しない[まれに]seldom;→英和
rarely;[殆ど]scarcely.→英和
〜切りにする cut[chop] <a thing> to pieces.
滅多に
めったに 【滅多に】 (副)
(下に打ち消しの語を伴って)
(1)まれにしかないさま。ほとんど。「映画館には―行かない」「負けじ魂から―には屈服せず/浮雲(四迷)」
(2)思慮なく行うさま。うかつに。「気むずかしくて―話しかけられない」
滅多打ち
めったうち [0] 【滅多打ち】
むやみに打つこと。むちゃくちゃに打つこと。「エースを―にする」
滅多斬り
めったぎり [0] 【滅多斬り】
所かまわず斬りつけること。めちゃめちゃに切ること。
滅多無性
めったむしょう 【滅多無性】 (副)
(多く「に」を伴って)むやみやたらに。めちゃくちゃ。「―に走つても/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
滅多矢鱈
めったやたら [1][0] 【滅多矢鱈】 (副)
(多く「に」を伴って)むやみに。「―になぐりつける」「―に手に入らない」
滅多突き
めったづき [0] 【滅多突き】
むやみに突くこと。
滅失
めっしつ [0] 【滅失】 (名)スル
(1)ほろびてなくなること。「効用が―する」
(2)〔法〕 火事・地震・取り壊しなど外的な力により,建物がなくなること。また,消滅したり所在がわからなくなって物がなくなってしまうこと。
滅尽
めつじん [0] 【滅尽】 (名)スル
ほろび尽きること。ほろぼし尽くすこと。「遂に人類―するに至るべし/民約論(徳)」
滅度
めつど [1] 【滅度】
〔仏〕
〔梵 nirvāṇa〕
(1)煩悩(ボンノウ)をすべて消滅させ,完全な悟りの状態を実現すること。涅槃(ネハン)。
(2)仏・菩薩,または高僧などが死ぬこと。
滅後
めつご [1] 【滅後】
(1)滅亡したあと。
(2)入滅のあと。釈迦の死後。「―二千年」
滅日
めつにち [0] 【滅日】
⇒滅門日(メツモンニチ)
滅期
めつご [1] 【滅期】
入滅の時期。死ぬ時期。
滅法
めっぽう [3] 【滅法】
■一■ (名)
〔仏〕 一切の相を寂滅し,因縁によって生じたのではない不変の真如。無為法。
■二■ (名・形動)[文]ナリ
〔■一■の意から〕
(1)道理に合わないこと。むちゃなこと。また,そのさま。「―ナ奴/ヘボン」
(2)程度がはなはだしい・こと(さま)。大層。「十年の間稼いだら―に金が貯まらうと思ふが/塩原多助一代記(円朝)」
■三■ (副)
{■二■(2)}に同じ。「―暑い」「―強い」
滅法
めっぽう【滅法】
⇒べら棒.
滅法界
めっぽうかい [3] 【滅法界】 (名・形動)[文]ナリ
「滅法{■二■(2)}」に同じ。「―なりと驚く程の価(アタヒ)も高きかはりに/蜃中楼(柳浪)」
滅相
めっそう [3] 【滅相】
■一■ (名) [0]
〔仏〕
(1)有為四相の一。現在が滅して過去にはいる相。
→四相(1)
(2)真如が不変で,寂滅であること。
■二■ (形動)[文]ナリ
〔■一■(1)の意から〕
とんでもないさま。程度のはなはだしいさま。「あな―なり物体なし/慨世士伝(逍遥)」
■三■ (副)
{■二■}に同じ。「ほんにこの頃ぢやあ,―口が達者になつたよ/人情本・娘節用」
滅相もない
めっそう【滅相もない】
extraordinary;→英和
absurd.→英和
滅私
めっし [1] 【滅私】
私利・私情を捨てること。
滅私奉公
めっしほうこう [1][1] 【滅私奉公】
私心を捨てて公のために尽くすこと。
滅紫
けしむらさき [4] 【滅紫】
染め色の一。くすんだ紫色。めっし。
滅紫
めっし [1] 【滅紫】
くすんだ紫色。けしむらさき。
滅絶
めつぜつ [0] 【滅絶】 (名)スル
ほろび絶えること。ほろぼし絶やすこと。絶滅。「政体を一朝にして奸党の為めに―せられ/経国美談(竜渓)」
滅罪
めつざい [0] 【滅罪】
〔仏〕 読経・勤行・布施・懺悔などによって自己のなした罪悪を消滅させること。
滅罪生善
めつざいしょうぜん [0] 【滅罪生善】
現世の罪障を消滅し,死後に善報のもととなるものをつくること。
滅色
めっしき 【滅色】
衰え色あせること。「今はいつしかひきかへて,五衰―の秋なれや/謡曲・俊寛」
滅茶
めちゃ [1] 【滅茶・目茶】 (名・形動)
〔「むちゃ」の転か。「滅茶」「目茶」は当て字〕
(1)「めちゃくちゃ{(1)}」に同じ。「―な考え」「とんでもない―をいう」
(2)「めちゃくちゃ{(2)}」に同じ。「―に寒い」
(3)「めちゃくちゃ{(3)}」に同じ。「髪が―になった」
滅茶滅茶
めちゃめちゃ [0] 【滅茶滅茶】 (名・形動)
(1)「めちゃくちゃ{(1)}」に同じ。「やることが―だ」
(2)「めちゃくちゃ{(2)}」に同じ。「―にこわれる」
(3)「めちゃくちゃ{(3)}」に同じ。「部屋の中は―だ」
滅茶苦茶
めちゃくちゃ [0] 【滅茶苦茶】 (名・形動)
〔「めちゃ」を強めた語。「滅茶苦茶」は当て字〕
(1)まるで道理に合わないさま。筋道の通らないさま。めちゃめちゃ。「―な話」
(2)程度のはなはだしいさま。めちゃめちゃ。「町は―に破壊された」
(3)非常に混乱したさま。めちゃめちゃ。「話し合いが―になる」
滅菌
めっきん [0] 【滅菌】 (名)スル
熱・薬品・加圧・放射線などによって細菌を死滅させること。殺菌。「―消毒」
滅裂
めつれつ [0] 【滅裂】 (名・形動)[文]ナリ
形が整わないこと。混乱していること。また,そのさま。「支離―な説明」
滅諦
めったい [0] 【滅諦】
〔仏〕 四諦の一。苦の滅ぼされた涅槃(ネハン)の世界が理想の世界であるという真理。
滅道
めつどう [0] 【滅道】
〔仏〕 滅諦(メツタイ)と道諦(ドウタイ)。執着を断った悟りの世界と,それに達するための正しい修行。
滅金
めつきん 【滅金】
〔「めっきん」とも〕
金と水銀との合金でめっきの材料として用いるもの。「承徳三年正月一日塗�―�了/神宮雑例集」
滅金
めっき [0] 【鍍金・滅金】 (名)スル
〔「めつきん(滅金)」の転〕
(1)金属または非金属の固体表面に金属の薄膜を強固に密着させること。また,それを施したもの。装飾・防蝕・表面硬化のため行う。電気めっき・真空蒸着など。
(2)金をめっきすること。
(3)表面だけを飾り,中身を偽ること。
滅門
めつもん [0] 【滅門】
「滅門日(メツモンニチ)」に同じ。
滅門日
めつもんにち [3] 【滅門日】
陰陽道(オンヨウドウ)で,万事に凶の日。人の生まれ年によって定まるという。滅門。滅日。
滅鬼積鬼
めっきしゃっき [4] 【滅鬼積鬼】
(1)地獄の鬼の名。阿防(アボウ)をいう。
(2)きびしく責めて問うこと。「今夜は後家に逢うて―/浄瑠璃・新版歌祭文」
滇
てん 【滇】
中国,漢代に今の雲南省にあった国の名。紀元前109年,漢に降り,その統轄下に入った。
滇池
てんち 【滇池】
中国,雲南省の昆明(コンメイ)の南にある湖。風光にすぐれ,漢の武帝はこれをまねて長安の南西に昆明池を造った。昆明池。ティエン-チー。
滋味
じみ [1] 【滋味】
(1)うまい味。また,栄養のある食べ物。
(2)物事に感じられる深い味わい。「―掬(キク)すべし」
滋味
じみ【滋味】
daintiness;→英和
a delicacy.→英和
〜に富む delicious;→英和
nourishing.→英和
滋目結
しげめゆい [0] 【滋目結・繁目結】
鹿の子絞りの総絞り。「―の直垂(ヒタタレ)に洗革の鎧着て/平治(上)」
滋籐
しげどう [2] 【重籐・滋籐・繁籐】
弓の束(ツカ)を籐で密に巻いたもの。籐の巻き方や位置などによって村重籐・塗籠(ヌリゴメ)籐・追重籐・白重籐などの種類がある。
重籐[図]
滋賀
しが 【滋賀】
近畿地方北東部の内陸県。かつての近江(オウミ)国全域を占める。近江盆地を占め,中央に琵琶湖がある。東は伊吹山地・鈴鹿山脈,西は比良山地,北は野坂山地,南は信楽山地となる。県庁所在地,大津市。
〔古くは「志賀」とも書いた〕
滋賀の都
しがのみやこ 【滋賀の都・志賀の都】
大津京(オオツノミヤコ)の異名。
滋賀医科大学
しがいかだいがく 【滋賀医科大学】
国立大学の一。1974年(昭和49)設立。本部は大津市。
滋賀大学
しがだいがく 【滋賀大学】
国立大学の一。1922年(大正11)創立の彦根高商と滋賀師範・同青年師範が合併して,49年(昭和24)新制大学となる。本部は彦根市。
滋賀山
しがやま 【滋賀山・志賀山】
大津市の西方,比叡山の南に続く山。大津から志賀峠(421メートル)を越し,山中を経て京都北白川に至る山道を,志賀の山越あるいは白川越という。
滋賀浦
しがのうら 【滋賀浦・志賀浦】
滋賀県志賀町の琵琶湖南西岸の地。((歌枕))「―や遠ざかり行く浪まより氷りて出づる有明の月/新古今(冬)」
滋野
しげの 【滋野】
姓氏の一。
滋野井
しげのい シゲノヰ 【滋野井・重の井】
近松門左衛門作「丹波与作待夜の小室節」,また「恋女房染分手綱(ソメワケタヅナ)」をはじめとするその改作の登場人物。自然生(ジネンジヨ)の三吉の母。
滋野貞主
しげののさだぬし 【滋野貞主】
(785-852) 平安初期の漢学者。大内記・東宮学士などを歴任,参議に至る。「秘府略」および「経国集」の編纂(ヘンサン)に参加。
滋養
じよう [0] 【滋養】
身体の栄養となること。また,そのもの。
滋養
じよう【滋養】
nourishment.→英和
⇒栄養.
滋養分
じようぶん [2] 【滋養分】
滋養となる成分。栄養素。
滋養浣腸
じようかんちょう [4] 【滋養浣腸】
栄養素を含む液体を,腸壁から吸収させるために肛門より注入すること。点滴による栄養補給が一般的となり,特殊な場合を除き,ほとんど行われていない。
滌浄
てきじょう [0] 【滌浄】 (名)スル
洗い清めること。洗浄。「実験器具を―する」
滌蕩
てきとう [0] 【滌蕩】 (名)スル
汚れを洗い落とすこと。「千古の陋習滞毒を―し/明六雑誌 11」
滌除
てきじょ [1] 【滌除】
(1)洗いのぞくこと。
(2)〔法〕 抵当不動産についての権利を取得した第三者が,抵当権者に一定の金額を支払いまたは供託し,その抵当権を消滅させること。
滑
なめ [2] 【滑】
(1)(登山用語)平滑な岩の上を少量の水が流れている所。
(2)なめらかなこと。また,ぬるぬるしたもの。「葛の根を舂(ツ)き,その汁の―を取りて/古事記(中訓)」
滑
ぬめ [2] 【滑】
敷居・鴨居用の部材で,建具用の溝の刻んでないもの。無目(ムメ)。なめ。
滑す
すべ・す 【滑す・辷す】 (動サ四)
すべらす。「御衣(オンゾ)を―・し置きて/源氏(賢木)」
〔「すべる」に対する他動詞〕
滑っこい
すべっこ・い [4] 【滑っこい】 (形)
なめらかですべすべしている。すべこい。「―・い肌」
[派生] ――さ(名)
滑つく
ぬらつ・く [0] 【滑つく】 (動カ五[四])
ぬらぬらする。「口へ入れれば―・いて一寸(チヨツト)言へば蓴菜(ジユンサイ)のやう/戸隠山紀行(美妙)」
滑やか
すべやか 【滑やか】 (形動ナリ)
すべすべしたさま。なめらか。すべらか。「五音正しく,句移りの文字ぐさりの,―に聞きよくて/花鏡」
滑ら
なめら 【滑ら】
水などですべりやすいこと。なめらか。「下は―の溜り池/浄瑠璃・祇園女御九重錦」
滑らか
なめらか [2] 【滑らか】 (形動)[文]ナリ
(1)表面が平らですべすべしているさま。つるつるしているさま。また,すべりやすいさま。「―な肌」「―な斜面」「表面を―に削る」「蒼苔路―にして/和漢朗詠(秋)」
(2)物事がよどみなく運ぶさま。すらすらと進むさま。「ヨットが湖面を―に進む」「―な口調で話す」
[派生] ――さ(名)
滑らか
すべらか [2] 【滑らか】 (形動)[文]ナリ
(1)すべすべしてなめらかなさま。「心臓形に尖つた―な青葉/日本北アルプス縦断記(烏水)」
(2)弁舌によどみのないさま。「客の顔の多くは紅に,其舌の多くは―に/ふところ日記(眉山)」
滑らかす
すべらか・す [4] 【滑らかす・辷らかす】 (動サ五[四])
(1)すべらす。「(取ッタ魚ヲ)―・して逃がして/百座法談」
(2)髪をすべらかしにする。「内裏上臈の,髪も改め―・し/浄瑠璃・妹背山」
滑らかな
なめらか【滑らかな】
smooth;→英和
glassy;→英和
slippery.→英和
〜に smoothly.→英和
滑らす
すべら・す [3] 【滑らす】 (動サ五[四])
すべるようにする。すべらせる。「足を―・す」「うっかり口を―・す」
滑り
すべり [3] 【滑り・辷り】
すべること。「ふすまの―を良くする」
滑り
ぬめり [3] 【滑り】
(1)ぬめること。また,ぬるぬるしたもの。「里芋の―をとる」
(2)なめらかで光沢があること。
(3)ぬるぬるする液。粘液。
(4)泥にまみれること。
(5)平凡で陳腐な和歌や俳句を評していう語。「五十三次の紀行はあまねく人のいひふるせど,多くは歌よみ連歌師の―に,さよの中山に旅寝の詞をつづけ/鶉衣」
(6)しまりなく遊蕩(ユウトウ)すること。
(7)「ぬめりうた」の略。
滑り
ぬめり【滑り】
slime.→英和
〜のある slimy.
滑り
すべり【滑り】
a slide;→英和
sliding.→英和
〜が良(悪)い (do not) slide well.
滑り下る
すべりくだる【滑り下る】
slide down.
滑り出し
すべりだし [0] 【滑り出し】
(1)すべりはじめ。
(2)物事の最初の頃。出だし。「好調な―」
滑り出しが良い
すべりだし【滑り出しが良い】
make a good start;begin well.
滑り出す
すべりだ・す [4][0] 【滑り出す】 (動サ五[四])
(1)滑り始める。自然に滑って出る。「そりが雪道を―・す」
(2)物事が進み始める。進行し始める。「計画は順調に―・した」
滑り出づ
すべりい・ず 【滑り出づ】 (動ダ下二)
静かに退出する。そっと出る。「単衣一つを着て―・でにけり/源氏(空蝉)」
滑り台
すべりだい [3] 【滑り台】
傾斜した台をすべり下りて遊ぶ遊具。
滑り台
すべりだい【滑り台】
a slide.→英和
滑り唄
ぬめりうた [3] 【滑り唄】
(1)江戸時代,明暦(1655-1658)・万治(1658-1661)頃の小唄の一。江戸の吉原で郭通いの男たちの間にうたわれたもの。ぬめり節。
(2){(1)}の唄が下座音楽として残ったもので,役者の出端(デハ)に用いられた。「―にて,大橋・傾城にて出る/歌舞伎・幼稚子敵討」
滑り妻
ぬめりづま 【滑り妻】
なまめいた様子でうかれ歩く人妻。うかれ妻。「盛ぢや花に坐(ソゾロ)浮法師―(芭蕉)/東日記」
滑り寄る
すべりよ・る 【滑り寄る】 (動ラ五[四])
滑るようにして近寄る。にじりよる。
滑り弁
すべりべん [3] 【滑り弁】
蒸気機関のシリンダー内にあって,吸排気孔を滑り板を滑らせて開閉する弁。滑動弁。かつべん。
滑り摩擦
すべりまさつ [4] 【滑り摩擦】
物体が面上をころがらずにすべり動いているとき,その面に平行に物体が受ける抵抗。
→ころがり摩擦
滑り木
すべりぎ [3] 【滑り木】
敷居の溝に取り付けた樫(カシ)などの薄板。戸・障子などのすべりをよくし,敷居の摩耗を防ぐためのもの。うめがし。
滑り止め
すべりどめ [0] 【滑り止め】
(1)すべりを止めるもの。すべらないようにすること。「―に砂をまく」
(2)入学試験で,目的の学校を落ちたときのために他の学校の試験を受けておくこと。また,その学校。
滑り止め
すべりどめ【滑り止め】
a skid (自動車の);→英和
an ace in the hole (受験などの).→英和
〜のしてある skidproof.
滑り筋
ぬめりすじ 【滑り筋】
あだっぽい縞模様。「御女郎衆達のなりふりは,肩に鹿子のだんだら筋,腰に浮世の―/仮名草子・竹斎」
滑り節
ぬめりぶし 【滑り節】
「滑(ヌメ)り唄(ウタ){(1)}」に同じ。「花の都の―/浮世草子・一代男 4」
滑り落ちる
すべりおちる【滑り落ちる】
slip off[down] <a bed,the stairs> .
滑り説
すべりせつ [3] 【滑り説】
横紋筋の収縮の仕組みを,筋原繊維を構成する二種類の繊維状のタンパク質の特殊な結合と解離によって説明する学説。筋原繊維の長軸の方向に規則正しく並んだミオシンとアクチンとが互いにすべりあって筋原繊維の長さを変えるというもの。1954年に H = S =ハクスリーらにより提唱された。平滑筋やその他の細胞運動にも適用されると考えられている。滑走説。
滑り車
すべりぐるま [4] 【滑り車】
「戸車(トグルマ)」に同じ。
滑り込み
すべりこみ【滑り込み】
《野》sliding.→英和
〜で間に合う arrive[be]barely in time.
滑り込み
すべりこみ [0] 【滑り込み】
(1)野球で,走者が塁をめがけてすべりこむこと。スライディング。「―セーフ」
(2)期限の時刻にぎりぎりで間に合うこと。「―で提出する」
滑り込む
すべりこ・む [4][0] 【滑り込む】 (動マ五[四])
(1)すべって内に入る。また,すべるようになめらかに入り込む。「電車は静かにプラットホームに―・んできた」
(2)野球で,走者が塁の手前ですべって塁に入る。「―・んでセーフ」
(3)やっと間に合う。時間ぎりぎりで到着する。「提出期限に―・む」
[可能] すべりこめる
滑り込む
すべりこむ【滑り込む】
《野》slide into <third base> .
滑り道中
ぬめりどうちゅう 【滑り道中】
江戸時代,遊里で遊女がしずしずとぬめるように置屋から揚屋への往復をすること。「ぬきあしの―,見てなほ恋をもとむる/浮世草子・一代男 6」
滑る
ぬめ・る [2] 【滑る】 (動ラ五[四])
(1)ぬるぬるとしてすべる。「苔が生えて―・る道」
(2)うかれ歩く。のらりくらりと遊び歩く。「さてもつれなの金銀さまや,きんざござらざ,―・りて暮らそ/松の葉」
(3)なまめかしく振る舞う。めかす。「小女房の,腰もしなへてやつくるり,くるりや��やつくるりと―・らしやんすは/浄瑠璃・宵庚申(下)」
滑る
すべ・る [2] 【滑る・辷る・退る】 (動ラ五[四])
(1)物の表面をなめらかに移動する。「水面を―・るように進む」
(2)とどまっていられなくて,なめらかに動く。「雪道で―・った」「皿が―・って落ちる」
(3)雪・氷の上を滑走する。「スケートで―・る」
(4)うっかり言ったり,書いたりする。「口が―・る」「筆が―・る」「口ガ…―・ッテ申シタ/日葡」
(5)試験に落ちる。「入学試験に―・る」
(6)そっと位置をかえる。そっと退席する。「嫻雅(シトヤ)かに席を―・つた/社会百面相(魯庵)」「女も夜ふくる程に―・りつつ/徒然 191」
(7)退位する。「位を―・らせ給ひて新院とぞ申しける/平家 1」
[可能] すべれる
滑る
すべる【滑る】
slip;→英和
slide;→英和
glide;→英和
skate (スケート靴で);→英和
be slippery (床が).〜ように glidingly.滑って転ぶ slip and fall.試験に〜 fail in an examination.→英和
滑る
なめ・る 【滑る】 (動ラ四)
ぬるりとすべる。なめらかである。「苔は―・りて足もたまらず/謡曲・石橋」
滑剤
かつざい クワツ― [0][2] 【滑剤】
機械・器具の摩擦をへらし,すべりをよくするために用いる物質。油や滑石など。
滑動弁
かつどうべん クワツドウ― [3] 【滑動弁】
「滑(スベ)り弁(ベン)」に同じ。
滑子
なめこ [3][0] 【滑子】
(1)担子菌類ハラタケ目のきのこ。天然には秋季,ブナの枯れ木・切り株などに群生し,かさの直径は2センチメートルから10センチメートルほど。表面は粘質物でおおわれる。きわめて美味で栽培もされる。味噌汁の具や大根おろしとあえたりして食べる。
(2)榎茸(エノキタケ)のこと。
滑子(1)[図]
滑川
なめりかわ ナメリカハ 【滑川】
富山県中部,富山湾に面する市。越中売薬で知られる製薬業や漁業が盛ん。沖合いはホタルイカ群遊海面。
滑席
かっせき クワツ― [0] 【滑席】
⇒スライディング-シート
滑弁
かつべん クワツ― [0] 【滑弁】
⇒すべりべん(滑弁)
滑昇霧
かっしょうぎり クワツシヨウ― [3] 【滑昇霧】
霧の一種。気流が斜面を上昇するとき断熱冷却によって生ずる霧。
滑昇風
かっしょうふう クワツシヨウ― [3][0] 【滑昇風】
斜面を吹き上げる風。地表面付近の空気が熱せられて軽くなり,山の斜面に沿って吹き上がる。谷風がその例。アナバ風。
⇔滑降風
滑沢
かったく クワツ― [0] 【滑沢】 (名・形動)[文]ナリ
なめらかでつやのある・こと(さま)。「殊更厚くして―なる紙一枚あり/竜動鬼談(勤)」
滑沢剤
かったくざい クワツ― [4][0] 【滑沢剤】
錠剤を製造する時に加えられる物質。なめらかでつやを出す滑石(カツセキ)・ステアリン酸マグネシウムなどが使われる。
滑河豚
なめらふぐ [4] 【滑河豚】
マフグの別名。
滑液
かつえき クワツ― [2][0] 【滑液】
滑液膜から分泌される透明アルカリ性の液。卵白に似ている。関節腔にあり,関節の運動を滑らかにする。
滑液膜
かつえきまく クワツ― [4] 【滑液膜】
関節の内面をおおう膜。神経・血管に富み,滑液を分泌する。
滑滑
ぬらぬら [1] 【滑滑】 (副)スル
(1)表面がぬるぬるしてすべりやすいさま。粘液状のものでおおわれているさま。「風呂場が―とすべる」
(2)鈍く進むさま。「牛の歩の―行くことと定めた/思出の記(蘆花)」
滑滑
ぬめぬめ [1] 【滑滑】 (副)スル
物の表面がなめらかで,ぬめった光沢のあるさま。「―と光る」「―したナメクジ」
滑滑
すべすべ 【滑滑】
■一■ [0] (形動)
人の肌や物の表面などに手で触れたとき,なめらかでさらっとして心地よいさま。「―な肌」
■二■ [1] (副)スル
{■一■}に同じ。「―(と)した床柱」
滑猪口
ぬめりいぐち [4] 【滑猪口】
担子菌類ハラタケ目のきのこ。夏から秋にかけ,松林内に群生する。傘は径5〜15センチメートル,上面は暗赤褐色の表皮があり粘液でおおわれる。裏面にはひだがなく,細い管孔(クダアナ)が多数ある。表皮と孔部を除いて食用とする。
→いぐち
滑石
かっせき クワツ― [0] 【滑石】
マグネシウムのケイ酸塩を主成分とし,最も柔らかい鉱物の一。白色・淡緑色・灰色を呈し,絹糸状の光沢がある。単斜晶系または三斜晶系蛇紋岩やドロマイトの熱水変質部に産する。粉末状にして,滑材,紙の充填剤,熱・電気の絶縁材などに用いる。滑石粉塵を多量に吸入すると激しい塵肺(滑石肺)を起こす。タルク。
滑稽
こっけい【滑稽】
fun;→英和
a joke;→英和
a jest;→英和
humor.→英和
〜な funny;→英和
humorous;→英和
comic(al);→英和
ridiculous.→英和
滑稽
こっけい [0] 【滑稽】 (名・形動)[文]ナリ
(1)おどけていて,面白いこと。おかしいこと。また,そのさま。「―な事を言って笑わせる」
(2)いかにもばかばかしいこと。くだらなくみっともないこと。また,そのさま。
(3)常識をはずれていておかしいさま。「何とも―なスタイル」
〔「滑」は乱,「稽」は同で,是非を混同して巧みに言いくるめるのが原義という。また,「滑」はなめらか,「稽」はとどまる意で,弁舌が緩急自在なことをいったか〕
[派生] ――さ(名)
滑稽和合人
こっけいわごうじん 【滑稽和合人】
滑稽本。四編一三冊。三編まで滝亭鯉丈作,1823〜41年刊。四編為永春水作,1844年刊。「花暦八笑人」の姉妹編で,さまざまな悪戯(イタズラ)が失敗する滑稽を描いたもの。
滑稽本
こっけいぼん [0] 【滑稽本】
江戸後期の小説の一。江戸を中心として流行した,滑稽を主とする小説。気質物(カタギモノ)・談義本(ダンギボン)を継ぎ,文化・文政期(1804-1830)に最盛。町人の日常生活を題材とし,多く対話文でつづる。十返舎一九の「東海道中膝栗毛」,式亭三馬の「浮世風呂」「浮世床」が代表的作品。
滑空
かっくう【滑空】
《空》gliding;a glide.→英和
滑空
かっくう クワツ― [0] 【滑空】 (名)スル
(1)航空機がエンジンの力によらずに,上昇気流や地面に対して一定の角度で降下することによって揚力を得て空を飛ぶこと。空中滑走。「―飛行」「グライダーが大空を―する」
(2)鳥が羽ばたきをせず,羽を広げたまま飛ぶこと。
滑空機
かっくうき クワツ― [3] 【滑空機】
⇒グライダー
滑空比
かっくうひ クワツ― [3] 【滑空比】
グライダーなどが滑空するとき,前進した水平距離をその間に沈降した高度差で割った値。
滑翔
かっしょう クワツシヤウ [0] 【滑翔】 (名)スル
鳥が羽ばたきをとめて空を飛ぶこと。「大空を―する」
滑脱
かつだつ クワツ― [0] 【滑脱】 (名・形動)[文]ナリ
よどみなく自由自在に変化する・こと(さま)。「円転―」
滑茸
なめたけ [2] 【滑茸】
エノキタケの別名。
滑莧
すべりひゆ [4] 【滑莧】
スベリヒユ科の一年草。畑地や道端に生える。全体に多肉質で無毛。茎は地をはって分枝し,赤みを帯びる。葉は互生し,へら形。夏,枝先に黄色の小花をつける。若苗は粘りけがあり,食用。茎・葉は利尿・解毒剤とする。[季]夏。
滑莧[図]
滑落
かつらく クワツ― [0] 【滑落】 (名)スル
山の岩場や雪上をすべりおちること。「―事故」「岩が―する」
滑走
かっそう クワツ― [0] 【滑走】 (名)スル
(1)すべるように走ること。「氷上を―する」
(2)飛行機が離陸や着陸のため,地上・水上を走ること。
滑走する
かっそう【滑走する】
glide (滑空);→英和
taxi (地上を);→英和
volplane (空中滑降);→英和
slide;→英和
skate.→英和
滑走路 a runway;→英和
a landing strip.
滑走路
かっそうろ クワツ― [3] 【滑走路】
飛行場内で,飛行機の離陸や着陸のため,地上を走るのに用いる道路状の部分。ランウェイ。
滑車
かっしゃ【滑車】
a pulley.→英和
滑車
かっしゃ クワツ― [0][1] 【滑車】
軸を中心に回転しうる円板で,普通,周囲に溝があり,これに綱・ベルトなどをかけ,加える力の方向を変えたり,動力を伝えたり,小さい力で大きい力と釣り合わせたりするのに用いるもの。軸が固定された定滑車,軸が移動する動滑車,何個かの滑車を組み合わせた複滑車などがある。
滑車神経
かっしゃしんけい クワツ― [4] 【滑車神経】
眼球を下方に動かす上斜筋に分布する神経。第四脳神経。古く上斜筋を滑車筋といったことからの名称。
滑道
かつどう クワツダウ [0] 【滑道】
山腹の斜面に設けた溝型の木材搬出路。山腹の凹部を利用した土修羅と丸太で溝を作った修羅{(4)}があり,木材を滑走させる。滑路。
滑降
かっこう クワツカウ [0] 【滑降】 (名)スル
(1)すべりおりること。主にスキーでいう。「直―」「急斜面を―する」
(2)「滑降競技」の略。
滑降
かっこう【滑降】
a descent;→英和
《スキー》滑降競技 a downhill race.
滑降競技
かっこうきょうぎ クワツカウキヤウ― [5] 【滑降競技】
スキーのアルペン競技の一。急斜面に設けられたコースを高速度ですべりおり,その速さを競うもの。
滑降風
かっこうふう クワツカウ― [3][0] 【滑降風】
斜面を吹きおりる風。冷えた空気が自らの重みで下降する。山風や,南極大陸の氷の斜面を下降する冷たい強風がある。カタバ風。
⇔滑昇風
滑革
ぬめかわ [0] 【滑革・�】
牛皮をタンニンでなめした,柔らかく光沢・弾力に富む革。
滑鯒
ぬめりごち [3] 【滑鯒】
海魚,ネズッポの別名。
滓
かす 【滓】
■一■ [1] (名)
(1)液体の底にたまる沈殿物。液体をこしたあとに残る不純物。
(2)必要な部分を取ったあとに残るもの。くず。
(3)ねうちのないもの。ひどくつまらないもの。「バーゲン-セールで―をつかまされた」「人間の―」
(4)花合わせで,一点ふだ。かすふだ。
■二■ (接頭)
〔近世語〕
人を表す語に付いて,あなどりの気持ちやののしりの気持ちを表す。「―客」「―奴(ヤツコ)」
滓酢
かすず [2][0] 【糟酢・滓酢】
酒粕からつくった食酢。
滓]
かす【粕[糟・滓]】
dregs (酒・コーヒーなどのおり);→英和
<sake> lees (粕);scum (浮き滓);→英和
dross (鉄滓);→英和
refuse (くず).→英和
人間のかす the scum of society.
滔々と
とうとう【滔々と】
[流水]swiftly;→英和
in torrents;[弁舌]eloquently;→英和
fluently.→英和
滔天
とうてん タウ― [0] 【滔天】
天に達するほどみなぎり,あふれること。勢いの盛んなたとえ。「―の勢い」
滔滔
とうとう タウタウ [0] 【滔滔】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)水が勢いよく,また豊かに流れるさま。「―と流れる大河」
(2)よどみなく話すさま。弁舌さわやかなさま。「―とまくし立てる」「―と雄弁を揮(フル)つて/片恋(四迷)」
(3)物事がある方向によどみなく流れゆくさま。「―たる時代の流れ」
滕る
かがる【滕る】
sew;→英和
darn (繕う);→英和
hemstitch (ハンカチなどの縁を).→英和
滕王閣
とうおうかく トウワウ― 【滕王閣】
中国,江西省南昌市の贛江(コウコウ)のほとりにあった楼閣。唐代に滕王李元嬰が創建。王勃の「滕王閣序」で知られる。
滝
たき [0] 【滝】
(1)高いがけの上から流れ落ちる水の流れ。瀑布。[季]夏。《―の上に水現れて落ちにけり/後藤夜半》
(2)川の流れの急な所。急流。「石(イワ)走る―もとどろに鳴く蝉の/万葉 3617」
滝
たき 【滝】
姓氏の一。
滝
たき【滝】
a waterfall;→英和
falls.
滝つ瀬
たきつせ 【滝つ瀬】
〔「つ」は「の」の意の格助詞〕
滝のように急な流れ。滝。「夕立の―うくる元の谷川/拾遺愚草」
滝つ瀬の
たきつせの 【滝つ瀬の】 (枕詞)
滝つ瀬の流れが速いことから,「はやし」にかかる。「―はやき心をなにしかも/古今(恋三)」
滝の白糸
たきのしらいと 【滝の白糸】
戯曲。泉鏡花の小説「義血侠血」を花房柳外が脚色。愛する村越欣也の学資のために殺人を犯した女水芸師白糸は,検事代理となった欣也に裁かれ死刑を宣せられる。欣也もまた,白糸の罪は自分ゆえと自殺する。新派の代表的当たり狂言。
滝の白糸
たきのしらいと 【滝の白糸】
「滝の糸」に同じ。「春くれば―いかなれや/拾遺(雑春)」
滝の糸
たきのいと 【滝の糸】
滝の水が落ちるのを白糸がたれ下がるさまに見立てていう語。滝の白糸。「流れくるもみぢ葉見ればから錦―もて織れるなりけり/拾遺(冬)」
滝ノ上温泉
たきのうえおんせん タキノウヘヲンセン 【滝ノ上温泉】
岩手県岩手郡雫石(シズクイシ)町,雫石川支流の葛根田(カツコンダ)川上流にある温泉。下流に鳥越滝。1978年(昭和53)運転の葛根田地熱発電所がある。
滝井
たきい タキヰ 【滝井】
姓氏の一。
滝井孝作
たきいこうさく タキヰカウサク 【滝井孝作】
(1894-1984) 小説家・俳人。岐阜県生まれ。俳号,折柴。河東碧梧桐(カワヒガシヘキゴトウ)を師と仰いで新傾向俳句を作る一方,芥川竜之介・志賀直哉を知り小説を執筆。著「無限抱擁」「折柴句集」「俳人仲間」など。
滝亭鯉丈
りゅうていりじょう 【滝亭鯉丈】
(?-1841) 江戸後期の戯作者。本名,池田八右衛門。為永春水の兄といわれる。滑稽本「花暦八笑人」「滑稽和合人」などで江戸町人の遊戯生活を如実に描いた。
滝口
たきぐち [0] 【滝口】
(1)滝の流れ落ちる所。
(2)清涼殿の北東にある御溝水(ミカワミズ)の落ち口。
(3)〔(2)に詰めていたことから〕
平安・鎌倉時代,蔵人所(クロウドドコロ)に属し,宮中の警護にあたった武士。滝口の武士。
滝口
たきぐち 【滝口】
姓氏の一。
滝口の陣
たきぐちのじん 【滝口の陣】
「滝口所」に同じ。
滝口修造
たきぐちしゅうぞう 【滝口修造】
(1903-1979) 詩人・美術評論家。富山県生まれ。慶大在学中から詩作。シュールレアリスムの紹介・評論にもつとめた。
滝口入道
たきぐちにゅうどう 【滝口入道】
(1)平安末期の僧。本名,斎藤時頼。はじめ滝口の武士で平重盛の臣。建礼門院の雑仕横笛に恋慕,父に反対されて出家。のち高野山で行いすまし,平維盛入水の導師となった(平家物語)。
(2)小説。高山樗牛(チヨギユウ)作。1894年(明治27)発表。平家物語の{(1)}の話を潤色。
滝口所
たきぐちどころ [5] 【滝口所】
滝口{(3)}の詰め所。滝口の陣。
→内裏
滝壷
たきつぼ【滝壷】
the basin of a waterfall.→英和
滝壺
たきつぼ [0] 【滝壺】
滝が落ち込んで深い淵(フチ)となった所。
滝夜叉姫
たきやしゃひめ 【滝夜叉姫】
平将門(マサカド)の娘と伝えられる女性。父の死後,妖術を使って天下をくつがえそうとする。これを脚色したものに山東京伝作の読本「善知鳥安方(ウトウヤスカタ)忠義伝」があり,常磐津の舞踊「忍夜恋曲者」(将門)は有名。
滝安寺
ろうあんじ 【滝安寺】
大阪府箕面市にある単立宗教法人の寺。白雉年間(650-654)役小角(エンノオヅノ)の開創と伝えられ,修験道の霊場であった。竹生島・江ノ島・宮島とともに四所弁天といわれる。箕面寺。
滝安寺
りゅうあんじ 【滝安寺】
⇒ろうあんじ(滝安寺)
滝川
たきがわ タキガハ 【滝川】
姓氏の一。
滝川
たきがわ [0] 【滝川】
山間を激しく流れる川。急流。激流。「瀬を早み岩にせかるる―の/詞花(恋上)」
滝川
たきかわ タキカハ 【滝川】
北海道中部,石狩平野北部の市。かつて石狩川舟運,近年は鉄道交通の要地。農産物の集散地で,商業が発達。
滝川一益
たきがわかずます タキガハ― 【滝川一益】
(1525-1586) 安土桃山時代の武将。近江の人。織田信長の臣。一向一揆平定の功により伊勢長島城主。信長死後豊臣秀吉と対立,敗れて臣に下った。小牧・長久手の戦いで家康に敗れ,剃髪。
滝川事件
たきがわじけん タキガハ― 【滝川事件】
1933年(昭和8),京大法学部教授滝川幸辰を,その著書が共産主義的であるとして,文相鳩山一郎が強制罷免した事件。学問の自由と大学の自治を守るため,同校教授団・学生を中心に反対運動が展開されたが,弾圧された。京大事件。
滝川幸辰
たきがわゆきとき タキガハ― 【滝川幸辰】
(1891-1962) 刑法学者。岡山県出身。京大教授。刑法は個人の人権を守るためにあるという自由主義的な刑法学説を主張。滝川事件で大学を追われた。第二次大戦後復職。京大総長。著「刑法読本」「刑法講話」「犯罪論序説」
滝廉太郎
たきれんたろう 【滝廉太郎】
(1879-1903) 作曲家。東京生まれ。東京音楽学校卒。ライプチヒ王立音楽院に留学したが病気で帰国。静養中の大分で夭折した。二重唱「花」を含む歌曲集「四季」のほか,「荒城の月」「箱根山」「雀」「鳩ぽっぽ」などの作品がある。
滝本
たきもと 【滝本】
滝つぼ。「滝に…うたれてみんとて,―へぞまいりける/平家 5」
滝本流
たきもとりゅう 【滝本流】
⇒松花堂流(シヨウカドウリユウ)
滝殿
たきどの [0] 【滝殿】
納涼のために,滝のほとりに建てた簡単な建物。[季]夏。
滝沢
たきざわ タキザハ 【滝沢】
姓氏の一。
滝沢
たきざわ タキザハ 【滝沢】
岩手県西部,岩手郡の村。岩手山南東麓を占め,南部駒の産地。駒形神社のチャグチャグ馬っこは有名。
滝沢馬琴
たきざわばきん タキザハ― 【滝沢馬琴】
⇒曲亭馬琴(キヨクテイバキン)
滝泉寺
りゅうせんじ 【滝泉寺】
東京都目黒区下目黒にある天台宗の寺。山号,泰叡山。808年円仁の開基。目黒不動。
滝田
たきた 【滝田】
姓氏の一。
滝田樗陰
たきたちょいん 【滝田樗陰】
(1882-1925) ジャーナリスト。秋田市生まれ。本名,哲太郎。東大中退。1912年(大正1)雑誌「中央公論」主幹となり,同誌の基礎を築いた。
滝登り
たきのぼり [0][3] 【滝登り】
滝を,落下する水に逆らって登ること。「鯉の―」
滝石
たきいし [0] 【滝石】
役石の一。日本庭園の滝水の落下地点周辺に配置する石。
滝祭りの神
たきまつりのかみ 【滝祭りの神】
水をつかさどるという神。伊勢神宮内宮の五十鈴川畔の神域に,古来から神殿を設けず鎮祭された。また竜田神社の祭神と同体とされる。
滝精一
たきせいいち 【滝精一】
(1873-1945) 美術史家。東京生まれ。号,拙庵。日本画家滝和亭(カテイ)の長男。東大教授。東洋美術の啓蒙と研究に貢献した美術雑誌「国華」の編集などを通し,日本美術史学の育成と発展に寄与。
滝絞り
たきしぼり [3] 【滝絞り】
⇒柳絞(ヤナギシボ)り
滝線
たきせん [0] 【滝線】
「瀑布線(バクフセン)」に同じ。
滝線都市
たきせんとし [5] 【滝線都市】
アメリカ合衆国,アパラチア山脈の東麓の滝線上にある都市群。早くに水車を利用して製粉・織物などの工業が発達。ボルチモア・リッチモンドなど。瀑布線都市。
滝縞
たきじま [0] 【滝縞】
縞柄の一。縞が太い筋を中心に,左右あるいは片側に次第に細くなっていくもの。
滝見観音
たきみかんのん 【滝見観音】
三十三観音の一。断崖に座って滝を見る姿の観音。
滝雲
たきぐも [0] 【滝雲】
山の稜線をこえて風下側に流れた雲が,山にそって滝のように落下しながら消えていくもの。
滝飲み
たきのみ 【滝飲み】
酒などを一息に飲みほすこと。「―がしたひと思ふが,のませてくれまひか/狂言・河原太郎」
滝鶴台
たきかくだい 【滝鶴台】
(1709-1773) 江戸中期の儒家・医師。長門(ナガト)国の人。名は長愷,通称,弥八。本姓は引頭。服部南郭らに儒学を学ぶ。国史・仏教・筆法にも精通。著「三乃逕」「鶴台遺稿」など。
滞み
なずみ ナヅミ 【泥み・滞み】
〔動詞「なずむ(泥)」の連用形から〕
深く心を寄せること。執心。「身も捨て給ふほど御―深かりき/浮世草子・一代女 6」
滞む
なず・む ナヅム [2] 【泥む・滞む】 (動マ五[四])
(1)進行がさまたげられる。とどこおる。難渋する。「暮れ―・む」「句ニ―・ム/日葡」「海処(ウミガ)行けば腰―・む/古事記(中)」
(2)こだわる。執着する。「小義に―・むは愚の極(キヨク)なり/当世書生気質(逍遥)」「死を軽くして,少しも―・まざる方のいさぎよく覚えて/徒然 115」
(3)なれ親しむ。なじむ。「都会の悪風に―・まぬやう/羹(潤一郎)」
(4)わずらう。病む。病んで苦しむ。「この君―・みて,泣きむつかり,あかし給ひつ/源氏(横笛)」
(5)深く心を寄せる。打ち込む。「その備後衆の十がひとつ,可愛がられたいと―・めば/浮世草子・一代男 5」
滞らす
とどこおら・す トドコホラス [5] 【滞らす】 (動サ五[四])
(1)順調に進まないようにする。「雨が工事を―・す」
(2)期限がすぎても支払わないままにする。「家賃を半年も―・す」
滞り
とどこおり トドコホリ [0] 【滞り】
(1)物事が順調に進まないこと。つかえること。「式は―なく終了した」
(2)期限が過ぎても支払わないこと。また,その金。「支払いの―」
(3)障害。さしさわり。「何の―かおはせんなれども/徒然 83」
滞り
とどこおり【滞り】
[未払額]arrears <of rent> ;back pay (給料の);an outstanding loan (借金の).〜なく smoothly;→英和
duly;→英和
all right.
滞る
とどこお・る トドコホル [0][4] 【滞る】 (動ラ五[四])
〔「とど」は「とどまる」の「とど」と同源〕
(1)物事が順調に進まない。停滞する。「仕事が―・る」「胸ニ食物ガ―・ル/ヘボン」
(2)支払うべき金がたまる。延滞する。「部屋代が―・る」
(3)すがりついて行かせない。「衣手に取り―・り泣く子にも/万葉 492」
(4)(性格が)ためらいがちである。「何事にかは―・り給はむ/源氏(賢木)」
滞る
とどこおる【滞る】
[支払が]be left unpaid;be overdue;be in arrears;[遅延]be delayed;be behind <in,with> .
滞京
たいきょう [0] 【滞京】 (名)スル
みやこにとどまること。古くは京都,現在は東京にとどまることにいう。
滞在
たいざい [0] 【滞在】 (名)スル
家を離れてよそに長くとどまっていること。滞留。逗留(トウリユウ)。「二か月パリに―する」
滞在する
たいざい【滞在する】
stay <at[in]a place,with a person> .→英和
〜中(に) during one's stay.‖滞在客 a guest;a visitor.滞在日数[期間]the length of one's visit.滞在費 hotel expenses.
滞学
たいがく [0] 【滞学】 (名)スル
(1)学校にとどまること。
(2)「留年(リユウネン)」に同じ。
滞日
たいにち [0] 【滞日】 (名)スル
外国人が日本に滞在すること。「一年間―する予定」
滞欧
たいおう [0] 【滞欧】 (名)スル
ヨーロッパに滞在すること。「―すること十余年」
滞水
たいすい [0] 【滞水】
よどんで流れない水。
滞留
たいりゅう [0] 【滞留】 (名)スル
(1)とどこおること。その場にとどこおって,移動・進展しないこと。停滞。「霧が山あいに―する」
(2)旅行先にしばらくとどまること。逗留。滞在。「伊香保に―する武男夫婦/不如帰(蘆花)」
滞積
たいせき [0] 【滞積】 (名)スル
(1)貨物や郵便物の処理がとどこおってたまること。
(2)解決すべき問題がたまること。
滞空
たいくう [0] 【滞空】
飛行機・グライダーなどが空中を飛び続けること。「―時間」「―記録」
滞空時間
たいくう【滞空時間】
duration of flight.滞空飛行(記録) an endurance flight (record).
滞米中に
たい−【滞米中に】
during one's stay in the United States.
滞納
たいのう [0] 【滞納】 (名)スル
納めるべきものを,定められた期限を過ぎても納めないでいること。「税金を―する」
滞納する
たいのう【滞納する】
fail to pay;be <three months> in arrears (月謝などが).‖滞納金 arrears;arrearage (未払金).滞納者 a defaulter;a delinquent (税の).滞納処分 coercive collection.
滞納処分
たいのうしょぶん [5] 【滞納処分】
租税が滞納された場合,税務行政庁が滞納者の財産を差し押さえて公売に付し,その売却代金から徴収する処分。国税滞納処分。
滞船
たいせん [0] 【滞船】 (名)スル
天候や荷役の都合などによって,予定した期間よりも船を長く停泊させること。
滞船料
たいせんりょう [3] 【滞船料】
⇒停泊料(テイハクリヨウ)
滞貨
たいか [1][0] 【滞貨】 (名)スル
(1)商品が売れずにたまること。また,その商品。ストック。
(2)貨物や郵便物などが,輸送しきれずに,たまっていること。また,その荷物。
滞貨
たいか【滞貨】
accumulation of cargoes[freights,goods];stockpiles (在庫品).
滞貨金融
たいかきんゆう [4] 【滞貨金融】
企業の商品在庫が適正水準を超え,その在庫品のために発生した必要資金を貸し出すこと。滞貨融資。
→在庫金融
滞陣
たいじん [0] 【滞陣】 (名)スル
一か所に長く陣をしくこと。「―百日に及ぶ」
滲みる
し・みる [0] 【染みる・沁みる・浸みる・滲みる】 (動マ上一)[文]マ上二 し・む
(1)液体が,繊維の間や物の割れ目をつたって広がる。《染・浸・滲》「インクが―・みる紙」「雨が壁に―・みる」「汗の―・みたハンカチ」
〔しみ出る場合は「滲みる」と書くことが多い〕
(2)液体や気体などの刺激で,刺すような痛みを感じる。比喩的にも用いる。《染・沁》「冷たい水が歯に―・みる」「寒さが身に―・みる」「目に―・みるような新緑」
(3)心などに深く感じる。《染・沁》「人の情けが身に―・みる」「骨身に―・みて感じる」
(4)影響を受ける。染まる。「悪習に―・みる」
〔古くは四段活用,中古に入って上二段にも活用し,近世以降は上一段に活用されることが多くなった〕
滲み出す
しみだ・す [3] 【染み出す・滲み出す】 (動サ五[四])
外ににじんででる。しみでる。「包帯から血が―・す」
滲み出る
にじみ・でる [4] 【滲み出る】 (動ダ下一)
(1)液体が,しみて表にあらわれる。「額(ヒタイ)に汗が―・でる」
(2)自然と表にあらわれ出る。「著者の人柄が―・でている」
滲み出る
しみ・でる [3] 【染(み)出る・滲み出る】 (動ダ下一)
中の液汁が,それをおおう物を通り抜けて表面に出る。「包み紙を通して油が―・でる」
滲む
にじ・む [2] 【滲む】 (動マ五[四])
(1)液体がしみて広がる。「インクが―・む」
(2)輪郭がぼやける。「涙でネオンが―・む」
(3)液体が表面にしみ出てくる。また,表情などにあらわれる。「血が―・む」「苦悩の色が―・む」
滲む
にじむ【滲む】
[インキなどが]blot;→英和
run;→英和
be blurred (字などがぼんやりする);ooze out (滲み出る).
滲入
しんにゅう [0] 【滲入】 (名)スル
水などがしみこむこと。
滲出
しんしゅつ [0] 【滲出】 (名)スル
(1)しみ出ること。
(2)炎症などの際,血液成分が血管外に出ること。
滲出する
しんしゅつ【滲出する】
exude;→英和
ooze out.
滲出性体質
しんしゅつせいたいしつ [7] 【滲出性体質】
外部刺激に対して異常に過敏で,滲出性反応を起こす体質。乳児・幼児に多く,小さな傷でもリンパ節がはれやすく,下痢・喘息性気管支炎などの症状が出る。
滲出性炎症
しんしゅつせいえんしょう [0] 【滲出性炎症】
血液成分が血管外に滲出する炎症。カタル。
滲出液
しんしゅつえき [4] 【滲出液】
炎症により局所の血管透過性が亢進し,毛細血管から組織内にもれ出た血漿成分からなる液。
滲漏
しんろう [0] 【滲漏】 (名)スル
しみ出ること。
滲炭
しんたん [0] 【滲炭・浸炭】
低炭素鋼の表面に炭素成分をしみ込ませるように焼いて硬化させること。炭素むし。はだ焼き。
滲炭鋼
しんたんこう [3][0] 【滲炭鋼】
滲炭させて表面を硬くする目的で製造された鋼。また,滲炭した鋼。表面層は硬く磨耗に耐え,中心部は十分靭性(ジンセイ)を保つ。はだ焼き鋼。
滲透
しんとう [0] 【浸透・滲透】 (名)スル
(1)液体がしみとおること。「雨水が―する」
(2)思想などが,人々の間にしみとおり広がること。「自由の気風が―する」
(3)溶媒の分子のみを通す半透膜を隔てて溶液を接したとき,溶媒の分子が,溶液を薄める方向に膜を通りぬけて拡散する現象。
滴
しずく シヅク [3] 【滴・雫】 (名)スル
水などの液体がしたたり落ちること。また,その水など。「―に濡れる」「貫一は―する涙を払て/金色夜叉(紅葉)」
滴
てき 【滴】 (接尾)
助数詞。数を表す漢語に付いて液体のしたたりの数を数えるのに用いる。「数―の露」
滴
てき【滴】
a drop.→英和
滴し
たらし [3] 【垂らし・滴し】
〔動詞「垂らす」の連用形から〕
(1)液体などをたらすこと。したたり。たれ。「洟(ハナ)―」「一(ヒト)―」
(2)航海中荒天にあった船が,風浪に流されるのを防ぎ,かつ安全を保つために船首または船尾から曳かせる碇(イカリ)ないし碇綱。《垂》
→シー-アンカー
滴つ
した・つ 【滴つ】 (動タ下二)
〔「したづ」とも〕
したたらせる。「今共に心の血(マコト)を―・つ/日本書紀(孝徳訓)」
滴づ
した・ず シタヅ 【滴づ】 (動ダ下二)
⇒したつ(滴)
滴らす
したたら・す [4] 【滴らす】 (動サ五[四])
したたるようにする。したたらせる。「額から汗を―・す」
滴り
したたり【滴り】
dripping;→英和
a drop.→英和
滴り
したたり [0] 【滴り・瀝り】
(1)したたること。また,そのもの。しずく。「汗の―」「蝋の―」
(2)崖(ガケ)などからにじみ出たり,苔類を伝わって落ちる点滴。[季]夏。《―のあまたの音の一つ澄む/大橋桜坡子》
滴る
したたる【滴る】
drop;→英和
drip;→英和
trickle.→英和
滴る
したた・る [3] 【滴る】 (動ラ五[四])
〔近世初め頃まで「しただる」〕
(1)液体がしずくとなって落ちる。垂れる。「岩の割れ目から―・る水」「汗が―・り落ちる」
(2)みずみずしさなどがあふれるばかりである。「緑―・る若葉の候」
〔「滴(シタ)つ」に対する自動詞〕
[慣用] 水の―よう
滴下
てっか テキ― [1] 【滴下】 (名)スル
⇒てきか(滴下)
滴下
てきか [0] 【滴下】 (名)スル
しずくとなって落ちること。また,しずく状にして落とすこと。「試薬を―する」
滴定
てきてい [0] 【滴定】 (名)スル
定量分析の操作の一。試料物質の溶液の一定体積をとり,これと反応する物質の濃度既知の標準溶液を加えていき,試料物質の全量が反応するのに要した標準溶液の体積から,試料物質の濃度,あるいは全量を求めること。用いる反応により中和滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定などがある。
滴滴
てきてき [0] 【滴滴】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
(1)しずくがしたたり落ちるさま。ぽたぽた。「冷き飛沫(シブキ)の間に暗中―として熱き雫を感じた/良人の自白(尚江)」
(2)あちこちに散らばっているさま。「―と垣を蔽ふ連翹(レンギヨウ)の黄/虞美人草(漱石)」
■二■ (名)
しずくがしたたり落ちたような点々とした状態。したたり。「大きな銀杏に墨汁を点じた様な―の鳥が乱れてゐる/野分(漱石)」
滴瀝
てきれき [0] 【滴瀝】 (名)スル
水などがしたたること。また,そのしずく。したたり。「小懸泉の岩間に―するあり/日本風景論(重昂)」
滴瓶
てきびん [0] 【滴瓶】
化学実験で,溶液を一滴ずつ滴下するためにつくられた小さなびん。指示薬などを入れておく。
滴瓶[図]
滴虫類
てきちゅうるい [3] 【滴虫類】
繊毛虫類の旧称。
滾々とわき出る
こんこん【滾々とわき出る】
gush out.
滾つ
たぎ・つ 【滾つ・激つ】 (動タ四)
〔古くは「たきつ」とも。「たぎる」と同源〕
(1)水が激しくわき立つ。水が激しく流れる。「み吉野の―・つ河内の大宮所/万葉 921」
(2)心が激しく動く。「―・つ心をせきぞかねつる/古今(恋一)」
滾らす
たぎら・す [3] 【滾らす】 (動サ五[四])
(1)沸騰させる。煮え立たせる。
(2)心に強くわき起こさせる。「青春の血を―・す」
滾る
たぎ・る [2] 【滾る・激る】 (動ラ五[四])
〔「たぎつ」と同源〕
(1)水が逆巻いて激しい勢いで流れる。「谷川が―・り流れる」
(2)湯が煮え立つ。沸騰する。「やかんの湯が―・っている」「さればこの水熱湯(アツユ)に―・りぬれば/大和 149」
(3)感情が心に強くわき起こる。「血が―・る」
(4)他よりぬきんでる。ひいでる。「容色(キリヨウ)が好いとか,芸が―・つたとか/歌行灯(鏡花)」
滾る
たぎる【滾る】
boil;→英和
seethe.→英和
滾滾
こんこん [0] 【滾滾】 (ト|タル)[文]形動タリ
水などがわき出てつきないさま。「―とわき出る泉」「内観の感想が―と湧いて/一隅より(晶子)」
漁
りょう レフ [1] 【漁】
魚・貝などを捕らえること。いさり。すなどり。「―に出る」
〔「漁」の音は「ぎょ」で,「りょう」は「猟」との混同から生じた慣用読み〕
漁す
ぎょ・す 【漁す】 (動サ変)
(1)魚介類をとる。
(2)あさる。あさり歩く。女色をあさる。「余を以て色を舞姫の群に―・するものとしたり/舞姫(鴎外)」
漁する
りょう・する レフ― [3] 【漁する】 (動サ変)[文]サ変 れふ・す
魚介類を獲る。「農民は耕作の外,湖に―・し/十和田湖(桂月)」
漁に行く
りょう【漁に行く】
go fishing.〜がたくさんある(ない) make a good (poor) catch.
漁り
すなどり [0][4] 【漁り】 (名)スル
(1)すなどること。魚や貝をとること。
(2)漁をする人。漁夫。[ヘボン]
漁り
あさり [0][3] 【漁り】
(1)探し回ること。多く,他の語と複合して用いられる。「骨董(コツトウ)品―」
(2)魚介類をとること。「朝(アシタ)には海辺に―し/万葉 954」
漁り
いさり 【漁り】
〔「いざり」とも〕
魚や貝をとること。すなどり。「志賀の浦に―する海人(アマ)/万葉 3653」
漁り小舟
いさりおぶね 【漁り小舟】
漁をする小舟。「浪のよる―の見えつるは/夫木 33」
漁り火
いさりび [3][0] 【漁り火】
夜,魚を誘い寄せるため舟の上で焚(タ)く火。ぎょか。
漁り火の
いさりびの 【漁り火の】 (枕詞)
「ほ」「ほのか」にかかる。「―夜はほのかにかくしつつ/後撰(恋二)」
漁り猫
すなどりねこ [5] 【漁り猫】
ネコ科の哺乳類。頭胴長約85センチメートルの大形のヤマネコ。体色は灰褐色で,暗褐色の斑点がある。海岸や湖沼の近くの茂みにすみ,巧みに泳ぐ。東南アジアからインドに分布。フィッシング-キャット。
漁り船
いさりぶね [4] 【漁り船】
魚をとる船。漁船。
漁る
すなど・る [3] 【漁る】 (動ラ五[四])
魚や貝を取る。漁をする。「海辺で―・る」「魚―・りて罪を結ぶ/三宝絵詞(下)」
漁る
あさる【漁る】
(1)[捜す]look[search,hunt] <for> ;→英和
gather <news> ;→英和
prowl about <for food> ;run <after women> .→英和
(2)[魚をとる]fish.→英和
漁る
いさ・る 【漁る】 (動ラ四)
〔平安時代以前は「いざる」と濁音〕
漁をする。魚や貝をとる。すなどる。「海原の沖辺にともし―・る火は/万葉 3648」
漁る
あさ・る [0][2] 【漁る】 (動ラ五[四])
(1)(鳥や獣が)えさや獲物を探し求める。「えさを―・る烏」「野良犬がごみ箱を―・る」
(2)(人が)魚介類を探してとる。「磯を―・つてゐる此人/忘れえぬ人々(独歩)」
(3)自分のほしいものを求めてあちこち探しまわる。「資料を―・る」「古本屋を―・る」「鮪(シビ)の若子を―・り出(ズ)な猪の子/日本書紀(武烈)」
(4)動詞の連用形に付いて,その動作をあちこちでする,してまわるの意を表す。「買い―・る」「読み―・る」
漁具
ぎょぐ【漁具】
a fishing implement.
漁具
ぎょぐ [1] 【漁具】
魚をとる用具類の総称。網漁具・釣り漁具・雑漁具に大別される。
漁利
ぎょり [1] 【漁利】
(1)漁業による利益。
(2)「漁夫の利」の略。
漁労
ぎょろう [0] 【漁労・漁撈】
魚介類や海藻などをとること。また,その作業。りょう。すなどり。
漁労長
ぎょろうちょう [2] 【漁労長】
漁船で,漁獲作業の指揮・監督をする職。また,その任にあたる者。
漁区
ぎょく【漁区】
a fishery.→英和
漁区
ぎょく [1] 【漁区】
農林水産省が取り決めた,漁業上の水面区域。漁業者相互で取り決める場合もある。りょうく。
漁協
ぎょきょう [0] 【漁協】
「漁業協同組合」の略。
漁史
ぎょし [1] 【漁史】
文人などの雅号の下に添えて用いる語。「鴎外―」
漁場
ぎょじょう【漁場】
a fishing ground;a fishery.→英和
漁場
ぎょじょう [0] 【漁場】
魚などが多く集まっていて,漁業に適した水域。ぎょば。
漁場
ぎょば [0][2] 【漁場】
⇒ぎょじょう(漁場)
漁場
りょうば レフ― [0][3] 【漁場】
魚・貝などをとる所。ぎょじょう。
漁場標識
ぎょじょうひょうしき [4] 【漁場標識】
漁場の位置・区域・方向などを示すために設ける目標物。
漁夫
ぎょふ【漁夫】
a fisherman.→英和
〜の利を占める fish in troubled waters.
漁夫
ぎょふ [1] 【漁夫・漁父】
漁業に従事している男の人。漁師。
漁家
ぎょか [1] 【漁家】
漁業で生計をたてている家。漁戸(ギヨコ)。
漁師
りょうし レフ― [1] 【漁師】
海に出て,魚・貝などをとり生活する人。漁夫。「―町」
漁撈
ぎょろう [0] 【漁労・漁撈】
魚介類や海藻などをとること。また,その作業。りょう。すなどり。
漁期
りょうき レフ― [1] 【漁期】
⇒ぎょき(漁期)
漁期
ぎょき [1] 【漁期】
目的とする魚介類の漁獲に適する時期。りょうき。
漁期
ぎょき【漁期】
a fishing season.
漁村
ぎょそん【漁村】
a fishing village.
漁村
ぎょそん [0] 【漁村】
漁業を主要な生活手段としている村。
漁業
ぎょぎょう [1] 【漁業】
魚介類・海藻などの捕獲や養殖を行う職業。
漁業
ぎょぎょう【漁業】
fishing (industry);→英和
fishery.→英和
‖漁業(共同)組合 a fisherman's (cooperative) association.漁業権 fishing rights.漁業専管水域 a fishing boundary.日ソ漁業協定 the Soviet-Japanese Fisheries Agreement.
漁業免許
ぎょぎょうめんきょ [4] 【漁業免許】
漁業権を設定する行政行為。海区漁業調整委員会の意見をきいて,都道府県知事が行う。
漁業制度改革
ぎょぎょうせいどかいかく [7] 【漁業制度改革】
1949年(昭和24)の漁業法の全面改正により行われた改革。戦前の半封建的な漁業の仕組みを一掃し,漁業生産の向上を図る。漁業権制度の改革,生産主体としての漁民の協同組合制度を確立。農地改革とともに日本の民主化に寄与。
漁業協同組合
ぎょぎょうきょうどうくみあい [8] 【漁業協同組合】
水産業協同組合の一。一定地域内の漁民を構成員とする地区漁協と,業種別に設立される業種別漁協がある。組合員に必要な物資の供給,加工施設などの共同利用,販売などの事業を行う。直接に漁業を経営することも,漁業権の主体となることもできる。漁協。
漁業協定
ぎょぎょうきょうてい [4] 【漁業協定】
資源保護や自国の権利を守るため,二〇〇海里内の漁船の操業漁場・隻数・時期・方法などを定めた国際的な取り決め。
漁業専管水域
ぎょぎょうせんかんすいいき [8] 【漁業専管水域】
⇒漁業水域(2)
漁業権
ぎょぎょうけん [2] 【漁業権】
漁場において一定の漁業を独占的に営むことのできる権利。定置漁業権・区画漁業権・共同漁業権の三種がある。都道府県知事の免許によってなされる。
漁業気象
ぎょぎょうきしょう [4] 【漁業気象】
漁船の操業と航海の安全に必要な気象情報。
漁業水域
ぎょぎょうすいいき [4] 【漁業水域】
(1)漁業が行われる水域。
(2)排他的経済水域の一。沿岸国が漁業資源の保存・管理のために,排他的な管轄権を行使できる公海の一定水域。沿岸から二〇〇海里をいう。日本は1977年(昭和52)に制定。漁業専管水域。
漁業法
ぎょぎょうほう 【漁業法】
漁業に関する基本的法律で,漁業権・入漁権・指定漁業・漁業調整委員会・内水面漁業などについて規定している。1901年(明治34)制定され10年に改正された旧漁業法を,49年(昭和24)全面的に改正したもの。
漁業灯
ぎょぎょうとう [0] 【漁業灯】
夜間操業中の漁船が,規程によって掲げる船灯。集魚灯などを含めていうこともある。
漁業生産組合
ぎょぎょうせいさんくみあい [8] 【漁業生産組合】
水産業協同組合の一。漁民によって組織され,漁業およびこれに付帯する事業を行う。
漁業登録
ぎょぎょうとうろく [4] 【漁業登録】
漁業権・入漁権の得喪・変更を第三者に対抗するために行う登録。
漁業組合
ぎょぎょうくみあい [4] 【漁業組合】
漁業法に基づいて設立された一定地域に居住する漁業者による同業組合。1886年(明治19)発令された漁業組合準則に基づいて発足,1901年成立した漁業法によって権利団体として認められ,49年(昭和24)漁業協同組合に改組された。
漁民
ぎょみん [0] 【漁民】
漁業を職業とする人々。漁師(リヨウシ)。
漁民
ぎょみん【漁民】
fishermen.
漁況
ぎょきょう [0] 【漁況】
漁場における魚の種類・大きさ・漁獲量,魚群の様子などの総合的な状況。
漁法
ぎょほう [0] 【漁法】
魚介類など水産物をとる方法。
漁港
ぎょこう【漁港】
a fishing port.
漁港
ぎょこう [0] 【漁港】
漁船が根拠地として停泊し,出漁準備や漁獲物の水揚げをする港。給油・給水・修理などの施設のほか,製氷工場・冷蔵庫・加工工場・漁具補修施設・魚市場などや輸送のための設備をもつ。
漁火
いさりび【漁火】
a fishing fire.
漁火
ぎょか [1] 【漁火】
夜,漁船が魚をおびき寄せるために焚(タ)くかがり火。いさりび。
漁灯
ぎょとう [0] 【漁灯】
漁業に用いる灯火。いさりび。
漁父
ぎょふ [1] 【漁夫・漁父】
漁業に従事している男の人。漁師。
漁父
むらぎみ 【邑君・漁父・漁翁】
(1)農民のかしら。むらおさ。「又よりて天の―を定む/日本書紀(神代上訓)」
(2)漁夫の長。「―召して大網引かせなどし給ふ/宇津保(吹上・上)」
漁猟
ぎょりょう【漁猟】
fishing.→英和
漁猟
ぎょりょう [0] 【漁猟】
(1)魚をとることと,狩りをすること。「―生活」
(2)魚介類をとること。漁業。[日葡]
漁獲
ぎょかく【漁獲(高)】
a catch[haul] <of fish> .→英和
漁獲割当量 the amount of fish quotas.
漁獲
ぎょかく [0] 【漁獲】 (名)スル
水産物をとること。また,とった水産物。「―高」「―量」
漁礁
ぎょしょう [0] 【魚礁・漁礁】
魚類が好んで群集する水面下の岩場。岩礁・洲・堆などの隆起した海底。漁場として人工的にブロックや廃船を沈めて作るものもいう。
漁綱
ぎょこう [0] 【漁綱】
漁業に用いる綱。
漁網
ぎょもう [0] 【漁網】
漁業に用いる網。引き網・巻き網・被(カブ)せ網・建て網・刺し網・敷き網などの種類がある。
漁翁
むらぎみ 【邑君・漁父・漁翁】
(1)農民のかしら。むらおさ。「又よりて天の―を定む/日本書紀(神代上訓)」
(2)漁夫の長。「―召して大網引かせなどし給ふ/宇津保(吹上・上)」
漁者
ぎょしゃ [1] 【漁者】
漁夫。りょうし。
漁舟
ぎょしゅう [0] 【漁舟】
漁労に使う小さな船。いさりぶね。
漁船
ぎょせん【漁船】
a fishing boat.
漁船
ぎょせん [0] 【漁船】
漁業に使う船。漁猟船。いさりぶね。
漁色
ぎょしょく [0] 【漁色】
次々と女色を追い求めること。「―にふける」「―家」
漁色
ぎょしょく【漁色(家)】
philandering (a philanderer).
漂う
ただよ・う タダヨフ [3] 【漂う】 (動ワ五[ハ四])
(1)空中や水中に浮いて,風や,運ばれるままに動く。「舟は波間を―・った」「黒雲が―・う」
(2)あてもなく歩き回る。「夜の町を―・い歩く」
(3)香り・雰囲気などが感じられる。「伽羅(キヤラ)の香が―・ってきた」「不穏な空気が―・っている」
(4)頼りない状態で暮らす。「はしたなうてこそ―・はめ/源氏(真木柱)」
(5)安定しないでふらふらする。「足ガ―・ウテ行ク/日葡」
(6)ひるむ。たじろぐ。「少しも―・はず戦ひける間/太平記 14」
漂う
ただよう【漂う】
drift;→英和
float;→英和
hang <in the air> .→英和
漂はし
ただよわ・し タダヨハシ 【漂はし】 (形シク)
不安定だ。しっかり定まらない。落ち着かない。「御うしろみなくて―・しくおはしまさむよりは/源氏(若菜下)」
漂ふ
つたよ・う ツタヨフ 【漂ふ・蕩ふ】 (動ハ四)
さまよう。うろつく。ただよう。「道路を知らずして島浦に―・ひつつ/日本書紀(垂仁訓)」
漂わす
ただよわ・す タダヨハス [4] 【漂わす】 (動サ五[四])
(1)ただようようにする。「レモンの香りを―・す」
(2)頼りない境遇にする。「残りの人々の物はかなからむ,―・し給ふな/源氏(鈴虫)」
漂失
ひょうしつ ヘウ― [0] 【漂失】 (名)スル
水に流され漂っているうちになくなること。
漂客
ひょうかく ヘウ― [0] 【漂客】
漂泊の人。
漂木
ひるぎ [2][0] 【漂木・蛭木】
ヒルギ科の常緑樹の総称。熱帯海岸湿地のマングローブを構成する。日本には九州南部から南西諸島にかけてメヒルギ・オヒルギ・ヤエヤマヒルギが分布する。
漂木[図]
漂母
ひょうぼ ヘウ― [1] 【漂母】
〔史記(淮陰侯伝)〕
放浪して飢えていた韓信に食を与えたという,洗濯を業とする老母。「一飯―を徳とす/虞美人草(漱石)」
漂民
ひょうみん ヘウ― [0] 【漂民】
漂着した人。
漂泊
ひょうはく ヘウ― [0] 【漂泊】 (名)スル
(1)一定の住居や生業なしにあてもなくさまよい歩くこと。さすらい。「―の旅」「日本中を―して歩く」
(2)流れただようこと。船が投錨せず,機関を停止してただようこと。
漂泊する
ひょうはく【漂泊する】
wander.→英和
漂流
ひょうりゅう ヘウリウ [0] 【漂流】 (名)スル
(1)船などが海上をただよい流されること。「嵐の海を―する」「―物」
(2)あてもなくさすらうこと。「余の考えがここ迄―して来た時に/草枕(漱石)」
漂流する
ひょうりゅう【漂流する】
drift (about).→英和
‖漂流者 a castaway;a shipwrecked person.漂流船 a drifting ship.漂流物 a drift.
漂流瓶
ひょうりゅうびん ヘウリウ― [3] 【漂流瓶】
⇒海流瓶(カイリユウビン)
漂浪
ひょうろう ヘウラウ [0] 【漂浪】 (名)スル
あてもなくさまようこと。さすらうこと。「曾て―生活を送つたことのある大阪の土地や/黴(秋声)」
漂海民
ひょうかいみん ヘウカイ― [3] 【漂海民】
船を住居とし海上を移動しながら漁労を行う人々。
漂白
ひょうはく ヘウ― [0] 【漂白】 (名)スル
天日や水にさらしたり,薬品を使ったりして白くすること。「布を―する」
漂白する
ひょうはく【漂白する】
bleach.→英和
‖漂白剤 a bleach.
漂白剤
ひょうはくざい ヘウ― [4][0] 【漂白剤】
酸化または還元作用によって有色物を漂白する薬剤。酸化剤に晒粉(サラシコ)・過酸化水素など,還元剤に二酸化硫黄・亜硫酸水素ナトリウムなどがある。また,光学的な漂白剤として蛍光増白剤がある。食品添加物とされるものは,食品衛生法により規定され,残存量などの使用基準が定められている。
漂着
ひょうちゃく ヘウ― [0] 【漂着】 (名)スル
針路または推進手段を失い,目的地以外の土地へ流されてたどりつくこと。「海岸に―する」
漂着する
ひょうちゃく【漂着する】
drift ashore.
漂石
ひょうせき ヘウ― [0] 【漂石】
氷河によって運ばれた岩石が,氷河の解けたあとに残ったもの。迷子石。捨て子石。
漂砂
ひょうさ ヘウ― [1] 【漂砂】
波浪・潮流などによって流動する土砂。また,その移動する現象。河口・港湾などを埋積したり海岸を浸食したりする。
漂砂鉱床
ひょうさこうしょう ヘウ―クワウシヤウ [4] 【漂砂鉱床】
⇒砂鉱床(サコウシヨウ)
漂船
ひょうせん ヘウ― [0] 【漂船】
漂流している船。
漂落
ひょうらく ヘウ― [0] 【漂落・飄落】 (名)スル
(1)おちること。また,おちぶれること。「志の壮偉なる事は全盛の平家を倒して孤島―の人を起す程にありて/心機妙変を論ず(透谷)」
(2)(波や風に)ただよいさすらうこと。「風潮便を失して,―して此に投せり/続紀(天平一一)」
漂蕩
ひょうとう ヘウタウ [0] 【漂蕩】 (名)スル
(1)水上をただよい流れること。漂流。「怒濤の裡(ウチ)に―すること約一時間/此一戦(広徳)」
(2)さすらうこと。「ものにくるう人のやうに―して舞ふぞ/中華若木詩抄」
漂零
ひょうれい ヘウ― [0] 【漂零・飄零】 (名)スル
(1)葉や花びらが,風でひらひら落ちること。「野色研然桃李―して暮春の風光愛す可し/航西日乗(柳北)」
(2)おちぶれさすらうこと。「胡地万里の沙漠に―して/佳人之奇遇(散士)」
漂鳥
ひょうちょう ヘウテウ [0] 【漂鳥】
一地方内で越冬地と繁殖地とを異にして,小規模な渡りをする鳥類。日本では,低地で越冬し,山地で繁殖するミソサザイやウグイスなど。
漆
うるし【漆】
lacquer;→英和
japan.→英和
〜塗りの lacquered.‖漆細工 lacquer(ed) ware.
漆
うるし [0] 【漆】
(1)ウルシ科の落葉高木。中国・インド原産。日本では古くから植栽される。葉は大形の羽状複葉で枝先に互生する。六月頃,葉腋に黄緑色の小花からなる円錐花序をつける。秋,黄褐色の球形の実がなる。雌雄異株。葉などに触れるとかぶれることがある。樹液から塗料,実から蝋(ロウ)をつくる。
(2){(1)}の樹液をいう。採取したままのものを生漆(キウルシ)といい,成分の80パーセントはウルシオール。これを加温して水分を除き顔料などを加えたものを製漆(セイウルシ)といい,塗料として用いる。
漆(1)[図]
漆下地
うるししたじ [5] 【漆下地】
漆器の下地塗りに漆を用いること。
漆判
うるしばん [0] 【漆判】
江戸時代,奈良晒(ナラザラシ)など布類の検査に押した吟味所の漆の印。角印で布の織り始めに押す。いつまでも消えないよう漆を用いた。
漆刷毛
うるしばけ [3] 【漆刷毛】
漆を塗るのに使う刷毛。人の毛髪でつくる。
漆刷毛[図]
漆匠
しっしょう [0] 【漆匠】
漆塗りの職人。塗師(ヌシ)。漆工。
漆喰
しっくい [0] 【漆喰】
〔「石灰」の唐音。「漆喰」は当て字〕
消石灰にふのりや角叉(ツノマタ)などの粘着性物質と麻糸などの繊維を加え,水でよく練り合わせたもの。砂や粘土を加えることもある。壁や天井などを塗る。「―天井」
漆喰
しっくい【漆喰】
mortar;→英和
plaster.→英和
〜で塗る plaster.→英和
漆器
しっき [0] 【漆器】
漆を塗った器物。塗り物。
漆器
しっき【漆器】
lacquer(ed) ware.
漆地
うるしじ [0] 【漆地】
蒔絵(マキエ)などの下地として漆を塗ったもの。
漆塗
うるしぬり [0] 【漆塗(り)】
(1)器物に漆を塗ること。また,その器物。
(2)漆を塗る職業。また,その人。塗師(ヌシ)。
漆塗り
うるしぬり [0] 【漆塗(り)】
(1)器物に漆を塗ること。また,その器物。
(2)漆を塗る職業。また,その人。塗師(ヌシ)。
漆奉行
うるしぶぎょう [4] 【漆奉行・油漆奉行】
〔初め油奉行廃止後その事務を兼ね,「油漆奉行」と書いて「うるしぶぎょう」と読んだ〕
江戸幕府の職名。勘定奉行の支配に属し,灯油の支給,漆の収納や社寺の什器(ジユウキ)などの事をつかさどった。
漆室
うるしむろ [0] 【漆室】
適当な温度と湿度を保って,漆を塗った器物を乾燥させる室。うるしぶろ。陰室。
漆工
しっこう [0] 【漆工】
漆で装飾加工したもの。また,それを作る職人。
漆工芸
うるしこうげい [4] 【漆工芸】
漆を器物に塗り,蒔絵(マキエ)・螺鈿(ラデン)などをほどこす工芸。日本・中国・朝鮮・東南アジアなどの各地に,それぞれの特徴をもった技法が伝わる。漆芸。
漆年貢
うるしねんぐ [4] 【漆年貢】
江戸時代の雑税の一。山野や空き地に植えてある漆の木の本数に応じて課せられたもの。漆役。
漆弓
うるしゆみ [3] 【漆弓】
漆を塗った弓。ぬりゆみ。
⇔白木の弓
漆掻き
うるしかき [3] 【漆掻き】
漆の木から樹液を採集すること。また,その人。[季]夏。
漆木綿
うるしもめん [4] 【漆木綿】
〔吟味所の漆判が押してあるところから〕
丈夫な木綿の一種。
漆桶
しっつう [0] 【漆桶】
〔「漆(ウルシ)を入れた桶(オケ)」の意から〕
真っ黒で何もわからないこと。転じて,妄想や煩悩のたとえ。また,仏法を知らない僧をののしっていう語。「―を抜くが如く痛快なる悟りを得て/吾輩は猫である(漱石)」
漆椀
うるしわん [3] 【漆椀】
漆塗りの椀。
漆漉し
うるしこし [3][0] 【漆漉し】
漆を漉すのに用いる和紙。吉野紙など。
漆画
しつが [0] 【漆画】
漆で描(カ)いた絵。うるしえ。
漆瘡
しっそう [0] 【漆瘡】
うるしかぶれ。
漆瘡
うるしかぶれ [4] 【漆瘡】
ウルシ科植物中にあるウルシオールによる接触性皮膚炎。赤く腫(ハ)れたり,水ぶくれができたりして,ひどくかゆい。うるしかせ。うるしまけ。
漆皮
しっぴ [0] 【漆皮】
漆で塗りかためた皮革。箱・沓(クツ)などに用いられた。
漆着語
しっちゃくご [0] 【漆着語】
⇒膠着語(コウチヤクゴ)
漆石
うるしいし [3] 【漆石】
(1)〔色が黒く,漆のような光沢があることから〕
黒曜石。からすいし。
(2)石炭の異名。
漆硯
しっけん [0] 【漆硯】
木で形づくり,微細な砂を混ぜた漆を塗って硯(スズリ)としたもの。軽いため旅行時に用いた。
漆科
うるしか [0] 【漆科】
双子葉植物の一科。世界に約六〇属,六〇〇種あり,熱帯を中心に分布する。ほとんど木本で,ときにつる性。樹脂を含む。花は両性または単性で円錐花序をつくる。果実は核果。ウルシの樹脂を塗料とするほか,マンゴー・カシュー・ピスタチオなどは果実や種子を食用とする。
漆箔
うるしはく [3] 【漆箔】
(1)仏像彫刻などで漆を塗った上に金箔を押したもの。
(2)漆に染料を混ぜて薄く伸ばしたもの。書物の背文字など装丁に用いる。
漆箔
しっぱく [0] 【漆箔】
漆を塗った上に,金・銀箔を貼り付ける技法。箔絵。
漆糊
うるしのり [3] 【漆糊】
デンプンで作った糊に生漆(キウルシ)を練り込んだもの。陶磁器・木・布などの接着や埋め込みに用いる。むぎうるし。
漆糸
うるしいと [4] 【漆糸】
(1)和紙に色漆を塗って細く切ったもの。そのまま,あるいは綿糸によりつけて着物や帯などのよこ糸に用いる。
(2)絹糸に漆加工をした釣り糸。
漆紅葉
うるしもみじ [4] 【漆紅葉】
晩秋に,漆の木が紅葉すること。
漆紋
うるしもん [3][0] 【漆紋】
紋所を漆でかいたもの。夏の帷子(カタビラ)の紋付に用いる。
漆細工
うるしざいく [4] 【漆細工】
器物に漆を塗って細工すること。また,その製品。
漆絵
うるしえ [3][0] 【漆絵】
(1)漆で描いた絵。色漆を用いたものと,漆で絵を描いた上に色粉を蒔(マ)いたものとがある。中国周・漢代の漆器にすでに見られ,日本では法隆寺玉虫厨子の絵飾りなどに見られる。
(2)浮世絵版画の一。髪などを表現するのに,墨などに膠(ニカワ)を混ぜたものを用い,漆のような光沢をねらったもの。奥村政信の創始という。
(3)漆で紙や帛(ハク)に描いた絵。明治初期,蒔絵(マキエ)の名工柴田是真が創始。
漆胡瓶
しっこへい [3] 【漆胡瓶】
漆塗りの胡瓶。正倉院に優品がある。
漆芸
しつげい [0] 【漆芸】
⇒漆工芸(ウルシコウゲイ)
漆草
うるしぐさ [3] 【漆草】
褐藻類ウルシグサ目の海藻。低潮線付近の岩上に着生する。この藻は空気に触れ枯死すると特殊の酸を出し,藻体も青変する。
漆負け
うるしまけ [0] 【漆負け】 (名)スル
漆にかぶれること。うるしかぶれ。
漆部
ぬりべ 【漆部】
漆部司に所属し,漆塗りに携わった下級技術者。
漆部司
ぬりべのつかさ 【漆部司】
律令制で,大蔵省に属し,器物・仏像・絵画等の漆塗りを担当した官司。808年,中務省内匠寮に併合。うるしべのつかさ。
漆風呂
うるしぶろ [0] 【漆風呂】
⇒漆室(ウルシムロ)
漆黒
しっこく [0] 【漆黒】
漆のように黒く光沢のあること。また,その色。「―の髪」
漆黒の
しっこく【漆黒の】
jet-black <hair> ;pitch-black <night> .
漉き
すき [0] 【漉き・抄き】
紙をすくこと。「手―」「機械―」
漉き入れ
すきいれ [0] 【漉き入れ・抄き入れ】
紙を透かして見たときに現れる文字や模様。また,このような紙を漉くこと。「―紙」
漉き込む
すきこ・む [3] 【漉き込む・抄き込む】 (動マ五[四])
紙に異質の繊維を入れてすく。また,木の葉などを入れてすく。「木の葉を―・んだ和紙」
[可能] すきこめる
漉き返し
すきかえし [0] 【漉き返し・抄き返し】
一度使った紙をすき返すこと。また,その紙。宿紙(シユクシ)。
漉き返す
すきかえ・す [3] 【漉き返す・抄き返す】 (動サ五[四])
一度使った紙を水にひたして突き砕き,煮溶かしてから再びすいて紙をつくる。
[可能] すきかえせる
漉く
す・く [0] 【漉く・抄く】 (動カ五[四])
〔「鋤く」と同源〕
水にとかしたどろどろの原料をすくい上げて薄くひろげ,乾かして紙や海苔(ノリ)を作る。「紙を―・く」「海苔(ノリ)を―・く」
[可能] すける
漉く
すく【漉く】
make[manufacture] <paper> .→英和
漉し器
こしき【漉し器】
a strainer.→英和
漉し器
こしき [2] 【濾し器・漉し器】
調理の際,濾すために用いる道具。
漉し油
こしあぶら [3] 【漉し油・金漆】
(1)ウコギ科の落葉高木。山中に自生。葉は小葉五個から成る掌状複葉。夏,枝端に黄白色の小花が多数集まって咲き,黒紫色で球形の液果を結ぶ。若芽は食用となる。金漆(ゴンゼツ)。金漆の木。
(2)コシアブラの木からとった樹脂液。漉(コ)して漆(ウルシ)のように用いた。金漆(ゴンゼツ)。
漉し紙
こしがみ [0] 【濾し紙・漉し紙】
液体に混じっているごみなどを濾して取り除くために使う紙。濾過紙(ロカシ)。ろし。
漉し袋
こしぶくろ [3] 【漉し袋】
液体を漉すための袋。
漉し餡
こしあん [0] 【漉し餡】
小豆(アズキ)などを柔らかく煮て漉し,皮などを除いて,砂糖を加え練った餡。
→粒餡(ツブアン)
漉す
こ・す [0][1] 【濾す・漉す】 (動サ五[四])
〔「越す」と同源〕
液体などに混じったごみやかすを,布・紙・フィルターなどで取り除く。「濁った水を布で―・す」
[可能] こせる
漉す
こす【漉す】
filter <water> ;→英和
strain.→英和
漏く
く・く 【漏く】 (動カ四)
(1)くぐる。間をくぐり抜ける。「春の野の繁み飛び―・くうぐひすの/万葉 3969」
(2)もれる。「我が手俣(タナマタ)より―・きし子そ/古事記(上)」
漏らす
もらす【漏らす】
(1)[液体などを]leak.→英和
(2)[抜かす]omit;→英和
miss.→英和
(3)[秘密を]let out;leak;disclose.→英和
(4)[感情などを]express;→英和
give vent to <one's feelings> .
(5)[子供がおしっこを]wet one's pants[the bed].
漏らす
もら・す [2] 【漏らす・洩らす】 (動サ五[四])
(1)水や光・音などをすき間などから外に出す。こぼす。「小便を―・す」「水も―・さぬ警戒網」
(2)秘密などをこっそりと他の人に伝える。「軍の機密を―・す」「口吻(コウフン)を―・す」
(3)心の中で思っていることを行動や言葉に出す。「辞意を―・す」「不満を―・す」「すきずきしき心ばへなど―・し給ふな/源氏(藤裏葉)」
(4)感情などを思わず声や表情として外に表し出す。「美しさにためいきを―・す」「驚きの声を―・す」「笑みを―・す」
(5)必要なもの・事柄を取り上げないでおく。ぬかす。おとす。「必要な資料は―・さずそろえてあります」「細大―・さず報告する」
(6)動詞の連用形の下に付いて,うっかりして,するべきことの一部分をしないままにしてしまうという意を表す。「名前は聞き―・しました」「電話番号を書き―・す」
(7)取り逃がす。「その儀ならば一騎も―・すな/保元(上)」
〔「漏る」に対する他動詞〕
[可能] もらせる
漏り
もり [2] 【漏り】
水が漏ること。「雨の―」
漏り聞く
もりき・く 【漏り聞く】 (動カ四)
ほのかに聞く。もれ聞く。「人の―・かむに/源氏(夕顔)」
漏る
もる【漏る】
leak;→英和
escape.→英和
水の漏らない watertight.→英和
漏る
も・る [1] 【漏る・洩る】
■一■ (動ラ五[四])
(1)液体・光・空気などが,容器や仕切りの外側へ少しずつ出る。もれる。「水が―・るバケツ」「雨が―・る」「木の間を―・る月かげ」「板戸―・る日影白く/色懺悔(紅葉)」
(2)秘密などが他に知れる。「御心の中なりけむ事,いかでか―・りにけむ/源氏(花宴)」
(3)脱落する。抜け落ちる。「籍(ナノフダ)に―・りて課(エツキ)に免るる者衆し/日本書紀(欽明訓)」
〔「漏らす」に対する自動詞〕
■二■ (動ラ下二)
⇒もれる
漏れ
もれ【漏れ】
(1)[液体など]a leak.→英和
(2)[脱落]an omission.→英和
漏れ口をふさぐ stop a leak.
漏れ
もれ [2] 【漏れ・洩れ・泄れ】
(1)液体・気体などがもれること。「タイヤの空気―」「ガス―」
(2)抜け落ちること。脱落。遺漏。おち。「記入に―がある」「連絡―があった」
漏れなく
もれなく【漏れなく】
without omission[exception].
漏れる
もれる【漏れる】
(1)[液体など]leak (out);→英和
come through.(2)[秘密など]leak out;get out.(3)[脱落]be omitted;be left out.
漏れる
も・れる [2] 【漏れる・洩れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 も・る
(1)液体・気体・光・音などが,容器や仕切りの外側へ少しずつ出る。「タンクから燃料が―・れる」「―・れたガスに引火する」「明かりが―・れる」「話し声が―・れてくる」「小魚ワ網ニ―・ルル/日葡」
(2)秘匿すべきことが他者に伝わってしまう。「情報が―・れる」「入試問題が―・れた」
(3)ある感情にもとづいて声・表情などが思わず出る。「うめき声が―・れた」「思わずため息が―・れる」
(4)脱落する。抜ける。「選に―・れる」
(5)ある枠からはずれる。「教エニ―・レズ/ヘボン」
[慣用] 上手の手から水が―/ご多分にもれず
漏れ無く
もれなく [2][3] 【漏れ無く】 (副)
残りなく。ことごとく。「どの家にも―配る」
漏れ聞く
もれきく【漏れ聞く】
hear (casually).→英和
漏れ聞く
もれき・く [0][1] 【漏れ聞く・洩れ聞く】 (動カ五[四])
ひそかに聞く。また,耳にする。「話を―・く」「―・くところによりますと…」
漏れ落ちる
もれお・ちる [4] 【漏れ落ちる】 (動タ上一)[文]タ上二 もれお・つ
(1)(水などが)もれて下に落ちる。「雨が―・ちる」
(2)抜け落ちる。欠ける。脱落する。「名前が表から―・ちている」
漏出
ろうしゅつ [0] 【漏出】 (名)スル
もれて出ること。また,もらして出すこと。
漏刻
ろうこく [0] 【漏刻・漏剋】
水時計の一種。水を入れた器(漏壺(ロウコ))から常時一定量の水を落とし,その水位変化によって目盛りが時刻を示す装置。時の刻み。
漏刻[図]
漏刻
るこく [0] 【漏刻】
⇒ろうこく(漏刻)
漏剋
ろうこく [0] 【漏刻・漏剋】
水時計の一種。水を入れた器(漏壺(ロウコ))から常時一定量の水を落とし,その水位変化によって目盛りが時刻を示す装置。時の刻み。
漏刻[図]
漏剋博士
ろうこくはかせ [5] 【漏剋博士】
律令制における官職の一。陰陽寮(オンヨウリヨウ)に二名置かれ,時守(トキモリ)を率いて漏刻を監視した。時守の博士。
漏告
ろうこく [0] 【漏告】 (名)スル
秘密を漏らし告げること。
漏尽通
ろじんつう 【漏尽通】
〔仏〕 六神通(ロクジンズウ)の一。煩悩(ボンノウ)を打ち消して悟りの境地に至っていることを知る超人的能力。
漏救
ろうきゅう [0] 【漏救】
生活保護制度において,保護を必要とする者が受給要件を満たしているにもかかわらず保護されない状態。
→濫救
漏斗
ろうと【漏斗】
a funnel.→英和
〜状の funnel-shaped.
漏斗
じょうご【漏斗】
a funnel.→英和
漏斗
ろうと [1][0] 【漏斗】
口の狭い容器に液体を注ぎ込むときに使う道具。上方が朝顔の花のように開き,下端が細くとがる。じょうご。「―状の花」
漏斗
じょうご ジヤウ― [1] 【漏斗】
口の小さい容器に液体を入れるときに使う道具。円錐状の上部の底が筒口になったもの。ろうと。
漏斗胸
ろうときょう [3] 【漏斗胸】
前胸部の中央,胸骨の部分が大きくへこんで,漏斗のような形をしている胸。
漏斗雲
ろうとぐも [4] 【漏斗雲】
乱層雲の雲底から,漏斗状に垂れ下がった雲。地表に近づくと竜巻を起こす。
漏水
ろうすい【漏水】
leakage of water.〜する Water leaks.
漏水
ろうすい [0] 【漏水】 (名)スル
水が漏れること。また,漏れた水。「水道管から―する」
漏泄
ろうえい [0] 【漏洩・漏泄】 (名)スル
〔「ろうせつ(漏洩)」の慣用読み〕
秘密などがもれること。また,もらすこと。「秘密が―する」
漏泄
ろうせつ [0] 【漏洩・漏泄】
⇒ろうえい(漏洩)
漏洩
ろうえい【漏洩】
leakage.→英和
⇒漏(も)れる.
漏洩
ろうえい [0] 【漏洩・漏泄】 (名)スル
〔「ろうせつ(漏洩)」の慣用読み〕
秘密などがもれること。また,もらすこと。「秘密が―する」
漏洩
ろうせつ [0] 【漏洩・漏泄】
⇒ろうえい(漏洩)
漏盧
ひごたい [2] 【平江帯・漏盧】
キク科の大形多年草。西日本の山地にまれに自生。切り花用に栽培。高さ約1メートル。葉は羽状に裂け,八,九月,枝頂に径5センチメートル内外の球形の頭状花をつける。小花は管状花で濃青色。
漏穴
くけあな 【漏穴・匿穴】
ぬけあな。「ひそかに兼ねてほりし―よりのがれ出て/太平記 32」
漏精
ろうせい [0] 【漏精】
精液をもらすこと。
漏脱
ろうだつ [0] 【漏脱】 (名)スル
もれぬけること。抜かしおとすこと。脱漏。
漏話
ろうわ [0] 【漏話】
⇒クロス-トーク
漏路
くけじ 【漏路・匿路】
ぬけみち。間道。くけみち。「播磨街道―のみちが候よ/田植草紙」
漏電
ろうでん [0] 【漏電】 (名)スル
機械の故障や電線の絶縁不良などのために,電気がもれること。
漏電
ろうでん【漏電】
<cause> a short circuit.〜する short-circuit.
漏鼓
ろうこ [1] 【漏鼓】
昔,時刻を知らせた太鼓。
漑す
まか・す 【引す・漑す】 (動サ下二)
(田や池などに)水を引き入れる。「亀山殿の御池に,大井川の水を―・せられんとて/徒然 51」
演じる
えん・じる [0][3] 【演じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「演ずる」の上一段化〕
「演ずる」に同じ。「王様の役を―・じる」
演じる
えんじる【演じる】
perform <a play> ;→英和
play[act] <a part> ;→英和
commit <a blunder> .→英和
演ず
えん・ず [0] 【演ず】 (動サ変)
⇒えんずる(演)
演ずる
えん・ずる [0][3] 【演ずる】 (動サ変)[文]サ変 えん・ず
(1)劇・演芸などの芸能を行う。また,その中である役をつとめる。「別れの場を―・ずる」「母親役を―・ずる」
(2)ある役割をつとめる。はたす。「外交の場で重大な役割を―・じた」
(3)(多く,よくないことに用いて)人目につくようなことをする。しでかす。「醜態を―・ずる」「大立ち回りを―・ずる」
演出
えんしゅつ [0] 【演出】 (名)スル
(1)演劇・映画などで,脚本・シナリオに基づき俳優の演技・舞台装置・照明・音楽・音響効果などを統合して一つの作品を作ること。「創作劇を―する」
(2)式や催し事などを盛り上げるために,進行や内容に工夫を加えること。「開会式の―」
演出
えんしゅつ【演出】
direction;→英和
production.→英和
〜する direct <a play> .→英和
A氏〜の directed by Mr.A.→英和
‖演出家 a director.演出効果 a stage effect.
演出家
えんしゅつか [0] 【演出家】
演劇・映画などの演出を職業とする人。演出者。
演劇
えんげき【演劇】
<present> a play;→英和
the drama;→英和
theatricals.→英和
演劇界 the theatrical world;the stage.→英和
演劇
えんげき [0] 【演劇】
俳優が舞台の上で,脚本に従い,言葉と動作によって表現したものを観客に見せる芸術。俳優の動作・台詞(セリフ)まわし・脚本・音楽・装置・照明など,あらゆる要素が鑑賞の対象となる総合芸術。芝居。劇。
演劇博物館
えんげきはくぶつかん [8] 【演劇博物館】
演劇に関する各種資料や文献を収集・陳列して観覧させる博物館。日本では,坪内逍遥の古稀の賀と「シェークスピヤ全集」四〇巻の翻訳完成を記念し1928年(昭和3)早大構内に設けられた。
演劇改良運動
えんげきかいりょううんどう 【演劇改良運動】
明治10年代から20年代にかけて行われた日本演劇の改革運動。九世市川団十郎・依田学海・河竹黙阿弥・守田勘弥らが唱導。時代考証に忠実な演技・演出を主張したもの。
→活歴(カツレキ)
演台
えんだい [0] 【演台】
(1)演説・口演・演芸などをする人の前に置く机など。
(2)演壇。「―に立つ」
演唱
えんしょう [0] 【演唱】 (名)スル
歌や語りものを聴き手の前で行うこと。器楽の場合を演奏というのに対していう。
演壇
えんだん [0] 【演壇】
講演・演説などをする人が立つために設けられた壇。「―に上がる」「―に立つ」
演壇
えんだん【演壇】
a platform[rostrum].→英和
〜に登る(を降りる) take (leave) the rostrum.→英和
演奏
えんそう【演奏】
a musical performance.〜する play;→英和
perform.→英和
‖演奏会 a concert;a recital.演奏者 a player;a performer.演奏旅行 a concert tour.
演奏
えんそう [0] 【演奏】 (名)スル
音楽を奏すること。「ピアノを―する」
演奏会
えんそうかい [3] 【演奏会】
演奏を多数の人にきかせる会。コンサート。
演奏会形式
えんそうかいけいしき [7] 【演奏会形式】
オペラ公演の形式の一。舞台装置や演技を伴わず,声楽とオーケストラの演奏だけの公演。
演奏権
えんそうけん [3] 【演奏権】
著作物を演奏することのできる権利。著作権の一内容。
演奏記号
えんそうきごう [5] 【演奏記号】
楽譜に記された,テンポ・強弱・発想・演奏法・アーティキュレーションなどの指示の総称。速度記号・速度標語・発想記号・発想標語・強弱記号など。
演戯
えんぎ [1] 【演戯】
(1)「演劇」に同じ。
(2)「演技{(1)}」に同じ。
演技
えんぎ【演技】
acting;→英和
a <gymnastic> performance.→英和
演技者 a performer.→英和
演技
えんぎ [1] 【演技】 (名)スル
(1)俳優などが舞台で芸を演じて見せること。また,そのわざ。「悪女役を巧みに―する」
(2)スポーツや競技で,一定の方式にしたがって,選手が演じる技。「模範―」
(3)いかにもそれらしく振る舞うこと。いつわりの態度。「彼女の涙は―だった」
演歌
えんか [1] 【演歌・艶歌】
(1)明治中期,自由民権を主張する壮士たちが演説がわりに歌った歌。「民権数え歌」「ダイナマイトドン」など。書生節の源となった。大正末期には,政治色のない大道芸として街頭でバイオリンの伴奏で歌われた流行歌(「はいから節」「籠の鳥」など)をいう。
(2)日本的な哀愁を帯びた歌謡曲一般をいう語。
演歌師
えんかし [3] 【演歌師・艶歌師】
街頭で,バイオリンを弾き,演歌を歌って歌の本を売った者。のちの流しにあたる。
演武
えんぶ [1] 【演武】
(1)武芸を練習すること。
(2)武芸を演じて多くの人に見せること。
演目
えんもく [0] 【演目】
上演される演劇などの題名。
演算
えんざん [0] 【演算】 (名)スル
計算すること。運算(ウンザン)。「超スピードで―する」
演算子
えんざんし [3] 【演算子】
線形空間や関数空間の要素(例えば関数)を別の要素に対応させる計算記号。例えば,微分記号は関数にその導関数を対応させる演算子である。オペレーター。作用素。
演算子法
えんざんしほう [0] 【演算子法】
微分方程式の解法などに演算子を形式化して用いる方法。
演算装置
えんざんそうち [5] 【演算装置】
コンピューターを構成する基本装置の一。四則演算・論理演算などを行うための装置。
演算記号
えんざんきごう [5] 【演算記号】
演算の種類を表す記号。四則演算の+,−,×,÷,平方根の√,論理演算の>,<など。
演練
えんれん [0] 【演練】
本番さながらの演習。訓練。
演繹
えんえき [0] 【演繹】 (名)スル
〔朱熹「中庸章句序」の「更互演繹,作為�此書�」より〕
(1)〔deduction〕
諸前提から論理の規則にしたがって必然的に結論を導き出すこと。普通,一般的原理から特殊な原理や事実を導くことをいう。演繹的推理。
⇔帰納
(2)一つの事柄から,他の事柄に意義をおしひろめて述べること。「他の事象にも―して述べる」
演繹
えんえき【演繹】
deduction.→英和
〜する deduce.→英和
〜的 deductive.
演繹法
えんえきほう [0] 【演繹法】
演繹による推理の手続き。代表的なものに三段論法がある。
⇔帰納法
演繹論理学
えんえきろんりがく [7] 【演繹論理学】
演繹的推理の構造を解明する論理学。
⇔帰納論理学
演義
えんぎ [1] 【演義】
(1)道理や事実などをわかりやすく説明すること。また,その記述。
(2)中国で,歴史上の事実をもとにしてそれを興味深く通俗的に展開させた俗語の小説。元・明代に盛んになった。その母胎となったものは,唐・宋代にかけて発達した講談・芝居その他の大衆芸能である。「三国志演義」など。演義小説。
演習
えんしゅう [0] 【演習】 (名)スル
(1)物事に慣れるため,繰り返して習うこと。練習。けいこ。「運動会の予行―」
(2)軍隊などで,実戦に備えて同じような状況を想定して行われる訓練。また,その訓練を行うこと。「陸海合同―」
(3)ゼミナール。「国文学―」
演習
えんしゅう【演習】
[軍隊の]maneuvers;a sham fight;[大学の]a seminar.→英和
演習林
えんしゅうりん [3] 【演習林】
林学を研究する学生の実習のために設けた森林。
演者
えんじゃ [1] 【演者】
〔「えんしゃ」とも〕
(1)演じる人。出演者
(2)演説をする人。
演能
えんのう [0] 【演能】
能{(6)}を演ずること。
演舌
えんぜつ [0] 【演説・演舌】 (名)スル
(1)大勢の人の前で,自分の主義・主張や意見を述べること。「街頭で―する」「―会」「―口調(クチヨウ)」
(2)教義・道理,意義などを,述べ解くこと。「宿老畏つて一々に是を―す/太平記 11」
演舞
えんぶ [1] 【演舞】 (名)スル
(1)舞を練習すること。
(2)舞を舞って多くの人に見せること。「―場」
演色性
えんしょくせい [0] 【演色性】
人工光源の性能の一。物の色を自然光で見た状態に近い色で表現しうる性能。
演芸
えんげい【演芸】
entertainments;a variety show; <米> vaudeville (寄席の).→英和
‖演芸場 an entertainment hall.演芸放送 an amusement program.演芸欄 the “entertainments” column.
演芸
えんげい [0] 【演芸】
見物人の前で芝居・踊り・落語などの芸を演じてみせること。また,落語・講談・浪曲・漫才・手品などの大衆的な芸能をいう。「―会」
演芸場
えんげいじょう [0] 【演芸場】
演芸を興行・公演する建物。演芸館。
演説
えんぜつ【演説】
a speech;→英和
an address;→英和
a lecture;→英和
public speaking (術).〜する make[deliver]a speech;→英和
speak <on a subject,to people> .→英和
〜がうまい(まずい) be a good (poor) speaker.‖演説会 a speech meeting.演説者 a speaker.
演説
おんぜち 【演説】
〔仏〕 僧が教えを説くこと。また,その文句。説教。「―玉を吐く/古事談 3」
演説
えんぜつ [0] 【演説・演舌】 (名)スル
(1)大勢の人の前で,自分の主義・主張や意見を述べること。「街頭で―する」「―会」「―口調(クチヨウ)」
(2)教義・道理,意義などを,述べ解くこと。「宿老畏つて一々に是を―す/太平記 11」
演述
えんじゅつ [0] 【演述】 (名)スル
自分の意見や思想を述べること。「仏理を―せしものにして/日本開化小史(卯吉)」
演題
えんだい【演題】
the subject <of an address> .→英和
演題
えんだい [0] 【演題】
講演・演説などの題目。
演[艶]歌
えんか【演[艶]歌】
a popular love song.演[艶]歌師 a street singer (of popular love songs).
漕ぎ出す
こぎだ・す [3][0] 【漕ぎ出す】 (動サ五[四])
(1)船を漕いで出発する。「沖へ向けて船を―・す」
(2)船を漕ぎ始める。
[可能] こぎだせる
漕ぎ寄せる
こぎよ・せる [0][4] 【漕ぎ寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 こぎよ・す
船を漕いで近寄らせる。「岸べに舟を―・せる」
漕ぎ手
こぎて [3][0] 【漕ぎ手】
船を漕ぐ人。
漕ぎ抜ける
こぎぬ・ける [0][4] 【漕ぎ抜ける】 (動カ下一)[文]カ下二 こぎぬ・く
(1)船を漕いで通り抜ける。「島の間を―・ける」
(2)困難な状態などを切り抜ける。「何んとかして―・けられない事はあるまい/或る女(武郎)」
漕ぎ着く
こぎつ・く [0][3] 【漕ぎ着く】
■一■ (動カ五[四])
船を漕いで到着する。「やっと岸に―・いた」
■二■ (動カ下二)
⇒こぎつける
漕ぎ着ける
こぎつ・ける [4][0] 【漕ぎ着ける】 (動カ下一)[文]カ下二 こぎつ・く
(1)舟を漕いで目的の場所に着ける。「岬の先端に―・ける」
(2)いろいろ努力してある目標に到達する。「やっと開店に―・けた」
漕ぎ着ける
こぎつける【漕ぎ着ける】
row up to (船を);manage[contrive] <to do> .→英和
漕ぐ
こ・ぐ [1] 【漕ぐ】 (動ガ五[四])
手や足を繰り返し動かして前に進む。
(1)艪(ロ)・櫂(カイ)などで水をかいて,舟などを進める。「ボートを―・ぐ」「櫓を―・ぐ」
(2)ペダルを踏んで,自転車などを進める。「自転車のペダルを―・ぐ」
(3)足を動かしてブランコを揺らす。「ブランコを―・ぐ」
(4)手押しポンプを手で動かす。「ポンプを―・いで水を汲む」
(5)(雪の中ややぶの中を)かきわけて進む。「深い雪を―・ぐ」「やぶを―・ぐ」
〔上代からの語〕
[可能] こげる
[慣用] 舟を―
漕ぐ
こぐ【漕ぐ】
row <a boat> ;→英和
pull the oar.→英和
漕ぎ着ける row ashore (岸に);attain <to> (地位などに).→英和
⇒漕ぎ着ける.‖漕ぎ手 an oarsman;a rower.
漕手
そうしゅ サウ― [1] 【漕手】
(1)舟の漕(コ)ぎ手。
(2)特にボート競技で,舵手(ダシユ)に対して,オールで漕ぐ人。
漕手
そうしゅ【漕手】
a rower;→英和
an oarsman.→英和
漕法
そうほう サウハフ [1] 【漕法】
ボートなどを漕(コ)ぐ方法。
漕艇
そうてい サウ― [0] 【漕艇】
ボートを漕(コ)ぐこと。
漕運
そううん サウ― [0] 【漕運】
(1)船で物を運ぶこと。「曰く牧畜曰く開墾曰く―/新聞雑誌 45」
(2)中国の歴代王朝が,租税収入である食糧を運河などを利用して江南から首都へ運ぶこと。また,その制度。
漠
ばく [1] 【漠】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
広すぎて,つかみどころのないさま。ぼんやりして,はっきりしないさま。「―とした不安」
■二■ (名)
数の単位。渺(ビヨウ)の一〇分の一,すなわち一〇のマイナス一二乗。
漠とした
ばくとした 【漠とした】 (連語)
⇒ばく(漠)
漠北
ばくほく [0] 【漠北】
ゴビ砂漠の北,モンゴル国に当たる地域。外蒙古。
漠漠
ばくばく [0] 【漠漠】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)はてしないさま。「人の住居せざる―たる曠原に於て/天賦人権論(辰猪)」
(2)雲などの一面におおうさま。うす暗いさま。「余煙―として/佳人之奇遇(散士)」
(3)とらえどころのないさま。ぼんやりしたさま。「―とした印象」
漠然
ばくぜん [0] 【漠然】 (ト|タル)[文]形動タリ
ぼんやりとしてはっきりしないさま。広くてとりとめのないさま。「―と考える」「―とした話で筋がとらえにくい」「単調―たる北米大陸中部の平野/ふらんす物語(荷風)」
漠然とした
ばくぜん【漠然とした(漠然と)】
vague(ly);→英和
obscure(ly);→英和
ambiguous(ly).→英和
漢
から [1] 【唐・韓・漢】
(1)中国や朝鮮。また,外国。「―天竺(テンジク)」
(2)中国や朝鮮の,中国や朝鮮から伝わった,舶来のなどの意の複合語を作る。「―芋」「―織り」「―櫛笥(クシゲ)」
漢
かん 【漢】
□一□
(1)中国の古代王朝の名から,中国本土をさす語。
(2)中国の王朝名。一般に,統一王朝であった前漢(西漢。(前202-後8))・後漢(コウカン)(東漢。25-220)をさすことが多い。他に国号を漢と称した王朝には,三国時代の蜀漢(221-263),五胡十六国時代の漢(前趙(チヨウ)の前身。(304-329))・成漢(後蜀(シヨク)。(304-347)),五代十国時代の南漢(917-971)・後漢(947-950)・北漢(951-979)がある。
(3)中国の民族の一。漢中(カンチユウ)を中心に住む種族。
(4)あまのがわ。
(5)「漢中」の略。
□二□男の人の意で,接尾語的に用いる。「熱血―」「硬骨―」
漢
あや 【漢】
古代の姓氏の一。中国からの渡来系氏族で,東漢(ヤマトノアヤ)・西漢(カワチノアヤ)の二氏があった。
漢中
かんちゅう 【漢中】
中国,陝西(センセイ)省南部の漢水上流域の盆地。漢の高祖劉邦(リユウホウ)が天下統一の根拠とした地。漢。
漢人
かんじん [0] 【漢人】
(1)漢民族の人。また,ひろく中国の人。唐人。
(2)中国,元代,旧金朝治下の契丹(キツタン)人・女真人・高麗人および淮水(ワイスイ)以北の中国人などの総称。モンゴル人・色目人に次ぐ第三の階級とされた。
漢人
あやひと 【漢人】
古代の中国系の渡来人。漢氏(アヤウジ)に属し漢部を統率した。
→漢氏(アヤウジ)
漢人
からびと 【唐人・韓人・漢人】
〔古くは「からひと」〕
中国,または朝鮮の人。「―も筏(イカダ)浮かべて遊ぶといふ/万葉 4153」
漢人韓文手管始
かんじんかんもんてくだのはじまり 【漢人韓文手管始】
歌舞伎狂言。時代物。四幕。初世並木五瓶作。1789年大坂中山福蔵(角)座初演。1764年大坂でおこった,朝鮮使節崔天宗(サイテンソウ)殺害事件を脚色したもの。唐人殺し。
漢作
かんさく [0] 【漢作】
唐物(カラモノ)茶入れのうち,製作年代が宋・元代と古く,作品的にも優れているものの称。現存品は多く大名物。
漢儒
かんじゅ [1] 【漢儒】
中国の儒者。また,一般に儒学者。
漢冶萍煤鉄公司
かんやひょうばいてつコンス カンヤヒヤウバイテツ― 【漢冶萍煤鉄公司】
中国,清末に盛宣懐(セイセンカイ)によって設立された製鉄事業を中心とする会社。漢陽製鉄所・大冶(ダイヤ)鉄山・萍郷(ヒヨウキヨウ)炭鉱を統合したもの。日本資本の影響を強く受けたが,第二次大戦後国営となった。
漢医
かんい [1] 【漢医】
漢方医。
漢口
かんこう 【漢口】
中国,湖北省武漢市の一地区。もと独立の都市。ハンコウ。
→武漢
漢名
かんめい [0] 【漢名】
中国での名称。特に,動植物についていうことが多い。
→和名
漢呉音図
かんごおんず 【漢呉音図】
字音研究書。太田全斎著。三冊。1815年刊。韻鏡に基づいて漢字音の漢音と呉音を究明しようとしたもの。
漢和
かんな [1] 【漢和】
〔「かんわ」の連声〕
「漢和連句(カンナレンク)」の略。
漢和
かんわ 【漢和】
(1) [1]
中国と日本。和漢。
(2) [1]
中国語と日本語。
(3) [0]
「漢和辞典」の略。
漢和字典
かんわじてん [4] 【漢和辞典・漢和字典】
漢字・漢語の日本語としての読み方を示し,意義を日本語で解説した辞典。
漢和辞典
かんわじてん [4] 【漢和辞典・漢和字典】
漢字・漢語の日本語としての読み方を示し,意義を日本語で解説した辞典。
漢和辞典
かんわ【漢和辞典】
a Chinese-Japanese character dictionary.
漢和連句
かんわれんく [4] 【漢和連句】
⇒かんなれんく(漢和連句)
漢和連句
かんなれんく [4] 【漢和連句】
鎌倉時代以降に行われた連句の一種。漢和連歌・漢和俳諧の略称。五・七・五または七・七の和句と五言または七言の漢句とを交えて付け連ねるもの。また,特にそのうちで,発句(第唱句)が漢句であるもの。漢和。
→和漢連句
漢土
かんど [1] 【漢土】
中国。中国の地。唐土。
漢声
からごえ 【唐声・漢声】
漢字の漢音(カンオン)。
⇔大和声(ヤマトゴエ)
漢天
かんてん [0] 【漢天】
天の川の見える空。
漢女
あやめ 【漢女】
古代,大陸から渡来して,機織(ハタオ)りに従事した女性。「―をすゑて縫へる衣ぞ/万葉 1273」
漢奸
かんかん [0] 【漢奸】
中国で,敵側に内通する人をいう。売国奴。特に,戦前の対日協力者をさすことが多い。
漢委奴国王印
かんのわのなのこくおうのいん 【漢委奴国王印】
⇒わのなのこくおうのいん(倭奴国王印)
漢子
かんし [0][1] 【漢子】
〔古く胡人が漢人を呼んだ語〕
男子。男子をいやしめていう場合にも用いる。「『門人か傔か』と見える―を差遣した/伊沢蘭軒(鴎外)」
漢字
かんじ【漢字】
a Chinese character.‖漢字制限 restriction on the use of Chinese characters.常用漢字 the Chinese characters for everyday use.
漢字
かんじ [0] 【漢字】
中国で作り出され,今日も用いられている表意文字。原則として,一字一音節で一語を表す。殷墟から出土した紀元前一五世紀頃の甲骨文字が現存最古のもの。日本に伝来した漢字としては,一世紀頃の貨泉や委奴国王(ワノナノコクオウ)の金印などが古い。現在,中国・韓国・日本で使われている。五万字ほど作られたが,一時代で実際に使われたのは五千字程度。日本で作った「働」「榊」「峠」などの国字も,一般には含めていう。本字。真字。真名(マナ)。男文字。
→仮名
漢字三音考
かんじさんおんこう 【漢字三音考】
音韻書。一巻。本居宣長(ノリナガ)著。1785年刊。日本語の音と,漢字の三音(漢音・呉音・唐音)について説いたもの。付録では音便について総括的に述べている。
漢字仮名交じり文
かんじかなまじりぶん [0][8] 【漢字仮名交じり文】
国語を書き表す最も普通の表記法で,漢字と平仮名(または片仮名)を混用するもの。奈良時代に興る。漢字と仮名の書き分けはかなり自由であるが,用言語尾・助動詞・助詞など必ず仮名で書くところが社会習慣として確立し,語や文節の切れ目をはっきりさせている。仮名交じり文。
漢字廃止論
かんじはいしろん [6] 【漢字廃止論】
漢字の使用をやめ,仮名かローマ字あるいは新字を作るかして日本語を表記しようとする考え。漢字は字種が多く,字形も読み方も複雑で学習しにくい,印刷・タイプライターなどに不向きで非能率的だ,国際性に乏しいなどの理由から主張されている。1866年(慶応2)の前島密が徳川慶喜に建白した「漢字御廃止之儀」が最も早い。
漢字御廃止之儀
かんじごはいしのぎ 【漢字御廃止之儀】
⇒漢字廃止論(カンジハイシロン)
漢字能力検定
かんじのうりょくけんてい [8] 【漢字能力検定】
漢字を読み書きする能力を検定する試験。1975年(昭和50)開始。一級,準一級から七級までの八段階に分けられる。
漢字音
かんじおん [3] 【漢字音】
中国における発音に基づいて,日本で行われている漢字の読み方。日本語の音韻体系にとり入れるため原音を変えたものがあり,中国での発音と同一ではない。伝来の時期などにより,呉音・漢音・唐音などに区別される。字音。音。
漢学
かんがく【漢学(者)】
(a scholar of) Chinese classics.
漢学
かんがく [0] 【漢学】
(1)中国の学術,主として儒教経学を研究する学問の日本での総称。現代中国に関するものは含まない。
(2)中国で,宋学に対して,漢代訓詁学に基礎をおく清朝の考証学をいう。
漢学派
かんがくは [0] 【漢学派】
漢学{(2)}の学派。江戸時代の新注・古義学・古文辞学などに抗して興った太宰春台・狩谷棭斎(カリヤエキサイ)らの学派をさす。
漢学者
かんがくしゃ [3][4] 【漢学者】
漢学{(1)}の学者。
漢宮秋
かんきゅうしゅう カンキユウシウ 【漢宮秋】
中国,元代の戯曲。元の馬致遠撰。匈奴に降嫁した王昭君の故事を題材とする。元曲の代表作の一。
漢家
かんか [1] 【漢家】
(1)中国の漢朝の帝室。また,中国のこと。「―の三十六宮/保元(上)」
(2)漢方医。
漢式鏡
かんしききょう [0] 【漢式鏡】
日本の古墳から出土する鏡のうち,漢鏡の形式のものの総称。中国から伝来したものと,それをまねて日本で作ったものとがある。
→漢鏡
→仿製鏡(ボウセイキヨウ)
漢心
からごころ [3] 【漢心・漢意】
中国の国風に感化されたさかしらな心。近世国学者が,儒者に代表される言挙(コトア)げする心を批判的にいった語。
⇔大和心(ヤマトゴコロ)
漢意
からごころ [3] 【漢心・漢意】
中国の国風に感化されたさかしらな心。近世国学者が,儒者に代表される言挙(コトア)げする心を批判的にいった語。
⇔大和心(ヤマトゴコロ)
漢才
かんざい [0] 【漢才】
〔「かんさい」とも〕
中国の学問に通じ,漢詩文を巧みに作る才能。からざえ。「和魂―」
漢才
からざえ 【漢才】
漢籍に通じ,詩文に巧みな才。かんざい。「―はよくて,詩などいみじく作られけれど/愚管 3」
漢数字
かんすうじ [3] 【漢数字】
数を表す漢字。「一・二・三・十・百・千・万・億・兆」など。
漢文
かんぶん【漢文】
Chinese writing;Chinese classics (文学).
漢文
かんぶん [0] 【漢文】
(1)現代中国語の文章に対して,古い中国の文章。
(2){(1)}にならって日本人が書いた漢字だけから成る文章。広く変体漢文を含めてもいう。
漢文体
かんぶんたい [0] 【漢文体】
漢文{(2)}の文体。和文体・漢文訓読体などに対していう。
漢文典
かんぶんてん [3] 【漢文典】
漢文の語法・文章法などを説明した書物。
漢文学
かんぶんがく [3] 【漢文学】
中国の伝統的な文語体で書かれた詩文。およびそれにならって日本で創作された文学。また,それらを研究する学問。
漢文崩し
かんぶんくずし [5] 【漢文崩し】
漢文を書き下したような感じの文体や表記。
漢文法
かんぶんぽう [3] 【漢文法】
漢文の文法。
漢文脈
かんぶんみゃく [3] 【漢文脈】
漢文訓読文に特有な表現を含んだ言い回し。
漢文訓読
かんぶんくんどく [0] 【漢文訓読】
漢文を日本語の文脈になおして読み下すこと。一種の翻訳であるが,完全な逐語訳で,漢文のもとの形をできるだけ残すなど普通の翻訳とは異なる。平安時代以来,漢文の字面に送り仮名や返り点を付けて読み下すのが習慣。
漢文訓読体
かんぶんくんどくたい [0] 【漢文訓読体】
漢文訓読調の文体。和文体・漢文体などに対していう。
漢方
かんぽう [1] 【漢方】
中国から伝来して,日本で発達した医学。皇漢医学。
〔明治期には「漢法」とも書かれた〕
漢方医
かんぽうい [3] 【漢方医】
漢方によって治療する医者。漢医。
漢方用薬
かんぽうようやく [5] 【漢方用薬】
漢方薬に用いられる個々の生薬(シヨウヤク)。漢方の理論に基づき数種類を混合して用いるのが普通で,単独で用いられることはまれである。
漢方薬
かんぽうやく [3] 【漢方薬】
漢方で使う薬。古代中国の経験医術から生まれ,全体的治療を主眼とする。主に草の根や木の皮などから作られる。漢薬。
〔厳密には一つ一つの生薬(シヨウヤク)は「漢薬」といい,処方に従ってそれを数種類混ぜて作った合剤を「漢方薬」もしくは「漢方用薬」という〕
漢方薬
かんぽうやく【漢方薬】
(a) Chinese medicine.漢方医 a herb doctor.
漢族
かんぞく [1] 【漢族】
漢語(中国語)を使用し,中国の全人口の九割以上を占める民族。人種的にはモンゴロイドに属する。黄河流域を原住地とし,数千年の歴史を通じて独自の文化を形成した。中国本土のほか,台湾・東南アジアなど世界に分布。漢民族。漢人。
漢書
かんじょ 【漢書】
中国の正史の一。前漢の歴史を記した紀伝体の書。一二〇巻。後漢の班固の撰,妹の班昭の補修。82年頃成立。本紀一三,表一〇,志一八,列伝七九巻より成る。通史である「史記」に対し断代史の新例をひらき,正史の典型となった。前漢書。西漢書。
漢書
かんしょ [0][1] 【漢書】
漢文で書かれた書物。中国の書物。漢籍。
→かんじょ
漢書
かんしょ【漢書】
⇒漢籍.
漢書
からぶみ 【漢書】
中国の書籍。漢籍。
漢書読み
からぶみよみ 【漢書読み】
⇒漢籍読(カンセキヨ)み
漢書読み
かんしょよみ 【漢書読み】
⇒漢籍読(カンセキヨ)み(1)
漢月
かんげつ [1] 【漢月】
〔「漢」は天の川〕
天の川と月。
漢朝
かんちょう [1] 【漢朝】
(1)中国,漢の朝廷。また,漢の時代。
(2)中国。漢土。「―の許由は/平治(上・古活字本)」
漢武
かんぶ 【漢武】
中国,前漢の武帝のこと。
漢氏
あやうじ 【漢氏】
古代の有力渡来氏族。応神朝に来朝した阿知使主(アチノオミ)の子孫で,後漢の霊帝の子孫と称する東漢直(ヤマトノアヤノアタエ)と後漢の献帝の子孫と称する西漢直(カワチノアヤノアタエ)とがあった。綾織りをはじめ,高度の諸技術をもって大和朝廷に仕えた。初め直(アタエ)姓,のちに連(ムラジ)姓・忌寸(イミキ)姓を賜り,六〜七世紀には政治・軍事面でも活躍した。坂上田村麻呂らはこの一族である。あや。
漢民族
かんみんぞく [3] 【漢民族】
⇒漢族(カンゾク)
漢水
かんすい 【漢水】
漢江(カンコウ){(1)}の別名。
漢江
かんこう 【漢江】
(1)長江の支流。中国,陝西省南部の秦嶺山脈に源を発し,南東流して湖北省に入り,武漢で長江に合流。漢水。長さ1532キロメートル。ハン-チアン。
(2)朝鮮半島の中南部を流れる河川。太白山脈に発し,北西流してソウル郊外を流れ黄海に注ぐ。長さ514キロメートル。ハン-ガン。
漢洋
かんよう [1] 【漢洋】
日本以外の東洋と西洋。特に,中国と西洋。
漢画
かんが [0] 【漢画】
(1)中国の絵画。特に,漢代の絵画。
(2)宋元風の水墨画。
漢画派
かんがは 【漢画派】
鎌倉末期以後,如拙・周文・雪舟らによって興った宋元風の水墨画の系統。
漢竹
からたけ [2][0] 【漢竹・唐竹】
中国渡来の竹。寒竹(カンチク)・真竹(マダケ)・淡竹(ハチク)・布袋竹(ホテイチク)などをいう。
漢竹
かんちく [0] 【漢竹】
中国渡来の竹。多く笛に用いた。からたけ。「―の横笛とり出し/義経記 1」
漢籍
かんせき【漢籍】
a Chinese book;Chinese classics (総称).
漢籍
かんせき [0][1] 【漢籍】
中国の書籍。中国人が漢文で書いた書物。
漢籍家
かんせきか [0] 【漢籍家】
漢籍に通じた人。漢学者。
漢籍読み
かんせきよみ [0][6] 【漢籍読み】
(1)
(ア)返り点・送り仮名などを付けて,漢文を読む方法。漢書読み。からぶみよみ。
(イ)(僧侶による仏典の訓読に対して)博士家で行われた漢籍の訓読法。博士読み。
(2)漢籍を読む人。漢学者。
漢織
あやはとり 【漢織】
〔「はとり」は機織(ハタオ)りの転〕
雄略天皇の時,呉織(クレハトリ)とともに中国から渡来したとされる機織りの職人。「―・呉織…を将(イ)て/日本書紀(雄略訓)」
漢薬
かんやく [0][1] 【漢薬】
⇒漢方薬(カンポウヤク)
漢訳
かんやく【漢訳】
a Chinese translation[version].〜する translate into Chinese.
漢訳
かんやく [0] 【漢訳】 (名)スル
他国語を漢文に訳すこと。また,その漢文。「梵語を―した仏典」
漢詩
かんし [0] 【漢詩】
(1)中国漢代の詩。
(2)中国の伝統詩。一句が四言・五言または七言から成るものが一般的で,平仄(ヒヨウソク)・脚韻などのきまりがあり,古詩・楽府(ガフ)・絶句・律詩などの種類がある。からうた。
漢詩
かんし【漢詩】
a Chinese poem;Chinese poetry (総称).
漢語
かんご [0] 【漢語】
(1)日本語として使われる語のうち,漢字音でよまれる語。また,漢字の熟語。「火事(カジ)」「大根(ダイコン)」のように,和語に当てた漢字を音読した和製の漢語もある。
→和語
→外来語
(2)漢民族の言語。中国語。
漢語
かんご【漢語】
a Chinese loanword.
漢説
かんせつ [0] 【漢説】
中国から伝えられた説。
漢讃
かんさん [0] 【漢讃】
声明(シヨウミヨウ)の曲種の一。漢文(韻文)の歌詞による仏徳賛美の歌。漢語讃。
→梵讃(ボンサン)
→和讃(ワサン)
漢部
あやべ [1] 【漢部】
古代,漢人の管理下にあった部民。
漢鏡
かんきょう [0] 【漢鏡】
中国の漢代に作られた鏡の総称。三国・六朝時代のものも同じ系統なので,これらを含めることがある。白銅製の円形の鏡で,背面に文様や銘文が鋳出してある。日本では弥生時代・古墳時代の墳墓や古墳から出土することが多い。
→漢式鏡
漢陽
かんよう カンヤウ 【漢陽】
(1)中国,湖北省武漢市の一地区。もと独立の都市。ハンヤン。
→武漢
(2)韓国,ソウルの古名。
漢隷
かんれい [0] 【漢隷】
⇒八分(ハツプン)
漢音
かんおん [1][0] 【漢音】
日本漢字音の一。奈良時代から平安初期にかけて,遣唐使・音博士や日本に渡来した中国人などによって伝えられた,隋・唐代の洛陽(今の河南)や長安(今の西安)など中国の黄河中流地方の発音に基づく音。「経」「京」を「ケイ」と読む類。平安時代には,それ以前に伝えられていた漢字音に対して,正式な漢字音の意味で正音とも呼ばれ,多く官府や学者に用いられた。
→呉音
→唐音
→宋音
漣
さざなみ [0] 【細波・小波・漣】
〔古くは「ささなみ」〕
(1)水面に一面にできるこまかい波。「―が立つ」
(2)小さな心のゆれや争いごとのたとえ。
(3)琵琶湖南西部沿岸地の古地名。「―の国つ御神のうらさびて/万葉 33」
漣漣
れんれん [0] 【漣漣】 (ト|タル)[文]形動タリ
涙がとめどなく流れるさま。「汪々―として涙の溢れたり/天うつ浪(露伴)」
漣漪
れんい [1] 【漣漪】
細かく立つ波。さざなみ。
漣音
れんおん [0] 【漣音】
⇒モルデント
漫
すぞろ 【漫】 (形動ナリ)
「すずろ(漫)」に同じ。「聖も是を見奉て―に墨染の袖をぞしぼりける/平家 12」
漫く
すずろ・く 【漫く】 (動カ四)
もじもじする。そわそわする。「この男,いたく―・きて/源氏(帚木)」
漫はし
すずろわ・し 【漫はし】 (形シク)
(1)そわそわと落ち着かない。「待ちつけさせ給へる宮の御心地は,さりとも,少し―・しく思し召されけんかし/大鏡(師尹)」
(2)なんとなく気に食わない。「なまもの憂く,―・しけれど/源氏(若菜下)」
漫はし
すぞろわ・し 【漫はし】 (形シク)
「すずろわし(漫)」に同じ。「我が心のうちも―・し/右京大夫集」
漫ふ
すずろ・う スズロフ 【漫ふ】 (動ハ四)
⇒すずろぶ
漫ぶ
すずろ・ぶ 【漫ぶ】 (動バ上二)
そわそわする。落ち着かない。「あやしく主も女房どもも―・びたる気色見えければ/今昔 28」
〔「すずろふ(動ハ四)」とする説もある〕
漫ろ
そぞろ [0] 【漫ろ】
■一■ (形動)
□一□
(1)そわそわして落ち着かないさま。何かに気を取られて目前のことに集中できないさま。「夏休みが近いから,学生は気も―で勉強に身が入らない」
(2)これという理由もなく,自然にそうなるさま。知らず知らず。「―に昔がしのばれる」「他の一銭よりも吝(オシ)まざりし此美人の胆は,拾人の乗合をして―に寒心せしめたりき/義血侠血(鏡花)」
□二□
(1)何の考えもなくある行動をするさま。軽率。やたら。「(帝釈天ハ)―に長者が財を失はんとは何しに思しめさん/宇治拾遺 6」
(2)偶然であるさま。突然。「実に盗人も無ければ,障紙の―に倒れ懸りたりけるなりけりと思ひ得て/今昔 28」
(3)無関係なさま。「山門の大衆,六波羅へは寄せずして,―なる清水寺に押し寄せて/平家 1」
(4)つまらないさま。取るに足りないさま。「暑気などにや。さては―なる事を思すにこそあらめ/宇津保(国譲中)」
■二■ (副)
これという理由もなく,ある感情や心理がわき起こるさま。何となく。「故郷が―恋しい」「昔のことが―思い出される」
漫ろ
そぞろ【漫ろ(に)】
in spite of oneself;involuntarily.→英和
漫ろ歩き a stroll.→英和
漫ろ
すずろ 【漫ろ】 (形動ナリ)
(1)心のおもむくままに物事をするさま。これといったあてもないさま。「をとこ,みちの国に―に行きいたりけり/伊勢 14」
(2)これといった根拠や理由のないさま。「木立などのはるかにものふり,屋のさまも高う,けどほけれど,―にをかしうおぼゆ/枕草子 78」
(3)本意に反しているさま。心外であるさま。「うたてある主のみもとに仕うまつりて―なる死にをすべかめるかな/竹取」
(4)風情がないさま。つまらないさま。「これをただに奉らば―なるべし/伊勢 78」
(5)予想外であるさま。突然。「宝倉の戸―にきと鳴りて開けば/今昔 26」
(6)程度を超えているさま。むやみ。やたら。「―に衣のあまた着たりける主の/今昔 25」
漫ろがまし
そぞろがま・し 【漫ろがまし】 (形シク)
いかにもそぞろなさまである。「高き木に―・しき秋蝉のこゑ/山家(秋)」
漫ろく
そぞろ・く 【漫ろく】 (動カ四)
そわそわする。すずろく。「兵仗を帯したる者どもも,みな―・いてぞ見えける/平家 2」
漫ろはし
そぞろわ・し 【漫ろはし】 (形シク)
そわそわして落ち着かない。すずろわし。「…など待たると聞くも,―・しけれども/とはずがたり 4」
漫ろ事
そぞろごと 【漫ろ事】
つまらないこと。大した意味のないこと。「これは―なれば,言ふにも足らず/徒然 135」
漫ろ事
すずろごと 【漫ろ事】
つまらないこと。くだらないこと。「かかる―に心を移しはかられ給ひて/源氏(蛍)」
漫ろ寒
そぞろさむ [0] 【漫ろ寒】
なんとなく寒さを覚えること。気持ちの上で感じる晩秋の寒さ。[季]秋。《雲二つに割れて又集る―/原石鼎》
漫ろ寒し
そぞろさむ・し 【漫ろ寒し】 (形ク)
(1)なんとなく寒い。「―・き夕の気色なり/源氏(葵)」
(2)(あまり美しいので)ぞっとするほどである。「今日は,又なき手を尽くしたる,入綾の程―・く,この世のこととも思えず/源氏(紅葉賀)」
漫ろ心
そぞろごころ [4] 【漫ろ心】
そわそわして落ち着かない心。うわついた心。すずろ心。
漫ろ心
すずろごころ 【漫ろ心】
そわそわした心。浮ついた心。「よしなかりける―にても,ことのほかにたがひぬる有り様なりかし/更級」
漫ろ歌
そぞろうた 【漫ろ歌】
とりとめもない歌。「―うたうて,閑々(シズシズ)と向の尾へ渡れば/太平記 17」
漫ろ歩き
そぞろあるき [4] 【漫ろ歩き】 (名)スル
特にこれという目的もなく,ぶらぶらと歩き回ること。散歩。すずろあるき。そぞろありき。「夏の夜の―」「満開の桜の下を―する」
漫ろ歩き
すずろありき 【漫ろ歩き】
どこというあてもなく,歩きまわること。そぞろあるき。
漫ろ物語
すずろものがたり 【漫ろ物語】
とりとめもない話をすること。雑談。よもやま話。「侍ども集まりて,―しけるに/著聞 16」
漫ろ神
そぞろがみ 【漫ろ神】
人の心にとりついて漫然とした気分を起こさせる神。「―の物につきて心を狂はせ/奥の細道」
漫ろ笑み
そぞろえみ [4] 【漫ろ笑み】
なんとなく笑むこと。また,その笑い。「―をもらす」
漫ろ言
そぞろごと [0] 【漫ろ言】
とりとめのない話。くだらない話。すずろ言。
漫ろ言
すずろごと 【漫ろ言】
つまらない言葉。くだらない話。「―をさへ言はせまほしうし給ふを/源氏(柏木)」
漫ろ雨
そぞろあめ [4] 【漫ろ雨】
さして強くはないが,いつまでも止まずに降る雨。
漫吟
まんぎん [0] 【漫吟】 (名)スル
(1)興にまかせて詩歌を作ったり口ずさんだりすること。
(2)自作の詩歌をへりくだっていう語。
漫才
まんざい【漫才】
a comic (stage) dialogue.漫才師 a comic dialogist.
漫才
まんざい [3] 【漫才】
二人で滑稽な問答を中心に演じる寄席演芸。万歳{(2)}の寄席演芸化したもの。関西に興る。
〔昭和八年正月より大阪で「万才」に替えて用いられ,九年4月より東京で使用〕
漫文
まんぶん [0] 【漫文】
(1)とりとめもなく思いつくままに書いた文。
(2)おもしろおかしく書いた文。
漫歩
まんぽ [1] 【漫歩】 (名)スル
あてもなくぶらぶらと歩くこと。そぞろ歩き。「余は獣苑を―して/舞姫(鴎外)」
漫漫
まんまん [0] 【漫漫】 (ト|タル)[文]形動タリ
果てしなく広がるさま。「見渡せば波―として空と連なり/いさなとり(露伴)」
漫然
まんぜん [0] 【漫然】 (ト|タル)[文]形動タリ
特別の目的もなく事をなすさま。はっきりした意識をもたず,いい加減に行うさま。「―と話を聞く」
漫然と
まんぜん【漫然と】
aimlessly;with no fixed aim[purpose]; <read> at random.
漫画
まんが [0] 【漫画】
(1)大胆に省略・誇張して描き,笑いを誘いながら風刺や批評をこめた絵。戯画。
→カリカチュア
(2)絵または絵と台詞(セリフ)によって表現される物語。「四コマ―」「少女―」
(3)気の向くままに描いた絵。
漫画
まんが【漫画】
a cartoon;→英和
a caricature (人物の);→英和
a comic strip (4コマ漫画);the comics (新聞などの);a comic book (本).‖漫画映画 an animated cartoon.漫画家 a cartoonist;a caricaturist.
漫画家
まんがか [0] 【漫画家】
漫画をかくことを職業とする人。
漫筆
まんぴつ [0] 【漫筆】
思いつくままに,とりとめもなく書くこと。また,その書いたもの。漫録。「ヨーロッパ―」
漫筆画
まんぴつが [0] 【漫筆画】
「漫画{(1)(2)(3)}」に同じ。
漫罵
まんば [1] 【漫罵】 (名)スル
やたらにののしること。「衆人環視の中で―される」
漫言
みだれごと 【乱れ言・漫言】
いいかげんな言葉。冗談。ざれごと。「―もうち出でさせ給はで/源氏(真木柱)」
漫言
まんげん [0] 【漫言】
深く考えずにいう言葉。とりとめのない言葉。そぞろごと。漫語。
漫評
まんぴょう [0] 【漫評】
思いつくままにとりとめもなく批評すること。
漫語
まんご [0][1] 【漫語】
「漫言(マンゲン)」に同じ。
漫談
まんだん【漫談】
a comic monologue;idle chatter (無駄話).漫談家 a comic monologist.
漫談
まんだん [0] 【漫談】 (名)スル
(1)とりとめのない話。
(2)演芸の一。世相などを話題として風刺や批評をまじえた軽妙な話芸。大正末頃,大辻司郎や徳川夢声ら活弁士たちによって始められた。
〔大辻司郎の命名〕
漫遊
まんゆう [0] 【漫遊】 (名)スル
気の向くままにあちらこちらをまわること。「諸国を―する」
漫遊
まんゆう【漫遊】
a tour;→英和
a (pleasure) trip.世界〜する tour (about) the world.→英和
漫録
まんろく [0] 【漫録】
思いつくままにとりとめもなく書き記すこと。また,その文章。漫筆。「語源―」
漬
づけ 【漬(け)】
(1) [2]
マグロの赤身のにぎりずし。また,その赤身。もと醤油につけたのを握ったところからの呼称。
(2)名詞の下に付く。
(ア)それに漬けること,また漬けたもの。「茶―」
(イ)漬物の名称で,漬ける食品材料・調味料・漬ける方法・産地などを示す語の下に付ける語。「たくあん―」「みそ―」「一夜―」「奈良―」
(ウ)それに毒されていること。「薬―の医療」
漬かる
つか・る [0] 【漬かる・浸かる】 (動ラ五[四])
(1)物が液体の中にはいる。ひたる。「水に―・った畳」「(湯ニ)肩まで―・る」
(2)ある状態などにはいりきる。「安楽な生活にどっぷりと―・っている」
(3)漬物が食べられる状態になる。《漬》「たくあんが―・る」
[可能] つかれる
漬かる
つかる【漬かる】
be soaked[steeped] <in> ;be flooded[submerged](浸水);be (well) seasoned (漬物が).
漬く
つ・く [0] 【漬く・浸く】
■一■ (動カ五[四])
(1)漬物が熟成してちょうど食べ頃になる。つかる。《漬》「このナスはまだよく―・いていない」
(2)湯・水にひたる。つかる。「広瀬河袖―・くばかり浅きをや/万葉 1381」
〔「漬ける」に対する自動詞〕
■二■ (動カ下二)
⇒つける
漬け
づけ 【漬(け)】
(1) [2]
マグロの赤身のにぎりずし。また,その赤身。もと醤油につけたのを握ったところからの呼称。
(2)名詞の下に付く。
(ア)それに漬けること,また漬けたもの。「茶―」
(イ)漬物の名称で,漬ける食品材料・調味料・漬ける方法・産地などを示す語の下に付ける語。「たくあん―」「みそ―」「一夜―」「奈良―」
(ウ)それに毒されていること。「薬―の医療」
漬ける
つける【漬ける】
[漬物を]pickle;→英和
salt;→英和
soak[steep] <in> (浸す);→英和
preserve <in alcohol> (保存);→英和
dip <into ink> .→英和
漬ける
つ・ける [0] 【漬ける・浸ける】 (動カ下一)[文]カ下二 つ・く
(1)物を液体の中にいれる。ひたす。「水に洗濯物を―・けておく」
(2)野菜や魚・肉などを糠味噌(ヌカミソ)・麹(コウジ)・塩などの中に入れて漬物にする。《漬》「ナスをぬかみそに―・ける」
漬け床
つけどこ [0] 【漬(け)床】
漬物を作るとき,材料を漬けておく糠味噌(ヌカミソ)や麹(コウジ)などのこと。
漬け梅
つけうめ [0] 【漬(け)梅】
(1)塩漬けや梅干しにする梅の実。
(2)梅干し。
漬け瓜
つけうり [0] 【漬け瓜・菜瓜】
(1)シロウリ・アオウリなど漬物にするウリ。
(2)漬物にしたウリ。
漬け菜
つけな [0] 【漬(け)菜】
漬物にする菜。ハクサイ・カブ・キョウナなど。
漬け込む
つけこ・む [3][0] 【漬(け)込む】 (動マ五[四])
漬物にするために漬ける。「たくあんを一樽(タル)―・む」
[可能] つけこめる
漬す
か・す 【淅す・浸す・漬す】 (動サ四)
(1)水に浸す。水につける。「秋刈りし室のおしねを思ひ出でて春ぞたなゐに種ぞ―・しける/堀河百首」
(2)米をとぐ。[名義抄]
漬つ
ひ・つ 【漬つ】 (動)
⇒ひず(漬)
漬つ
ひず・つ ヒヅツ 【漬つ】 (動タ四)
濡れる。また,泥で汚れる。「赤裳の裾の春雨ににほひ―・ちて/万葉 3969」「我妹子(ワギモコ)が赤裳―・ちて植ゑし田を/万葉 1710」
漬づ
ひ・ず ヒヅ 【漬づ】
〔近世初頭頃まで「ひつ」と清音〕
■一■ (動ダ四)
水につかる。ぬれる。「声はして涙は見えぬほととぎす我が衣手の―・つを借らなむ/古今(夏)」
■二■ (動ダ上二)
{■一■}に同じ。「袖―・つる時をだにこそ嘆きしか/蜻蛉(中)」
〔古くは四段。上二段に転じたのは中古中期以降〕
■三■ (動ダ下二)
水につけてぬらす。ひたす。「手を―・てて寒さも知らぬ泉にぞ/土左」
漬床
つけどこ [0] 【漬(け)床】
漬物を作るとき,材料を漬けておく糠味噌(ヌカミソ)や麹(コウジ)などのこと。
漬梅
つけうめ [0] 【漬(け)梅】
(1)塩漬けや梅干しにする梅の実。
(2)梅干し。
漬物
つけもの [0] 【漬物】
塩・酢・味噌・麹(コウジ)などに漬け込んだ貯蔵食品の総称。特に野菜を塩や糠味噌(ヌカミソ)などに漬けた食品。香の物。
漬物
つけもの【漬物】
pickles;salted[pickled]vegetables.
漬菜
つけな [0] 【漬(け)菜】
漬物にする菜。ハクサイ・カブ・キョウナなど。
漬込む
つけこ・む [3][0] 【漬(け)込む】 (動マ五[四])
漬物にするために漬ける。「たくあんを一樽(タル)―・む」
[可能] つけこめる
漱ぐ
くちすす・ぐ [4][0] 【嗽ぐ・漱ぐ】 (動ガ五[四])
(1)水などで口の中を洗い清める。うがいをする。「流れに―・ぐ」
(2)名文を口ずさんで味わう。「文は漢魏の芳潤に―・いで万巻の書を諳じ給ひしかば/太平記 12」
漱ぐ
ゆす・ぐ [0] 【漱ぐ】 (動ガ五[四])
うがいをして口の中をきれいにする。すすぐ。「口を―・ぐ」
[可能] ゆすげる
漱ぐ
くちそそ・ぐ [4][0] 【嗽ぐ・漱ぐ】 (動ガ五[四])
「くちすすぐ(嗽){(1)}」に同じ。「河水を掬(ムス)んで―・ぎ/自然と人生(蘆花)」
漱ぐ
すす・ぐ [0] 【漱ぐ】 (動ガ五[四])
〔「濯(スス)ぐ」と同源〕
水を含んで口の中を洗う。うがいをする。「口を―・ぐ」
[可能] すすげる
漱ふ
うが・う ウガフ 【嗽ふ・漱ふ】 (動ハ四)
うがいをする。くちすすぐ。[名義抄]
漱石
そうせき 【漱石】
⇒夏目(ナツメ)漱石
漱石枕流
そうせきちんりゅう [0] 【漱石枕流】
⇒石(イシ)に漱(クチスス)ぎ流れに枕(マクラ)す(「石」の句項目)
漲ふ
みなぎら∘う 【漲ふ】 (連語)
〔動詞「漲(ミナギ)る」に継続の助動詞「ふ」の付いたもの〕
水がみちあふれている。「飛鳥川―∘ひつつゆく水の/日本書紀(斉明)」
漲る
みなぎ・る [3] 【漲る】 (動ラ五[四])
(1)水が一杯になる。水勢が盛んである。「水ワワイテ天ニ―・ル/ヘボン」「白波―・り騒ぎけるに/保元(下)」
(2)力・意志などが満ちあふれている。「闘志が―・る」
漲る
みなぎる【漲る】
overflow <with> (溢れる);→英和
be full <of vitality> ;be swollen <with rain> (川が).
漲溢
ちょういつ チヤウ― [0] 【漲溢】 (名)スル
みなぎりあふれること。
漲落
ちょうらく チヤウ― [0] 【漲落】 (名)スル
〔汐の満ち干の意から〕
勢力などが盛んになったり,衰えたりすること。
漸
やや [1] 【稍・漸】 (副)
〔副詞「や」を重ねた語〕
(1)分量・程度がわずかであるさま。「―右寄り」「―大きめ」「―不機嫌そう」
(2)しばらくの間。「―待つうちに」
(3)次第に程度が増すさま。一層。「年は―さだ過ぎ行くに/更級」
漸
ぜん [1] 【漸】
物事が徐々に進むこと。「且つ聴き且つ記し―にして積りて巻を成す/経国美談(竜渓)」
漸う
ようよう ヤウヤウ 【漸う】 (副)
〔「ようやく」の転〕
(1)しだいに。だんだん。「かくて翁―豊かになり行く/竹取」
(2)かろうじて。やっと。「―として,穴の口までは出でたれども/宇治拾遺 13」
(3)おもむろに。しずしずと。「普賢菩薩,象に乗りて―おはして/宇治拾遺 8」
(4)まさしく。もはや。「女を,―あきがたにや思ひけむ/伊勢 123」
漸く
ようやく【漸く】
[だんだんに]gradually;[遂に]at last;finally;[かろうじて]barely;→英和
with difficulty.
漸く
ようやく ヤウヤク [0] 【漸く】 (副)
〔「ややく(稍)」または「やくやく(漸漸)」の転かという。漢文訓読に多く用いられた語〕
(1)なかなか実現しなかったことが,待った末に実現するさま。ようよう。やっと。「―試験が終わった」「―のこと楽になる」
(2)危ないところをかろうじて。やっとのことで。ようよう。「―終電に間に合う」
(3)だんだん。しだいに。「寒さも―ゆるんできた」
漸伐
ぜんばつ [0] 【漸伐】
造林法の一。広域の森林を,傘伐(サンバツ)・画伐(カクバツ)などの数回の伐採によって更新を図る方法。
漸増
ぜんぞう【漸増】
a gradual increase.
漸増
ぜんぞう [0] 【漸増】 (名)スル
だんだんにふえること。だんだんにふやすこと。
⇔漸減
「交通事故死が―する」
漸層法
ぜんそうほう [0][3] 【漸層法】
修辞法の一。語句を次々に重ねて意味を強めていき,最後に最大の効果がもたらされるようにする表現法。
漸悟
ぜんご [1] 【漸悟】 (名)スル
〔仏〕 修行を積んで,だんだんと悟りに至ること。禅宗では中国の北宗禅の宗風をいう。
⇔頓悟(トンゴ)
漸教
ぜんきょう [0] 【漸教】
〔仏〕 学びやすい教えから高度な教えへと順に導いていく教法。また,修行を積み重ねることによって悟りへ至らしめる教え。
⇔頓教(トンギヨウ)
漸新世
ぜんしんせい [3] 【漸新世】
新生代古第三紀を三つに区分した場合の最後の時期。約三八〇〇万年前から二四〇〇万年前までの期間。
漸次
ぜんじ [1] 【漸次】 (副)
だんだん。しだいに。「―東へ移動しつつある」
漸次
ぜんじ【漸次】
gradually;little by little;by degrees.
漸減
ぜんげん【漸減】
gradual decrease.〜する decrease[diminish]gradually.
漸減
ぜんげん [0] 【漸減】 (名)スル
だんだん減っていくこと。
⇔漸増
「交通事故は―している」
漸滅
ぜんめつ [0] 【漸滅】
次第にほろびること。
漸漸
ぜんぜん [0] 【漸漸】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
次第に進んでいくさま。「火焔は―と位置を変ずる/浮城物語(竜渓)」
■二■ (副)
次第次第に。だんだんに。順次に。「強毅質直の気は―に衰減し/明六雑誌 3」
漸漸
やくやく 【漸漸】 (副)
〔「ようやく」の古形〕
次第に。だんだん。「沖つ梶―しぶを見まく欲り/万葉 1205」
漸落
ぜんらく [0] 【漸落】 (名)スル
相場や物価が段々と下がること。
⇔漸騰
漸近線
ぜんきんせん [0] 【漸近線】
曲線において,その上の一点が原点から無限に遠ざかっていくとき,その点からの距離が限りなく 0 に近づくような直線。例えば �=1/x の漸近線は � 軸( �=0)と � 軸( �=0)。
漸進
ぜんしん [0] 【漸進】 (名)スル
順を追って少しずつ進んでいくこと。「学力が―する」
漸進
ぜんしん【漸進】
<make> gradual progress[steady advance].〜する progress gradually.〜的 gradual;→英和
moderate.→英和
‖漸進主義 gradualism.
漸進主義
ぜんしんしゅぎ [5] 【漸進主義】
急激な手段を避け,順を追って徐々に進もうとする態度・立場。
⇔急進主義
漸進的
ぜんしんてき [0] 【漸進的】 (形動)
順を追って徐々に目的を実現しようとするさま。「―な改革」
漸騰
ぜんとう [0] 【漸騰】 (名)スル
相場や物価が段々高くなること。
⇔漸落
漾漾
ようよう ヤウヤウ [0][3] 【漾漾】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)水の揺れ動くさま。「波は―として遠く烟(ケム)り/金色夜叉(紅葉)」
(2)「洋洋{(1)}」に同じ。「―として大河の趣を成した川/田舎教師(花袋)」
漿
こんず [1] 【漿・濃漿】
〔「濃水(コミズ)」の転〕
(1)米を煮た汁。重湯(オモユ)。「其の中に―を盛て/今昔 3」
(2)酒・果汁などおいしい飲み物。「水を飲て―と思ふ/日蓮御書」
(3)濃い汗。「彼方こなたと切払ひ―を流し手をくだき/浄瑠璃・花飾」
漿尿膜
しょうにょうまく シヤウネウ― [3] 【漿尿膜】
爬虫類・鳥類の発生途上にみられる,漿膜と尿膜とが一部で癒着したもの。卵殻の直下に広がり,呼吸器官として働く。尿漿膜。
漿果
しょうか【漿果】
《植》a berry.→英和
漿果
しょうか シヤウクワ [1] 【漿果】
⇒液果(エキカ)
漿水
しょうすい シヤウ― [0] 【漿水】
「漿(コンズ)」に同じ。
漿液
しょうえき シヤウ― [1][0] 【漿液】
(1)粘性物質を含まない,さらさらした透明な分泌液の総称。漿膜から分泌される液など。
→粘液
(2)しる。つゆ。
漿膜
しょうまく シヤウ― [1] 【漿膜】
(1)体腔(タイコウ)の内面および体腔にある臓器の表面をおおっている薄い膜の総称。漿液を分泌して相互の摩擦を少なくしている。腹膜・胸膜・心膜など。
(2)爬虫類・鳥類・哺乳類の発生途上の胚と卵黄嚢(ノウ)・尿嚢をつつむ,一番外側のきわめて薄い膜。
(3)節足動物の胚の一番外側をおおう膜。
潁原
えばら 【潁原】
姓氏の一。
潁原退蔵
えばらたいぞう 【潁原退蔵】
(1894-1948) 国文学者。長崎県生まれ。京大教授。近世文学の実証的研究の基礎を築いた。著「俳諧史の研究」「江戸時代語の研究」など。
潁川
えいせん 【潁川】
⇒潁水(エイスイ)
潁水
えいすい 【潁水】
中国,河南省の鄭州(テイシユウ)付近に源を発し,南東に流れ,安徽(アンキ)省で淮河(ワイガ)に注ぐ河川。長さ500キロメートル。潁川(エイセン)。イン-シュイ。
潅木
かんぼく【潅木】
a shrub;→英和
a bush;→英和
shrubbery (総称).→英和
潅漑
かんがい【潅漑】
irrigation.〜する irrigate;→英和
water.→英和
‖潅漑工事 irrigation works.潅漑用水 irrigation water.
潅[浣]腸
かんちょう【潅[浣]腸】
(an) enema.→英和
〜する administer[give]an enema <to> .
潔い
いさぎよ・い [4] 【潔い】 (形)[文]ク いさぎよ・し
(1)卑怯な点や未練がましいところがなく立派である。悪びれない。「―・く責任をとる」
(2)汚れがない。清浄だ。「瑠璃(ルリ)の浄土は―・し/梁塵秘抄」
(3)心やおこないにやましいところがない。潔白だ。「―・き人の心をわれ忘れめや/新古今(神祇)」
(4)清らかで気持ちがよい。「堤より田の青やぎて―・き(凡兆)/猿蓑」
[派生] ――さ(名)
潔い
いさぎよい【潔い(く)】
manly (manfully);→英和
noble (nobly);→英和
brave(ly).→英和
潔く負ける suffer a defeat with a good grace.
潔しとしない
いさぎよし【潔しとしない】
be too proud <to do> ;disdain <to do> ;→英和
be above <doing> .
潔しと=しない
潔しと=しない(=せず)
自分の誇りや良心が許さない。「敵の軍門に下るのを―」
潔斎
けっさい [1] 【潔斎】 (名)スル
神仏に仕えるため,酒肉を避けけがれた物に触れず,心身を清らかにしておくこと。ものいみ。「精進―」
潔浄
けつじょう [0] 【潔浄】 (名・形動)[文]ナリ
きよらかでけがれのない・こと(さま)。「罪を懺悔し,心身を―にして/西国立志編(正直)」「―水」
潔癖
けっぺき [0] 【潔癖】 (名・形動)[文]ナリ
(1)わずかな不潔でも許さない性質。また,そのさま。きれいずき。「ひどく―な性格」「―症」
(2)不正なことを激しく嫌う性質。また,そのさま。「金銭に―な人」
[派生] ――さ(名)
潔癖な
けっぺき【潔癖な】
cleanly;→英和
fastidious.→英和
潔白
けっぱく [0] 【潔白】 (名・形動)[文]ナリ
(1)心やおこないが正しいこと。うしろぐらいところがないこと。また,そのさま。「清廉(セイレン)―な人」「身の―を明らかにする」
(2)清くて白いさま。「―ナウツワモノ/ヘボン」
[派生] ――さ(名)
潔白
けっぱく【潔白】
<prove one's> innocence.→英和
〜な innocent;→英和
pure.→英和
潘岳
はんがく 【潘岳】
(247-300) 中国,晋の詩人。陸機と並び称され,妻の死を悼んだ「悼亡詩」で知られる。美男の代名詞ともされる。讒言(ザンゲン)により刑死。
潙山
いさん ヰサン 【潙山】
(771-853) 唐代の禅僧。名は霊祐。百丈懐海(ヒヤクジヨウエカイ)から法をうけ,潭州潙山に同慶寺を建立。弟子の仰山(ギヨウサン)により大成された潙仰宗(イギヨウシユウ)の祖。大円禅師。
潜き
かずき カヅキ 【潜き】
水中にもぐって魚介などを取ること。「まいて海女の―しに入るは憂きわざなり/枕草子 306」
潜き女
かずきめ カヅキ― 【潜き女】
〔「かつぎめ」とも〕
海中に入り魚介や海藻を取る女。海女(アマ)。
潜く
かず・く カヅク 【潜く】
■一■ (動カ四)
(1)水中に頭からもぐる。「にほ鳥の―・く池水/万葉 725」
(2)水にもぐって貝・海藻などをとる。「沖つ島い行き渡りて―・くちふ鮑玉(アワビタマ)もが包みて遣らむ/万葉 4103」
■二■ (動カ下二)
水中にもぐらせる。「上つ瀬に鵜を八頭(ヤツ)―・け/万葉 3330」
潜まる
ひそま・る [3] 【潜まる】 (動ラ五[四])
(1)外から見えないようになる。「如何な不了簡が―・つてゐるかも知れぬ/浮雲(四迷)」
(2)ひっそりとなる。しずかになる。「―・り返った校庭」
(3)ねむりにつく。「心地あしみして,物もものし給(タバ)で,―・りぬ/土左」
〔「潜める」に対する自動詞〕
潜む
ひそ・む [2] 【潜む】
■一■ (動マ五[四])
(1)人目につかないように隠れている。「犯人は市内に―・んでいるはずだ」「蛇の―・む穴」
(2)外に現れず,内部にある。潜在する。「文中に―・む真意」
〔「潜める」に対する自動詞〕
■二■ (動マ下二)
⇒ひそめる
潜む
ひそむ【潜む】
[隠れる]hide[conceal]oneself;[潜在]lie <behind> ;→英和
lurk <in> .→英和
潜める
ひそ・める [3] 【潜める】 (動マ下一)[文]マ下二 ひそ・む
〔「ひそか」と同源〕
(1)ほかの人に見えないようにする。隠す。「物陰に身を―・める」
(2)ほかの人に聞かれないようにする。「声を―・めてささやく」「息を―・めて待つ」
(3)(胸の中などに)隠して持つ。秘める。「悪意を―・めて持つ」
(4)目立たないようにする。控え目にする。「かい―・め人疎うもてなし給へば/源氏(末摘花)」
(5)勢いをくじく。「狐打ち―・めらえき/霊異記(中訓注)」
〔「潜まる」「潜む」に対する他動詞〕
[慣用] 影を―・鳴りを―
潜める
ひそめる【潜める】
hide[conceal]oneself (身を);lower <one's voice> (声を).→英和
声を潜めて in a whisper[whispers].→英和
潜らせる
くぐら・せる [4] 【潜らせる】 (動サ下一)
(1)くぐるようにさせる。くぐらす。
(2)料理の材料を,熱湯や油の中に入れてすぐ引き上げる。くぐらす。「肉を湯にさっと―・せる」
潜り
もぐり 【潜り】
(1) [3]
水にもぐること。「―漁(リヨウ)」
(2) [1]
禁を犯し,または許可を受けずにひそかにすること。また,その人。「―の業者」「―で商売をする」
(3) [1]
ある集団の一員とは認めがたいこと。よそ者。「彼を知らないとは―だ」
潜り
くぐり [3] 【潜り】
(1)くぐってはいる戸や門。くぐり戸やくぐり門。
(2)茶室建築で,くぐってはいるように造った露地口・中潜り・躙(ニジ)り口などの出入り口。
潜り
むぐり [1] 【潜り】
(1)もぐること。もぐり。
(2)カイツブリの異名。
潜り
もぐり【潜り】
diving.→英和
〜の <米> unlicensed[ <英> unlicenced] <doctor> .
潜り戸
くぐりど【潜り戸】
a side door[gate].
潜り戸
くぐりど [3] 【潜り戸】
(1)扉や壁に設けた,かがんではいる戸。また,その出入り口。切り戸。くぐり。
(2)「潜(クグ)り{(2)}」に設ける戸。多くは雨戸の形式で,上框(アガリカマチ)のない板の引き戸。
潜り抜ける
くぐりぬ・ける [5] 【潜り抜ける】 (動カ下一)
(1)くぐって通り抜ける。「橋の下を―・ける」
(2)危険や難事をうまく処理する。切り抜ける。「難関を―・ける」
潜り込む
もぐりこ・む [4][0] 【潜り込む】 (動マ五[四])
(1)水中にくぐり入る。「水に―・む」
(2)物の下や穴の中へはいり込む。「寝床に―・む」
(3)公正な手段によらずに,組織などにはいり込む。潜入する。「会場に―・む」
[可能] もぐりこめる
潜り門
くぐりもん [3] 【潜り門】
塀に設けた,くぐって出入りする小さな門。切り抜き門。くぐり。
潜る
くぐ・る [2] 【潜る】 (動ラ五[四])
〔平安末頃まで「くくる」〕
(1)物の下やすき間を通り抜ける。「列車は関門海峡を―・って九州に入る」「猛火を―・って逃げる」「船が波ヲ―・ル/日葡」
(2)すきをねらって事を行う。「法の網を―・る」
(3)水の中にもぐる。漬かる。「水―・る玉に交じれる磯貝の/万葉 2796」
(4)洩れ出て流れる。「しきたへの枕ゆ―・る涙にぞ/万葉 507」
[可能] くぐれる
潜る
くぐる【潜る】
(1) pass <through,under> ;→英和
get[go] <through a gate> .→英和
(2) dive <into> (水中に).→英和
(3) evade <the law> .→英和
潜る
もぐる【潜る】
get in(to) (入り込む);dive <into> (水中に);→英和
go underground (地下に).
潜る
むぐ・る 【潜る】 (動ラ四)
「もぐる(潜)」に同じ。「わらの中に―・りてねてゐたるぶた/西洋道中膝栗毛(魯文)」
潜る
もぐ・る [2] 【潜る】 (動ラ五[四])
(1)水中にすっかりはいりこむ。くぐる。「海に―・ってあわびを取る」
(2)物の下や穴の中にはいりこむ。「床下に―・る」
(3)姿を隠して,ひそかに事をはこぶ。「地下に―・って反政府運動を続ける」
[可能] もぐれる
潜伏
せんぷく [0] 【潜伏】 (名)スル
(1)犯罪をおかした者などが官憲に見つからないように隠れひそむこと。「地下に―する」
(2)病原菌に感染しているが,症状が現れていないこと。「―期間」
潜伏
せんぷく【潜伏】
concealment;→英和
latency.〜する lie hidden;hide oneself;be dormant[latent](病気が).‖潜伏期 the incubation[latent]period.
潜伏期
せんぷくき [4] 【潜伏期】
(1)病原体が侵入してから病状が現れてくるまでの期間。疾病により,その期間はほぼ一定している。
(2)刺激が与えられてから反応が起こるまでの時間。潜伏時。潜時。
潜像
せんぞう [0] 【潜像】
フィルムや印画紙の乳剤膜中にあるハロゲン化銀が感光してつくる,目では見えない画像。現像処理によって画像として現れる。
潜入
せんにゅう [0] 【潜入】 (名)スル
ひそかに入りこむこと。もぐりこむこと。「敵地に―する」
潜入する
せんにゅう【潜入する】
steal[sneak] <into> ;→英和
smuggle oneself <into> .
潜出血
せんしゅっけつ [3] 【潜出血】
肉眼ではわからないが,化学的にのみ便中に認められる微量の出血。多くは消化器官の出血によるもの。潜血。
潜函
せんかん [0] 【潜函】
水中あるいは軟弱な地盤や地下水などの多い所で土木工事を円滑に行うために用いるコンクリート製の箱。圧縮空気を送り,中で掘削などの作業をする。潜箱。ケーソン。
潜函工法
せんかんこうほう [5] 【潜函工法】
底のない潜函の中から土を掘り出しながら沈めていき,基礎とする工法。ケーソン工法。
潜函工法
せんかん【潜函工法】
a caisson method.潜函病 a caisson disease.
潜函病
せんかんびょう [0] 【潜函病】
水中など高圧環境で作業する者が水上や地上に急に戻ったとき,血液に溶け込んだ窒素が気泡化して起こるガス塞栓(ソクセン)症。関節痛・筋肉痛,皮下の小出血,運動知覚障害などが現れる。ケーソン病。潜水病。減圧症。
潜勢
せんせい [0] 【潜勢】
内部にひそんでいて外に表れない勢い。「―態(=デュナミス)」
潜勢力
せんせいりょく [3] 【潜勢力】
内にひそんでいて,外に表れない勢力。
潜勢力
せんせいりょく【潜勢力】
potential[latent]energy.
潜匿
せんとく [0] 【潜匿】 (名)スル
ひそみ隠れること。また,隠すこと。「或は遁逃し或は―せしが/経国美談(竜渓)」
潜在
せんざい【潜在】
potentiality;latency.〜の latent;→英和
dormant;→英和
potential <energy,customer> .→英和
〜する be latent[dormant].‖潜在意識 subconsciousness.潜在失業者 the latent unemployed.
潜在
せんざい [0] 【潜在】 (名)スル
表面にはっきりと表れないが,内部にひそかに存在すること。伏在。
⇔顕在
「―する勢力の結集」
潜在主権
せんざいしゅけん [5] 【潜在主権】
アメリカの信託統治下にあったかつての沖縄に対し,日本が潜在的にもつとされた権利。立法・行政・司法上のあらゆる権利はアメリカがもつが,領土の最終的処分権は日本に残存されるというもの。残存主権。
潜在失業
せんざいしつぎょう [5] 【潜在失業】
統計上には表れない失業。希望する他の職業に就けなくて,家業あるいは不安定な労働条件で働いている者などが存在する状態。
潜在意識
せんざいいしき [5] 【潜在意識】
自覚されることなく,行動や考え方に影響を与える意識。心の奥深い層にひそんだ意識。
潜在成長力
せんざいせいちょうりょく [7] 【潜在成長力】
労働や資本などの資源および予想される技術進歩を最大限活用した場合に実現できると考えられる実質 GNP の伸び率。
潜在的
せんざいてき [0] 【潜在的】 (形動)
表面に表れないで内部に隠れて存在しているさま。「―な需要を見込む」
潜在需要
せんざいじゅよう [5] 【潜在需要】
商品の価格が高すぎたり,それについての情報の不足などの理由で,現実にはまだ顕在化していない需要。
潜堤
せんてい [0] 【潜堤】
波浪の破壊力から海岸を守るために海面下に設けられる構造物。
潜夫論
せんぷろん 【潜夫論】
〔名を表すことを好まず,世俗を超脱した者の論の意〕
中国,後漢の王符著。一〇巻。立身出世主義・金権主義・門閥主義という当時の風潮を厳しく批判し,正道に戻すための現実的施策をも論じた書。
潜居
せんきょ [1] 【潜居】 (名)スル
ひそみ隠れ住んでいること。「エョールの邸に―し其名を変じて/民約論(徳)」
潜幸
せんこう 【潜幸】 (名)スル
天皇がお忍びででかけること。忍びの行幸。「―の儀式を引つくろひ/太平記 2」
潜心
せんしん [0] 【潜心】 (名)スル
心を落ち着けて一心に考えること。
潜思
せんし [1] 【潜思】 (名)スル
心をしずめて深く考えること。「闃然(ゲキゼン)寂静なる裡に―黙想せば/日本風景論(重昂)」
潜性
せんせい [0] 【潜性】
「劣性」に同じ。
⇔顕性
潜望鏡
せんぼうきょう【潜望鏡】
a periscope.→英和
潜望鏡
せんぼうきょう センバウキヤウ [0] 【潜望鏡】
潜航中の潜水艦が,海上の様子を見るために用いる,プリズムとレンズを組み合わせた反射式望遠鏡。ペリスコープ。
潜歿
せんぼつ [0] 【潜没・潜歿】 (名)スル
水中にもぐり込むこと。
潜水
せんすい [0] 【潜水】 (名)スル
水の中にもぐること。ダイビング。「―作業」「―して海底を探る」
潜水
せんすい【潜水】
diving.→英和
〜する (make a) dive.→英和
‖潜水艦 a submarine.潜水病 caisson disease.潜水夫 a diver.潜水服 a diving suit.
潜水士
せんすいし [3] 【潜水士】
高気圧作業安全衛生規則に基づき,潜水器具を用いて水中の作業に従事する者。潜水夫。
潜水夫
せんすいふ [3] 【潜水夫】
⇒潜水士
潜水服
せんすいふく [3] 【潜水服】
潜水するときに着る服。ヘルメット・ゴム服・鉛製の靴などから成り,通気装置・通信装置などを備え,水上から空気を送る。潜水衣。
潜水母艦
せんすいぼかん [5] 【潜水母艦】
軍艦の艦種の一。潜水艦に燃料・食料などを補給し,乗組員の休養施設をもつ軍艦。ときに,潜水戦隊の旗艦となる。
潜水泳法
せんすいえいほう [5] 【潜水泳法】
水中にもぐったままで泳ぐ方法。
潜水球
せんすいきゅう [3] 【潜水球】
深海に潜水するため,強大な水圧に耐えるように球形をしたカプセル。
潜水病
せんすいびょう [0] 【潜水病】
⇒潜函病(センカンビヨウ)
潜水艇
せんすいてい [0] 【潜水艇】
(1)小型の潜水艦。
(2)海洋・海底の調査・観測のため,深海に潜水できる構造をもつ船。
潜水艦
せんすいかん [0] 【潜水艦】
軍艦の艦種の一。水中にもぐったまま行動できる艦。魚雷のほかミサイルなどの攻撃用武器を搭載し,対艦・対地攻撃にあたる。
潜没
せんぼつ [0] 【潜没・潜歿】 (名)スル
水中にもぐり込むこと。
潜流
せんりゅう [0] 【潜流】
表面に現れない流れ。海洋の表層部の下を流れる海流。赤道潜流など。また,扇状地や河川敷などの砂礫(サレキ)層中に浸透した水の流れ。
→伏流
潜熱
せんねつ [1] 【潜熱】
(1)物質の状態変化のとき,温度の変化を伴わないで吸収または放出される熱量。一モルあるいは単位質量あたりの値で表す。例えば,融解熱・蒸発熱など。
⇔顕熱
(2)内部にひそんでいる熱。
潜熱
せんねつ【潜熱】
《理》latent heat.
潜窟
せんくつ [0] 【潜窟】
人目をしのんで住む所。かくれが。
潜竜
せんりゅう 【潜竜】
⇒せんりょう(潜竜)
潜竜
せんりょう [0] 【潜竜】
〔潜んでいてまだ天に昇らない竜の意〕
まだ天子の位についていない天子たるべき人。また,まだ世に知られていない英雄・豪傑。せんりゅう。
潜考
せんこう [0] 【潜考】
心を静め,深く考えること。潜思。
潜脱
せんだつ [0] 【潜脱】
〔法〕 一定の手段とその結果を法が禁止している場合,禁止されている手段以外の手段を用いて結果を得て,法の規制を免れること。
潜航
せんこう【潜航】
a submarine voyage.〜する navigate under water.
潜航
せんこう [0] 【潜航】 (名)スル
(1)水中をもぐって航行すること。「水中深く―する」
(2)敵にさとられないようにひそかに航行すること。
潜航艇
せんこうてい [0] 【潜航艇】
(1)潜水艦の旧称。
(2)小型の潜水艦。「特殊―」
潜蔵
せんぞう [0] 【潜蔵】 (名)スル
内にひそみもつこと。「嬌小なる其の体躯が―せる偉大の勢力/真善美日本人(雪嶺)」
潜血
せんけつ [0] 【潜血】
⇒潜出血(センシユツケツ)
潜行
せんこう [0] 【潜行】 (名)スル
(1)水の中をもぐって行くこと。
(2)人目につかないように行くこと。微行。
(3)ひそかに活動すること。「地下に―する」
潜行する
せんこう【潜行する】
go underground.潜行運動 an underground movement.
潟
かた [2] 【潟】
(1)砂州または沿岸州によって海と切り離されてできた湖や沼。狭い水路で海に通ずるものもある。潟湖(セキコ)。ラグーン。石川県の河北潟はその例。
(2)遠浅の海で,潮の干満によって陸地が現れたり水面下に隠れたりする所。干潟(ヒガタ)。
(3)浦。入り江。今も「松浦(マツラ)潟」「清見潟」のような地名に残っている。
潟湖
せきこ [1] 【潟湖】
⇒潟(カタ)(1)
潢洋
こうよう クワウヤウ [0] 【潢洋】 (ト|タル)[文]形動タリ
(海・川・湖などが)深くて広いさま。「―たる蒼海/草枕(漱石)」
潤
うるい ウルヒ 【潤】
うるおうこと。うるおい。「法雨の―しきりにうるほすとき,芽茎(ゲキヨウ)生長し/正法眼蔵」
潤い
うるおい ウルホヒ [0][3] 【潤い】
〔動詞「うるおう」の連用形から〕
(1)適度な水け・湿りけ。「肌に―がある」
(2)落ち着いてしっとりとした気分・味わい。情趣。また,精神的ゆとり。「―のある家庭を築く」
(3)金銭的な余裕。「事業の成功が家計に―をもたらした」
(4)恩恵。恩沢。「天朝(ミカド)のみ―遠く弊邑(イヤシキクニ)に及び/日本書紀(神功訓)」
潤いのある
うるおい【潤いのある】
[目]liquid;→英和
[声]charming;sweet;→英和
[生活]tasteful.→英和
〜のない dry;→英和
prosaic.→英和
潤う
うるおう【潤う】
[湿る]be moistened;get wet;profit <by> (利益を得る).→英和
潤う
うるお・う ウルホフ [3] 【潤う】 (動ワ五[ハ四])
〔動詞「潤(ウル)ふ」に継続の助動詞「ふ」の付いた「うるはふ」の転〕
(1)水気を含んでしめる。ぬれる。「のどが―・う」「全身―・ひて,冷気骨に徹す/十和田湖(桂月)」
(2)豊かになる。ゆとりがでる。「家計が―・う」
(3)恩恵をうける。恵まれる。「徳沢に―・ひて/保元(上・古活字本)」
〔「うるおす」に対する自動詞〕
潤かす
ほとばか・す 【潤かす】 (動サ四)
水に物をひたしふやかす。ほとばす。[日葡]
潤す
うるおす【潤す】
[湿らす]wet;→英和
moisten;→英和
benefit (利する).→英和
潤す
ほとば・す 【潤す】 (動サ四)
水にひたしてふやけさせる。ほとぼす。「ニカワヲ―・ス/ヘボン」
潤す
うるお・す ウルホス [3] 【潤す】 (動サ五[四])
(1)水分をあたえる。しめらす。ぬらす。「お茶でのどを―・す」「猿のこゑに袖を―・す/方丈記」
(2)ゆたかにする。「輸出が国の経済を―・す」
(3)恩恵をほどこす。めぐみを与える。「民を―・す」
〔「うるおう」に対する他動詞〕
[可能] うるおせる
潤びる
ほと・びる [3] 【潤びる】 (動バ上一)[文]バ上二 ほと・ぶ
(1)乾燥していたものが水を吸ってやわらかくなる。ふやける。[ヘボン]「乾飯のうへに涙落して―・びにけり/伊勢 9」
(2)増長する。「牛の骨馬の骨やら知れぬ身の―・び過ぎたる推参/浄瑠璃・都富士」
潤ふ
うる・う ウルフ 【潤ふ】
■一■ (動ハ四)
うるおう。しめる。「富の小川の末なればいづれの秋か―・はざるべき/栄花(日蔭のかづら)」
■二■ (動ハ下二)
うるおす。しめらす。「一渧(ヒトシタダリ)の水を得しめて,まづ喉(ノンド)を―・へよ/今昔 10」
潤み
うるみ [0][3] 【潤み】
(1)うるむこと。湿りけを帯びること。「―を帯びた目で見つめる」
(2)しっとりとした趣。うるおい。
(3)濁ること。濁り。曇り。
(4)酒を醸造する際に出る泡に曇りがあること。また,清酒の濁ったもの。
潤みのある
うるみ【潤みのある】
[潤んだ]⇒潤む.
潤み塗
うるみぬり [0] 【潤み塗(り)】
潤み朱色の漆で塗ったもの。うるみしゅ塗り。
潤み塗り
うるみぬり [0] 【潤み塗(り)】
潤み朱色の漆で塗ったもの。うるみしゅ塗り。
潤み声
うるみごえ [4] 【潤み声】
泣き出しそうな声。「少し―の愛想(アイソ)づかし/当世書生気質(逍遥)」
潤み朱
うるみしゅ [3] 【潤み朱】
黒ずんだ朱色,また,その色の漆塗り。「―の煙草盆/浮世草子・一代男 1」
潤み椀
うるみわん [3] 【潤み椀】
潤み朱色の漆で塗った椀。潤み塗りの椀。
潤み色
うるみいろ [0] 【潤み色】
青黒く,あるいは赤黒く濁って,はっきりしない色。
潤む
うるむ【潤む】
be wet[filled] <with tears> .→英和
潤んだ[ぬれた]wet;[かすんだ]dim;→英和
cloudy;→英和
opaque (不透明な).→英和
潤む
うる・む [2] 【潤む】 (動マ五[四])
(1)うるおいを帯びる。ぬれる。「目が―・む」
(2)輪郭などがぼやける。「明かりが―・んで見える」
(3)涙声になる。「―・む声を震はして/色懺悔(紅葉)」
(4)強く打ったりつねられたりして青あざになる。「疵ガ―・ム/ヘボン」[和名抄]
(5)果実が熟して,色が変わる。[日葡]
潤沢
じゅんたく [0] 【潤沢】 (名・形動)[文]ナリ
(1)物が豊富にある・こと(さま)。「―な資金」「―にある物資」「―な髪の毛の重みに/或る女(武郎)」
(2)つや。うるおい。また,うるおいがあること。「―な黒い瞳」「寒く―を帯びたる肌の上に/草枕(漱石)」
(3)利益。もうけ。
潤沢
じゅんたく【潤沢】
abundance.→英和
〜な abundant;ample;→英和
plentiful.→英和
潤滑
じゅんかつ [0] 【潤滑】
(1)うるおいがあり,なめらかなこと。
(2)機械の摩擦部分の,高熱や焼き付きを防ぎ,摩擦をできるだけ少なくすること。
潤滑剤
じゅんかつざい [4][0] 【潤滑剤】
機械の摩擦部分の摩擦熱や摩耗を防ぐための油脂や薬剤。減摩剤。
潤滑油
じゅんかつゆ [4][3] 【潤滑油】
(1)機械の摩擦部分の発熱や摩耗を防ぐための油。
(2)物事を円滑に運ぶための役割。また,その人。「永年,労使間の―の役を果たす」
潤滑油
じゅんかつゆ【潤滑油】
lubricating oil;(a) lubricant.→英和
潤目
うるめ [0] 【潤目】
「うるめいわし」の略。
潤目鰯
うるめいわし [4] 【潤目鰯】
ニシン目の海魚。全長30センチメートルになる。イワシの一種で,体は円筒形。腹部の横断面は円形に近い。背部は青緑色,腹部は銀白色に輝く。目はやや大きく,脂瞼(シケン)という透明膜がかぶさり,うるんだように見える。外洋性の回遊魚で群泳する。干物にすると美味。北海道以南の暖海に広く分布。ウルメ。[季]冬。
潤筆
じゅんぴつ [0] 【潤筆】
筆で書画などを書くこと。
潤筆料
じゅんぴつりょう [4] 【潤筆料】
書画や文章をかいた報酬。揮毫料(キゴウリヨウ)。
潤色
じゅんしょく【潤色】
(an) embellishment.→英和
〜する embellish;→英和
color.→英和
潤色
じゅんしょく [0] 【潤色】 (名)スル
(1)文にいろどりを加えること。
(2)表面をつくろったり,おもしろく飾りたてたりすること。「事実を―する」「―を加える」「―を交える」
(3)光彩を添え飾ること。「哀れ―やと悦び勇まぬ者はなし/太平記 10」
(4)利益となるもの。めぐみ。「鼠をほろぼすといふも,我―にあらず,汝が餌食とせんためなり/仮名草子・伊曾保物語」
潤香
うるか [0] 【鱁鮧・潤香】
鮎(アユ)の内臓や子を塩漬けにした食品。苦みがあり酒肴として珍重する。
潦
にわたずみ ニハタヅミ 【潦】
■一■ (名)
雨が降って地上にたまったり流れたりする水。「はなはだも降らぬ雨故―いたくな行きそ人の知るべく/万葉 1370」
■二■ (枕詞)
比喩的に「流るる」「川」「行方知らぬ」などにかかる。「―流るる涙止めそかねつる/万葉 178」
潦水
ろうすい ラウ― [0] 【潦水】
たまり水。にわたずみ。「―なほ去らず/日乗(荷風)」
潭
ふち [2] 【淵・潭】
(1)水の深い所。川などのよどんだ所。
⇔瀬
(2)なかなかぬけ出すことのできない苦境。「絶望の―に沈む」
潭心
たんしん [0] 【潭心】
深い淵の底。みなそこ。
潭月
たんげつ [1] 【潭月】
よどみに映っている月。
潭水
たんすい [0] 【潭水】
深くたたえられた水。淵の水。
潭潭
たんたん [0][3] 【潭潭】 (ト|タル)[文]形動タリ
水が深くたたえられているさま。「深淵―として,巨海の波に浮かべるが如し/盛衰記 35」
潮
しお シホ [2] 【潮・汐】
(1)月および太陽の引力によって,海水が周期的に満ちたり引いたりすること。うしお。「―が満ちる」「大―」
(2)物事をするのにちょうどよい時期。しおどき。「それを―に席を立つ」「之を―に…庭の方へ走出(ハセイズ)るに/鉄仮面(涙香)」
(3)愛嬌(アイキヨウ)。「尼崎とは海近く何故にそなたは―がない/浄瑠璃・五十年忌(下)」
(4)江戸時代,大坂新町の遊女の階級で,鹿恋(カコイ)の次,影の上の位。「三五以上の月の顔,さす―影の訳もよき/浄瑠璃・寿の門松」
〔「潮」は朝のしお,「汐」は夕べのしお〕
潮
しお【潮】
the tide;→英和
a current (潮流);→英和
sea water (海水);an opportunity (機会).→英和
潮
うしお【潮】
a tide;→英和
seawater.〜のごとく押し寄せる surge <on> .→英和
潮
うしお ウシホ [0] 【潮】
(1)満ち干(ヒ)する海水。しお。「―のごとく敵が押し寄せる」
(2)海の水。
(3)海水の流れ。潮流。
(4)潮汁(ウシオジル)のこと。
潮する
ちょう・する テウ― [3] 【潮する】 (動サ変)[文]サ変 てう・す
おもてに表す。多く,「紅を潮する」の形で,顔が赤らむの意に用いる。「満面に紅(コウ)を―・す/花柳春話(純一郎)」
潮の目
しおのめ シホ― [0] 【潮の目】
⇒潮目(シオメ)
潮上
しおがみ シホ― [0] 【潮上】
潮の干満の時,海水が流れ動いてくる方向。しおかみ。
潮位
ちょうい テウヰ [1] 【潮位】
基準面から測った海面の高さ。潮の満ち引きによって変化する。潮高。
潮先
しおさき シホ― [0][4] 【潮先】
(1)潮がさしてくる時。また,さしてくる潮の波先。しおがしら。
(2)物事の始まる時。しお。「いで此の―をかりてなさくじりそ/落窪 1」
潮入り
しおいり シホ― [0][4] 【潮入り】
川・沼などに海水が入りこむこと。また,その場所。
潮切り
しおきり シホ― [0][4] 【潮切り】
(1)和船の荷船で,波を避けるために,艪床(ロドコ)の外側につけるもの。浪(ナミ)切り。
(2)和船で,水押(ミヨシ)の水中にある部分。浪(ナミ)切り。
潮前河豚
しょうさいふぐ [5] 【潮前河豚】
フグ目の海魚。全長30センチメートルほど。やや小形のフグで,体表に明瞭なとげはない。背面は淡い青緑色に暗褐色の小斑が一面にあり,腹面と尻びれは白い。食用とされているが卵巣・肝臓は猛毒,肉は弱毒。本州以南の沿岸に広く分布。ナゴヤフグ。
潮力
ちょうりょく テウ― [1] 【潮力】
潮の干満による水位の差によって起こるエネルギー。
潮力発電
ちょうりょくはつでん テウ― [5] 【潮力発電】
潮の干満の差を利用して発電する方式。潮汐(チヨウセキ)発電。
潮勢
ちょうせい テウ― [0] 【潮勢】
(1)潮流の勢い。
(2)時勢のなりゆき。風潮。潮流。
潮合
しおあい シホアヒ [0][3] 【潮合(い)】
(1)潮の満ち引きの度合。しおどき。
(2)ちょうどよい時機。しおどき。「つい起(タチ)そそくれて―を失ひ/浮雲(四迷)」
(3)潮流がぶつかりあう所。
潮合い
しおあい シホアヒ [0][3] 【潮合(い)】
(1)潮の満ち引きの度合。しおどき。
(2)ちょうどよい時機。しおどき。「つい起(タチ)そそくれて―を失ひ/浮雲(四迷)」
(3)潮流がぶつかりあう所。
潮吹き
しおふき シホ― [3][4][0] 【潮吹き】
(1)クジラの呼気。体内で温められ湿った空気が急激に体外へ吐き出され,水蒸気が水滴となり,同時に鼻孔周辺の海水も一緒に吹き上げられる。
(2)船の舵の羽板(ハイタ)に開けた穴。輪精(リンセイ)。
(3)「潮吹き面」の略。
(4)海産の二枚貝。殻長5センチメートル前後で,丸みのある三角形。殻表は黄褐色で細かい輪脈がある。内湾の潮間帯の砂泥にすむ。佃煮(ツクダニ)にする。しおふきがい。
潮吹き面
しおふきめん シホ― [4] 【潮吹き面】
火男(ヒヨツトコ)の面。潮吹き。
潮回り
しおまわり シホマハリ [3] 【潮回り】
約一五日周期の潮の変化。
潮垂れる
しおた・れる シホ― [0][4] 【潮垂れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 しほた・る
(1)元気がなくなる。あわれな様子になる。「しよぼしよぼと―・れた姿で帰つて来る/田舎教師(花袋)」
(2)(海水にぬれて)しずくが垂れる。ぐっしょりぬれる。「髪も袴も―・れて/平家 9」
(3)涙にぬれる。また,嘆き沈む。「いと尊ければ皆人―・れ給ふ/源氏(鈴虫)」
潮境
しおざかい シホザカヒ [3] 【潮境】
(1)異なる二つの海流が出合う所。しばしば潮目(シオメ)が生じる。
→潮目
(2)河水と海水の境目。
(3)物事の境目。「今が浮沈の―/浮雲(四迷)」
潮安
ちょうあん テウアン 【潮安】
(1)中国,もと広東省の県。現在は潮州市に合併。
(2)潮州市の旧称。チャオアン。
潮害
ちょうがい テウ― [0] 【潮害】
⇒塩害(エンガイ)(1)
潮岬
しおのみさき シホ― 【潮岬】
紀伊半島南端,太平洋に突出する本州最南端の岬。岬一帯は海抜40〜80メートルの平坦な隆起海食台地からなる陸繋(リクケイ)島。
潮州
ちょうしゅう テウシウ 【潮州】
中国,広東省東部の都市。古くは潮安といわれた。韓江デルタの北端に位置し,夏布・彫刻・竹細工などの工芸品を産する。チャオチョウ。
潮差
ちょうさ テウ― [1] 【潮差】
ある地点における満潮と干潮との海面の高さの差。
潮干
しおひ シホ― [3] 【潮干】
(1)潮が引くこと。また,潮が引いて現れた海浜。[季]春。《青柳の泥にしだるゝ―かな/芭蕉》
(2)「潮干狩り」の略。「―と桜こぎわける柳ばし/柳多留 93」[季]春。《―より今帰りたる隣かな/正岡子規》
潮干の名残
しおひのなごり シホ― 【潮干の名残】
潮が引いたあとに残った水たまり。「難波潟―よく見てむ/万葉 976」
潮干る珠
しおひるたま シホヒル― 【潮干る珠】
⇒しおふるたま(潮干珠)
潮干る珠
しおふるたま シホフル― 【潮干る珠】
潮を引かせる力をもつという珠。干珠(カンジユ)。しおひるたま。しおひるに。
⇔潮満つ珠
「若し其れ愁ひ請(マオ)さば―を出して活かし/古事記(上訓)」
潮干潟
しおひがた シホ― 【潮干潟】
海水が引いて現れた干潟。[季]春。「沖つ風吹上の浜の―/新千載(冬)」
潮干狩
しおひがり【潮干狩】
<go> gathering shellfish at low tide.
潮干狩
しおひがり シホ― [3] 【潮干狩(り)】
潮の引いた浜へ出て,アサリやハマグリなどの貝をとって遊ぶこと。春の大潮の時が好期で,かつては陰暦三月三日の行事でもあった。しおひ。[季]春。《ぬるき汐つめたき汐や―/富安風生》
潮干狩り
しおひがり シホ― [3] 【潮干狩(り)】
潮の引いた浜へ出て,アサリやハマグリなどの貝をとって遊ぶこと。春の大潮の時が好期で,かつては陰暦三月三日の行事でもあった。しおひ。[季]春。《ぬるき汐つめたき汐や―/富安風生》
潮待ち
しおまち シホ― [4] 【潮待ち】 (名)スル
(1)釣りで,潮が動き出すのを待つこと。
(2)好機を待つこと。「うら茶屋ばいりの―もたいぎだから/安愚楽鍋(魯文)」
(3)「潮懸かり」に同じ。
潮懸かり
しおがかり シホ― [3] 【潮懸(か)り】
逆潮(船の進行方向と逆の潮の流れ)にあった船が,一時停泊し順潮を待つこと。櫓漕(ロコ)ぎ・帆走に依存した時代の重要な航海技術の一。潮待ち。
潮懸り
しおがかり シホ― [3] 【潮懸(か)り】
逆潮(船の進行方向と逆の潮の流れ)にあった船が,一時停泊し順潮を待つこと。櫓漕(ロコ)ぎ・帆走に依存した時代の重要な航海技術の一。潮待ち。
潮招
しおまねき シホ― [3] 【潮招・望潮】
海産のカニ。甲幅3センチメートル内外。砂泥地の干潟にすむ。雄は片方のはさみが著しく大きくなり,これを上下に振る動作が潮を招くように見えるのでこの名がある。砕いて塩辛にしたものを「蟹漬(ガンヅケ)」といい,有明海沿岸の名物。紀伊半島以南に広く分布。タウチガニ。[季]春。
潮招[図]
潮時
しおどき【潮時(を外す)】
(let slip) an opportunity.→英和
⇒機会.
潮時
しおどき シホ― [0] 【潮時】
(1)潮が満ちたり引いたりする時。「満潮の―にかかる」
(2)物事をするのにちょうどよい時。「―を見計らう」「物には―というものがある」
潮曇
しおぐもり シホ― [3] 【潮曇(り)】
海上の潮けによって,空または海面がくもること。
潮曇り
しおぐもり シホ― [3] 【潮曇(り)】
海上の潮けによって,空または海面がくもること。
潮来
いたこ 【潮来】
茨城県行方(ナメガタ)郡の町。霞ヶ浦と北浦とを結ぶ北利根川に面した水郷地帯の中心地。
潮来節
いたこぶし 【潮来節】
俗謡。潮来の船唄に由来。江戸の花柳界から各地に広まり,盆踊り唄・お座敷唄・仕事唄などとして唄われた。
潮染
うしおぞめ ウシホ― [0] 【潮染(め)】
浴衣地などに,鮮やかな青色の合成染料を用いて型付け染めをしたもの。洗濯や日光にも褪(ア)せにくい。
潮染む
しおじ・む シホ― 【潮染む】 (動マ四)
(1)海の水や潮の気がしみ込む。海のにおいがしみ付く。「世を海にここら―・む身となりて/源氏(明石)」
(2)慣れる。世慣れる。「この方に―・みたる人はいかなるも心やすげなり/浜松中納言 3」
潮染め
うしおぞめ ウシホ― [0] 【潮染(め)】
浴衣地などに,鮮やかな青色の合成染料を用いて型付け染めをしたもの。洗濯や日光にも褪(ア)せにくい。
潮桶
しおおけ シホヲケ [3] 【潮桶】
塩をつくるために海水をくむ桶。
潮止め
しおどめ シホ― [0][4] 【潮止め】
干拓工事で,海水をせき止める堤防の開口部を締めきって,干拓地から海水を完全に遮断すること。「―口」
潮気
しおけ シホ― [3] 【潮気】
塩分を含んだ湿りけ。また,潮の香。
潮水
しおみず シホミヅ [2] 【潮水】
海の水。うしお。
潮水
ちょうすい テウ― [0] 【潮水】
海の水。しおみず。うしお。
潮汁
うしおじる ウシホ― [4] 【潮汁】
魚介を実(ミ)とし,塩だけで味をつけた吸い物。うしお。うしおに。
潮汁
しおじる シホ― [3] 【潮汁・塩汁】
(1)塩で調味した汁。
(2)海水。また,塩水。
潮汐
ちょうせき テウ― [0] 【潮汐】
海面が周期的に昇降する現象。主に月および太陽の引力の作用による。特に,月の作用による太陰潮が大きな部分を占め,新月または満月の頃太陰潮と太陽潮が重なりあって大潮となり,上弦または下弦の頃小潮となる。ある地点での一日の干満は普通二回あり,平均一二時間二五分で次の干または満を迎え,毎日平均約五〇分の遅れを生じて現れる。
潮汐摩擦
ちょうせきまさつ テウ― [5] 【潮汐摩擦】
潮流と海底との摩擦。これにより地球の自転速度が遅くなる。
潮汐発電
ちょうせきはつでん テウ― [5] 【潮汐発電】
「潮力(チヨウリヨク)発電」に同じ。
潮汐表
ちょうせきひょう テウ―ヘウ [0] 【潮汐表】
各地の潮汐の予報数値を記載した表。
潮汲み
しおくみ シホ― [3][4] 【潮汲み・汐汲み】 (名)スル
塩をつくるために海水を汲むこと。また,その人。
潮況
ちょうきょう テウキヤウ [0] 【潮況】
潮流の状況。
潮泡
しおなわ シホ― 【潮泡・塩沫】
〔「しおのあわ」の転〕
海水のあわ。しおあわ。「―の留まる限り/祝詞(祈年祭)」
潮泡
しおあわ シホ― 【潮泡】
⇒しおなわ(潮泡)
潮津浪
しおつなみ シホ― [3] 【潮津浪】
⇒海嘯(カイシヨウ)
潮流
ちょうりゅう テウリウ [0] 【潮流】
(1)潮の流れ。
(2)海の干満によっておこる海水の流れ。一日に二回ずつ,その流れの方向が逆になる。
(3)時勢の動き。時代の流れ。「時代の―に乗る」
潮流
ちょうりゅう【潮流】
a current;→英和
[時世の]a tendency;→英和
a trend.→英和
潮浴み
しおゆあみ シホ― 【潮浴み】
海水に浴すること。潮湯治(シオトウジ)。「播磨の明石といふ所に―にまかりて/後拾遺(羇旅詞)」
潮海
しおうみ シホ― 【潮海】
塩分を含んでいる海。海。淡海(アワウミ)に対していう。「―のほとりにてあざれあへり/土左」
潮涸る瓊
しおひるに シホヒル― 【潮涸る瓊】
「しおふるたま(潮干珠)」に同じ。「則ち―を出して以て救ひたまへ/日本書紀(神代下訓)」
潮湯
しおゆ シホ― [2] 【塩湯・潮湯】
(1)「塩風呂(シオブロ)」に同じ。
(2)塩分を含む温泉。
(3)食塩を加えた白湯(サユ)。
潮湯治
しおとうじ シホタウヂ [3] 【潮湯治】
病気の治療のために海水につかること。また,海水浴。しおゆあみ。
潮満つ珠
しおみつたま シホミツ― 【潮満つ珠】
潮を満ちさせる力をもつという珠。満珠(マンジユ)。しおみつに。
⇔潮干(フ)る珠
「攻め戦はば,―を出して溺らし/古事記(上訓)」
潮満つ瓊
しおみつに シホミツ― 【潮満つ瓊】
「しおみつたま(潮満珠)」に同じ。「―を出せば則ち潮大きに溢(ミ)ちて/日本書紀(神代下訓)」
潮溜まり
しおだまり シホ― [3] 【潮溜まり】
潮が引いたあとも海水が残っている岩礁上のくぼみ。タイド-プール。
潮瀬
しおせ シホ― 【潮瀬】
潮の流れるところ。潮流。「―のなをりを見れば,遊びくる鮪(シビ)がはたてに妻立てり見ゆ/古事記(下)」
潮焼け
しおやけ シホ― [0] 【潮焼け】 (名)スル
(1)皮膚が,潮風に吹かれ,日光を受けて,赤黒く焼けること。「―したたくましい顔」
(2)海上の水蒸気が日光を受け赤く映えること。
潮煙
しおけむり シホ― [3] 【潮煙】
海水が岩にくだけて飛び散るしぶき。しおけぶり。「岩の間から―が立つ」
潮煮
うしおに ウシホ― [0] 【潮煮】
⇒潮汁(ウシオジル)
潮目
しおめ シホ― [0][3] 【潮目】
異なる二つの潮流の接する海面に現れる帯状の筋。寒流と暖流の出合う付近などに見られ,しばしば好漁場となる。しおのめ。
潮舟
しおぶね シホ― 【潮舟】
海路を行く船。「―にま楫(カジ)しじ貫き我は帰り来む/万葉 4368」
潮舟の
しおぶねの シホ― 【潮舟の】 (枕詞)
舟の並び行くさまや,浜に置かれたさまからいうか。「並ぶ」「置く」にかかる。「―並べて見れば/万葉 3450」
潮虫
しおむし シホ― [2] 【潮虫】
甲殻綱等脚目の節足動物。体は平たい卵円形。体長15ミリメートルほど。背面は淡褐色で黒点が散在する。乾燥して養殖魚の餌(エサ)とする。北海道・千島の沿岸の砂泥底にすむ。
潮見
しおみ シホ― [3][0] 【潮見】
潮時・潮の具合を見ること。
潮見橋
しおみばし シホ― [3] 【潮見橋】
日本庭園で池尻の狭い場所などにかけ渡す橋。古船の底板を使って作る。
潮解
ちょうかい テウ― [0] 【潮解】 (名)スル
空気中に放置された結晶が,空気中の水分を吸収して溶解すること。塩化マグネシウム・塩化カルシウムなどがこの性質を示す。
潮解
ちょうかい【潮解】
《化》deliquescence.〜する deliquesce.→英和
潮解く
しおど・く シホ― 【潮解く】 (動カ下二)
(1)びっしょりぬれる。「雨少しうち降りて田子の袂も―・けたり/栄花(御裳着)」
(2)涙にぬれる。「あはれにて―・け暮らし/栄花(月の宴)」
潮解けし
しおどけ・し シホ― 【潮解けし】 (形ク)
海水にぬれている。また,涙にぬれている。「よる浪にたちかさねたる旅ごろも,―・しとや人のいとはむ/源氏(明石)」
潮足
しおあし シホ― [0][2] 【潮足】
潮の満ち引きの速さ。
潮路
しおじ シホヂ [0][2] 【潮路・汐路】
(1)潮のさしひきの通り道。
(2)海上の通路。海路。「八重の―に日をくらし/平家 7」
潮間
しおま シホ― [0][3] 【潮間】
潮が引いている間。
潮間帯
ちょうかんたい テウカン― [0] 【潮間帯】
高潮線と低潮線との間の海岸。波と砂・礫(レキ)がつくった微地形や,波食棚が見られる。満潮時は海水に浸され,干潮時は空気にさらされるなど,生物にとっては厳しい環境となる。
潮音
ちょうおん テウ― [0][1] 【潮音】
海の波の音。潮声。海潮音。
潮頭
しおがしら シホ― [3] 【潮頭】
さしてくる潮の波がしら。しおさき。
潮頸
しおくび シホ― [2][0] 【潮頸・塩首】
⇒螻蛄首(ケラクビ)
潮風
しおかぜ【潮風】
a sea breeze.
潮風
しおかぜ シホ― [2] 【潮風】
潮けを含んだ海からの風。
潮風呂
しおぶろ シホ― [0] 【塩風呂・潮風呂】
海水や塩水を沸かした風呂。塩湯。[日葡]
潮馴る
しおな・る シホ― 【潮馴る】 (動ラ下二)
潮けがしみてよれよれになる。「いかに伊勢をの海士(アマ)の―・れてや/源氏(空蝉)」
潮騒
しおさい シホサヰ [0] 【潮騒】
〔「しおざい」とも〕
潮がさしてくる時の波の音。寄せ来る波が立てる音。
潮騒
しおさい【潮騒】
the sound of the sea.→英和
潮騒
しおさい シホサヰ 【潮騒】
小説。三島由紀夫作。1954年(昭和29)刊。太陽あふれる歌島の,若く健康な肉体と精神を持つ男女の恋物語を,ギリシャ的様式美のうちに描く。
潮高
ちょうこう テウカウ [0] 【潮高】
⇒潮位(チヨウイ)
潮鰤
しおぶり シホ― [3] 【潮鰤】
塩蔵品にしたブリ。
潮鳴り
しおなり シホ― [0] 【潮鳴り】
遠くから聞こえる,寄せては返す波の音。
潯陽
じんよう ジンヤウ 【潯陽】
中国,江西省北部の九江市付近の古名。白居易の「琵琶行」に歌われた潯陽江は,九江付近の北を流れる長江の別称。
潰え
ついえ ツヒエ 【潰え・弊え】
〔動詞「潰(ツイ)える」の連用形から〕
くずれること。つぶれること。弱ること。「王の政の―未だ必ず此に由(ヨ)らずはあるべからず/日本書紀(欽明訓)」
潰える
ついえる【潰える】
collapse;→英和
be routed.
潰える
つ・える 【潰える・熟える・費える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 つ・ゆ
〔「つひゆ」の転か〕
(1)熟しきる。熟したものやうんだものがつぶれる。「―・え過ぎた葡萄めく色を帯びたのが/あひびき(四迷)」「ハレモノガ―・エタ/日葡」
(2)つぶれる。崩れる。「キシガ―・エタ/日葡」
(3)浪費してなくなる。「タカラガ―・ユル/日葡」
潰える
つい・える ツヒエル [3][0] 【潰える・弊える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 つひ・ゆ
(1)形が崩れる。こわれる。「この家今は―・へて断礎をのみぞ留めたる/即興詩人(鴎外)」
(2)戦いに負けて総くずれとなる。「軍勢ガ―・エル/ヘボン(三版)」
(3)計画や希望などがうまくいかず,すっかりだめになる。「夢が―・える」
(4)疲弊する。生気がなくなる。「大乱の後民―・え人苦んで/太平記 13」
(5)やつれる。弱る。「年頃いたう―・えたれど/源氏(蓬生)」
〔「ついやす」に対する自動詞〕
潰し
つぶし [0] 【潰し】
〔動詞「つぶす」の連用形から〕
(1)金属製の器物などを溶かして地金(ジガネ)にすること。また,そのもの。「―の値段」
(2)あいている時間をいろいろなことをして費やすこと。「ひま―」「時間―」
(3)「潰し島田」の略。「しま田わげを―にゆひ/安愚楽鍋(魯文)」
潰しがきく
つぶし【潰しがきく】
have scrap value (品物);be good[useful]in other lines of work (人).
潰し値段
つぶしねだん [4] 【潰し値段】
(1)金属製品などの,地金(ジガネ)としての値段。
(2)製品などを廃品としたときの値段。つぶしね。
潰し島田
つぶししまだ [4] 【潰し島田】
女の髪の結い方の一。島田まげのまげの部分を低く押しつぶしたように結ったもの。つぶしまげ。つぶし。
潰し島田[図]
潰し金
つぶしきん [0] 【潰し金】
金属製の器物を溶かして地金としたもの。
潰し餡
つぶしあん [0] 【潰し餡】
小豆(アズキ)を柔らかく煮,皮を除かずに練った餡。
潰す
つや・す 【潰す】 (動サ四)
(1)ついやす。浪費する。「タカラヲ―・ス/日葡」
(2)つぶす。滅ぼす。「かの入鹿の大臣はてむがを軽するのみならず。国を―・すげきとたり/幸若・入鹿」
潰す
つぶす【潰す】
[砕く]break;→英和
crush;→英和
smash;→英和
mash <potatoes> ;→英和
[身代を]ruin <oneself> ;→英和
dissipate;→英和
[時間を]waste;→英和
kill <time> ;→英和
[人の面目を]make <a person> lose face;[屠殺]kill;butcher.→英和
潰す
つぶ・す [0] 【潰す】 (動サ五[四])
(1)立体物に力を加えて,厚み・高さをなくしてひらたくし,本来の形をくずす。押しつぶす。「マッチ箱を手で―・す」「しらみを―・す」
(2)立体物に力を加えて細かくする。「大豆を―・して粉にする」
(3)体の器官の機能をそこなう。役に立たなくする。「喉(ノド)を―・す」「目を―・す」
(4)組織や団体の活動を継続できなくさせる。また,財産をつかいはたす。「会社を―・す」「身上(シンシヨウ)を―・す」
(5)こわす。駄目にする。「企画がことごとく―・された」「チャンスを―・す」
(6)ほかの用途に用いるために変形する。「植え込みを―・して駐車場にする」「銀の食器を―・して地金(ジガネ)にする」
(7)家畜を,食べるために殺す。「鶏を―・して食べる」
(8)他人の体面をそこなう。「面目を―・す」「顔を―・す」
(9)あいているところを埋める。「休日をテニスで―・す」「ひまを―・す」「余白を―・す」
(10)動詞の連用形の下に付いて用いられる。
(ア)…して細かくする意を表す。「すり―・す」
(イ)…してもうそれ以上使えなくする意を表す。「靴を履き―・す」「万年筆を五本も書き―・した」
(ウ)…してなくす意を表す。「遺産を食い―・す」「文字を塗り―・す」
(11)「肝をつぶす」などの形でひどく驚くの意を表す。「ともすれば御胸―・し給へど/源氏(真木柱)」
〔「潰れる」に対する他動詞〕
[可能] つぶせる
潰ゆ
つ・ゆ 【潰ゆ・熟ゆ・費ゆ】 (動ヤ下二)
⇒つえる
潰ゆ
つい・ゆ ツヒユ 【潰ゆ・弊ゆ・費ゆ】 (動ヤ下二)
⇒ついえる(潰・弊)
⇒ついえる(費)
潰る
つぶ・る 【潰る】 (動ラ下二)
⇒つぶれる
潰れ
つぶれ [0] 【潰れ】
(1)すりへること。「やすりの目の―」
(2)むだになること。「折角の日曜も此頃は―で御座います/酒中日記(独歩)」
(3)用をなさなくなること。
(4)滅びること。
潰れる
つぶ・れる [0] 【潰れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 つぶ・る
(1)立体物に上からの力が加わって,厚み・高さがなくなり,ひらたくなる。「雪の重さで家が―・れる」「かかとの―・れた靴」
(2)角(カド)がすり減って丸くなる。また,小さくなる。「刃が―・れる」「やすりの目が―・れる」
(3)体の器官の機能が失われる。「大声を出し過ぎて声が―・れてしまった」
(4)組織や団体が活動を継続できなくなる。「不況で会社が―・れる」「人ノ身代ガ―・ルル/日葡」
(5)成立しなくなる。こわれる。「企画が―・れる」「チャンスが―・れる」
(6)活動できなくなる。
(ア)酔っぱらって動けなくなる。「酔い―・れる」
(イ)失敗したり,きびしい批判を受けたりして再起できなくなる。「失敗が続いて―・れてしまった」
(7)体面がそこなわれる。「面目が―・れる」「顔が―・れる」
(8)驚きや悲しみに心がひどく動揺することにいう。「胸が―・れる」「肝(キモ)が―・れる」「いみじうにくき人の来たるにもまた―・る/枕草子 150」
(9)あいているところが埋まる。多くの時間がむだに費やされる場合についていう。「一日が雑用で―・れる」
〔「潰す」に対する自動詞〕
潰れる
つぶれる【潰れる】
[砕ける]break;→英和
crash;→英和
collapse;→英和
be crushed[smashed,destroyed];[破産]⇒破産.目(面目)が〜 lose one's sight (face).
潰れ地
つぶれち [3] 【潰れ地】
江戸時代,主として水害による大量の土砂流入のために生産能力を喪失した田畑のこと。年貢が免除された。
潰れ百姓
つぶれびゃくしょう [4] 【潰れ百姓】
江戸時代,年貢増徴や凶作,商品経済の浸透などによって破産した百姓のこと。江戸中期以降多く発生し,その多くは都市に流入し,農村荒廃や都市の社会問題の原因となった。
→人返し
潰乱
かいらん クワイ― [0] 【壊乱・潰乱】 (名)スル
(秩序などを)乱しやぶること。「風俗を―する/社会百面相(魯庵)」
潰崩
かいほう クワイ― [0] 【壊崩・潰崩】 (名)スル
建物や組織などがくずれこわれること。崩壊。「陣形全く―して/此一戦(広徳)」
潰散
かいさん クワイ― [0] 【潰散】 (名)スル
戦いに負けて軍勢がちりぢりになること。「我砲丸の激烈なるに恐怖し一時に―し/新聞雑誌 5」
潰決
かいけつ クワイ― [0] 【潰決】 (名)スル
堤防などが切れること。決潰。「積水の―し其勢の禦ぐ可からざる/明六雑誌 7」
潰滅
かいめつ クワイ― [0] 【壊滅・潰滅】 (名)スル
組織・機構などがすっかりこわれてなくなること。「大地震で村が―した」「―的な打撃を受ける」
潰爛
かいらん クワイ― [0] 【潰爛】 (名)スル
やぶれくずれること。
潰瘍
かいよう【潰瘍】
《医》an ulcer.→英和
胃潰瘍 an ulcer of the stomach.→英和
潰瘍
かいよう クワイヤウ [0] 【潰瘍】
体の組織の表面が炎症をおこしてくずれ,内部の組織にまでその傷が及ぶこと。「胃―」
潰裂
かいれつ クワイ― [0] 【壊裂・潰裂】 (名)スル
やぶれさけること。くずれさけること。「陣形全く―する/此一戦(広徳)」
潰走
かいそう クワイ― [0] 【潰走】 (名)スル
戦いに負けて秩序なく逃げること。「敵は背嚢(ハイノウ)見せて―し/肉弾(忠温)」
潰走する
かいそう【潰走する】
retreat in disorder.〜させる put <the enemy> to rout.
潸潸
さんさん [0][3] 【潸潸】 (ト|タル)[文]形動タリ
涙をはらはらと流すさま。「泣倒れて,―たる涙を袂に受け/緑簑談(南翠)」
潸然
さんぜん [0] 【潸然】 (ト|タル)[文]形動タリ
涙を流すさま。「―として一掬の涙を紫の袴の上に落した/吾輩は猫である(漱石)」
潺湲
せんえん [0] 【潺湲】 (ト|タル)[文]形動タリ
「せんかん(潺湲)」に同じ。「流は―として次第に細く/日光山の奥(花袋)」
潺湲
せんかん [0] 【潺湲】 (ト|タル)[文]形動タリ
〔「せんえん」とも〕
水の流れるさま。また,その音を表す語。「渓間(タニマ)の清水が―と苔の上をしたたる/少年(潤一郎)」
潺潺
せんせん [0] 【潺潺】 (ト|タル)[文]形動タリ
水がさらさらと流れるさま。「飛泉―として其の間に噴出す/雪中梅(鉄腸)」
潼関
どうかん ドウクワン 【潼関】
中国,陝西省東端の都市。南流する黄河が華山に突き当たり,東に流れを変える地点の南岸にある。洛陽から長安に通じる門戸で,後漢時代に関所が設けられた。トンコワン。
澄まし
すまし [3] 【澄まし・清し】
〔動詞「澄ます」の連用形から〕
(1)「澄まし汁」に同じ。
(2)酒の席で,杯を洗うための水。また,それを入れておく器。
(3)(多く「おすまし」の形で)きどること。まじめを装うこと。また,その人。
(4)洗い清めること。洗濯や掃除。「御―の事などせさせ奉り給へ/宇津保(国譲中)」
(5)「すまし女(メ)」に同じ。「おほやけ人,―・長女(オサメ)などして/枕草子 87」
澄ましバター
すましバター [4] 【澄まし―】
バターを湯煎などで溶かして得られる上澄み。ブール-クラリフィエ。
澄まし屋
すましや [0] 【澄まし屋】
気取ってまじめな顔つきをする人。おすまし。
澄まし屋
すましや【澄まし屋】
a prim person (つんとした);an affected person (気取った).
澄まし汁
すましじる [4] 【澄まし汁・清し汁】
(1)出し汁に醤油・塩などで味をつけた透明な吸い物。
(2)味噌汁の上澄み。
澄まし汁
すましじる【澄まし汁】
clear soup.
澄ます
すま・す [2] 【澄ます・清ます】 (動サ五[四])
(1)水などを濁りのない状態にする。「水を―・す」
(2)雑念を払って,心を落ち着かせる。「心を―・して字を書く」「琵琶をしらめて夜もすがら心を―・し/平家 5」
(3)一つのことに注意を向ける。「耳を―・す」「諸人目を―・して見る処に/保元(上・古活字本)」
(4)曇りを取り去って,さえた状態にする。「五六撥をいとおもしろく―・して弾き給ふ/源氏(若菜下)」
(5)(自動詞的に用いて)よそ行きの表情やそぶりをする。そんなことにはかかわりがないという表情やそぶりをする。「おつに―・した顔」「他人に迷惑をかけても―・している」
(6)動詞の連用形の下に付いて,
(ア)一心に…する。精神を集中して…する。「笛を吹き―・す」「おこない―・す」
(イ)すっかり…する。完全に…する。「刀を研ぎ―・す」「医者になり―・す」
(7)洗い清める。「その日御髪―・し,端に居て乾し居給へる中に/宇津保(初秋)」
(8)世の中が平安になるようにする。鎮定する。「一天をしづめ,四海を―・す/平家 12」
(9)道理を明らかにする。是非をはっきりさせる。「理ヲ―・ス/日葡」
〔「澄む」に対する他動詞〕
[可能] すませる
澄ます
すます【澄ます】
[水などを]clear;→英和
clarify.→英和
澄ました prim;→英和
affected.→英和
澄ましている be affected (気取って);look prim (つんとして);look serious[grave](まじめくさって);affect[feign]ignorance (知らぬ顔で).耳を〜 listen closely[with all one's ears].
澄みやか
すみやか 【澄みやか】 (形動ナリ)
清らかで美しいさま。明瞭(メイリヨウ)であるさま。「その主の前において物いふ事―ならず/仮名草子・伊曾保物語」
澄み切る
すみき・る [3][0] 【澄(み)切る】 (動ラ五[四])
一点の濁りもなく澄む。「―・った秋空」「―・った心」
澄み昇る
すみのぼ・る 【澄み昇る】 (動ラ四)
(1)澄んだ月が空高くのぼる。「月は夜深うなるままに昼よりもはしたなう―・りて/源氏(竹河)」
(2)音色が澄んで高く響く。「琴の音は月の影にも通へばや空に調べの―・るらむ/金葉(雑上)」
澄み渡る
すみわた・る [4][0] 【澄(み)渡る】 (動ラ五[四])
一面に曇りなく澄む。「―・った大空」「心が―・る」
澄み透る
すみとお・る [3][0] 【澄み透る】 (動ラ五[四])
色や音などが澄み切ってすきとおるように見えたり,聞こえたりする。「秋晴れの日の空気は―・っている」
澄む
す・む [1] 【澄む・清む】
■一■ (動マ五[四])
(1)空や液体に曇りや濁りがなくなって,透き通ってみえる。
⇔にごる
「水が―・む」「秋は空気が―・んで感じられる」「月が―・む」
(2)まじりけがなくなる。
⇔にごる
「―・んだ色」
(3)音がよく響きわたる。さえる。「―・んだ笛の音」
(4)清音で発音する。
⇔にごる
「この語は―・んで読む」
(5)雑念がなくなる。「―・んだ心」
(6)静かになる。「人―・みてのち三人ながら車より下りぬれば/今昔 28」
(7)すましこむ。「舟の楫取りたる男ども,…いといみじう―・みたるさまなり/更級」
(8)道理が明らかになる。「理ノ―・マヌコトヂャ/日葡」
(9)沈んでいる。くすんでいる。「中には萱草など―・みたる色を着て/源氏(手習)」
〔「澄ます」に対する自動詞〕
■二■ (動マ下二)
(1)道理を明らかにする。決着をつける。「理ヲ―・ムル/日葡」
(2)濁りを去りきれいにする。「心ヲ―・メテ世ノ塵ニケガサレザル/ロドリゲス」
(3)気持ちを納得させる。「あい��,と―・めぬ顔して猫をさすつて居る/歌舞伎・お染久松色読販」
澄む
すむ【澄む】
become clear;→英和
be clarified.澄んだ clear;lucid;→英和
limpid;→英和
serene.→英和
澄切る
すみき・る [3][0] 【澄(み)切る】 (動ラ五[四])
一点の濁りもなく澄む。「―・った秋空」「―・った心」
澄徹
ちょうてつ [0] 【澄徹】 (名)スル
澄んですきとおっていること。「大なる鏡の如き―したる一沢水の現はるゝを/日光山の奥(花袋)」
澄憲
ちょうけん 【澄憲】
(1126-1203) 平安末・鎌倉前期の天台宗の僧。藤原通憲の子。京の安居院にあって,唱導に努めた。
澄明
ちょうめい [0] 【澄明】 (名・形動)[文]ナリ
すみきっていてあかるい・こと(さま)。「―な大気」
[派生] ――さ(名)
澄清
ちょうせい [0] 【澄清】
(1)すんで清いこと。
(2)世の中が清らかで平穏に治まっていること。
澄渡る
すみわた・る [4][0] 【澄(み)渡る】 (動ラ五[四])
一面に曇りなく澄む。「―・った大空」「心が―・る」
澄肌
すみはだ [0] 【澄肌・墨肌】
刀身に見える,黒く澄んだ斑点。なまず肌。
澄観
ちょうかん チヨウクワン 【澄観】
(738-839) 中国,唐代の華厳宗の第四祖。天台・禅などを広く学び,杜順・法蔵の華厳教学を展開させて,その正統の復興につとめた。著「華厳経疏」「随疏演義鈔」など。清涼大師。華厳菩薩。
澆季
ぎょうき ゲウ― [1] 【澆季】
〔「澆」は軽薄,「季」は末の意〕
(1)道義の衰え乱れた末の世。末世。季世。「道徳が腐敗したとか―になつたとか歎息する/一隅より(晶子)」
(2)後の世。後世。末代。「―に是をつたへけり/平治(上・古活字本)」
澆末
ぎょうまつ ゲウ― [0] 【澆末】
人情の衰えた末の世。澆季。「今―の風に向きて大本の遠きを見るに/太平記 39」
澆漓
ぎょうり ゲウ― 【澆漓・澆醨】
義理・人情などが薄いこと。「実に末代の―悲しきかな/沙石 3」
澆薄
ぎょうはく ゲウ― [0] 【澆薄】 (名・形動)[文]ナリ
人情の薄い・こと(さま)。「人情―に流るる/小説神髄(逍遥)」
澆醨
ぎょうり ゲウ― 【澆漓・澆醨】
義理・人情などが薄いこと。「実に末代の―悲しきかな/沙石 3」
澌尽
しじん [0] 【澌尽】
〔「澌」はつきる意〕
つきはてること。滅びつきること。
澎湃
ほうはい ハウ― [0] 【澎湃・彭湃】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)水が激しく逆巻くさま。「―たる怒濤が崩れ落ちて/飇風(潤一郎)」
(2)物事が勢いよく起こるさま。「新風が―として起こる」
澎湖諸島
ほうこしょとう ハウコシヨタウ 【澎湖諸島】
中国,台湾海峡にある諸島。六四の島からなり,サツマイモ・落花生を産する。主島は澎湖島。ポンフー諸島。
澗
かん [1] 【澗】
数の単位。溝(コウ)の一万倍。すなわち一〇の三六乗。[塵劫記]
澗底
かんてい 【澗底】
谷の深い所。谷底。「―の松のひとり老い行くともいへり/ささめごと」
澗水
かんすい [0] 【澗水】
〔「澗」は谷川の意〕
谷川の水。「白片の落梅は―に浮ぶ/和漢朗詠(春)」
澗泉
かんせん [0] 【澗泉】
谷あいの泉。
澗谷
かんこく [0] 【澗谷】
たに。
澡浴
そうよく サウ― [0] 【澡浴】
身体を洗い清めること。入浴。
澣濯
かんたく クワン― 【澣濯・浣濯】
洗いすすぐこと。洗濯。「夫(ツマ)のかたみ―せんと/歌舞伎・鳴神」
澣衣
かんい クワン― [1] 【浣衣・澣衣】
衣服をすすぎ洗うこと。また,その衣服。
澪
みお [0][1] 【澪・水脈・水尾】
〔「水の緒」の意〕
(1)内湾や河口付近で,砂泥質・遠浅の海底に沖合まで刻まれた浅い谷。水の流れの筋。小舟の航路となる水路。
(2)船の通ったあとに残る泡や水の筋。航跡。「―を引く」
澪引き
みおびき ミヲ― 【澪引き・水脈引き】
水先案内をすること。「御調の舟は堀江より―しつつ/万葉 4360」
澪木
みおぎ ミヲ― [0][2] 【澪木】
「澪標(ミオツクシ)」に同じ。
澪杭
みおぐい ミヲグヒ [2] 【澪杭】
「澪標(ミオツクシ)」に同じ。
澪標
れいひょう 【澪標】
⇒みおつくし(澪標)
澪標
みおじるし ミヲ― [3] 【澪標】
「みおつくし(澪標)」に同じ。
澪標
みおつくし ミヲ― [0][4][3] 【澪標】
(1)〔「澪の串」の意。後世「みおづくし」とも〕
港や河岸などで「みお(澪){(1)}」を示すために立てられた杭。近世では,澪木(ミオギ)・水尾坊木(ミオボウギ)と呼ぶ。みおじるし。みおぐい。難波(ナニワ)の澪標が有名。和歌では「身を尽くし」にかけて用いることが多い。「遠江(トオツオウミ)引佐(イナサ)細江の―我(アレ)を頼めてあさましものを/万葉 3429」
(2)源氏物語の巻名。第一四帖。
澪標(1)[図]
澪筋
みおすじ ミヲスヂ [2][0] 【澪筋】
みおの道筋。みお。
澱
よど [1] 【淀・澱】
(1)水が流れずたまったところ。よどみ。
(2)軒先の広小舞の上にある厚さ4センチメートルほどの平たい横木。淀貫(ヨドヌキ)。
澱
おり [0] 【澱】
液体の中に沈んで底にたまった滓(カス)。
澱
おり【澱】
dregs;→英和
<coffee> grounds;sediment (沈殿した).→英和
澱み
おどみ ヲドミ [0] 【澱み】
おどむこと。おどんだもの。よどみ。
澱み
よどみ [0] 【淀み・澱み】
(1)水が流れずにたまっていること。また,その所。「―に浮かぶうたかたは/方丈記」
(2)話がつかえて,すらすらと進まないこと。「―ない弁舌」
(3)液体の下方に沈みたまったもの。
澱む
おど・む ヲドム [2] 【澱む】 (動マ五[四])
沈んで底の方にたまる。よどむ。「水槽の底に黒いものが―・んで見える」
澱む
よど・む [2][0] 【淀む・澱む】 (動マ五[四])
(1)流れがとどこおって水がたまる。「流レガ―・ム/ヘボン」
(2)物事が順調に進まない。ためらう。「言葉が―・む」「言い―・む」「人言の繁きによりて―・むころかも/万葉 3109」
(3)水の底に沈んでたまる。沈殿する。「水槽の底に泥が―・んでいる」
(4)空気が入れ替わらず,息苦しい感じである。「窓を閉め切ったままなので空気が―・んでいる」
(5)沈滞して,活気がなくなる。「社内の―・んだ空気を一掃する」
澱粉
でんぷん [0] 【澱粉】
多糖類の一。ブドウ糖( D -グルコース)の重合体。約20パーセントは直鎖状重合体のアミロースで,約80パーセントは多くの分枝部をもつアミロペクチンで構成される。ヨウ素溶液により青紫色に呈色する。水を加え熱すると約六〇度で糊化し,加水分解を受けやすいα-デンプンとなり,放置すると,もとのβ-デンプンに戻る。また希酸やアミラーゼなどの酵素により加水分解され,デキストリン・麦芽糖を経てブドウ糖となる。緑色植物の葉緑体中で光合成によってつくられ,根・茎・種子にデンプン粒として貯蔵される。食用のほか,接着剤・医薬品・発酵の原料となる。
〔自然科学ではデンプンと書く〕
澱粉
でんぷん【澱粉(質の)】
starch(y).→英和
澱粉種子
でんぷんしゅし [5] 【澱粉種子】
貯蔵物質として多量のデンプンを含む種子。イネ・トウモロコシなどの種子。
澱粉糖
でんぷんとう [0] 【澱粉糖】
デンプンを希酸または酵素により加水分解して得る糖類の総称。ブドウ糖・麦芽糖・デキストリンなどが含まれる。食品や医薬に用いる。
澱粉葉
でんぷんよう [3] 【澱粉葉】
光合成による同化産物として,葉緑体中にデンプンが蓄積される葉。多くの高等植物の葉にみられる。
→糖葉
澱粉質
でんぷんしつ [3] 【澱粉質】
デンプンから成る物質。また,多くのデンプンを含んでいること。
澳
おき [0] 【沖・澳】
〔「辺(ヘ)」に対して,遠く隔たった所の意〕
(1)海・湖などの岸から遠く離れた所。「―に出る」
(2)開けた田畑・原野の,人里から遠い所。「かい田の―にこそ鹿や臥(フ)しそろよ/田植草紙」
澶淵の盟
せんえんのめい 【澶淵の盟】
1004年,南下して黄河河畔の澶州に達した遼(リヨウ)と,これを迎え撃った宋との間に結ばれた和平条約。宋は遼に歳幣を送り,国境は現状を維持することなどを約する。これにより,戦争状態は終結し,両国に繁栄をもたらす。
澹
たん [1] 【澹】 (ト|タル)[文]形動タリ
風や波によってゆったりと動くさま。「桜花―として無からむとす/自然と人生(蘆花)」
澹乎
たんこ [1] 【澹乎】 (ト|タル)[文]形動タリ
静かでゆるやかなさま。澹然。「彼は―として之を憂ひず/ヱマルソン(透谷)」
澹如
たんじょ [1] 【淡如・澹如】 (形動タリ)
あっさりとして拘泥しないさま。さっぱりとして執着のないさま。淡淡。淡然。「貧約―たり/山中人饒舌」
澹月
たんげつ [1] 【澹月・淡月】
光のあわい月。おぼろ月。
澹泊
たんぱく [1] 【淡白・淡泊・澹泊】 (名・形動)[文]ナリ
(1)物の感じ・味などが,あっさりしている・こと(さま)。
⇔濃厚
「―な味を好む」
(2)物事にこだわらず,さっぱりしている・こと(さま)。「―な人柄」「金銭に―な人」「生来―にして心に思ふ所あれば之を言ざるを得ず/花柳春話(純一郎)」
[派生] ――さ(名)
澹澹
たんたん [0] 【淡淡・澹澹】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)ものの味わい・感じなどがあっさりと好ましいさま。また,人柄がさっぱりしているさま。「―と語る」「―としたつき合い」
(2)静かに水をたたえるさま。水が静かにたゆたうさま。「八徳―として自ら貯へたり/性霊集」
澹然
たんぜん [0] 【淡然・澹然】 (ト|タル)[文]形動タリ
物事にこだわらないさま。さっぱりとしたさま。また,静かなさま。淡淡。「月已に―として東天に在り/愛弟通信(独歩)」
澹蕩
たんとう [0] 【澹蕩】 (名・形動タリ)
ゆったりしてのどかな・こと(さま)。「冲融とか―とか云ふ詩人の語は/草枕(漱石)」「春風―として起こる/経国 11」
激
げき 【激】 (接頭)
(形容詞の語幹の上に付いて)程度や勢いのはげしさ・強さが普通ではない意を示す。「―辛(カラ)」「―安」
激しい
はげし・い [3] 【激しい・劇しい・烈しい】 (形)[文]シク はげ・し
(1)勢いがきわめて強い。鋭く荒々しい。「風雨が―・い」「戦争が―・かった頃」「戸を―・くたたく」
(2)熱烈である。激情的だ。「―・い恋」「―・い口調」「―・い性格」
(3)程度がはなはだしい。普通の度合でない。「―・い変化」「―・い疲労」「人の出入りが―・い」
(4)けわしい。険阻だ。「―・しき山道の有様を見給ふにぞ/源氏(早蕨)」
[派生] ――さ(名)
激しい
はげしい【激しい】
violent;→英和
vehement;→英和
intense.→英和
激しく violently;→英和
furiously;→英和
heavily.
激す
げき・す 【激す】 (動サ変)
⇒げきする(激)
激する
げき・する [3] 【激する】 (動サ変)[文]サ変 げき・す
(1)興奮する。言動が荒々しくなる。「相手の無礼に思わず―・する」
(2)荒々しい状態になる。はげしくなる。「戦いが―・する」「甲冑に映ぜる朝日は,電光の―・するに異ならず/太平記 8」
(3)水・風などがはげしく物に突き当たる。「谷川の岩に―・する/仰臥漫録(子規)」
(4)はげます。激励する。
激する
げきする【激する】
be[get]excited;be enraged[infuriated];fly into a passion.→英和
激しやすい excitable.→英和
激つ
たぎ・つ 【滾つ・激つ】 (動タ四)
〔古くは「たきつ」とも。「たぎる」と同源〕
(1)水が激しくわき立つ。水が激しく流れる。「み吉野の―・つ河内の大宮所/万葉 921」
(2)心が激しく動く。「―・つ心をせきぞかねつる/古今(恋一)」
激つ瀬
たぎつせ 【激つ瀬】
水がわきかえるように激しく流れる瀬。「能登瀬川音のさやけさ―ごとに/万葉 314」
→滝つ瀬
激る
たぎ・る [2] 【滾る・激る】 (動ラ五[四])
〔「たぎつ」と同源〕
(1)水が逆巻いて激しい勢いで流れる。「谷川が―・り流れる」
(2)湯が煮え立つ。沸騰する。「やかんの湯が―・っている」「さればこの水熱湯(アツユ)に―・りぬれば/大和 149」
(3)感情が心に強くわき起こる。「血が―・る」
(4)他よりぬきんでる。ひいでる。「容色(キリヨウ)が好いとか,芸が―・つたとか/歌行灯(鏡花)」
激切
げきせつ [0] 【激切】 (名・形動)[文]ナリ
口調などが非常に激しくきびしい・こと(さま)。「その日の琴は―な調(チヨウ)を帯びて聞えた/春(藤村)」
激励
げきれい [0] 【激励】 (名)スル
励まし,元気づけること。「友人を―する」「―会」
激励
げきれい【激励】
<words of> encouragement.→英和
〜する encourage;→英和
urge <a person to do> ;→英和
cheer <a person> up.〜の言葉 words of encouragement.
激動
げきどう [0] 【激動】 (名)スル
激しくゆれ動くこと。特に,社会情勢などが,急激に変化すること。「―する国際関係」「―の三年間」「渠(カレ)の心は―して/義血侠血(鏡花)」
激動
げきどう【激動】
a violent shock;excitement (人心の);→英和
agitation (動揺).
激務
げきむ【激務】
<be engaged in> hard work; <hold> a busy post.〜にたおれる break down under the strain of overwork.
激務
げきむ [1] 【激務・劇務】
非常に忙しいつとめ。激しい仕事。「―に倒れる」「―に耐える」
激化
げきか [1][0] 【激化】 (名)スル
はげしくなること。ひどくなること。げっか。「対立が―する」
激化
げっか ゲキクワ [1][0] 【激化】 (名)スル
⇒げきか(激化)
激化する
げきか【激化する】
grow more intense[violent].
激増
げきぞう [0] 【激増】 (名)スル
急にふえること。
⇔激減
「交通事故が―する」
激増
げきぞう【激増】
<show> a marked[sudden]increase.〜する increase markedly[suddenly].
激声
げきせい [0] 【激声】
はげしい声。また,興奮して出す声。
激変
げきへん【激変(する)】
(undergo) a sudden change.〜する change suddenly.
激変
げきへん [0] 【激変・劇変】 (名)スル
急激に変化すること。普通,悪くなる場合に用いる。「天候が―する」
激奨
げきしょう [0] 【激奨】 (名)スル
はげましすすめること。
激徒
げきと [1] 【激徒】
はげしい行動を起こす者。
激怒
げきど【激怒】
rage;→英和
fury.→英和
〜する rage;→英和
be enraged <with a person> .〜させる enrage;→英和
infuriate.→英和
激怒
げきど [1] 【激怒】 (名)スル
激しく怒ること。「無礼な態度に―する」「―のあまり我を忘れる」
激情
げきじょう [0] 【激情】
激しく高ぶった感情。「―にかられる」
激情
げきじょう【激情】
a violent emotion; <in a fit of> passion.→英和
激憤
げきふん [0] 【激憤】 (名)スル
激しくいきどおること。憤激。
激成
げきせい [0] 【激成】 (名)スル
抑えたためにかえって激しくなること。「此(カク)の如き手段の却つて其反抗心を―するに至らむことを/渋江抽斎(鴎外)」
激戦
げきせん【激戦】
heavy fighting;a fierce battle;a hot contest (選挙などの).激戦地 a hard-fought field;a closely contested constituency (選挙).
激戦
げきせん [0] 【激戦・劇戦】 (名)スル
双方に大きな被害の出るような激しい戦い。「―地」
激昂
げっこう【激昂】
<in> excitement;→英和
rage[fury](憤激).→英和
〜する get[be]excited;be enraged.
激昂
げっこう ゲキカウ [0] 【激昂】
⇒げきこう(激昂)
激昂
げきこう [0] 【激昂・激高】 (名)スル
感情が高ぶること。興奮して激しく怒ること。げっこう。「―して退場した」
激暑
げきしょ [1] 【激暑・劇暑】
はげしい暑さ。酷暑。「―の候」
激流
げきりゅう【激流】
a swift current;a rapid stream;a torrent.→英和
激流
げきりゅう [0] 【激流】
激しい勢いの流れ。
激浪
げきろう [0] 【激浪】
高く激しい波。「―に洗われる」
激減
げきげん [0] 【激減】 (名)スル
急に減ること。
⇔激増
「野生動物が―する」
激減
げきげん【激減(する)】
(show) a marked decrease.〜する decrease sharply.
激湍
げきたん [0] 【激湍】
流れの激しい瀬。奔湍(ホンタン)。
激烈
げきれつ [0] 【激烈・劇烈】 (名・形動)[文]ナリ
非常に激しい・こと(さま)。「―な競争」
[派生] ――さ(名)
激烈な
げきれつ【激烈な】
violent <language> ;→英和
severe[keen] <competition> .→英和
激甚
げきじん [0] 【激甚・劇甚】 (名・形動)[文]ナリ
はなはだしいこと。非常に激しいこと。また,そのさま。「―な損害を敵に与える」
激甚災害
げきじんさいがい [5] 【激甚災害】
国民経済に著しい影響を及ぼす災害で,被災地域への財政援助や被災者への助成が特に必要となる大きな災害をいう。法律に基づいて激甚災害指定が行われる。
激症
げきしょう [0] 【劇症・激症】
病気の症状がひどいこと。
激痛
げきつう【激痛】
an acute[a sharp]pain.
激痛
げきつう [0] 【激痛・劇痛】
非常にはげしい痛み。「―が走る」「―に苦しむ」「―が襲う」
激発
げきはつ【激発】
an outburst <of emotion> .→英和
激発
げきはつ [0] 【激発】 (名)スル
(1)火薬などが爆発すること。「―物」
(2)事件・感情などが,とどめ難い勢いで起こること。「反乱が―する」「その風潮に―せられて,政治家たらんと目的を定むる/春(藤村)」
激発物破裂罪
げきはつぶつはれつざい 【激発物破裂罪】
火薬・ボイラーその他急激に破裂する性質のあるものを破裂させ,建物等を損壊する犯罪。
激盪
げきとう [0] 【激盪】
激しくゆすること。また,激しくゆれ動くこと。
激突
げきとつ [0] 【激突】 (名)スル
激しい勢いで突き当たること。「塀に―する」
激突
げきとつ【激突】
a violent collision;a crash.→英和
〜する crash <into a train> .
激職
げきしょく [0] 【激職・劇職】
非常に忙しい職務。
激職
げきしょく【激職】
<hold> a busy post.
激臭
げきしゅう [0] 【激臭・劇臭】
刺激の強いにおい。
激語
げきご [1][2] 【激語】 (名)スル
興奮して激しい口調で言うこと。また,その言葉。「感情が高まって,つい―する」
激論
げきろん [0] 【激論】 (名)スル
激しく論争すること。激しい議論。「経済政策について―する」「―をたたかわせる」
激論
げきろん【激論】
<have> a heated argument[discussion] <with> .〜する argue hotly.
激賛
げきさん [0] 【激賛】 (名)スル
非常にほめること。激賞。「師に―された処女作」
激賞
げきしょう【激賞】
<win> high praise.〜する praise highly;speak highly of.
激賞
げきしょう [0] 【激賞】 (名)スル
さかんにほめること。「―を浴びる」「各紙とも―した」
激越
げきえつ [0] 【激越】 (名・形動)[文]ナリ
感情が高ぶって,言葉や行動が非常に激しい・こと(さま)。「―な口調でなじる」
[派生] ――さ(名)
激闘
げきとう【激闘】
a fierce fight.
激闘
げきとう [0] 【激闘】 (名)スル
激しくたたかうこと。激戦。
激雷
げきらい [0] 【激雷】
激しくとどろく雷鳴。
激震
げきしん [0] 【激震】
震度 7 にあたる,最も激しい地震。木造家屋の三分の一以上がこわれ,山くずれや地割れのほか断層が生じる。
激震
げきしん【激震】
a severe (shock of) earthquake.
激音
げきおん [0] 【激音】
朝鮮語における有気音に対する名称。
→濃音
→平音
激高
げきこう [0] 【激昂・激高】 (名)スル
感情が高ぶること。興奮して激しく怒ること。げっこう。「―して退場した」
濁し
にごし [0] 【濁し】
川の水をかき回したりして濁らせて,魚を釣る漁法。にごしぶち。
濁す
にご・す [2] 【濁す】 (動サ五[四])
(1)にごるようにする。にごらせる。「川の水を―・す」
(2)言葉などをあいまいにする。ぼかす。「言葉を―・す」
〔「濁る」に対する他動詞〕
[可能] にごせる
[慣用] お茶を―/立つ鳥跡を濁さず
濁す
にごす【濁す】
make <water> muddy.返事を〜 give a vague answer.
濁った
にごった【濁った】
muddy;→英和
cloudy;→英和
impure;→英和
corrupt <word> .→英和
濁らす
にごら・す [3] 【濁らす】 (動サ五[四])
(1)にごるようにする。にごす。「川を―・す」
(2)言葉をあいまいにする。「口先を―・す」
濁り
にごり【濁り】
muddiness;impurity; <put> a sonant mark (濁音符).
濁り
にごり [3] 【濁り】
(1)にごること。にごっていること。「川の―が引く」
(2)仮名につける濁音の符号。濁点。「―をつける」
(3)物事がよごれてきたないこと。世の中が乱れること。けがれ。「心の―」「世の―を正す」
(4)音声が低く不快に聞こえること。「スピーカーの音の―がひどい」
(5)〔仏〕 悟りの開けぬときに起こる邪念。
(6)濁り酒のこと。
濁り声
にごりごえ [4] 【濁り声】
音がにごっていて不快な声。だみ声。
濁り水
にごりみず [3] 【濁り水】
にごった水。濁水(ダクスイ)。
濁り江
にごりえ [3] 【濁り江】
水のにごった入り江や川。
濁り点
にごりてん [3] 【濁り点】
⇒だくてん(濁点)
濁り酒
にごりざけ [3] 【濁り酒】
発酵させただけで,糟(カス)を漉(コ)していない白くにごった酒。どぶろく。だくしゅ。[季]秋。
濁り鮒
にごりぶな [4] 【濁り鮒】
梅雨どき,川や田の水がにごっている頃の産卵期の鮒。[季]夏。
濁る
にごる【濁る】
become muddy[cloudy,impure](水などが).
濁る
にご・る [2] 【濁る】 (動ラ五[四])
(1)液体や気体に他のものが入りまじって透明でなくなる。よごれる。
⇔澄む
「川の水が―・る」「部屋の空気が―・る」「水晶体が―・って視力が落ちる」
(2)色や音が鮮明でなくなる。
⇔澄む
「―・った赤」「ステレオの音が―・る」
(3)声がきれいでなくなる。声がしわがれる。「―・っただみ声」
(4)人の心や世の中がみだれる。邪念のために清純・潔白でなくなる。「―・った世の中」「澄みはてたりし方の心も―・りそめにしかば/源氏(宿木)」
(5)濁音に発音する。
⇔澄む
「助詞の『て』は『ん』のあとでは,『ころんで』のように―・る」
〔「濁す」に対する自動詞〕
濁世
じょくせ ヂヨク― [1][0] 【濁世】
〔仏〕 にごりけがれた世。五濁悪世(ゴジヨクアクセ)。末世。だくせ。
濁世
だくせ [1] 【濁世】
「じょくせ(濁世)」に同じ。
濁世
だくせい [0] 【濁世】
「じょくせ(濁世)」に同じ。
濁乱
だくらん [0] 【濁乱】
にごり乱れること。
→じょくらん
濁乱
じょくらん ヂヨク― [0] 【濁乱】
〔仏〕 悪しき現象が起こって,人心をけがし,世の中を乱すこと。
→五濁(ゴジヨク)
濁声
だみごえ [0][3] 【濁声】
(1)低く不快な感じを与える声。にごった声。がらがら声。
(2)なまりのある声。
濁声
だくせい [0] 【濁声】
にごった声。だみ声。
濁声
だみごえ【濁声】
<in> a thick voice.
濁度計
だくどけい [0] 【濁度計】
液体の濁りの度合を測定する装置。比濁計。
濁悪
じょくあく ヂヨク― [0] 【濁悪】
〔仏〕 末世に起こる現象である五濁と,人間の悪行である十悪と。人心が汚れ,罪悪が満ちていること。
濁水
だくすい [0] 【濁水】
にごった水。「―が渦を巻く」
濁河温泉
にごりごおんせん 【濁河温泉】
岐阜県中東部,御嶽山北西にある硫酸塩泉。濁河川上流,湯谷の渓流に臨む秘境温泉。御嶽登山の拠点。
濁流
だくりゅう [0] 【濁流】
にごった水の流れ。雨の後などの,増水してにごった川の流れ。
⇔清流
「―が渦巻く」
濁流
だくりゅう【濁流】
a muddy stream.
濁浪
だくろう [0] 【濁浪】
にごった波。
濁点
だくてん [3][0] 【濁点】
清音の仮名の右肩につけて,それが濁音に発音されることを示す符号。「ざ」「ば」などの「゛」。声点(シヨウテン)から発展したもの。濁り点。濁音符。
濁色
だくしょく [0] 【濁色】
濁った色。
濁酒
だくしゅ [0][1] 【濁酒】
「どぶろく」に同じ。
⇔清酒
濁酒
どぶろく【濁酒】
unrefined sake.
濁酒
どぶろく [0] 【濁酒・濁醪】
醪(モロミ)を濾(コ)し取らない,白く濁った酒。白馬(シロウマ)。にごりざけ。もろみざけ。どぶ。だくしゅ。
濁酒祭
どぶろくまつり [5] 【濁酒祭(り)】
濁酒をつくって神に供える祭り。多くは甘酒を用いる。
→甘酒祭り
濁酒祭り
どぶろくまつり [5] 【濁酒祭(り)】
濁酒をつくって神に供える祭り。多くは甘酒を用いる。
→甘酒祭り
濁醪
どぶろく [0] 【濁酒・濁醪】
醪(モロミ)を濾(コ)し取らない,白く濁った酒。白馬(シロウマ)。にごりざけ。もろみざけ。どぶ。だくしゅ。
濁音
だくおん【濁音】
a voiced sound.
濁音
だくおん [0][2] 【濁音】
ガ・ザ・ダ・バ行音とそれらに対応する拗音。カ・サ・タ・ハ行の仮名の右肩に濁点「゛」をつけて表す。原則として,有声無声が音韻論的に対立する場合,有声子音の含まれる音節をいう。
→清音
→半濁音
濁音符
だくおんぷ [3] 【濁音符】
⇒濁点(ダクテン)
濂洛関閩の学
れんらくかんびんのがく レンラククワンビン― 【濂洛関閩の学】
周敦頤(シユウトンイ)・程顥(テイコウ)・程頤(テイイ)・張載・朱熹の唱えた宋学。周敦頤が濂渓(湖南),程顥・程頤が洛陽(河南),張載が関中(陝西),朱熹が閩(福建)の人であったことからいう。
濃
こ 【濃】 (接頭)
名詞に付いて,色の濃いことを表す。こい。「―紫」
濃
だみ [2] 【彩・濃】
(1)金泥・銀泥で彩色すること。「―絵」
(2)「彩潰(ダミツブ)し」の略。
濃い
こ・い [1] 【濃い】 (形)[文]ク こ・し
(1)物の濃度・密度が大きい。
⇔薄い
(ア)色が深い。
⇔淡い
「―・い緑」「夕闇が―・い」
(イ)味・匂い・化粧などが強い。
⇔淡い
「―・い味つけにする」「ジャスミンの―・い香り」「おしろいが―・い」
(ウ)生えているものの密度が高い。「―・いひげ」「髪の毛が―・い」
(エ)液状のものについて,溶けている物質の水に対する割合が大きい。「小麦粉を―・くとく」「―・い粥(カユ)」
(オ)霧やもやなどの濃度が大きい。「―・いもや」「ガスが―・く立ち込める」
(2)物事の程度が強い。
(ア)何かの様子が強く表れている。「疲労の色が―・い」「敗色が―・い」
(イ)可能性の度合が大きい。「犯罪の疑いが―・い」
(ウ)情愛が濃厚である。「情が―・い」
(3)特に,紅色・紫色が深い。「かのしるしの扇は,桜の三重がさねにて,―・き方に,霞める月を書きて/源氏(花宴)」
(4)人間関係が密接である。交わりが深い。「などてかくはひあひがたき紫を心に深く思ひそめけむ,―・くなりはつまじきにや/源氏(真木柱)」
[派生] ――さ(名)
[慣用] 血は水よりも―
濃い
こい【濃い】
dark;→英和
deep <blue> ;→英和
thick <soup,hair> ;→英和
strong <tea> .→英和
濃いめ
こいめ [3][0] 【濃いめ】
〔「め」は接尾語〕
普通より少し濃い程度。濃め。「―の味付け」「口紅を―につける」
濃い化粧
こいげしょう [3] 【濃い化粧】
厚化粧。
濃い口
こいくち [0] 【濃い口】
醤油などの味や色が濃いこと。また,そのもの。
⇔薄口(1)
濃い口醤油
こいくちしょうゆ [5] 【濃い口醤油】
醤油のこと。薄口醤油に対応しての名称。
濃き色
こきいろ 【濃き色】
(1)蘇芳(スオウ)の濃い色。濃い紫色。または,濃い紅色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表裏とも濃い萌黄。「―の二つ衣・単衣(ヒトエギヌ)着て/著聞 11」
濃く
こく【濃く】
deep (色);→英和
thick (液);→英和
strong (飲料).→英和
〜する deepen;→英和
thicken;→英和
make strong.
濃し
こ・し 【濃し】 (形ク)
⇒こい
濃やか
こまやか [2] 【細やか・濃やか】 (形動)[文]ナリ
(1)情愛が深く心遣いが行き届いているさま。心のこもっているさま。「―な愛情を注ぐ」「―な心遣い」「友情の―にして楽しからむを欲せるなり/希臘思潮を論ず(敏)」
(2)色の濃いさま。《濃》「緑―に生茂れる庭の木々/金色夜叉(紅葉)」「硯取り寄せて墨―におしすりて/枕草子 191」
(3)微妙で奥深い趣のあるさま。「抹茶の―な味わいを楽しむ」
(4)小さいさま。微小であるさま。「七つの物を用ゐるといふは…―なる灰と楊枝と帷(カタビラ)となり/三宝絵詞(下)」
(5)繊細で美しいさま。「身なり肌つきの―に美しげなるに/源氏(胡蝶)」
(6)くわしいさま。精密なさま。「いと―に有様を問はせ給ふ/源氏(桐壺)」
(7)土地のよく肥えているさま。「瞻部洲の縦広七千踰繕那の地を皆沃(ウル)ひ―にあらしめむ/金光明最勝王経(平安初期点)」
[派生] ――さ(名)
濃やかな
こまやか【濃やかな】
warm[tender] <affection> ;→英和
close <friendship> .→英和
濃化
のうか [0] 【濃化】 (名)スル
濃度をこくすること。また,こくなること。
濃厚
のうこう [0] 【濃厚】 (形動)[文]ナリ
(1)色・味・香りなどが濃いさま。
⇔淡泊
「―な色」「―な味」「―な牛乳」
(2)物事の気配などが強く感じられるさま。
⇔希薄
「容疑が―になる」「敗色―」
(3)男女の仲が情熱的であるさま。「―なラブ-シーン」
[派生] ――さ(名)
濃厚な
のうこう【濃厚な(に)】
thick(ly);→英和
dense(ly);→英和
rich(ly) (色・香など);→英和
elaborate(ly) (化粧の).→英和
〜になる become strong (顕著になる).
濃厚感染
のうこうかんせん [5] 【濃厚感染】
一時に多量の病原体が生体内に侵入して感染すること。
濃厚飼料
のうこうしりょう [5] 【濃厚飼料】
穀類・油粕類・糠類など,繊維が少なく可消化栄養分の多い飼料。
⇔粗飼料
濃塩酸
のうえんさん [3] 【濃塩酸】
濃い塩酸。濃度20.2パーセント以上のもの。薬局方では30パーセント,比重一・一五二,市販のものは37.2パーセントで比重一・一九。
→塩酸
濃墨
こずみ [1] 【濃墨】
色の濃い墨。
⇔薄墨(ウスズミ)
濃密
のうみつ [0] 【濃密】 (名・形動)[文]ナリ
(1)色合い・味わいのこい・こと(さま)。「―な色彩」「―な味」
(2)密度がこい・こと(さま)。「―な描写」「―な関係」
[派生] ――さ(名)
濃尾
のうび 【濃尾】
美濃(ミノ)と尾張(オワリ)。
濃尾地震
のうびじしん 【濃尾地震】
1891年(明治24)10月28日,愛知県北西部から岐阜県にかけて発生した大地震。マグニチュード八・〇。死者約七三〇〇人,負傷者一万七〇〇〇人,家屋全壊一四万戸。
→根尾谷断層(ネオダニダンソウ)
濃尾平野
のうびへいや 【濃尾平野】
岐阜・愛知両県にまたがる沖積平野。木曾川・長良川・揖斐(イビ)川の堆積によって形成された三角州。下流域では輪中(ワジユウ)が発達する。中心都市は名古屋市。
濃州
のうしゅう 【濃州】
美濃国の別名。
濃度
のうど [1] 【濃度】
(1)〔化〕 混合物,特に,液体に含まれている構成成分の量の割合。質量の百分率(質量パーセント濃度),体積の百分率,物質量(モル)の割合または百分率,一定体積中に含まれる物質量(モル濃度)などで表す。
(2)〔数〕 集合論の基本概念の一。二つの集合の元の間に一対一の対応がつけられるとき,濃度が等しいという。有限集合の場合,元の個数に相当。自然数の集合と濃度が等しい集合を可算集合,実数の集合と濃度が等しい集合の濃度を連続体の濃度という。計数。
濃度
のうど【濃度】
density;→英和
《化》concentration.→英和
濃度規制
のうどきせい [4] 【濃度規制】
汚染物質を発生源での濃度で規制する方式。水質保全のための排水基準や大気汚染防止のための排出基準など。
→総量規制
濃彩
のうさい [0] 【濃彩】
濃く彩色すること。また,そのいろどり。
⇔淡彩
濃情
のうじょう [0] 【濃情】 (名・形動)[文]ナリ
情がこまやかな・こと(さま)。「彼女とても,―な土地の女の血を分けた一人である/家(藤村)」
濃染紙
こせんし 【濃染紙】
〔「こぜんし」とも〕
濃くそめた紙。「五節には白薄様―の紙,巻上の筆/平家 1」
濃柿
こいがき [2][1] 【濃柿】
染め色の名。濃い柿色。
濃沫
のうまつ [0] 【濃沫】
色をこく塗ること。また,厚化粧。「其は―の赤百合の上にこそ云ふべけれ/自然と人生(蘆花)」
濃淡
のうたん【濃淡】
light and shade (明暗);→英和
shades <of color> .〜をつける shade <a picture> .
濃淡
のうたん [0][3] 【濃淡】
色や味の,こいこととうすいこと。
濃漿
こんず [1] 【漿・濃漿】
〔「濃水(コミズ)」の転〕
(1)米を煮た汁。重湯(オモユ)。「其の中に―を盛て/今昔 3」
(2)酒・果汁などおいしい飲み物。「水を飲て―と思ふ/日蓮御書」
(3)濃い汗。「彼方こなたと切払ひ―を流し手をくだき/浄瑠璃・花飾」
濃漿
こくしょう [0] 【濃漿】
肉や魚を味噌で濃く煮つめた汁。鯉こくなど。
濃硫酸
のうりゅうさん [3] 【濃硫酸】
濃い硫酸。普通は濃度90パーセント以上のものをさす。市販のものは濃度96パーセント,比重一・八四。
濃紫
こむらさき [3] 【濃紫】
濃い紫色。暗い紫色。衣服令で一位の相当色。のち,三位以上の者の色となった。深紫。
濃紺
のうこん [0] 【濃紺】
濃い紺色。「―のセーラー服」
濃絵
だみえ [2] 【濃絵】
(1)桃山時代に隆盛をみた障壁画。地や画面内の雲形に金銀箔を用い,花鳥などを極彩色で描いた装飾性の強いもの。狩野派に代表される。金碧(コンペキ)障壁画。
(2)濃い彩色を施した絵。
濃緑
のうりょく [0] 【濃緑】
濃い緑色。深緑(フカミドリ)。「―色」
濃緑
こみどり [2] 【濃緑】
濃い緑色。真夏の木の葉の色。
濃縮
のうしゅく【濃縮】
concentration.→英和
〜する concentrate.→英和
‖濃縮ウラン enriched uranium.濃縮ジュース concentrated juice.
濃縮
のうしゅく [0] 【濃縮】 (名)スル
溶液を煮つめるなどして濃度を高くすること。
濃縮ウラン
のうしゅくウラン [5] 【濃縮―】
核燃料となるウラン二三五の存在比を,天然のウラン中の存在比0.71パーセントより高くしたもの。原子爆弾には存在比93パーセント以上,一般の動力炉には3〜4パーセントのものが使われる。
濃縮果汁還元
のうしゅくかじゅうかんげん [8] 【濃縮果汁還元】
濃縮して保存した果汁に水を加えて元の状態に戻すこと。ストレート-ジュースに比べ,味・香りともに劣る。
濃色
のうしょく [0] 【濃色】
濃い色。
濃艶
のうえん [0] 【濃艶】 (名・形動)[文]ナリ
あでやかで美しいこと。つややかで美しいこと。また,そのさま。「―に笑う」「―な脂粉とちりめんの衣裳の下に/秘密(潤一郎)」
濃艶な
のうえん【濃艶な】
voluptuous;→英和
charming.
濃茶
こいちゃ 【濃茶】
(1) [0][2][1]
抹茶(マツチヤ)のうち,厳重に遮光した古木の,柔らかい芽葉から製したもの。濃緑色で甘味がある。
⇔薄茶
(2)「濃茶点前(テマエ)」の略。
濃茶点前
こいちゃてまえ [4] 【濃茶点前】
濃茶{(1)}を点(タ)てる作法。湯の量を少なくして茶筅(チヤセン)で練る。普通,人数分を一碗に点てて飲み回す。
⇔薄茶点前
濃茶茶碗
こいちゃぢゃわん [4] 【濃茶茶碗】
濃茶を点(タ)てるのに用いる底の深い大形の茶碗。
濃蒔梨子地
こいまきなしじ [5] 【濃蒔梨子地】
金銀粉を濃く蒔(マ)いた梨子地。濃梨子地。
濃藍
こあい [0] 【濃藍】
濃い藍色。
濃躑躅
こつつじ [2][3] 【濃躑躅】
色の濃い花を咲かせるツツジ。
濃霧
のうむ [1] 【濃霧】
濃い霧。深い霧。気象観測では,視程が200メートル未満のもの。[季]秋。
濃霧
のうむ【濃霧】
a dense fog.濃霧注意報 a dense fog warning.
濃音
のうおん [1] 【濃音】
朝鮮語における疑似喉頭化子音に対する名称。特に閉鎖音では,平音・激音とともに第三の系として対立項を形成する。
→激音
→平音
濃餅
のっぺ [0] 【能平・濃餅】
「のっぺい{(1)}」に同じ。[季]冬。
濃餅
のっぺい [0] 【能平・濃餅】
(1)油揚げ・大根・里芋・椎茸(シイタケ)・人参(ニンジン)などを刻んで煮込み,葛粉(クズコ)でとろみをつけた料理。地方によって作り方に多少の違いがあるが,とろみのあることが共通している。のっぺ。ぬっぺい。ぬっぺり。[季]冬。
(2)とろみのある料理につける名。「―うどん」
濃餅汁
のっぺいじる [5] 【能平汁・濃餅汁】
「のっぺい」と同様の料理で,汁の多いもの。[季]冬。
濃鼠
こねずみ [0] 【濃鼠】
濃い鼠色。濃い灰色。
濊貊
かいはく クワイハク 【濊貊】
⇒わいばく(濊貊)
濊貊
わいばく 【濊貊・穢貊】
古代,中国東北部から朝鮮北東部にかけて居住していた種族。ツングース系といわれ,狩猟・牧畜を主とし農耕も行なっていた。その中から夫余(フヨ)・高句麗などが出た。
〔濊貊は「かいはく」とも読む〕
濛々たる
もうもう【濛々たる】
thick;→英和
dense;→英和
dim (ぼんやりした).→英和
濛昧
もうまい [0] 【濛昧】
霧などがたちこめて,薄暗いこと。
濛気
もうき [1] 【濛気・朦気】 (名)スル
(1)もうもうとたちこめる気。
(2)気がふさぐこと。心が晴れないこと。「常に死人の首を目に見ねば,心地の―するとて/太平記 20」
濛溟
もうめい [0] 【濛溟】
空が曇って暗いこと。
濛濛
もうもう [0] 【濛濛・朦朦】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
(1)霧・煙・砂ぼこり・湯気などが一面に立ちこめるさま。「―と砂塵が舞い上がる」「―たる霧に閉(トザ)され/あめりか物語(荷風)」
(2)意識のぼんやりしているさま。「椋(ムク)の木の本に―としてぞ立たりける/太平記 27」
■二■ (名)
病気。「若宮の御方御―よきめでたさとて/御湯殿上(永禄五)」
濠
ごう ガウ [1] 【濠・壕】
土を掘って作ったみぞ。また,城の周囲に設けた堀。
〔水をたたえたものを「濠」,水のないものを「壕」として区別する〕
濠
ほり [2] 【堀・濠・壕】
(1)地面を掘って水を通したもの。堀割。
(2)地面を深く掘って敵の侵入を防ぐ防御施設としたもの。必要に応じて水をたたえたりする。
濠州
ごうしゅう ガウシウ 【豪州・濠州・濠洲】
オーストラリア。
濠洲
ごうしゅう ガウシウ 【豪州・濠州・濠洲】
オーストラリア。
濡つ
そぼ・つ 【濡つ】
〔古くは「そほつ」「そほづ」〕
■一■ (動タ四)
(1)ぐっしょりぬれる。うるおう。「稲葉の露に―・ちつつ分け行くほど/徒然 44」
(2)雨がしとしとと降る。そぼふる。「初時雨くもりもあへずふり―・ち/蜻蛉(上)」
〔現代では「ぬれそぼつ」など,複合語形で用いられる〕
■二■ (動タ上二)
{■一■(1)}に同じ。「あさごほりとくるまもなき君によりなどて―・つる袂なるらむ/拾遺(恋二)」
濡らし
ぬらし 【濡らし】
〔動詞「濡らす」の連用形から〕
色気のある言動をすること。「かしこき人は心さとく口ききたるままに,よき加減なる―をしかけ/仮名草子・難波物語」
濡らす
ぬら・す [0] 【濡らす】 (動サ五[四])
(1)水でぬれるようにする。「水で―・したタオル」「涙に袖を―・す」「涙で枕を―・す」
(2)(「口をぬらす」の形で)やっと暮らしを立てる。「曲りなりにも親子三人の口を―・して/大つごもり(一葉)」
(3)色めいた言動をする。色めいた言動をしてたらしこむ。「大臣を―・して大分かねを取/浮世草子・新吉原常々草」
〔「濡れる」に対する他動詞〕
濡らす
ぬらす【濡らす】
wet;→英和
moisten;→英和
soak (浸す).→英和
濡らさない keep <a thing> dry.
濡る
ぬ・る 【濡る】 (動ラ下二)
⇒ぬれる
濡れ
ぬれ [0] 【濡れ】
(1)(雨・水・露などで)濡れること。「びしょ―」「ずぶ―」
(2)色事。情事。また,情人。「―から起つた喧嘩さうな,大事にはなるまいか/浄瑠璃・博多小女郎(上)」
濡れしょぼたれる
ぬれしょぼた・れる [6] 【濡れしょぼたれる】 (動ラ下一)
濡れて,びしょびしょになる。ぬれそぼつ。「大あめが降出したもんだから道灌さまも―・れて/安愚楽鍋(魯文)」
濡れそぼつ
ぬれそぼ・つ [4] 【濡れそぼつ】 (動タ五[四])
濡れて,びしょびしょになる。「夜露に―・ちつつ野道を行く」
濡れぬ先こそ露(ツユ)をも厭(イト)え
濡れぬ先こそ露(ツユ)をも厭(イト)え
〔濡れる前は少しの露がかかることさえ嫌うが,一度濡れてしまうと,もうどんなに濡れても気にしなくなるという意から〕
過ちを犯す前は極度に警戒するが,いったん過ちを犯すと,それ以上のどんなひどいことも平気で行うようになるというたとえ。
濡れる
ぬ・れる [0] 【濡れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ぬ・る
(1)物の表面に雨・露・涙・汗などの水けがたっぷりとつく。また,物に水がかかって中までしみ込む。「夜露に―・れた芝生」「汗でぐっしょり―・れたワイシャツ」
(2)男女が情交を結ぶ。色事をする。「しっぽり―・れる」
(3)血などにまみれる。「二つの狼の相闘(クイア)ひて血に―・れたるに逢へりき/日本書紀(欽明訓)」
〔「濡らす」に対する自動詞〕
濡れる
ぬれる【濡れる】
get wet;→英和
be drenched.濡れた wet;damp (生かわきの).→英和
濡れ事
ぬれごと [0] 【濡れ事】
(1)歌舞伎で,男女の愛欲の演技,およびその演出のこと。色事。
(2)情事。色事。「昼の―は思ひもよらず,夜の契も絶えて久しく/浮世草子・一代女 3」
濡れ事師
ぬれごとし [4] 【濡れ事師】
(1)歌舞伎で,濡れ事を得意とする俳優。色事師。
(2)情事にたくみな者。色事師。
濡れ仏
ぬれぼとけ [3] 【濡れ仏】
「露仏(ロブツ)」に同じ。
濡れ坊主
ぬれぼうず 【濡れ坊主】
好色な僧。「此庵の―,所こそあれ仏壇に女寝させてささめごと/浄瑠璃・蝉丸」
濡れ場
ぬれば [0] 【濡れ場】
(1)〔歌舞伎から出た語〕
演劇で,恋愛や情事の場面。また,官能的な情景。濡れ幕。
→濡れ事
(2)男女が密会している場面。情事の場。「―を目撃する」
濡れ幕
ぬれまく [0] 【濡れ幕】
「濡(ヌ)れ場(バ)」に同じ。
濡れ手
ぬれて [0] 【濡れ手】
水で濡れた手。
濡れ掛かる
ぬれかか・る 【濡れ掛かる】 (動ラ五[四])
色事をしかける。口説く。「此内長之介,一人��に―・る/歌舞伎・韓人漢文」
濡れ掛く
ぬれか・く 【濡れ掛く】 (動カ下二)
色事をしかける。ぬれかかる。「入道衣ぬぎすて,足にて片隅へかいやりて―・けしは/浮世草子・五人女 5」
濡れ文
ぬれぶみ 【濡れ文】
恋文。いろぶみ。「久米様への―が,法印様のお手に入り/浄瑠璃・万年草(中)」
濡れ濡れ
ぬれぬれ 【濡れ濡れ】 (副)
(1)水に濡れるさま。「あはれなる雪の雫に,―行ひ給ふ/源氏(賢木)」
(2)濡れたようにつやのあるさま。「耳のあたり―と色白く/御伽草子・のせ猿」
濡れ紙
ぬれがみ [0] 【濡れ紙】
水に濡れた紙。水で濡らした紙。
濡れ縁
ぬれえん [0][2] 【濡れ縁】
雨戸の外に張り出した縁側。
濡れ縁[図]
濡れ羽色
ぬればいろ [0] 【濡れ羽色】
〔普通「烏(カラス)の濡れ羽色」の形で〕
水に濡れた烏の羽の色のように,しっとりとしたつやのある黒色。「髪は烏の―」
濡れ者
ぬれもの 【濡れ者】
(1)色事に通じた人。好色者。濡れ人。「どうでもさが(=女ノ名)は―ぢや/浄瑠璃・生玉心中(上)」
(2)美人。男の気持ちをそそる女性。「姉妹の袖雫垂る風俗は,国に名取の―と聞えしも/浄瑠璃・堀川波鼓(上)」
濡れ色
ぬれいろ [0] 【濡れ色】
(1)水に濡れた色。
(2)つやのある色や音色。
濡れ衣
ぬれぎぬ [0] 【濡れ衣】
(1)濡れた衣服。ぬれごろも。
(2)無実の罪をきせられること。「とんでもない―だ」
(3)根も葉もないうわさ。無実の浮き名。ぬれごろも。「―をのみきること,今ははらへ捨ててむと/和泉式部集」
濡れ衣
ぬれごろも 【濡れ衣】
(1)濡れた衣。ぬれぎぬ。「行く年を小島のあまの―かさねて袖に浪やかくらむ/新古今(冬)」
(2)無実の浮き名。無実の罪。ぬれぎぬ。「のがるとも誰か着ざらむ―天の下にし住まむかぎりは/大和 44」
濡れ話
ぬればなし [3] 【濡れ話】
色事についての話。いろばなし。
濡れ通る
ぬれとお・る [3] 【濡れ通る】 (動ラ五[四])
雨や水がしみとおる。「笠も着ざれば,膚まで―・り/太平記 27」
濡れ雪
ぬれゆき [2] 【濡れ雪】
水分が多く湿っぽい雪。
濡れ雫
ぬれしずく [3] 【濡れ雫】
しずくが垂れるほどびしょぬれになること。「雨で―になる」
濡れ髪
ぬれがみ [0] 【濡(れ)髪】
洗ったあと,まだ乾いていない髪。
濡れ鼠
ぬれねずみ [3] 【濡れ鼠】
(1)水に濡れた鼠。
(2)衣服を着たまま,全身水に濡れた状態。「不意の雨で―になる」
濡場
ぬれば【濡場】
a love scene.
濡手で粟をつかむ
ぬれて【濡手で粟をつかむ】
make easy money.
濡滞
じゅたい [0] 【濡滞】 (名)スル
とどこおること。遅滞。「金品は町飛脚の所に―していた/北条霞亭(鴎外)」
濡縁
ぬれえん【濡縁】
an open veranda.
濡衣
ぬれぎぬ【濡衣】
a false charge.〜を着せられる be falsely accused <of murder> .
濡髪
ぬれがみ [0] 【濡(れ)髪】
洗ったあと,まだ乾いていない髪。
濡髪長五郎
ぬれがみちょうごろう 【濡髪長五郎】
浄瑠璃「双蝶蝶曲輪日記(フタツチヨウチヨウクルワニツキ)」の主人公。侍を殺害した力士をモデルにしたという。
濡鼠になる
ぬれねずみ【濡鼠になる】
get wet all over.
濤声
とうせい タウ― [0] 【濤声】
波の音。
濤川
なみかわ ナミカハ 【濤川】
姓氏の一。
濤川惣助
なみかわそうすけ ナミカハ― 【濤川惣助】
(1845-1910) 七宝作家。下総の人。江戸で七宝技術を習得。無線七宝を開発し,世界的評価を得る。
濤沸湖
とうふつこ タウフツ― 【濤沸湖】
北海道網走支庁小清水町,オホーツク海沿岸にある潟湖(セキコ)。面積9.3平方キロメートル。湖畔に北浜原生花園がある。
濫する
らん・する [3] 【濫する】 (動サ変)[文]サ変 らん・す
とりみだす。「窮して―・するは大丈夫の為(ス)るを愧(ハズ)る所だ/浮雲(四迷)」
濫り
みだり [1] 【乱り・妄り・濫り・猥り】 (形動)[文]ナリ
〔動詞「乱る」の連用形から〕
(1)(規制などを受けずに)勝手気ままなさま。ほしいまま。多く「みだりに」の形で用いられる。
(2)考えの浅いさま。思慮のないさま。無分別。多く「みだりに」の形で用いられる。
(3)「みだら」に同じ。「姫は我向ひに坐りて,我―なる物語に耳かたむけ/浴泉記(喜美子)」
(4)秩序のないさま。筋道の立たないさま。「国の成敗―なるに依て,国人挙て是を背きけるにや/太平記 38」
濫りがましい
みだりがまし・い [6] 【濫りがましい・猥りがましい】 (形)[文]シク みだりがま・し
みだらな様子である。みだりがわしい。「―・い挙動(フルマイ)はしない/浮雲(四迷)」
[派生] ――さ(名)
濫りがわしい
みだりがわし・い [6] 【濫りがわしい・猥りがわしい】 (形)[文]シク みだりがは・し
(1)整っていない。いかにも乱れている。「―・き我姿をつくらふ暇なきのみか/当世書生気質(逍遥)」
(2)秩序や作法に合わないさま。無礼なさま。
(3)好色めいている。「―・い話」
(4)むやみである。思慮が足りない。「いささかの事にも春日の神木,日吉の神輿などいひて―・し/平家 5」
[派生] ――さ(名)
濫りに
みだりに [1] 【妄りに・濫りに・猥りに】 (副)
〔形容動詞「みだり」の連用形から〕
(1)分別なく行うさま。「―口出しをするな」
(2)正当な理由や資格もなく行うさま。「―立ち入ることを禁ず」
濫伐
らんばつ [0] 【乱伐・濫伐】 (名)スル
山林の木を無計画に伐り倒すこと。「森林を―し/日本風景論(重昂)」
濫作
らんさく [0] 【乱作・濫作】 (名)スル
むやみに多く作ること。「愚劣な映画を―する」
濫倫
らんりん [0] 【乱倫・濫倫】 (名・形動)[文]ナリ
人の道にそむく・こと(さま)。「其様な―な/浮雲(四迷)」
濫入
らんにゅう [0] 【乱入・濫入】 (名)スル
大勢が乱暴に入り込むこと。「邸内に暴徒が―する」
濫出
らんしゅつ [0] 【濫出】 (名)スル
むやみに持ち出すこと。
濫吹
らんすい [0] 【濫吹】 (名)スル
〔竽(ウ)が吹けないのに合奏団に紛れこんでいた楽人が,独奏させられることになり,それを恐れて逃亡したという「韓非子」の故事から〕
(1)無能の者が才能のあるように装うこと。また,過分な地位にあること。濫竽。
(2)秩序を乱すこと。狼藉。
濫妨
らんぼう 【濫妨・乱妨】 (名)スル
暴力により他人の物などを強奪すること。「火を懸け,物を―し候/太平記 10」
濫悪
らんあく [0] 【乱悪・濫悪】 (名・形動ナリ)
乱暴で悪い・こと(さま)。悪行。「家風―にして/新聞雑誌 60」
濫掘
らんくつ [0] 【乱掘・濫掘】 (名)スル
計画もなしに,鉱床などをやたらに掘ること。
濫救
らんきゅう [0] 【濫救】
生活保護制度において,保護の必要がない者まで保護されている状態。
→漏救
濫獲
らんかく [0] 【乱獲・濫獲】 (名)スル
魚・鳥・獣などをやたらにとること。「野鳥を―する」
濫用
らんよう [0] 【乱用・濫用】 (名)スル
みだりに用いること。「職権を―する」
濫発
らんぱつ [0] 【乱発・濫発】 (名)スル
紙幣や証券をむやみに多く発行すること。「手形を―する」
濫立
らんりつ [0] 【乱立・濫立】 (名)スル
(1)統一なくむやみに立ち並ぶこと。「ビルが―する」
(2)むやみに多くの者が出ること。「候補者が―する」
濫罰
らんばつ [0] 【濫罰】
みだりに人を罰すること。
⇔濫賞
濫行
らんぎょう [0] 【乱行・濫行】
乱暴な振る舞い。また,ふしだらなおこない。らんこう。「―に及ぶ」
濫行
らんこう [0] 【乱行・濫行】
⇒らんぎょう(乱行)
濫製
らんせい [0] 【乱製・濫製】 (名)スル
「乱造」に同じ。
濫觴
らんしょう [0] 【濫觴】
〔大河もその源は觴(サカズキ)を濫(ウカ)べるほどの小さな流れであるという「孔子家語」の言葉から〕
物事の始まり。起源。「試験制度の―」「―をなす」
濫読
らんどく [0] 【乱読・濫読】 (名)スル
種々の書物を系統立てずに手当たり次第に読むこと。「翻訳小説を―する」
濫費
らんぴ [0][1] 【乱費・濫費】 (名)スル
金銭などをむやみに使うこと。むだづかい。「資金を―する」
濫賞
らんしょう [0] 【濫賞】
むやみに賞を与えること。
⇔濫罰
濫造
らんぞう [0] 【乱造・濫造】 (名)スル
むやみに多く製造すること。乱製。「粗製―」「商品を―する」
濯ぎ
ゆすぎ [0] 【濯ぎ】
ゆすぐこと。「―が足りない」
濯ぎ
すすぎ [0] 【濯ぎ】
(1)すすぐこと。洗濯のあと,洗濯物を水洗いすること。
(2)足を洗うための湯や水。
濯ぎ洗濯
すすぎせんたく [4] 【濯ぎ洗濯】
洗濯をすること。
濯ぎ物
すすぎもの [0] 【濯ぎ物】
洗濯をすること。また,洗濯する衣服。「―がたまる」
濯ぐ
ゆすぐ【濯ぐ】
wash (out);→英和
rinse.→英和
濯ぐ
いす・ぐ 【濯ぐ】 (動ガ四)
「ゆすぐ」の転。「なに脚半を―・げか/滑稽本・膝栗毛(初)」
濯ぐ
すす・ぐ [0] 【濯ぐ・雪ぐ】 (動ガ五[四])
〔古くは「すすく」と清音〕
(1)水で洗って汚れを落とす。洗剤などで洗った後,水で洗う。《濯》「水をかえて―・ぐ」「足を―・きて導かむと欲ふ/霊異記(下訓注)」
(2)汚名・恥などのつぐないをする。恨みをはらす。《雪》「汚名を―・ぐ」「爾(ナンジ)が為に恨(ウラミ)を―・がん/こがね丸(小波)」
(3)けがれを清める。「この世の濁りを―・ぎ給はざらむ/源氏(朝顔)」
[可能] すすげる
濯ぐ
すすぐ【濯ぐ】
rinse;→英和
wash.→英和
口を〜 rinse one's mouth.
濯ぐ
そそ・ぐ [0][2] 【雪ぐ・濯ぐ】 (動ガ五[四])
〔「濯(スス)く」の転〕
(1)身に受けた汚名・冤罪(エンザイ)などを晴らし,名誉を挽回(バンカイ)する。「恥を―・ぐ」
(2)水などで汚れを除く。清める。「歓楽の酒の泌みた唇を―・ぎ/麒麟(潤一郎)」
[可能] そそげる
濯ぐ
ゆす・ぐ [0] 【濯ぐ】 (動ガ五[四])
ゆり動かしてよごれを洗う。すすぐ。「洗濯物を―・ぐ」
[可能] ゆすげる
濹東
ぼくとう 【墨東・濹東】
〔「墨」「濹」は「隅田川」の意〕
隅田川の東岸にあたる地域。今の東京都墨田区一帯の雅称。
濹東綺譚
ぼくとうきだん 【濹東綺譚】
小説。永井荷風作。1937年(昭和12)「朝日新聞」連載。玉の井の私娼街を舞台に,孤独な作家と娼婦お雪との淡い交流と,滅びゆく風俗,風景を描いた荷風の代表作。
濾し器
こしき [2] 【濾し器・漉し器】
調理の際,濾すために用いる道具。
濾し布
こしぬの [0] 【濾し布】
物を濾すときに用いる布。
濾し紙
こしがみ [0] 【濾し紙・漉し紙】
液体に混じっているごみなどを濾して取り除くために使う紙。濾過紙(ロカシ)。ろし。
濾す
こ・す [0][1] 【濾す・漉す】 (動サ五[四])
〔「越す」と同源〕
液体などに混じったごみやかすを,布・紙・フィルターなどで取り除く。「濁った水を布で―・す」
[可能] こせる
濾出液
ろしゅつえき [3] 【濾出液】
血液の液体成分の一部が血管壁からしみ出て,組織の間隙(カンゲキ)あるいは体腔(タイコウ)中に蓄積したもの。タンパク質や固型物質はほとんど含まない。循環障害の際起こる。
濾水
ろすい [0] 【濾水】
水を濾過すること。「―装置」
濾波器
ろはき [2] 【濾波器】
⇒フィルター(3)
濾紙
ろし [1] 【濾紙】
液体を濾過するときに用いる多孔質の紙。こしがみ。濾過紙。
濾胞
ろほう [0] 【濾胞】
(1)動物の組織,主に内分泌腺にある多数の細胞から成る完全に閉じた袋状の構造物。卵巣・甲状腺・脳下垂体中葉に見られる。
(2)卵胞のこと。
濾胞ホルモン
ろほうホルモン [4] 【濾胞―】
⇒発情(ハツジヨウ)ホルモン
濾過
ろか [1] 【濾過】 (名)スル
液体をこして混じり物をのぞくこと。「雨水を―して飲料水にする」
濾過する
ろか【濾過する】
filter.→英和
‖濾過器 a filter.濾過紙 filter paper.
濾過器
ろかき ロクワ― [2] 【濾過器】
濾過する装置。フィルター。
濾過性病原体
ろかせいびょうげんたい ロクワセイビヤウゲンタイ [0] 【濾過性病原体】
〔微小で細菌濾過器を通過することからいわれた〕
ウイルス。
濾過池
ろかち ロクワ― [2] 【濾過池】
上水道の水を浄化するための貯水池。
濾過滅菌
ろかめっきん ロクワ― [3] 【濾過滅菌】
酵母や細菌などの微細な物質を濾過して取り除く操作。熱に対して変性しやすいビタミン・糖類・血清などの滅菌に用いる。無菌濾過。
濾過紙
ろかし ロクワ― [2] 【濾過紙】
⇒濾紙(ロシ)
瀆冒
とくぼう [0] 【瀆冒】 (名)スル
神聖なものをおかしけがすこと。冒瀆。「高識(コウシキ)を―するの罪を負ふ/月世界旅行(勤)」
瀆神
とくしん [0] 【瀆神】 (名)スル
神の神聖をけがすこと。「―的行為」
瀆聖
とくせい [0] 【瀆聖】 (名)スル
神聖な存在とされているものを冒瀆(ボウトク)すること。神聖冒瀆。
瀆職
とくしょく [0] 【瀆職】 (名)スル
職をけがすこと。特に,公務員などにいう。汚職。
瀆職罪
とくしょくざい [4] 【瀆職罪】
公務員が国家・公共団体の作用の公正をけがす罪。職権濫用によるものと賄賂(ワイロ)によるものとがある。汚職の罪。
瀉す
しゃ・す 【瀉す】 (動サ変)
⇒しゃする(瀉)
瀉する
しゃ・する [2] 【瀉する】 (動サ変)[文]サ変 しや・す
下痢をする。吐く。「腹冷へ―・すること/新聞雑誌 37」
瀉下
しゃか [1] 【瀉下】 (名)スル
(1)水などを激しくそそぎくだすこと。「五六丈の懸崖を―す/十和田湖(桂月)」
(2)下痢(ゲリ)。
瀉出
しゃしゅつ [0] 【瀉出】 (名)スル
流れ出ること。注ぎ出すこと。「流水突爾と石灰岩壁の中途より外に―すること/日本風景論(重昂)」
瀉剤
しゃざい [0] 【瀉剤】
くだしぐすり。下剤。瀉薬(シヤヤク)。
瀉法
しゃほう [0] 【瀉法】
漢方で,亢進した機能を抑制したり,過剰物質を排除する治療法。実証に対して行う療法。
⇔補法
瀉瓶
しゃびょう [0] 【瀉瓶・写瓶】
〔仏〕
〔瓶(ビン)の水を他の瓶にうつしかえる意〕
仏教の奥義を師から弟子にもれなく伝えること。写瓶相承。
瀉痢
しゃり [1] 【瀉痢】 (名)スル
腹をくだすこと。下痢。「一口のむときは忽(タチマチ)―す/伊沢蘭軒(鴎外)」
瀉腹
くだりばら [0] 【下り腹・瀉腹】
下痢をしていること。くだり。
瀉薬
しゃやく [0] 【瀉薬】
⇒瀉剤(シヤザイ)
瀉血
しゃけつ [0] 【瀉血】 (名)スル
治療の目的で,患者の静脈血の一部を体外に除去すること。刺絡(シラク)。
瀋陽
しんよう シンヤウ 【瀋陽】
中国,遼寧(リヨウネイ)省の省都。機械・化学・冶金(ヤキン)などの工業が発達。清代には国都として盛京と称し,のち奉天と称した。シェンヤン。
瀏亮
りゅうりょう リウリヤウ [0] 【嚠喨・瀏亮】 (ト|タル)[文]形動タリ
楽器の音などの澄んでよく聞こえるさま。「―と響くらっぱの音」「音楽の声耳を澄まして―たり/花間鶯(鉄腸)」
瀏瀏
りゅうりゅう リウリウ [0] 【瀏瀏・嚠嚠】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)風がはやく吹くさま。
(2)清く明らかなさま。「声―といと高く,韵(ヒビキ)嫋々(ジヨウジヨウ)といと妙に/露団々(露伴)」
瀏覧
りゅうらん リウ― [0] 【劉覧・瀏覧】 (名)スル
(1)あまねく目を通すこと。通覧。「万巻の書を―する」
(2)「閲覧」の尊敬語。
瀑声
ばくせい [0] 【瀑声】
滝の音。
瀑布
ばくふ【瀑布】
⇒滝.
瀑布
ばくふ [1] 【瀑布】
滝。[季]夏。
瀑布線
ばくふせん [0] 【瀑布線】
〔fall line〕
山地から並列して流れ下る河川が形づくる急流や滝のある所を連ねた線。アパラチア山脈の東麓(トウロク)の台地と海岸平野との間に好例がある。滝線。
瀑布線都市
ばくふせんとし [6] 【瀑布線都市】
⇒滝線(タキセン)都市
瀑状胃
ばくじょうい バクジヤウヰ [3] 【瀑状胃】
胃の穹窿(キユウリユウ)部が大きく広がり後方にふくらんで,頭を下げた形になっているもの。胃のバリウム検査の時,まずこの部位にバリウムが貯留し,あふれて下に流れ落ちるためこの名がある。
瀕する
ひんする【瀕する】
be going[about]to <do> ;be on the point <of> .→英和
死に瀕している〔形〕dying;→英和
〔動〕be at the point of death.
瀕する
ひん・する [3] 【瀕する】 (動サ変)[文]サ変 ひん・す
よくない事態がすぐ間近にせまっている。さしせまる。「絶滅の危機に―・している」「危殆(キタイ)に―・する」
瀕死
ひんし [0][1] 【瀕死】
死にそうなこと。「―の重傷」
瀕死の
ひんし【瀕死の】
dying.→英和
〜の重傷を負う be mortally wounded.
瀛州
えいしゅう 【瀛州】
中国で,蓬莱・方丈とともに三神山の一。東海中にあって神仙がすむという島。東瀛。
瀝り
したたり [0] 【滴り・瀝り】
(1)したたること。また,そのもの。しずく。「汗の―」「蝋の―」
(2)崖(ガケ)などからにじみ出たり,苔類を伝わって落ちる点滴。[季]夏。《―のあまたの音の一つ澄む/大橋桜坡子》
瀝瀝
れきれき [0] 【瀝瀝】 (形動タリ)
(1)水が音をたてるさま。「岸打つ浪―たり/盛衰記 39」
(2)風が音を立てて吹くさま。「―たる風の音に/太平記 32」
瀝青
れきせい【瀝青】
bitumen;→英和
pitch.→英和
瀝青炭 bituminous coal.
瀝青
れきせい [0] 【歴青・瀝青】
炭化水素からなる化合物の一般的総称。普通,天然アスファルト・コールタール・石油アスファルト・ピッチなどをいう。道路舗装用材料・防水剤・防腐剤などに用いる。ビチューメン。チャン。
瀝青ウラン鉱
れきせいウランこう [6] 【歴青―鉱・瀝青―鉱】
閃(セン)ウラン鉱の変種。非晶質・塊状で,瀝青状の色とつやをもつ。ウラン・ラジウムの原料鉱石。ピッチブレンド。
→閃ウラン鉱
瀝青炭
れきせいたん [0][3] 【歴青炭・瀝青炭】
石炭の一。無煙炭に次いで炭素の含有量が多い。緻密で光沢があり,漆黒色。火力発電の燃料,ガス・コークスの製造原料。黒炭。
瀞
とろ【瀞】
a pool <in a river> .→英和
瀞
とろ [1] 【瀞】
〔「どろ」とも〕
河川の流れの中で,水が深くて流れの緩やかな所。
瀞む
とろ・む [2] 【瀞む】 (動マ五[四])
水面などが,波立たないで油を浮かせたように静まった状態になる。「海面が―・む」
瀞八丁
どろはっちょう 【瀞八丁】
〔「とろはっちょう」とも〕
紀伊半島を流れる熊野川の支流,北山川の峡谷,瀞峡(ドロキヨウ)の一部。瀞峡を三分したときの最下流,下瀞の通称。両岸の絶壁と深い淵が美しい。
瀟洒
しょうしゃ セウ― [1] 【瀟洒・瀟灑】
■一■ (形動)[文]ナリ
さっぱりして気がきいているさま。あかぬけているさま。「―な住宅」「―な美人」
■二■ (形動タリ)
{■一■}に同じ。「身だしなみ上品に,整然また―として/囚はれたる文芸(抱月)」
瀟洒な
しょうしゃ【瀟洒な】
refined;elegant;→英和
smart;→英和
neat;→英和
chic.→英和
瀟湘
しょうしょう セウシヤウ 【瀟湘】
中国,湖南省を北流する瀟水と湘江。また,その二河の合流する洞庭湖に近い地点。
瀟湘八景
しょうしょうはっけい セウシヤウ― 【瀟湘八景】
瀟水と湘江の合流するあたりの八つの勝景。平沙落雁(ヘイサラクガン)・遠浦帰帆・山市晴嵐(セイラン)・江天暮雪・洞庭秋月・瀟湘夜雨・煙寺晩鐘・漁村夕照の称。北宋の宋迪(ソウテキ)が描いたので有名。
瀟瀟
しょうしょう セウセウ [0] 【瀟瀟】 (形動タリ)
風雨が激しいさま。「雨は―芭蕉葉(バシヨウハ)の破れをうつて音高し/緑簑談(南翠)」
瀟灑
しょうしゃ セウ― [1] 【瀟洒・瀟灑】
■一■ (形動)[文]ナリ
さっぱりして気がきいているさま。あかぬけているさま。「―な住宅」「―な美人」
■二■ (形動タリ)
{■一■}に同じ。「身だしなみ上品に,整然また―として/囚はれたる文芸(抱月)」
瀦滞
ちょたい [0] 【瀦滞】 (名)スル
停滞していること。「進まず退かずして―する者は/学問ノススメ(諭吉)」
瀦留
ちょりゅう [0] 【貯留・瀦留】 (名)スル
水などがたまること。また,ためること。「熄滅せる火口に雨,霜,氷,雪の―し/日本風景論(重昂)」
瀬
せ [0][1] 【瀬】
(1)川の水が浅く人が歩いて渡れる所。あさせ。
⇔淵(フチ)
「―を渡る」
(2)川の流れの速い所。はやせ。「―にのまれる」
(3)海流の流れ。潮流。「潮―」
(4)置かれている立場。「立つ―がない」
(5)機会。機縁。場合。「逢う―を楽しむ」「浮かぶ―がない」
(6)そのところ。その点。「憂きにも嬉しき―はまじり侍りけり/源氏(柏木)」
瀬
せ【瀬】
rapids (早瀬);shallows (浅瀬).
瀬〆漆
せしめうるし [4] 【瀬〆漆】
漆の枝からかき取った粘度の高い液。接着用や強度を増すための下地用に使う。
瀬付き
せつき [0] 【瀬付き】
〔「せづき」とも〕
アユ・サケ・ハヤなどの魚が産卵のために川の瀬に集まること。「―魚」
瀬切り
せぎり 【瀬切り】
(1)流れをせき止めること。「―せし真野のなからはつららゐて/散木奇歌集」
(2)浅瀬の速い流れ。早瀬。「佐保川の―の波や万代の数/堀河百首」
瀬切る
せぎ・る [2] 【瀬切る】 (動ラ五[四])
流れをせき止める。また,仕切る。「埒外に―・られた出迎の人込/青春(風葉)」
瀬取り
せどり [0] 【瀬取り】
親船の積み荷を小船に移し取ること。
瀬取り船
せどりぶね [4] 【瀬取り船】
港で沖懸かりをしている大型船から積み荷を瀬取りする小型の荷船。茶船(チヤブネ)。瀬取り茶船。
→上荷(ウワニ)船
瀬尻
せじり [0] 【瀬尻】
川の瀬が終わりかけて,淵(フチ)や淀(ヨド)に移ろうとする所。
⇔瀬頭(セガシラ)
瀬川
せがわ セガハ 【瀬川】
姓氏の一。
瀬川如皐
せがわじょこう セガハジヨカウ 【瀬川如皐】
(三世)(1806-1881) 江戸末期の歌舞伎脚本作者。江戸の人。五世鶴屋南北(ナンポク)の門人。世話物を得意とした。代表作「与話情浮名横櫛(ヨワナサケウキナノヨコグシ)」「東山桜荘子(ヒガシヤマサクラゾウシ)」
瀬川帽子
せがわぼうし セガハ― [4] 【瀬川帽子】
綿帽子の一種。享保19年,大坂の初世瀬川菊之丞が屋敷女中に扮した時に用いたのが流行の始まりという。
瀬川清子
せがわきよこ セガハ― 【瀬川清子】
(1895-1984) 民俗学者。秋田県生まれ。東洋大卒。女性の暮らしと文化を研究,著「女の民俗誌」「海女記」など。
瀬川菊之丞
せがわきくのじょう セガハ― 【瀬川菊之丞】
歌舞伎俳優。屋号,浜村屋。俳名,路考。
(1)(初世)(1693-1749) 京坂の出身。江戸に出て舞踊劇で成功をおさめ当時三都随一の女方といわれた。芸談に「女形秘伝」がある。
(2)(二世)(1741-1773) 初世の養子。宝暦・安永年間(1751-1781)若女方として活躍した。王子路考。
(3)(三世)(1751-1810) 二世の養子。天明・寛政期(1781-1801)の名女方。所作事にも優れた。仙女路考。
(4)(五世)(1802-1832) 三世の孫。文化・文政期(1804-1830)に活躍した女方。多門路考。
瀬戸
せと【瀬戸】
a strait;→英和
straits;a channel.→英和
瀬戸
せと [1] 【瀬戸】
〔「狭(セ)門(ト)」の意〕
(1)相対する陸地が接近して,海が狭くなっている所。狭い海峡。
(2)「瀬戸際(セトギワ)」の略。「死ぬか生きるかの―に乗(ノツ)かかる時/五重塔(露伴)」
瀬戸
せと 【瀬戸】
(1)愛知県北部にある市。良質の陶土を産し,鎌倉時代から製陶業が興り,日本有数の陶磁器生産地として発展。
(2)「瀬戸物」の略。
瀬戸内
せとうち 【瀬戸内】
瀬戸内海。また,その沿岸地方の称。
瀬戸内式気候
せとうちしききこう [7] 【瀬戸内式気候】
瀬戸内海地方に特有な気候。山地や陸地に囲まれているため,夏・冬とも季節風の陰になり,年間を通じて日照時間が多く,降水量が少ない。沿岸では海陸風が卓越し,夏の夕なぎが顕著。春から夏にかけては霧が発生しやすい。
瀬戸内海
せとないかい 【瀬戸内海】
本州・四国・九州に囲まれた日本最大の内海。西南日本をほぼ東西に横切る窪地帯に海水が浸水して形成された。無数の島々はかつての地塁などで,周囲より小高かった山地。古来,海上交通の大動脈で,また水産物の宝庫でもある。沿岸に工業が発達。気候は温暖で雨量が少ない。瀬戸内。内海。
瀬戸内海
せとないかい【瀬戸内海】
the Inland Sea.
瀬戸内海国立公園
せとないかいこくりつこうえん 【瀬戸内海国立公園】
瀬戸内海一帯に散在する景勝地を含む国立公園。数多い島々と内海がつくりだす美観が中心で,一〇県にまたがる。
瀬戸口
せとぐち 【瀬戸口】
姓氏の一。
瀬戸口
せとぐち [2] 【瀬戸口】
狭い海峡の入り口。
瀬戸口藤吉
せとぐちとうきち 【瀬戸口藤吉】
(1868-1941) 作曲家・指揮者。鹿児島県生まれ。「守るも攻むるも…」で有名な「軍艦行進曲」や「愛国行進曲」などを作曲。
瀬戸唐津
せとからつ [3] 【瀬戸唐津】
唐津焼の一種。白色の釉をかけたもので,明度が瀬戸焼の陶器に近いところからいう。
瀬戸大橋
せとおおはし 【瀬戸大橋】
本四連絡橋の児島・坂出ルートの通称。海峡部の長さ約9.4キロメートル。JR 瀬戸大橋線と瀬戸中央自動車道の併用橋。1988年(昭和63)開通。
瀬戸引き
せとびき [0] 【瀬戸引き】
〔外見が瀬戸物に似ていることから〕
琺瑯(ホウロウ)引き。
瀬戸引きの
せとびき【瀬戸引きの】
enameled <pan> .
瀬戸焼
せとやき [0] 【瀬戸焼】
愛知県瀬戸市およびその周辺で作られる陶磁器の総称。鎌倉時代に加藤藤四郎景正が中国より陶法を伝え,日本陶器の起源となり,灰釉(ハイグスリ)・飴釉(アメグスリ)が発明され本格的窯業が始まった。桃山から江戸初期にかけて黄瀬戸・瀬戸黒・織部・志野など茶器の類が盛んになるとともに雑器も焼かれるようになり,さらに文化(1804-1818)初年,加藤民吉父子が染め付け磁器を始め,のちには磁器が主流となった。せともの。せと。
瀬戸物
せともの [0] 【瀬戸物】
(1)陶磁器の通称。主に畿内以東でいう。
〔中国・四国・九州では唐津物という〕
(2)「瀬戸焼」に同じ。
瀬戸物
せともの【瀬戸物】
earthenware;→英和
china;→英和
pottery;porcelain.→英和
瀬戸物屋 a china shop.
瀬戸物貝
せとものがい [4] 【瀬戸物貝】
海産の巻貝。細長い塔状で,殻高3センチメートル内外。殻は厚く,白色で瀬戸物のような光沢がある。棘皮動物に寄生し,その体液を吸う。本州中部以南の暖海に分布。
瀬戸際
せとぎわ【瀬戸際】
a critical moment;a crisis;→英和
<at> the last moment.〜に on the verge[brink] <of> .→英和
‖瀬戸際政策 brinkmanship.
瀬戸際
せとぎわ [0] 【瀬戸際】
〔狭い海峡と海との境目の意〕
物事の成功・失敗の分かれ目。また,安危の分かれ目。「―に立つ」「人生の浮沈の―」「―政策」
瀬戸鯛
せとだい [2] 【瀬戸鯛】
スズキ目の海魚。全長30センチメートルほど。イサキの仲間で,体形は著しく側扁し,目が大きい。体は灰褐色で,体側に濃灰褐色の幅広い五条の横帯がある。食用となるが,まずい。本州中部以南に分布。
瀬戸黒
せとぐろ [0] 【瀬戸黒】
美濃の黒釉陶器。茶碗が多く,半筒形で高台は低い。天正(1573-1592)年間,利休の好みで造られたといわれる。利休黒。天正黒。
瀬替え
せがえ [0] 【瀬替え】
新しく河道を掘削して,河川を付け替える工事。
瀬枕
せまくら 【瀬枕】
川の水が浅瀬のために盛り上がったもの。「―大きに滝なて/平家 9」
瀬棚
せたな 【瀬棚】
北海道南西部,瀬棚郡の町。日本海に面する港町で,漁業が中心。奥尻島への定期船がある。
瀬渡し船
せわたしぶね [5] 【瀬渡し船】
釣り客を釣り場まで往復させる小型の船。せわたしせん。
瀬瀬
せぜ 【瀬瀬】
〔「せせ」とも〕
あの瀬,この瀬。多くの瀬。「きよたきの―のしら糸くりためて/古今(雑上)」
瀬田
せた 【瀬田】
大津市内の地名。琵琶湖南端,瀬田川の流出口東岸にある。瀬田の唐橋(カラハシ)で西岸と連絡。近江八景の一,瀬田の夕照(セキシヨウ)で知られる。
瀬田の唐橋
せたのからはし 【瀬田の唐橋】
「瀬田の橋」に同じ。「―駒もとどろにふみならし/平家 10」
瀬田の橋
せたのはし 【瀬田の橋】
大津市,琵琶湖から瀬田川が流れ出るあたりに架かる橋。旧東海道が通じ,京に入る要地で,古来重要な戦いの舞台となった。瀬田の長橋。瀬田の唐橋。((歌枕))
瀬田の長橋
せたのながはし 【瀬田の長橋】
〔長大であったことから〕
「瀬田の橋」に同じ。((歌枕))「まきの板も苔むすばかり成りにけりいくよへぬらむ―/新古今(雑中)」
瀬田川
せたがわ 【瀬田川】
琵琶湖の南端から流出する川。下流は宇治川,淀川となって大阪湾に注ぐ。古来,北陸と大和を結ぶ重要な水路。
瀬田折
せたおり 【瀬田折(り)】
着物のすそを帯にはさむこと。せたからげ。
瀬田折り
せたおり 【瀬田折(り)】
着物のすそを帯にはさむこと。せたからげ。
瀬田紮げ
せたからげ 【瀬田紮げ】
「瀬田折り」に同じ。
瀬田蜆
せたしじみ [3] 【瀬田蜆】
瀬田川特産のシジミ。
瀬祭
せまつり [2] 【瀬祭(り)】
海中に酒や米を投げ入れて,海神をまつる漁師の祭り。地方によって,祭日・呼び方が異なる。磯祭。竜宮祭。潮祭。浦祭。
瀬祭り
せまつり [2] 【瀬祭(り)】
海中に酒や米を投げ入れて,海神をまつる漁師の祭り。地方によって,祭日・呼び方が異なる。磯祭。竜宮祭。潮祭。浦祭。
瀬見の小川
せみのおがわ 【瀬見の小川】
京都市左京区下鴨の東部を流れる小川。糺(タダス)ノ森の南で賀茂川に合流する。蝉の小川。石川の瀬見の小川。((歌枕))「石川や―の清ければ月も流れを尋ねてぞすむ/新古今(神祇)」
瀬越し
せごし [0] 【瀬越し】
〔川の早瀬を越すことから〕
(1)危険な時機を克服すること。試練を経ること。「幾度か年の―をしたる人のいへり/浮世草子・永代蔵 5」
(2)船底が平たい喫水の浅い船。瀬越し船。
瀬踏み
せぶみ [0][3] 【瀬踏み】 (名)スル
〔 (2) が原義〕
(1)ある物事をする前に,ちょっと試してみること。「交渉に先立って―しておく」
(2)川を渡る前に瀬が浅いか深いか,あらかじめ調べてみること。「重忠―仕らん/平家 9」
瀬踏み
せぶみ【瀬踏み】
a first trial;sounding.→英和
〜する try;→英和
sound;→英和
feel out.
瀬釣
せづり [0] 【瀬釣(り)】
川の瀬で,針を流しながらアユ・ハヤなどを釣ること。
瀬釣り
せづり [0] 【瀬釣(り)】
川の瀬で,針を流しながらアユ・ハヤなどを釣ること。
瀬音
せおと [0] 【瀬音】
川が浅瀬を流れる時の音。
瀬頭
せがしら [2] 【瀬頭】
ゆるやかな流れから,波が立ちはじめて瀬になりはじめる所。
⇔瀬尻(セジリ)
瀬高
せたか 【瀬高】
福岡県南部,山門(ヤマト)郡の町。近世,矢部川の河港,肥後街道の宿駅。女山(ソヤマ)神籠石がある。
瀬魚
せうお [1] 【瀬魚】
瀬にいる魚。
瀰漫
びまん [0] 【弥漫・瀰漫】 (名)スル
(ある風潮などが)広がること。はびこること。蔓延(マンエン)。「退廃の気が―する」
瀲灎
れんえん [0] 【瀲灎・瀲灔】 (ト|タル)[文]形動タリ
波が光にきらめくさま。「―と輝く海」「唯だ―たる波浪の寒風に跳(オド)るを聞く耳矣(ノミ)/花柳春話(純一郎)」
瀲灔
れんえん [0] 【瀲灎・瀲灔】 (ト|タル)[文]形動タリ
波が光にきらめくさま。「―と輝く海」「唯だ―たる波浪の寒風に跳(オド)るを聞く耳矣(ノミ)/花柳春話(純一郎)」
瀼瀼
じょうじょう ジヤウジヤウ [0] 【瀼瀼】 (形動タリ)
露が一面に置くさま。
灌ぐ
そそ・ぐ [0][2] 【注ぐ・灌ぐ】 (動ガ五[四])
〔室町頃まで「そそく」と清音〕
□一□(自動詞)
(1)水が流れ込む。「東京湾に―・ぐ川」
(2)雨・雪などが降りかかる。「竹の葉に―・ぐ雨」
□二□(他動詞)
(1)液体を容器などに流し込む。「田に水を―・ぐ」「椀(ワン)に汁を―・ぐ」
(2)上からふりかける。「甘茶を―・ぐ」「降り―・ぐ光」「痛き傷には辛塩を―・くちふがごとく/万葉 897」
(3)(涙を)流す。おとす。「花にも涙を―・ぐ」
(4)心・力などをそのほうに向ける。集中する。「愛情を―・ぐ」「完成に力を―・ぐ」「全員の視線が―・がれる」「心血を―・ぐ」
[可能] そそげる
[慣用] 朱を―・火に油を―
灌仏
かんぶつ クワン― [0] 【灌仏】
(1)仏像に香水(コウズイ)・五色水・甘茶などを注ぎかけること。浴仏。
(2)「灌仏会」の略。[季]春。《―の日に生れあふ鹿の子かな/芭蕉》
灌仏会
かんぶつえ クワン―ヱ [4][3] 【灌仏会】
釈迦の誕生日である四月八日に,花御堂(ハナミドウ)に安置した釈迦像に甘茶を注ぎ礼拝する法会。釈迦の誕生を祝して竜王が香水(コウズイ)を注ぎかけたという伝説による。日本では推古天皇の時代から行われたといわれ,平安時代になると宮中でも行われた。仏生会(ブツシヨウエ)。降誕会。浴仏会。竜華会(リユウゲエ)。花祭り。灌仏。
灌口地獄
かんくじごく クワンクヂゴク [4] 【灌口地獄】
仏教で,飲酒戒を破った者が死後におちるという地獄。絶えず口に水をそそぎこまれるという。
灌域
かんいき クワンヰキ [0] 【灌域】
河水の灌漑する地域。
灌所
かんじょ クワン― [1] 【灌所】
(1)手を洗う所。
(2)便所。閑所(カンジヨ)。
灌木
かんぼく クワン― [0] 【灌木】
「低木(テイボク)」に同じ。
⇔喬木(キヨウボク)
灌水
かんすい クワン― [0] 【灌水】 (名)スル
水を注ぐこと。特に,農作物や草木に水を注ぐこと。「畑に―する」
灌注
かんちゅう クワン― [0] 【灌注】 (名)スル
そそぎかけること。
灌漑
かんがい クワン― [0] 【灌漑】 (名)スル
水を川・湖などから引いてきて農地をうるおすこと。「―用水」「畑を―する」
灌漑農業
かんがいのうぎょう クワン―ゲフ [5] 【灌漑農業】
人工的に水を土地に供給して行う農業。乾燥地域などに普及し,農業生産の拡大に役立つが,管理が悪いと塩害など土地の不毛化を招く。
灌腸
かんちょう クワンチヤウ [0] 【浣腸・灌腸】 (名)スル
大便の排出を促したり,あるいは栄養を補給するため,肛門より直腸・大腸内に薬物を注入すること。「―器」
灌頂
かんちょう クワンチヤウ 【灌頂】
⇒かんじょう(灌頂)
灌頂
かんじょう クワンヂヤウ [0] 【灌頂】
〔梵 abhiṣeka; abhiṣecana の訳。古くインドで,国王の即位,または立太子の際,頭頂に水を注いだ儀式から転じたもの〕
(1)〔仏〕
(ア)菩薩が最終の位にはいる時,仏が智慧の水を注ぐこと。
(イ)密教の儀式。伝法・授戒・結縁などのとき,香水(コウズイ)を受者の頭に注ぐこと。
(ウ)墓参りなどのとき,墓に閼伽(アカ)の水を注ぎかけること。
(2)雅楽・謡物(ウタイモノ)・和歌などで秘曲や秘事を伝授すること。
灌頂の師
かんじょうのし クワンヂヤウ― 【灌頂の師】
真言宗で,伝法灌頂を受け,他人に灌頂を授ける資格を有する阿闍梨(アジヤリ)。灌頂大阿闍梨。
灌頂の御所
かんじょうのごしょ クワンヂヤウ― 【灌頂の御所】
昔,宮中で天皇の安全を祈祷(キトウ)し,また秘法を行なった真言道場。灌頂道場。
灌頂堂
かんじょうどう クワンヂヤウダウ [0] 【灌頂堂】
灌頂を行う堂。
灌頂壇
かんじょうだん クワンヂヤウ― [3] 【灌頂壇】
灌頂を行うために設ける壇。
灌頂大法王子
かんじょうだいほうおうじ クワンヂヤウダイホフワウジ 【灌頂大法王子】
〔仏〕 灌頂を受けた菩薩の尊称。
灌頂幡
かんじょうばん クワンヂヤウ― [3] 【灌頂幡】
仏具の一。元来灌頂の儀式に用いたもの。長く垂らした細長い幡(ハタ)。金銅や布などで作る。一説に,幡の端が人の頭に触れるのが灌頂に似ることからともいう。灌頂のはた。
灑掃
さいそう [0] 【灑掃・洒掃】 (名)スル
水をそそぎ,塵(チリ)を払うこと。「落葉も留めぬまで―したる門外/緑簑談(南翠)」
灑水
しゃすい [0] 【灑水・洒水】
密教で,儀式を行う前に道場や法具などに香水(コウズイ)をかけ,煩悩(ボンノウ)や穢(ケガ)れを浄(キヨ)めること。また,その香水。加持香水(カジコウズイ)。
灑水器
しゃすいき [2] 【灑水器】
灑水に用いる香水を入れた器。
灘
なだ 【灘】
兵庫県の南東部,武庫川から生田川にかけての大阪湾岸の地域。西宮市から神戸市にまたがる。1840年宮水(ミヤミズ)が発見され,清酒どころとして知られるようになった。別名,摂津灘。
灘
なだ【灘】
an open sea.玄海灘 the Sea of Genkai.
灘
なだ [1] 【灘・洋】
風波やうねりが強く,航行の困難な海域。「玄界―」
灘五郷
なだごごう 【灘五郷】
兵庫県,灘一帯の酒造地。地域・名称は歴史的には変遷があるが,現在は西宮郷・今津郷(以上西宮市)・東郷・中郷(以上神戸市東灘区)・西郷(神戸市灘区)の五郷をいう。
→灘(地名)
灘崎
なださき 【灘崎】
岡山県南部,児島(コジマ)郡の町。児島半島の北斜面と児島湾干拓地からなる。
灘目
なだめ 【灘目】
兵庫県,灘地方の旧郷名。
灘目酒
なだめざけ [3] 【灘目酒】
「灘酒(ナダザケ)」に同じ。
灘船
なだぶね [3] 【灘船】
江戸時代,摂津国(兵庫県)灘あたりの船主の所有する船。
灘酒
なだざけ [2] 【灘酒】
兵庫県の灘一帯で産する良質の清酒。灘目(ナダメ)酒。
灝
あめ [0] 【灝・豆汁】
味噌・醤油を造るために,大豆を煮た時に出る汁。
火
か クワ [1] 【火】
(1)五行(ゴギヨウ)の第二。季節では夏,方位では南,色では赤,十干では丙(ヒノエ)・丁(ヒノト),五星では火星に当てる。
(2)七曜の一。「火曜」の略。
(3)律令制で,軍団の一組。兵卒一〇人から成る。
火
ひ [1] 【火】
(1)物質が燃えるときに出す炎や熱。また,燃えたり熱せられて赤熱したもの。「紙に―をつける」「―に当たる」「食物に―を通す」「鍋を―にかける」
(2)炭火。「火鉢に―をつぐ」「―をおこす」
(3)火打ちの火。きりび。「―を打つ」
(4)火事。「―の用心」「―を出す」
(5)火のように光るもの。「蛍―」「鬼―」
(6)激しい感情。燃えさかる情熱。「胸の―が燃える」
(7)月経。
→灯(ヒ)
火
ひ【火】
(1) fire;→英和
a spark (火花);→英和
a flame (炎).→英和
(2) ⇒火事.
〜がつく catch[take]fire.〜に当たる warm oneself at the fire.〜にかける put <a thing> over the fire.〜をおこす make a fire.〜を消す put out a fire.〜をつける set fire <to> ;light (点火).→英和
〜を見るより明らか as clear[plain]as day.‖火の用心 <take> precautions against fire.
火
ほ 【火】
火(ヒ)。多く他の語と複合して用いられる。「―なか」「―むら」「―かげ」
火っ気
かっき クワツ― [0] 【火っ気】
〔「かき(火気)」の促音添加〕
火のけ。
火の元
ひのもと [2] 【火の元】
(火事の原因になるような)火の気のある所。「―に気をつける」
火の内
ひのうち 【火の内】
別火(ベツビ)の期間。赤不浄・黒不浄の期間,葬式のあとなど,各地によって一定しない。
火の印
ひのいん 【火の印】
「火印(カイン)」を訓読みした語。「―ヲ結ブ/日葡」
火の回り
ひのまわり 【火の回り】
火が燃え広がっていくこと。火回り。火足。「―が早い」
火の宅
ひのいえ 【火の宅・火の家】
「火宅(カタク)」を訓読みした語。「出づとせし身だに離れぬ―を/宇津保(国譲下)」
火の家
ひのいえ 【火の宅・火の家】
「火宅(カタク)」を訓読みした語。「出づとせし身だに離れぬ―を/宇津保(国譲下)」
火の手
ひのて [1] 【火の手】
(1)火事で,火の燃える勢い。
(2)(「火の手を上げる」「火の手が上がる」などの形で)行動を開始する,また,行動が開始されることをいう。「攻撃の―を上げる」「改革の―が上がる」
火の手
ひのて【火の手】
the flames.〜が上がる blaze up.
火の札
ひのふだ 【火の札】
(1)放火を予告した脅迫状。門戸に貼ったり路上に置いたりした。「聞けばお手前に―を打つたとある/歌舞伎・仏の原」
(2)神社で出す,火災よけの札。
火の柱
ひのはしら 【火の柱】
小説。木下尚江作。1904年(明治37)「毎日新聞」連載。社会の虚偽不正をあばき,非戦論を唱えるキリスト教社会主義者を情熱的に描く。社会主義文学の先駆。
火の気
ひのけ【火の気】
fire.→英和
〜のない unheated <room> .
火の気
ひのけ [1][0] 【火の気】
(1)火のある気配。火のあたたかみ。「―の全くない部屋」
(2)火事の元となるような火。火気(カキ)。「―のない所から出火した」
火の海
ひのうみ [1] 【火の海】
火が非常に広い範囲で燃えているさまをいう語。「あたり一面―だ」
火の物断ち
ひのものだち [0] 【火の物断ち】
祈願のため,または戒律として煮焼きした食べ物を食べないこと。
火の玉
ひのたま【火の玉】
a fireball.→英和
⇒鬼火.
火の玉
ひのたま [1] 【火の玉】
(1)球状の火のかたまり。
(2)勢いの激しいものやそのさまにたとえていう語。「全員―となって敵にぶつかる」
(3)夜間,空中を飛んでいるように見える鬼火(オニビ)。人魂(ヒトダマ)。
火の用心
ひのようじん [3] 【火の用心】
火事を出さないように火の元に注意すること。また,夜番が拍子木を打ちながら大声で唱える語。
火の番
ひのばん [2] 【火の番】
(1)火災が起こらないように予防・警戒をすること。また,その人。[季]冬。《―の障子に太き影法師/虚子》
(2)江戸幕府の職名。目付の下に属し,江戸城内の火の元の番をした。
(3)大奥の女中の職名。夜中,各部屋を見回り火災が起こらないようにした。
火の神
ひのかみ 【火の神】
火をつかさどる神。特に,迦具土(カグツチノ)神。ほのかみ。
火の粉
ひのこ [1] 【火の粉】
火が燃える時に飛び散る小さな火。
火の粉
ひのこ【火の粉】
a spark.→英和
火の見
ひのみ [0][3] 【火の見】
「火の見櫓(ヤグラ)」の略。
火の見梯子
ひのみばしご [4] 【火の見梯子】
火事の方向や場所を見定めるために設けた梯子。頂上に半鐘をつるし,番人が打ち鳴らして火事を知らせた。
火の見櫓
ひのみ【火の見櫓(やぐら)】
a fire lookout.
火の見櫓
ひのみやぐら [4] 【火の見櫓】
火災を早く発見するために,遠方まで見渡せるように高く立てた櫓。望火楼。火の見。
火の見櫓[図]
火の見番
ひのみばん [3] 【火の見番】
火の見櫓で見張りをすること。また,その人。火の見番人。
火の車
ひのくるま [1][0] 【火の車】
(1)〔仏〕「火車(カシヤ)」を訓読みした語。
(2)家計のきわめて苦しいこと。経済状態が非常に苦しいこと。「台所は―だ」
火の車である
ひのくるま【火の車である】
be hard up.
火の輿
ひのこし [1] 【火の輿】
葬儀のときに,火をともした小壺を置いて葬列に従う輿。
火の雨
ひのあめ [1] 【火の雨】
火の粉が盛んに降りかかるさまを雨にたとえていう語。
火の鳥
ひのとり 【火の鳥】
〔原題 (フランス) L'Oiseau de feu〕
ストラビンスキー作曲のバレエ音楽。1910年パリでディアギレフ-ロシア-バレエ団により初演。ロシアの古い民話に取材。
火中
かちゅう クワ― [0][1] 【火中】 (名)スル
(1)火の中。「―に投ずる」
(2)火の中に入れて焼くこと。「此文殻は自分が死んで後は―して呉れろ/続風流懺法(虚子)」
火中
ほなか [1] 【火中】
燃えている火の中。
火中
かちゅう【火中(に)】
(in,into) the fire.→英和
〜に投じる throw <a thing> into the fire.
火串
ほぐし 【火串】
(1)夏山における狩りで,鹿をおびき寄せるための照射(トモシ)のたいまつを挟んでおく木。[季]夏。「五月闇―にかかるともし火の/栄花(歌合)」
(2)のろしの土台に立てるくい。
火乾し
ひぼし [3][0] 【火干(し)・火乾し】
火にあててほすこと。また,そうしたもの。
火事
かじ クワ― [1] 【火事】
〔「ひのこと」の漢字表記「火事」を音読みした語〕
建物・船・山林などが焼けること。火災。[季]冬。「―になる」「―を出す」
火事
かじ【火事】
a fire;→英和
a conflagration (大火).→英和
〜がおこる A fire breaks out.〜にあう suffer from a fire.〜を出す have a fire started.‖火事場泥棒 a looter;fishing in troubled waters (比喩的).
火事場
かじば クワジ― [0][3] 【火事場】
火事の起こっている現場。
火事場泥棒
かじばどろぼう クワジ―バウ [4] 【火事場泥棒】
(1)火事場の騒ぎに付け込んで盗みをする者。かじどろ。
(2)混乱に乗じて不正な利益をあげること。また,その者。かじどろ。
火事場見廻役
かじばみまわりやく クワジ―ミマハリ― [7] 【火事場見廻役】
江戸幕府の職名。若年寄支配。1722年設置。江戸に火災が発生した時,風下の万石以上の邸宅の巡視・警戒,消防の実際を指揮・監察,鎮火後の視察・報告などを役目とした。
火事羽織
かじばおり クワジ― [3] 【火事羽織】
江戸時代,火事装束の羽織。大名火消しは革,のちには羅紗(ラシヤ)などで陣羽織のように作り,定紋(ジヨウモン)をつけた。町火消しは組頭が革羽織,一般には刺し子半纏(バンテン)を用いた。
火事羽織[図]
火事装束
かじしょうぞく クワジシヤウゾク [3] 【火事装束】
江戸時代,消火に当たる人の服装。主に武家の服装にいい,火事頭巾・火事羽織・野袴・胸当・革足袋などからなる。
火事見舞
かじみまい クワジミマヒ [3] 【火事見舞(い)】
火災に遭った家や,近火に遭った家などを見舞うこと。
火事見舞い
かじみまい クワジミマヒ [3] 【火事見舞(い)】
火災に遭った家や,近火に遭った家などを見舞うこと。
火事頭巾
かじずきん クワジヅキン [3][4] 【火事頭巾】
火事装束の頭巾。武家は兜(カブト)頭巾を用い,庶民は革・羅紗(ラシヤ)・刺し子などで製する。
火付き
ひつき [3][0] 【火付き】
火が燃えつくこと。また,そのつき具合。「―の悪いライター」
火付きが良い
ひつき【火付きが良い(悪い)】
(do not) burn well.
火付け
ひつけ [0][3] 【火付け】
家などに火をつけること。放火すること。また,その人。
火付け役
ひつけ【火付け役】
a troublemaker.→英和
火付け役
ひつけやく [0] 【火付け役】
事件や論議,また改革のきっかけを作る役目を演ずる人。「彼が論争の―だ」
火付け木
ひつけぎ [3] 【火付け木】
「付け木」に同じ。
火付盗賊改
ひつけとうぞくあらため [8] 【火付盗賊改】
江戸幕府の職名。すでに設置されていた盗賊改や火付改・博奕改(バクチアラタメ)の各加役をあわせて設けられた。与力・同心を使って江戸市中を巡回し,火災の予防,盗賊の捕縛,博徒の取り締まりなどを行なった。盗賊火付改役。
火伏せ
ひぶせ [1] 【火伏せ】
火災を防ぐこと。ひよけ。特に,火を防ぐ神仏の力にいう。「―の神」
火保ち
ひもち [0][3] 【火持ち・火保ち】
火が立ち消えしたり,すぐ燃え尽きたりしないで,長くもつこと。「―のよい炭」
火偏
ひへん [0] 【火偏】
漢字の偏の一。「炉」「煽」などの「火」の部分。
火傷
やけど【火傷】
a burn;→英和
a scald (熱湯の).→英和
〜の痕(あと) a scar of the burn[scald].〜する burn <one's finger> ;get burnt <on one's finger> .
火傷
かしょう クワシヤウ [0] 【火傷】 (名)スル
「やけど」に同じ。
火傷
やけど [0] 【火傷】 (名)スル
〔焼け処(ド)の意〕
(1)熱によって起こる皮膚の損傷。また,化学物質や放射線による同様の損傷をいうこともある。損傷面の広さ・深さにより四段階に分類される。範囲が体表面積の30パーセント以上に及ぶと生命に危険が生じる。かしょう。熱傷。
(2)危険なことにかかわって,ひどい目にあうこと。
火元
ひもと [3][0] 【火元】
(1)火事を起こしたところ。火事を出した家。
(2)火のあるところ。火のもと。
(3)うわさや流行などの出どころ。
(4)(「火本・火下」とも書く)香元(コウモト)。
火元
ひもと【火元】
the origin of a fire.→英和
〜は…だ The fire started in….
火元見
ひもとみ 【火元見】
江戸時代,将軍や藩主の命をうけ,火災の火元を見とどけて報告する使者。
火先
ほさき [3][0] 【火先】
ほのおの先端。
火入れ
ひいれ [3] 【火入れ】
(1)溶鉱炉などが完成して,初めて点火すること。「―式」
(2)酒などの腐敗を防ぐため,熱を加えること。
(3)開墾・採草・造林地造成のために,山野の枯れ草に火をつけて野を焼くこと。野焼き。
(4)タバコに火をつけるための火種を入れておく器。
火入れ
ひいれ【火入れ】
a fire pan (火器);heating (加熱);kindling (炉などの).→英和
〜する heat;→英和
kindle.→英和
火入れず
ひいれず [2] 【火入れず】
新しく造って,まだ火入れをしていない清酒。
火兵
かへい クワ― [1] 【火兵】
火薬の爆発力で弾丸を飛ばす兵器。銃砲などの総称。火器。
火兵戦
かへいせん クワ― [0] 【火兵戦】
互いに銃砲で戦う戦闘。火戦。
⇔白兵戦
火切り
ひきり [3] 【火鑽り・火切り・燧】
よく乾燥したタブやスギなどを台木(火鑽り臼(ウス))とし,木の棒(火鑽り杵(ギネ))をあてて激しくもみ合わせ火をおこすこと。また,その道具。
火刑
かけい クワ― [0] 【火刑】
昔の刑罰の一。火あぶりの刑。
火刑に処する
かけい【火刑に処する】
burn alive[at the stake].
火力
かりょく クワ― [0][1] 【火力】
(1)火の勢い。「―が弱まる」
(2)火が燃えて出す力。
(3)大砲や鉄砲などの力。火器の威力。「―にまさる敵軍」
火力
かりょく【火力】
heat;→英和
the force of the fire (火事の).→英和
火力発電(所) thermal power generation (a thermal power station[plant]).
火力発電
かりょくはつでん クワ― [4] 【火力発電】
石炭・原油・天然ガスなどの燃焼によって得た熱エネルギーを原動機によって運動エネルギーに変換し,発電機を駆動して電気エネルギーを発生させる方式。汽力発電・ガスタービン発電・内燃機関による発電などがある。
→水力発電
→原子力発電
火加減
ひかげん [2] 【火加減】
火の燃え具合。火力の程度。
火加減を見る
ひかげん【火加減を見る】
look to the fire.→英和
火動
かどう クワ― 【火動】
過度な性交による衰弱症。陰虚火動。腎虚。「はだかにて―の症(シヨウ)は追つかける/柳多留 7」
火勢
かせい【火勢】
the (force of) the fire.→英和
火勢
かせい クワ― [0] 【火勢】
火の燃えるいきおい。「―が衰える」
火匙
こじ [1] 【火箸・火匙・火筯】
〔「こ」は唐音,「じ」は「匙」の呉音〕
(1)ひばし。
(2)香道の火道具の一。香炭団(コウタドン)を扱ったり,香炉の灰の箸目をつけたりするのに用いる火箸(ヒバシ)。
〔「火筋」と書き誤られることもある〕
火印
かいん クワ― [1][0] 【火印】
(1)〔仏〕 左右の手の指を結んで三角形を作り,火の相を表した印契(インゲイ)。
(2)焼き印。「院使花方が頬(ツラ)に浪方(ナミカタ)といふ―を指し/盛衰記 46」
火取り
ひとり [0][3] 【火取り・火採り】
(1)火を入れて他へ移すのに用いる道具。
(2)香をたきしめるのに用いる香炉。漆器の中に銀・銅・陶で作った炉を置き,上から銀または銅の火屋(ホヤ)をかぶせて使用する。火取母(ヒトリモ)。
(3)「火取り籠」「火取りの童(ワラワ)」の略。
火取り(2)[図]
火取りの童
ひとりのわらわ 【火取りの童】
五節の舞姫が参入するときに,火取り{(2)}を持って先に立つ童女。火取り。
火取り籠
ひとりかご [3] 【火取り籠】
火取り{(2)}の上をおおう金網の籠。衣類を掛けて乾かしたり香をたきしめたりするのに用いる。火取り。
火取り虫
ひとりむし [3] 【火取り虫】
夏の夜,灯火に集まってくる虫。ガの類が多いが,コガネムシ・カブトムシなどを含めてもいう。火蛾(カガ)。灯蛾(トウガ)。灯虫(ヒムシ)。[季]夏。
火取る
ひど・る [2] 【火取る】 (動ラ五[四])
表面を軽く火にあぶる。「からすみを―・る」
火取蛾
ひとりが [3] 【火取蛾】
ヒトリガ科のガ。開張約7センチメートル。前ばねは褐色の地に白色の網目紋様があり,後ろばねは赤色の地に黒斑がある。成虫は八,九月に出現し,灯火に飛来する。幼虫はクワ・フキなどの葉を食う毛虫。日本では本州と北海道に分布。
火口
かこう クワ― [0] 【火口】
(1)火山の噴火口。
(2)ボイラーの焚(タ)き口。
火口
ひぐち [1] 【火口】
(1)火災の燃え始め。出火した所。
(2)点火する口。
(3)ガス溶接などに用いる器具の先端に取り付ける炎の出る部分。ノズル。
(4)古い鉄砲で,火気を筒に通す穴。火門。
(5)噴火口。
火口
かこう【火口】
a crater.→英和
火口原(湖) a crater (lake).
火口
ほくち [0][3] 【火口】
(1)燧(ヒウチ)を打ちつけて火をうつしとるもの。イチビの茎を炭にしたものや,茅花(ツバナ)(チガヤの花)やパンヤに焼酎・焔硝を加えて製したものを用いる。ほくそ。
(2)火をつけるところ。点火するところ。
火口丘
かこうきゅう クワ―キウ [2] 【火口丘】
「中央火口丘」に同じ。
火口原
かこうげん クワ― [2] 【火口原】
大きな火口,またはカルデラの内部が平らになった所。箱根の仙石原や阿蘇の阿蘇谷など。
火口原湖
かこうげんこ クワ― [4] 【火口原湖】
火口原に水がたまってできた湖。榛名(ハルナ)湖や芦ノ湖など。
火口壁
かこうへき クワ― [2] 【火口壁】
火口を囲む壁。溶岩・火砕物などから成り,普通,火口底から上方に向かって漏斗状に開いた形をしている。
火口港
かこうこう クワ―カウ [2] 【火口港】
火口に海水が浸入して湾を形成し,港になっている所。伊豆大島の波浮(ハブ)港など。
火口湖
かこうこ クワ― [2] 【火口湖】
火口に水がたまってできた湖。蔵王(ザオウ)山の御釜など。
火口瀬
かこうらい クワ― [2] 【火口瀬】
「かこうせ(火口瀬)」に同じ。
火口瀬
かこうせ クワ― [2] 【火口瀬】
火口またはカルデラの縁の一部が切れて,内部の水が流れ出るようになった谷。十和田湖の子(ネ)ノ口や箱根火山の早川口など。かこうらい。
火口番
ひのくちばん 【火口番】
江戸時代,目付の職務の一。江戸市中の火事の際に,消防の事をつかさどり,現場において火消しの活動を監察した。
火口谷
かこうこく クワ― [2] 【火口谷】
火口の縁が崩壊して浸食が進み,頂部から山腹・山麓にかけてできた谷。
火口金
ほくちがね [3] 【火口金】
「火打ち石」に同じ。
火叩き
ひはたき [2] 【火叩き】
タバコの吸い殻をキセルからはたき出すのに用いるもの。銀・銅などで小さな杯状に作り,タバコ入れの根付けに用いる。
火吹き
ひふき [3] 【火吹き】
火を吹きおこすのに用いる道具。火吹き竹・火吹きだるまなど。
火吹き竹
ひふきだけ [3] 【火吹き竹】
吹いて火をおこすのに用いる,先に小穴をあけた竹筒。
火吹き竹
ひふきだけ【火吹き竹】
a bamboo blower.
火吹き達磨
ひふきだるま 【火吹き達磨】
銅などで作った中空の達磨形の道具。中に水を入れて火のそばに置くと,沸騰して蒸気を口から吹き,火をおこす仕組みになっている。火吹き玉。「―やひよつとこの身代はりに立たうといふ面色(メンシヨク)では,かかり合はねえ事だわす/滑稽本・七偏人」
火味
ひあじ [1] 【火味】
(1)香炉の火かげん。火相(ヒアイ)。
(2)香炉の灰の中の火の深さをみる道具。火味見。火間指(ヒアイサシ)。
火器
かき【火器】
firearms.
火器
かき クワ― [1] 【火器】
(1)銃砲など,火薬を用いる武器の総称。「重―」
(2)火鉢など,火を入れる器具。
火回り
ひまわり [2] 【火回り】
「火の回り」に同じ。「―が早い」
火国
ひのくに 【肥国・火国】
肥前・肥後両国の古称。
火坑
かきょう クワキヤウ 【火坑】
〔仏〕 火の燃えさかる穴。特に,地獄の火の穴。また,煩悩や欲望の恐ろしさのたとえ。「痛ましきかな再度三途の―にかへつて/平家 5」
火堰
ひぜき [1] 【火堰】
ボイラーの火格子の奥に設けた耐火煉瓦(レンガ)の突起。燃料が後ろに落ちないようにする。
火変わり
ひがわり [2] 【火変わり】
「窯変(ヨウヘン)」に同じ。
火夏星
ひなつぼし 【火夏星・熒惑星】
火星の異名。けいこく星。なつひぼし。「天の原南にすめる―/夫木 19」
火大
かだい クワ― [0] 【火大】
〔仏〕 四大・五大・六大の一。地・水・風などとともに万物を構成するとされる要素。
火天
かてん クワ― 【火天】
〔仏〕 密教で十二天の一。もとインドの火神で,仏教に取り入れられて護法神とされ,南東を守る。老いた仙人の姿で火焔中に座す。火仙。火光尊。
→アグニ
火天
ひあま [0] 【火天】
「天棚(アマダナ){(1)}」に同じ。
火夫
かふ クワ― [1] 【火夫】
(1)ボイラーなどの火をたく人。火手。かまたき。
(2)(船舶で)機関員の旧称。
火孔
かこう クワ― [0] 【火孔】
マグマの,地表への噴き出し口。
火宅
かたく クワ― [0] 【火宅】
〔仏〕
〔法華経(譬喩品)〕
三界に平安のないことを火事にあった家にたとえた語。苦に満ちた世界としてのこの世。現世。娑婆(シヤバ)。
火宅僧
かたくそう クワ― [3] 【火宅僧】
妻のある僧侶。妻帯僧。
火定
かじょう クワヂヤウ [0] 【火定】
〔仏〕
(1)「火生(カシヨウ)」に同じ。
(2)修行者が自ら焼身死することによって入定すること。
→水定(スイジヨウ)
→土定(ドジヨウ)
火室
かしつ クワ― [0] 【火室】
ボイラー内の,燃料を燃焼させて蒸気を発生する所。
火小屋
ひごや [1] 【火小屋】
婦人が月経や出産の忌みの期間,別火を用いて住む小屋。火屋(ヒヤ)。他屋(タヤ)。
火屋
ほや [1] 【火屋・火舎】
(1)石油ランプ・ガス灯の火をおおい包むガラス製の筒。
(2)香炉・手あぶり・煙草(タバコ)盆の火入れの上部を覆う網状のふた。また,香炉。
火屋
ほや【火屋】
[ランプの]a (lamp) chimney.
火屋
ひや [1] 【火屋】
火葬場。焼き場。「あはれこの月こそくもれ昼みつる―の煙は今や立つらむ/和泉式部集」
火山
かざん クワ― [1] 【火山】
地下のマグマおよびそれに由来する岩石・ガスなどが地表に噴出する地点,およびその結果として生ずる特徴ある構造。噴出物の高まり(火山体),爆発・陥没による凹地,割れ目などの地形をつくる。
火山=1[図]
火山=2[図]
火山=3[図]
火山=4[図]
火山
かざん【火山】
a volcano.→英和
〜の volcanic.→英和
‖火山原 a caldera.火山帯 a volcanic belt[zone].火山灰(岩) volcanic ashes (rocks).火山脈 a volcanic chain.活(死,休)火山 an active (an extinct,a dormant) volcano.
火山ガス
かざんガス クワ― [4] 【火山―】
火山から噴出するガス。マグマ中に含まれている揮発成分がマグマから遊離したもので,普通,水蒸気を主とし,ほかに二酸化炭素・二酸化硫黄・水素・窒素・硫化水素などを含む。
火山列
かざんれつ クワ― [2] 【火山列】
直線的に並ぶ火山群。
火山列島
かざんれっとう クワ―タウ 【火山列島】
⇒硫黄(イオウ)列島
火山前線
かざんぜんせん クワ― [4] 【火山前線】
海溝に沿って走る弧状列島や弧状山脈に分布する火山帯の,海溝側の縁の線。例えば,東北地方から関東地方にかけて,岩手山・蔵王山・那須岳・赤城山・浅間山などを連ねる線。これより太平洋側には,同時代の火山はない。火山フロント。
火山塵
かざんじん クワ―ヂン [2] 【火山塵】
火山灰のうち,特に微細な砕片。
火山岩
かざんがん クワ― [2] 【火山岩】
マグマが地表または地表に近い所に噴出してきて冷え,固まってできた岩石。一般に細粒ないしガラス質であるが,斑状を呈するものもある。玄武岩・安山岩・流紋岩など。噴出岩。
火山島
かざんとう クワ―タウ [0] 【火山島】
島のほとんどが火山体によってできている島。ハワイ島・三宅島など。
火山帯
かざんたい クワ― [0] 【火山帯】
ある限られた時代に噴出した火山が帯状に配列している地域。日本列島は環太平洋火山帯に属し,さらに千島火山帯・那須火山帯・鳥海火山帯・富士火山帯・乗鞍火山帯・大山(ダイセン)火山帯・霧島火山帯などの諸火山帯に区分される。火山脈。
火山弾
かざんだん クワ― [2] 【火山弾】
火山噴出物の一種で,未凝固のマグマが火口から噴き出されて空中で固結したもの。紡錘状・楕円体状・扁平状など種々の形がある。
火山性地震
かざんせいじしん クワ―ヂシン [6] 【火山性地震】
火山活動に伴って,火山付近に発生する地震。一般に小規模で震源は浅い。
火山昇華物
かざんしょうかぶつ クワ―シヨウクワ― [6] 【火山昇華物】
火山地帯で,噴気孔の周囲に集積した鉱物の総称。火山ガス中の成分が,圧力と温度の低下,空気による酸化,周辺の鉱物との反応などによって,固化したもの。硫黄・塩化アンモニウム・ホウ酸など。
火山毛
かざんもう クワ― [2] 【火山毛】
噴火の際,マグマが毛状に引き伸ばされて急冷・固結してできるガラス質の火山噴出物。ペレーの毛。
火山泥流
かざんでいりゅう クワ―リウ [4] 【火山泥流】
大小の火砕物が大量の水と混じって山腹を高速で流下する現象。大惨害をもたらすことがある。
火山活動
かざんかつどう クワ―クワツ― [4] 【火山活動】
火成活動の一。地下のマグマが地表または地表近くに達して引き起こす現象。噴火・噴気,噴出物の流出・堆積,火山体の形成,火山性地震の発生,地盤の変動など。
火山灰
かざんばい クワ―バヒ [2] 【火山灰】
火山から噴出される溶岩や鉱物の結晶のかけらで,微細な灰状の物質。
火山灰土壌
かざんばいどじょう クワ―バヒドジヤウ [6] 【火山灰土壌】
火山灰や軽石などを母材として生じた土壌の総称。北海道・東北・関東・九州などに広く分布し,多くの俗称がある。火山灰土。黒(クロ)ぼく土。
火山灰地
かざんばいち クワ―バヒ― [4] 【火山灰地】
火山灰に覆われている土地。土壌は赤褐色で軽く,水を吸収すると膨張し,また水分を発散すると崩れやすくなる。
火山灰地
かざんばいち クワザンバヒチ 【火山灰地】
戯曲。久保栄作。1938年(昭和13)刊。北海道の一農業都市を舞台に,多彩な人物群像を通して,資本主義下の農業の問題点を描き出す。
火山砂
かざんさ クワ― [2] 【火山砂】
火山物質からなる砂。
火山砕屑丘
かざんさいせつきゅう クワ―キウ [7] 【火山砕屑丘】
⇒火砕丘(カサイキユウ)
火山砕屑岩
かざんさいせつがん クワ― [7] 【火山砕屑岩】
⇒火砕岩(カサイガン)
火山砕屑流
かざんさいせつりゅう クワ―リウ [7] 【火山砕屑流】
⇒火砕流(カサイリユウ)
火山砕屑物
かざんさいせつぶつ クワ― [7] 【火山砕屑物】
⇒火砕物(カサイブツ)
火山礫
かざんれき クワ― [2] 【火山礫】
火山の噴出物で,その直径が4〜32ミリメートルのもの。主に火山岩の岩片より成る。
火山群
かざんぐん クワ― [2] 【火山群】
噴出時代や噴出物の性質がよく似ているなど,互いに密接な関係にある火山の集まり。火山彙(カザンイ)。
火山脈
かざんみゃく クワ― [2] 【火山脈】
火山帯の旧称。
火山雷
かざんらい クワ― [2] 【火山雷】
火山爆発の噴煙中に発生する火花放電。噴出物の摩擦による帯電が原因と考えられる。
火工
かこう クワ― [0] 【火工】
弾丸に火薬をつめる作業。
火工品
かこうひん クワ― [0] 【火工品】
雷管・信管・導火線など,その燃焼・爆発によって,他の火薬・爆薬を安全・確実に燃焼・爆発させるために用いるものの総称。
火干
ひぼし [3][0] 【火干(し)・火乾し】
火にあててほすこと。また,そうしたもの。
火干し
ひぼし [3][0] 【火干(し)・火乾し】
火にあててほすこと。また,そうしたもの。
火床
ほど [1] 【火床】
(1)囲炉裏の中心の火をたく所。
(2)炉の燃焼室の床。
(3)金属鍛冶用の簡単な炉。
火床
ひどこ [1] 【火床】
(1)ボイラー・かまなどの燃料を燃す所。格子になっていて,燃え殻を下に落とす。
(2)箱の中に土を塗ってつくった炉。また,船中でそれを設けた所。
火床
かしょう クワシヤウ [0] 【火床】
ボイラーの燃料の燃える所。
火度
かど クワ― [1] 【火度】
陶磁器などを焼く窯(カマ)の温度。
火影
ほかげ【火影】
a light.→英和
火影
ほかげ [0][2] 【火影】
(1)灯火の光。
(2)灯火によってできる影。「人の気色も,夜の―ぞ/徒然 191」
火影
ひかげ 【火影】
火のひかり。ほかげ。「(手紙ヲ)あけて―に見れば/蜻蛉(下)」
火急
かきゅう クワキフ [0] 【火急】 (名・形動)[文]ナリ
非常にさし迫っている・こと(さま)。「何か―の要事が有るやうで/浮雲(四迷)」
火急の
かきゅう【火急の】
urgent;→英和
pressing <business> .→英和
〜の場合に in case of[in an]emergency.
火悪戯
ひいたずら [2] 【火悪戯】
火をいたずらすること。火遊び。
火成
かせい クワ― [0] 【火成】
マグマの活動で生成する意。
火成岩
かせいがん クワ― [2] 【火成岩】
マグマが冷却・固結してできた岩石の総称。化学組成や生成される時の状態によって分類され,地下深所で固結したものを深成岩(花崗岩など),地表または地表近くで固結したものを火山岩(安山岩・玄武岩など),前二者の中間の地下で固結したものを半深成岩という。
火成岩
かせいがん【火成岩】
an igneous rock.
火成活動
かせいかつどう クワ―クワツ― [4] 【火成活動】
マグマの生成・上昇や火成岩の生成などの諸活動の総称。
火成論
かせいろん クワ― [2] 【火成論】
岩石の生成について,地球内部の火(熱)の作用を重視した学説。一八世紀末,イギリスのハットンらは,マグマが冷却・固結してできた火成岩の存在を確かめ,ドイツのウェルナーらの水成論と対立した。のち一般化されて地質学の発展に寄与した。火成説。
⇔水成論
火成鉱床
かせいこうしょう クワ―クワウシヤウ [4] 【火成鉱床】
マグマの固結作用の過程で形成された鉱床の総称。正マグマ鉱床・ペグマタイト鉱床・熱水鉱床・接触交代鉱床など。
火成鉱物
かせいこうぶつ クワ―クワウ― [4] 【火成鉱物】
火成岩を構成する鉱物。マグマが冷却・結晶分化してできる,輝石・角閃石・雲母・長石・石英など。
火戦
かせん クワ― [0] 【火戦】
銃砲で行う戦い。火兵戦。
火手
かしゅ クワ― [1] 【火手】
機関車などの汽缶の火を焚いたり,手入れをしたりする人。火夫。かま焚(タ)き。
火打ち
ひうち [3] 【火打ち・燧】
(1)火打ち石と火打ち金を使って火を打ち出すこと。また,その道具。火打ち石。
(2)和裁で,下着や夜着の袖下と脇の角に付ける三角形の襠(マチ)。また,ぶっさき羽織の背の割れ目につける三角布。
(3)土台や梁(ハリ)など,材木が水平に直交している部分のゆがみをなくすために斜めに架ける補強材。火打ち材。
火打ち替え
ひうちかえ [0] 【火打ち替え】
(1)死や出産の不浄の際,そのけがれをはらうため,炉の火を新しくつけなおすこと。
(2)大晦日(オオミソカ)に炉の火種を新しくすること。
火打ち材
ひうちざい [3] 【火打ち材】
⇒火打ち(3)
火打ち板
ひうちいた [4] 【火打ち板】
ふすまのゆがみを防ぐため,四隅に打ち付ける三角形の板。
火打ち石
ひうちいし [3] 【火打ち石・燧石】
玉髄に似た石英の一種。ほぼ純粋のケイ質岩。色は黄・褐・紅色などで,質はすこぶる硬い。火打ち金と打ち合わせると火を発し,古来火付け道具として用いた。ひうちかど。
火打ち箱
ひうちばこ [3] 【火打ち箱・燧箱】
(1)火打ち道具を入れておく箱。
(2)狭苦しい家をあざけっていう語。「家貧しくて身代は,薄き紙子の―/浄瑠璃・反魂香」
火打ち袋
ひうちぶくろ [4] 【火打ち袋・燧袋】
火打ち道具を入れて持ち運ぶための袋。
火打ち袋[図]
火打ち道具
ひうちどうぐ [4] 【火打ち道具・燧道具】
火をおこすのに用いた道具。火打ち石・火打ち金・火口(ホクチ)など。
火打ち金
ひうちがね [3] 【火打ち金・燧鉄】
火打ち石と打ち合わせて火を出すのに用いた三角形の鋼鉄片。火口金(ホクチガネ)。
火打ち鎌
ひうちがま 【火打ち鎌・燧鎌】
「火打ち金」に同じ。主に江戸で用いた語。「いびつなる面桶(メンツ)にはさむ―(惟然)/続猿蓑」
火打石
ひうちいし【火打石】
a flint.→英和
火技
かぎ クワ― [1] 【火技】
(1)銃砲を取り扱う技術。
(2)花火。「夜間は種々の―を放ち/西洋聞見録(文夫)」
火折尊
ほおりのみこと ホヲリ― 【火折尊・火遠理命】
彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)の別名。
火持ち
ひもち [0][3] 【火持ち・火保ち】
火が立ち消えしたり,すぐ燃え尽きたりしないで,長くもつこと。「―のよい炭」
火挟み
ひばさみ [2] 【火挟み】
火縄銃で,引き金と連動して,火縄を固定し,火皿に火をつける金具。
→火縄銃
火振り
ひぶり [0] 【火振り】
「夜振(ヨブ)り」に同じ。
火挵り
ひぜせり 【火挵り】 (名)スル
手なぐさみに炭火をもてあそぶこと。「火箸手ぐさの―して/浄瑠璃・聖徳太子」
火採り
ひとり [0][3] 【火取り・火採り】
(1)火を入れて他へ移すのに用いる道具。
(2)香をたきしめるのに用いる香炉。漆器の中に銀・銅・陶で作った炉を置き,上から銀または銅の火屋(ホヤ)をかぶせて使用する。火取母(ヒトリモ)。
(3)「火取り籠」「火取りの童(ワラワ)」の略。
火取り(2)[図]
火掻き
ひかき【火掻き(棒)】
a poker.→英和
火掻き
ひかき [3] 【火掻き】
(1)かまどなどの火をかき出す道具。先端の曲がった鉄の棒。おきかき。
(2)十能(ジユウノウ)。
火攻
かこう クワ― [0] 【火攻】 (名)スル
「ひぜめ(火攻)」に同じ。
火攻め
ひぜめ [3][0] 【火攻め】
火を放って敵を攻めること。火攻(カコウ)。
火敷
ひしき [3] 【火敷】
香をたくとき,火を埋めた灰の上におく金属・陶器・玉の薄片。香敷。隔火。
火斗
かと クワ― [1] 【火斗】
(1)火を運ぶ器具。十能(ジユウノウ)。
(2)火のし。
火明かり
ほあかり [2] 【火明(か)り・灯明(か)り】
たいまつや灯火などのあかり。
火明かり
ひあかり [2] 【火明(か)り】
燃えている火の明るさ。
火明り
ほあかり [2] 【火明(か)り・灯明(か)り】
たいまつや灯火などのあかり。
火明り
ひあかり [2] 【火明(か)り】
燃えている火の明るさ。
火明命
ほあかりのみこと 【火明命】
(1)日本書紀に見える神。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の子。尾張連(オワリノムラジ)などの祖先。火照命(ホデリノミコト)。
(2)「播磨国風土記」に見える神。大己貴神(オオアナムチノカミ)の子。あまりの気性の激しさに,この神のもとを逃げ出そうとした大己貴神の船を破壊した。
火星
かせい【火星】
Mars.→英和
〜の(人) (a) Martian.→英和
火星
かせい クワ― [0] 【火星】
〔Mars〕
太陽系の第四惑星。地球の軌道のすぐ外側に軌道をもつ。赤く見えるので,西洋では軍神マルスにたとえられ,日本では「災星(ワザワイボシ)」「炎星(ホノオボシ)」などといわれる。中国名は熒惑(ケイコク)。公転周期1.88年。自転周期は約二四時間三七分。赤道半径3397キロメートル。質量は地球の〇・一〇七倍。二つの衛星をもつ。冬になると大きくなる極冠が知られている。また,クレーターや,過去に水の浸食を受けたように見える大峡谷なども発見された。
火映
かえい クワ― [0] 【火映】
活火山の火口上空が,夜間,赤く映える現象。マグマまたは高温のガスが上昇してきて火口内に存在する場合に見られる。
→御神火(ゴジンカ)
火映り
ひうつり [2] 【火映り・灯映り】
灯火が物に映ずること。
火時計
ひどけい [2] 【火時計】
線香や火縄の燃えた長さにより時間を知るもの。
火曜
かよう クワエウ [2][0] 【火曜】
火曜日。
火曜日
かようび クワエウ― [2] 【火曜日】
週の第三日。月曜日の次の日。火曜。
火曜日
かようび【火曜日】
Tuesday <Tue(s).> .→英和
火末
ひずえ [0] 【火末】
炷(タ)き始めてから相当時間がたった香木。また,その香り。
→末枯(スガリ)
火柱
ひばしら【火柱】
a pillar of fire[flames].
火柱
ひばしら [2] 【火柱】
(1)大きく高く燃えて,柱のように見える炎。ひのはしら。「爆発音と同時に―が立った」
(2)柱のように,空中に立ち昇る赤い気。「白く赤き気三条出現し,…此の変,彗形と為り異名は―なり/東鑑(仁治二)」
火格子
ひごうし [2] 【火格子】
ボイラーの焚き口と火堰(ヒゼキ)の間にあって,石炭などの固体燃料をのせる格子状のもの。ファイア-グレート。
火桶
ひおけ [2][3] 【火桶】
木製の火鉢。内側を金属板で張り,外側の木地には漆を塗り,蒔絵(マキエ)を施すなどしたもの。[季]冬。《―抱く三時といへば夕ごころ/皆吉爽雨》
火櫃
ひびつ [1] 【火櫃】
四角い木製の火鉢。
火気
ほけ 【火気】
(1)火のけ。また,けむり。「かまどには―吹き立てず/万葉 892」
(2)湯気。「―ガタツ/日葡」
火気
かき【火気】
fire.→英和
火気厳禁 <掲示> Use of Fire Strictly Prohibited./(Caution:) Inflammable (荷物などに貼る場合).
火気
かき クワ― [1] 【火気】
(1)火があること。火のけ。「―厳禁」
(2)火の勢い。熱気。「ここ迄―がきまする/浄瑠璃・重井筒(中)」
火水
ひみず [1] 【火水】
(1)水と火。水火(スイカ)。
(2)火と水とのように,性格があわず仲の悪いこと。
(3)(火事や洪水のように)勢いが激しいこと。「―の争い」
(4)火に焼かれ,水におぼれるほどの苦しみ。「―の地獄」
火水
かすい クワ― [1] 【火水】
(1)火と水。たいへんつらいこと,困難なことにもたとえる。「―も辞さず」
(2)性質を異にし相容れないもののたとえ。「精神上の―の争ひ/描写論(花袋)」
火活け
ひいけ [3][0] 【火活け】
炭火を,消えないように灰の中に入れて火種を保つこと。埋火(ウズミビ)をすること。
火浣布
かかんぷ クワクワン― [2] 【火浣布】
(1)古代中国で,火ねずみの毛で織ったと考えられていた布。火に入れても焼けないという。ひねずみのかわごろも。
(2)石綿で織った燃えない布。日本では平賀源内が初めて作ったといわれる。「―・ゑれきてるの奇物をたくめば/滑稽本・放屁論後編」
火消し
ひけし【火消し】
⇒消防.‖火消壷 a charcoal extinguisher.火消役 a troubleshooter.
火消し
ひけし [3][2] 【火消し】
(1)火を消すこと。
(2)火災を消しとめること。また,それを職務とする者。消防士。
(3)江戸時代の消防組織。また,それに所属する人。定火消し・大名火消し・町火消しなど。
火消し同心
ひけしどうしん [4] 【火消し同心】
定火消しの同心。
火消し壺
ひけしつぼ [3][2] 【火消し壺】
燃えさしの炭・薪などを入れ,ふたで密閉して火を消す壺。すみつぼ。けしつぼ。
火消し役
ひけしやく [0] 【火消し役】
(1)「定火消し」に同じ。
(2)若年寄の配下に属し,定火消しの組織を統轄する者。定火消し御役。
(3)混乱した事態を鎮める役。「格好の―」
(4)リリーフ投手のこと。
火消し組
ひけしぐみ [0] 【火消し組】
⇒定火消(ジヨウビケ)し
火消し頭巾
ひけしずきん [4][5] 【火消し頭巾】
火消しが火事場でかぶった頭巾。猫頭巾など。
火渡り
ひわたり [2] 【火渡り】
修験道の行者などが祈祷(キトウ)などの際に行う術の一つ。燃えている火の上を,呪文を唱えながらはだしで渡るもの。
火灯
かとう クワ― [0] 【火灯・瓦灯】
〔「がとう」とも〕
(1)中に灯火をともすための陶製の用具。方形で上が狭く,下が広い。
(2)「火灯口」「火灯窓」「火灯額(カトウビタイ)」の略。
火灯口
かとうぐち クワ― [2] 【火灯口】
(1)火灯形の出入り口。特に,茶室の給仕口・茶道口に用いられる,上部が円形で方立(ホウダテ)を用いず壁を塗り回して作った出入り口。花頭口。
(2)歌舞伎の大道具の一つで,舞台正面の屋台に設ける火灯形の出入り口。
火灯垣
かとうがき クワ― [2] 【火灯垣】
火灯形の出入り口を設けた垣根。路地口や中庭に竹などで作ることが多い。
火灯形
かとうがた クワ― [0] 【火灯形】
火灯窓などに用いられる,上が尖頭アーチ形で,下が広がった形。
火灯窓
かとうまど クワ― [4] 【火灯窓】
上部が尖頭アーチ形をしている窓。禅宗寺院の建築とともに中国から伝わって,唐様(カラヨウ)建築に多く用いられた。書院窓。源氏窓。
火灯窓[図]
火灯額
かとうびたい クワ―ビタヒ 【火灯額】
生え際が火灯形になっている額。富士額。
火災
かさい【火災】
a fire;→英和
⇒火事.‖火災避難訓練 a fire drill.火災報知機 a fire alarm.火災保険 fire insurance.火災保険をつける insure <a house> against fire.火災保険会社 a fireinsurance company.
火災
かさい クワ― [0] 【火災】
(1)火事による災難。火事。
(2)〔仏〕 大三災の一。初禅天まで焼かれる災害。
→三災(2)
火災保険
かさいほけん クワ― [4] 【火災保険】
火災によって生ずる財産上の損害を填補(テンポ)するための損害保険。建物・家具・商品・貴金属などが対象となる。
火災報知機
かさいほうちき クワ― [6] 【火災報知機】
(1)火災の発生とその場所を消防署などに知らせる装置。
(2)「火災感知器」の通称。
火災感知器
かさいかんちき クワ― [6] 【火災感知器】
熱・煙などを感知し,火災の発生を自動的に発見して警報を鳴らす装置。火災報知機。
火災気象
かさいきしょう クワ―シヤウ [4] 【火災気象】
火災の発生・延焼に関係する気象。主に湿度と風が関係する。
火炉
かろ クワ― [1] 【火炉】
(1)火を入れて暖を取るもの。火鉢・囲炉裏など。
(2)香炉(コウロ)。
(3)ボイラーの燃料を燃やす装置。
火炎
かえん【火炎】
a flame;→英和
a blaze.→英和
‖火炎ビン a Molotov cocktail.火炎放射器 a flamethrower.
火炎
かえん クワ― [0] 【火炎・火焔】
燃えさかる火。ほのお。
火炎放射器
かえんほうしゃき クワ―ハウシヤ― [6] 【火炎放射器】
液体燃料を圧縮空気で放出し,それに点火して人員・構築物などを殺傷・焼却する兵器。
火炎瓶
かえんびん クワ― [2] 【火炎瓶】
瓶にガソリンを詰め,点火して投げつけるもの。発火剤を混ぜ,瓶が割れると同時に発火するものもある。
火炙り
ひあぶり【火炙り】
the stake.→英和
〜になる be burned at the stake.→英和
火炙り
ひあぶり [2] 【火炙り・火焙り】
罪人を火で焼き殺す刑罰。火刑。「―の刑」
火点
かてん クワ― [0] 【火点】
機関銃・速射砲・歩兵砲などを主体とした,火力のやや大きい個々の陣地。
火点し
ひともし [0][2] 【火点し】
(1)火をともすこと。また,その係の者。
(2)葬送のときに,たいまつを持って前を行く者。
(3)「火点し頃」の略。
火点し石
ひともしいし [4] 【火点し石】
造園で,手水鉢(チヨウズバチ)のそばの石灯籠(ドウロウ)に火をともすときの,足掛かりにすえた石。
火点し頃
ひともしごろ [5] 【火点し頃】
明かりをともす頃。夕方。ひとぼしごろ。ひとぼしどき。
火焔
かえん クワ― [0] 【火炎・火焔】
燃えさかる火。ほのお。
火焔太鼓
かえんだいこ クワ― [4] 【火焔太鼓】
大太鼓(ダダイコ)の異名。
火焔式
かえんしき クワ― [0] 【火焔式】
火焔に似た形の装飾を施した縄文土器の一種。縄文時代中期にみられる。
火焔式[図]
火焔玉
かえんだま クワ― [0] 【火焔玉】
火焔につつまれた宝珠をかたどった作り物の俗称。御輿の頂などにつける。火珠。
火焔草
かえんそう クワ―サウ [0] 【火焔草】
アカネ科の常緑多年草。南アメリカ原産。観賞用に栽培。茎はよく分枝し,卵形の葉を対生。夏,腋生(エキセイ)の長い花柄の先に深紅色の漏斗状花を開く。
火焔菜
かえんさい クワ― [2] 【火焔菜】
アカザ科の一,二年草。根菜として栽培。根の外皮は赤色。横断面に同心円状に赤色の輪がある。サラダなどに用いる。
火焔隈
かえんぐま クワ― [2] 【火焔隈】
歌舞伎の隈(クマ)取りの一。紅の筋隈を火焔にかたどったもの。「義経千本桜」二段目の「鳥居前」で狐忠信(タダノブ)がする。
火焙り
ひあぶり [2] 【火炙り・火焙り】
罪人を火で焼き殺す刑罰。火刑。「―の刑」
火焚き
ほたき [1][0] 【火焚き・火焼き】
「おひたき(御火焚)」に同じ。
火焚き
ひたき [3] 【火焚き・火焼き】
(1)火をたくこと。
(2)邸宅の照明や警固のために,かがり火をたいたこと。また,その役の者。「御―の老人/古事記(中訓)」
(3)火をたく所。炉。[和名抄]
火焚き屋
ひたきや 【火焚き屋】
(1)平安時代,宮中で衛士(エジ)が庭火やかがり火などをたき,夜警に立った小屋。
(2)野の宮で,斎火(イミビ)を切り出し神饌(シンセン)を調理する建物。
火焼
ひたき [0] 【鶲・火焼】
スズメ目ヒタキ科に属する鳥の総称。全長10〜18センチメートル。目は大きく,空中捕虫をする。雄の多くは派手な色彩。日本にはキビタキ・オオルリ・コサメビタキなどが渡来。なお,ジョウビタキ・ルリビタキなどはツグミ科に分類する。火打ち石を打つような声を発する。[季]冬。《―とぶ色となりたる如くかな/星野立子》
火焼き
ほたき [1][0] 【火焚き・火焼き】
「おひたき(御火焚)」に同じ。
火焼き
ひたき [3] 【火焚き・火焼き】
(1)火をたくこと。
(2)邸宅の照明や警固のために,かがり火をたいたこと。また,その役の者。「御―の老人/古事記(中訓)」
(3)火をたく所。炉。[和名抄]
火焼け
ほやけ 【火焼け】
(1)火事。火災。「童謡(ワザウタ)亦衆(オオ)し。日々夜々―の処多し/日本書紀(天智訓)」
(2)火にやけたような赤黒いあざ。[日葡]
火焼け地蔵
ほやけじぞう [4] 【火焼け地蔵】
火災・やけどに霊験のあるという地蔵。
火煙
ひけぶり [2] 【火煙】
⇒ひけむり(火煙)
火煙
ひけむり [2] 【火煙】
火と煙。炎まじりの煙。「―が立つ」
火煙
かえん クワ― [0] 【火煙】
火と煙。また,火が燃える時に出る煙。
火照り
ほてり [3] 【火照り・熱り】
(1)熱気や怒り・恥ずかしさで顔が赤くなること。「顔の―」
(2)夕焼けで空が赤く色づくこと。「山の端に―せぬ夜は/新撰六帖 3」
火照り
ほてり【火照り】
glow;→英和
heat.→英和
火照る
ほて・る [2] 【火照る・熱る】 (動ラ五[四])
顔や体が熱くなる。また,そのように感じる。「顔が―・る」「足が―・る」「恥ずかしくて耳まで―・る」
火照る
ほてる【火照る】
glow;→英和
flush;→英和
burn.→英和
火照命
ほでりのみこと 【火照命】
古事記にみえる神で,瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の子。海幸・山幸神話の海幸。隼人阿多君(ハヤトアタノキミ)の祖。
火熨斗
ひのし [3] 【火熨斗】
布の皺(シワ)をのばしたり,襞(ヒダ)をつけたりするための底の滑らかな金属製の器具。内部に炭火を入れ,熱した底を布にあてて用いる。
火熨斗[図]
火熨斗摺り
ひのしずり [0] 【火熨斗摺り】
火熨斗をかけそこなって布をだめにしてしまうこと。
火熱
かねつ クワ― [1] 【火熱】
火の熱。火の熱さ。
火燗
ひがん [1] 【火燗】
直接火にあてて酒の燗(カン)をすること。
火燵
こたつ [0] 【炬燵・火燵】
〔「火榻」の唐音から〕
暖房具の一。炭火や電気の熱源をやぐらで囲い,布団をかけて暖をとるもの。[季]冬。《耳遠く病もなくて―かな/虚子》
火牛
かぎゅう クワギウ [0] 【火牛】
〔史記(田単伝)〕
牛の角に刃を結び付け,尾に油を注いだ葦を結んで点火し,牛を怒らせて敵中に放ち,それに乗じて敵を攻める法。戦国時代の斉の田単の用いた奇計。火牛の計。
火玉
ひだま [3] 【火玉】
(1)空中を飛ぶ球形の怪しい火。火の玉。
(2)キセルの火皿にあるタバコの火のかたまり。
火球
かきゅう クワキウ [0] 【火球】
(1)火の玉。「―の如き月は早く昇りて/即興詩人(鴎外)」
(2)流星のうち特に明るいもの。
火生
かしょう クワシヤウ [0] 【火生】
〔仏〕 不動明王が三昧(サンマイ)に入って,身から炎を発すること。火生三昧。火定(カジヨウ)。
火田
かでん クワ― [0][1] 【火田】
朝鮮北部で古くから行われる一種の焼き畑農業。アワ・ソバ・ジャガイモ・大豆などを栽培する。
火田民
かでんみん クワ― [2] 【火田民】
朝鮮で火田を耕作する農民。
火界呪
かかいじゅ クワカイ― [2] 【火界呪】
密教で,印(イン)を結んで,その印から無量の大火焔が流出するのを観想しながら唱える呪文。不動明王の大呪。
火皿
ひざら [1] 【火皿】
(1)煙管(キセル)・パイプの,タバコをつめる部分。
(2)火縄銃の銃身の末端についている,口薬(クチグスリ)(=起爆薬)を盛る鉄の小皿。
→口薬
(3)こんろ・ストーブ・汽罐(キカン)などの燃料をたく部分の下部にある鉄格子。ロストル。
火皿貝
ひざらがい [3] 【火皿貝・膝皿貝】
(1)多板綱に属する軟体動物の総称。日本にはケムシヒザラガイ・ババガセなど約百種が知られる。ジイガセ。コゴマリ。
(2)ヒザラガイ{(1)}の一種。体は小判形で長さ約6センチメートル。背面には八枚の黒褐色の殻が並び,その周囲をとりまく肉の帯は白黒の横縞と多くの短い棘(トゲ)におおわれる。地方により食用。潮間帯の岩礁上に普通に見られる。
火相
ひあい [0] 【火相】
(1)茶の湯・香席で,風炉(フロ)・炉・香炉の火のおこり具合。
(2)火のもと。防火。火の用心。「内蔵―よく念を入れ/浮世草子・織留 5」
火矢
ひや [1] 【火矢・火箭】
矢先にしみ込ませた油に点火して放つ矢。火薬を篦(ノ)に詰めたものもある。石火矢・棒火矢など。焼き打ちなどに用いる。
火砕丘
かさいきゅう クワサイキウ [2] 【火砕丘】
爆発的噴火によって上空に放出された火砕物が,降下して火口の周囲に積み重なってできた小形の火山体。頭の切れた円錐形で,火砕物の種類によって,軽石丘・スコリア丘・火山灰丘などに分ける。火山砕屑丘。臼状火山。ホマーテ。
火砕岩
かさいがん クワサイ― [2] 【火砕岩】
火山の噴出物が堆積し固結してできた岩石の総称。凝灰(ギヨウカイ)岩・凝灰角礫(カクレキ)岩・火山礫凝灰岩など。火山砕屑岩(サイセツガン)。
火砕流
かさいりゅう クワサイリウ [2] 【火砕流】
噴出した高温の火山灰や軽石などが一団となって,普通,時速百キロ以上の高速で流走する現象。1991年(平成3)雲仙普賢岳で発生した火砕流では四〇名の死者を出している。火山砕屑(サイセツ)流。
火砕物
かさいぶつ クワサイ― [2] 【火砕物】
火山から放出された破片状の固体物質の総称。火山灰・軽石・岩滓など。火山砕屑物(サイセツブツ)。テフラ。
火砲
かほう クワハウ [1][0] 【火砲】
大砲などの重火器。
火神鳴り
ひかみなり [2] 【火雷・火神鳴り】
落雷して物を焼いたりする雷。
⇔水雷
「―の雲がくれ/浮世草子・一代男 4」
火祭
ひまつり [2] 【火祭(り)】
(1)火災を防ぐための鎮火祭。
(2)一月一日に出雲大社で行われる神事。神代より伝わる火鑽臼(ヒキリウス)・火鑽杵(ギネ)をまつる。
(3)火を焚いて神を招きまつる祭り。京都鞍馬の由岐神社で行われる「鞍馬の火祭り」が有名。[季]秋。《―や焔の中に鉾進む/虚子》
火祭り
ひまつり [2] 【火祭(り)】
(1)火災を防ぐための鎮火祭。
(2)一月一日に出雲大社で行われる神事。神代より伝わる火鑽臼(ヒキリウス)・火鑽杵(ギネ)をまつる。
(3)火を焚いて神を招きまつる祭り。京都鞍馬の由岐神社で行われる「鞍馬の火祭り」が有名。[季]秋。《―や焔の中に鉾進む/虚子》
火移り
ひうつり [2] 【火移り】
火が燃えうつること。
火種
ひだね [0][2] 【火種】
(1)火をおこすもとになる火。
(2)争い・騒ぎの原因。「紛争の―」
火種
ひだね【火種】
a fire;→英和
a kindling coal.
火筒
ほづつ [0] 【火筒】
銃砲。
火筒
ひづつ [1] 【火筒】
(1)鉄砲の旧称。ほづつ。
(2)ボイラーの旧称。
火筯
こじ [1] 【火箸・火匙・火筯】
〔「こ」は唐音,「じ」は「匙」の呉音〕
(1)ひばし。
(2)香道の火道具の一。香炭団(コウタドン)を扱ったり,香炉の灰の箸目をつけたりするのに用いる火箸(ヒバシ)。
〔「火筋」と書き誤られることもある〕
火箭
かせん クワ― [0] 【火箭】
(1)火矢(ヒヤ)。
(2)空中に打ち上げ,彩火・彩煙・音響を放たせて信号とする,艦船の火具。「―信号」
火箭
ひや [1] 【火矢・火箭】
矢先にしみ込ませた油に点火して放つ矢。火薬を篦(ノ)に詰めたものもある。石火矢・棒火矢など。焼き打ちなどに用いる。
火箱
ひばこ [1] 【火箱】
(1)炉{(1)}の底に入れる箱。
(2)行火(アンカ)。足あぶり。
火箸
ひばし【火箸】
(a pair of) tongs.→英和
火箸
ひばし [1] 【火箸】
炭火を挟むのに用いる金属製の箸。
火箸
こじ [1] 【火箸・火匙・火筯】
〔「こ」は唐音,「じ」は「匙」の呉音〕
(1)ひばし。
(2)香道の火道具の一。香炭団(コウタドン)を扱ったり,香炉の灰の箸目をつけたりするのに用いる火箸(ヒバシ)。
〔「火筋」と書き誤られることもある〕
火糞
ほくそ [0] 【火糞・�】
(1)火口(ホクチ)。
(2)ろうそくの燃えがら。
火結神
ほむすびのかみ 【火結神】
祝詞にみえる火の神。伊弉諾(イザナキ)・伊弉冉(イザナミ)二尊の子。記紀神話の軻遇突智(カグツチ)にあたる。火産霊(ホムスビ)。
火継
ひつぎ 【火継】
出雲国造(イズモノクニノミヤツコ)家で,新しく国造職を継ぐとき,家宝の火燧臼(ヒキリウス)と火燧杵(ヒキリギネ)で神火を受け継ぐ儀式。火継の神事。
火網
かもう クワマウ [0] 【火網】
火砲が縦横に発射され,その弾道が網を張ったような戦場の状態。
火網
ひあみ [0] 【火網】
こんろの中に燃料を置くための網。
火綿
かめん クワ― [0] 【火綿】
⇒綿火薬(メンカヤク)
火線
かせん クワ― [1] 【火線】
直接敵と射撃を交える最前線。
火縄
ひなわ [0] 【火縄】
(1)竹・檜(ヒノキ)の皮の繊維,木綿糸などを縄状にしたもの。よく燃えるように硝石をしみ込ませたものもある。火縄銃の発火,タバコの火つけなどに用いた。
(2)「火縄売り」の略。
火縄売り
ひなわうり 【火縄売り】
江戸時代,劇場でタバコの火つけ用の火縄を売った人。客の雑用や舞台の手伝いもした。火縄。
火縄筒
ひなわづつ 【火縄筒】
「火縄銃」に同じ。
火縄銃
ひなわじゅう【火縄銃】
a firelock.→英和
火縄銃
ひなわじゅう [3] 【火縄銃】
旧式銃の一。筒の先端から黒色火薬と弾丸を込め,火皿に盛った起爆薬(口薬(クチグスリ))に火縄で点火して発射するもの。火皿をおおう火蓋(ヒブタ)という安全装置があり,点火は引き金の操作で行う。火縄筒。種子島(タネガシマ)。
火縄銃[図]
火罪
かざい クワ― [1] 【火罪】
江戸時代,主として放火犯人に科した刑。市中引き回しの上,火あぶりにした。火刑。
火胼胝
ひだこ [2] 【火胼胝】
火鉢などの火に長くあたったとき皮膚にできる暗紅色のまだら模様。
火脚
ひあし [0] 【火脚・火足】
火の燃えひろがる速さ。火の回り。
火脹れ
ひぶくれ [2][0] 【火脹れ】
火傷(ヤケド)のために皮膚がふくれあがること。また,その部分。「やけどで―ができる」
火脹れ
ひぶくれ【火脹れ】
a blister.→英和
〜ができる blister.
火舎
かしゃ クワ― [1] 【火舎】
〔「かじゃ」「かさ」とも〕
仏事に用いる,蓋(フタ)のついた香炉。
火舎[図]
火舎
ほや [1] 【火屋・火舎】
(1)石油ランプ・ガス灯の火をおおい包むガラス製の筒。
(2)香炉・手あぶり・煙草(タバコ)盆の火入れの上部を覆う網状のふた。また,香炉。
火船
かせん クワ― [0] 【火船】
(1)藁(ワラ)や薪(マキ)などを積んで火をつけ,風上から流して敵船を焼き討ちにする船や筏(イカダ)。
(2)〔「火輪船(カリンセン)」の略〕
汽船。
火船
ひぶね [1] 【火船】
(1)昔,夜間網漁を行うときに集魚のための火をたいた船。現在は電気集魚灯を用いる。
(2)戦国時代の水軍で使われたもので,敵船に火をつけるため,薪・わらなどを積み,これに火をつけて風上から流した船。
火色
ひいろ [0] 【火色】
(1)高温に熱した物体の光っている色合い。
(2)陶磁器の表面にあらわれる赤い斑紋。
(3)火のような濃い紅色。
(4)襲(カサネ)の色目の名。表・裏とも紅の打ったもの。四季通用。
火花
ひばな【火花】
a spark.→英和
〜が散る spark.〜が散るような議論 a heated discussion.
火花
ひばな [1] 【火花】
(1)飛び散る火。火の粉。
(2)金属・石などを急激にすり合わせたり,たたいたりしたときに出る火。
(3)放電するときに出る光。スパーク。
火花スペクトル
ひばなスペクトル [5] 【火花―】
電気火花を飛ばしたときに出る光のスペクトル。主として原子イオンによるスペクトルである。スパーク-スペクトル。
火花放電
ひばなほうでん [4] 【火花放電】
気体内の向かい合った電極に加える電圧を次第に大きくしてゆくと,ある点で急に気体の絶縁が破れ,強い音を伴って火花を発しながら大きな電流が流れる現象。
火葬
かそう クワサウ [0] 【火葬】 (名)スル
死体を焼き,残った骨を葬ること。また,そういう葬法。日本では,700年に僧道昭が遺言により火葬に付されたのが文献(「続日本紀」)上の初例。荼毘(ダビ)。「―に付す」
火葬
かそう【火葬】
cremation.〜にする cremate.→英和
‖火葬場 a crematory.
火葬場
かそうば クワサウ― [0] 【火葬場】
火葬のため死体を焼く場所。やきば。
火蓋
ひぶた [1] 【火蓋】
火縄銃の火皿をおおう真鍮(シンチユウ)製のふた。
→火縄銃
火蓋を切る
ひぶた【火蓋を切る】
open fire;[始まる]start;→英和
begin.→英和
火薬
かやく【火薬】
gunpowder.→英和
火薬庫 a (powder) magazine.
火薬
かやく クワ― [0] 【火薬】
衝撃・点火などによって瞬間的に燃焼または分解反応を起こして多量の熱と気体を生じ,破壊・推進などの作用を行う物質。狭義には発射薬・推進薬を指し,広義には一般に爆発に伴って発生するエネルギーを有効に利用し得る爆発性物質を指す。後者は火薬類と呼ばれ,火薬類取締法では,火薬・爆薬・火工品に分けられる。黒色火薬のような混合火薬と,ニトログリセリンのような化合火薬とがあり,用途によって炸薬(サクヤク)・爆破薬・発射薬・起爆薬に分けられる。
火薬庫
かやくこ クワ― [3] 【火薬庫】
(1)火薬類を保管しておく倉庫。
(2)大事件・大変事を引き起こす危険性をはらんでいる所。
火薬類取締法
かやくるいとりしまりほう クワ―ハフ 【火薬類取締法】
火薬類の製造・販売を許可制とし,貯蔵・運搬・消費その他の取り扱いについて,災害の防止,公共の安全の確保の見地から規制した法律。1950年(昭和25)制定。
火蛾
かが クワ― [1] 【火蛾】
「火取り虫」に同じ。[季]夏。《山荘や―の跳梁夥し/青木月斗》
火血刀
かけつとう クワケツタウ 【火血刀】
地獄(火)・畜生(血)・餓鬼(刀)の三悪道のこと。「―の苦果,敢て疑ひなし/平家 10」
火袋
ひぶくろ [2] 【火袋】
(1)灯籠(トウロウ)の火をともす所。また,行灯(アンドン)・提灯(チヨウチン)などの紙のおおい。
→石灯籠
(2)暖炉などの薪炭を燃すところ。
火襷
ひだすき [2] 【火襷】
陶器に現れた不規則な緋色の線条。焼成の際,無釉(ムユウ)の器面にわらなどが触れて作用し,発色したもの。塩水をしみ込ませたわら縄を巻きつけるなど人工的にも行う。備前焼に多く見られる。
火計
ひばかり [2] 【火計】
〔燃料のみが日本の物の意〕
唐津焼・薩摩焼などで,文禄・慶長の役後,朝鮮からきた陶工が朝鮮の陶土・釉薬(ユウヤク)を用いて,日本の窯で焼いたといわれるものの称。
火責め
ひぜめ [3][0] 【火責め】
火を使って責め苦しめること。火を使う拷問(ゴウモン)。「―水責め」
火起請
ひぎしょう [2] 【火起請】
昔,神前または判者の前で,赤熱(シヤクネツ)した鉄片を握らせ,手がただれるかどうかによって正邪を判断したもの。鉄火。
火足
ひあし [0] 【火脚・火足】
火の燃えひろがる速さ。火の回り。
火車
かしゃ クワ― 【火車】
(1)〔仏〕 生前悪行を働いた亡者を乗せて地獄へ運ぶという,火の燃えている車。火の車。「身を責め骨を砕く―の責め/謡曲・綾鼓」
(2)「火車婆(ババ)」の略。
(3)死体を食いに来るという,想像上の妖怪。
(4)〔中国語から〕
汽車。
火車婆
かしゃばば クワ― 【火車婆】
〔死後は「火車{(1)}」に乗せられる婆の意〕
悪心(アクシン)の強い老婆。おにばば。かしゃ。
火輪
かりん クワ― [0] 【火輪】
(1)火の車輪のように見えるもの。転じて,太陽の異名。日輪。「眼は―炎の背(ソビラ)/浄瑠璃・日本振袖始」
(2)「火輪車」「火輪船」の略。
(3)密教の五輪の一。
火輪船
かりんせん クワ― [0] 【火輪船】
外輪式蒸気船の幕末期における呼称。
火輪車
かりんしゃ クワ― [2] 【火輪車】
汽車の明治初期の呼称。かりん。
火返し
ひがえし [2] 【火返し】
⇒袖壁(ソデカベ)
火途
かず クワヅ [1] 【火途】
三途(サンズ)の一。地獄道(ジゴクドウ)のこと。
火造り
ひづくり [2] 【火造り】
金属を加熱して加工しやすい状態にし,必要な形に仕上げる作業。鍛造。
火遁
かとん クワ― [0] 【火遁】
火の中にはいって身を隠すという忍術の一法。「―の術」
火遊び
ひあそび [2] 【火遊び】 (名)スル
(1)火をおもちゃにして遊ぶこと。火いたずら。
(2)危険な遊びや企て。
(3)その場限りの男女の情事。
火遊びする
ひあそび【火遊びする】
play with fire (比喩的にも).
火道
かどう クワダウ [0] 【火道】
マグマが地殻内部から地表へ上昇する通路。
火道具
ひどうぐ [2] 【火道具】
(1)鉄砲など火薬を用いて弾丸を発射する兵器。火器。
(2)香道で用いる七つ道具。すなわち,火箸(コジ)・香匙(コウスクイ)・銀葉挟(ギンヨウバサミ)・鶯(ウグイス)・香箸(キヨウジ)・羽箒(ハボウキ)・灰押(ハイオシ)の称。火味を加えることもある。
火達磨
ひだるま [2] 【火達磨】
全体に火がついて燃えあがること。「全身―になる」
火達磨になる
ひだるま【火達磨になる】
be covered with flames.
火遠理命
ほおりのみこと ホヲリ― 【火折尊・火遠理命】
彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)の別名。
火酒
かしゅ クワ― [1] 【火酒】
アルコール分の強い蒸留酒。焼酎(シヨウチユウ)・ウオツカ・ウイスキー・ブランデー・ジンなど。
火酒
かしゅ【火酒】
(ardent) spirits;strong liquor.
火酢芹命
ほすせりのみこと 【火酢芹命・火須勢理命】
⇒ほのすそりのみこと(火闌降命)
火野
ひの 【火野】
姓氏の一。
火野葦平
ひのあしへい 【火野葦平】
(1907-1960) 小説家。福岡県生まれ。本名,玉井勝則。早大中退。「糞尿譚」で芥川賞を受賞。「麦と兵隊」「土と兵隊」「花と兵隊」の三部作で戦争文学の代表作家となった。他に自伝的長編「花と竜」など。
火鈴
こりん [1] 【火鈴】
〔「こ」は唐音〕
禅寺で,火の用心を告げるのに用いる,小さな鐘に似た鈴。手で振って鳴らす。
火鉢
ひばち [1] 【火鉢】
灰を入れ,中に炭火などをいけておく暖房具。暖をとるほか,料理にも使い,座敷の調度ともした。火おけ。[季]冬。《妹が居といふべかりける桐―/虚子》
火鉢
ひばち【火鉢】
a brazier.→英和
火鍋子
ホーコーツ [3] 【火鍋子】
〔中国語〕
中国料理の鍋(ナベ)料理で使う卓上鍋。また,この鍋を使う寄せ鍋料理。ホーコーズ。
火鑽り
ひきり [3] 【火鑽り・火切り・燧】
よく乾燥したタブやスギなどを台木(火鑽り臼(ウス))とし,木の棒(火鑽り杵(ギネ))をあてて激しくもみ合わせ火をおこすこと。また,その道具。
火鑽り杵
ひきりぎね [4] 【火鑽り杵】
火鑽り臼(ウス)と組み合わせて火をおこす道具。
→火鑽り臼
火鑽り臼
ひきりうす [4] 【火鑽り臼】
火をおこす道具の一。火鑽り杵(ギネ)を垂直に立て,これを急速度で回転させ,摩擦熱で発火させる。弥生時代のものが登呂(トロ)遺跡から出土。
火長
かちょう クワチヤウ 【火長】
(1)律令制下の軍団の行動単位である火(兵士一〇人で組織)の長。
(2)検非違使の下級職員。府生(フシヨウ)の下。看督長(カドノオサ)・案主長(アンジユノオサ)などの職についた。
火門
かもん クワ― [0][1] 【火門】
砲口,または銃口。「―を開く」
火闌降命
ほのすそりのみこと 【火闌降命】
日本書紀にみえる神。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の子。海幸・山幸神話の海幸。隼人族の始祖。火酢芹命(ホノスセリノミコト)。火進命(ホノススミノミコト)。古事記では火須勢理命(ホスセリノミコト)とされ,海幸・山幸神話の役割から外れる。
→火照命(ホデリノミコト)
火闌降命
ほすそりのみこと 【火闌降命】
⇒ほのすそりのみこと(火闌降命)
火防
かぼう クワバウ [0] 【火防】
火災の防止。火事の予防。防火。
火除け
ひよけ [0][3] 【火除け】
(1)火事の燃え移ってくるのを防ぐこと。また,そのための設備など。
(2)神仏の力を借りて火災を避けること。火伏せ。「―のお守り」
火除け地
ひよけち [3] 【火除け地】
江戸時代,火災の延焼を防ぎ,また火事の際の避難場所とするため特に設けたあき地。平時は種々の興行の場所として使用された。
火難
かなん クワ― [0] 【火難】
火による災難。火事。
火雷
ひかみなり [2] 【火雷・火神鳴り】
落雷して物を焼いたりする雷。
⇔水雷
「―の雲がくれ/浮世草子・一代男 4」
火面
かめん クワ― [1][0] 【火面】
一点から出た光が光学系の収差により像側で一点に集束しない時,互いに接近した光線の交点全体のつくる曲面。
火須勢理命
ほすせりのみこと 【火酢芹命・火須勢理命】
⇒ほのすそりのみこと(火闌降命)
火頭
かとう クワ― 【火頭】
律令制下の軍隊や役民の組織において,炊事に当たった役夫。
火風
かふう クワ― [1] 【火風】
(1)火と風。
(2)火炎を伴った風。「青色の鬼神現れ出て…―その口より出て/太平記 39」
火食
かしょく クワ― [0] 【火食】 (名)スル
物を煮たきして食べること。
火食鳥
ひくいどり【火食鳥】
a cassowary.→英和
火食鳥
ひくいどり ヒクヒ― [2] 【火食鳥・食火鶏】
ヒクイドリ目ヒクイドリ科の総称。ダチョウに似るが少し小形で,頭高約1.8メートル。足指は三本。頭に大きな角質の冠を有する。頭と首は裸出し,鮮やかな赤・青・緑などに彩られる。速く走り,泳ぎもうまいが,飛べない。ニューギニアとオーストラリア北西部に三種が分布する。
火鼠
かそ クワ― [1] 【火鼠】
⇒ひねずみ(火鼠)
火鼠
ひねずみ [2] 【火鼠】
中国の想像上の動物。南海の火山の火中にすむ白鼠で,その毛皮は火に入れても焼けることがないという。かそ。[和名抄]
火鼠の裘
ひねずみのかわぎぬ 【火鼠の裘】
火鼠の毛皮で作った,火に焼けない衣。火浣布(カカンプ)。ひねずみのかわごろも。「唐土にある―を給へ/竹取」
灯
ともしび [0][3] 【灯・灯火・燭】
(1)ともした明かり。とうか。ともし。「町の―」「風前の―」
(2)存在・実在などのあかしのたとえ。「生命の―が消えかかる」「平和運動の―を掲げる」
灯
ともし [3][0] 【灯】
(1)「ともしび(灯)」に同じ。とぼし。
(2)(「照射」と書く)夏山の狩りで,夜,松明(タイマツ)などをともして,それに近寄る鹿を射ること。また,その松明。
灯
ともしび【灯】
a light;→英和
lamplight.→英和
灯
あかし [0] 【灯・明かし】
あかり。ともしび。特に,神仏にささげる灯明。「み―」
灯
ひ【灯】
a light.→英和
〜をつける(消す) light (put out) <a lamp> ;turn[switch]on (off) a light (電灯).
灯
とう【灯】
a light;→英和
a lamp.→英和
灯
ひ [1] 【灯】
〔「ひ(火)」と同源〕
ものを照らす光。ともしび。あかり。「町の―が見える」「―をともす」
灯
とぼし [3][0] 【点火・灯】
灯火。ともし。
灯
とう 【灯】
■一■ [1] (名)
ともしび。あかり。
■二■ (接尾)
助数詞。電灯の数を数えるのに用いる。「一室二―」
灯す
とも・す [2][0] 【点す・灯す】 (動サ五[四])
(1)灯火をつける。明かりをつける。とぼす。「蝋燭(ロウソク)を―・す」「蛍の―・す火にや見ゆらむ/伊勢 39」
(2)交合する。女を犯す。とぼす。「もしこの子を―・す気か/洒落本・仮根草」
[可能] ともせる
灯の
ともしびの 【灯の】 (枕詞)
灯火が明るいの意で地名「明石」にかかる。「―明石大門(オオト)に入らむ日や/万葉 254」
灯る
とも・る [2][0] 【点る・灯る】 (動ラ五[四])
蝋燭(ロウソク)や灯心に火がつく。明かりがつく。とぼる。「ランプに火が―・る」「明かりが―・る」
灯上げ石
ひあげいし [3] 【灯上(げ)石・灯揚(げ)石】
石灯籠に灯火を入れるために乗る石。やや高く表面は平らで,庭の景色ともする。
灯上石
ひあげいし [3] 【灯上(げ)石・灯揚(げ)石】
石灯籠に灯火を入れるために乗る石。やや高く表面は平らで,庭の景色ともする。
灯下
とうか [1] 【灯下】
あかりの下。あかりのそば。
灯光
とうこう [0] 【灯光】
ともしびの光。あかり。
灯前
とうぜん [0] 【灯前】
ともしびの前。ともしびのそば。灯下。
灯台
とうだい【灯台】
a lighthouse.→英和
‖灯台守 a lighthouse keeper.灯台もと暗し One must go abroad for news of home.
灯台
とうだい [0] 【灯台】
(1)航路標識の一。船舶に陸上の特定の位置を示すために設置する塔状の構造物。夜間には灯火を放ち,また,霧笛を鳴らすなどして船舶の安全を守る。
(2)昔の室内照明器具。上に油皿をのせて灯心を立て火をともす台。灯明台。
灯台(2)[図]
灯台守
とうだいもり [3] 【灯台守(り)】
灯台{(1)}の番をする人。
灯台守り
とうだいもり [3] 【灯台守(り)】
灯台{(1)}の番をする人。
灯台船
とうだいせん [0] 【灯台船】
⇒灯船(トウセン)
灯台草
とうだいぐさ [3] 【灯台草】
トウダイグサ科の二年草。日当たりのよい道端などに生える。茎は直立し,高さ約25センチメートル。切ると白汁が出る。葉はへら状で互生し,茎頂の葉は輪生する。春,茎頂に緑黄色の杯(サカズキ)状の花序をつける。有毒植物。和名は花序の形を昔の灯台に見立てたもの。鈴振り花。
灯台草[図]
灯台草科
とうだいぐさか [0] 【灯台草科】
双子葉植物離弁科類の一科。主に熱帯に産し,世界に約三〇〇属八〇〇〇種がある。木本または草本で,切ると白汁を出すものが多い。花は単生で,花弁はしばしば退化し,果実は蒴果(サクカ)。有毒植物が多い。トウダイグサ・ニシキソウ・ポインセチア・トウゴマ・アブラギリ・キャッサバなど。
灯台鬼
とうだいき [3] 【灯台鬼】
額に灯火を支える道具を打ちつけられ,生きたまま灯台とされた人。「源平盛衰記」巻一〇に,遣唐使軽(カル)の大臣が灯台鬼とされ,息子弼(スケ)の宰相が渡唐して対面したが,父と気づかず,物言わぬ薬を飲まされた父が,指端を食い切り血でもって書いた一文で我が父とわかったという説話が載る。燭鬼。
灯影
とうえい [0] 【灯影】
灯火の光。ほかげ。
灯心
とうしみ 【灯心】
〔「とうじみ」とも〕
「とうしん(灯心)」に同じ。「油・―までもてのぼらせ給ふ/栄花(駒競べの行幸)」
灯心
とうすみ [0] 【灯心】
「とうしみ」の転。「とうしん」に同じ。
灯心
とうしん【灯心】
a (lamp) wick.灯心草《植》a rush.→英和
灯心
とうしん [0] 【灯心・灯芯】
ランプ・行灯(アンドン)などの芯。灯油を吸い込ませて,火をともすためのもの。綿糸などを用いる。古くは藺(イ)の白い芯を用いた。とうしみ。とうすみ。
灯心抑え
とうしんおさえ [5] 【灯心抑え】
油皿の中に置いて,灯心をおさえたり,かきたてたりするのに用いる金属製または陶製の具。かきたてぼう。
灯心草
とうしんぐさ [3] 【灯心草】
藺(イ)の異名。[季]夏。
灯心蜻蛉
とうすみとんぼ [5] 【灯心蜻蛉】
イトトンボの異名。[季]夏。
灯心蜻蛉
とうしんとんぼ [5] 【灯心蜻蛉】
イトトンボの異名。[季]夏。
灯心蜻蛉
とうしみとんぼ [5] 【灯心蜻蛉】
イトトンボの異名。
灯揚げ石
ひあげいし [3] 【灯上(げ)石・灯揚(げ)石】
石灯籠に灯火を入れるために乗る石。やや高く表面は平らで,庭の景色ともする。
灯揚石
ひあげいし [3] 【灯上(げ)石・灯揚(げ)石】
石灯籠に灯火を入れるために乗る石。やや高く表面は平らで,庭の景色ともする。
灯明
とうみょう【灯明】
<offer> a light <to> .→英和
灯明
とうみょう [0] 【灯明】
神仏に供える火。みあかし。「―をあげる」
灯明かり
ほあかり [2] 【火明(か)り・灯明(か)り】
たいまつや灯火などのあかり。
灯明かり
ひあかり [2] 【灯明(か)り】
灯火の明かり。また,その明るさ。
灯明り
ほあかり [2] 【火明(か)り・灯明(か)り】
たいまつや灯火などのあかり。
灯明り
ひあかり [2] 【灯明(か)り】
灯火の明かり。また,その明るさ。
灯明台
とうみょうだい [0] 【灯明台】
(1)灯明をのせるための台。
(2)「灯台{(1)}」に同じ。
灯明寺畷
とうみょうじなわて トウミヤウジナハテ 【灯明寺畷】
福井市灯明寺町にある古戦場。九頭竜川左岸の堤にある。1338年,新田義貞が戦死した地と伝えられる。
灯明船
とうみょうせん [0] 【灯明船】
⇒灯船(トウセン)
灯映り
ひうつり [2] 【火映り・灯映り】
灯火が物に映ずること。
灯架
とうか [1] 【灯架】
灯火の油をいれる皿を載せる台。灯台。
灯標
とうひょう [0] 【灯標】
航路標識の一。頂部に灯を掲げた立標。暗礁や浅州の上に設け,夜間航行する船舶を安全に導くためのもの。
灯檠
とうけい [0] 【灯檠】
灯火の油皿を載せる台。灯架。灯台。
灯油
とうゆ [0] 【灯油】
(1)灯火用の油。ともしあぶら。
(2)原油蒸留の際,摂氏一八〇〜三〇〇度の間で得られる油。灯火・ストーブの燃料・農業用発動機燃料・溶剤などに用いる。ケロシン。
灯油
とうゆ【灯油】
lamp oil;kerosene.→英和
灯油
とぼしあぶら [4] 【灯油】
灯火をともすのに用いる油。菜種油など。ともしあぶら。
灯油
ともしあぶら [4] 【灯油】
⇒とぼしあぶら(灯油)
灯油機関
とうゆきかん [5][4] 【灯油機関】
灯油を燃料とした内燃機関。小型船舶や農業用機械に用いる。
灯浮標
とうふひょう [0] 【灯浮標】
⇒挂灯浮標(ケイトウフヒヨウ)
灯火
とうか【灯火】
a light.→英和
‖灯火管制 a blackout.灯火親しむべき候 a good season for reading.
灯火
とうか [1] 【灯火】
ともしび。あかり。
灯火
ともしび [0][3] 【灯・灯火・燭】
(1)ともした明かり。とうか。ともし。「町の―」「風前の―」
(2)存在・実在などのあかしのたとえ。「生命の―が消えかかる」「平和運動の―を掲げる」
灯火管制
とうかかんせい [4] 【灯火管制】
夜間の空襲に備えて,灯火を消したりおおい隠したりすること。
灯燭
とうしょく [0] 【灯燭】
ともしび。灯火。とうそく。
灯用
とうよう [0] 【灯用】
灯火用。「―アルコール」
灯竿
とうかん [0] 【灯竿】
航路標識の一。夜間の航路目標として頂部に灯を掲げた柱。桟橋や防波堤の端に設置する。
灯篭
とうろう【灯篭】
a <garden,dedicatory,hanging> lantern.→英和
灯篭流し a lantern offering on the water.→英和
灯籠
とうろう [0] 【灯籠】
(1)灯火をともす器具。石や金属,また,竹や木などで作る。本来,神前や仏前に灯火を献ずるための具。
→石灯籠
→釣り灯籠
(2)盆供養のためにともして精霊(シヨウリヨウ)に供える灯火。盆灯籠。[季]秋。
灯籠人形
とうろうにんぎょう [5] 【灯籠人形】
人形の胴体や背景に灯籠を仕掛け,暗い屋外で操る人形芸。群馬県安中のものが知られる。がんどう人形。
灯籠流し
とうろうながし [5] 【灯籠流し】
精霊(シヨウリヨウ)流しの一。火をいれた灯籠を川や海に流す行事。盆の終わりの日に行う。家の祖先を送り,また水死者・無縁仏の供養とする。流灯会。[季]秋。
灯籠舟
とうろうぶね [5] 【灯籠舟】
精霊流しに用いる小舟。アサ・ムギのわら,マコモなどで作り,中に灯籠を置く。盆舟。送り舟。精霊舟。
灯籠草
とうろうそう [0] 【灯籠草】
セイロンベンケイの異名。
灯籠踊り
とうろうおどり [5] 【灯籠踊り】
灯籠を頭に載せて踊る盆の風流踊り。室町後期に京都辺りでおこり,各地に流行した。京都の八瀬・久多,広島,岩手などに残る。
灯籠鬢
とうろうびん [3] 【灯籠鬢】
江戸時代の女の髪形の一。両鬢にクジラの骨で作った鬢差しを入れ,毛筋が透けて見えるようにしたもの。明和・安永(1764-1781)頃,主に遊里で流行。
灯籠鬢[図]
灯船
とうせん [0] 【灯船】
船上高く灯火を掲げ,灯台の役目を果たす船。灯台の設置が困難な浅州などに定置する。灯台船。灯明船。浮き灯台。
灯芯
とうしん [0] 【灯心・灯芯】
ランプ・行灯(アンドン)などの芯。灯油を吸い込ませて,火をともすためのもの。綿糸などを用いる。古くは藺(イ)の白い芯を用いた。とうしみ。とうすみ。
灯花
とうか [1] 【灯花】
「丁字頭(チヨウジガシラ)」に同じ。
灯蓋
とうがい [0] 【灯蓋】
(1)灯火の油皿をのせる台。くもで。灯架。
(2)灯火の油を入れる皿。油皿。灯盞(トウサン)。
灯虫
ひむし [1] 【灯虫】
「火取り虫(ムシ)」に同じ。[季]夏。
灯蛾
とうが [1] 【灯蛾】
「火取り虫」に同じ。[季]夏。
灯質
とうしつ [0] 【灯質】
灯台の灯光の発射状態。各灯台ごとに定められている。
灰
はい【灰】
ash.→英和
〜になる be burnt[reduced]to ashes.
灰
はい ハヒ [0] 【灰】
物が燃え尽きたあとに残る粉末。
灰とダイヤモンド
はいとダイヤモンド ハヒ― 【灰と―】
〔原題 (ポーランド) Popiół i diament〕
ポーランドの作家アンジェイェフスキの長編小説。1948年刊。第二次大戦直後のポーランド社会の混乱と政治的葛藤を描いた問題作。58年,ワイダによって映画化され,国際的に有名になった。
灰の木
はいのき ハヒ― [3] 【灰の木】
ハイノキ科の常緑小高木。西日本の山中に生える。葉は狭卵形で光沢がある。初夏,葉腋(ヨウエキ)に花冠が五深裂する白色の花を数個つける。枝葉を燃やした灰から灰汁(アク)をとり染色に用いる。
灰の木[図]
灰分
かいぶん クワイ― [1] 【灰分】
(1)石炭や木炭などが燃えつきたあとに残る不燃性の鉱物質。はい。
(2)栄養学で,食物中に含まれる無機物,すなわち鉱物質。ミネラル。また,それの全量に対する割合。
灰匙
はいさじ ハヒ― [0] 【灰匙】
茶の湯の炭手前で,灰をすくう匙。風炉(フロ)の折は灰形を作るのに用いる。主に金属製で,柄に竹の皮を巻いてある。灰杓子(ハイジヤクシ)。はいすくい。
灰占
はいうら ハヒ― [0] 【灰占】
昔,埋み火や火桶(ヒオケ)などの灰を掻(カ)いて吉凶を占ったこと。
灰吹き
はいふき ハヒ― [4][0] 【灰吹き】
タバコ盆に付属した竹筒で,タバコの灰・吸い殻などを落とし込むもの。吐月峰(トゲツポウ)。
灰吹き法
はいふきほう ハヒ―ハフ [0] 【灰吹き法】
金・銀などを精錬する方法。炉(反射炉の一種)の下面にくぼみをつけて灰を詰め,その上に載せた金・銀と鉛との混合物を加熱して鉛を溶かし出して灰に吸収させ,金・銀を採取する。
灰吹き銀
はいふきぎん ハヒ― [4] 【灰吹き銀】
灰吹き法で精錬した銀。室町中期以降,銀地金(ギンジガネ)として用いられた。
灰器
はいき ハヒ― [0][2] 【灰器】
茶道具の一種。炭手前(スミテマエ)のとき用いる,灰を入れる器。炉では素焼きのもの,風炉(フロ)では釉(ウワグスリ)のかかった小ぶりのものを用いる。灰炮烙(ハイホウロク)。
灰土
かいど クワイ― [1] 【灰土】
灰と土。土灰。
灰均し
はいならし ハヒ― [3][5] 【灰均し】
火鉢などの灰を平らにするのに用いる金属製の道具。灰かき。灰おさえ。
灰塗れ
はいまみれ ハヒ― [3] 【灰塗れ】
灰だらけになること。はいまぶれ。「―になる」
灰塵
かいじん クワイヂン [0] 【灰塵】
灰と塵(チリ)。取るに足りないもののたとえ。「其身を―の如くに言へり/西国立志編(正直)」
灰墨
はいずみ [0] ハイ― 【掃墨】 ・ ハヒ― 【灰墨】
〔「掃(ハ)き墨」の転。「灰墨」は当て字〕
胡麻(ゴマ)油・菜種油などの油煙。また,これに膠(ニカワ)をまぜて墨にしたもの。眉墨・塗料・薬用にした。
灰寄せ
はいよせ ハヒ― [0][4] 【灰寄せ】
火葬のあと,灰をかき寄せて遺骨を拾うこと。こつあげ。
灰屋紹益
はいやしょうえき ハヒヤセウエキ 【灰屋紹益】
(1607-1691) 江戸前期の富商。京都町衆(マチシユウ)。姓は佐野,名は重孝。代々藍(アイ)染め用の紺灰を家業とし,家号を灰屋と称す。茶の湯・歌道など諸芸に秀でた。随筆集「にぎはひ草」がある。
灰押え
はいおさえ ハヒオサヘ [3][0][5] 【灰押(さ)え】
「灰押し」に同じ。
灰押さえ
はいおさえ ハヒオサヘ [3][0][5] 【灰押(さ)え】
「灰押し」に同じ。
灰押し
はいおし ハヒ― [0][4] 【灰押し】
香炉・火鉢などの灰を掻きならし整える金具。灰押さえ。灰掻き。
灰挵り
はいせせり ハヒ― 【灰挵り】
火箸(ヒバシ)などで灰をいじること。灰いじり。「火箸を取り―して/浮世草子・諸艶大鑑 3」
灰掬い
はいすくい ハヒスクヒ [3] 【灰掬い】
「灰匙(ハイサジ)」に同じ。
灰掻き
はいかき ハヒ― [3][4] 【灰掻き】
「灰押し」に同じ。
灰汁
あく [0] 【灰汁】
(1)灰を水に溶かして,うわ澄みをすくった汁。炭酸・アルカリなどを含み,媒染剤・絹の精練・漂白などに用いる。
(2)食品中に含まれる,渋み・にがみ・えぐみ・不快臭など,不要で好ましくない成分の総称。「筍(タケノコ)の―を抜く」「スープの―を取る」
(3)(普通,仮名で書く)人の性質・言動や表現などに感じられる,しつこさ・しぶとさ・どぎつさなど。「―の強い文章」
灰汁
あく【灰汁】
lye;→英和
scum(煮たときの);→英和
harshness(野菜のしぶみ).→英和
〜を抜く remove the harshness.〜の強い人 a man of strong individuality.〜洗いする wash <vegetables> in lye.
灰汁抜き
あくぬき [0][3] 【灰汁抜き】 (名)スル
野菜・山菜などのあくを抜くこと。「ごぼうを―する」
灰汁抜け
あくぬけ [0] 【灰汁抜け】 (名)スル
(1)(野菜などの)あくが抜けてすっきりすること。
(2)すっきりと洗練されること。あかぬけ。「―した人」
(3)取引で,悪材料ができって相場がそれ以上下がらなくなること。
灰汁桶
あくおけ [3] 【灰汁桶】
染め物用の灰汁をとるための桶。灰をつめて上から水を入れ,下から灰汁がしたたるようにしたもの。
灰汁洗い
あくあらい [3] 【灰汁洗い】 (名)スル
灰汁や洗剤で家屋などのよごれを洗い落とすこと。「柱を―する」
灰汁練り
あくねり [0] 【灰汁練り】
藁(ワラ)灰のあくで絹を練ること。現在は,石鹸・ソーダなどを使用。
灰炮烙
はいほうろく ハヒハウロク [3] 【灰炮烙】
「灰器(ハイキ)」に同じ。
灰燼
かいじん クワイ― [0] 【灰燼】
灰と燃えがら。
灰燼に帰す
かいじん【灰燼に帰す】
be reduced to ashes.
灰猫
はいねこ ハヒ― [0] 【灰猫】
(1)灰色の猫。
(2)火を落としたかまどの中に入って暖をとり,灰だらけになった猫。かまどねこ。「―のやうな柳もお花かな/おらが春」
灰白
はいじろ ハヒ― [0] 【灰白】
灰色がかった白色。
灰白
かいはく クワイ― [0] 【灰白】 (名・形動)
「灰白色」に同じ。「宮守(ヤモリ)は…その―な腹をすりつけてゐる/今年竹(弴)」
灰白土
かいはくど クワイ― [4] 【灰白土】
⇒ポドゾル
灰白色
かいはくしょく クワイ― [3][4] 【灰白色】
白に近い,明るい灰色。
灰白質
かいはくしつ クワイ― [4] 【灰白質】
脊椎動物の,主に神経細胞からなる中枢神経の組織。大脳や小脳では皮質,脊髄では神経繊維の束で構成される白質に囲まれた髄質部。
→白質
灰皿
はいざら ハヒ― [0] 【灰皿】
タバコの吸い殻や灰を入れる容器。
灰皿
はいざら【灰皿】
an ashtray.
灰石
はいいし ハヒ― [0] 【灰石】
火砕物が高温のうちに厚く堆積し溶融した暗灰色の岩体。九州の阿蘇・鹿児島湾付近などに分布。溶結火砕岩。
灰神楽
はいかぐら ハヒ― [3] 【灰神楽】
火鉢などの火の気のある灰の中に湯・水などをこぼしたとき,立ち上がる灰けむり。「―が立つ」
灰篩い
はいふるい ハヒフルヒ [3] 【灰篩い】
灰をふるって,中にはいっている異物を取り除くための金網の張ってある道具。
灰緑色
かいりょくしょく クワイリヨク― [4][3] 【灰緑色】
灰色がかった緑色。
灰色
はいいろ ハヒ― [0] 【灰色】
(1)灰のような薄黒い色。ねずみ色。グレー。「―の空」
(2)暗い気持ちで,心に喜びのない状態。さびしく陰気なこと。「―の人生」
(3)〔黒と白の中間の色であるところから〕
犯罪などの容疑が,十分には晴れていないこと。
灰色
はいいろ【灰色(の)】
gray;→英和
<a man> under a cloud (疑われている).→英和
〜がかった grayish.→英和
灰色
かいしょく クワイ― [0] 【灰色】
⇒はいいろ(灰色)
灰色熊
はいいろぐま ハヒ― [4] 【灰色熊】
ヒグマの一亜種。全身灰褐色。性質が荒い。雑食性だが,肉食性・魚食性の傾向が強く,家畜などを襲う。北アメリカ・ヨーロッパに分布。グリズリー。
灰色狐
はいいろぎつね ハヒ― [5] 【灰色狐】
イヌ科の哺乳類。体長60センチメートル内外。体形はキツネに似る。全身灰白色。夜行性。木登りがうまい。小動物や果実などを食う。北アメリカ中部から南アメリカ北部まで分布。
灰色黴病
はいいろかびびょう ハヒ―ビヤウ [0] 【灰色黴病】
不完全菌のボトリチス-シネレア菌の寄生によって発生する作物の病害。イチゴなどの果実の熟果に灰色ビロード状のかびが生じ腐敗させる。湿度の高い所で発生しやすい。イチゴ・トマト・菊・シクラメンなどに被害が多い。ボトリチス病。
灰落し
はいおとし ハヒ― [3][0] 【灰落(と)し】
タバコの灰などを落とし入れる器具。灰皿。
灰落とし
はいおとし ハヒ― [3][0] 【灰落(と)し】
タバコの灰などを落とし入れる器具。灰皿。
灰被き
はいかずき ハヒカヅキ [3] 【灰被き】
「はいかつぎ(灰被)」に同じ。
灰被ぎ
はいかつぎ ハヒ― [3] 【灰被ぎ】
〔「はいかずき」とも〕
(1)炭火などが燃えるのに従い白く灰におおわれていくこと。
(2)天目茶碗の一種。窯変(ヨウヘン)により,灰をかぶったような,不明瞭な景色を呈したもの。
灰褐色
はいかっしょく ハヒ― [3] 【灰褐色】
灰色がかった褐色。
灰貝
はいがい ハヒガヒ [2] 【灰貝】
海産の二枚貝。貝殻は長方形に近く殻長約5センチメートル。表面は放射状の溝が一八本内外ある。肉は赤く食用。殻を焼いて貝灰としたのでこの名がある。瀬戸内海以南の内湾の泥底にすむ。チンミ。
灰身
けしん 【灰身】
〔「け」は呉音〕
「灰身滅智(ケシンメツチ)」の略。
灰身滅智
けしんめっち [4] 【灰身滅智】
〔仏〕
〔身を灰にし智を滅する,の意〕
煩悩(ボンノウ)を断ち切り心身を全くの無に帰すこと。小乗仏教の理想とする涅槃(ネハン)の境地。灰滅。無余灰断(ケダン)。
灰酒
あくざけ [0][2] 【灰酒】
「赤酒(アカザケ)」に同じ。
灰釉
はいぐすり ハヒ― [3] 【灰釉】
植物の灰を溶媒(ヨウバイ)に用いた釉(ウワグスリ)。柞(イス)・欅(ケヤキ)などの木質灰や,藁灰(ワラバイ)などを用いる。かいゆう。
灰釉
かいゆう クワイイウ [0] 【灰釉】
⇒はいぐすり(灰釉)
灰重石
かいじゅうせき クワイヂユウセキ [3] 【灰重石】
タングステンの主石。無色または淡褐色でガラス光沢があり,白色の条痕(ジヨウコン)がある。正方晶系。ペグマタイト鉱床・接触交代鉱床などに産する。
灰長石
かいちょうせき クワイチヤウセキ [3] 【灰長石】
斜長石の一種。カルシウムに富む。無色ないし白色で,ガラス光沢を有す。三斜晶系に属する。火成岩や変成岩に見られる。アノーサイト。
灰陶
かいとう クワイタウ [0] 【灰陶】
中国,殷代以前に始まる陶質土器。焼成の最終段階で,空気をあまり送らず窯の中を還元状態にするため灰青色を呈する。殷・周代を中心に漢・唐の頃まで日常の容器として広く使われた。
→彩陶
→黒陶
灸
きゅう【灸】
moxa cautery.〜をすえる cauterize with moxa;punish (比喩的に).→英和
灸
きゅう キウ [0] 【灸】
漢方療法の一。体表のつぼ(経穴(ケイケツ))などの上にもぐさを置いて燃やし,温熱刺激を与え,治療効果を得るもの。やいと。
灸
やいと [0] 【灸】
〔「焼処(ヤキト)」の転〕
灸(キユウ)。灸治。灸点。「―をすえる」
灸師
きゅうし キウ― [0][1] 【灸師】
灸治療を行う者。また,その免許資格。
灸所
きゅうしょ キウ― [3][0] 【灸所】
(1)灸治のつぼ。また,灸をすえたところ。つぼ。
(2)「急所」に同じ。「―の深痍(フカデ)にしばしもえたへず/読本・八犬伝 4」
灸日
やいとび [3] 【灸日】
灸をすえる日とされている日。陰暦二月二日と八月二日とする地方が多い。二日灸。灸すえ日。
灸治
きゅうじ キウヂ [0] 【灸治】 (名)スル
灸をすえて治療すること。
灸点
きゅうてん キウ― [0][3] 【灸点】 (名)スル
(1)灸をすえて効果がある人体の特定の場所。灸のつぼ。灸穴。
(2)灸をすえる部分に,墨でつける印の点。
(3)灸をすえること。
灸瘡
きゅうそう キウサウ [0] 【灸瘡】
灸のあとにできるかさぶた。
灸穴
きゅうけつ キウ― [0] 【灸穴】
灸のつぼ。灸点。
灸花
やいとばな [3] 【灸花】
ヘクソカズラの別名。[季]夏。
灸術
きゅうじゅつ キウ― [0] 【灸術】
灸による病気治療の医術。
灸頭針
きゅうとうしん キウトウ― [3] 【灸頭鍼・灸頭針】
鍼灸(シンキユウ)術の治療法の一。皮膚に刺した鍼(ハリ)にもぐさを巻き,点火する。鍼と灸の効果を同時にねらったもの。
灸頭鍼
きゅうとうしん キウトウ― [3] 【灸頭鍼・灸頭針】
鍼灸(シンキユウ)術の治療法の一。皮膚に刺した鍼(ハリ)にもぐさを巻き,点火する。鍼と灸の効果を同時にねらったもの。
灼灼
しゃくしゃく [0] 【灼灼・爍爍】 (ト|タル)[文]形動タリ
光り輝くさま。「日蓮の如き其威霊の―たる/獺祭書屋俳話(子規)」
灼然
しゃくぜん [0] 【灼然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)輝くさま。
(2)あきらかなさま。明確なさま。判然。「其特権を失ひし事―たるがゆえ/日本開化小史(卯吉)」
灼然
いやちこ 【灼然】 (形動ナリ)
(神仏の霊験などが)著しいさま。あらたかであるさま。非常にあきらかであるさま。「霊験―」「―なる実益あるを知りたるは稀なり/小説神髄(逍遥)」「ことわり―なり/日本書紀(神武訓)」
灼熱
しゃくねつ [0] 【灼熱】 (名)スル
(1)焼けてあつくなること。また,焼けつくようにあついこと。「―の太陽」
(2)感情が非常に高ぶること。「―の恋」「―した論争」
灼熱
しゃくねつ【灼熱】
red heat.〜した incandescent;red-hot.
灼骨
しゃっこつ シヤク― [0] 【灼骨】
⇒卜骨(ボツコツ)
災い
わざわい【災い】
(a) misfortune (不幸);→英和
[災難](a) disaster;→英和
a calamity (大災難).→英和
〜を招く bring a misfortune <on> ;invite[cause]a disaster.
災い
わざわい [0] 【災い・禍】
(1)病気・天災・盗難など人を不幸にする出来事。災難。「―がふりかかる」「口は―の元」
(2)不快なこと。嫌なこと。「―の不覚人かな/十訓 1」
災いする
わざわい・する ワザハヒ― [0] 【災いする】 (動サ変)[文]サ変 わざはひ・す
悪い結果を招く。「好奇心が―・した」
災厄
さいやく [0] 【災厄】
不幸な出来事。わざわい。災難。
災変
さいへん 【災変】
天災と地変。災害。「―起れば,国土乱る/太平記 35」
災害
さいがい [0] 【災害】
地震・台風・洪水・津波・噴火・旱魃(カンバツ)・大火災・伝染病などによって引き起こされる不時のわざわい。また,それによる被害。
災害
さいがい【災害】
a calamity;→英和
a disaster.→英和
〜を被る suffer from a disaster.→英和
‖災害救助法 the Disaster Relief Law.災害地 a striken district.災害保険(補償) accident insurance (compensation).
災害保険
さいがいほけん [5] 【災害保険】
災害により発生した損害を補填する保険。
災害対策基本法
さいがいたいさくきほんほう 【災害対策基本法】
防災の計画・実施の体制に関し,国・地方公共団体の責務を定めた法律。1959年(昭和34)の伊勢湾台風の大被害を契機にして61年制定。
災害救助法
さいがいきゅうじょほう 【災害救助法】
災害に際し,被災者保護と社会秩序の保全を目的とする法律。1947年(昭和22)制定。国・地方公共団体・日本赤十字社などが行う収容施設の供与・炊き出し・医療などの救助活動が定められている。
災害補償
さいがいほしょう [5] 【災害補償】
(1)労働者・公務員の業務上の災害に対して使用者が行う補償。労働基準法では,療養・休業・障害・遺族・葬祭料・打ち切り・分割の七種の補償を定める。
(2)災害による事業上の損害を補填すること。農業災害補償・漁業災害補償など。
災患
さいかん [0] 【災患】
わざわい。災難。
災殃
さいおう [0] 【災殃】
わざわい。災難。
災異
さいい [1] 【災異】
地震・洪水・大火などの非常の災厄。天災地変。天変地異。
災祥
さいしょう [1][0] 【災祥】
わざわいとしあわせ。禍福。
災禍
さいか [1] 【災禍】
地震・風水害・火災その他の事故によって受ける災害。わざわい。「―を被る」
災禍
さいか【災禍】
an accident;→英和
(a) disaster;→英和
(a) misfortune.→英和
災難
さいなん [3] 【災難】
思いがけない不幸な出来事。わざわい。難儀。災厄。「旅行先で火事にあうとはとんだ―だ」「―続き」
災難
さいなん【災難】
a misfortune;→英和
(a) calamity;→英和
(a) disaster.→英和
〜にあう meet with an accident;→英和
suffer a (an unexpected) misfortune.〜を免れる escape a disaster.
災難除け
さいなんよけ [0] 【災難除け】
災難をよけること。また,そのためのまじない・祈祷(キトウ)・お守りなど。
炉
ろ【炉】
a fireplace;→英和
a furnace (溶鉱炉).→英和
炉
ろ [0] 【炉】
(1)床を四角に切り,灰を入れ,中で火を焚(タ)いて暖をとったり,物を煮たりする所。囲炉裏。地炉(ジロ)。[季]冬。《―の焔薬缶をつゝみ老婆あり/池内友次郎》
(2)窯(カマ)で,燃料の燃える部分。「―に石炭を投げ込む」
(3)金属などを加熱して溶かしたり化学反応を起こさせたりする装置。「溶鉱―」「電気―」「原子―」
炉の名残
ろのなごり [0] 【炉の名残】
茶道で,炉塞(フサ)ぎの前に,炉の風情を惜しんで催す茶会。[季]春。
→炉塞ぎ
炉内
ろない [1] 【炉内】
(溶鉱炉・原子炉などの)炉の内部。
炉址
ろし [1] 【炉址】
住居の屋内で火を焚いた跡。旧石器時代から見られるが,縄文前期から古墳時代までに一般化する。石囲い炉・埋甕炉・地床炉の種がある。
炉塞ぎ
ろふさぎ [2] 【炉塞ぎ】
茶の湯で,陰暦三月末ごろ炉の使用をやめて風炉を使い始めること。また一般に,冬の間使用していた炉の使用をやめ,ふたをしたりすること。
⇔炉開き
[季]春。
炉座
ろざ [1] 【炉座】
〔(ラテン) Fornax〕
一二月下旬の宵に南中する星座。日本からは南の地平線近くに見えるが目立った星はない。
炉心
ろしん [0] 【炉心】
原子炉で核分裂連鎖反応が起こっている部分。核燃料・減速材・冷却材・制御材などから構成される。
炉心溶融
ろしんようゆう [4] 【炉心溶融】
冷却材の流出などにより炉心が高温になって核燃料が溶ける現象。原子炉事故で最も危険。メルト-ダウン。
炉滓
ろかす [0] 【炉滓】
鉱滓(コウサイ)。スラグ。
炉火
ろび [1] 【炉火】
囲炉裏の火。
炉火
ろか [1] 【炉火】
囲炉裏の火。
炉畳
ろだたみ [2] 【炉畳】
茶室で,炉の切ってある畳。
炉端
ろばた【炉端(で,に)】
(by) the fireside.→英和
炉端
ろばた [0] 【炉端・炉辺】
炉のそば。囲炉裏のまわり。いろりばた。
炉端焼
ろばたやき [0] 【炉端焼(き)】
客の見ている前で,魚介・肉・野菜などを囲炉裏風の炉で焼いて供するもの。また,その店。
炉端焼き
ろばたやき [0] 【炉端焼(き)】
客の見ている前で,魚介・肉・野菜などを囲炉裏風の炉で焼いて供するもの。また,その店。
炉縁
ろぶち [0] 【炉縁】
(1)炉の縁の枠。
(2)炉のほとり。炉辺。
炉辺
ろばた [0] 【炉端・炉辺】
炉のそば。囲炉裏のまわり。いろりばた。
炉辺
ろへん [0] 【炉辺】
炉のそば。囲炉裏のほとり。ろばた。
炉辺
ろへん【炉辺(談話)】
a fireside (chat).→英和
炉開き
ろびらき [2][4] 【炉開き】
茶の湯で,風炉(フロ)の使用をやめて炉を使い始めること。普通,陰暦一〇月の初亥(イ)の日に開く。開炉。また一般に,寒くなって炉を使い始めること。
⇔炉塞(フサ)ぎ
[季]冬。
炉頭
ろとう [0] 【炉頭】
炉ばた。
炊き
かしき [0] 【炊き・爨】
〔近世以降「かしぎ」とも〕
(1)炊事をすること。飯をたくこと。また,その場所。「―の煙」
(2)生活していく手だて。「―をつける」
(3)炊事をする役の者。特に,近世の廻船で炊事をした年少の者。船乗りになる第一段階であった。
炊き上がる
たきあが・る [4] 【炊き上(が)る】 (動ラ五[四])
炊いて出来上がる。「ごはんがふっくらと―・る」
炊き上る
たきあが・る [4] 【炊き上(が)る】 (動ラ五[四])
炊いて出来上がる。「ごはんがふっくらと―・る」
炊き出し
たきだし [0] 【炊(き)出し】
災害などの際に,飯を炊いて大勢の被災者に配ること。
炊き合せ
たきあわせ [0] 【炊き合(わ)せ】
肉・野菜などの材料を別々に煮て,一つの器に盛り合わせたもの。
炊き合わせ
たきあわせ [0] 【炊き合(わ)せ】
肉・野菜などの材料を別々に煮て,一つの器に盛り合わせたもの。
炊き女
かしきめ [3][0] 【炊き女】
神饌をたく女。
炊き屋
かしきや [3] 【炊き屋】
(1)飯を煮たきする所。炊事場。
(2)神に供える食物を炊く所。
炊き殖え
たきぶえ [0] 【炊(き)殖え】 (名)スル
米などが,炊いたために量が増すこと。
炊き殿
かしきどの [0] 【炊き殿】
寝殿造りで,食物を調理する所。また,神に供える神饌を調える所。
炊き立て
たきたて [0] 【炊(き)立て】
(米などが)炊き上がってすぐの状態。「―のご飯」
炊き込み御飯
たきこみごはん [5] 【炊(き)込み御飯】
魚肉・野菜などを入れ,味をつけて炊いた御飯。
炊き込む
たきこ・む [3] 【炊(き)込む】 (動マ五[四])
米に魚肉・野菜などを混ぜて一緒に炊く。「山菜を―・んだ御飯」
炊く
た・く [0] 【炊く】 (動カ五[四])
〔「焚(タ)く」と同源〕
(1)米などを水と共に煮て,食べられるようにする。かしぐ。「御飯を―・く」
(2)(西日本で)煮る。「大根を―・く」
[可能] たける
炊ぐ
かし・ぐ [2] 【炊ぐ・爨ぐ】 (動ガ五[四])
〔古くは「かしく」〕
(めしなどを)たく。「饘(カタカユ)は塩を入れて―・いである/山椒大夫(鴎外)」
炊ける
た・ける [0] 【炊ける】 (動カ下一)
〔「たく」の自動詞形〕
炊きあがる。「御飯がうまく―・けた」
炊事
すいじ【炊事】
cooking;kitchen work.〜する cook;→英和
do cooking;do one's own cooking (自炊する).‖炊事道具 cooking utensils.炊事当番にあたる be one's turn to do the cooking.炊事場 a kitchen.炊事係[婦]a cook.
炊事
すいじ [0] 【炊事】 (名)スル
食べ物を煮たきすること。「台所で―する」
炊具
すいぐ [1] 【炊具】
炊事をするための道具。
炊出し
たきだし [0] 【炊(き)出し】
災害などの際に,飯を炊いて大勢の被災者に配ること。
炊出しをする
たきだし【炊出しをする】
give boiled rice.
炊夫
すいふ [1] 【炊夫】
炊事をする男。めしたき男。
炊婦
すいふ [1] 【炊婦】
炊事をする女。めしたき女。炊事婦。
炊殖え
たきぶえ [0] 【炊(き)殖え】 (名)スル
米などが,炊いたために量が増すこと。
炊烟
すいえん [0] 【炊煙・炊烟】
飯をたくかまどの煙。
炊煙
すいえん [0] 【炊煙・炊烟】
飯をたくかまどの煙。
炊爨
すいさん [0] 【炊爨】 (名)スル
飯をたくこと。炊事。「キャンプで飯盒(ハンゴウ)―する」
炊立て
たきたて [0] 【炊(き)立て】
(米などが)炊き上がってすぐの状態。「―のご飯」
炊込み御飯
たきこみごはん [5] 【炊(き)込み御飯】
魚肉・野菜などを入れ,味をつけて炊いた御飯。
炊込む
たきこ・む [3] 【炊(き)込む】 (動マ五[四])
米に魚肉・野菜などを混ぜて一緒に炊く。「山菜を―・んだ御飯」
炊飯
すいはん [0] 【炊飯】
飯をたくこと。
炊飯器
すいはんき [3] 【炊飯器】
電気やガスを熱源として飯をたく器具。「電気―」
炊飯器
すいはんき【炊飯器】
a rice cooker.
炎
ほのお【炎】
a flame;→英和
a blaze.→英和
〜をあげる flame[blaze]up.
炎
ほのお ホノホ [1] 【炎・焔】
〔「ほ(火)」の穂の意〕
(1)気体,または液体や固体からの蒸気が燃焼し高温となって光を発している部分。ろうそくの炎などのように酸素の供給が外側の空気からの拡散による場合は酸素が十分で酸化性である外炎(酸化炎)と,不十分で還元性の内炎(還元炎)に分けられる。
(2)心中にわき起こる激しい感情。「恋の―に身を焦がす」
炎
ほむら [0][1] 【焔・炎】
〔火群(ホムラ)の意〕
(1)ほのお。
(2)心中に燃え立つ激情をたとえていう語。「嫉妬の―」
炎々たる
えんえん【炎々たる】
blazing;→英和
fiery.→英和
〜と in flames;ablaze.→英和
〜と燃え上がる blaze up.
炎上
えんじょう [0] 【炎上】 (名)スル
〔古くは「えんしょう」〕
火が燃え上がること。特に,神社や仏閣・城・船などの大きな建造物が燃えること。「城が―する」
炎上する
えんじょう【炎上する】
be destroyed by fire.
炎夏
えんか [1] 【炎夏】
暑い夏。真夏。[季]夏。「―の季」
炎天
えんてん [0][3] 【炎天】
真夏の焼けるように暑い日差しの天気。また,その空。[季]夏。「―下の野球試合」
炎天
えんてん【炎天】
hot weather; <under> the burning sun.
炎威
えんい [1] 【炎威】
暑さの激しいこと。「―敵すべからず」
炎帝
えんてい [0][1] 【炎帝】
(1)火をつかさどる神。
(2)夏をつかさどる神。太陽。[季]夏。「夏の神は―とて/浄瑠璃・天神記」
(3)〔火徳によって王となったことから〕
中国古代の伝説上の帝王,神農の称。
炎心
えんしん [0] 【炎心・焔心】
炎の中心にある輝きの弱い部分。還元炎。
→内炎
炎日
えんじつ [0] 【炎日】
盛夏のひどく暑い日中。
炎昼
えんちゅう [0] 【炎昼】
真夏の暑い昼下がり。[季]夏。
炎暑
えんしょ [1] 【炎暑】
真夏のはなはだしい暑さ。酷暑。炎熱。「―をおして外出する」「―の候」
炎暑
えんしょ【炎暑】
intense heat.
炎涼
えんりょう [0][1] 【炎涼】
暑さと涼しさ。
炎火
えんか [1] 【炎火】
はげしく燃え上がる火。
炎炎
えんえん [0] 【炎炎】 (ト|タル)[文]形動タリ
火が勢いよくほのおをあげて燃えるさま。「―たるほのお」
炎熱
えんねつ [0] 【炎熱】
太陽の照りつける夏のきびしい暑さ。
炎熱
えんねつ【炎熱】
intense heat.
炎熱地獄
えんねつじごく [5] 【炎熱地獄】
⇒焦熱地獄(シヨウネツジゴク)
炎症
えんしょう [0] 【炎症】
外傷・やけど,細菌の侵入,薬物・放射線の作用などに対して,生体に起こる防御的反応。体の一部に充血・はれ・発熱・痛みなどの症状を起こす。
炎症
えんしょう【炎症】
inflammation.→英和
〜を起こす become inflamed.
炎節
えんせつ [0] 【炎節】
〔暑い季節の意〕
夏。盛夏。
炎細胞
ほのおさいぼう ホノホ―バウ [4] 【炎細胞】
〔繊毛の束が炎のように動くところから〕
扁形動物や紐形(ヒモガタ)動物などの原腎管の末端部にあり,数本の繊毛の束をもつ細胞。老廃物や余分な水分を原腎管の中へ出す。
炎色
えんしょく [0] 【炎色・焔色】
ほのおの色。
炎色反応
えんしょくはんのう [5] 【炎色反応】
アルカリ金属やアルカリ土類金属などの塩類を無色の炎の中に入れて強熱すると,各金属に特有の色を呈する反応。例えば,ナトリウムは黄,カリウムは赤紫。定性分析の手段の一。ブンゼン反応。
→炎色反応[表]
炎色植物
えんしょくしょくぶつ 【炎色植物】
渦鞭毛植物(ウズベンモウシヨクブツ)。
炎蒸
えんじょう [0] 【炎蒸】
むし暑いこと。「―忍ぶべからず/日乗(荷風)」
炎藻植物
えんそうしょくぶつ エンサウ― [6] 【炎藻植物】
⇒渦鞭毛(ウズベンモウ)植物
炒む
いた・む 【炒む・煠む】 (動マ下二)
⇒いためる
炒める
いた・める [3] 【炒める・煠める】 (動マ下一)[文]マ下二 いた・む
なべに油をひき,加熱した所へ材料を入れ,かきまぜながら火を通す。「野菜を―・める」
炒める
いためる【炒める】
fry;→英和
frizzle.→英和
炒め物 a <fish> fry.
炒め煮
いために [0] 【炒め煮】
材料を油で炒めてから汁を入れ,味つけをして煮込む調理法。
炒め物
いためもの [0][5] 【炒め物】
油で炒めた料理の総称。
炒り付く
いりつ・く [3][0] 【煎り付く・炒り付く】
■一■ (動カ五[四])
(1)鍋に入った物が焦げつく。「魚ガ―・イタ/ヘボン」
(2)音などが気持ちをいら立たせる。「―・くやうな其の声に/青春(風葉)」
■二■ (動カ下二)
⇒いりつける
炒り付ける
いりつ・ける [4][0] 【煎り付ける・炒り付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いりつ・く
食べ物を火にかけ,水気がなくなるまで熱を加える。「おからを―・ける」
炒り卵
いりたまご【炒り卵】
scrambled eggs.
炒り子
いりこ [0][3] 【熬り子・炒り子】
「煮干し{(2)}」に同じ。主に西日本での称。
炒り殻
いりがら 【炒り殻】
(1)鯨の脂身(アブラミ)を細かく切り,炒って脂を除いたものを干した食品。「鯨の脂とつたあとの身ぢやさかひ,―といふわいな/滑稽本・膝栗毛 6」
(2)豆腐のからを炒って味つけした食品。いりうのはな。
炒り湯
いりゆ [2] 【炒り湯】
飯を炒りこがして湯を注ぎ,その香を移した吸い物。
炒り煮
いりに [0] 【炒り煮】
油でいためてから煮る煮方。また,その物。
炒り物
いりもの [2] 【煎り物・炒り物】
(1)肉や野菜などを炒ったもの。また,油でいためたもの。いりやき。
(2)米・豆などを炒ったもの。
炒り玉子
いりたまご [3][4] 【煎り卵・炒り玉子】
鶏卵をといて調味料を加え,かきまぜながら加熱した料理。
炒り皮
いりかわ [0] 【炒り皮】
鯨の背・腹側の表面にある脂肪層を加熱し,脂肪を除いたのち乾燥させたもの。おでんの具などに用いられる。ころ。
炒り種
いりだね [2] 【煎り種・炒り種】
米・糯粟(モチアワ)などを蒸して干し,さらに煎ったもの。和干菓子の材料とする。
炒り米
いりごめ [2][0] 【煎り米・炒り米】
煎った米。
炒り粉
いりこ [0][3] 【煎り粉・炒り粉】
(1)道明寺糒(ホシイ)を煎って粉にしたもの。和菓子の原料にする。
(2)むぎこがし。
炒り豆
いりまめ [0][2] 【炒り豆・煎り豆】
(1)大豆を炒ったもの。
(2)「まめいり{(2)}」に同じ。
炒り鍋
いりなべ [3] 【炒り鍋】
(1)豆・米・肉・野菜などを炒るのに用いる浅い鉄鍋または土鍋。
(2)ほうろく。
炒り飯
いりめし [0][2] 【炒り飯】
炒った飯。チャーハン。やきめし。
炒り鳥
いりどり [2][0] 【煎り鳥・炒り鳥】
鶏・雁・鴨(カモ)などの肉を薄く切り,煎りつけて味を調えたもの。
炒り麦
いりむぎ [3] 【炒り麦】
大麦を炒り,ひいて粉にしたもの。むぎこがし。
炒る
い・る [1] 【煎る・炒る・熬る】 (動ラ五[四])
なべなどに入れて火であぶる。また,水分がなくなるまで煮つめる。「ごまを―・る」「豆を―・る」
[可能] いれる
炒れる
い・れる [2] 【煎れる・炒れる】 (動ラ下一)
(1)炒られた状態になる。「豆はもう―・れた」
(2)いらいらする。いらだつ。「ほんに��肝の―・れた事よ/滑稽本・浮世風呂 2」
炒飯
チャーハン【炒飯】
fried rice.
炒飯
チャーハン [1] 【炒飯】
〔中国語〕
中国料理の一。米飯に肉や野菜・卵などをまぜて油でいため味をつけた飯料理。焼き飯。チャオファン。
炒麺
チャーメン [1] 【炒麺】
〔中国語〕
中国料理の焼きそば。具をめんと一緒に炒めたものと,あんかけ風にするのとがある。チャオミエン。
炙り
あぶり [3] 【炙り・焙り】
あぶること。「火―」
炙り出し
あぶりだし【炙り出し】
a thermotype.
炙り出し
あぶりだし [0] 【炙り出し】
乾くと透明になる化学薬品や植物の汁などで紙に絵や字を書き,火にあぶるとその形が現れるようにしたもの。
炙り出す
あぶりだ・す [4] 【炙り出す】 (動サ五[四])
(1)火であぶって,書かれている文字・絵などを現し出す。
(2)(多く受け身の形で)他の面からの考察・照合などによって,隠されていることを明らかにする。「大臣の談話によって法案の真の狙いが―・された」
[可能] あぶりだせる
炙り子
あぶりこ 【焙り籠・炙り子】
(1)竹や金網で作った目のあらい籠(カゴ)。炭火の上をおおい,衣服を乾かしたり,暖めるのに用いる。あぶりかご。
(2)餅などを焼く鉄製の網。
炙り物
あぶりもの [0] 【炙り物】
火であぶった魚肉などの食べ物。焼き物。「料理は小鳥の―に萵苣(チサ)のサラダ/青年(鴎外)」
炙り豆腐
あぶりどうふ 【炙り豆腐】
「焼き豆腐」に同じ。
炙る
あぶ・る [2] 【炙る・焙る】 (動ラ五[四])
(1)火にあててこげ目をつける程度に軽く焼く。「鰺(アジ)の干物(ヒモノ)を―・る」「のりを―・る」
(2)火にあてて乾かしたり,あたためたりする。「手を火鉢で―・る」
[可能] あぶれる
炫耀
げんよう [0] 【炫耀】 (名)スル
ひかり輝くこと。「富貴を粧ひ,他人の目を―するを務めとせり/西国立志編(正直)」
炬火
きょか [1] 【炬火】
たいまつ。かがり火。トーチ。
炬火
こか [1] 【炬火】
たいまつ。たてあかし。
炬燭
きょしょく [0] 【炬燭】
松明(タイマツ)。炬火。
炬燵
こたつ【炬燵】
a foot warmer (with a quilt over it);a kotatsu.
炬燵
こたつ [0] 【炬燵・火燵】
〔「火榻」の唐音から〕
暖房具の一。炭火や電気の熱源をやぐらで囲い,布団をかけて暖をとるもの。[季]冬。《耳遠く病もなくて―かな/虚子》
炬燵弁慶
こたつべんけい 【炬燵弁慶】
「内弁慶(ウチベンケイ)」に同じ。「―とや笑はれなん/四方の留粕」
炬燵掛
こたつがけ [0] 【炬燵掛(け)】
炬燵にかぶせる薄い布団。
炬燵掛け
こたつがけ [0] 【炬燵掛(け)】
炬燵にかぶせる薄い布団。
炬燵櫓
こたつやぐら [4] 【炬燵櫓】
炬燵の熱源の上に置くやぐら。
炭
すみ [2] 【炭】
(1)木材を蒸し焼きにして作った黒色の燃料。木炭。[季]冬。《学問のさびしさに堪へ―をつぐ/山口誓子》
(2)物が焼けて黒く残ったもの。
炭
すみ【炭】
charcoal.→英和
〜をおこす make fire with charcoal.→英和
〜を焼く burn charcoal.→英和
‖炭火 charcoal fire.
炭
たん 【炭】
姓氏の一。
炭住
たんじゅう [0] 【炭住】
〔炭鉱従業員住宅の略〕
炭鉱で働く人たちとその家族のために会社が建てた住宅。「―街」
炭価
たんか [1] 【炭価】
石炭の値段。
炭俵
すみだわら スミダハラ 【炭俵】
俳諧撰集。二巻。志田野坡(シダヤバ)・小泉孤屋(コオク)・池田利牛共編。1694年刊。歌仙・百韻・発句を収める。芭蕉最晩年の「かるみ」の境地をよく表した集。俳諧七部集の一。
炭俵
すみだわら [3] 【炭俵】
炭を入れる俵。わら・あし・かやなどを材料として作る。[季]冬。
炭入れ
すみいれ [4][3] 【炭入れ】
「炭取り」に同じ。
炭化
たんか [0] 【炭化】 (名)スル
(1)有機物質が,酸素の少ない条件下で加熱されたり,硫酸などによる強力な脱水作用を受けたり,あるいは微生物の働きによって分解したりして,炭素分に富んだ物質になること。「遺跡から―した米が出土した」
(2)ほかの物質が炭素と化合すること。また,そうしてできた物質。
炭化する
たんか【炭化する】
carbonize.→英和
‖炭化水素 hydrocarbon.炭化物 a carbide.
炭化カルシウム
たんかカルシウム [6] 【炭化―】
⇒カーバイド
炭化水素
たんかすいそ [4] 【炭化水素】
炭素と水素だけから成る化合物の総称。炭素原子どうしの結合の様式によって,メタン系・エチレン系などの鎖式炭化水素と環式炭化水素に分け,後者はさらに脂環式炭化水素と芳香族炭化水素とに分ける。また,炭素原子間に多重結合を含む不飽和炭化水素と含まない飽和炭化水素に分ける。
→炭化水素[表]
炭化法
たんかほう [0] 【炭化法】
毛織物製造工程の一。硫酸・塩酸などを用い,羊毛の中に混じった植物繊維などの不純物を除去すること。
炭化物
たんかぶつ [3] 【炭化物】
炭素と炭素より陽性の元素(アルカリ金属・アルカリ土類金属など)との化合物の総称。炭化カルシウム・炭化ケイ素はその例。
炭化珪素
たんかけいそ [4] 【炭化珪素】
ケイ砂とコークスとを電気炉で加熱して得られる板状結晶。普通,黒紫色,純粋なものは無色透明。化学式 SiC ダイヤモンドに近い硬さをもち,高温でも安定なので研磨剤や耐火材として用いられる。商標名カーボランダム。
炭化石灰
たんかせっかい [4] 【炭化石灰】
炭化カルシウムのこと。
炭取
すみとり [4][3] 【炭取(り)・炭斗】
炭俵から小出しにした炭を入れておく器。すみかご。すみいれ。[季]冬。
炭取り
すみとり [4][3] 【炭取(り)・炭斗】
炭俵から小出しにした炭を入れておく器。すみかご。すみいれ。[季]冬。
炭団
たどん【炭団】
a charcoal ball.
炭団
たどん [0] 【炭団】
〔「たんとん」の転。「とん」は「団」の唐音〕
(1)木炭や石炭の粉を布海苔(フノリ)でボール状に固めた燃料。[季]冬。
(2)相撲の黒星の俗称。
炭坑
たんこう [0] 【炭坑】
(1)石炭を掘り出すために掘ったあな。
(2)「炭鉱(タンコウ)」に同じ。
炭坑
たんこう【炭坑】
a coal mine.炭坑夫 a coal miner.
炭坑夫
たんこうふ [3] 【炭坑夫】
石炭を採掘する人。坑夫。
炭坑節
たんこうぶし 【炭坑節】
福岡県の民謡で,田川市伊田の炭坑の仕事唄。選炭作業の時に唄われた。源流は「ラッパ節」で,1932年(昭和7)「炭坑唄」の名でレコード化されたものが酒盛り唄や盆踊り唄として唄われた。
→常磐炭坑節
炭塵
たんじん [0] 【炭塵】
きわめて細かい石炭の粉末。炭坑内のガス突出に伴って大量に噴出し,火源があれば引火,爆発する。
炭壺
すみつぼ [0][2] 【炭壺】
「火消し壺」に同じ。
炭太祇
たんたいぎ 【炭太祇】
(1709-1771) 江戸中期の俳人。号,不夜庵など。法号,道源。江戸の生まれ。慶紀逸らに俳諧を学び,人事句に巧み。島原遊郭に住み,蕪村と親交があった。編著「鬼貫句選」など。
炭屋
すみや [2] 【炭屋】
炭を商う店。また,その人。
炭層
たんそう [0] 【炭層】
石炭の層。石炭を含む地層。
炭層
たんそう【炭層】
a coal seam[bed].
炭山
たんざん [1][0] 【炭山】
石炭の出る山。
炭座
すみざ [0] 【炭座】
七座の一。炭を商うもの。炭の座。
炭庫
たんこ [1] 【炭庫】
石炭を入れておく倉庫。石炭庫。
炭手前
すみてまえ [3] 【炭手前】
茶の湯で,炉または風炉(フロ)に炭を入れるときの式法。
→三炭(サンタン)
炭掻き
すみかき [4][3] 【炭掻き】
炭をかきよせる具。鉄製で,先端は鉤(カギ)状。
炭斗
すみとり [4][3] 【炭取(り)・炭斗】
炭俵から小出しにした炭を入れておく器。すみかご。すみいれ。[季]冬。
炭木
すみぎ [2] 【炭木】
焼いて炭にする木。炭材。
炭材
たんざい [0] 【炭材】
木炭の原料となる材木。カシ・クヌギ・ナラなど。
炭櫃
すびつ [1] 【炭櫃】
いろり。一説に,角(カク)火鉢。「すさまじきもの…火おこさぬ―,地火炉/枕草子 25」
炭殻
たんがら [0] 【炭殻】
「石炭殻(セキタンガラ)」に同じ。
炭水化物
たんすいかぶつ タンスイクワ― [5] 【炭水化物】
糖類およびその誘導体の総称。糖類の多くが一般式 C�(H�O)� で表されるのでこの名がある。古くは含水炭素とも呼ばれたが,現在では糖質と呼ばれることが多い。最も多量に存在する有機化合物で,ブドウ糖・ショ糖・デンプンなどがある。生物にとって,エネルギー源として,また生物体の構成物質として重要。主に植物の光合成によってつくられ,動物は食物として摂取する。糖類の誘導体には糖アルコール・ウロン酸・アミノ糖やそれらの重合体がある。
→炭水化物[表]
炭水化物
たんすいかぶつ【炭水化物】
《化》a carbohydrate.→英和
炭水車
たんすいしゃ【炭水車】
a tender (機関車の).→英和
炭水車
たんすいしゃ [3] 【炭水車】
蒸気機関車の直後に連結される石炭と水を積んだ車両。
炭火
すみび [0][2] 【炭火】
炭でおこした火。おこった木炭。[季]冬。
炭焼
すみやき [0][4] 【炭焼(き)】
(1)木炭を作ること。また,その人。[季]冬。「―小屋」
(2)料理で,肉などの食品を炭で焼くこと。「―のステーキ」
炭焼
すみやき【炭焼】
charcoal making[burning];a charcoal burner (人).
炭焼き
すみやき [0][4] 【炭焼(き)】
(1)木炭を作ること。また,その人。[季]冬。「―小屋」
(2)料理で,肉などの食品を炭で焼くこと。「―のステーキ」
炭焼き窯
すみやきがま [4] 【炭焼き窯】
炭を焼くのに用いる窯。すみがま。
炭焼小五郎
すみやきこごろう 【炭焼小五郎】
昔話の一。貧しい炭焼きが,女房の福分によって長者になるという話。土地によって主人公を,炭焼五郎・炭焼藤太などともする。鋳物師たちによって,各地に語り広められたといわれる。炭焼き長者。
炭焼鯛
すみやきだい [4] 【炭焼鯛】
イシナギの異名。
炭田
たんでん【炭田】
a coal field.
炭田
たんでん [0] 【炭田】
石炭が豊富に埋蔵されている地域。
炭疽
たんそ [1] 【炭疽】
「炭疽病(タンソビヨウ)」に同じ。
炭疽病
たんそびょう [0] 【炭疽病】
(1)ウシ・ウマ・ヒツジなど草食獣に発生する伝染病。炭疽菌に感染して発病し,内臓特に脾臓がはれ,血管内に著しい菌の増殖がみられる。まれにヒトに感染することがある。炭疽。炭疽熱。脾脱疽(ヒダツソ)。
(2)植物の病害。果実・茎・葉に黄褐色の病斑を生じ,赤色の分生胞子のかたまりができる。病原菌は不完全菌類・子嚢菌類に属するものが多い。
炭疽菌
たんそきん [0] 【炭疽菌】
バチルス科バチルス属の細菌。グラム陽性の大桿菌。炭疽病の病原菌。胞子は土壌中に存在する。
炭磨ぎ
すみとぎ [0] 【炭磨ぎ】
金属の彫刻などの荒彫りしたものを朴炭(ホオズミ)でみがいて仕上げること。
炭礦
たんこう [0] 【炭鉱・炭礦】
石炭を採掘する鉱山。炭坑。
炭窯
すみがま [0] 【炭窯】
木炭を作るかまど。炭焼き窯。[季]冬。
炭籠
すみかご [0][2] 【炭籠】
炭を小出しにして室内に置いておくかご。すみいれ。すみとり。[季]冬。
炭素
たんそ [1] 【炭素】
〔carbon〕
炭素族元素の一。元素記号 C 原子番号六。原子量一二・〇一。質量数一二,一三,一四の同位体が存在し,炭素一二は原子量の基準とされる。ダイヤモンド・黒鉛・無定形炭素の三種の同素体が天然に産する。化学的に安定で通常の溶媒に溶けず,酸・アルカリにもおかされない。高温では燃焼して二酸化炭素となる。自然界では,岩石中に炭酸塩として,大気圏に二酸化炭素としてあり,また有機化合物の主要構成元素として生物体の重要な構成成分である。還元剤や金属の精錬に用いる。
炭素
たんそ【炭素】
carbon.→英和
炭素棒 a carbon rod[point].
炭素一四
たんそじゅうし [1][3] 【炭素一四】
質量数が一四の炭素の放射性同位体。半減期5730年でベータ崩壊を行う。窒素と中性子との反応によって人工的につくられるほか,同様の反応によって天然にも微量存在する。生体内トレーサーとして,また考古学的な年代測定に用いる。記号¹�C
炭素同化作用
たんそどうかさよう [7] 【炭素同化作用】
「炭酸同化作用」に同じ。
炭素税
たんそぜい [3] 【炭素税】
環境税の一。地球温暖化につながる二酸化炭素の排出抑制のため,石炭・石油・天然ガスなどに対して課される税。
炭素紙
たんそし [3] 【炭素紙】
カーボン紙。炭酸紙。
炭素繊維
たんそせんい [4] 【炭素繊維】
黒鉛から成る繊維。ポリアクリロニトリル繊維またはコールタールピッチを原料とする繊維を,窒素気流中で高温に加熱して炭化したもの。金属に比べて強度・弾性が大きく,耐熱性・耐薬品性に富み,軽量なため,航空機・自動車部品,ゴルフクラブ・テニスラケット・釣り竿(ザオ)などの材料にする。カーボン-ファイバー。
炭素鋼
たんそこう [0][3] 【炭素鋼】
炭素を2パーセント以下含む鉄。その性質は炭素含有量による。加工が容易で廉価なので,種々の圧延鋼材・ボルト・ナットなどに広く利用。
炭肺
たんぱい [0] 【炭肺】
塵肺の一。細かい炭塵が肺に付着して起こる病気。炭鉱労働者に多い。咳や呼吸困難などの症状が現れる。
炭質
たんしつ [0] 【炭質】
(1)木炭や石炭の性質・品質。
(2)炭素に富む物質。また,物質中の炭素成分。
炭車
たんしゃ [1][0] 【炭車】
炭鉱で石炭を運ぶ車。
炭酸
たんさん【炭酸】
carbonic acid.‖炭酸飲料 a carbonated drink; <米話> (soda) pop.炭酸ガス carbonic acid gas.炭酸水 soda water.炭酸ソーダ(カルシウム,カリ) sodium (calcium,potassium) carbonate.
炭酸
たんさん [0] 【炭酸】
(1)二酸化炭素が水に溶けてできる,ごく弱い酸。水溶液中でのみ存在する。化学式 H�CO�
(2)「炭酸水(スイ)」の略。
炭酸アンモニウム
たんさんアンモニウム [8] 【炭酸―】
無色で絹糸状光沢のある結晶。一水和物だけが知られている。化学式(NH�)�CO� 空気中でアンモニアを放出し分解する。分析用試薬などに用いる。市販の炭酸アンモニウム(炭安)は硫酸アンモニウムと炭酸カルシウムの混合物を加熱・昇華して得た白色の塊。
炭酸カリウム
たんさんカリウム [6] 【炭酸―】
カリウムの炭酸塩。化学式 K�CO� 木灰中に多く含まれ,それを水で抽出した液(灰汁(アク))は塩基性を示し,古くから洗浄用に使われた。カリガラス・軟石鹸・医薬の原料,染色・漂白などに利用。
炭酸カルシウム
たんさんカルシウム [7] 【炭酸―】
カルシウムの炭酸塩。化学式 CaCO� 石灰石・方解石・大理石などとして天然に広く産出する。加熱すると分解して二酸化炭素と酸化カルシウム(生石灰)とを生ずる。セメントの主原料,白色顔料・歯磨き粉・医薬品などになる。炭酸石灰。
炭酸ガス
たんさんガス [5] 【炭酸―】
⇒二酸化炭素(ニサンカタンソ)
炭酸ソーダ
たんさんソーダ [5] 【炭酸―】
⇒炭酸ナトリウム
炭酸ナトリウム
たんさんナトリウム [7] 【炭酸―】
ナトリウムの炭酸塩。化学式 Na�CO� 白色吸湿性の粉末。一〇水塩は無色の結晶で洗濯ソーダともいう。工業的にはアンモニア-ソーダ法で大量につくり,ガラス・石鹸・水酸化ナトリウムなどの原料とするほか,製紙・染料工業にも重要。炭酸ソーダ。ソーダ。
炭酸マグネシウム
たんさんマグネシウム [8] 【炭酸―】
マグネシウムの炭酸塩。化学式 MgCO� 加熱により二酸化炭素と酸化マグネシウムとに分解する。医薬・歯磨き粉に用いる。天然には菱苦土(リヨウクド)石として産出し,耐火煉瓦の原料となる。
炭酸同化作用
たんさんどうかさよう [8] 【炭酸同化作用】
生体内で二酸化炭素が有機物に変化する反応。独立栄養生物の行う光合成・化学合成と,独立および従属栄養生物のいずれもが行う炭酸暗固定に大別される。炭酸同化。炭酸固定。炭素同化作用。
炭酸塩
たんさんえん [3] 【炭酸塩】
炭酸の一つまたは二つの水素イオンを,金属などの陽イオンで置換したかたちの塩。アルカリ金属塩以外の正塩のほとんどは水に不溶。酸を加えるか熱すると分解して,二酸化炭素を発生する。
炭酸暗固定
たんさんあんこてい [7] 【炭酸暗固定】
光エネルギーや無機物の酸化エネルギーを必要とせずに行う炭酸同化作用。
炭酸水
たんさんすい [3] 【炭酸水】
二酸化炭素(炭酸ガス)を飽和させた水。化学試験・薬用・清涼飲料などに用いる。ソーダ水。平野水(ヒラノスイ)。
炭酸水素ナトリウム
たんさんすいそナトリウム [10] 【炭酸水素―】
炭酸ナトリウムの飽和水溶液に二酸化炭素を通じて得る白色の微細な結晶。化学式 NaHCO� 水に溶けて,微アルカリ性を示し,加熱すると二酸化炭素と水を放出して炭酸ナトリウムとなる。工業的にはアンモニア-ソーダ法によって得る。消火剤・洗剤・研磨剤・医薬などに用いる。重炭酸ソーダ。重曹(ジユウソウ)。
炭酸泉
たんさんせん [3] 【炭酸泉】
遊離二酸化炭素に富む鉱泉。高血圧症・循環器系障害に効く。
炭酸紙
たんさんし [3] 【炭酸紙】
〔carbon paper の誤訳〕
「カーボン紙(シ)」に同じ。
炭酸鉄鉱
たんさんてっこう [5] 【炭酸鉄鉱】
⇒菱鉄鉱(リヨウテツコウ)
炭酸飲料
たんさんいんりょう [5] 【炭酸飲料】
シロップ・ジュースなどに炭酸ガスを溶解して清涼感を出した飲み物。
炭鉱
たんこう [0] 【炭鉱・炭礦】
石炭を採掘する鉱山。炭坑。
炭鉱業
たんこうぎょう【炭鉱業】
the coal-mining industry.
炮烙
ほうろく ハウ― [0] 【焙烙・炮烙】
素焼きの浅い土鍋。穀類や茶などを炒ったり蒸し焼きにしたりするのに用いる。ほうらく。
焙烙[図]
炮烙
ほうらく ハウ― [0] 【焙烙・炮烙】
〔あぶり焼く意〕
(1)「ほうろく(焙烙)」に同じ。
(2)殷の紂王(チユウオウ)が行なった火あぶりの刑。油を塗った銅柱を炭火の上に架け渡し,罪人を渡らせて火中に落とした。
炮録
ほうろく ハウ― 【炮録】
戦国時代の水軍が使用した爆弾。硫黄(イオウ)・炭・松脂などを混合した火薬を丸い玉としたもの。炮録玉。
炮録火矢
ほうろくびや ハウ― 【炮録火矢】
炮録を射出式にしたもの。
炯炯
けいけい [0][3] 【炯炯・烱烱】 (ト|タル)[文]形動タリ
(目が)鋭く光るさま。「眼光―として人を射る」「―たるまなこ」
炯然
けいぜん [0] 【炯然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)明白なさま。「―たる鑑戒有りて/三酔人経綸問答(兆民)」
(2)明るく光り輝くさま。「―たる一星の火/舞姫(鴎外)」
(3)眼光の鋭いさま。
炯眼
けいがん [0] 【炯眼】
(1)鋭く光る目。眼光。「―人を射る」
(2)真偽・本質を見抜く鋭い眼力。また,眼力が備わっていること。慧眼(ケイガン)。「―をもって鳴るベテラン刑事」
炳
へい [1] 【炳】 (ト|タル)[文]形動タリ
光り輝いているさま。また,疑う余地がないほど明らかなさま。「勝利の栄冠は―として頭上にある」
炳乎
へいこ [1] 【炳乎】 (ト|タル)[文]形動タリ
光り輝くさま。また,非常に明らかなさま。明白。炳然(ヘイゼン)。「燦爛たる彩光は,―として昔から現象世界に実在して居る/草枕(漱石)」
炳然
へいぜん [0] 【炳然】 (ト|タル)[文]形動タリ
「炳乎(ヘイコ)」に同じ。「騰(ノボ)れる焔は―として四辺(アタリ)を照せり/金色夜叉(紅葉)」
炳誡
へいかい [0] 【炳誡】
明らかにいましめること。いましめ。「殊に警巡せしめ―を加ふべきの由/盛衰記 32」
炷き合せ
たきあわせ [0] 【炷き合(わ)せ・焚き合(わ)せ】
香道で,一枚の銀葉の上に二つ以上の香木をのせて聞くこと。
炷き合わせ
たきあわせ [0] 【炷き合(わ)せ・焚き合(わ)せ】
香道で,一枚の銀葉の上に二つ以上の香木をのせて聞くこと。
炷く
た・く [0] 【炷く・薫く】 (動カ五[四])
〔「焚(タ)く」と同源〕
香(コウ)をくゆらす。「香を―・く」
[可能] たける
炷継香
たきつぎこう [4] 【炷継香】
香道で,連衆が持参した香を,その銘に従い連歌のように次々に炷(タ)いていく遊び。最後に香銘を連ねて文を作ったり,和歌を詠んだりする。
炸
ザー [1] 【炸】
〔中国語〕
中国料理で,たっぷりの油で揚げること。炸子鶏(ザーヅーチー)は若鶏のから揚げ。
炸薬
さくやく [0] 【炸薬】
弾丸・爆弾・魚雷・地雷・機雷などに入れ,爆発させるための火薬。
炸裂
さくれつ [0] 【炸裂】 (名)スル
砲弾などが破裂すること。「―音」「砲弾が―する」
炸裂
さくれつ【炸裂】
an explosion.→英和
〜する explode;→英和
burst.→英和
炸麺
ジャーメン [1] 【炸麺】
〔中国語〕
麺を油で揚げた中国料理の総称。
点
なかで [0] 【中手・点】
〔「なかて」とも〕
(1)囲碁で,敵の地の中に打って眼形を奪う手。多く自分の石が取られてできた相手の地の中に打ち込み,三目中手・四目中手・五目中手などでは,打ち込まれた側の石が死ぬ。
(2)両者の間に割ってはいること。また,その人。「遣手揚屋のかか走り出て意見をいたし,扱ひをかけて―をおろす/仮名草子・東海道名所記」
点
てん 【点】
■一■ [0] (名)
(1)筆やペンの先をちょっとつけて記したようなごく小さなしるし。「遠くの人が―のように見える」
(2)〔数〕 数学では幾何学の対象の一。{(1)}を抽象化したもの。幾何学基礎論では,直線などとともに,無定義用語として,公理によって規定される。
(3)書き物などに付ける小さいしるし。
(ア)文の句切りの符号。普通「,」を使う。読点。
(イ)注意を喚起するために語句の横に打つしるし。傍点。
(ウ)漢文を訓読するため,字に付す記号。返り点・乎古止(ヲコト)点など。
(4)漢字の字画の一。「犬」「凡」などの「ヽ」。古くは,漢字の字画全般をいった。
(5)灸(キユウ)で,つぼの位置に墨で付したしるし。「―をおろす」
(6)評価を表す符号・数値など。
(ア)和歌・連歌・俳諧などで,評価を示す符号。「 〇 」「ヽ」など。また,批評・添削。
(イ)答案などにつける評価の数値や符号。「―が辛い」
(ウ)スポーツ・ゲームなどの得点。「―を取る」
(エ)高く評価すること。「おいらは―だぞ/黄表紙・孔子縞于時藍染」
(7)特に取り上げるべきところ。「その―については心配しなくてよい」
(8)漏刻(ロウコク)の時数。また,時刻。「御発句は寅(トラ)の一―/浄瑠璃・百日曾我」
■二■ (接尾)
助数詞。数を表す漢語に付く。
(1)試合・勝負事,試験の答案などの得点・評点を数えるのに用いる。「一―先取した」「百―の答案」
(2)品物の数を数えるのに用いる。「三―セット」「この五―を入賞とします」
点
ちょぼ [1] 【点】
〔「ちょぼ(樗蒲)」の賽(サイ)の目の打ち方に似ることからという〕
(1)しるしに打つ点。ぽち。
(2)歌舞伎の義太夫狂言や丸本物で,地の部分を義太夫節で語ること。また,それを語る太夫。太夫が本の自分の語る箇所に傍点をふったことから付いた名称。床浄瑠璃。
点
てん【点】
a dot;→英和
a spot;→英和
a point;→英和
marks (評点);[競技の]a score;→英和
a point;→英和
a run (野球の);→英和
[品物の数]a piece;→英和
an item;→英和
[見地]a point of view.〜を打つ dot.〜を取る get <good,bad,70> marks;score (競技の).〜が甘い(辛い) be generous (severe) in marking.
点々と
てんてん【点々と】
here and there;scattered;→英和
be dotted <with> .
点じる
てんじる【点じる】
drop (たらす);→英和
light (点火);→英和
make <tea> (茶を).→英和
点じる
てん・じる [0][3] 【点じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「点ずる」の上一段化〕
「点ずる」に同じ。「あかりを―・じる」
点す
とも・す [2][0] 【点す・灯す】 (動サ五[四])
(1)灯火をつける。明かりをつける。とぼす。「蝋燭(ロウソク)を―・す」「蛍の―・す火にや見ゆらむ/伊勢 39」
(2)交合する。女を犯す。とぼす。「もしこの子を―・す気か/洒落本・仮根草」
[可能] ともせる
点す
とぼ・す [2][0] 【点す】 (動サ五[四])
〔「ともす」の転〕
(1)灯火をつける。点火する。ともす。「行灯ヲ―・ス/ヘボン」
(2)男女が交合する。女を犯す。「くらまぎれ―・して見ればおうば殿/柳多留 49」
[可能] とぼせる
点す
ともす【点す】
burn;→英和
light;→英和
turn[switch]on <the light> (電灯を).
点す
さ・す [1] 【注す・点す】 (動サ五[四])
〔「刺す」と同源〕
(1)液体を注ぎ入れる。
(ア)器の中の液体にさらに少量の液体を加える。「煮立ったら水を―・す」
(イ)少量の液体をある部分に注ぎ込む。注入する。「歯車に油を―・す」「目薬を―・す」
(2)火をつける。点火する。「父豊浦の大臣家に火を―・して焼死ぬ/愚管 1」
[可能] させる
[慣用] 水を―
点ずる
てん・ずる [0][3] 【点ずる】 (動サ変)[文]サ変 てん・ず
(1)筆の先などでちょんとしるしを付ける。また,点を打って連ねる。「紅を―・ずる」「必要な言葉丈を―・じては逃げた/それから(漱石)」
(2)あかりをつける。火をともす。「火を―・ずる」
(3)しずくなどをたらす。したたらす。「目薬を―・ずる」
(4)漢文に訓点をつける。「経文に朱で―・ずる」
(5)茶をたてる。「茶を―・ずる」
(6)時・所などを指定する。選定する。「諸陵の所を―・じて/今昔 24」
(7)書き入れる。つける。さす。「唇に朱を―・ずる」
(8)多くの中から選び定める。「大和国と名づけるうねびの山を―・じて帝都をたて/平家 5」
(9)調べる。点検する。「近日宇多津において兵船を―・じ/太平記 14」
(10)けずる。没収する。「知らん所ども―・ぜよ/宇治拾遺 3」
点てる
た・てる [2] 【点てる】 (動タ下一)[文]タ下二 た・つ
⇒立てる(5)(カ)
点と線
てんとせん 【点と線】
小説。松本清張作。1958年(昭和33)刊。謎の情死体をめぐり,事件を追う刑事らのアリバイ崩しを軸とした,社会派本格推理小説。
点る
とも・る [2][0] 【点る・灯る】 (動ラ五[四])
蝋燭(ロウソク)や灯心に火がつく。明かりがつく。とぼる。「ランプに火が―・る」「明かりが―・る」
点る
とぼ・る [2][0] 【点る】 (動ラ五[四])
ろうそくや灯心に火がつく。あかりがつく。ともる。「ちょうちんに火が―・る」「コノ油ワヨク―・ル/ヘボン」
点る
ともる【点る】
burn;→英和
be lighted <by> .
点グラフ
てんグラフ [3] 【点―】
点の数や分布密度により量の大小や分布状態を表したグラフ。統計地図などで使われる。
点付き
てんつき [0] 【点付き】
漢文に返り点が付いていること。また,その漢文。「―ノ本/ヘボン(三版)」
点光源
てんこうげん [3] 【点光源】
大きさを無視できるような光源。幾何光学における光線の源となる。
点出
てんしゅつ [0] 【点出】 (名)スル
提示すること。示して見せること。「ひとりの人物が,余が視界に―された/草枕(漱石)」
点出し
たてだし [0] 【点出し】
茶の湯で,茶を客の前でたてずに,水屋でたてて運び出すこと。大寄せの茶会の場合などに,略式として行う。蔭点(カゲダテ)。
点前
たてまえ [2] 【点前・立(て)前】
茶道で,手前のこと。
点前畳
てまえだたみ [4] 【点前畳】
茶室で,亭主が茶をたてる畳。道具畳。亭主畳。
点化
てんか [1] 【点化】 (名)スル
従来の物を改めて新たにすること。「人性を―し,高邁にし/日本風景論(重昂)」
点印
てんいん [0] 【点印】
俳諧の宗匠が,句の評点を示すために押す印。批言を文字で書く代わりに押した。各宗匠が独自のものを用いている。
点取り
てんとり [4][3] 【点取り】
(1)点をとること。点の多少によって勝敗・優劣を争うこと。「―ゲーム」
(2)連歌・俳諧で,点者に評点を請うこと。
(3)相手の気に入られようとすること。追従,また,通俗。「何か色々な―を書き/洒落本・通言総籬」
点取り俳諧
てんとりはいかい [5] 【点取り俳諧】
点者に評点を請うて,点の多さを競う俳諧。元来は初心者の修業のためであったが,のちに遊戯的なものとして盛んに行われた。
点取り虫
てんとり【点取り虫】
[くそ勉強家] <米俗> a grind;→英和
a dig;→英和
<英俗> a smug.→英和
点取り虫
てんとりむし [4] 【点取り虫】
試験で,高い点数をとることだけを考えている人をあざけっていう語。
点呼
てんこ【点呼】
a roll call.〜をとる call the roll.→英和
点呼
てんこ [1] 【点呼】 (名)スル
一人一人名を呼んで,人員がそろっているかどうか調べること。「人員を―する」
点図
てんず [0] 【点図】
「ヲコト点」を一覧できるように図にまとめたもの。正方形の枠を漢字になぞらえて,符号の形や位置ごとに読み方を示す。
点在
てんざい [0] 【点在】 (名)スル
あちこちに散らばってあること。散在。「谷間に人家が―している」
点在する
てんざい【点在する】
be dotted[scattered,studded]with <houses> .
点字
てんじ [0] 【点字】
盲人が指先の触覚により読解する記号文字。縦三点横二列の六点の凸状の点の組み合わせによる六四種の記号を基本として,アルファベット・数字などを表す。1829年フランスのブライユ(Louis Braille 1809-1852)により考案され,日本でも1890年(明治23)東京盲唖学校の石川倉次(1858-1945)がブライユ式を基として五十音を表記する日本点字を完成。
点字[図]
点字
てんじ【点字】
<a book in> braille.→英和
点字ブロック
てんじブロック [5] 【点字―】
単独で歩く盲人の安全を図るため歩道や駅のプラットホームに敷設されたブロック。停止や方向転換の位置を示す点状ブロック,誘導用の線状ブロックがある。
点字図書館
てんじとしょかん [5] 【点字図書館】
盲人を対象に,点字図書や録音図書(テープ)などを郵送で貸し出しする施設。身体障害者福祉法に基づいて設置。
点定
てんじょう [0] 【点定】
(1)指定すること。
(2)中世,荘園領主・地頭などが,他人の財産を実力で差し押さえる行為。
点定
てんてい 【点定】
⇒てんじょう(点定)
点対称
てんたいしょう [3] 【点対称】
⇒対称(タイシヨウ)(3)
(ア)
点差
てんさ [0][1] 【点差】
得点の差。「―が開く」
点式
てんしき [0] 【点式】
(1)俳諧で,点者が句の優劣を表示するため,評点をつける方式。
(2)点茶の方式。
点役
てんやく 【天役・点役】
古代末期から中世にかけ,田地を対象として賦課された臨時税の総称。本来朝廷の特別行事・寺社造営などの費用捻出のための便法であったが,室町中期以降,守護大名が領内の百姓に臨時に課す夫役・公事をいうようになった。
点心
てんしん [0] 【点心】
〔古くは「てんじん」〕
(1)禅家で,昼食前にとる簡単な食事。また,昼食。
(2)茶会などの茶請(チヤウケ)。または簡単な料理。
(3)中国料理で,
(ア)簡単な食事代わりにもなる小食。麺・粥・餅・饅頭など。
(イ)食事の菜と菜の間に供して,献立に変化をつけるもの。杏仁豆腐など。
(ウ)菓子。月餅など。
点接
てんせつ [0] 【点接】 (名)スル
接しながら点在すること。「大小の島嶼星羅―す/日本風景論(重昂)」
点描
てんびょう【点描】
a sketch.→英和
点描
てんびょう [0] 【点描】 (名)スル
(1)線を使わずに,点またはごく軽いタッチで描く画法。山水画の米点(ベイテン)や,印象派が行なった異なる色の並置によって視覚混合を生じさせる描法など。点描法。
(2)人物や事物の特徴的な部分をとらえて,簡潔に描写すること。「下町の人情を―した作品」
点描主義
てんびょうしゅぎ [5] 【点描主義】
⇒新印象主義(シンインシヨウシユギ)
点描法
てんびょうほう [0] 【点描法】
点描{(1)}によって描く技法。また,新印象派の画家スーラたちが印象派の理論を科学的に究明して用いた彩色技法。
点播
てんぱ [1][0] 【点播】 (名)スル
一定の間隔をおいて一粒または数粒ずつ種子をまく播種法。
→摘播(テキハ)
点数
てんすう【点数】
[評点]marks;[競技の]points;a score.→英和
点数制 the numerical system of rating (保険診療の).
点数
てんすう [3] 【点数】
(1)得点のかず。
(2)品物のかず。しなかず。
点料
てんりょう [1] 【点料】
連歌・俳諧などで,点者が受け取る謝礼。朱料。
点景
てんけい [0] 【点景・添景】
風景画・風景写真などで,全体を引き立たせるために加えられた人や物など。
点本
てんぽん [0] 【点本】
訓点を施した本。訓点本。付点本。付訓本。
⇔無点本
点棒
てんぼう [0] 【点棒】
麻雀で,点数を数えるのに用いる計算棒。チョーマ。
点検
てんけん [0] 【点検】 (名)スル
一つ一つ検査すること。くわしく調べること。「エンジンを―する」「人数を―する」
点検する
てんけん【点検する】
examine;→英和
inspect;→英和
call the roll (人員を);→英和
overhaul <a car> .→英和
点水
てんすい [0] 【点水】
(1)水をさすこと。
(2)水差し。
点汚
てんお [1] 【点汚】
(1)けがすこと。よごれ。けがれ。しみ。
(2)きず。欠点。
点湯
てんとう [0] 【奠湯・点湯】
禅寺で蜜湯・砂糖湯を仏祖に供すること。また,葬送の際に霊前に湯を供すること。また,その湯。奠茶(テンチヤ)とともに行われる。
点滅
てんめつ [0] 【点滅】 (名)スル
あかりがついたり消えたりすること。また,つけたり消したりすること。「ネオンが―する」
点滅する
てんめつ【点滅する(させる)】
go (turn) on and off.‖点滅器 a switch.点滅信号機 <米> a blinker.
点滅器
てんめつき [4][3] 【点滅器】
スイッチ。
点滴
てんてき [0] 【点滴】 (名)スル
(1)しずく。したたり。雨だれ。「―石をうがつ」
(2)静脈注射の一。血液・薬液を静脈内に一滴ずつしたたらせるように注入すること。栄養分の補給や輸血のために行う。点滴注射。
点滴
てんてき【点滴】
drops;drippings;raindrops.点滴注射《医》 <give,administer> an intravenous drip injection.
点滴分析
てんてきぶんせき [5] 【点滴分析】
試料の溶液と試薬の溶液とをそれぞれ一滴ずつ陶製板の窪み穴や濾紙(ロシ)上に落とし,反応によって起こる発色・沈殿を利用して行う微量定性分析。斑点試験。
点火
てんか [0] 【点火】 (名)スル
(1)火をつけること。「導火線に―する」
(2)内燃機関で,シリンダー内の燃料を爆発させるための操作。イグニッション。
点火
とぼし [3][0] 【点火・灯】
灯火。ともし。
点火する
てんか【点火する】
light;→英和
ignite.→英和
点火装置 an igniter.点火プラグ a spark plug.
点火コイル
てんかコイル [4] 【点火―】
⇒イグニッション-コイル
点火プラグ
てんかプラグ [4] 【点火―】
内燃機関のシリンダー内で,火花を飛ばし燃料に点火する部品。わずかなすき間で対する二電極間に高電圧をかけて火花を発生させる。点火栓。
点火器
てんかき [3] 【点火器】
ライターの旧称。
点火栓
てんかせん [0] 【点火栓】
⇒点火(テンカ)プラグ
点火薬
てんかやく [3] 【点火薬】
銃砲の発射薬。また,爆破薬などに点火する際に用いる火薬。
点灯
てんとう [0] 【点灯】 (名)スル
あかりをともすこと。
⇔消灯
「ライトを―する」
点灯する
てんとう【点灯する】
light <a lamp> ;→英和
switch[turn]on <a light> .
点灯管
てんとうかん [0] 【点灯管】
⇒グロー-ランプ
点灯飼育
てんとうしいく [5] 【点灯飼育】
人工的に日照時間を長くして飼育すること。主にニワトリの産卵率を高めるのに行う。
点炭
てんずみ [0] 【点炭】
茶の湯の炭手前で,最後に点ずる小形の炭。実用と風致を兼ねる。とめずみ。添炭。
点点
てんてん 【点点】
■一■ [0][3] (名)
(1)二つまたはそれ以上ある点。「漁船が―に見える」
(2)点線。「細い道は―で表す」
■二■ [0] (副)
(1)あちこちに散らばっているさま。切れ切れに続いているさま。「足跡が―と付いている」「血痕が―と続いている」
(2)しずくなどがしたたり落ちるさま。「傷口から血が―としたたる」
■三■ [0] (形動タリ)
{■二■(1)}に同じ。「落花―たるのみ/欺かざるの記(独歩)」
点画
てんかく [0] 【点画】
漢字を構成する点と線。
点発
てんぱつ [0] 【点発】
⇒圏発(ケンパツ)
点眼
てんがん [0] 【点眼】 (名)スル
目薬を目にさすこと。
点眼する
てんがん【点眼する】
apply eyewash.点眼器 an eye dropper.
点眼剤
てんがんざい [3] 【点眼剤】
目薬。
点眼水
てんがんすい [3] 【点眼水】
目薬。点眼剤。
点睛
てんせい [0] 【点睛】
動物を描き,最後に睛(ヒトミ)を書き入れて完成させること。転じて,重要な部分を最後に加えて全体を完成させること。
→画竜(ガリヨウ)点睛
点竄
てんざん [0] 【点竄】
〔「点」は消す,「竄」はなおすの意〕
(1)文章の字句を直すこと。
(2)「点竄術(テンザンジユツ)」に同じ。
点竄術
てんざんじゅつ [3] 【点竄術】
和算の用語。関孝和が天元術を改良して創始した多変数の連立代数方程式を扱う筆算による帰源整法を,のちに関流で改称した呼称。
点紙
てんし 【点紙】
「礼紙(ライシ)」に同じ。
点綴
てんせつ [0] 【点綴】
「てんてい(点綴)」の慣用読み。
点綴
てんてい [0] 【点綴】 (名)スル
点を打ったように,物がほどよく散らばること。また,散らばっている物をほどよく綴(ツヅ)り合わせること。てんてつ。てんせつ。「茅屋の―せるあり/欺かざるの記(独歩)」
点綴
てんてつ [0] 【点綴】 (名)スル
「てんてい(点綴)」の慣用読み。「蝙蝠の様に吸ひ付いた人間を二三ヶ所―した挿絵があつた/それから(漱石)」
点線
てんせん【点線】
a dotted[perforated (切取りの)]line.
点線
てんせん [0] 【点線】
点が並んで線状になったもの。また,その線。
点線器
てんせんき [3] 【点線器】
ルーレット。トレーサー。
点者
てんじゃ [1][0] 【点者】
連歌・俳諧・雑俳などで,評点を施し,作品の優劣を判定する人。判者。
点苔
てんたい [0] 【点苔】
東洋画の技法の一。岩石・枝幹などの苔を点によって表現するもの。群がり生えている草木,遠くの樹木などを描くのにも用いる。また,画面の調子を整えるための,重要な技法ともされる。
点茶
てんちゃ [0] 【点茶】
抹茶をたてること。てんさ。
点茶
たてちゃ [2] 【立茶・点茶】
茶碗に入れた抹茶に湯を注ぎ,茶筅(チヤセン)で攪拌して泡立てること。
点茶盤
てんちゃばん [0] 【点茶盤】
茶道の立礼(リユウレイ)式で,主人が点茶に用いる机。風炉・水指などの道具を置く。
点葉
てんよう [0] 【点葉】
東洋画で,木の葉を描くのに輪郭線を用いず,軽く筆先で点をうつようにして描く方法。
点薬
てんやく [0] 【点薬】 (名)スル
目に薬をさすこと。点眼。また,その薬。
点訳
てんやく [0] 【点訳】 (名)スル
普通の文字を点字に直すこと。点字訳。「辞書を―する」
点訳する
てんやく【点訳する】
transcribe[transliterate]in braille (characters).‖点訳聖書 the Bible in braille.
点語り
ちょぼがたり [3] 【点語り】
ちょぼ{(2)}を語ること。また,その太夫。
点読
てんどく [0] 【点読】 (名)スル
漢文を訓点によって訓読すること。
点頭
てんとう [0] 【点頭】 (名)スル
うなずくこと。承知すること。「帽子も被つた儘で唯鷹揚に―すると/浮雲(四迷)」
点額
てんがく [0] 【点額】
〔中国の伝説に竜門を登ることのできた鯉は竜となり,失敗した鯉は額に傷をつけて帰るということから〕
試験に落第すること。
点鬼簿
てんきぼ [3] 【点鬼簿】
死者の姓名を書いた帳面。過去帳。
点鼻薬
てんびやく [3] 【点鼻薬】
消炎・収斂・殺菌などの目的で鼻腔に直接投与する液剤。薬剤が最初に肝臓で不活性化されるのを防ぐための投与形態。噴霧して用いる場合もある。
為
た 【為】
〔上代語〕
ため。「竜の馬を我は求めむあをによし奈良の都に来む人の―に/万葉 808」
為
ため [2] 【為】
(1)役に立つこと。利益になること。「―になる本」「君の―を思って言うのだ」「情けは人の―ならず」
(2)(形式名詞)
助詞「の」「が」を介在させて体言と,あるいは用言の連体形に接続して用いる。助詞「に」を伴うこともある。
(ア)その物事が理由・原因であることを表すのに用いる。ゆえ。「雨の―順延する」「事故があった―に遅刻する」「これが―に彼は大いに苦況に立たされた」
(イ)その物事を目的とすることを表すのに用いる。「会議の―上京する」「合格する―に大いに勉強する」
(3)ある物事に関することを表す。…にとって。…に関して。「君の―よくない」
為
す 【為】 (動サ変)
⇒する
為さる
なさ・る [2] 【為さる】
■一■ (動ラ五[四])
〔■二■ が四段活用化したもの。近世前期上方語で下二段活用とならんで四段活用の例が現れ,後期江戸語以降,四段活用が一般化する〕
(1)「する」の尊敬語。「これからどんな仕事を―・るおつもりですか」「そんなことぐらい,自分で―・い」「先生はふっとさびしそうな表情を―・った」「あの方も随分苦労をなすったんですって」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形や漢語サ変動詞の語幹に付いて,また,動詞連用形に「お」を冠したものや漢語サ変動詞の語幹に「御」を冠したものに付いて,尊敬の意を表す。「去年結婚―・ったのはこの方です」「何時に出発―・いますか」「展示会にはおいで―・いますか」「早く勉強をすませてしまい―・い」「おだまり―・い」
〔命令形は「なさい」。連用形は「ます」に続くときは「なさいます」となり,「て」「た」に続くときは「なすって」「なすった」の形も用いられる。動詞の連用形に付くときは,命令の言い方以外はやや古風なひびきをもつ。「どこへ行き―・る」〕
■二■ (動ラ下二)
⇒なされる
為される
なさ・れる [3] 【為される】 (動ラ下一)[文]ラ下二 なさ・る
〔動詞「なす」に尊敬の助動詞「れる」の付いたものから。現代語ではおもに連用形のみを用いる〕
(1)動詞「する」の尊敬語。「―・れます」「何事を―・るるぞ/狂言・目近籠骨」
(2)(補助動詞)
動詞の連用形に付いて,また,「お…なさる」「(御)…なされる」の形で,尊敬の意を表す。「もうおやすみ―・れました」「このたびは御栄転―・れ,おめでとうございます」「一行が到着―・れました」
為さんす
なさん・す 【為さんす】 (動サ特活)
〔「なさります」の転。近世語〕
動詞「なさる」の丁寧語。多く補助動詞として用いられる。「ようお出で―・した。何と思うて来ておくれ―・した/浄瑠璃・双蝶蝶」「したが又おつとめ―・すさうな/洒落本・浪花其末葉」
〔活用は「なさんせ・なさんし・なさんす・なさんす・なさんすれ・なさんせ(なさんし)」〕
為し
なし 【成し・為し】
〔動詞「なす(成)」の連用形から〕
そうすること。せい。「目も鼻もなほし,とおぼゆるは心の―にやあらむ/源氏(総角)」
為し遂げる
なしと・げる [4][0] 【成(し)遂げる・為し遂げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 なしと・ぐ
物事を最後までしとおす。やりとげる。また,大きな事業を完成させる。「五連覇(レンパ)を―・げる」
為す
せ∘す 【為す】 (連語)
〔動詞「す(為)」の未然形「せ」に,尊敬の助動詞「す」の付いたもの〕
なさる。したまう。「草枕旅宿り―・す古(イニシエ)思ひて/万葉 45」
為す
な・す [1] 【成す・為す】 (動サ五[四])
(1)あるまとまったものを作り上げる。築き上げる。《成》「一代で財を―・す」
(2)(「…をなす」の形で)そういう形・状態をつくる。《成》「カラスが群れを―・している」「返品が山を―・す」「文章の体を―・していない」
(3)別の物・状態に変える。「荒野を変じて沃野(ヨクヤ)と―・す」
(4)ある行為をする。主に慣用句的なかたい言い回しの中で使われる。《為》「人力の―・し得るところではない」「相手の―・すがままにまかせる」「すること―・すこと」
(5)動詞の連用形の下に付いて,補助動詞のように用いる。特に心がけてある動作をする意を表す。意識して…する。「いと心ことによしありて同じ木草をも植ゑ―・し給へり/源氏(若紫)」「心細く住み―・したる庵あり/徒然 11」
〔「なる」に対する他動詞〕
[慣用] 市を―・色を―・恐れを―・重きを―・名を―
為す有る
為す有・る
〔「有為(ユウイ)」の訓読み〕
才能があり,りっぱな仕事ができる。「―・る者たらんことを欲す」
為す術(スベ)もない
為す術(スベ)もな・い
どのようにしたらよいか,手段・方法がない。「あまりの強さに―・く破れた」
為せば成る
為せば成る
やればできる。
為せる
なせる 【為せる】 (連語)
〔文語動詞「為す」の已然形に完了の助動詞「り」の連体形が付いたもの〕
おこなった。引き起こした。「自然の―わざ」「群集心理の―わざ」
為て遣られる
してやら・れる 【為て遣られる】 (連語)
相手の術中にはまる。だまされる。「彼にまんまと―・れた」
為て遣る
してや・る [0] 【為て遣る】 (動ラ五[四])
(1)うまくやって思いどおりの成果を得る。首尾よくしおおせる。「―・ったりという顔でマウンドを下りる」「ここへもちよつと出かけて又六百―・つた/浄瑠璃・丹波与作(中)」
(2)食う。食らう。「奈良茶をあり切りさらさらと―・り/滑稽本・膝栗毛(初)」
為に
ため【為に】
(1)[利益]for;→英和
for the sake[benefit,good]of;for a person's good;on behalf of; <a party> in honor of.(2)[目的](in order) to do;so as to do;(so) that one may;for (the purpose[sake]of);with a view to doing;by way of;in[for]the cause of <justice> .
(3)[原因・理由]on account of[because of,owing to] <one's illness> ;due to <one's carelessness> ;through <one's fault> ;→英和
from <overwork> ;→英和
for[from]want[lack]of <experience> ;because;→英和
as;→英和
since;→英和
for.(4)[結果]in consequence of;as a result of.(5)[によって]by.→英和
〜になる be good for;do <a person> good;benefit;→英和
be beneficial[profitable,helpful,instructive] <to> .
〜にならない be no good;be bad for;be harmful[injurious]to.
為に
ために [2] 【為に】
■一■ (接続)
〔漢文訓読に由来する語法〕
それ故に。「事前の対策がなく,―かかる大災害となった」
■二■ (連語)
⇒ため(為)(2)
為り
なり [2] 【成り・為り】
(1)将棋で,駒が成ること。
→成る
(2)(「おなり」の形で)貴人が出かけること。
→御成(オナリ)
(3)成ること。成就。「―も成らずも汝と二人はも/万葉 3492」
為り変る
なりかわ・る [4][0] 【成り代(わ)る・為り変(わ)る】 (動ラ五[四])
(1)その代わりとなる。とって代わる。「本人に―・りまして,御礼申し上げます」
(2)変わって他の物となる。「淵(フチ)は瀬に―・るてふ飛鳥川/後撰(恋三)」
為り変わる
なりかわ・る [4][0] 【成り代(わ)る・為り変(わ)る】 (動ラ五[四])
(1)その代わりとなる。とって代わる。「本人に―・りまして,御礼申し上げます」
(2)変わって他の物となる。「淵(フチ)は瀬に―・るてふ飛鳥川/後撰(恋三)」
為り返る
なりかえ・る 【為り返る】 (動ラ四)
(1)もとのようになる。「大将殿のつくり磨き給はむにこそは,ひきかへ,玉の台(ウテナ)にも―・らめ/源氏(蓬生)」
(2)裏返る。「秋萩は下葉や上に―・るらむ/拾遺(雑下)」
(3)すっかりその状態になる。なりきる。「心の底まで歌に―・りて/無名抄」
(4)信奉する宗旨を捨てる。背教する。[日葡]
為る
する【為る】
do;→英和
try;→英和
play <games> ;→英和
[…にする]make;→英和
change[turn] <A into B> ;→英和
act <the fool> ;→英和
practice (練習);→英和
(be) engage(d) in;cost <800 yen> .→英和
〜事がない have nothing to do.〜事なす事 everything one does.…〜ようになる come[learn,get] <to do> .→英和
(息子を)医者に〜 make (one's son) a doctor.→英和
品物を金に〜 turn goods into money.悪い事を〜 commit a crime.→英和
病気を〜 suffer from (an) illness.
為る
する [0] 【為る】 (動サ変)[文]サ変 す
❶(「…(を)する」の形で)
(1)(動作性の名詞を受けて)ある動作・行為を行う。多くの場合,その名詞を語幹とするサ変動詞も存在する。「勉強を〈する〉」「サインを〈する〉」「不審な動きを〈する〉」「電話を〈する〉」「こら,何を〈する〉んだ」「自分だけ楽を〈する〉」
(2)ある一時期,ある職務・ポストにつく。「昔,高校の教師を〈し〉ていたとき」
(3)(「(…に)…をする」の形で)装身具などを身につける。「鉢巻を〈する〉」「いつもネクタイを〈し〉ている」
(4)人や物がある形・色・性質である。また,人がある服装・顔の形・表情である。「こわい顔を〈し〉てにらむ」「青い目を〈し〉た女の子」「立派な体格を〈し〉ている」「いい腕を〈し〉ている職人」
(5)動詞の連用形に付いて,いったん名詞化されたものを再び動詞化する。多くは古語で打ち消し表現に用いられた。「恋〈する〉」「尽き〈せ〉ぬ思い」「絶え〈せ〉ず」
❷(「…を…にする」「…を…とする」の形で)
(1)ある人をある身分にする。あるポストにつける。あるものに育て上げる。「息子を医者に〈する〉」「犬を友と〈し〉て暮らす」「孫を相手に〈し〉て遊ぶ」
(2)ある物をある用途に使う。「腕を枕に〈し〉て寝る」「釣った鮎(アユ)をさかなに〈し〉て酒を飲む」
(3)ある物を…に変化させる。「小切手を現金に〈する〉」「大豆を臼でひいて粉に〈する〉」
(4)…を…と見なす,考える。…扱いする。「あの話はなかったことに〈し〉て下さい」「ひとをばかに〈する〉にもほどがある」
(5)自分で…を…と思う,感じる。「遠足を楽しみに〈し〉ている」「僕は君を頼りに〈し〉ているんだよ」
❸(形容詞・形容動詞の連用形に付いて)その状態にならせる。その状態を出現させる。「髪を長く〈する〉」「これまでの経緯を明らかに〈する〉」「静かに〈し〉なさい」
❹決める。
(1)(「…ことにする」「…こととする」の形で動詞・助動詞を受けて)…することを決意する。…することに決める。「私も一緒に行くことに〈し〉た」「本契約の定めに従うことと〈する〉」
(2)(「…にする」の形で名詞・代名詞を受けて)選び出して…と決める。「朝食はパンに〈する〉か御飯に〈する〉か決めて下さい」「どちらに〈し〉ますか」
(3)(動詞の終止形を「と」で受けて,また,名詞を「と」「に」で受けて,「…とする」「…にする」の形で)それまでの動作を打ち切って新たな動作にとりかかる。「そろそろ寝ると〈する〉か」「お昼だからご飯に〈し〉ましょう」
(4)(「…とする」の形で状態性の名詞を受けて)…であると判定する。決定する。「一審の判決では有罪と〈さ〉れた」「この法案を是(ゼ)と〈する〉者の割合は…」
(5)(「…とする」の形で,文語形容詞の終止形を受けて)自分で…であると思う。「原案を良しと〈する〉者が多数を占めた」「職にとどまることを潔しと〈せ〉ず」「解散のおそれなしと〈し〉ない」
(6)(「…とすれば」「…にしては」の形で)…であると仮定する。…と一応決める。「いま生きていると〈すれ〉ば三〇歳になる」「小学生に〈し〉ては背が高い」
(7)(「…ものとする」の形で動詞・助動詞を受けて)法律・規則の文章で,…と決める。定める。「月謝は月末までに納めるものと〈する〉」「委員の任期は二年と〈する〉」
(8)(「…とすれば」「…にしては」「…としては」「…としても」「…としての」などの形で)その人の立場から考えると。「彼女と〈すれ〉ばそう考えるのも無理はない」「私と〈し〉ても言い分はある」「彼の小説に〈し〉ては短い方だ」「重役と〈し〉ての仕事」
(9)(「…としたことが」の形で)あの有能な…が不覚にも。「おれと〈し〉たことが,こんな失敗をしでかすとは」
(10)(「…うとする」「…ようとする」の形で動詞・助動詞の未然形を受けて)
(ア)ある動作にとりかかる。「出かけようと〈し〉たら雨が降ってきた」
(イ)ある事柄が行われる所である。ある出来事が始まりかかっている。「夕陽がまさに沈もうと〈し〉ていた」「船はまさに岸壁を離れようと〈し〉ていた」
❺(「…がする」の形で名詞を受けて)ある現象・感じが知覚されるとき,受け手の立場からではなく,そのもととなった現象を中心に表現する言い方。「玄関で人の声が〈する〉」「良い香りの〈する〉花」「変な味が〈する〉」「頭痛が〈する〉」「ほめられれば悪い気は〈し〉ない」
❻(事物の状態などを表す副詞を受けてそれを述語化する)そのような状態である。「あっさり(と)〈し〉た味」「疲れてぐったり(と)〈する〉」「ゆっくり〈し〉ていって下さい」「いつも堂々と〈し〉ている」「それを見てぞっと〈し〉た」
❼数量を表す語に付く。
(1)(時間を表す語に付いて)ある時刻を起点にして,その時間が経過する。たつ。「雨は一時間(も)〈すれ〉ばやむだろう」「買って一年(も)〈し〉ないのにもう壊れた」
(2)(価格を表す語に付いて)買い手の立場から,その値段である。あまり安くない場合にいうことが多い。「四〇万円も〈する〉高級カメラ」「これいくら〈し〉たの」
(3)(人数を表す語に「…して」の形で付いて)その人数で一緒にある動作をすることを表す。「二人〈し〉て出かける」「家族みんな〈し〉て働く」
❽「…(と)して」「…(と)すると」「…(と)すれば」「…(と)したら」などの形で,副詞を述語化して用いる。「依然と〈し〉て」「もしか〈する〉と」「もしか〈し〉たら」「ひょっと〈し〉て」「ひょっと〈する〉と」「ひょっと〈し〉たら」「ややも〈する〉と」「とも〈する〉と」「とも〈すれ〉ば」「頑と〈し〉て口を割らない」「鹿児島でも時と〈し〉て雪が降る」
❾(補助動詞)
(1)(動詞の連用形に助詞「は」「も」「でも」「さえ」「こそ」などを伴ったものに付いて)その動詞の意味,またはその動詞の打ち消しの意味を強める。「出かけは〈し〉たが」「見も〈し〉ない」「知りも〈し〉ないことを言うな」「笑いでも〈し〉たら」「乗りさえ〈すれ〉ば」
(2)(動詞の連用形を重ねたもの,あるいは動詞に並列を表す「なり」「たり」「も」「か」「し」「つ」などを添えたものに付いて)叙述を助ける働きをする。「鉛筆の芯(シン)を削り削り〈し〉て細字を書く」「見聞き〈し〉たこと」「ここで寝起き〈し〉ている」「打つなりたたくなり〈し〉てくれ」「書いたり消したり〈する〉」「日によって静かだったりうるさかったり〈する〉」「逃げも隠れも〈し〉ない」「材質が粗悪だか薄いか〈し〉て穴があく」「腹はへるし風は冷たいし〈する〉から…」「抜きつ抜かれつ〈する〉」
(3)(上に「お」を添えた動詞の連用形,あるいは,上に「御」を添えた動作を表す漢語に付いて)謙譲の意を表す。「先生をお呼び〈する〉」「お荷物をお持ち〈し〉ましょう」「のちほど係の者が御案内〈し〉ます」「お客様を御招待〈する〉」
〔(1)「する」の活用は,口語では「し・せ・さ,し,する,する,すれ,しろ」,文語では「せ,し,す,する,すれ,せよ」。(2)各活用形のうち,口語の未然形は,「し」には助動詞「ない」「よう」が,「せ」には助動詞「ず」「ぬ」(打ち消し)が,「さ」には「れる」「せる」がそれぞれ接続する。→させる・される。(3)命令形は,古くから「せよ」が用いられ,現代でも文章語的な言い方としては用いられることがある。一方,中世後期から「せい」が用いられるようになり,近世江戸語以降は「しろ」が用いられるようになった。(4)文語の場合,過去の助動詞「き」の接続は変則的で,終止形「き」には連用形「し」から,連体形「し」および已然形「しか」には未然形「せ」から続く。すなわち,「しき」「せし」「せしか」となる。(5)「する」は,他の語と合して,いろいろの複合動詞をつくる。
(ア)うわさする・びっくりする・おともする。
(イ)勉強する・運動する・練習する・研究する。
(ウ)リードする・スケッチする・ノックする。
(エ)重んずる・軽んずる・先んずる。
(オ)察する・達する・決する。(カ)感ずる・信ずる・論ずる・生ずる・通ずる。(キ)愛する・熟する・服する・訳する・略する。これらのうち,
(エ)と(カ)の諸動詞は,すべて「ずる」となるから,ザ行変格活用ということになる。文語の場合もほぼ同様である。(6)現代語では,(5)にあげたようなサ変の複合動詞のうちには,サ行(ザ行)変格以外の他の活用として用いられるものもある。すなわち,(5)の
(エ)
(オ)(カ)の諸動詞は上一段活用としても用いられる。例えば,「重んじる・先んじる,察しる・達しる,感じる・信じる・論じる・生じる・通じる」など。また,(キ)の諸動詞は五段活用としても用いられる。例えば,「愛す・熟す・服す・訳す・略す」など〕
為る
な・る [1] 【成る・為る】 (動ラ五[四])
❶物・ことが結果として実現・成立する。《成》
(1)完成する。実現する。「七四九年,東大寺大仏―・る」「新装―・った県民ホール」「ローマは一日にして―・らず」
(2)(「だれだれの…になる」の形で)その人により作られる。「名人の手に―・る逸品」「定家自身の筆に―・る小倉色紙」
(3)(「…からなる」「…よりなる」の形で)構成されている。形づくられている。「水の分子は水素原子二個と酸素原子一個から―・る」「国会は衆議院と参議院とから―・る」
(4)願いごとが実現する。成就する。「宿願―・る」「全勝優勝―・らず」
❷それまでとは違う物・違う状態に変わる。
(1)ある物がほかの物に変わる。「おたまじゃくしが蛙に―・る」「火事で家が灰に―・ってしまう」「相手の身に―・って考える」
(2)人がある身分に変わる。ある役・職業につく。「将来何に―・りたいか」「学芸会の劇で王子さまに―・る」「若くして三人の子の母と―・る」
(3)ある状態に至る。
(ア)「…になる」「…となる」の形で名詞を受ける。「病気に―・る」「クラスでトップに―・る」「原稿が没に―・る」「今夜は雪に―・りそうだ」
(イ)形容詞・形容動詞などの連用形を受ける。「顔が赤く―・る」「生活が豊かに―・る」
(4)将棋で,王将・金将以外の駒が敵陣内へはいったりそこで動いたりして金将と同じ働きになる。飛車・角行は本来の働きを失わず,金将・銀将の働きをも得る。《成》
❸ある数値・時に達する。
(1)ある数値に達する。「マイナスにマイナスを掛けるとプラスに―・る」「会員が三〇人以上に―・る」
(2)ある時刻・時期に達する。「正午に―・る」「春に―・れば雪もとける」「世は明治と―・った」
❹ある機能をする。
(1)ある物の代わりにその働き・役目をする。「この草は薬に―・る」「ソファーがベッド代わりに―・る」
(2)プラスまたはマイナスの効果・機能がある。「ために―・る本」「名誉と―・る」「激励がかえって重荷に―・る」
❺(「…することになる」の形で)…することに決まる。
(1)成り行きとして,あることをするに至る。「 A 氏を派遣することに―・る」「昔は長男が家を継ぐことに―・っていた」
(2)(条件句を受けて)ある条件のもとでは,あるいは,ある目的のためには,当然のこととしてある行為が行われることが決まっている。「ホームでの見送りには入場券を買うことに―・っている」
❻(「…になる」の形で)他人から恩恵を受けることを表す。「先輩の世話に―・る」「 A さんに御馳走に―・る」
❼多く否定の表現を伴って用いる。
(1)「…て(で)ならない」の形で,形容詞・形容動詞を受けて,非常に…だ,…て仕方がない,…てしようがないの意を表す。「腰が痛くて―・らない」「この映画は退屈で―・らない」
(2)…することができる,…してさしつかえない,…することが許されるの意を表す。「もう我慢が―・らない」「負けて―・るものか」
(3)「…してはならない」の形で動詞を受けて,禁止されている,してはいけないの意を表す。「消火栓の前に駐車しては―・らない」「秘密を漏らしては―・らない」
(4)「…しなくてはならない」「…しなければならない」「…せねばならぬ」などの形で動詞を受けて,当然…するべきである,…する義務・必要があるの意を表す。「法律は守らなくては―・らない」「すぐ出かけねば―・らない」
❽
(1)酒を飲むことができる。上戸である。「重ね��祝はれ,日比(ヒゴロ)―・る者はと云ふさへ/浮世草子・俗つれつれ 1」
(2)貴人の動作を敬っていう。
(ア)貴人がお出かけになる,おいでになる。「御所に―・りぬるとてあれば/中務内侍日記」
(イ)貴人の動作を表す語に付けて,補助動詞的に用いる。…なさる。「かしこへ行幸―・つて紅葉を叡覧―・るに/平家 6」「白河院は北首に御寝―・りけり/徒然 133」
❾(補助動詞)
「お」を冠した動詞の連用形や「ご」を冠した動作性の漢語名詞に,「になる」の形で付いて,その動作主に対する尊敬の意を表す。「手紙をお書きに―・る」「城跡を御見物に―・る」
〔「なす」に対する自動詞〕
[可能] なれる
[慣用] 気に―・首に―・様に―・力に―・手に―・馬鹿に―・身二つに―・物に―/あとは野となれ山となれ
為れたい
され∘たい 【為れたい】 (連語)
「そうなされることを望みたい」意の改まった,また命令口調の言い方。されたし。「本署に出頭―∘たい」
為ん方
せんかた セム― [0][1] 【為ん方・詮方】
〔「詮方」は当て字〕
なすべき方法。とるべき手段。しかた。「事ここに至っては―もありません」「遺憾ながらも―尽て/近世紀聞(延房)」
為ん方無い
せんかたな・い セムカタ― [5] 【為ん方無い・詮方無い】 (形)[文]ク せむかたな・し
〔「詮方」は当て字〕
(1)なすべき方法がない。しかたない。「今さら言っても―・いことだが」
(2)たまらなく悲しい。悲しみにたえがたい。「御有様見奉るに,余りに―・うこそ候へ/平家(灌頂)」
[派生] ――さ(名)
為ん術
せんすべ セム― [1] 【為ん術・詮術】
〔「せん」は動詞「す」の未然形に推量の助動詞「む」の付いたもの。「詮」は当て字〕
なすべき手だてや方法。せんかた。しかた。「―もなく,ただ見送る」「―を知らぬ」
為ん術ない
せんすべな・い セムスベ― 【為ん術ない】 (形)[文]ク せむすべな・し
どうしようもない。仕方ない。「資金がなくては―・い」
為人
ひととなり [0] 【人となり・為人】
(1)生まれつきの性質。天性。本性。「温和な―」
(2)からだつき。背恰好。「―,少し細高にて/宇治拾遺 11」
為体
ていたらく [3] 【体たらく・為体】
〔「体(テイ)たり」のク語法。そのような体であること,の意〕
ようす。ありさま。現代では,好ましくない状態やほめられない状態についていう。「散々の―だ」「此の山の―,峰高うして/盛衰記 35」
為侘ぶ
しわ・ぶ 【為侘ぶ】 (動バ上二)
どうしてよいかわからず苦しむ。もてあます。しあぐむ。「物もおぼえぬやうにてありければ,―・びて法師になりてけり/宇治拾遺 14」
為做し
しなし [0] 【為做し】
おこない。振る舞い。「―振り」
為做せ振り
しなせぶり 【為做せ振り】
遊女などが,なまめかしくこびるさま。嬌態(キヨウタイ)。「あるいはかこちて口説(クゼツ)をしかけ,または―の情を語りなど/仮名草子・東海道名所記」
為做せ言葉
しなせことば [4] 【為做せ言葉】
江戸時代,花柳界や芸人の間に行われた丁寧で粋(イキ)な言葉遣い。遊ばせ言葉の類。
為兼
ためかね 【為兼】
⇒京極為兼(キヨウゴクタメカネ)
為兼ねる
しか・ねる [3] 【為兼ねる】 (動ナ下一)[文]ナ下二 しか・ぬ
(1)することがむずかしい。また,「できない」を婉曲にいう語。「賛同―・ねる」「ご質問には,お答え―・ねます」
(2)「しかねない」の形で,普通ならやりそうもないことをしそうだ,の意を表す。やりかねない。「彼なら―・ねない」
為兼和歌抄
ためかねわかしょう 【為兼和歌抄】
歌論書。一巻。藤原(京極)為兼著。1285〜87年頃成立。保守的・伝統的な二条家の歌学に対抗する著者が,「万葉集」を尊重し,対象の感動を重んずる自由な詠歌態度を説く。為兼卿和歌抄。
為兼流
ためかねりゅう 【為兼流】
「京極派(キヨウゴクハ)」に同じ。
為出す
しだ・す [2] 【仕出す・為出す】 (動サ五[四])
(1)物事をし始める。とりかかる。
(2)料理を作って注文先に届ける。仕出しをする。「料理は必ず青柳から―・した/渋江抽斎(鴎外)」
(3)作り出す。考え出す。創始する。「安部川紙子に縮緬(チリメン)を―・し/浮世草子・永代蔵 3」
(4)財産を作り上げる。かせぎだす。「多助が身代を―・しますには/塩原多助一代記(円朝)」
(5)やってのける。しでかす。「なぜかあの人はああいふ酷(ヒド)い事をしても―・したねえ/真景累ヶ淵(円朝)」
為出だす
しいだ・す 【為出だす】 (動サ四)
(1)作って形のあるものにする。また,事を成し遂げる。「白鑞(ロウ)をわかして…海・山・亀・月,いろを尽して―・す/宇津保(吹上・上)」「打手は向うたりといへどもさせる―・したる事も候はず/平家 6」
(2)事件などを引き起こす。ある状況にする。「かかる態(ワザ)を―・して量らんをばいかにかはすべき/今昔 28」
(3)し始める。初めてする。「唐土の烏曹といふ者,博棊(バクギ)といふ事を―・せしより/仮名草子・浮世物語」
為出づ
しい・ず 【為出づ】 (動ダ下二)
(1)作り上げる。やり遂げる。「嫗よろづにしありきて其の折の事皆―・でつ/宇津保(俊蔭)」
(2)事をする。しでかす。「なかなかなること―・でたる/紫式部日記」
(3)し始める。「その世の物語―・で侍りていと堪へがたく/源氏(玉鬘)」
為出来す
しでか・す [3] 【仕出かす・為出来す】 (動サ五[四])
(1)してしまう。やってのける。困ったことを引き起こす場合に使う。「大それたことを―・す」
(2)見事に作り出す。「次第に思ひ入をはづさず,金銀を―・し/浮世草子・新永代蔵」
為初
しぞめ [0] 【仕初(め)・為初(め)】
(1)はじめて物事をすること。てはじめ。
(2)「仕事始(シゴトハジ)め」に同じ。
(3)江戸時代,正月元日に,歌舞伎で行なった儀式。翁渡(オキナワタシ)を行い,座頭(ザガシラ)が春狂言の名題や役を発表する巻触(マキブ)れ,子役の踊り初めのあと一同で手打ちをする。《仕初》
為初む
しそ・む 【仕初む・為初む】 (動マ下二)
し始める。「むつかしき事も,―・めてけるかな/源氏(手習)」
為初め
しぞめ [0] 【仕初(め)・為初(め)】
(1)はじめて物事をすること。てはじめ。
(2)「仕事始(シゴトハジ)め」に同じ。
(3)江戸時代,正月元日に,歌舞伎で行なった儀式。翁渡(オキナワタシ)を行い,座頭(ザガシラ)が春狂言の名題や役を発表する巻触(マキブ)れ,子役の踊り初めのあと一同で手打ちをする。《仕初》
為合う
しあ・う [2] 【為合う】 (動ワ五[ハ四])
互いにする。「世話を―・う」「互いに批判を―・う」
[可能] しあえる
為呆ける
しほう・ける 【為呆ける】 (動カ下一)
〔近世上方語〕
しくじる。失敗する。「江戸棚さんざんに―・けて京へのぼされける/浮世草子・一代女 4」
為埒
しらち 【為埒・仕埒】
あと始末。あとかたづけ。処置。
為尽く
ためずく 【為尽く】
(1)もっぱらその人のためを思って尽くすこと。「何事も―,ながうほそうあそばしやれぬかと申せば/浮世草子・三島暦」
(2)その人のために尽くしているかのように見せかけること。おためずく。「肝煎の嚊が―いうて/浮世草子・禁短気」
為尽くす
しつく・す [3] 【為尽(く)す】 (動サ五[四])
残らずしてしまう。しはたす。「道楽を―・した人」
[可能] しつくせる
為尽す
しつく・す [3] 【為尽(く)す】 (動サ五[四])
残らずしてしまう。しはたす。「道楽を―・した人」
[可能] しつくせる
為慣れる
しな・れる [3] 【為慣れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 しな・る
することに慣れる。慣れて熟達する。
為成す
しな・す 【為成す】 (動サ四)
ある状態になす。作りなす。「水の流れもをかしう―・したり/源氏(松風)」
→しなしたり
為所
しどころ [0] 【為所】
しなければならない場合。やりがいのあるところ。「ここが思案の―」「がまんの―」
為手
して 【仕手・為手】
(1) [0]
何かをする人。「仕事の―を求める」
(2) [2][0]
(普通「シテ」と書く)
(ア)能の主役。中入りのある複式能では,前場のものを前ジテ,後場のものを後(ノチ)ジテという。
→わき
→つれ
(イ)狂言の主役。オモ。
→あど
(3) [0]
株式取引で,投機を目的として大量の売買をする人。「―株」「―戦」
為抜く
しぬ・く [2] 【為抜く】 (動カ五[四])
最後までする。なしとげる。ことごとくする。「さんざん苦労を―・く」
為拗らす
しこじら・す [4] 【為拗らす】 (動サ五[四])
病気をこじらせる。しこじらかす。「―・した体熱/道草(漱石)」
為振り
しぶり [0] 【仕振り・為振り】
物事をするようす。仕方。「てきぱきとした仕事の―だ」
為据う
しす・う 【為据う】 (動ワ下二)
ある状態にしてきちんと据える。人を,ある地位・立場などに就かせる。「故院のあるべきさまに―・ゑ奉らせ給ひし御事をも/栄花(ゆふしで)」
〔中世後期以降からヤ行にも活用した〕
為損じる
しそん・じる [4] 【仕損じる・為損じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「仕損ずる」の上一段化〕
「しそんずる」に同じ。
為損ずる
しそん・ずる [4] 【仕損ずる・為損ずる】 (動サ変)[文]サ変 しそん・ず
やりそこなう。失敗する。「せいては事を―・ずる」
為損なう
しそこな・う [4] 【仕損なう・為損なう】 (動ワ五[ハ四])
〔「しぞこなう」とも〕
失敗する。しくじる。しそんじる。「忙しくて電話を―・った」
為政
いせい ヰ― [1][0] 【為政】
政治を行うこと。執政。「―の衝に当たる」
為政者
いせいしゃ【為政者】
statesmen (政治家);administrators (行政官);the government authorities (政府当局).
為政者
いせいしゃ ヰ― [2] 【為政者】
政治を行う人。為政家。
為敢ふ
しあ・う 【為敢ふ】 (動ハ下二)
なし遂げる。しおおせる。「黒きもまだ―・へさせ給はず/源氏(夕霧)」
為書き
ためがき [0] 【為書き】
書画の落款(ラツカン)に,依頼主の名など,その書画を書いた理由を書き添えること。
為替
かわせ【為替】
<cash> a money order; <draw> a bill of exchange (為替手形).‖為替管理 exchange control.為替差益(差損) a currency exchange profit (loss).為替振出(受取)人 a sender (payee).為替レート[相場]an exchange rate.外国為替 foreign exchange.小為替 a postal note.電報為替 a telegraphic remittance.郵便為替 a postal money order.
為替
かわせ カハセ [0] 【為替】
手形や小切手によって貸借を決済する方法。離れた地域にいる債権者と債務者の間で貸借を決済する場合,遠隔地に現金を輸送する危険や不便を避けるために使われる。中世では「かわし」といい,銭のほか米などの納入・取引に利用された。
為替
かわし カハシ 【為替】
〔動詞「かわす(為替)」の連用形から〕
鎌倉・室町時代に行われたかわせ。替え銭(セン)のほか,米を用いる替え米(マイ)があった。
→かわせ(為替)
為替す
かわ・す カハス 【為替す】 (動サ四)
〔「交(カ)わす」と同源〕
為替(カワセ)に組む。
〔中世後期の日記・文書に見られる語〕
為替カバー
かわせカバー カハセ― [4] 【為替―】
為替相場の変動による危険を避けるため,為替売買において売りのほうが買いより多くなった場合には買いを増やし,買いのほうが多くなった場合は売りを増やすこと。
為替ダンピング
かわせダンピング カハセ― [4] 【為替―】
為替相場を実勢以下に引き下げて,国内価格で輸出した商品でも相手国では安売りしたと同じ効果をもたせること。
為替マリー
かわせマリー カハセ― [4] 【為替―】
〔exchange marry〕
売り為替と買い為替を相殺する調整操作。為替相場変動上の危険を回避する一つの方法。
為替リスク
かわせリスク カハセ― [4] 【為替―】
所有している対外的な債権や債務が,為替レートの変動により増減することによって被る危険。
為替レート
かわせレート カハセ― [4] 【為替―】
⇒為替相場(カワセソウバ)
為替予約
かわせよやく カハセ― [4] 【為替予約】
為替相場の変動による危険を避けるため,あらかじめ外貨の種類・金額や,為替相場,受け渡し時期などを定め,将来その条件で為替の受け渡しを行うことを契約すること。為替契約。
為替仲買人
かわせなかがいにん カハセナカガヒ― [0] 【為替仲買人】
外国為替市場で,為替銀行の相互間あるいは為替銀行と業者間の為替の売買を仲介する業者。為替ブローカー。
為替取引
かわせとりひき カハセ― [4][5] 【為替取引】
貸借の決済に為替を利用する契約。決済される貸借が国内にあるものを内国為替取引,外国にわたるものを外国為替取引という。また,送金のために利用する場合には送金為替(順為替・並為替),取り立てのために利用する場合には逆為替(取立為替)という。
為替契約
かわせけいやく カハセ― [4] 【為替契約】
⇒為替予約(カワセヨヤク)
為替安定資金
かわせあんていしきん カハセ― [8][9] 【為替安定資金】
⇒為替平衡資金(カワセヘイ/コウシキン)
為替尻
かわせじり カハセ― [0] 【為替尻】
銀行で,国内の為替取引の結果生じた,債権・債務の残高。
為替差損
かわせさそん カハセ― [4] 【為替差損】
為替の変動による損失。
⇔為替差益
為替差益
かわせさえき カハセ― [4] 【為替差益】
外貨または外貨建債権・債務を保有しているとき,自国通貨の為替レートが下落・上昇することによって得られる利益。あるいは自国通貨の為替レートが上昇し,外貨建輸入品に対する自国通貨の支払額が減少することによって得られる利益。
⇔為替差損
為替市場
かわせしじょう カハセ―ヂヤウ [4] 【為替市場】
⇒外国(ガイコク)為替市場
為替平価
かわせへいか カハセ― [4] 【為替平価】
⇒平価(ヘイカ)
為替平衡勘定
かわせへいこうかんじょう カハセヘイカウカンヂヤウ [8] 【為替平衡勘定】
為替相場の大幅な変動を避けるため,通貨当局(政府または中央銀行)が為替の売買取引に介入する資金として設けた勘定。
為替平衡資金
かわせへいこうしきん カハセヘイカウ― [8][9] 【為替平衡資金】
為替平衡勘定の資金。為替安定基金。為替安定資金。
為替手形
かわせてがた カハセ― [4] 【為替手形】
発行者(振出人)が第三者(支払人)に対して,手形の所持人に一定の金額を支払うことを委託した手形。支払人は,引き受けを行うことで支払義務を負う。国際取引に使用されることが多く,外国為替手形といわれる。
→約束手形
為替投機
かわせとうき カハセ― [4] 【為替投機】
将来の為替レートの変動を予想し,利鞘を稼ぐ目的でなされる為替売買。先物為替取引を利用する場合が多い。
為替持ち高
かわせもちだか カハセ― [4] 【為替持(ち)高】
外国為替の買い為替の額と売り為替の額の差額。買い超過の場合を買い持ち,売り超過の場合を売り持ち,売買同額の場合をスクエアという。
為替持高
かわせもちだか カハセ― [4] 【為替持(ち)高】
外国為替の買い為替の額と売り為替の額の差額。買い超過の場合を買い持ち,売り超過の場合を売り持ち,売買同額の場合をスクエアという。
為替換算表
かわせかんさんひょう カハセクワンサンヘウ [0] 【為替換算表】
自国通貨が外国通貨のいくらに換算されるかを為替相場に基づいて示した表。
為替料
かわせりょう カハセレウ [3] 【為替料】
為替の振り出しをする時に要する手数料。
為替方
かわせかた カハセ― [0] 【為替方】
明治初期の国庫出納機関。国庫に収納する金銭の鑑定・収入・逓送・支出の事務を取り扱った。
為替清算協定
かわせせいさんきょうてい カハセ―ケフテイ [8] 【為替清算協定】
貿易上の貸借関係を,外国為替を売買する方法をとらないで,特別の清算機関を設けてその決済を行う国家間の取り決め。
為替相場
かわせそうば カハセサウ― [4] 【為替相場】
一国の通貨と他国の通貨との交換比率。為替レート。
為替管理
かわせかんり カハセクワン― [4] 【為替管理】
国際収支の均衡と為替相場の安定を図るため,政府が外国為替の売買を直接管理すること。日本では「外国為替及び外国貿易管理法」によって行われている。
為替管理法
かわせかんりほう カハセクワンリハフ [0] 【為替管理法】
「外国為替及び外国貿易管理法」の略称。
為替裁定
かわせさいてい カハセ― [4] 【為替裁定】
(1)資金の移動に際して,どの国の為替市場を利用した方が有利かを判定すること。
(2)各地の為替市場での相場の違いを利用して差益を得る操作。鞘取。
為替金
かわせきん カハセ― [0][3] 【為替金】
⇒為替銀(カワセギン)
為替銀
かわしぎん カハシ― 【為替銀】
⇒かわせぎん(為替銀)
為替銀
かわせぎん カハセ― [0][3] 【為替銀】
江戸時代,為替取組のために,支払人または受取人の支払う金銭。かわせきん。かわしぎん。
為替銀行
かわせぎんこう カハセ―カウ [4] 【為替銀行】
⇒外国(ガイコク)為替銀行
為来り
しきたり [0] 【仕来り・為来り】
前々からそのようにしてきたこと。ならわし。慣例。「土地の―」「―に従う」
為果せる
しおお・せる [4] 【為果せる】 (動サ下一)[文]サ下二 しおほ・す
困難な仕事などをし遂げる。「宜しい,充分に此役目を―・せます/鉄仮面(涙香)」
為果てる
しは・てる [3] 【為果てる】 (動タ下一)[文]タ下二 しは・つ
(1)すべてなしおえる。しおえる。「御祓も―・てず/源氏(須磨)」
(2)すっかり…する。「難義―・てるよのう/滑稽本・浮世風呂 2」
為様
しざま [0] 【為様】
(1)事のなしかた。しかた。しよう。
(2)衣の仕立て方。「―もいと唐(カラ)めいたり/紫式部日記」
為止す
しさ・す [2][0] 【為止す】 (動サ五[四])
しかけてやめる。中途でやめる。「陰陽師…仰天して祓を―・して/宇治拾遺 12」
為歩く
しあり・く 【為歩く】 (動カ四)
(1)歩きまわる。「鷹,すのめぐりに,―・く/宇治拾遺 6」
(2)何かをしながら日を送る。「日の暖かなる程はかく―・きて母に食はす/宇津保(俊蔭)」
為残し
しのこし [0] 【為残し】
し残すこと。また,その残したもの。やりのこし。
為残す
しのこ・す [3] 【為残す】 (動サ五[四])
仕事が途中で残る。やりのこす。「―・した分は明日しよう」
為永
ためなが 【為永】
姓氏の一。
為永春水
ためながしゅんすい 【為永春水】
(1790-1843) 江戸後期の戯作者。通称,越前屋長次郎。号,狂訓亭・二世南仙笑楚満人など。書肆(シヨシ)青林堂を営む。1821年以後次々と作品を発表。特に「春色梅児誉美(ウメゴヨミ)」で人情本の第一人者となったが,天保の改革で風俗を乱したとして罰せられ,翌年病没。著「春色辰巳園」「春告鳥」など。
為済ます
しすま・す [3] 【為済ます】 (動サ五[四])
最後までうまくやる。まんまとやってのける。「邪魔者の孝助が,殿様の御手打になるのだから,―・したりと思ふ所ろへ/怪談牡丹灯籠(円朝)」
為為
すす 【為為】 (連語)
〔動詞「す(為)」の終止形を重ねたもの〕
し続けて。「わが門(カズ)の五本柳(イツモトヤナギ)いつもいつも母(オモ)が恋ひ―業(ナ)りましつしも/万葉 4386」
為留める
しと・める [3] 【仕留める・為留める】 (動マ下一)[文]マ下二 しと・む
討ち取る。殺す。また,比喩的に,やっつける。片付ける。「クマを―・める」「最後の打者を―・める」
為直し
しなおし [0] 【為直し】
しなおすこと。やりなおし。
為直す
しなお・す [3] 【為直す】 (動サ五[四])
もう一度やりなおす。「検算を―・す」
為着せ
しきせ [0] 【仕着せ・為着せ・四季施】
(1)主人が使用人に,その季節の衣服を与えること。また,その衣服。普通は,盆・暮れの二度。おしきせ。
(2)江戸時代,幕府が諸役人に時服を与えたこと。また,その衣服。おしきせ。
為種
しぐさ [1][0] 【仕種・仕草・為種】
(1)ある事をするときの態度や表情。また,やり方。「愛らしい―」
(2)舞台での俳優の動作や表情。所作。
為筋
ためすじ [2][3] 【為筋】
ためになる事柄。また,利益をもたらす客。おためすじ。「自分の方の―になる事は/二人女房(紅葉)」
為納め
しおさめ [0] 【仕納め・為納め】
ある仕事や行動などを,それを最後としてすること。それをして終わりにすること。「これが今年の仕事の―だ」
為終える
しお・える [0] 【為終える】 (動ア下一)[文]ハ下二 しを・ふ
やりつづけていた仕事を終わらせる。やりとげる。しとげる。「やっとのことで年内に―・えた」
為置く
しお・く 【為置く・仕置く】 (動カ四)
処置する。すっかりすませておく。「あるべき様に―・かせ給ふ/源氏(松風)」
為落し
しおとし [0] 【為落(と)し】
しおとすこと。しおち。
為落す
しおと・す [3] 【為落(と)す】 (動サ五[四])
うっかりして,やるべきことをし忘れる。「点検を―・した所がある」
為落とし
しおとし [0] 【為落(と)し】
しおとすこと。しおち。
為落とす
しおと・す [3] 【為落(と)す】 (動サ五[四])
うっかりして,やるべきことをし忘れる。「点検を―・した所がある」
為送り
しおくり [0] 【仕送り・為送り】 (名)スル
生活・勉学を助けるために,金品を送ること。「月々の生活費を―する」
為送る
しおく・る [3] 【仕送る・為送る】 (動ラ五[四])
生活・勉学を助けるため,金品を送る。「何も不足なく―・つてくれまする/真景累ヶ淵(円朝)」
為遂げる
しと・げる [3] 【為遂げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 しと・ぐ
物事を最後まで完全に行う。やりとげる。「大業を―・げる」
為過す
しそ・す 【為過す】 (動サ四)
度を越すと思われるほどにする。「心を遣りてしたり顔に―・したり/栄花(御裳着)」
為銀
ためぎん [0] 【為銀】
⇒外国為替銀行(ガイコクカワセギンコウ)
為集む
しつ・む 【為集む】 (動マ下二)
〔「しあつむ(為集)」の転〕
あれこれとり集める。「去年今年のほどに―・めさせ給へるもいみじう多かりし/栄花(衣の珠)」
為難い
しにく・い [3] 【為難い】 (形)[文]ク しにく・し
〔中世以降の語〕
することが難しい。やりにくい。「兄貴とは議論が―・い」
炻器
せっき セキ― [1] 【炻器】
よく焼きしまり,吸水性のほとんどない焼き物。多く赤褐色ないし黒褐色。日用雑器のほか,土管・火鉢なども作る。ストーン-ウエア。石器。
烈しい
はげし・い [3] 【激しい・劇しい・烈しい】 (形)[文]シク はげ・し
(1)勢いがきわめて強い。鋭く荒々しい。「風雨が―・い」「戦争が―・かった頃」「戸を―・くたたく」
(2)熱烈である。激情的だ。「―・い恋」「―・い口調」「―・い性格」
(3)程度がはなはだしい。普通の度合でない。「―・い変化」「―・い疲労」「人の出入りが―・い」
(4)けわしい。険阻だ。「―・しき山道の有様を見給ふにぞ/源氏(早蕨)」
[派生] ――さ(名)
烈丈夫
れつじょうふ [3] 【烈丈夫】
節操が固くて強くたくましい男子。烈士。烈夫。
烈公
れっこう 【烈公】
徳川斉昭(ナリアキ)の諡号(シゴウ)。
烈士
れっし [1] 【烈士】
気性がはげしく,自分の信念をもって一途に行動する人。烈夫。
烈夫
れっぷ [1] 【烈夫】
節操のかたい人物。烈士。
烈女
れつじょ [1] 【烈女・列女】
節操が固くて気性のはげしい女。烈婦。「―の鑑(カガミ)」
→列女伝
烈婦
れっぷ [1] 【烈婦】
「烈女(レツジヨ)」に同じ。
烈日
れつじつ [0] 【烈日】
はげしく照りつける太陽。「秋霜―」
烈火
れっか [1][0] 【烈火】
(1)はげしく燃えている火。
(2)ひどく怒ることのたとえ。「―の如く怒る」
烈火の如く怒る
れっか【烈火の如く怒る】
be mad with anger.
烈烈
れつれつ [0] 【烈烈】 (ト|タル)[文]形動タリ
気迫・炎などの勢いがはげしいさま。「―たる闘志」「灰散り火飛むで,障子天井畳襖の嫌なく―と燃え上りぬ/自然と人生(蘆花)」
烈震
れっしん【烈震】
a disastrous earthquake.
烈震
れっしん [0] 【烈震】
震度 6 に当たる地震。家屋の倒壊が30パーセント以下で,山崩れが起き,地割れを生じ,多くの人々が立っていることができない。
烈風
れっぷう【烈風(にあおられて)】
(fanned by) a violent wind.
烈風
れっぷう [0] 【烈風】
強く吹く風。はげしい風。
烏
からす [1] 【烏・鴉】
(1)スズメ目カラス科の鳥のうち,大形でくちばしが大きく,全体に黒色のものをいう。日本ではハシブトガラスとハシボソガラスが全国に普通。全長50〜60センチメートルで,羽には光沢がある。田園や人家近くにすみ,雑食性で何でも食べる。古くから,神意を伝える霊鳥とされたが,現在は凶兆を告げる鳥と考えられることが多い。
(2)〔カラスの性質に似通うので〕
(ア)口やかましい人。
(イ)物忘れのひどい人。
(ウ)意地汚い人。
(エ)うろついている人。「旅―」
烏
からす【烏】
a crow;→英和
a raven (大烏).→英和
烏の行水 have[take]a hurried bath.
烏の印
からすのいん 【烏の印】
熊野牛王(クマノゴオウ)宝印のこと。「―を結んで掛けいま一祈り祈らう/狂言・梟」
烏の濡れ羽色
からすのぬればいろ [1] 【烏の濡れ羽色】
真っ黒で青みのあるつややかな髪の形容。烏羽色(カラスバイロ)。「髪は―」
烏の灸
からすのきゅう [1] 【烏の灸】
子供の口のわきにできるただれ。口角炎。
烏の胡麻
からすのごま [1] 【烏の胡麻】
シナノキ科の一年草。山野に自生する。高さ約60センチメートル。全体が毛で被われ,葉は卵形。秋,葉腋に黄色の五弁花を下向きにつける。蒴果(サクカ)は角状で,多数の種子を含む。
烏の足跡
からすのあしあと [1][1][3] 【烏の足跡】
目じりにできる小じわ。
烏丸
うがん ウグワン 【烏丸・烏桓】
漢代,中国北辺にいたモンゴル系の遊牧民族。東胡の一派で,匈奴(キヨウド)に服属。のち後漢に帰し,後漢末に強盛となった。207年,魏(ギ)の曹操(ソウソウ)に大敗。
烏丸
からすま 【烏丸】
京都市を南北にはしる道路。JR 京都駅から北大路通りまでをいい,昔の烏丸(カラスマル)小路に相当する。烏丸通り。
烏丸
からすまる 【烏丸】
姓氏の一。藤原北家の一流,日野家の一門。日野権大納言資康の子豊光を祖とする。
烏丸
からすまる 【烏丸】
「烏丸小路」の略。東洞院(トウイン)大路と西洞院大路の間にあり,現在の烏丸(カラスマ)通りとほぼ同じ。
烏丸光広
からすまるみつひろ 【烏丸光広】
(1579-1638) 江戸初期の公家・歌人。法名,泰翁。権大納言。細川幽斎から古今伝授を受け,歌学・歌道の復興に力を注ぐとともに,狂歌・俳諧・書道にも通じ,また仮名草子を著したとも伝えられる。著「耳底記(ニテイキ)」「黄葉和歌集」「あづまの道の記」など。
烏丸殿
からすまるどの 【烏丸殿】
(1)京都市上京区烏丸今出川の北にあった足利義政の邸宅。烏丸御所。室町殿。花の御所。
(2){(1)}に住んでいたことから足利義政の異名。
烏丸線
からすません 【烏丸線】
京都市営の地下鉄道線。烏丸通りの地下の北山・竹田間,11.1キロメートル。
烏亭焉馬
うていえんば 【烏亭焉馬】
(初代)(1743-1822) 江戸中・後期の戯作者。江戸の人。本名,中村利貞。通称,和泉屋和助。別号,立川焉馬・談洲楼。落咄(オトシバナシ)を自作自演した落語中興の祖。著「花江都歌舞妓年代記」「客者評判記」など。
烏兎
うと [1] 【烏兎】
(1)カラスとウサギ。
(2)〔太陽に烏(カラス)が,月に兎(ウサギ)がすむという中国の伝説から〕
太陽と月。日月(ジツゲツ)。
(3)年月。歳月。
→烏兎匆匆(ウトソウソウ)
烏兎匆匆
うとそうそう [0] 【烏兎匆匆】
月日のたつのが早いさま。烏飛兎走。
→烏兎(ウト)
烏勘左衛門
からすかんざえもん [1][1][3] 【烏勘左衛門】
烏を人名めかしていう語。
烏口
からすぐち [3][0] 【烏口】
製図用具の一。くちばし状の部分にインクをつけ,線を引くもの。鋼筆。
烏口
からすぐち【烏口】
a drawing pen.
烏口突起
うこうとっき [4] 【烏口突起】
哺乳類の肩甲骨の上縁の外側部にある曲がった突起。烏口骨の退化したもので,肩関節の付け根の部分にあり,上肢を動かす筋や胸壁の筋が付着している。烏喙(ウカイ)突起。
烏口骨
うこうこつ [2] 【烏口骨】
脊椎動物の胸部を形成する骨の一。両生類・爬虫類・鳥類にみられる。上腕骨の上端前方にあり,肩甲骨に接する。哺乳類では退化して肩甲骨の突起となる。烏喙(ウカイ)骨。烏啄(ウタク)骨。
烏合
うごう [0] 【烏合】
烏(カラス)の群れのように規律も統一もなく集まること。
烏合の衆
うごう【烏合の衆】
a disorderly crowd;a mob.→英和
烏合の衆
うごうのしゅう [5] 【烏合の衆】
〔後漢書(耿弇伝)〕
烏の群れのように統一も規律もなく寄り集まった群衆,または軍勢。
烏啄骨
うたくこつ [3][2] 【烏啄骨】
⇒烏口骨(ウコウコツ)
烏喙
うかい [0] 【烏喙】
カラスのようなくちばし。欲の深い人相のたとえ。
烏喙突起
うかいとっき [4] 【烏喙突起】
⇒烏口突起(ウコウトツキ)
烏喙骨
うかいこつ [2] 【烏喙骨】
⇒烏口骨(ウコウコツ)
烏城
うじょう 【烏城】
〔城楼が黒塗りであることから〕
岡山城の異称。姫路城を白鷺城というのに対していう。
烏塁城
うるいじょう 【烏塁城】
中国,漢代の西域都護の駐在地。新疆(シンキヨウ)ウイグル自治区,天山山脈南麓のクチャ(亀茲(キジ))の東方に位置する。
烏夜
うや [1] 【烏夜】
闇夜。暗夜。
烏天狗
からすてんぐ [4] 【烏天狗】
烏のようなくちばしや,黒い羽をもっているという天狗。
烏威
からすおどし [4] 【烏威】
烏が止まることのないように,屋根の棟(ムネ)に張りわたした縄や竹。
烏孫
うそん 【烏孫】
古代,天山山脈北方にいた遊牧民族。前漢の武帝は匈奴(キヨウド)挟撃のため張騫(チヨウケン)を派遣してこれと結んだ。五世紀後半,柔然(ジユウゼン)の攻撃をうけてパミール西方に移り衰えた。
烏山
からすやま 【烏山】
(1)栃木県東部,那須郡の町。中世以来の城下町。製材・和紙・醸造業が立地。
(2)東京都世田谷区北西部の住宅地区の寺町。関東大震災後都心から寺院が移転。
烏山椒
からすざんしょう [4] 【烏山椒】
ミカン科の落葉高木。暖地に自生し,高さ7メートルに達する。葉は羽状複葉で,二〇対内外の小葉からなる。枝や葉軸にとげがある。夏,淡緑色の小さい五弁花を円錐花序に密につける。カラスノサンショウ。
烏山線
からすやません 【烏山線】
JR 東日本の鉄道線。栃木県宝積寺・烏山間,20.4キロメートル。
烏帽子
えぼし【烏帽子】
(an) Asiatic headgear for a court noble.〜貝 a barnacle.→英和
烏帽子
えぼし [0][1] 【烏帽子】
〔カラス色(黒色)の帽子の意〕
(1)元服した男子の用いた袋状の冠物。奈良時代の圭冠(ハシハコウブリ)から変化したといわれ,平安時代結髪の習慣の一般化とともに広く庶民の間にも用いられた。公家は平服時に絹や紗で製し黒漆を塗ったものを,庶民は麻布製のやわらかいものを用いた。のち紙製で漆で塗り固めたものとなり,近世まで公家・武士の間で用いられた。立烏帽子・折烏帽子・侍烏帽子・萎(ナエ)烏帽子などがある。えぼうし。
(2)家紋の一。折烏帽子を図案化したもの。
烏帽子付け
えぼしづけ [0] 【烏帽子付け】
⇒冠付(カムリヅ)け
烏帽子名
えぼしな [3] 【烏帽子名】
男子が元服の際,幼名を改めて別につけた名。烏帽子親から諱(イミナ)の一字をもらってつけた。元服名。
烏帽子始め
えぼしはじめ [4] 【烏帽子始め】
男子が元服して初めて烏帽子をつけること。また,その儀式。
烏帽子子
えぼしご [3] 【烏帽子子】
烏帽子親に烏帽子名を与えられる者。元服子。
⇔えぼしおや
「大串次郎は畠山には―にてぞありける/平家 9」
烏帽子懸
えぼしかけ [3] 【烏帽子掛(け)・烏帽子懸(け)】
(1)烏帽子の上からかけ,あごの下で結ぶ緒。頂頭懸(チヨウズカケ)。
(2)烏帽子をかけるために床柱にうった釘。
烏帽子懸け
えぼしかけ [3] 【烏帽子掛(け)・烏帽子懸(け)】
(1)烏帽子の上からかけ,あごの下で結ぶ緒。頂頭懸(チヨウズカケ)。
(2)烏帽子をかけるために床柱にうった釘。
烏帽子折
えぼしおり [0] 【烏帽子折(り)】
(1)烏帽子をつくること。また,それを業とする者。
(2)能の曲名。四・五番目物。宮増(ミヤマス)作。東国へ下る牛若丸を扱ったもの。近江国鏡の宿で元服する前段と,美濃赤坂の宿で盗賊熊坂長範を討つ後段とからなる。
烏帽子折り
えぼしおり [0] 【烏帽子折(り)】
(1)烏帽子をつくること。また,それを業とする者。
(2)能の曲名。四・五番目物。宮増(ミヤマス)作。東国へ下る牛若丸を扱ったもの。近江国鏡の宿で元服する前段と,美濃赤坂の宿で盗賊熊坂長範を討つ後段とからなる。
烏帽子掛
えぼしかけ [3] 【烏帽子掛(け)・烏帽子懸(け)】
(1)烏帽子の上からかけ,あごの下で結ぶ緒。頂頭懸(チヨウズカケ)。
(2)烏帽子をかけるために床柱にうった釘。
烏帽子掛け
えぼしかけ [3] 【烏帽子掛(け)・烏帽子懸(け)】
(1)烏帽子の上からかけ,あごの下で結ぶ緒。頂頭懸(チヨウズカケ)。
(2)烏帽子をかけるために床柱にうった釘。
烏帽子直衣
えぼしのうし [4] 【烏帽子直衣】
直衣を着て烏帽子をかぶること。公家の略式の服装。
⇔冠直衣(カンムリノウシ)
烏帽子着
えぼしぎ 【烏帽子着】
元服のこと。[日葡]
烏帽子親
えぼしおや [0][3] 【烏帽子親】
仮親(カリオヤ)の一。元服する男子に烏帽子をかぶらせ,烏帽子名をつける人。社会的に有力な人を頼むことが多い。元服親。
⇔えぼしご
「―もなければ,手づから源九郎義経とこそ名乗り侍れ/平治(下・古活字本)」
烏帽子貝
えぼしがい [3] 【烏帽子貝】
甲殻綱の海産の節足動物。体長4センチメートルほどで,2センチメートル内外の柄で船底・岸壁などにつく。体は五枚の灰白色の石灰質殻板でおおわれ,その間から六対のつる状の細い脚を出して餌(エサ)をとる。海洋に広く分布。
烏帽子貝[図]
烏帽子鏨
えぼしたがね [4] 【烏帽子鏨】
たがねの一種。刃幅が狭く,荒はつりや溝削りに用いられる。友たがね。
→鏨
烏帽子髪
えぼしがみ [3] 【烏帽子髪】
烏帽子をかぶるときに結う髪。頭頂部に束ねた髪を根もとから紐(ヒモ)で巻きあげて頭上に立てる。えぼしした。
烏座
からすざ [0] 【烏座】
〔(ラテン) Corvus〕
五月下旬の宵に南中する小星座。主な四星が不等辺四角形をなす。ギリシャ神話では,太陽神アポロンの使いの烏。二十八宿の軫(シン)に相当する。四つ星。
烏形幢
うぎょうどう ウギヤウ― 【烏形幢】
威儀の具の一。平安時代,元旦の朝賀または即位礼に,紫宸殿(シシンデン)の南庭に飾りとして立てた幢(ハタ)。銅烏幢(ドウウドウ)。
烏扇
からすおうぎ [4] 【烏扇】
〔「烏扇(ウセン)」の訓読み〕
ヒオウギの別名。
烏揚羽
からすあげは [4] 【烏揚羽】
アゲハチョウ科の大形のチョウ。開張約10センチメートル。全身黒色で,はねの上面には金緑と青色の鱗粉を散らす。雌は雄より青みが弱い。幼虫はコクサギ・サンショウなどの葉を食べる。日本全土とアジア東部に分布。
烏文木
うぶんぼく [2] 【烏文木】
黒檀(コクタン)の異名。
烏有
うゆう [0] 【烏有】
〔「烏(イズクン)ぞ有らんや」の意〕
全くないこと。「応仁の火に係りてたちまち―となれる/読本・弓張月(残)」
烏有に帰す
うゆう【烏有に帰す】
be burnt down;be reduced to ashes.
烏有先生
うゆうせんせい [6] 【烏有先生】
〔司馬相如「子虚の賦」より。架空の人物を三人設けて子虚・烏有先生・亡是(ムゼ)公と名づけたことによる〕
架空の人物のこと。
烏木
うぼく [1] 【烏木】
黒檀(コクタン)の異名。
烏柄杓
からすびしゃく [4] 【烏柄杓】
サトイモ科の多年草。畑の雑草。地下の小球茎から長柄の葉を一,二個出す。葉は三小葉からなる。初夏,花茎の上端に緑色の仏炎苞(ブツエンホウ)につつまれた肉穂花序をつける。球茎を漢方で半夏(ハンゲ)といい,悪阻(ツワリ)や咳止めの薬とする。ヘソクリ。ハンゲ。
烏染め
からすぞめ 【烏染め】
黒く染めること。烏羽色の染め。「河内羽二重の―/浮世草子・御前義経記」
烏桓
うがん ウグワン 【烏丸・烏桓】
漢代,中国北辺にいたモンゴル系の遊牧民族。東胡の一派で,匈奴(キヨウド)に服属。のち後漢に帰し,後漢末に強盛となった。207年,魏(ギ)の曹操(ソウソウ)に大敗。
烏桕
うきゅう [0] 【烏桕・烏臼】
ナンキンハゼの漢名。烏臼木。
烏梅
うばい [0][1] 【烏梅】
梅の未熟な実を干していぶしたもの。染料や下痢・腫(ハ)れ物などの薬料とする。ふすべうめ。
烏棚
からすだな [3] 【烏棚】
床の間,書院などのわきに設ける棚で,違い棚を二組設けたもの。
烏江
うこう 【烏江】
(1)中国,貴州省を北流して四川盆地で長江に注ぐ川。長さ1018キロメートル。黔江(キンコウ)。ウー-チアン。
(2)中国,安徽(アンキ)省東部の長江西岸の地。秦末,楚の項羽が劉邦(リユウホウ)に敗れて自殺した所。
烏滸
おこ ヲコ [1] 【痴・烏滸・尾籠】 (名・形動)[文]ナリ
(1)ばかげていること。愚かなさま。「―の沙汰(サタ)」「臆病未練の―の者/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
(2)ふとどきなさま。不敵なさま。「朝比奈にみぎはまさりの大力,―の者と聞きたり/曾我 9」
烏滸がましい
おこがましい【烏滸がましい】
ridiculous;→英和
cheeky;→英和
presumptuous.→英和
烏滸がましい
おこがまし・い ヲコ― [5] 【痴がましい・烏滸がましい】 (形)[文]シク をこがま・し
〔(2)が原義〕
(1)分不相応である。さしでがましい。出過ぎたことだ。「自分のことは棚にあげて,そんなことを言うとは―・い」「―・くも口出しする」
(2)いかにもばかげている。全くばかばかしい。「おりたちて乱るる人は,むべ,―・しきことも多からむ/源氏(紅葉賀)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
烏滸絵
おこえ ヲコヱ 【痴絵・烏滸絵】
戯画。ざれ絵。「世に並びなき―の上手/今昔 28」
烏焉
うえん [0] 【烏焉】
〔「烏」と「焉」の字形が似ていて誤りやすいところから〕
文字の誤り。「―魯魚(ロギヨ)の誤り」
→焉馬
→魯魚
烏焉馬
うえんば [2] 【烏焉馬】
〔「烏焉」に「馬」を加えて〕
文字の誤り。
烏犀帯
うさいたい [2][0] 【烏犀帯】
石帯(セキタイ)の一。烏犀角を飾りとした革帯で,六位以下の者が用いる。のちには牛の角を用いた。
烏犀角
うさいかく [2] 【烏犀角】
黒色の犀角。粉末を解熱剤とし,江戸時代には疱瘡(ホウソウ)の特効薬とされた。
烏猫
からすねこ [4] 【烏猫】
真っ黒な猫。労咳(ロウガイ)(肺結核)を病む者がこれを飼うと,病気が治るという俗信があった。
烏玉
ぬばたま [0] 【射干玉・野干玉・烏玉・烏珠】
黒い珠,またはヒオウギの実のことというが,未詳。うばたま。むばたま。
烏珠
ぬばたま [0] 【射干玉・野干玉・烏玉・烏珠】
黒い珠,またはヒオウギの実のことというが,未詳。うばたま。むばたま。
烏瑟
うしつ 【烏瑟】
⇒うしち(烏瑟)
烏瑟
うしち 【烏瑟】
「烏瑟膩沙(ウシチニシヤ)」に同じ。うしつ。「―みどりこまやかに,慈悲の御眼,蓮の如く開けたり/栄花(鳥の舞)」
烏瑟膩沙
うしちにしゃ [4] 【烏瑟膩沙】
〔梵 uṣṇīṣa〕
仏の三十二相の一。仏・菩薩の頂上に骨肉が隆起してもとどりのような形に見えるもの。肉髻(ニツケイ)。うしち。うしつ。
烏瓜
からすうり【烏瓜】
《植》a snake gourd.
烏瓜
からすうり [3] 【烏瓜】
ウリ科のつる性多年草。巻きひげで他物にからみつく。雌雄異株。夏の夕方,縁が糸状に裂けた五弁の白色花を開く。果実は大きな楕円形で赤熟する。根から採ったデンプンは天瓜粉(テンカフン)の代用になる。また,漢方で根を通経・利尿剤に,種子を袪痰(キヨタン)・鎮咳剤(チンガイザイ)に用いる。[季]秋。
〔「烏瓜の花」は [季]夏〕
烏皮の沓
くりかわのくつ クリカハ― 【烏皮の沓】
律令制で,礼服用のくつ。黒漆塗りの牛革製で先を高く作ったもの。
烏皮の沓[図]
烏盞
うさん [0][1] 【烏盞・胡盞】
〔「う(胡)」は唐音〕
黒の釉(ウワグスリ)をかけた天目(テンモク)茶碗。献茶に用いる。
烏竜茶
ウーロンちゃ [3] 【烏竜茶】
〔ウーロンは「烏竜」の中国音。色が褐色で,仕上がりの茶の形が竜の爪のように曲がっているところから〕
中国茶の一種。茶の生葉を発酵途中で釜炒(カマイ)りする半発酵茶。紅茶に似るが緑茶の風味が残る。福建・台湾などで産する。
烏竹
くろちく [0] 【黒竹・烏竹】
ハチクの栽培変種。茎が紫褐色。細工物などに用いる。紫竹(シチク)。
烏笛
からすぶえ [3][4] 【烏笛】
芝居で,烏の鳴き声の擬音を出す竹製の笛。また,この笛できかせる烏の鳴き声。
烏糸欄
うしらん [2] 【烏糸欄】
黒い細い罫(ケイ)を引いた紙。
烏紙
からすがみ [3] 【烏紙】
畳の縁布の下に使う黒い紙。
烏羽
からすば 【烏羽】
烏の羽。黒い羽。「―に書く玉章(タマズサ)の心ちして/山家(秋)」
烏羽玉
うばたま [0] 【烏羽玉】
(1)ヒオウギの種子。黒色で丸い。ぬばたま。
(2)求肥(ギユウヒ)に餡(アン)を包んで白砂糖をまぶした餅菓子。
(3)アメリカ合衆国南西部からメキシコにかけて分布する球形のサボテン。メスカリンを含む種がある。
烏羽玉の
うばたまの 【烏羽玉の】 (枕詞)
烏羽玉が黒いことから,「闇」「夜」「夢」などにかかる。ぬばたまの。「―夢になにかは慰さまむうつつにだにもあかぬ心を/古今(物名)」
烏羽色
からすばいろ [0] 【烏羽色】
烏の羽のような,つやのある黒色。また,黒い色。烏青。
烏臼
うきゅう [0] 【烏桕・烏臼】
ナンキンハゼの漢名。烏臼木。
烏芻沙摩明王
うすさまみょうおう 【烏芻沙摩明王】
〔仏〕
〔梵 Ucchuṣma「不浄潔・除穢(ジヨエ)・火頭」などと訳す〕
汚れを清浄に変える徳のある明王。寺院の便所などにもまつる。怒りの姿で火炎の中にあるが,形像は一定しない。浄土宗では放生会(ホウジヨウエ)にまつる。烏枢沙摩。烏枢瑟摩(ウシユシツマ)。
烏草樹
さしぶ 【烏草樹】
シャシャンボの古名。さしぶのき。「河の辺に生ひ立てる―を/古事記(下)」
烏薬
うやく [0][1] 【烏薬】
テンダイウヤク。また,その根を乾燥した生薬。漢方で健胃薬・鎮痙(チンケイ)薬とする。
烏蛇
からすへび [4] 【烏蛇】
シマヘビの黒色変種。
烏豆
くろまめ [0] 【黒豆・烏豆】
大豆の一種。豆の外皮の黒いもの。正月のおせち料理などに用いる。
烏貝
からすがい【烏貝】
a fresh-water mussel.
烏貝
からすがい [3] 【烏貝・蚌貝】
淡水産の二枚貝。日本の淡水産二枚貝では最大で,殻長30センチメートルに達する。殻は長卵形で,表面は光沢のある黒色,内面は真珠光沢のある青白色。有鉤子(ユウコウシ)と呼ばれる幼生時代は魚の皮膚に付着して育つ。殻は貝細工やボタンの材料。中国・朝鮮と北海道・本州の湖沼にすむ。[季]春。
烏賊
いか【烏賊】
a cuttlefish (甲いか);→英和
a squid (するめいか).→英和
烏賊
いか [0] 【烏賊】
頭足綱十腕目の軟体動物の総称。体は円筒状で一〇本の細長い腕をもつ。二本の触腕は長くて,先端だけに吸盤を備え,えさを捕らえたりする。他の八本は短く,内側に吸盤が並ぶ。胴の左右にひれ,外套(ガイトウ)膜背部に甲がある。口にはキチン質のあごがあり,俗に「からすとんび」という。敵にあうと腹部の墨ぶくろから墨を出して逃げる。体長25ミリメートルのヒメイカから,触腕を含めて15メートルを超えるダイオウイカまで種類が多い。食用。干したものは「するめ」と呼ぶ。日本近海には百数十種がすむ。[季]夏。
烏賊[図]
烏賊の墨
いかのすみ [5] 【烏賊の墨】
イカの肛門部背面にある墨汁嚢(ボクジユウノウ)に貯えられている黒い液。危険が迫ると噴出し,敵の目をくらまして逃げる。料理にも用いられる。
烏賊の甲
いかのこう [4] 【烏賊の甲】
コウイカなどの外套(ガイトウ)膜の背側に埋まっている,舟形の甲殻。石灰質またはキチン質で,灰白色あるいは半透明。いかのふね。
烏賊刺し
いかさし [0] 【烏賊刺し】
イカの刺身(サシミ)のこと。
烏賊墨
いかすみ [0] 【烏賊墨】
「烏賊(イカ)の墨(スミ)」に同じ。
烏賊徳利
いかどっくり [3] 【烏賊徳利】
イカの胴に型を入れて乾し,とっくりの形にしたもの。日本酒の燗(カン)に用いる。
烏賊素麺
いかそうめん [3] 【烏賊素麺】
イカを細長い刺身につくり,醤油またはつけ汁にわさびを添えた料理。見た目や食べ方がそうめんに似る。
烏賊角
いかづの [2] 【烏賊角】
イカ釣り用の擬餌鉤(ギジバリ)の一。竹・プラスチックなどで擬餌を作り,掛け鉤をつけたもの。
烏賊釣
いかつり [0] 【烏賊釣(り)】
イカを釣ること。イカは光に集まる習性があるため,夜間に集魚灯をつけて擬餌鉤にひっかけて釣る。
烏賊釣り
いかつり [0] 【烏賊釣(り)】
イカを釣ること。イカは光に集まる習性があるため,夜間に集魚灯をつけて擬餌鉤にひっかけて釣る。
烏野豌豆
からすのえんどう [5] 【烏野豌豆】
マメ科の越年草。東ヨーロッパ原産。茎は高さ70センチメートル内外。葉は矢筈(ヤハズ)形の小葉三〜七対からなる羽状複葉で,先端は巻きひげになる。春,葉腋に紅紫色の花を一個ずつ開き,豆果を結ぶ。緑肥・牧草とする。スズメノエンドウより大振りなのでこの名がある。ヤハズエンドウ。ノエンドウ。
烏野豌豆[図]
烏金
うきん [0] 【烏金】
(1)「赤銅(シヤクドウ){(1)}」に同じ。
(2)墨の異称。
(3)鉄の異称。
烏金
からすがね [3] 【烏金】
〔翌日の暁に烏が鳴くとともに返済すべき金の意〕
日賦で借りる高利の金。
烏集
うしゅう [0] 【烏集】
がやがやと烏のように寄り集まること。烏合。
烏頭
うとう 【善知鳥・烏頭】
能の曲名。四番目物。世阿弥作とも。陸奥(ムツ)外ヶ浜の猟師の亡霊が,善知鳥を殺した罪で地獄におち,化鳥の責め苦にあっていることを愁訴する。
烏頭
からすがしら 【烏頭】
〔「烏頭(ウトウ)」の訓読み〕
馬の後ろ足の,外側に向いてとがっている関節。
烏頭
うず [1] 【烏頭】
(1)トリカブト{(3)}の根。有毒でアコニチンを含有。鎮痛剤・麻酔剤などとされる。附子(ブシ)。
(2)太刀(タチ)の柄頭(ツカガシラ)に,銀でおしどりの頭を作りつけたもの。
烏飛び
からすとび [3] 【烏飛び】
(1)屋根の棟の上に,天水桶(テンスイオケ)と火をたたく藁箒(ワラボウキ)を備えた昔の防火設備。
(2)三番叟(サンバソウ)が「揉みの段」で演ずる舞の型。掛け声を掛け跳びはねる。
烏飛兎走
うひとそう [0] 【烏飛兎走】
「烏兎匆匆(ウトソウソウ)」に同じ。
烏骨鶏
うこっけい [3] 【烏骨鶏】
〔皮膚・肉・骨が暗紫色を帯びているところから〕
ニワトリの一品種。東アジア原産。古く中国から渡来。観賞用・食肉用に飼われた。天然記念物。
烏鳩
からすばと [4] 【烏鳩】
ハト目ハト科の鳥。全長40センチメートルに達する大形のハト。全身黒色で,胸と首は緑色の光沢があり,脚は赤,くちばしは暗緑色。日本特産種で,本州南部に分布したが,原生林の伐採にともない激減。伊豆七島・沖縄諸島の島々の常緑広葉樹林にすむ。鳴き声がウシに似ることからウシバトともいう。天然記念物。
烏鳴き
からすなき [0] 【烏鳴き】
烏の鳴き声。その鳴き声によって吉凶を占えるという俗信があった。「―が悪い」
烏鳶
からすとんび [4] 【烏鳶】
イカの口の中にあって,物をかみ砕く器官。黒褐色で顎(アゴ)に相当する。
烏鵲
うじゃく 【烏鵲】
〔「うしゃく」とも〕
(1)カササギ。「―の橋の下に紅葉を敷き/謡曲・天鼓」
(2)カラス。[日葡]
烏鵲橋
うじゃくきょう 【烏鵲橋】
⇒鵲(カササギ)の橋(ハシ)(1)
烏鷺
うろ [1] 【烏鷺】
(1)カラスとサギ。
(2)〔「烏」を黒石に,「鷺」を白石に見立てて〕
囲碁の異名。
烏麦
からすむぎ [4][3] 【烏麦】
(1)イネ科の越年草。エンバクに似たヨーロッパ原産の畑の雑草。茎は高さ80センチメートルぐらい。エンバクは本種が作物化されたものと考えられる。チャヒキグサ。
(2)エンバク(燕麦)の別名。
烏麦(1)[図]
烏麦[燕麦]
からすむぎ【烏麦[燕麦]】
oats.
烙印
らくいん【烙印】
a brand.→英和
〜を押される be branded <as a liar> .
烙印
らくいん [0] 【烙印】
火で焼いて物に押し当て,しるしをつけるための金属製の印。また,その印のあと。昔,刑罰として罪人の額などに押した。焼き印。火印。
烝民
じょうみん [0] 【蒸民・烝民】
多くの人民。諸人。万民。「害―に流(ツタ)はり禍八極に溢る/太平記 20」
烟
けぶ [0] 【煙・烟】
〔「けぶり」の転〕
「けむり(煙)」に同じ。「―に巻く」
烟
けむ [0] 【煙・烟】
〔「けむり」の略〕
「けむり(煙)」に同じ。
烟
けぶり 【煙・烟】
〔「けむり」の古形〕
「けむり(煙)」に同じ。「鳥部山の―立ちさらでのみ住みはつる習ひならば/徒然 7」
烟
けむり [0] 【煙・烟】
(1)物が燃える時にもやもやと立ちのぼるもの。微小な固体粒子が空気中に浮遊しているもの。けぶり。けむ。けぶ。「―が目にしみる」「タバコの―」
(2)空中にたちのぼったり,たなびいたりして{(1)}のように見えるもの。霞・靄(モヤ)・埃(ホコリ)など。「土―」「血―」「暮るれば芦岸の―に舟をつなぎ/太平記 4」
(3)〔かまどから立ちのぼるもの,の意から〕
暮らし。生計。「細いながら―絶えせず安らかに日は送れど/風流仏(露伴)」
烟る
けむ・る [0] 【煙る・烟る】 (動ラ五[四])
〔古くは「けぶる」〕
(1)火がよく燃えずに煙ばかりが盛んに出る。くすぶる。「薪(マキ)が―・る」「山ぎはに結ぼほれたるけぶり―・らば/和泉式部集」
(2)煙が立ちこめたようにかすんで見える。「春雨に―・る京都東山」
烟る
けぶ・る [0] 【煙る・烟る】 (動ラ五[四])
〔「けむる」の古形〕
(1)「けむる(煙)」に同じ。「広い部屋が一面に―・つて居る/続風流懺法(虚子)」
(2)輪郭がかすんで,ほのかにみえる。かすんで美しくみえる。「眉のわたりうち―・り/源氏(若紫)」
(3)火葬にされて,煙となって上る。「―・りにし人を桶火(オケビ)の灰によそへて/和泉式部集」
烟出し
けむだし [0] 【煙出し・烟出し】
⇒けむりだし(煙出)
烟嶂
えんしょう [0] 【煙嶂・烟嶂】
雲や霞(カスミ)のかかった峰。
烟景
えんけい [0] 【煙景・烟景】
霞(カスミ)のかかった春景色。
烟月
えんげつ [0][1] 【煙月・烟月】
かすんで見える月。
烟水
えんすい [0] 【煙水・烟水】
水蒸気のたちこめた水面。「―眼(マナコ)に范々たり/太平記 27」
烟波
えんぱ [1] 【煙波・烟波】
遠くまで水面が波立ってけむったように見えるさま。煙浪。「―縹渺(ヒヨウビヨウ)」
烟浪
えんろう [0] 【煙浪・烟浪】
「煙波(エンパ)」に同じ。「万里の―をしのぎつつ大宋国へぞ渡りける/平家 3」
烟突
えんとつ [0] 【煙突・烟突】
(1)煙を外部に排出するためにつくられた筒型の装置。
(2)タクシー運転手の隠語。空車表示のまま客を乗せて,料金をごまかす不正行為をいう。
烟管
えんかん [0] 【煙管・烟管】
(1)キセル。
(2)煤煙を通す管。煙筒。
(3)煙管ボイラー内部に設けた燃焼ガスの通る管。焔管。
烟草
えんそう [0] 【煙草・烟草】
タバコのこと。
烟霞
えんか [1] 【煙霞・烟霞】
(1)煙と霞(カスミ)。靄(モヤ)と霞。
(2)ほのかにぼんやりと見える景色。自然のよい景色。
烤鴨子
カオヤーツ [3] 【烤鴨子】
〔中国語〕
肥育したアヒルを丸焼きにし,そいだ皮を甘味噌・ネギなどとともに薄餅(バオビン)にくるんで食べる料理。北京(ペキン)ダック。カオヤーズ。
烱烱
けいけい [0][3] 【炯炯・烱烱】 (ト|タル)[文]形動タリ
(目が)鋭く光るさま。「眼光―として人を射る」「―たるまなこ」
烹炊
ほうすい ハウ― [0] 【烹炊】
煮ることと炊くこと。
烹鮮
ほうせん ハウ― [0] 【烹鮮】
民を治めること。国政。
〔老子「治�大国�者,若�烹�小鮮�」による。「鮮」は魚の意。小魚を料理するときのように,こまごまとした煩瑣(ハンサ)なことをせずに国を治めるべきであるということ〕
烽
とぶひ [0] 【飛ぶ火・烽】
古代,辺境の地から外敵の襲来などの変事を都に急報するための設備。山上などに壇を築き,草や薪を燃して昼は煙,夜は火によって隣接の飛ぶ火に順次伝えた。また,その火や煙。664年に対馬・壱岐・筑紫国等に初めて設置。
→烽(ホウ)
→狼煙(ノロシ)
烽
ほう [1] 【烽】
律令制で,変事の急報のために設けた設備。また,その合図の煙や火。約20キロメートルごとに設置し,烽長と烽子を置いた。799年,大宰府管内を除いて廃止。とぶひ。
烽子
ほうし [1] 【烽子】
律令制で,烽(ホウ)に配置された正丁。近隣より四人ずつ徴発され二人ずつ交替で勤務した。
→烽
烽火
のろし [0] 【狼煙・狼烟・烽火】
(1)敵襲などの変事の急報のために,高く上げる煙や火。古くは草や薪を燃し,後には,火薬を用いた花火のようなものもあった。「―があがる」
〔中国で,狼の糞(フン)を加えると煙が直上するといわれた〕
(2)合図。信号。「新時代の到来を告げる―」
烽火
ほうか [1] 【烽火】
(1)のろし。とぶひ。
(2)戦争。兵乱。
烽烟
ほうえん [0] 【烽煙・烽烟】
のろしの煙。のろし。
烽煙
ほうえん [0] 【烽煙・烽烟】
のろしの煙。のろし。
烽燧
ほうすい [0] 【烽燧】
〔「烽」「燧」ともに「のろし」の意〕
とぶひ。のろし。
焄蒿
くんこう [0] 【焄蒿】
〔「焄」は香気,「蒿」は蒸しのぼる意〕
香気が立ちのぼること。
焄蒿悽愴
くんこうせいそう [0] 【焄蒿悽愴】
〔礼記(祭義)〕
香気が立ちのぼり,人心を恐れ震えさせるさま。鬼神の気の形容。
焉
えん 【焉】
〔漢文の文末助字の用法から〕
「われ関せず焉」などの形で,語句に添える強めの言葉。
焉んか
いずくんか イヅクン― 【安んか・焉んか】 (副)
〔「いずくにか」の転。漢文訓読に由来する語法〕
(1)どこに。どこへ。
(2)どうして。なぜ。
焉んぞ
いずくんぞ イヅクン― [3] 【安んぞ・焉んぞ】 (副)
〔「いづくにぞ」の転。漢文訓読に由来する語法〕
(疑問・反語を表す語を下に伴って)どうして。なんで。「燕雀(エンジヤク)―鴻鵠(コウコク)の志を知らんや」
焉耆
えんき 【焉耆】
中国,新疆(シンキヨウ)ウイグル自治区の天山山脈南麓(ナンロク)に位置するオアシス都市。カラシャールの漢名。シルク-ロードの要地を占め,漢代に,焉耆国があり,中国諸王朝の西域経営の拠点となった。イエンチー。
焉馬
えんば [1] 【焉馬】
〔焉と馬との字画が似ていることから〕
誤りの文字。間違いやすい文字。烏焉馬(ウエンバ)。
→魯魚(ロギヨ)
→魚魯
焉馬
えんば 【焉馬】
⇒烏亭(ウテイ)焉馬
焔
ほむら [0][1] 【焔・炎】
〔火群(ホムラ)の意〕
(1)ほのお。
(2)心中に燃え立つ激情をたとえていう語。「嫉妬の―」
焔
ほのお ホノホ [1] 【炎・焔】
〔「ほ(火)」の穂の意〕
(1)気体,または液体や固体からの蒸気が燃焼し高温となって光を発している部分。ろうそくの炎などのように酸素の供給が外側の空気からの拡散による場合は酸素が十分で酸化性である外炎(酸化炎)と,不十分で還元性の内炎(還元炎)に分けられる。
(2)心中にわき起こる激しい感情。「恋の―に身を焦がす」
焔心
えんしん [0] 【炎心・焔心】
炎の中心にある輝きの弱い部分。還元炎。
→内炎
焔摩天
えんまてん 【閻魔天・焔摩天】
十二天の一。閻魔が密教化したもの。南を守る。水牛に乗り,手に人頭の幢(ドウ)を持つ。
焔摩天供
えんまてんく [4] 【閻魔天供・焔摩天供】
密教の修法の一。延命・除災・安産などを閻魔天に祈願する修法。閻魔天供法。
焔硝
えんしょう [0] 【煙硝・焔硝】
(1)硝酸カリウム。硝石。
(2)有煙火薬の俗称。「―のにおい」
焔硝火
えんしょうび [3] 【焔硝火】
芝居で,亡霊や化け物の出る場面,物を燃す場面,銃を撃つ場面などに,音や煙を出すために用いる火薬の火。
焔色
えんしょく [0] 【炎色・焔色】
ほのおの色。
焙じる
ほう・じる ハウ― [0][3] 【焙じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「焙(ホウ)ずる」の上一段化〕
「焙ずる」に同じ。「茶を―・じる」
焙じる
ほうじる【焙じる】
heat;→英和
roast.→英和
焙じ茶
ほうじちゃ ハウジ― [3][0] 【焙じ茶】
番茶や下級煎茶を強火であぶって独特の香りをもたせたもの。
焙じ茶
ほうじちゃ【焙じ茶】
roasted tea.
焙ずる
ほう・ずる ハウ― [0][3] 【焙ずる】 (動サ変)[文]サ変 はう・ず
火であぶって湿気をとりさる。ほうじる。「茶を―・ずる」
焙り
あぶり [3] 【炙り・焙り】
あぶること。「火―」
焙り籠
あぶりこ 【焙り籠・炙り子】
(1)竹や金網で作った目のあらい籠(カゴ)。炭火の上をおおい,衣服を乾かしたり,暖めるのに用いる。あぶりかご。
(2)餅などを焼く鉄製の網。
焙る
あぶ・る [2] 【炙る・焙る】 (動ラ五[四])
(1)火にあててこげ目をつける程度に軽く焼く。「鰺(アジ)の干物(ヒモノ)を―・る」「のりを―・る」
(2)火にあてて乾かしたり,あたためたりする。「手を火鉢で―・る」
[可能] あぶれる
焙炉
ほいろ [1] 【焙炉】
木枠の底に和紙を張り,火鉢などにかざして海苔・茶などを乾燥させる道具。特に,製茶用のものをいう。[季]春。
焙炉[図]
焙烙
ほうろく ハウ― [0] 【焙烙・炮烙】
素焼きの浅い土鍋。穀類や茶などを炒ったり蒸し焼きにしたりするのに用いる。ほうらく。
焙烙[図]
焙烙
ほうらく ハウ― [0] 【焙烙・炮烙】
〔あぶり焼く意〕
(1)「ほうろく(焙烙)」に同じ。
(2)殷の紂王(チユウオウ)が行なった火あぶりの刑。油を塗った銅柱を炭火の上に架け渡し,罪人を渡らせて火中に落とした。
焙烙
ほうろく【焙烙】
a baking pan.
焙烙割
ほうろくわり ハウ― [0] 【焙烙割(り)】
(1)高い所から焙烙を投げ落として割り,厄除けとする民間信仰。
(2)目隠しをして二手に分かれ,頭にかぶった焙烙を竹刀(シナイ)などで打ち,多く割った方を勝ちとする遊戯。
焙烙割り
ほうろくわり ハウ― [0] 【焙烙割(り)】
(1)高い所から焙烙を投げ落として割り,厄除けとする民間信仰。
(2)目隠しをして二手に分かれ,頭にかぶった焙烙を竹刀(シナイ)などで打ち,多く割った方を勝ちとする遊戯。
焙烙焼
ほうろくやき ハウ― [0] 【焙烙焼(き)】
「焙烙蒸し」に同じ。
焙烙焼き
ほうろくやき ハウ― [0] 【焙烙焼(き)】
「焙烙蒸し」に同じ。
焙烙蒸
ほうろくむし ハウ― [0] 【焙烙蒸(し)】
焙烙に魚・貝・松茸(マツタケ)・野菜などを入れ,蓋(フタ)をして蒸し焼きにした料理。焙烙焼き。
焙烙蒸し
ほうろくむし ハウ― [0] 【焙烙蒸(し)】
焙烙に魚・貝・松茸(マツタケ)・野菜などを入れ,蓋(フタ)をして蒸し焼きにした料理。焙烙焼き。
焙烙頭巾
ほうらくずきん ハウ―ヅ― [5][6] 【焙烙頭巾】
⇒ほうろくずきん(焙烙頭巾)
焙烙頭巾
ほうろくずきん ハウ―ヅ― [5][6] 【焙烙頭巾】
丸頭巾の一。焙烙の形をした袋の部分の大きなもの。僧・医者・老人などが用いた。大黒頭巾。ほうらくずきん。
焙烙頭巾[図]
焙焼
ばいしょう [0] 【焙焼】 (名)スル
鉱石をその融点以下の高温度に加熱して,化学的・物理的変化を起こさせる操作。
焙焼炉
ばいしょうろ [3] 【焙焼炉】
焙焼のために用いる装置。シャフト炉・多段炉・回転炉・流動炉などの形式がある。
焙煎
ばいせん [0] 【焙煎】 (名)スル
茶の葉やコーヒー豆を焙(ホウ)じ煎(イ)ること。「炭火で―する」「自家―」
焙[炙]る
あぶる【焙[炙]る】
roast;→英和
broil;→英和
grill;→英和
heat;→英和
warm (温める);→英和
dry (乾かす).→英和
焚き上げ
たきあげ [0] 【焚き上げ】
神社で,神楽などの際に庭火をたくこと。
焚き付け
たきつけ [0] 【焚き付け】
薪や石炭などを燃やす時,それに火がつくように最初に燃やす,燃えやすいもの。
焚き付ける
たきつける【焚き付ける】
(1) light;→英和
kindle;→英和
make[start] <a fire> .→英和
(2)[扇動]stir up;agitate;→英和
incite.→英和
焚き付ける
たきつ・ける [4] 【焚き付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 たきつ・く
(1)火をつけて,燃やし始める。「風呂を―・ける」
(2)おだてたり,けしかけたりして,その気になるようにしむける。そそのかす。「周りから―・けられて立候補する」
焚き入れ網
たきいれあみ [4] 【焚き入れ網】
火をたいて魚をおびき寄せ,それを捕まえる仕掛けの網。
焚き口
たきぐち [0] 【焚き口】
かまどなどの,燃料を入れたり点火したりするための口。
焚き合せ
たきあわせ [0] 【炷き合(わ)せ・焚き合(わ)せ】
香道で,一枚の銀葉の上に二つ以上の香木をのせて聞くこと。
焚き合わせ
たきあわせ [0] 【炷き合(わ)せ・焚き合(わ)せ】
香道で,一枚の銀葉の上に二つ以上の香木をのせて聞くこと。
焚き尽す
たきつくす【焚き尽す】
burn up.
焚き木
たきぎ [0] 【薪・焚き木】
かまど・炉などで燃料にする細い枝や木。たきもの。まき。「―拾い」「―小屋」
焚き殻
たきがら [0] 【焚き殻】
(1)燃したあとに残る,灰または炭。もえがら。
(2)香道で,たき終わった香木。
焚き火
たきび [0] 【焚き火】 (名)スル
(1)屋外で,落ち葉などを集めて燃やすこと。また,その火。[季]冬。「―を囲む」
(2)かまどや炉などで火を焚くこと。また,その火。「客殿に出て―などせさせ/太平記 5」
焚き物
たきもの [0] 【焚き物】
燃料としてたくもの。たきぎ。まき。
焚き落し
たきおとし [0] 【焚き落(と)し】
薪をたいたあとに残った火。おき。おき火。
焚き落とし
たきおとし [0] 【焚き落(と)し】
薪をたいたあとに残った火。おき。おき火。
焚く
た・く [0] 【焚く】 (動カ五[四])
(1)火を燃やす。「かがり火を―・く」「火を―・く」
(2)(ある物を)燃料として火を燃やす。「蒸気機関車は石炭を―・いて走る」「葦火―・く屋の煤(ス)してあれど/万葉 2651」
(3)火を燃やすことによってある事を実現させる。「風呂を―・く」「護摩を―・く」
[可能] たける
焚付
たきつけ【焚付】
a kindling;→英和
a fire lighter.
焚刑
ふんけい [0] 【焚刑】
火あぶりの刑。
焚書
ふんしょ [1][0] 【焚書】
書物を焼きすてること。思想弾圧の手段として,異端の書とされたものについて行われた。
焚書
ふんしょ 【焚書】
明の李贄(リシ)の詩文集。1590年初版,1600年増補版。六巻。書簡や評論文の中で官僚を批判,儒教に反逆する異端の書とされた。
焚書坑儒
ふんしょこうじゅ [1][1] 【焚書坑儒】
中国,秦の始皇帝が行なった思想弾圧。紀元前213年,医薬・卜筮(ボクゼイ)・農事関係以外の書物を焼きすてさせ,翌年,批判的な言論をなす儒教学者数百人を咸陽で坑(アナ)埋めにして殺したと伝える。
焚殺
ふんさつ [0] 【焚殺】 (名)スル
焼き殺すこと。焼殺。
焚火をする
たきび【焚火をする】
make a fire[bonfire].→英和
焚焼
ふんしょう [0] 【焚焼】 (名)スル
焼くこと。「廬舎―せられ田野踏藉せられて/三酔人経綸問答(兆民)」
焚物
たきもの【焚物】
firewood.→英和
焚[炊]く
たく【焚[炊]く】
make[build] <a fire> ;→英和
cook;→英和
boil;→英和
burn <incense> .→英和
焜炉
こんろ【焜炉】
a portable cooking stove.
焜炉
こんろ [1] 【焜炉】
(1)土製・金属製の,持ち運びのできる小型の炉。炊事用。木炭・ガス・電気など,用いる熱源に応じて構造が異なる。
(2)特に,七輪。
焠ぐ
にら・ぐ 【焠ぐ】 (動ガ四)
焼いた刀を水につける。焼き入れする。「かの竜泉に剣を―・ぐとかや/奥の細道」
焠す
なま・す [2] 【焠す】 (動サ五[四])
焼いた鉄を徐々に冷やす。焼き鈍(ナマ)しにする。「鉄を―・す」「去年八月から―・いておいた/咄本・醒睡笑」
→焼き鈍し
無
む 【無】 (接頭)
名詞に付いて,そのものが存在しないこと,その状態がない意を表す。「―免許」「―資格」「―修正」「―理解」「―届け」
無
む【無】
nothing.→英和
〜になる come to nothing.→英和
無
む [1][0] 【無・无】
(1)何もないこと。存在しないこと。
⇔有(ユウ)
「―に等しい」「―から有を生じる」
(2)〔仏〕
(ア)事物も現象も全く存在しないこと。
→有(ウ)
→空(クウ)
(イ)禅宗で,世界の絶対的な真の姿。有と無の対立を超越した悟りの世界。絶対無。
(3)〔哲〕
(ア)有(存在)の否定または欠如。実在・はたらき・規定などがないこと。
⇔有(ユウ)
(イ)有や「無{(3)
(ア)}」を超越し,有を有たらしめる絶対的無限定的なもの。老子や西田哲学など東洋思想で説かれる。絶対無。
→空
無
ぶ 【無】 (接頭)
名詞に付いて,それを打ち消し,否定する意を表す。
(1)「…がない」「…しない」の意を添える。「―遠慮」「―風流」
(2)「…が悪い」「…がよくない」の意を添える。「―愛想」「―作法」
〔「不」とも書く〕
無い
ない【無い】
(1)[存在しない]There is no…;[見当たらない]be missing[gone];cannot be found.(2)[持たない]have no…;be free from <debt> ;lack (欠いている);→英和
be out of <money> (尽きる).
(3)[…でない,…しない] <be> not;→英和
<do> not.…でも無し…でも〜 neither…nor….
…が〜ため for want of….
無い
な・い [1] 【無い・亡い】 (形)[文]ク な・し
(1)(人間や物が)存在しない。完全な非存在の場合も,ある場面に不在の場合もある。「地獄は本当にあるか―・いか」「ほめられて喜ばない人は―・い」「ここに置いておいた消しゴムが―・い」「家には相談する相手も―・い」
(2)(事柄が)起こらない。行われない。「今日は授業が―・い」「この川の絶ゆること―・く/万葉 36」
(3)(人間や事物について)所有していない。
(ア)人が財産などを所有していない。「家も―・いし,妻子も―・い」「今日は金が―・い」
(イ)人や物がしかるべき属性を欠いている。「風格が―・い」「意味の―・い行為」「迫力の―・い時代劇」「このパンはひからびて味が―・い」
(ウ)人がある能力・経験や感覚などをそなえていない。「学力が―・い」「知恵も―・いし,度胸も―・い」「いいアイディアが―・い」「やる気が―・い」
(4)数量・時間などを表す語を受けて,その数量や時間に達していない意を表す。「駅まで一キロも―・い」「試験まで一週間と―・い」
(5)(人間が)生存していない。死んでいる。《亡》「今は―・い人」
(6)他に類がない。またとない。「その時の情けなさそうな顔といったら―・かった」「―・きすきものにて,朝夕琴を指しおくことなかりけり/十訓 10」
(7)(「…こと」を受けて)
(ア)否定を表す。「欲しくないことも―・いが,わざわざ買う気はしない」
(イ)未経験であることを表す。「まだ食べたことが―・い」「こんなみじめな思いをしたことは―・い」
(ウ)不必要であることを表す。「何も急ぐことは―・い」
(エ)可能性がないことを表す。「まさか死ぬことも―・いだろう」
(8)(補助形容詞)
(ア)形容詞・形容動詞の連用形,および一部の助動詞「だ」「たい」「らしい」などの連用形の下に付いて,その状態の打ち消しを表す。「それほど寒く―・い」「あまり静かでは―・い」「顔を見たくも―・い」「学生らしく―・い」「ここに使はるる人にも―・きに/竹取」
(イ)動詞の連用形に助詞「て」の付いたものに付いて,「…ている」「…てある」という状態の打ち消しを表す。「電車が全然動いて―・い」「彼は死んで―・い」「まだ夕食を食べて―・い」「窓があけて―・い」
(9)名詞の下に付いて,否定の意を表す形容詞をつくる。「頼り―・い」「情け―・い」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
[慣用] 罪が―・根も葉も―・満更でも―・身も蓋(フタ)も―・目が―/一も二も無く・声なき声・手もなく・武士に二言なし
無いでは
ないでは 【無いでは】 (連語)
〔形容詞「ない」に助詞「で」「は」の付いたもの〕
非存在の条件を表す。なしには。なくしては。「金が―すまない問題だ」
〔江戸語では,多く「ねえぢゃあ」の形で用いられた。「あんまり達入(タテイレ)がねへぢやあねへか/滑稽本・浮世床(初)」〕
無いものねだりする
ないものねだり【無いものねだりする】
ask[cry]for the moon.→英和
無い無い尽くし
ないないづくし [5] 【無い無い尽くし】
全く何もないこと。あれもない,これもない,とないものばかりであること。「―の貧乏所帯」
無い物
ないもの [0] 【無い物】
今ここに無いもの。
無い物ねだり
ないものねだり [5] 【無い物ねだり】
無いものをむりに欲しがること。
無い物は無い
無い物は無・い
⇒「無い物」の句項目
無い袖(ソデ)は振(フ)れ∘ない
無い袖(ソデ)は振(フ)れ∘ない
持っていないものは出しようがない。「いくら催促されたって,―∘ないよ」
無かっせば
なかっせば 【無かっせば】 (連語)
〔「無かりせば」の音便。漢文訓読に用いられた語〕
なかったら。
無からしめる
なから∘しめる 【無からしめる】 (連語)
(1)ないようにさせる。「遺漏―∘しめる」
(2)なくさせる。「面目―∘しめる」
→しめる(助動)
無かりせば
なかりせば 【無かりせば】 (連語)
〔形容詞「なし」の連用形「なかり」に過去の助動詞「き」の未然形「せ」,接続助詞「ば」の付いたもの〕
もし,…がなかったとしたなら。「世の中にたえて桜の―春の心はのどけからまし/古今(春上)」
→せば(連語)
無き
なき [1] 【無き】
〔文語形容詞「無し」の連体形から〕
ない。いない。「有って―がごとし」「完膚―までにやっつける」
無きにしも非(アラ)ず
無きにしも非(アラ)ず
⇒「無き」の句項目
無き世
なきよ 【無き世】
自分が死んだあとの世界。死後。「―なりとも必ず恨みきこえむずるぞ/大鏡(道隆)」
無き名
なきな 【無き名】
根拠のないうわさ。無実の浮き名。ぬれぎぬ。「―取りては苦しかりけり/古今(恋三)」
無き手
なきて 【無き手】
またとない手段・方法。「みな―をつくし給/海人刈藻」
無き物草
なきものぐさ [4] 【無き物草】
ウキクサの異名。
無き者
なきもの [1] 【亡き者・無き者】
(1)生きていない人。亡き人。死者。
(2)いてもいないのと同様の者。
無くしては
なくしては 【無くしては】 (連語)
「なしには」に同じ。なくして。「彼―会がはじまらない」
無くし物
なくしもの [0] 【無くし物】
なくした物。置き忘れた物。
無くす
なくす【無くす】
lose (失う).→英和
無くす
なく・す [0] 【無くす】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「無くする」の五段化〕
(1)(それまで存在していた物を,意図しないで)無い状態にする。失う。紛失する。「財布を―・す」
(2)心の張りや意欲を自分で捨ててしまう。「自信を―・す」「やる気を―・す」
(3)ある物や事柄を存在しないようにする。…がないようにする。なくする。「観光地からごみを―・す運動」「この世から戦争を―・す」
[可能] なくせる
■二■ (動サ変)
⇒なくする(無)
無くする
なく・する [0] 【無くする】 (動サ変)[文]サ変 なく・す
(それまで存在していた物を,意図して)無い状態にする。なくす。「この世から貧困を―・するにはどうしたらよいか」
無くて
−なくて【−無くて】
[なしに,なくても]without;→英和
for want of (ないので);be in need of <money> (なくて困る);not…,but… (ではなくて).〜はならぬ necessary;→英和
essential;→英和
indispensable.→英和
〜済む can do without <a thing> .
無くて七癖(ナナクセ)有って四十八癖(シジユウハツクセ)
無くて七癖(ナナクセ)有って四十八癖(シジユウハツクセ)
人には多かれ少なかれ,みな癖がある。
無くなす
なくな・す [0][3] 【無くなす】 (動サ五[四])
(1)「なくす(無)」に同じ。「かばんを―・す」「金を―・してね/三四郎(漱石)」
(2)官位などを奪って,勢力がないようにさせる。失脚させる。「いかでこの大将を―・してばやとぞ/栄花(花山)」
無くなる
なくな・る [0] 【無くなる】 (動ラ五[四])
(1)それまで存在していた物がどこかへ行ってしまって見えなくなる。「かばんが―・ってしまった」
(2)次第に消費されて,無い状態になる。尽きる。「気力が―・る」「余白が―・る」
(3)事柄・事態などが存在しなくなる。また,…することが行われなくなる。「台風が本土に上陸するおそれは―・った」「夜九時を過ぎるとバスが―・る」「自信が―・る」
無くもがな
なくもがな 【無くもがな】 (連語)
ないほうがよい。あらずもがな。「あの一言は―だった」「―の差しで口」
無けなくに
なけなくに 【無けなくに】 (連語)
〔「無け」は「無し」の古い未然形。「なく」は打ち消しの助動詞「ず」のク語法。「に」は格助詞〕
なくはないのだから。あるのだから。いるのだから。「我が大君ものな思ほし皇神(スメカミ)の継ぎて賜へる我が―/万葉 77」
無げ
なげ [1][2] 【無げ】 (形動)[文]ナリ
〔形容詞「なし(無)」の語幹に接尾語「げ」が付いたもの〕
(1)まるで,ないようなさま。なさそう。「人も―な振る舞い」「事も―に笑う」
(2)無造作なさま。心のこもっていないさま。「―の,走り書い給へる御筆づかひ・言の葉も/源氏(椎本)」
無さそう
なさそう【無さそう】
be unlikely[not likely] <to do> ;be improbable.
無し
なし [1] 【無し】
〔文語形容詞「なし」の終止形から〕
(1)存在しないこと。ないこと。無(ム)。「今までのことは―にしよう」
(2)他の語の下に付いて複合語をつくる。ないこと。…しないこと。「一文(イチモン)―」「待った―」「お構い―」
無し
な・し 【無し・亡し】 (形ク)
⇒ない
無しで[に]
−なし【−無しで[に]】
without…;→英和
with no….〜で済ます do without….
無しには
なしには 【無しには】 (連語)
〔文語形容詞「なし」に助詞「に」「は」の付いたもの〕
非存在の条件を表す。なくしては。ないでは。なしに。「涙―語れない」「全員の協力―成功はおぼつかない」
無み
なみ 【無み】
〔文語形容詞「無し」の語幹に接尾語「み」の付いた語〕
無いので。無いために。無いゆえ。「若の浦に潮満ち来れば潟(カタ)を―葦辺(アシベ)をさして鶴(タヅ)鳴き渡る/万葉 919」
無一文
むいちもん [3][2] 【無一文】
金銭を全然もっていないこと。一文なし。
無一文
むいちもん【無一文】
penniless.→英和
無一物
むいちもつ [3] 【無一物】
財産など価値のあるものを何一つもっていないこと。むいちぶつ。「破産して―になる」
無一物
むいちぶつ [3] 【無一物】
「むいちもつ(無一物)」に同じ。
無一物である
むいちぶつ【無一物である】
have nothing;be penniless.
無三悪趣
むさんあくしゅ [4] 【無三悪趣】
〔仏〕 極楽浄土に地獄・餓鬼・畜生の三悪趣のないこと。無量寿経の四十八願。
無上
むじょう [0] 【無上】
最上であること。この上ないこと。「―の光栄」「―の喜び」
無上の
むじょう【無上の】
highest;greatest.〜の光栄 a great honor.
無上命法
むじょうめいほう [4] 【無上命法】
⇒定言命法(テイゲンメイホウ)
無上尊
むじょうそん 【無上尊】
釈迦の尊称。
無上正等覚
むじょうしょうとうがく [6] 【無上正等覚】
〔仏〕 この上ないすぐれた仏の悟り。無上正覚。無上正等正覚。無上菩提。阿耨多羅三藐三菩提(アノクタラサンミヤクサンボダイ)。
無上正覚
むじょうしょうがく [4] 【無上正覚】
⇒無上正等覚(ムジヨウシヨウトウガク)
無上菩提
むじょうぼだい [4] 【無上菩提】
⇒無上正等覚(ムジヨウシヨウトウガク)
無上道
むじょうどう [2] 【無上道】
〔仏〕 この上もなくすぐれた道。仏道。「此身の命を惜まず,只―を願ふべしとぞ仏も説かせ給ふなれ/保元(下)」
無下
むげ 【無下】 (名・形動ナリ)
〔それより下がない意。多く「むげの」の形で用いられる〕
(1)まさにそれ以外の何物でもない・こと(さま)。まったく。「今は,―の親ざまにもてなして/源氏(薄雲)」
(2)程度がひどく劣っていること。ひどいこと。とんでもないこと。また,そのさま。「―の事をも仰せらるるものかな/徒然 188」「故もなく過してんは―の事なるべし/今昔 27」
(3)身分のごく低いこと。「―の民と争ひて君のほろび給へるためし/増鏡(新島守)」
(4)悲惨なさま。不運なさま。「弓矢取る者の矢一つにて死するは―なる事ぞ/義経記 4」「―ニコロサレタ/日葡」
→無下に
無下に
むげに【無下に(断わる)】
(refuse) flatly[point-blank].→英和
無下に
むげに [1] 【無下に】 (副)
〔形容動詞「無下なり」の連用形から〕
(1)考慮すべき点がないように扱うさま。すげなく。むやみに。「―断るわけにもいかない」「三浦の此答を,―浅薄な意見として,斥けるのも気の毒だ/うづまき(敏)」
(2)ひどく。まったく。「―賤しき人品(ヒトガラ)なるに/蜃中楼(柳浪)」
(3)(下に打ち消しの語を伴って)少しも。全然。「法師の―能なきは,檀那すさまじく思ふべし/徒然 188」
無世界説
むせかいせつ [3] 【無世界説】
⇒無宇宙論(ムウチユウロン)
無主
むしゅ [1] 【無主】
所有主のないこと。「―の地」
無主物
むしゅぶつ [2] 【無主物】
現にだれの所有にも属さない物。
無主物先占
むしゅぶつせんせん [5] 【無主物先占】
⇒先占取得(センセンシユトク)
無主義である
むしゅぎ【無主義である】
have no definite principle.
無主風
むしゅふう [0] 【無主風】
似せているだけで自分のものになりきっていない未熟な芸風。世阿弥の語。「此芸に,―とて嫌ふべき事あり/至花道」
→有主風
無事
ぶじ【無事】
safety;→英和
peace.→英和
〜な safe;→英和
peaceful;→英和
quiet.→英和
〜に safely[in safety];→英和
without accident;peacefully[in peace].→英和
〜に暮らす get along well.
無事
ぶじ [0] 【無事】 (名・形動)[文]ナリ
(1)とりたてて変わったことがない・こと(さま)。「歳月を経るに従て恰も―の世界を変じて多事の域と為し/文明論之概略(諭吉)」
(2)身の上などに悪いことが起こらないこと。事故や病気などがないこと。また,そのさま。「荷物が―に着く」「家族の―な様子を知る」「―を祈る」「ご―で」
(3)作為を用いず自然に任せること。何もしないこと。「只道士の術を学んで,無為を業とし―を事とす/太平記 1」
無事故
むじこ [2] 【無事故】
事故のないこと。また,事故を起こさないこと。「―月間」「―運転」
無事故の
むじこ【無事故の】
accident-free.
無二
むに [1] 【無二】
ふたつとないこと。かけがえのないこと。無比。無類。「―の親友」「唯一―」
無二の
むに【無二の】
matchless;→英和
unique.→英和
〜の親友 one's best friend.
無二念打払令
むにねんうちはらいれい 【無二念打払令】
⇒異国船打払令(イコクセンウチハライレイ)
無二無三
むにむさん [1] 【無二無三】
〔「むにむざん」とも〕
(1)〔仏〕
〔法華経(方便品)〕
仏教には二乗,三乗といった教えの違いはなく,唯一真実の一乗の教えのみがあること。
(2)二,三はなく,唯一のこと。
(3)わき目もふらずに物事を行うこと。がむしゃら。ひたすら。「―に突進する」
無亭主
ぶていしゅ 【無亭主】
亭主としてのもてなしぶりが悪いこと。「―の段御免あれ/浄瑠璃・二つ腹帯」
無人
むじん [0] 【無人】
人がいないこと。また,人が住んでいないこと。むにん。
⇔有人
「―踏切」
無人
むにん [0] 【無人】
(1)人が住んでいないこと。むじん。「―の境を行く」
(2)人手がないこと。ぶにん。
無人
ぶにん [0] 【無人】 (名・形動)[文]ナリ
人がいないこと。人手が足りないこと。また,そのさま。「些(チツ)と来てゐて世話をして上げたいのだけれど,内も―でね/多情多恨(紅葉)」
無人の
むじん【無人の】
uninhabited <island> .→英和
‖無人島 an uninhabited island;a desert island.無人飛行機 a pilotless plane.無人踏切 an unattended crossing.
無人境
むじんきょう [0] 【無人境】
人の住んでいない所。むにんきょう。
無人声
むにんじょう 【無人声】
人声のしないこと。「高野山は帝城を避て二百里,京里をはなれて―/平家 10」
無人島
むじんとう [0] 【無人島】
人の住んでいない島。
無仏世界
むぶつせかい [4] 【無仏世界】
■一■ (名)
(1)〔仏〕 仏のいない世界。一仏が入滅して次の仏が出現するまでの仏のいない世界。特に,釈迦が入滅して弥勒(ミロク)がまだ世に現れない時代。
(2)仏教の伝わっていない土地。文化の及ばない地域。
■二■ (名・形動)
思いやりの心がない・こと(さま)。そのような人をもいう。「―ナモノ/日葡」
無代
むたい [1] 【無体・無代・無台】 (名・形動)[文]ナリ
〔古くは「むだい」とも〕
(1)形がないこと。無形。「―物」
(2)道理に合わない・こと(さま)。無法。無理。「無理―」「―な要求」
(3)ないがしろにする・こと(さま)。「人の世にある,誰か仏法を―にし逆罪を相招く/盛衰記 24」
(4)無駄にすること。かいのないこと。また,そのさま。「起請に恐れば日頃の本意―なるべし/盛衰記 26」
[派生] ――さ(名)
無代
むだい [1] 【無代】
代金のいらないこと。無料。「―進呈」
無任所
むにんしょ [2] 【無任所】
特定の仕事を分担しないこと。割り当てられた仕事のないこと。
無任所大臣
むにんしょだいじん [5] 【無任所大臣】
特定の行政事務を分担・管理しない国務大臣。無任所相。
→行政大臣
無任所大臣
むにんしょ【無任所大臣】
a minister without portfolio.
無休
むきゅう [0] 【無休】
休まないこと。休日のないこと。「年内―」
無休である
むきゅう【無休である】
have no holiday.
無伴奏
むばんそう [2] 【無伴奏】
(1)伴奏なしの独唱または器楽独奏。
(2)楽器伴奏なしの重唱あるいは合唱。
→ア-カペラ
無位
むい [1] 【無位】
位のないこと。位階をもたないこと。また,その人。無冠。
⇔有位
「―無官」
無位無官
むいむかん ムヰムクワン [1] 【無位無官】
特別な地位も肩書きももたないこと。「―の士」
無位無官の人々
むい【無位無官の人々】
common people.
無住
むじゅう ムヂユウ 【無住】
(1226-1312) 鎌倉後期の臨済宗の僧。字(アザナ)は道暁,号は一円。梶原氏の出か。円爾(エンニ)に禅を学び,のち尾張国長母(チヨウボ)寺を開創。著「沙石集」「妻鏡」「雑談(ゾウダン)集」など。
無住
むじゅう [0] 【無住】
(1)寺に住職がいないこと。また,その寺。
(2)〔仏〕 一定のあり方にとどまったり執着したりしないこと。
無住寺
むじゅうじ [0] 【無住寺】
住職のいない寺。無住。
無体
むたい [1] 【無体・無代・無台】 (名・形動)[文]ナリ
〔古くは「むだい」とも〕
(1)形がないこと。無形。「―物」
(2)道理に合わない・こと(さま)。無法。無理。「無理―」「―な要求」
(3)ないがしろにする・こと(さま)。「人の世にある,誰か仏法を―にし逆罪を相招く/盛衰記 24」
(4)無駄にすること。かいのないこと。また,そのさま。「起請に恐れば日頃の本意―なるべし/盛衰記 26」
[派生] ――さ(名)
無体物
むたいぶつ [2] 【無体物】
電気・熱・光などのように,有形的存在でないもの。民法でいう「物(有体物)」以外のもの。
→物(モノ)■一■□二□(2)
無体財産権
むたいざいさんけん [6] 【無体財産権】
発明・考案・創作や営業上の信用などの非有体物を支配しうる権利。特許権・実用新案権・意匠権・商標権の工業所有権と著作権の総称。知的財産権。知的所有権。
無何有
むかう [2] 【無何有】
〔「むがう」とも。何か有るか,何もない,の意〕
作為がなく自然なこと。また,そのような境地。むかゆう。「―の境に遊ぶ」
無何有
むかゆう [2] 【無何有】
⇒むかう(無何有)
無何有の郷
むかうのさと 【無何有の郷】
〔荘子(逍遥遊)〕
作為のない自然のままの世界。理想郷。ユートピア。無何有郷(ムカウキヨウ)((ムカユウキヨウ))。
無何有郷
むかゆうきょう [0] 【無何有郷】
「むかう(無何有)の郷(サト)」に同じ。
無余涅槃
むよねはん [3] 【無余涅槃】
〔仏〕 すべての煩悩(ボンノウ)が断ぜられ,よりどころとしての身体も滅した安らぎの境地。無余依(ムヨエ)涅槃。
⇔有余(ウヨ)涅槃
無作
むさく [0] 【無作】
(1)洗練されていないこと。無骨。
(2)農作物のできが悪いこと。「夏物が皆―と云ふ程の不出来であるのに/カインの末裔(武郎)」
無作
むさ [1] 【無作】
〔仏〕 因縁によって生じたものではなく,従って生ずることも滅することもないこと。現象を超えた真理。無為。
⇔有作(ウサ)
無作法
ぶさほう【無作法】
bad manners;rudeness.→英和
〜な(に) ill-mannered;rude(ly).→英和
〜な振舞をする be rude <to a person> .
無作法
ぶさほう [2] 【無作法・不作法】 (名・形動)[文]ナリ
礼儀作法にはずれること。礼儀を知らないこと。また,そのさま。「礼儀をわきまえぬ―な振る舞い」
[派生] ――さ(名)
無作為
むさくい [2] 【無作為】
作為のないこと。偶然に任せること。ランダム。「―に選ぶ」
無作為抽出
むさくい【無作為抽出】
random sampling.
無作為抽出法
むさくいちゅうしゅつほう [8][0] 【無作為抽出法】
特別な意志をもたないで,母集団から標本を抽出すること。任意抽出法。ランダム-サンプリング。
無依
むえ [1] 【無依】
〔仏〕 自由自在な悟りの境地にあって,何物にも頼ることなく何物にも執着しないこと。
無価
むげ [1] 【無価】
〔仏〕 値のつけられないほど貴重なこと。
無価
むか [1] 【無価】
(1)「むげ(無価)」に同じ。
(2)代価がないこと。ただであること。「―で貰ひたがる/社会百面相(魯庵)」
無信心
むしんじん [2] 【無信心】 (名・形動)[文]ナリ
信仰心がない・こと(さま)。ぶしんじん。「―な彼は何うしても/道草(漱石)」
無個性
むこせい [2] 【無個性】 (名・形動)
個性がない・こと(さま)。
[派生] ――さ(名)
無偏
むへん [0] 【無偏】
一方にかたよっていないこと。すべてに広く行き渡ること。「有道の政と―の恵/盛衰記 25」
無停車の
むていしゃ【無停車の】
nonstop <train> .
無傷
むきず [1] 【無傷・無疵】 (名・形動)
(1)きずがない・こと(さま)。「―の茶碗」「大事故にあって―で助かる」
(2)罪・欠点・失敗などがない・こと(さま)。「今回の汚職事件で―の議員は一人もいない」「―の一〇連勝」
無傷の
むきず【無傷の】
flawless;→英和
faultless;→英和
perfect.→英和
無償
むしょう [0] 【無償】
(1)報酬のないこと。「―の奉仕」「―の愛」
(2)無料であること。代価を払わないこと。
⇔有償
「―で配布する」
無償
むしょう【無償】
⇒無料.無償交付《株》delivery without compensation.
無償交付
むしょうこうふ [4] 【無償交付】
株式分割の一で,取締役会の決議により無償で新株を株主に交付すること。法定準備金や券面超過金額を資本に組み入れ,新株を発行する場合に行われる。
無償労働
むしょうろうどう [4] 【無償労働】
対価を得ることなく,行われる労働。マルクス主義フェミニズムでは,特に,家事労働・再生産労働をいう。
無償増資
むしょうぞうし [4] 【無償増資】
払い込み金をとらずに他の資産と振りかえて株主に新株式を割りあてる増資。
⇔有償増資
無償契約
むしょうけいやく [4] 【無償契約】
当事者の一方だけが給付を行う契約。贈与・使用貸借など。
⇔有償契約
無償行為
むしょうこうい [4] 【無償行為】
当事者の一方だけが給付を行い,それに対して代償(対価)が与えられない法律行為。贈与や財団法人設立行為など。
⇔有償行為
無免許
むめんきょ [2] 【無免許】
免許を受けていないこと。免許をもっていないこと。「―運転」
無免許の
むめんきょ【無免許の】
unlicensed.〜で <drive a car> without a license.→英和
無党派
むとうは [2] 【無党派】
いずれの政治的な組織にも属していないこと。また,特定の政党を支持していないこと。
無冠
むかん [0] 【無冠】
(1)位のないこと。特別な地位や肩書きのないこと。
(2)名誉ある賞をもらっていないこと。「―馬」
無冠の帝王
むかん【無冠の帝王】
a king without a crown.→英和
無冠の帝王
むかんのていおう 【無冠の帝王】
〔特別な地位はないが強い力のある者,また権力に屈しない者の意で〕
ジャーナリスト。特に,新聞記者の称。
無冤録
むえんろく ムヱンロク 【無冤録】
中国元代の法医学書。王与(オウヨ)が宋代の「洗冤録」と「平冤録」を参考に1308年刊。室町末期に朝鮮半島を経て日本に伝来。
無刀
むとう [0] 【無刀】
刀を帯びていないこと。まるごし。
無刀流
むとうりゅう 【無刀流】
剣術の一派。祖は山岡鉄舟。一刀正伝無刀流。
無分別
むふんべつ [2] 【無分別】 (名・形動)[文]ナリ
分別のないこと。よく考えないで行動すること。また,そのさま。「何にでも―に手を出す」「―な行動」
無分別
むふんべつ【無分別】
indiscretion;thoughtlessness.〜な imprudent;→英和
reckless;→英和
thoughtless.→英和
無分別智
むふんべつち [5] 【無分別智】
〔仏〕 対象を客体として認識・分析する分別を超えた絶対的な智。世界の窮極の真理を把握する智慧(チエ)。実智。真智。根本智。
⇔分別智
無分暁
むふんきょう 【無分暁】 (名・形動ナリ)
ものの道理をわきまえない・こと(さま)。「我々がやうに―なるなりにもよらぬ事と承り候ふ/御伽草子・鴉鷺合戦」
無利子
むりし [2] 【無利子】
利子がつかないこと。また,利子をとらないこと。無利息。「―の借金」
無利息
むりそく [2] 【無利息】
利子のつかないこと。無利子。
無利息の[で]
むりそく【無利息の[で]】
without interest.
無制約者
むせいやくしゃ [5][4] 【無制約者】
〔(ドイツ) das Unbedingte〕
自己以外の制約を一切受けずに存在する者。多くの観念論哲学・神学などにおいて,「神」は無制約者とされる。
無制限
むせいげん [2] 【無制限】 (名・形動)[文]ナリ
制限のないこと。制限しないこと。また,そのさま。「鯨の―な捕獲」「―に小遣いを与える」
無制限な[の]
むせいげん【無制限な[の]】
unrestricted;free.→英和
〜に without restriction;freely.
無制限法貨
むせいげんほうか [6] 【無制限法貨】
金額に制限なく法律によって強制通用力を与えられている貨幣。日本銀行券の類。
⇔制限法貨
無前
むぜん [0] 【無前】
それ以前にないこと。いまだかつてないこと。空前。「万古―の変革立ろに定る/明六雑誌 13」
無力
むりょく【無力】
powerlessness.〜の powerless;→英和
helpless;→英和
impotent.→英和
無力
むりょく [1] 【無力】 (名・形動)[文]ナリ
勢力・能力・体力などのないこと。事を実現させる力をもたないこと。また,そのさま。
⇔有力
「テロ行為に対して―な警備態勢」「―な首脳部」
[派生] ――さ(名)
無力感
むりょくかん [3][2] 【無力感】
自分が無力であるとわかったときの,虚脱したような感じ。
無功
ぶこう 【無功・不功】 (名・形動ナリ)
たくみでない・こと(さま)。未熟。「―なる作者は/難波土産」
無功
むこう [0] 【無功】
功労・功績のないこと。
無功用
むくゆう [2] 【無功用】
〔仏〕
(1)高度な段階に達した菩薩が,身・口・意の三業(サンゴウ)を用いることなく自然のままにあること。
(2)禅宗で,人為的な思惟・判断をすて自然のままの状態にあること。
無効
むこう【無効】
invalidity.〜の invalid;→英和
of no effect;ineffective (効果のない).→英和
〜にする invalidate <a contract> ;nullify;→英和
cancel (取り消す);→英和
repeal.→英和
‖無効投票 an invalid vote.
無効
むこう [0] 【無効】 (名・形動)[文]ナリ
(1)効力・効果のない・こと(さま)。「切符が―になる」「―投票」
(2)法律行為がその効力発生に必要な要件を欠くために,意図した法律効果が発生しないこと。「契約の―」
⇔有効
無動
むどう [0] 【無動】
〔仏〕
(1)禅定(ゼンジヨウ)により心が動かされることがないこと。不動。
(2)不動明王のこと。無動尊。
無勘定
むかんじょう [2] 【無勘定】 (名・形動)[文]ナリ
損得の勘定を気にしない・こと(さま)。「両人もとより一文をしみの百ぞんといふ―なもちまへながら/西洋道中膝栗毛(魯文)」
無勝負
むしょうぶ [2] 【無勝負】
(1)勝負がつかないこと。引き分け。
(2)勝負をしないこと。
無勝負
むしょうぶ【無勝負】
a draw;→英和
a tie.→英和
〜に終わる end in a draw.
無勢
むぜい [0] 【無勢】
⇒ぶぜい(無勢)
無勢
ぶぜい [0] 【無勢】
〔古くは「ぶせい」〕
人数の少ないこと。味方の数の少ないこと。「多勢に―」
無勢である
ぶぜい【無勢である】
be small in number.⇒多勢.
無医地区
むいちく [3] 【無医地区】
医者が定住していない村や地域。
無医村
むいそん【無医村】
a doctorless village.
無医村
むいそん [2] 【無医村】
医師のいない村。
無卦
むけ [1] 【無卦】
陰陽道(オンヨウドウ)で,人の干支(エト)に合わせて定めた年回り。この卦に当たった人は五年間凶事が続くという。
→有卦(ウケ)
無印
むじるし [2] 【無印】
(1)しるしのないこと。
(2)競輪・競馬などの予想表で,なんのしるしもついていないこと。勝つ見込みの少ない選手や馬。「―の馬が優勝する」
無印商品
むじるししょうひん [5] 【無印商品】
低価格販売を可能にするため,ブランドによる訴求力を取り除くことによってコストを抑えた商品。ブランド名のない簡素な包装で販売される。
無原則
むげんそく [2] 【無原則】 (名・形動)[文]ナリ
一定の原則がない・こと(さま)。「―に妥協する」
[派生] ――さ(名)
無双
むそう [0] 【無双】
■一■ (名・形動)[文]ナリ
比較するものがないほどすぐれていること。並ぶものがないこと。二つとないこと。また,そのさま。無比。無二。無類。「古今―」「天下―の男」
■二■ (名)
(1)(「夢想」とも書く)衣服の表裏や器具の内外を同じ布・材料を用いて同じように作ること。また,そうしたもの。
(2)相撲で,取り組んだ相手の膝(ヒザ)または腿(モモ)に手を当て,自分のからだをひねって倒す技。内無双と外無双がある。
(3)「無双窓」の略。
無双
むそう【無双】
⇒無比.
無双
ぶそう [0] 【無双】
「むそう(無双)」に同じ。「当時―の豪雄も/鉄仮面(涙香)」
無双仕立て
むそうじたて [4] 【無双仕立て】
衣服の表と裏を同じ布で仕立てること。また,そのもの。
無双側
むそうがわ [0] 【無双側】
両面が同じ作りになっている物。懐中時計の蓋(フタ)など。
無双枕
むそうまくら [4] 【無双枕】
⇒入(イ)れ子(コ)枕
無双窓
むそうまど [4] 【無双窓】
無双連子(レンジ)を取り付けた窓。内側の連子を引いて重ねたりずらしたりして用いる。雨戸や台所などに換気のためにつける。無双。
無双窓[図]
無双羽織
むそうばおり [4] 【無双羽織】
別布を用いず,表地を裏に引き返して仕立てた羽織。
無双連子
むそうれんじ [4] 【無双連子】
連子の板をその板幅と同じ間隔をあけて取り付け,内側にも同様の連子の引き戸を取り付けたもの。
無反り
むぞり [0] 【無反り】
刀身に反りがなく,まっすぐなこと。また,その刀。直刀。
無反動砲
むはんどうほう [0][4] 【無反動砲】
発射時に砲尾の噴出孔から発射ガスの一部を逃がして反動をなくした砲。
無収入
むしゅうにゅう [2] 【無収入】
収入のないこと。無所得。
無収入で
むしゅうにゅう【無収入で】
without income.
無口
むくち [1] 【無口】 (名・形動)[文]ナリ
口数の少ない・こと(さま)。寡黙。「急に―になる」「―な子」
無口
むくち【無口】
taciturnity.〜な taciturn;→英和
silent.→英和
無口湖
むこうこ [2] 【無口湖】
流出する河川のない湖。鹿児島県の池田湖はその例。内陸湖。
⇔有口湖
無可動実銃
むかどうじつじゅう [5] 【無可動実銃】
本物の銃を加工して実弾を発射できないようにした,装飾品としての銃。
無台
むたい [1] 【無体・無代・無台】 (名・形動)[文]ナリ
〔古くは「むだい」とも〕
(1)形がないこと。無形。「―物」
(2)道理に合わない・こと(さま)。無法。無理。「無理―」「―な要求」
(3)ないがしろにする・こと(さま)。「人の世にある,誰か仏法を―にし逆罪を相招く/盛衰記 24」
(4)無駄にすること。かいのないこと。また,そのさま。「起請に恐れば日頃の本意―なるべし/盛衰記 26」
[派生] ――さ(名)
無名
むめい [0] 【無名】
(1)名前がないこと。名前のわからないこと。名前を記していないこと。「―の花」「―戦士の墓」
(2)名前が世間に広く知られていないこと。有名でないこと。
⇔有名
「―の作家」
(3)名義・名分の立たないこと。「渠(カレ)にあつては―の師(=大義ノナイ出兵)であるが此方では義戦である/社会百面相(魯庵)」
無名の
むめい【無名の】
(1)[名のない]nameless;anonymous (匿名の).→英和
(2)[名の知れぬ]unknown;→英和
obscure <writer> .→英和
‖無名戦士 an unknown soldier.無名戦士の墓 the Tomb of the Unknown.
無名円
むみょうえん ムミヤウヱン [2] 【無名円】
江戸時代,打ち身や傷に用いた薬の名。「き薬屋駈けて来たのは―/柳多留 3」
無名契約
むめいけいやく [4] 【無名契約】
⇒非典型契約(ヒテンケイケイヤク)
無名抄
むみょうしょう ムミヤウセウ 【無名抄】
歌論書。二巻。鴨長明著。1212年頃成立。和歌に関する故実,歌人の逸話,詠歌心得などを随筆風に述べたもの。長明の歌論や当時の歌壇の趨勢などを知る好資料。無名秘抄。長明和歌物語。長明記。
無名指
むめいし [2] 【無名指】
くすりゆび。
無名数
むめいすう [2] 【無名数】
単位をつけない数。不名数。
⇔名数
無名氏
むめいし [2] 【無名氏】
(1)名前のわからない人。名前の書いていない人。失名氏。「―の投書」
(2)有名でない人。「―の作品」
無名異
むみょうい ムミヤウ― [2] 【無名異】
(1)新潟県佐渡に産する硫化鉄を含む赤茶色の粘土。焼き物に用いる。
(2)マンガンや鉄の酸化物を含んだ鉱物。薬用に用いた。
(3)呉須(ゴス)の異名。
無名異焼
むみょういやき ムミヤウ― 【無名異焼】
佐渡,相川町で焼かれる朱泥の陶器。1819年(文政2)伊藤甚兵衛が無名異{(1)}を陶土に混ぜて焼いたことに始まるという。
無名草子
むみょうぞうし ムミヤウザウシ 【無名草子】
評論。一巻。藤原俊成あるいは俊成女(ムスメ)作とされるが未詳。1196〜1202年頃の成立。最古の物語評論。王朝の女性,歌集などの批評も含み,特に源氏物語について詳しい。散佚(サンイツ)した物語の研究資料としても重要。建久物語。無名物語。
無告
むこく [0] 【無告】
〔書経(大禹謨)〕
自分の苦しみを訴えるところをもたないこと。また,その人。「―の民」「抑圧を蒙る者は,―の小民なり/文明論之概略(諭吉)」
無味
むみ [1] 【無味】
(1)味がないこと。「―無臭の液体」
(2)おもしろみのないこと。「単調―にして木偶を摸写せしかと想はしむ/希臘思潮を論ず(敏)」
無味乾燥
むみかんそう [1] 【無味乾燥】 (名・形動)[文]ナリ
味わいもおもしろみもない・こと(さま)。「―な話」
[派生] ――さ(名)
無味乾燥な
むみ【無味乾燥な】
dry and tasteless;uninteresting.→英和
無品
むほん [0] 【無品】
〔「むぼん」とも〕
親王で,位階をもたないこと。
無品親王
むほんしんのう [6] 【無品親王】
位階をもたない親王。
無善無悪説
むぜんむあくせつ [6] 【無善無悪説】
陽明学左派(王学左派)の唱えた学説。心の本性は善悪という道徳的分別を超越しているとする。明末における欲望肯定の理論的根拠となった。
→王学左派
無嗜み
ぶたしなみ 【不嗜み・無嗜み】 (名・形動)[文]ナリ
〔「ふたしなみ」とも〕
日頃の用意や心掛けの足りない・こと(さま)。「頼うだ人のやうに―な人はござない/狂言・止動方角」
無器
ぶき [1] 【不器・無器】 (名・形動)[文]ナリ
(1)素質のすぐれていないこと。「まして―の人のことに我とただおさへて詠みならはんとし候へば/毎月抄」
(2)「不器用」の略。「お袋は―な姿に雁を書き/柳多留(初)」
無器用
ぶきよう [2] 【不器用・無器用】 (名・形動)[文]ナリ
(1)器用でないこと。手先ですることなどが下手なこと。また,そのさま。ぶきっちょ。
⇔器用
「手先が―だ」
(2)物事の処理の仕方が下手なこと。要領が悪いこと。また,そのさま。
⇔器用
「世渡りがいたって―な男」
(3)人道にそむくこと。卑劣なこと。また,そのさま。「いかに身が術ないとて―な気になりをつた/浄瑠璃・生玉心中(上)」
[派生] ――さ(名)
無器用
ぶきよう【無器用】
clumsiness;awkwardness.→英和
〜な(に) clumsy(-ily);→英和
awkward(ly).→英和
手先が〜である He is[His fingers are]all thumbs.
無器用
ぶきっちょ [2] 【不器用・無器用】 (名・形動)
〔「ぶきっちょう」とも〕
「ぶきよう(不器用)」の転。「―な手つき」
[派生] ――さ(名)
無器量
ぶきりょう [2] 【不器量・無器量】 (名・形動)[文]ナリ
〔「ふきりょう」とも〕
(1)顔かたちが醜い・こと(さま)。また,そのような人。
(2)才能・力量がないこと。「此の身こそ―の者で候へば/平家 8」
[派生] ――さ(名)
無因行為
むいんこうい [4] 【無因行為】
財産の移転・支出の根拠となる法律的原因(契約など)が無効・不存在であっても,財産の移転・支出自体は有効とされる行為。手形行為はその典型で,取引の安全のため,売買代金を支払う目的で手形を振り出した場合,売買が無効であっても手形行為は有効に成立する。
⇔有因行為
無因証券
むいんしょうけん [4] 【無因証券】
証券上の権利がその発行行為のみによって発生し,発行の原因となった売買などの法律関係の効力を問わない有価証券。手形・小切手がその例。
⇔要因証券
無国籍
むこくせき [2] 【無国籍】
どこの国籍ももっていないこと。
無土器時代
むどきじだい [4] 【無土器時代】
⇒先土器時代(センドキジダイ)
無地
むじ [1] 【無地】
全体が一色で模様がないこと。多く布地にいう。「―の着物」
無地の
むじ【無地の】
plain <cloth> .→英和
無垢
むく [1] 【無垢】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 欲望・執着などの煩悩(ボンノウ)がなく,清浄なこと。
(2)心身が汚れていないこと。うぶで世間ずれしていないこと。また,そのさま。「純真―」「―な娘」
(3)全く混じりもののないこと。純粋であること。「金―(=純金)」
(4)和服で,表裏を同色の無地で仕立てた長着。婚礼衣装の白無垢など。
無垢の
むく【無垢の】
pure;→英和
spotless;→英和
unpolluted.
無垢世界
むくせかい [3] 【無垢世界】
〔仏〕「法華経(提婆品)」に説く,沙羯羅(シヤカラ)竜王の娘の竜女が成仏(ジヨウブツ)したという世界。
無垢衣
むくえ [2] 【無垢衣】
〔煩悩(ボンノウ)の汚れのない衣の意〕
袈裟(ケサ)の異名。
無城
むじょう [0] 【無城】
江戸時代,城を持たない大名のこと。
無執
むしゅう [0] 【無執】
〔仏〕 執着心のないこと。無着。
無報酬
むほうしゅう [2] 【無報酬】
報酬がないこと。報酬を受けないこと。
無報酬で
むほうしゅう【無報酬で】
without recompense.⇒無料.
無塩
ぶえん 【無塩】
(1)塩気のないこと。生(ナマ)のままで塩漬けしてないこと。特に,魚介類が新鮮であること。「何も新しきものを―といふと心得て/平家 8」
(2)鮮魚。生魚。「こいつは―だ/滑稽本・膝栗毛 3」
(3)無垢なこと。うぶな人。「―のお娘の手いらずを/人情本・梅児誉美(初)」
(4)〔中国,斉の宣王の夫人が醜く,出身地の地名から無塩女と呼ばれたことから〕
醜い女。醜女。「―のお多福お目出たい先払/柳多留 82」
無塩
むえん [0] 【無塩】
塩分を含んでいないこと。
無塩バター
むえんバター [4] 【無塩―】
バターのうち,食塩を添加してないもの。菓子原料などに用いる。
無塩醤油
むえんしょうゆ [4] 【無塩醤油】
食塩を含まない醤油。グルコン酸ナトリウムなどで食塩の味を代用させたもの。
無塵室
むじんしつ [2] 【無塵室】
〔clean room〕
浮遊粉塵(フンジン)を一定値以下に制御して高い清浄性を保つことのできる室。半導体や超精密機械の工場,手術室など。クリーン-ルーム。
無声
むせい [0] 【無声】
(1)声・音のないこと。また,声・音を出さないこと。
(2)〔voiceless〕
音声学や音韻論で,声帯の振動を伴わないこと。
⇔有声
無声の
むせい【無声の】
silent;→英和
noiseless;→英和
[音声]voiceless.→英和
‖無声音 a voiceless sound.無声映画 a silent picture.
無声の詩
むせいのし [0] 【無声の詩】
「無韻(ムイン)の詩{(2)}」に同じ。
無声化
むせいか [0] 【無声化】 (名)スル
本来声帯の振動を伴って発音される有声音が何らかの条件によって声帯の振動をなくす現象。東京語の「キシャ(汽車)」の「キ」の発音で母音の i が響かなくなる類。
→有声化
→無声音
無声放電
むせいほうでん [4] 【無声放電】
細い針金を電極とし,十分離して高電圧をかけた場合のように,音がなく静かに起こる放電。
無声映画
むせいえいが [4] 【無声映画】
映像のみで,台詞(セリフ)や音響のない映画。トーキーの出現とともに,1930年代初めには衰退。サイレント。
無声音
むせいおん [2] 【無声音】
発音するとき,声帯の振動を伴わない音。主として子音の [p][t][k][s][ʃ][Φ][ç][h] の類。
⇔有声音
無妻
むさい [0] 【無妻】
妻のないこと。また,その人。独身の男。
⇔有妻
「―で暮らす」
無始
むし [1] 【無始】
(1)〔仏〕 ある時点から始まったのではなく,永遠の過去から存在すること。
(2)転じて,遠い昔。大昔。「―よりこのかた生死に流転するは/宇治拾遺 6」
無始曠劫
むしこうごう [3] 【無始曠劫】
初めがわからないほど遠い過去。「妻子といふものが―よりこのかた,生死に流転するきづななるがゆゑに/平家 10」
無始無終
むしむじゅう [1] 【無始無終】
〔仏〕 無明(ムミヨウ)・輪廻(リンネ)あるいは真理などが,その始まりも終わりもなく永遠なこと。また,輪廻の限りないさまをいう語。「悲哉(カナシイカナ),無上の仏種をはらみながら,―の凡夫(ボンブ)たる事を/盛衰記 11」
無媒
むばい [0] 【無媒】
(1)媒酌人がいないこと。
(2)〔杜牧の詩「送隠者」による。人里離れた所にいる有能な隠士が任用されないことを,女性に媒酌人がいなくて嫁げないことにたとえたことから〕
人里離れた寂しい場所。人の往来のまれな山林。
無媒介
むばいかい [2] 【無媒介】
ヘーゲル弁証法の用語。媒介を有せず,まだ具体的になっていないこと。直接。
無字
むじ [1] 【無字】
〔仏〕 無門関第一則として知られた公案で,「犬に仏性があるか」と問われた趙州が,ただ一言答えた「無」の一字をいう。
無季
むき [1] 【無季】
俳句で,季語を含まないこと。また,その句。「―俳句」
無学
むがく【無学】
ignorance.→英和
〜な illiterate;→英和
ignorant;→英和
uneducated (無教育な).
無学
むがく [1] 【無学】 (名・形動)[文]ナリ
(1)学問・知識のない・こと(さま)。「―な人」「―の徒」
(2)〔仏〕 小乗仏教で,四果(シカ)を阿羅漢果(アラカンカ)まで修得し,もはや修行すべきことのなくなった位。また,その境地。
⇔有学(ウガク)
無学文盲
むがくもんもう [1] 【無学文盲】
学問・知識がなく,字の読めないこと。
無学祖元
むがくそげん 【無学祖元】
(1226-1286) 鎌倉時代,宋から渡来した臨済宗の僧。無学派の祖。南宋,明州の人。字(アザナ)は子元。道号は無学,諱(イミナ)は祖元,諡号(シゴウ)は仏光禅師・円満常照国師。執権北条時宗の招きにより1279年来日,建長寺に住した。のち円覚寺開山。時宗をはじめ鎌倉武士の帰依厚く,弘安の役前後の政策に影響を与えた。
無宇宙論
むうちゅうろん ムウチウ― [3] 【無宇宙論】
〔acosmism〕
世界あるいは宇宙は実在せず,永遠なものや神の一時的な仮象にすぎないとする思想。エレア学派・スピノザ・バークリーなどにみられる。ヘーゲルがスピノザ哲学を評した語に始まる。無世界説。
無宗教
むしゅうきょう [2] 【無宗教】
(1)信仰する宗教をもっていないこと。
(2)葬儀などで,どの宗教の儀式にもよらないこと。「―葬」
無宗教である
むしゅうきょう【無宗教である】
have no religion.
無官
むかん [0][1] 【無官】
官職のないこと。
⇔有官(ウカン)
「無位―」
無官の大夫
むかんのたゆう 【無官の大夫】
(1)位階が五位で官職のない人。「―敦盛とて/盛衰記 38」
(2)公卿の子で,元服前に五位に叙せられた者。
無定位
むていい [2] 【無定位】
(1)方向が定まらないこと。
(2)位置・姿勢などが定まらないこと。
(3)測定器などに入力を加えると,出力が増加または減少しつづける場合をいう。入力を取り去られると,指針はその状態で静止すること。
⇔定位
無定位針
むていいしん [4] 【無定位針】
無定位検流計の構造の一部。磁気モーメントの等しい二本の磁針を反対向きに上下に平行に固定し,これを水平に吊(ツ)り,その一本をコイル内に入れる。地磁気の影響が減少し,ほとんど無定位になるので,きわめて微弱な電流(電圧)を検出することができる。
無定型
むていけい [0][2] 【無定型】
一定の型がないこと。一定の型が定まっていないこと。
無定形
むていけい [0][2] 【無定形】 (名・形動)[文]ナリ
(1)一定の形をもっていない・こと(さま)。
(2)はっきりした結晶構造を示さない固体。また,その状態。
→非晶質
無定形の
むていけい【無定形の】
formless.→英和
無定形炭素
むていけいたんそ [6] 【無定形炭素】
ダイヤモンド・黒鉛以外の,はっきりした結晶状態を示さない炭素の総称。実際には,黒鉛の微細な結晶の集まりであるものも多い。石炭・木炭など。吸着剤・充填剤(ジユウテンザイ)・印刷用インク・顔料などに用いる。
無定形物質
むていけいぶっしつ [6] 【無定形物質】
構成粒子が規則的な配列をせずに集まってできている固体物質。融解・凝固が一定の温度で起こらず,連続的変化を示す。ガラス・ゴム,多くの有機高分子物質などがある。微小結晶の集合体も一般にこれに含める。半導体・磁性体など新素材として利用されているものも多い。無定形質。非晶質。
→アモルファス物質
無定形珪素
むていけいけいそ [6] 【無定形珪素】
非晶質のケイ素。水素を10パーセント程度含むものが半導体として用いられる。アモルファス-シリコン。
無定形硫黄
むていけいいおう [6] 【無定形硫黄】
結晶状態にない硫黄の同素体の総称。ゴム状硫黄やコロイド状硫黄など。
→ゴム状硫黄
無定義用語
むていぎようご [5] 【無定義用語】
数学の公理系で,定義しないで用いられる基本的な用語。例えば,ユークリッド幾何学で「点」「直線」など。これらはその相互の関係を公理で規定し,理論体系が組み立てられる。無定義術語。
無定見
むていけん【無定見】
lack of conviction.〜の with no fixed principle.
無定見
むていけん [2] 【無定見】 (名・形動)[文]ナリ
一定の見識をもたないこと。決まった意見や考えがなく,事あるごとに変わること。また,そのさま。「―な施策」
[派生] ――さ(名)
無実
むじつ [1] 【無実】
〔古くは「むしつ」とも〕
(1)(証拠立てる)事実がないこと。無根。「―を叫ぶ」「―を訴える」
(2)実質のないこと。内容のないこと。「有名―」
(3)誠実な心のないこと。
無実である
むじつ【無実である】
be innocent (無罪).〜の罪で on a false charge.〜の罪をうける be falsely accused <of> .
無実の罪
むじつのつみ [1][1] 【無実の罪】
実際には犯していないことできせられた罪。ぬれぎぬ。冤罪(エンザイ)。「―で訴えられる」「―に泣く」
無害
むがい [1] 【無害】 (名・形動)[文]ナリ
害がない・こと(さま)。
⇔有害
「人畜―」「人体に―な薬」
無害な
むがい【無害な】
harmless.
無害航空権
むがいこうくうけん [6] 【無害航空権】
害を与えないかぎり,他国の領空を自由に通過できる権利。条約・国際協定により,さまざまな条件付きで認められる。
無害通航権
むがいつうこうけん [6] 【無害通航権】
害を与えないかぎり,船舶が他国の領海を自由に通航できる権利。潜水艦の海面下の通航は含まれない。
無宿
むしゅく [1] 【無宿】
(1)住む家がないこと。また,その人。やどなし。
(2)江戸時代,人別帳から名前を除かれること。また,その人。貧農や下層町人から無宿となるものが多く,江戸中期以降,大都市およびその周辺で多数出現した。帳外(チヨウハズ)れ。
無宿の
むしゅく【無宿の】
homeless.→英和
無宿者 a tramp.→英和
無宿牢
むしゅくろう [3] 【無宿牢】
⇒二間牢(ニケンロウ)
無宿者
むしゅくもの [0] 【無宿者】
無宿の人。無宿人。やどなし。
無対光
むたいこう [2] 【無対光】
〔仏〕 十二光の一。諸仏菩薩の光明に勝り,これに比するものがない阿弥陀仏の光明。
無対光仏
むたいこうぶつ 【無対光仏】
阿弥陀仏の異名。
無封
むふう [0] 【無封】
封がしてないこと。封をしないこと。
無射
ぶえき [1] 【無射】
中国音楽の音名。十二律の一一番目の音。日本の十二律の神仙に相当。むえき。
無尽
むじん【無尽(講)】
a mutual loan association.
無尽
むじん [0] 【無尽】
(1)物が尽きないこと。尽きるところがないこと。「縦横―」
(2)一定の口数と給付金額を定め,加入者を集めて定期に掛け金を払い込ませ,抽選や入札により金品を給付すること。
→頼母子講(タノモシコウ)
無尽会社
むじんがいしゃ [4] 【無尽会社】
営業として無尽{(2)}を行う会社。物品を給付するものについては,無尽業法(1931年制定)により規制される。
→相互銀行
無尽灯
むじんとう [0] 【無尽灯】
(1)油皿の油が減ると自動的に補給されるように作った灯台。
(2)仏の教えが次々と伝わって尽きないことを,一つの灯火が無数の灯火の火種となることにたとえていう語。
無尽蔵
むじんぞう [2] 【無尽蔵】 (名・形動)[文]ナリ
いくらとってもなくならないこと。限りがないこと。また,そのさま。「アイデアは―にある」「―の資源」「彼れの春の日は―に長閑(ノド)かと見える/草枕(漱石)」
無尽蔵の
むじんぞう【無尽蔵の】
inexhaustible;→英和
limitless.→英和
無尽講
むじんこう [0] 【無尽講】
⇒頼母子講(タノモシコウ)
無尾類
むびるい [2] 【無尾類】
無尾目に属する両生類の総称。全世界に約三〇〇〇種,日本に三十余種がいる。幼時には鰓(エラ)をもち,四肢はなく尾が発達している。変態して四肢が生じ,尾は消失する。後肢がよく発達する。原則として卵生。アマガエル・ヒキガエルなど。カエル類。
無尿
むにょう [0] 【無尿】
一日の尿量が100ミリリットル以下で,膀胱(ボウコウ)に尿がたまらない状態。
無届
むとどけ [2] 【無届(け)】
前もって届け出ないこと。「―欠勤」
無届け
むとどけ [2] 【無届(け)】
前もって届け出ないこと。「―欠勤」
無届で
むとどけ【無届で】
without notice.無届欠席 absence without notice.
無差別
むしゃべつ [2] 【無差別】 (名・形動ナリ)
「むさべつ(無差別)」に同じ。
無差別
むさべつ [2] 【無差別】 (名・形動)[文]ナリ
取り扱いに違いがないこと。差別をつけないさま。むしゃべつ。「―に扱う」
[派生] ――さ(名)
無差別の
むさべつ【無差別の(に)】
equal(ly);→英和
indiscriminate(ly).→英和
〜に without distinction.《競技》〜(級)の open.→英和
無差別爆撃
むさべつばくげき [5] 【無差別爆撃】
軍事目標物と,それ以外の物を区別せずに行う爆撃。国際法上,一般に禁止されている。
無差別級
むさべつきゅう [0] 【無差別級】
柔道の試合の体重別階級の一。体重の軽重に関係なく出場できる。
無布施経
ふせないきょう フセナイキヤウ 【無布施経・布施無経】
狂言の一。布施を出し忘れた檀家に,何とか思い出させようと僧があれこれ苦心するというもの。
無常
むじょう【無常】
mutability;uncertainty.→英和
〜の mutable;→英和
uncertain.→英和
無常
むじょう [0] 【無常】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 万物は生滅流転し,永遠に変わらないものは一つもないということ。
⇔常住
「諸行―」
(2)人の世の変わりやすいこと。命のはかないこと。また,そのさま。「―な世の中」
(3)人間の死。「―の来る事は,水火の攻むるよりも速に逃れがたきものを/徒然 59」
無常といふ事
むじょうということ ムジヤウトイフコト 【無常といふ事】
評論集。小林秀雄著。1946年(昭和21)刊。歴史の公式的解釈を拒否して,直覚的・悟達的な古典論を収める。
無常の敵
むじょうのかたき 【無常の敵】
無常という敵。死のこと。「しづかなる山の奥,―競ひ来らざらんや/徒然 137」
無常の風
むじょうのかぜ 【無常の風】
人の命を奪い去る無常を,花を吹き散らす風にたとえていう語。「―に誘はれ,ただいま冥途へ赴く/狂言・朝比奈」
無常観
むじょうかん [2] 【無常観】
一切のものは無常であると観ずる境地。
無常講
むじょうこう [0] 【無常講】
講の一種。掛け金を講中に死者があった際の葬儀費用にあてるもの。「よくきけば死ぬるをいそぐ―/新増犬筑波」
無常迅速
むじょうじんそく [0] 【無常迅速】
〔仏〕 人の世の移り変わりが非常に速いこと。死が早く来ること。
無常門
むじょうもん [2] 【無常門】
葬礼の際だけに使う門。江戸時代,大名の屋敷に設けて平常は閉ざしてあった。
無帽
むぼう [0] 【無帽】
帽子をかぶっていないこと。
無帽で
むぼう【無帽で】
without a hat on;bareheaded.→英和
無干渉
むかんしょう [2] 【無干渉】
他の事に干渉しないこと。また,他からの干渉がないこと。不干渉。
無形
むけい [0] 【無形】
形のないこと。形に現れないこと。また,そのもの。
⇔有形
「有形―の恩恵を受ける」
無形
むぎょう [0] 【無形】
〔仏〕 形をとらないこと。また,形をもたないもの。「神ワ―ナモノ/ヘボン(二版)」
無形の
むけい【無形の】
abstract (抽象的);→英和
spiritual (精神的);→英和
invisible (目に見えぬ);→英和
intangible (手に触れぬ).→英和
無形文化財 an intangible cultural treasure.
無形固定資産
むけいこていしさん [7] 【無形固定資産】
固定資産のうち,物的な形をもたない資産。特許権・著作権・商標権・営業権など。
無形文化財
むけいぶんかざい [6] 【無形文化財】
文化財保護法上の文化財の一。日本の伝統的な芸能や工芸技術など,無形の文化的所産で,歴史上または芸術上価値の高いもの。重要なものは文部大臣が重要無形文化財に指定し,その保持者(=人間国宝)または保持団体を併せて認定する。
⇔有形文化財
無形的損害
むけいてきそんがい [0] 【無形的損害】
⇒精神的(セイシンテキ)損害
無彩色
むさいしょく [2] 【無彩色】
色みがなく,明度だけをもつ色。白・灰・黒の色。
→有彩色
無影灯
むえいとう [0] 【無影灯】
照明器具の一。影をつくらず,自然光に近く,長時間照明しても温度があまり上がらないように作られている。主に手術室などで用いられる。
無役
むやく [1] 【無役】
(1)役目をもたないこと。非役。
(2)課役がないこと。無税。
無得心
むとくしん 【無得心】 (名・形動ナリ)
〔「むどくしん」とも〕
(1)得心しないこと。承知しないこと。「異見いうても歎いても聞き入れ給はぬ―/浄瑠璃・神霊矢口渡」
(2)道理に合わない・こと(さま)。不人情。無道。「余りといへば親ながら,―なるお心や/浄瑠璃・五十年忌(中)」
無得点
むとくてん [2] 【無得点】
得点のないこと。零点。
無得点の
むとくてん【無得点の】
scoreless.
無徳
むとく [0][1] 【無徳】
■一■ (名)
徳のないこと。「―の人」
■二■ (名・形動ナリ)
(1)貧しい・こと(さま)。貧弱。「もとより勢なく,わろき人の―なる司にて年ごろ経にければ/宇津保(嵯峨院)」
(2)価値を失ってしまうさま。台無しになってしまうさま。ぶざまなさま。「いと―なるわざかな/落窪 2」
無徴
むちょう [0] 【無徴】
⇒無標(ムヒヨウ)
無心
むしん [0] 【無心】
■一■ (名)スル
(1)無生物や植物のように,心をもたないこと。「―の草木」
(2)遠慮なく人に金品をねだること。「親に金を―する」「―をいつて五両もらつたのを/安愚楽鍋(魯文)」
(3)〔仏〕 一切の妄念から解放された心。
⇔有心(ウシン)
(4)和歌・連歌で,卑俗・滑稽さを求めたもの。
⇔有心
「有心―歌合」
■二■ (名・形動)[文]ナリ
(1)心にわだかまりのないこと。雑念や欲心のないこと。また,そのさま。「―の勝利」「―に遊ぶ子供」「―の境地」「―な与吉は誘ひ出されるままにいつて畢(シマ)つた/土(節)」
(2)思慮・分別のないこと。無神経なこと。また,そのさま。「中将のいと実法の人にて率て来ぬ,―なめりかし/源氏(常夏)」
(3)情趣を解する心がないこと。風流心のないこと。また,そのさま。「人の遊びせむ所には,草刈笛吹くばかりの心どもにて,いと―にて侍り/宇津保(国譲上)」
無心
むしん【無心】
(1) ⇒無邪気.
(2)[金などの]a request.→英和
〜する ask <a person> for <money> .
無心体
むしんたい [0] 【無心体】
和歌・連歌で,機知・滑稽を重んじる即興的な体。むしんてい。
⇔有心体(ウシンテイ)
無心所着
むしんしょじゃく [4] 【無心所着】
和歌で,一句一句別のことを詠み,全体として意味をなさない歌。「わが背子が犢鼻(タフサキ)にする円石(ツブレイシ)の吉野の山に氷魚そ懸(サガ)れる/万葉 3839」の類。
無心連歌
むしんれんが [4] 【無心連歌】
鎌倉初期に行われた滑稽や機知を重んじた連歌。その作者を無心衆という。栗本衆(クリノモトノシユウ)とも。
⇔有心連歌
無念
むねん [0][1] 【無念】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 種々の雑念を生む心を消滅させた状態。正念。
⇔有念(ウネン)
(2)悔しく思う・こと(さま)。「―至極(シゴク)」「―千万(センバン)」「残念―」「―の涙」「―を晴らす」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――さ(名)
無念
ぶねん 【無念・不念】 (名・形動)[文]ナリ
不注意なこと。考えが足りないこと。また,そのさま。「問ひもいたさいで―な事をいたいた/狂言・末広がり」
無念
むねん【無念】
regret (残念);→英和
resentment (怒り);→英和
humiliation (くやしさ).〜に思う regret;be mortified <at,by> ;resent.→英和
〜を晴らす revenge oneself <upon> .‖無念無想 freedom from all thoughts.
無念流
むねんりゅう 【無念流】
神道無念流の略称。
無念無想
むねんむそう [0][1] 【無念無想】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 あらゆる雑念がなくなって心が澄み切っている状態。「―の境地」
(2)何も考えないこと。思慮がないこと。また,そのさま。「―の下部共占はせよ/浄瑠璃・百合若大臣」
無思慮
むしりょ [2] 【無思慮】 (名・形動)
思慮に欠けている・こと(さま)。「―なふるまい」
無思慮
むしりょ【無思慮】
thoughtlessness.〜な imprudent;→英和
thoughtless.→英和
無性
むしょう [0] 【無性】
■一■ (名)
〔仏〕 仏性のないこと。成仏(ジヨウブツ)できないことが生まれつき定まっていること。
⇔有性(ウシヨウ)
■二■ (名・形動ナリ)
〔■一■の意から〕
分別のないこと。道理がわからないこと。また,そのさま。「是にたよる男も―なる野人にはあらず/浮世草子・一代女 2」
無性
むせい [0] 【無性】
下等動物などで,雌雄の区別のないこと。
無性に
むしょうに【無性に】
very much;extremely.〜喜ぶ be greatly delighted.
無性に
むしょうに [0] 【無性に】 (副)
やみくもに。むやみやたらに。いちずに。「―腹が立つ」「―人恋しい」「―眠い」
無性の
むせい【無性の】
sexless;→英和
neuter.→英和
無性世代
むせいせだい [4] 【無性世代】
世代交代を行う生物で,胞子体を生育の主体とする時期。核相では複相の世代で,受精から減数分裂までの期間にあたる。
⇔有性世代
無性生殖
むせいせいしょく [4] 【無性生殖】
配偶子によらない生殖様式。分裂・出芽・胞子形成による生殖など。単細胞生物に普通にみられるが,高等植物の栄養生殖もこの一種。
⇔有性生殖
無性芽
むせいが [2] 【無性芽】
配偶子や胞子とは別に植物体の一部に生じて,親の個体から離れて発芽し新個体となりうる小器官。主に胞子植物にいう。ゼニゴケの杯状体など。
無恥
むち [1] 【無恥】 (名・形動)[文]ナリ
恥を恥とも思わず,平気な・こと(さま)。恥知らず。「厚顔―」「―な言動」
無恥な
むち【無恥な】
shameless.→英和
無患子
むくろじ [3][0] 【無患子】
ムクロジ科の落葉高木。山地に自生し,庭木ともする。葉は大形の羽状複葉。雌雄同株。夏,枝頂に淡緑色の小花多数を円錐状につける。果実は球形で黄褐色に熟し,黒色の種子は追い羽根の球や数珠(ジユズ)に用いる。果皮はサポニンを含み,石鹸(セツケン)の代用にされた。ツブ。ムク。ムクロ。ムクロンジ。[季]秋。
無患子[図]
無患子
むく [1] 【無患子】
ムクロジのこと。また,その実。
無悪不造
むあくふぞう [4] 【無悪不造】
悪事をほしいままにしてはばからぬこと。「―の兵どもが塔の九輪を下して/太平記 34」
無情
むじょう [0] 【無情】 (名・形動)[文]ナリ
(1)思いやりや同情心などのない・こと(さま)。
⇔有情(ウジヨウ)
「―な仕打ち」「―の雨」「―な連中は何かにつけて僕を揶揄し/思出の記(蘆花)」
(2)〔仏〕 感情・意識をもたないこと。また,そのような存在。非情。「―の草木」
[派生] ――さ(名)
無情
むじょう【無情】
heartlessness;→英和
cruelty.〜の heartless;→英和
cold.→英和
無惨
むざん [1] 【無慚・無惨・無残】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 戒律を破りながら心に恥じない・こと(さま)。「放逸―」「破戒―」
(2)(仕打ちが)残酷なこと。乱暴なこと。また,そのさま。「二人の仲を―に引き裂く」
(3)気の毒なこと。いたましいこと。また,そのさま。「夢は―にもついえた」
[派生] ――さ(名)
無想
むそう [0] 【無想】
〔仏〕 すべての想念を離れること。無念。無心。
無想無念
むそうむねん [0] 【無想無念】
〔仏〕 心に何も思わず何も念じない状態。無我の境地。無念無想。
無意
むい [1] 【無意】
意志のないこと。また,故意ではないこと。
無意味
むいみ [2] 【無意味】 (名・形動)[文]ナリ
意味のないこと。役に立たないこと。また,そのさま。無意義。「―な話し合い」
[派生] ――さ(名)
無意味な
むいみ【無意味な】
meaningless;→英和
useless (無益な);→英和
absurd (馬鹿げた).→英和
無意気
むいき 【無意気】 (名・形動ナリ)
思いやりがないこと。頑固で強引なこと。また,そのさま。「それとは知らいで,―に仕りぬ/浮世草子・新色五巻書」
無意義
むいぎ [2] 【無意義】 (名・形動)[文]ナリ
意味のないこと。何の効果も価値もないさま。
⇔有意義
「―な行為」
無意識
むいしき【無意識】
unconsciousness.→英和
〜の unconscious.→英和
〜に unconsciously;→英和
mechanically (機械的に).→英和
無意識
むいしき [2] 【無意識】 (名・形動)[文]ナリ
(1)意識がないこと。気を失っていること。「―状態」
(2)自分のしていることに気づかないこと。意識しないでしてしまうこと。また,そのさま。「―に手を動かす」「―に他人を傷つける」
(3)〔心〕 通常は意識されていない心の領域・過程。夢・瞑想・精神分析などによって顕在化(意識化)される。潜在意識。深層心理。
→前意識
〔unconciousness の訳語〕
無意識的
むいしきてき [0] 【無意識的】 (形動)
意識しないさま。知らず知らずにするさま。
⇔意識的
「―に繰り返す」
無愛
ぶあい 【無愛】 (名・形動ナリ)
(1)愛想のない・こと(さま)。「なにがしぬしのひきとどめられけるこそ,いと―のことなりや/大鏡(師尹)」
(2)不都合であること。また,そのさま。「宵・暁に殿の内より出入する極めて―なり/今昔 23」
無愛
むあい [0] 【無愛】 (名・形動ナリ)
(1)〔仏〕 対象を求める心である愛がないこと。
(2)「ぶあい(無愛)」に同じ。「木曾―に返事する様は/盛衰記 28」
無愛嬌
ぶあいきょう [2] ―アイケウ 【無愛嬌】 ・ ―アイキヤウ 【無愛敬】 (名・形動)[文]ナリ
愛嬌がない・こと(さま)。「―な娘だ」
無愛想
ぶあいそう [2] 【無愛想】 (名・形動)[文]ナリ
愛想がないこと。そっけないこと。また,そのさま。ぶあいそ。「―な店員」
無愛想な
ぶあいそう【無愛想な】
unsociable;→英和
cold.→英和
〜に断わる refuse bluntly.
無愛敬
ぶあいきょう [2] ―アイケウ 【無愛嬌】 ・ ―アイキヤウ 【無愛敬】 (名・形動)[文]ナリ
愛嬌がない・こと(さま)。「―な娘だ」
無感
むかん [0] 【無感】
感じないこと。感覚がないこと。
⇔有感
「男は全(マル)で本性なく一切―なれば/いさなとり(露伴)」
無感動
むかんどう [2] 【無感動】 (名・形動)
感動しないこと。感動のないこと。また,そのさま。「人生を―に生きる」
[派生] ――さ(名)
無感地震
むかんじしん [4] 【無感地震】
地震計には記録されるが,人体にはゆれを感じない程度の地震。震度〇。
無感覚
むかんかく [2] 【無感覚】 (名・形動)[文]ナリ
(1)感覚のないこと。何も感じないこと。また,そのさま。「寒さで指先が―になる」
(2)慣れてしまって特別の感情が起きない・こと(さま)。「汚職に対して―になる」
(3)思いやりがない・こと(さま)。無神経。「―な人だ」
[派生] ――さ(名)
無感覚
むかんかく【無感覚】
[無知覚]insensibility;numbness;→英和
indifference (無感動).〜の insensible <of,to> ;→英和
numb;→英和
indifferent <to> .→英和
無愧
むぎ [1] 【無愧】
悪事を犯しながら,他に対して恥じないこと。
〔仏教では「むき」と読む〕
無慈悲
むじひ【無慈悲】
⇒無情.
無慈悲
むじひ [2][1] 【無慈悲】 (名・形動)[文]ナリ
思いやる気持ちのない・こと(さま)。「―な仕打ち」「―な心」
[派生] ――さ(名)
無慚
むざん [1] 【無慚・無惨・無残】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 戒律を破りながら心に恥じない・こと(さま)。「放逸―」「破戒―」
(2)(仕打ちが)残酷なこと。乱暴なこと。また,そのさま。「二人の仲を―に引き裂く」
(3)気の毒なこと。いたましいこと。また,そのさま。「夢は―にもついえた」
[派生] ――さ(名)
無慚
むぞう 【無慚】 (名・形動ナリ)
「むざん(無慚)」の転。「あはれに―におぼえしかども/宇治拾遺 10」
無慚がる
むぞうが・る ムザウ― 【無慚がる】 (動ラ四)
いとしがる。かわいがる。「慈母が子をあまやかいて―・るは/史記抄 11」
無慮
むりょ [1] 【無慮】 (副)
非常に数の多いことをおおまかに表す語。おおよそ。だいたい。ざっと。「―数千人の群衆」
無慾
むよく [1] 【無欲・無慾】 (名・形動)[文]ナリ
欲がないこと。あれこれ欲しがらないこと。また,そのさま。「金に―な人」「―の勝利」
無憂樹
むゆうじゅ ムイウ― [2] 【無憂樹】
⇒むうじゅ(無憂樹)
無憂樹
むうじゅ [2] 【無憂樹】
〔梵 aśoka〕
摩耶夫人(マヤブニン)がその下で釈迦を出産したという木。安産であったため,その木を無憂樹と名づけたという。阿輸迦(アシユカ)樹。むゆうじゅ。
無憂華
むゆうげ ムイウ― [2] 【無憂華】
⇒むうげ(無憂華)
無憂華
むうげ [2] 【無憂華】
無憂樹(ムウジユ)の花。むゆうげ。
無憲法
ぶけんぼう 【無憲法】 (名・形動ナリ)
道理にもとる・こと(さま)。「―ナ主人ナレバ/天草本金句集」
無我
むが [1] 【無我】
(1)無心であること。我意がないこと。「―の境」
(2)〔梵 anātman〕
あらゆる事物は現象として生成しているだけで,それ自体を根拠づける不変的な本質は存在しないとする仏教の根本的な思想。
→空(クウ)
無我
むが【無我】
(1)[没我](a state of) selflessness;unselfishness.→英和
〜の selfless;→英和
unselfish;→英和
disinterested.→英和
(2) ⇒夢中.
無我夢中
むがむちゅう [1] 【無我夢中】
物事に心を奪われて,我を忘れた状態になること。「―で逃げる」
無我愛
むがあい [2] 【無我愛】
私心を離れた純粋な愛。没我の愛。
無所作
むしょさ 【無所作】 (名・形動ナリ)
何もしないでいる・こと(さま)。無為(ムイ)。「―ニシテイル/日葡」
無所属
むしょぞく [2] 【無所属】
どの会派や政党にも属していないこと。「―で立候補する」
無所属の
むしょぞく【無所属の】
independent.→英和
無所属代議士 an independent.→英和
無所得
むしょとく [2] 【無所得】
(1)収入のないこと。
(2)〔仏〕 空(クウ)の真理を理解し,一切の物事に執着しないこと。
⇔有(ウ)所得
無所畏
むしょい [2] 【無所畏】
〔仏〕「無畏(ムイ)」に同じ。
無手
むて [2][1] 【無手】 (名・形動)[文]ナリ
〔「むで」とも〕
(1)手に何も持っていないこと。武器を持っていないこと。また,そのさま。素手。「―で立ち向かう」
(2)物事にあたって何の方策ももたない・こと(さま)。「―で交渉にあたる」
(3)とりえのない・こと(さま)。無芸。「手などつたなからず。三味線・琴・尺八も―ならず/仮名草子・難波物語」
(4)何も得るところのない・こと(さま)。無駄。「―に帰るも本意なければ,せめてはちらと御目にかかり/浮世草子・元禄太平記」
(5)握りこぶしで零を示すこと。
無手勝流
むてかつりゅう [0] 【無手勝流】
〔剣豪塚原卜伝(ツカハラボクデン)が琵琶湖の矢橋(ヤバセ)の渡しの船中で乱暴な武士に真剣勝負を挑まれた際,相手をだまして小島に上がらせ,自分はそのまま船を出して「戦わずして勝つのが無手勝流だ」と言って血気の勇を戒めたという故事から〕
(1)卜伝流の異名。
(2)戦わずに相手に勝つこと。武器を用いず相手に勝つこと。また,その方法。
(3)自分勝手にやること。また,そのやり方。自己流。
無才
むさい [0] 【無才】
才能・才知のないこと。
⇔多才
「無学―」
無批判
むひはん [2] 【無批判】
批判しないこと。「―に受け入れる」
無技巧
むぎこう [2] 【無技巧】 (名・形動)[文]ナリ
技巧をこらしていないこと。自然のままであること。また,そのさま。
無投票
むとうひょう [2] 【無投票】
選挙で,立候補者数が定員を超えないなどの理由で,投票を省略すること。
無投票当選
むとうひょうとうせん [6] 【無投票当選】
選挙で,定数を超える候補者の届け出がない場合,または長の選挙で候補者が一人である場合に,投票を行わずに候補者を当選させること。
無抵抗
むていこう [2] 【無抵抗】 (名・形動)[文]ナリ
抵抗しないこと。逆らわないこと。また,そのさま。「―の市民」
無抵抗
むていこう【無抵抗(主義)】
(the principle of) nonresistance.〜で without resistance.
無抵抗主義
むていこうしゅぎ [6] 【無抵抗主義】
抵抗の方法に暴力的手段を用いない立場。宗教やヒューマニズムが思想的背景となる。ガンジーはイギリス植民地政策に対する非暴力・不服従・非協力をもって,インド独立を指導した。
無担保
むたんぽ [2] 【無担保】
担保を提供しないこと。無抵当。
無担保裏書
むたんぽうらがき [5] 【無担保裏書】
裏書人が,手形あるいは小切手上の担保責任を負わない旨を付記してする裏書。
無援
むえん [0] 【無援】
他からの援助がないこと。「孤立―」
無政府
むせいふ [2] 【無政府】
政府が存在しないこと。
無政府
むせいふ【無政府(状態)】
(a state of) anarchy.→英和
⇒アナーキスト,アナーキズム.
無政府主義
むせいふしゅぎ [5] 【無政府主義】
国家をはじめ一切の政治権力を否定し,個人の完全な自由およびそうした個人の自主的結合による社会を実現しようとする思想。プルードン・クロポトキン・バクーニンらに代表される。アナーキズム。
無政府主義者
むせいふしゅぎしゃ [6] 【無政府主義者】
無政府主義を信奉する人。アナーキスト。
無政府状態
むせいふじょうたい [5] 【無政府状態】
政府が十分に機能せず,法が犯され無秩序となる状態。
無敗
むはい [0] 【無敗】
試合・戦いなどで,敗れたことがないこと。「―を誇る」
無教会主義
むきょうかいしゅぎ ムケウクワイ― [6] 【無教会主義】
内村鑑三によって唱えられた日本独自のキリスト教のあり方。制度化された教会とその聖礼典を批判,聖書と信仰のみを重視する。塚本虎二・矢内原忠雄・黒崎幸吉・藤井武らが継承。
無教育
むきょういく [2] 【無教育】 (名・形動)[文]ナリ
教育を受けていないこと。無教養なさま。「―な人間」「親達が―無理想であつたばかりに/平凡(四迷)」
無教育な
むきょういく【無教育な】
uneducated;illiterate.→英和
無教養
むきょうよう [2] 【無教養】 (名・形動)[文]ナリ
知識・教養のない・こと(さま)。「―な振る舞い」
[派生] ――さ(名)
無数
むすう [2][0] 【無数】 (名・形動)[文]ナリ
数限りなく多いこと。数えきれないほどに多いこと。また,そのさま。「―の星」
無数の
むすう【無数の】
innumerable;→英和
countless.→英和
無敵
むてき [0][1] 【無敵】 (名・形動)[文]ナリ
相手となるものがないほどに強い・こと(さま)。「天下―の男」
[派生] ――さ(名)
無敵の
むてき【無敵の】
matchless;→英和
invincible.→英和
無敵艦隊
むてきかんたい 【無敵艦隊】
〔(スペイン) Armada Invencible〕
一六世紀後半,世界最強を誇ったスペイン艦隊。1588年フェリペ二世のとき,イギリス上陸を計画したが,ドーバー海峡でイギリス艦隊に大敗。以後スペインの大西洋支配が揺らぐ契機となった。アルマダ。
無文
むもん [1][0] 【無文】
(1)模様がついていないこと。布地で,柄や地紋のないこと。無地。「―土器」
(2)能で,一見無技巧で平凡に見えるが,味わい深い芸。
(3)和歌・連歌・俳諧で,飾りのない平淡な表現であること。また,詩情の深さがない表現であること。そのような歌や句をもいう。「―なる歌のさはさはと読みて/毎月抄」
⇔有文
無料
むりょう [0] 【無料】
料金のいらないこと。ただ。
⇔有料
「―サービス」「入場―」
無料の
むりょう【無料の】
free (of charge).→英和
〜で free;gratis;→英和
for nothing (無報酬で).‖無料乗車(入場)券 a pass.入場無料 admission free.
無断
むだん [0] 【無断】
許しを得ないこと。ことわらないこと。「―で他人の物を借りる」「―欠勤」
無断で
むだん【無断で】
[無届]without notice;without permission[leave](無許可).‖無断欠席[欠勤]absence without notice[leave].
無方針である
むほうしん【無方針である】
have no (fixed) plan[policy,principle].
無明
むみょう [0][1] 【無明】
〔仏〕
〔梵 avidyā〕
真理に暗いこと。根源的な無知。人間などのもつ欲望や執着心などの諸煩悩(ボンノウ)の根本にあるもの。十二因縁の第一。また,天台でいう三惑の一。
無明の眠り
むみょうのねむり 【無明の眠り】
〔仏〕 迷いの覚めない状態を眠りにたとえていう語。
無明の酒
むみょうのさけ 【無明の酒】
邪見妄執のために一切諸法の真理を知ることのできない俗念を酒にたとえていう語。「―の酔ひ心/謡曲・紅葉狩」
無明の闇
むみょうのやみ 【無明の闇】
〔仏〕 悟ることのない状態を闇夜にたとえていう語。無明長夜。
無明世界
むみょうせかい [4] 【無明世界】
〔仏〕 煩悩(ボンノウ)にとらわれた迷いの世界。うき世。しゃば。
無明長夜
むみょうぢょうや [4] 【無明長夜】
無明にとらわれて,真理に目覚めがたいことを,長い夜にたとえた語。「―の夢を驚かして/太平記 15」
無智
むち [1] 【無知・無智】 (名・形動)[文]ナリ
(1)何も知らないこと。知識がないこと。また,そのさま。「―につけ込む」「―をさらけ出す」
(2)学問のないこと。無学。
(3)知恵がないこと。おろかなこと。また,そのさま。「―な顔つき」
無月
むげつ [1] 【無月】
空が曇って月が見えないこと。特に,陰暦八月一五日の月についていう。[季]秋。
→雨月(ウゲツ)
無月経
むげっけい [2] 【無月経】
月経周期が一回以上欠落すること。生理的なものと病的なものがある。
無有
むう [1] 【無有】
無と有。ないこととあること。有無。
無服の殤
むぶくのしょう 【無服の殤】
七歳以下の子供の死。父母が喪に服さないことからいう。
無期
むき [1] 【無期】
期限を定めないこと。
⇔有期
「―延期」「―懲役」「―停学」
無期
むご 【無期】 (名・形動ナリ)
(1)長くその状態が続いていること。久しいさま。「いと恋しきに,見でや―にあらむ/宇津保(楼上・下)」
(2)いつと期限のないこと。いつ終わるともわからないさま。「いかにぞ,事成りぬやと言へば,まだ―などいらへ/枕草子 222」
(3)長い時間がたったこと。「すべなくて,―ののちに/宇治拾遺 1」
無期の
むき【無期の】
indefinite.→英和
‖無期延期 indefinite postponement.無期懲役 life imprisonment.
無期公債
むきこうさい [3] 【無期公債】
⇒永久公債(エイキユウコウサイ)
無期刑
むきけい [2] 【無期刑】
終身拘禁を内容とする自由刑。10年経過後,仮出獄もありうる。無期禁錮と無期懲役がある。
⇔有期刑
無期年金
むきねんきん [3] 【無期年金】
期限を限定せず,受取人の生存中継続して支給される年金。
→有期年金
無期延期
むきえんき [1] 【無期延期】
期日を定めずに延期すること。
無期限
むきげん [2] 【無期限】
期限のないこと。期限を定めないこと。「―スト」
無期限の
むきげん【無期限の】
indefinite.→英和
〜に for an indefinite period.‖無期限スト a strike for an indefinite period.
無札
むさつ [0] 【無札】
入場券や乗車券などの切符を持っていないこと。「―乗車」
無条件
むじょうけん [2] 【無条件】
何の条件もつけないこと。「―で承諾する」
無条件の
むじょうけん【無条件の】
unconditional <surrender> ;→英和
unqualified <endorsement> .→英和
〜で unconditionally;→英和
without reservation.
無条件反射
むじょうけんはんしゃ [6] 【無条件反射】
動物の個体に固有な先天的反射。脊髄反射・食餌(シヨクジ)反射(唾液や胃液の分泌)など。反射。
⇔条件反射
無条件降伏
むじょうけんこうふく [6] 【無条件降伏】
(1)交戦中の軍隊・艦隊または国が,兵員・兵器などの一切を無条件で敵にゆだねて降伏すること。
(2)交戦国の一方が一定の降伏条件を無条件に受諾して降伏すること。
無根
むこん [0] 【無根】
根拠とする事実のないこと。「事実―」
無根の
むこん【無根の】
groundless;→英和
unfounded.→英和
無格好な
ぶかっこう【無格好な】
unshapely;ill-shaped;awkward;→英和
clumsy.→英和
無格社
むかくしゃ [3][2] 【無格社】
旧社格の一。村社の下に位する,社格のない神社。
無案内
ぶあんない [2] 【無案内・不案内】 (名・形動)[文]ナリ
「ふあんない(不案内)」に同じ。
無業
むぎょう [0] 【無業】
職業についていないこと。無職。
無極
むごく [1] 【無極】 (名・形動ナリ)
この上もない・こと(さま)。無上至極。「神力―の阿弥陀は/浄土和讃」
無極
むきょく [1] 【無極】 (名・形動)[文]ナリ
(1)果てのないこと。きわまりのないこと。そのさま。「美なる,―なる,不則なる自然よ/欺かざるの記(独歩)」
(2)〔周敦頤(シユウトンイ)「太極(タイキヨク)図説」の「無極而太極」から〕
宋学で,宇宙の本体である太極の無限定性を示した語。
(3)電極が存在しないこと。「―結合」
無様
ぶざま [1][0] 【無様・不様】 (名・形動)[文]ナリ
体裁が悪いこと。やり方が見苦しいこと。また,そのさま。「―な恰好(カツコウ)で人前に出る」「―な負け方」
[派生] ――さ(名)
無様な
ぶざま【無様な】
ungainly;→英和
untidy;→英和
clumsy.→英和
無標
むひょう [0] 【無標】
〔unmarked〕
音声・文法・語彙における性質の一。複数の言語的単位が同じか同種のものごとを表すときに,ふつうに使われ,ある特徴を積極的に表さないこと。無徴。
→有標
無権代理
むけんだいり [4] 【無権代理】
代理権のない者が代理人として法律行為をすること。原則として,本人の追認がないかぎり有効な代理にならない。
無機
むき [1] 【無機】
無機化学・無機化合物・無機物などの略。
⇔有機
無機の
むき【無機の】
inorganic <substance> .→英和
無機化学 inorganic chemistry.無機化合物 an inorganic compound.
無機化合物
むきかごうぶつ [4] 【無機化合物】
炭素以外の元素の化合物,および一酸化炭素・二酸化炭素・炭酸塩などの簡単な炭素化合物の総称。
⇔有機化合物
無機化学
むきかがく [3] 【無機化学】
すべての化学元素・単体ならびに無機化合物を研究対象とする化学の一分野。
⇔有機化学
無機塩類
むきえんるい [3] 【無機塩類】
(1)無機酸の水素を金属で置換してできる塩。塩化ナトリウム・炭酸カルシウムなど。
(2)無機質のこと。
無機栄養
むきえいよう [3] 【無機栄養】
無機物から有機物を合成する栄養形式。光合成・化学合成を行う生物がこれにあたる。自主栄養。自養。独立栄養。
⇔有機栄養
無機物
むきぶつ [2] 【無機物】
有機物を除いたすべての物質。金属・塩類・水,水素・酸素・窒素などの各種の気体。無機物質。
⇔有機物
無機的
むきてき [0] 【無機的】 (形動)
無機物のように,生命の感じられないさま。また,温かみのないさま。「―なデザイン」
無機繊維
むきせんい [3] 【無機繊維】
無機物から成る繊維。ガラス繊維・岩石繊維など。耐熱・防温などに用いる。
無機肥料
むきひりょう [3] 【無機肥料】
⇒無機質肥料(ムキシツヒリヨウ)
無機質
むきしつ [2] 【無機質】
(1)鉱物の性質をもつこと。また,そのもの。生物が関与する以前に存在する物質。
→無機物
(2)栄養素として生体維持に不可欠の元素,またそれらの塩(エン)。炭素・酸素・水素・窒素以外の,カルシウム・マグネシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・鉄・銅・亜鉛などの類。ミネラル。
無機質肥料
むきしつひりょう [5] 【無機質肥料】
無機質の成分からできている肥料。硫安・過リン酸石灰・塩化カリなどの化学肥料と草木灰など。無機肥料。
⇔有機質肥料
無機酸
むきさん [2] 【無機酸】
塩素・硫黄・窒素・リンなどの炭素以外の非金属を含む酸の総称。塩酸・硫酸・硝酸・リン酸など。炭酸は炭素を含んでいるが,普通,無機酸に含める。古来,鉱物から得られたので鉱酸ともいう。
⇔有機酸
無機顔料
むきがんりょう [3] 【無機顔料】
無機物質を発色成分とする顔料。金属の酸化物を利用したものが多い。一般に有機顔料に比べて,鮮やかさは劣るが耐久性がある。べんがら・黄鉛・紺青・朱など。
無機高分子
むきこうぶんし [5] 【無機高分子】
炭素以外の元素の原子が共有結合によって繰り返し結合してできた高分子化合物の総称。ケイ酸塩鉱物やシリコーンはその例。
無欠
むけつ [0] 【無欠】
欠けたところのないこと。欠点のないこと。「完全―」
無欠席である
むけっせき【無欠席である】
have never been absent <from> ;be regular in one's attendance <at> .
無欲
むよく [1] 【無欲・無慾】 (名・形動)[文]ナリ
欲がないこと。あれこれ欲しがらないこと。また,そのさま。「金に―な人」「―の勝利」
無欲
むよく【無欲】
disinterestedness.→英和
〜な disinterested;→英和
unselfish.→英和
無欲恬淡
むよくてんたん [1] 【無欲恬淡】 (名・形動)
欲がなく,物に執着しない・こと(さま)。
無死
むし [1] 【無死】
野球で,ノー-アウトのこと。「―満塁」
無死満塁
むしまんるい【無死満塁】
《野》no out,bases loaded.
無残
むざん [1] 【無慚・無惨・無残】 (名・形動)[文]ナリ
(1)〔仏〕 戒律を破りながら心に恥じない・こと(さま)。「放逸―」「破戒―」
(2)(仕打ちが)残酷なこと。乱暴なこと。また,そのさま。「二人の仲を―に引き裂く」
(3)気の毒なこと。いたましいこと。また,そのさま。「夢は―にもついえた」
[派生] ――さ(名)
無残な
むざん【無残な(にも)】
cruel(ly);→英和
merciless(ly);→英和
ruthless(ly);→英和
miserable(-bly).→英和
無毒
むどく [1] 【無毒】
毒がないこと。また,そのもの。
無毒な
むどく【無毒な】
poisonless.
無比
むひ [1] 【無比】 (名・形動)[文]ナリ
比べるものがない・こと(さま)。無二。無双。「強烈―」「正確―の時計」「痛快―の時代劇」
無比の
むひ【無比の】
unequaled;matchless;→英和
unparalleled;→英和
unique.→英和
無毛症
むもうしょう [0] 【無毛症】
発毛すべき部分,特に陰部に毛がないか発毛不全の状態。
無気力
むきりょく [2] 【無気力】 (名・形動)[文]ナリ
気力のないこと。進んで何かをしようとする意欲のないこと。また,そのさま。「―から立ち直る」「―な負け方」
[派生] ――さ(名)
無気力な
むきりょく【無気力な】
spiritless;→英和
inactive;→英和
lazy.→英和
無気力症
むきりょくしょう [0] 【無気力症】
〔心〕 勉学や仕事などへの意欲が乏しく,無気力な状態。アパシー。
無気味
ぶきみ [0][1] 【不気味・無気味】 (形動)[文]ナリ
何となく不安で恐ろしいさま。気味の悪いさま。「―な笑い」「―に静まりかえる」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――さ(名)
無気味な
ぶきみ【無気味な】
weird;→英和
uncanny;→英和
ominous (不吉な).→英和
無気呼吸
むきこきゅう [3] 【無気呼吸】
酸素がない状態での呼吸。アルコール発酵や筋肉内での解糖などがその例で,酸素呼吸に比べてエネルギーの獲得効率が小さい。無酸素呼吸。
⇔酸素呼吸
無気噴射
むきふんしゃ [3] 【無気噴射】
ディーゼル機関の燃料噴射の一方式。燃料のみを直接ノズルからシリンダー内に高圧で噴射し,霧化するもの。無気噴油。
無気肺
むきはい [2] 【無気肺】
気管支閉塞により,末梢の細気管支・肺胞が換気されず,収縮して空気がなくなった状態。
無気音
むきおん [2] 【無気音】
閉鎖を開放する際に,気息を伴わない子音。例えば,日本語では「シカ(鹿)」のカが無気音であるのに対し,語頭に立つ「カタ(肩)」のカは有気音となる。
⇔有気音
無水
むすい [0][1] 【無水】
(1)水分がないこと。水気がないこと。
(2)結晶水を含まないこと。
(3)オキソ酸から水分子が除かれた形の分子であること。酸性酸化物であること。
(4)二個のカルボキシル基が脱水縮合した構造をもつこと。
無水アルコール
むすいアルコール [4] 【無水―】
水を含まないアルコール。
無水亜砒酸
むすいあひさん [5] 【無水亜砒酸】
三酸化二ヒ素の別名。硫ヒ鉄鉱などを空気中で焼いてつくる。白色粉末状の結晶。化学式 As�O� 有毒。殺虫・殺鼠剤,医薬,ガラスの脱色などに用いる。三酸化二ヒ素製造(亜ヒ焼き)による慢性中毒を引き起こした例として,宮崎県の土呂久鉱毒事件などがある。
無水亜硫酸
むすいありゅうさん [5] 【無水亜硫酸】
二酸化硫黄の別名。
無水炭酸
むすいたんさん [4] 【無水炭酸】
⇒二酸化炭素(ニサンカタンソ)
無水炭酸ソーダ
むすいたんさんソーダ [8] 【無水炭酸―】
⇒無水炭酸(ムスイタンサン)ナトリウム
無水炭酸ナトリウム
むすいたんさんナトリウム [10] 【無水炭酸―】
加熱により結晶水を失った炭酸ナトリウム。工業用粗製品は灰白色の粉末。無水炭酸ソーダ。
→ソーダ灰
無水燐酸
むすいりんさん [4] 【無水燐酸】
五酸化二リンの別名。
無水物
むすいぶつ [2] 【無水物】
化合物から水分子を除いてできるもの。カルボン酸の無水物は酸無水物という。これらは水と反応してもとの物質に戻る。また,結晶水をもつ塩に対して結晶水をもたない塩。
無水珪酸
むすいけいさん [4] 【無水珪酸】
二酸化ケイ素の別名。
無水硫酸
むすいりゅうさん [4] 【無水硫酸】
三酸化硫黄の別名。
無水酢酸
むすいさくさん [4] 【無水酢酸】
酢酸二分子が脱水縮合してできる有機化合物。化学式(CH�CO)�O 酢酸の蒸気を高温で適当な触媒の上に通して得る。無色,刺激臭のある中性の液体。皮膚に触れると火傷(ヤケド)を起こす。水と反応して酢酸となる。化学工業上,重要な原料。
無水鍋
むすいなべ [4] 【無水鍋】
厚手の調理鍋。密閉され,熱が内面全体から伝わり,蒸気が対流するので水を加えないで調理することができる。
無汗症
むかんしょう [0] 【無汗症】
汗をかくべき環境下でも発汗が全く見られない症状。汗の分泌や排出の障害による。
無沙汰
ぶさた【無沙汰】
a long silence.⇒御無沙汰.
無沙汰
ぶさた [0] 【無沙汰・不沙汰】 (名・形動)スル[文]ナリ
(1)久しくたよりや訪問をしないこと。無音。「―をわびる」「御―しました」
(2)しかるべき挨拶(アイサツ)のないこと。ことわりなしに物事を行うこと。「自己に―で価を付けた/怪談牡丹灯籠(円朝)」
(3)しかるべき処置をしないこと。「是を―にて閣(サシオ)かば/太平記 33」
(4)注意を怠ること。油断すること。「あら―の宮守どもや/謡曲・蟻通」
(5)おろそかにすること。粗略に扱うこと。「母を―に扱ひ申さん事もや候はんと思ひ/御伽草子・蛤」
(6)関心を払わないこと。事情にうといこと。「世間の事は無下に―なり/沙石 5」
無法
むほう【無法】
[不法]injustice;→英和
[乱暴]violence;→英和
outrage.→英和
〜な[不法]unjust;→英和
unlawful;→英和
wrong;→英和
outrageous (乱暴);→英和
unreasonable (法外).→英和
‖無法者 an outlaw.
無法
むほう [0] 【無法】 (名・形動)[文]ナリ
(1)法が無視されていること。「―地帯」
(2)法にそむいていること。乱暴で道理に合わないこと。むちゃなこと。また,そのさま。「―の振る舞い」「―なやり方」
(3)程度を超えている・こと(さま)。むちゃくちゃ。「―に暑うございましたが/天うつ浪(露伴)」
[派生] ――さ(名)
無法者
むほうもの [0] 【無法者】
法を無視する者。乱暴で無茶をする者。
無派
むは [1] 【無派】
どの派閥にも属していないこと。無派閥。「無党―」
無涯
むがい [0] 【無涯】
はてしのないこと。限りのないこと。
無添加
むてんか [2] 【無添加】
防腐剤・着色剤などの添加物を加えていないこと。「―食品」
無添加食品
むてんか【無添加食品】
additive-free foods.
無漏
むろ [1] 【無漏】
〔仏〕
〔「漏」は煩悩(ボンノウ)のこと〕
悟りが開け,迷いや欲望がなくなったこと。
⇔有漏(ウロ)
無漏智
むろち [2] 【無漏智】
〔仏〕 すべての煩悩(ボンノウ)を離れた聖人の智慧(チエ)。
⇔有漏智(ウロチ)
無漏法
むろほう [2] 【無漏法】
〔仏〕
(1)煩悩(ボンノウ)をもたない存在。真如(シンニヨ)。
⇔有漏法(ウロホウ)
(2)仏法の別称。
(3)煩悩の消滅と悟りの出現を説明する滅と道の二諦(ニタイ)。
⇔有漏法
無漏路
むろじ [2] 【無漏路】
〔仏〕 煩悩(ボンノウ)から離れた清浄の境地。
⇔有漏路(ウロジ)
無漏道
むろどう [2] 【無漏道】
〔仏〕 煩悩(ボンノウ)を離れた清らかな智慧(チエ)を得た存在である聖者の行う修行。煩悩を根本的に断ち切るために行う。
⇔有漏道(ウロドウ)
無潮
ぶしお 【無潮】 (名・形動ナリ)
愛想がないこと。風情がないこと。また,そのさま。「問へど答へぬその気色は,―にこそは見えにけれ/仮名草子・竹斎」
無灯
むとう [0] 【無灯】
灯火がないこと。また,灯火をつけないこと。無灯火。
無灯火
むとうか [2] 【無灯火】
「無灯」に同じ。「―の自転車」
無点
むてん [0] 【無点】
■一■ (名)
(1)漢文に訓点がついていないこと。また,その漢文。
(2)詩歌・俳諧などに添削や評点が加えられていないこと。また,そのもの。
■二■ (名・形動)
わけのわからないこと。はっきり理解できないこと。また,そのさま。無点法。「―ナヒト,―ナコトヲユウ/日葡」
無点本
むてんぼん [0] 【無点本】
訓点のついていない本。素本(スホン)。
⇔点本
無点法
むてんぽう [0] 【無点法】
無点の漢籍を読むように,物事がはっきりしないこと。無点。
無為
むい【無為】
idleness;inaction.→英和
〜の生活(を送る) (live,lead) an idle life.
無為
むい [1] 【無為】 (名・形動)[文]ナリ
(1)あるがままにして作為しない・こと(さま)。ぶい。「―渾沌(コントン)にして人事少なき世に在(アリ)ては/文明論之概略(諭吉)」
→無為自然
(2)何もせずぶらぶらしている・こと(さま)。「―徒食」「―無策」「毎日を―に過ごす」「―な日常生活」
(3)〔仏〕 因果関係に支配される世界を超えて,絶対に生滅変化することのないもの。すなわち,涅槃(ネハン)・真如(シンニヨ)といった仏教の絶対的真理のこと。無為法。ぶい。
⇔有為(ウイ)
無為
ぶい [1] 【無為】 (名・形動ナリ)
(1)「むい(無為){(1)}」に同じ。「―を業とし,無事を事とす/太平記 1」
(2)「ぶい(無異)」に同じ。「天下久しく―なるまじき表示なりけり/太平記 12」
(3)〔仏〕「むい(無為){(3)}」に同じ。「恩を棄てて―に入る道も/太平記 10」
無為徒食
むいとしょく ムヰ― [1] 【無為徒食】 (名)スル
働かないでぶらぶらと遊び暮らすこと。「―の輩(ヤカラ)」
無為替輸出入
むがわせゆしゅつにゅう ムガハセユシユツニフ [7] 【無為替輸出入】
為替の取り組みを伴わない輸出と輸入。商品見本・贈与品・救援品など無償の輸出入。
無為法
むいほう ムヰホフ [0][2] 【無為法】
⇒無為(ムイ)(3)
無為無策
むいむさく ムヰ― [1] 【無為無策】
計画が何もないこと。また,何の対策もたてられず,ただ手をこまぬいていること。
無為自然
むいしぜん ムヰ― [1] 【無為自然】
老荘思想の基本的立場を表した語。人為的な行為を排し,宇宙のあり方に従って自然のままであること。
無煙
むえん [0] 【無煙】
煙の出ないこと。
無煙の
むえん【無煙の】
smokeless.→英和
無煙炭 smokeless coal.
無煙火薬
むえんかやく [4] 【無煙火薬】
発射薬・推進薬として用いられるニトログリセリン・硝酸セルロースなどの硝酸エステル系の火薬。黒色火薬に比べ,発煙量が少ない。
無煙炭
むえんたん [0] 【無煙炭】
炭化の最も進んだ石炭。黒色で硬く,金属光沢がある。火力が強く,ほとんど無煙で燃焼。
無熱
むねつ [0] 【無熱】
体温が平常であること。熱がないこと。
無熱悩池
むねつのうち ムネツナウ― [4] 【無熱悩池】
阿耨達池(アノクダツチ)の別名。
無燐洗剤
むりんせんざい [4] 【無燐洗剤】
合成洗剤の補助成分であるリン酸塩をケイ酸塩などに置き換えたもの。生活排水に含まれるリンによる湖沼・内湾などの富栄養化を抑制する目的で普及した。
無爵
むしゃく [0] 【無爵】
爵位をもっていないこと。
無状
むじょう [0] 【無状】 (名・形動)[文]ナリ
(1)取り立てていうほどの善行や功績のないこと。
(2)礼儀に欠けている・こと(さま)。無礼。「奴輩(ドハイ)何ぞ―なる/佳人之奇遇(散士)」
無理
むり [1] 【無理】 (名・形動)スル [文]ナリ
(1)道理に反すること。筋道の通らないこと。また,そのさま。「―を通す」「―な言い分」「怒るのも―はない」「―からぬこと」
(2)行うのがむずかしい・こと(さま)。「―な注文を出す」「子供には―な仕事」
(3)困難を承知で強引に行う・こと(さま)。「―に詰め込む」「―することはない」「―がきかない」「―がたたる」
無理からぬ
むりからぬ [4] 【無理からぬ】 (連体)
無理ではない。もっともな。「―要求」
〔形容詞「よい」の打ち消しの言い方「よからぬ」などに類推して,形容詞ではない「無理」に「からぬ」を付けてできた語〕
無理な
むり【無理な】
[不条理な]unreasonable;→英和
unjust;→英和
impossible (不可能な);→英和
unnatural (不自然な);→英和
excessive (過度の).→英和
〜のない reasonable;→英和
natural.→英和
〜に by force.〜をする overwork (oneself).→英和
‖無理心中 a forced double suicide.無理数《数》an irrational number.無理難題(を言う) (make) an unreasonable demand.無理方程式《数》an irrational equation.
無理圧状
むりおうじょう [3] ―アフジヤウ 【無理圧状】 ・ ―ワウジヤウ 【無理往生】 (名・形動)
威圧して無理に自分に従わせる・こと(さま)。「連出して―に納得させる計(ハカリゴト)だな/金色夜叉(紅葉)」
無理式
むりしき [2] 【無理式】
〔数〕 有理式でない代数式。式を整理したとき,根号の中に文字を含む代数式。
⇔有理式
無理強い
むりじい [0][3] 【無理強い】 (名)スル
相手の嫌がることを強いてさせること。強制。「酒を―する」
無理強いする
むりじい【無理強いする】
force[compel] <a person> <to do> .→英和
無理往生
むりおうじょう [3] ―アフジヤウ 【無理圧状】 ・ ―ワウジヤウ 【無理往生】 (名・形動)
威圧して無理に自分に従わせる・こと(さま)。「連出して―に納得させる計(ハカリゴト)だな/金色夜叉(紅葉)」
無理心中
むりしんじゅう [3] 【無理心中】 (名)スル
無理やり心中すること。死ぬつもりのない相手を殺して自分も死ぬこと。
無理押し
むりおし [0] 【無理押し】 (名)スル
物事を強引に押し進めること。強行すること。ごりおし。「―して感応寺に行かるる心か/五重塔(露伴)」
無理数
むりすう [2][3] 【無理数】
〔数〕 実数のうち有理数でない数。すなわち分数の形で表すことのできない数。� やπ(円周率),自然対数の底 � など。
⇔有理数
無理方程式
むりほうていしき [5] 【無理方程式】
〔数〕 未知数に関する無理式を含む方程式。
無理無体
むりむたい [1] 【無理無体】 (名・形動)[文]ナリ
相手の意向にさからって,強引に行う・こと(さま)。「―な要求」「いやがるものを―にやらせる」
[派生] ――さ(名)
無理矢理
むりやり [0] 【無理矢理】 (副)
〔「矢理」は当て字〕
実現のむずかしいことや,相手の嫌がることを強引に行うさま。しいて。「―(に)薬を飲ませる」「―連れて行く」
無理算段
むりさんだん [1][3] 【無理算段】 (名)スル
苦しいやりくりをしてなんとか融通をつけること。「―して金をつくる」
無理解
むりかい [2] 【無理解】 (名・形動)[文]ナリ
(相手の気持ちなどを)理解しない・こと(さま)。「周囲の―に悩む」「―な人々」
[派生] ――さ(名)
無理解
むりかい【無理解】
lack of understanding.〜な unsympathetic (同情のない).
無理関数
むりかんすう [3] 【無理関数】
〔数〕 変数の無理式で表される関数。
無理難題
むりなんだい [1] 【無理難題】
無理な言いがかり。実現がとうてい不可能な要求。「―をふっかける」
無理頼み
むりだのみ [3] 【無理頼み】 (名)スル
無理に頼むこと。
無瑕
むか [1] 【無瑕】
傷がないこと。むきず。「わがまことに愛づるは―の美玉にこそ/即興詩人(鴎外)」
無生
むしょう [0] 【無生】
〔仏〕 物事の真の姿は空であるから,何物も生じることがなく,また滅することもないということ。
→空(クウ)
無生
むせい [0] 【無生】
〔inanimate〕
語の意味の特徴の一。生命を持たないもののこと。物や抽象概念など。
無生忍
むしょうにん [0] 【無生忍】
〔仏〕
(1)事物は本来,生ずることも滅することもないという真理を知ること。
(2)浄土真宗では{(1)}のほかに,信心の確定する状態。また,その人の意にもいう。
無生物
むせいぶつ【無生物】
an inanimate object;a lifeless thing.
無生物
むせいぶつ [2] 【無生物】
生命がなく,生活機能をもたないもの。水や石など。
無産
むさん [0] 【無産】
(1)職業のないこと。無職。
(2)財産のないこと。資産のないこと。
⇔有産
(3)「無産階級」の略。
無産大衆党
むさんたいしゅうとう 【無産大衆党】
1928年(昭和3)鈴木茂三郎を書記長として結成された労農派を中心とする無産政党。
無産政党
むさんせいとう [4] 【無産政党】
無産階級の利益を代表する合法的な政党。特に,普通選挙法が成立して以後の日本で,共産党を除く社会主義および社会民主主義政党を総称していう。
無産者
むさんしゃ [2] 【無産者】
無産階級に属する人。
無産者新聞
むさんしゃしんぶん 【無産者新聞】
第二次大戦前の日本共産党の合法的機関紙。1925年(大正14)9月創刊。中国革命への干渉反対などを掲げ,労働運動・農民運動の指導に大きな役割を果たしたが,たびたび発禁処分を受け,32年(昭和7)廃刊,「赤旗(セツキ)」に統合された。
無産運動
むさんうんどう [4] 【無産運動】
無産者の解放・地位向上を目的とした運動。
無産階級
むさん【無産階級】
the proletariat;proletarians.無産党 a proletarian party.
無産階級
むさんかいきゅう [4] 【無産階級】
生産手段をもたず,自らの労働によって得た賃金で生活している階級。無産者階級。プロレタリアート。
⇔有産階級
無用
むよう【無用】
uselessness (役に立たぬ).〜の useless;→英和
[不要の]unnecessary;→英和
needless.→英和
心配〜である need not worry.‖無用の長物 a useless thing;a white elephant.無用の者入るべからず <掲示> No Admittance Except on Business.通り抜け無用 <掲示> No Thoroughfare.
無用
むよう [0][1] 【無用】 (名・形動)[文]ナリ
(1)役に立たないこと。
⇔有用
「―の物」
(2)用事のないこと。「―の者入るべからず」
(3)必要ないこと。いらないこと。また,そのさま。「心配―」「問答―」「他言は―に願います」「―な心配をかける」
(4)他の語に付いて,してはいけない意を表す。「天地―」「落書き―」
無用の用
むようのよう 【無用の用】
〔荘子(人間世)〕
一見,何の役にも立たないようにみえるものが,かえって大切な役割を果たしていること。不用の用。
無用の長物
むようのちょうぶつ [0][5] 【無用の長物】
あっても役に立たず,かえってじゃまになるもの。
無用心
ぶようじん [2] 【不用心・無用心】 (名・形動)[文]ナリ
用心が悪いこと。災害や危険に対する備えが足りないこと。また,そのさま。「留守がちでは―だ」
無用心な
ぶようじん【無用心な】
dangerous;→英和
careless (不注意).→英和
無畏
むい [1] 【無畏】
仏・菩薩のそなえる徳の一。智慧(チエ)があるため,教えを説くときに自信にあふれ何ものも怖れないこと。無所畏(ムシヨイ)。
→四無畏
無畏施
むいせ ムヰ― [1] 【無畏施】
〔仏〕 三施の一。菩薩が衆生(シユジヨウ)を恐怖から解放してやること。
無畜
むちく [0] 【無畜】
家畜をもっていないこと。「―農家」
無異
ぶい [1] 【無異】 (名・形動)[文]ナリ
異状がなく無事である・こと(さま)。無為(ブイ)。「―に帰国に至りしは/社会百面相(魯庵)」
無疵
むきず [1] 【無傷・無疵】 (名・形動)
(1)きずがない・こと(さま)。「―の茶碗」「大事故にあって―で助かる」
(2)罪・欠点・失敗などがない・こと(さま)。「今回の汚職事件で―の議員は一人もいない」「―の一〇連勝」
無病
むびょう [1] 【無病】
病気をしないこと。たっしゃ。
無病息災
むびょうそくさい [1] 【無病息災】
病気をせず健康であること。
無病息災で
むびょうそくさい【無病息災で】
be very fine.
無痛
むつう [0] 【無痛】
痛みがないこと。
無痛の
むつう【無痛の】
painless.→英和
無痛分娩 painless delivery.
無痛分娩
むつうぶんべん [4] 【無痛分娩】
出産時の苦痛を緩和または除去して分娩すること。麻酔剤を用いる方法と心理的に恐怖を除いて苦痛をやわらげる方法(精神予防性無痛分娩)がある。
無益
むえき [1] 【無益】 (名・形動)[文]ナリ
利益にならないこと。無駄なこと。また,そのさま。むやく。
⇔有益
「―な争い」「―な殺生」
[派生] ――さ(名)
無益
むえき【無益】
⇒無駄.
無益
むやく [1] 【無益】 (名・形動)[文]ナリ
「むえき(無益)」に同じ。「―な叩頭(オジギ)の一つも為ねばならぬ/いさなとり(露伴)」
無益し
むやく・し 【無益し】 (形シク)
しゃくだ。口惜しい。「大かたは機嫌とりて―・しき事も程すぎて/浮世草子・一代男 2」
無目
むめ [1] 【無目】
敷居・鴨居(カモイ)で溝のないもの。ぬめ。「―敷居」
無目堅間
まなしかたま 【無目堅間・無目籠】
目を細かく堅く編んだ竹籠。まなしかつま。「―の小船を作りて/日本書紀(神代下訓)」
無目的
むもくてき [2] 【無目的】 (名・形動)
はっきりした目的をもたない・こと(さま)。
[派生] ――さ(名)
無目籠
まなしかたま 【無目堅間・無目籠】
目を細かく堅く編んだ竹籠。まなしかつま。「―の小船を作りて/日本書紀(神代下訓)」
無相
むそう [0] 【無相】
〔仏〕
(1)事物や現象が存在しないということ。非存在性。
(2)すべての事物・現象は本来空(クウ)で,固定した姿をもたないこと。
⇔有相(ウソウ)
(3)すべての執着を離れた境地。
無相無念
むそうむねん [0] 【無相無念】
〔仏〕 仏の真の姿には形もなければ,心の動きもないこと。
無相離念
むそうりねん [4] 【無相離念】
〔仏〕 諸法の無相を観じて,煩悩(ボンノウ)・妄念(モウネン)を離れること。
無着
むじゃく ムヂヤク 【無着】
〔梵 Asanṅga〕
(310頃-390頃) インド大乗仏教の論師。世親(セシン)の兄。北インドのガンダーラ出身。初め上座部(小乗)系の化地部(ケジブ)の僧であったが,弥勒(ミロク)(マイトレーヤ)の教えを受けて大乗に転じ,唯識説を体系化した。著「摂大乗論」「金剛般若経論」「順中論」など。
無着
むじゃく [0][1] 【無着】
〔仏〕 執着しないこと。無執。
無着陸
むちゃくりく [3][2] 【無着陸】
航空機が目的地に着くまで途中で一度も着陸しないこと。「―飛行」
無着陸飛行
むちゃくりく【無着陸飛行】
a nonstop flight.〜飛行する fly nonstop <to> .
無矛盾性
むむじゅんせい [0] 【無矛盾性】
〔consistency〕
ある公理系において,どの論理式についても,それとその否定とが同時には証明できないこと。整合性。健全性。
無知
むち【無知】
ignorance;→英和
stupidity (おろかさ).〜な ignorant;→英和
stupid.→英和
⇒無学.
無知
むち [1] 【無知・無智】 (名・形動)[文]ナリ
(1)何も知らないこと。知識がないこと。また,そのさま。「―につけ込む」「―をさらけ出す」
(2)学問のないこと。無学。
(3)知恵がないこと。おろかなこと。また,そのさま。「―な顔つき」
無知文盲
むちもんもう [1] 【無知文盲】
知識・学問のないこと。文字が読めないこと。また,その人。
無知蒙昧
むちもうまい [1] 【無知蒙昧】 (名・形動)[文]ナリ
愚かで道理にくらい・こと(さま)。「―の徒」「―な人間」
無碍
むげ [1] 【無碍・無礙】 (名・形動ナリ)
何ものにも妨げられないこと。何の障害もないこと。また,そのさま。「融通―」「念仏者は―の一道なり/歎異抄」
無碍光
むげこう [2] 【無碍光・無礙光】
〔仏〕 仏の発する智慧や救済力の光が,何物にも遮られないこと。一般には,阿弥陀仏の光明についていう。
→十二光
無碍光仏
むげこうぶつ [3] 【無碍光仏】
阿弥陀仏の異名。
無礙
むげ [1] 【無碍・無礙】 (名・形動ナリ)
何ものにも妨げられないこと。何の障害もないこと。また,そのさま。「融通―」「念仏者は―の一道なり/歎異抄」
無礙光
むげこう [2] 【無碍光・無礙光】
〔仏〕 仏の発する智慧や救済力の光が,何物にも遮られないこと。一般には,阿弥陀仏の光明についていう。
→十二光
無礼
なめ [0] 【無礼】 (形動)[文]ナリ
〔形容詞「なめし」の語幹から〕
無礼なさま。「されど―なる言葉を咎め玉はず/うたかたの記(鴎外)」
無礼
むらい 【無礼】
礼儀にはずれていること。ぶれい。「ひと夜の―はありもやしけむ/宇津保(嵯峨院)」
無礼
ぶれい [1][2] 【無礼】 (名・形動)[文]ナリ
礼儀にはずれる・こと(さま)。失礼。ぶらい。「―者」「―な奴だ」「―を働く」
[派生] ――さ(名)
無礼
ぶれい【無礼】
impoliteness;→英和
rudeness;→英和
insolence (ごう慢).→英和
〜な(に) impolite(ly);→英和
rude(ly);→英和
insolent(ly).→英和
〜なことをする be rude <to a person> .〜にも…する be rude enough to do….
無礼し
なめ・し 【無礼し】 (形ク)
礼を欠いている。無礼である。無作法である。「いと―・しと思ひけれど心ざしはいやまさりけり/伊勢 105」
無礼気
なめげ 【無礼気】 (形動ナリ)
〔形容詞「なめし」の語幹に接尾語「げ」のついたもの〕
無礼なさま。無作法に見えるさま。「せばき所に侍れば―なる事や侍らむ/源氏(帚木)」
無礼講
ぶれいこう [0][2] 【無礼講】
身分・地位の上下などを考えないで,行う宴会。堅苦しい礼儀を抜きにして行う酒盛り。
無礼講にする
ぶれいこう【無礼講にする】
abandon all ceremony.
無神経
むしんけい [2] 【無神経】 (名・形動)[文]ナリ
他人に対する思いやりや気配りがない・こと(さま)。「―に大声を出す」「他人の気持ちに―な発言」
[派生] ――さ(名)
無神経
むしんけい【無神経】
insensibility;impudence (厚顔).→英和
〜な insensible <to> ;→英和
impudent;→英和
shameless (恥知らずの).→英和
無神論
むしんろん【無神論】
atheism.→英和
無神論者 an atheist.→英和
無神論
むしんろん [2] 【無神論】
〔atheism〕
(1)神の存在を一切否定する考え方。
⇔有神論
「―者」
(2)狭義の有神論,すなわち神は唯一絶対の人格として世界を超越するとする一神論・人格神論に対して,多神論・汎神論あるいは理神論などの神把握をいう。
無禄
むろく [1][0] 【無禄】
禄がないこと。
無私
むし [1] 【無私】 (名・形動)[文]ナリ
私心・私欲のない・こと(さま)。「公平―」「―の精神」「其徳の博きこと天日の無偏―なるが如く/獺祭書屋俳話(子規)」
無私の
むし【無私の】
selfless;→英和
disinterested.→英和
無私無偏
むしむへん [1] 【無私無偏】
私心・私欲がなく,公平なこと。
無秩序
むちつじょ【無秩序】
disorder;→英和
confusion.→英和
〜の disordered;→英和
confused.→英和
無秩序
むちつじょ [3][2] 【無秩序】 (名・形動)[文]ナリ
秩序のない・こと(さま)。「―に並ぶ」「―な社会」
[派生] ――さ(名)
無称光
むしょうこう [2] 【無称光】
〔仏〕 十二光の一。言葉では説き尽くせない阿弥陀仏の光明。
無称光仏
むしょうこうぶつ 【無称光仏】
阿弥陀仏の異名。
無税
むぜい [1] 【無税】
税金のかからないこと。また,税金をかけないこと。
⇔有税
無税の
むぜい【無税の】
(duty-)free;→英和
untaxed.無税(輸入)品 duty-free goods (imports).
無稽
むけい [0] 【無稽】 (名・形動)[文]ナリ
何らよりどころのないこと。でたらめであること。また,そのさま。不稽。「荒唐―」「或は―の不思議を唱へて/文明論之概略(諭吉)」
無窓
むそう [0] 【無窓】
(畜舎や鶏舎に)窓がないこと。
無窮
むぐう 【無窮】 (名・形動ナリ)
(1)「むきゅう(無窮)」に同じ。「大悲―の菩薩なり/盛衰記 18」
(2)「無窮(ムグウ)自在」に同じ。「虚空を相手に八方―請けつ流しつ斬り合ひしが/浄瑠璃・平家女護島」
無窮
むきゅう [0] 【無窮】 (名・形動)[文]ナリ
きわまりのない・こと(さま)。永遠。無限。「羅馬(ローマ)は…その―なる美術と共に,世界の民に崇められん/即興詩人(鴎外)」
無窮動
むきゅうどう [2] 【無窮動】
⇒常動曲(ジヨウドウキヨク)
無窮自在
むぐうじざい 【無窮自在】 (名・形動ナリ)
思いのままに振る舞う・こと(さま)。「ましてあらそふ者はなし。―に申なし安堵給はりくだりけり/幸若・信太」
無競争
むきょうそう [2] 【無競争】
候補者や受験者などが定員に満たないために,競争相手がいないこと。
無競争で当選する
むきょうそう【無競争で当選する】
be returned[elected]unopposed.
無筆
むひつ [1][0] 【無筆】
読み書きができないこと。無学。
無答
むとう [0] 【無答】
アンケートで,質問に対して回答がないこと。ノー-アンサー。
無答責
むとうせき [2] 【無答責】
責任をもたなくてよいこと。
無策
むさく [0] 【無策】
何の方策も対策もないこと。前もって何の策もたてていないこと。「無為―」
[派生] ――さ(名)
無策である
むさく【無策である】
be lacking in shifts (and devices);be without resources.
無算
むさん [0] 【無算】 (名・形動)[文]ナリ
(1)計算ができない・こと(さま)。[ヘボン]
(2)数えきれないほど数が多い・こと(さま)。「同盟兵の死傷―にして/経国美談(竜渓)」
(3)考えが浅い・こと(さま)。無謀。
無算当
むさんとう [2] 【無算当】 (名・形動)[文]ナリ
見通しをもたないこと。考えがたりないこと。また,そのさま。「無教育で無いのですから…―な事は致しません/一隅より(晶子)」
無節
むぶし [1] 【無節】
板材や柱材の材面に節のないこと。また,その材。無地。「四方―」
無節
むせつ [0] 【無節】
「無節操」に同じ。「かの不貞―なる御転婆/坊っちゃん(漱石)」
無節操
むせっそう [2] 【無節操】 (名・形動)[文]ナリ
節操がないこと。その場の具合で考え方がすぐ変わり,一貫した態度をとらないこと。また,そのさま。「―な人」
無節操な
むせっそう【無節操な】
inconstant;→英和
unprincipled.→英和
無籍
むせき [0] 【無籍】
(1)戸籍に記載がないこと。本籍のないこと。
(2)国籍をもたないこと。
無粋
ぶすい [0] 【無粋・不粋】 (名・形動)[文]ナリ
(1)人情の機微を解さないこと。特に,男女間の情愛の微妙さがわからないこと。また,そのさま。
⇔粋
「―な男」「―な質問」
(2)情緒のないこと。また,そのさま。「―な建物」
[派生] ――さ(名)
無粋な
ぶすい【無粋な】
inelegant;→英和
tasteless.→英和
⇒野暮(やぼ).
無精
ぶせい 【無精・不精】 (名・形動)[文]ナリ
「ぶしょう(無精)」に同じ。「ええ,親子の衆が―な/浄瑠璃・淀鯉(下)」
無精
ぶしょう [2] 【無精・不精】 (名・形動)スル [文]ナリ
精を出さずに,なまけること。面倒くさがること。また,そのさま。ぶせい。「―な恰好(カツコウ)」「―して,ひげをそらない」「―をきめこむ」
無精ったらしい
ぶしょうったらし・い ブシヤウツ― [7] 【不精ったらしい・無精ったらしい】 (形)
いかにも不精そうである。
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
無精卵
むせいらん【無精卵】
a wind egg.
無精卵
むせいらん [2] 【無精卵】
未受精卵の俗称。受精していない卵。
⇔有精卵
無精独楽
ぶしょうごま [4] 【無精独楽】
胴が長くて心棒がなく,紐(ヒモ)で胴を打って回すこま。打ち独楽。
無精者
ぶしょうもの [0][5] 【無精者】
ほねおしみする者。ものぐさな者。「生来の―」
無精髭
ぶしょうひげ [2] 【無精髭】
剃(ソ)るのを怠って伸びた髭。
無糖
むとう [0] 【無糖】
糖分がないこと。糖類が含まれていないこと。「―練乳」
無糸分裂
むしぶんれつ [3] 【無糸分裂】
細胞分裂の一型。染色体や紡錘体の形成を伴わずに核が二分する。病的に変性した細胞の分裂。直接分裂。
⇔有糸分裂
無紋
むもん [0][1] 【無紋】
(1)衣服などに家紋のついていないこと。また,そのもの。
(2)能楽で正しい作法にそわないで,その場に応じて適宜,演技の型を変えること。
⇔有紋
無経験
むけいけん【無経験(な)】
inexperience(d).→英和
〜である have no experience <in> .
無給
むきゅう [0] 【無給】
給料がないこと。給料が支払われていないこと。
⇔有給
「―で働く」
無給の
むきゅう【無給の】
unpaid.→英和
〜で働く work without pay.‖無給医局員 an unpaid doctor of the medical staff;an unpaid doctor of a hospital.無給休日 an unpaid holiday.
無統制
むとうせい [2] 【無統制】 (名・形動)
統制がとれていない・こと(さま)。
[派生] ――さ(名)
無統制の
むとうせい【無統制の】
uncontrolled.→英和
無線
むせん [0] 【無線】
(1)通信のための電線を架設しないこと。電線を必要としないこと。
⇔有線
(2)「無線通信」の略。「―機」
(3)糸や針金などを用いないこと。
無線
むせん【無線】
wireless.→英和
‖無線繰縦 radio control.無線電信 a wireless (telegraph).無線電信局 a wireless station.無線電話 a wireless telephone.無線綴じ unsewn binding.無線放送 radiobroadcasting.
無線七宝
むせんしっぽう [4] 【無線七宝】
七宝焼の製作技法の一。針金による輪郭線を貼らずにガラス釉を塗って焼きつけるもの。
→有線七宝
無線友禅
むせんゆうぜん [4] 【無線友禅】
糸目のない友禅。地染めをした上に筆や刷毛で文様を描く。
無線局
むせんきょく [2] 【無線局】
無線設備および無線設備の操作を行う者の総体。ただし,受信のみを目的とするものを含まない。
無線従事者
むせんじゅうじしゃ [6] 【無線従事者】
電波法で規定される,無線設備の操作,およびその操作の監督を行うために必要な資格をもつ者。
無線技術士
むせんぎじゅつし [6] 【無線技術士】
陸上無線技術士の旧称。
無線操縦
むせんそうじゅう [4] 【無線操縦】
電波によって飛行機・船舶・自動車などを遠隔操縦すること。ラジオ-コントロール。
無線方位航法
むせんほういこうほう [7] 【無線方位航法】
電波航法の一。無線局の発する電波を受信するなどして,方位を得ることで現在位置を知る航法。
無線標識
むせんひょうしき [4] 【無線標識】
特定の方向に電波を発し,航空機や船舶に方位を知らせる装置。ラジオ-ビーコン。
無線綴じ
むせんとじ [0] 【無線綴じ】
仮製本の綴じ方の一。糸・針金などを用いずに,折り丁の背を断裁して接着剤で接合して綴じるもの。電話帳・雑誌などの製本に用いる。
無線航法
むせんこうほう [4] 【無線航法】
⇒電波航法(デンパコウホウ)
無線通信
むせんつうしん [4] 【無線通信】
電波の空間伝播を利用して行う通信。無線。
⇔有線通信
無線通信士
むせんつうしんし [6] 【無線通信士】
⇒総合無線通信士
無線電信
むせんでんしん [4] 【無線電信】
電線を用いずに,電波を利用して符号により通信を行う方式。無電。
無縁
むえん [0] 【無縁】 (名・形動)[文]ナリ
(1)縁のないこと。関係ないこと。また,そのさま。「事件とは―である」「我々とは―な世界の出来事」
(2)死者を弔う縁者のいないこと。
(3)〔仏〕
(ア)仏・菩薩などと人々の間に,救済について特別の関係が存在しないこと。また,仏・菩薩などに救済される可能性や関係をもたないこと。「―の衆生(シユジヨウ)は度し難し」
(イ)対象を区別しないこと。万物を区別しない仏の智慧が,対象を縁とすることなく平等に慈悲を及ぼすこと。
⇔有縁
無縁の
むえん【無縁の】
irrelevant;→英和
unrelated;without relations.‖無縁墓地 a potter's field.
無縁の慈悲
むえんのじひ 【無縁の慈悲】
すべての衆生(シユジヨウ)を差別なく済度する仏の広大で平等な慈悲。無縁の大悲。
無縁仏
むえんぼとけ [4] 【無縁仏】
供養をしてくれる縁者のいない死者。また,その霊魂。
無縁仏
むえんぶつ [2] 【無縁仏】
過去世で自分と縁を結んだことのない仏。
無縁塚
むえんづか [2][0] 【無縁塚】
弔う縁者のいない死者を葬った墓。
無縁墓地
むえんぼち [4] 【無縁墓地】
弔う縁者のいない死者を葬る墓地。
無縁法界
むえんほうかい [4][0] 【無縁法界】
(1)〔仏〕 宇宙のすべてが無差別平等であること。
(2)転じて,自分と何の関係もない世間。世間一般。また,縁もゆかりもないこと。「―,六親眷属までに書立てられ/浮世草子・二十不孝 1」
無縄自縛
むじょうじばく [0] 【無縄自縛】
〔仏〕 縄もないのに,自らをしばること。悟りを誤って外に求めたためにかえって迷いにとらわれてしまうことのたとえ。
無縫塔
むほうとう [0] 【無縫塔】
「卵塔(ラントウ)」に同じ。
無罪
むざい [1] 【無罪】
(1)罪のないこと。無実。無辜(ムコ)。
(2)〔法〕 刑事事件で,被告人の行為が犯罪にならないこと。または犯罪の証明がないこと。また,その旨の判決。
⇔有罪
無罪
むざい【無罪】
innocence.→英和
〜である be innocent[not guilty].〜になる be found not guilty.〜とする acquit <a person> .→英和
‖無罪放免 acquittal.
無罰的
むばつてき [0] 【無罰的】 (形動)
⇒無責的(ムセキテキ)
無羊膜類
むようまくるい ムヤウマク― [5] 【無羊膜類】
脊椎動物のうち,羊膜をもたない円口類・魚類・両生類の総称。一生,あるいは少なくとも幼時には鰓(エラ)を有する。水生,または水生より陸生への移行状態にある動物群。
無翅類
むしるい [2] 【無翅類】
無翅亜綱に属する昆虫の総称。変態をせず,一生はねをもたない。微小な種が多い。トビムシ・ヨシイムシ・シミなどを含む。
無考え
むかんがえ [2] 【無考え】 (名・形動)[文]ナリ
思慮のない・こと(さま)。「目的なしに断わると云つては或は―のやうに聞えるかも知れませんが/浮雲(四迷)」
無考えな
むかんがえ【無考えな】
⇒無分別.
無聊
ぶりょう [0] 【無聊】
(1)たいくつなこと。「―を慰める」
(2)わだかまりがあって,楽しまないこと。「―の事也とて,ひたすら避してうけざりけり/新花摘」
[派生] ――さ(名)
無聊
むりょう [0] 【無聊】 (名・形動)[文]ナリ
⇒ぶりょう(無聊)
無職
むしょく [1] 【無職】
定まった職のないこと。無職業。
無職でいる
むしょく【無職でいる】
be without occupation.⇒失業.
無胚乳種子
むはいにゅうしゅし [6] 【無胚乳種子】
植物の種子で,胚乳をもたないもの。発生初期に見られる胚乳組織は発達せずに消滅し,養分は子葉に貯蔵されることが多い。マメ・クリなど。
⇔有胚乳種子
無能
むのう【無能(力)】
incompetence;→英和
incapability.〜な incompetent;→英和
inefficient.→英和
‖無能力者 an incompetent.
無能
むのう [0] 【無能】 (名・形動)[文]ナリ
能力・才能のないこと。役に立たないこと。また,その人やそのさま。
⇔有能
「―な人」「無芸―」
[派生] ――さ(名)
無能力
むのうりょく [2] 【無能力】 (名・形動)[文]ナリ
物事をする能力のない・こと(さま)。「―な者」
[派生] ――さ(名)
無能力者
むのうりょくしゃ [5][4] 【無能力者】
(1)物事をする能力のない人。
(2)〔法〕 単独で完全な法律行為をすることができない者。民法上,未成年者・禁治産者・準禁治産者がこれにあたる。
無脊椎動物
むせきついどうぶつ【無脊椎動物】
an invertebrate (animal).→英和
無脊椎動物
むせきついどうぶつ [6] 【無脊椎動物】
脊椎動物以外のすべての動物の総称。体の中軸としての脊椎をもたない動物群。単細胞の原生動物から多細胞の海綿動物・軟体動物・節足動物・原索動物など多種多様で,その形態や発生・生態などもきわめて多様である。
⇔脊椎動物
無腰
むごし [1] 【無腰】
「丸腰(マルゴシ)」に同じ。
無腸
むちょう ムチヤウ 【無腸】
⇒上田秋成(ウエダアキナリ)
無腸
むちょう [1][0] 【無腸】
(1)節操のないこと。腹がすわっていないこと。「―の男」
(2)「無腸公子」の略。
無腸公子
むちょうこうし [4] 【無腸公子】
カニの異名。
無腸漢
むちょうかん [2] 【無腸漢】
腹のすわっていない男。節操のない男。
無自覚
むじかく [2] 【無自覚】 (名・形動)[文]ナリ
自分の責任や義務などを自覚しない・こと(さま)。「―な言動」「自分の立場に―だ」
[派生] ――さ(名)
無自覚な
むじかく【無自覚な】
insensible <of> ;→英和
irresponsible (無責任な);→英和
blind.→英和
⇒無意識.
無臭
むしゅう [0] 【無臭】
においのないこと。「無色―」
無臭の
むしゅう【無臭の】
odorless.
無興
ぶきょう 【不興・無興】
⇒ふきょう(不興)
無色
むしょく [1] 【無色】
(1)色のないこと。むしき。
⇔有色
「―透明」
(2)考え方や立場がいずれにもかたよらないこと。「政治的には―だ」
無色の
むしょく【無色の】
colorless.→英和
無色界
むしきかい [3] 【無色界】
〔仏〕 三界の一。欲界・色界の上に位置する。物質や物質的な思いから解き放たれ,受・想・行・識の四蘊(シウン)のみから成る。無色界の最上天の非想非非想天を有頂天という。
無色鉱物
むしょくこうぶつ [4] 【無色鉱物】
火成岩を構成する主な鉱物のうち,石英や長石類など,ケイ素やアルミニウムを多く含み淡い色をしているケイ酸塩鉱物。
無花果
いちじく【無花果(の木)】
a fig (tree).→英和
無花果
いちじく [2] 【無花果・映日果】
クワ科の落葉小高木。小アジア原産。高さ2〜4メートル。葉は互生し,大形で掌状に切れ込む。枝葉を切ると,白色の乳液が出る。春から夏にかけ,葉腋に壺状の花序をつける。中に無数の白色小花がつくが,外から見えないので「無花果」と書かれる。果実は熟すと甘く食用。乾燥した茎葉・果実は緩下剤とされ,乳液はいぼ取り,生葉は殺虫などに利用。唐柿(トウガキ)。[季]秋。《―をもぐ手に伝ふ雨雫/虚子》
無花果
むかか ムクワクワ [2] 【無花果】
⇒いちじく(無花果)
無花果果
いちじくか [4] 【無花果果】
偽果の一種。壺状に変形した花軸の内側に小花が密生し,花後,全体が果実のようにふくらんだもの。イチジク・イヌビワなど。隠花果。
無花被花
むかひか ムクワヒクワ [3] 【無花被花】
萼(ガク)と花冠がない花。ドクダミ・マムシグサ・ヤナギなど。無被花。裸花。
無芸
むげい [1] 【無芸】 (名・形動)[文]ナリ
何の芸も身につけていない・こと(さま)。「多芸は―」
無芸である
むげい【無芸である】
have no accomplishments.
無芸大食
むげいたいしょく [1] 【無芸大食】
気のきいたことは何一つできず,食べることしか能のないこと。また,そのような人をあざけっていう語。
無苦
むく [1] 【無苦】
苦しみがないこと。また,その世界。
無茶
むちゃ [1] 【無茶】 (名・形動)[文]ナリ
〔「無茶」は当て字〕
(1)道理に合わないこと。筋道の立たないこと。また,そのさま。乱暴。無茶苦茶。「―をするな」「―な言い分」「―な運転」
(2)(悪いことの)程度がはなはだしいこと。普通でないこと。また,そのさま。めちゃ。無茶苦茶。「―なダイエット」
(3)知識がないこと。知らないこと。「生国はいづれ片田舎の者,…江戸のことは―なり/滑稽本・浮世床(初)」
[派生] ――さ(名)
無茶な
むちゃ【無茶な】
unreasonable (理に合わぬ);→英和
reckless (無謀な);→英和
confused (混乱した);→英和
excessive (過度の).→英和
〜に unreasonably;→英和
recklessly;→英和
blindly (考えなく);→英和
extremely (極端に).〜にする mess up;make a mess of <one's life> .
無茶助
むちゃすけ [2] 【無茶助】
無茶な行動をとることを人名めかしていう語。「能く能くお前―になりなさんした/にごりえ(一葉)」
無茶苦茶
むちゃくちゃ [0] 【無茶苦茶】 (名・形動)
〔「むちゃ」を強めていう語。「無茶苦茶」は当て字〕
(1)「無茶{(1)}」に同じ。「棒を―に振り回す」「―な生活」
(2)「無茶{(2)}」に同じ。「―に寒い」「―に勉強する」
(3)乱暴に扱ったりして台無しにしてしまうこと。「人の一生を―にしてしまう」
[派生] ――さ(名)
無菌
むきん [0] 【無菌】
細菌のいないこと。研究などのため,人為的に細菌がいない状態にすること。また,その状態。「―室」
無菌の
むきん【無菌の】
germ-free <room> ;pasteurized;sterilized.
無菌動物
むきんどうぶつ [4] 【無菌動物】
母体から帝王切開で子を取り出し,無菌状態で飼育した動物。特定の細菌を感染させるなど種々の動物実験に利用する。
無菜
ぶさい 【無菜】 (名・形動ナリ)
おかずの少ないこと。食事が粗末なこと。また,そのさま。「来る十六日―の御斎(トキ)申し上げたく候/浮世草子・五人女 2」「―ナフルマイ/日葡」
無菜
むさい [0] 【無菜】
食事に菜(サイ)のついていないこと。副食物の少ないこと。
無葉蘭
むようらん ムエフ― [2] 【無葉蘭】
ラン科の多年草。葉緑素がなく白色で,葉は鱗片(リンペン)状に退化。茎は高さ約30センチメートル。初夏,茎頂に白色または淡紫色の花を数個つける。
無著道忠
むじゃくどうちゅう ムヂヤクダウチユウ 【無著道忠】
(1653-1744) 江戸前・中期の臨済宗の僧。但馬の人。妙心寺竜華院の竺印(チクイン)に師事し,のち妙心寺管長。経典・語録の注解,禅宗史の研究などに広範な業績を残した。著「禅林象器箋」ほか多数。
無蓋
むがい [0] 【無蓋】
蓋(フタ)のないこと。おおう屋根のないこと。
⇔有蓋
無蓋の
むがい【無蓋の】
open;→英和
uncovered.
無蓋貨車
むがいかしゃ [4] 【無蓋貨車】
屋根のない貨車。
無血
むけつ [0][1] 【無血】
血を流さないこと。暴力的な手段によらないこと。「―革命」
無血虫
むけつちゅう [3][2] 【無血虫】
血のない虫の意で,冷酷な人をいう語。「貴様如き―が那様(ソンナ)事を聞いたとて何が解るもので/金色夜叉(紅葉)」
無血革命
むけつかくめい【無血革命】
a bloodless revolution.
無表情
むひょうじょう [2] 【無表情】 (名・形動)[文]ナリ
表情の乏しい・こと(さま)。「―な顔」
[派生] ――さ(名)
無表情の
むひょうじょう【無表情の】
expressionless;→英和
blank.→英和
無袋栽培
むたいさいばい [4] 【無袋栽培】
リンゴ・ナシなどの果実に,害虫や病原菌を防ぐための袋をかけずに栽培すること。
無見
むけん [0] 【無見】
〔仏〕 この世の事物は実体として存在せず,一切が無であるという考え。
無見頂相
むけんちょうそう ムケンチヤウサウ [0][4] 【無見頂相】
〔仏〕 仏の八十随形好(ズイギヨウゴウ)の一。三十二相の一つ,肉髻(ニクケイ)の中にあって,人も仏も見ることのできない無限に高い頂点。
無規律
むきりつ [2] 【無規律】 (名・形動)[文]ナリ
規律のないこと。だらしないこと。また,そのさま。不規律。「―な学園」
無視
むし [1] 【無視】 (名)スル
存在するものの価値や意義を認めないこと。ないがしろにすること。「反対意見を―する」
無視する
むし【無視する】
ignore;→英和
disregard;→英和
take no account <of> .
無角牛
むかくぎゅう [3] 【無角牛】
角のない牛の品種の総称。アバディーン-アンガス種など。
無言
むげん [0] 【無言】
⇒むごん(無言)
無言
むごん [0] 【無言】
(1)物を言わないこと。しゃべらないでいること。むげん。
(2)「無言の行(ギヨウ)」の略。「三七日―して,結願の日/沙石 4」
無言
むごん【無言】
silence.→英和
〜の silent;→英和
mute.→英和
〜で silently;→英和
in silence;without speaking.無言劇 a dumb show;a pantomime.→英和
無言の行
むごんのぎょう [5] 【無言の行】
無言で行う修行。転じて,ものを言わず黙り込んでいること。
無言交易
むごんこうえき [4] 【無言交易】
⇒沈黙交易(チンモクコウエキ)
無言劇
むごんげき [2] 【無言劇】
⇒パントマイム
無言歌
むごんか [2] 【無言歌】
単純な歌曲のスタイルで書かれた器楽小曲。性格小品の一。メンデルスゾーンのピアノの小曲集にこの名称がある。
無言症
むごんしょう [0] 【無言症】
⇒緘黙症(カンモクシヨウ)
無計画
むけいかく [2] 【無計画】 (名・形動)[文]ナリ
はっきりした計画のない・こと(さま)。「―な開発」
[派生] ――さ(名)
無計画な
むけいかく【無計画な】
haphazard.→英和
無記
むき [1] 【無記】
〔仏〕
(1)善でも悪でもない中立的な性質。
→異熟
(2)答えるに値しない質問を無視すること。不可記。
無記名
むきめい [2] 【無記名】
氏名を書かないこと。
⇔記名
無記名の
むきめい【無記名の】
unregistered;uninscribed.‖無記名公債 an unregistered bond.無記名投票 a secret vote.
無記名債券
むきめいさいけん [5] 【無記名債券】
債券面および債券原簿に債権者の氏名が記載されていない債券。
⇔記名債券
無記名定期預金
むきめいていきよきん [8] 【無記名定期預金】
秘密保持のため住所・氏名を明示せず,取引に使用する印鑑の届け出のみで契約される定期預金。特別定期預金。
無記名投票
むきめいとうひょう [5] 【無記名投票】
投票用紙に投票人の氏名を記入しない方式の投票。
⇔記名投票
無記名株券
むきめいかぶけん [5] 【無記名株券】
株主の氏名が記載されていない株券。1990年(平成2)に商法改正により廃止された。
⇔記名株券
無記名裏書
むきめいうらがき [5] 【無記名裏書】
⇒白地式裏書(シラジシキウラガキ)
無記名証券
むきめいしょうけん [5] 【無記名証券】
証券上に特定の権利者の氏名を記載していない証券。その所持人が正式の権利者と認められる。持参人払式小切手・無記名社債・商品券・乗車券など。
無記性
むきしょう [2] 【無記性】
〔仏〕 三性の一。善にも悪にも分類できない中性的な行為。
無試験
むしけん [3][2] 【無試験】
試験のないこと。「―入学」
無試験で
むしけん【無試験で】
without examination.
無認可
むにんか [2] 【無認可】
行政機関から認可されていないこと。「―保育所」
無調
むちょう [0] 【無調】
音楽で,調性をもたないこと。
無調法
ぶちょうほう【無調法】
carelessness (不注意);→英和
a blunder (失策);→英和
impoliteness (失礼);→英和
clumsiness (へた).〜な careless;→英和
impolite;→英和
clumsy.→英和
無調法
ぶちょうほう [2] 【不調法・無調法】 (名・形動)スル [文]ナリ
(1)行き届かないこと。へたなこと。また,そのさま。「口は―だが腕は確かだ」
(2)不始末をしでかすこと。しくじり。そそう。「私の処に食客(イソウロウ)だけれども,何を―しましたか/真景累ヶ淵(円朝)」
(3)たしなみがないこと。また,そのさま。芸事の心得がなかったり,酒がのめないことをいう。「―な娘ですが,どうかよろしく」
[派生] ――さ(名)
無調音楽
むちょうおんがく [4] 【無調音楽】
調性を感じさせる音(主音・属音・導音など)を回避したり,主音が絶えず変化し調性を確定できない楽曲。シェーンベルクらの様式が代表的なもの。
無論
むろん [0] 【無論】 (副)
とやかく,論ずるまでもなく明らかなさま。言うまでもなく。もちろん。「―賛成だ」
無論
むろん【無論】
⇒勿論.
無謀
むぼう [0] 【無謀】 (名・形動)[文]ナリ
よく考えずに行うこと。結果も考えず乱暴に物事を行う・こと(さま)。「―運転」「―の挙に出る」「―な登山計画」
[派生] ――さ(名)
無謀な
むぼう【無謀な】
reckless;→英和
thoughtless.→英和
無謀運転 reckless driving.
無謬
むびゅう [0] 【無謬】
誤りのないこと。「―性」
無識
むしき [1] 【無識】
知識・見識のないこと。「文芸には丸で無頓着で且(カツ)驚くべき―であるが/それから(漱石)」
無警告で
むけいこく【無警告で】
without warning[notice].
無警察状態
むけいさつ【無警察状態(にある)】
(be in) a lawless state;lawlessness.
無警戒
むけいかい [2] 【無警戒】 (名・形動)
警戒しないこと。用心しないこと。また,そのさま。
[派生] ――さ(名)
無議決権株
むぎけつけんかぶ [5] 【無議決権株】
議決権のない株式。利益配当において優先的内容をもつ株式について,定款により認められる。その総数は発行済み株式総数の四分の一を超えることができない。
無財餓鬼
むざいがき [2] 【無財餓鬼】
食物に全くありつけない餓鬼。
⇔有財(ウザイ)餓鬼
無責任
むせきにん【無責任】
irresponsibility.〜な(に) irresponsible(-bly).→英和
無責任
むせきにん [2] 【無責任】 (名・形動)[文]ナリ
(1)責任のないこと。責任を負わないこと。また,そのさま。「―行為」
(2)責任を重んじないこと。責任感にかけること。また,そのさま。「―に引き受ける」「―な発言」
[派生] ――さ(名)
無責的
むせきてき 【無責的】 (形動)
〔impunitive〕
〔心〕欲求が満たされず,思いどおりにならない場合,その原因を自分の責任にも他人のせいにもせず,なんとかまぎらわそうとする傾向をいう。無罰的。
→自責的
→他責的
無賃
むちん [0] 【無賃】
料金を払わないこと。また,料金のいらないこと。「―乗車」
無賃で
むちん【無賃で】
free (of charge).→英和
〜乗車をする get a free ride <on a train> ;→英和
steal a ride (不正に).
無資格
むしかく [2] 【無資格】
そのことをするのに必要な資格がないこと。「―診療」
無資格の
むしかく【無資格の】
unqualified;→英和
unlicensed (無免許の).〜である have no qualification <for> .
無趣味
むしゅみ [2] 【無趣味】 (名・形動)[文]ナリ
趣味のないこと。風流でないこと。また,そのさま。ぶしゅみ。「―な男」
無趣味である
むしゅみ【無趣味である】
have no hobbies.〜な人 a person of no taste.
無足
むそく [0] 【無足】 (名・形動)スル[文]ナリ
〔足(銭(ゼニ))のないこと〕
(1)中世,知行地のない・こと(さま)。そのような人をもいう。「大綱(=大キナ功績)をば多く,細心操(ホソココロバセ)(=小サナ功績)をば少しづつも宛て行ない,―なる人一人も候はで/甲陽軍鑑(品一三)」
(2)江戸時代,禄がなく切り米・扶持米だけを支給されること。また,そうした下級の武士。
(3)無駄にする・こと(さま)。「おみまやれば座禅が―するによつて/狂言・花子」「―ナ辛労ヲ致イタ/日葡」
無足人
むそくにん [0] 【無足人】
(1)所領がなく扶持米だけを支給された下層の武士。無足衆。
(2)田地をもたない下層農民。
無躾
ぶしつけ [0][2] 【不躾・無躾】 (名・形動)[文]ナリ
礼儀作法をわきまえていない・こと(さま)。無作法。「―な態度」「―な質問」「―なお願いですが」
無軌条電車
むきじょうでんしゃ ムキデウ― [5] 【無軌条電車】
⇒トロリー-バス
無軌道
むきどう [2] 【無軌道】 (名・形動)[文]ナリ
(1)軌道のないこと。無軌条。
(2)考え方や行動が常軌を逸している・こと(さま)。「―な若者」「―に走る」
[派生] ――さ(名)
無軌道の
むきどう【無軌道の】
(1) trackless.→英和
(2)[人・行為が]reckless.→英和
無辜
むこ [1] 【無辜】
〔「辜」は罪の意〕
罪のないこと。また,その者。「―の民(タミ)」
無農薬
むのうやく [2] 【無農薬】
農薬を使用せず,農作物を栽培・収穫すること。「―リンゴ」
無農薬栽培
むのうやくさいばい [6] 【無農薬栽培】
農薬を使用しないで農産物を栽培すること。農林水産省の表示ガイドラインでは,化学肥料を使用した無農薬栽培農産物は,その旨を付記しなければならない。
無辺
むへん [0] 【無辺】 (名・形動)[文]ナリ
広々と限りのないこと。際限のないこと。また,そのさま。「広大―」「無量―の仏の慈悲」「―の宇宙空間」「彼のピラミドの石塔があるのだが実に洪大―なものだね/西洋道中膝栗毛(魯文)」
無辺世界
むへんせかい [4] 【無辺世界】
(1)〔仏〕 無限の世界。虚空(コクウ)世界。
(2)あてのない所。あてのない方向。「的のあたりにだにちかくよらず―を射給へるに/大鏡(道長)」
無辺光
むへんこう [2] 【無辺光】
〔仏〕
(1)十二光の一。全世界をあまねく照らす阿弥陀仏の光。
(2)勢至菩薩(セイシボサツ)の別名。
無辺光仏
むへんこうぶつ [4] 【無辺光仏】
阿弥陀仏の異名。
無辺法界
むへんほうかい [4][0] 【無辺法界】
(1)〔仏〕 法界は広大で際限なく,無限の事物を含みもつこと。
→法界
(2)あてのないこと。むやみなこと。滅法界。
無辺際
むへんざい [2] 【無辺際】 (名・形動)[文]ナリ
〔「むへんさい」とも〕
限りのないこと。はてしなく広いこと。また,そのさま。無限。「―に広がる」「―の大空」
無造作
むぞうさ [2] ―ザウサ 【無造作】 ・ ―ザフサ 【無雑作】 (名・形動)[文]ナリ
(1)たやすいこと。容易なこと。また,そのさま。「―にやってのける」
(2)技巧をこらさないこと。気にせず気軽に行うこと。また,そのさま。「―に引き受ける」「―に髪を束ねる」
無造作な
むぞうさ【無造作な】
easy;→英和
simple;→英和
casual (ふとした).→英和
〜に easily;→英和
readily;casually.→英和
無過失責任主義
むかしつせきにんしゅぎ ムクワシツセキニン― [9] 【無過失責任主義】
損害が発生した場合には,故意または過失がなくても賠償責任を負うという原則。企業災害について適用され,鉱害・原子力損害・水質汚濁・大気汚染・労働災害などについて事業所の賠償責任を認めるのがその例。
⇔過失責任主義
無道
ぶどう [1] 【無道・不道】 (名・形動)[文]ナリ
〔「ぶとう」とも〕
人としての道にそむく・こと(さま)。非道。むどう。「父なるものは暴悪―な鬼のように思はれ/あめりか物語(荷風)」
無道
むどう [1] 【無道】 (名・形動)[文]ナリ
道理に合わないこと。人の道にそむいたひどいおこないをすること。また,そのさま。非道。ぶどう。「悪逆―」「―な振る舞い」「不忠だとか大逆―だとか/一隅より(晶子)」
[派生] ――さ(名)
無道人
ぶどうじん 【無道人】
⇒ふとうじん(不当人)
無道心
むどうしん 【無道心】
道心のないこと。信仰心・道徳心のないこと。「―の者の名聞利養を宗として/妻鏡」
無遠慮
ぶえんりょ【無遠慮】
rudeness;→英和
boldness;→英和
impudence.→英和
〜な(に) rude(ly);→英和
bold(-ly);→英和
impudent(ly).→英和
〜にふるまう be rude;make free with <a person> .
無遠慮
ぶえんりょ [2] 【無遠慮】 (名・形動)[文]ナリ
(1)気がねせず好き勝手に振る舞う・こと(さま)。「―な態度」「―に上がり込む」
(2)深い思慮に欠けている・こと(さま)。「女ワ智恵浅ウ,―ナニヨッテ/天草本伊曾保」
[派生] ――さ(名)
無遮
むしゃ [1] 【無遮】
〔仏〕 きわめて寛大で何ものをも拒まないこと。
無遮会
むしゃえ [2] 【無遮会】
〔仏〕 来集するすべての人に平等に財と法の施しをする大法会。インドのアショーカ王に始まるといわれる。無遮大会(ダイエ)。
無邪気
むじゃき [1] 【無邪気】 (名・形動)[文]ナリ
(1)あどけなくて,すなおな・こと(さま)。「―に笑う」「―な子供」
(2)悪気やねじけた気持ちのない・こと(さま)。「―な言動」
(3)深い考えのない・こと(さま)。「身に落ちかかる災を知らぬとすれば―の極(キワミ)である/草枕(漱石)」
[派生] ――さ(名)
無邪気
むじゃき【無邪気】
innocence;→英和
artlessness.〜な innocent;→英和
artless.→英和
無配
むはい [0] 【無配】
「無配当」の略。
⇔有配
「―株」
無配当
むはいとう [2] 【無配当】
株主に利益配当をしないこと。無配。「業績不振で―になる」
無酸症
むさんしょう [0] 【無酸症】
胃液中の塩酸が欠如した状態。時に胃のもたれや食欲不振を起こし,下痢や悪性貧血を起こすこともある。胃酸欠乏症。
無酸素
むさんそ [2] 【無酸素】
酸素なしの状態であること。
無酸素エネルギー
むさんそエネルギー [6][7] 【無酸素―】
筋肉の収縮に使われるエネルギーのうち,体内に蓄積されていた ATP を分解して得られるもの。運動開始初期に利用され,供給される時間は短い。
無酸素性運動
むさんそせいうんどう [7] 【無酸素性運動】
⇒アネアロビクス
無酸素登山
むさんそとざん [5] 【無酸素登山】
酸素の補給をすることなく高峰に登山すること。酸素ボンベを用いない登山。
無重力
むじゅうりょく [2] 【無重力】
⇒無重量(ムジユウリヨウ)
無重力状態
むじゅうりょく【無重力状態】
weightlessness.→英和
〜になる be in a gravity-[weight-]free state;be weightless.
無重量
むじゅうりょう [2] 【無重量】
重量(重さ)のないこと。地球上では静止している物体は重力を受けて重量を生じるが,宇宙を慣性飛行する人工衛星などの内部では慣性力と重力がつり合って無重量の状態になる。無重力状態ともいう。
無量
むりょう [0] 【無量】 (名・形動)[文]ナリ
はかり知れないほどに多いこと。数知れないほどあること。また,そのさま。「感―」「―の悲しみに沈む」「―なる快楽あらんと/緑簑談(南翠)」
無量光
むりょうこう [2] 【無量光】
〔仏〕 十二光の一。阿弥陀仏が発する限りない智慧(チエ)の光明。
無量光仏
むりょうこうぶつ [4] 【無量光仏】
阿弥陀仏の漢訳名。
無量光院
むりょうこういん 【無量光院】
奥州の藤原秀衡が,宇治平等院を模して平泉に建立した寺院。遺構が残る。
無量劫
むりょうごう [2] 【無量劫】
〔仏〕 非常に長い時間。限りない時間。永劫(エイゴウ)。
無量大数
むりょうたいすう [4] 【無量大数】
数の単位。一億不可思議。すなわち 10�� [塵劫記]
無量寿
むりょうじゅ [2] 【無量寿】
〔阿弥陀仏は限りない寿命を保つところから〕
阿弥陀仏の異名。無量寿仏。
無量寿仏
むりょうじゅぶつ [4] 【無量寿仏】
阿弥陀仏の異名。
無量寿経
むりょうじゅきょう ムリヤウジユキヤウ 【無量寿経】
浄土三部経の一。二巻。252年,魏の康僧鎧(コウソウガイ)訳と伝える。法蔵菩薩が四八の大願を立ててついに阿弥陀仏となり,衆生(シユジヨウ)を救うことを説く浄土教の根本聖典。大無量寿経。大経。双巻経。
無量寿院
むりょうじゅいん [4] 【無量寿院】
(1)〔仏〕 兜率天(トソツテン)の内院である四九院の一。
(2)藤原道長の建てた法成寺阿弥陀堂の称。
無量無辺
むりょうむへん [0][0] 【無量無辺】
はかり知れないこと。数限りないこと。「金銀等の宝を掘出る事,―也/今昔 2」
無量義経
むりょうぎきょう ムリヤウギキヤウ 【無量義経】
法華三部経の一。一巻。481年,曇摩伽陀耶舎(ドンマカダヤシヤ)訳。無相の一法から無量の意味が生ずると説く。
無鉄砲
むてっぽう [2] 【無鉄砲】 (名・形動)[文]ナリ
〔「むてんぽう(無点法)」の転とも,「むてほう(無手法)」の転ともいう。「無鉄砲」は当て字〕
どうなるか先のことをよく考えず強引に事を行う・こと(さま)。むこうみず。「―をやる」「―な男」「親譲りの―で/坊っちゃん(漱石)」
[派生] ――さ(名)
無鉄砲な
むてっぽう【無鉄砲な(に)】
rash(ly);→英和
reckless(ly);→英和
blind(ly).→英和
無鉛の
むえん【無鉛の】
unleaded.→英和
無鉛ガソリン
むえんガソリン [4] 【無鉛―】
アンチノック剤としての有機鉛化合物(テトラエチル鉛など)を含まないガソリン。
無鉤条虫
むこうじょうちゅう [4] 【無鉤条虫】
条虫綱の扁形動物。俗にいうサナダムシの一種。体長4〜10メートル,体幅約6ミリメートル。体は乳白色の細長いひも状で,千以上もの片節に分かれる。中間宿主はウシ。人間が生の牛肉を食べると感染し,小腸に寄生する。栄養失調・貧血・神経症状などを起こす。世界各地に分布。
無銘
むめい [0][1] 【無銘】
書画・刀剣などに製作者の名が記入されていないこと。また,そのもの。
⇔在銘
「―の刀」
無銘の
むめい【無銘の】
unsigned;bearing no signature;anonymous.→英和
無銭
むせん [0] 【無銭】
(1)金銭を持っていないこと。金銭を払わないこと。また,金銭のいらないこと。「―旅行」
(2)「無足(ムソク){(1)}」に同じ。
無銭飲食
むせんいんしょく [4] 【無銭飲食】
飲食店で飲み食いして,その料金を支払わないこと。
無銭飲食する
むせん【無銭飲食する】
bilk a restaurant.→英和
無銭旅行 a travel without money.
無錫
むしゃく 【無錫】
中国,江蘇省の太湖北岸にある都市。水運の要地。養蚕業・紡績業が盛ん。ウーシー。
無鑑札で[の]
むかんさつ【無鑑札で[の]】
unlicensed;without a license.→英和
無鑑査
むかんさ [2] 【無鑑査】
美術展覧会への出品に際し,過去の入選の実績によって鑑査を受ける必要がないと認められること。また,その資格。
無鑑査
むかんさ【無鑑査(の)】
not subject to the jury[selecting committee].→英和
無門関
むもんかん ムモンクワン 【無門関】
禅書。一巻。1228年,宋の臨済宗の僧,無門慧開著。古人の公案四八則を選び,これに評唱と頌(ジユ)を加えたもの。禅宗無門関。
無間
むげん [0] 【無間】
〔古くは「むけん」とも〕
(1)ひっきりなしであること。間断のないこと。
(2)「無間地獄」の略。「―の重き罪を消つ/三宝絵詞(下)」
(3)「無間の鐘」の略。「手水鉢―ほどつく厚氷/柳多留 111」
無間の底
むげんのそこ 【無間の底】
無間地獄の底。
無間の釜
むげんのかま 【無間の釜】
無間地獄にある,罪人の責めに用いる釜。
無間の鐘
むげんのかね 【無間の鐘】
(1)遠江(トオトウミ)国(現在の静岡県)佐夜(サヤ)の中山にあった観音寺の鐘。これをつけばこの世では金持ちになれるが,来世では無間地獄に落ちるという。
(2)手水鉢(チヨウズバチ)を{(1)}になぞらえて打つ歌舞伎の所作事。
無間地獄
むげんじごく [4] 【無間地獄】
八大地獄の第八,阿鼻(アビ)地獄のこと。「―に落ちる」
無間奈落
むげんならく [4] 【無間奈落】
「無間地獄」に同じ。「―に真逆様に落つること/浄瑠璃・蝉丸」
無間道
むげんどう [2] 【無間道】
〔仏〕 完全な悟りを開くに至る四つの段階の第二。
→四道(シドウ)(1)
無関係
むかんけい [2] 【無関係】 (名・形動)[文]ナリ
関係のないこと。かかわりのないこと。また,そのさま。「―な事件に首をつっこむ」「テーマに―な発言」
無関係の
むかんけい【無関係の】
irrelevant.→英和
〜である have nothing to do <with> ;have no connection <with> ;be irrelevant <to> .
無関心
むかんしん [2] 【無関心】 (名・形動)[文]ナリ
気にかけないこと。興味を示さないこと。また,そのさま。「政治に―な若者」「―を装う」
[派生] ――さ(名)
無関心
むかんしん【無関心】
indifference.〜である be indifferent <to> ;have no interest <in> .
無関普門
むかんふもん ムクワン― 【無関普門】
(1212-1291) 鎌倉中期の臨済宗の僧。信濃(シナノ)の人。南禅寺派の祖。諡号(シゴウ)は仏心禅師・大明国師。東福寺の円爾(エンニ)に禅を学ぶ。1251年入宋,12年後に帰国。91年,南禅寺開山。
無闇
むやみ [1] 【無闇】 (名・形動)[文]ナリ
〔「無闇」は当て字〕
(1)結果を考えずに行うこと。あとさきを考えずにすること。また,そのさま。「―をする」「―なことを言うとしかられる」「見当もつけずに―に歩きまわる」
(2)度を超しているさま。「と」や「に」を伴って副詞的にも用いる。「―に怒る」「―と食べたがる」
無闇な
むやみ【無闇な(に)】
(1)[軽率]thoughtless(-ly);→英和
reckless(ly).→英和
(2)[過度]excessive(ly);→英和
unreasonable(-bly).→英和
〜に働く work too much[hard].
無闇矢鱈
むやみやたら [1] 【無闇矢鱈】 (名・形動)[文]ナリ
「むやみ」を強めた語。「―にしかりとばす」
無防備
むぼうび [2] 【無防備】 (名・形動)[文]ナリ
災害や危難に対する準備のない・こと(さま)。「地震に―の都市」「―な国境地帯」
[派生] ――さ(名)
無防備の
むぼうび【無防備の】
defenseless;→英和
unprotected.無防備都市 an open city.
無防備都市
むぼうびとし [5] 【無防備都市】
戦時において敵に対する防御・抵抗を放棄した状態にある都市。国際法上,攻撃が禁止されている。無防守都市。
無限
むげん [0] 【無限】 (名・形動)[文]ナリ
(1)限りがないこと。どこまでも続くこと。また,そのさま。
⇔有限
「夢は―に広がる」「―の宇宙」「我が薄志弱行は―に母上を歎かせ参らせた/良人の自白(尚江)」
(2)〔哲〕 ものが一定の関係や規定を受けないこと。ヘーゲルでは悪無限(単に限界をもたぬもの)と真無限(発展を含む全体者)とに分ける。
⇔有限
無限
むげん【無限】
infinity;→英和
the infinite;→英和
boundlessness.→英和
〜の infinite;unlimited;→英和
endless.→英和
〜に infinitely;endlessly.→英和
〜大(小)の infinite (infinitesimal).‖無限軌道(車) a caterpillar (tractor).無限級数 an infinite series.
無限大
むげんだい [0] 【無限大】
(1)限りなく大きいこと。
(2)〔数〕 変数の絶対値がどんな正数よりも大きくなること。また,その変数。∞の記号で表す。
⇔無限小
無限小
むげんしょう [0][2] 【無限小】
(1)限りなく小さいこと。
(2)〔数〕 変数が限りなく 0 に近づくこと。また,その変数。
⇔無限大
無限小数
むげんしょうすう [4][6] 【無限小数】
〔数〕 小数点以下の桁数(ケタスウ)が無限であるような小数。数字が循環するものと循環しないものがある。
⇔有限小数
無限後退
むげんこうたい [4] 【無限後退】
〔哲〕
〔(ラテン) regressus in infinitum〕
ある事の原因または条件の連鎖が無限に連なっていて,どこまでさかのぼっても終わりにならないこと。
無限数列
むげんすうれつ [4] 【無限数列】
〔数〕 項の数が無限である数列。
→有限数列
無限旋律
むげんせんりつ [4] 【無限旋律】
段落感や終結感をもたない旋律。特に,ワグナーの音楽にみられる歌唱旋律をいう。
無限級数
むげんきゅうすう [4][6] 【無限級数】
〔数〕 項の数が無限にある級数。
無限花序
むげんかじょ [4] 【無限花序】
花が花軸のもとの方から順次先端にかけて咲いていく花序。穂状(スイジヨウ)花序・総状花序・散房花序・散形花序・頭状花序に分けられる。求心花序。総穂花序。
⇔有限花序
無限責任
むげんせきにん [4] 【無限責任】
債務者個人の全財産を債務の引き当て(担保)とすること。
⇔有限責任
無限責任社員
むげんせきにんしゃいん [8] 【無限責任社員】
会社債権者に対し,直接に連帯無限責任を負う社員。合名会社はすべて無限責任社員から成り,合資会社は無限責任社員と有限責任社員から成る。
→有限責任社員
無限軌道
むげんきどう [4] 【無限軌道】
⇒キャタピラー
無限連鎖講
むげんれんさこう [6][0] 【無限連鎖講】
⇒鼠講(ネズミコウ)
無限集合
むげんしゅうごう [4] 【無限集合】
〔数〕 無限個の要素から成る集合。
無際限
むさいげん [2] 【無際限】 (名・形動)
際限がない・こと(さま)。「―に認めてゆく」
無雑
むざつ [0] 【無雑】 (名・形動)[文]ナリ
混じりけのない・こと(さま)。「道徳も純精―なれば之を軽んず可らず/文明論之概略(諭吉)」
無雑作
むぞうさ [2] ―ザウサ 【無造作】 ・ ―ザフサ 【無雑作】 (名・形動)[文]ナリ
(1)たやすいこと。容易なこと。また,そのさま。「―にやってのける」
(2)技巧をこらさないこと。気にせず気軽に行うこと。また,そのさま。「―に引き受ける」「―に髪を束ねる」
無難
ぶなん [0] 【無難】 (名・形動)[文]ナリ
(1)欠点がないこと。また,とりたてて非難すべき点もないが,さしてすぐれてもいないこと。また,そのさま。「―な演技」
(2)危険や災難のない・こと(さま)。無事。「―な選択」「そも刀禰たち鎌倉まで行着かれたか,―に/武蔵野(美妙)」
無難な
ぶなん【無難な】
safe;→英和
tolerable;→英和
pretty good.
無電
むでん [0] 【無電】
「無線電信」の略。「―で連絡をとる」
無電
むでん【無電】
⇒無線.
無面目
むめんもく 【無面目】
ものの道理をわきまえないこと。「―も程があらあ/滑稽本・浮世風呂(前)」
無音
ぶいん [0] 【無音】 (名)スル
(1)長い間,音沙汰(オトサタ)のないこと。無沙汰。「長らく御―いたしました」「渠(カレ)は久しく―せる友人を訪ひし也/欺かざるの記(独歩)」
(2)しかるべき挨拶のないこと。「―に乱入の条甚謂なし/保元(中)」
(3)黙っていること。「今や物云ひ懸と待けるに,―に過れば/今昔 27」
無音
むおん [0] 【無音】
音が聞こえないこと。音が出ないこと。
無韻
むいん [0] 【無韻】
詩で,韻を踏まないこと。
無韻の
むいん【無韻の】
unrhymed;blank.→英和
無韻詩 blank verse.
無韻の詩
むいんのし [0] 【無韻の詩】
(1)韻を踏んでいない詩。
(2)絵画の異名。無声の詩。
無韻詩
むいんし [2] 【無韻詩】
一六,七世紀頃イギリスで発達した詩の一形式。強弱五歩格のもので,韻を踏まない。シェークスピアの劇詩やミルトンの「失楽園」など。
無響室
むきょうしつ ムキヤウ― [2] 【無響室】
壁・床・天井に音波を吸収する装置・構造を施して,反響がないようにした部屋(ヘヤ)。音響測定に使われる。
無頓着
むとんじゃく [2] 【無頓着】 (名・形動)[文]ナリ
気にしないこと。物事にこだわらないこと。また,そのさま。むとんちゃく。「何事にも―な性格」「服装には―だ」
[派生] ――さ(名)
無頓着
むとんじゃく【無頓着】
indifference.〜である be indifferent <to> ;do not care <about> .
無頓着
むとんちゃく [2] 【無頓着】 (名・形動)[文]ナリ
「むとんじゃく(無頓着)」に同じ。
無頼
むらい [0] 【無頼】
「ぶらい(無頼)」に同じ。「―ノ党/ヘボン(三版)」
無頼
ぶらい [0] 【無頼】 (名・形動)[文]ナリ
〔「むらい」とも〕
(1)定職をもたず,素行の悪い・こと(さま)。そのような人をもいう。ならずもの。「―の徒」
(2)頼るところのないこと。「単孤―の独人に成りて/十訓 2」
無頼派
ぶらいは [0] 【無頼派】
織田作之助・坂口安吾・太宰治・石川淳・檀一雄ら第二次大戦直後の虚脱・昏迷の中で,反俗無頼の心情を基調とした作家に対する称。新戯作(ゲサク)派。
無頼漢
ぶらいかん [0][2] 【無頼漢】
無頼な男。ならず者。ごろつき。
無頼漢
ぶらいかん【無頼漢】
a rascal;→英和
a scoundrel.→英和
無顆粒白血球
むかりゅうはっけっきゅう ムクワリフハクケツキウ [7] 【無顆粒白血球】
白血球のうち,細胞質内に顆粒を含まないもの。リンパ球と単球をいう。
⇔顆粒白血球
無題
むだい [0][1] 【無題】
(1)題のないこと。また,そのもの。
(2)詩歌で,題詠でないもの。
無額面株
むがくめんかぶ [4] 【無額面株】
株券に券面額の記載されていない株式。
⇔額面株
無顎類
むがくるい [3] 【無顎類】
脊椎動物無顎綱に属する動物の総称。現生の円口類および古生代に栄えた甲冑(カツチユウ)魚の仲間など,最も原始的な魚類。
無類
むるい [0] 【無類】 (名・形動)[文]ナリ
並ぶものがないこと。抜きんでてすぐれていること。また,そのさま。「珍―」「―の子供好き」「豪胆―なつわもの」
無類の
むるい【無類の】
⇒無比.
無風
むふう【無風】
a (dead) calm.→英和
〜の calm;windless.→英和
無風
むふう [0] 【無風】
(1)風がないこと。
(2)他からの影響を受けず,波乱・混乱のないこと。「この選挙区は―地帯だ」
無風帯
むふうたい [0] 【無風帯】
ほとんど風の吹かない地帯。赤道無風帯の海域に顕著。
無風流
ぶふうりゅう【無風流】
inelegance.→英和
〜な inelegant;→英和
tasteless;→英和
prosaic.→英和
無風流
ぶふうりゅう [2] 【無風流・不風流】 (名・形動)[文]ナリ
風流でないこと。風流を解さないこと。また,そのさま。
無食
むじき [1] 【無食】
食物をとらないこと。「―にて両三日経にければ,存命も殆んどあぶなく/著聞 16」
無駄
むだ [0] 【無駄・徒】 (名・形動)[文]ナリ
(1)しただけの効果や効用のないこと。役に立たないこと。また,そのさま。無益。「―をする」「―を省く」「努力が―になる」「―な骨折り」
(2)むだぐち。「昇の―を聞ては可笑(オカ)しがつて/浮雲(四迷)」
[派生] ――さ(名)
無駄
むだ【無駄】
uselessness;waste <of time> (浪費).→英和
〜な useless;→英和
futile;→英和
no good.〜に in vain;to no purpose.〜にする waste;throw away.〜になる be wasted;come to[go for]nothing.〜にしない make good use <of> .
無駄事
むだごと [0] 【無駄事・徒事】
役に立たないこと。無益な行為。「―に手間どる」
無駄口
むだぐち [0] 【無駄口・徒口】
必要のないおしゃべり。無益なおしゃべり。むだごと。「―をたたく」「―をきく」
無駄口をたたく
むだぐち【無駄口をたたく】
talk idly.
無駄書き
むだがき [0] 【無駄書き・徒書き】
「悪戯書(イタズラガ)き」に同じ。
無駄歯
むだば [0] 【無駄歯】
歯車で,かみ合わせる歯の数以外に加える一枚の歯。相手を変えて歯の磨滅を平均化する。
無駄死に
むだじに [0] 【無駄死に・徒死に】 (名)スル
無益に死ぬこと。いぬじに。「無益な戦争で若者を―させてはならない」
無駄毛
むだげ [0] 【無駄毛・徒毛】
美容や化粧のじゃまになる,顔・えり足・足などの毛。「―を剃(ソ)る」
無駄玉
むだだま [0] 【無駄玉・徒玉】
撃っても標的に当たらない弾丸。「―を撃つ」
無駄腹
むだばら [0] 【無駄腹・徒腹】
無益に腹を切ること。何の意味もない切腹。
無駄花
むだばな [0] 【無駄花・徒花】
咲いても実を結ばない花。特に,雄花のこと。あだ花。
無駄言
むだごと [0] 【無駄言・徒言】
「無駄口」に同じ。「―を言う」
無駄話
むだばなし [3] 【無駄話・徒話】 (名)スル
役に立たない話。「喫茶店で友人と―して過ごす」
無駄足
むだあし [0] 【無駄足・徒足】
出かけただけのかいがないこと。行くことが無駄に終わること。空足。「―をふむ」
無駄遣い
むだづかい [3] 【無駄遣い・徒遣い】 (名)スル
必要もないことに金品をつかうこと。浪費。「飲料水を―する」
無駄遣い
むだづかい【無駄遣い】
⇒浪費.
無駄金
むだがね [0] 【無駄金・徒金】
使っただけの効果のあらわれない金。役に立たない金。むだぜに。「―を使う」
無駄食い
むだぐい [0] 【無駄食い・徒食い】 (名)スル
(1)あいだ食い。間食。[ヘボン(二版)]
(2)何の仕事もしないでただ食べるだけであること。徒食(トシヨク)。
無駄飯
むだめし [0] 【無駄飯・徒飯】
仕事もしないのに食う飯。
無駄飯食い
むだめしぐい [4][0] 【無駄飯食い】
何の役にも立たずに,むだに日々を送っている者。
無駄骨
むだぼね [0] 【無駄骨・徒骨】
〔「無駄骨折り」の略〕
役に立たない努力をすること。効果のない骨折り。「調停工作は―に終わった」「―を折る」
無駄骨を折る
むだぼね【無駄骨を折る】
make vain efforts.
無駄骨折り
むだぼねおり [0] 【無駄骨折り】 (名)スル
無駄な骨折り。むだ骨。
無骨
ぶこつ [0] 【武骨・無骨】 (名・形動)[文]ナリ
〔「こちなし」の漢字表記「無骨」を音読みした語〕
(1)ごつごつと骨張っている・こと(さま)。「枝の―なるに似ず,…さまざまの色に透(ス)きつ幽(カス)める其葉の間々(アヒアヒ)に/不如帰(蘆花)」
(2)礼儀作法をわきまえていないこと。洗練されていないこと。また,そのさま。「―者(モノ)」「我輩のやうな―な田舎漢(イナカモノ)が/社会百面相(魯庵)」
(3)具合が悪い・こと(さま)。「競が宿所は大将の向ひなれば,つげてはなかなか―なり/盛衰記 14」
(4)役に立たない・こと(さま)。「我―なりといへども,呉王をあざむきて君王の死をすくひ/曾我 5」
[派生] ――さ(名)
無髄神経繊維
むずいしんけいせんい [8] 【無髄神経繊維】
神経繊維のうち,髄鞘(ズイシヨウ)のないもの。神経鞘の有無で有鞘と無鞘に区別される。有鞘は交感神経に多くみられ,無鞘は神経繊維の両端でみられる。
⇔有髄神経繊維
無高
むたか [1] 【無高】
江戸時代,石高(コクダカ)のない土地。また,稲作地を高として持たないこと。
無[亡]くなる
なくなる【無[亡]くなる】
(1)[紛失]get[be]lost;be missing.(2)[消滅]disappear.→英和
(3)[尽きる]be gone;run short;be exhausted.(4) ⇒死ぬ.
焦がし
こがし [3] 【焦がし】
米・麦などを炒(イ)って,粉にひいたもの。湯にとかして飲んだり,砂糖を加えて練って食べたりする。香煎(コウセン)。「麦―」
焦がす
こがす【焦がす】
burn;→英和
scorch;→英和
singe (毛を);→英和
char (黒焦げに).→英和
焦がす
こが・す [2] 【焦がす】 (動サ五[四])
(1)火で焼いて黒くする。こげた状態にする。「タバコの灰でズボンを―・した」「天を―・さんばかりの炎」
(2)切ない思いで心を苦しめる。「恋の炎に身を―・す」
(3)香をたきしめる。「白き扇のいたう―・したるを/源氏(夕顔)」
〔「こげる」「こがれる」に対する他動詞〕
焦がる
こが・る 【焦がる】 (動ラ下二)
⇒こがれる
焦がれ
こがれ 【焦がれ】
(1)こがれること。「蚊やり火は煙のみこそたちあされ下の―はわれぞわびしき/相模集」
(2)焦げた飯。こがれいい。[日葡]
焦がれる
こがれる【焦がれる】
yearn[long] <for> (あこがれる);→英和
be deeply in love <with> .
焦がれる
こが・れる [3] 【焦がれる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 こが・る
(1)そうなりたいとひたすら思う。いちずに思い望む。あこがれる。「映画スターに―・れる」
(2)心が苦しくなるほど,慕わしく思う。深く恋い慕う。「友人が―・れている女性」
(3)(動詞の連用形に付いて)苦しくなるほどにその気持ちを強くもつ。「待ち―・れる」「恋い―・れる」
(4)火に焼けて焦げる。また,日に照りつけられて変色する。「うとましげに―・れたるにほひなども異様(コトヨウ)なり/源氏(真木柱)」
(5)香を強くたきしめる。「薄様の取手もくゆる計りに―・れたるに/太平記 21」
〔「焦がす」に対する自動詞〕
焦がれ死に
こがれじに [0] 【焦がれ死に】 (名)スル
(1)恋い慕うあまりに病気になり,死ぬこと。「―死ぬまでも片思ひに思うて思ひ抜いて/斑鳩物語(虚子)」
(2)焼け死にすること。「あつや��の―/浄瑠璃・平家女護島」
焦ぐ
こ・ぐ 【焦ぐ】 (動ガ下二)
⇒こげる
焦げ
こげ [2] 【焦げ】
(1)こげて黒くなること。また,そのもの。
(2)「焦げ飯(メシ)」の略。
→おこげ
(3)信楽(シガラキ)などの陶器の粗面に見られる,黒あるいは黒褐色などの窯変(ヨウヘン)。
焦げる
こ・げる [2] 【焦げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 こ・ぐ
火で焼けて,黒または茶色になる。「隣家の火事で,壁が―・げた」「まっくろに―・げたパン」
〔「こがす」に対する自動詞〕
焦げる
こげる【焦げる】
burn;→英和
be scorched[charred,burned].
焦げ付き
こげつき [0] 【焦げ付き】
(1)焦げつくこと。
(2)貸した金の回収ができないこと。また,その金。
焦げ付き相場
こげつきそうば [5] 【焦げ付き相場】
値が長い間固定して動かない相場。
焦げ付く
こげつ・く [0][3] 【焦げ付く】 (動カ五[四])
(1)煮たり焼いたりしている物が,こげて鍋などにくっつく。「ごはんが―・く」
(2)貸した金などの,回収が困難になる。「取引先の倒産で代金が―・いた」
(3)取引で,相場が固定して変化しなくなる。
焦げ付く
こげつく【焦げ付く】
burn and stick <to the bottom of the pan> ;become uncollectable (貸金が).焦げ付き貸し an unrecoverable loan.
焦げ目
こげめ [3] 【焦げ目】
焦げて黒くなったところ。
焦げ臭い
こげくさ・い [4] 【焦げ臭い】 (形)[文]ク こげくさ・し
ものがこげたようなにおいがする。「―・いにおいがする」
焦げ臭い
こげくさい【焦げ臭い】
have[give]a burning smell;[人が主語]smell something burning.
焦げ飯
こげめし [0][2] 【焦げ飯】
(1)釜の底にこげついた飯。おこげ。
(2)炊き損じたこげくさい飯。
焦らす
じらす【焦らす】
irritate;→英和
fret;→英和
tantalize;→英和
tease (からかって).→英和
焦らす
じら・す [2] 【焦らす】 (動サ五[四])
相手がいらいらするようにさせる。いらだたせる。「わざと遅れて―・す」
焦らる
いら・る 【焦らる・苛る】 (動ラ下二)
気をもむ。いらいらする。「おきふし泣き―・るれば/落窪 1」
焦り
あせり [3] 【焦り】
あせること。気がいらだつこと。「敵に―の色が見えてきた」「相手の―を誘う」
焦る
あせ・る [2] 【焦る】 (動ラ五[四])
(1)早くやろう,うまくやろうと思っていらいらする。「勝ちを―・って失敗する」
(2)気がはやって,足をばたばたさせる。「―・る上馬(アガリウマ)に乗りて/梁塵秘抄」
焦る
あせる【焦る】
be in a hurry;→英和
be impatient;be too eager <for success> .焦らない be in no hurry.
焦れ
じれ [2] 【焦れ】
〔動詞「焦(ジ)れる」の連用形から〕
じれったく思うこと。じれること。「―がくる」
焦れったい
じれった・い [4] 【焦れったい】 (形)[文]ク じれつた・し
〔近世以降の語〕
早くそうなればいいと思っているのに,なかなか進まないので,じっとしていられない。はがゆい。もどかしい。「また三振とは―・い試合だ」「ああ,―・い」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
焦れったい
じれったい【焦れったい】
irritating;provoking;impatient;→英和
teasing;tantalizing.→英和
焦れる
じ・れる [2] 【焦れる】 (動ラ下一)
思うとおりにならなくて気持ちがいらいらする。いらだつ。「なかなか魚が釣れないので―・れてくる」
焦れる
じれる【焦れる】
fret (and fume) <about> ;→英和
become impatient;be irritated.
焦れ込む
じれこ・む [3][0] 【焦れ込む】 (動マ五[四])
じりじりする。いらだつ。「きた八―・みてありたけ手をのばし/滑稽本・続膝栗家 11」
焦土
しょうど セウ― [1] 【焦土】
焼けて黒くなった土。家などがすっかり焼けてしまった土地。「東京中が―と化す」
焦土と化す
しょうど【焦土と化す】
be reduced to ashes.
焦土外交
しょうどがいこう セウ―グワイカウ [4] 【焦土外交】
国が焦土と化しても国策を遂行しようとする外交。1932年(昭和7)8月,国際的に非難されていた満州国承認を強行しようとして述べた内田康哉外相の語による。
焦土戦術
しょうどせんじゅつ セウ― [4] 【焦土戦術】
(1)敵に利用されないように,施設などを自ら徹底的に破壊・焼却する戦術。
(2)敵の総合的戦力を弱めるために,無差別にすべてのものを破壊・焼却すること。
焦尾
しょうび セウ― [1] 【焦尾】
「焦尾琴(キン)」に同じ。また,琴の尾端。
焦尾琴
しょうびきん セウ― [0] 【焦尾琴】
〔後漢書(蔡邕伝)〕
後漢の蔡邕(サイヨウ)が燃やされている桐の音で良材であることを知り,半分焦げたものを譲り受けて作ったという琴。琴の名器。焦琴。
焦心
しょうしん セウ― [0] 【焦心】 (名)スル
心をいらだたせること。また,思い悩むこと。「異国で―する」
焦思
しょうし セウ― [1] 【焦思】 (名)スル
気をもむこと。思いわずらうこと。焦慮。「日夜―苦慮せらるるなり/新聞雑誌 57」
焦性
しょうせい セウ― [0] 【焦性】
加熱に関連した現象や,加熱による脱水反応の結果生じた化学物質を表す接頭語。ピロ。
焦性没食子酸
しょうせいもっしょくしさん セウ― [0] 【焦性没食子酸】
⇒ピロガロール
焦性葡萄酸
しょうせいぶどうさん セウ―ブダウ― [0] 【焦性葡萄酸】
⇒ピルビン酸(サン)
焦慮
しょうりょ セウ― [1] 【焦慮】 (名)スル
あせっていら立つこと。また,その気持ち。「交渉の遅延に―する」
焦慮する
しょうりょ【焦慮する】
be impatient;be anxious <for> ;worry oneself <about> .
焦点
しょうてん セウ― [1] 【焦点】
(1)鏡・レンズなどで,光軸に平行な光線が反射あるいは屈折して集まる一点。
(2)〔数〕 円錐曲線を作る基本となる定点。円錐曲線は焦点と定直線(準線)からの距離の比が一定な点全体の集合と定義される。
(3)人々の関心や注意が集まるところ。また,物事の中心となるところ。「―の定まらない議論」
(4)将棋で,二つ以上の駒が利いている点。
焦点(1)[図]
焦点
しょうてん【焦点】
a focus.→英和
〜が合って(外れて)いる be in (out of) focus.〜を合わせる (take the) focus.二〜の bifocal <lens> .→英和
‖焦点距離 the focal distance.焦点深度 the depth of focus.
焦点ガラス
しょうてんガラス セウ― [5] 【焦点―】
⇒ピントグラス
焦点深度
しょうてんしんど セウ― [5] 【焦点深度】
焦点に立てた光軸に垂直な面を光軸にそって前後に移動しても遠方からの光線の像が鮮鋭に見える光軸上の範囲。
焦点距離
しょうてんきょり セウ― [5] 【焦点距離】
一つの光学系における焦点と主点との距離。厚みの薄い一枚のレンズや鏡では,光軸とレンズあるいは鏡との交点から焦点までの距離。
焦熱
しょうねつ セウ― [0] 【焦熱】
(1)すべての物を焼き焦がすような暑さ。「―の地」
(2)「焦熱地獄(ジゴク)」の略。
焦熱地獄
しょうねつじごく セウ―ヂ― [5] 【焦熱地獄】
八大地獄の第六。ここに落ちた罪人は,堪え難い火熱の苦しみを受けるという。炎熱地獄。
焦熱地獄
しょうねつじごく【焦熱地獄】
a (burning) hell;an inferno.→英和
焦燥
しょうそう セウサウ [0] 【焦燥・焦躁】 (名)スル
思うように事が運ばなくていらいらすること。あせること。「―感」「此難渋に堪へずして―した余の事である/伊沢蘭軒(鴎外)」
焦燥
しょうそう【焦燥】
fretfulness;impatience.→英和
〜を感じる feel impatient[restless];fret.→英和
焦爛
しょうらん セウ― [0] 【燋爛・焦爛】 (名)スル
焼けてただれること。
焦眉
しょうび セウ― [1] 【焦眉】
〔眉を焦がすほど火が近づいている意から〕
事態が非常に切迫していること。
焦眉の
しょうび【焦眉の】
urgent;→英和
pressing;→英和
imminent;→英和
burning <question> .→英和
焦眉の急
しょうびのきゅう セウ―キフ 【焦眉の急】
さしせまった危険や急務。
焦茶
こげちゃ【焦茶】
(a) dark brown (color).
焦茶
こげちゃ [0][2] 【焦茶】
黒みのある濃い茶色。こげ茶色。
焦螟
しょうめい セウ― [0] 【焦螟・蟭螟】
蚊のまつげに巣くうという想像上の小虫。微小なもののたとえ。「おめへ方に兎の毛どころか―の産毛ほどもこみやられてなるものか/西洋道中膝栗毛(魯文)」
焦躁
しょうそう セウサウ [0] 【焦燥・焦躁】 (名)スル
思うように事が運ばなくていらいらすること。あせること。「―感」「此難渋に堪へずして―した余の事である/伊沢蘭軒(鴎外)」
焦電効果
しょうでんこうか セウデンカウクワ [5] 【焦電効果】
温度変化によって誘電体結晶の電気分極の大きさが変化し電圧が現れる現象。温度センサーなどに応用される。ピロ電気効果。パイロ電気効果。
焦電気
しょうでんき セウ― [3] 【焦電気】
電気石などの誘電体結晶の一部を熱したとき,その表面に電荷が現れる現象,またはその電荷。ピロ電気。パイロ電気。
焦頭爛額
しょうとうらんがく セウトウ― [0] 【焦頭爛額】
〔漢書(霍光伝)〕
火災の予防策を献ずる者は賞を与えられず,火災が起きた時に頭を焦がし額をただれさせて救った者は賞を与えられるということ。根本を忘れて瑣末(サマツ)なことだけを重視することのたとえ。
焮衝
きんしょう [0] 【焮衝】 (名)スル
身体の一局部が腫(ハ)れて熱をもち痛むこと。炎症。「顔が真赤に―する/思出の記(蘆花)」
然
しか 【然・爾】 (副)
(1)そのように。そう。「このころは千年や行きも過ぎぬると我や―思ふ見まく欲りかも/万葉 686」
(2)感動詞的用法。相手の言葉を受けて,あいづちを打ったり,承諾の意を表すとき用いる。そうだ。はい。「生むこと奈何(イカニ)とのりたまへば,伊邪那美命,―善けむと答へたまひき/古事記(上訓)」「童,―,五六たびばかりは見奉りたり,と答ふ/今昔 20」
然
ぜん 【然】 (接尾)
名詞に付いて,いかにもそのようなさまの意を表す。「学者―としている」
然
さ 【然】 (副)
前に示されていることを受けて,その事態を示す語。そう。そのように。「―思(オボ)したり/源氏(桐壺)」
〔平安時代以後にみられる語〕
→さこそ
→さのみ
→さだに
→さは
→さばかり
→さも
→さらで
然々
しかじか【然々】
so and so;and so on[forth].〜の such and such <a day> .
然う
そう サウ 【然う】
〔「さ」の転〕
■一■ [0] (副)
(1)相手にかかわる事態や,相手が発言した事態を表す。そのように。そんなに。「―泣いてばかりいてもしかたがない」「まあ,―怒るな」「私も―思う」
(2)(打ち消しの語を伴って)その程度がはなはだしくない状態を表す。それほど。あまり。「―昔の話ではない」「この品は―高くはない」「まだ―遅くはない」
■二■ [1] (感)
(1)相手に対する同意・肯定の気持ちを表す語。「―,君の言うとおりだね」「―,よくできました」
(2)相手の言葉に対する軽い疑い・迷い・驚きなどの気持ちを表す語。「―,うそじゃないだろうな」
(3)話の途中で考えたり,思いついたりしたときに発する語。「あっ,―,―,こんなことがありましたよ」「八月半ばの,―,とても暑い日のことでした」
然うして
そうして サウ― [0] 【然うして】 (接続)
(1)前に述べた事柄を受けて,それに引き続いて起こる事柄を述べる。それから。「あたりが暗くなった。―大粒の雨が降り始めた」
(2)前件に述べた事柄に後件をつけ加える。その上。さらに。「文学・歴史―教育と幅広く活躍する」
然う斯う
そうこう サウカウ [1] 【然う斯う】 (副)スル
あれこれ。何やかやと。「―しているうちに,終点に着いた」
然う然う
そうそう サウサウ 【然う然う】
■一■ [0][1] (副)
(1)それほどに。そんなに。多く打ち消しの語を伴う。「―無理は言えない」「―相手にしてはいられない」
(2)繰り返したり,継続したりするさま。そのようにずっと。「―スルホドニ,ヨウヨウ,羊ヲモコトゴトククイツクシ/天草本伊曾保」
■二■ [1] (感)
(1)思い出したときに発する語。「―,電話するのを忘れていた」
(2)相手に対する同意や肯定の気持ちを表す語。「―,そのとおりだ」
然く
しかく [2] 【然く・爾く】 (副)
〔古くは漢文訓読に用いられた語〕
そのように。そんなに。「―平気な男も時々は歓楽の飽満に疲労して/門(漱石)」
然こそ
さこそ 【然こそ】 (連語)
(1)きっと。さだめて。さぞかし。「―異様(コトヨウ)なりけめ/徒然 53」
(2)そのように。あんなに。「すべて―あらめと/紫式部日記」
(3)いくら…でも。「―世を捨つる御身といひながら/平家(灌頂)」
然し
しかし【然し】
but;→英和
however;→英和
nevertheless;→英和
still;→英和
and yet.
然し
しかし [2] 【然し・併し】 (接続)
(1)前に述べたことや相手の判断と対立する事柄を話しだすときに用いる。そうではあるが。けれども。だが。「天気は悪い。―,出発する」「実験は成功した。―,喜んではいられない」「『絶対彼が犯人だ』『―,証拠はあるか』」「面倒くさいが,―そうもいっていられまい」
(2)前に述べたことを受けつつ,話題を転ずるときに用いる。それはそれとして。「よく会社をやめる決心がついたね。―これからどうするつもりだい」
(3)感動を込めて述べ始めるときに用いる。それにしても。「―,豪荘な邸宅だなあ」
然した
さした [1][0] 【然した】 (連体)
(下に打ち消しの語を伴って)これといった。さほどの。さしたる。「これまでは―苦労もしなかった」
然したる
さしたる [1][0] 【然したる】 (連体)
〔副詞「然(サ)」にサ変動詞「する」の連用形「し」,完了の助動詞「たり」の連体形「たる」の付いたものから〕
(1)(下に打ち消しの語を伴って)とりたてていうほどの。それほどの。「―困難はない」
(2)心にこれときめた。特に指定した。「―ことなん言はんと思ふ。今の程,時かはさず来(コ)/宇治拾遺 14」
然して
さして [1][0] 【然して】 (副)
〔動詞「さす」の連用形に助詞「て」のついた形から〕
(1)(下に打ち消しの語を伴って)その程度があまりはなはだしくない状態や特別ではないさまを表す。それほど。たいして。「―ひどいとは思えない」「―困っているわけではない」
(2)それとはっきりと。「女を―その人とたづねいで給はねば/源氏(夕顔)」
然して
しかして [2] 【然して・而して】 (接続)
〔副詞「しか」に動詞「す」の連用形「し」,助詞「て」の付いた語〕
そうして。こうして。それから。文章に用いる。「大いに破壊して―改修せざるべからざるもの多々あるなり/偽悪醜日本人(雪嶺)」
然しながら
さしながら 【然しながら】 (副)
〔「し」は強めの助詞〕
さながら。そのままそっくり。「左大将殿の大君,すべてこの御族(ゾウ),君達,女たち―御容貌(カタチ)いと清らなり/宇津保(初秋)」
然しも
さしも [1][0] 【然しも】 (副)
〔副詞「さ」に助詞「し」「も」が付いた語〕
(1)あれほど。あんなに。「―無情な連中も涙なしには聞かれまい」
(2)「さ(然)」を強めた言い方。そのようにも。「心に少く慌てたれど,―顕さで/金色夜叉(紅葉)」「何か―思す。今は世になき人の御事はかひなし/源氏(若紫)」
然し乍ら
しかしながら [4] 【然し乍ら・併し乍ら】
■一■ (接続)
そうではあるが。だが。しかし。主に文章や演説で用いる。「彼は未熟であるかもしれない。―前途は洋々としている」
■二■ (副)
〔漢文訓読に用いられた語〕
(1)そっくりそのまま。すべて。ことごとく。「願はくは天の下の―衆生皆解脱を蒙らむ/日本書紀(欽明訓)」「位をつぎ国を治めたまふことは,―天照大神・正八幡宮の御はからひなり/保元(上)」
(2)つまるところ。要するに。結局。「人のために恨みをのこすは,―,我身のためにてこそありけれ/宇治拾遺 11」
然すれば
さすれば [2] 【然すれば】 (接続)
(1)そうであるから。だから。「鎮台を焼払ふ。―曲者は床の下で焼死で仕舞ふだらう/鉄仮面(涙香)」
(2)それならば。「計(タク)みには有ぬか,―此儘に捨置き難し/鉄仮面(涙香)」
然せる
させる [2] 【然せる】 (連体)
(下に打ち消しの語を伴って)とりたてていうほどの。さほどの。さしたる。「―こともなく終わる」「―御咎めもなく/怪談牡丹灯籠(円朝)」
然だに
さだに 【然だに】 (連語)
せめてそれだけでも。「―あらせ給へ/堤中納言(はいずみ)」
然なくとも
さなくとも 【然なくとも】 (連語)
そうでなくても。
然ならず
さなら∘ず 【然ならず】 (連語)
(1)そうではない。「―∘ぬことだに人の御ためには善様(ヨサマ)の事をしも/源氏(葵)」
(2)普通ではない。「―∘ぬうち解けわざもし給ひけり/源氏(末摘花)」
然なり
さ∘なり 【然なり】 (連語)
そうである。そうだ。「―∘なり,おもしろの駒侍るめり/落窪 2」
→然ならず
然に非ず
さにあらず 【然に非ず】 (連語)
そうではない。「図星だと思ったが―」
然のみ
さのみ [1] 【然のみ】 (副)
〔副詞「さ」に強意の助詞「のみ」の付いた語。現代では下に打ち消しを伴う〕
(1)それほど。たいして。「背は…―高いといふ程でもないが/浮雲(四迷)」
(2)そのように。そう一概に。「よき人は知りたることとて,―知り顔にやは言ふ/徒然 79」
然は
さは 【然は】 (連語)
〔副詞「さ(然)」に助詞「は」の付いたもの〕
そのようには。そうは。さようには。「―申すとも,はや焼きて見給へ/竹取」
然も
さも [1] 【然も】 (副)
〔副詞「然(サ)」に助詞「も」が付いた語〕
(1)本当にそれらしいさま。いかにも。「―うれしそうに笑う」
(2)そのように。そのとおりに。「―あらん」「女思ひも寄らねば,―心も得で有るに/今昔 29」
然も
しかも【然も】
[その上]moreover;→英和
besides;→英和
also;→英和
too;→英和
and that;into the bargain;→英和
[にもかかわらず]and yet;for all that.
然も
しかも [2] 【然も・而も】 (接続)
〔漢文訓読に由来する語〕
前述の事柄にさらに後述の事柄がつけ加わる意を表す。その上に。さらに。「最初で,―最後の機会」「さんざん待たせて,―平然としている」「彼様(アンナ)猥褻な席に連つてゐる。…―一所に成つて巫山戯(フザケ)てゐる/浮雲(四迷)」
然もない
さもな・い 【然もない】 (連語)
⇒「さも」の句項目
然も然も
さもさも [1] 【然も然も】 (副)
〔「さも」を重ねて強めた語〕
いかにも。「―重大そうに話す」
然らしめる
しからし・める [5] 【然らしめる】 (動マ下一)[文]マ下二 しからし・む
そういう結果・状態にさせる。そのようにさせる。「時勢の―・めるところだ」
然らず
さらず 【然らず】 (連語)
〔動詞「然(サ)り」の未然形に打ち消しの助動詞「ず」の付いたもの〕
そうではない。「―とて幾世もあらじいざやさは法にかへつる命とおもはむ/新古今(釈教)」
然らずば
しからずば [3] 【然らずば】 (接続)
〔「しからずは」の転〕
そうでなければ。さもなくば。しからずんば。「『吾に自由を与へよ,―死を与へよ』と叫むだり/思出の記(蘆花)」
然らずんば
しからずんば [4] 【然らずんば】 (接続)
「しからずば」の転。
然らで
さらで 【然らで】 (連語)
〔動詞「然(サ)り」の未然形に助詞「で」が付いたもの〕
そうでなくて。「―,よろしかるべき人,誰ばかりかはあらむ/源氏(若菜上)」
然らぬ
さらぬ [2] 【然らぬ】
■一■ (連体)
〔■二■の一語化したもの〕
なんでもない。大したことでもない。「―顔」「―やうにてもてないて/平家 12」
■二■ (連語)
〔動詞「然(サ)り」の未然形に打ち消しの助動詞「ず」の連体形が付いたもの〕
そうでない。その他の。「軍人の帽又は―人の帽などの/浴泉記(喜美子)」「頭中将,左中弁,―君だちも/源氏(若紫)」
然らば
さらば [1] 【然らば】
〔動詞「然(サ)り」の未然形に助詞「ば」が付いたもの〕
■一■ (接続)
(1)それならば。それでは。「―これまでと観念する」「―ゆるしてよとて,ゆるされにけり/宇治拾遺 4」
(2)(下に打ち消しの語を伴って)それなのに。ところが。「法師どもに具しておはしけるが,―急ぎも歩み給はで/平家 8」
■二■ (感)
人と別れる時の挨拶(アイサツ)の言葉。さようなら。「いまこそわかれめ,いざ―」
→おさらば
然らば
しからば [2] 【然らば】
■一■ (接続)
(1)前述の事柄を仮定した場合に生ずる事柄を後述する。多く文章に使う。もしそうならば。それなら。「スポーツは単なる闘争ではない。―,その目的は何か」
(2)前述の事柄を理由として,その結果もたらされる事柄を後述する。そうであるから。それだから。「我,今この大海を飲みつくすべし。―,一いちに大海に流れ入る所の河を,ことごとく堰きとめ給へ/仮名草子・伊曾保物語」
■二■ (感)
別れの挨拶に用いる語。さようなら。「―御免」「『や,―』『はい,さやうなら』/滑稽本・浮世風呂 4」
然らば垣
さらばがき [3] 【然らば垣】
京都の遊里島原の総門の外にあった垣。遊女が客を送ってきて別れをするところから。
然り
しか・り [2] 【然り】 (動ラ変)
〔「しかあり」の転〕
そうである。そのようである。そのとおりである。「人類の国家を造る,故なくして―・るにあらず/真善美日本人(雪嶺)」「人皆か我(ア)のみや―・る/万葉 892」
〔現在,終止形を「そうだ」「そのとおり」の意で,感動詞的に使うことがある。「『我我は立ち上がらねばならぬ』『―・り』」〕
然り
さ・り 【然り】 (動ラ変)
〔動詞「あり」に副詞「さ」が付いた「さあり」の転〕
そのとおりである。そうである。「『おい,―・り。おい,―・り』と,うなづきて/源氏(玉鬘)」「いき通ふ所出できにけり,―・りけれどこの元の女,悪しと思へるけしきもなくて出しやりければ/伊勢 23」
〔似た意味の語として「しかり」があるが,「しかり」が主に漢文脈で用いられるのに対し,「さり」は和文脈で用いられる〕
→さらず
→さらん
→さりとて
→さりとは
→さりとも
→さる(連体)
然りげ
さりげ 【然りげ】 (形動ナリ)
〔副詞「さ(然)」,動詞「あり」,接尾語「げ」が結び付いた「さありげ」の転〕
そのようなさま。「おぼす事やある。御けしきにこそ―なれ/落窪 2」
然りげ無い
さりげな・い [4] 【然りげ無い】 (形)[文]ク さりげな・し
考えや気持ちを表面に表さない。何げない。「―・い顔」「―・い調子で受け答えする」
[派生] ――さ(名)
然りとて
さりとて [1] 【然りとて】 (接続)
そうはいっても。そうだからといって。だが。「欲しいが,―すぐには買えない」
然りとは
さりとは [1] 【然りとは】 (接続)
(1)そうだとは。そういうこととは。「―知らなかった」
(2)これはまあ。それはそれは。感動をこめていう。「―やさしく情のふかき御かた/浮世草子・五人女 4」
然りとも
さりとも 【然りとも】 (接続)
(1)そうであっても。それでも。「―まかりて仰せ事たまはむ/竹取」
(2)いくらなんでも。よもや。まさか。「―と思ひつつ明くるを待ちつる心もとなさ/更級」
然りぬべし
さりぬ∘べし 【然りぬべし】 (連語)
(1)適当だ。それにふさわしい。「中将,わりなくゆかしがれば,―∘べき,少しは見せん,かたはなるべきもこそと/源氏(帚木)」
(2)相当である。身分の高い。「なほ―∘べからむ人の女などは/枕草子 22」
然りや
さりや 【然りや】 (感)
本当にそうである。そのとおりだ。「―,年経ぬるしるしよ,とうち笑ひ給ひて/源氏(末摘花)」
然り乍ら
さりながら [3][1] 【然り乍ら】 (接続)
そうではあるが。しかし。「その罪は重い。―事情をくんでやるべきだ」
然り而(シコウ)して
然り而(シコウ)して
先行の事柄を肯定的に受けて,後続の事柄に続けるときに用いる語。(そのとおりだ)そして。しかりしかして。
然る
さる [1] 【然る】 (連体)
〔動詞「然(サ)り」の連体形から〕
場所・人を漠然とさし示し,また物事を漠然と表現する時に用いる。
(1)ある。とある。「―方面よりの要請」「―人の御落胤」「―所に」
(2)相当な。しかるべき。「別当入道―人にて/徒然 231」
(3)そのような。そんな。「―さがなきえびす心を見ては,いかがはせむは/伊勢 15」
→さるもの(連語)
→さるかた(連語)
然るから
さるから 【然るから】 (接続)
(1)そうだから。「―さぞ,ともうち語らはば,つれづれなぐさまめと思へど/徒然 12」
(2)しかしながら。「泣き泣き女問ふことなれば,ほろりと云て―健気に有るべき所に眼を着けて言ふべし/申楽談儀」
然るが故(ユエ)に
然るが故(ユエ)に
そうであるために。それゆえに。
然るに
しかるに【然るに】
but;→英和
however;→英和
yet;→英和
whereas;→英和
at the same time;on the contrary.→英和
〜また on the other hand.
然るに
しかるに [2] 【然るに】 (接続)
〔動詞「しかり」の連体形「しかる」に,助詞「に」の付いた語〕
(1)そうであるのに。それなのに。多く文章や演説などに用いる語。「国民に福祉の向上を誓った。―,その公約は全く実行されていない」
(2)話題を変えて,別のことを述べる時,その冒頭に用いる。ところで。さて。「―,其の人の右中弁にて殿上人にて有ける時に/今昔 28」
然るに
さるに 【然るに】 (接続)
(1)しかるに。ところが。「―,かの大将,出でてたばかりたまふやう/伊勢 78」
(2)そうしたところ。すると。「―,十二月ばかりにとみの事とて御文あり/伊勢 84」
然るは
さるは 【然るは】 (接続)
(1)上に述べたことを説明するのに用いる。以上のようであるのは。それというのは。それは。「ゆかしき人かなと,目止まり給ふ。―,限りなう心を尽くし聞こゆる人によう似奉れるが/源氏(若紫)」
(2)上に述べたことに軽く付け加える意を表す。また。しかも。それに。「(死ンダコトヲ)聞き伝ふるばかりの末々は,あはれとやは思ふ。―,跡とふわざも絶えぬれば/徒然 30」
(3)上に述べたことに対して,以下に述べることが話題転換または逆接になることを表す。「(鶯ハ)十年ばかりさぶらひて聞きしに,まことにさらに音せざりき。―,竹近き紅梅も,いとよく通ひぬべき便りなりかし/枕草子 41」
然るべき
しかるべき【然るべき】
due;→英和
proper;→英和
suitable;→英和
right;→英和
decent;→英和
respectable;→英和
justifiable.→英和
然るべく
しかるべく【然るべく】
properly;→英和
as one thinks[one may think]fit.
然るべし
さる∘べし 【然るべし】 (連語)
〔動詞「然(サ)り」の連体形に推量の助動詞「べし」の付いた語〕
(1)そうするのにふさわしい。しかるべきである。「さりとて―∘べくて生まれ給へる人の/浜松中納言 1」
(2)そうなるのが当然である。「この世中は―∘べきぞや。なにかおもほす/落窪 1」
(3)相当である。立派である。「―∘べきものの子どもにて,心のままにけふはわがよと,人払はせ/大鏡(師輔)」
然るまじ
さる∘まじ 【然るまじ】 (連語)
〔動詞「然(サ)り」の連体形に打ち消し推量の助動詞「まじ」の付いた語〕
(1)そうなるはずはない。そうするべきでない。「この―∘まじき御中のたがひにたれば/蜻蛉(中)」
(2)取るに足りない。たいしたことではない。「―∘まじき人のもとに,あまりかしこまりたるもげにわろきことなり/枕草子 262」
然るを
しかるを [2] 【然るを・而るを】 (接続)
それなのに。それにもかかわらず。「是を三代将軍と号す。―頼家の卿は実朝の為に討たれ/太平記 1」
然るを
さるを 【然るを】 (接続)
先行の事柄に対し後続の事柄が,反対・対立の関係にあることを表す語。ところが。「をとこ女…異心なかりけり。―いかなる事かありけむ/伊勢 21」
然る事
さること 【然る事】 (連語)
(1)そのようなこと。「いかでか―なくてはおはせむ/竹取」
(2)当然のこと。もっともなこと。いうまでもないこと。「君少しかた笑みて―とは思すべかめり/源氏(帚木)」
然る事乍ら
さることながら 【然る事乍ら】 (連語)
それはもちろんのことであるが,そればかりでなく。「外見も―中身もすばらしい」
然る人
さるひと 【然る人】 (連語)
(1)そのような人。「そのわたりには,―きこえ給はず/浜松中納言 1」
(2)しかるべき人。立派な人。「頼政卿―にて/平家 1」
然る可き
しかるべき 【然る可き】 (連語)
(1)そうするのが当然である。「重罪に処せられて―だ」
(2)(連体詞的に用いて)適当な。ふさわしい。「―人を立てて交渉するのがよい」
然る可く
しかるべく 【然る可く】 (連語)
(副詞的に用いて)適当に。よいように。「―処置する」
然る可し
しかる∘べし 【然る可し】 (連語)
(1)もっともだ。当然だ。そうなる運命だ。「何事も―∘べき事と申しながら/平家 8」
(2)適当だ。その場にふさわしい。時宜を得ている。「いかさまにも今夜(コヨイ)首を刎ねられん事,―∘べうも候はず/平家 2」
(3)そうしてもよい。そうすることができる。「―∘べう候はば,御ゆるされをかうぶて/平家 11」
(4)立派だ。すぐれている。身分がある。「しかる間,京より―∘べき女車に乗りて参る/今昔 16」
然る後
しかるのち [2] 【然る後】 (接続)
そうしてから。そのあとで。「登録手続きを行い,―申し込むこと」
然る方
さるかた 【然る方】 (連語)
(1)ある人。特に,名を秘す必要のあるときに用いる。「―から依頼された件」
(2)そういう方面。そのむき。「―に見所ありぬべき女の/源氏(橋姫)」
(3)(「さるかたに」の形で)それはそれでまた。「気近く愛敬づきて,うちそぼれたるは,―にをかしく/源氏(常夏)」
→さる(然)
然る様
さるよう 【然る様】 (連語)
しかるべき事情。「殿は―ありて/源氏(浮舟)」
然る物
さるもの 【然る物】 (連語)
そのとおりであること。もっともなこと。「…と人の仰せられしこそ,げに―なれ/徒然 19」
然る程に
さるほどに 【然る程に】 (接続)
(1)そうこうするうちに。やがて。「―げに世の中に許され給ひてみやこに帰り給ふ/源氏(蓬生)」
(2)文頭において話題を変える時に用いる語。さて。ところで。「―鬼界が島へ三人ながされたりし流人/平家 3」
(3)先行の事柄に対して感動をもっていう語。さてもさても。全く。「人の盗まぬものは出まするぞ。―憎い鼠めといへば/浮世草子・胸算用 1」
然る者
さるもの 【然る者】 (連語)
(1)したたか者。抜け目のない者。油断のならない者。「敵も―」「志丈も中々―ゆゑ/怪談牡丹灯籠(円朝)」
(2)ある地位・才能などがあり軽視できない人。「―にしなして,長く見るやうも侍りなまし/源氏(帚木)」
然る間
さるあいだ 【然る間】
■一■ (接続)
さて。「万(ヨロズ)の木の実を愛し,いとやさしき色好みにておはしける。―立願の子細有りて/御伽草子・のせ猿」
■二■ (連語)
そうするうち。そのうち。「―に,思ひはいやまさりにまさる/伊勢 40」
然る間
しかるあいだ 【然る間】 (接続)
〔動詞「しかり」の連体形「しかる」に,名詞「あいだ」の付いた語。漢文訓読に用いられた語で,和文では,「さるほどに」が用いられた〕
(1)そうしているうちに。そのうちに。「―,既に酉の時ばかりに成りぬ/今昔 26」
(2)それだから。それゆえ。そのために。「中宮御座の御祈によて非常の赦行はる。―,鬼界の嶋の流人,少将成経・康頼法師赦免/平家 3」
然れど
されど [1] 【然れど】 (接続)
上に述べたことと下に述べたことが逆接になることを表す。そうではあるが。しかし。されども。「腰なむ動かれぬ。―子安貝をふと握りもたればうれしくおぼゆる也/竹取」
然れども
しかれども [2] 【然れども】 (接続)
〔動詞「しかり」の已然形「しかれ」に,接続助詞「ども」の付いた語。古くは漢文訓読に多く用いられた〕
そうではあるけれども。しかしながら。「我国の智識に於ける竟に彼の敵にあらざるべきか。―これ皮相の見のみ/真善美日本人(雪嶺)」
然れども
されども 【然れども】 (接続)
「されど(然)」に同じ。「玉ならずともありけむをと人言はむや。―,死し子,顔よかりき,といふやうもあり/土左」
然れば
されば 【然れば】
〔動詞「然(サ)り」の已然形に「は」の付いたもの〕
■一■ (接続)
(1)上に述べたことを受け,その帰結として下に述べる事柄が起こることを表す。そうであるから。だから。「やがて極楽へ参りけり。―心にだにもふかく念じつれば,仏も見え給ふなりけり/宇治拾遺 1」
(2)話題を転ずる時に用いる。さて。「才覚又ならぶ人なし。―,その里に戦ひおこつて/仮名草子・伊曾保物語」
(3)意外であるという意をこめて用いる。いったい。そもそも。「鎌倉へだにも入れられぬこそほいなけれ。―こは何事ぞ/平家 11」
■二■ (感)
応答に用いる語。さよう。「『権三殿は御存じないか』『―存じたとも申されず,存ぜぬとも申されぬ』/浄瑠璃・鑓の権三(上)」
然れば
しかれば 【然れば】 (接続)
〔「しかり」の已然形「しかれ」に接続助詞「ば」の付いた語。漢文訓読に用いられた語で,古くは,和文系の「されば」と対応した〕
(1)そうであるから。それだから。「命を堕さん事を悔いず,―寂阿に於ては,英時が城を枕にして討死すべし/太平記 11」
(2)話題を変える時,話の冒頭に用いる。ところで。さて。「―,胡国の軍(イクサ),強(コオ)うして従ふこと期(ゴ)し難し/謡曲・昭君」
然ればいな
さればいな 【然ればいな】 (感)
〔近世語〕
相手の言葉を受けて答える時に言う語。多く女性が用いた。そう。はい。さればいの。「お馴染み故ぢやと云ひければ,―,其の文見ると嬉しうて/浄瑠璃・生玉心中(上)」
然ん候ふ
さんぞうろう 【然ん候ふ】 (連語)
〔「さにさうらふ」の転〕
主人など目上に対する応答の語。さようでございます。「『汝は花方か』『―』/平家 10」
然可し
さ∘べし 【然可し】 (連語)
〔「さるべし」の転〕
(1)そうあるべきである。「―∘べき(=当然訪問スベキ)宵など物ごしにてぞ語ひ侍る/源氏(末摘花)」
(2)しかるべきである。それ相応である。「―∘べき御祈りども数を尽くさせ給ふ/栄花(花山)」
然有らぬ
さあらぬ 【然有らぬ】 (連語)
なにげない。なにくわぬ。さらぬ。「―体(テイ)に答ふるを聞ながらも/鉄仮面(涙香)」
然有り
さあ・り 【然有り】 (連語)
(1)そうである。そうなのだ。「などか―・らむ,猶ゐておはしまさむ/竹取」
(2)そうだ。そのとおりだ。「げにも―・り,ややうかりもさうよなう/狂言・麻生」
然様
さよう [0] 【左様・然様】
■一■ (形動)[文]ナリ
前の内容を受けて,「そのような」「そのとおりの」の意に用いる。「―なことは存じません」「―なる人になりては,ドメニカが許には居られぬにや/即興詩人(鴎外)」
■二■ (感)
(1)相手の話を肯定するときに用いる。そうだ。そのとおり。「―,私が致しました」
(2)物を思い出したりしたときに用いる。そうそう。そういえば。「―,あれは私が八歳の時のことでした」
然灯
ねんとう [0] 【燃灯・然灯】
(1)灯をともすこと。特に法会などで,供養のために灯をともすこと。
(2)「燃灯仏(ブツ)」に同じ。
然灯仏
ねんとうぶつ [3] 【燃灯仏・然灯仏】
修行中の釈迦に,未来に仏となることを予言した過去の世の仏。釈迦は,この仏のために蓮の花を捧げ,また,歩きやすいように自分の髪の毛を泥道の上に敷いたという。錠光(ジヨウコウ)仏。
然然
ささ 【然然】 (副)
これこれ。しかじか。「―の所よりなりけりと聞き給ひて/蜻蛉(中)」
然然
しかじか [2][0] 【然然・云云】 (副)
繰り返して言ったり,詳しく言ったりする必要のないとき,その代わりに使う語。かくかく。これこれ。うんぬん。「―の理由によると明記せよ」「返書の旨趣を―と語り/近世紀聞(延房)」
然然
しかしか 【然然】 (感)
〔「しか」を重ねた語〕
そうそう。そのとおり。「―,さはべりし事也/大鏡(序)」
然知ったり
さしったり 【然知ったり】 (連語)
(1)待ち構えていたときに発する言葉。よし,きた。心得た。合点だ。「―と頼光髭切をさしかざし/浄瑠璃・嫗山姥」
(2)失敗したときに発する言葉。しまった。「太刀をさか手に突けども切れども手ごたへなし。―と取りなほし/浄瑠璃・日本振袖始」
然程
さほど [0] 【然程】 (副)
(「さほどに」の形でも用いられる。多く打ち消しの語を伴う)それほど。そんなに。「―の人物ではない」「―に辛(ツラ)くもない」
然菅の渡り
しかすがのわたり 【然菅の渡り】
三河国の飽海川(現在の豊川)河口近くにあった渡し場。((歌枕))「をしむともなき物ゆゑに―と聞けばただならぬかな/拾遺(別)」
然許り
しかばかり 【然許り】 (副)
これほどまでに。そんなにまで。「―ちぎりしものを/和泉式部日記」
然許り
さばかり 【然許り】 (副)
〔副詞「さ」に助詞「ばかり」の付いた語から〕
(1)それくらい。あのくらい。あんなにも。「この殿の御心―にこそとて/徒然 10」
(2)非常に。たいへん。「―寒き夜もすがら/徒然 23」
然諾
ぜんだく [0] 【然諾】 (名)スル
引き受けること。承諾。承知。「又踴躍の教唆を受けては―せり/義血侠血(鏡花)」
然迄
さまで [1][2] 【然迄】 (副)
(下に打ち消しの語を伴って)それほどまでに。そんなには。「水は―に深からず/鉄仮面(涙香)」
然阿
ねんあ 【然阿】
⇒良忠(リヨウチユウ)
然阿
ぜんあ 【然阿】
⇒良忠(リヨウチユウ)
焼
シャオ [1] 【焼】
〔中国語〕
中国料理で,煮込み,またはあぶり焼きの調理法。
焼
やき [0] 【焼(き)】
(1)焼くこと。焼き方。焼き具合。「―が悪い」
(2)刀などを焼き入れすること。また,焼き入れの具合。
(3)嫉妬(シツト)。やきもち。「きつい―さ/洒落本・郭中奇譚」
焼き
やき [0] 【焼(き)】
(1)焼くこと。焼き方。焼き具合。「―が悪い」
(2)刀などを焼き入れすること。また,焼き入れの具合。
(3)嫉妬(シツト)。やきもち。「きつい―さ/洒落本・郭中奇譚」
焼き上がる
やきあが・る [4] 【焼き上(が)る】 (動ラ五[四])
すっかり焼ける。焼けてでき上がる。「パンがふっくらと―・る」
焼き上げる
やきあ・げる [4] 【焼(き)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 やきあ・ぐ
じゅうぶんに焼く。また,焼いて仕上げる。「パンを―・げる」
焼き上る
やきあが・る [4] 【焼き上(が)る】 (動ラ五[四])
すっかり焼ける。焼けてでき上がる。「パンがふっくらと―・る」
焼き串
やきぐし [0] 【焼き串】
肉・魚などを焼く時に刺す串。
焼き付く
やきつ・く [3] 【焼(き)付く】
■一■ (動カ五[四])
(1)焼けて付く。また,焼けて跡がつく。「モーターが―・く」「鏝(コテ)のあとが―・く」
(2)強く印象が残る。「光景がまぶたに―・く」
■二■ (動カ下二)
⇒やきつける
焼き付け
やきつけ [0] 【焼(き)付け】 (名)スル
(1)写真で,焼き付けること。プリント。
(2)「上絵付(ウワエツ)け」に同じ。
(3)めっきをすること。
焼き付ける
やきつける【焼き付ける】
print (写真を);→英和
glaze (陶器に);→英和
burn[fuse]together (金属を);be impressed <by> (胸に).
焼き付ける
やきつ・ける [4] 【焼(き)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 やきつ・く
(1)焼いた金属などを押しあてて印をつける。焼き印を押す。また,太陽などの強い熱線が照りつける。「酒樽に印を―・ける」「じりじりと―・けるような日差し」
(2)いつまでも消えない強い印象を残す。「目前の光景を心にしっかりと―・ける」
(3)写真で,印画紙にネガを重ね,光線にあてて陽画を作る。プリントする。
(4)陶磁器に絵や模様を描き焼いて付着させる。
(5)とかした金属を使って,金属と金属とをつける。また,めっきを施す。「シンチュウニキンヲ―・ケル/ヘボン(三版)」
焼き入れ
やきいれ [0] 【焼(き)入れ】
金属の熱処理操作の一。金属を高温に加熱したのち急冷して組成を変えること。これによって鋼を硬化させることができる。鋼の場合のほか,ジュラルミンなどに対しても行う。
焼き入れ炉
やきいれろ [4] 【焼(き)入れ炉】
金属の焼き入れに用いる炉。石炭・重油・ガス・電気などを熱源とする。
焼き刃
やきば [0] 【焼(き)刃】
「刃(ヤイバ){(1)}」に同じ。
焼き切り
やききり [0] 【焼(き)切り】
(1)物を焼き切ること。
(2)溶接などで,金属をとかしたり酸化させて切断すること。
焼き切る
やきき・る [3] 【焼(き)切る】 (動ラ五[四])
(1)火で焼いて,二つの部分に分ける。「金庫の扉を―・る」
(2)全部焼く。すっかり焼く。
[可能] やききれる
焼き切る
やききる【焼き切る】
burn off.
焼き判
やきはん [0] 【焼(き)判】
「焼き印(イン)」に同じ。
焼き刺し
やきざし [0] 【焼(き)刺し】
厄除けのために鰯(イワシ)の頭を柊(ヒイラギ)の小枝などで刺したもの。大晦日,正月,節分,月々の節の変わり目などに戸口や厠に挟む。
焼き割れ
やきわれ [0] 【焼(き)割れ】
焼き入れにむらがあった鋼が,体積膨張による歪(ヒズ)みのために割れること。
焼き印
やきいん [0] 【焼(き)印】
火で熱して物に押しあてて,跡を付ける金属製の印。また,それで焼き付けられたしるし。烙印(ラクイン)。焼き判。
焼き印編み笠
やきいんあみがさ [5] 【焼(き)印編み笠】
茶屋の焼き印を押してある貸し編み笠。京都島原などの遊郭で,客に貸した。
焼き味噌
やきみそ [0] 【焼(き)味噌】
杉板などに塗り付けた味噌を弱火で焼いたもの。
焼き団子
やきだんご [3] 【焼(き)団子】
火であぶって焼いた団子。
焼き土
やきつち [0] 【焼(き)土】
(1)焼いた土。
(2)枯れ草などを埴土(シヨクド)とともに焼いて肥料とするもの。
焼き場
やきば [0] 【焼(き)場】
(1)物を焼く場所。
(2)火葬場。
焼き塩
やきしお [0] 【焼(き)塩】
焙烙(ホウロク)などで煎(イ)った塩。苦みがとれ,風味がよくなる。古くは,素焼きの壺で蒸し焼きにした。
焼き増し
やきまし [0] 【焼(き)増し】 (名)スル
写真で,最初に焼き付けたときのネガを使用して追加の焼き付けをすること。
焼き太刀
やきたち 【焼き太刀】
〔「やきだち」とも〕
焼いて鍛えた太刀。「―のかど打ち放ちますらをの/万葉 989」
焼き太刀の
やきたちの 【焼き太刀の】 (枕詞)
(1)太刀は身につけるものであることから,そばに寄り添う意の「へつかふ」にかかる。「―へつかふことはさきくや我(ア)が君/万葉 641」
(2)焼き太刀が鋭いことから,「利心(トゴコロ)」にかかる。「―利心も我(アレ)は思ひかねつも/万葉 4479」
焼き太刀を
やきたちを 【焼き太刀を】 (枕詞)
〔焼き太刀を研ぐ意からとも,焼き太刀が鋭いことからともいう〕
同音を含む地名「礪波(トナミ)」にかかる。「―礪波の関に明日よりは/万葉 4085」
焼き尽くす
やきつく・す [4] 【焼き尽(く)す】 (動サ五[四])
すっかり焼く。残るものなく焼く。「あたり一面を―・す猛火」
[可能] やきつくせる
焼き尽す
やきつくす【焼き尽す】
burn up[away];be burnt down.
焼き尽す
やきつく・す [4] 【焼き尽(く)す】 (動サ五[四])
すっかり焼く。残るものなく焼く。「あたり一面を―・す猛火」
[可能] やきつくせる
焼き嵌め
やきばめ [0] 【焼き嵌め】
穴のあいた円板などの部材を加熱膨張させて穴の直径よりやや大きく作った軸を嵌(ハ)め入れ,冷却して固定する嵌(ハ)め合いの方法。
焼き戻し
やきもどし [0] 【焼(き)戻し】 (名)スル
焼き入れした金属を七〇〇度以下の温度に再加熱したのち,冷却する操作。普通は硬さが減り,粘り強くなるが,高速度鋼などのようにより硬くなる場合もある。
焼き打ち
やきうち [0] 【焼(き)討ち・焼(き)打ち】 (名)スル
攻撃目標の城・屋敷などに火矢を打ち込んだりして火をかけて攻め込むこと。火攻め。「城を―する」「―をかける」
焼き払う
やきはらう【焼き払う】
burn down[away].
焼き払う
やきはら・う [4] 【焼(き)払う】 (動ワ五[ハ四])
焼いて何も残らないようにする。「城を―・う」
[可能] やきはらえる
焼き捨てる
やきすてる【焼き捨てる】
burn up[away];throw <a thing> into the fire.→英和
焼き捨てる
やきす・てる [4] 【焼(き)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二 やきす・つ
焼いて捨てる。焼却する。「不要書類を―・てる」
焼き接ぎ
やきつぎ [0] 【焼(き)接ぎ】 (名)スル
欠けた陶磁器を釉(ウワグスリ)をかけて焼いて接ぐこと。また,それを業とする人。
焼き明礬
やきみょうばん [3] 【焼き明礬】
カリウムミョウバンを熱して脱水したもの。白色粉末。水に溶けやすい。医薬・染色,浄水場の沈殿剤など広い用途がある。枯礬(コバン)。
焼き杉
やきすぎ [0] 【焼(き)杉】
表面を焼き焦がし磨いて木目を浮き出させた杉材。
焼き林檎
やきりんご [3] 【焼き林檎】
リンゴの芯(シン)をくりぬいて,バター・砂糖・香料などを詰め,蒸し焼きにした菓子。
焼き栗
やきぐり [0][2] 【焼き栗】
焼いた栗の実。[季]秋。
焼き桐
やきぎり [0] 【焼き桐】
表面を焼き焦がし,洗って木目を浮き出させた桐材。
焼き殺す
やきころ・す [4] 【焼(き)殺す】 (動サ五[四])
焼いて殺す。「桜についた毛虫を―・す」
[可能] やきころせる
焼き殺す
やきころす【焼き殺す】
burn <a person> to death.
焼き海苔
やきのり [0] 【焼き海苔】
あぶったのり。
焼き準し
やきならし [0] 【焼き準し】
鋼の熱処理で,鋼を九〇〇〜一〇〇〇度くらいで三〇〜六〇分間熱し,空気中で自然に冷却すること。この操作によって,層間に細かい組織が得られ,強度・延性などが増す。
焼き灰
やきばい [2] 【焼(き)灰】
物を焼いたあとに残る灰。
焼き炭
やきずみ [0] 【焼(き)炭】
木を焼いて作った炭。
焼き物
やきもの [0] 【焼(き)物】
(1)陶磁器・土器など土を焼いて作った物の総称。
(2)火であぶって焼いた料理。また,特に,魚を焼いたもの。鉢肴(ハチザカナ)。
(3)火熱を加えて鍛えた刃物。
焼き物師
やきものし [4] 【焼(き)物師】
陶磁器などを焼くことを業とする人。陶工。
焼き物薬
やきものぐすり [5] 【焼(き)物薬】
うわぐすり。釉薬(ユウヤク)。
焼き狩り
やきがり [0] 【焼(き)狩り】
山野に火をかけ,鳥獣を追い立てて狩りをすること。やいかり。
焼き玉
やきだま [0] 【焼(き)玉】
(1)「焼き玉機関」の略。また,その赤熱させる球形部の俗称。
(2)鋼製の球に火薬を詰めて,火をつけて投じるもの。焙烙(ホウロク)火矢の類。
焼き玉機関
やきだまきかん [6][5] 【焼(き)玉機関】
シリンダー-ヘッドの一部を赤熱し,これに軽油を噴射して爆発させてピストンを動かす内燃機関。構造が簡単で燃料費が安いので漁船に多く用いられる。焼き玉エンジン。セミ-ディーゼル機関。
焼き畑
やきはた [0] 【焼(き)畑】
〔「やきばた」とも〕
草地・林地などを焼いた跡に作物を植えて収穫する耕作地。また,そうした農耕法。焼却による肥料の効果が薄れると放置して,林地などに戻す。切り替え畑。「―農業」
焼き目
やきめ [0][3] 【焼(き)目】
食品を焼いたときにつく焦げ目。または,熱した金串などを材料に押し当ててつける焦げ目。
焼き直し
やきなおし [0] 【焼(き)直し】 (名)スル
(1)焼きなおすこと。また,焼きなおしたもの。
(2)すでに発表されている作品を部分的に手を加えたり,多少趣向を変えたりして,新しい作品であるかのように仕立て直すこと。また,そういう作品。「ハムレットの―に過ぎない」
焼き直す
やきなお・す [4] 【焼き直す】 (動サ五[四])
(1)一度焼いたものを,また焼く。「さめた魚を―・す」
(2)すでに発表されている作品を部分的に作り変えたりして,新しい作品であるかのように仕立て直す。「戯曲を―・しただけの小説」
[可能] やきなおせる
焼き直す
やきなおす【焼き直す】
bake[roast]again (再び焼く);[改作]rehash;→英和
adapt <a novel from a play> .→英和
焼き石
やきいし 【焼き石】
「温石(オンジヤク)」に同じ。「御―あてさせ給はむとや/落窪 2」
焼き石膏
やきせっこう [3] 【焼き石膏】
石膏を熱して結晶水の一部を脱水して得られる白色粉末。水を加えて練ると,石膏に戻る。歯科用・彫塑用・左官用材料に用いる。半水石膏。焼(シヨウ)石膏。
焼き種
やきくさ 【焼き草・焼き種】
(1)物を焼くのに用いる草。また,火勢を増すための草。「―を積んで櫓を落さんとしける時/太平記 17」
(2)艾(モグサ)の異名。[伊呂波字類抄]
焼き立て
やきたて [0] 【焼(き)立て】
焼いたばかりであること。また,そのもの。「―のパン」
焼き立ての
やきたて【焼き立ての】
hot from the oven[pan];→英和
piping hot.
焼き筆
やきふで [0] 【焼(き)筆】
ヤナギなどの棒の先端を焼き焦がした筆。日本画で,下絵を描くのに用いる。朽ち筆。土筆(ドヒツ)。
焼き米
やきごめ [0] 【焼(き)米・糄】
米を籾(モミ)のまま煎(イ)り,搗(ツ)いて殻を除いたもの。やいごめ。
焼き粉
やきこ [0][3] 【焼(き)粉】
シャモット。
焼き結び
やきむすび [3] 【焼(き)結び】
「焼き飯{(2)}」に同じ。
焼き絵
やきえ [0] 【焼(き)絵】
小さな鏝(コテ)などを焼いて紙や桐の薄板に草花などの絵を焼き付けること。また,その絵。「檀紙に―をせさせけるに/今物語」
焼き網
やきあみ [0] 【焼(き)網】
魚・餅などを焼くための金網。
焼き締め
やきしめ [0] 【焼(き)締め】
陶器を,釉(ウワグスリ)をかけずに,施釉の場合の数倍の時間をかけて焼くこと。備前焼など。
焼き肉
やきにく [0] 【焼(き)肉】
牛・豚などの肉をあぶり焼いたもの。
焼き色
やきいろ [0] 【焼(き)色】
食品を焼いたとき,熱のために表面に付く色。「―をつける」
焼き芋
やきいも [0] 【焼(き)芋】
焼いたさつまいも。[季]冬。
焼き草
やきくさ 【焼き草・焼き種】
(1)物を焼くのに用いる草。また,火勢を増すための草。「―を積んで櫓を落さんとしける時/太平記 17」
(2)艾(モグサ)の異名。[伊呂波字類抄]
焼き菓子
やきがし [3] 【焼(き)菓子】
焼いて作る菓子の総称。
焼き落し
やきおとし [0] 【焼き落(と)し】
区(マチ)のきわまで刃を焼き入れしていない刀。
焼き落とし
やきおとし [0] 【焼き落(と)し】
区(マチ)のきわまで刃を焼き入れしていない刀。
焼き蕎麦
やきそば [0] 【焼き蕎麦】
蒸した中華そばの麺(メン)を油でいためた料理。肉や野菜を加えたり,あんをかけたりする。麺を油で揚げたものにあんをかけるものもある。
焼き蛤
やきはまぐり [4] 【焼き蛤】
ハマグリを殻ごと焼いたもの。また,むき身を竹串に刺して焼いたもの。[季]春。
焼き討ち
やきうち [0] 【焼(き)討ち・焼(き)打ち】 (名)スル
攻撃目標の城・屋敷などに火矢を打ち込んだりして火をかけて攻め込むこと。火攻め。「城を―する」「―をかける」
焼き豆腐
やきどうふ [3] 【焼(き)豆腐】
豆腐をあぶり焼いたもの。炙(アブ)り豆腐。
焼き豚
やきぶた [0] 【焼(き)豚】
⇒チャーシュー
焼き軸
やきじく [0] 【焼(き)軸】
筆の軸のところどころをいぶして黒くしたもの。
焼き過ぎ
やきすぎ [0] 【焼(き)過ぎ】
焼きすぎること。
焼き過ぎる
やきす・ぎる [4] 【焼(き)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 やきす・ぐ
適度な状態を超えて焼く。また,必要以上に多く焼く。「―・ぎて焦げができる」
焼き過ぎる
やきすぎる【焼き過ぎる】
overdo (食物を);→英和
overprint (写真を).→英和
焼き過ぎ煉瓦
やきすぎれんが [5] 【焼(き)過ぎ煉瓦】
普通の煉瓦より高温で十分焼き込んだ煉瓦。吸水性が低く,摩滅や衝撃に強い。道路の舗装などに用いる。
焼き金
やききん [0] 【焼(き)金】
吹き分けて混ざり物を除き去った純粋の黄金。やきがね。純金。[ヘボン(三版)]
焼き金
やきがね [0] 【焼(き)金】
(1)火で赤く熱した金属。また,それを牛馬の尻や罪人の額などに押しあてて付けたしるし。
(2)外科手術で,傷口の中に入れて腐肉を焼き取るのに用いる鋼鉄製の鍼(ハリ)。
(3)「やききん(焼金)」に同じ。「―の色ににほへる山ぶきは/夫木 6」
焼き鈍し
やきなまし [0] 【焼き鈍し】
金属やガラスの熱処理操作の一。金属・ガラスをある温度に加熱したのち,ゆっくりと冷却すること。内部組織の均質化,内部応力の除去のために行う処理。軟化焼き鈍し,応力除去焼き鈍しなどがある。焼鈍(シヨウドン)。なまし。
焼き鍋
やきなべ [0] 【焼き鍋】
いためたり焼いたりするのに用いる鍋。いりなべ。
焼き鍼
やきばり [3] 【焼き鍼】
鍼術(シンジユツ)で,切開・瀉血(シヤケツ)などのために鉄製のはりを焼き,患部に刺すこと。または,そのはり。
焼き鏝
やきごて [0] 【焼き鏝】
焼いて用いる鏝。また,焼いた鏝。
焼き霜作り
やきしもづくり [5] 【焼(き)霜作り・焼(き)霜造り】
タイやカツオの皮に強火で焼き目をつけて刺身にすること。
焼き霜造り
やきしもづくり [5] 【焼(き)霜作り・焼(き)霜造り】
タイやカツオの皮に強火で焼き目をつけて刺身にすること。
焼き頽れ
やきなだれ [0] 【焼き頽れ】
陶器を焼く際,釉(ウワグスリ)が溶けて流れ下ったもの。なだれ。
焼き飯
やきめし [0] 【焼(き)飯】
(1)チャーハンに同じ。
(2)握り飯を火にあぶり焦がしたもの。焼き結び。やきいい。
焼き餅
やきもち [3][4] 【焼き餅】
(1)火であぶって焼いた餅。
(2) [3]
嫉妬(シツト)。ねたみ。悋気(リンキ)。「―を焼く」
〔嫉妬する意の「焼く」に餅を添えてできた語〕
焼き餅焼き
やきもちやき [4][0] 【焼き餅焼き】
嫉妬深い人。ねたみ深い人。
焼き饂飩
やきうどん [3] 【焼き饂飩】
うどんを,肉や野菜などと炒(イタ)めた料理。
焼き魚
やきざかな [3] 【焼(き)魚】
火であぶり焼いた魚。
焼き鳥
やきとり [0] 【焼(き)鳥】
鳥肉を串に刺して,たれや塩をつけてあぶり焼いた料理。鳥のほか,豚や牛の臓物を焼いたものにもいうことがある。
焼き麩
やきふ [0] 【焼き麩】
生麩(ナマフ)を焼いたもの。消化吸収がよく,保存性にすぐれる。
焼く
や・く [0] 【焼く】
■一■ (動カ五[四])
(1)燃やして灰にする。「蔵書を戦災で―・いた」「春野―・く野火と見るまで燃ゆる火を/万葉 230」
(2)火にあぶって熱をとおし,食べられるようにする。「餅(モチ)を―・く」「魚を―・く」
(3)熱を加えて製品をつくる。「窯(カマ)で茶碗を―・く」「炭を―・く」「パンを―・く」
(4)日光に当てて変色させる。特に肌を黒くする。「ハワイで―・く」
(5)熱・化学物質・放射線などによって皮膚を損傷させる。「硫酸で―・く」
(6)写真で,フィルムをもとに印画紙に画像を作り上げる。焼きつける。「写真を手札型で―・く」
(7)心を悩ませる。特に,恋に胸を焦がす。「我が心―・くも我なり/万葉 3271」
(8)(「妬く」とも書く)嫉妬(シツト)する。悋気(リンキ)する。「うわさ話を真(マ)に受けて―・く」「焼き餅を―・いている」
(9)うれしがらせを言う。おだてる。「人をよく―・くとて野墓のるりと名に呼ばれて/浮世草子・一代女 5」
〔「焼ける」に対する他動詞〕
[可能] やける
■二■ (動カ下二)
⇒やける
[慣用] 世話を―・手を―
焼く
やく【焼く】
burn;→英和
[料理]bake (パンなどをオーブンで);→英和
toast (パンをあぶる);→英和
roast (肉を);→英和
broil (魚などを直火で);→英和
bake (陶器・煉瓦を);make <charcoal> (炭を);→英和
print <a photograph> (写真を);→英和
cremate (火葬);→英和
[ねたむ]be jealous[envious] <of> ;envy.→英和
焼け
やけ [1] 【自棄・焼け】 (名・形動)
〔「焼け」と同源〕
思うようにならなくて,なげやりな行動をとる・こと(さま)。すてばち。「―を起こす」「―になる」
→やけに
焼け
やけ [0] 【焼け】
(1)焼けること。また,焼けたように色の変わること,またそのもの。「丸―」「朝―」「此前―の時なんぞは/洒落本・南門鼠」
(2)黄鉄鉱などの硫化鉱物を含む鉱床の地上に露出した部分。酸化して暗褐色に焼けたように見える。
(3)焼けて損傷した貨幣。額面どおりには通用しない。焼け金。「―をお前にあげるものかね/歌舞伎・小袖曾我」
焼けつくような
やけつく【焼けつくような】
burning[scorching] <sun> .→英和
〜ように scorching[boiling] <hot> .
焼ける
やける【焼ける】
be burnt (down) (火事で);[料理]be roasted (肉);be broiled (魚);be baked (パン);be toasted (トースト);be sunburnt[tanned](日に);have heartburn (胸が);be discolored (変色);fade (褪(あ)せる);→英和
be scorched[parched](焦げる);[空が]glow;→英和
be red;be jealous[envious] <of> (嫉妬).焼けている[火事]be burning;be on fire;[肉が]be well done (よく)[underdone (なま焼),overdone (焼けすぎ)].
焼ける
や・ける [0] 【焼ける】 (動カ下一)[文]カ下二 や・く
(1)火がついて燃える。燃えて灰になる。「家が―・けた」
(2)熱せられて高温になる。「―・けた砂浜」「―・けた火箸」
(3)火の中や火のそばにある物に熱が通る。また,そうして物ができ上がる。「芋が―・けた」「うまく―・けた茶碗」「餅が―・けた」
(4)光や熱にあたって,物の色が変わる。特に肌の色が黒くなる。「畳が―・ける」「小麦色に―・けた肌」
(5)空や雲の色が赤くなる。「西の空が真っ赤に―・けた」
(6)乾いて熱く,苦しい。「胸が―・ける」
(7)心や手をこまかく使わせられる。「世話が―・ける」「手が―・ける」
(8)(「妬ける」とも書く)ねたましく感じられる。「しあわせそうなカップルを見ると―・けてくる」
(9)日照りで草木が枯れしおれる。「旱(ヒデ)れば則ち―・けぬ/日本書紀(神代上訓)」
〔「焼く」に対する自動詞〕
焼け付く
やけつ・く [3] 【焼け付く】 (動カ五[四])
焼けてくっつく。焦げつく。「―・くような暑さ」「エンジンが―・く」
焼け出される
やけだされる【焼け出される】
be burnt out <by a fire> .
焼け出される
やけださ・れる [5] 【焼け出される】 (動ラ下一)
火災で家を焼かれ住む所をなくする。「空襲で―・れる」
焼け切れる
やけき・れる [4] 【焼け切れる】 (動ラ下一)
焼けて切れてしまう。やききれる。「フィラメントが―・れる」
焼け原
やけはら [0] 【焼け原】
「焼け野原」に同じ。
焼け土
やけつち [0] 【焼け土】
焼けた土。しょうど。
焼け太り
やけぶとり [0] 【焼け太り】 (名)スル
火事にあって,かえって生活や事業が豊かになること。やけ誇り。
焼け太りする
やけぶとり【焼け太りする】
become richer after a fire.→英和
焼け失せる
やけう・せる [4] 【焼け失せる】 (動サ下一)[文]サ下二 やけう・す
焼けてすっかりなくなる。焼失する。「跡形もなく―・せる」
焼け山
やけやま [0] 【焼け山】
(1)早春,山焼きをしている山。また,山焼きが終わって黒くなった山。[季]春。《―や嵩其まゝに歯朶の容(カタ)/西山泊雲》
(2)噴火したことがある山。
焼け棒杙には火がつきやすい
やけぼっくい【焼け棒杙には火がつきやすい】
Wood once burnt is easily rekindled.
焼け棒杭
やけぼっくい [3] 【焼け棒杭】
焼けた杭。燃えさしの切り株。
焼け死に
やけじに [0] 【焼け死に】 (名)スル
焼け死ぬこと。しょうし。
焼け死ぬ
やけしぬ【焼け死ぬ】
⇒焼死(しようし)(する).
焼け死ぬ
やけし・ぬ [3] 【焼け死ぬ】 (動ナ五)[文]ナ四・ナ変 やけし・ぬ
火に焼かれて死ぬ。焼死する。「火事で―・ぬ」
焼け残り
やけのこり [0] 【焼け残り】
焼けて一部が残ること。焼けずに残ったもの。
焼け残り
やけのこり【焼け残り】
remains <of a burnt house> .→英和
焼け残る escape a fire.→英和
焼け残る
やけのこ・る [4] 【焼け残る】 (動ラ五[四])
(建物が)焼けずに残る。「一軒だけ―・った」
焼け火箸
やけひばし [3] 【焼け火箸】
焼けて熱くなった火箸。熱した火箸。「―をあてられたような苦しさ」
焼け灰
やけばい [2] 【焼け灰】
「焼き灰」に同じ。
焼け焦がし
やけこがし [0] 【焼け焦がし】
焼いて,こがすこと。また,焼きこがした部分。
焼け焦げ
やけこげ [0] 【焼け焦げ】
焼けてこげること。また,その所。「ズボンに―をつくる」
焼け焦げを作る
やけこげ【焼け焦げを作る】
burn a hole <in one's trousers> .→英和
焼け爛れる
やけただ・れる [5] 【焼け爛れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 やけただ・る
焼けて皮膚や肉がただれる。「―・れた皮膚」
焼け石
やけいし [0] 【焼け石】
火で熱せられた石。
焼け穴
やけあな [0] 【焼け穴】
一部が焼けてできた穴。
焼け脹れ
やけぶくれ [0] 【焼け脹れ】
やけどあとの水ぶくれ。
焼け腹
やけばら [0] 【自棄腹・焼け腹】
やけになって腹をたてること。やけっぱら。「―をたてる」
焼け色
やけいろ [0] 【焼け色】
火または日にあたって焼けた色。
焼け落ちる
やけお・ちる [4] 【焼け落ちる】 (動タ上一)[文]タ上二 やけお・つ
(建物が)焼けて倒れくずれる。「城が―・ちる」
焼け落ちる
やけおちる【焼け落ちる】
be burnt down;be destroyed by fire.
焼け誇り
やけぼこり 【焼け誇り】
「焼け太り」に同じ。「―とやらでまた立派に出来やう/洒落本・辰巳之園」
焼け跡
やけあと [0] 【焼け跡】
火事で焼けたあと。
焼け酒
やけざけ [0][2] 【自棄酒・焼け酒】
やけになって飲む酒。
焼け野
やけの [0] 【焼け野】
(1)早春,野焼きをしたあとの野原。[季]春。《しのゝめに小雨降り出す―かな/蕪村》
(2)大規模な火災などのため,焼け果てて荒れている所。やけのがはら。
焼け野が原
やけのがはら [4] 【焼け野が原】
焼け野原。
焼け野原
やけのはら [3] 【焼け野原】
「焼け野」に同じ。「一面の―」
焼そば
やきそば【焼そば】
chow mein.
焼ぶ
く・ぶ 【焼ぶ】 (動バ下二)
⇒くべる
焼べる
く・べる [2][0] 【焼べる】 (動バ下一)[文]バ下二 く・ぶ
燃やすために,火の中に薪(マキ)・紙などを入れる。「薪を―・べる」「火の中にうち―・べて焼かせ給ふに/竹取」
焼る
くば・る 【焼る】 (動ラ四)
火の中にはいる。くべられる。「油塗つて火に―・らうがうぬが三昧/浄瑠璃・油地獄(下)」
焼を入れる
やき【焼を入れる】
temper (刃物に);→英和
chastise (懲罰する).→英和
〜が回る become dull;be in one's dotage.
焼上げる
やきあ・げる [4] 【焼(き)上げる】 (動ガ下一)[文]ガ下二 やきあ・ぐ
じゅうぶんに焼く。また,焼いて仕上げる。「パンを―・げる」
焼串
やきぐし【焼串】
a spit;→英和
a skewer.→英和
焼亡
しょうぼう セウバウ [0] 【焼亡】 (名)スル
〔古くは「しょうもう」「じょうもう」とも〕
焼けうせること。焼けてなくなること。「七堂伽藍(ガラン)ことごとく―した」
焼亡
しょうもう セウマウ 【焼亡】 (名)スル
〔古くは「じょうもう」〕
(1)焼けてなくなること。
(2)火事。「―ありし夜,御とぶらひに参らせ給へりし有様こそ/大鏡(伊尹)」
焼付
やきつけ【焼付】
printing (写真の);→英和
glazing (陶器の).
焼付く
やきつ・く [3] 【焼(き)付く】
■一■ (動カ五[四])
(1)焼けて付く。また,焼けて跡がつく。「モーターが―・く」「鏝(コテ)のあとが―・く」
(2)強く印象が残る。「光景がまぶたに―・く」
■二■ (動カ下二)
⇒やきつける
焼付け
やきつけ [0] 【焼(き)付け】 (名)スル
(1)写真で,焼き付けること。プリント。
(2)「上絵付(ウワエツ)け」に同じ。
(3)めっきをすること。
焼付ける
やきつ・ける [4] 【焼(き)付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 やきつ・く
(1)焼いた金属などを押しあてて印をつける。焼き印を押す。また,太陽などの強い熱線が照りつける。「酒樽に印を―・ける」「じりじりと―・けるような日差し」
(2)いつまでも消えない強い印象を残す。「目前の光景を心にしっかりと―・ける」
(3)写真で,印画紙にネガを重ね,光線にあてて陽画を作る。プリントする。
(4)陶磁器に絵や模様を描き焼いて付着させる。
(5)とかした金属を使って,金属と金属とをつける。また,めっきを施す。「シンチュウニキンヲ―・ケル/ヘボン(三版)」
焼入れ
やきいれ [0] 【焼(き)入れ】
金属の熱処理操作の一。金属を高温に加熱したのち急冷して組成を変えること。これによって鋼を硬化させることができる。鋼の場合のほか,ジュラルミンなどに対しても行う。
焼入れ炉
やきいれろ [4] 【焼(き)入れ炉】
金属の焼き入れに用いる炉。石炭・重油・ガス・電気などを熱源とする。
焼刃
やきば [0] 【焼(き)刃】
「刃(ヤイバ){(1)}」に同じ。
焼切り
やききり [0] 【焼(き)切り】
(1)物を焼き切ること。
(2)溶接などで,金属をとかしたり酸化させて切断すること。
焼切る
やきき・る [3] 【焼(き)切る】 (動ラ五[四])
(1)火で焼いて,二つの部分に分ける。「金庫の扉を―・る」
(2)全部焼く。すっかり焼く。
[可能] やききれる
焼判
やきはん [0] 【焼(き)判】
「焼き印(イン)」に同じ。
焼刺し
やきざし [0] 【焼(き)刺し】
厄除けのために鰯(イワシ)の頭を柊(ヒイラギ)の小枝などで刺したもの。大晦日,正月,節分,月々の節の変わり目などに戸口や厠に挟む。
焼割れ
やきわれ [0] 【焼(き)割れ】
焼き入れにむらがあった鋼が,体積膨張による歪(ヒズ)みのために割れること。
焼印
やきいん【焼印】
a brand.→英和
〜を押す brand.
焼印
やきいん [0] 【焼(き)印】
火で熱して物に押しあてて,跡を付ける金属製の印。また,それで焼き付けられたしるし。烙印(ラクイン)。焼き判。
焼印編み笠
やきいんあみがさ [5] 【焼(き)印編み笠】
茶屋の焼き印を押してある貸し編み笠。京都島原などの遊郭で,客に貸した。
焼却
しょうきゃく セウ― [0] 【焼却】 (名)スル
焼きすてること。「ごみを―する」「―処分」
焼却する
しょうきゃく【焼却する】
destroy by fire;burn (up).→英和
‖焼却炉 an incinerator;a garbage furnace.
焼味噌
やきみそ [0] 【焼(き)味噌】
杉板などに塗り付けた味噌を弱火で焼いたもの。
焼嗅
やいかがし [3] 【焼嗅】
節分の夜,鰯(イワシ)の頭など臭いにおいのするものを焼いて戸口に刺し,疫神を追い払う風習。
焼団子
やきだんご [3] 【焼(き)団子】
火であぶって焼いた団子。
焼土
しょうど セウ― [1] 【焼土】
土の中の成分の有効化や殺菌などのために,土を焼くこと。
焼土
やきつち [0] 【焼(き)土】
(1)焼いた土。
(2)枯れ草などを埴土(シヨクド)とともに焼いて肥料とするもの。
焼場
やきば【焼場】
a crematory.→英和
焼場
やきば [0] 【焼(き)場】
(1)物を焼く場所。
(2)火葬場。
焼塊
しょうかい セウクワイ [0] 【焼塊】
⇒クリンカー
焼塩
やきしお【焼塩】
baked[table]salt.
焼塩
やきしお [0] 【焼(き)塩】
焙烙(ホウロク)などで煎(イ)った塩。苦みがとれ,風味がよくなる。古くは,素焼きの壺で蒸し焼きにした。
焼増し
やきまし [0] 【焼(き)増し】 (名)スル
写真で,最初に焼き付けたときのネガを使用して追加の焼き付けをすること。
焼増し
やきまし【焼増し】
《写》an extra copy[print].
焼売
シューマイ [0] 【焼売】
〔中国語〕
中国料理の点心の一。豚などのひき肉に野菜のみじん切りを加え,味をつけて,小麦粉の薄い皮で包み,蒸したもの。シャオマイ。
焼売
シューマイ【焼売】
<Chin.> a shaomai.
焼失
しょうしつ セウ― [0] 【焼失】 (名)スル
〔古くは「じょうしつ」とも〕
焼けてなくなること。「全市の半ばを―する」
焼失する
しょうしつ【焼失する】
be burnt down;be destroyed by fire;be reduced to ashes.‖焼失家屋 houses burnt down.焼失区域 the burnt district.
焼夷
しょうい セウ― [1] 【焼夷】
焼きはらうこと。
焼夷弾
しょういだん セウ― [3] 【焼夷弾】
火炎や高熱によって人や建造物などを殺傷・破壊する爆弾・砲弾。テルミット・油脂などを焼夷剤とする。
焼夷弾
しょういだん【焼夷弾】
an incendiary bomb[shell].
焼尻島
やぎしりとう 【焼尻島】
北海道北西部,本島の西方の日本海にある島。面積約5.3平方キロメートル。海食崖が発達し,イチイ・エゾマツが繁茂する。
焼尽
しょうじん セウ― [0] 【焼尽】 (名)スル
すっかり焼けてしまうこと。残らず焼きつくすこと。「大きな建物を―するには時間を要した/土(節)」
焼山
やけやま 【焼山】
新潟県南西部にある活火山。海抜2400メートル。妙高火山群の一峰。
焼岳
やけだけ 【焼岳】
飛騨山脈南部にある活火山。海抜2455メートル。上高地の南西にそびえる。1915年(大正4)の大爆発で,梓(アズサ)川をせき止め大正池ができた。
焼成
しょうせい セウ― [0] 【焼成】 (名)スル
窯業などで,製品を炉で加熱したり,熱風にさらしたりすること。
焼成燐肥
しょうせいりんぴ セウ― [5] 【焼成燐肥】
リン鉱石を他の原料とともに焼成してリン酸分を水に溶けやすくしたリン酸肥料。リン鉱石のほか,芒硝(ボウシヨウ)・リン酸液を原料とする製法が行われている。
焼戻し
やきもどし【焼戻し】
tempering.
焼戻し
やきもどし [0] 【焼(き)戻し】 (名)スル
焼き入れした金属を七〇〇度以下の温度に再加熱したのち,冷却する操作。普通は硬さが減り,粘り強くなるが,高速度鋼などのようにより硬くなる場合もある。
焼打ち
やきうち [0] 【焼(き)討ち・焼(き)打ち】 (名)スル
攻撃目標の城・屋敷などに火矢を打ち込んだりして火をかけて攻め込むこと。火攻め。「城を―する」「―をかける」
焼払う
やきはら・う [4] 【焼(き)払う】 (動ワ五[ハ四])
焼いて何も残らないようにする。「城を―・う」
[可能] やきはらえる
焼捨てる
やきす・てる [4] 【焼(き)捨てる】 (動タ下一)[文]タ下二 やきす・つ
焼いて捨てる。焼却する。「不要書類を―・てる」
焼接ぎ
やきつぎ [0] 【焼(き)接ぎ】 (名)スル
欠けた陶磁器を釉(ウワグスリ)をかけて焼いて接ぐこと。また,それを業とする人。
焼損
しょうそん セウ― [0] 【焼損】 (名)スル
焼けてこわれること。
焼杉
やきすぎ [0] 【焼(き)杉】
表面を焼き焦がし磨いて木目を浮き出させた杉材。
焼栗
やきぐり【焼栗】
a roast chestnut.
焼死
しょうし セウ― [0] 【焼死】 (名)スル
焼け死ぬこと。「火災で多くの人が―した」「―体(タイ)」
焼死する
しょうし【焼死する】
be burnt to death.焼死体 a charred body.
焼殺す
やきころ・す [4] 【焼(き)殺す】 (動サ五[四])
焼いて殺す。「桜についた毛虫を―・す」
[可能] やきころせる
焼津
やいづ 【焼津】
静岡県中部,駿河(スルガ)湾に臨む市。遠洋漁業の基地で,水産加工業が盛ん。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が,敵の放った野火を,向かい火によって退けたという伝承の地。
焼海苔
やきのり【焼海苔】
baked laver.
焼滅
しょうめつ セウ― [0] 【焼滅】 (名)スル
焼いてなくすこと。また,焼けてなくなること。
焼火箸
やけひばし【焼火箸】
red-hot tongs.
焼灰
やきばい [2] 【焼(き)灰】
物を焼いたあとに残る灰。
焼灼
しょうしゃく セウ― [0] 【焼灼】 (名)スル
焼くこと。焼けること。特に,外科で,薬品・電気で病組織を焼く治療法。
焼炭
やきずみ [0] 【焼(き)炭】
木を焼いて作った炭。
焼燬
しょうき セウ― [1] 【焼燬】 (名)スル
焼くこと。焼き払うこと。「船体を破壊し,甲板を―し/此一戦(広徳)」
焼物
やきもの【焼物】
pottery (陶器);earthenware (土器);→英和
broiled fish[mushrooms,etc.](料理).
焼物
やきもの [0] 【焼(き)物】
(1)陶磁器・土器など土を焼いて作った物の総称。
(2)火であぶって焼いた料理。また,特に,魚を焼いたもの。鉢肴(ハチザカナ)。
(3)火熱を加えて鍛えた刃物。
焼物師
やきものし [4] 【焼(き)物師】
陶磁器などを焼くことを業とする人。陶工。
焼物薬
やきものぐすり [5] 【焼(き)物薬】
うわぐすり。釉薬(ユウヤク)。
焼狩り
やきがり [0] 【焼(き)狩り】
山野に火をかけ,鳥獣を追い立てて狩りをすること。やいかり。
焼玉
やきだま [0] 【焼(き)玉】
(1)「焼き玉機関」の略。また,その赤熱させる球形部の俗称。
(2)鋼製の球に火薬を詰めて,火をつけて投じるもの。焙烙(ホウロク)火矢の類。
焼玉機関
やきだまきかん [6][5] 【焼(き)玉機関】
シリンダー-ヘッドの一部を赤熱し,これに軽油を噴射して爆発させてピストンを動かす内燃機関。構造が簡単で燃料費が安いので漁船に多く用いられる。焼き玉エンジン。セミ-ディーゼル機関。
焼畑
やきはた [0] 【焼(き)畑】
〔「やきばた」とも〕
草地・林地などを焼いた跡に作物を植えて収穫する耕作地。また,そうした農耕法。焼却による肥料の効果が薄れると放置して,林地などに戻す。切り替え畑。「―農業」
焼痕
しょうこん セウ― [0] 【焼痕】
焼け跡。特に,野焼きのあと。
焼目
やきめ [0][3] 【焼(き)目】
食品を焼いたときにつく焦げ目。または,熱した金串などを材料に押し当ててつける焦げ目。
焼直し
やきなおし [0] 【焼(き)直し】 (名)スル
(1)焼きなおすこと。また,焼きなおしたもの。
(2)すでに発表されている作品を部分的に手を加えたり,多少趣向を変えたりして,新しい作品であるかのように仕立て直すこと。また,そういう作品。「ハムレットの―に過ぎない」
焼直し
やきなおし【焼直し】
[改作]an adaptation <from> ;→英和
a rehash <of> .→英和
焼石に水
やけいし【焼石に水】
<It's> nothing but a drop in the ocean.→英和
焼石膏
しょうせっこう セウセキカウ [3] 【焼石膏】
⇒やきせっこう(焼石膏)
焼立て
やきたて [0] 【焼(き)立て】
焼いたばかりであること。また,そのもの。「―のパン」
焼筆
やきふで [0] 【焼(き)筆】
ヤナギなどの棒の先端を焼き焦がした筆。日本画で,下絵を描くのに用いる。朽ち筆。土筆(ドヒツ)。
焼米
やきごめ [0] 【焼(き)米・糄】
米を籾(モミ)のまま煎(イ)り,搗(ツ)いて殻を除いたもの。やいごめ。
焼粉
やきこ [0][3] 【焼(き)粉】
シャモット。
焼結
しょうけつ セウ― [0] 【焼結】
粉体を成形し,融点以下の温度で熱したとき,粉体粒子の間に結合がおこって固体になる現象。各種の窯業製品やセラミックスの製造に応用される。
焼結び
やきむすび [3] 【焼(き)結び】
「焼き飯{(2)}」に同じ。
焼結合金
しょうけつごうきん セウ―ガフ― [5] 【焼結合金】
金属を溶融せず,金属粉末の焼結によってつくられた合金。超硬合金・サーメット・多孔質軸受合金などがある。
焼絵
やきえ [0] 【焼(き)絵】
小さな鏝(コテ)などを焼いて紙や桐の薄板に草花などの絵を焼き付けること。また,その絵。「檀紙に―をせさせけるに/今物語」
焼網
やきあみ [0] 【焼(き)網】
魚・餅などを焼くための金網。
焼網
やきあみ【焼網】
a grill;→英和
a gridiron.→英和
焼締め
やきしめ [0] 【焼(き)締め】
陶器を,釉(ウワグスリ)をかけずに,施釉の場合の数倍の時間をかけて焼くこと。備前焼など。
焼肉
やきにく [0] 【焼(き)肉】
牛・豚などの肉をあぶり焼いたもの。
焼肉
やきにく【焼肉】
roast meat.
焼色
やきいろ [0] 【焼(き)色】
食品を焼いたとき,熱のために表面に付く色。「―をつける」
焼芋
やきいも [0] 【焼(き)芋】
焼いたさつまいも。[季]冬。
焼芋
やきいも【焼芋】
a roast sweet potato.
焼菓子
やきがし [3] 【焼(き)菓子】
焼いて作る菓子の総称。
焼討する[をかける]
やきうち【焼討する[をかける]】
burn down;set fire <to> .
焼討ち
やきうち [0] 【焼(き)討ち・焼(き)打ち】 (名)スル
攻撃目標の城・屋敷などに火矢を打ち込んだりして火をかけて攻め込むこと。火攻め。「城を―する」「―をかける」
焼豆腐
やきどうふ [3] 【焼(き)豆腐】
豆腐をあぶり焼いたもの。炙(アブ)り豆腐。
焼豆腐
やきどうふ【焼豆腐】
broiled tofu.
焼豚
やきぶた [0] 【焼(き)豚】
⇒チャーシュー
焼豚
やきぶた【焼豚】
roast pork.
焼跡
やけあと【焼跡】
the ruins[site]of a fire.→英和
焼身
しょうしん セウ― [0] 【焼身】 (名)スル
死ぬために自分の体を火で焼くこと。「―自殺」
焼身自殺する
しょうしん【焼身自殺する】
burn oneself to death.
焼軸
やきじく [0] 【焼(き)軸】
筆の軸のところどころをいぶして黒くしたもの。
焼過ぎ
やきすぎ [0] 【焼(き)過ぎ】
焼きすぎること。
焼過ぎる
やきす・ぎる [4] 【焼(き)過ぎる】 (動ガ上一)[文]ガ上二 やきす・ぐ
適度な状態を超えて焼く。また,必要以上に多く焼く。「―・ぎて焦げができる」
焼過ぎ煉瓦
やきすぎれんが [5] 【焼(き)過ぎ煉瓦】
普通の煉瓦より高温で十分焼き込んだ煉瓦。吸水性が低く,摩滅や衝撃に強い。道路の舗装などに用いる。
焼酎
しょうちゅう セウチウ [3] 【焼酎】
蒸留酒の一。穀類・芋類・糖蜜などをアルコール発酵させ,それを蒸留してつくった酒。一般に,アルコール分が強い。[季]夏。
焼酎
しょうちゅう【焼酎】
shochu;spirits.
焼酎火
しょうちゅうび セウチウ― [3] 【焼酎火】
歌舞伎の小道具の一。焼酎を浸した布を,差し金の先に針金でつってともした火。青色のため,芝居で狐火(キツネビ)や人魂(ヒトダマ)などに用いる。
焼酒
しょうしゅ セウ― [0][1] 【焼酒】
中国・朝鮮の酒の一。穀類・芋類から醸造した酒を蒸留したもの。
焼野原となる
やけの【焼野原となる】
be burnt[reduced]to ashes <in one night> .
焼金
やききん [0] 【焼(き)金】
吹き分けて混ざり物を除き去った純粋の黄金。やきがね。純金。[ヘボン(三版)]
焼金
やきがね [0] 【焼(き)金】
(1)火で赤く熱した金属。また,それを牛馬の尻や罪人の額などに押しあてて付けたしるし。
(2)外科手術で,傷口の中に入れて腐肉を焼き取るのに用いる鋼鉄製の鍼(ハリ)。
(3)「やききん(焼金)」に同じ。「―の色ににほへる山ぶきは/夫木 6」
焼鈍
しょうどん セウ― [0] 【焼鈍】 (名)スル
やきなましをすること。
焼鏝
やきごて【焼鏝】
a hot iron;a soldering iron (はんだ鏝).
焼霜作り
やきしもづくり [5] 【焼(き)霜作り・焼(き)霜造り】
タイやカツオの皮に強火で焼き目をつけて刺身にすること。
焼霜造り
やきしもづくり [5] 【焼(き)霜作り・焼(き)霜造り】
タイやカツオの皮に強火で焼き目をつけて刺身にすること。
焼飯
やきめし [0] 【焼(き)飯】
(1)チャーハンに同じ。
(2)握り飯を火にあぶり焦がしたもの。焼き結び。やきいい。
焼飯
やきめし【焼飯】
fried rice.
焼餅
やきもち【焼餅】
jealousy (嫉妬).→英和
〜をやく be jealous <of> .‖焼餅やき a jealous person.
焼餅
シャオビン [2] 【焼餅】
〔中国語〕
小麦粉の生地を発酵させ,丸く延ばして焼いたもの。
焼香
しょうこう セウカウ [0] 【焼香】 (名)スル
(1)香を焚くこと。
(2)仏事の際に,仏の功徳をたたえたり,死者をとむらうために香を焚くこと。「仏前で―する」
焼香する
しょうこう【焼香する】
offer incense <for the deceased> .
焼魚
やきざかな [3] 【焼(き)魚】
火であぶり焼いた魚。
焼魚
やきざかな【焼魚】
(a) grilled[broiled]fish.
焼鳥
やきとり [0] 【焼(き)鳥】
鳥肉を串に刺して,たれや塩をつけてあぶり焼いた料理。鳥のほか,豚や牛の臓物を焼いたものにもいうことがある。
焼鳥
やきとり【焼鳥】
barbecued chicken;roast chicken[entrails (もつ)].
煆焼
かしょう [0] 【煆焼】 (名)スル
〔化〕 物質を外部から強く熱すること。特に,脱水その他の分解を起こさせて揮発性成分を分離する場合をいう。
煆製石灰
かせいせっかい [4] 【煆製石灰】
⇒酸化(サンカ)カルシウム
煉り
ねり [2] 【練り・錬り・煉り】
(1)ねること。ねってねばりを出すこと。「―が足りない」「―羊羹(ヨウカン)」
(2)繊維・金属などから不純物を除いて,良質のものにすること。精練。
(3)「練絹(ネリギヌ)」に同じ。「絹縮に―の白裏付て/浮世草子・禁短気」
(4)よく考えがめぐらされていること。「諸弟(モロト)らが―の言葉は我は頼まじ/万葉 774」
煉り切り
ねりきり [0] 【練(り)切り・煉り切り】
白餡(アン)に求肥(ギユウヒ)を加えて練った餡。また,その餡で細かい細工をした菓子。
煉り合せる
ねりあわ・せる [5][0] 【練り合(わ)せる・煉り合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ねりあは・す
二種以上の物を練って,混じり合うようにする。
煉り合わせる
ねりあわ・せる [5][0] 【練り合(わ)せる・煉り合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ねりあは・す
二種以上の物を練って,混じり合うようにする。
煉り味噌
ねりみそ [0] 【練(り)味噌・煉り味噌】
砂糖・酒などを加えて加熱しながら練った味噌。田楽などに用いる。
煉り固める
ねりかた・める [0][5] 【練(り)固める・煉り固める】 (動マ下一)[文]マ下二 ねりかた・む
練ったものを乾かして固める。「朱泥を―・めた人形の様に/吾輩は猫である(漱石)」
煉り土
ねりつち [0] 【練(り)土・煉り土】
土に石灰や小砂利・にがりを混ぜてこねた壁土。土塀・土蔵などに用いる。
煉り塀
ねりべい [2][0] 【練(り)塀・煉り塀】
平瓦と練り土とを交互に積み重ねて築いた塀。上を瓦で葺(フ)く。
煉り山椒
ねりざんしょう [3] 【練(り)山椒・煉り山椒】
和菓子の一。求肥(ギユウヒ)に山椒の粉または汁を加えて練ったもの。
煉り歯磨き
ねりはみがき [4] 【練(り)歯磨き・煉り歯磨き】
歯磨き粉に界面活性剤・グリセリン・香料・甘味料などを加えて練り合わせ,ペースト状にしたもの。
煉り物
ねりもの [0][2][3] 【練(り)物・煉り物】
(1)ねり固めて珊瑚(サンゴ)や宝石などに似せたもの。
(2)加熱しながら練りあげて作る金団(キントン)や羊羹(ヨウカン)など。
(3)「練り製品」に同じ。
煉り築地
ねりついじ [3] 【練り築地・煉り築地】
練り土と平瓦とを交互に積み重ねてつくった築地。
煉り紅
ねりべに [2][0] 【練(り)紅・煉り紅】
色素を油蝋(ユロウ)またはコールド-クリームを基剤として練った泥状の口紅・頬紅。
煉り羊羹
ねりようかん [3] 【練(り)羊羹・煉り羊羹】
寒天に水・砂糖を加えて煮立て,餡(アン)を入れて練りながら煮詰め,型に流し込んでつくる羊羹。
煉り薬
ねりやく [2] 【練(り)薬・煉り薬】
⇒ねりぐすり(練薬)
煉り薬
ねりぐすり [3] 【練(り)薬・煉り薬】
種々の薬を,蜂蜜(ハチミツ)・水飴(ミズアメ)などで練り固めたもの。また,練って作った外用薬。ねりやく。
煉り製品
ねりせいひん [3] 【練(り)製品・煉り製品】
魚のすり身を練って加工した食品。かまぼこ・はんぺんなど。練り物。
煉り酒
ねりざけ [2] 【練(り)酒・煉り酒】
白酒の一。蒸した米に酒と麹(コウジ)をいれて熟成させ,石臼(イシウス)でひき,漉(コ)したもの。博多の名産であった。練貫(ネリヌキ)酒。
煉り革
ねりかわ [0] 【練(り)革・煉り革】
「撓(イタ)め革」に同じ。
煉り餌
ねりえ [0] 【練り餌・煉り餌】
(1)糠(ヌカ)・魚粉・青菜などを水で練った小鳥の餌。
(2)ふかし芋・蛹粉(サナギコ)・小麦粉などを練り合わせた釣り餌。ねり。
煉り餡
ねりあん [0] 【練り餡・煉り餡】
生餡(ナマアン)に砂糖を加えて加熱しながら練った餡。
煉り麹
ねりこうじ [3] 【練り麹・煉り麹】
塩と煮つめた酒を入れた麹。貯蔵用。
煉る
ね・る [1] 【練る・錬る・煉る】
■一■ (動ラ五[四])
□一□(他動詞)
(1)餡(アン)などを火にかけて,こね固める。《練・煉》「餡を―・る」
(2)膏薬(コウヤク)・糊(ノリ)・土などをこねまぜてねばらせる。「粘土を―・る」「御飯つぶを―・って糊にする」
(3)繊維を灰汁(アク)などで煮て柔らかくする。《練》「生糸を―・る」
(4)金属を焼いてきたえる。《練・錬》「鉄ヲ―・ル/ヘボン(三版)」
(5)よりよいものとするために十分考えて修正を加える。《練》「よく―・られた文章」「構想を―・る」「対策を―・る」「想を―・る」
(6)学問・技芸などを練磨する。修養・経験などを積む。《練・錬》「技を―・る」「精神を―・る」
(7)皮を撓(イタ)める。なめし革にする。《練・煉》「皮を―・る」
(8)ひねる。ねじる。「焼大刀の手(タ)かみ押し―・り/万葉 1809」
(9)木の枝や蔓(ツル)などをたたき柔らかくして曲げる。「かの岡に萩かるをのこ縄をなみ―・るやねりそのくだけてぞ思ふ/拾遺(恋三)」
□二□(自動詞)
(「邌る」とも書く)
(1)列をつくって,ゆっくり進む。「提灯行列が大通りを―・って行く」
(2)あっちへ行ったりこっちへ行ったりして進む。「みこしが街中(マチナカ)を―・って行く」
(3)静かに歩く。ゆっくり歩く。おもむろに行く。「銀(シロガネ)の目貫の太刀をさげ佩(ハ)きて奈良の都を―・るは誰が子ぞ/神楽歌」
[可能] ねれる
■二■ (動ラ下二)
⇒ねれる
煉丹
れんたん [1] 【練丹・煉丹】
(1)昔の中国で,道士が辰砂(シンシヤ)を練って不老不死の妙薬を作り出したこと。また,その薬。
(2)心身修練法の一。体内の気を丹田に集めるというもの。
(3)ねり薬。
煉乳
れんにゅう [0] 【練乳・煉乳】
牛乳を煮つめて濃縮したもの。加糖練乳と無糖練乳がある。コンデンス-ミルク。
煉化石
れんがせき [3] 【煉瓦石・煉化石】
煉瓦。「歩兵屯所築造のよしにて当節―を持ち運べり/新聞雑誌 1」
煉炭
れんたん [1] 【練炭・煉炭】
固体燃料の一。無煙炭・木炭などの粉末を混ぜて粘結剤で練り固めたもの。普通,円筒形で縦に一〇本前後の穴がある。[季]冬。
煉獄
れんごく【煉獄】
purgatory;→英和
hell.→英和
煉獄
れんごく [0] 【煉獄】
カトリック教会の教義で,天国と地獄の間にあり,死者の霊魂が天国に入る前に火によって罪を浄化されると考えられていた場所。
煉瓦
れんが [1] 【煉瓦】
〔「煉瓦石(セキ)」の転〕
粘土に砂・石灰などを加え,型に入れて窯(カマ)で焼き固めたもの。普通,直方体に形づくり,土木建築材料として壁・道路・窯などに用いる。ふつう赤煉瓦をさす。
煉瓦
れんが【煉瓦】
a brick.→英和
〜造りの brick-built.‖煉瓦職 a bricklayer.耐火(化粧)煉瓦 a fireproof (dressed) brick.
煉瓦塀
れんがべい [3] 【煉瓦塀】
煉瓦を積み重ねて造った塀。
煉瓦石
れんがせき [3] 【煉瓦石・煉化石】
煉瓦。「歩兵屯所築造のよしにて当節―を持ち運べり/新聞雑誌 1」
煉瓦積み
れんがづみ [0] 【煉瓦積み】
煉瓦を積んで壁や塀を造ること。また,煉瓦を積んだ状態。長手積み・小口積み・イギリス積み・オランダ積み・フランス積みなどがある。
煉瓦積み[図]
煉瓦色
れんがいろ [0] 【煉瓦色】
煉瓦のような暗い黄赤色。
煉瓦造り
れんがづくり [4] 【煉瓦造り】
煉瓦で造ること。また,煉瓦で造った建物。
煉石
れんせき [1] 【煉石】
「煉瓦(レンガ)」に同じ。
煉薬
れんやく [1][0] 【練薬・煉薬】
ねりぐすり。
煉鐔
ねりつば [3] 【練鐔・煉鐔】
何枚も重ねた革を膠(ニカワ)で固めて作った,刀の鐔。練革鐔。
煉香
ねりこう [2] 【練香・煉香】
「薫物(タキモノ){(1)}」に同じ。
煌々
こうこう【煌々(と)】
bright(ly);→英和
brilliant(-ly).→英和
煌めかす
きらめか・す [4] 【煌めかす】 (動サ五[四])
きらきらと光らせる。「宝石を―・す」
煌めき
きらめき [0][4] 【煌めき】
きらきらと光り輝くこと。また,その輝き。「星の―」
煌めく
きらめ・く [3] 【煌めく】 (動カ五[四])
(1)光り輝く。きらきらする。「星が―・く」
(2)はでにふるまう。はでに飾り立てる。「公卿も殿上人もけふを晴と―・いてこそありしか/平家 11」
煌やか
きらやか [2] 【煌やか】 (形動)[文]ナリ
華やかで美しいさま。きらびやか。「―な衣装」「―なるヨダレ掛をかけたる其様/当世書生気質(逍遥)」
煌然
こうぜん クワウ― [0] 【煌然】 (ト|タル)[文]形動タリ
光り輝くさま。
煌煌
こうこう クワウクワウ [0] 【煌煌・晃晃】 (ト|タル)[文]形動タリ
きらきらとひかり輝くさま。「電灯が―と輝く」「―たる星辰の限りなき/佳人之奇遇(散士)」
煌煌し
きらきら・し 【煌煌し】 (形シク)
〔古く「きらぎらし」とも〕
(1)光り輝いている。きらめいている。「茎はいと赤く―・しく見えたるこそ/枕草子 40」
(2)輝くばかりに美しい。華やかに美しい。「腰細のすがる娘子(オトメ)のその姿(カオ)の―・しきに花の如(ゴト)笑みて立てれば/万葉 1738」
(3)威容がある。「―・しきもの,大将の御さき追ひたる/枕草子 259」
(4)目立っている。きわだっている。「元来心弱くつたなくして―・しき罪をも之作らず/発心 7」
煎
せん [1] 【煎】
湯で茶などを煎じ出すこと。
煎じ
せんじ [0][3] 【煎じ】
(1)煎じること。煮出すこと。
(2)鰹節(カツオブシ)製造の過程で,煮釜の底にたまった汁を煮つめたもの。調味料に用いる。
煎じる
せん・じる [3][0] 【煎じる】 (動ザ上一)
「煎ずる」に同じ。「薬を―・じる」
煎じる
せんじる【煎じる】
boil;→英和
decoct.→英和
薬を〜 make a medical decoction.茶を〜 brew tea.
煎じ出す
せんじだ・す [4] 【煎じ出す】 (動サ五[四])
茶・薬草などを煮て,成分を湯に溶け出させる。煮出す。「―・した薬」
煎じ殻
せんじがら [0] 【煎じ殻】
茶や薬などを煎じたあとのかす。
煎じ物
せんじもの [0] 【煎じ物】
煎じて薬用とするもの。
煎じ茶
せんじちゃ [3][0] 【煎じ茶】
煎じて飲む茶。せんちゃ。
煎じ薬
せんじぐすり [4] 【煎じ薬】
煎じて飲む薬。煎薬(センヤク)。
煎じ薬
せんじぐすり【煎じ薬】
<make> a (medical) decoction.
煎じ詰める
せんじつめる【煎じ詰める】
boil down.〜と in short.
煎じ詰める
せんじつ・める [5] 【煎じ詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 せんじつ・む
(1)薬草などを,その成分が湯に出尽くすまで,よく煮る。
(2)考えを最後までおしすすめる。結論に達するまでよく考える。「―・めれば,結局君の責任だ」
煎ずる
せん・ずる [3] 【煎ずる】 (動サ変)[文]サ変 せん・ず
薬草・茶などをよく煮てその成分を湯に出す。「薬を―・じて飲む」
煎り付く
いりつ・く [3][0] 【煎り付く・炒り付く】
■一■ (動カ五[四])
(1)鍋に入った物が焦げつく。「魚ガ―・イタ/ヘボン」
(2)音などが気持ちをいら立たせる。「―・くやうな其の声に/青春(風葉)」
■二■ (動カ下二)
⇒いりつける
煎り付ける
いりつ・ける [4][0] 【煎り付ける・炒り付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 いりつ・く
食べ物を火にかけ,水気がなくなるまで熱を加える。「おからを―・ける」
煎り卵
いりたまご [3][4] 【煎り卵・炒り玉子】
鶏卵をといて調味料を加え,かきまぜながら加熱した料理。
煎り塩
いりじお [0] 【煎り塩】
煎った塩。焼き塩。
煎り炭
いりずみ [2] 【煎り炭】
火にあぶり湿気を除き,火つきをよくした炭。
煎り物
いりもの [2] 【煎り物・炒り物】
(1)肉や野菜などを炒ったもの。また,油でいためたもの。いりやき。
(2)米・豆などを炒ったもの。
煎り種
いりだね [2] 【煎り種・炒り種】
米・糯粟(モチアワ)などを蒸して干し,さらに煎ったもの。和干菓子の材料とする。
煎り米
いりごめ [2][0] 【煎り米・炒り米】
煎った米。
煎り粉
いりこ [0][3] 【煎り粉・炒り粉】
(1)道明寺糒(ホシイ)を煎って粉にしたもの。和菓子の原料にする。
(2)むぎこがし。
煎り豆
いりまめ [0][2] 【炒り豆・煎り豆】
(1)大豆を炒ったもの。
(2)「まめいり{(2)}」に同じ。
煎り豆腐
いりどうふ [3] 【煎り豆腐】
豆腐の水気を切り,よくくずして味つけし,煎りつけた料理。
煎り酒
いりざけ [2] 【煎り酒】
調味用に煮つめた酒。鰹節(カツオブシ)や梅干しなどを入れることもある。
煎り鳥
いりどり [2][0] 【煎り鳥・炒り鳥】
鶏・雁・鴨(カモ)などの肉を薄く切り,煎りつけて味を調えたもの。
煎る
いる【煎る】
parch;→英和
roast.→英和
煎る
い・る [1] 【煎る・炒る・熬る】 (動ラ五[四])
なべなどに入れて火であぶる。また,水分がなくなるまで煮つめる。「ごまを―・る」「豆を―・る」
[可能] いれる
煎れる
い・れる [2] 【煎れる・炒れる】 (動ラ下一)
(1)炒られた状態になる。「豆はもう―・れた」
(2)いらいらする。いらだつ。「ほんに��肝の―・れた事よ/滑稽本・浮世風呂 2」
煎剤
せんざい [0] 【煎剤】
生薬を煎じた薬。せんじ薬。
煎汁
せんじゅう [0] 【煎汁】
煎じた汁。煮出し汁。
煎海鼠
いりこ [0][3] 【海参・煎海鼠】
ナマコの腸を除いてゆでて干したもの。中国料理に用いる。平安初期から調物(チヨウモツ)とされ,近世には中国へ輸出された。ほしなまこ。ほしこ。
煎熬
せんごう [0] 【煎熬】
汁がなくなるまで煮つめること。
煎茶
せんちゃ [0] 【煎茶】
(1)緑茶の一。茶の若葉を摘んで精製し,湯を注ぎ香りや味を煎じ出した飲み物。また,その葉茶。
(2)玉露・番茶に対して中級の茶。
煎茶
せんちゃ【煎茶】
green tea.
煎茶器
せんちゃき [3] 【煎茶器】
煎茶点前(テマエ)に用いる器具。炭司(タンシ)・涼炉(リヨウロ)・磁碗(ジワン)その他がある。
煎茶式
せんちゃしき [3] 【煎茶式】
煎茶をいれて飲む作法。江戸中期になって方式が整えられた。
煎薬
せんやく [0][1] 【煎薬】
煎じて飲む薬。煎じ薬。湯薬(トウヤク)。
煎餅
せんべい【煎餅】
a rice cracker.
煎餅
せんべい [1] 【煎餅】
干菓子の一。小麦粉に砂糖・鶏卵などを加え,型や鉄板に流して焼いたもの。関東では,水でといた米の粉を蒸して搗(ツ)き,薄く伸ばして型で抜いたものを焼いて醤油などを塗ったものが多い。
煎餅布団
せんべいぶとん [5] 【煎餅布団】
薄くて粗末な布団。
煕煕
きき [1][2] 【煕煕】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)やわらぎ楽しむさま。「―として語り怡怡(イイ)として笑ひ/佳人之奇遇(散士)」
(2)ひろびろとしたさま。「眼に映るは―たる前程のみ/虞美人草(漱石)」
(3)往来のはげしいさま。
煖室
だんしつ [0] 【暖室・煖室】
あたたかい部屋。暖房設備であたためた部屋。温室。
煖房
だんぼう [0] 【暖房・煖房】 (名)スル
屋内を暖めること。
⇔冷房
[季]冬。「室内を―する」
煖気
だんき [1] 【暖気・煖気】
(1)暖かい気候。
(2)暖かい空気。また,あたたかみ。「部屋の―」
煖炉
だんろ [1] 【暖炉・煖炉】
火を燃やして室内を暖める,壁に設けた炉。[季]冬。
煖衣
だんい [1] 【暖衣・煖衣】
服をたくさん着て,体を暖かくすること。また,暖かい衣服。
煙
けむり【煙】
smoke.→英和
〜の立っている smoking;→英和
smoky.→英和
〜に巻かれる be suffocated by smoke;be mystified (比喩的).
煙
けぶ [0] 【煙・烟】
〔「けぶり」の転〕
「けむり(煙)」に同じ。「―に巻く」
煙
けむ [0] 【煙・烟】
〔「けむり」の略〕
「けむり(煙)」に同じ。
煙
けむり [0] 【煙・烟】
(1)物が燃える時にもやもやと立ちのぼるもの。微小な固体粒子が空気中に浮遊しているもの。けぶり。けむ。けぶ。「―が目にしみる」「タバコの―」
(2)空中にたちのぼったり,たなびいたりして{(1)}のように見えるもの。霞・靄(モヤ)・埃(ホコリ)など。「土―」「血―」「暮るれば芦岸の―に舟をつなぎ/太平記 4」
(3)〔かまどから立ちのぼるもの,の意から〕
暮らし。生計。「細いながら―絶えせず安らかに日は送れど/風流仏(露伴)」
煙
けぶり 【煙・烟】
〔「けむり」の古形〕
「けむり(煙)」に同じ。「鳥部山の―立ちさらでのみ住みはつる習ひならば/徒然 7」
煙い
けぶ・い [0][2] 【煙い】 (形)[文]ク けぶ・し
「けむい」に同じ。「隣の人のタバコが―・い」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――さ(名)
煙い
けむい【煙い】
⇒煙たい.
煙い
けむ・い [0][2] 【煙い】 (形)[文]ク けむ・し
煙のために,目をあけていたり息をしたりしにくい。けむたい。けぶい。「薪(タキギ)がいぶって―・い」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――さ(名)
煙たい
けむた・い [3][0] 【煙たい】 (形)[文]ク けむた・し
(1)煙のために目を開けていたり息をしたりしにくい。けぶたい。けむい。「―・くて目を開けていられない」
(2)こちらに弱みがあったり,相手が堅苦しかったりして気やすく近づきにくい。けむったい。「父親は子供にとって―・い存在だ」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
煙たい
けむたい【煙たい】
(1) be smoky.(2) feel[be]shy <of> (気兼ね).
煙たい
けぶた・い [3] 【煙たい】 (形)[文]ク けぶた・し
「けむたい(煙)」に同じ。「落ち葉がいぶって―・い」
〔「けむたい」のやや古風な言い方〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
煙たがる
けむたが・る [4] 【煙たがる】 (動ラ五[四])
(1)煙のために,けむたく思う。けむがる。
(2)その人がいるために,窮屈に思う。けむったがる。「会長の存在を―・る」
煙たがる
けむたがる【煙たがる】
feel[be]shy <of one's teacher> ;keep <a person> at a respectful distance (敬遠する).
煙ったい
けむった・い [0] 【煙ったい】 (形)
「けむたい」の転。「タバコの煙が―・い」「―・い存在」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
煙る
けむ・る [0] 【煙る・烟る】 (動ラ五[四])
〔古くは「けぶる」〕
(1)火がよく燃えずに煙ばかりが盛んに出る。くすぶる。「薪(マキ)が―・る」「山ぎはに結ぼほれたるけぶり―・らば/和泉式部集」
(2)煙が立ちこめたようにかすんで見える。「春雨に―・る京都東山」
煙る
けぶ・る [0] 【煙る・烟る】 (動ラ五[四])
〔「けむる」の古形〕
(1)「けむる(煙)」に同じ。「広い部屋が一面に―・つて居る/続風流懺法(虚子)」
(2)輪郭がかすんで,ほのかにみえる。かすんで美しくみえる。「眉のわたりうち―・り/源氏(若紫)」
(3)火葬にされて,煙となって上る。「―・りにし人を桶火(オケビ)の灰によそへて/和泉式部集」
煙る
けむる【煙る】
smoke;→英和
smoulder (いぶる);→英和
be smoky;look[appear]dim <in the rain> (かすむ).
煙出し
けむだし [0] 【煙出し・烟出し】
⇒けむりだし(煙出)
煙出し
けむりだし [0] 【煙出し】
(1)室内の煙・臭気などを外へ出すため,家の屋根や壁に設けた排出口や窓。けむ抜き。けぶり出し。けむ出し。
(2)煙突。けぶり出し。
煙出し(1)[図]
煙出し
けぶだし [0] 【煙出し】
「けむだし(煙出)」に同じ。
煙台
えんたい 【煙台】
中国,山東半島北部の渤海(ボツカイ)に臨む港湾都市。漁業基地。明代,倭寇(ワコウ)に備えてのろし台が設けられた。イエンタイ。旧称,チーフー(芝罘)。
煙塵
えんじん [0] 【煙塵】
(1)煙とちり。塵埃(ジンアイ)。
(2)心や世の中のけがれ。俗塵。
(3)煙突から出る煙に含まれている微粒子。
(4)戦場で人馬の立てる煙や塵。戦乱。
煙客
えんかく [0] 【煙客】
霞(カスミ)を食って生きている人。仙人。
煙室
えんしつ [0] 【煙室】
煙管式ボイラーで,煙管と煙を煙突に導く煙道との連絡部に設けた部屋。
煙害
えんがい [0] 【煙害】
煙に含まれる有毒ガス・タールなどによって,人畜・植物・作物などが受ける害。
煙山
けむやま 【煙山】
姓氏の一。
煙山専太郎
けむやませんたろう 【煙山専太郎】
(1877-1954) 歴史学者。岩手県生まれ。東大卒。早大教授。文化女子短大(現,大学)初代学長。ロシア史・ユダヤ人史の研究の先駆者。著「近世無政府主義」「西洋最近世史」
煙嶂
えんしょう [0] 【煙嶂・烟嶂】
雲や霞(カスミ)のかかった峰。
煙幕
えんまく [1] 【煙幕】
(1)戦闘の際,敵の目をくらますために幕のように広く放散させる煙。
(2)花火の一種。火をつけると,筒から白い煙を噴き上げるもの。
煙幕
えんまく【煙幕(をはる)】
(lay down) a smoke curtain[screen].
煙感知器
けむりかんちき [6] 【煙感知器】
火災により発生する燃焼生成物を検出する器具。イオン化式と光電式とがある。
煙景
えんけい [0] 【煙景・烟景】
霞(カスミ)のかかった春景色。
煙月
えんげつ [0][1] 【煙月・烟月】
かすんで見える月。
煙死
えんし [0] 【煙死】 (名)スル
煙や有毒ガスによって死ぬこと。
煙毒
えんどく [0][1] 【煙毒】
工場などより出る煙に含まれている有毒成分。煙害をもたらす。
煙水
えんすい [0] 【煙水・烟水】
水蒸気のたちこめた水面。「―眼(マナコ)に范々たり/太平記 27」
煙水晶
けむりずいしょう [4] 【煙水晶】
薄い茶色の水晶。
煙波
えんぱ [1] 【煙波・烟波】
遠くまで水面が波立ってけむったように見えるさま。煙浪。「―縹渺(ヒヨウビヨウ)」
煙浪
えんろう [0] 【煙浪・烟浪】
「煙波(エンパ)」に同じ。「万里の―をしのぎつつ大宋国へぞ渡りける/平家 3」
煙浴
えんよく [0] 【煙浴】
ある種の鳥に見られる,煙を浴びる行動。寄生虫の駆除に効果があると考えられている。
煙滅
えんめつ [0] 【煙滅】 (名)スル
〔湮滅(インメツ)の誤りから〕
煙のようにあとかたもなく消えてなくなること。
煙火
えんか [1] 【煙火】
(1)煙と火。
(2)飯をたく火。炊煙。人煙。
(3)のろし。烽火(ホウカ)。
(4)花火。
煙火
はなび [1] 【花火・煙火】
黒色火薬を松脂(マツヤニ)などで固めて紙などで包み,点火して燃焼・破裂させ,音・光・炎色・煙などを観賞するもの。遊びや信号用のものもある。ストロンチウムやナトリウムなどの塩類で色をつけ,マグネシウムやアルミニウムの粉末で輝きを増す。打ち上げ花火・仕掛け花火・線香花火などがある。煙火。[季]秋。《空に伸ぶ―の途の曲りつゝ/虚子》
煙火中の人
えんかちゅうのひと 【煙火中の人】
煮たきしたものを食べる人。俗界の人。
煙炎
えんえん [0] 【煙炎・煙燄】
煙とほのお。
煙煤
えんばい [0] 【煙煤】
すす。油煙。
煙燄
えんえん [0] 【煙炎・煙燄】
煙とほのお。
煙硝
えんしょう [0] 【煙硝・焔硝】
(1)硝酸カリウム。硝石。
(2)有煙火薬の俗称。「―のにおい」
煙突
えんとつ【煙突】
a chimney;→英和
a smokestack;→英和
a funnel;→英和
a stove pipe.煙突掃除 a chimney sweep (人).
煙突
えんとつ [0] 【煙突・烟突】
(1)煙を外部に排出するためにつくられた筒型の装置。
(2)タクシー運転手の隠語。空車表示のまま客を乗せて,料金をごまかす不正行為をいう。
煙競べ
けぶりくらべ 【煙競べ】
〔「思ひ」の「火」から上る煙を比べる〕
(1)互いに思いの深さを比べること。けむりくらべ。「立ちそひて消えやしなまし憂きことを思ひ乱るる―に/源氏(柏木)」
(2)香をたいてくらべあうこと。
煙筒
えんとう [0] 【煙筒】
(1)煙突。けむり出し。
(2)キセル。
煙管
えんかん [0] 【煙管・烟管】
(1)キセル。
(2)煤煙を通す管。煙筒。
(3)煙管ボイラー内部に設けた燃焼ガスの通る管。焔管。
煙管
キセル【煙管】
a (tobacco) pipe.〜乗車をする cheat on the fare.→英和
煙管ボイラー
えんかんボイラー [5] 【煙管―】
丸ボイラーの一種。内部に煙管{(3)}を設け,燃焼ガスを通してボイラー内の水を加熱し,蒸気を発生させる。
→水管ボイラー
煙草
タバコ【煙草】
tobacco;→英和
a cigarette (紙巻);a cigar (葉巻);→英和
cut[pipe]tobacco (刻み);a tobacco plant (植物).〜をのむ[吸う]smoke (a cigarette);→英和
have a smoke (一服する).〜をやめる give up[quit]smoking.‖タバコ入れ a cigarette case;a tobacco pouch (刻みの).タバコのみ a <heavy> smoker.タバコ屋 a tobacconist's (shop);a tobacco shop; <米> a cigar store.
煙草
えんそう [0] 【煙草・烟草】
タバコのこと。
煙返し
けむりがえし [4] 【煙返し】
(1)土蔵の戸口の内側下方にある石。
(2)香炉の口辺が内側に張り出し口をせばめて煙がよどむような形につくったもの。
煙返し(1)[図]
煙道
えんどう [0] 【煙道】
煙や燃焼排ガスを,炉またはボイラーから煙突に導く通路。
煙雨
えんう [1] 【煙雨】
煙るようにそぼ降る雨。きりさめ。
煙雲
えんうん [0] 【煙雲】
(1)煙と雲。雲煙。
(2)雲のように高く上がる煙。
煙霞
えんか [1] 【煙霞・烟霞】
(1)煙と霞(カスミ)。靄(モヤ)と霞。
(2)ほのかにぼんやりと見える景色。自然のよい景色。
煙霞の痼疾
えんかのこしつ 【煙霞の痼疾】
〔唐書(田遊巌伝)〕
深く自然の風景を愛し,旅を好む習癖。煙霞の癖(ヘキ)。
煙霧
えんむ [1] 【煙霧】
(1)煙と霧。
(2)乾いた微細な粒子が大気中に浮遊し,空気が乳白色に濁ってみえる現象。
煠で
ゆで [2] 【茹で・煠で】
ゆでること。「塩―」「―卵」
煠む
いた・む 【炒む・煠む】 (動マ下二)
⇒いためる
煠める
いた・める [3] 【炒める・煠める】 (動マ下一)[文]マ下二 いた・む
なべに油をひき,加熱した所へ材料を入れ,かきまぜながら火を通す。「野菜を―・める」
煢然
けいぜん [0] 【煢然・惸然】 (ト|タル)[文]形動タリ
孤独で頼るところのないさま。ひとりでさびしいさま。「―として吾独り在り/金色夜叉(紅葉)」
煢煢
けいけい [0] 【煢煢】 (ト|タル)[文]形動タリ
孤独なさま。頼るところのないさま。「孤影―たる自国艦隊/此一戦(広徳)」
煢独
けいどく [0] 【煢独・惸独】
〔「惸」は兄弟のないこと,「独」は子のない老人の意〕
身寄りのないひとりもの。孤独の身。
煤
すす【煤(だらけの)】
soot(y).→英和
煤
すす [1][2] 【煤】
(1)煙にまざって飛ぶ黒色の炭素の粉。油煙。「―で顔が汚れる」
(2)煙がほこりと一緒に固まって壁・天井などについた汚れ。「―払い」
煤く
すす・く 【煤く】 (動カ下二)
⇒すすける
煤け
すすけ [3] 【煤け】
すすけて黒くなること。「―が目立つ」
煤ける
すすける【煤ける】
become sooty;→英和
be stained with soot.煤けた sooty;smutty.→英和
煤ける
すす・ける [0][3] 【煤ける】 (動カ下一)[文]カ下二 すす・く
(1)すすがついて黒くよごれる。「釜(カマ)が―・ける」
(2)古くなってよごれた感じになる。「―・けた障子」「衣―・けためり,白くて着よとて/枕草子 87」
煤ばむ
すすば・む [3] 【煤ばむ】 (動マ五[四])
すすで汚れて黒くなる。すすける。「ストーブで―・んだ天井」
煤ぶ
すす・ぶ 【煤ぶ】 (動バ上二)
すすける。「御衣は柿色のいたう―・びたるに/読本・雨月(白峯)」
煤ぶる
すすぶ・る [3] 【煤ぶる】 (動ラ五[四])
すすける。すすぼる。「障子も―・り/評判記・色道大鏡」
煤ぼける
すすぼ・ける [0] 【煤ぼける】 (動カ下一)
すすで汚れる。黒ずんで古くさくなる。「―・けた押入の中から/爛(秋声)」
煤ぼる
すすぼ・る [3] 【煤ぼる】 (動ラ五[四])
「煤(スス)ぶる」に同じ。「古家(フルイエ)なれば,…其処ら―・りて/化銀杏(鏡花)」
煤取り
すすとり [0][4] 【煤取り】
「煤払い」に同じ。
煤取り節供
すすとりせっく [5] 【煤取り節供】
一二月一三日,正月の準備に煤払いをする行事。煤掃き節供。
煤埃
すすぼこり [3] 【煤埃】
〔「すすほこり」とも〕
すすとほこり。すすのまじったほこり。
煤塵
ばいじん [0] 【煤塵】
工場の煙突の煙や炭坑などの塵埃(ジンアイ)の中に含まれるすすなどの微粒子。
煤払い
すすはらい [3] 【煤払い】
(1)屋内にたまったすすやほこりを払って掃除をすること。
(2)年末,正月の準備に家の内外を大掃除すること。江戸時代には,一二月一三日が恒例であった。すすはき。すすとり。[季]冬。
煤払い
すすはらい【煤払い】
house cleaning.〜をする clean a house.→英和
煤掃き
すすはき [3][0] 【煤掃き】
「煤払い」に同じ。[季]冬。《―の音はたとやむ昼餉かな/正岡子規》
煤気
ばいき [1] 【煤気】
すすまじりの空気。
煤湯
すすゆ 【煤湯】
煤払いを終えたあとで入る湯。[季]冬。「今日―を浴びて五塵の垢を落とし/滑稽本・浮世風呂(前)」
煤炭
ばいたん [0] 【煤炭】
石炭の旧称。
煤煙
ばいえん【煤煙】
smoke;→英和
soot (すす).→英和
〜の多い smoky.→英和
煤煙
ばいえん [0] 【煤煙】
石炭などを燃やして出る煙とすす。特に,不完全燃焼で発生する大気汚染物質。大気汚染防止法は物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物や煤塵,物の燃焼・合成・分解などにより生ずるカドミウム・塩素・フッ化水素・鉛その他の有害物質を煤煙としている。
煤煙
ばいえん 【煤煙】
小説。森田草平作。1909年(明治42)「朝日新聞」連載。作者と平塚らいてうとの心中未遂事件をもとにして,近代青年と新しい女性との情熱的な恋愛を描いた自伝的作品。
煤男
すすおとこ [3] 【煤男】
暮れの煤掃きに用いる,長い竹竿(タケザオ)の先にわら束を結びつけた道具。地方により,煤梵天(ボンテン)・煤掃き男・掃き男などとも呼ぶ。
煤病
すすびょう [0] 【煤病】
煤病菌の寄生による,柑橘(カンキツ)類・タケササ類・ツバキなどの病害。葉・果実などの面が煤を塗ったようにかびにおおわれ,樹勢が衰える。
煤竹
すすだけ [2] 【煤竹】
〔「すすたけ」とも〕
(1)すすけて赤黒くなった竹。また,その色。
(2)煤払いに用いる,先端に葉のついたままの竹。[季]冬。
煤竹色
すすだけいろ [0] 【煤竹色】
煤竹{(1)}のような赤黒い色。
煤籠り
すすごもり [3] 【煤籠り】
年末の煤払いの日に,老人や子供が邪魔にならないように別室にこもっていること。[季]冬。《鼻を掃く孔雀の玉や―/其角》
煤色
すすいろ [0] 【煤色】
煤のような色。薄黒い色。薄墨色。「暗い室の天井も四隅も―の油煙で渦巻いて/倫敦塔(漱石)」
煥然
かんぜん クワン― [0] 【煥然】 (ト|タル)[文]形動タリ
光り輝くさま。「才名は―として/花柳春話(純一郎)」
煥発
かんぱつ クワン― [0] 【煥発】 (名)スル
〔「煥」は輝く意〕
輝くように現れ出ること。「才気―」「凡そ外交問題ほど国民の元気を―するものはあらざる也/文学史骨(透谷)」
煦煦
くく [2][1] 【煦煦】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)暖かいさま。「―たる春日に背中をあぶつて/草枕(漱石)」
(2)恵みをかけるさま。
照らさふ
てらさ・う テラサフ 【照らさふ・衒さふ】 (動ハ四)
〔動詞「てらす(照らす)」に助動詞「ふ」が付いたものから〕
物をはっきり見せるようにする。みせびらかす。てらう。「里ごとに―・ひあるけど人も咎めず/万葉 4130」
照らし出す
てらしだ・す [0][4] 【照らし出す】 (動サ五[四])
光を当ててはっきり現す。「ヘッドライトが人影を―・す」
[可能] てらしだせる
照らし合す
てらしあわ・す [5] 【照らし合(わ)す】
■一■ (動サ五[四])
「照らし合わせる」に同じ。「資料と―・してみる」
■二■ (動サ下二)
⇒てらしあわせる
照らし合せる
てらしあわ・せる [6][0] 【照らし合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 てらしあは・す
二つ以上のものの異同などを調べるため,見比べる。照合する。「台帳と在庫品とを―・せる」
照らし合わす
てらしあわ・す [5] 【照らし合(わ)す】
■一■ (動サ五[四])
「照らし合わせる」に同じ。「資料と―・してみる」
■二■ (動サ下二)
⇒てらしあわせる
照らし合わせる
てらしあわせる【照らし合わせる】
⇒照合.
照らし合わせる
てらしあわ・せる [6][0] 【照らし合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 てらしあは・す
二つ以上のものの異同などを調べるため,見比べる。照合する。「台帳と在庫品とを―・せる」
照らす
てらす【照らす】
shine <on> ;→英和
light (up);→英和
illuminate;→英和
compare <with> (比較);→英和
check (up) (照合).→英和
照らして in the light of <facts> ;according to <law> .
照らす
てら・す [0][2] 【照らす】 (動サ五[四])
(1)光を当てて明るくする。輝くようにする。古くは光に限らず,玉・紅葉・美しい容貌などにも用いた。「闇を―・す灯台」「月に―・された庭」「山―・す秋の黄葉(モミチ)の散らまく惜しも/万葉 1517」
(2)基準になるものと引き比べる。参照する。「法に―・す」
(3)てれさせる。恥をかかせる。「吉原にふるといふ言葉あれば,深川に―・すといふ言葉あり/洒落本・古契三娼」
〔「照る」に対する他動詞〕
[可能] てらせる
[慣用] 肝胆相―
照り
てり【照り】
sunshine;→英和
(a) drought (ひでり).→英和
照り
てり [2] 【照り】
〔動詞「照る」の連用形から〕
(1)ひでり。晴天。
(2)つや。光沢。「―を出す」
(3)日本料理で,料理につやを出すために,醤油・味醂(ミリン)・砂糖などを加えて煮つめた,たれ。照り焼きに用いる。
照りつける
てりつける【照りつける】
shine[blaze] <upon> .→英和
照り付ける
てりつ・ける [4][0] 【照り付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 てりつ・く
太陽が強く照る。激しく照る。「真夏の太陽が―・ける」
照り合う
てりあ・う [3][0] 【照り合う】
(動ワ五[ハ四])
(1)互いに照る。「雪に―・ふ瓦斯灯の光り/別れ霜(一葉)」
(2)対応する。照合する。
照り合せる
てりあわ・せる [0][5] 【照り合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 てりあは・す
照らし合わせる。「今夜の事実と―・せて,一層明白(ハツキリ)して来るやうに思へた父親は/あらくれ(秋声)」
照り合わせる
てりあわ・せる [0][5] 【照り合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 てりあは・す
照らし合わせる。「今夜の事実と―・せて,一層明白(ハツキリ)して来るやうに思へた父親は/あらくれ(秋声)」
照り土用
てりどよう [3] 【照り土用】
夏の土用の間,晴天の続くこと。
照り布
てりふ [0] 【照り布】
上質の白麻布。茶道で茶巾に用いる。
照り映える
てりは・える [4] 【照り映える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 てりは・ゆ
光を受け美しく輝く。「夕日に―・える紅葉」
照り梅雨
てりつゆ [0] 【照り梅雨】
「空梅雨(カラツユ)」に同じ。
照り渡る
てりわた・る [0][4] 【照り渡る】 (動ラ五[四])
隅々までとどくように照る。「―・る秋の月」
照り焼き
てりやき [0] 【照り焼き】
「付け焼き」に同じ。特に,照りを出して焼くこと。
照り照り坊主
てりてりぼうず [5] 【照り照り坊主】
「てるてるぼうず」に同じ。
照り紅葉
てりもみじ [3] 【照り紅葉】
「照り葉」に同じ。[季]秋。
照り葉
てりは [0] 【照り葉】
秋,紅葉して美しく照り輝く葉。照り紅葉(モミジ)。[季]秋。
照り輝く
てりかがや・く [5][0] 【照り輝く】 (動カ五[四])
〔古くは「てりかかやく」〕
明るく輝く。美しく輝く。「―・く御殿」「―・く木ども立てり/竹取」
照り返し
てりかえし【照り返し】
reflection;→英和
reflected heat.
照り返し
てりかえし [0] 【照り返し】
(1)照り返すこと。また,その光。反照。「路面からの―」
(2)ランプや電灯で,光量を増すために,光源の背面に設ける反射鏡。「―ランプ」
照り返す
てりかえ・す [0][3] 【照り返す】 (動サ五[四])
他から受けた光や熱をはね返す。「路面が日差しを―・す」
照り返す
てりかえす【照り返す】
reflect.→英和
照り降り
てりふり [2] 【照り降り】
照ることと降ること。
照り降り傘
てりふりがさ [5] 【照り降り傘】
晴雨兼用の傘。
照り降り無し
てりふりなし 【照り降り無し】
晴雨にかかわりないこと。まわりの状況に左右されないこと。「繁昌さ―に売る所/柳多留 54」
照り降り雨
てりふりあめ [5] 【照り降り雨】
照ったり,降ったりして不安定な空模様。
照り雨
てりあめ [0] 【照り雨】
日が照っていながら降る雨。天気雨。
照り鱓
てりごまめ [3] 【照り鱓】
ゴマメを煎(イ)って,砂糖と醤油をからめた食品。正月料理に用いる。
照る
てる【照る】
shine;→英和
<It> is fine (晴天).照っても降っても <We'll go> rain or shine.
照る
て・る [1] 【照る】 (動ラ五[四])
(1)太陽や月が光を放つ。「月が皓々(コウコウ)と―・っている」
(2)晴天になる。「―・っても降っても決行します」「―・る日,曇る日」
(3)美しく輝く。「島山に―・れる橘/万葉 4276」「―・りて立てるは愛(ハ)しき誰が妻/万葉 4397」
(4)〔「面(オモテ)照る」の略〕
能で,顔をやや仰向(アオム)けにして,喜びの感情を表現する型をいう。
⇔曇る
〔「照らす」に対する自動詞〕
照る日
てるひ [1] 【照る日】
(1)太陽の照っている日。「―曇る日」
(2)照り輝く太陽。「―にも乾めや我が袖/万葉 2857」
(3)天皇。「―を世々に助けこし/増鏡(おどろの下)」
照る月の
てるつきの 【照る月の】 (枕詞)
照る月は見飽きないところから,比喩的に「飽かず」にかかる。「―飽かざる君や明日別れなむ/万葉 3207」
照る照る坊主
てるてるぼうず【照る照る坊主】
a talisman for fine weather.
照る照る坊主
てるてるぼうず [5] 【照る照る坊主】
晴れることを祈って,軒先などにつるす人形。普通,四角な紙の中央に綿などをおいてくくり,頭とする。晴れたら,目を書き入れたり,神酒(ミキ)をかけたりして,川に流す。てりてりぼうず。
照れ
てれ [2] 【照れ】
照れること。「多少の―がある」
照れる
てれる【照れる】
be shy;be embarrassed.
照れる
て・れる [2] 【照れる】 (動ラ下一)
(1)きまり悪そうにする。恥ずかしそうにする。「改まった挨拶をして―・れている」
(2)間の悪い思いをする。「其間客は始終―・れてゐる/洒落本・虚実柳巷方言」
照れ屋
てれや [2][0] 【照れ屋】
ちょっとしたことでもすぐに照れる人。はにかみ屋。
照れ性
てれしょう [2] 【照れ性】 (名・形動)
ちょっとしたことにも照れる性格である・こと(さま)。そのような人をもいう。「―な人」
照れ笑い
てれわらい [3] 【照れ笑い】 (名)スル
(失敗や恥ずかしさのために)照れて笑うこと。
照れ臭い
てれくさ・い [4] 【照れ臭い】 (形)[文]ク てれくさ・し
気恥ずかしい。きまりがわるい。「―・くて顔が上げられない」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
照れ臭い
てれくさい【照れ臭い】
be embarrassed.
照れ隠し
てれかくし [3][0] 【照れ隠し】
恥ずかしさやきまりの悪さをごまかすための言葉やしぐさ。「―に笑う」
照れ隠しに
てれかくし【照れ隠しに】
to hide one's embarrassment;apologetically.
照会
しょうかい【照会】
(an) inquiry;→英和
(a) reference.→英和
〜する refer <to a person for a thing> ;→英和
make inquiries;inquire;→英和
apply <to the office> .→英和
‖照会先 a reference.照会状 a letter of inquiry.
照会
しょうかい セウクワイ [0] 【照会】 (名)スル
問い合わせること。「友人の居所を実家に―する」
照合
しょうごう【照合】
(a) comparison;→英和
(a) collation.〜する compare <with> ;→英和
collate;→英和
check (up).→英和
照合
しょうごう セウガフ [0] 【照合】 (名)スル
照らし合わせて調べること。「指紋を―する」「―電報」
照対
しょうたい セウ― [0] 【照対】 (名)スル
異なるものが照らし合い,対応すること。「奸邪(カンジヤ)の主公を設けしときには成べく之に―する良主人公を作るを要とす/小説神髄(逍遥)」
照射
しょうしゃ セウ― [0] 【照射】 (名)スル
(1)日光などが照りつけること。「―時間」
(2)光線・放射線などをあてること。「赤外線を―する」
(3)物事の内面,かくれた部分などを照らすこと。
照射
しょうしゃ【照射】
irradiation.X線を〜する apply X rays <to> .
照射線量
しょうしゃせんりょう セウ―リヤウ [4] 【照射線量】
X 線・γ線の強度を表す量。単位質量あたりの空気が電離される電気量で定義される。SI 単位はクーロン/キログラム。旧単位はレントゲン( R )。
→レントゲン
照射食品
しょうしゃしょくひん セウ― [4] 【照射食品】
発芽抑制・殺菌・殺虫などのために放射線をあてた食品。安全性のため法律で規制される。日本では1972年(昭和47)以降ジャガイモの発芽防止用が許可されている。
照尺
しょうしゃく セウ― [0] 【照尺】
銃の照準装置の一部。銃身の手前の尾筒上に取り付ける。表尺板・遊標・照門から成り,銃口の照星と対して目標を定める。
照尺
しょうしゃく【(銃の)照尺】
the backsight.
照度
しょうど セウ― [1] 【照度】
光に照らされた面の単位面積が受ける光束。単位はルクス。記号 lx「―計」
照影
しょうえい セウ― [0] 【照影】
映った影。さす影。
照応
しょうおう セウ― [0] 【照応】 (名)スル
(1)二つの物事が互いに対応または関連し合っていること。「首尾が―しない」「前後頗(スコブ)る―して/慨世士伝(逍遥)」
(2)〔言〕
〔anaphora〕
代名詞や冠詞が文中や文章中(発話中)の物事をさすこと。先に現れた物事なら前方照応,後に出てくる物事ならば後方照応という。
照応する
しょうおう【照応する】
correspond <to> ;→英和
agree[accord] <with> .→英和
照手姫
てるてひめ 【照手姫】
説経節などに登場する伝説上の人物。横山郡司の娘。小栗判官の恋人。餓鬼の姿で地獄から戻った小栗を車に乗せ,熊野本宮に送り届けて結ばれる。
→小栗判官
照明
しょうめい セウ― [0] 【照明】 (名)スル
(1)光をあてて明るくすること。「白熱灯で―する」「間接―」
(2)舞台効果・撮影効果を高めるために光を用いること。また,その光。
照明
しょうめい【照明】
illumination;→英和
lighting (舞台などの).→英和
〜する light up;illuminate.→英和
‖照明係 an illuminator.照明器具 a lighting fixture;lighting apparatus (集合的).照明効果 light effect.照明弾 a flare bomb.
照明弾
しょうめいだん セウ― [3][0] 【照明弾】
夜間の戦闘で照明や信号に用いる弾丸。主としてマグネシウムを用い,持続時間は数秒から数分間まで種々ある。
照明灯
しょうめいとう セウ― [0] 【照明灯】
広場や建築物などを明るく照らすための灯。
照星
しょうせい セウ― [0] 【照星】
銃の照準器の一。銃身の先端近くに取り付けてある小さな突起。手前の照門からこれを見て照準を定める。
照映
しょうえい セウ― [0] 【照映】 (名)スル
てりはえること。「丹青鏡裡に―して/狩野芳崖(天心)」
照査
しょうさ セウ― [1] 【照査】 (名)スル
照らし合わせて調べること。
照校
しょうこう セウカウ [0] 【照校】 (名)スル
(文字・文章などを)くらべただすこと。「電報を―する」
照準
しょうじゅん セウ― [0] 【照準】
(1)弾丸・爆弾が命中するように,目標にねらいを合わせること。「―器」「―を定める」
(2)目標を決めること。「甲子園出場に―を合わせる」
照準
しょうじゅん【照準】
(an) aim;→英和
<adjust> sight.→英和
〜する (take) aim;sight <a gun> .
照焼
てりやき【照焼】
fish broiled with soy.
照照
しょうしょう セウセウ [0] 【昭昭・照照】 (ト|タル)[文]形動タリ
すみずみまであきらかなさま。「(天ハ)―として闊(ヒロ)く/金色夜叉(紅葉)」
照破
しょうは セウ― [1] 【照破】 (名)スル
仏が智慧(チエ)の光で無明の闇を照らし,真理をあらわにすること。
照空灯
しょうくうとう セウクウ― [0] 【照空灯】
サーチライト。
照臨
しょうりん セウ― [0] 【照臨】 (名)スル
(1)日月が天上にあって,四方を照らすこと。また,神仏などが下界を御覧になること。「天も―遊ばすまじ/露小袖(乙羽)」
(2)君主が天下を治めること。「下万民を―す/盛衰記 45」
照葉木
てりはぼく [3] 【照葉木】
オトギリソウ科の常緑大高木。熱帯地方の海岸に広く分布し,防風林などとしても植えられている。葉は長楕円形で厚く光沢がある。夏,葉腋(ヨウエキ)に白色の四弁花を総状につけ,球形の核果を結ぶ。種子の油を灯用・薬用とし,材は建築・家具材とする。ヤラボ。
照葉樹林
しょうようじゅりん セウエフ― [5] 【照葉樹林】
常緑広葉樹を優占種とする樹林。亜熱帯から温帯に発達。日本では九州・四国・関東までの沿岸部に分布。クスノキ・シイ・ツバキなどで,葉は革質で光沢がある。常緑広葉樹林。
照葉樹林文化
しょうようじゅりんぶんか セウエフ―クワ [8] 【照葉樹林文化】
ヒマラヤから東南アジア北部,中国南部,西日本にかけて広がる常緑広葉樹林帯に住む民族が共有するとされる文化。神話・伝説をはじめ各種習俗に共通点が多く見られ,日本の伝統文化の基層をなす。
照葉狂言
てりはきょうげん 【照葉狂言】
小説。泉鏡花作。1896年(明治29)「読売新聞」に発表。姉のように慕う広岡雪の家庭的不幸を救いえなかった孤児貢(ミツギ)は,その悔悟から照葉狂言一座の女若師匠小親(コチカ)との幸福な生活を捨てて殉ずる。
照葉狂言
てりはきょうげん [4] 【照葉狂言】
(1)〔「てには俄(ニワカ)狂言」の転とも,創始者の女性の名からともいう〕
能・狂言に俄(ニワカ)・歌舞伎などの手法を加えた芸能。囃子(ハヤシ)には三味線が加わり,俗謡・手踊りなどもまじえて演じられた。江戸末期に起こり,明治後期まで続いた。てるはきょうげん。
→今様能(イマヨウノウ)
(2)書名(別項参照)。
照見
しょうけん セウ― [0] 【照見】
〔仏〕 物事の本質・実相を明らかに見きわめること。また,その教え。
照覧
しょうらん セウ― [0] 【照覧】 (名)スル
(1)神仏・貴人がご覧になること。「神も御―あれ」
(2)はっきりと見ること。
照鑑
しょうかん セウ― [0] 【照鑑】 (名)スル
神仏などが明らかに見ること。照覧。「神道では日月の―するも/社会百面相(魯庵)」
照門
しょうもん セウ― [0] 【照門】
小銃の射撃照準装置。銃身後方にあり,先端の照星と合わせて照準を定める。
照顧
しょうこ セウ― [1] 【照顧】 (名)スル
反省してよく確かめること。「脚下―」
照験
しょうけん セウ― [0] 【照験】 (名)スル
てらしあわせて調べること。勘合。「日本国に移文して―す/太平記 39」
照魔鏡
しょうまきょう セウマキヤウ [0] 【照魔鏡】
〔悪魔の本性を映し出す力のある鏡の意〕
社会や人間の裏面をあばき出すもの。
照鷽
てりうそ [0] 【照鷽】
鳥ウソの雄の称。頬とのどが淡紅色であることからの名。
煨
ウェイ [1] 【煨】
〔中国語〕
中国料理の調理法の一。ごく弱火で長時間煮込むこと。
煨麺
ウェイメン [1] 【煨麺】
〔中国語〕
中国料理で,煮込み麺のこと。
煩
うるさ 【煩】
(形容詞「うるさい」の語幹)いやになるほど優れているさま。度が過ぎてりっぱなさま。「才(ザエ)たぐひなく―ながら/源氏(野分)」
煩
はん [1] 【煩】
わずらわしいこと。面倒なこと。「―を厭(イト)わず」
煩い
うるさ・い [3] 【煩い・五月蠅い】 (形)[文]ク うるさ・し
(1)音が大きいのがじゃまになる。音が大きいのでやりきれない。やかましい。「工場の騒音が―・い」
(2)しつこくて,やりきれない。「―・い蠅(ハエ)だ」「―・くつきまとう」
(3)小さいことまで,いちいち文句を言うのでいやだ。口やかましい。「何かと―・いおやじだ」
(4)物事に対して見識をもっていて,細かいところまで気にするさま。「彼は料理には―・い」
(5)面倒くさくて,いやだ。わずらわしい。「―・い問題が起こったものだ」
(6)いやになるほどに優れている。完全で親しみが持てない。「いふかひあるかたのいと―・かりしものを/源氏(鈴虫)」
(7)技芸が優れている。うるせし。「たなばたの手にも劣るまじくて,その方も具して,―・くなむ侍りし/源氏(帚木)」
(8)わざとらしくて,いやみだ。きざっぽい。「見苦しとて人に書かするは―・し/徒然 35」
〔「五月蠅い」は,五月の蠅はうるさいことから戯れた当て字〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
煩い
わずらい【煩い】
(1)[病]⇒病気.
(2)[苦労](a) trouble;→英和
[心配]worry;→英和
anxiety.→英和
煩い
うるさい【煩い】
annoying;→英和
troublesome;→英和
tiresome;→英和
importunate (せがむ);→英和
hard to please (文句の多い);inquisitive (聞きたがる);→英和
noisy (音が).→英和
煩く annoyingly;→英和
persistently (しつこく).→英和
煩い! Shut up!/Leave me alone!/What a nuisance!
煩い
わずらい ワヅラヒ [0] 【煩い・患い】
(1)病気。《患》「長の―」
(2)心を悩ませること。心配の種。苦労。「妻と云ふ―を有するに/渋江抽斎(鴎外)」
煩う
わずら・う ワヅラフ [0][3] 【煩う・患う】 (動ワ五[ハ四])
(1)心の中で悩む。苦しむ。心配する。《煩》「思い―・う」
(2)病気になる。《患》「長く―・う」「胸を―・う」
(3)障害にあって苦しむ。難渋する。《煩》「舟なども―・はで,御馬にてなりけり/源氏(橋姫)」
(4)動詞の連用形の下に付いて,…するのに困る,の意を表す。…しかねる。「言い―・う」「暮らし―・ふ昨日今日かな/枕草子 301」
〔「煩わす」に対する自動詞〕
煩わしい
わずらわし・い ワヅラハシイ [5][0] 【煩わしい】 (形)[文]シク わづらは・し
〔動詞「煩う」の形容詞化〕
(1)心を悩ますことが多くて,気が重い。うんざりする。「―・い人間関係」
(2)複雑でめんどうくさい。煩雑である。「―・い手続きを簡素化する」
(3)気がおける。けむたい。「びんなくおぼしめすにやと―・しう思ひて/源氏(薄雲)」
(4)体の具合が悪い。「―・しくなりて,目・眉(マユ)・額なども腫れまどひて/徒然 42」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
煩わしい
わずらわしい【煩わしい】
troublesome (めんどうな);→英和
annoying (うるさい);→英和
complicated (複雑な).→英和
煩わす
わずらわ・す ワヅラハス [4][0] 【煩わす】
■一■ (動サ五[四])
(1)心を悩ませる。「心を―・す」「(葵ヲ)―・し聞ゆる事もなけれど/源氏(葵)」
(2)面倒をかける。手数をかけさせる。「先生の手を―・すまでもない」「御一報を―・したい」
〔「煩う」に対する他動詞〕
■二■ (動サ下二)
⇒わずらわせる
煩わす
わずらわす【煩わす】
trouble;→英和
bother (めんどうをかける);→英和
[困らせる]annoy;→英和
worry[be worried] <about> (心を).→英和
煩わせる
わずらわ・せる ワヅラハセル [5][0] 【煩わせる】 (動サ下一)[文]サ下二 わづらは・す
「煩わす」に同じ。「心を―・せる」「人手を―・せる」
煩をいとわずする
はん【煩をいとわず…する】
take the trouble to do.
煩冗
はんじょう [0] 【煩冗・繁冗】 (名・形動)[文]ナリ
複雑でわずらわしい・こと(さま)。「文字の―を避けたものである/北条霞亭(鴎外)」
煩労
はんろう [0] 【煩労】
心身をわずらわせること。また,わずらわしい仕事や苦労。「誰か好んで―を自らすることあらんや/日本開化小史(卯吉)」
煩務
はんむ [1] 【繁務・煩務】
わずらわしく忙しいつとめ。
煩多
はんた [1] 【煩多】 (名・形動)[文]ナリ
めんどうなことが多いこと。「―な手続き」
煩忙
はんぼう [0] 【繁忙・煩忙】 (名・形動)[文]ナリ
用事が多くて忙しい・こと(さま)。「―を極める」「―期」「―なる事業に従はしむべし/春(藤村)」
煩悩
ぼんのう【煩悩】
(worldly) desires;passions.
煩悩
ぼんのう [0][3] 【煩悩】
〔仏〕 人間の身心の苦しみを生みだす精神のはたらき。肉体や心の欲望,他者への怒り,仮の実在への執着など。「三毒」「九十八随眠」「百八煩悩」「八万四千煩悩」などと分類され,これらを仏道の修行によって消滅させることによって悟りを開く。染(ゼン)。漏。結。暴流(ボル)。使。塵労。随眠。垢。
煩悩即菩提
ぼんのうそくぼだい 【煩悩即菩提】
一般には煩悩と悟りである菩提とは相対立するものとしてとらえられるが,両者ともその本体は真如なのであり,真理の立場からすれば,煩悩こそがそのまま菩提にほかならないということ。現実肯定的な大乗仏教の立場を強調した表現。
煩悩濁
ぼんのうじょく [3] 【煩悩濁】
〔仏〕 五濁の一。煩悩のために種々の罪悪を犯すこと。
煩悩魔
ぼんのうま [3] 【煩悩魔】
〔仏〕 四魔の一。煩悩が人の心を乱して,菩提(ボダイ)の妨げとなるのを悪魔にたとえたもの。
煩悩鷺
ぼんのうさぎ [3] 【煩悩鷺】
ヨシゴイの異名。
煩悶
はんもん [0] 【煩悶】 (名)スル
いろいろと苦しみ悩むこと。もだえ苦しむこと。「過ちの重大さにひとり―する」
煩悶
はんもん【煩悶】
anguish;→英和
worry.→英和
〜する worry[be worried] <about> ;languish.→英和
煩慮
はんりょ [1] 【煩慮】
あれこれと心配すること。思いわずらうこと。また,そのような思い。
煩懊
はんおう [0] 【煩懊】 (名)スル
もだえ苦しむこと。「かなわぬ恋に―する」
煩擾
はんじょう [0] 【煩擾】 (名)スル
ごたごたと乱れること。「一生の間,―混鬧(コンドウ)するのみにして/西国立志編(正直)」
煩瑣
はんさ【煩瑣】
⇒煩雑.
煩瑣
はんさ [1] 【煩瑣】 (名・形動)[文]ナリ
こまごまとしてわずらわしい・こと(さま)。「―な手続き」「―を嫌う」
[派生] ――さ(名)
煩瑣哲学
はんさてつがく [5][4] 【煩瑣哲学】
スコラ哲学を,ささいなことを無意味に細かく議論するものとして低く評価する際の蔑称。
煩累
はんるい [0] 【煩累】 (名)スル
わずらわしい物事。また,物事にわずらわされること。「―を及ぼす」
煩苛
はんか [1] 【煩苛】 (名・形動)[文]ナリ
煩雑で苛酷な・こと(さま)。「諸法―にして/明六雑誌 43」
煩雑
はんざつ [0] 【煩雑】 (名・形動)[文]ナリ
事柄がこみいっていてわずらわしい・こと(さま)。煩瑣。繁雑。「―な手続き」「―にわたる」
[派生] ――さ(名)
煩雑な
はんざつ【煩雑な】
complicated;→英和
troublesome (めんどうくさい).→英和
煬帝
ようだい ヤウ― 【煬帝】
(569-618) 中国,隋の第二代皇帝(在位604-618)。姓名は楊広。父の文帝(楊堅)を殺して即位。東都の洛陽を建設,大運河(通済渠・永済渠)を開いた。北の突厥(トツケツ),南の林邑(リンユウ)を討ったが,三次におよぶ高句麗(コウクリ)遠征に失敗,各地に反乱が起こり,江都(揚州)で殺された。在位中,聖徳太子が遣隋使を派遣した。
煮
に [0] 【煮】
煮ること。また,煮たもの。煮え。「まだ―が足りない」「水―」「うま―」
煮え
にえ [0] 【煮え】
(1)にえること。また,その過程。
(2)茶釜(チヤガマ)の底に漆でつけてある薄い鉄片。湯が沸くと煮え音を出す。
煮える
に・える [0] 【煮える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 に・ゆ
(1)沸き立った汁の中で物に熱が通って食べられるようになる。「芋が―・える」
(2)水が沸きたって熱い湯になる。「―・ゆる茶の湯は面白や/狂言・通円」
(3)ひどく腹が立つ。「胸が―・える」「歯痒いも歯痒し,業も―・える/奇遇(四迷)」
(4)話がまとまる。結論に達する。「どうとも話は―・えずに,毎日紛擾(ゴタゴタ)してゐる内(ウチ)/二人女房(紅葉)」
(5)大騒ぎする。「禿の小伝が見えぬと云て内は―・えます/歌舞伎・壬生大念仏」
煮える
にえる【煮える】
boil;→英和
be boiled;be cooked.煮え立つ boil over.よく煮えている be well-done.
煮え上がる
にえあが・る [4] 【煮え上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)十分に煮える。「おかゆが―・った」
(2)煮立つ。にえたぎる。「楚王の頭(クビ)と,眉間尺が首と―・る湯の中にして/太平記 13」
煮え上る
にえあが・る [4] 【煮え上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)十分に煮える。「おかゆが―・った」
(2)煮立つ。にえたぎる。「楚王の頭(クビ)と,眉間尺が首と―・る湯の中にして/太平記 13」
煮え切らない
にえきら∘ない 【煮え切らない】 (連語)
考えなどがはっきりしない。あいまいだ。「―∘ない態度」「―∘ない返事」
煮え切らない
にえきらない【煮え切らない】
vague (あいまい);→英和
irresolute (決断力のない);→英和
lukewarm (なまぬるい).→英和
煮え加減
にえかげん [3] 【煮え加減】
煮え具合。煮えた程度。
煮え油
にえあぶら [3] 【煮え油】
煮立てられた油。
煮え湯
にえゆ【煮え湯】
boiling water.〜を飲ませる betray a person's trust.
煮え湯
にえゆ [0] 【煮え湯】
煮え立った熱い湯。熱湯。
煮え滾る
にえたぎ・る [4] 【煮え滾る】 (動ラ五[四])
煮えて盛んに沸き立つ。煮えかえる。「―・った湯」
煮え立つ
にえた・つ [3] 【煮え立つ】 (動タ五[四])
(1)十分に煮える。煮えてぐつぐつ沸き上がる。「汁が―・っている」
(2)ひどく腹が立つ。「胸の中が―・つ」
煮え端
にえばな 【煮え花・煮え端】
煎(セン)じたての香りの高い茶。にばな。ではな。「奈良茶の―を親父も一杯/浄瑠璃・大職冠」
煮え繰り返る
にえくりかえ・る [5] 【煮え繰り返る】 (動ラ五[四])
(1)ぐらぐら煮えて,沸きかえる。「なべの中の湯が―・っている」
(2)怒りで,ひどく腹が立つ。「腹わたが―・る」
煮え花
にえばな 【煮え花・煮え端】
煎(セン)じたての香りの高い茶。にばな。ではな。「奈良茶の―を親父も一杯/浄瑠璃・大職冠」
煮え返る
にえかえる【煮え返る】
[腹の中が]My blood boils with anger.
煮え返る
にえかえ・る [3] 【煮え返る】 (動ラ五[四])
(1)煮えて沸きかえる。沸騰する。にえたつ。「湯が―・る」
(2)ひどく腹が立つ。にえくりかえる。「くやしさで腹の中が―・る」
(3)大騒ぎする。「節季師走に此の在所は傾城事で―・る/浄瑠璃・冥途の飛脚(下)」
煮っ転がし
にっころがし [0] 【煮っ転がし】
「にころがし」の転。
煮ても焼いても食えない
煮ても焼いても食えない
相手がしたたか者で,どうにも手に負えない。もてあます。「―奴(ヤツ)だ」
煮て食おうと焼いて食おうと
煮て食おうと焼いて食おうと
どのようなひどいことをしようとも。「―おれの勝手だ」
煮やす
にや・す [0][2] 【煮やす】 (動サ五[四])
(1)怒りの気持ちなどを激しくする。「業(ゴウ)を―・す」
(2)煮る。また,沸かす。[日葡]
煮ゆ
に・ゆ 【煮ゆ】 (動ヤ下二)
⇒にえる
煮る
にる【煮る】
boil;→英和
cook.→英和
煮る
にる [0] 【煮る】 (動ナ上一)[文]ナ上一
食物を,水または調味料を加えた汁に入れて加熱し,食べられる状態にする。「里芋を〈にる〉」「うす味で〈にる〉」「〈に〉た魚」「今日あづきがゆ〈に〉ず/土左」
→ゆでる
煮上がる
にあが・る [3] 【煮上(が)る】 (動ラ五[四])
十分に煮える。完全に煮終わる。「豆が―・る」
煮上る
にあが・る [3] 【煮上(が)る】 (動ラ五[四])
十分に煮える。完全に煮終わる。「豆が―・る」
煮付け
につけ [0] 【煮付け】
魚・野菜などを煮つけた料理。
煮付ける
につ・ける [3] 【煮付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 につ・く
少ない煮汁でさっと煮る。「魚を―・ける」
煮付ける
につけ【煮付ける】
boil hard.
煮冷まし
にざまし [0][2] 【煮冷まし】
煮たものをさますこと。また,そうしたもの。
煮凝り
にこごり【煮凝り】
congealed food;aspic (肉汁などの).→英和
煮凝り
にこごり [0] 【煮凝り】
魚などの煮汁が冷えて固まったもの。また,煮魚の身をほぐして煮汁とともに固めた寄せ物。ゼラチンが冷えて固まってできる。[季]冬。
煮出し
にだし【煮出し(汁)】
stock;→英和
broth.→英和
煮出す boil;→英和
decoct (煎じる).→英和
煮出し
にだし [0] 【煮出し】
(1)煮出すこと。
(2)「煮出し汁」の略。
煮出し汁
にだしじる [4] 【煮出し汁】
煮干し・鰹節(カツオブシ)・昆布などを煮出しただし汁。だし。だしじる。
煮出す
にだ・す [2] 【煮出す】 (動サ五[四])
水煮をして成分を出す。「昆布を―・して,だしをとる」
煮切り
にきり [0] 【煮切り】
料理で,酒などを煮切ること。また,そのもの。
煮切る
にき・る [2] 【煮切る】 (動ラ五[四])
料理で,味醂(ミリン)・酒などに火を近づけてアルコール分を燃やして除く。
煮含める
にふく・める [4] 【煮含める】 (動マ下一)
煮物で,中まで味がしみこむように弱火でゆっくり煮る。
煮売り
にうり [0] 【煮売り】
飯と,副食物の魚・野菜などを煮てすぐに食べられるようにして売ること。また,そうして煮たもの。「国々の名物酒さかな,―・焼売り色々あり/仮名草子・東海道名所記」
煮売り屋
にうりや [0] 【煮売り屋】
江戸時代,煮売りを商う店。また,その人。
煮売り船
にうりぶね [4] 【煮売り船】
江戸時代,廻船や乗り合い船などの船員・乗客を相手に酒・田楽などの飲食物を売った小舟。淀川のくらわんか船もその一つ。煮売り茶船。商い船。うろうろ船。
煮売り茶屋
にうりぢゃや [3] 【煮売り茶屋】
江戸時代,煮売りを兼ねた茶店。煮売り茶店。
煮山椒
にざんしょう [2] 【煮山椒】
山椒の実を醤油・味醂(ミリン)などで煮つめたもの。
煮崩れ
にくずれ [0] 【煮崩れ】 (名)スル
魚や野菜が煮えすぎて形が崩れること。「芋が―する」
煮干
にぼし [0] 【煮干(し)】
(1)魚や貝柱などを煮て干した保存食品。
(2)特に,カタクチイワシやマイワシの小さなものを煮て干したもの。料理のだしなどに用いる。いりこ。だしじゃこ。
煮干し
にぼし [0] 【煮干(し)】
(1)魚や貝柱などを煮て干した保存食品。
(2)特に,カタクチイワシやマイワシの小さなものを煮て干したもの。料理のだしなどに用いる。いりこ。だしじゃこ。
煮干し粉
にぼしこ [0] 【煮干(し)粉】
煮干しを粉にしたもの。だしをとるのに用いられる。
煮干粉
にぼしこ [0] 【煮干(し)粉】
煮干しを粉にしたもの。だしをとるのに用いられる。
煮抜き
にぬき [0] 【煮抜き】
(1)「煮抜き玉子」の略。
(2)水を多めに入れて炊いた飯からとったねばねばした汁。おもゆ。おねば。
煮抜き玉子
にぬきたまご [4][5] 【煮抜き玉子】
かたゆでのたまご。にぬき。主に関西でいう。
煮方
にかた [0] 【煮方】
(1)ものを煮る方法。ものを煮る程度。「―が足りない」
(2)日本料理の調理場で煮ることを受け持つ料理人。板前に次ぐ責任者。煮手。
煮染
にぞめ [0] 【煮染(め)】
糸布類を,熱した染液の中に入れて浸染すること。たき染め。
煮染め
にしめ [0] 【煮染め】
野菜・練り製品などを取り合わせ,かなり濃い味つけで時間をかけて煮たもの。
煮染め
にぞめ [0] 【煮染(め)】
糸布類を,熱した染液の中に入れて浸染すること。たき染め。
煮染める
にしめる【煮染める】
boil down.
煮染める
にし・める [3] 【煮染める】 (動マ下一)[文]マ下二 にし・む
よく煮て,煮汁をしみこませる。「里芋を―・める」「―・めたような古手ぬぐい」
煮梅
にうめ [0] 【煮梅】
(1)梅の実の砂糖煮。
(2)黄熟した梅の実を煮て実をすりつぶし,塩をまぜ加えた中に青梅を漬け込んだもの。
煮殻
にがら [0] 【煮殻】
煮出したあとのかす。煮出し殻。
煮汁
にじる [0] 【煮汁】
(1)物を煮た汁。
(2)金属工芸品の着色材。緑青・胆礬(タンバン)・酢などを水でといて作る。
煮沸
しゃふつ [0] 【煮沸】 (名)スル
煮たてること。ぐらぐら煮ること。「新しい食器は―してから使う」「―消毒」
煮沸
しゃふつ【煮沸】
<sterilize by> boiling.→英和
〜する boil.→英和
煮浸し
にびたし [2] 【煮浸し】
薄味の煮汁で煮て,そのまま浸しておいて味をつけること。また,その料理。「鮎(アユ)の―」
煮溶かす
にとか・す [3] 【煮溶かす】 (動サ五)
煮て溶かす。「にかわを―・す」
煮炊き
にたき【煮炊き】
cooking.〜する cook.→英和
煮炊き
にたき [1] 【煮炊き】 (名)スル
炊事をすること。
煮焼き
にやき [0][1] 【煮焼き】 (名)スル
食物を煮たり焼いたりすること。「―して美味」
煮煤
にすす [0] 【煮煤】
煤を煮たもの。板などの着色用とする。
煮物
にもの【煮物】
cooking;cooked food (煮た食物).
煮物
にもの [0] 【煮物】
食物を調味して煮ること。また,そうした料理の総称。関西では炊き合わせ,関東ではうま煮を主にさして呼ぶ。懐石料理では煮物椀(魚・鳥・野菜を煮て,だし汁・山葵(ワサビ)・山椒(サンシヨウ)・味噌などをかけたもの)をさす。
煮立たす
にたた・す [3] 【煮立たす】 (動サ五)
「にたたせる」に同じ。「湯を―・す」
煮立たせる
にたた・せる [4] 【煮立たせる】 (動サ下一)
煮立つようにする。沸かす。沸騰させる。「ぐらぐらと―・せる」
煮立つ
にたつ【煮立つ】
boil up;simmer (静かに).→英和
煮立つ
にた・つ [2] 【煮立つ】
■一■ (動タ五[四])
煮えてぐらぐら沸きあがる。にえたつ。「―・った鍋をおろす」
■二■ (動タ下二)
⇒にたてる
煮立てる
にたてる【煮立てる】
boil;→英和
simmer (静かに).→英和
煮立てる
にた・てる [3] 【煮立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 にた・つ
十分熱して,ぐらぐら沸きたつようにする。「みそ汁を―・てる」
煮端
にばな [0] 【煮花・煮端】
煎じたての香りの高い茶。でばな。
煮花
にばな [0] 【煮花・煮端】
煎じたての香りの高い茶。でばな。
煮詰まる
につまる【煮詰まる】
boil down <to> .
煮詰まる
につま・る [3] 【煮詰(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)長時間煮て,水分がなくなる。「みそ汁が―・る」
(2)十分に議論・相談などをして,結論が出る状態になる。「計画が―・る」
煮詰める
につ・める [3] 【煮詰める】 (動マ下一)[文]マ下二 につ・む
(1)長時間煮て水分を少なくする。
(2)十分に議論・相談などをして,結論に至る状態にする。「交渉を―・める」
煮詰める
につめる【煮詰める】
boil <the report> down.
煮詰め汁
につめじる [4] 【煮詰め汁】
醤油に味醂(ミリン)を加え,とろ火で煮詰めた汁。握りずしのアナゴやハマグリに塗る。つめ。
煮詰る
につま・る [3] 【煮詰(ま)る】 (動ラ五[四])
(1)長時間煮て,水分がなくなる。「みそ汁が―・る」
(2)十分に議論・相談などをして,結論が出る状態になる。「計画が―・る」
煮豆
にまめ [0] 【煮豆】
味をつけて煮た豆。
煮豆
にまめ【煮豆】
boiled beans.
煮転がし
にころがし [0] 【煮転がし】
里芋などを煮汁がなくなるまで煮たもの。にっころがし。にころばし。
煮転ばし
にころばし [0] 【煮転ばし】
「にころがし」に同じ。
煮込み
にこみ【煮込み】
stew <of meat with vegetables> .→英和
煮込み
にこみ [0] 【煮込み】
煮込んだ料理。「―うどん」「もつ―」
煮込む
にこむ【煮込む】
cook;→英和
stew.→英和
煮込む
にこ・む [2] 【煮込む】 (動マ五[四])
たっぷりの煮汁の中で,時間をかけて煮る。「野菜と肉とを―・む」
煮返し
にかえし [0] 【煮返し】
煮返すこと。また,そのもの。
煮返し酢
にかえしず [4] 【煮返し酢】
塩を入れて煮立てた酢。さまして料理・漬物などに用いる。
煮返す
にかえ・す [3][2] 【煮返す】 (動サ五[四])
一度煮たものをもう一度煮る。煮直す。「おでんを―・す」
煮過ぎる
にすぎる【煮過ぎる】
overcook;overdo.→英和
煮零す
にこぼ・す [3] 【煮零す】 (動サ五[四])
(1)煮ている途中で,いったん煮汁を捨てる。あくの強いものに行う。
(2)煮たてすぎて,鍋から煮汁をあふれさす。
煮零れ
にこぼれ [2] 【煮零れ】
煮こぼれること。また,その汁。
煮零れる
にこぼ・れる [4] 【煮零れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 にこぼ・る
沸騰して煮汁が鍋からこぼれる。「汁が―・れる」
煮頃
にごろ [0] 【煮頃】
(1)食べるのにちょうど適した煮加減。
(2)「煮頃鮒」の略。
煮頃鮒
にごろぶな [4] 【煮頃鮒】
コイ目の淡水魚。全長約40センチメートル。フナの仲間で琵琶湖特産のうちゲンゴロウブナより体高が低くて丸い形のもの。特に小さいものをガンゾとも呼ぶ。マルブナ。ニゴロ。
煮食
しゃしょく [0] 【煮食】 (名)スル
煮て食べること。
煮魚
にざかな【煮魚】
cooked fish.
煮魚
にざかな [2][0] 【煮魚】
味をつけて煮た魚。
煮麺
にゅうめん ニウ― [1] 【煮麺】
〔「入麺」とも書く〕
素麺(ソウメン)を煮込んだ料理。
煮黒め
にぐろめ [0] 【煮黒め】
(1)銅と白鑞(シロメ)を融合させてつくった合金。普通の銅よりも黒みをおびている。にぐるみ。にぐろめ銅。
(2)胆礬(タンバン)・緑青(ロクシヨウ)・梅酢などを混合してつくった黒い塗料。長押(ナゲシ)などの化粧金物に塗布する。
煽ぎ立てる
あおぎた・てる アフギ― [5][0] 【扇ぎ立てる・煽ぎ立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 あふぎた・つ
(1)むやみにあおぐ。「うちわで―・てる」
(2)扇動する。あおりたてる。「異国趣味を―・てる/夜明け前(藤村)」
煽ぐ
あお・ぐ アフグ [2] 【扇ぐ・煽ぐ】 (動ガ五[四])
うちわ・扇などで風を起こす。「うちわで―・ぐ」
[可能] あおげる
煽ち
あおち アフチ 【煽ち】
風が物をあおること。また,その風。「障子の―ざわざわざわ/浄瑠璃・会稽山」
煽ち貧乏
あおちびんぼう アフチ―ボフ 【煽ち貧乏】
いくら稼いでも追いつかない貧乏。「これかや―といふなるべし/浮世草子・胸算用 5」
煽つ
おだ・つ 【煽つ】 (動タ下二)
⇒おだてる
煽つ
あお・つ アフツ 【煽つ】 (動タ四)
(1)あおいで強い風を起こす。あおぐ。「大うちはにて―・ちのけるがごとくでおぢやるによつて/狂言記・粟田口」
(2)風で,物がばたばた動いたり,舞い上がったりする。「―・つ火燵の灰煙/浄瑠璃・本朝三国志」
(3)手足であおぐような動作をする。じたばたする。「七転八倒目を見出し,手足を―・ち身をもがき/浄瑠璃・夏祭」
(4)人の気持ちをそそり立てる。あおる。「きやつは定業が―・つ/狂言・鼻取相撲」
煽て
おだて [0] 【煽て】
おだてること。
煽て
おだて【煽て】
(a) flattery.〜に乗る(乗らない) be easily (hardly) flattered.
煽てる
おだ・てる [0] 【煽てる】 (動タ下一)[文]タ下二 おだ・つ
(1)あることをさせようという意図をもって,人を盛んにほめていい気にさせる。「―・てておごらせる」
(2)気持ちを乱すようにまわりであおり立てる。「めつたむしやうに―・てられ,合点が行かねどまあ沖へ漕出して/浄瑠璃・近江源氏」
(3)まわりではやしたててからかう。「何のかのと人が―・てうかと思うて/歌舞伎・入間詞」
煽てる
おだてる【煽てる】
instigate;→英和
flatter.→英和
煽てられて…する be cajoled into doing.
煽り
あおり【煽り】
a blast[gust](風);→英和
[戸など]flapping;swing;→英和
a by-blow(巻添え).〜を喰う be blown off one's feet.
煽り
あおり アフリ [3][0] 【煽り】
〔「あおる(煽)」の連用形から〕
(1)強い風に物が動くこと。「爆風の―を食らって倒れた」
(2)ある出来事が他に及ぼす影響。「不況の―で倒産した」
(3)他人をある行動を起こすように仕向けること。扇動。
(4)カメラで,レンズの光軸と焦点面との角度を変えること。また,その装置。
(5)割り竹にうちわをつけた古い農具。穀粒を徐々に落としつつこれであおり,選別をした。
(6)「煽り返し」に同じ。
(7)近世,芝居小屋の前で木戸番が客を呼び込むこと。招き。
煽り付ける
あおりつ・ける アフリ― [0][5] 【煽り付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 あふりつ・く
(1)盛んにおだてる。おだてあげる。「思入れ―・けて,おごらせてやらうではねえか/滑稽本・八笑人」
(2)(「呷り付ける」と書く)酒などをぐいぐいと飲む。続けて飲む。「コップに半分ばかり一息に―・けて/多情多恨(紅葉)」
煽り止め
あおりどめ アフリ― [0] 【煽り止め】
扉や戸を開いたまま壁や柱に固定する金具。
煽り窓
あおりまど アフリ― [4] 【煽り窓】
上框(ウワガマチ)または下框を窓枠に蝶番(チヨウツガイ)で留め,押し上げまたは押し下げて開閉する窓。
煽り立てる
あおりた・てる アフリ― [5] 【煽り立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 あふりた・つ
(1)風が激しくあおる。「強風に―・てられてテントが倒れる」
(2)激しく扇動する。「射幸心を―・てる」
煽り行為
あおりこうい アフリカウヰ [4] 【煽り行為】
⇒扇動(センドウ)(2)
煽り買い
あおりがい アフリガヒ [0] 【煽り買い】
相場をつり上げるために,一時に大量の買いをすること。
煽り足
あおりあし アフリ― [3] 【煽り足】
横泳ぎで用いる足の動き。
煽り返し
あおりかえし アフリカヘシ [0][4] 【煽り返し】
演劇で,大道具を中心から上下あるいは左右に折り返して別の場面に転換する方法。舞踊物に多く使われる。あおり。
煽る
あお・る アフル [2] 【煽る】 (動ラ五[四])
(1)風が物を動かす。また,風に吹かれて物が動く。「カーテンが風に―・られる」
(2)風が吹いて,または風を起こして火の勢いを強める。「強風に―・られて燃え広がる」
(3)他人を刺激して,ある行動に駆り立てたりする。たきつける。扇動する。「憎しみを―・る」「群集を―・ってデモに駆り立てる」
(4)風を起こすような動作をする。「―・りながら(=体重ヲ利用シ反動ヲツケテ)寄り倒す」
(5)写真で,煽り{(4)}の操作をする。
(6)(取引で)相場をあげるために,大量の買い付けをする。
(7)鐙(アブミ)を蹴(ケ)って馬を進める。「(馬ノ)尻を迎て―・るにいよいよ渡らず/沙石 8」
煽る
あおる【煽る】
(1)fan <a fire> .→英和
(2)[煽動]stir up;instigate.→英和
煽動
せんどう [0] 【扇動・煽動】 (名)スル
(1)人をあおり立てて,ある行動を起こすように刺激を与えること。あおり。「―されて暴徒と化した大衆」
(2)〔法〕 他人に特定の行為を実行させるため,その決意を生じさせ,またはすでに生じている決意を助長するような勢いのある刺激を与えること。あおり行為。
煽情
せんじょう [0] 【扇情・煽情】
感情や欲望・情欲をあおり立てること。
煽惑
せんわく [0] 【煽惑】 (名)スル
人をおだてまどわすこと。「民心を―したれば/明六雑誌 12」
煽石
せんせき [1] 【煽石】
火成岩の熱により変質し,コークス化した石炭。
煽起
せんき [1] 【扇起・煽起】 (名)スル
扇動して行動を起こさせること。「風俗を傷敗し若くは禍乱を―する/三酔人経綸問答(兆民)」
熄滅
そくめつ [0] 【熄滅】 (名)スル
消えてなくなること。やむこと。「火力全く―し/日本風景論(重昂)」
熅る
いき・る 【熱る・熅る】 (動ラ四)
(1)熱気を帯びる。「七つの病を除くといふは…熱く―・ることを除くと/三宝絵詞(下)」
(2)息まく。勢い込む。「取出し下さりませとぞ―・りける/浄瑠璃・氷の朔日(上)」
熅れ
いきれ [3] 【熱れ・熅れ】
蒸されるような熱気。むし熱さ。ほてり。いきり。「人―」「草―」
熅れる
いき・れる [3] 【熱れる・熅れる】 (動ラ下一)
熱くなる。熱気でむっとする。「此節は日中は大層―・れて凌(シノ)ぎ兼ねます/怪談牡丹灯籠(円朝)」
熇尾蛇
ひばかり [2] 【日計・熇尾蛇・竹根蛇】
小形のヘビ。全長55センチメートル内外。背面は暗灰褐色,腹面は淡黄緑色。日本では北海道を除く低山の林の水辺にすみ,カエル・小魚などを捕食する。かまれたらその日ばかりの命しかないと信じられたことからこの名があるが,実際は無毒。
熊
くま [2][1] 【熊】
(1)クマ科の哺乳類。体は大きく,四肢が太く,頭胴長2.8メートル,体重700キログラムを超すものがある。長い鉤爪(カギヅメ)を有し,嗅覚がすぐれる。体色は種類により黒色・褐色・白色などがある。冬,穴にこもり,絶食する種類もある。雑食性。ユーラシア・南北アメリカに分布し,日本には本州以南にツキノワグマが,北海道にヒグマがすむ。[季]冬。
(2)〔立見席と一般席の間に鉄柵があり,その後ろにいる者が檻(オリ)の中の熊のように見えることから〕
立ち見客の称。
(3)(接頭語的に)動植物名の上に付いて,「形が大きい」「力が強い」などの意を表す。「―樫(クマガシ)」「―蜂(クマバチ)」
熊
くま【熊】
a bear.→英和
熊の胆(い) bear's gall.
熊さん八つあん
くまさんはっつあん [1][1] 【熊さん八つあん】
「熊公八公(クマコウハチコウ)」に同じ。
熊の実
くまのみ [0] 【熊の実】
スズキ目の海魚。全長約10センチメートル。体は楕円形で側扁する。体色は暗褐色で,頭部・中央部・尾部に三本の白い横帯がある。イソギンチャクと共生し,触手の間にひそみ外敵から身を守る習性がある。観賞魚として飼育される。本州中部以南の磯に分布。また,近縁種のハマクマノミ・カクレクマノミなどを含む総称。
熊の実[図]
熊の胆
くまのい [3] 【熊の胆】
(1)胆汁を含んだままの熊の胆嚢(タンノウ)を乾燥したもの。苦みが強い。利胆・消炎・鎮痙・強壮などの目的で用いる。熊胆(ユウタン)。
(2)朝鮮人参の古名。
熊ん蜂
くまんばち [2] 【熊ん蜂】
(1)スズメバチの別名。
(2)クマバチのこと。
熊公八公
くまこうはちこう [3][3] 【熊公八公】
〔東京落語に登場する庶民の典型の二人の名から〕
どこにでもいる,一般的な人。熊さん八つあん。
熊取
くまとり 【熊取】
大阪府南部,泉南(センナン)郡の町。泉州紡績工業の一角で,タオルの町として発展。
熊啄木鳥
くまげら [0] 【熊啄木鳥】
キツツキ目キツツキ科の鳥。全長45センチメートルほど。全身が黒く,雄は頭部が鮮紅色。針広混交林にすみ,大木に巣穴を掘る。ヨーロッパからアジア北部にかけて分布し,日本では北海道・東北地方に生息。天然記念物。
熊四手
くましで [0] 【熊四手】
カバノキ科の落葉高木。山中に生える。葉は長楕円形。果穂は長い柄があって下垂し,大形の苞片(ホウヘン)が重なってつく。材はかたく炭にする。オオソネ。イシソネ。
熊坂
くまさか 【熊坂】
(1)姓氏の一。
(2)熊坂長範(チヨウハン)のこと。
(3)能の一。五番目物。牛若丸に討たれた熊坂長範を描いたもの。
熊坂台州
くまさかたいしゅう 【熊坂台州】
(1739-1803) 江戸中期の儒者・漢詩人。陸奥(ムツ)の人。「西遊紀行」などのほか狂詩文「魚籃先生春遊記」をのこす。
熊坂貝
くまさかがい [4] 【熊坂貝】
海産の巻貝。貝殻は低い円錐形で,直径7センチメートル内外。貝殻に他の貝殻や小石をつけているのを,熊坂長範が七つ道具を背負った姿に見立てていう。房総半島以南に分布。
熊坂長範
くまさかちょうはん 【熊坂長範】
平安末期の伝説的な盗賊。奥州に赴く金売吉次を美濃国赤坂の宿に襲い,かえって牛若丸に討たれたという。謡曲「熊坂」「烏帽子折」ほかにみえる。
熊坂頭巾
くまさかずきん [5][6] 【熊坂頭巾】
⇒長範頭巾(チヨウハンズキン)
熊山遺跡
くまやまいせき 【熊山遺跡】
岡山県赤磐郡熊山町にある奈良時代の石積遺構。三段の方形石積には,龕(ガン)があり,奈良三彩壺が出土している。仏教の塔の一種。
熊川
コモガイ [2][0] 【熊川】
〔朝鮮語〕
高麗茶碗の一。口縁は反り返り,胴は深く,高台は比較的大きい。見込みに鏡と称する円形の窪みがある。釉(ウワグスリ)は多く枇杷色を呈する。真熊川・鬼熊川などがある。朝鮮の古い港,熊川から輸出されたことによる名称という。こもがえ。
熊引
くまびき [0] 【熊引・九万匹】
シイラの異名。
熊手
くまで【熊手】
a rake.→英和
〜で掻(か)く rake.
熊手
くまで [0][3] 【熊手】
(1)長い柄(エ)の先に,熊の手のような先端を爪状に曲げた細い竹を何本もつけた道具。落ち葉などをかき集めるのに使う。
(2)竹で作った熊手{(1)}に,おかめの面や小判・枡(マス)などをつけたもの。酉(トリ)の市(イチ)で売る。お金や幸福をかき集めるという縁起のよい飾り物。[季]冬。《病む人に買うてもどりし―かな/虚子》
(3)長い柄の先に鉄の爪数個をつけたもの。水上では舟や浮遊物などを引き寄せる舟道具,戦場では敵を馬から引き落とし,盾や塀を引き倒し,あるいは高所に登る際に用いる武具。また,相手を取りおさえるのに用いる捕り物道具。
(4)欲張りな人のたとえ。「―よ,欲よと言はるるも口惜しし/浄瑠璃・淀鯉(上)」
熊手(1)[図]
熊手婆
くまでばば 【熊手婆】
(1)熊手性(クマデシヨウ)の老女。非常に欲深な老女。
(2)〔熊手のように子供をかき出す意から〕
産婆の異名。
熊手性
くまでしょう 【熊手性】
欲張りな性質。強欲。「生れ付いたる―,今度の起りも根が慾から/浄瑠璃・二つ腹帯」
熊掌
ゆうしょう [0] 【熊掌】
熊のてのひら。中国でその肉は最も美味なものとされ,八珍の一に数えられる。「―に飽く」
熊斐
ゆうひ 【熊斐】
(1693-1772) 江戸中期の画家。本姓,熊代(クマシロ)。清国人沈南蘋(シンナンピン)に師事,南蘋風花鳥画流行の先駆となる。
熊本
くまもと 【熊本】
(1)九州地方中西部の県。かつての肥後国全域を占める。北東部は阿蘇山,南部は九州山地となり,西部は島原湾・八代海に面して熊本平野・八代平野がある。西に突出する宇土半島の先に天草諸島がある。県庁所在地,熊本市。
(2)熊本県中部の市。県庁所在地。九州のほぼ中央に位置する交通の要地。細川氏の城下町で,熊本城を中心に市街を形成。
熊本バンド
くまもとバンド 【熊本―】
1876年(明治9)熊本洋学校に学んだ海老名弾正・徳富蘇峰らの生徒たちが,教師ジェーンズの影響を受けて結成したキリスト教奉教のための結盟。
熊本城
くまもとじょう 【熊本城】
熊本市内の茶臼山上にある城。加藤清正が起工し,1607年完成。江戸時代は細川氏累代の居城。西南戦争の際,天守などを焼失したが,1960年(昭和35)再建。
熊本大学
くまもとだいがく 【熊本大学】
国立大学の一。肥後藩の再春館に始まる熊本医大・第五高等学校・熊本薬専・熊本工専・熊本師範・熊本青年師範が合併して,1949年(昭和24)新制大学となる。本部は熊本市。
熊本学園大学
くまもとがくえんだいがく 【熊本学園大学】
私立大学の一。1954年(昭和29)熊本商科大学として設立。94年(平成6)現名に改称。本部は熊本市。
熊本工業大学
くまもとこうぎょうだいがく 【熊本工業大学】
私立大学の一。1965年(昭和40)創立の熊本工業短期大学を母体とし,67年設立。本部は熊本市。
熊本平野
くまもとへいや 【熊本平野】
九州中西部,阿蘇山の西麓(セイロク)から島原湾に向かって展開する平野。畑作地帯。
熊本洋学校
くまもとようがっこう 【熊本洋学校】
1871年(明治4)創立の熊本藩校。アメリカ人ジェーンズを招き,キリスト教精神に基づき,洋式教育を行なった。76年廃校。
熊本県立大学
くまもとけんりつだいがく 【熊本県立大学】
公立大学の一。1947年(昭和22)設立の熊本県立女子専門学校を母体とし,49年熊本女子大学として設立。94年(平成6)現名に改称。本部は熊本市。
熊柳
くまやなぎ [3] 【熊柳】
クロウメモドキ科のつる性落葉木本。山野に自生。高さ約6メートル。葉は卵形。夏,枝端に小さい黄白色の花を多数つけ,秋,黒熟する楕円形の小石果を結ぶ。
熊柳[図]
熊樫
くまがし 【熊樫】
〔「くま」は大きい意〕
大きな樫。「平群の山の―が葉を髻華に挿せその子/古事記(中)」
熊毛
くまげ 【熊毛】
山口県南東部,熊毛郡の町。旧山陽道の宿駅。東部の三丘(ミツオ)に弥生集落跡や三丘温泉がある。北部の八代はツルの飛来地。
熊沢
くまざわ クマザハ 【熊沢】
姓氏の一。
熊沢蕃山
くまざわばんざん クマザハ― 【熊沢蕃山】
(1619-1691) 江戸前期の陽明学者。京都の人。字(アザナ)は了介。中江藤樹に学び,岡山藩主池田光政に招かれ治績をあげた。「大学或問(ワクモン)」などで政治を批判し,幕府に咎(トガ)められて禁錮中に病死。著は他に「集義和書」「集義外書」など。
熊狩
くまがり [0] 【熊狩(り)】
熊を狩りとらえること。
熊狩り
くまがり [0] 【熊狩(り)】
熊を狩りとらえること。
熊猫
くまねこ [0] 【熊猫】
⇒パンダ
熊王丸
くまおうまる クマワウ― 【熊王丸】
南北朝時代の侍。赤松光範の家臣宇野六郎の子。父の仇である楠木正儀(マサノリ)を討とうとし,その家臣となったが,正儀の恩義にほだされて出家した。阿若丸(クマワカマル)。生没年未詳。
熊祭
くままつり [3] 【熊祭(り)】
⇒熊送(クマオク)り
熊祭り
くままつり [3] 【熊祭(り)】
⇒熊送(クマオク)り
熊竹蘭
くまたけらん [4] 【熊竹蘭】
ショウガ科の多年草。九州・沖縄などに自生。観賞用に栽培。高さ1〜2メートル。葉は広披針形で大きい。春,花茎の頂に白色の花を総状につける。
熊羆
ゆうひ [1] 【熊羆】
熊(クマ)と羆(ヒグマ)。転じて,勇猛な者のたとえ。
熊胆
ゆうたん [0] 【熊胆】
「熊(クマ)の胆(イ)」に同じ。
熊葛
くまつづら [3] 【熊葛】
クマツヅラ科の多年草。原野・道端などに自生する。高さ約50センチメートル。葉は対生し,卵形で羽状に分裂。夏に枝頂に細長い花穂を立てて,紫色の小花をつける。全草を乾燥したものを通経・皮膚病などの薬にする。馬鞭(バベン)草。
熊葛[図]
熊虫
くまむし [2] 【熊虫】
緩歩(カンポ)動物の別名。1ミリメートル以下の微小な虫だが,形態や歩く動作がクマを思わせる。
熊蜂
くまばち [2] 【熊蜂】
コシブトハナバチ科のハチ。大形で,体長約23ミリメートル。体は丸く,黒色毛におおわれ,胸部には黄色の毛が密生する。枯木・木材に穴をあけて巣を作り,花粉・蜜を蓄えて幼虫を育てる。本州以南と朝鮮・中国に分布。クマンバチ。[季]春。《―のうなり飛び去る棒のごと/虚子》
熊蜂
くまんばち【熊蜂】
a hornet.→英和
熊蝉
くまぜみ [2] 【熊蝉】
セミの一種。大形で頭からはねの端まで約6センチメートル。体は黒色で,金色の微毛におおわれる。はねは透明で基部のみ黒色。盛夏の頃にシャーシャーと大声で鳴く。関東以南の各地と東南アジアに分布。蚱蝉(サクゼン)。
熊蟻
くまあり [2] 【熊蟻】
クロオオアリの異名。
熊襲
くまそ [1] 【熊襲】
(1)古代,南九州の地名。
〔「くま」は肥後国球磨(クマ)地方,「そ」は大隅国曾於(ソオ)地方をさすと思われる〕
(2){(1)}を根拠地とした古代の集団。
熊谷
くまがや 【熊谷】
埼玉県北部にある市。近世,中山道の宿場町。重化学工業地として発展し,県北部の中心。熊谷(ユウコク)寺がある。くまがい。
熊谷
くまがい 【熊谷】
姓氏の一。
熊谷守一
くまがいもりかず 【熊谷守一】
(1880-1977) 洋画家。岐阜県生まれ。東京美校卒。代表作「陽の死んだ日」など。
熊谷岱蔵
くまがいたいぞう 【熊谷岱蔵】
(1880-1962) 医学者。長野県生まれ。東大卒。東北大学教授・総長。結核の病理学的研究,またその予防に尽力。
熊谷桜
くまがいざくら 【熊谷桜】
サクラの一種。コヒガンザクラの八重咲き品種で,全体に小さく,花は淡紅色でかわいらしい。
熊谷直好
くまがいなおよし 【熊谷直好】
(1782-1862) 江戸後期の歌人。岩国の人。香川景樹に師事。桂園十哲の一人。歌風は流麗。著「梁塵後抄」「法曹至要抄註釈」,歌集「浦の汐貝」など。
熊谷直実
くまがいなおざね 【熊谷直実】
(1141-1208) 鎌倉初期の武将。武蔵国熊谷の人。通称二郎。石橋山の合戦では平家方だったが,のち頼朝に仕え,一ノ谷で平敦盛を討った。久下直光と所領を争い敗れて出家,法然の門に入った。法号蓮生。
熊谷笠
くまがいがさ [5] 【熊谷笠】
〔武蔵国熊谷地方で産したのでいう〕
擂(ス)り鉢を伏せたような形の深編み笠。虚無僧(コムソウ),人目を忍ぶ武士などがかぶった。
熊谷笠[図]
熊谷草
くまがいそう [0] 【熊谷草】
ラン科の多年草。林中・竹藪(タケヤブ)などに自生。茎は高さ30センチメートル内外,上端に大きな扇状円形の葉を一対つける。晩春,茎頂に淡黄緑色の花を横向きに一個つける。花は唇弁が袋状にふくれ,名はこれを熊谷直実の背負った母衣(ホロ)に見立てたもの。[季]春。
熊谷草[図]
熊谷陣屋
くまがいじんや 【熊谷陣屋】
人形浄瑠璃「一谷嫩軍記(イチノタニフタバグンキ)」の三段目切「生田熊谷陣屋」の通称。義経の意をくんだ直実が敦盛の身代わりに我が子を討ち,無常を感じて出家するという筋。
熊送り
くまおくり [3] 【熊送り】
熊を特別な力をもった動物とみなして,熊を殺す際に行う儀式。世界各地の熊の生息する地域にある。アイヌのイオマンテでは二〜三年飼育した子熊を殺して共食し,供物や木幣などを供えて,その霊を熊の国に送り返す。多くは冬に行われる。熊祭り。[季]冬。
熊野
くまの 【熊野】
(1)紀伊半島南部,熊野灘沿岸の地域。狭義には熊野川流域の熊野三山を中心とする地域。
(2)三重県南部,熊野灘に面する市。木材の集散地。那智黒(ナチグロ)を特産。
(3)広島県南西部,安芸(アキ)郡の町。広島市と呉市との間に位置。熊野筆を特産。
熊野
ゆや 【熊野・湯谷】
(1)能の一。作者未詳。三番目物。平宗盛の愛妾熊野は遠江(トオトウミ)国にいる病母のことを案じて暇を乞(コ)うが許されず,清水寺への花見の供をさせられる。しかし,にわかに降り出した村雨に桜花が散るのを見て熊野が詠んだ歌をきいた宗盛は哀れに思って,帰郷を許す。
(2)箏曲の一。山田検校作曲。謡曲「熊野」の後半の詞章に基づいて作曲したもの。
熊野三山
くまのさんざん [4] 【熊野三山】
和歌山県東牟婁(ヒガシムロ)郡の熊野坐(クマノニマス)神社(本宮),熊野那智神社(那智),新宮市の熊野速玉(ハヤタマ)神社(新宮)の総称。熊野三社。三熊野(ミクマノ)。熊野山。
熊野三所権現
くまのさんしょごんげん [7] 【熊野三所権現】
熊野三山の主祭神。本宮の家都御子大神(ケツミコノオオカミ),新宮の速玉大神,那智の熊野夫須美大神(フスミノオオカミ)の三神。三所権現。熊野(ユヤ)権現。
熊野三社
くまのさんしゃ [4] 【熊野三社】
⇒熊野三山(クマノサンザン)
熊野信仰
くまのしんこう [4] 【熊野信仰】
熊野三山を中心とする信仰。白河上皇の行幸以降,院政期から盛んになった。
熊野坐神社
くまのにますじんじゃ 【熊野坐神社】
和歌山県東牟婁郡本宮町にある神社。熊野三山の一。主神は家津美御子大神。今は熊野本宮大社と称する。本宮。
熊野山伏
くまのやまぶし [5] 【熊野山伏】
熊野三山に奉仕し,修行する山伏。
熊野川
くまのがわ 【熊野川】
三重県と和歌山県の境を流れる川。上流は十津川で,北山川を合わせ新宮市で熊野灘に注ぐ。全長183キロメートル。新宮川。
熊野懐紙
くまのかいし [4] 【熊野懐紙】
鎌倉初期,後鳥羽上皇が熊野御幸の際に催された歌会の和歌が,懐紙に記されて残存するものの総称。仮名筆跡として貴重。
熊野曼荼羅
くまのまんだら [4] 【熊野曼荼羅】
熊野三山を描く垂迹(スイジヤク)画の一種。熊野権現に対する本地垂迹の信仰から生まれ,鎌倉初期より描かれた。
熊野権現
ゆやごんげん 【熊野権現】
⇒熊野三所権現(クマノサンシヨゴンゲン)
熊野比丘尼
くまのびくに [4] 【熊野比丘尼】
近世,熊野三山に詣でて行をし,その帰途,熊野牛王の誓紙を売り歩いた尼僧。はやり唄などを唄い,物乞いをして歩いたため,歌比丘尼ともいわれた。のちには売春もするようになった。
熊野灘
くまのなだ 【熊野灘】
紀伊半島南端潮岬から志摩半島大王崎に至る海域。古来,船の難所。
熊野牛王
くまのごおう 【熊野牛王】
熊野神社から出す牛王宝印。起請文(キシヨウモン)の大半はこれを料紙とし,戦国時代になると烏点宝珠(ウテンホウジユ)という烏を図案化したものが使われた。
熊野牛王[図]
熊野神社
くまのじんじゃ 【熊野神社】
(1)熊野三山を本宮として,全国に勧請(カンジヨウ)された神社。
(2)島根県八束郡八雲村にある神社。祭神は神祖熊野大神櫛御気野神(素戔嗚尊(スサノオノミコト))。
熊野菊
くまのぎく [3] 【熊野菊】
キク科の多年草。暖地の海岸に生え,茎は地に伏し,分枝してはびこる。葉は対生し,披針形で薄く,ざらつく。五月頃から秋にかけて,立ち上がった枝先に長い花茎を出し,小さい黄色の頭花を一個ずつつける。ハマグルマ。
熊野街道
くまのかいどう 【熊野街道】
京都から熊野三山へ至る街道。紀伊路と伊勢路とがあり,紀伊路は紀伊半島の海岸沿いの道を通り,田辺から内陸にはいって本宮(ホングウ)に達する道などがあった。
熊野詣で
くまのもうで [4] 【熊野詣で】
熊野三山に参拝すること。また,その人。熊野参詣。
熊野速玉神社
くまのはやたまじんじゃ 【熊野速玉神社】
和歌山県新宮市にある神社。熊野三山の一。主神は熊野速玉大神。今は熊野速玉大社と称する。熊野権現。新宮。
熊野那智神社
くまのなちじんじゃ 【熊野那智神社】
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある神社。熊野三山の一。主神は熊野夫須美大神。今は熊野那智大社と称する。熊野権現。那智。
熊鷹
くまたか [2] 【熊鷹】
(1)タカ目タカ科の鳥。全長約80センチメートル,翼を開くと2メートル近い。暗褐色の背をし,腹面は白地に褐色の横斑がある。山間にすみ,兎や鳥類を捕食する。日本から東南アジア・中国・インドに分布。日本に生息する亜種は朝鮮半島にも分布するが個体数が少ない絶滅危惧種。
(2)乱暴で貪欲な者のたとえ。
熊鷹眼
くまたかまなこ [5] 【熊鷹眼】
クマタカが餌(エサ)を探し求めるときのような鋭い目つき。凶暴で貪欲な目つき。
熊鼠
くまねずみ [3] 【熊鼠】
ネズミの一種。体は細長く,体長20センチメートルほど。耳が大きく,尾が長い。野生種はインドからインドシナ・中国南部に分布するが,船舶に便乗して世界中に広がり,特に大都市で増加している。エジプトねずみ。田鼠。
熒惑
けいこく 【熒惑】
〔「こく」は漢音〕
(1)まどわすこと。
(2)「熒惑星(ケイコクセイ)」の略。「―月に入る/日本書紀(天武下訓)」
熒惑
けいわく [0] 【熒惑】
⇒けいこく(熒惑)
熒惑星
けいこくせい 【熒惑星】
火星の異名。「五星は,彗星・―・鎮星・太白星・辰星なり/盛衰記 8」
熒惑星
ひなつぼし 【火夏星・熒惑星】
火星の異名。けいこく星。なつひぼし。「天の原南にすめる―/夫木 19」
熒熒
けいけい [0] 【熒熒】 (ト|タル)[文]形動タリ
(灯火・蛍などの小さな火が)光り輝くさま。「―たる孤灯の前/天うつ浪(露伴)」
熔化
ようか [0] 【溶化・熔化】 (名)スル
熱してとかすこと。熱でとけること。「玻質を―すべき火炉/新聞雑誌 45」
熔和
ようわ [0] 【溶和・熔和】 (名)スル
金属をとかしてまぜること。金属がとけてまざること。
熔岩
ようがん [1][0] 【溶岩・熔岩】
地下深部のマグマが地表に噴出し,流動している溶融体。また,それが冷却・固結してできた火山岩。ラバ。
熔成燐肥
ようせいりんぴ [5] 【溶成燐肥・熔成燐肥】
リン鉱石を他の材料とともに加熱溶解して製造したリン酸肥料。土壌改良材として広く用いられる。
熔接
ようせつ [0] 【溶接・熔接】 (名)スル
金属・ガラス・プラスチックなどの接合で,その部位を溶かして継ぎ合わせること。電気溶接(アーク溶接・抵抗溶接)・ガス溶接などがある。
熔炉
ようろ [1] 【溶炉・熔炉】
金属をとかす炉。
熔着
ようちゃく [0] 【溶着・熔着】 (名)スル
溶接あるいは高温で加熱して接着させること。
熔融
ようゆう [0] 【溶融・熔融】 (名)スル
「融解(ユウカイ)」に同じ。「銅が―する」
熔解
ようかい [0] 【熔解・鎔解】 (名)スル
固体が加熱により液体状態になること。溶融。融解。
熔錬
ようれん [0] 【溶錬・熔錬】
鉱石を溶鉱炉その他の炉で溶融・還元して粗金属を得る操作。
熟
つくづく [3][2] 【熟・熟熟】 (副)
〔「つくつく」とも〕
(1)深く考えたり,痛切に感じたりするさま。よくよく。「―(と)考えてみる」「眼(マナコ)を閉て―過越方(スギコシカタ)を想ひ返せば/滝口入道(樗牛)」
(2)注意してものを見るさま。また,物事に熱心に集中するさま。じっと。「―(と)写真を見る」「お藤さんは―と聞き惚れて/続風流懺法(虚子)」
(3)なすこともなく物さびしげなさま。「―とふしなやみ給ふを/源氏(葵)」
熟
にき 【和・熟】
〔中世以降は「にぎ」〕
名詞の上に付いて接頭語的に用いて,詳しい,柔らかな,細かい,穏やかな,などの意を表す。にこ。「―たえ」「―て」「―みたま」
熟
にぎ 【和・熟】
⇒にき(和・熟)
熟える
つ・える 【潰える・熟える・費える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 つ・ゆ
〔「つひゆ」の転か〕
(1)熟しきる。熟したものやうんだものがつぶれる。「―・え過ぎた葡萄めく色を帯びたのが/あひびき(四迷)」「ハレモノガ―・エタ/日葡」
(2)つぶれる。崩れる。「キシガ―・エタ/日葡」
(3)浪費してなくなる。「タカラガ―・ユル/日葡」
熟し
こなし [0][3] 【熟し】
〔動詞「こなす(熟)」の連用形から〕
(1)身体の動かし方。また,身に付けた物の取り扱い方。「身の―が軽い」「着―」
(2)こなすこと。くだくこと。「荒ごなし」
(3)けなすこと。やっつけること。「頭ごなし」
(4)(普通「科」と書く)歌舞伎で,心情を台詞(セリフ)を用いずに,主として動作で表現すること。「…ト無念の―あって入る」
熟し部屋
こなしべや [0] 【熟し部屋】
米・麦の脱穀・精白などをする小屋。
熟す
じゅく・す [2] 【熟す】
■一■ (動サ五)
〔サ変動詞「熟する」の五段化〕
「熟する」に同じ。「機がまだ―・さない」
■二■ (動サ変)
⇒じゅくする
熟す
こな・す [0] 【熟す】 (動サ五[四])
(1)食べた物を胃腸で消化する。「食べた物を―・す力がない」
(2)大きな物を砕いたりして細かくする。「河岸(カシ)で鮪(マグロ)でも―・す様に切て仕舞ました/怪談牡丹灯籠(円朝)」「木を伐り―・す/宇津保(俊蔭)」
(3)身につけた技術・知識によって,困難で手間のかかる事柄をうまく処理する。「どんな役でも器用に―・す」「これだけの仕事はとても私一人では―・し切れない」「このロボット一台で三〇人分の仕事を―・す」「数を―・す(=多数ノモノヲ扱ウ)」
(4)人をけなす。軽くあしらう。「姉さん達が狂気のやうに―・す理由はない/執着(秋江)」「客に内甲(ウチカブト)を見られ―・さるると太夫の位がなく/浮世草子・禁短気」
(5)穀類を採って粒にする。脱穀する。「大豆を―・す」
(6)(他の動詞の下に付いて)その動作を楽々としてしまう。巧みにする。「難曲を弾き―・す」「着―・す」
〔「こなれる」に対する他動詞〕
[可能] こなせる
熟する
じゅくする【熟する】
become ripe;→英和
mature;→英和
mellow;→英和
ripen.→英和
熟した ripe;mellow.時は熟した Time is ripe <for> .
熟する
じゅく・する [3] 【熟する】 (動サ変)[文]サ変 じゆく・す
(1)果実や作物が十分にみのる。うれる。「柿の実が―・する」
(2)物事が十分な,また適当な状態になる。ととのう。「実行の機が―・する」
(3)物事に慣れてじょうずになる。熟練する。習熟する。「芸に―・した人」「官軍水理(スイリ)に―・せざれば/近世紀聞(延房)」
(4)新しい言葉や言い方が一般に通用するようになる。「―・した言い方」
熟む
う・む [1] 【熟む】 (動マ五[四])
〔「膿む」と同源〕
果実が十分に熟し果肉が柔らかくなる。うれる。「渋柿が―・んで甘くなる」
熟ゆ
つ・ゆ 【潰ゆ・熟ゆ・費ゆ】 (動ヤ下二)
⇒つえる
熟る
う・る 【熟る】 (動ラ下二)
⇒うれる(熟)
熟る
な・る 【慣る・馴る・狎る・熟る】 (動ラ下二)
⇒なれる(慣・馴)
⇒なれる(狎)
⇒なれる(熟)
熟る
こな・る 【熟る】 (動ラ下二)
⇒こなれる
熟れ
こなれ [0][3] 【熟れ】
(1)こなれること。特に,食べ物の消化。「―がいい」
(2)習熟の程度。自在に扱える度合。「―の悪い文章」
熟れる
こな・れる [0][3] 【熟れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 こな・る
(1)食べた物が胃腸で消化される。「食べ物が―・れる」
(2)すっかり身について自由自在に使えるようになる。熟練して,ぎごちなさがなくなる。「彼の芸はまだ―・れていない」「よく―・れている訳文だ」
(3)世間になれて,人柄にまるみができる。世なれる。「そんな所が―・れいでは本御女郎買とは言はれぬ/浮世草子・禁短気」
〔「こなす」に対する自動詞〕
熟れる
うれる【熟れる】
ripen;→英和
be ripe.
熟れる
な・れる [2] 【熟れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 な・る
〔「慣れる」と同源〕
食物が,調理後時間が経過して発酵したり,酸味・辛みが飛んだり吸収されたりして,適度な味になる。熟成する。「味噌は二,三年ねかせると―・れてくる」
熟れる
う・れる [2] 【熟れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 う・る
果実が熟する。「まっかに―・れたトマト」
熟れ頃
うれごろ [0][3] 【熟れ頃】
食べるのにちょうどよく熟した時期。「―の柿」
熟れ鮨
なれずし [2] 【熟れ鮨】
酢を用いず,発酵によって酸味をもたせた鮨(スシ)。塩をふった魚肉と飯を交互に桶に入れて積み重ね,重石をして発酵させる。琵琶湖の鮒鮨(フナズシ)が有名。くされ鮨。
熟否
じゅくひ [1] 【熟否】
(1)熟すことと熟さないこと。
(2)物事に慣れていることと慣れていないこと。
熟和
じゅくわ [1] 【熟和】 (名)スル
よくこなれること。よく和し,親しむこと。「家内よく―するものは/学問ノススメ(諭吉)」
熟地
じゅくち [1] 【熟地】
(1)様子をよく知っている土地。
(2)よく肥えた土地。[運歩色葉集]
熟女
じゅくじょ [1] 【熟女】
成熟した魅力をもつ女性。
熟字
じゅくじ [0] 【熟字】
「熟語(ジユクゴ){(2)}」に同じ。
熟字訓
じゅくじくん [3] 【熟字訓】
漢字二字以上の熟字全体に,日本語の訓をあてて読むこと。また,その読み。「昨日(きのう)」「紅葉(もみじ)」「杜鵑(ほととぎす)」「羊歯(しだ)」の類。本辞典では常用漢字表付表記載の熟字訓は「《昨日》」「《紅葉》」,それ以外のものは「〈杜鵑〉」「〈羊歯〉」のように,《 》と〈 〉を使って表記欄に指示してある。
熟察
じゅくさつ [0] 【熟察】 (名)スル
十分に考えて判断すること。「方今の景況を―するに/明六雑誌 3」
熟年
じゅくねん [0] 【熟年】
円熟した年頃。五〇歳前後の年齢。中高年。実年。
〔小説家,邦光史郎が1978年(昭和53)に用いた〕
熟年
じゅくねん【熟年】
the mature age.
熟度
じゅくど [1] 【熟度】
果実などの熟した程度。
熟思
じゅくし [1] 【熟思】 (名)スル
十分に考えること。よく考えをめぐらすこと。「先生之を聞て―する/浮城物語(竜渓)」
熟慮
じゅくりょ【熟慮】
⇒熟考(じゆつこう).
熟慮
じゅくりょ [1] 【熟慮】 (名)スル
十分に考えること。じっくり考えること。「―して決定する」
熟慮断行
じゅくりょだんこう [1][0] 【熟慮断行】 (名)スル
考えに考え抜いたうえで,思い切って行動にうつすこと。
熟成
じゅくせい [0] 【熟成】 (名)スル
(1)十分に熟した状態になること。
(2)〔化〕 物質を適当な温度・条件の下で長時間放置して,ゆっくりと化学変化を行わせたり,生成するコロイド粒子の大きさを調整したりすること。また,溶液内化学反応の終了後,反応溶液をそのまま静かに放置し,生成した極微細な沈殿・結晶を大きな沈殿・結晶にすること。
(3)発酵したものが熟すること。特に味噌や酒などの味にうまみがでること。なれ。「味噌が―する」
熟成する
じゅくせい【熟成する】
mature;→英和
ripen;→英和
[酒・チーズなど]age.→英和
熟所
じゅくしょ 【熟所】
住み慣れた所。「―忘ジガタシ/日葡」
熟手
じゅくしゅ [1] 【熟手】
慣れて,じょうずな人。熟練した人。
熟柿
じゅくし【熟柿】
a ripe (and soft) persimmon.熟柿主義 a waiting policy.
熟柿
うみがき 【熟柿】
熟した柿。「―の落てとばしる砧かな/井華集」
熟柿
じゅくし [1][0] 【熟柿】
(1)よく熟した柿。じゅくしがき。[季]秋。《―吸ふ幸福さうな頬をもち/山口青邨》
(2)熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように,気長に時機が来るのを待つことにいう語。「―主義」
熟柿臭い
じゅくしくさ・い [5] 【熟柿臭い】 (形)[文]ク じゆくしくさ・し
酒に酔っていて,熟柿のようなくさいにおいがする。「―・い呼吸(イキ)を吹いた/破戒(藤村)」
熟根
じゅくこん 【熟根】
⇒じゅっこん(熟根)
熟根
じゅっこん ジユク― 【熟根】
生まれ。素性(スジヨウ)。「―いやしき下臈なり/平家 1」
熟案
じゅくあん [0] 【熟案】 (名)スル
十分に思案すること。熟考。
熟熟
つらつら [1] 【熟熟・倩倩】 (副)
つくづく。よくよく。「―(と)思うに」「港内の動静(ヨウス)を―窺ひ見るに/近世紀聞(延房)」
熟熟
つくづく [3][2] 【熟・熟熟】 (副)
〔「つくつく」とも〕
(1)深く考えたり,痛切に感じたりするさま。よくよく。「―(と)考えてみる」「眼(マナコ)を閉て―過越方(スギコシカタ)を想ひ返せば/滝口入道(樗牛)」
(2)注意してものを見るさま。また,物事に熱心に集中するさま。じっと。「―(と)写真を見る」「お藤さんは―と聞き惚れて/続風流懺法(虚子)」
(3)なすこともなく物さびしげなさま。「―とふしなやみ給ふを/源氏(葵)」
熟爛
じゅくらん [0] 【熟爛】 (名)スル
熟しきって,くずれること。また,物事が,成熟しきること。爛熟。「文化が―する」
熟田
じゅくでん [0] 【熟田】
よく耕してある田畑。
熟田
こなた 【熟田・水田】
よく開墾された水田(スイデン)。[和名抄]
熟田津
にきたつ 【熟田津】
愛媛県松山市道後温泉付近にあった浜辺。にきたづ。みきたづ。((歌枕))「―に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな/万葉 8」
熟眠
じゅくみん [0] 【熟眠】 (名)スル
ぐっすりとよく眠ること。熟睡。「其夜は遂に―せず/経国美談(竜渓)」
熟睡
じゅくすい【熟睡】
a sound[deep]sleep.〜する have a good sleep;sleep well.〜している be fast asleep.
熟睡
じゅくすい [0] 【熟睡】 (名)スル
ぐっすり眠ること。熟眠。うまい。「―したので疲れがとれた」
熟知
じゅくち [1] 【熟知】 (名)スル
よく知っていること。「彼の事なら―している」
熟知する
じゅくち【熟知する】
know well;be well aware <of> ;be familiar <with> .
熟紙
じゅくし [1][0] 【熟紙】
漉(ス)いたのち,打って艶(ツヤ)を出したり雲母(キララ)・礬砂(ドウサ)を引いたりして加工した紙。
⇔素紙(ソシ)
熟練
じゅくれん [0] 【熟練】 (名・形動)スル [文]ナリ
十分に経験を積んで,上手なこと。高度な技能と経験を有すること。また,そのさま。「―した運転」「―労働者」「―な漁師は/土(節)」
熟練
じゅくれん【熟練】
skill;→英和
dexterity.〜する become skilled <in doing> ;master.→英和
〜した skillful;trained;→英和
expert.→英和
‖熟練工 a skilled worker;skilled labor (総称).
熟練工
じゅくれんこう [0][3] 【熟練工】
経験を積み,熟練した技能をもっている作業労働者。
熟考
じゅっこう ジユクカウ [0] 【熟考】 (名)スル
じっくりとよく考えること。熟慮。「―した上決定する」「―を重ねる」
熟考
じゅっこう【熟考】
mature consideration;deliberation.→英和
〜する consider (carefully);→英和
think over.〜の上 after due consideration.
熟苗
じゅくびょう [0] 【熟苗】
移植に適当な状態に育った苗。
熟蕃
じゅくばん [0] 【熟蕃】
(1)教化され帰順した原住民。
(2)第二次大戦前の日本の統治時代,台湾の高山族のうち,漢族に同化していたものに対して用いた呼称。
⇔生蕃
熟蚕
じゅくさん [0] 【熟蚕】
繭を作るほどに完全に成熟した蚕。桑を食うのをやめ,体色は飴色になる。
熟蝦夷
にきえみし 【熟蝦夷】
朝廷に対する帰順の度合によって分けた蝦夷の呼び方の一。朝廷に従順な蝦夷。
⇔あらえみし
「近き者をば―と名づく/日本書紀(斉明訓)」
熟視
じゅくし [1] 【熟視】 (名)スル
じっと見つめること。凝視。「再び渠(カレ)を―するに/義血侠血(鏡花)」
熟視する
じゅくし【熟視する】
gaze <at> ;→英和
look hard[intently] <at> .
熟覧
じゅくらん [0] 【熟覧】 (名)スル
ていねいに目を通すこと。「此書を―し,いよ��感歎景仰して/二宮尊徳(露伴)」
熟計
じゅっけい ジユク― [0] 【熟計】
十分に考えて計画を立てること。また,その計画。
熟語
じゅくご【熟語】
a (an idiomatic) phrase;an idiom.→英和
⇒成句.
熟語
じゅくご [0] 【熟語】
(1)二つ以上の単語が結合してできた語。合成語。複合語。「山鳩」「酒樽」「草分け」の類。
(2)二つ以上の漢字の結合してできた語。「登山」「思想」の類。熟字。成語。
熟読
じゅくどく【熟読】
(a) perusal;careful reading.〜する read carefully;peruse <a letter> .→英和
熟読
じゅくどく [0] 【熟読】 (名)スル
文章をよく味わいながら読むこと。十分に内容を読み取ること。「教科書を―する」
熟読玩味
じゅくどくがんみ [5] 【熟読玩味】 (名)スル
文章をよく読んで,内容をじっくり考え味わうこと。
熟談
じゅくだん [0] 【熟談】 (名)スル
十分に話し合うこと。「君と―したき事ありて/八十日間世界一周(忠之助)」
熟識
じゅくしき [0] 【熟識】 (名)スル
(1)くわしく知っていること。「その做すところの事を―する為の方法なり/自由之理(正直)」
(2)よく知っている人。親しい人。
熟議
じゅくぎ [1] 【熟議】 (名)スル
十分に論議・相談をすること。「尚ほ追て―すべし/浮城物語(竜渓)」
熟議
じゅくぎ【熟議】
(a) deliberation;→英和
(a) deliberate consultation.〜する deliberate <on> ;→英和
discuss (fully);→英和
talk <over> .→英和
熟通
じゅくつう [0] 【熟通】
よく知り抜いていること。精通。
熟達
じゅくたつ [0] 【熟達】 (名)スル
ある物事に熟練して上手になること。「生徒指導に―している」
熟達する
じゅくたつ【熟達する】
become proficient <in> ;get a mastery <of> .→英和
〜している be proficient <in> ;be a master <of> .→英和
熟音
じゅくおん [0] 【熟音】
五十音図のア行以外の仮名が表す音。子音と母音が結びついて構成されている。
熟食
じゅくしょく [0] 【熟食】
よく煮たり焼いたりした食べ物。
熨
のし [2] 【熨斗・熨】
〔「伸し」と同源〕
(1)「火熨斗(ヒノシ)」の略。
(2)「熨斗鮑(ノシアワビ)」の略。
(3)贈答品につける飾り物。{(2)}が形式化したもの。色紙を細長い六角形に折り,中に熨斗鮑の小片あるいは黄色い紙を貼ったもの,また,その形を印刷したもの,単に「のし」と書いたものなど。
(4)文様・家紋の一。熨斗鮑の形を文様化したもの。束ね熨斗と包み熨斗がある。
熨斗(3)[図]
熨斗(4)[図]
熨斗
のし [2] 【熨斗・熨】
〔「伸し」と同源〕
(1)「火熨斗(ヒノシ)」の略。
(2)「熨斗鮑(ノシアワビ)」の略。
(3)贈答品につける飾り物。{(2)}が形式化したもの。色紙を細長い六角形に折り,中に熨斗鮑の小片あるいは黄色い紙を貼ったもの,また,その形を印刷したもの,単に「のし」と書いたものなど。
(4)文様・家紋の一。熨斗鮑の形を文様化したもの。束ね熨斗と包み熨斗がある。
熨斗(3)[図]
熨斗(4)[図]
熨斗をつけて進呈する
のし【熨斗をつけて進呈する】
make a free present of it.
熨斗付け
のしつけ [0] 【熨斗付け】
金銀の延べ板を刀剣の鞘(サヤ)につけたもの。また,その形。
熨斗包み
のしつつみ [3] 【熨斗包み】
熨斗鮑(ノシアワビ)を包む折り紙。
熨斗地
のしじ [0] 【熨斗地】
縮み目のない絹布。
熨斗昆布
のしこんぶ [3] 【熨斗昆布】
祝儀用の昆布。熨斗鮑(ノシアワビ)の代わりに用いる。
熨斗板
のしいた [0] 【熨斗板】
平らに張った板張り。床・羽目・屋根裏など。
熨斗烏賊
のしいか [2] 【伸し烏賊・熨斗烏賊】
するめを味醂(ミリン)などで味付けして薄く伸ばした食品。
熨斗瓦
のしがわら [3] 【熨斗瓦】
棟を積むために用いる短冊形の平瓦。完(マル)熨斗と割り熨斗がある。
→堤瓦
熨斗目
のしめ [3] 【熨斗目】
(1)練貫(ネリヌキ)の一種。経(タテ)糸をやや粗く織ったもの。無地のほか,段や縞を織り出したものもある。
(2){(1)}で仕立てた小袖。江戸時代,武家の礼装の裃(カミシモ)や素襖(スオウ)の下に着た。熨斗目小袖。
(3)能装束・狂言装束の一。素襖などの下に着る絹の小袖。
(4)({(2)}に多いところから)現在は,腰替わりの意匠をいう。
熨斗目(2)[図]
熨斗糸
のしいと [2] 【熨斗糸】
屑絹糸の一。繭の緒(イトグチ)を求めるときに取った糸を引き伸ばしたもの。紬(ツムギ)糸などにする。
熨斗紙
のしがみ [2] 【熨斗紙】
熨斗{(3)}や水引が印刷してある紙。贈答品を包むのに用いる。
熨斗肴
のしざかな [3] 【熨斗肴】
祝儀用の熨斗鮑(ノシアワビ)。
熨斗葺き
のしぶき [0][2] 【伸し葺き・熨斗葺き】
(1)檜皮(ヒワダ)葺きで,檜(ヒノキ)の皮を,葺き足を短く厚く葺いたもの。
(2)葺き板を重ねて釘で打ち留めた屋根。
熨斗袋
のしぶくろ [3] 【熨斗袋】
熨斗と水引をつけるか印刷してある袋。祝儀を贈るときに金銭を中に入れる。
熨斗鮑
のしあわび [3] 【熨斗鮑】
アワビの肉を薄く長く切り,よく伸ばして干したもの。もと儀式用の肴(サカナ)に用い,のち贈り物に添えた。うちあわび。貝肴(カイザカナ)。鮑熨斗。
熨梅
のしうめ [2] 【熨梅】
菓子の一。熟した梅の果実をすりつぶし,砂糖,葛(クズ)粉あるいはゼリーを加えて練り,冷やし固めて竹の皮に挟んだもの。水戸・山形の名物。
熬り子
いりこ [0][3] 【熬り子・炒り子】
「煮干し{(2)}」に同じ。主に西日本での称。
熬り干し
いりぼし [0][2] 【熬り干し】
「熬(イ)り子」に同じ。
熬る
い・る [1] 【煎る・炒る・熬る】 (動ラ五[四])
なべなどに入れて火であぶる。また,水分がなくなるまで煮つめる。「ごまを―・る」「豆を―・る」
[可能] いれる
熱
ねち 【熱】
熱病。「くすしどもに問ひ侍れば,―などにやおはすらむとなむ/宇津保(国譲中)」
熱
ねつ【熱】
(1) heat.→英和
(2) fever (熱病);→英和
temperature (体温).→英和
(3)[熱心]enthusiasm <for> ;→英和
a mania[craze] <for> .→英和
〜がある have a fever.〜が上がる(下がる) One's temperature goes up (down).〜っぽい feverish;heated <argument> .→英和
〜を計る take a person's temperature.ジャズに〜を上げる be crazy about jazz.‖熱汚染 thermal pollution.熱膨張(伝導) thermal expansion (conduction).ダンス熱 a mania for dancing.
熱
ねつ [2] 【熱】
(1)あついこと。あつさ。
(2)病気などで普段より高くなった体温。「―が下がる」
(3)一つの事に夢中になって,高ぶった気持ち。また,興奮した状態。「話に―がこもる」
(4)熱病。「己は―を病んでゐるやうに,気が遠くなつて/青年(鴎外)」
(5)〔物・化〕 温度の高い系から温度の低い系にエネルギーが移動するときのエネルギーの移動形態の一つで,力学的な仕事や物質の移動などにはよらないもの。熱の量,すなわち熱量の単位は,ジュールやカロリーが用いられる。
熱々の仲
あつあつ【熱々の仲】
deeply in love <with> .
熱い
あつ・い [2] 【熱い】 (形)[文]ク あつ・し
〔「暑い」と同源〕
(1)
(ア)温度が高くて,触れにくい状態だ。
⇔冷たい
「―・い湯」「お茶は―・いのがいい」
(イ)体温が高いように感じられる。「熱が出て体が―・い」
(2)
(ア)熱情のために,燃えるように感じられる。わき立つようだ。「―・い血潮」「―・い思い」「興奮して―・くなる」
(イ)恋人どうしが熱烈に愛し合っている。熱愛している。「―・い仲」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
熱い
あつい【熱い】
hot;→英和
warm;→英和
burning;→英和
heated.→英和
熱くなる get hot[heated];be devoted <to> ;be in love <with> .熱くする warm;→英和
heat.→英和
熱い戦争
熱い戦争
〔hot war〕
武力行使による戦争。「冷たい戦争」に対していう。
熱かはし
あつかわ・し アツカハシ 【暑かはし・熱かはし】 (形シク)
〔動詞「熱かふ」の形容詞化〕
(1)暑苦しい。「うすものの単衣(ヒトエ)着たまひて臥し給へるさま―・しくは見えず/源氏(常夏)」
(2)わずらわしい。うるさい。「いとあまり―・しき御もてなしなり/源氏(蛍)」
熱く
ほめ・く 【熱く】 (動カ四)
〔火(ホ)めくの意〕
(1)ほてる。熱する。「まだ湯上がりの顔―・く,汗の額や肩たるく/浄瑠璃・五人兄弟」
(2)欲情をもよおす。情事をする。男女がいちゃつく。「夜の更けぬ内―・いてしまお/浄瑠璃・苅萱桑門」
熱さ
あつさ【熱さ】
the heat[warmth].→英和
熱さまし
ねつさまし【熱さまし】
⇒解熱(げねつ)(剤).
熱し
あつ・し 【熱し・暑し】 (形ク)
⇒あつい (熱)
⇒あつい (暑)
熱し易(ヤス)く冷(サ)め易い
熱し易(ヤス)く冷(サ)め易い
物事にすぐ熱中する人は,冷めるのもまた早いものである。
熱する
ねっ・する [0][3] 【熱する】 (動サ変)[文]サ変 ねつ・す
(1)熱を加える。熱くする。「金属を―・する」
(2)熱くなる。「まっ赤に―・した溶岩」
(3)夢中になる。熱中する。「―・しやすい性質」「政治に―・して青雲功名を謀(ハカ)り/福翁百話(諭吉)」
熱する
ねっする【熱する】
(1)[物を]heat;→英和
[物が]become hot;be heated.(2) ⇒興奮.
熱っぽい
ねつっぽ・い [4] 【熱っぽい】 (形)
(1)発熱しているような感じがするさま。「―・くて食欲がない」
(2)熱情のこもったさま。「―・い口調で演説をする」
[派生] ――さ(名)
熱の壁
ねつのかべ [0] 【熱の壁】
超音速で飛ぶ飛行機の機体の金属が空気との摩擦熱に耐えうる限界。
熱の花
ねつのはな [5] 【熱の花】
高い熱が出たとき,唇や口もとにできる小さなはれもの。
熱り
ほてり [3] 【火照り・熱り】
(1)熱気や怒り・恥ずかしさで顔が赤くなること。「顔の―」
(2)夕焼けで空が赤く色づくこと。「山の端に―せぬ夜は/新撰六帖 3」
熱り
ほとおり ホトホリ 【熱り】
〔動詞「熱(ホトオ)る」の連用形から〕
(1)熱気。また,体の熱。「火を放(ツ)けて室を焚(ヤ)く。…次に―を避る時に/日本書紀(神代下訓)」
(2)「ほとぼり{(1)}」に同じ。「早玉の緒も切れ果てて…―ばかりにて/浄瑠璃・御所桜」
(3)「ほとぼり{(2)}」に同じ。「泰衡退治の奥州御陣,―さめぬ武士共馬印旗印/浄瑠璃・扇八景」
熱り
いきり 【熱り】
「いきれ(熱)」に同じ。「光秀は太刀の―を冷(サマ)さんと/浄瑠璃・太功記」
熱り
ほとぼり [0] 【熱り】
(1)まだ残っている熱。余熱。ほとおり。「山々も,日中の―を返してゐるのであらう/偸盗(竜之介)」
(2)高まった感情が尾を引いて残っていること。ほとおり。「感激の―が未ださめやらぬ」
(3)事件などに対する世人の関心。「―がさめるまで姿を隠す」
熱り
ほとり [3] 【熱り】
〔動詞「熱(ホト)る」の連用形から〕
熱くなること。熱気をおびること。熱さ。「―ヲサマス/ヘボン」
熱り立つ
いきりた・つ [4] 【熱り立つ】 (動タ五[四])
怒りを抑えきれず興奮する。「―・った群衆が押し寄せる」
熱る
あつ・る 【暑る・熱る】 (動ラ下二)
暑さに苦しむ。「―・れてせこが間遠なるらむ/和泉式部集」
熱る
ほて・る [2] 【火照る・熱る】 (動ラ五[四])
顔や体が熱くなる。また,そのように感じる。「顔が―・る」「足が―・る」「恥ずかしくて耳まで―・る」
熱る
いき・る 【熱る・熅る】 (動ラ四)
(1)熱気を帯びる。「七つの病を除くといふは…熱く―・ることを除くと/三宝絵詞(下)」
(2)息まく。勢い込む。「取出し下さりませとぞ―・りける/浄瑠璃・氷の朔日(上)」
熱る
ほとぼ・る [3] 【熱る】 (動ラ五[四])
〔「熱(ホトオ)る」の転〕
熱くなる。熱気を発する。ほとる。「火箸ワマダ―・ッテイル/ヘボン(三版)」
熱る
ほと・る [2] 【熱る】 (動ラ五[四])
〔「熱(ホトオ)る」の転〕
熱くなる。熱を発する。また,病気などで体が熱くなる。ほてる。「―・つて来た頬を手で押えた/家(藤村)」
熱る
ほとお・る ホトホル 【熱る】 (動ラ四)
(1)熱気を発する。特に,病気などで発熱する。ほてる。「三日―・りて疱瘡出で/浮世草子・武道伝来記 8」
(2)腹をたてる。怒る。憤慨する。「さるべきこともなきを,―・りいで給ふ/枕草子 162」
熱れ
いきれ [3] 【熱れ・熅れ】
蒸されるような熱気。むし熱さ。ほてり。いきり。「人―」「草―」
熱れる
いき・れる [3] 【熱れる・熅れる】 (動ラ下一)
熱くなる。熱気でむっとする。「此節は日中は大層―・れて凌(シノ)ぎ兼ねます/怪談牡丹灯籠(円朝)」
熱エネルギー
ねつエネルギー [4] 【熱―】
(1)物体の内部エネルギーのうち物体を構成する原子・分子の熱運動のエネルギー。
(2)熱がエネルギーの移動形態であることを強調していう語。
熱ルミネッセンス法
ねつルミネッセンスほう [0] 【熱―法】
〔thermoluminescence dating〕
土器などに熱を加えて発する蛍光から年代を測定する方法。
熱中
ねっちゅう [0] 【熱中】 (名)スル
他のことを忘れて,一つのことに心を注ぐこと。「将棋に―する」
熱中する
ねっちゅう【熱中する】
devote oneself <to> ;be devoted <to> ;be absorbed <in> ;be crazy <about jazz> .
熱中性子
ねつちゅうせいし [5] 【熱中性子】
中性子が物質中で原子核と衝突を繰り返して減速され,その運動エネルギーが常温での熱運動のエネルギー〇・〇二五電子ボルト程度になったもの。また一般に,エネルギーの小さな中性子をさす。熱中性子は制御しやすく,原子炉に用いられる。
熱中性子炉
ねつちゅうせいしろ [7] 【熱中性子炉】
核分裂によって放出された中性子を減速材で減速して熱中性子とし,核燃料に吸収しやすくして連鎖反応を続けるようにした原子炉。
熱中症
ねっちゅうしょう [0] 【熱中症】
高温下での運動や労働のため,発汗機構や循環系に異常をきたして起こる病気。体温上昇,発汗停止とともに虚脱・痙攣(ケイレン)・精神錯乱・昏睡(コンスイ)などを起こし,生命の危険を伴うこともある。
熱交換器
ねつこうかんき [5] 【熱交換器】
熱を交換する装置の総称。機能により,加熱器・冷却器・凝縮器・蒸発器・再熱器などがある。
熱伝導
ねつでんどう [3] 【熱伝導】
物質の移動を伴わず,また放射によらずに物体の高温部から低温部に熱が移動する現象。微視的には,熱エネルギーが,原子・分子の振動によって,また特に気体や金属では気体分子や自由電子の高温部・低温部相互間の移動によって伝えられること。
熱伝導率
ねつでんどうりつ [5] 【熱伝導率】
熱伝導で,熱の流れに垂直な単位面積を通って単位時間に流れる熱量を,単位長さあたりの温度差(温度勾配)で割った値。物質の熱伝導のしやすさを示す。熱伝導度。
熱伝達
ねつでんたつ [3] 【熱伝達】
熱が移動する現象。伝導・放射・対流がある。
熱低
ねってい [0] 【熱低】
「熱帯低気圧」の略。
熱傷
ねっしょう [0] 【熱傷】
⇒火傷(ヤケド)
熱冷まし
ねつさまし [3] 【熱冷まし】
熱を下げる薬。解熱剤。
熱処理
ねつしょり [3] 【熱処理】 (名)スル
物質を加熱・冷却して硬度などの性質を変化させること。主に,金属の焼き入れ・焼き戻し・焼きなましなど。
熱処理炉
ねつしょりろ [4] 【熱処理炉】
金属の熱処理を行うための加熱炉。重油炉・電気炉・ガス炉など。
熱分解
ねつぶんかい [3] 【熱分解】
物質を熱したときに起こる分解反応。石油のクラッキングはその例。分解反応が可逆的であるときは,熱解離という。
熱力学
ねつりきがく [4][3] 【熱力学】
熱的な現象を,物質の微視的な構造は問題にせずに,巨視的な立場から扱う物理学の一部門。熱平衡の概念および三つの基本法則に基づいて論理的に構成された理論体系で,一九世紀中頃から発展した。
熱力学
ねつりきがく【熱力学】
thermodynamics.→英和
熱力学の法則
ねつりきがくのほうそく 【熱力学の法則】
(1)第一法則。エネルギー保存の法則を熱的現象に適用したもの。系に外部からなされた仕事と与えられた熱量との和は,内部エネルギーの増加に等しいという法則。
(2)第二法則。熱が高温の物体から低温の物体へ移動する過程は,他に何の変化も残さないならば不可逆であるという法則。あるいは,孤立系のエントロピーは,不可逆変化において常に増大するという法則。トムソンの原理。
(3)第三法則。系の温度が絶対零度に近づくと,系のエントロピーは 0 に近づくという法則。
熱効率
ねつこうりつ [3] 【熱効率】
熱機関が一サイクルを完了する間に外部になす仕事量を,その間に吸収する熱量で割った値。蒸気機関の熱効率は約10パーセント。
熱化学
ねつかがく [3] 【熱化学】
化学反応や状態変化などに伴う熱の出入りに基づいて化学反応を研究し,また,さまざまな熱的な状態量と化学平衡との関係を探究しようとする物理化学の一分野。熱力学をその基礎として含み,物性論などとも密接な関連をもつ。
熱化学
ねつかがく【熱化学】
thermochemistry.
熱化学方程式
ねつかがくほうていしき [8] 【熱化学方程式】
化学反応式に物質の状態やその反応熱を付記したもの。代数方程式と同様に移項や複数の熱化学方程式の加減算ができ,それにより測定の困難な反応の反応熱をも知ることができる。
熱収支
ねつしゅうし [3] 【熱収支】
地表面における熱の出入り(収支)。狭義には,地表面での顕熱・潜熱,地中との熱交換の和(収支)をいう。
熱可塑性
ねつかそせい [0] 【熱可塑性】
高温では塑性を示して自由な変形が可能となる性質。
⇔熱硬化性
熱可塑性樹脂
ねつかそせいじゅし [7] 【熱可塑性樹脂】
常温では弾性をもち,変形しにくいが,加熱により軟化して種々な形に加工することができる合成樹脂。ナイロン・ポリエチレン・ポリスチレン・ポリ塩化ビニルなどはこれにあたる。
熱唱
ねっしょう [0] 【熱唱】 (名)スル
心を込めて熱情的に歌うこと。
熱器具
ねつきぐ [3] 【熱器具】
電気・ガス・石油などによって熱を発生させ,暖房・調理などに利用できるようにした器具。ストーブ・こんろなど。
熱圏
ねつけん [0] 【熱圏】
大気圏のうち,中間圏の上方に位置する領域。高度約90キロメートルから300〜500キロメートルの間。電子密度が極大となる,いくつかの電離層が存在する。
熱地
ねっち [1] 【熱地】
(1)暑い土地。
(2)にぎやかな所。繁華な所。「錦城歌吹(ニギヤカナル)の―を去り/花柳春話(純一郎)」
熱型
ねつけい [0] 【熱型】
体温の上がり下がりの型。マラリアの間欠熱,腸チフスの稽留(ケイリユウ)熱など,病気によって特徴のある型がみられる。
熱変成作用
ねつへんせいさよう [7] 【熱変成作用】
⇒接触(セツシヨク)変成作用
熱天秤
ねつてんびん [3] 【熱天秤】
物質の質量を温度を変えながら測定し,質量変化を調べるための天秤。結晶水を失う温度とその量の測定などに用いる。
熱学
ねつがく [0] 【熱学】
熱の移動,それに伴う物質の状態変化および化学変化,熱と他の種類のエネルギーとの相互変換など,熱に関係する現象を対象とする物理学・化学の一部門。熱力学・統計力学をその基礎として含む。
熱容量
ねつようりょう [3] 【熱容量】
物体の温度を一度だけ上げるのに必要な熱量。物体の単位質量に対する熱容量を比熱という。
熱射病
ねっしゃびょう【熱射病】
heatstroke.→英和
熱射病
ねっしゃびょう [0] 【熱射病】
高温多湿の場所に長時間置かれ,体の熱放散が十分行えないときに起こる病気。頭痛・めまい・倦怠(ケンタイ)感などに始まり,体温の著しい上昇や発汗停止,昏睡(コンスイ)・痙攣(ケイレン)などを起こす。
→日射病
熱川温泉
あたがわおんせん アタガハヲンセン 【熱川温泉】
静岡県東部,伊豆半島東岸にある食塩泉。東伊豆温泉郷の中心で,湯量が多い。
熱帯
ねったい [0] 【熱帯】
赤道を中心にして南北両回帰線に挟まれた地帯。一年のうち二回太陽が天頂を通過する。気候的には年平均気温が二〇度以上または最寒月の月平均気温が一八度以上の地帯で,おおよそ椰子(ヤシ)樹の生育地帯と一致する。
熱帯
ねったい【熱帯】
the Torrid Zone.〜の tropical.→英和
‖熱帯魚(植物) a tropical fish(plant).熱帯性低気圧 a tropical atmospheric depression;a tropical cyclone.熱帯地方 the tropics.
熱帯モンスーン気候
ねったいモンスーンきこう [10] 【熱帯―気候】
弱い乾季のある熱帯気候の一。夏は南西モンスーンにより雨量が多い。冬は北東モンスーンが吹くが乾季をなす。乾季に落葉する広葉樹林がみられる。フィリピン,インドシナ半島の海岸地帯,インドのマラバル海岸,ギアナ地方に分布する。熱帯季節風気候。
熱帯低気圧
ねったいていきあつ [7] 【熱帯低気圧】
熱帯の主として海上で発生した低気圧の総称。海面からエネルギーを補給されつつ発達し,発生海域によって台風・ハリケーン・サイクロンなどと呼ばれる。日本では,最大風速が風力七以下を弱い熱帯低気圧,八以上を台風と大別する。
熱帯収束帯
ねったいしゅうそくたい [0] 【熱帯収束帯】
南北両半球の貿易風が合流する帯状の地域。熱帯低気圧の発生とかかわりが深い。赤道前線。
熱帯多雨林
ねったいたうりん [6] 【熱帯多雨林】
きわだった乾季のない熱帯地方に発達する樹林。高さ50メートル以上の常緑樹を主体とし,つる植物・樹上着生植物が多い。熱帯雨林。熱帯降雨林。
熱帯夜
ねったいや [3] 【熱帯夜】
最低気温が摂氏二五度以下に下がらない夜。一般に,寝苦しく暑い夜となる。
熱帯日
ねったいび [3] 【熱帯日】
「真夏日」に同じ。
熱帯林
ねったいりん [3] 【熱帯林】
アジア・アフリカ・ラテン-アメリカ・オーストラリアなどの熱帯地域の森林。集団移住政策による焼き畑や商業伐採・薪の採取・放牧などにより急速に減少しつつある。
熱帯果実
ねったいかじつ [5] 【熱帯果実】
(1)
⇒トロピカル-フルーツ
(2)植物防疫法に基づいて輸入される果実のこと。
熱帯植物
ねったいしょくぶつ [6] 【熱帯植物】
熱帯地方に成育する植物の総称。一般的に常緑広葉で,冬芽などの保護器官をもたない。ヤシ・パイナップルなど。
熱帯気候
ねったいきこう [5] 【熱帯気候】
熱帯に特有な気候。年間を通じて高温で,気温差が少ない。年間雨量は赤道直下では多いが,亜熱帯寄りの地方では,乾季と雨季とに分かれる。
熱帯気団
ねったいきだん [5] 【熱帯気団】
低緯度地方に発生する高温な気団。熱帯大陸気団と熱帯海洋気団がある。
熱帯湖
ねったいこ [3] 【熱帯湖】
水温が年中摂氏四度以下にならない湖沼。日本では,琵琶湖と芦ノ湖とを結ぶ線が,その北限になっている。
→温帯湖
熱帯病
ねったいびょう [0] 【熱帯病】
熱帯地方に多く見られる病気の総称。リケッチア感染による発疹チフス・スピロヘータ感染による熱帯フランベジア,原虫感染によるカラアザール・アフリカ嗜眠(シミン)病・アメーバ赤痢・マラリアなど。
熱帯降雨林
ねったいこううりん [7] 【熱帯降雨林】
⇒熱帯多雨林
熱帯雨林
ねったいうりん [5] 【熱帯雨林】
⇒熱帯多雨林(ネツタイタウリン)
熱帯雨林気候
ねったいうりんきこう [8] 【熱帯雨林気候】
赤道付近にみられる高温・多雨の気候。気温は年間を通じて摂氏二六度から二八度で,年較差は小さいが,日較差は比較的大きい。毎日スコールがあり,雨量は2000ミリメートル以上の所が多い。常緑広葉樹が広がり,焼畑農業やプランテーションが行われる。アマゾン川流域・ザイール川流域・東インド諸島に分布する。
熱帯魚
ねったいぎょ [3] 【熱帯魚】
熱帯・亜熱帯地方に産する魚類の総称。形や色の美しいものが多く,観賞用に飼育される。エンゼルフィッシュ・ネオンテトラ・グッピーなど。
熱帯鳥
ねったいちょう [3] 【熱帯鳥】
ペリカン目ネッタイチョウ科の海鳥の総称。小形のカモメぐらいの大きさで,中央の尾羽二本が非常に長い。全体に白色で,翼に黒斑または黒帯がある。熱帯水域に三種が生息し,日本では南鳥島や硫黄島でアカオネッタイチョウが繁殖する。
熱平衡
ねつへいこう [3] 【熱平衡】
二つの物体を熱などのエネルギーの交換が可能であるようにして接触させて放置したときに,エネルギーの移動がもはや起こらなくなった状態。また,外界との間で物質やエネルギーの交換ができない孤立系を十分長い時間放置したときに,系の各部分の間で正味のエネルギーの交換が起こらず,系の巨視的な変化が起こらなくなった状態。
熱度
ねつど [1][2] 【熱度】
(1)熱さの度合。「先生が―を計つて/虞美人草(漱石)」
(2)熱心さの程度。「学習の―が高まる」
熱弁
ねつべん【熱弁(を振るう)】
(make) an impassioned speech.
熱弁
ねつべん [0] 【熱弁】
熱のこもった話しぶり。高ぶった感情の感じられる弁舌。「―をふるう」
熱心
ねっしん【熱心】
zeal;→英和
ardor;→英和
eagerness;enthusiasm.→英和
〜な eager;→英和
ardent;→英和
diligent (勤勉な).→英和
〜に eagerly;earnestly;→英和
intently.→英和
熱心
ねっしん [1][3] 【熱心】 (名・形動)スル[文]ナリ
物事に情熱をこめて打ちこむこと。心をこめて一生懸命すること。また,そのさま。「―に勉強する」「―な練習態度」「そんなに放蕩(ホウトウ)に―するだらう/当世書生気質(逍遥)」
[派生] ――さ(名)
熱心家
ねっしんか [0] 【熱心家】
情熱をもって物事に打ちこむ人。「此の人は平等自由の―で/花間鶯(鉄腸)」
熱応力
ねつおうりょく [3] 【熱応力】
物体の熱膨張を抑えて温度を上げるとき,その物体の内部に生ずる応力。また,材質や各部の温度変化が均一でないために,熱を加えたとき内部に生ずる応力。
熱性
ねっせい [0] 【熱性】
(1)高熱を伴う性質。「―痙攣(ケイレン)」
(2)激しやすい性質。激昂(ゲツコウ)性。
熱情
ねつじょう【熱情】
passion;→英和
ardor;→英和
zeal.→英和
〜的な passionate;→英和
ardent.→英和
熱情
ねつじょう [0] 【熱情】
物事に対する激しく熱心な気持ち。情熱。「―あふれる演説」
熱情的
ねつじょうてき [0] 【熱情的】 (形動)
激しい情熱を抱いて物事を行うさま。情熱的。「―な演奏」
熱意
ねつい [1] 【熱意】
いちずにそれに打ち込んでいる気持ち。熱心な気持ち。「―を示す」「―に欠ける」「―がない」
熱意
ねつい【熱意】
zeal;→英和
eagerness.〜ある eager.→英和
熱愛
ねつあい [0] 【熱愛】 (名)スル
心の底から愛すること。「妻を―する」
熱愛する
ねつあい【熱愛する】
love <a person> devotedly[passionately].
熱感
ねつかん [0] 【熱感】
熱のある感じ。
熱戦
ねっせん [0] 【熱戦】
熱のこもった激しい勝負・競技。「―を展開する」
熱戦
ねっせん【熱戦】
a fierce fight;a close game (競技).
熱拡散
ねつかくさん [3] 【熱拡散】
二種の成分からなる流体に場所による温度差を与えたとき,一方の成分が高温側へ,他方の成分が低温側へ移動して成分組成の変化を生ずる現象。普通は軽い成分が高温側へ,重い成分が低温側へ移動する。気体の熱拡散は同位体の分離に利用される。
熱損失
ねつそんしつ [3] 【熱損失】
室内の熱が,熱伝導やすきま風などによって外部に流出すること。
熱放射
ねつほうしゃ [3] 【熱放射】
物体から熱エネルギーが電磁波として放出される現象。また,その電磁波。そのエネルギーやスペクトル分布は,物体の種類と温度によって決まり,温度が高いほど波長の短い電磁波が多く含まれる。熱輻射。温度放射。
熱暑
ねっしょ [1] 【熱暑】
夏の日盛りの暑さ。暑熱。
熱望
ねつぼう [0] 【熱望】 (名)スル
熱心に願い望むこと。また,その希望。切望。「実現を―する」
熱望
ねつぼう【熱望】
an earnest wish[desire].〜する wish[desire]earnestly;be anxious[eager] <to do,for a thing> .
熱核
ねつかく [0] 【熱核】
「熱原子核」の略。強烈な熱を出す原子核。「―兵器」
熱核反応
ねつかく【熱核反応(融合)】
thermonuclear reaction (fusion).
熱核反応
ねつかくはんのう [5] 【熱核反応】
原子核の集団を数千万度あるいは一億度以上の高温に熱したとき,熱運動のエネルギーによって起こる核反応。水素爆弾で起こる核融合反応や,恒星のエネルギー源となっている核反応はこの例。エネルギー源として利用する目的で熱核反応を起こすために,高温のプラズマを利用する方法などが研究されている。
熱機関
ねつきかん [4][3] 【熱機関】
熱の形でエネルギーを吸収し,その一部を力学的仕事に変化させ,繰り返し運転する装置。蒸気機関・内燃機関・蒸気タービンなど。
熱機関
ねつきかん【熱機関】
a heat engine.
熱気
ねつけ [3] 【熱気】
熱のある感じ。「―がする」
熱気
ねっき【熱気】
heat;→英和
hot air.
熱気
ねっき [0] 【熱気】
(1)高温の空気・気体。「―で消毒する」
(2)夢中になって,高ぶった雰囲気。「異様な―に包まれる」
(3)病気などによる発熱。ねつけ。
熱気浴
ねっきよく [3] 【熱気浴】
伝導熱を利用した温熱療法の一。室内あるいは浴函(ヨクカン)内の空気を五〇〜八〇度に加熱し,多量の発汗を起こして代謝を促進する。リューマチ・神経痛・肥満症などに効果がある。サウナ風呂・熱気函浴など。
熱気球
ねつききゅう [3] 【熱気球】
袋にバスケットをつり下げ,プロパン-ガスなどを燃料とするガス-バーナーで袋の中の空気を熱して軽い気体を作り浮揚する気球。
熱水
ねっすい [0] 【熱水】
(1)ぐらぐら煮立った水。熱湯。
(2)地殻中に存在する高温の水または水溶液。
熱水変質
ねっすいへんしつ [5] 【熱水変質】
熱水{(2)}の作用によって岩石や鉱物の組織や組成が変化すること。
熱水鉱床
ねっすいこうしょう [5] 【熱水鉱床】
熱水{(2)}から鉱物が晶出沈殿したり,熱水とまわりの岩石との化学反応により新しい鉱物が生成したりしてできた鉱床。
熱汚染
ねつおせん [3] 【熱汚染】
人間活動の拡大,エネルギー消費の増大,戦争などによって放出された大量の熱が環境に蓄積し,大気や水域・大地の温度を上昇させること。経済・商業活動による都市域の気温の上昇,発電所・製鉄所の温排水による水温の上昇,地下鉄や地下街の発達による地温の上昇など。
熱河
ねっか 【熱河】
中国河北省の都市,承徳(シヨウトク)の旧名。
熱河省
ねっかしょう 【熱河省】
もと中国北部にあった省。省都は承徳(熱河)。1956年廃止され,河北・遼寧二省と内モンゴル自治区とに分割編入された。
熱波
ねっぱ [1] 【熱波】
著しく高温の気塊が,波のようにおしよせる現象。暖波のうち程度の激しいもの。
⇔寒波
熱波
ねっぱ【熱波】
a heat wave.
熱海
あたみ 【熱海】
静岡県東部,伊豆半島北東岸にある市。相模湾に臨む。全国有数の温泉地・観光地。泉質は塩類泉。
熱涙
ねつるい [0] 【熱涙】
感動のあまりに流す涙。「―下る大演説」「―をしぼる」
熱湯
ねっとう【熱湯】
hot[boiling]water.
熱湯
あつゆ [0] 【熱湯】
熱めの風呂。「―好きの江戸っ子」
熱湯
ねっとう [0] 【熱湯】
煮えたっている熱い湯。煮え湯。
熱源
ねつげん [0][2] 【熱源】
熱を供給するみなもと。「電気を―とする」
熱演
ねつえん [0] 【熱演】 (名)スル
演劇などで,その役になり切って意欲的に演ずること。「大(ダイ)―」「大役を―する」
熱演
ねつえん【熱演(する)】
(give) an ardent performance.
熱火
あつび [0][2] 【熱火】
盛んに燃えている火。烈火。
熱烈
ねつれつ [0] 【熱烈】 (名・形動)[文]ナリ
夢中になって激しい態度をとる・こと(さま)。「―な恋愛」「―をきわめる」
[派生] ――さ(名)
熱烈な
ねつれつ【熱烈な(に)】
passionate(ly);→英和
ardent(ly).→英和
熱熱
あたあた 【熱熱】 (感)
〔「あつあつ」の転〕
熱い熱い。「ただのたまふ事とては―とばかりなり/平家 6」
熱熱
あつあつ [0] 【熱熱】 (形動)
(1)(新婚の夫婦や恋人どうしが)熱烈に愛し合っているさま。「―の仲」
(2)(料理などが)非常に熱いさま。「―のうちにどうぞ」
熱燗
あつかん【熱燗】
hot sake.
熱燗
あつかん [0] 【熱燗】
〔古くは「あつがん」〕
酒の燗を熱くすること。また,その酒。[季]冬。「―で一杯」
熱狂
ねっきょう [0] 【熱狂】 (名)スル
異常に興奮し熱中すること。「勝利に―した観衆」
熱狂
ねっきょう【熱狂】
enthusiasm;→英和
excitement;→英和
frenzy.→英和
〜する get excited <at,by,with> ;be crazy <about> .〜的な(に) enthusiastic(ally);frantic(ally).→英和
熱狂的
ねっきょうてき [0] 【熱狂的】 (形動)
熱狂しているさま。「―なファン」「―な歓迎」
熱田
あつた 【熱田】
名古屋市南部の区。熱田神宮の門前町。江戸時代,東海道の宿駅であった宮宿(ミヤノシユク)を中心に発展した。現在は,工業地区となっている。
熱田神宮
あつたじんぐう 【熱田神宮】
名古屋市熱田区新宮坂町にある神社。主神は,草薙剣(クサナギノツルギ)を神体とする熱田大神。古来,皇室・武家が尊崇。また,尾張開拓の神として東海地方を中心に崇敬者が多い。
熱田貝塚
あつたかいづか 【熱田貝塚】
名古屋市熱田区にある弥生時代の貝塚。弥生土器が石器や骨器とともに出土し,弥生文化の存在を確認する端緒となった。高蔵貝塚。
熱界雷
ねつかいらい [3] 【熱界雷】
強い日射による上昇気流に前線が作用して起こる雷。熱的界雷。
熱病
ねつびょう [0] 【熱病】
高熱のでる病気の総称。腸チフス・肺炎・敗血症・発疹チフス・天然痘など。
→感染症
熱病
ねつびょう【熱病】
a fever.→英和
熱発
ねっぱつ [0] 【熱発】 (名)スル
「発熱」に同じ。「―する程の事にはあらねど,神経非常に高ぶり/蜃中楼(柳浪)」
熱盛
あつもり [0] 【熱盛(り)】
ゆでて,熱いまま供する盛り蕎麦(ソバ)。熱盛り蕎麦。敦盛(アツモリ)。
熱盛り
あつもり [0] 【熱盛(り)】
ゆでて,熱いまま供する盛り蕎麦(ソバ)。熱盛り蕎麦。敦盛(アツモリ)。
熱砂
ねっさ [1] 【熱砂】
日に焼けた熱い砂。ねっしゃ。
熱砂
ねっしゃ [1] 【熱砂】
⇒ねっさ(熱砂)
熱硬化性
ねつこうかせい ネツカウクワ― [0] 【熱硬化性】
加熱すると硬化する性質。プラスチックなどの示す性質の一。
⇔熱可塑(ネツカソ)性
熱硬化性樹脂
ねつこうかせいじゅし ネツカウクワ― [8] 【熱硬化性樹脂】
加熱すると重合度が高まり,熱硬化性をもつ合成樹脂。フェノール樹脂・尿素樹脂・ケイ素樹脂など,網状に結合することのできる高分子化合物。
熱祷
ねっとう [0] 【熱祷】
熱心に祈ること。
熱素
ねっそ [0] 【熱素】
熱現象を担うものとして想定された物質的実体。物質と結合して潜在化し離れて熱として現れる,光や電気と同様の不可秤量物と考えられた。熱を一種の物質とみなす考えは,一八世紀後半から一九世紀にかけて,エネルギー論が確立されるまで,ブラックやカルノーらの熱現象の解明に一定の役割を果たした。カロリック。
熱線
ねっせん [0] 【熱線】
(1)熱した金属線。
(2)「赤外線(セキガイセン)」に同じ。
熱線
ねっせん【熱線】
《理》heat[thermic]rays.
熱線反射ガラス
ねっせんはんしゃガラス [8] 【熱線反射―】
ガラスの表面に金属酸化膜を焼き付けるなどして,主に赤外線を反射するガラス。熱線反射板ガラス。
熱線吸収ガラス
ねっせんきゅうしゅうガラス [9] 【熱線吸収―】
微量の酸化鉄・クロムなどを含み,波長の長い赤外線などを吸収して熱を遮断するガラス。赤外線吸収ガラス。吸熱ガラス。
熱線風速計
ねっせんふうそくけい [0] 【熱線風速計】
風速計の一。電流を通して加熱したタングステン・白金などの細い金属線を気流中にさらすと,冷却して電気抵抗が減少することを利用。微風の測定に適する。
熱罵
ねつば [1] 【熱罵】 (名)スル
ひどくののしること。「七度も姦通する女なりと―せし由/欺かざるの記(独歩)」
熱腸
ねっちょう [0] 【熱腸】
怒りや悲しみで腸(ハラワタ)がにえくりかえる心中。「此―が冷されぬ/浮雲(四迷)」
熱膨張
ねつぼうちょう [3] 【熱膨張】
物体の長さまたは体積が温度の上昇とともに増大すること。
熱臭い
ねつくさ・い [4] 【熱臭い】 (形)
高熱を発した病人の熱気が感じられる。「―・い病室」
熱苦し
あつくろ・し 【暑苦し・熱苦し】 (形シク)
「あつくるしい」に同じ。「ええ―・し,誰ぢやいや/浄瑠璃・卯月の紅葉(中)」
熱苦しい
あつくるし・い [5] 【暑苦しい・熱苦しい】 (形)[文]シク あつくる・し
(1)熱気がこもって,苦しい。「―・くて寝つかれない」
(2)外見が暑そうに見える。「―・い身なり」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
熱血
ねっけつ [0] 【熱血】
(1)体温のぬくもりのある生き血。
(2)血のわき返るような激しい意気ごみ・情熱。
⇔冷血
熱血を注ぐ
ねっけつ【熱血を注ぐ】
devote oneself <to one's work> .熱血漢 a hot-blooded man.
熱血漢
ねっけつかん [4][3] 【熱血漢】
正義感が強く情熱的な男。熱血男児(ダンジ)。
熱衷
ねっちゅう [0] 【熱衷】
熱情。衷心よりのまごころ。「わが―と論旨をめでて/小説神髄(逍遥)」
熱解離
ねつかいり [3] 【熱解離】
温度の上昇によって分子などが分解し,温度が下がれば逆反応によってもとの分子に戻る反応。例えば,塩化アンモニウムは加熱によりアンモニアと塩化水素とに分解するが,これを冷却すれば塩化アンモニウムに戻る。
熱誠
ねっせい [0] 【熱誠】 (名・形動)[文]ナリ
まごころが強くこもっている・こと(さま)。「ルイザの―なる執着/田舎教師(花袋)」
熱論
ねつろん [0] 【熱論】
熱心な論議。「―をたたかわす」
熱讃
ねっさん [0] 【熱讃】 (名)スル
熱烈な言葉でほめること。
熱赤道
ねつせきどう [3] 【熱赤道】
地球上の各経度ごとに最も気温の高い地点を連ねた線。平均的には北半球側にあるが,冬は南半球側へ移動する。
熱起電力
ねつきでんりょく [4] 【熱起電力】
熱電流を流す起電力。大きさは,導体の種類と接点の温度によって定まる。
熱転写プリンター
ねつてんしゃプリンター [7] 【熱転写―】
プリンターの一種。熱によって紙に固定される特殊インクを塗布したリボンを用いる。印字速度が遅いが,騒音が小さい。
熱輻射
ねつふくしゃ [4] 【熱輻射】
⇒熱放射(ネツホウシヤ)
熱運動
ねつうんどう [3] 【熱運動】
物体を構成する個々の原子・分子などの粒子が行う不規則・無秩序な微視的運動。
熱重合
ねつじゅうごう [3] 【熱重合】
特に触媒を用いなくても,加熱により引き起こされる重合反応。スチレンやメタクリル酸エステルの重合はその例。
熱量
ねつりょう [2] 【熱量】
二つの異なった物体の間を熱として移動するエネルギーの量。単位はジュールのほか,カロリーも用いる。
熱量
ねつりょう【熱量】
(a) calorie (単位).→英和
熱量計
ねつりょうけい [0] 【熱量計】
熱量を測定する装置。水熱量計や金属熱量計のように熱容量が既知である物質を利用する方式,氷熱量計のように潜熱が既知である物質を利用する方式など種々ある。カロリメーター。
熱鉄
ねってつ [0] 【熱鉄】
高熱で溶けた鉄。また,熱した鉄。
熱間仕上げ
ねっかんしあげ [5] 【熱間仕上げ】
加熱した金属が冷却しないうちに成型する仕上げ法。
熱間圧延
ねっかんあつえん [5] 【熱間圧延】
金属を高温に加熱して行う圧延加工。
⇔冷間圧延
熱闘
ねっとう [0] 【熱闘】
熱のこもった激しいたたかい。「―をくりひろげる」
熱陰極
ねついんきょく [3] 【熱陰極】
加熱することによって熱電子を出す陰極。
熱雲
ねつうん [0] 【熱雲】
(1)小規模の火砕流。火山から噴き出した溶岩片と高温ガスとが混濁して山腹を流下する現象。
(2)高熱の雲。
熱雷
ねつらい [0] 【熱雷】
夏期,強い日射によって地面が過熱され気塊が激しく上昇してできた積乱雲に発生する雷。北関東・鈴鹿山脈付近・北九州などに起こりやすい。
熱電堆
ねつでんたい [3] 【熱電堆】
複数の熱電対(ネツデンツイ)を直列に接続したもの。接点に放射線をあてたときに生ずる熱電流を利用したり,その電流の大きさから放射線の強さを測定するのに用いたりする。根電対列。
熱電子
ねつでんし [3] 【熱電子】
高温に熱せられた固体の導体または半導体から放出される電子。真空管はこれを利用したもの。
熱電子効果
ねつでんしこうか [6] 【熱電子効果】
⇒エジソン効果(コウカ)
熱電子管
ねつでんしかん [0] 【熱電子管】
電子源として熱陰極から放出された熱電子を利用する電子管の総称。普通の真空管や,熱陰極放電管などをいう。
熱電対
ねつでんつい [3] 【熱電対】
二種類の導体を組み合わせ,接合点の温度の違いによって熱起電力を生じるようにしたもの。この熱起電力は,二種類の導体の種類と温度差によって決まる。二種の金属には,白金と白金ロジウム,銅あるいは鉄とコンスタンタンなどが使われる。温度計などに利用する。
熱電流
ねつでんりゅう [3] 【熱電流】
二種の異なる金属線を接合して閉回路をつくり,二つの接合点に温度差を与えたとき,回路に流れる電流。
熱電温度計
ねつでんおんどけい [0] 【熱電温度計】
熱電対(ネツデンツイ)を利用した温度計。導体の組み合わせにより種々あるが,構造が比較的簡単で,かつじょうぶなので,低温より高温まで測定可能である。熱電対温度計。
熱電素子
ねつでんそし [5] 【熱電素子】
熱と電気が関係した現象を利用して,熱エネルギーと電気エネルギーを変換する金属や半導体の素子。熱電対(ネツデンツイ)や電子冷却素子などがある。サーモ-エレメント。
熱願
ねつがん [0] 【熱願】 (名)スル
熱心に願うこと。また,その願い。「成功を―する」
熱風
ねっぷう【熱風】
a hot wind.
熱風
ねっぷう [0][3] 【熱風】
(1)高温の風。熱い風。
(2)真夏に吹く熱く乾いた風。[季]夏。
熱風乾燥機
ねっぷうかんそうき [7] 【熱風乾燥機】
高温に熱した空気を送りこんで,水分を蒸発させて乾燥する機械。
熱風炉
ねっぷうろ [3] 【熱風炉】
高炉に吹きこむ空気を,あらかじめ高温に加熱する炉。蓄熱室。
熱鬧
ねっとう [0] 【熱鬧】
〔「ねつどう」とも〕
大勢の人で混雑すること。雑鬧。「車中の―に肉食人種特有の腋臭(ワキガ)の臭気(ニオイ)を加へ/あめりか物語(荷風)」
熾
おき [0] 【燠・熾】
(1)「おきび(熾火)」に同じ。「―をかき立てる」
(2)消し炭(ズミ)。
熾きる
お・きる [2] 【熾きる】 (動カ上一)
火が炭にうつって火力が盛んになる。おこる。「炭が―・きる」
熾し火
おこしび [3] 【熾し火】
赤くおこした炭火。
熾し炭
おこしずみ [3] 【熾し炭】
赤くおこった炭。また,炉などの種火とする,赤くおこした炭。
熾す
おこ・す [2] 【熾す】 (動サ五[四])
〔「起こす」と同源〕
炭などの火の勢いを盛んにする。また,炭などに火をつける。「うちわで火を―・す」
[可能] おこせる
熾る
おこ・る [2] 【熾る】 (動ラ五[四])
〔「起こる」と同源〕
炭に火がついて盛んに燃える。また,炭に火が移る。おきる。「火鉢の火が真っ赤に―・る」
熾仁親王
たるひとしんのう 【熾仁親王】
⇒有栖川宮熾仁親王(アリスガワノミヤタルヒトシンノウ)
熾火
おきび [0] 【熾火】
(1)火勢が盛んで赤く熱した炭火。おこし火。おき。
(2)薪が燃えたあとの赤くなったもの。おき。
熾烈
しれつ [0] 【熾烈】 (名・形動)[文]ナリ
〔「熾」は火勢の強い意〕
勢いが盛んで激しいさま。「―な戦い」「戦闘は―をきわめた」
[派生] ――さ(名)
熾烈な
しれつ【熾烈な】
⇒激しい.
熾盛
しじょう 【熾盛】 (名・形動ナリ)
火の燃えあがるように勢いの盛んなこと。しせい。「慾心―の野伏ども/太平記 9」
熾盛
しせい [0] 【熾盛】 (名・形動)[文]ナリ
「しじょう(熾盛)」に同じ。「蘭加舎(ランカシヤー)は,工場―にして/西国立志編(正直)」
熾盛光仏頂如来
しじょうこうぶっちょうにょらい 【熾盛光仏頂如来】
一切の災難を除くという如来。仏身の毛孔から熾盛の光明を放つという。熾盛光如来。熾盛光。
燃え
もえ [0] 【燃え】
燃えること。燃えぐあい。「火の―が悪い」
燃えさし
もえさし【燃えさし】
embers;a brand.→英和
〜の half-burnt.
燃えつきる
もえつきる【燃えつきる】
barn <itself> out;be burned up.
燃える
もえる【燃える】
burn;→英和
blaze (炎を上げて).→英和
燃えている be on fire.
燃える
も・える [0] 【燃える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 も・ゆ
(1)炎や煙が出る。「木が―・える」「―・えて灰になる」
(2)感情・情熱が高まる。「希望に―・える」「怒りに―・える」「彼の眼は異様に―・えてゐる/斑鳩物語(虚子)」
(3)炎のように光る。「かぎろひの―・ゆる家群/古事記(下)」
燃えるよう
燃えるよう
火が燃えるように,赤いさま。「―な夕焼け」
燃え上がる
もえあがる【燃え上がる】
blaze[flare]up.
燃え上がる
もえあが・る [4] 【燃え上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)燃えてほのおが高くあがる。「焚き火が勢いよく―・る」
(2)情熱などが,激しく高まる。「恋のほのおが―・る」
燃え上る
もえあが・る [4] 【燃え上(が)る】 (動ラ五[四])
(1)燃えてほのおが高くあがる。「焚き火が勢いよく―・る」
(2)情熱などが,激しく高まる。「恋のほのおが―・る」
燃え付く
もえつく【燃え付く】
catch[take]fire.
燃え付く
もえつ・く [3] 【燃(え)付く】 (動カ五[四])
火がつく。火がうつって燃える。「ぬれていて,なかなか―・かない」
燃え出す
もえだ・す [3] 【燃(え)出す】 (動サ五[四])
火が燃え始める。「勢いよく―・す」
燃え出す
もえだす【燃え出す】
begin to burn.⇒燃え付く.
燃え切る
もえきる【燃え切る】
burn out.
燃え尽きる
もえつ・きる [4] 【燃(え)尽きる】 (動カ上一)
すっかり燃えてしまう。燃焼しつくす。「火が―・きる」
燃え広がる
もえひろが・る [5][0] 【燃(え)広がる】 (動ラ五[四])
火が広い範囲に燃え移る。「野火が―・る」
燃え易い
もえやすい【燃え易い】
easy to burn;flammable;→英和
〔動〕burn easily.
燃え杭
もえぐい [0] 【燃え杭・燼】
〔「もえくい」とも〕
燃え残りの木。もえさし。もえぼっくい。
燃え止し
もえさし [0] 【燃え止し】
燃えきらないで残ったもの。もえのこり。「―のマッチ」
燃え残り
もえのこり [0] 【燃(え)残り】
燃えきらないで残っているもの。もえさし。
燃え殻
もえがら【燃え殻】
cinders.
燃え殻
もえがら [0] 【燃(え)殻】
燃えたあとに残るから。もえかす。
燃え滓
もえかす [3][0] 【燃え滓】
もえがら。
燃え滾る
もえたぎ・る [4] 【燃え滾る】 (動ラ五[四])
燃えるように心が激しく動く。「―・る熱情」
燃え焦がる
もえこが・る 【燃え焦がる】 (動ラ下二)
(1)燃えて黒く焦げる。
(2)ひどく恋いこがれる。「―・れ身をきるばかり佗しきは/玉葉(恋三)」
燃え盛る
もえさか・る [4] 【燃(え)盛る】 (動ラ五[四])
(1)さかんに燃える。「―・る炎の中に飛び込む」
(2)情熱などが,激しく高まる。「―・る情熱」
燃え石
もえいし 【燃え石】
石炭。「此灯火は―といひてよく燃ゆる石なり/読本・双蝶記」
燃え移る
もえうつる【燃え移る】
[火が主語]spread <to> .→英和
燃え種
もえくさ [0] 【燃え種】
火を燃やすための材料。燃料。
燃え立つ
もえた・つ [3] 【燃(え)立つ】 (動タ五[四])
さかんに燃える。「火が―・つ」「夜の中に―・つ夕栄(ユウバエ)は/ふらんす物語(荷風)」
燃え難い
もえにくい【燃え難い】
hard to burn.
燃し木
もしき [0] 【燃し木】
たき木。
燃す
も・す [0] 【燃す】 (動サ五[四])
もやす。「古い手紙を―・す」
[可能] もせる
燃やす
もや・す [0] 【燃やす】 (動サ五[四])
(1)燃えるようにする。焼く。たく。「紙を―・す」
(2)心や感情を高揚させる。「闘志を―・す」「血を―・す」
[可能] もやせる
燃やす
もやす【燃やす】
burn;→英和
kindle.→英和
燃ゆ
も・ゆ 【燃ゆ】 (動ヤ下二)
⇒もえる(燃)
燃ゆる土
もゆるつち 【燃ゆる土】
石炭・泥炭の類の総称。「越(コシ)の国―と燃ゆる水とをたてまつる/日本書紀(天智訓)」
燃ゆる水
もゆるみず 【燃ゆる水】
石油。「越(コシ)の国燃ゆる土と―とをたてまつる/日本書紀(天智訓)」
燃付く
もえつ・く [3] 【燃(え)付く】 (動カ五[四])
火がつく。火がうつって燃える。「ぬれていて,なかなか―・かない」
燃出す
もえだ・す [3] 【燃(え)出す】 (動サ五[四])
火が燃え始める。「勢いよく―・す」
燃尽きる
もえつ・きる [4] 【燃(え)尽きる】 (動カ上一)
すっかり燃えてしまう。燃焼しつくす。「火が―・きる」
燃広がる
もえひろが・る [5][0] 【燃(え)広がる】 (動ラ五[四])
火が広い範囲に燃え移る。「野火が―・る」
燃料
ねんりょう [3] 【燃料】
熱・光・動力を得るために燃焼させる材料。石炭・石油・天然ガス・まきなど。広義には核燃料も含む。
燃料
ねんりょう【燃料】
fuel.→英和
‖液(気,固)体燃料 liquid (gaseous,solid) fuel.燃料費 fuel expense.燃料棒 a <plutonium> fuel rod.
燃料ポンプ
ねんりょうポンプ [5] 【燃料―】
燃料タンクからバーナー・内燃機関などへ燃料を送るポンプの総称。特に,ディーゼル-エンジンで,燃料を燃料弁に送るポンプ。
燃料弁
ねんりょうべん [3] 【燃料弁】
燃料の流量を調節する弁の総称。特に,ディーゼル-エンジンで,燃料のシリンダーへの噴射制御弁。
燃料電池
ねんりょうでんち [5] 【燃料電池】
金属と電解質溶液とを用いないで,正極に酸素または空気,負極に水素・アルコール・炭化水素などを用いた電池。
燃残り
もえのこり [0] 【燃(え)残り】
燃えきらないで残っているもの。もえさし。
燃殻
もえがら [0] 【燃(え)殻】
燃えたあとに残るから。もえかす。
燃油
ねんゆ [0] 【燃油】
燃料用の油。
燃灯
ねんとう [0] 【燃灯・然灯】
(1)灯をともすこと。特に法会などで,供養のために灯をともすこと。
(2)「燃灯仏(ブツ)」に同じ。
燃灯仏
ねんとうぶつ [3] 【燃灯仏・然灯仏】
修行中の釈迦に,未来に仏となることを予言した過去の世の仏。釈迦は,この仏のために蓮の花を捧げ,また,歩きやすいように自分の髪の毛を泥道の上に敷いたという。錠光(ジヨウコウ)仏。
燃焼
ねんしょう【燃焼】
combustion.→英和
〜する burn.→英和
‖(不)完全燃焼 (im)perfect combustion.
燃焼
ねんしょう [0] 【燃焼】 (名)スル
(1)もえること。熱と光の発生を伴う激しい連鎖的な酸化反応。さらに激しい場合は爆発となる。酸化剤は普通は酸素であるが,塩素・フッ素などの場合もある。広義には,熱や光を伴わない酸化反応にもいい,また,原子炉内で進行する連鎖核分裂反応をもいう。
(2)(比喩的に)情熱やエネルギーのすべてを注ぎ込んで事にあたること。「生命を―し尽くす」
燃焼効率
ねんしょうこうりつ [5] 【燃焼効率】
燃焼によって発生した熱量の完全燃焼の値に対する百分率。石炭の燃焼などのように未燃焼部分や可燃性ガスを生ずる場合は100パーセントより小さい。
燃焼室
ねんしょうしつ [3] 【燃焼室】
(1)ボイラーや加熱炉などで,燃料を燃焼させるために設けた部分。
(2)内燃機関で,シリンダー・シリンダー-ヘッドおよびピストンの上面で囲まれた部分。
燃焼炉
ねんしょうろ [3] 【燃焼炉】
元素分析において,有機化合物の燃焼に用いる炉。
燃焼熱
ねんしょうねつ [3] 【燃焼熱】
物質が酸素と化合して完全燃焼したときに発生する熱量。普通,物質の1モルまたは1グラム当たりの熱量で表す。
燃犀
ねんさい [0] 【燃犀】
〔中国,東晋の温嶠(オンキヨウ)が犀の角を燃して牛渚磯(ギユウシヨキ)の深淵を照らして見たという「晋書(温嶠伝)」の故事から〕
物を鋭く見抜くこと。「―の眼(マナコ)を放つて,人心の奥の奥までも看破した智力/うづまき(敏)」
燃盛る
もえさか・る [4] 【燃(え)盛る】 (動ラ五[四])
(1)さかんに燃える。「―・る炎の中に飛び込む」
(2)情熱などが,激しく高まる。「―・る情熱」
燃眉
ねんび [1] 【燃眉】
眉(マユ)を焼くこと。事態の切迫していることのたとえ。ぜんび。焦眉。「―の急」
燃立つ
もえた・つ [3] 【燃(え)立つ】 (動タ五[四])
さかんに燃える。「火が―・つ」「夜の中に―・つ夕栄(ユウバエ)は/ふらんす物語(荷風)」
燃素
ねんそ [1] 【燃素】
⇒フロギストン
燃費
ねんぴ [0][1] 【燃費】
ある距離を走ったり,ある仕事をしたりするのに必要な燃料の量。自動車の場合は1リットルの燃料で走行できるキロ数で表す。燃料消費率。
燃費
ねんぴ【燃費】
mileage.→英和
燄燄
えんえん [0] 【燄燄】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)火が燃え始めてほのおが少し立ちのぼるさま。
(2)「えんえん(炎炎)」に同じ。「何時しか其火が燃移りて,―として燃上る/当世書生気質(逍遥)」
燋爛
しょうらん セウ― [0] 【燋爛・焦爛】 (名)スル
焼けてただれること。
燎原
りょうげん レウ― [0] 【燎原】
火をつけて野原を焼くこと。
燎原の火
りょうげん【燎原の火】
<spread like> wildfire.→英和
燎火
りょうか レウクワ [1] 【燎火】
かがり火。にわび。
燐
りん [1] 【燐】
〔phosphorus〕
窒素族元素の一。元素記号 P 原子番号一五。原子量三〇・九七。リン灰石などのリン酸塩として産する。常温では固体で,同素体として黄リン(または白リン)・黒リンのほか赤リンなどの相がある。殺鼠剤(サツソザイ)・農薬・マッチの製造に用いる。動物の骨や歯の構成成分で,かつリン酸エステルなどの形で ATP ・ DNA ・リン脂質など生体の重要な化合物の構成成分となる。
〔自然科学では「リン」と書く〕
燐
りん【燐】
《化》phosphorus.→英和
燐光
りんこう【燐光(を発する)】
(emit) phosphorescence.
燐光
りんこう [0] 【燐光】
(1)黄リンが空気中で酸化されて出す青白い光。
(2)ルミネセンスの一種。光を当てたのち光を取り除いても,発光が比較的長く残存する現象。
⇔蛍光
燐光体
りんこうたい [0] 【燐光体】
リン光を発する物質。アルカリ土類金属(カルシウムなど)の硫化物に微量の重金属(銅など)を混ぜたものなど。発光塗料として用いる。
燐化水素
りんかすいそ リンクワ― [4] 【燐化水素】
(1)ホスフィン。黄リンを水酸化ナトリウム水溶液とともに加熱すると発生する悪臭ある無色の気体。化学式 PH� 猛毒。燃えて五酸化二リンと水を生じる。水素化リン。この水素原子を炭化水素基で置換した化合物もホスフィンと呼ばれる。
(2)ジホスファン。リン化カルシウムと水の反応によって得られる揮発性の無色の液体。化学式 P�H� 自然発火性があり,光に当たるとホスフィンと固体リン化水素に分解する。
(3)固体リン化水素。黄色の粉末。化学式(P�H)�
燐安
りんあん [1] 【燐安】
燐酸(リンサン)アンモニウムの略。
燐火
りんか [1] 【燐火】
墓地・沼沢などで自然に燃える青白い火。リンが燃える現象という。鬼火。狐火。
燐灰ウラン石
りんかいウランせき リンクワイ― [6] 【燐灰―石】
ウランを含むリン酸塩鉱物。正方晶系に属し,鱗状・薄板状。淡黄色ないし黄緑色で,ガラス光沢がある。紫外線で黄緑色の強い蛍光を発する。花崗岩・ペグマタイト中に産する二次鉱物。人形峠(鳥取県と岡山県の県境)鉱山では,第三系の礫岩(レキガン)・砂岩中から採取された。
燐灰土
りんかいど リンクワイ― [3] 【燐灰土】
リン酸カルシウムに不純物の混じった土状集合物。白ないし灰褐色。または,リン灰石の土状集合体。
燐灰石
りんかいせき【燐灰石】
apatite.
燐灰石
りんかいせき リンクワイ― [3] 【燐灰石】
リン酸カルシウム(フッ素・塩素などを含む)を主成分とする鉱物。骨や歯の主要構成物。六方晶系,柱状または板状結晶。褐色・緑色・灰色,多くは半透明。各種岩石に含まれる。リンの主要鉱石。人工的にも合成され,人工骨・歯の材料とし,また感ガス・感湿センサーとして用いる。アパタイト。
燐肥
りんぴ [1] 【燐肥】
リン酸肥料のこと。
燐脂質
りんししつ [3] 【燐脂質】
複合脂質の一。リン酸エステルまたは炭素原子にリン原子が結合した構造を含む脂質の総称。生物体に広く存在し,生体膜の構成物質,代謝の中間物質として重要。レシチン(ホスファチジルコリン)・ホスファチジルエタノールアミンなど。ホスファチド。
燐蛋白質
りんたんぱくしつ [6] 【燐蛋白質】
リン酸を含むタンパク質の総称。牛乳に含まれるカゼイン,卵黄に含まれるホスビチン・ビテリンなど。
燐酸
りんさん [0] 【燐酸】
五酸化二リンに水を作用させて得る一連の酸の総称。普通,オルトリン酸(化学式 H�PO�)をいう。潮解性の無色柱状結晶。水に溶け,三価の酸として作用する。リン灰石を原料として製造され,リン酸肥料・医薬・洗剤などの原料として広く用いる。
〔自然科学では「リン酸」と書く〕
燐酸
りんさん【燐酸】
phosphoric acid.燐酸カルシウム calcium phosphate.燐酸肥料 phosphatic fertilizer.
燐酸アンモニウム
りんさんアンモニウム [8] 【燐酸―】
リン酸またはリン酸塩溶液にアンモニアを通じて得る無色柱状の結晶。化学式(NH�)�PO� 水に可溶。窒素・リンの肥料として用いる。リン安。
燐酸カルシウム
りんさんカルシウム [7] 【燐酸―】
天然にリン灰石の主成分として産出する水に不溶の白色無定形物質。化学式 Ca�(PO�)� 動物の骨や歯の主成分。陶磁器の釉(ウワグスリ),歯磨き粉などに用いる。リン酸石灰。
燐酸コデイン
りんさんコデイン [6] 【燐酸―】
⇒コデイン
燐酸塩
りんさんえん [3] 【燐酸塩】
リン酸の水素を金属元素で置換した塩。二水塩は水に可溶,一水塩・正塩はアルカリ金属塩とアンモニウム塩を除いては水に不溶または難溶。肥料・セラミックス材料・吸着剤・歯みがき基材・接着材などに用いられる。
燐酸肥料
りんさんひりょう [5] 【燐酸肥料】
リン酸を多く含む肥料。水に溶ける速効性のものとクエン酸によく溶けるものがある。過リン酸石灰・トーマスリン肥・骨灰・魚肥など。根の発育,茎・葉の生長や開花・結実を促進する。
燐鉱
りんこう [0] 【燐鉱】
⇒燐鉱石(リンコウセキ)
燐鉱石
りんこうせき [3] 【燐鉱石】
リン酸カルシウムを多量に含む鉱石。リン灰石・グアノなど。リンやリン酸肥料の原料。リン鉱。
燐鉱石
りんこうせき【燐鉱石】
phosphate ore.
燐青銅
りんせいどう [3] 【燐青銅】
銅合金の一。青銅にリンを添加して,内部の酸化物を除去し,0.5パーセント以下のリンを残留させ,強さ・靭性・耐食性を増大させたもの。軸受け,船舶のプロペラ,圧延板・ばねなどに利用。
燔祭
はんさい [0] 【燔祭】
古代ユダヤ教で,犠牲の動物を祭壇で焼き,神に捧げた儀式。
〔古代中国で,柴を焼き煙を上げて天をまつることを燔柴(ハンサイ)という〕
燕
つばめ【燕】
a swallow.→英和
燕
つばくら [0] 【燕】
ツバメ。つばくらめ。[季]春。
燕
えん 【燕】
(1)中国,戦国時代の七雄の一。周の武王の弟,召公奭(シヨウコウセキ)に始まる。現在の河北省北部を領有。薊(ケイ)(北京)に都した。昭王のとき,全盛を誇ったが,紀元前222年秦(シン)に滅ぼされた。
(2)中国,五胡十六国時代の国。前燕(307-370)・後燕(384-407)・西燕(384-394)・南燕(398-410)・北燕(409-436)の五国がある。
燕
つばめ 【燕】
新潟県中部,信濃川に臨む市。洋食器の生産で有名。近年,軽金属工業が発達。
燕
つばくろ [0] 【燕】
〔「つばくら」の転〕
ツバメ。[季]春。《―のゆるくとびをる何の意ぞ/虚子》
燕
つばくらめ [3][4] 【燕】
ツバメ。[季]春。「―の巣くひたらば告げよ/竹取」
燕
つばめ [0] 【燕】
(1)スズメ目ツバメ科の小鳥の総称。長い翼と二またに分かれた尾をもつ。速く飛ぶことができ,飛びながら昆虫を捕食する。世界各地に分布。ツバクラ。ツバクロ。ツバクラメ。玄鳥。[季]春。
(2){(1)}の一種。全長約17センチメートル。翼と尾が細長い。背面は金属光沢を帯びた青黒色で,腹面は白色。額と喉(ノド)は赤褐色。春,全国に渡来し,人家などに泥やわらで椀(ワン)形の巣を作って繁殖する。秋にフィリピン・マレー半島などに帰る。[季]春。
→イワツバメ
→コシアカツバメ
(3)年上の女の愛人になっている男。「若い―」
燕の巣
つばめのす [5][0] 【燕の巣】
「燕窩(エンカ)」に同じ。
燕万年青
つばめおもと [4] 【燕万年青】
ユリ科の多年草。深山の山林中に生える。葉は狭楕円形で根生。初夏,高さ20〜30センチメートルの花茎を立てて上半に白色の六弁花を十数個つける。秋,暗青色・球形の液果を結ぶ。
燕京
えんけい 【燕京】
〔周代に燕の都がここにあったことから〕
北京の古名・雅名。
燕出
えんしゅつ [0] 【燕出】
天子のおしのびの外出。「専行―を以て出遊す/万国公法(周)」
燕去り月
つばめさりづき [5] 【燕去り月】
陰暦八月の異称。
燕口
つばめぐち [3] 【燕口】
漆塗りの椀や折敷(オシキ)などで,ツバメの口のように外側を黒く,内側を赤く塗りわけてあるもの。「振舞にけつりちらせる花鰹椀も折敷も―なり/犬子集」
燕口
つばくろぐち 【燕口】
口を開くとツバメの尾のような形になる,布製携帯用の袋。つばくらぐち。
燕子花
かきつばた【燕子花】
《植》an iris.→英和
燕子花
かきつばた 【杜若・燕子花】
■一■ [3] (名)
〔古くは「かきつはた」〕
(1)アヤメ科の多年草。湿地に生える。ハナショウブに似るが葉は幅が広く,中脈は発達しない。高さ約70センチメートル。初夏,茎頂の苞の間に三個内外の濃青色・白色・斑入りなどの花を開く。かいつばた。かおよばな。[季]夏。《―似たりや似たり水の影/芭蕉》
(2)襲(カサネ)の色目の名。表は二藍(フタアイ),裏は萌黄(モエギ)。または,表は薄萌黄,裏は薄紅梅。陰暦四月に用いる。
(3)家紋の一。{(1)}の花と葉を図案化したもの。主に,公家の紋。
■二■ (枕詞)
「丹(ニ)つらふ」「佐紀」(地名)などにかかる。「―につらふ妹はいかにかあるらむ/万葉 1986」「―佐紀沢に生ふる菅の根の/万葉 3052」
杜若■一■(1)[図]
燕尾
えんび [1] 【燕尾】
(1)燕(ツバメ)の尾。
(2)鏃(ヤジリ)の一種。雁股(カリマタ)類の中の一つで,叉(マタ)の開きの狭いもの。
(3)「風帯(フウタイ){(2)}」に同じ。
(4)纓(エイ)の別名。もと,髻(モトドリ)を包む巾子(コジ)の根元をくくった紐の結び余りを二枚背後に垂らしたところからの名という。[和名抄]
燕尾仙翁
えんびせんのう [4] 【燕尾仙翁】
ナデシコ科の多年草。本州中部以北の山地に自生する。高さ80センチメートルに達し,長卵形の葉を対生する。夏,茎頂が数回分枝してその先端に深紅色の深い切れ込みのある五弁花をつける。
燕尾服
えんびふく [3] 【燕尾服】
男性の夜間用正式礼服。上着の前丈が短く,背の裾が長く先が二つに割れて燕の尾のようになっている。色は主に黒。共布のズボン,白のベスト,白の蝶ネクタイ,黒のエメナル靴などと組み合わせて着る。
燕尾服[図]
燕尾服
えんびふく【燕尾服】
a tail-coat.〜を着て in tails.
燕居
えんきょ [1] 【燕居】 (名)スル
〔「燕」は安んずる意〕
家にくつろいでいること。「地頭の出仕も相止め,―せる川勝/浄瑠璃・聖徳太子」
燕岳
つばくろだけ 【燕岳】
長野県北西部,飛騨山脈中部の山。海抜2763メートル。花崗岩から成り,山頂部一帯の砂礫地は特異な景観を呈する。槍ヶ岳への縦走路の起点。
燕巣
えんず [0] 【燕巣】
⇒燕窩(エンカ)
燕巣
えんそう [0] 【燕巣】
⇒燕窩(エンカ)
燕庵
えんあん 【燕庵】
京都市下京区にある藪内(ヤブノウチ)流宗家の茶席。はじめ古田織部の屋敷内にあったが,その没後初代藪内剣仲邸中に移築,さらに現在地に移った。三畳台目(ダイメ)と一畳の相伴(シヨウバン)席とからなり,江戸初期作の露地をもつ。
燕手
えんで [0] 【燕手】
歌舞伎の鬘(カツラ)の一。月代(サカヤキ)がのび,髷(マゲ)の両側へ燕(ツバメ)の翼のような形に張り出したもの。「伽羅先代萩(メイボクセンダイハギ)」の仁木弾正など,凄(スゴ)みのある役や敵役が用いる。えんでん。
燕手[図]
燕楽
えんがく [0] 【燕楽】
中国で古代から行われた宴会用の音楽。祭祀(サイシ)に奏せられた雅楽に対し,娯楽的要素を備えた俗楽。
→えんらく(燕楽)
燕楽
えんらく [0][1] 【宴楽・燕楽】
酒宴を開いて楽しむこと。うちとけて楽しむこと。
〔「えんがく」と読めば別語〕
燕水仙
つばめずいせん [4] 【燕水仙】
植物スプレケリアのこと。
燕然都護府
えんぜんとごふ 【燕然都護府】
中国唐代,ゴビ砂漠北方のトルコ系遊牧諸部族を統治するために設けられた役所。647年設置,663年瀚海都護府,669年安北都護府と改称。
燕石
えんせき [0] 【燕石】
(1)〔「山海経(北山経)」より。燕山から出る石の意〕
玉に似て,玉でない石。まがい物。
(2)〔「太平御覧(地部石上)」に引く「闞子」にみられる。宋の愚かな男が,燕石を宝石として大切に所蔵していて笑われた故事から〕
価値のないものを宝として誇ること。才のないものが慢心すること。
燕石十種
えんせきじっしゅ 【燕石十種】
随筆雑著集。三巻。達磨屋活東子編。1857〜63年成立。江戸時代の風俗・遊里・文学・奇事などに関する稀書六〇種を集めたもの。
燕石雑志
えんせきざっし 【燕石雑志】
随筆。五巻。曲亭馬琴著。1811年刊。漢籍から集録した「日の神」「古歌の訛」「鬼神余論」「俗呪方」などの諸編や,著者の見聞などが記される。
燕窩
えんか [1] 【燕窩】
中国南方の海岸にすむアナツバメが,唾液(ダエキ)でかためて作る巣。海藻や羽毛がまざる。中国料理の高級材料の一。湯でほぐすと銀糸のようになって舌ざわりがよく,滋養に富み,珍重される。燕窩菜(エンカサイ)。燕巣(エンズ)((エンソウ))。つばめのす。
燕算用
つばめざんよう 【燕算用】
合計すること。合算。つばめざん。「春はただ帰る雁がね追ひ��に本利そろゆる―/犬子集」
燕脂
えんじ [0] 【臙脂・燕脂】
(1)紅(ベニ)。
(2)「臙脂色」の略。
(3)「生臙脂(シヨウエンジ)」に同じ。
燕返し
つばめがえし [4] 【燕返し】
ある方向に振り出した刀のきっ先を,すばやく逆方向にひるがえして瞬時に斬る刀法。
燕銛
つばめもり [3] 【燕銛】
漁具の一。クジラ・イルカ・カジキなどを捕らえるのに用いる銛。
燕雀
えんじゃく [0][1] 【燕雀】
(1)ツバメとスズメ。
(2)度量の小さい人物のたとえ。
→鴻鵠(コウコク)
燕雀目
えんじゃくもく [4] 【燕雀目】
スズメ目の旧称。
燕雀類
えんじゃくるい [4] 【燕雀類】
(1)燕雀目の別名。
(2)ツバメ・スズメに代表される小鳥の一群をさす語。小鳥類。
燕雲十六州
えんうんじゅうろくしゅう 【燕雲十六州】
中国,五代の後晋(コウシン)の石敬塘(セキケイトウ)が936年,建国にあたって契丹(キツタン)に譲った地。「燕」は北京,「雲」は大同をさす。万里の長城の南側,現在の河北・山西両省の北部。
燕頷虎頸
えんがんこけい 【燕頷虎頸】
〔後漢書(班超伝)〕
燕(ツバメ)のような頷(アゴ)と,虎のような頭をしている人相。将来,遠国で諸侯となる相という。燕頷虎頭。
燕飲
えんいん 【宴飲・讌飲・燕飲】
さかもり。酒宴。「―声色を事とせず/徒然 217」
燕魚
つばめうお [3] 【燕魚】
(1)スズキ目の海魚。全長約50センチメートル。体は円形に近く著しく側扁する。チョウチョウウオに似て背びれとしりびれが大きい。体色は褐色で体側に三条の暗褐色の横帯が走る。観賞魚。南日本から熱帯にかけて分布。ヒコウキウオ。ツバクロダイ。
(2)トビウオの異名。
燕魚
つばくろうお [4] 【燕魚】
トビウオの異名。
燕鰶
つばめこのしろ [4] 【燕鰶】
スズキ目の海魚。体長50センチメートル程度。体は紡錘形で側扁する。胸びれは上下二つの部分に分かれ,下部は五本の細長い遊離した鰭条(キジヨウ)からなる。体側の鱗(ウロコ)に沿って暗色の縦条がある。南日本・西太平洋・インド洋域に分布。
燕鱏
つばくろえい [4] 【燕鱏・燕鱝】
エイ目の海魚。全長約1メートル。体は扁平で胸びれが著しく横に広がる菱形。尾は短い。体色は暗緑褐色。食用。本州中部以南に分布。チョウエイ。
燕鱝
つばくろえい [4] 【燕鱏・燕鱝】
エイ目の海魚。全長約1メートル。体は扁平で胸びれが著しく横に広がる菱形。尾は短い。体色は暗緑褐色。食用。本州中部以南に分布。チョウエイ。
燕麦
えんばく [0] 【燕麦】
イネ科の作物。麦の一種。ヨーロッパおよび西アジア原産の野生種を改良したもの。茎は中空で直立し,高さ1メートル内外。茎頂に円錐花序をつけ,緑色の小穂を下垂する。穎(エイ)に芒(ノギ)がない。種子は飼料とするほか,オートミールとして食用とし,またウイスキーの原料とする。明治初期に日本へ伝えられた。オートムギ。マカラスムギ。
燗
かん [0] 【燗】
酒をとっくりなどに入れて,あたためること。また,あたためた酒。「―をつける」「熱(アツ)―」
燗する
かん・する [3][0] 【燗する】 (動サ変)[文]サ変 かん・す
酒をあたためる。燗をつける。「ほどよく―・した酒」
燗をつける
かん【燗をつける】
warm sake.〜をして(しないで)飲む drink sake warm (cold).
燗冷まし
かんざまし [0][3] 【燗冷まし】
燗をしてのち再び冷えた酒。
燗場
かんば [0] 【燗場】
料理屋などで酒の燗をする所。
燗壜
かんびん [0] 【燗瓶・燗壜】
酒の燗をするための瓶。
燗徳利
かんどくり [3] 【燗徳利】
酒の燗をするのに用いる徳利。
燗瓶
かんびん [0] 【燗瓶・燗壜】
酒の燗をするための瓶。
燗番
かんばん [0][1] 【燗番】
酒の燗の具合をみる人。酒番。
燗酒
かんざけ [0] 【燗酒】
燗をつけた酒。
⇔冷や酒
燗酒を飲む
かんざけ【燗酒を飲む】
drink one's sake warm.
燗鍋
かんなべ [3][0] 【燗鍋】
酒を温めるのに用いる鍋。鉄製または銅製で鉉(ツル)が掛かり,注ぎ口と蓋(フタ)がある。
燠
おき [0] 【燠・熾】
(1)「おきび(熾火)」に同じ。「―をかき立てる」
(2)消し炭(ズミ)。
燠掻き
おきかき [4][3] 【燠掻き】
(1)おき火をかき寄せたり,かきたてたりする鉄製の道具。火かき。炭かき。
(2)おき火を運ぶための道具。十能(ジユウノウ)。[物類称呼]
燥ぎ過ぎ
はしゃぎすぎ [0] 【燥ぎ過ぎ】
さわぎすぎること。また,いい気になって大言壮語をすること。
燥ぐ
はしゃ・ぐ [0][2] 【燥ぐ】 (動ガ五[四])
(1)陽気になってさわぐ。「子供のように―・ぐ」
(2)いい気になって大きなことを言う。「企業規模拡大で一部上場などと―・いでいる」
(3)乾燥する。「ばさ��―・いで,流(ナガシ)も乾びて居る/婦系図(鏡花)」
[可能] はしゃげる
燦
さん [1] 【燦】 (ト|タル)[文]形動タリ
あざやかなさま。きらびやかなさま。「第三の世界は―として春の如く盪(ウゴ)いてゐる/三四郎(漱石)」「―たる灯火一斉に消え/あめりか物語(荷風)」
燦々と
さんさん【燦々と】
<shine> brilliantly.→英和
⇒燦爛(らん).
燦然
さんぜん [0] 【燦然・粲然】 (ト|タル)[文]形動タリ
鮮やかに輝くさま。明らかなさま。「頭上に―と輝く王冠」
燦然と
さんぜん【燦然と】
brilliantly.→英和
燦燦
さんさん [0] 【燦燦・粲粲】 (ト|タル)[文]形動タリ
美しく光り輝くさま。鮮やかに輝くさま。「太陽の光が―とふりそそぐ」
燦爛
さんらん [0] 【燦爛】 (ト|タル)[文]形動タリ
鮮やかに輝くさま。華やかで美しいさま。「黒ずんだメルトン地を背景に―と耀(カガ)やいてゐる/虞美人草(漱石)」
燦爛たる
さんらん【燦爛たる(と)】
brilliant(ly);→英和
bright(ly);→英和
dazzling(ly);radiant(ly).→英和
燧
すい [1] 【燧】
火打ち道具。ひうち。
燧
ひうち [3] 【火打ち・燧】
(1)火打ち石と火打ち金を使って火を打ち出すこと。また,その道具。火打ち石。
(2)和裁で,下着や夜着の袖下と脇の角に付ける三角形の襠(マチ)。また,ぶっさき羽織の背の割れ目につける三角布。
(3)土台や梁(ハリ)など,材木が水平に直交している部分のゆがみをなくすために斜めに架ける補強材。火打ち材。
燧
ひきり [3] 【火鑽り・火切り・燧】
よく乾燥したタブやスギなどを台木(火鑽り臼(ウス))とし,木の棒(火鑽り杵(ギネ))をあてて激しくもみ合わせ火をおこすこと。また,その道具。
燧ヶ岳
ひうちがたけ 【燧ヶ岳】
福島県南西端にある火山。海抜2356メートル。南西中腹に尾瀬沼・尾瀬ヶ原が広がる。
燧人
すいじん 【燧人】
中国の古伝説上の帝王。一説では三皇の一。木をすり合わせて火を起こし,調理することを人に教えたと伝える。燧人氏。
燧灘
ひうちなだ 【燧灘】
瀬戸内海中央部の海域。愛媛県の新居浜・伊予三島市などの北の海域で,北部は備後(ビンゴ)灘,西は来島(クルシマ)海峡で安芸灘となる。
燧烽
すいほう [0] 【燧烽】
のろし。烽火。
燧石
ひうちいし [3] 【火打ち石・燧石】
玉髄に似た石英の一種。ほぼ純粋のケイ質岩。色は黄・褐・紅色などで,質はすこぶる硬い。火打ち金と打ち合わせると火を発し,古来火付け道具として用いた。ひうちかど。
燧石
すいせき [1] 【燧石】
「火打ち石」に同じ。
燧箱
ひうちばこ [3] 【火打ち箱・燧箱】
(1)火打ち道具を入れておく箱。
(2)狭苦しい家をあざけっていう語。「家貧しくて身代は,薄き紙子の―/浄瑠璃・反魂香」
燧袋
ひうちぶくろ [4] 【火打ち袋・燧袋】
火打ち道具を入れて持ち運ぶための袋。
火打ち袋[図]
燧道具
ひうちどうぐ [4] 【火打ち道具・燧道具】
火をおこすのに用いた道具。火打ち石・火打ち金・火口(ホクチ)など。
燧鉄
ひうちがね [3] 【火打ち金・燧鉄】
火打ち石と打ち合わせて火を出すのに用いた三角形の鋼鉄片。火口金(ホクチガネ)。
燧鎌
ひうちがま 【火打ち鎌・燧鎌】
「火打ち金」に同じ。主に江戸で用いた語。「いびつなる面桶(メンツ)にはさむ―(惟然)/続猿蓑」
燭
ともしび [0][3] 【灯・灯火・燭】
(1)ともした明かり。とうか。ともし。「町の―」「風前の―」
(2)存在・実在などのあかしのたとえ。「生命の―が消えかかる」「平和運動の―を掲げる」
燭
しょく [1] 【燭】
(1)ともしび。あかり。
(2)光度の単位。一燭はほぼ1カンデラに等しい。1961年(昭和36)に廃止。燭光。
燭光
しょっこう シヨククワウ [0] 【燭光】
(1)あかり。ともしび。
(2)「燭{(2)}」に同じ。
燭光
しょっこう【燭光】
candlepower <c.p.> .
燭台
しょくだい [0] 【燭台】
蝋燭(ロウソク)を立ててともす台。蝋燭立て。
燭台[図]
燭台
しょくだい【燭台】
a candlestick.→英和
燭寸の詩
しょくすんのし [0] 【燭寸の詩】
〔南史(王僧孺伝)〕
詩才を試すために,蝋燭(ロウソク)が一寸ほど燃える短い間に作らせる詩。
燭影
しょくえい [0] 【燭影】
灯火の光。火影(ホカゲ)。
燭涙
しょくるい [0] 【燭涙】
蝋燭(ロウソク)からたれる蝋を涙に見たてていう語。「―ながくしたたりて/文づかひ(鴎外)」
燮理
しょうり セフ― [1] 【燮理・爕理】
(1)やわらげ治めること。
(2)宰相として国を治めること。「相公も―の暇には,時々読書をもなさるが/魚玄機(鴎外)」
燻
ふすべ 【燻】
ふすべること。
燻し
いぶし【燻し】
fumigation.〜銀 oxidized silver.〜銀のような sober and elegant <style of writing> .
燻し
いぶし [0] 【燻し】
(1)いぶすこと。
(2)硫黄(イオウ)などをいぶして金属の表面をくすませること。「―をかける」
(3)蚊やり火。
燻し染
いぶしぞめ [0][3] 【燻し染(め)】
革の染色法の一。松の根・藁(ワラ)などで革をいぶして焦げ茶・黄・ねずみ色に染める方法。近世では印伝(インデン)の技法の一つとなった。古く燻革(フスベガワ)の名で知られる。天平革も同様。
燻し染め
いぶしぞめ [0][3] 【燻し染(め)】
革の染色法の一。松の根・藁(ワラ)などで革をいぶして焦げ茶・黄・ねずみ色に染める方法。近世では印伝(インデン)の技法の一つとなった。古く燻革(フスベガワ)の名で知られる。天平革も同様。
燻し銀
いぶしぎん [0][3] 【燻し銀】
(1)硫黄をいぶして,表面の光沢を消した銀。また,その色。
(2)渋くて味わいのあるもの。「―の魅力」「―のような渋い技」
燻す
いぶす【燻す】
smoke;→英和
smoke out (蚊などを).
燻す
いぶ・す [2] 【燻す】 (動サ五[四])
(1)物を燃やして煙を出す。煙が多く出るように燃やす。「松葉を―・す」
(2)すすや煙で黒くする。「ガラスを―・す」
(3)蚊やり火をたく。
[可能] いぶせる
燻ずる
くん・ずる [0][3] 【燻ずる】 (動サ変)[文]サ変 くん・ず
いぶる。くすぶる。「庭中に―・ずる葉巻莨(シガー)の煙白く立つて/はやり唄(天外)」
燻ぶ
ふす・ぶ 【燻ぶ】 (動バ下二)
⇒ふすべる
燻ぶ
くす・ぶ 【燻ぶ】 (動バ下二)
⇒くすべる
燻ぶる
くすぶる【燻ぶる】
smoke;→英和
smolder;→英和
stay at home (家に);remain obscure (発展しない).
燻べる
くす・べる [3][0] 【燻べる】 (動バ下一)[文]バ下二 くす・ぶ
(1)煙が多く出るように燃やす。いぶす。くすぶらせる。「蚊やりを―・べる」
(2)人を責め苦しめる。いじめる。「世間の人がそしらうが,母者人が―・べうが/浄瑠璃・二つ腹帯」
〔「くすぶる」に対する他動詞〕
燻べる
ふす・べる [3] 【燻べる】 (動バ下一)[文]バ下二 ふす・ぶ
□一□(他動詞)
(1)燃え上がらないで煙が多く出るようにする。「松葉を―・べる」
(2)煙をあてて黒ずんだ色にする。いぶす。「革を―・べる」
(3)動物などに煙を当てて嫌がらせる。「蚊やりを―・べる」「主の鼻を―・べる時,主嫌がる/狂言・狐塚」
□二□(自動詞)
(1)くすぶる。いぶる。「夏なれば宿に―・ぶる蚊やり火の/古今(恋一)」
(2)嫉妬する。すねる。「思ふ人二人もちて,こなたかなた―・べらるる男/枕草子 157」
燻べ柿
くすべがき [3] 【燻べ柿】
⇒ふすべがき(燻べ柿)
燻べ梅
ふすべうめ [3] 【燻べ梅】
「烏梅(ウバイ)」に同じ。
燻べ革
くすべがわ [0][3] 【燻べ革】
⇒ふすべがわ(燻べ革)
燻ぼる
くすぼ・る 【燻ぼる】 (動ラ四)
「くすぶる(燻)」に同じ。
燻らかす
くゆらか・す 【燻らかす】 (動サ四)
くゆらせる。「火桶に侍従(=香ノ名)を―・して/源氏(初音)」
燻らす
くゆら・す [3] 【燻らす】
■一■ (動サ五[四])
煙を立てる。煙るように燃す。「葉巻きを―・す」「―・す香もわが命も消ゆる間近き薄煙/浄瑠璃・島原蛙合戦」
〔「くゆる」に対する他動詞〕
■二■ (動サ下二)
⇒くゆらせる
燻らす
くゆらす【燻らす】
smoke <a cigar> ;→英和
burn <incense> .→英和
燻らせる
くゆら・せる [4] 【燻らせる】 (動サ下一)[文]サ下二 くゆら・す
ゆるやかに煙をたてる。くゆらす。「紫煙を―・せる」
燻り出す
いぶりだ・す [4][0] 【燻り出す】 (動サ五[四])
いぶして中にいる虫・獣などを外に追い出す。いぶしだす。「狸(タヌキ)を―・す」
燻る
ふすぶ・る [3] 【燻る】 (動ラ五[四])
(1)くすぶる。「焼け残った柱がまだ―・っている」
(2)すすけて黒ずむ。「家の内は煤にて真つ黒に―・う/花間鶯(鉄腸)」
(3)志を得ないでいる。「田舎に―・っている」
燻る
いぶる【燻る】
smolder;→英和
be smoky (室などが).
燻る
いぶ・る [2] 【燻る】 (動ラ五[四])
よく燃えないで煙がたくさん出る。けぶる。くすぶる。「なま木が―・る」
燻る
くゆ・る [2] 【燻る・薫る】 (動ラ五[四])
(1)炎を出さずに燃えて,煙が立つ。ふすぼる。くすぶる。「タバコが―・る」
(2)表面に出さないで,心の中で思い悩む。「人しれぬ心のうちに燃ゆる火は煙は立たで―・りこそすれ/大和 171」
燻る
ふすぼ・る 【燻る】 (動ラ四)
(1)燃えないで煙がたつ。くすぶる。「明王の御頂より,猛火―・りいで,五体をつつめたまふ/曾我 7」
(2)(煙などのために)すすける。すすけて黒ずむ。「以ての外に―・りたる持仏堂にたてごもり/平家 3」
(3)やつれる。生気を失ったようになる。「アノ人ノ顔ガ―・ッタ/日葡」
燻る
くすぶ・る [3] 【燻る】 (動ラ五[四])
(1)火がよく燃えずに,煙ばかりが多く出る。くすぼる。「生乾きの枝が―・る」
(2)すすのために,黒くなる。すすける。くすぼる。「―・った天井」「―・つた茶わんが出た/洒落本・駅舎三反」
(3)家や田舎に引きこもって,目立った活動もしないで過ごす。世にうもれている状態で暮らす。「実家で―・ってる」
(4)もめごとなどがはっきりした解決をみないままになっていて,再び表面化しそうな状態である。「執行部に対する不満が―・っている」
(5)地位・境遇などが向上しないままでいる。「平(ヒラ)で―・っている」
〔「くすべる」に対する自動詞〕
燻室
くんしつ [0] 【燻室】
魚・獣肉の燻製を作るための部屋。
燻柿
ふすべがき [3] 【燻柿】
渋柿の皮をむいてかまどの上などにつるし,黒くふすべて甘くしたもの。あまぼし。くすべがき。烏柿。
燻煙
くんえん [0] 【燻煙】
物を燃して煙を出すこと。また,煙でいぶすこと。特に,薫製を作る時にいぶす煙。ナラ・カシなど脂(ヤニ)の少ない木の砕片を使う。「―室」
燻煙剤
くんえんざい [3][0] 【燻煙剤】
燃焼により有効成分を煙として,発散させ,殺虫・殺菌などを行う薬剤。蚊取り線香もこの一種。
燻煙法
くんえんほう [0] 【燻煙法】
(1)燻煙剤を用いて病害虫を駆除する方法。
(2)農業で,多量の煙を燃やして霜害を防ぐ方法。
燻肉
くんにく [0] 【燻肉】
薫製の肉。ベーコンなど。
燻蒸
くんじょう [0] 【燻蒸】 (名)スル
(1)いぶすこと。いぶって煙が立ちのぼること。「居酒屋から―する烟と/罪と罰(魯庵)」
(2)有毒ガスを発生させて,殺虫・殺菌を行うこと。
燻蒸
くんじょう【燻蒸】
fumigation.〜する fumigate;→英和
smoke.→英和
燻蒸剤
くんじょうざい [3][0] 【燻蒸剤】
燻蒸{(2)}に用いる揮発性の薬剤。クロロピクリン・臭化メチル・エチレンオキシドなど。
燻製
くんせい [0] 【薫製・燻製】
魚肉・獣肉などを塩漬けにし,脂(ヤニ)の少ないナラ・カシなどの木屑を焚いた煙でいぶしながら乾燥した保存性のある食品。独特の香味がある。
燻製の
くんせい【燻製の】
smoked <salmon> .
燻銀
ふすべぎん [0] 【燻銀】
硫黄の煙でいぶした銀。いぶし銀。
燻革
ふすべがわ [0] 【燻革】
松葉などの煙でいぶして着色した革。
燻顔
ふすべがお 【燻顔】
嫉妬するような顔つき。「―にてものし給ひけるかな/源氏(真木柱)」
燼
もえぐい [0] 【燃え杭・燼】
〔「もえくい」とも〕
燃え残りの木。もえさし。もえぼっくい。
燼余
じんよ [1] 【燼余】
燃え残り。燃えさし。余燼。
燼滅
じんめつ [0] 【燼滅】 (名)スル
焼きつくすこと。また,すっかり焼けてなくなること。滅びてなくなること。「或る勢力を傾覆し若(モシ)くは―するは/社会百面相(魯庵)」
燼灰
じんかい [0] 【燼灰】
(1)もえさしと灰(ハイ)。
(2)燃えてなくなること。灰燼。「―に帰す」
爆ず
は・ず 【爆ず】 (動ザ下二)
⇒はぜる
爆ぜる
は・ぜる [2] 【爆ぜる・罅ぜる】 (動ザ下一)[文]ザ下二 は・ず
満ちて勢いよく裂ける。また,割れてとびちる。はじける。破裂する。「栗が―・ぜる」
爆ぜる
はぜる【爆ぜる】
pop;→英和
burst open.
爆傷
ばくしょう [0] 【爆傷】
爆弾などの爆発によって受けた傷。爆創(バクソウ)。
爆圧
ばくあつ [0] 【爆圧】
爆発の際の爆風の圧力。
爆弾
ばくだん【爆弾】
a bomb.→英和
〜を投下する bomb.〜を投げつける throw a bomb <at> .‖爆弾犯人 a bomber.⇒爆撃.
爆弾
ばくだん [0] 【爆弾】
〔「爆裂弾」の略〕
(1)ダイナマイトや TNT を充填(ジユウテン)した爆発物。投下して爆発させ,人の殺傷や施設の破壊などを目的とする兵器。
(2)米・とうもろこしなどを密封し,加熱加圧して破裂させた食品。爆弾あられ。
(3)戦後に出回った,密造の粗悪な焼酎。
(4)ゆで卵を魚のすり身で包んで揚げたおでん種。
(5)突然で,しかも大きな影響・混乱を与えるようなもののたとえ。「―発言」「―声明」
爆弾霰
ばくだんあられ [5] 【爆弾霰】
「爆弾{(2)}」に同じ。
爆心
ばくしん [0] 【爆心】
爆発・爆撃の中心。「―地」
爆心地
ばくしんち【爆心地】
a hypocenter.
爆撃
ばくげき【爆撃】
bombing.〜する bomb <a town> .→英和
‖爆撃機 a bomber.
爆撃
ばくげき [0] 【爆撃】 (名)スル
航空機から爆弾などを落として攻撃すること。「基地を―する」
爆撃機
ばくげきき [4][3] 【爆撃機】
爆弾を積んで敵地に行き,上空から爆撃するための軍用機。
爆死
ばくし [0] 【爆死】 (名)スル
爆撃・爆発で死ぬこと。
爆死する
ばくし【爆死する】
be killed by a bomb.→英和
爆殺
ばくさつ [0] 【爆殺】 (名)スル
爆弾で殺すこと。
爆沈
ばくちん [0] 【爆沈】 (名)スル
艦船が爆発を起こして沈むこと。また,爆弾などで沈めること。
爆沈する
ばくちん【爆沈する】
blow up (and sink) (沈める).
爆然
ばくぜん [0] 【爆然】 (ト|タル)[文]形動タリ
大きな音で爆発するさま。「―たる鉄砲の声ありて/鉄仮面(涙香)」
爆煙
ばくえん [0] 【爆煙】
爆発による煙。
爆燃
ばくねん [0] 【爆燃】
内燃機関において,ガスの混合比・圧縮比などに不調が生じて,シリンダー内部の気体が爆発的に燃焼すること。機関に衝撃的な振動が加わる。
爆発
ばくはつ【爆発】
(an) explosion;→英和
(an) eruption (火山の).〜する(させる) explode;→英和
blow up;erupt (火山が).→英和
‖爆発物 an explosive.
爆発
ばくはつ [0] 【爆発】 (名)スル
(1)発熱を伴う急激な化学反応,気体や液体の急激な膨張や相変化,あるいは核反応の結果,急激に増大した圧力が瞬時に解放される現象。しばしば光・音響・衝撃波の発生や,機械的な破壊を引き起こす。「火薬が―する」「―音(オン)」
(2)内にこもっていた感情などが,一時に,激しい勢いで表に現れること。「怒りが―する」
爆発力
ばくはつりょく [4] 【爆発力】
物質が,ある条件下で瞬間的に燃焼・爆発するときの強さ。
爆発物
ばくはつぶつ [4] 【爆発物】
加熱や衝撃などにより爆発を起こす性質の物質。また,火薬類の総称。
爆発的
ばくはつてき [0] 【爆発的】 (形動)
短い間に急速に物事が行われたり広まったりするさま。「―に売れる」「―な人口増加」「―な人気をよぶ」
爆発範囲
ばくはつはんい [5] 【爆発範囲】
可燃性気体と空気・酸素などとの混合気体が点火により爆発を起こすような濃度または圧力の範囲。
爆発薬
ばくはつやく [4] 【爆発薬】
火薬類のうち,衝撃波による物体の破壊に主に利用されるもの。ピクリン酸・トリニトロトルエン( TNT )・ニトログリセリン・ダイナマイト・カーリットなど。爆薬。
爆砕
ばくさい [0] 【爆砕】 (名)スル
爆発物を用いてこなごなにこわすこと。「ビルを―する」
爆破
ばくは【爆破】
explosion;→英和
blowing up.〜する blow up.
爆破
ばくは [0][1] 【爆破】 (名)スル
爆薬を用いて破壊すること。「岩石を―する」「―作業」
爆竹
ばくちく [0] 【爆竹】
(1)竹や紙筒に火薬を詰め,火をつけて鳴らすもの。もと中国で,除夜から新年にかけて,青竹を焼いて音をたて鬼を追い払ったことに始まる。現在は正月のほか,祭日・祝日などにも用いて景気を添える。
(2)左義長(サギチヨウ)でたく火。
爆竹
ばくちく【爆竹(を鳴らす)】
(set off) a firecracker.→英和
爆笑
ばくしょう [0] 【爆笑】 (名)スル
大勢の人が一度にどっと笑うこと。「満場の人が―する」
爆笑
ばくしょう【爆笑】
a roar of laughter.〜する burst into laughter;burst out laughing.
爆管
ばっかん バククワン [0] 【爆管】
薬莢(ヤツキヨウ)内の発射薬に点火する装置。
爆米
はぜ [1] 【粶・爆米】
もち米を煎(イ)ってはぜさせたもの。近世,正月の蓬莱(ホウライ)台の下に敷いたり屋敷内にまいたりした。雛(ヒナ)の節句の菓子ともした。
爆薬
ばくやく [0] 【爆薬】
⇒爆発薬(バクハツヤク)
爆薬
ばくやく【爆薬】
(an) explosive.→英和
爆裂
ばくれつ [0] 【爆裂】 (名)スル
爆発し,破裂すること。「地雷が―する」
爆裂弾
ばくれつだん [4] 【爆裂弾】
爆弾の,明治時代の呼称。
爆裂火口
ばくれつかこう [5] 【爆裂火口】
火山の爆裂によって山体の一部が爆破された跡の火口。磐梯山(バンダイサン)はこの例。
爆裂薬
ばくれつやく [4] 【爆裂薬】
爆発薬の明治時代の呼称。
爆走
ばくそう [0] 【爆走】 (名)スル
自動車やオートバイなどが,ものすごい音を立てて走ること。
爆轟
ばくごう [0] 【爆轟】
爆発の際に火炎が音速を超える速さで伝播していく現象。大きな圧力変化を生じ,強い破壊作用がある。デトネーション。
爆雷
ばくらい [0] 【爆雷】
潜水艦攻撃用の兵器の一。水中に投下して一定の深さに達すると爆発する爆弾。
爆音
ばくおん [0] 【爆音】
(1)飛行機・オートバイなどのエンジンの発する大きな音。
(2)火薬・ガスなどの爆発する音。爆発音。
爆音
ばくおん【爆音】
a roar <of an engine> ;→英和
an explosion (爆発の).→英和
爆風
ばくふう [0] 【爆風】
爆発によって起こる強い風。
爆風
ばくふう【爆風】
a (bomb) blast.
爆鳴
ばくめい [0] 【爆鳴】
爆発音を発すること。また,その音。
爆鳴気
ばくめいき [3] 【爆鳴気】
水素二体積と酸素一体積との混合気体(水素爆鳴気)。点火すると,爆音を発して化合し,水を生ずる。その際,多量の熱を発する。また,水素一体積と塩素一体積との混合気体(塩素爆鳴気)も,同様にして塩化水素を生ずる。
爍爍
しゃくしゃく [0] 【灼灼・爍爍】 (ト|タル)[文]形動タリ
光り輝くさま。「日蓮の如き其威霊の―たる/獺祭書屋俳話(子規)」
爕理
しょうり セフ― [1] 【燮理・爕理】
(1)やわらげ治めること。
(2)宰相として国を治めること。「相公も―の暇には,時々読書をもなさるが/魚玄機(鴎外)」
爛らかす
ただらか・す 【爛らかす】 (動サ四)
ただれるようにする。ただらす。[日葡]
爛る
ただ・る 【爛る】 (動ラ下二)
⇒ただれる
爛れ
ただれ【爛れ】
a sore;→英和
an inflammation.→英和
爛れ
ただれ [0] 【爛れ】
ただれること。ただれた所。
爛れた
ただれた【爛れた】
sore;→英和
inflamed.
爛れる
ただ・れる [0] 【爛れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ただ・る
(1)炎症や傷などのため,皮膚や肉が破れ,くずれる。「薬品で―・れた皮膚」「腰もかがまり目も―・れにけり/竹取」
(2)生活が不健全でだらしなくなる。「―・れた生活」
爛れる
ただれる【爛れる】
be sore[inflamed].
爛れ目
ただれめ [0] 【爛れ目】
まぶたの縁が赤くただれる病気。眼瞼縁炎(ガンケンエンエン)。
爛れ目
ただれめ【爛れ目】
blear[sore]eyes.
爛柯
らんか [1] 【爛柯】
〔木こりの王質が四人の童子らの打つ碁をナツメを食べながら時を忘れて見ていると,斧の柯(エ)が爛(クサ)り,帰ってみると当時の人は誰もいなかったという「述異記」の故事による〕
囲碁にふけって時のたつのを知らぬこと。また,囲碁の別称。転じて,好きな遊びや物事に心を奪われて時のたつのを忘れること。
爛漫
らんまん [0] 【爛漫・爛熳】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)花の咲き乱れるさま。「桜花―」「―と咲く」「花の―たるも/世路日記(香水)」
(2)ありのままに輝き現れるさま。ひかり輝くさま。「天真―」「―としてふりそそぐ日の光」
[派生] ――さ(名)
爛漫と咲く
らんまん【爛漫と咲く】
be in full bloom;be at <their> best.
爛然
らんぜん [0] 【爛然】 (ト|タル)[文]形動タリ
あざやかに光り輝くさま。燦然(サンゼン)。「星斗(ホシ)は―と明らかに/天うつ浪(露伴)」
爛熟
らんじゅく [0] 【爛熟】 (名)スル
(1)果実が熟し過ぎること。「柿の実が―する」
(2)物事がその頂点にまで達すること。「天平文化の―期」
爛熟した
らんじゅく【爛熟した(文化)】
highly developed (culture).
爛熳
らんまん [0] 【爛漫・爛熳】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)花の咲き乱れるさま。「桜花―」「―と咲く」「花の―たるも/世路日記(香水)」
(2)ありのままに輝き現れるさま。ひかり輝くさま。「天真―」「―としてふりそそぐ日の光」
[派生] ――さ(名)
爛爛
らんらん [0] 【爛爛】 (ト|タル)[文]形動タリ
光の鋭く輝くさま。「―と目を光らせる」「―たる氷の刀(ヤイバ)に/滝口入道(樗牛)」
爛発
らんぱつ [0] 【爛発】 (名・形動)[文]ナリ
あざやかに現れる・こと(さま)。「才華―なる詩人/自然と人生(蘆花)」
爛脱
らんだつ [0] 【爛脱・乱脱】 (名・形動)
(1)書籍の一部が傷んだりして,文章に欠落や順序の混乱が生じ,文意が通じにくくなること。
(2)古代の漢文読解の方法。文意の通じにくい箇所の文の順序を入れ替えて,理解しやすくすること。
(3)生活が乱れているさま。「―ナヒト/日葡」
爛酔
らんすい [0] 【乱酔・爛酔】 (名)スル
ひどく酒に酔うこと。泥酔。「白昼に―して/三日月(浪六)」
爨
かしき [0] 【炊き・爨】
〔近世以降「かしぎ」とも〕
(1)炊事をすること。飯をたくこと。また,その場所。「―の煙」
(2)生活していく手だて。「―をつける」
(3)炊事をする役の者。特に,近世の廻船で炊事をした年少の者。船乗りになる第一段階であった。
爨ぐ
かし・ぐ [2] 【炊ぐ・爨ぐ】 (動ガ五[四])
〔古くは「かしく」〕
(めしなどを)たく。「饘(カタカユ)は塩を入れて―・いである/山椒大夫(鴎外)」
爪
つめ【爪】
a nail;→英和
a claw (動物の);→英和
a hoof (牛馬の);→英和
a plectrum (琴の);→英和
a claw (指輪の).〜をのばす(切る,染める) grow (cut,paint) one's nails.〜に火をともす lead a stingy life.〜の垢(あか)ほども <not> the least <kindness> .→英和
‖爪切り a nail clipper[nipper].爪切り鋏 (a pair of) nail scissors.爪やすり a nail file.
爪
つめ [0] 【爪】
(1)ヒトの手足の指先や爬虫類以上の脊椎動物の指趾の先端をおおう板状の角質の部分。ヒトの平爪,イヌ・ネコの鉤爪(カギヅメ),ウシ・ウマの蹄(ヒヅメ)など。「―を切る」「―でひっかく」
(2)琴を弾くとき,指先にはめる爪状の道具。琴爪。
(3)物を引っかけたりつりさげたりするもの。鉤(カギ)の類。
(4)けちで欲深いこと。「ほんにお前も―ぢやあなあ/歌舞伎・侠詞花川戸」
→爪の垢(アカ)(独立項目)
爪
つま 【爪】
爪(ツメ)の意。名詞や動詞の上に付いて,複合語として用いられる。「―先」「―音」「―弾く」
爪の垢
つめのあか [5] 【爪の垢】
(1)爪の間にたまったあか。
(2)きわめて分量の少ないことのたとえ。「―ほども不正はしていない」
爪上がり
つまあがり [3] 【爪上(が)り】
「爪先(ツマサキ)上がり」に同じ。「左へ切れると,すぐ岨道(ソバミチ)つづきの,―になる/草枕(漱石)」
爪上り
つまあがり [3] 【爪上(が)り】
「爪先(ツマサキ)上がり」に同じ。「左へ切れると,すぐ岨道(ソバミチ)つづきの,―になる/草枕(漱石)」
爪先
つまさき [0] 【爪先】
足の指の先。足先。「―で立つ」
爪先で立つ
つまさき【爪先で立つ(歩く)】
stand (walk) on tiptoe.爪先旋回 a pirouette.→英和
爪先上がり
つまさきあがり [5] 【爪先上(が)り】 (名・形動)
少しずつ登りになっている・こと(さま)。つまあがり。「―の山道」「―に登て見ると/武蔵野(独歩)」
爪先上り
つまさきあがり [5] 【爪先上(が)り】 (名・形動)
少しずつ登りになっている・こと(さま)。つまあがり。「―の山道」「―に登て見ると/武蔵野(独歩)」
爪先下がり
つまさきさがり [5] 【爪先下(が)り】 (名・形動)
少しずつ下りになっている・こと(さま)。つまさがり。
爪先下り
つまさきさがり [5] 【爪先下(が)り】 (名・形動)
少しずつ下りになっている・こと(さま)。つまさがり。
爪先立つ
つまさきだ・つ [5] 【爪先立つ】 (動タ五[四])
足の指先で伸び上がるようにして立つ。つまだつ。「―・って舞台を見る」「―・って歩く」
爪冠
つめかんむり [3] 【爪冠】
漢字の冠の一。「爰」「受」などの「爫」や「�」の部分。
→爪繞(ソウニヨウ)
爪切り
つめきり [3][0] 【爪切り】
爪の先を切る道具。刃先が爪形で金属製。
爪切り鋏
つめきりばさみ [5] 【爪切り鋏】
爪の先を切るのに用いる小さい鋏。
爪判
つめばん [0] 【爪判】
(1)「爪印(ツメイン)」に同じ。
(2)江戸時代,罪人が白状した口書(クチガキ)に押した爪印。
爪半月
つめはんげつ [3] 【爪半月】
「小爪(コヅメ){(1)}」に同じ。
爪印
つめいん [0] 【爪印】
親指の先に墨や印肉をつけておし,花押(カオウ)または印の代わりとしたもの。拇印(ボイン)。爪形。爪判(ツメバン)。
爪印
つまじるし [3] 【爪標・爪印】
書物の要所や不審の箇所に爪でつけておくしるし。[ヘボン]
爪外れ
つまはずれ [3] 【褄外れ・爪外れ】
裾(スソ)のさばき方。転じて,身のこなし。所作。「其―じんじやうにて,憔悴(ヤツレ)たれども鄙(イヤ)しからず/当世書生気質(逍遥)」
爪子
つまご [0] 【爪籠・爪子】
雪国で使う藁(ワラ)ぐつ。先端に藁製のおおいを付けてある草鞋(ワラジ)のようなもの。[季]冬。
爪引く
つまび・く [3] 【爪弾く・爪引く】 (動カ五[四])
(1)弦楽器を指先ではじいて鳴らす。「ギターを―・く」
(2)弓弦(ユヅル)を指先ではじいて鳴らす。「梓弓―・く夜音の遠音にも君が御幸を聞かくし良しも/万葉 531」
爪弾き
つまはじき [3] 【爪弾き】 (名)スル
〔仏家の「弾指(ダンシ)」から〕
(1)(不満・軽蔑・非難などの気持ちから)指先を親指の腹に当て,その指を強くはじくこと。「窃(ヒソ)かに独り―して,天を仰いでつぶやくやう/慨世士伝(逍遥)」
(2)他人を嫌って排斥すること。「世間から―される」
爪弾き
つまびき [0] 【爪弾き】 (名)スル
弦楽器を指先ではじいて鳴らすこと。つめびき。
爪弾き
つめびき [0] 【爪弾き】 (名)スル
⇒つまびき(爪弾)
爪弾きする
つまはじき【爪弾きする】
fillip;→英和
shun (排斥);→英和
scorn (軽蔑).→英和
爪弾く
つまびく【爪弾く】
play <a samisen> with one's fingers;pick <a guitar> .→英和
爪弾く
つまび・く [3] 【爪弾く・爪引く】 (動カ五[四])
(1)弦楽器を指先ではじいて鳴らす。「ギターを―・く」
(2)弓弦(ユヅル)を指先ではじいて鳴らす。「梓弓―・く夜音の遠音にも君が御幸を聞かくし良しも/万葉 531」
爪形
つめがた [0] 【爪形】
(1)爪の形。
(2)爪でつけたあと。
(3)「爪印(ツメイン)」に同じ。
爪折
つまおり [0] 【端折(り)・爪折(り)】
(1)つまおること。また,そのもの。
(2)「端折り傘」「端折り笠」の略。
爪折り
つまおり [0] 【端折(り)・爪折(り)】
(1)つまおること。また,そのもの。
(2)「端折り傘」「端折り笠」の略。
爪折る
つまお・る [3] 【端折る・爪折る】 (動ラ五[四])
(1)はしを折り曲げる。はしょる。
(2)指先で折る。「桜が枝を―・りて/浄瑠璃・十二段長生島台」
爪掛
つまがけ [0] 【爪掛(け)】
雨や泥をよけるために下駄・足駄の爪先にかけるおおい。つまかわ。
爪掛け[図]
爪掛け
つまがけ [0] 【爪掛(け)】
雨や泥をよけるために下駄・足駄の爪先にかけるおおい。つまかわ。
爪掛け[図]
爪擦り
つめこすり [3] 【爪擦り】
切った爪の角をこすってなめらかにする道具。木片に木賊(トクサ)を貼ったもの。または,細長いやすり状のもの。
爪木
つまぎ [0] 【爪木】
〔爪先で折る木〕
たきぎにするために折り取った細い枝。たきぎ。
爪楊枝
つまようじ【爪楊枝】
a toothpick.→英和
爪楊枝
つまようじ [3] 【爪楊枝】
食べ物をつきさして口に運んだり,食事のあとなどに歯にはさまったかすを除くのに用いる小形の楊枝。こようじ。「食後に―を使う」
爪標
つまじるし [3] 【爪標・爪印】
書物の要所や不審の箇所に爪でつけておくしるし。[ヘボン]
爪牙
そうが サウ― [1] 【爪牙】
(1)つめときば。相手を攻撃したり害を与えたりする武器・手段など。「―をみがく」「―にかかる」
(2)主君を守る家来。頼りとなる家来。輔弼(ホヒツ)の臣。そうげ。「蘭人の―たる老叔父を掩襲せんが為めに赴けり/浮城物語(竜渓)」
爪牙
そうが【爪牙】
claws and teeth; <fall into a person's> clutches.
爪琴
つまごと [2] 【爪琴・妻琴】
〔爪で弾くことから〕
箏の異名。
爪甲
そうこう サウカフ 【爪甲】
つめ。
爪痕
そうこん サウ― [0] 【爪痕】
つめでひっかいたあと。つめあと。
爪痕
つめあと [0] 【爪痕】
(1)爪でかいた傷あと。
(2)災害や事件などが残した被害のあと。「台風の―」
爪皮
つまかわ【爪皮】
a toe-cover <of a clog> (下駄の).
爪磨き
つめみがき [3] 【爪磨き】
爪を磨くこと。また,その道具。
爪立ち
つまだち [0] 【爪立ち】 (名)スル
足の爪先で立つこと。
爪立つ
つまだ・つ [3] 【爪立つ】
■一■ (動タ五[四])
爪先で立つ。「―・って見る」「足ヲ―・ツ/ヘボン」
■二■ (動タ下二)
⇒つまだてる
爪立つ
つまだつ【爪立つ】
⇒爪先(つまさき).
爪立て
つまだて [0] 【爪立て】 (名)スル
「つまだち(爪立)」に同じ。
爪立てる
つまだ・てる [4] 【爪立てる】 (動タ下一)[文]タ下二 つまだ・つ
足の爪先で立って,伸び上がるようにする。「足を―・てて,窓からのぞく」
爪籠
つまご [0] 【爪籠・爪子】
雪国で使う藁(ワラ)ぐつ。先端に藁製のおおいを付けてある草鞋(ワラジ)のようなもの。[季]冬。
爪糞
つめくそ [0] 【爪糞】
爪の間にたまったあか。爪のあか。
爪紅
つまくれない [4] 【爪紅】
(1)〔爪を赤く染めるのに用いたことから〕
ホウセンカの異名。[季]秋。
(2)〔端紅とも書く〕
扇や巻紙などの端を紅色に染めること。
爪紅
つまべに [0] 【爪紅】
婦人の化粧で,手の爪に紅を塗ること。
爪紅
つまぐれ [0] 【爪紅】
ホウセンカの異名。つまくれない。
爪紅台子
つまぐれだいす [5] 【爪紅台子】
台子の一。天地の板の面を紅漆で塗った及台子(キユウダイス)。炉に用いる。
爪縒る
つまよ・る 【爪縒る】 (動ラ四)
指先で矢をひねりながら,矢柄や羽・鏃(ヤジリ)などの具合を調べる。「簾の内に,矢を―・る音のするが/宇治拾遺 3」
爪繞
そうにょう サウネウ [0] 【爪繞】
漢字の繞(ニヨウ)の一。「爬」などの「爪」の部分。手でつかむ,などの意を表す文字を作る。
爪繰る
つまぐ・る [3][0] 【爪繰る】 (動ラ五[四])
指先で繰り動かす。「奥様は数珠(ズズ)を―・り乍(ナガ)ら唱へて居た/破戒(藤村)」
爪羽鶏
つめばけい [3] 【爪羽鶏】
キジ目の鳥。雌雄同色。頭上に赤褐色の冠羽があり,目の周りは鮮青色。雛(ヒナ)の翼に顕著な爪がある。南米のブラジル・コロンビア等に分布。
爪草
つめくさ [0] 【爪草】
ナデシコ科の一,二年草。道端・庭などに多い。高さ約7センチメートル。葉は対生し,線形で鳥の爪のように曲がる。四〜七月,葉腋に白色五弁の小花をつける。蒴果(サクカ)は楕円形。タカノツメ。
爪蓮華
つめれんげ [3] 【爪蓮華】
ベンケイソウ科の多年草。山地の岩上に生える。全体に多肉質。イワレンゲによく似るが,根出葉の先端は短いとげとなる。秋,高さ10センチメートル内外の花茎が出て,頂に穂状花序を立て白色の小花を密につける。
→いわれんげ
爪蛙
つめがえる [3] 【爪蛙】
無尾目の両生類。体長約9センチメートル。体色は黄褐色で不規則な暗色の大きな斑紋がある。指先がとがり,後肢の第一〜三指に爪状突起がある。水中で生活し,昆虫・小魚などを捕食するが,舌がないので,前肢で口へ送り込む。実験動物として飼育。アフリカ中部以南に広く分布。アフリカツメガエル。ゼノパス。
爪蜱
つめだに [0] 【爪蜱】
ダニ目ツメダニ科のダニの総称。体長0.7ミリメートル内外。他のダニ類を捕らえて体液を吸う。まれに人間を刺し皮膚炎をおこす。フトツメダニ・タタミツメダニ・ネコツメダニなど。
爪調べ
つましらべ [3] 【爪調べ】
琴などをひく前に,弦を調整するためにつまびくこと。
爪跡
つめあと【爪跡】
a nail mark;a scratch.→英和
爪車
つめぐるま [3] 【爪車】
鋸(ノコギリ)歯状の歯をもった歯車。逆転止めの爪と組み合わせて,一方向だけに回転するように作られている。置き時計のぜんまい巻き軸,貨車のハンド-ブレーキの逆転止めなどに用いる。ラチェット。
爪長
つめなが 【爪長】 (名・形動)
〔「爪に火をともす」のことわざから,火をともすために爪を長くする意〕
非常に欲深いこと。けちなこと。また,そのさま。そのような人をもいう。「内方は生れついての―でござれば/歌舞伎・五大力」
爪革
つまかわ [0] 【爪革】
「爪掛(ツマガ)け」に同じ。
爪音
つまおと [0] 【爪音】
(1)琴爪で琴をひく音。
(2)馬蹄(バテイ)の音。
爬具
はぐ [1] 【爬具】
泥砂をかきおこして貝などをとる漁具。
爬掻
はそう [0] 【爬掻】 (名)スル
つめで掻くこと。「只其地面を―するに過ぎずと雖も/民約論(徳)」
爬竜
はありい [1] 【爬竜】
沖縄各地で陰暦五月四日または害虫駆除の行事のときに行われる,船漕(コ)ぎ競走の行事。特に糸満では,豊漁祈願神事として盛行。
→ペーロン
爬羅剔抉
はらてっけつ [1] 【爬羅剔抉】
(1)〔韓愈「進学解」による。爪でかき集めえぐり出す意〕
隠れている人材を探し出して用いること。
(2)人の欠点をあばき出すこと。
爬虫類
はちゅうるい [2] 【爬虫類】
脊椎動物爬虫綱に属する動物の総称。全身が角質の表皮におおわれ,水分の蒸散が防がれている。肺呼吸をし,心臓は普通二心房二心室だが,心室間の中隔は不完全。卵生または卵胎生。変温動物。中生代には大型爬虫類(恐竜)が栄えた。現在はカメ・ワニ・トカゲ・ヘビなど約六千種を数える。
爬虫類
はちゅうるい【爬虫類】
《動》the reptiles.
爬行
はこう [0] 【爬行】 (名)スル
はって進むこと。
爰に
ここに [0] 【此処に・是に・爰に・茲に】
■一■ (副)
この時。この時点で。「本日―竣工式を挙行するにあたり」「二〇年の歳月を経て,今―完成」
■二■ (接続)
(1)前の話題を受けて,当然の結果として起こる事態を示す。それで。このように。「…とうたひたまひき。―其の御子聞き知りて驚きて/古事記(中訓)」
(2)話題を変える時に用いる語。さて。ところで。「―乗円坊の阿闍梨慶秀といふ老僧あり/平家 4」
爰許
ここもと 【此処許・爰許】 (代)
(1)近称の指示代名詞。話し手が現にいる場所,またその付近を指し示す。この辺り。「波ただ―に立ちくる心地して/源氏(須磨)」
(2)一人称の人代名詞のように用いる。ここにいる人。自分自身をいう。「―に言ひつけたることくさ物の名など/徒然 78」
爵
しゃく [1] 【爵】
(1)中国古代の温酒器。先の鋭い三本足をもつ。殷時代の青銅製の祭器がよく知られる。
(2)天子が諸侯・臣下に授与する社会的身分を表示する称号。周代には公・侯・伯・子・男の五等が諸侯に,卿・大夫・士の三等が臣下に与えられた。
(3)栄典の一。天皇から授与されていた華族の世襲的身分階級。1884年(明治17)の華族令により,公・侯・伯・子・男の五爵を制定。1947年(昭和22)に廃止。
爵位
しゃくい [1] 【爵位】
(1)爵とくらい。
(2)旧華族制度で,公・侯・伯・子・男の爵の階級。
爵位
しゃくい【爵位】
peerage;→英和
title.→英和
〜のある(ない)人 a titled (an untitled) person.
爵号
しゃくごう [2][0] 【爵号】
爵の称号。すなわち公・侯・伯・子・男。
爵封
しゃくほう [0] 【爵封】
爵位と封邑(ホウユウ)。身分と領地。
爵禄
しゃくろく [0] 【爵禄】
爵位と俸禄。
爵記
しゃっき シヤク― [1] 【爵記】
旧制で,受爵者や爵位が上がった者に交付する天皇親署の辞令書。
父
てて 【父】
〔「ちち」の転〕
ちち。父親。「屏風の絵の男を見ては,―とてぞ恋ひきこえ給ひける/栄花(月の宴)」
父
ちゃん [1] 【父】
〔近世江戸語以後,庶民の用いた語〕
父親を呼ぶ語。
父
しし 【父】
〔上代東国方言〕
父。
⇔あも
「旅行きに行くと知らずて母(アモ)―に言申さずて今ぞ悔しけ/万葉 4376」
父
かぞ 【父】
〔古くは「かそ」〕
父(チチ)。
⇔いろは
[和名抄]
父
ちち [2][1] 【父】
(1)親のうちの,男の方。実父・継父・養父の総称。
⇔母
「二児の―となる」
(2)新しい物事の開拓者。先駆者。また,偉大な貢献をした人。「近代経済学の―」「独立の―」
(3)キリスト教で,神の呼称。三位一体内の子キリストに対して父。
父
ちち【父】
a father.→英和
〜の(ような) fatherly;→英和
fatherlike;paternal.→英和
〜方の(親類) (a relative) on one's father's side.
父
ち 【父】
〔「ちち」「おぢ」などの「ち」〕
男子を敬っていう語。「醸(カ)みし大御酒(オオミキ)甘(ウマ)らに聞こしもちをせ我(マロ)が―/古事記(中)」
父き
ててき 【父き・父君】
「ててぎみ(父君)」の略。「―はうつくしうし給ふや/宇津保(蔵開中)」
父さん
とうさん [1] 【父さん】
〔「ととさん」の転〕
父親を敬っていう語。「とうさま」より親しみを感じさせる呼び方。「お」を伴って用いられることも多い。
⇔かあさん
父ちゃん
とっちゃん [3][1] 【父ちゃん】
子供が父親を呼ぶ語。「―背中を洗つてお呉れ/にごりえ(一葉)」
父ちゃん
とうちゃん [1] 【父ちゃん】
(1)幼児などが,父親を親しんで呼ぶ語。「お」を冠して用いられることも多い。
(2)親しい者どうしの間で,自分または他人の夫をさしていう語。
父ちゃん坊や
とっちゃんぼうや [5] 【父ちゃん坊や】
一人前の大人でありながら子供っぽい一面のある人をいう語。とっちゃん小僧。
父と子
ちちとこ 【父と子】
〔原題 (ロシア) Ottsy i deti〕
ツルゲーネフの長編小説。1862年刊。自然科学以外のあらゆる既成の権威を否定するニヒリストのバザーロフとロマンチックな旧世代との対立を通して,農奴解放前後のロシアの変動する姿を描く。「ニヒリスト」という言葉を流布させた。
父なし子
ててなしご【父なし子】
a fatherless child.
父の尉
ちちのじょう [2][1] 【父の尉】
能の「翁」の古い形に登場する役。世阿弥の頃には省略されるようになったが,現在も「父尉延命冠者(エンメイカジヤ)」という特殊演出の場合には登場する。また,その役に用いる面。
父の尉[図]
父の日
ちちのひ [2][1] 【父の日】
父に感謝をささげる日。六月の第三日曜日。アメリカの J = B =ドッド夫人の提唱により1910年に始まった。
⇔母の日
父の終焉日記
ちちのしゅうえんにっき 【父の終焉日記】
日記。一冊。小林一茶著。1801年,一茶三九歳の夏,父の発病から死去に至るまで約一か月間の看護日記。みとり日記。
父上
ちちうえ [2] 【父上】
父を敬っていう語。
⇔母上
父主
ちちぬし 【父主】
父を敬っていう語。父上。父君。「二人見る程に,―ふと寄り来たり/源氏(乙女)」
父事
ふじ [1] 【父事】 (名)スル
父に対するように,人に仕えること。
父兄
ふけい [2][1] 【父兄】
(1)父と兄。
(2)児童・生徒の保護者。
父兄
ふけい【父兄】
one's parents.父兄会 a parents' association;a PTA.→英和
父君
ててぎみ 【父君】
父の尊敬語。父上。ちちぎみ。「―の我を思ほしし時には/宇津保(菊の宴)」
父君
ててき 【父き・父君】
「ててぎみ(父君)」の略。「―はうつくしうし給ふや/宇津保(蔵開中)」
父君
ふくん [1][2] 【父君】
他人の父親を敬っていう語。父上。
父君
ちちぎみ [2] 【父君】
父を敬っていう語。父上。
父型
ふけい [0] 【父型】
活字の母型製作用の型。字づらを凸型に彫ったもので,母型材に打ち込んで母型を作る。
父大臣
ちちおとど 【父大臣】
父である大臣。「―の御筋さへ加はればにや品高く美しげなり/源氏(玉鬘)」
父子
ふし [1] 【父子】
父と子。
⇔母子
「―相伝」
父子契約
ふしけいやく [3] 【父子契約】
⇒親子契約
父子家庭
ふしかてい [3] 【父子家庭】
配偶者のない男性と,その扶養すべき二〇歳未満の子供からなる家庭。父子世帯。
父子草
ちちこぐさ [3] 【父子草】
キク科の多年草。山野に自生。茎は高さ20センチメートル内外で,線形の葉を互生。茎・葉裏とも白色の綿毛が密生。春,茎頂に茶褐色の小頭花を数個つける。ハハコグサに似るが,頭花の総苞片が褐色。
父島
ちちじま 【父島】
小笠原諸島の主島。東京都小笠原村に属し,面積24.5平方キロメートル。小笠原の主な官公署が置かれている。
父帰る
ちちかえる 【父帰る】
戯曲。一幕。菊池寛作。1917年(大正6)発表。20年前妻子を捨て愛人と出奔した父が零落して帰ってくる。母と弟妹は喜んで迎えようとするが長男だけは父を許さない。家族一人一人の複雑な心情と,憎しみを超えた肉親の愛情を描く。
父御
ててご 【父御】
父の敬称。ちちご。「此の子は,―の四十二の二つ子にて/浄瑠璃・鑓の権三(下)」
父御
ちちご [0] 【父御】
他人の父を敬っていう語。ててご。
⇔母御
父性
ふせい [0] 【父性】
父親としての本能や性質。
⇔母性
父性愛
ふせいあい [2] 【父性愛】
子に対する父親としての本能的な愛情。
⇔母性愛
父方
ちちかた [0] 【父方】
父の血筋に属すること。また,その親族。
⇔母方
「―のいとこ」
父様
ととさま [1] 【父様】
父を敬っていう語。おとうさま。父上。
⇔母様(カカサマ)
「いや―おれがかうして来るは/狂言記・貰聟」
父様
とっさま 【父様】
〔「ととさま」の転〕
父を敬っていう語。ちちうえ。「―かか様養ひませう/浄瑠璃・丹波与作(上)」
父権
ふけん【父権】
paternal rights.
父権
ふけん [0][2] 【父権】
(1)男がもつ家長権。
(2)父親がもつ親権。
⇔母権
父母
ふぼ [1] 【父母】
〔古くは「ぶも」とも〕
ちちとはは。両親。
父母
ふぼ【父母】
one's parents.〜会 a PTA.→英和
父母
かぞいろ 【父母】
「かぞいろは」に同じ。「―の契りは深きつばめだに/為忠集」
父母
ててはは 【父母】
父と母。ちちはは。「―,炭櫃(スビツ)に火などおこして待ちゐたりけり/更級」
父母
かぞいろは 【父母】
〔「いろは」は母の意。古くは「かそいろは」〕
父母。両親。かぞいろ。「よも山に木の芽春雨降りぬれば―とや花のたのまむ/千載(春上)」
父母
ぶも 【父母】
〔呉音〕
「ふぼ(父母)」に同じ。「―の恩を背くにも似たり/仮名草子・夫婦宗論物語」
父母
ちちはは [2][1] 【父母】
父親と母親。ふぼ。
父母の膝下にある
しっか【父母の膝下にある(を離れる)】
live under the (leave one's) parental roof.
父母恩重経
ぶもおんじゅうきょう 【父母恩重経】
一巻。初唐の頃,中国で作られた偽経。父母の恩がはかりしれないことを説く。数種の異本があり,日本でも広く流布した。
父母未生以前
ぶもみしょういぜん [1][4] 【父母未生以前】
〔仏〕
〔「ぶも」は「ふも」「ぶぼ」とも〕
禅宗の語。父や母すら生まれる以前のこと。相対的な存在にすぎない自己という立場を離れた,絶対・普遍的な真理の立場。「終始一貫―から只今に至るまで/吾輩は猫である(漱石)」
父無し子
ててなしご [4] 【父無し子】
「父(チチ)無し子」に同じ。
父無し子
ちちなしご [4] 【父無し子】
(1)父と死別して,母の手一つで育った子。ててなしご。
(2)父親がだれともわからない子。私生児。ててなしご。
父祖
ふそ [2][1] 【父祖】
父と祖父。また,先祖。「―の地に帰る」
父祖
ふそ【父祖】
ancestors.
父系
ふけい【父系】
the paternal line.
父系
ふけい [0] 【父系】
父方から伝わる系統。
⇔母系
父系制
ふけいせい [0] 【父系制】
父方の系統により所属する親族組織が決定される制度。地位・財産なども父系をたどり継承される場合が多い。
父系家族
ふけいかぞく [4] 【父系家族】
父方の系統にしたがって子供の集団帰属を決定する家族。
父老
ふろう [0] 【父老】
村の主立った老人。また,老人に対する尊称。老翁。老爺。
父者人
ててじゃひと テテヂヤ― 【父者人】
〔父である人の意。「者」は当て字〕
父を敬っていう語。ちちじゃひと。ててじゃもの。
父者人
ちちじゃひと チチヂヤ― 【父者人】
〔「父である人」の意。「者」は当て字〕
父を敬っていう語。
父親
ちちおや [0] 【父親】
男である親。男親。父。
⇔母親
父親
てておや [0] 【父親】
ちちおや。父。
父音
ふいん [0] 【父音】
「子音(シイン)」に同じ。
父音
ふおん [0] 【父音】
⇒子音(シイン)
爺
じい ヂイ [1] 【祖父・爺】
〔「じじ」の転〕
(1)父母の父を呼ぶ称。祖父。「―ちゃん」
(2)年老いた男。
爺
じじ ヂヂ [1] 【爺】
男の老人。じい。じじい。
⇔婆(ババ)
爺
じじい ヂヂイ [2] 【爺】
男の老人。じじ。また,男の老人をののしっていう語。
⇔ばばあ
爺が背
じいがせ ヂイ― [0] 【爺が背】
ヒザラガイの別名。
爺さん
じいさん ヂイ― [1] 【祖父さん・爺さん】
(1)祖父。じいさま。おじいさん。
(2)年をとった男子。じいさま。おじいさん。
爺むさい
じじむさ・い ヂヂ― [4] 【爺むさい】 (形)[文]ク ぢぢむさ・し
〔近世以降の語〕
(1)容姿や服装などが年寄りじみていて,むさくるしい。「―・い服装」
(2)若さや活気がなく,年寄りくさい。じじくさい。「―・い考え」
爺や
じいや ヂイ― [1] 【爺や】
年とった男の召し使い。また,その人を親しんで呼ぶ語。
⇔ばあや
爺婆
じじばば ヂヂ― [1][2] 【祖父祖母・爺婆】
(1)祖父と祖母。《祖父祖母》
(2)年老いた男と女。老人の男女。《爺婆》
(3)シュンランの異名。
爻
こう カウ [1] 【爻】
易(エキ)の卦(ケ)を組み立てる横画。「�」を陽,「�」を陰とする。
→八卦(ハツケ)
爻辞
こうじ カウ― [1] 【爻辞】
爻について説明したことば。
爼
まないた【爼】
a cutting board;a chopping block (厚い).
爼上に載せる
そじょう【爼上に載せる】
take up <a subject> for discussion.
爽やか
さわやか サハ― [2] 【爽やか】 (形動)[文]ナリ
(1)ほどよく冷たくさっぱりしていて気持ちがよいさま。[季]秋。「―な秋の日」「―な笑顔」「一種清涼の気は人の気を―にして/あひびき(四迷)」
(2)はっきりしているさま。明快なさま。「弁舌―な青年」「声いと―にて/源氏(真木柱)」
(3)鮮やかなさま。見事なさま。「三浦の一党が鎧(ヨロイ)―なりし当時を思ふに/ふところ日記(眉山)」
(4)いさぎよいさま。「―に腹を切らんずる物を/太平記 9」
[派生] ――さ(名)
爽やかな
さわやか【爽やかな】
(1)[気分]refreshing;→英和
bracing.(2)[言葉・声]clear <voice> ;→英和
fluent <tongue> ;→英和
flowing <eloquence> .
爽やぐ
さわや・ぐ サハ― 【爽やぐ】
■一■ (動ガ四)
さわやかになる。気分がよくなる。「はればれしからぬ空のけしきに,え―・ぎ給はねど/源氏(若菜下)」
■二■ (動ガ下二)
さわやかにする。「仏の御しるしいと尊し。今しばし―・げてわたし奉れ/寝覚 2」
爽らか
さわらか サハ― 【爽らか】 (形動ナリ)
さわやかなさま。こざっぱりしたさま。「小舎人童,小さくて髪いとうるはしきが,筋―に/枕草子 54」
爽快
そうかい サウクワイ [0] 【爽快】 (名・形動)[文]ナリ
さわやかで気持ちのよい・こと(さま)。「―な目覚め」
[派生] ――さ(名)
爽快な
そうかい【爽快な】
refreshing;→英和
bracing;exhilarating.〜になる feel refreshed.
爽昧
そうまい サウ― [0] 【爽昧】
夜明け。昧爽(マイソウ)。
爽気
そうき サウ― [1] 【爽気】
(1)さわやかな空気。
(2)さわやかな気分。すがすがしい気分。
爽涼
そうりょう サウリヤウ [0] 【爽涼】 (名・形動)[文]ナリ
気候がさわやかで涼しいこと。また,そのさま。清涼。「―な朝風」
[派生] ――さ(名)
爽然
そうぜん サウ― [0] 【爽然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)心身のさわやかなさま。爽快なさま。「―として清風を仰ぎしか/緑簑談(南翠)」
(2)がっかりするさま。ぼんやりするさま。「岸上に佇立して手を拱(コマヌ)き意気―として/花柳春話(純一郎)」
爽秋
そうしゅう サウシウ [0] 【爽秋】
さわやかで心地よい秋。「―の候」
爽籟
そうらい サウ― [0] 【爽籟】
さわやかな秋風のひびきをいう語。[季]秋。
爾
しか 【然・爾】 (副)
(1)そのように。そう。「このころは千年や行きも過ぎぬると我や―思ふ見まく欲りかも/万葉 686」
(2)感動詞的用法。相手の言葉を受けて,あいづちを打ったり,承諾の意を表すとき用いる。そうだ。はい。「生むこと奈何(イカニ)とのりたまへば,伊邪那美命,―善けむと答へたまひき/古事記(上訓)」「童,―,五六たびばかりは見奉りたり,と答ふ/今昔 20」
爾
なんじ ナンヂ [1][0] 【汝・爾】 (代)
〔「汝(ナ)」に「貴(ムチ)」が付いてできた「なむち」の転〕
二人称。多く対等の人,またはそれ以下の人に対して用いられ,中世以降は目下の人や親しい人を呼ぶのに用いられるようになった。現代語では主として文語的な言い回しに用いられる。「―ごときにわかるものか」「―の隣人を愛せよ」「―が持ちて侍るかぐや姫奉れ/竹取」
〔これは,本来,相手を尊敬して呼んだ語と考えられる〕
爾く
しかく [2] 【然く・爾く】 (副)
〔古くは漢文訓読に用いられた語〕
そのように。そんなに。「―平気な男も時々は歓楽の飽満に疲労して/門(漱石)」
爾云
しかい・う 【爾云・云爾】
⇒「しか(然)」の句項目
爾今
じこん [1] 【自今・爾今】
今からのち。以後。「―は一切禁止する」
爾余
じよ [1] 【自余・爾余】
それ以外。そのほか。「―は想像にまかせる」「松前―の藩兵も/近世紀聞(延房)」
爾後
じご【爾後】
since then;from then on.⇒今後.
爾後
じご [1] 【爾後】
その後。それ以来。副詞的にも用いる。「―の予定」「―奸人も亦詭計を用ゐて/経国美談(竜渓)」
爾来
じらい [1] 【爾来】 (副)
それ以来。その後。「愈(イヨイ)よ本雇ひに為し―段々引立て軍曹とまで登らせ/鉄仮面(涙香)」
爾汝
じじょ [1] 【爾汝】
人を軽んじて,また親しみをもって呼び捨てにすること。「―の間柄」
爾雅
じが 【爾雅】
中国最古の辞書。三巻。経書,特に詩経の訓詁解釈の古典用語を収集整理したもの。紀元前二世紀頃成立。現存の書は釈詁・釈言・釈訓など一九編に分類されている。十三経の一。
爾霊山
にれいさん 【爾霊山】
中国,遼東半島の旅順の西にある二〇三高地の音訳名。日露戦争の際,乃木将軍が命名。
爿偏
しょうへん シヤウ― [0] 【爿偏】
漢字の偏の一。「牀」「牆」などの「爿」の部分。木の台・製品などに関する文字を作る。
牀
しょう シヤウ 【牀・床】
■一■ [1] (名)
(1)ねどこ。
(2)ゆか。「―ニフス/ヘボン」
■二■ (接尾)
助数詞。病院などで,病人用のベッドの数を数えるのに用いる。
牀下
しょうか シヤウ― [1] 【床下・牀下】
(1)ゆかした。
(2)ねどこの下。また,ねどこ。「病を扶けて―に坐す/太平記 27」
牀几
しょうぎ シヤウ― [0][1] 【床几・牀几・将几】
(1)折り畳み式の腰掛け。脚を打ち違えに組み,革・布などを張って尻を乗せるようにしたもの。室内の臨時の座や,野外の腰掛けとして用いる。
(2)細長い板に脚を付けた,簡単な腰掛け。「―で夕涼みする」
床几(1)[図]
牀榻
しょうとう シヤウタフ [0] 【床榻・牀榻】
寝台。また,腰掛け。
牆
かき [2] 【垣・牆】
家の周囲や庭などを囲ったり仕切ったりする,竹・木・石などで作ったくぎり。かきね。
牆下
しょうか シヤウ― [1] 【牆下】
垣根のもと。
牆壁
しょうへき シヤウ― [0] 【牆壁・墻壁】
(1)石・煉瓦(レンガ)・土などで築いた塀。
(2)へだてるもの。じゃま。
片
へん 【片】 (接尾)
〔促音・撥音のあとに付くときは「ぺん」となる〕
助数詞。物の切れはし,花びらなどを数えるのに用いる。「牡丹散て打かさなりぬ二三―/蕪村句集」
片
かた 【片】 (接頭)
〔「かた(方)」と同源〕
名詞に付く。
(1)
(ア)二つそろったものの一方の意を表す。「―親」「―思い」「―敷く」
(イ)すくない,わずかである意を表す。「―時」
(ウ)完全でない意を表す。「―言(コト)」
(エ)中心より離れ,一方に寄っている,へんぴである意を表す。「―田舎」「―山里」
(2)〔上代の用法〕
動詞に付いて,ひたすらそれをするさまを表す。「―待つ」「―設(マ)く」
→片や
片
ひら 【片・枚】 (接尾)
〔「ひら(平)」と同源〕
助数詞。花弁・葉・紙などのような,薄くて幅広く,平らなものを数えるのに用いる。枚(マイ)。「一―の花弁」
片し
かたし 【片足・片し】
〔「かたあし」の転〕
(1)片方の足。「お里は踏脱(クツヌギ)へ―おろして/人情本・閑情末摘花」
(2)対になっているものの片方。また,半分。「くろ箱のふたも―落ちたる硯/枕草子(二一九・能因本)」
(3)ほんのわずかの物。少しの物。「食物等―なければ/四河入海 14」
片しゃぎり
かたしゃぎり [3] 【片しゃぎり】
歌舞伎の下座の一。松羽目物や口上などの幕開き,大時代物の幕切れなどに用いる。太鼓・大鼓・小鼓・能管などを用い,太鼓を右ばちの片方で流す手法が特徴。
片し片し
かたしがたし 【片し片し】
履物など対になっているものの片方が違っていること。「―の奈良草履/浮世草子・五人女 3」
片し目貫
かたしめぬき [4] 【片し目貫】
(1)もともと,裏表一対あった目貫が片方だけになったもの。
(2)一対の目貫の片方が造りを異にしているもの。
片す
かた・す [2] 【片す】 (動サ五[四])
物を他の場所に移す。どける。また,かたづける。「おもちゃを―・す」「其所を―・して盥(タレイ)をあげろ/塩原多助一代記(円朝)」
片ちぐ
かたちぐ 【片ちぐ】 (名・形動)
対をなすものが,ふぞろいな・こと(さま)。ちぐはぐ。ふぞろい。「―に片枝は蕾,片枝は開きそめたる花衣/浄瑠璃・五十年忌(中)」
片っ方
かたっぽう [2] 【片っ方】
「かたほう」の促音添加。かたっぽ。
片っ端
かたっぱし [0] 【片っ端】
「かたはし」の促音添加。
片っ端から
かたっぱしから 【片っ端から】 (副)
はしから次々に。手当たり次第に。無差別に。かたはしから。「―投げつける」「―けちをつける」
片っ端から
かたっぱし【片っ端から】
⇒片端(かたはし).
片つ方
かたつかた 【片つ方】
(1)二つ一組のもののどちらか一方。片一方。片側。「御手,―をばひろげたるやうに/更級」
(2)いま一つの方。他方。「きびしき―(=本妻)やありけむ/堤中納言(このついで)」
(3)かたすみ。かたはし。「御たたう紙の―に/源氏(空蝉)」
片や
かたや 【片や】 (連語)
(1)片一方は。「―五期連続の名人,―新進気鋭の四段」
(2)相撲で,行司が力士を土俵上で名を呼び上げて,名指す時に用いる語。
片一方
かたいっぽう [3] 【片一方】
二つのうちの一つ。片方。
片三輪
かたみつわ [3] 【片三輪】
江戸時代,女性の髪の結い方。三輪髷(マゲ)の片方を切り離して若衆髷のようにしたもの。
片上
かたかみ 【片上】
姓氏の一。
片上伸
かたかみのぶる 【片上伸】
(1884-1928) 文芸評論家・露文学者。愛媛県生まれ。号,天弦。早大卒。自然主義評論から生命主義,人道主義に傾斜,ロシア留学後はプロレタリア文学理論を紹介。著「生の要求と文学」「思想の勝利」など。
片下がり
かたさがり [3] 【片下(が)り】
(1)片方が下がっていること。
(2)着物の裾の一方が下がっていること。
片下り
かたさがり [3] 【片下(が)り】
(1)片方が下がっていること。
(2)着物の裾の一方が下がっていること。
片下ろし
かたおろし [3] 【片下ろし】
古代歌謡のうたい方の一。本(モト)と末(スエ)に分かれてうたうとき,一方の調子を下げてうたうこと。また,そのようなうたい方をする歌謡の曲名。
片乱雲
へんらんうん [3] 【片乱雲】
乱層雲のちぎれたもの。多く,雨や雪が降り出す前後に低空に現れる。
片仕舞ひ
かたじまい 【片仕舞ひ】
遊女を買うのに,昼または夜の一方だけ買い切ること。「―で一分二朱/滑稽本・膝栗毛 3」
片付く
かたづく【片付く】
(1)[整理]be put in order.(2)[完結]be finished.(3)[処理]be settled;be disposed <of> ;get[be]married <to> (縁づく).
片付く
かたづ・く [3] 【片付く】
〔「かたつく」とも〕
■一■ (動カ五[四])
(1)(散らかっていた)物が置かれるべき所にきちんと置かれる。「机の上がきちんと―・いている」「部屋が―・く」
(2)物事が解決・決着する。片がつく。「事件が―・く」「この仕事が―・くまで帰れない」
(3)〔「嫁く」とも書く〕
娘が嫁に行く。縁づく。「娘が―・く」
(4)他の人に付き添う。「つれ衆には天神―・き/浮世草子・一代女 2」
(5)片側が何かに接する。「谷―・きて家居れる/万葉 4207」
〔「片付ける」に対する自動詞。(5)が原義〕
■二■ (動カ下二)
⇒かたづける
片付け
かたづけ [0] 【片付け】
散らかっているものを整理すること。「部屋の―をする」
片付ける
かたづ・ける [4] 【片付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 かたづ・く
(1)物が散乱している場所をきちんと整頓する。「机の上を―・ける」「部屋を―・ける」
(2)置かれている物や散乱している物を収納したり,捨てたりする。「布団を―・ける」「がらくたを―・ける」
(3)物事を処理・解決する。決着をつける。「これを―・けたら,次の仕事にかかります」「宿題を―・ける」「提案は実現不可能の一言で―・けられた」
(4)じゃまな者を取りのぞく。殺す。「裏切り者は―・けろ」
(5)〔「嫁ける」とも書く〕
娘を嫁にやる。嫁入りさせる。「娘を―・けるまでは落ちつきません」
(6)片方に寄せる。[ヘボン]
〔「片付く」に対する他動詞〕
片付ける
かたづける【片付ける】
(1)[整理]put <things> in order;clear[put]away (しまう).
(2)[完結]finish.→英和
(3)[処理]dispose of <a matter> ;settle <a problem> ;→英和
marry (off) <one's daughter> (縁づける);→英和
kill;→英和
do away with (殺す).
片付け物
かたづけもの [0] 【片付け物】
物を整理したり,元の場所に収めること。「―をする」
片仮名
かたかな【片仮名】
the square form of kana[the Japanese syllabary].
片仮名
かたかんな 【片仮名】
「かたかな」に同じ。「一には―,ひとつは葦手/宇津保(蔵開中)」
片仮名
かたかな [3] 【片仮名】
〔「かたかんな」の転。「かた」は不完全の意。多く漢字の画の一部分より作られたのでこの名がある〕
仮名の一種。万葉仮名として用いられた漢字の一部分,あるいは画数の少ない漢字の全画より作られた音節文字。平安初期,漢文訓読に用いられたものが起源。1900年(明治33)の「小学校令施行規則」改正で種々の異字体を廃し現行字体に統一された。現在は主に外来語・擬声語・擬態語などの表記に用いられる。大和(ヤマト)仮名。五十音仮名。略体仮名。
→仮名
→平仮名
片仮名語
かたかなご [0] 【片仮名語】
片仮名で表記される語。主として,外来語。
片便り
かただより [3] 【片便り】
便りをしても相手からは返事がないこと。また,便りのすべが一方にしかないこと。片便宜(カタビンギ)。「―なれば,此の返しもせずなりぬ/為忠集」
片便宜
かたびんぎ 【片便宜】
「片便(カタダヨ)り」に同じ。「古郷の―になほ気をなやまし/浮世草子・武道伝来記 1」
片倉
かたくら 【片倉】
姓氏の一。
片倉兼太郎
かたくらかねたろう 【片倉兼太郎】
(1849-1917) 実業家。長野県生まれ。洋式の製糸工業を興し,片倉財閥の基礎を築いた。
片偏
かたへん [0] 【片偏】
漢字の偏の一。「版」「牒」などの「片」の部分。板の状態・製品などの意を表す文字を作る。
片側
かたがわ [0] 【片側】
物事の一方の側。片方の側。
⇔両側
「―通行」
片側
かたそば 【片側・片傍】
(1)物の一方のはし。片はし。「よしある岩の―に/源氏(明石)」
(2)物事の一部分。一面。一端。「日本紀などはただ―ぞかし/源氏(蛍)」
片側
かたがわ【片側(に)】
(on) one side.‖片側通行 one-way traffic.片側通行止 <掲示> No Thoroughfare on This Side.
片側町
かたがわまち [4] 【片側町】
道の一方の側にばかり家の建ち並んでいる町。片町。片通。
片側破り
かたがわやぶり 【片側破り】
前後の見境もなく向こう見ずに押し通そうとする性質。また,その人。「―の猪(イノシシ)武者/太平記 38」
片側音
かたがわおん [4] 【片側音】
〔unilateral〕
舌尖(ゼツセン)で歯から後部歯茎のあたりをしっかりと閉鎖し,呼気を舌の片側から抜くようにして作られる言語音。へんそくおん。
片側音
へんそくおん [4] 【片側音】
⇒かたがわおん(片側音)
片傍
かたそば 【片側・片傍】
(1)物の一方のはし。片はし。「よしある岩の―に/源氏(明石)」
(2)物事の一部分。一面。一端。「日本紀などはただ―ぞかし/源氏(蛍)」
片刃
かたは [0] 【片刃】
〔「かたば」とも〕
刃物で,片面または片側だけに刃が付いていること。また,そのもの。
⇔諸刃(モロハ)
片刃の
かたは【片刃の】
single-edged <blade> .
片切刃造り
かたきりばづくり [6] 【片切刃造り】
刀身の片側が平造りで,反対側が切刃造りのもの。差し表が平造りとなる。
片切彫
かたぎりぼり [0] 【片切彫(り)】
彫金法の一。金属面に絵模様を表すのに,線の片側を面に垂直に彫り,他の片側を斜めに彫るもの。横谷宗珉の創始。
片切彫り
かたぎりぼり [0] 【片切彫(り)】
彫金法の一。金属面に絵模様を表すのに,線の片側を面に垂直に彫り,他の片側を斜めに彫るもの。横谷宗珉の創始。
片利共生
へんりきょうせい [4] 【片利共生】
一方が利益を受けるが,他方は利益も害も受けないような共生。ナマコとカクレウオ,樹木とその樹皮につく地衣類などの例がある。
片削ぎ
かたそぎ [0] 【片削ぎ】
(1)片方をそぎ落とすこと。また,そのもの。「―の月を昔の色と見て/新後撰(秋下)」
(2)神社の屋根に交わしてある千木(チギ)の両端を斜めにけずり落としたもの。
片削ぎ造り
かたそぎづくり [5] 【片削ぎ造り】
片削ぎの千木を取り付けた神社の造り。
片前
かたまえ [0][3] 【片前】
(1)洋服の打ち合わせで,ボタンが一列に付いているもの。シングル。
(2)着物の前を合わせた外側の部分。上前(ウワマエ)。
片割れ
かたわれ [0][4] 【片割れ】
(1)仲間の一部。「盗賊の―」
(2)器などの割れた一片。また,ひとそろいのものの一部。
(3)分身。「清をおれの―と思ふからだ/坊っちゃん(漱石)」
片割れ
かたわれ【片割れ】
(1) a fragment (破片).→英和
(2) one <of the party> ;→英和
an accomplice (共謀者).→英和
片割れ月
かたわれづき [4] 【片割れ月】
半月。弓張り月。弦月。
片務
へんむ [1] 【片務】
契約の当事者の一方のみが義務を負うこと。
⇔双務
片務契約
へんむけいやく [4] 【片務契約】
契約当事者の一方のみが債務を負担する契約。贈与などがその例。
⇔双務契約
片去る
かたさ・る 【片去る】 (動ラ四)
(1)一方に寄る。よける。「枕―・る夢に見え来し/万葉 633」
(2)遠慮する。「いづ方も皆こなたの御けはひには,―・り憚るさまにて/源氏(若菜上)」
片口
かたくち [0] 【片口】
(1)鉢で,取っ手がなく一方に注ぎ口の突き出ているもの。
⇔両口(リヨウグチ)
(2)一方の人だけの言い分。「―の御裁断/浄瑠璃・反魂香」
(3)かたわら。片一方。「酒飲む―に案じつつ/義経記 4」
(4)馬の口取り縄の左右の一方だけを引くこと。
⇔諸口(モロクチ)
「或は―に引かせ/平家(一六・長門本)」
片口(1)[図]
片口鰯
かたくちいわし [5] 【片口鰯】
ニシン目の海魚。全長15センチメートル内外。下顎が小さい。体色は背側が青黒色,腹側が銀白色。しらす干し・煮干し・ごまめなどの材料とし,食用のほかカツオ釣りの生き餌とする。日本各地に分布。ヒシコイワシ。セグロイワシ。シコイワシ。シコ。タレクチ。
→イワシ
片合掌
かたがっしょう [3] 【片合掌】
片手だけで合掌のかっこうをすること。
片名
かたな 【片名】
〔「偏名」とも書く〕
(1)二字でできている名の片方の字。偏諱(ヘンキ)。
(2)名が二字以上の場合,略して一字だけ書くこと。俳号などで用いる。
(3)略して呼んだり書いたりする名。「ひよつと親父の―でも知つて居るなら手掛りと/人情本・郭の花笠」
(4)(「肩名」とも書く)通称。あだ名。「誰言ふとなく日本と―に呼ばるる頭株/歌舞伎・青砥稿」
片名字
かたみょうじ [3] 【片名字】
江戸時代,名字・官職名を省略して書くこと。「高木伊勢守」を「高伊勢」「高伊」とする類。宛名に用いれば,相手に対する尊敬の意を表した。
片吟
かたぎん [0] 【片吟】
連歌・俳諧の一巻を一人で吟ずること。独吟。
→両吟
→三吟
片商売
かたしょうばい [3] 【片商売】
本業の仕事の片手間にする商売。副業。「―をやらなけりや飯は喰つて行かれねえ/社会百面相(魯庵)」
片地
かたち [0] 【片地】
少しばかりの土地。わずかの土地。
片垸
かたもい 【片垸】
蓋(フタ)のない土製の碗(ワン)。「思ひ遣るすベの知らねば―(=「片思い」ニカケル)の/万葉 707」
片外し
かたはずし [3] 【片外し】
(1)江戸時代の女性の髪の結い方の一。束ねた髪を根の前に水平に挿した笄(コウガイ)に巻きつけ,片方を笄からはずし後ろへ垂れ下げたもの。笄を抜き取ると,下げ髪となる。諸侯の奥女中などが結った。
(2)歌舞伎の鬘の一。「伽羅先代萩(メイボクセンダイハギ)」の政岡,「鏡山」の尾上など御殿女中や武家の奥方に扮する女形が用いる。
片外し(1)[図]
片子
かたこ [0][2] 【片子】
(1)「加地子(カジシ){(1)}」に同じ。
(2)一歳になっていない子。あかご。
(3)植物,カタクリの別名。
片字
かたじ [0] 【片字】
(1)名前の字の一字。かたな。「先輩高名の女郎の―をとり/評判記・色道大鏡」
(2)書道で,字画の一部を略した書体。
片寄せる
かたよ・せる [4] 【片寄せる】 (動サ下一)[文]サ下二 かたよ・す
一方へ寄せる。一方にまとめる。「四辺(アタリ)に散りたる雑籍を―・せつつ/社会百面相(魯庵)」
片寄り
かたより [0][4] 【片寄り・偏り】
(1)一方にかたよること。「栄養の―がひどい」
(2)〔物〕 偏光。
(3)(「かたよりに」の形で)ただ一方に寄って。ひたすら。「明日の夕(ヨイ)照らむ月夜は―に今夜(コヨイ)に寄りて/万葉 1072」
片寄り
かたより【片寄り】
inclination;→英和
a tendency.→英和
片寄る
かたよる【片寄る】
(1) lean <to> ;→英和
incline <toward> .→英和
(2)[偏する]be biased;be partial <to a thing> ;be prejudiced.片寄らない impartial;→英和
fair.→英和
片寄せる put <a thing> aside.
片寄る
かたよ・る [3] 【偏る・片寄る】 (動ラ五[四])
(1)中心や標準からはずれて一方に寄る。「進路が東に―・る」「―・った考え方」「栄養が―・る」
(2)ある部分にだけ集まって,全体の釣り合いを欠く。「人口が都市に―・る」
(3)一方に味方をする。不公平な扱いをする。「―・った判定」
(4)あるものの方に近づき寄る。「浦野の山に月(ツク)―・るも/万葉 3565」
片寝
かたね [0] 【片寝・偏寝】 (名)スル
(1)体の一方ばかりを下にして寝ること。「―ヲシテ腕ガシビレル/ヘボン(三版)」
(2)鳥屋(トヤ)で一度羽根の抜け替わった鷹(タカ)。かたがえりの鷹。
片対数回帰
かたたいすうかいき [7] 【片対数回帰】
集団のそれぞれの対象に二つの量 X ・ Y が観測されるとき,log � と � の直線回帰 log �=�+�� を求めること。
→回帰式
片小鬢
かたこびん 【片小鬢】
〔「かたこうびん」とも〕
片方の小鬢。近世,遊郭で制裁に男の片小鬢を剃り落とす風があった。「世之介を捕へて,とかくは―剃られて/浮世草子・一代男 3」
片屋
かたや [0] 【片屋・傍屋】
(1)片流れの屋根。また,その造りの建物。片屋造り。
(2)母屋の傍らにある建物。
片層雲
へんそううん [3] 【片層雲】
層雲からちぎれた雲。
片山
かたやま 【片山】
一方が崖(ガケ)になっている山。一説に,孤立した山。「あしひきのこの―に二つ立つ櫟(イチイ)が本に/万葉 3885」
片山
かたやま 【片山】
姓氏の一。
片山久安
かたやまひさやす 【片山久安】
安土桃山時代の剣客。片山伯耆(ホウキ)流の祖。伯耆守。関白豊臣秀次に教授。生没年未詳。
片山伯耆流
かたやまほうきりゅう 【片山伯耆流】
居合術の一派。祖は片山伯耆守久安(ヒサヤス)。1596年正月,京都の愛宕社に祈願し,貫の字を夢みて創始したと伝え,一貫流とも称する。抜刀伯耆流。
片山兼山
かたやまけんざん 【片山兼山】
(1730-1782) 江戸中期の儒者。上野の人。はじめ徂徠学を学んだが,のちこれを批判。古註を参照しつつ道徳実践に励む折衷学(山子学)を唱えた。著「山子垂統」ほか。
片山北海
かたやまほっかい 【片山北海】
(1723-1790) 江戸中期の儒者・漢詩人。越後の人。大坂で塾を開き,多くの門弟を集めた。詩文をよくし,混沌社を組織。
片山哲
かたやまてつ 【片山哲】
(1887-1978) 政治家。和歌山県生まれ。東大卒。弁護士から無産政党議員。1946年(昭和21)日本社会党委員長。47年連立内閣の首相となったが,翌年退陣。のち民主社会党の最高顧問。
片山国嘉
かたやまくにか 【片山国嘉】
(1855-1931) 法医学者。静岡県生まれ。東大教授。日本に近代的な法医学を確立。また,禁酒運動に尽力。
片山岸
かたやまぎし 【片山岸】
片山の崖。「朝妻の―に霞たなびく/万葉 1818」
片山東熊
かたやまとうくま 【片山東熊】
(1854-1917) 建築家。萩の人。工部大学校卒。多くの宮廷建築を手がける。代表作に赤坂離宮・奈良博物館・京都博物館などがある。
片山正夫
かたやままさお 【片山正夫】
(1877-1961) 化学者。岡山県生まれ。東大教授。物理化学,特に界面化学の先駆的な研究を行なった。その著「化学本論」(1915年)は日本における初期の本格的な物理化学教科書。
片山津温泉
かたやまづおんせん 【片山津温泉】
石川県加賀市,柴山潟の湖畔にある温泉。食塩泉。
片山潜
かたやません 【片山潜】
(1859-1933) 社会主義運動の先駆者。岡山県生まれ。エール大卒。明治中期から昭和初めにかけて労働組合運動・社会主義運動に尽力。1914年(大正3)渡米してアメリカ共産党創立に参加。21年ソ連に渡り,コミンテルンの執行委員会幹部会員となる。また,日本共産党の結成を指導。モスクワで客死。著「我社会主義」「日本の労働運動」など。
片山病
かたやまびょう [0] 【片山病】
⇒日本住血吸虫症(ニホンジユウケツキユウチユウシヨウ)
片山貝
かたやまがい [4] 【片山貝】
淡水産の巻貝。貝殻は細長く,殻高7.5ミリメートル内外で,暗緑褐色。水田・小川などの底土や水草に付着してすむ。山梨県・広島県・福岡県などに分布。日本住血吸虫の中間宿主。
〔広島県片山地方で発見されたのでこの名が付いた。日本住血吸虫の中間宿主となることを発見した宮入慶之助にちなみ「宮入貝(ミヤイリガイ)」ともいう〕
片山貝[図]
片山里
かたやまざと [3][4] 【片山里】
へんぴな山里。片田舎の山里。
片山陰
かたやまかげ 【片山陰】
片山の陰。または,山の一方の陰になっている所とも。「ひさぎおふる―に忍びつつ/新古今(夏)」
片岡
かたおか カタヲカ 【片岡】
(1)奈良県北葛城郡王寺町付近の丘陵。かたおかやま。((歌枕))「霧立ちて鴈(カリ)ぞなくなる―の朝(アシタ)の原はもみぢしぬらむ/古今(秋下)」
(2)京都市北区の上賀茂神社本殿の東にある小山。海抜170メートル。片岡の森。((歌枕))「郭公(ホトトギス)こゑ待つ程は―の杜のしづくに立ちやぬれまし/新古今(夏)」
片岡
かたおか 【片岡】
一方が他方よりなだらかに傾斜している岡。また,孤立している岡。「―にしば移りしてなく雉子(キギス)/山家(春)」
片岡
かたおか カタヲカ 【片岡】
姓氏の一。
片岡仁左衛門
かたおかにざえもん カタヲカニザヱモン 【片岡仁左衛門】
上方の歌舞伎俳優。屋号,松島屋。
(1)(初世)(1656-1715) 元禄期(1688-1704)に敵役(カタキヤク)・実事・武道の名人といわれた。
(2)(七世)(1755-1837) 文化・文政期(1804-1830)に大坂を中心に活躍,幅広い芸風を示した。
(3)(一一世)(1857-1934) 大正・昭和初期の名優。晩年は東京に移り,和事や新作物の老け役を得意とした。
(4)(一三世)(1903-1994) 一一世の三男。上方歌舞伎の復興に貢献。
片岡健吉
かたおかけんきち カタヲカ― 【片岡健吉】
(1843-1903) 政治家。土佐藩出身。立志社を創立し,自由民権運動を指導した。また,国会期成同盟総代として活躍。国会開設後衆議院議員,同議長。
片岡千恵蔵
かたおかちえぞう カタヲカチヱザウ 【片岡千恵蔵】
(1903-1983) 映画俳優。本名,植木正義。群馬県生まれ。歌舞伎から映画に転じ,時代劇を中心に長く第一線のスターとして活躍。代表作「国士無双」「赤西蠣太」「血槍富士」など。
片岡安
かたおかやすし カタヲカ― 【片岡安】
(1876-1946) 建築家。金沢生まれ。東京帝大卒。関西建築協会(現・日本建築協会)の初代理事長。大阪市中央公会堂,大阪毎日新聞社などを設計。
片岡鉄兵
かたおかてっぺい カタヲカ― 【片岡鉄兵】
(1894-1944) 小説家。岡山県生まれ。横光利一らと「文芸時代」を創刊,新感覚派の提唱者となるが,プロレタリア文学に転じた。のち転向,以後大衆文学に進んだ。代表作「綱の上の少女」「綾里村快挙録」
片岩
へんがん [1] 【片岩】
⇒結晶片岩(ケツシヨウヘンガン)
片岸
かたぎし [0] 【片岸】
〔古くは「かたきし」とも〕
(1)川などの一方の岸。
(2)〔「岸」は崖(ガケ)の意〕
片方が高く切り立ってがけになった所。「遥なる―より馬を丸ばして落ちて/今昔 19」
(3)傍らの場所。隣。「左近の馬場を―にしたれば/蜻蛉(上)」
片差縄
かたさしなわ 【片差縄】
馬の口に付けて引く差縄を,左右に付けず,片方(右)にだけ付けたもの。四位以下の者がこれを行なった。
⇔諸差縄(モロサシナワ)
片帆
かたほ [2][0] 【片帆】
横風を受けて帆走するために,帆を斜めに片寄らせて張ること。開き帆。
→真帆(マホ)
片幕
かたまく [0] 【片幕】
(1)幕が舞台の端から端まで一枚であるもの。一方の側へ引いて開ける。
(2)能楽で,囃子方(ハヤシカタ)やシテ方後見が鏡の間より橋懸かりへ登場の際,揚げ幕の片方を少し寄せて登場すること。
→本幕
→半幕
片庇
かたびさし [3] 【片庇】
(1)片流れの屋根。
(2)粗末なさしかけの屋根。「かすかなる―をかりて/浮世草子・二十不孝 3」
片店
かたみせ [0] 【片見世・片店】
店の一部分で,本業とは違う商品を副業的に並べ商うこと。また,その店。
片廊下
かたろうか [3] 【片廊下】
部屋や住戸を片側だけに並べた廊下。また,そうした平面配置の住宅やアパートの形式。「―型」
片引く
かたひ・く 【片引く・方引く】 (動カ四)
えこひいきする。「け近き人思ひ―・き/枕草子 135」
片影
へんえい [0] 【片影】
(1)物のわずかな影。姿のほんの一部分。
(2)人の性格などの一面。「父の―を伺わせる」
片待つ
かたま・つ 【片待つ】 (動タ四)
ひたすら待つ。「うぐひすは今は鳴かむと―・てば/万葉 4030」
片心
かたごころ 【片心】
少し心にかけること。「いとただにはおぼえじとおぼす―ぞつきにける/源氏(夕霧)」
片志
へんし [1] 【片志】
わずかなこころざし。また,自分のこころざしをへりくだっていう語。寸志。
片思
へんし [1] 【片思】
一方だけが思い慕うこと。かた思い。
片思い
かたおもい【片思い】
unrequited love.
片思い
かたおもい [3] 【片思い】
男女の一方だけが相手を恋い慕うこと。片恋。「せつない―」
片思ひ
かたもい 【片思ひ】
〔「かたおもい」の転〕
片恋。「鮑(アワビ)の貝の―にして/万葉 2798」
片恋
かたこい [0] 【片恋】
片思い。
⇔諸恋(モロゴイ)
「旅に去にし君しも継ぎて夢(イメ)に見ゆ我(ア)が―の繁ければかも/万葉 3929」
片息
かたいき [3][0] 【片息・肩息】
大層苦しそうに息を吐くこと。また,その息。「―をつく」
片情張り
かたじょうはり 【片情張り】
〔「かたじょうっぱり」とも〕
我(ガ)を張り通すこと。「我田へ水の談義法談を,一途に聞きかじつて,―に成るのだ/滑稽本・浮世床 3」
片意地
かたいじ [0] 【片意地】 (名・形動)[文]ナリ
頑固に自分の考えを押し通す・こと(さま)。「―な男」「―を張る」
片意地な
かたいじ【片意地な】
stubborn;→英和
obstinate.→英和
片戸
かたど [0] 【片戸】
扉一枚の開き戸。片開きの戸。
片手
かたて【片手】
one hand.〜の one-handed.
片手
かたて [0] 【片手】
(1)一方の手。隻手(セキシユ)。「―でピアノを弾く」「単語帳―に試験勉強」
(2)相対するものの一方。かたがわ。「舞台の―」
(3)一方にだけ取っ手のあること。「―のなべ」
(4)〔片手の指の数から。商売人などが使う〕
五の数のつく金額。「―だけ貸してくれ」
(5)二つのことを同時に行うこと。一方。「子守―に内職をする」「提灯ともしや,といふ―に,草履取出し/浮世草子・一代男 1」
片手上段
かたてじょうだん [4] 【片手上段】
剣道で,片手で刀を持って上段に構えること。
片手人形
かたてにんぎょう [4] 【片手人形】
一人遣いの操り人形で,左手で胴を持ち,右手で人形の右手を動かす方式。また,その人形。文楽のツメ(端役)はその例。
片手巻
かたてまき [0] 【片手巻(き)】
刀剣類の柄巻(ツカマキ)などを菱(ヒシ)巻にせず,一方向にのみ巻くこと。また,そのもの。中世に多い。
片手巻き
かたてまき [0] 【片手巻(き)】
刀剣類の柄巻(ツカマキ)などを菱(ヒシ)巻にせず,一方向にのみ巻くこと。また,そのもの。中世に多い。
片手打ち
かたてうち [0] 【片手打ち】 (名・形動ナリ)
(1)刀を片手で持って切りかけること。片手なぐり。「―に打ちけるが/太平記 2」
(2)「片手落ち」に同じ。「―のなされやう/浄瑠璃・五十年忌(中)」
片手抜き
かたてぬき [0] 【片手抜き】
神伝流泳法の一。足を交互にあおって,踏み出した足と同じ方の手で水をかき,その手を腰の後ろで水から抜いて前に落とすもの。片抜き手。
片手擲り
かたてなぐり 【片手擲り】
「片手打ち{(1)}」に同じ。「―に腰の番(ツガイ)くわらりずんと切り下げられ/浄瑠璃・鑓の権三(下)」
片手桶
かたておけ [4] 【片手桶】
片側にだけ取っ手のある桶。
片手業
かたてわざ [3] 【片手業】
(1)片手でする行為。「こなた両手(モロテ)のまくり切り,―に受けかね/浄瑠璃・井筒業平」
(2)片手間の仕事。「麦まきや声で雁追ふ―/太祇句選」
片手正眼
かたてせいがん [4] 【片手正眼】
剣道で,片手で刀を持って正眼に構えること。
片手矢
かたてや 【片手矢】
〔二本の矢を一手(ヒトテ)というのに対し〕
一本の矢。
⇔一手矢(ヒトテヤ)
「―はげて出でけるを/平家 9」
片手突き
かたてづき [3] 【片手突き】
剣道で,片手に竹刀(シナイ)を握り,大きく踏み込んで相手ののどを突く技。
片手落ち
かたておち【片手落ち】
one-sided;unfair;→英和
partial.→英和
片手落ち
かたておち [0] 【片手落ち】 (名・形動)[文]ナリ
片方に対する配慮が欠けている・こと(さま)。不公平。「―の裁き」「―にならないよう公平を心がける」
片手間
かたてま [0] 【片手間】
本業のかたわら。用事のあいま。「―ではできない」
片手間
かたてま【片手間(に)】
(in) one's spare time;(in) leisure hours.片手間仕事 an odd job.
片手間仕事
かたてましごと [5] 【片手間仕事】
本業のあいまにする仕事。また,簡単な仕事。
片才
かたかど 【片才】
わずかな才芸。「(女ノ)―を聞き伝へて(男ガ)心を動かすこともあめり/源氏(帚木)」
片折り戸
かたおりど [4] 【片折(り)戸】
片側だけが開くようにした,一枚作りの折り戸。
⇔諸(モロ)折り戸
片折戸
かたおりど [4] 【片折(り)戸】
片側だけが開くようにした,一枚作りの折り戸。
⇔諸(モロ)折り戸
片抜き手
かたぬきて [3] 【片抜き手】
横泳ぎ法の一。水面に横臥してあおり足を使用し,上方の手を抜いては水をかき,下方の手は抜かないでかくもの。
片持ち梁
かたもちばり [0] 【片持ち梁】
一端を固定支持し,他端を自由にした状態の梁。カンティレバー。
片掛く
かたか・く 【片掛く】 (動カ下二)
(1)片方を寄せかける。「山に―・けたる家なれば/源氏(手習)」
(2)頼みにする。当てにする。「かの殿の御蔭に―・けて/源氏(松風)」
片撚り
かたより [0] 【片撚り・片縒り】
左右どちらか一方向にだけ撚りをかけること。
片撥
かたばち [0] 【片撥】
(1)能楽で,太鼓を打つ時に右撥だけを使う特殊な奏法。
(2)寛永(1624-1644)頃に遊里で流行した小歌節の一。
(3)三味線の奏法の一。撥を打ちおろす時のみ弦に当てるもの。
片敷き
かたしき 【片敷き】
〔動詞「かたしく」の連用形から〕
独り寝。「ひとりさえつる―の袖/源氏(真木柱)」
片敷く
かたし・く 【片敷く】 (動カ四)
(1)自分の衣だけを敷いて寝る。独り寝をする。古く男女が共寝する時は二人の衣を重ねて敷いたのに対していう。「玉の浦に衣―・きひとりかも寝む/万葉 1692」
(2)〔「かた」は動作の軽いことを表す〕
敷く。「領巾(ヒレ)―・きま玉手の玉手さし交(カ)へ/万葉 1520」
片文字
かたもじ 【片文字】
文字,または名前の一部分。「―はおぼえでいふはをかし/枕草子 57」
片方
かたかた 【片方・片片】
(1)二つあるうちの一方。かたほう。かたつかた。「この川,つつみのかたはいと深くて―は浅ければ/十六夜」
(2)かたすみ。かたわら。「―へ行きてさうぞきて/宇治拾遺 5」
片方
かたほう [2] 【片方】
二つあるものの一つ。一方のがわ。片側。
⇔両方
「手袋が―見えない」「―の言い分」
片方
かたほう【片方】
(1) one of the pair.→英和
(2) one side (片側).
(3) one side[party];the other side[party](組・仲間の).
片方
かたえ [0][2] 【片方・傍】
(1)対になっているものの一方。かたほう。
(2)物のすぐ横。傍ら。「余が―なる椅子に腰掛け/あめりか物語(荷風)」
(3)一部分。また,半分。「むかし人も―は変らで侍りければ/源氏(玉鬘)」
(4)傍らにいる人。また,仲間・同僚。「腹ぎたなき―の教へおこするぞかし/源氏(賢木)」
(5)(「は」を伴って副詞的に用いられる)一方では。あるいは。一面。「―は,思ひなしか,折からか/源氏(蜻蛉)」
片旅籠
かたはたご 【片旅籠】
旅館に宿泊する場合,朝夕どちらか一方だけの食事をすること。片泊まり。
片時
かたとき [0][4] 【片時】
〔一時(イツトキ)の半分の意〕
ほんのわずかな時間。一瞬。へんじ。
片時
へんじ [1] 【片時】
〔古くは「へんし」〕
ほんのわずかな時間。かたとき。「―も安き心は無く/義血侠血(鏡花)」
片時も
かたとき【片時も】
even for a moment.→英和
片時も
かたときも [2][3] 【片時も】 (副)
(下に打ち消しの語を伴って)一瞬たりともゆるがせにしないさま。「―忘れない」
片時片時
かたときへんじ [5] 【片時片時】
〔「かたときへんし」とも〕
「かたとき」を強めた語。ほんの短い間。
片時雨
かたしぐれ 【片時雨】
ある場所では時雨が降っていて,別の場所では晴れていること。[季]冬。「―茶屋が異見も聞く夜なり/柳多留拾遺」
片月
へんげつ [1] 【片月】
かたわれ月。弓張り月。弦月。
片月見
かたつきみ [3][4] 【片月見】
八月十五夜と九月十三夜のどちらか一方だけ月見をすること。忌むべきこととされる。
片木
へぎ [2] 【折ぎ・片木】
(1)へぐこと。へいだもの。
(2)「へぎ板」の略。
(3)「折(ヘ)ぎ折敷(オシキ)」の略。
(4)「へぎ折り」の略。
片栗
かたくり [2] 【片栗】
(1)ユリ科の多年草。林下に生じ,早春,二葉を開く。葉は楕円形で厚く,紫斑がある。葉にやや後れて長い花茎の先に紫紅色のユリに似た花を一個下向きにつける。根茎は白色・多肉の棒状でデンプンを蓄え,片栗粉にする。古名,カタカゴ・カタカシ。カタコ。
〔「片栗の花」は[季]春。《―の一つの花の花盛り/高野素十》〕
(2)「片栗粉」の略。
片栗(1)[図]
片栗粉
かたくりこ [4][3] 【片栗粉】
カタクリの地下茎から製した白いデンプン。市販の多くはジャガイモから製し,葛(クズ)粉の代用として菓子・料理に用いる。
片栗粉
かたくりこ【片栗粉】
(dogtooth violet) starch.→英和
片桐
かたぎり 【片桐】
姓氏の一。
片桐且元
かたぎりかつもと 【片桐且元】
(1556-1615) 安土桃山・江戸初期の武将。通称市正(イチノカミ)。近江の人。豊臣秀吉に仕え,賤ヶ岳七本槍の一人。秀頼の後見役。方広寺鐘銘事件で大坂城を去る。大坂冬・夏の陣では徳川方についた。
片桐石州
かたぎりせきしゅう 【片桐石州】
(1605-1673) 江戸初期の茶匠。名は貞昌。石州流茶道の開祖。大和国小泉城主。石見守(イワミノカミ)。千道安の高弟桑山宗仙に学び,小堀遠州の後継として将軍家の茶道師範となった。
片棒
かたぼう [0] 【片棒】
駕籠(カゴ)などの担ぎ棒の前側か後側の一方。また,それを担ぐ人。
片棒をかつぐ
かたぼう【片棒をかつぐ】
take part <in> .
片檜葉
かたひば [0] 【片檜葉】
イワヒバ目の常緑性シダ植物。本州中部以南の山中の岩上に着生する。地上茎は高さ15〜40センチメートル,複葉状に平たく分枝して鱗片状の小さい葉で覆われる。イワヒバと比べて弱々しいのでメヒバ・ヒメヒバという。園芸品種も多い。
片歌
かたうた [2][0] 【片歌】
〔二つ組み合って完全になる歌の片方の意〕
(1)古代歌謡の一体。五・七・七の三句で一首をなす歌で,多くは問答に用いた。二つ合わせると旋頭歌(セドウカ)の形となる。「はしけやし我家(ワギエ)の方よ雲居立ち来も/古事記(中)」の類。
(2)江戸時代の俳人建部綾足が,俳諧の起源を{(1)}に求めて提唱した一九音(五・七・七)の発句形式。
片毛作
かたげさく [3] 【片毛作】
湿地・深田,また寒冷な気候などのために稲作だけで裏作ができないこと。また,そのような田。一毛作。
⇔両毛作(リヨウゲサク)
片泊まり
かたどまり 【片泊まり】
「片旅籠(カタハタゴ)」に同じ。
片泣き
かたなき 【片泣き・片鳴き】
(1)一人で泣くこと。ひたすらに泣くこと。「下泣きに我が泣く妻―に我が泣く妻/日本書紀(允恭)」
(2)鳥の鳴き声がまだ整わないこと。《片鳴》「おのづからまだ―のひなどりの/新撰六帖 6」
片流れ
かたながれ [3] 【片流れ】
(1)屋根の棟から片方の軒までの斜面。
(2)片方にだけ傾斜している屋根。片流れ屋根。
(3)「片流れ造り」の略。
片流れ造り
かたながれづくり [6] 【片流れ造り】
一方にだけ傾斜している屋根を有する家の造り。
片減り
かたべり [0] 【片減り】 (名)スル
片側または片一方だけが減ること。はき物の底や車のタイヤなどにいう。
片瀬
かたせ 【片瀬】
神奈川県藤沢市南部の地区。対岸に江ノ島がある。海水浴場。竜口(リユウコウ)寺がある。
片点
かたてん [0] 【片点】
漢文に送り仮名をつけないで返り点だけをつけること。また,その点。
⇔両点
⇔諸点(モロテン)
片為替
かたがわせ [3] 【片為替】
特定国との間で,貿易不均衡のため為替の受け払いが,一方に偏った状態。
片照り
かたでり [0] 【偏照り・片照り】
晴天の続くこと。
⇔偏降り
片片
へんぺん [0] 【片片】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)切れ切れなさま。「―たる語句」
(2)切れ切れのものが軽くひるがえるさま。「―たる落花」
(3)とるにたりないさま。「多くは皆―たる一小冊子に過ぎずして/獺祭書屋俳話(子規)」
片片
かたかた 【片方・片片】
(1)二つあるうちの一方。かたほう。かたつかた。「この川,つつみのかたはいと深くて―は浅ければ/十六夜」
(2)かたすみ。かたわら。「―へ行きてさうぞきて/宇治拾遺 5」
片理
へんり [1] 【片理】
鉱物が薄片を重ねるように平行に配列して縞模様を呈する岩石の構造。結晶片岩や千枚岩などにみられ,岩石は薄く平行にはがれやすい。片状構造。
片生
かたなり 【片生】 (名・形動ナリ)
(1)心身がまだ十分に成育していない・こと(さま)。未熟。かたおい。「むすめ,いとまだ―に/源氏(東屋)」
(2)技能に習熟していない・こと(さま)。「かの御琴の音,まだ―なるところありしを/源氏(竹河)」
片生ひ
かたおい 【片生ひ】 (名・形動ナリ)
十分に成長しない・こと(さま)。未成熟。「まだ―なる手の/源氏(乙女)」
片田舎
かたいなか [3] 【片田舎】
都会から遠く離れた,交通不便な土地。「―で暮らす」
片田舎
かたいなか【片田舎】
a remote countryside.
片男波
かたおなみ [3] 【片男波】
〔山部赤人の歌「和歌の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴(タズ)鳴き渡る」の「かたをなみ」を「片男波」にこじつけてできた語〕
高い波。男波(オナミ)。「寄せては帰る―/謡曲・松風」
片町
かたまち [0] 【片町】
「片側町(カタガワマチ)」に同じ。
片町線
かたまちせん 【片町線】
J R 西日本の鉄道線。京都府木津と大阪市片町間,45.3キロメートル。学研都市線。
片白
かたはく [0] 【片白】
精白米と黒麹を用いてつくる酒。諸白(モロハク)より下級の酒。
⇔諸白
片白
かたしろ [0] 【片白】
全体の中の一部だけが白いこと。また,そうしたもの。
片白の兜
かたしろのかぶと [6] 【片白の兜】
鉢の前側にのみ,金色・銀色などの地板を伏せ,また篠垂(シノダレ)を打った兜。
片白草
かたしろぐさ [4] 【片白草】
植物ハンゲショウの別名。[季]夏。
片皿
かたさら [0] 【片皿】
〔「かたざら」とも〕
(1)古く祭式に用いられた,蓋(フタ)のない大形の皿。
(2)片方の皿。「鰯鱠(イワシナマス)を―に赤鰯の焼物にて/浮世草子・胸算用 5」
片目
かため [0] 【片目】
(1)片方の目。一方の目。
(2)片目しか見えないこと。また,その人。
(3)〔女房詞〕
ヒラメ,またはカレイ。[御湯殿上(文明一六)]
片目の
かため【片目の】
one-eyed;blind of[in]one eye.
片眠り
かたねぶり 【片眠り】
まどろむこと。かりね。うたたね。「あふことは―なる磯びたひ/金葉(恋下)」
片矢
かたや 【片矢】
一対ある内の一本の矢。片手矢(カタテヤ)。
⇔諸矢(モロヤ)
「春されば―たばさみともねうち/永久百首」
片秀
かたほ 【偏・片秀】 (形動ナリ)
(1)欠点があり,不完全であるさま。不十分。
⇔真秀(マホ)
「―なるをだに,乳母などやうの,おもふべき人は,あさましうまほに見なすものを/源氏(夕顔)」
(2)容貌がみにくいさま。不器量。「―にものし給はむ人の/栄花(根合)」
片積み
かたづみ [0] 【片積み】
貨物を片側に積んだ状態。
片積雲
へんせきうん [3][4] 【片積雲】
積雲の一種。積雲がちぎれ,また孤立した断片として発生する,縁の乱れた雲の小塊。
片端
かたはし【片端】
one end (一端);one side (片側).〜に寄る step aside.〜から one and all;one by one;one after another.
片端
かたはし [0] 【片端】
■一■ (名)
(1)物の一方のはし。一端。「ベンチの―に座る」
(2)一部分。わずか。「話の―」
(3)末につらなるもの。はしくれ。末輩。「貴族の―」
■二■ (副)
つぎつぎと。かたっぱしから。「―海へはめてのけと/浄瑠璃・用明天皇」
片端
かたわ [2] 【片端】 (名・形動)[文]ナリ
〔「かた」は不完全の意。「片輪」とも書く〕
(1)体の一部の機能や形態に欠陥があること。
(2)釣り合いがとれていないこと。片寄りのあること。「―な知識」
(3)不十分な点。欠点。また,欠点のあるさま。「かたちなどはさてもありぬべけれど,いみじき―のあれば/源氏(玉鬘)」
(4)見苦しいこと。不体裁なこと。「あな―と見ゆるものは鼻なりけり/源氏(末摘花)」
(5)(多く「かたはなるまで」の形で)度はずれているさま。「すきずきしき心ぞ―なるまであべき/枕草子 315」
片端から
かたはしから [0] 【片端から】 (副)
「かたっぱしから」に同じ。
片端折り
かたはしょり [3] 【片端折り】
和服の裾の片方をはしょること。
片笑み
かたえみ [0] 【片笑み】
片頬に笑いを浮かべること。
片笑む
かたえ・む [3] 【片笑む】 (動マ四)
微笑する。「葉山は―・みながら鉄瓶から徳利を引き出す/多情多恨(紅葉)」
片籠手
かたこて 【片籠手】
弓を引きやすいように,右手には籠手をつけず,敵の攻撃を受ける左手のみに籠手をつけること。
→諸籠手(モロゴテ)
片糸
かたいと [0][3] 【片糸】
(諸糸(モロイト)に対して)まだ撚り合わせていない一本の糸。また,片撚(ヨ)りの糸。「手染の糸を繰り反し―にあれど絶えむと思へや/万葉 1316」
片糸の
かたいとの 【片糸の】 (枕詞)
片糸は撚り合わせて用いるものであることから,「より」「よる」「くる」「あふ」「を(緒)」などにかかる。「―よりよりに絶えずぞありける/古今(仮名序)」
片紙
へんし [1] 【片紙】
一片の紙。紙きれ。
片結び
かたむすび [3] 【片結び】
帯やひもなどの結び方。一方に輪を作り,その輪に他方を輪にして入れ,はじめの輪を引き締めて結ぶもの。解けやすい結び方。
片練
かたねり [0] 【片練】
たて糸またはよこ糸の一方だけを練糸を使って織った絹織物。多く精好(セイゴウ)織りにいう。
片縒り
かたより [0] 【片撚り・片縒り】
左右どちらか一方向にだけ撚りをかけること。
片羽
かたは [0] 【片羽】
(1)片一方の翼。かたはね。
(2)対になっているものの一方。転じて,不完全なさま。「鎮西八郎為朝の箭(ヤ)の根あり。…―の長さ八寸ばかり/読本・弓張月(残)」「名を知って物を知らぬ―になった/サフラン(鴎外)」
片羽二重
かたはぶたえ [3] 【片羽二重】
普通,筬(オサ)一羽にたて糸を二本入れるのに対して,たて糸一本で織った軽い羽二重。
片耳
かたみみ [0] 【片耳・傍耳】
(1)片方の耳。
(2)小耳にはさむこと。「うつくしみ聞ゆるを―に聞き給ひて/源氏(柏木)」
片肌
かたはだ [0] 【片肌】
着物の片袖を脱いであらわした肩。
⇔諸肌(モロハダ)
片肌脱ぎ
かたはだぬぎ [0][6] 【片肌脱ぎ】
片肌を脱いださま。[季]夏。「―になる」
片肌脱ぐ
かたはだ【片肌脱ぐ】
bare one shoulder;lend a helping hand <to> (援助する).
片肘
かたひじ [0] 【片肘・片肱】
片一方のひじ。
片肘
かたひじ【片肘(をつく)】
(rest on) one elbow.
片肱
かたひじ [0] 【片肘・片肱】
片一方のひじ。
片肺
かたはい [0] 【片肺】
(1)片方の肺。
(2)双発の飛行機で,片方のエンジンだけしか動かないこと。また,そのエンジン。「―飛行」
(3)両方備わって初めて十分な働きをするものが,片方だけしかないこと。
片脇
かたわき [0][4] 【片脇】
(1)かたわら。片隅。
(2)片方のわき腹。横腹。
(3)中心地から離れた所。いなか。場末。「小庭・―などに出で来る能は/花鏡」
片脳油
へんのうゆ ヘンナウ― [3][0] 【片脳油】
樟脳油から樟脳をとった残りを精製した油。強い香りをもった白色揮発性の液体で,防虫剤・防臭剤・塗料の溶剤などに用いる。
片腕
かたうで【片腕】
(1) one arm.(2) one's right-hand man.
片腕
かたうで [0] 【片腕】
(1)片一方の腕。
(2)最も有能で信頼できる補佐役。「社長の―」
片腹
かたはら [0] 【片腹】
片一方の腹。わきばら。
片腹痛い
かたはらいた・い [6] 【片腹痛い】 (形)[文]ク かたはらいた・し
〔中世以降,文語形容詞「傍(カタハラ)いたし」の「かたはら」を「片腹」と誤ってできた語〕
身のほどを知らない相手の態度がおかしくてたまらない。ちゃんちゃらおかしい。笑止千万だ。「あの声で歌手とは―・い」
→かたわらいたし
片腹痛い
かたはら【片腹痛い】
ridiculous;→英和
absurd.→英和
片膝
かたひざ [0] 【片膝】
片一方の膝。
片膝をつく
かたひざ【片膝をつく(立てる)】
kneel on (raise) one knee.
片膝立て
かたひざたて [0] 【片膝立て】
片方の膝を立てた座り方。
片舞
かたまい 【片舞】
東遊(アズマアソ)びで,駿河舞(スルガマイ)・求子舞(モトメゴマイ)のいずれか一方を舞う舞い方。二つを舞うのは諸舞(モロマイ)。
片色
かたいろ [0] 【片色】
(1)練貫(ネリヌキ)の一種で,たて糸とよこ糸の色が違う織物。
(2)紋も腰替わりもない熨斗目(ノシメ)小袖。
片苦し
かたぐるし 【片苦し】 (形動ナリ)
片思いで,心ぐるしいさま。「―なるめな見せそ神/蜻蛉(上)」
片荒らし
かたあらし 【片荒らし】
中世,地味が悪いため一年おきまたは数年おきに耕作した田。律令制下では易田(エキデン)と呼んだ。休田(ヤスミダ)。「山がつの外面の小田の―/新撰六帖 2」
片荷
かたに [0] 【片荷】
(1)天秤棒(テンビンボウ)で前後に分けて担った荷物の片方。
(2)荷物が片方に寄ってしまうこと。
(3)船舶・トラックなどで,積み荷が往路または復路のどちらか一方しかないこと。
(4)責任の一半。「―を下ろす」
片落し
かたおとし [3] 【片落(と)し】
(1)一方だけをきりおとすこと。「(舞台装置ノ)下の方―にかざり/歌舞伎・お染久松色読販」
(2)一方だけをひいきすること。不公平。かたおち。「―ノサイバン/ヘボン(三版)」
片落ち
かたおち [0] 【片落ち】 (名・形動)[文]ナリ
(1)一方が欠け落ちること。
(2)日歩の利息の計算で,預け入れまたは貸し出し期間の最初の日か最後の日の一方に利息をつけないこと。片端落とし。片落とし。
→両落ち
(3)一方だけをひいきにする・こと(さま)。不公平。片手落ち。「その様な―な事があるものでござるか/狂言・鈍太郎(虎寛本)」
片落とし
かたおとし [3] 【片落(と)し】
(1)一方だけをきりおとすこと。「(舞台装置ノ)下の方―にかざり/歌舞伎・お染久松色読販」
(2)一方だけをひいきすること。不公平。かたおち。「―ノサイバン/ヘボン(三版)」
片葉
かたは [0] 【片葉】
片方の葉。
片葉
かきは 【片葉】
一片の葉。一葉。「草の―をも言止めて/祝詞(大殿祭)」
片葉の葦
かたはのあし 【片葉の葦】
茎の片方にしか葉が生えない葦。八幡太郎の立てた片羽の白矢が根を生じたものとか,熊谷直実の馬が葉の片方を食い残したなど,種々の伝説がある。
片蓋柱
かたふたばしら [5] 【片蓋柱】
装飾として壁面に取り付けた柱。壁面より多少突き出ている。つけ柱。
片袖
かたそで [0][4] 【片袖】
(1)片方の袖。
(2)一方の面。片面。「庖丁の―くらし月の雲(其角)/炭俵」
片袖机
かたそでづくえ [5] 【片袖机】
下までの引き出しが片側だけについている机。かたそで。
⇔両袖机
片袴
かたばかま 【片袴】
(1)袴の足の片方。
(2)山伏などがはく短い袴。また,袴の下にはく防寒用の袴とも。
片裄
かたゆき [0] 【片裄】
(1)衣服の,左右の裄の一方。
(2)着物を左右どちらかへ片寄せてだらしなく着ること。
片褄
かたづま [0] 【片褄】
〔「かたつま」とも〕
着物の片方の褄。
片褄模様
かたづまもよう [5] 【片褄模様】
和服で,下前だけに置いた裾模様。
片襷
かただすき [3] 【片襷】
和服の片方の袖(ソデ)だけに襷を掛けてたくし上げること。
片見世
かたみせ [0] 【片見世・片店】
店の一部分で,本業とは違う商品を副業的に並べ商うこと。また,その店。
片親
かたおや [0] 【片親】
(1)両親のうち,どちらか一方の親。
⇔二親(フタオヤ)
「戦争で―を失う」
(2)両親のうち,どちらか一方がいないこと。「飛行機事故で―になる」
片親
かたおや【片親】
a parent.→英和
片言
へんげん [0][3] 【片言】
(1)わずかな言葉。ちょっとした言葉。一言。「―隻句」
(2)一方の人の言い分。
片言
かたこと [0] 【片言】
〔「かた」は不完全の意〕
(1)幼児や外国人などのたどたどしい話し方。「―の英語を話す」
(2)方言や俗語。「さるといふをはるといふ,すべて―はさつしたまへ/人情本・梅児誉美(初)」
片言
かたこと 【片言】
方言集。安原貞室著。五巻。1650年刊。愛児に言葉遣いを教えるため,主に京都の方言・訛語(カゴ)を集めて正しい語と対比したもの。片言なおし。
片言を言う
かたこと【片言を言う】
babble;→英和
prattle.→英和
〜まじりの broken <English> .→英和
片言交じり
かたことまじり [5] 【片言交じり】
片言をまじえて話すこと。
片言隻語
へんげんせきご【片言隻語】
a single[every]word;words.
片言隻語
へんげんせきご [5] 【片言隻語】
ほんのちょっとした言葉。片言隻句。
片設く
かたま・く 【片設く】 (動カ下二)
(1)時が経って,その時期になる。「桜の花の時―・けぬ/万葉 854」
(2)傾注する。「夏麻(ソ)引く命―・け刈り薦(コモ)の心もしのに/万葉 3255」
片語
へんご [1][0] 【片語】
ちょっとした言葉。片言。
片貿易
かたぼうえき【片貿易】
one-way trade.
片貿易
かたぼうえき [3] 【片貿易】
二国間の貿易が,輸出超過か輸入超過のどちらかに片寄った状態。
片贔屓
かたひいき 【片贔屓】
〔「かたびいき」とも〕
一方に好意を寄せて力を添えること。「時宗は―の親を持ち,分けて一人を憎まれ子/浄瑠璃・扇八景」
片趣
かたおもむき 【片趣】 (形動ナリ)
一方にばかり心を寄せて他を顧みないさま。いちず。「―なるをばゐのしし武者とてよきにはせず/平家 11」
片足
かたあし [0] 【片足】
(1)一方の足。「―とび」
(2)一組の履物の片方。
(3)足が一本しかないこと。また,その人。
片足
かたあし【片足】
one foot; <stand on> one leg.
片足
かたし 【片足・片し】
〔「かたあし」の転〕
(1)片方の足。「お里は踏脱(クツヌギ)へ―おろして/人情本・閑情末摘花」
(2)対になっているものの片方。また,半分。「くろ箱のふたも―落ちたる硯/枕草子(二一九・能因本)」
(3)ほんのわずかの物。少しの物。「食物等―なければ/四河入海 14」
片跛
かたちんば [3] 【片跛】 (名・形動)
(1)片方の足が不自由で,普通には歩けない・こと(さま)。
(2)対であるはずの物がそろっていない・こと(さま)。ちんば。「下駄が―だ」
片跛[片方だけ]の
かたちんば【片跛[片方だけ]の】
odd.→英和
〜の靴 an odd pair of shoes.
片身
かたみ [0] 【片身】
(1)「片身頃(カタミゴロ)」に同じ。
(2)体の半分。多くは,魚の背骨に沿って縦に切り開いた一方の身。半身(ハンミ)。「ブリの―」「―漬け」
片身
かたみ【片身】
one side[a half] <of a fish> .
片身恨み
かたみうらみ 【片身恨み】
不公平から生じた恨み。片恨み。「孝行に―のないやうに/浄瑠璃・新版歌祭文」
片身替り
かたみがわり [4] 【片身替(わ)り】
(1)衣服の右半分と左半分を別の布地で仕立てること。また,その衣服。大身替(オオミガワリ)。
(2)陶器の半分ずつが異なる調子に焼成されたもの。また,半分ずつに異なる色の釉(ウワグスリ)をかけたもの。
片身替わり
かたみがわり [4] 【片身替(わ)り】
(1)衣服の右半分と左半分を別の布地で仕立てること。また,その衣服。大身替(オオミガワリ)。
(2)陶器の半分ずつが異なる調子に焼成されたもの。また,半分ずつに異なる色の釉(ウワグスリ)をかけたもの。
片身頃
かたみごろ [3] 【片身頃】
衣服の身頃の片方。片身。
片輪
かたわ [0] 【片輪】
車の片方の輪。
片輪車
かたわぐるま [4] 【片輪車】
(1)一輪車。
(2)車輪が一つしかなくて役に立たない車。[日葡]
(3)文様の一。乾燥を防ぐために,牛車(ギツシヤ)の車輪を川の水に浸している情景を表したもの。
片輪車(3)[図]
片辺
かたほとり [3] 【片辺】
(1)片隅。
(2)都から離れたへんぴな所。片いなか。「―なるひじり法師などぞ/徒然 77」
片返し
かたかえし [3] 【片返し】
裁縫で,縫い代を割らずに片方に倒すこと。
片道
かたみち【片道】
one way.片道乗車券 <米> a one-way ticket; <英> a single (ticket).→英和
片道
かたみち [0] 【片道】
(1)行きか帰りかの一方。「―二キロの道のり」
(2)一方からだけすること。「―貿易」
(3)軍費として,片道分の費用について沿道諸国からの徴発を許すこと。「北陸道七か国の―を給ひて上洛仕るべきよし申され候ひければ/義経記 1」
片道切符
かたみちきっぷ [5] 【片道切符】
(1)一区間の一方向に,一回だけ通用する切符。
(2)(比喩的に)行くことはできても,帰るすべがないこと。
片釣り
かたづり 【片釣り】
一方に片寄っていること。ふつりあい。「―ガアルカ見ヨ/日葡」
片鉤
かたかぎ [2] 【片鉤】
結び目の片側だけに輪を結ぶこと。かたわな。
⇔諸鉤(モロカギ)
片鎌
かたかま [3] 【片鎌】
(1)鎌槍の左右へ突き出た三日月形の枝のうちの一方の枝。
(2)「片鎌槍」の略。
片鎌槍
かたかまやり [4] 【片鎌槍】
鎌槍のうち,穂の枝が片方のみのもの。かたかま。
片鎌槍[図]
片鎬造り
かたしのぎづくり [6] 【片鎬造り】
刀身の片側が平造りで,反対側は普通の鎬造りとする刀剣。作品はごく少ない。
片開き
かたびらき [3] 【片開き】
開き戸が一枚で,一方だけに開くこと。
⇔両開き
片降り
かたぶり [0] 【偏降り・片降り】
日照りのあと,雨降りばかり長く続くこと。
⇔偏照り
片陰
かたかげ [3] 【片陰】
(1)日陰。特に夏の夕方の日陰。[季]夏。
(2)何かに隠されて,ある方角からは見えない所。物かげ。「―へ呼んで,紙に包んだ物を手に握らせて/雁(鴎外)」
片隅
へんぐう [0] 【片隅】
かたすみ。すみ。
片隅
かたすみ【片隅(に)】
(in) a corner <of> .→英和
片隅
かたすみ [3][0] 【片隅】
中央部から離れた目立たない所。すみっこ。「部屋の―」「大都会の―」
片雲
へんうん [0] 【片雲】
ちぎれ雲。一片の雲。一かけらの雲。「―の風にさそはれて漂泊の思ひやまず/奥の細道」
片面
かためん [0] 【片面】
(1)物の一方の面。半面。
⇔両面
「レコードの―」「―刷り」
(2)物事の一方の面。「ものの―だけしか見ない」
(3)顔の半分。
片面
かたつら 【片面】
物の一方の側。また,顔の片側。「わたくしはいつも―の眼がねていますゆゑ/咄本・御前男」
片面
かためん【片面】
one[a single]side.
片靨
かたえくぼ [3] 【片靨】
片方の頬だけにできるえくぼ。
片頬
かたほ [0] 【片頬】
〔「かたほお」の転〕
一方の頬(ホオ)。「王は最(イ)と機嫌よく―に笑(エミ)を浮めしまま/鉄仮面(涙香)」
片頬
かたほお [0][3] 【片頬】
一方の頬。「三年に―笑う(メッタニ笑ワナイコトノ形容)」
片頬笑む
かたほえ・む [4] 【片頬笑む】 (動マ五[四])
ちょっとほほえむ。片頬に笑む。「口を捻ぢて―・み/歌行灯(鏡花)」
片頭痛
へんとうつう [3] 【片頭痛・偏頭痛】
⇒へんずつう(片頭痛・偏頭痛)
片頭痛
かたずつう [3] 【片頭痛】
⇒へんずつう(片頭痛)
片頭痛
へんずつう [3] 【片頭痛・偏頭痛】
頭部の片側だけに起こる発作性のはげしい頭痛。へんとうつう。かたずつう。
片顔
かたかお 【片顔】
顔の半分。片面。「ほうかぶりはづれて―の少し見えたるを/太平記 29」
片顔無し
かたかおなし 【片顔無し】
心が一徹で他を顧みないこと。また,そのような人。「入道はさる―の人にて/盛衰記 12」
片食
かたき 【片食】
〔「かたけ(片食)」の転〕
■一■ (名)
「かたけ(片食){■一■}」に同じ。
■二■ (接尾)
「かたけ(片食){■二■}」に同じ。
片食
かたけ 【片食】
〔「け」は食物・食事の意。江戸時代,朝夕二度の食事が普通であった頃できた語。「かたき」とも〕
■一■ (名)
一回分の食事。一度の食事。「たとへ―は食はずとも/浮世草子・織留 5」
■二■ (接尾)
助数詞。和語の数詞に付いて,食事の回数を数えるのに用いる。「ひと―,ふた―」
片鬢
かたびん [0] 【片鬢】
片方の鬢。かたこうびん。
片鬢剃り
かたびんそり 【片鬢剃り】
中世以降での刑の名。姦通・強姦・博打などの罪人の片方の鬢を剃り落としたこと。身分の低い者に科された。
片鱗
へんりん [0] 【片鱗】
(1)一片のうろこ。
(2)ほんのわずかな部分。一端。「大器の―をうかがわせる」
片鱗
へんりん【片鱗】
[一部]a part;→英和
a glimpse.→英和
〜をうかがう get a glimpse <of> .
片鳴き
かたなき 【片泣き・片鳴き】
(1)一人で泣くこと。ひたすらに泣くこと。「下泣きに我が泣く妻―に我が泣く妻/日本書紀(允恭)」
(2)鳥の鳴き声がまだ整わないこと。《片鳴》「おのづからまだ―のひなどりの/新撰六帖 6」
片麻岩
へんまがん [3] 【片麻岩】
広域変成作用によって生じた,粗粒または中粒で完晶質の変成岩。長石・石英からなる明色層と黒雲母・角閃石などからなる暗色層とが交互に重なる縞状構造を示す。
片麻布
かたまふ [3] 【片麻布】
たてに綿糸,よこに麻糸を使って織った布。着尺地・夏用座布団地・蚊帳地などに用いる。
片麻痺
へんまひ [3] 【片麻痺】
⇒半身不随(ハンシンフズイ)
片麻痺
かたまひ [3] 【片麻痺】
⇒半身不随(ハンシンフズイ)
版
ばん 【版】
⇒はん(版)
版
はん【版】
printing (印刷);→英和
an (the first,a popular) edition (出版).〜を改める publish a new edition.〜を重ねる go through several impressions.
版
はん 【版】
■一■ [1] (名)
□一□
(1)(「板」とも書く)彫刻や腐食などによって文字や絵などを凹凸で表し出した,印刷に用いる板状のもの。版木・印刷版など。「―を彫る」
(2)同じ版{(1)}による書籍などの発行。「―を重ねる」「―を改める」
□二□〔「ばん」の形で他の語に付く〕
(1)書物の意を表す。「豪華―」
(2)製版の種類を表す。「オフセット―」
(3)新聞・雑誌などで,特定の地域を対象とする意を表す。「都内―」
(4)…風,…様式の意を表す。「現代―」「日本―」
■二■ (接尾)
助数詞。出版物の刊行回数を表す。「無慮五〇―を重ねる」
版下
はんした【版下】
a block copy.
版下
はんした [0] 【版下】
(1)版木に貼って彫るための,書画の下書き。
(2)製版用の文字・図表・絵画などの原稿。
版元
はんもと [0] 【版元・板元】
書物などの出版元。発行所。
版元
はんもと【版元】
a publisher.→英和
版図
はんと [1] 【版図】
〔「版」は戸籍,「図」は地図の意〕
一国の領土。「―を広げる」「西域を―におさめる」
版屋
はんや 【版屋・板屋】
版木屋(ハンギヤ)のこと。
版式
はんしき [0] 【版式】
印刷版の様式。凸版・凹版・平版など。
版彫
はんほり [0][4] 【版彫(り)】
印鑑や版木を彫刻すること。また,その職人。
版彫り
はんほり [0][4] 【版彫(り)】
印鑑や版木を彫刻すること。また,その職人。
版心
はんしん [0] 【版心】
「柱(ハシラ){■一■(4)
(イ)}」に同じ。
版木
はんぎ [0][3] 【版木・板木】
木版印刷や版画で使うために,文字・図画などを彫った板。主に桜や黄楊(ツゲ)を用いる。形木(カタギ)。彫(エ)り板。印板。
版本
はんぽん [0][1] 【版本・板本】
彫った版木で印刷した本。整版本。木版本。刻本(コクホン)。
版権
はんけん【版権】
copyright.→英和
…の〜を所有(侵害)する hold (infringe) the copyright of….‖版権所有 All rights reserved.版権所有者 a copyright holder.
版権
はんけん [0] 【版権】
⇒出版権(シユツパンケン)
版画
はんが【版画】
a print;→英和
a woodcut.→英和
版画
はんが [0] 【版画】
凸版・凹版・平版などの版を用いて刷った絵。材質によって木版画・銅版画・石版画などがある。普通には木版画のこと。
版築
はんちく [0] 【版築】
中国の基壇や土壁の施行方法。玉石を敷いた上に粘土を棒で突き固めて重ねていく方法などがある。日本へは飛鳥時代に仏教建築とともに伝来。
版籍
はんせき [0][1] 【版籍】
版図と戸籍。転じて,領地とその人民。
版籍奉還
はんせきほうかん [0] 【版籍奉還】
1869年(明治2)諸藩主が領地と人民を朝廷に返還した藩解体政策の第一歩。木戸孝允・大久保利通らの画策により,まず薩長土肥の四藩主が奉還し,他藩もこれにならった。政府は全国の支配権をその手におさめ,藩主を知藩事に任命,以後,廃藩置県など中央集権化を推進した。
版行
はんこう [0] 【版行・板行】 (名)スル
文字や絵を版木に彫って刷り,発行すること。刊行。また,その版木や刷ったもの。
→はんこ(判子)
版金
はんきん [0] 【判金・版金】
〔「ばんきん」とも〕
大判金と小判金。特に,大判金。
版面
はんづら [0] 【版面】
「はんめん(版面)」に同じ。
版面
はんめん [0] 【版面】
印刷版の表面。また,書籍などの出版物で余白を除いた印刷面。はんづら。
牌
ぱい【牌】
a tile (マージャンの).→英和
牌
パイ [1] 【牌】
〔中国語〕
麻雀用の駒。普通,竹に象牙(ゾウゲ)・骨材などをはりつけたものが使われる。全部で一三六個。
牒
ちょう テフ [1] 【牒】
(1)文書を書きしるした薄い木の札。簡札。
(2)律令制の公文書の一様式。主典(サカン)以上の官人から官司に上申する文書。また,寺社など官司でない所と官司との間の文書や直属関係にない官司の間の文書などにも広く用いられた。
牒ず
ちょう・ず テフ― 【牒ず】 (動サ変)
回状をまわす。「東坂本の敵を一人も余さず湖水に追つぱめて滅ぼし候ふべしとぞ―・ぜられける/太平記 17」
牒奏
ちょうそう テフ― 【牒送・牒奏】
牒状を送って知らせること。通牒。「―のところに,などかくみせざるべき/平家 4」
牒状
ちょうじょう テフジヤウ [0] 【牒状】
(1)まわしぶみ。回状。「一味同心に僉議して,山へも奈良へも―をこそおくりけれ/平家 4」
(2)訴訟の内容を書いた書状。訴状。
牒送
ちょうそう テフ― 【牒送・牒奏】
牒状を送って知らせること。通牒。「―のところに,などかくみせざるべき/平家 4」
牓札
ぼうさつ バウ― [0] 【榜札・牓札】
たてふだ。かけふだ。
牓爾
ほうじ ハウ― [1] 【牓示・牓爾・榜示】
〔「ぼうじ」とも〕
(1)杭(クイ)や札を,領地・領田などの境界の目印として立てること。また,その杭や札。
(2)馬場の仕切り。
(3)庭の築垣(ツイガキ)。
牓示
ほうじ ハウ― [1] 【牓示・牓爾・榜示】
〔「ぼうじ」とも〕
(1)杭(クイ)や札を,領地・領田などの境界の目印として立てること。また,その杭や札。
(2)馬場の仕切り。
(3)庭の築垣(ツイガキ)。
牓示杭
ほうじぐい ハウ―グヒ [3] 【牓示杭】
境界のしるしに立ててある杭。さかいぐい。「御足の下なる―は,武蔵・相模両国の境杭/浄瑠璃・神霊矢口渡」
牕
まど [1] 【窓・窗・牕・牖】
(1)採光や通風のために,壁・屋根などに設けた開口部。
(2)岩稜が大きく切れ込んで低くなった所。風が通ることからの称。きれっと。
牖
まど [1] 【窓・窗・牕・牖】
(1)採光や通風のために,壁・屋根などに設けた開口部。
(2)岩稜が大きく切れ込んで低くなった所。風が通ることからの称。きれっと。
牖戸
ゆうこ イウ― [1] 【牖戸】
〔「牖」は窓の意〕
窓の戸。また,窓と戸。出入り口。「未明大風吹起りて―を撲つ/日乗(荷風)」
牙
きば【牙】
a fang (犬などの);→英和
a tusk (象などの).→英和
〜を鳴らす[むく]snarl <at> .→英和
牙
きば [1] 【牙】
哺乳類の歯の中で,特に大きく鋭くとがった歯。ライオン・イノシシ・セイウチなどの牙は犬歯が,ゾウの牙は門歯が発達したもの。
牙
き 【牙】
きば。「―かみたけびて/万葉 1809」
牙
かび 【牙・穎】
(1)植物の芽。「葦―の如く/古事記(上訓)」
(2)〔「かひ」とも〕
植物,特に稲の穂。また,穂先。「初穂をば千―八百―に奉り置きて/祝詞(祈年祭)」
牙人
がじん [0] 【牙人】
「牙行(ガコウ)」に同じ。
牙保
がほ [1] 【牙保】
(1)仲買い。周旋。牙儈(スアイ)。
(2)〔法〕 盗品などの売買など,有償での処分を斡旋(アツセン)すること。「―罪」
牙保罪
がほざい [2] 【牙保罪】
贓物(ゾウブツ)罪の一。事情を知りながら盗品の売買または質入れなどの処分の仲介・周旋をする罪。
牙儈
すあい スアヒ 【牙儈】
〔「牙婆」「数間」「仲」とも書く〕
物品売買の仲介を業とする者。また,その仲介料。才取(サイトリ)。すわい。「商人(アキンド)の―をとるとは武士の風上にもおかぬやつ/浮世草子・諸道聴耳世間猿」
牙儈女
すあいおんな スアヒヲンナ 【牙儈女】
近世,上方で,呉服類の取次販売をしながら売春もした女。すあい。
牙商
がしょう [0] 【牙商】
仲買人。才取り。牙行。
牙営
がえい [0] 【牙営】
大将のいる陣営。本陣。本営。
牙城
がじょう [0] 【牙城】
〔「唐書(李愬伝)」より。牙旗(=将軍ノ旗)を立てた城。城の中で大将のいる所の意から〕
敵の本陣。敵の本拠地。また,ある勢力の中枢。「敵の―に迫る」「改革派の―」
牙彫
げちょう [0] 【牙彫】
動物の牙,特に象牙を材料とする彫刻。江戸末期に根付け細工として行われていたが,明治以降彫刻的なものが盛んになった。げぼり。
牙彫
げぼり [0] 【牙彫(り)】
「げちょう(牙彫)」に同じ。「―の人形」
牙彫り
げぼり [0] 【牙彫(り)】
「げちょう(牙彫)」に同じ。「―の人形」
牙旗
がき [1] 【牙旗】
〔中国で,天子や大将の軍旗の竿頭を象牙で飾り,獣がきばで身を守るかたちとしたところから〕
天子や大将のいるところに立てる旗。大将旗。
牙歯
げし [1] 【牙歯】
動物のきば。
牙獐
がしょう [0] 【牙麞・牙獐】
⇒きばのろ(牙麞)
牙笏
げしゃく [0] 【牙笏】
象牙でできている笏。五位以上の者が儀式の際に用いた。
牙籌
がちゅう [0] 【牙籌】
(1)昔,中国で計算に用いた象牙製の数とり。
(2)そろばん。「―を執る(=収支計算スル)」
牙籤
げせん [0] 【牙籤】
書物の標題を書く象牙製の小さな札。帙(チツ)の外に下げて目印とする。がせん。
牙纛
がとう [0] 【牙纛】
竿先に象牙の装飾のある大旗。天子または大将軍の旗。「自由の―を樹て/佳人之奇遇(散士)」
牙舎利
げしゃり [2] 【牙舎利】
〔「舎利」は仏の遺骨〕
仏の歯。
牙虫
がむし [1] 【牙虫】
水生の甲虫。体長33ミリメートル内外。体はほぼ楕円形で後端はとがる。光沢のある黒色で,胸部後方に一本の剣状突起をもつ。草食性で,夏の池沼にみられる。日本各地と朝鮮・中国に分布。
牙行
がこう [0] 【牙行】
中国で,商取引の仲介をし,売り手と買い手とを結び付けて商談をまとめる仲買業者。またはそのギルド。五代・宋・明・清に発達。駔儈(ソカイ)。牙人。
牙軸
げじく [0] 【牙軸】
象牙製の,巻物・掛け物などの軸。
牙関緊急
がかんきんきゅう ガクワンキンキフ [4] 【牙関緊急】
咬筋(コウキン)の痙攣(ケイレン)によって口が開けられなくなる状態。破傷風・てんかん・ヒステリーなどで見られる。
牙音
がおん [1] 【牙音】
中国音韻学で,子音を五種に分類したものの一。軟口蓋の破裂音と鼻音にあたる。「見」「渓」「群」「疑」などの子音をさす。
牙麅
きばのろ [3] 【牙麞・牙麅】
シカ科の哺乳類。体高90センチメートルほど。角はなく,雄の上顎の犬歯は牙状に伸びる。毛は淡い栗色ないし黄褐色で,黒の霜降りがある。中国・朝鮮に分布。がしょう。くじか。
牙麞
きばのろ [3] 【牙麞・牙麅】
シカ科の哺乳類。体高90センチメートルほど。角はなく,雄の上顎の犬歯は牙状に伸びる。毛は淡い栗色ないし黄褐色で,黒の霜降りがある。中国・朝鮮に分布。がしょう。くじか。
牙麞
がしょう [0] 【牙麞・牙獐】
⇒きばのろ(牙麞)
牛
うし [0] 【牛】
(1)偶蹄目ウシ科の哺乳類。ヨーロッパなどに分布していた野生の原種(オーロックス)は絶滅し,家畜化されたものだけが現存する。家畜としては,ヨーロッパ系の品種とアジア系の品種(インド牛,ゼブ)の二系統に大別される。古くから乳用・肉用・役用として改良され,現在はホルスタインやヘレフォード,褐毛和種などの品種が普及。
(2)牛肉(ギユウニク)。「だんなさまはちかごろ―をお用ひでござり升か/安愚楽鍋(魯文)」
〔現代では食用の肉は「ぎゅう(牛)」という〕
(3)竹や木を家の棟木(ムナギ)のように組んで立て,物を寄せかけられるようにしたもの。
(4)「牛梁(ウシバリ)」の略。
牛
ぎゅう ギウ [1] 【牛】
(1)うし。
(2)うしの肉。牛肉。
(3)二十八宿の一。北方の星宿。山羊座の頭部にあたる。牛宿。いなみぼし。
(4)「妓夫(ギユウ)」の当て字。
牛
うし【牛】
a cow (雌);→英和
a bull (雄);→英和
an ox (去勢牛);→英和
cattle (総称);→英和
a calf (子牛).→英和
‖牛飼 a cowboy.牛小屋 a cowshed.
牛10頭
−とう【牛10頭】
ten head of cattle.
牛の玉
うしのたま [5] 【牛の玉】
(1)牛の額に生える毛の固まったようなもの。中にかたい芯(シン)があり,牛王(ゴオウ)と称して寺院などの宝物とした。
(2)
⇒牛黄(ゴオウ)
牛の竹篦
うしのしっぺい [0] 【牛の竹篦】
イネ科の多年草。湿地に生える。茎は高さ約70センチメートルに達し,扁平でかたい。葉は線形。晩夏に枝頂や葉腋(ヨウエキ)に円柱形の花穂をつける。
牛の素麺
うしのそうめん [4] 【牛の素麺】
根無葛(ネナシカズラ)の異名。
牛の舌
うしのした [5][0] 【牛の舌】
カレイ目ウシノシタ科とササウシノシタ科の海魚の総称。全長10〜35センチメートル。体は平たくて長楕円形,目が小さく口は鉤(カギ)状に曲がる。アカシタビラメ・クロウシノシタなどウシノシタ科では両眼が体の左側にあり,大形のものが多く食用とされる。シマウシノシタ・ササウシノシタなどササウシノシタ科では両眼が体の右側にある。北日本以南の沿岸海底に分布。クツゾコ。ベタ。
→シタビラメ
牛の角文字
うしのつのもじ 【牛の角文字】
〔牛の角に形が似ているので〕
平仮名の「い」の文字。また,徒然草にある延政門院の歌より,恋文のこと。「ふたつ文字―直ぐな文字歪み文字とぞ君は覚ゆる/徒然 62」
〔「ひ」の文字とする説もある〕
牛の角突き合い
うしのつのつきあい [6] 【牛の角突(き)合い】
(1)「牛合わせ」に同じ。
(2)言い争うこと。押し問答すること。
牛の角突合い
うしのつのつきあい [6] 【牛の角突(き)合い】
(1)「牛合わせ」に同じ。
(2)言い争うこと。押し問答すること。
牛の車
うしのくるま [0] 【牛の車】
〔仏〕 小乗の教えを羊や鹿の車というのに対して,大乗の妙法のたとえ。
→三車
牛の額
うしのひたい [0] 【牛の額】
植物ミゾソバの別名。
牛の骨
うしのほね 【牛の骨】
素性のわからないものをののしっていう語。馬の骨。「どこの―やらしらいで/浮世草子・胸算用 3」
牛の鼻木
うしのはなぎ [0] 【牛の鼻木】
植物カマツカの異名。
牛丼
ぎゅうどん ギウ― [0] 【牛丼】
「牛飯(ギユウメシ)」に同じ。
牛久
うしく 【牛久】
茨城県南部の市。もと浜街道の宿場町。近年,住宅地化が進む。日本の葡萄(ブドウ)酒醸造の発祥地。
牛乳
ぎゅうにゅう ギウ― [0] 【牛乳】
牛の乳汁。白色で脂肪・タンパク質・カルシウム・ビタミンが豊富に含まれ,栄養価が高い。飲用とするほか,アイスクリーム・バター・チーズなどの原料とする。ミルク。
牛乳
ぎゅうにゅう【牛乳】
(cow's) milk.→英和
〜を搾る milk a cow.→英和
〜を配達する deliver milk <at a person's house> .‖牛乳缶 <米> a milk can[ <英> churn](大型の).牛乳びん a milk bottle.牛乳屋 a milkman (人).
牛乳計
ぎゅうにゅうけい ギウ― [0] 【牛乳計】
牛乳の比重を測り,品質の良否を知るために用いる浮き秤(バカリ)。牛乳比重計。乳稠(ニユウチユウ)計。
牛仏
うしぼとけ 【牛仏】
仏が,仮に牛の姿になって現れたもの。「関寺といふ所に―あらはれ給ひて/栄花(嶺の月)」
牛供養
うしくよう [3] 【牛供養】
中国地方で,花田植えのとき,美しく飾った牛に田の代掻(シロカ)きをさせる行事。
牛偏
うしへん [0] 【牛偏】
漢字の偏の一。「牡」「物」「特」などの「牛」の部分。
牛健児
うしこでい 【牛健児】
〔「こでい」は健児(コンデイ)の撥音「ん」の無表記〕
「牛飼い童(ワラワ)」のこと。「是は―がはからひか/平家 8」
〔用例の平家物語の部分は木曾義仲が「牛飼い童」と言うべきところを知らずに言った田舎言葉〕
牛僧孺
ぎゅうそうじゅ ギウ― 【牛僧孺】
(779-847) 唐中期の政治家。字(アザナ)は思黯(シアン)。進士の出身。823年宰相となり,李吉甫(リキツポ)の子李徳裕を追放。新興科挙官僚(牛党)と門閥貴族出身者(李党)の対立であるいわゆる牛李の党争を展開。
牛刀
ぎゅうとう ギウタウ [0] 【牛刀】
牛を切り裂く大きな包丁。
牛博労
うしばくろう [3] 【牛博労】
牛の売買・周旋を業とする人。牛屋。
牛原
うしはら 【牛原】
姓氏の一。
牛原虚彦
うしはらきよひこ 【牛原虚彦】
(1897-1985) 映画監督。熊本県生まれ。松竹入社後,渡米してチャップリンの薫陶を受ける。帰国後,「彼と東京」「彼と田園」「彼と人生」三部作などで一時代を画した。
牛合せ
うしあわせ [3] 【牛合(わ)せ】
牛と牛とを角を突き合わせて戦わせ,その勝負を見る遊び。闘牛。牛の角突き合い。
牛合わせ
うしあわせ [3] 【牛合(わ)せ】
牛と牛とを角を突き合わせて戦わせ,その勝負を見る遊び。闘牛。牛の角突き合い。
牛天神
うしてんじん [3] 【牛天神】
〔牛は天神の使いという俗信から〕
天満宮の異名。天神様。
牛女
ぎゅうじょ ギウヂヨ [1] 【牛女】
牽牛(ケンギユウ)と織女。
牛宿
いなみぼし 【牛宿】
〔稲見星の意〕
二十八宿の牛(ギユウ)宿の和名。山羊座の西部の六星。
牛小屋
うしごや [0] 【牛小屋】
牛を飼っておく小屋。
牛尾
ぎゅうび ギウ― [1] 【牛尾】
(1)牛のしっぽ。
(2)「牛後(ギユウゴ)」に同じ。
牛尾菜
しおで シホデ [0] 【牛尾菜】
ユリ科のつる性多年草。山野に自生。葉は卵形。葉柄に一対の巻きひげがある。雌雄異株。夏,長い花柄の頂に淡黄緑色の小花を多数散状につける。果実は球形の液果で黒熟する。若芽を食用にする。
牛尾菜[図]
牛尾魚
こち [1] 【鯒・鮲・牛尾魚】
(1)カサゴ目コチ科の海魚の総称。日本近海にはコチ・メゴチなど約一五種がいる。
(2){(1)}の一種。全長60センチメートルに及ぶ。体形は上下に平たく,頭は大きく,尾の方は細い。体色は黄褐色で,多数の小斑点が散在する。沿岸の砂底にすむ。食用となり,夏,特に美味。本州中部以南からインド洋にかけて分布。[季]夏。
鯒(2)[図]
牛屋
ぎゅうや ギウ― [3] 【牛屋】
(1)牛肉屋。
(2)「牛鍋(ギユウナベ)屋」に同じ。
牛屋
うしや [0] 【牛屋】
(1)「牛店(ウシミセ)」に同じ。
(2)牛博労(バクロウ)。
(3)牛小屋。「―,よき牛ども十五ばかり/宇津保(吹上・上)」
牛島
うしじま 【牛島】
姓氏の一。
牛島謹爾
うしじまきんじ 【牛島謹爾】
(1864-1926) アメリカ移民の成功者。久留米の人。馬鈴薯の大規模栽培に成功し,ポテト王と呼ばれた。
牛川人骨
うしかわじんこつ ウシカハ― 【牛川人骨】
愛知県豊橋市牛川で発見された化石人骨。中期更新世(旧石器時代)のものといわれるが,鹿の骨説もある。
牛市
うしいち [2][3][0] 【牛市】
牛を売買する市。牛のせり市。
牛店
うしみせ [0] 【牛店】
明治時代,牛鍋など牛肉の料理を食べさせた店。うしや。ぎゅうや。
牛店
ぎゅうてん ギウ― [0] 【牛店】
牛鍋屋(ギユウナベヤ)。牛屋。「文三はとある―へ立ち寄つた/浮雲(四迷)」
牛後
ぎゅうご ギウ― [1] 【牛後】
牛の尻(シリ)。権力のある者の尻につき従う者のたとえ。牛尾。
→鶏口(ケイコウ)
牛戸焼
うしのとやき 【牛戸焼】
鳥取県八頭(ヤズ)郡河原(カワハラ)町牛戸産の焼き物。天保年間(1830-1844),陶工金河藤七が開窯,のち石見国の陶工小林梅五郎が受け継いだ。現在は水がめ・鉢(ハチ)・すり鉢など民具の生産が盛ん。
牛持子
うしもつご [3] 【牛持子】
コイ目の淡水魚。全長6〜7センチメートルで体は淡黄褐色。稚魚期には体側に黒色帯を有するが,幼魚期以降は完全に消失。口ひげはない。濃尾平野などに分布。生息に適した深みのある池などが減少し,天然ではほぼ絶滅状態にある。ケンカモロコ。ウシモロコ。ウシ。
牛方
うしかた [0] 【牛方】
牛を扱う人。牛を使って,荷物を運ぶことを業とする人。
牛梁
うしばり [0] 【牛梁】
主に重いものを支える断面の大きい梁。小屋梁・塔の心柱・左義長柱などを受ける。中引き梁。牛曳(ウシビキ)。牛曳梁。
牛歩
ぎゅうほ ギウ― [1] 【牛歩】
牛のように遅い歩み。物事がなかなかはかどらないさまにいう。
牛歩戦術
ぎゅうほせんじゅつ ギウ― [4] 【牛歩戦術】
議会で,審議を引き延ばすために,投票のとき,極端なのろのろ歩きをすること。
牛歩戦術
ぎゅうほ【牛歩戦術】
stalling tactics.
牛殺し
うしころし [3][0] 【牛殺し】
(1)牛を殺すことを職業とする人。
(2)〔牛の鼻木としたのでいう〕
植物カマツカの別名。
牛毛苔
うしけのり [3] 【牛毛苔】
紅藻類ウシケノリ目の海藻。高潮線に近い岩上などに着生。分布は全世界的。藻体は紫褐色で細糸状,叢生したところは獣毛を思わせる。
牛海老
うしえび [0] 【牛海老】
クルマエビ科のエビの一種。体長25センチメートル に達する。体色は紫黒色。西太平洋・インド洋に分布。東南アジアなどで養殖され,食用に輸入される。ブラック-タイガー。クロエビ。
牛深
うしぶか 【牛深】
熊本県南西部,天草下島の南部にある市。古くから漁業が盛ん。丘陵地が多く,ミカンを栽培する。
牛深はいや節
うしぶかはいやぶし 【牛深はいや節】
熊本県牛深市の民謡で,酒盛り唄。越後から伝わった甚句を船乗りや酌婦が唄い踊るうち,にぎやかな唄になったもの。
→はいや節
牛溲馬勃
ぎゅうしゅうばぼつ ギウシウ― [1] 【牛溲馬勃】
〔韓愈「進学解」〕
牛の尿と馬の糞(フン)。値打ちのないもののたとえ。
牛王
ごおう [1][2] 【牛王】
「牛王宝印」の略。「熊野の―の裏に告文(コウブン)を書きて出したる未来記あり/太平記 27」
牛王売り
ごおううり [2] 【牛王売り】
牛王宝印を売り歩くこと。また,その人。主に比丘尼(ビクニ)が売り歩いた。
牛王宝印
ごおうほういん [4] 【牛王宝印】
熊野神社・手向山八幡宮・京都八坂神社・高野山・東大寺・東寺・法隆寺などから出す厄除けの護符。「牛王宝印」「牛王宝命」などと記してある。烏(カラス)を図案化した熊野牛王は有名。裏面は起請文(キシヨウモン)を書くのに用いた。牛王。宝印。牛王印。牛王宝命。
牛疫
ぎゅうえき ギウ― [0] 【牛疫】
家畜法定伝染病の一。ウイルスによる牛の伝染病。伝染力が強く,死亡率が高い。感染すると発熱し,下痢が激しい。現在,日本では全く見られない。
牛痘
ぎゅうとう ギウ― [0] 【牛痘】
牛の痘瘡(トウソウ)。人には毒性が弱い。この痘漿を人体に接種して天然痘に対する免疫をつくる方法をジェンナーが考案した。
牛皮
ぎゅうひ【牛皮】
oxhide;→英和
cowhide.→英和
牛皮
ぎゅうひ ギウ― [0] 【牛皮】
牛の皮。
牛盗人
うしぬすびと 【牛盗人】
狂言の一。法皇の牛車(ギツシヤ)の牛が盗まれ,犯人を訴え出た者には,望みどおりの褒美を与えるという高札が出る。それを見た牛盗人の子が父が犯人だと訴え,褒美として父の命乞いをし,許されるという筋。
牛眼
ぎゅうがん ギウ― [0] 【牛眼】
幼児の緑内障の症状の一。眼圧の亢進(コウシン)のため,眼球が拡大した状態。水眼。
牛神祭
うしがみまつり [5] 【牛神祭(り)】
五月節句に飼い牛の無病息災を祈願して,陶製や藁(ワラ)製の牛を牛神の祠(ホコラ)に納める祭り。西日本に多い習俗。
牛神祭り
うしがみまつり [5] 【牛神祭(り)】
五月節句に飼い牛の無病息災を祈願して,陶製や藁(ワラ)製の牛を牛神の祠(ホコラ)に納める祭り。西日本に多い習俗。
牛祭
うしまつり 【牛祭】
京都市太秦(ウズマサ)の広隆寺で行われる祭り。一〇月一〇日に行われる。魔多羅神(マタラジン)の仮面をかぶった男が牛に乗り,赤鬼・青鬼に扮した四天王を従えて境内を回ったのちに祭壇に至って祭文を読み上げる。[季]秋。《松明にむせぶ鬼あり―/田畑比古》
牛突
うしつつき [3] 【牛突】
スズメ目の鳥。ムクドリの類。サイ・キリン・ウシなどの背中にたかったダニを食べる。
牛糞
ぎゅうふん ギウ― [0] 【牛糞】
牛のくそ。
牛繁縷
うしはこべ [3] 【牛繁縷】
ナデシコ科の越年草・多年草。葉は対生し広卵形で先端がとがる。茎の下部は地をはい,長さ50センチメートル内外。初夏,白色五弁の小花を開く。ハコベに似るが,大形で茎は帯紫色。
牛缶
ぎゅうカン ギウ― [0] 【牛缶】
牛肉の缶づめ。
牛羚羊
うしかもしか [3] 【牛羚羊】
⇒ヌー
牛耳
ぎゅうじ ギウ― [1] 【牛耳】
牛の耳。
牛耳る
ぎゅうじ・る ギウジル [3] 【牛耳る】 (動ラ五)
〔「牛耳を執(ト)る」の「牛耳」を動詞化した語〕
団体・集団などの運営を自分の意のままに支配する。「党の活動を―・る」
[可能] ぎゅうじれる
牛耳る
ぎゅうじる【牛耳る】
take the lead <in a discussion> ;→英和
be the leader <of a party> .→英和
牛肉
ぎゅうにく【牛肉】
beef.→英和
牛肉
ぎゅうにく ギウ― [0] 【牛肉】
食用にする牛の肉。
牛肉[図]
牛肉と馬鈴薯
ぎゅうにくとじゃがいも ギウニク― 【牛肉と馬鈴薯】
小説。国木田独歩作。1901年(明治34)「小天地」に発表。理想を求めて馬鈴薯を食すか,実利に従うかの議論の末に,習慣を脱した眼で,「喫驚」したいという願望を語る。
牛肉屋
ぎゅうにくや ギウ― [0] 【牛肉屋】
(1)牛肉を売る店。牛肉店。
(2)「牛鍋屋」に同じ。
牛肉店
ぎゅうにくてん ギウ― [4] 【牛肉店】
(1)牛肉を売る店。牛肉屋。
(2)「牛鍋屋」に同じ。
牛脂
ぎゅうし ギウ― [1] 【牛脂】
牛の新鮮な脂肪組織から精製して得た脂肪。白色の塊で特異な臭気があり,軟膏(ナンコウ)類や食用油・石鹸(セツケン)などの製造原料とする。ヘット。
牛膝
ごしつ [0] 【牛膝】
イノコズチの漢名。また,その根を干して作った利尿・強精・通経薬。
牛膝
いのこずち ヰノコヅチ [3] 【牛膝】
ヒユ科の多年草。山野・路傍に自生し,高さ90センチメートルに達する。葉は楕円形で対生し,短毛が密生する。夏,葉腋と茎頂に淡緑色の小花を穂状花序につける。果実は苞(ホウ)にとげがあって動物体や衣服によく付着し,他の地へ運ばれる。根を牛膝根(ゴシツコン)といい,利尿・強精・通経薬とする。フシダカ。コマノヒザ。[季]秋。
牛舎
ぎゅうしゃ ギウ― [1] 【牛舎】
牛を飼う小屋。牛小屋。
牛舎
ぎゅうしゃ【牛舎】
a cowshed.→英和
牛若丸
うしわかまる 【牛若丸】
源義経(ミナモトノヨシツネ)の幼名。
牛蒡
ごぼう【牛蒡】
a burdock (root).→英和
〜抜きにする pull up by the roots;overtake and outrun <four runners> in a single spurt.
牛蒡
ごんぼ [0] 【牛蒡】
「ごぼう」の転。
牛蒡
ごぼう [0] 【牛蒡】
キク科の大形二年草。ユーラシア原産。葉は卵心形で柄が長い。茎は高さ1メートル以上になり,夏,頂に淡紫または白色の頭花をつける。根はまっすぐで細長く茶褐色で,食用。種子は漢方で消炎・解熱薬とする。[季]秋。
牛蒡
うまふぶき 【牛蒡】
ゴボウの古名。[和名抄]
牛蒡剣
ごぼうけん [0] 【牛蒡剣】
〔形がゴボウに似るところから〕
銃剣の俗称。
牛蒡尻
ごぼうじり [0] 【牛蒡尻】
犬や猫の尾の短いもの。
牛蒡巻
ごぼうまき [0] 【牛蒡巻(き)】
⇒八幡巻(ヤワタマ)き
牛蒡巻き
ごぼうまき [0] 【牛蒡巻(き)】
⇒八幡巻(ヤワタマ)き
牛蒡抜き
ごぼうぬき [0] 【牛蒡抜き】
(1)(牛蒡を抜く時のように)棒状のものを一気に引き抜くこと。
(2)大勢の中から一人ずつ順々に引き抜くこと。
(3)競走で,数人を次々と追い抜くこと。「ゴール直前で―にする」
牛蒡根
ごぼうね [2] 【牛蒡根】
ゴボウの根のように直線的に地中深く伸びた草木の根。
牛蒡注連
ごぼうじめ [0] 【牛蒡注連】
注連縄(シメナワ)の一種。大根注連(ダイコンジメ)の細めのもの。正月,神棚などに飾る。
牛蒡積み
ごぼうづみ [0] 【牛蒡積み】
石垣の積み方の一。奥行の深い石を用い,その小口を正面に出し,奥に深く石が入るように積むこと。
牛蒡縞
ごぼうじま [0] 【牛蒡縞】
(ゴボウの根のように)細い縦縞の模様。明治初期に流行。
牛虻
うしあぶ [0][3] 【牛虻】
大形のアブ。体長2.5センチメートル内外。体は灰褐色。胸部の背面に五つの白い縦条があり,腹部の各節中央に明瞭な三角形の紋がある。人畜の血を吸う。日本全土にみられる。
牛蛙
うしがえる [3] 【牛蛙】
〔鳴き声が牛に似ているのでいう〕
アカガエル科の大きなカエル。北米原産であるが,移入されたものが日本各地で野生化している。体長は約20センチメートル。雄の背は濃い緑色,雌は茶色でともに黒色の斑点がある。肉は淡泊でやわらかい。食用蛙。
牛蠅
うしばえ [2][0] 【牛蠅】
双翅目の昆虫。体長約1.5センチメートル。黄褐色で,腹部に数本の黒帯がある。幼虫はウシ・ウマの皮下に寄生し,蛹(サナギ)になる前に皮膚に穴をあけて出る。皮革の害虫。温帯に分布。
牛裂き
うしざき [0] 【牛裂き】
室町末期から戦国時代の極刑の一。罪人の手足を二頭または四頭の牛につなぎ,牛を左右に駆けさせ罪人のからだを引き裂かせる。キリシタン宗徒の迫害などに用いられた。
牛角
ごかく [0] 【互角・牛角】 (名・形動)[文]ナリ
(牛の二本の角に大小・長短の差がないように)競い合う両者の力量が同じぐらいで,優劣がつけにくい・こと(さま)。五分五分。「―の腕前」「力は―だ」「―にわたり合う」
牛車
ぎっしゃ [1] 【牛車】
主に平安時代,牛にひかせた貴人用の車。屋形の部分に豪華な装飾を凝らしたものが多く,唐庇(カラビサシ)の車・糸毛の車・檳榔毛(ビロウゲ)の車・網代(アジロ)の車・八葉の車・御所車などがあり,位階や公用・私用の別によって乗る車の種類が定められていた。うしぐるま。ぎゅうしゃ。
牛車[図]
牛車
ぎゅうしゃ【牛車】
an oxcart.→英和
牛車
ぎゅうしゃ ギウ― [1] 【牛車】
(1)牛に引かせる車。
(2)「ぎっしゃ(牛車)」に同じ。
牛車
うしぐるま [3] 【牛車】
(1)牛の引く車。普通,荷車として用いる。ぎゅうしゃ。
(2)「ぎっしゃ(牛車)」に同じ。
牛車の宣旨
ぎっしゃのせんじ 【牛車の宣旨】
親王・摂政・関白などが,牛車に乗ったまま内裏の建礼門まで入ることを許す旨の宣旨。
牛込
うしごめ 【牛込】
東京都新宿区の東部の地名。もと牛込区をなす。住宅・文教地区。
牛追い
うしおい [0][3] 【牛追い】
牛をあとから追って歩かせる人。うしかた。牛飼い。
牛追い唄
うしおいうた [3] 【牛追い唄】
民謡。牛方が牛を追うときに唄う唄。岩手県の「南部牛追い唄」が有名。牛方節(ウシカタブシ)。
牛追物
うしおうもの 【牛追物】
騎射の一。小牛を馬で追って蟇目(ヒキメ)の矢で射るもの。鎌倉時代に流行。
牛部屋
うしべや [0] 【牛部屋】
(1)牛小屋。
(2)「十六むさし」の盤の三角の所。雪隠(セツチン)。
牛酪
ぎゅうらく ギウ― [0] 【牛酪】
バターのこと。
牛鍋
ぎゅうなべ ギウ― [0] 【牛鍋】
〔主に関東で用いた語〕
牛肉をネギ・豆腐などと一緒に平鍋で煮ながら食べる料理。すきやき。
牛鍋
ぎゅうなべ【牛鍋】
sukiyaki (すき焼).
牛鍋屋
ぎゅうなべや ギウ― [0] 【牛鍋屋】
牛鍋を食べさせる店。明治初期に流行。牛肉屋。牛屋(ギユウヤ)。
牛鍬
うしぐわ [0] 【牛鍬】
「唐鋤(カラスキ)」に同じ。
牛革
ぎゅうかわ ギウカハ [0] 【牛革】
牛の皮をなめした革。特にベルトやハンドバッグなどの原料としての牛の革。ぎゅうがわ。
牛頭
ごず [1] 【牛頭】
頭は牛,身体は人の形をした地獄の鬼。
→牛頭馬頭(ゴズメズ)
牛頭天王
ごずてんのう ゴヅテンワウ 【牛頭天王】
祇園社などの祭神。もと祇園精舎の守護神とも,薬師如来の化身ともいう。疫病神で,のちには素戔嗚尊(スサノオノミコト)と習合されて尊崇された。
牛頭栴檀
ごずせんだん ゴヅ― 【牛頭栴檀】
天竺(テンジク)の牛頭という山に生える香木。麝香(ジヤコウ)に似た香りがあるという。仏像用や薬用に用いた。牛頭香。「妙なる―・沈水香を以て/今昔 3」
牛頭香
ごずこう ゴヅカウ 【牛頭香】
牛頭栴檀(センダン)の異名。
牛頭馬頭
ごずめず ゴヅメヅ [0] 【牛頭馬頭】
〔仏〕 牛の頭をした鬼と馬の頭をした鬼。地獄の獄卒という。
牛頭馬頭[図]
牛飯
ぎゅうめし ギウ― [0] 【牛飯】
牛肉をネギなどと煮て,汁とともにどんぶり飯にかけたもの。牛丼(ギユウドン)。
牛飲馬食
ぎゅういんばしょく ギウイン― [0] 【牛飲馬食】 (名)スル
牛が水を飲み馬がものを食べるように,大いに飲み食いすること。
牛飲馬食する
ぎゅういんばしょく【牛飲馬食する】
eat and drink heavily.
牛飼い
うしかい [0][3] 【牛飼い】
(1)牛を飼う人。うしかた。
(2)「牛飼い童(ワラワ)」の略。
牛飼い座
うしかいざ [0] 【牛飼い座】
〔(ラテン) Bootes〕
六月下旬の宵に南中する星座。アルファ星アルクトゥルスは〇・〇等星で,全天第四の輝星。輝星六個が西洋凧(タコ)の形をなす。
牛飼い星
うしかいぼし [3] 【牛飼い星】
牽牛(ケンギユウ)星の異名。
牛飼い童
うしかいわらわ 【牛飼い童】
牛車(ギツシヤ)の牛を扱う者。成人でも狩衣(カリギヌ)を着,もとどりを放った童形(ドウギヨウ)でいる。
牛馬
うしうま [0] 【牛馬】
小形のウマ。肩高1.3メートル内外。皮膚病のためとされるが,体毛が少なく,たてがみや尾の長い毛を欠き,尾は棒状。一見すると牛のように見えることからこの名がある。文禄・慶長の役のときに,朝鮮から持ち帰ったものといわれる。種子島に生き残っていたが,1947年(昭和22)頃絶滅。
牛馬
ぎゅうば ギウ― [1] 【牛馬】
牛と馬。「―のようにこき使う」
牛馬
ぎゅうば【牛馬】
oxen and horses.〜のようにこき使う work[drive] <a person> hard like a beast of burden.
牛駈け
うしかけ 【牛駈け】
昔,陰暦五月五日に大坂北野あたりで牛を川の堤へ引き出し放ち遊ばせた行事。牛のやぶ入り。
牛驥同皁
ぎゅうきどうそう ギウキドウサウ [1] 【牛驥同皁】
〔「史記(鄒陽)」より。「皁」は「かいばおけ」の意〕
歩みの遅い牛と,一日に千里を走る馬とが同じかいばおけで飼われることから,能力のある者が劣った者と同じ待遇をうけること。
牛鬼
うしおに [0] 【牛鬼】
(1)地獄の獄卒である牛頭(ゴズ)のこと。「―。いかり,名よりも見るはおそろし/枕草子 153」
(2)牛の頭をした妖怪。「忽に長二丈許なる―と成つて/太平記 32」
牛鰆
うしさわら [3] 【牛鰆】
スズキ目の海魚。全長2メートルに達する。体は紡錘形でやや長く,吻(フン)はとがり,尾びれは半月状となる。体色は背面が青緑色で腹面は白色。体側に淡い二列の斑点が並ぶ。味はサワラより劣る。南日本以南に分布。オキサワラ。
牛黄
ごおう [0] 【牛黄】
牛の胆嚢(タンノウ)中にできる結石。癇(カン)・熱病・小児の百病に効くとして,珍重される。
牝
めす [2] 【雌・牝】
(1)動物で,卵巣を有し子や卵を産む個体。符号に♀を使う。
⇔雄
(2)植物で,雌花のみをつける株。
牝
めん [0][1] 【雌・牝】
めす。め。
⇔おん
牝
め [1] 【雌・女・妻・牝】
(1)おんな。「吾(ア)はもよ―にしあれば/古事記(上)」
(2)妻。「―とすべき人/宇津保(藤原君)」
(3)他の語に付いて,複合語をつくる。
(ア)女性,または,動植物のめすを表す。「―神」「―牛」
(イ)一対の物のうち,「小さい」「弱い」など,女性的と思われる方を表す。「―滝」「―波」
⇔お
牝牛
ひんぎゅう [0] 【牝牛】
めうし。めすうし。
牝牛
めうし [0][1] 【牝牛・雌牛】
めすの牛。
⇔牡牛(オウシ)
牝牛
うなめ 【牝牛】
めすの牛。[日葡]
牝牛
おなめ ヲナメ 【牝牛】
雌の牛。[ヘボン]
牝牡
ひんぼ [1] 【牝牡】
めすとおす。雌雄。
牝狐
めぎつね [2] 【牝狐】
めすの狐。また,男をだます悪賢い女の意でもいう。
牝瓦
めがわら [2] 【牝瓦・女瓦】
凹面を上に向けて用いる瓦。伏せて用いる牡瓦(オガワラ)と組み合わせて交互に葺(フ)く。本瓦葺きに用いる平瓦など。
⇔牡瓦
牝馬
ひんば [1] 【牝馬】
めすの馬。めすうま。
⇔牡馬(ボバ)
牝馬
めうま [1][0] 【牝馬・雌馬】
めすの馬。
⇔牡馬(オウマ)
牝鶏
ひんけい [0] 【牝鶏】
めすのにわとり。めんどり。
牝鹿
めじか [1][0] 【牝鹿】
めすの鹿。
⇔牡鹿
牟尼
むに [1] 【牟尼・文尼】
〔仏〕
〔梵 muni 賢者・聖者の意〕
(1)沈黙の行を修する人。
(2)釈迦の敬称。釈迦牟尼。
牟岐線
むぎせん 【牟岐線】
JR 四国の鉄道線。徳島・阿南・牟岐・海部間,79.3キロメートル。徳島県南部の太平洋岸を走り,海部より阿佐海岸鉄道が甲浦までのびる。
牟礼
むれ 【牟礼】
香川県北東部,木田郡の町。高松市の東に接し,五剣山や八栗寺がある。
牟礼
むれ 【山・牟礼】
やま。おか。「是の―の鉄(カネ)を取て以て永(ヒタブル)に聖の朝に奉る/日本書紀(神功訓)」
〔古代朝鮮語からともいう〕
牡
おす ヲス [2] 【雄・牡】
(1)動物で,精巣を有し,精子を作る個体。雌雄異体の生物で,小配偶子を作る個体。符号に♂を使う。
⇔雌(メス)
(2)植物で,雄花のみをつける株。
牡
お ヲ [1] 【雄・男・夫・牡】
(1)おとこ。「汝こそは―にいませば/古事記(上)」
(2)夫(オツト)。「吾(ア)はもよ女(メ)にしあれば汝(ナ)をきて―は無し/古事記(上)」
(3)他の語に付いて,複合語をつくる。
(ア)男性,または動植物が雄性である意を表す。「ますら―」「―鹿」「―花」
(イ)一対の物のうち,「大きい」「勢いが強い」など,男性的と思われる方を表す。「―滝」「―岳」
(ウ)男らしい,勇ましいなどの意を表す。「―たけび」
⇔め
牡丹
ぼたん [1] 【牡丹】
(1)キンポウゲ科の落葉小低木。中国原産。日本でも古くから栽培。高さ約1メートル。葉は白緑色で羽状に分裂し,さらに切れ込む。初夏,枝先に径10〜20センチメートルの花を開く。園芸品種は重弁で,紅・白・淡紅・紫・黄など。根皮は漢方薬に利用。ぼうたん。古名,ホウタン・フカミグサ・ハツカグサ。[季]夏。《―散てうちかさなりぬ二三片/蕪村》
(2)〔「獅子(シシ)に牡丹」の「獅子」を猪(イノシシ)にとりなして〕
イノシシの肉をいう。
(3)はなやかで大きなものの形容。「―エビ」
牡丹
ぼたん【牡丹】
a tree peony.
牡丹
ぼうたん [0] 【牡丹】
「ぼたん(牡丹)」の長音化した語。俳句などで用いることが多い。[季]夏。《―の咲くときゝはや散るときゝ/星野立子》
牡丹亭
ぼたんてい 【牡丹亭】
「還魂記(カンコンキ)」の別名。
牡丹亭還魂記
ぼたんていかんこんき 【牡丹亭還魂記】
「還魂記」の別名。
牡丹刷毛
ぼたんばけ [2] 【牡丹刷毛】
毛の開いた化粧用のはけ。
牡丹卵
ぼたんたまご [4][5] 【牡丹卵】
料理の一。熱した油に,鶏卵を割って落とす。白身が広がって黄身をかこんださまをボタンの花に見立てたもの。
牡丹唐草
ぼたんからくさ [5] 【牡丹唐草】
唐草に牡丹を配した文様。
牡丹杏
ぼたんきょう [0] 【牡丹杏】
植物の,スモモの栽培品種。[季]夏。
牡丹桜
ぼたんざくら [4] 【牡丹桜】
サトザクラの別名。
牡丹槍
ぼたんやり [2] 【牡丹槍】
棒の先に綿または毛をまるく包んでつけた練習用のやり。たんぽやり。
牡丹江
ぼたんこう 【牡丹江】
(1)中国,黒竜江省南部を北流する松花江の支流。吉林省の牡丹嶺に源を発し,依蘭で松花江に合流。長さ725キロメートル。ムータン-チアン。
(2)中国,黒竜江省東南部の都市。牡丹江上流域にあり,機械・木材加工などの工業が発達。鉄道交通の要地。ムータンチアン。
牡丹灯籠
ぼたんどうろう 【牡丹灯籠】
人情噺の一。三遊亭円朝作。中国の怪異小説集「剪灯(セントウ)新話」中の「牡丹灯記」と「渭塘奇偶記」を浅井了意が翻案した「牡丹灯籠(ボタンノトウロウ)」(「御伽婢子(オトギボウコ)」所収)に取材し,幕末にあった旗本の横死事件などをからませたもの。怪談牡丹灯籠。
牡丹皮
ぼたんぴ [2] 【牡丹皮】
生薬の一。ボタンの根皮で,鎮痛・鎮静薬,特に婦人病薬とする。
牡丹色
ぼたんいろ [0] 【牡丹色】
ボタンの花のような,あざやかな赤紫色。
牡丹花
ぼたんか [2] 【牡丹花】
ボタンの花。
牡丹花肖柏
ぼたんかしょうはく ボタンクワセウハク 【牡丹花肖柏】
〔「ぼたんげしょうはく」とも〕
(1443-1527) 室町中期の連歌師・歌人。別号,夢庵・弄花軒。和歌を飛鳥井雅親に,連歌を宗祇に師事し古今伝授を受けた。「水無瀬三吟百韻」の作者の一人。「新撰菟玖波集」の撰にも携わる。詠草集「春夢集」,注釈書「弄花抄」「肖聞抄」など。
牡丹菜
ぼたんな [2] 【牡丹菜】
ハボタンの異名。
牡丹蔓
ぼたんづる [2] 【牡丹蔓】
キンポウゲ科のつる性多年草。山地や原野に生える。茎の基部は木質化する。葉は対生し三出複葉からなる。夏,白色の花を多数円錐花序につける。痩果は卵形で羽毛状の毛がある。有毒植物。和名は葉形が牡丹に似るところからの名。エミグサ。
牡丹鍋
ぼたんなべ [4] 【牡丹鍋】
猪鍋(シシナベ)の異名。[季]冬。
牡丹防風
ぼたんぼうふう [4] 【牡丹防風】
セリ科の大形多年草。関東以西の海岸に生える。高さ約80センチメートル。全体に白緑色。根葉は二回羽状に分かれ,ボタンの葉に似る。夏,枝先に白色の小花を密生。若葉は食用。根を薬用人参の代用にした。
牡丹雪
ぼたんゆき [2] 【牡丹雪】
ボタンの花びらのように大きな雪片となって降る雪。多数の雪の結晶が付着しあったもの。ぼたゆき。[季]冬。
牡丹餅
ぼたもち [2] 【牡丹餅】
〔牡丹(ボタン)の花のように,小豆(アズキ)の餡(アン)をまぶしたことから〕
糯米(モチゴメ)に粳米(ウルチゴメ)を少しまぜて作った餅に,小豆餡・黄な粉などをまぶした食物。萩の餅。おはぎ。「棚から―」
牡丹餅
ぼたもち【牡丹餅】
a rice cake covered with bean jam.棚から〜 ⇒棚.
牡丹鱧
ぼたんはも [2] 【牡丹鱧】
骨切りした鱧に片栗粉をまぶし,湯引きしたもの。
〔加熱によって身が開き,牡丹{(1)}の花に見えるところから〕
牡丹鸚哥
ぼたんいんこ [4] 【牡丹鸚哥】
オウム目インコ科の鳥。全長15センチメートルほど。アフリカ産の飼い鳥。全体が緑色で,頭とのどが赤橙色。尾は短い。ラブバード。
牡牛
こというし コトヒ― 【特牛・牡牛】
〔古くは「こというじ」とも〕
強く大きな牡牛(オウシ)。こといのうし。ことい。こってい。こっていうし。こってうし。こっとい。「―程なる黒犬なるを/浮世草子・永代蔵 2」
牡牛
おうし ヲ― [0][1] 【牡牛・雄牛】
雄の牛。
⇔めうし
牡牛座
おうしざ ヲ― [0] 【牡牛座】
〔(ラテン) Taurus〕
黄道十二星座の一。冬の代表的星座で一月下旬の宵に南中する。輝星アルデバラン・プレアデス星団(和名,昴(スバル))・ヒヤデス星団などを含む。
牡瓦
おがわら ヲガハラ [2] 【牡瓦・男瓦】
「丸瓦(マルガワラ)」に同じ。
⇔牝瓦
牡羊座
おひつじざ ヲヒツジ― [0] 【牡羊座】
〔(ラテン) Aries〕
黄道十二星座の一。一二月下旬の宵に南中する星座。牡牛(オウシ)座の西にある。かつては春分点がこの星座にあった。「白羊宮」に相当する。
牡蛎
かき【牡蛎】
an oyster.→英和
‖牡蛎フライ fried oysters.牡蛎養殖 oyster farming.
牡蠣
かき [1] 【牡蠣】
イタボガキ科の二枚貝の総称。左殻はよく膨らんで海中の岩などに付着し,右殻は割合に平らでふたのようになる。殻の表面には薄い板状の成長脈が発達する。肉は美味で,各地で盛んに養殖が行われる。食用とする主な種類にマガキ・イタボガキ・スミノエガキなどがある。殻は肥料や養鶏飼料とする。[季]冬。
牡蠣
ぼれい [0] 【牡蠣】
貝のカキの漢名。また,カキの殻を焼いて砕いた粉末。制酸・鎮静剤とするほか小鳥の餌などに,混ぜる。
牡蠣味噌
かきみそ [0] 【牡蠣味噌】
なめ味噌の一種。牡蠣のむき身を煮てすりつぶし,うらごしにした味噌と砂糖を加えて練り合わせた食品。
牡蠣屋根
かきやね [3] 【牡蠣屋根】
⇒かきがらやね(牡蠣殻屋根)
牡蠣殻
かきがら [0] 【牡蠣殻】
カキの貝殻。
牡蠣殻屋根
かきがらやね [5] 【牡蠣殻屋根】
牡蠣殻葺きの屋根。かきやね。
牡蠣殻灰
かきがらばい [4] 【牡蠣殻灰】
カキの貝殻を焼いて作った灰。石灰の代用に使う。かきばい。
牡蠣殻葺き
かきがらぶき [0] 【牡蠣殻葺き】
カキの貝殻で屋根を葺くこと。また,その屋根。享保年間(1716-1736)江戸の町屋などに防火の目的で用いられた。
牡蠣油
かきあぶら [3] 【牡蠣油】
牡蠣を塩漬けにして発酵させた調味料。主に広東料理で用いる。牡蠣ソース。蠔油(ハオユー)。オイスター-ソース。
牡蠣船
かきぶね [0][3] 【牡蠣船】
(1)牡蠣をとる船。また,牡蠣を売る船。
(2)江戸時代,冬に広島方面から大坂へ乗り入れて,川筋のあちこちの橋の下に停泊し,牡蠣料理を食べさせたのに始まる屋形船。現在も大阪や広島に見られる。[季]冬。《―の薄暗くなり船過ぐる/虚子》
牡蠣醤油
かきじょうゆ [3] 【牡蠣醤油】
カキの煮汁に食塩を加え,さらに煮つめてから貯蔵してならした調味料。
牡蠣鍋
かきなべ [0] 【牡蠣鍋】
鍋料理の一。牡蠣と豆腐・野菜などを煮るもの。
→土手鍋(ドテナベ)
牡蠣飯
かきめし [0][2] 【牡蠣飯】
牡蠣を炊き込んだ味付けごはん。[季]冬。《―の釜描きたる行灯かな/鳴雪》
牡馬
おうま【牡馬】
a horse;→英和
a stallion (種馬).→英和
牡馬
ぼば [1] 【牡馬】
おすの馬。おすうま。
⇔牝馬(ヒンバ)
牡馬
おうま ヲ― [0][1] 【牡馬・雄馬】
雄(オス)の馬。ぼば。
⇔牝馬(メウマ)
牡鹿
おじか ヲ― [1][0] 【牡鹿】
雄のシカ。さおしか。
⇔牝鹿(メジカ)
牡鹿半島
おしかはんとう ヲシカハンタウ 【牡鹿半島】
宮城県中東部,太平洋に突出する半島。北上山地の南端にあたり,内陸は丘陵状,海岸は典型的なリアス式。先端に金華山がある。
牡[雄]牛
おうし【牡[雄]牛】
a bull (去勢しない);→英和
an ox.→英和
‖牡牛座 the Bull;Taurus.
牢
ろう【牢】
⇒牢獄.
牢
ろう [1] ラウ 【牢】 ・ ロウ 【籠】
(1)罪人などを閉じこめておく所。獄舎。「―に閉じこめる」
(2)牛や馬などを入れておく所。[書言字考節用集]
→牢として
牢として
ろうとして ラウ― [1] 【牢として】 (副)
堅固で容易に動かすことができないさま。「―抜く可からざる我が半生の痼疾は/金色夜叉(紅葉)」
牢乎
ろうこ ラウ― [1] 【牢乎】 (ト|タル)[文]形動タリ
しっかりとしてゆるがないさま。「―として動かず/自然と人生(蘆花)」
牢乎たる
ろうこ【牢乎たる(として)】
firm(ly);→英和
strong(-ly);→英和
resolute(ly).→英和
牢名主
ろうなぬし ラウ― [3] 【牢名主】
江戸時代,牢内の雑役のとりしきりや秩序の維持を命じられた囚人。牢内名主。
牢問
ろうもん ラウ― [0] 【牢問】
江戸後期,笞(ムチ)打ち・石抱き・海老(エビ)責めの三種の拷問の称。釣り責めなど拷問蔵で行う拷問とは区別された。牢問い。
牢固
ろうこ ラウ― [1] 【牢固】 (ト|タル)[文]形動タリ
しっかりとして丈夫なさま。堅固なさま。堅牢。「―たる城」
牢屋
ろうや ラウ― [3] 【牢屋】
罪人を閉じこめておく所。牢獄。牢。
牢屋
ろうや【牢屋】
⇒牢獄.
牢屋奉行
ろうやぶぎょう ラウ―ギヤウ [4] 【牢屋奉行】
江戸幕府の職名。町奉行の配下で,牢屋のことをつかさどった。代々石出帯刀(イシイデタテワキ)を襲名した。囚獄。
牢屋敷
ろうやしき ラウ― [3] 【牢屋敷】
牢屋を構えた一区域の土地。
牢役人
ろうやくにん ラウ― [3] 【牢役人】
江戸時代,牢を取り締まる役人。
牢手形
ろうてがた ラウ― [3] 【牢手形】
江戸時代,出獄許可の手形。
牢払い
ろうばらい ラウバラヒ [3] 【牢払い】
江戸時代,囚人を釈放すること。将軍家の法事の際,軽罪の囚人は釈放された。また,牢で出火などの変事の際,一時囚人を解放したこと。
牢抜け
ろうぬけ ラウ― [4][0] 【牢抜け・牢脱け】 (名)スル
牢を破って逃げ出すこと。脱牢。脱獄。破獄。
牢改め
ろうあらため ラウ― [3] 【牢改め】
役人が牢内を巡視点検すること。また,その人。牢内改め。
牢晴
ろうせい ラウ― [0] 【牢晴】
おだやかに晴れること。「雪後―/日乗(荷風)」
牢檻
ろうかん ラウ― [0] 【牢檻】
牢屋。おり。ひとや。
牢櫃
ろうひつ [0] ラウ― 【牢櫃】 ・ ロウ― 【籠櫃】
牢屋。「詮議にあうて―の縄かかるのといふ恥と/浄瑠璃・冥途の飛脚(中)」
牢死
ろうし ラウ― [0] 【牢死】 (名)スル
牢屋に入れられ,そこで死ぬこと。獄死。「無実を叫びながら―する」
牢獄
ろうごく【牢獄】
a prison;→英和
<米> a jail;→英和
<英> a gaol.→英和
〜に入れる jail;imprison;→英和
put[throw] <a person> into prison.〜を破る break jail[prison].
牢獄
ろうごく ラウ― [0] 【牢獄】
罪人を監禁しておく所。牢屋。
牢番
ろうばん ラウ― [0][1] 【牢番】
牢屋の番をすること。また,牢屋の番人。
牢破り
ろうやぶり ラウ― [3] 【牢破り】 (名)スル
牢を破って逃げ出すこと。また,逃げた罪人。脱獄。脱獄囚。
牢籠
ろうろう ラウ― [0] 【牢籠】
(1)引きこもること。人前に出ないこと。[日葡]
(2)思い通りの行動がとれないこと。行き詰まること。「胸つぶれて,かかる折の―なからずば,え参るまじく/源氏(若菜下)」
(3)苦境に立つこと。追いつめられて悩むこと。「伯父甥共に―の身と罷りなる間/太平記 33」
(4)相手を自分の術中に引き込むこと。籠絡すること。「三界を―し,四生を綿絡して同じく愛獄を脱して/性霊集」
牢脱け
ろうぬけ ラウ― [4][0] 【牢抜け・牢脱け】 (名)スル
牢を破って逃げ出すこと。脱牢。脱獄。破獄。
牢舎
ろうしゃ ラウ― [1] 【牢舎】
牢獄。牢。
牢記
ろうき ラウ― [1] 【牢記】 (名)スル
しっかり心にとどめ記憶すること。銘記。「心にこれを―してゐた/渋江抽斎(鴎外)」
牧
まき 【牧】
姓氏の一。
牧
うまき 【牧・馬城】
馬を放し飼いにするところ。まき。まきば。「又多(サワ)に―を置きて馬を放つ/日本書紀(天智訓)」
牧
まき [1] 【牧】
〔馬城(マキ)の意〕
牛馬を放し飼いにするところ。まきば。牧場。
牧する
ぼく・する [3] 【牧する】 (動サ変)[文]サ変 ぼく・す
(1)牛馬などを飼う。やしなう。「或人洋人に綿羊を―・するの術を問ひしに/新聞雑誌 46」
(2)人民をやしないおさめる。「国を治むる事を,民を―・すると称し/民権自由論(枝盛)」
牧ノ原
まきのはら 【牧ノ原】
静岡県南部,大井川下流西岸の台地。明治初期,士族などが入植して茶園として開拓。
牧人
まきびと [0] 【牧人】
牧夫。ぼくじん。
牧人
ぼくじん [0] 【牧人】
牧夫。牧者。
牧会
ぼっかい ボククワイ [0] 【牧会】
プロテスタント教会で,牧師が信徒を導くこと。
→司牧
牧会書簡
ぼっかいしょかん ボククワイ― 【牧会書簡】
新約聖書の「テモテへの手紙(第一と第二)」「テトスへの手紙」の総称。パウロが教会の指導監督,信仰生活に関して書き送ったかたちをとる。二世紀初頭に成立。
牧口
まきぐち 【牧口】
姓氏の一。
牧口常三郎
まきぐちつねさぶろう 【牧口常三郎】
(1871-1944) 教育家・宗教家。新潟県生まれ。小学校教師になり,「人生地理学」を刊行。「創価教育」を唱え,戸田城聖とともに創価学会の前身である創価教育学会を創設した。不敬罪と治安維持法違反で拘留中に病死。
牧地
ぼくち [1] 【牧地】
牧場のある土地。牧草地。
牧場
まきば [0] 【牧場】
柵(サク)などで囲い,牛や馬などを放し飼いにしておく所。ぼくじょう。まき。
牧場
ぼくじょう【牧場】
a pasture;→英和
a meadow;→英和
<米> a ranch.→英和
〜を経営する run a ranch.
牧場
まきば【牧場】
a pasture;→英和
a meadow.→英和
牧場
ぼくじょう [0] 【牧場】
牛や馬などを生産・育成する設備を備えた所。まきば。
牧夫
ぼくふ [1] 【牧夫】
牧場で牛馬などの世話をする男。牧人。
牧守
ぼくしゅ [1] 【牧守】
〔古代中国で,州の長官を牧,郡の長官を守という〕
地方の長官。牧民官。
牧師
ぼくし [1][0] 【牧師】
〔新約聖書で,キリストが自分を羊を飼う牧者にたとえたことから〕
キリスト教のプロテスタント教会の教職をいう。教区・教会を管理し,信仰の指導をする人。
→神父
牧師
ぼくし【牧師】
a pastor;→英和
a parson;→英和
a minister;→英和
a clergyman;→英和
a chaplain.→英和
牧歌
ぼっか ボク― [1][0] 【牧歌】
(1)牧童のうたう歌。
(2)牧人・農夫の生活を主題とする詩歌や歌曲。パストラル。
牧歌的
ぼっかてき ボク― [0] 【牧歌的】 (形動)
牧歌が聞こえてくるように素朴で抒情的なさま。「―な風景」「―な暮らし」
牧歌的な
ぼっか【牧歌的な】
pastoral.→英和
牧民
ぼくみん [0] 【牧民】
(1)人民を治めること。
(2)「牧民官」の略。
牧民官
ぼくみんかん [3] 【牧民官】
地方長官の異名。
牧水
ぼくすい 【牧水】
⇒若山(ワカヤマ)牧水
牧牛
まきうし [2] 【牧牛】
牧草地に一年を通じて牛を放牧すること。また,そのようにして自由に交配させる方法。
牧牛
ぼくぎゅう [0] 【牧牛】
牛を放し飼いにすること。また,その牛。放牧の牛。
牧畑
まきはた [0] 【牧畑】
数年ごとに放牧と耕作とを交互に行う畑。
牧畜
ぼくちく [0] 【牧畜】
牛・馬・羊などの家畜を飼育繁殖させること。また,その産業。「―業」
牧畜
ぼくちく【牧畜(業)】
stock raising[farming].牧畜業者 a stock farmer.
牧神
ぼくしん [0] 【牧神】
神話中の,森・牧人・家畜の神。上半身は人間で下半身は山羊,角と蹄をもつ。ギリシャ神話のパン,ローマ神話のファウヌスなど。牧羊神。
牧童
ぼくどう【牧童】
a shepherd boy;a cowboy.→英和
牧童
ぼくどう [0] 【牧童】
(1)牧場で牛馬などの番をする子供。
(2)家畜の世話をする者。
牧笛
まきぶえ [2][3] 【牧笛】
牧童が吹く笛。牛飼い笛。
牧笛
ぼくてき [0] 【牧笛】
家畜への合図に牧童が吹く笛。
牧羊
ぼくよう【牧羊(業)】
sheep farming.
牧羊
ぼくよう [0] 【牧羊】 (名)スル
羊を飼うこと。また,放牧してある羊。
牧羊城
ぼくようじょう ボクヤウジヤウ 【牧羊城】
中国,遼東半島の南端旅順の南西,老鉄山の西麓にある古城跡。戦国時代から漢代にかけての出土品が多数発見された。
牧羊犬
ぼくようけん [0] 【牧羊犬】
牧場で放牧中の羊の見張りをするように訓練された犬。その歴史は古く,4000年前に遡(サカノボ)るといわれ,ヨーロッパ各地で種々の品種が作られた。コリー・シェパード・シェトランドシープドッグなど。
牧羊神
ぼくようしん [3] 【牧羊神】
「牧神(ボクシン)」に同じ。
牧者
ぼくしゃ [1] 【牧者】
牧場で,牛馬などの世話をする人。牧人。
牧舎
ぼくしゃ [1] 【牧舎】
牧場で,牛・羊などを入れる建物。
牧草
ぼくそう [0] 【牧草】
家畜の飼料として栽培される草。大部分はイネ科(イタリアンライグラス・チモシーなど)とマメ科(クローバー・アルファルファなど)に属する。
牧草
ぼくそう【牧草】
grass;→英和
pasture.→英和
牧草地 a pasture;a meadow.→英和
牧谿
もっけい モクケイ 【牧谿】
中国,宋末・元初の画僧。法名は法常,牧谿は号。西湖六通(リクツウ)寺の開山という。多岐にわたる水墨画を描いたが当時興った文人画の系列でなく軽視された。日本へは早くから伝わり,日本水墨画に多大な影響を与えた。大徳寺伝来の「観音・猿・鶴」三幅図ほか伝称作も含め多くが伝わる。生没年未詳。
牧逸馬
まきいつま 【牧逸馬】
⇒林不忘(ハヤシフボウ)
牧野
ぼくや [1] 【牧野】
家畜を放したり,飼料の草などを採取する野原。
牧野
まきの 【牧野】
姓氏の一。
牧野伸顕
まきのしんけん 【牧野伸顕】
〔名は「のぶあき」とも〕
(1861-1949) 政治家。鹿児島県生まれ。大久保利通の次男。文相・農商相・外相などを歴任。内大臣となり天皇側近の実力者として重きをなした。二・二六事件で襲われ,引退した。吉田茂はその女婿。
牧野信一
まきのしんいち 【牧野信一】
(1896-1936) 小説家。神奈川県生まれ。早大卒。処女作「爪」を島崎藤村に激賞され,私小説「父を売る子」などで作家的地位を確立。のちに浪漫的な作風を強めて,特異な幻想的世界を描いた。代表作「ゼーロン」「鬼涙村」
牧野富太郎
まきのとみたろう 【牧野富太郎】
(1862-1957) 植物分類学者。土佐生まれ。小学校中退。独学で植物学を研究,広く植物を採集し,1888年から「日本植物志図篇」を出版し多くの新種を記載。また,すぐれた植物図を作成して一般の植物知識普及に努めた。近代日本の植物分類学の確立者。
牧野省三
まきのしょうぞう 【牧野省三】
(1878-1929) 映画製作者。京都府生まれ。劇場の経営から映画製作に転じ,尾上松之助主演の娯楽作品で当たりをとった。のちマキノ映画製作所を主宰。
牧野英一
まきのえいいち 【牧野英一】
(1878-1970) 刑法学者。岐阜県生まれ。東大教授。リストの目的刑の理論を受けて,教育刑主義を唱えた。著「日本刑法」「法理学」など。
牧養
ぼくよう [0] 【牧養】 (名)スル
牧場で家畜を飼育すること。「房州嶺岡にて―せし白牛は…/新聞雑誌 19」
牧馬
ぼくば [1] 【牧馬】
(1)牧場で飼育している馬。
(2)平安時代の琵琶の名器。醍醐天皇の御物。
物
ぶつ [1] 【物】
現物。もの。「注文はあるが―がない」
物
もの 【物】
■一■ [2][0] (名)
〔形のある物体を初めとして,広く人間が知覚し思考し得る対象の一切を意味する。「こと(事)」が時間的に生起・消滅する現象を表すのに対して,「もの」はその現象を担う不変な実体を想定して用いる語である〕
□一□
(1)物体。物品。「階段に―を置くのは危険だ」「窓から―が落ちて来た」
(2)特に,経済的な価値をもった物品。また,その品質。「―は乏しくても,心は豊かでありたい」「値段は安いが,―は確かだ」
(3)対象を具体的に表現せず,漠然という語。何らかの対象。「―を言う」「―を思う」「―も食べない」「―のはずみ」「―の役に立たない」
(4)対象を特定化せず,一般的・包括的にいう語。すべての対象。「―は考えようだ」「―には順序がある」
(5)物事の筋道。道理。「―が分かっている人」
(6)鬼や悪霊など,正体のとらえにくい対象を畏怖していう語。「―に憑(ツ)かれる」「―の怪(ケ)」
(7)取り上げる価値のある対象。ひとかどの存在。「―ともしない」「―の数ではない」「―になるかどうか」
(8)思考の対象として取り上げる事物をさす語。物事。「幸福という―はとかく失われやすい」「日本的な―を好む」
(9)一度名前を言ったあとで再びそれをさす時に,名前の代わりに用いる語。それ。「あの映画は一度見た―だ」
(10)(「…のもの」の形で)所有物。持ち物。「自分の―には名前を書いておきなさい」「人の―を借りる」
□二□
(1)〔哲〕
〔英 thing; (ドイツ) Ding〕
(ア)感知し得るさまざまな属性の統一的担い手としてのまとまりをもった空間的・時間的対象。狭義には,このもの・あのものと指し示し得る「机」「家」など外界に存在する感覚的個物をいうが,広義には思考の対象となり,命題の主語となり得るすべて,例えば心や価値などの非感覚的存在をも含めていう。
(イ)人格としては関係しない対象を「ひと」に対して「もの」という。
(2)〔法〕 権利の客体とされる,排他的支配が可能な外界の一部をいい,有体物と無体物とに分けられる。民法上「物」は有体物に限られる。
□三□種々の語の下に付いて複合語をつくる。
(1)その分野・種類に入る品物や作品であることを表す。「夏―」「西陣―」「三年―のワイン」「現代―」
(2)そういう事態を引き起こすような事柄であることを表す。「それは切腹―だ」「全く冷や汗―だった」
(3)動詞の連用形に付いて,そのような動作の結果できた物品,そのような動作の対象となる物品であることを表す。「塗り―」「焼き―」「食べ―」「読み―」
□四□(形式名詞)
(1)(「…ものだ(である)」などの形で)
(ア)普遍的な傾向。「どんな人もお世辞には弱い―だ」「人間はとかく過去を美化したがる―らしい」
(イ)なすべきこと。「そんな時は何も聞かずにいてあげる―だ」
(ウ)過去にしばしば起こったこと。「二人でよく遊んだ―だ」
(2)(「…ものだ」の形で)感動・詠嘆を表す。…なあ。「あの難関をよくくぐり抜けた―だ」「故郷とはいい―だ」「あの男にも困った―だ」
(3)(「…ものか」「…ものではない」などの形で)否定を強調する。「そんなことがある―か」「誰が言う―ですか」「何をするかわかった―ではない」
(4)(「…ものと思われる」などの形で)判断を強調する。「彼はもう帰った―と思われる」「あきらめた―とみえて,その後何も言ってこない」
(5)(「ものとする」の形で)…することとする。「甲はその責任を負う―とする(契約書ナドノ文言)」
■二■ (接頭)
形容詞・形容動詞・動詞に付いて,何とはなしに,また,どことなくそのような状態である,の意を表す。「―寂しい」「―静か」「―古る」
物
もの【物】
(1)[物]a thing;→英和
an object (物体).→英和
(2)[物質]a substance;→英和
a matter.→英和
〜の分かった sensible <man> .→英和
〜がいい be good;be of good quality.〜の数でない be insignificant.〜にする master <English> ;→英和
obtain (得る);→英和
succeed <in> .→英和
〜になる[計画などが]materialize;→英和
be realized;be a success.→英和
〜にならぬ fail;→英和
come to nothing.経験が〜をいう Experience will tell.
物々しい
ものものしい【物々しい】
strict (厳重な);→英和
[はでな]showy;→英和
pompous.→英和
物々交換
ぶつぶつこうかん【物々交換】
barter.→英和
〜する barter <a thing for another> .
物がましい
ものがまし・い [5] 【物がましい】 (形)[文]シク ものがま・し
おおげさである。ことごとしい。「―・ク言ウ/ヘボン(三版)」
物し
もの・し 【物し】 (形シク)
不快だ。いとわしい。気にさわる。「故尼君も,かしこに渡り給はむことを,いと―・しと思したりしことなれば/源氏(若紫)」
物しげ
ものしげ 【物しげ】 (形動ナリ)
不快そうなさま。「几帳ひきよせて,けしき―なるをみて/蜻蛉(中)」
物する
もの・する [3][2] 【物する】 (動サ変)[文]サ変 もの・す
(1)文章・詩を作る。「一句―・した」
(2)何らかの動作・行為や存在・状態を,それを本来表す語を用いずに遠回しにいう語。
(ア)何かの動作・行為をする。「心地あしみして,物も―・したばで(=オ食ベニナラズニ)/土左」「きのふなむ平らかに―・せらるめる(=出産ナサッタヨウダ)/蜻蛉(上)」
(イ)移動する。「追ひて―・したる(=来タ)人もあり/蜻蛉(中)」
(ウ)存在する。「日ごろ―・しつる(=滞在シテイタ)人,けふぞ帰りぬる/蜻蛉(中)」
(3)(補助動詞)
断定の助動詞「なり」の連用形「に」の下に付いて,…である,…ている,の意を表す。「情けなき御心にぞ―・し給ふらん/徒然 142」
物の
ものの [0] 【物の】 (連体)
時間や距離を表す数詞に付いて,それが取るに足りないほど少ないことを示す。たかだか。「―五分も歩けば駅に着く」「―一キロも行かないうちに目的地が見えてきた」
物の具
もののぐ [3] 【物の具】
(1)調度品。道具。「家も焼けほろび,―も皆取られはてて/大和 126」
(2)束帯など,公家の朝服一式。特に婦人の唐衣・裳の一式。唐衣・表着(ウワギ)・五衣をつける礼装。いわゆる,十二単。「宮の御―召したりし御さまなどの/右京大夫集」
(3)武具。具足。弓・矢・刀・槍などもいうが,特に鎧(ヨロイ)をさす。「その後―脱ぎすて/平家 9」
物の名
もののな [0] 【物の名】
(1)物の名称。
(2)和歌や俳諧で,物の名をそれとなく詠み込むこと。「来べきほど時すぎぬれやまちわびてなくなるこゑの人をとよむる(古今 物名)」に「ほととぎす」が詠み込んである類。隠し題。ぶつめい。
物の哀れ
もののあわれ [4] 【物の哀れ】
(1)平安時代の文学をとらえる上での文学理念・美的理念。外界としての「もの」と感情としての「あわれ」とが一致する所に生じた,調和的な情趣の世界をとらえていう。本居宣長が指摘し,その最高の達成が源氏物語であるとした。
(2)自然・人生・芸術などに触発されて生ずる,しみじみとした情趣や哀感。「―を知る」
物の師
もののし 【物の師】
技芸の師。特に,音楽の師。「道々に―あり/源氏(絵合)」
物の怪
もののけ【物の怪】
a spook;→英和
a ghost.→英和
物の怪
もののけ [0] 【物の怪・物の気】
人にたたりをするといわれる,死霊・生き霊。変化(ヘンゲ)。妖怪。「―に取りつかれる」
物の怪立つ
もののけだ・つ 【物の怪立つ】 (動タ四)
物の怪が取りついたようになる。「猶いと心もとなげに,―・ちて悩み侍れば/源氏(浮舟)」
物の数
もののかず [4] 【物の数】
特に取り立てて言うほどのもの。注目に値する物事。多く下に打ち消しの語を伴う。「これ位の雨は―ではない」「私などは―に入らない」
物の本
もののほん [4] 【物の本】
(1)その事柄に関係のあることが書いてある本。しかるべき書物。「―によると…ということだ」
(2)特に,学問的なかたい本。「我等は朝夕―を目なれ手ふれて,聖経賢伝を学するによつて/仮名草子・可笑記」
(3)江戸時代中期以降,小説類の総称。「徒然をなぐさむ為の―/人情本・梅児誉美 3」
(4)一般的に,本のこと。
物の気
もののけ [0] 【物の怪・物の気】
人にたたりをするといわれる,死霊・生き霊。変化(ヘンゲ)。妖怪。「―に取りつかれる」
物の用
もののよう [4] 【物の用】
なんらかの役。「―に立たない」
物の節
もののふし 【物の節】
近衛府の舎人(トネリ)などから選抜した,雅楽に秀でた者。春日祭・賀茂祭に奉仕した。
物の芽
もののめ [4] 【物の芽】
春,萌(モ)え出る植物の芽。木の芽より,草木や野菜の芽についていうことが多い。[季]春。
物の道理
もののどうり 【物の道理】
物事一般に通じる道理。物事の道理。「―をわきまえない人」
物の音
もののね 【物の音】
物の音。特に,楽器の音。音楽。「心ことなる―をかき鳴らし/源氏(桐壺)」
物は付け
ものはづけ [0] 【物は付け】
雑俳の一。「…するものは」などという題に対して,答えの句をつける形式。また,同様な形式で気のきいた答えを出しあう言葉遊び。
物は尽くし
ものはづくし [4] 【物は尽くし】
⇒物尽(モノヅ)くし
物めかし
ものめか・し 【物めかし】 (形シク)
ひとかどに見える。「位など今少し―・しきほどになりなば/源氏(若菜上)」
物めかす
ものめか・す 【物めかす】 (動サ四)
いかにもそれらしくする。「山がつの子迎へとりて―・し立つれ/源氏(常夏)」
物らし
ものら・し 【物らし】 (形シク)
ものものしい。大げさだ。「うまい盛りの振袖が釣瓶鮓とは―・しし/浄瑠璃・千本桜」
物上
ぶつじょう [0] 【物上】
物に関すること。
物上代位
ぶつじょうだいい [5] 【物上代位】
担保物権は,その目的物が売却・賃貸・滅失・破損などによって金銭その他の物に転化しても,転化したものに効力を及ぼし,優先弁済を受けることができること。
物上保証
ぶつじょうほしょう [5] 【物上保証】
他人の債務のために自己の所有する財産を担保に供すること。財産を担保に供する人を物上保証人という。
物上担保
ぶつじょうたんぽ [5] 【物上担保】
⇒物的担保(ブツテキタンポ)
物上請求権
ぶつじょうせいきゅうけん [7] 【物上請求権】
⇒物権的請求権(ブツケンテキセイキユウケン)
物上連合
ぶつじょうれんごう [5] 【物上連合】
〔real union〕
二か国が同一の君主をいただくことによって恒久的な連合関係を形成し,対外的に一体のものとして現れること。1918年までのオーストリア-ハンガリー帝国などがその例。
物主
ものぬし [2] 【物主】
戦陣での隊長。物がしら。
物乞い
ものごい [0][3] 【物乞い】 (名)スル
人に物を恵んでくれと頼むこと。また,その人。こじき。「―して歩く」
物争い
ものあらそい [3] 【物争い】 (名)スル
物事を争うこと。けんか。紛争。ものあらがい。「―の種になる」
物事
ものごと【物事】
things.
物事
ものごと [2] 【物事】
物と事。一切の有形・無形の事柄。いろいろの事。「―にこだわらない」「―には限度がある」「―をてきぱきと運ぶ」
物仕
ものし 【物仕・物師】
(1)物事に熟練した人。「なほひかへさせ給へ。いみじき―ぞ,まろは/落窪 1」
(2)世事に慣れている人。巧みな人。老練な人。やり手。「女房さすが―にて,詞をやはらげ/浄瑠璃・薩摩歌」
(3)「お物師」に同じ。「腰元・中居女・―を添て/浮世草子・胸算用 2」
物付け
ものづけ [0] 【物付け】
俳諧における付合手法の一。前句中の言葉や事柄の縁によって付ける方法。連歌でいう寄合付け(物の縁による付け合い)と詞付け(詞のみによる付け合い)との総称。貞門俳諧で特に用いられた。
→詞付け
→心付け
物件
ぶっけん [0] 【物件】
物品。品物。物品などの動産のほか,土地・建物などの不動産についてもいう。「証拠―」
物件
ぶっけん【物件】
《法》an object;→英和
a thing.→英和
証拠物件 material evidence.
物件費
ぶっけんひ [3] 【物件費】
品物の購入に必要な費用。
物体
ぶったい [0] 【物体】
具体的な形をもって空間に存在しているもの。物(モノ)。「未確認飛行―」
物体
ぶったい【物体】
an object;→英和
a thing.→英和
物佗しい
ものわびし・い [5] 【物佗しい】 (形)[文]シク ものわび・し
なんとなくわびしい。うらさびしい。「―・い田舎住まい」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物価
ぶっか【物価】
prices <rise,go up,fall,come down> .〜が高い(低い) Prices are high (low).‖物価指数 a price index.物価上昇(下落) a rise (fall) in prices.
物価
ぶっか [0] 【物価】
物の値段。
物価が鰻上りに上がる
うなぎのぼり【物価が鰻上りに上がる】
Prices soar sky-high.
物価スライド制
ぶっかスライドせい [0] 【物価―制】
⇒インデクセーション
物価指数
ぶっかしすう [5][4] 【物価指数】
物価の変動を総合的に示すための指数。ある場所におけるある時点の財・サービスの価格を基準(普通一〇〇)として,その後の動きを基準時との比較で示す。
→卸売物価指数
→消費者物価指数
物価統制
ぶっかとうせい [4] 【物価統制】
物価の安定を確保し,社会経済秩序を維持し,国民生活の安定を図るために,政府が物価を統制すること。
物価統制令
ぶっかとうせいれい 【物価統制令】
物価の規制に関する基本法。価格の最高額の指定,不当に高価な取引の禁止,暴利行為の禁止,買い占め,売り惜しみの禁止などを定める。1946年(昭和21)制定。
物価高
ぶっかだか [3] 【物価高】
物の値段の高いこと。「―にあえぐ庶民」
物保険
ぶつほけん [3] 【物保険】
建造物・自動車など,物に生ずる損傷・焼失・盗難などを保険給付の発生原因とする保険。火災保険・運送保険など。
⇔人保険
→損害保険
物保険
ものほけん [3] 【物保険】
⇒ぶつほけん(物保険)
物倦じ
ものうんじ 【物倦じ】
気がふさいでいやになること。「はかなき―をして/源氏(蛍)」
物優しい
ものやさし・い [5] 【物優しい】 (形)[文]シク ものやさ・し
態度や性質がなんとなくやさしい。「姉夫人が,―・しく声をかける/婦系図(鏡花)」
物入り
ものいり【物入り(になる)】
(mean,involve) heavy expenses.
物入り
ものいり [0][4] 【物入り】 (名・形動)[文]ナリ
費用がかかる・こと(さま)。出費。「四月は何かと―が多い」「―な事が続く」
物入れ
ものいれ【物入れ】
a container (容器);→英和
a glove compartment (車運転席の).
物入れ
ものいれ [4][0] 【物入れ】
物を入れておく納戸や箱,袋。また,ポケット。
物具
ぶつぐ [1][0] 【物具】
道具。器具。
物凄い
ものすご・い [4] 【物凄い】 (形)[文]ク ものすご・し
(1)ぞっとするほどおそろしい。不気味な感じだ。「かみつきそうな―・い形相」
(2)はなはだしく程度を超えている。たいへんな。すごい。「―・い爆発音」「―・い人気」「―・くむずかしい問題」
(3)何となくおそろしい。何となくさびしい。「次第に月さへ―・く/浮世草子・一代男 1」
[派生] ――さ(名)
物凄い
ものすごい【物凄い】
terrible;→英和
frightful;→英和
awful.→英和
物凄く very (much);→英和
terribly;→英和
awfully.→英和
物凄まじい
ものすさまじ・い [6] 【物凄まじい】 (形)[文]シク ものすさま・じ
(1)勢いがおそろしいほど激しい。「修羅の叫喚(サケビ)の―・く響くが如く/婦系図(鏡花)」
(2)興ざめがする。何となく風情がない。「今よりは,かくこそはと思ひやられて,―・じくなむ/源氏(賢木)」
[派生] ――さ(名)
物分かり
ものわかり [3][0] 【物分かり】
人の気持ちや立場などを理解すること。また,その程度。分別。「君はもっと―がいいと思っていたのに」「―の悪いやつだ」
物分かりのよい
ものわかり【物分かりのよい】
sensible;→英和
perceptive.→英和
物別れ
ものわかれ [3][0] 【物別れ】
両方の意見が合わず,相談などがまとまらずに別れること。「―になる」「―に終わる」
物別れになる
ものわかれ【物別れになる】
[人が主語]can[do]not reach an agreement <with> .
物前
ものまえ 【物前】
(1)戦争の直前。ものぎわ。「―に不吉の一言なり,と罵りけるを/常山紀談」
(2)〔「物日(モノビ)前」の意〕
盆・暮れ・節供などのすぐ前。ものぎわ。「―にも苦労がうすくて寿命が延びるやうだ/滑稽本・浮世床(初)」
(3)近世,遊郭の紋日(モンビ)の前。「―の客あやうきに寄りつかず/柳多留 4」
物化
ぶっか [0] 【物化】
(1)物の変化すること。万物の変化すること。
(2)人の死ぬこと。物故。
物参り
ものまいり [3] 【物参り】 (名)スル
(1)社寺に参拝すること。参詣(サンケイ)。ものもうで。
(2)貴人の食事を敬っていう語。「―などし給へど/源氏(乙女)」
物参る
ものまい・る 【物参る】 (連語)
(1)食事を差し上げる。「折敷を取りて―・る様に見せて/今昔 25」
(2)食事を召し上がる。「常よりも―・ることいとどなく/源氏(宿木)」
物取り
ものとり [3][4] 【物取り】
他人の物を盗み取ること。また,その人。泥棒。盗人。「―に入る」「―の仕業だ」
物古る
ものふ・る 【物古る・物旧る】 (動ラ上二)
なんとなく古くなる。古びる。「木立いとうとましく―・りたり/源氏(夕顔)」
物合せ
ものあわせ [3] 【物合(わ)せ】
左右に分かれ物事を比べ合わせて優劣を競う遊戯の総称。歌合わせ・絵合わせなど。
物合わせ
ものあわせ [3] 【物合(わ)せ】
左右に分かれ物事を比べ合わせて優劣を競う遊戯の総称。歌合わせ・絵合わせなど。
物吉
ものよし 【物吉】
(1)祝いの言葉。めでたいこと。
(2)癩病(ライビヨウ)。癩病の患者。[日葡]
(3)江戸時代,上方で,祝言を述べるなどして米銭を乞(コ)うた者。
物名
ぶつめい [0] 【物名】
(1)物の名前。
(2)「物名歌(ブツメイカ)」の略。
物名歌
ぶつめいか [3] 【物名歌】
物の名を,詠み込んだ歌。特に,平安時代以降の,歌の意味に関係なく詠み込んだ歌。「秋ちかう野は成りにけり白露のおける草葉も色かはりゆく」の二音目から八音目にかけて,「きちかう(桔梗)のはな」を詠み込んだ類。物名。もののなのうた。
物名連歌
ぶつめいれんが [5] 【物名連歌】
百韻一巻の各句に物の名または「恋」「述懐(シツカイ)」などの事項を詠み込んだ連歌。
物咎め
ものとがめ 【物咎め】
とがめだてすること。「蟻通(アリドオシ)の明神とて―し給ふ御神の/謡曲・蟻通」
物哀れ
ものあわれ [3] 【物哀れ】 (名・形動)[文]ナリ
なんとなくあわれを感じる・こと(さま)。「―な季節」「はるけき野辺を分け入り給ふより,いと―なり/源氏(賢木)」
物品
ぶっぴん [0] 【物品】
物。品物。特に,不動産以外の有体物。「―貨幣」
物品
ぶっぴん【物品】
an article;→英和
a thing.→英和
物品税 the excise tax.
物品税
ぶっぴんぜい [3] 【物品税】
物品税法(1940年制定)により,貴石・毛皮や自動車・電気器具等,一定の物品について課されていた個別消費税。89年(平成1)消費税の導入に伴って廃止。
物問ふ
ものと・う 【物問ふ】 (連語)
(1)物事をたずねる。質問する。
(2)うらなう。「おびただしき物のさとしどもあれば―・はせ給に/狭衣 2」
物嘆かし
ものなげか・し 【物嘆かし】 (形シク)
なんとなくなげかわしい。「いと―・しうながめ給ふ/源氏(花宴)」
物堅い
ものがた・い [4] 【物堅い】 (形)[文]ク ものがた・し
実直である。律義である。まじめ一方である。「―・く信用できる人」
[派生] ――さ(名)
物売り
ものうり [3][4] 【物売り】
店を構えず露天で,または持ち歩いて品物を売ること。また,その人。「―の声がする」
物売り
ものうり【物売り】
a peddler (行商人);a hawker (呼売人).→英和
物外
ぶつがい [2] 【物外】
物質を超越した世界。俗世間の外。
物多に
ものさわに 【物多に】 (枕詞)
物が多く納めてある意で,「大宅(オオヤケ)」にかかる。「薦枕高橋過ぎ―大宅過ぎ/日本書紀(武烈)」
物好き
ものずき [3][2] 【物好き・物数奇】 (名・形動)[文]ナリ
(1)風変わりで特殊なことを好むこと。好奇心の強いこと。また,その人やさま。「―にも雨の中を出かける」「―な人」「あいつもよほどの―だ」
(2)物事に趣向を凝らす・こと(さま)。「―な座敷へ通され/夜明け前(藤村)」
(3)趣味。好み。「夫はそなたの―が能らう/狂言・棒縛(虎寛本)」
物好き
ものずき【物好き】
curiosity;→英和
a whim (気まぐれ);→英和
a curious person (人).〜な curious;→英和
whimsical.〜に out of curiosity.
物好く
ものず・く 【物好く】 (動カ四)
ひいきにする。特別に愛好する。「女郎は新町の茨木屋の半太夫を―・き,一日も宿に枕を定めず/浮世草子・禁短気」
物好み
ものごのみ [3] 【物好み】 (名)スル
(1)えりごのみすること。「娘二人ありて,いたく―して/うたかたの記(鴎外)」
(2)珍しい物事や風流などを好むこと。ものずき。「何事も―し艶におはする親王(ミコ)にて/源氏(梅枝)」
物妬み
ものねたみ 【物妬み】
何かとねたむこと。「さすがに腹悪しくて―うちしたる/源氏(若菜下)」
物始め
ものはじめ 【物始め】
物事の初め。手始め。「武家の大将一人討ちとりたり。―よしとよろこうで/太平記 2」
物子
ぶっし 【物子】
物徂徠(ブツソライ)(荻生(オギユウ)徂徠)のこと。
物学び
ものまなび [3] 【物学び】 (名)スル
物事を学ぶこと。学問。「虚弱にして―も出来なかつた/伊沢蘭軒(鴎外)」
物学び
ものまねび 【物学び】 (名)スル
物まねをすること。「門田の稲刈るとて,所につけたる―しつつ/源氏(手習)」
物定め
ものさだめ 【物定め】
物の優劣を判定すること。品定め。「―の博士になりて/源氏(帚木)」
物実
ものざね 【物実】
物事の元になるもの。物のたね。ものだね。ものしろ。「是の後に生(ア)れし五柱の男子は,―我が物に因りて成れり/古事記(上訓)」
物寂しい
ものさびしい【物寂しい】
⇒寂しい.
物寂しい
ものさびし・い [5][0] 【物寂しい】 (形)[文]シク ものさび・し
なんとなくさびしい。うらさびしい。ものさみしい。「―・い山道」「ひとり―・い日を送る」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物寂びる
ものさ・びる [4] 【物寂びる】 (動バ上一)[文]バ上二 ものさ・ぶ
(1)古びてどことなく趣がある。「―・びた寺院の境内にたたずむ」
(2)どことなく古びてみすぼらしくなる。ものさびれる。「木綿布子も―・びて/浄瑠璃・淀鯉(下)」
物寂れる
ものさび・れる [5] 【物寂れる】 (動ラ下一)
なんとなくさびれる。「―・れた裏町」
物射沓
ものいぐつ [3] 【物射沓】
騎射に用いる沓。なめし革で作り,普通,黒漆塗りで爪先に襞(ヒダ)をとる。馬上沓。
物射馬
ものいうま 【物射馬】
犬追物(イヌオウモノ)・笠懸(カサガケ)・流鏑馬(ヤブサメ)などに馴れた馬。下地馬。
物尽くし
ものづくし [3] 【物尽(く)し】
歌謡などで,同種の事物の名を並べたてる形式。山尽くし・国尽くしなど。ものはづくし。
物尽し
ものづくし [3] 【物尽(く)し】
歌謡などで,同種の事物の名を並べたてる形式。山尽くし・国尽くしなど。ものはづくし。
物差
ものさし [3][4] 【物差(し)・物指(し)】
(1)物の長さを測る道具。竹・プラスチック・鉄などで細長く作り,その縁に目盛りをつけたもの。さし。「―を当てる」
(2)価値程度などを判断する基準。評価の尺度。「審査員の―は一様ではない」
物差し
ものさし【物差し】
a rule;→英和
a measure.→英和
物差し
ものさし [3][4] 【物差(し)・物指(し)】
(1)物の長さを測る道具。竹・プラスチック・鉄などで細長く作り,その縁に目盛りをつけたもの。さし。「―を当てる」
(2)価値程度などを判断する基準。評価の尺度。「審査員の―は一様ではない」
物師
ものし 【物仕・物師】
(1)物事に熟練した人。「なほひかへさせ給へ。いみじき―ぞ,まろは/落窪 1」
(2)世事に慣れている人。巧みな人。老練な人。やり手。「女房さすが―にて,詞をやはらげ/浄瑠璃・薩摩歌」
(3)「お物師」に同じ。「腰元・中居女・―を添て/浮世草子・胸算用 2」
物干
ものほし【物干】
a clothesline;→英和
a drying place (場所).物干竿 a clothes pole.
物干
ものほし [3][4] 【物干(し)】
洗濯物を日に干すこと。また,そのために設けた場所。
物干し
ものほし [3][4] 【物干(し)】
洗濯物を日に干すこと。また,そのために設けた場所。
物干し台
ものほしだい [0][4] 【物干(し)台】
洗濯物を干すために屋根やテラスに設けた台。
物干し竿
ものほしざお [4] 【物干(し)竿】
洗濯物をかけて干す竿。
物干台
ものほしだい [0][4] 【物干(し)台】
洗濯物を干すために屋根やテラスに設けた台。
物干竿
ものほしざお [4] 【物干(し)竿】
洗濯物をかけて干す竿。
物床し
ものゆか・し 【物床し】 (形シク)
なんとなく心をひかれるさまである。「例は―・しがらぬ心地にあながちに妻戸のみすをひききて/源氏(野分)」
物影
ものかげ [0] 【物影】
何かの物の姿。物の形。「―が動く」
物徂徠
ぶつそらい 【物徂徠】
⇒荻生徂徠(オギユウソライ)
物心
ぶっしん [0][1] 【物心】
物質と精神。ものとこころ。「―両面から援助する」
物心
ものごころ [3] 【物心】
世の中の物事や人情について,おぼろげながら理解・判断できる心。「まだ―がつかないうちに親に死に別れた」
物心つく頃から
ものごころ【物心つく頃から】
since one can remember.
物心両面に
ぶっしん【物心両面に】
both physically and spiritually.
物心二元論
ぶっしんにげんろん [6][1][2] 【物心二元論】
⇒心身二元論(シンシンニゲンロン)
物心細し
ものこころぼそ・し 【物心細し】 (形ク)
なんとなく心細い。「秋の末つ方,いと―・くて,歎き給ふ/源氏(若紫)」
物忌み
ものいみ [4][0] 【物忌み】 (名)スル
(1)祭事において神を迎えるために,一定期間飲食や行為を慎み,不浄を避けて心身を清浄に保つこと。斎戒。斎忌。
(2)占いや暦が凶であるときや夢見の悪いときなどに,家にこもって謹慎すること。「御―と言ひてければ,人も通はず/源氏(東屋)」
(3){(2)}のときにその標として柳の木の札や忍草などに「物忌」と書き,冠・簾に付けたもの。物忌みの札。「烏帽子に―つけたるは/枕草子 33」
(4)昔,伊勢神宮をはじめ賀茂・春日・鹿島・香取などの諸大社で,忌みこもって神事にあたった童女・童男。
(5)不吉であるとして物事を忌み避けること。「武将の身として,夢見・―など余りにおめたり/保元(上・古活字本)」
物忌み
ものいみ【物忌み】
abstinence.→英和
〜する fast.→英和
物忌みの館
ものいみのたち 【物忌みの館・斎の館】
⇒かむだち(神館)
物忘れ
ものわすれ [3] 【物忘れ】 (名)スル
しばしば物事を忘れること。「年のせいか―がはげしい」
物忘れする
ものわすれ【物忘れする】
〔動〕forget (things);→英和
〔形〕forgetful.→英和
物忙し
ものせわ・し 【物忙し】 (形シク)
なんとなくせわしい。「師走の月は世間一体―・しき中を/大つごもり(一葉)」
物忠実やか
ものまめやか 【物忠実やか】 (形動ナリ)
どことなく真面目であるさま。実直そうなさま。「見そめつる契りばかりを,捨てがたく思ひとまる人は,―なりと見え/源氏(帚木)」
物念じ
ものねんじ 【物念じ】
物事を堪え忍ぶこと。我慢すること。「昔も今も―してのどかなる人こそ/源氏(浮舟)」
物怖じ
ものおじ [0] 【物怖じ】 (名)スル
臆病(オクビヨウ)で,何かにつけてこわがること。「―しない態度」
物怖じする
ものおじ【物怖じする】
be timid.
物思い
ものおもい【物思い】
meditation;anxiety (心配).→英和
〜に沈む be lost in thought.
物思い
ものおもい [3] 【物思い】
あれこれと思い悩むこと。憂え思うこと。「―に沈む」
物思う
ものおも・う [4] 【物思う】 (動ワ五[ハ四])
あれこれと物思いにふける。「―・う年頃」
物思ふ
ものも・う 【物思ふ】 (動ハ四)
「ものおもう」の略。「―・ふと人には見えじ下紐の下ゆ恋ふるに月そ経にける/万葉 3708」
物思わしい
ものおもわし・い [6] 【物思わしい】 (形)[文]シク ものおもは・し
気がかりなことがあってなんとなく心が晴れない。物思いをするさまである。「―・い顔をして歯を鑿(セセ)つてゐる/二人女房(紅葉)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物性
ぶっせい [0] 【物性】
密度・弾性率・膨張率・電気伝導率・屈折率など,その物質に固有な巨視的な力学的・熱的・電気的・磁気的・光学的などの性質。
物性物理学
ぶっせいぶつりがく [7] 【物性物理学】
物質の巨視的な性質を原子論的な立場から研究する物理学の部門。日本だけで用いられる語。狭義には固体物理学と同義であるが,広義には固体物理学・物理化学などを含み,金属・非金属の結晶・液体・気体など種々の状態にある物質の構造とその力学的・熱的・電気的・磁気的・光学的性質を実験的・理論的に研究する多くの分野がある。理論的には量子力学と統計力学をその基礎とする。
物性論
ぶっせいろん [3] 【物性論】
物性物理学,また特に物性物理学のうちの理論的部門。
物怨じ
ものえんじ 【物怨じ】
嫉妬(シツト)。やきもち。「―をいたくし侍りしかば,心づきなく/源氏(帚木)」
物怪
もっけ [0][3] 【物怪・勿怪】 (名・形動)[文]ナリ
(1)思いがけないこと。意外なこと。また,そのさま。「…と云ふと,―な顔をして/婦系図(鏡花)」
(2)人に不吉な感じを与える・こと(さま)。異変。「様々の―有りければ占はするに/今昔 14」
物怪顔
もっけがお 【物怪顔】
意外な顔つき。「ちと容体お尋ねなされと言へば,広海―/浄瑠璃・聖徳太子」
物恋し
ものこい・し 【物恋し】 (形シク)
なんとなく恋しい。「旅にして―・しきに/万葉 270」
物恐ろしい
ものおそろし・い [6] 【物恐ろしい】 (形)[文]シク ものおそろ・し
なんとなく恐ろしい。「なんとも―・い気配」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物恥じ
ものはじ 【物恥じ】
恥ずかしがること。「いかなる神か―はする/梁塵秘抄 2」
物恥づかし
ものはずか・し 【物恥づかし】 (形シク)
何となく恥ずかしい。「西の君も,―・しき心地して渡り給ひにけり/源氏(空蝉)」
物恨めし
ものうらめ・し 【物恨めし】 (形シク)
なんとなくうらめしい。「中頃―・しう思したる気色の/源氏(幻)」
物悲しい
ものがなし・い [5][0] 【物悲しい】 (形)[文]シク ものがな・し
理由もなくなんとなく悲しい。うらがなしい。「―・い秋の夕暮れ」「―・い鹿の鳴き声」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物悲しら
ものがなしら 【物悲しら】 (形動ナリ)
〔「ら」は状態を表す接尾語〕
ものがなしそうなさま。「小金門に―に思へりし我(ア)が子の刀自を/万葉 723」
物情
ぶつじょう【物情】
the situation <is serious> ;→英和
public feelings <are excited> .
物情
ぶつじょう [0] 【物情】
(1)世間の様子。人々の心。「―平穏」
(2)物のありさま。物事の状態。「家譜を披き,詳に―を案ず/本朝文粋」
物情騒然
ぶつじょうそうぜん [0] 【物情騒然】 (ト|タル)[文]形動タリ
世間の騒々しいさま。不穏なさま。
物惜しみ
ものおしみ [3] 【物惜しみ】 (名)スル
人に物を与えたり物が減ったりするのを惜しがること。けち。「―して使わずにしまっておく」
物惜しみ
ものおしみ【物惜しみ】
stinginess.→英和
〜をする(しない) be stingy (generous).
物愛で
ものめで 【物愛で】
物事に感動すること。「―する若き人にて,身にしみて/源氏(須磨)」
物慎まし
ものつつま・し 【物慎まし】 (形シク)
なんとなく遠慮される。なんとなくきまり悪い。「―・しき程の心には,歎かしうてやみぬ/源氏(乙女)」
物慎み
ものづつみ 【物慎み】
遠慮深いこと。引っ込み思案なこと。「―をいたうし給ふ本性(ホンジヨウ)に/源氏(夕霧)」
物慣れた態度で
ものなれた【物慣れた態度で】
in an easy manner.
物憂い
ものうい【物憂い】
be[feel]weary[tired,languid,depressed].物憂げに wearily;languidly.→英和
物憂い
ものう・い [3][0] 【物憂い】 (形)[文]ク ものう・し
(1)なんとなく気がふさいで,動くのも面倒だ。憂鬱(ユウウツ)だ。けだるい。大儀だ。「何事をするにも―・い億劫(オツクウ)な気分になり/飇風(潤一郎)」
(2)なんとなくつらい。苦しい。「さのみ野山に臥さん事も―・くて/保元(下)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物憑き
ものつき 【物憑き】
(1)物の怪(ケ)にとりつかれること。また,とりつかれた人。「暫く寝入りたる体にて―は則ち覚めにけり/太平記 36」
(2)「よりまし」に同じ。「物のけ,―につきて言ふやう/宇治拾遺 4」
物懐かしい
ものなつかし・い [6] 【物懐かしい】 (形)[文]シク ものなつか・し
何となく心が引かれるさまである。したわしい。「それが私には何ともいへぬ―・い臭ひとなつて/蔵の中(浩二)」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物懲り
ものごり 【物懲り】
物事に懲りること。「いとほしかりし―に,(格子ヲ)上げもはて給はで/源氏(末摘花)」
物成
ものなり [4][0] 【物成】
(1)田畑からの収穫。
(2)江戸時代,年貢のこと。
→本途(ホント)物成
物我
ぶつが [1] 【物我】
物と我。外物と自己。他者と自己。
物打ち
ものうち [0][4] 【物打ち】
太刀などで物を打ち切るとき,その物に触れる部分。刀の先端10センチメートルほどの,最もよく切れる部分。切っ先三寸。
物持
ものもち [0][3] 【物持(ち)】
(1)金や品物を多く所持する人。財産家。金持ち。「村一番の―だ」
(2)物を大事に扱って長持ちさせること。「―がよい人」
物持
ものもち【物持】
a wealthy[rich]person.
物持ち
ものもち [0][3] 【物持(ち)】
(1)金や品物を多く所持する人。財産家。金持ち。「村一番の―だ」
(2)物を大事に扱って長持ちさせること。「―がよい人」
物指
ものさし [3][4] 【物差(し)・物指(し)】
(1)物の長さを測る道具。竹・プラスチック・鉄などで細長く作り,その縁に目盛りをつけたもの。さし。「―を当てる」
(2)価値程度などを判断する基準。評価の尺度。「審査員の―は一様ではない」
物指し
ものさし [3][4] 【物差(し)・物指(し)】
(1)物の長さを測る道具。竹・プラスチック・鉄などで細長く作り,その縁に目盛りをつけたもの。さし。「―を当てる」
(2)価値程度などを判断する基準。評価の尺度。「審査員の―は一様ではない」
物損
ぶっそん [0] 【物損】
(事故などでの身体的損害に対し)物質的な損害。物的損害。
物故
もっこ [0] 【物故】 (名)スル
「ぶっこ(物故)」に同じ。「先生の父君は―せられて/思出の記(蘆花)」
物故
ぶっこ [1] 【物故】 (名)スル
人が死ぬこと。死去。「―者」「九月廿三日に頼山陽―す/伊沢蘭軒(鴎外)」
物故した
ぶっこ【物故した】
the late <Mr.A> .→英和
物数
ものかず [3] 【物数】
(1)品物の合計数。品数。
(2)口数。「―いはぬこそよけれ/浮世草子・一代女 1」
(3)とりたてて数え立てるほど重要なこと。「―にして言ふにはあらねど/読本・八犬伝 4」
(4)多数。「折々の御猟でござるによつて,さぞお―(=多数ノ獲物)でござらうと/狂言・靭猿(鷺流)」
物数奇
ものずき [3][2] 【物好き・物数奇】 (名・形動)[文]ナリ
(1)風変わりで特殊なことを好むこと。好奇心の強いこと。また,その人やさま。「―にも雨の中を出かける」「―な人」「あいつもよほどの―だ」
(2)物事に趣向を凝らす・こと(さま)。「―な座敷へ通され/夜明け前(藤村)」
(3)趣味。好み。「夫はそなたの―が能らう/狂言・棒縛(虎寛本)」
物断ち
ものたち [0][4] 【物断ち】
神仏に願をかけるときなど,ある飲食物を口にしないこと。塩断ち・茶断ちなど。断ち物。
物新しい
ものあたらし・い [6] 【物新しい】 (形)[文]シク ものあたら・し
なんとなく新しい。
物日
ものび [2] 【物日】
(1)祝い事や祭りなど特別のことが行われる年中行事として定められた日。
(2)「紋日(モンビ)」に同じ。
物旧る
ものふ・る 【物古る・物旧る】 (動ラ上二)
なんとなく古くなる。古びる。「木立いとうとましく―・りたり/源氏(夕顔)」
物暗し
ものぐら・し 【物暗し】 (形ク)
薄暗い。「―・うなりて文字もかかれずなりにたり/枕草子(三二一・能因本)」
物書き
ものかき [4][3] 【物書き】
(1)文章を書くこと。また,文章を書くことで生活している人。
(2)文書・記録などを書く役。書き役。「申状を―にあつらへて,かかせる程に/名語記」
物果無し
ものはかな・し 【物果無し】 (形ク)
なんとなくたよりない。「わが身はか弱く―・き有様にて/源氏(桐壺)」
物柄
ものがら 【物柄】
物や人などの質。「―のよきがよきなり/徒然 81」
物柔らか
ものやわらか [5][4] 【物柔らか】 (形動)[文]ナリ
言葉遣い・動作などがおだやかであるさま。「―にさとす」「―な話しぶり」
[派生] ――さ(名)
物柔らかな
ものやわらか【物柔らかな(に)】
gentle(-tly);→英和
quiet(ly);→英和
soft(ly).→英和
物案じ
ものあんじ [3] 【物案じ】 (名)スル
物事を心配すること。思案。「首を傾げて―をしてゐる/俳諧師(虚子)」
物権
ぶっけん [0] 【物権】
特定の物を直接に支配する権利。所有権・占有権・地上権・永小作権・地役権・入会権・留置権・先取特権・質権・抵当権などが民法上認められており,また,譲渡担保権・温泉権などが判例上・慣習法上認められている。
物権
ぶっけん【物権】
《法》a real right.物権法 the law of realty.
物権的請求権
ぶっけんてきせいきゅうけん [9] 【物権的請求権】
物権内容の完全な実現の妨害または妨害のおそれがある場合に,物権を有する者が妨害の排除を請求する権利。物上請求権。
物権行為
ぶっけんこうい [5] 【物権行為】
物権に,発生・変更・消滅などの変動を生じさせる法律行為。所有権移転行為・抵当権設定行為など。
→債権行為
物権証券
ぶっけんしょうけん [5] 【物権証券】
物権を表示した有価証券。抵当証券・質入証券など。
→債権証券
物欲
ぶつよく [0] 【物欲】
金銭や品物に対する欲望。財物に対する執着。「―にとらわれる」
物欲
ぶつよく【物欲】
desire for wealth.
物欲しい
ものほし・い [4] 【物欲しい】 (形)[文]シク ものほ・し
何か欲しい。なんとなく欲しい。「―・いそぶりをする」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物欲しそう
ものほしそう [5] 【物欲しそう】 (形動)[文]ナリ
いかにも物が欲しそうなさま。物欲しげ。「―な顔」
物気無し
ものげな・し 【物気無し】 (形ク)
大したこともない。特に,身分・年齢などが一人前でない。「―・きわか人にてはとりこめられしぞ/大鏡(昔物語)」
物洗貝
ものあらがい [4] 【物洗貝】
淡水産の巻貝。殻高約25ミリメートルの長卵形で,殻は非常に薄く半透明で,淡黄褐色。生きている時は肉が透けて見えるので,暗褐色。殻口がきわめて広い。池沼・水田にすみ水草などについている。肝吸虫の中間宿主。日本各地と朝鮮半島に分布。
物活論
ぶっかつろん ブツクワツ― [4] 【物活論】
〔hylozoism〕
物質を無機的なものと考えず,それ自体に生命力や霊魂をもつものとする有機的生命的自然観。
物流
ぶつりゅう [0] 【物流】
〔「物的流通」の略〕
生産物の生産者から消費者までの移動。包装・輸送・保管・荷役・情報などの活動を包括する。「―システム」
物深し
ものふか・し 【物深し】 (形ク)
(1)奥まっている。奥深い。「ゆくりなう―・きおまし所になむ/源氏(若紫)」
(2)思慮深い。趣深い。「いとあさましく柔かにおほどきて,―・く重き方はおくれて/源氏(夕顔)」
(3)つながりがつよい。縁が深い。「―・からぬ人も涙とどめ難し/栄花(初花)」
物清し
ものきよ・し 【物清し】 (形ク)
(1)何となく清い。「―・くすまひたり/宇治拾遺 13」
(2)何となく上品である。立派である。「―・き御なからひなり/栄花(初花)」
物物しい
ものものし・い [5] 【物物しい】 (形)[文]シク ものもの・し
(1)人を威圧するような感じである。いかめしい。「警官隊は―・い服装で出動した」
(2)厳重である。きびしい。「―・い警戒態勢」
(3)おおげさである。「―・く包帯をする」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物物交換
ぶつぶつこうかん [5] 【物物交換】
物と物をじかにとりかわすこと。貨幣を媒介としないで人々が行う財やサービスの直接的な交換をいう。バーター。
物狂
ぶっきょう 【物狂】
〔「ものぐるい」の漢字表記「物狂」を音読みした語〕
(1)きちがいじみていること。「―の人にて悪しき様にや/盛衰記 19」
(2)あきれたこと。心外なこと。「『なうなうおぢやれ,物いはう』『ああ―や』/狂言・猿座頭」
物狂い
ものぐるい [3] 【物狂い】
〔「もの(=霊・魂)」がついて,正気が狂う意〕
(1)正常な心や判断が失われた状態。狂気。乱心。
(2)能で,物思いのあまり一時的に心の均衡を失った主人公がそれを自覚しながら周囲の風物に敏感に反応し,おもしろく戯れ歌い舞うこと。また,それをまねた芸を見せる遊芸人。
(3)神が乗り移った者。神がかりになった者。「この―走りまはつて/平家 2」
物狂おしい
ものぐるおし・い [6] 【物狂おしい】 (形)[文]シク ものぐるほ・し
(1)気が変になりそうである。気がくるいそうである。「―・い思い」
(2)正気の沙汰ではないようである。気違いじみている。「白山の観音これ消えさせ給ふなと祈るも―・し/枕草子 87」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物狂はし
ものぐるわ・し 【物狂はし】 (形シク)
「物狂おしい」に同じ。「人ぎきは―・しきやうなれど/浜松中納言 5」
物狂能
ものぐるいのう [5] 【物狂能】
主人公の物狂いを見せる能。女物狂能(「隅田川」など)と,男物狂能(「蘆刈」など)がある。狂い物。
物珍しい
ものめずらし・い [6] 【物珍しい】 (形)[文]シク ものめづら・し
何となく珍しい。いかにも珍しい。「見るもの聞くもの何もかも―・い」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
物珍しい
ものめずらしい【物珍しい】
curious.→英和
物珍しそうに with curious eyes.
物理
ぶつり【物理(学)】
physics.→英和
〜(学)的(に) physical(ly).→英和
‖物理学者 a physicist.
物理
ぶつり [1] 【物理】
(1)物の道理。「其倫に由て―を害する勿れ/文明論之概略(諭吉)」
(2)「物理学」の略。
物理光学
ぶつりこうがく [4] 【物理光学】
光の波動性が本質的な役割を果たす光の干渉・回折などの現象および物質の光学的性質を対象とする物理学の部門。
物理化学
ぶつりかがく [4] 【物理化学】
物理学の理論と測定方法により,物質の構造・化学的性質や反応機構などを研究する化学の一分野。特に,理論的な取り扱いを主とする場合に化学物理学ということもある。
物理変化
ぶつりへんか [4] 【物理変化】
物質自体は変化せず形・色・大きさなど形態のみが変化すること。化学変化との区別は厳密ではなく,例えば溶解現象などのように,どちらとも取れるものがある。
→化学変化
物理学
ぶつりがく [3] 【物理学】
〔physics〕
物質の構造を探究し,微視的および巨視的な自然現象を支配する法則を,物質の構成要素間の相互作用として捉えて探究する自然科学の最も基礎的な分野。自然法則を量的な関係として捉え,数学的な関係式として表すことに特徴がある。研究対象は,素粒子から宇宙に至るすべての自然現象,および生命現象をも含める。量子力学以前の力学・光学・熱学・電磁気学などは古典物理学と呼ばれる。現代物理学では,原子から素粒子へ,さらに基本的な粒子へと,物質の基本的構成要素を解明しようとする方向と,多数の基本的粒子の集団としての巨視的な物体の性質を解明しようとする方向とがある。
物理定数
ぶつりていすう [4] 【物理定数】
物質定数および物理法則に現れる普遍定数。万有引力定数,プランク定数,電子の質量など。
物理感覚
ぶつりかんかく [4] 【物理感覚】
物理的刺激に対する感覚。圧力などの機械的刺激に対する圧覚・触覚・痛覚,音に対する聴覚,重力に対する平衡覚,振動や筋肉の状態などに対する深部感覚,および温度の変化に対する冷覚と温覚,光に対する視覚がこれに属する。物理覚。
→化学感覚
物理振り子
ぶつりふりこ [4] 【物理振(り)子】
⇒剛体(ゴウタイ)振(フ)り子(コ)
物理振子
ぶつりふりこ [4] 【物理振(り)子】
⇒剛体(ゴウタイ)振(フ)り子(コ)
物理探査
ぶつりたんさ [4] 【物理探査】
各種岩石のもつ物理的性質の差を利用して地下の地質構造や鉱体の位置・大きさなどを推定する方法。弾性波速度・重力・地磁気・地電流・放射能などの測定による。
物理療法
ぶつりりょうほう [4] 【物理療法】
光・熱・水・電気・放射線などの物理的エネルギーを治療に応用する療法。物療。理学的療法。
→化学療法
物理療法科
ぶつりりょうほうか [0] 【物理療法科】
物理療法を行う医学の一分科。一般に薬物療法の効かない慢性の疾患を扱う。また,手術後のリハビリテーションを行う。物療内科。
物理的
ぶつりてき [0] 【物理的】 (形動)
(1)物理学によって認識したり,されたりするさま。「―変化」「―作用」
(2)物事を広さ・重さ・時間など,もっぱら数量化できる面からとらえるさま。「この車に七人乗るのは―に不可能だ」
物理的封じ込め
ぶつりてきふうじこめ [0] 【物理的封じ込め】
組み換え DNA 実験施設において,遺伝子組み換え生物が実験者・器物・外部へ伝播・拡散することを防止するため,物理的に閉じ込める方法。規制方式には最も厳しい P 4 から P 1 まで四つのレベルがあり,それぞれ必要な設備や実験室の設計,実験操作法が決められている。
物理的性質
ぶつりてきせいしつ [0] 【物理的性質】
物質に固有な密度・融点・沸点・比熱や電気伝導・屈折など,主に古典物理学の方法によって扱われる性質。物性。
物理量
ぶつりりょう [3] 【物理量】
物質系の物理的な性質・状態を表現する量。普通,一個の数値(スカラー)または一組の複数個の数値(ベクトル・テンソル)によって表され,その値は,用いる単位や座標系の選び方によって異なる。量子力学では,物理量は,数学的な線形演算子によって表される。
→物理量[表]
物産
ぶっさん [0] 【物産】
その土地から産出される物。動植物・鉱物も含めていう。「―展」
物産
ぶっさん【物産】
products.
物産会所
ぶっさんかいしょ [5] 【物産会所】
⇒国産会所(コクサンカイシヨ)
物申
ものもう 【物申】 (感)
〔「物申す」の略〕
案内を請うときの言葉。「爰元に宿を借らうと存る,―/狂言・呂連」
物申す
ものもう・す [3][2] 【物申す】 (動サ五[四])
〔古くは「ものまをす」〕
(1)ものを言う。「すっかり疲れてしまって―・す元気もない」
(2)文句を言う。抗議する。「役所のおえら方に―・す」
(3)「もの言う」の謙譲語。言葉に出して申し上げる。「うちわたすをちかた人に―・すわれそのそこに白く咲けるはなにの花ぞも/古今(雑体)」
(4)神仏に願い事を言上する。「神・寺などにまうでて,―・さするに/枕草子 31」
(5)人に呼びかけるのに用いる語。案内を請う語。ごめんください。「『―・さう』どいへば,『いづくより』と問ひ給ふ/平家 10」
[可能] ものもうせる
物界
ぶっかい [0] 【物界】
物質の世界。
⇔心界
物疎し
ものうと・し 【物疎し】 (形ク)
なんとなく親しみにくい。「もし賢女あらば,それも―・く/徒然 107」
物病み
ものやみ 【物病み】
病気。やまい。「―になりて死ぬべき時に/伊勢 45」
物療
ぶつりょう [0] 【物療】
「物理療法」の略。
物的
ぶってき【物的】
material;→英和
physical.→英和
物的
ぶってき [0] 【物的】 (形動)
物に関するさま。物の。物質的。「―な証拠」「―援助」
物的会社
ぶってきかいしゃ [5] 【物的会社】
会社構成の重点が,社員(株主)という人ではなく,資本・財産という物にあり,所有と経営とが分離した会社。株式会社・有限会社。
⇔人的会社
物的抗弁
ぶってきこうべん [5] 【物的抗弁】
債務者が,すべての債権者に対して主張できる抗弁。
⇔人的抗弁
物的担保
ぶってきたんぽ [5] 【物的担保】
特定の財産による債権の担保。抵当権・質権などがその例。物上担保。対物担保。
⇔人的担保
物的生産性
ぶってきせいさんせい [0] 【物的生産性】
生産要素の投入量一単位当たりの生産量で測った生産性。
物的証拠
ぶってきしょうこ [0][5] 【物的証拠】
人以外の有体物による証拠。検証物・文書の類。物証。
⇔人的証拠
物相
もっそう [3] 【物相・盛っ相】
〔「相」は木形の意〕
飯を盛って量をはかる器。また,飯を一人分ずつ盛って出す器。
物相飯
もっそうめし [3] 【物相飯】
物相に盛った飯。盛りきりの飯。特に,近世の牢獄で囚人に与えられた飯。「―を食う(=牢獄ニハイル)」
物真似
ものまね【物真似】
mimicry;→英和
<話> <do> a takeoff <of> ;→英和
a mimic (人).→英和
〜する mimic;take off.
物真似
ものまね [0] 【物真似】 (名)スル
動物や人の声・態度・動作などをまねること。また,それを行う芸。「―がうまい」
物着
ものぎ [3] 【物着】
衣服をつけること。特に能で,演者が退場せずに後見座で装束の一部をとり替えること。
物着せ
ものぎせ [4][3] 【物着せ】
能で,演技者に装束を着せること。また,その人。大正時代ごろまで,これを専門とする職分があった。現在はふつう楽屋で着せる場合にいう。
物着の合方
ものぎのあいかた 【物着の合方】
歌舞伎の下座音楽の一。時代狂言で,舞台上で着物を着替えたり,鎧(ヨロイ)をつける間をつなぐ合方。
物着星
ものきぼし 【物着星】
手指の爪にできた白い斑点。女性などは衣服を得る前兆として喜んだ。爪の星。「―形身をもらふ情なさ/柳多留 23」
物知らず
ものしらず [3] 【物知らず】
知識・常識などがないこと。また,その人。「―の無茶論(ムチヤロン)/安愚楽鍋(魯文)」
物知り
ものしり [3][4][0] 【物知り・物識り】
広く物事を知っていること,またその人。博識。「村一番の―」
物知り
ものしり【物知り】
a learned man.〜顔で with a knowing look.〜ぶる be pedantic;show off one's knowledge;pretend to know everything.
物知り顔
ものしりがお [0] 【物知り顔】
物知りであることを得意がる顔つき。「―に話す」
物神
ぶっしん [0] 【物神】
神霊の宿るものと考えられて崇拝の対象となる動植物や物。
物神崇拝
ぶっしんすうはい [5] 【物神崇拝】
(1)「呪物崇拝(ジユブツスウハイ)」に同じ。
(2)人間みずからがつくりだした商品や貨幣がかえって人間を支配し,人間がそれらを神のように崇めること。資本主義社会に特有の現象としてマルクスが指摘した。フェティシズム。
物税
ぶつぜい [0] 【物税】
物の所有・取得・製造・販売・輸入または物より生ずる収益に賦課される租税。消費税・固定資産税など。
→人税
→行為税
物種
ものだね [0] 【物種】
(1)物のもととなるもの。物事の根元。「命あっての―」
(2)野菜・草木などのたね。たねもの。[季]春。《―を入れたる瓢炉辺にあり/虚子》
物笑い
ものわらい [3] 【物笑い】
(1)世間の人があざけりわらうこと。また,あざけり笑われること。わらいぐさ。「世の―になる」「―の種になる」
(2)物事を笑うこと。「蔵人の少将ははなばなと―する人にて/落窪 2」
物笑いとなる
ものわらい【物笑いとなる】
be laughed at;become a laughingstock.→英和
物納
ぶつのう [0] 【物納】 (名)スル
租税などを物で納めること。
⇔金納
「小作料を―する」
物納する
ぶつのう【物納する】
pay <taxes> in kind.
物給
ぶっきゅう [0] 【物給】
物で支給する給与。現物給与。
物縫ひ
ものぬい 【物縫ひ】
衣服などを縫うこと。裁縫。「皆人は心ゆきたる気色にて―いとなみつつ/源氏(早蕨)」
物置
ものおき【物置】
a storeroom;→英和
<英> a lumber room;a barn (納屋);→英和
a loft (天井裏の);→英和
a cellar (地下の).→英和
物置
ものおき [3][4] 【物置】
当面使わない物や雑具などを入れて置く場所。「―小屋」
物聞き
ものぎき 【物聞き】
敵陣に忍んで様子を探り聞くこと。また,その人。遠聞き。「―に出したる者ども/常山紀談」
物腰
ものごし【物腰】
a manner;→英和
a bearing.→英和
物腰
ものごし [0][2] 【物腰】
言葉遣いや人に対する態度。立ち居振る舞い。「―が柔らかだ」「おだやかな―で応対する」
物自体
ものじたい [3] 【物自体】
〔哲〕
〔(ドイツ) Ding an sich〕
カント哲学の中心概念。経験的認識の対象である現象としての物ではなく,現象の起源として主観とは独立にある物そのもの。物自体は認識できず,ただ思惟されるだけのものであるが,超越論的自由はそれにおいてこそ可能となる。
物臭
ものぐさ [0] 【物臭・懶】 (名・形動)[文]ナリ
〔古くは「ものくさ」〕
(1)何かすることを面倒がること。また,そのような性質や人。また,そのさま。ぶしょう。「―な人」「―をする」
(2)「ものぐさぞうり」に同じ。
物臭い
ものぐさ・い [4] 【物臭い・懶い】 (形)[文]ク ものぐさ・し
〔中世後期頃まで「ものくさし」と清音〕
(1)(何かをするのが)おっくうだ。面倒だ。大儀である。「何をするのも―・い」
(2)何となく怪しい。うさんくさい。「この内は―・し。捜せや捜せ/浄瑠璃・碁盤太平記」
(3)病気で体がだるい。気分がすぐれない。「―・くなりて,死ぬべき時に/仮名草子・仁勢物語」
(4)何となくくさい。どことなく嫌なにおいがする。「女君は,程ふるままに―・き部屋に臥して/落窪 1」
物臭な
ものぐさ【物臭な】
lazy;→英和
idle.→英和
物臭太郎
ものぐさたろう 【物臭太郎】
御伽草子。二巻。作者未詳。室町時代成立。信濃国の物臭太郎は無類の無精者であったが,歌才によって宮中に召された。彼は皇族の末で善光寺如来の申し子とわかり,信濃の中将にまで出世し,死後,おたがの大明神とあがめられる。民間説話を素材にした立身成功談。おたがの本地(ホンジ)。
物色
ぶっしょく [0] 【物色】 (名)スル
(1)多くの人や物の中から適当なものを探し出すこと。「店内を―する」
(2)人相書きなどによって人を探すこと。[ヘボン(三版)]
(3)物の色や形。自然の色や様子。「―と人情と計会すること疎なり/菅家文草」
物色する
ぶっしょく【物色する】
look for.
物色買い
ぶっしょくがい [0] 【物色買い】
値上がりしそうな有望株や割安な株をねらって買うこと。
物見
ものみ [3] 【物見】
(1)眺望のために設けられた施設。見物のための場所。
(2)敵軍の所在・勢力・布陣などを偵察すること。また,その任務にあたる兵もしくは小部隊。斥候(セツコウ)。「―を出す」
(3)名所や人でにぎわう所へ行って見ること。「―に出かける」
(4)見るだけの価値のあるもの。みもの。「これ程の―を一期に一度の大事ぞ/義経記 6」
(5)外を見るために設けた窓。
(ア)牛車(ギツシヤ)の網代(アジロ)や立て板に設けた窓。
(イ)壁や編み笠などに設けた穴。
(ウ)城や屋敷の一部に外部を見るために設けたやぐらや楼など。
(6)大型和船の尾倉内部に設ける,船底の淦水(アカミズ)のたまりぐあいを見る所。
物見
ものみ【物見】
[見物]sight-seeing;a lookout (見張所).→英和
〜高い curious;→英和
inquisitive.→英和
物見台
ものみだい [3][0] 【物見台】
遠方を見るために高くこしらえた台。ものみ。
物見櫓
ものみやぐら [4] 【物見櫓】
敵の様子をさぐるため,あるいは遠方を見渡すために設けたやぐら。ものみ。望楼。
物見猛し
ものみだけ・し 【物見猛し】 (形ク)
「物見高い」に同じ。「女は―・くて,ただ何事をもわすれ/浮世草子・五人女 1」
物見石
ものみいし [6] 【物見石】
茶室の露地の役石の一。蹲踞(ツクバイ)の手前で,茶室の扁額を眺めるのに最も適した位置に据えた石。額見石(ガクミイシ)。
物見窓
ものみまど [4] 【物見窓】
(1)劇場や能舞台などで,舞台の様子を見るための小窓。
→能舞台
(2)外の様子を見るために設けた窓。城・家・乗り物などにつける。
物見簾
ものみすだれ [4] 【物見簾】
牛車(ギツシヤ)などの物見窓にかけるすだれ。
物見船
ものみぶね [4] 【物見船】
花火見物などのために乗る船。
物見草
ものみぐさ [3] 【物見草】
マツの異名。
物見車
ものみぐるま 【物見車】
祭礼などを見物する人の乗った牛車。「賀茂祭見んとて,…―は皆立てならべて隙間もなし/十訓 1」
物見遊山
ものみゆさん [4] 【物見遊山】
あちこちと見物して回ること。「―に出かける」
物見高い
ものみだか・い [5] 【物見高い】 (形)[文]ク ものみだか・し
何かあると,すぐそれを見たがる性質がある。「事故現場には―・い群衆がおしかけた」
[派生] ――さ(名)
物覚え
ものおぼえ【物覚え】
memory.→英和
〜が良い(悪い) have a good (poor) memory.→英和
物覚え
ものおぼえ [3] 【物覚え】
物事をよくわかって忘れないこと。「―がよい」
物覚ゆ
ものおぼ・ゆ 【物覚ゆ】 (動ヤ下二)
(1)心が確かである。正気である。「いとかなしかりけるとて泣くを見るに―・えずなりて/蜻蛉(上)」
(2)物心がつく。「―・えてのち,さることをこそまだ見侍らね/大鏡(藤氏物語)」
物言い
ものいい【物言い】
an objection (抗議);→英和
the way of speaking (言いかた).〜をつける raise[make]an objection <to> .
物言い
ものいい [3] 【物言い】
(1)言葉遣い。物の言い方。「気にさわる―」
(2)言い争い。口論。口喧嘩(ゲンカ)。「―の種になる」
(3)決定について反対が出ること。特に相撲で,行司の勝負の判定に対して,審判委員や控え力士が異議を出すこと。「計画に対して―をつける」「結びの一番に―がつく」
(4)うわさ。「人の―さがなさよ/源氏(帚木)」
(5)よく議論をすること。また,その人。論客。おしゃべり。「かの―の内侍は,え聞かざるべし/紫式部日記」
物言う
ものい・う [2] 【物言う】 (動ワ五[ハ四])
(1)ことばを発する。口をきく。「―・いたげなそぶり」
(2)力を発揮する。「金が―・う世の中」
(3)男女が情を通じる。「むかし,―・ひける女に/伊勢 32」
(4)気のきいたことばを言う。秀句を言う。「このことば,なにとにはなけれども,―・ふやうにぞきこえたる/土左」
物言う花
物言う花
〔人語を話す花の意〕
美人のこと。解語(カイゴ)の花。「―手折(タオリ)し事なし/安愚楽鍋(魯文)」
物言えば唇(クチビル)寒し秋の風
物言えば唇(クチビル)寒し秋の風
〔芭蕉の句。人の短所を言ったあとは寒々とした気持ちに襲われる,の意〕
転じて,うっかりものを言うと,それが原因となって災いを招く。口は災いのもと。
物言わぬ花
物言わぬ花
(美人を「物言う花」というのに対して)草木の花の称。「―も人招きけり/重之集」
物証
ぶっしょう [0] 【物証】
「物的証拠」に同じ。
→人(ジン)証
→書証
物詣
ぶっけい [0] 【物詣・仏詣】
寺社に参詣すること。ものもうで。「某は此ほどうちつづいて夢見があしいほどに,―いたさうと存じて/狂言・花子」
物詣で
ものもうで [3] 【物詣で】
社寺に参拝すること。物参り。
物語
ものがたり [3] 【物語】 (名)スル
(1)あるまとまった内容のことを話すこと。ものがたること。また,その内容。話。談話。「世にも悲しい―」「知る人の許にて夜に入るまで―し/舞姫(鴎外)」
(2)文学形態の一。広義には,散文による創作文学のうち,自照文学を除くものの総称。すなわち,作者が人物・事件などについて他人に語る形で記述した散文の文学作品。特に,人物描写に主眼のある小説に対して,事件の叙述を主とするものをさすことが多い。狭義には,日本の古典文学で,「竹取物語」「伊勢物語」に始まり,「宇津保物語」「源氏物語」で頂点に達し,鎌倉時代の擬古物語に至るまでのものをさす。歴史物語・説話物語・軍記物語を含めることもある。
(3)浄瑠璃・歌舞伎の演出・演技の一形式。登場人物が過去の事件や心境を身振りを交えて物語る場面。「熊谷陣屋」の熊谷など。
(4)男女が相語らうこと。情を交わすこと。「夜すがら―せしを/浮世草子・一代女 2」
物語
ものがたり【物語】
a story;→英和
a tale;→英和
a novel (小説).→英和
物語らふ
ものがたら・う 【物語らふ】 (動ハ四)
語り合う。特に男女が情を交わす。「かのまめ男,うち―・ひて,帰り来て,いかが思ひけむ/伊勢 2」
物語る
ものがたる【物語る】
tell <of,about> ;→英和
relate;→英和
describe;→英和
recount.→英和
物語る
ものがた・る [4] 【物語る】 (動ラ五[四])
(1)あるまとまった話をする。まとまりのある内容を話す。「昔のことを―・る」
(2)ある事実がある意味を示す。表す。「苦労を―・る顔のしわ」
(3)語る。話をかわす。「男が…他の船員と何事か―・りつつあつた/馬上の友(独歩)」
[可能] ものがたれる
物語合せ
ものがたりあわせ [6] 【物語合(わ)せ】
平安時代,何人かの人が左右に分かれ,珍しい物語の書に,歌などを添えて出し,優劣を競う遊び。
物語合わせ
ものがたりあわせ [6] 【物語合(わ)せ】
平安時代,何人かの人が左右に分かれ,珍しい物語の書に,歌などを添えて出し,優劣を競う遊び。
物語絵
ものがたりえ [5] 【物語絵】
平安時代,和文の物語に絵を描き加えたもの。また,中心となる場面だけを絵画化したものもある。
→絵物語
物読み
ものよみ 【物読み】
書物を読むこと。特に漢籍の素読。「茶の湯は金森の一伝,―は宇津宮に道を聞き/浮世草子・織留 1」
物論
ぶつろん [0] 【物論】
世間の評判・論議。物議。「―蜂起」
物識り
ものしり [3][4][0] 【物知り・物識り】
広く物事を知っていること,またその人。博識。「村一番の―」
物議
ぶつぎ [1] 【物議】
世間の批評。とりざた。
物議をかもす
ぶつぎ【物議をかもす】
cause[make]trouble.
物象
ぶっしょう [0] 【物象】
(1)物のかたち。ありさま。また,自然の風景。「わが感じたる―を,…画布の上に淋漓として生動させる/草枕(漱石)」
(2)旧制の中等学校の教科の名。現在の物理学・化学・鉱物学に当たる。
物象化
ぶっしょうか [0] 【物象化】
〔英 reification; (ドイツ) Verdinglichung〕
人間関係が商品や貨幣の姿をとる事態をさす言葉。マルクスの「資本論」の用語。のちにルカーチがその著「歴史と階級意識」でマルクス主義哲学の中心概念にすえた。日本では広松渉の物象化論がある。
物貰い
ものもらい [3] 【物貰い】
(1)他人から金や品物を貰って生活すること。また,その人。乞食(コジキ)。
(2)瞼(マブタ)にできる小さな腫(ハ)れ物。麦粒腫(バクリユウシユ)。
物貰い
ものもらい【物貰い】
(1) a beggar (乞食).→英和
(2)《医》a sty (目にできる).→英和
物買い
ものかい [4][0] 【物買い】
物を買うこと。また,その人。
物資
ぶっし [1] 【物資】
もの。人間の生活のささえとなるような物。食料や衣料など。「―を補給する」
物資
ぶっし【物資】
goods;→英和
materials;resources (資源).
物資動員計画
ぶっしどういんけいかく [8][1][5] 【物資動員計画】
日中戦争勃発後の1938年(昭和13),国家総動員法によって行われた経済統制の一。戦争遂行のため,国家に必要な重要物資の効果的な供給と利用に関する年間需給計画。
物質
ぶっしつ [0] 【物質】
(1)もの。品物。「―文明」
(2)〔物〕 古典的には,空間の一部を占め,一定の質量をもつ客観的存在。物質の構成要素は分子・原子であるが,究極的にそれらを構成する核子・電子等を物質粒子という。相対性理論によれば,物質はエネルギーの一形態とされ,また,場の量子論では,物質粒子も場として扱われる。
(3)〔哲〕 意識から独立して時間空間内に存在し,感覚によってとらえられる客観的存在。
〔matter の訳語〕
物質
ぶっしつ【物質】
matter;→英和
substance.→英和
〜の(に),〜的(に) material(ly);→英和
physical(ly).→英和
‖物質主義 materialism.物質名詞《文》a material noun.
物質主義
ぶっしつしゅぎ [5] 【物質主義】
物質・金銭の充足を第一として,精神面を軽視する考え方。
物質交代
ぶっしつこうたい [5] 【物質交代】
生命維持のために生体内で行われる物質の化学変化。食物として外界から摂取された物質は種々の合成や分解を経て,生体成分や生命活動のための物質およびエネルギー源となり,また不要物として排出される。新陳代謝。代謝。物質代謝。メタボリズム。
→同化
→異化
物質代謝
ぶっしつたいしゃ [5] 【物質代謝】
⇒物質交代(ブツシツコウタイ)
物質名詞
ぶっしつめいし [5] 【物質名詞】
ヨーロッパ諸言語の文法で,製品材料・元素・食物・液体・気体などを表す名詞。一つ二つと数えることができず,単数・複数の区別がない。
物質定数
ぶっしつていすう [5] 【物質定数】
〔物〕 物質に固有の性質を表す定数。一般には温度,圧力などに依存する。密度・弾性率・電気伝導率・比熱などがその例。
物質文化
ぶっしつぶんか [5] 【物質文化】
(1)人間が自然環境に適応し,生活を維持・発展させてゆくために発明・製作したもの。道具・機械・建造物・交通通信手段など。
(2)物質的なもののもつ価値が支配的な文化。
⇔精神文化
物質波
ぶっしつは [4] 【物質波】
電子などの物質粒子に伴う波。物質粒子が粒子としての性質とともに,回折や干渉など波としての性質をももっているという考えは,1924年にド=ブロイによって初めて唱えられた。ド=ブロイ波。
物質的
ぶっしつてき [0] 【物質的】 (形動)
(1)物質に関するさま。「―に困る」
(2)心・精神よりも物を重んずるさま。物質本位に考えるさま。
⇔精神的
「―に援助する」「―な満足」
物質量
ぶっしつりょう [4] 【物質量】
物質の量を表す物理量の一。物質を構成する,種類の特定された粒子(例えば,水における水分子)の数によって表したもの。単位はモル。SI(国際単位系)の基本単位の一つとして規定されている。
→モル
→グラム原子
→グラム分子
物越し
ものごし [0] 【物越し】
簾(スダレ)・几帳(キチヨウ)・戸など物をへだてていること。「―に対面する」
物足らない
ものたらな・い [0][5] 【物足らない】 (形)
「ものたりない」に同じ。
物足りない
ものたりな・い [0][5] 【物足りない】 (形)[文]ク ものたりな・し
どこか欠けているような気がして,なんとなく満ち足りない感じだ。十分ではない。ものたらない。「食事の量が少なくて―・い」「これだけの説明では―・い」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物足りない
ものたりない【物足りない】
[事物が主語]be not satisfactory;be not enough;[人が主語]be not satisfied <with> .
物遠
ものどお 【物遠】 (名・形動)
疎遠な・こと(さま)。無沙汰(ブサタ)。「一向に寸暇を得ませぬ故に誠にお―に罷(マカ)り有りましたが/洒落本・当世穴知鳥」
物遠し
ものどお・し 【物遠し】 (形ク)
(1)離れた距離にある。遠い。「―・からで,ほの見奉る御さまかたちを/源氏(須磨)」
(2)よそよそしい。「いと静かに,―・きさまして/源氏(紅葉賀)」
物部
もののべ [3][0] 【物部】
古代,朝廷の軍事・刑罰に関与した人々。律令制下では囚獄司・衛門府・東西市司に所属した。
物部
もののべ 【物部】
古代,大伴氏とともに大和政権の軍事をつかさどった伴造(トモノミヤツコ)系の有力氏族。また,その部民。大伴氏の衰退後大連(オオムラジ)として,大臣(オオオミ)の蘇我氏とともに政治の中枢を占めた。六世紀中頃,仏教受容をめぐって蘇我氏と対立,守屋が蘇我馬子に滅ぼされて衰えたが,一族の石上(イソノカミ)氏から奈良時代有力官人が輩出した。
物部守屋
もののべのもりや 【物部守屋】
(?-587) 敏達・用明天皇の大連(オオムラジ)。尾輿の子。排仏を主張して蘇我馬子と対立,用明天皇死後穴穂部(アナホベ)皇子の即位を企てたが馬子らに殺された。
物部尾輿
もののべのおこし 【物部尾輿】
六世紀中頃,欽明天皇の大連(オオムラジ)。守屋の父。大伴金村の朝鮮政策の失敗を責めて,これを引退に追い込み,また仏教信仰の受容をめぐって新興氏族の蘇我稲目(ソガノイナメ)と対立,排仏を主張したという。生没年未詳。
物部麁鹿火
もののべのあらかび 【物部麁鹿火】
(?-535) 武烈・継体・安閑・宣化天皇の大連(オオムラジ)。筑紫国造磐井(イワイ)の反乱を鎮圧した。
物量
ぶつりょう【物量】
an amount of materials[resources].〜作戦で on the strength of material superiority.
物量
ぶつりょう [0][2] 【物量】
物の分量。また,物の多さ・豊かさにいう。「―に物をいわせる」「―作戦」
物間
ものあい 【物間】
物と物との間。また,その間の距離。「互ひにそれと見しよりも,―近くなりしかば/狂言・文蔵」
物陰
ものかげ [0] 【物陰】
物のかげ。物にかくれて見えない所。「―に身を隠す」「―から急に飛び出す」
物陰
ものかげ【物陰】
cover;→英和
shelter.→英和
〜に隠れる take cover;→英和
hide (oneself).→英和
物際
ものぎわ 【物際】
(1)まぎわ。せとぎわ。「はやりて鑓(ヤリ)を入れば,―にて精がぬけて鑓が弱き物なり/三河物語」
(2)盆・暮れなど物日の直前の多忙な時期。「若衆の手づから十露盤(ソロバン)はじき,―に魚屋呼びつけ/浮世草子・禁短気」
物集
もずめ モヅメ 【物集】
姓氏の一。
物集高見
もずめたかみ モヅメ― 【物集高見】
(1847-1928) 国学者。豊後の人。平田銕胤に国学を学ぶ。東京帝大文科大学教授。編著「群書索引」「広文庫」など。
物難し
ものむつか・し 【物難し】 (形シク)
(1)なんとなくうっとうしい。いとわしい。「―・しう思ふ給へ沈める耳をだにあきらめ侍らむ/源氏(横笛)」
(2)なんとなくうす気味が悪い。「奥の方は暗う―・し,と女は思ひたれば/源氏(夕顔)」
物静か
ものしずか [3] 【物静か】 (形動)[文]ナリ
(1)ひっそりとしているさま。「―な場所」「―な家」
(2)言葉遣い・態度などの落ち着いて穏やかなさま。「―に話す」「―な人」
[派生] ――さ(名)
物音
ものおと【物音】
a noise;→英和
a sound.→英和
物音
ものおと [3][4] 【物音】
何かの音。おと。「―で目を覚ます」
物頭
ものがしら [3] 【物頭】
(1)もののかしら。武家の家老,町方・村方の庄屋・名主など。
(2)武家時代,弓組・鉄砲組などの足軽の頭。組頭。足軽頭。
(3)能で頭に戴くもの。かぶり物。
物類
ぶつるい [2][0] 【物類】
種々の物。また,万物。
物類称呼
ぶつるいしょうこ 【物類称呼】
方言辞書。越谷吾山著。五巻。1775年刊。天地・人倫など七部五五〇項に分け,全国各地の方言四〇〇〇語を挙げる。
物食い
ものくい [0] 【物食い】
〔「ものぐい」とも〕
(1)物を食うこと。食べること。「―ノ悪イ馬/ヘボン」
(2)女性と関係を結ぶこと。「―の悪いのが可惜(アツタラ)瑜(タマ)に疵(キズ)だつて/浮雲(四迷)」
物馴れ
ものなれ [0][4] 【物馴れ】 (名)スル
物事になれていること。世間なれしていること。「―した態度」
物馴れる
ものな・れる [4] 【物馴れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ものな・る
(1)なれて,簡単に物事ができる。「―・れた手つきで機械を動かす」「―・れた口調で話す」
(2)なれて,くだけた態度をとる。なれなれしくする。「したり顔に―・れて言へるかな/源氏(夕顔)」
物騒
ぶっそう 【物騒】 (名・形動)[文]ナリ
(1)あぶないこと。何が起こるかわからないさま。「―な世の中になったものだ」
(2)危険なことをしそうなさま。「―な男」
(3)さわがしいさま。おだやかでないさま。「この程京中―のよし承る間/保元(上・古活字本)」
[派生] ――さ(名)
〔「ものさわがし」の漢字表記「物騒」を音読みした語といわれる。しかし,室町期以前の表記に「物忩(ブツソウ)」があり(「忩」はあわただしい,いそがしいの意),これによれば,歴史的仮名遣いは「ぶつそう」となる〕
物騒がしい
ものさわがし・い [6] 【物騒がしい】 (形)[文]シク ものさわが・し
(1)何やら周囲がざわざわとしている。「何かあったのか外が―・い」
(2)世の中が穏やかでない。ぶっそうである。「夜べより世間―・しと承れば/平家 2」
(3)事を急ぎすぎる。せっかちだ。「―・しき事し給ひては後に必ず悔み給ふべし/平家 2」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
物騒な
ぶっそう【物騒な】
dangerous;→英和
troubled;unsettled.→英和
物驚き
ものおどろき [3] 【物驚き】
物事に驚くこと。「何だつてさう気が小さくつて,―をするんだなあ/化銀杏(鏡花)」
物鮮やか
ものあざやか [4] 【物鮮やか】 (形動)[文]ナリ
きわだってあざやかなさま。「―な色どり」
牲
にえ ニヘ 【贄・牲】
(1)神仏・朝廷へ捧げる供物。特に初物の食べ物や諸国の特産物。貢ぎ物。「塩と―とは,また郷土(クニ)の出す所に随へ/日本書紀(孝徳訓)」
→にえす(贄)
(2)贈り物。進物。「伊予の最手(ホテ)―奉る/宇津保(初秋)」
(3)犠牲。いけにえ。「弾圧の―となる」
牴牾
もどき [3] 【擬・抵牾・牴牾】
(1)もどくこと。非難。批判。「をさなき人を盗みいでたりと―負ひなむ/源氏(若紫)」
(2)日本の芸能において,主役を揶揄(ヤユ)したり模倣したりして滑稽を演ずる役。一種の道化役。
(3)名詞の下に付いて,それと張り合うくらいのもの,それに匹敵するもの,そのものに似て非なるものである,などの意を表す。「がん―」「梅―」「芝居―」
牴牾
ていご [1] 【牴牾】 (名)スル
物事がくいちがうこと。つじつまが合わないこと。「苟も之と相―する者は厳に之を制すべし/明六雑誌 6」
牴牾く
もど・く 【擬く・抵牾く・牴牾く】 (動カ四)
(1)さからって非難する。とがめる。「申分の無い主人の所計(ハカライ),其を―・きましては,私は罰(バチ)が中(アタ)ります/金色夜叉(紅葉)」
(2)まねる。物に似せる。「この七歳なる子,父を―・きて高麗人と文を作りかはしければ/宇津保(俊蔭)」
牴触
ていしょく [0] 【抵触・觝触・牴触】 (名)スル
(1)法律・規定などにふれること。違反。「法に―する行為」
(2)物事が互いに矛盾し衝突すること。「諸の私利相―するの故を以てなり/民約論(徳)」
(3)ふれたり突き当たったりすること。「他船と―すれば速力の劇しきより稀有の災害を起す/八十日間世界一周(忠之助)」
特に
とくに【特に】
(e)specially;→英和
particularly.→英和
〜注意を要する need special care[attention].
特に
とくに [1] 【特に】 (副)
それだけをとりたてていうさま。とりわけ。特別に。「―入念に仕上げる」
特上
とくじょう [0] 【特上】
最上のもの。上のうえ。特別に上等なこと。また,そのもの。「―の鮨(スシ)」
特任
とくにん [0] 【特任】
特にその官職に任ずること。また,その任務。
特使
とくし【特使】
<dispatch> a special envoy.
特使
とくし [1] 【特使】
特別の任務を帯びた使者。特別の使者。
特例
とくれい【特例】
a special case[example]; <make> an exception (例外).→英和
特例
とくれい [0] 【特例】
(1)特別な例。「―として認める」
(2)特別な典例。
特例保育
とくれいほいく [5] 【特例保育】
東京都などが実施している,通常の保育時間を延長して行う保育。通常の保育時間の前後各一時間程度延長する。
特例国債
とくれいこくさい [5] 【特例国債】
経常経費の歳入補填(ホテン)のため,財政法によらず特例法によって発行される国債。歳入補填国債。
→赤字国債
特価
とっか【特価】
<sell at> a special price.‖特価販売 a bargain sale.特価品 a bargain.
特価
とっか トク― [1][0] 【特価】
特別に安い値段。
特価品
とっかひん トク― [0] 【特価品】
特別に安い値段の品。
特免
とくめん [0] 【特免】 (名)スル
特別に免除すること。特に許すこと。
特典
とくてん [0] 【特典】
特別の恩典。特別の待遇。「会員の―」
特典
とくてん【特典】
<grant> a privilege.→英和
特写
とくしゃ [0] 【特写】
特別に写真に写すこと。「本紙―」
特出
とくしゅつ [0] 【特出】 (名)スル
他にぬきんでて特別に優れていること。傑出。「他に―する技能」
特別
とくべつ [0] 【特別】
■一■ (形動)[文]ナリ
他と特に区別されているさま。一般と特に異なっているさま。「―待遇」「―急行列車」「―な便宜を図る」
■二■ (副)
(1)とりわけ。とくに。「―大きいのを手に入れた」
(2)(下に打ち消しの語を伴って)それほど。大して。「―変わったこともない」
特別の
とくべつ【特別の】
special;→英和
particular;→英和
exceptional (例外);→英和
extra;→英和
extraordinary (異常の);→英和
superior (上等の).→英和
〜に (e)specially;→英和
particularly;→英和
in particular;→英和
exceptionally;→英和
on purpose (ことさらに).‖特別扱い <give a person> special treatment.特別会員(列車,会計,予算) a special member (train,account,budget).特別機 a special airplane[ <英> aeroplane].特別号 a special[an extra (臨時の)]number (雑誌などの).特別国会 a special session of the Diet.特別席 a reserved seat.
特別上告
とくべつじょうこく [5] 【特別上告】
民事訴訟法上,一定の終局判決について,違憲を理由として最高裁判所に対してなす不服申し立て。高等裁判所が上告審としてなしたもの,および仮差し押さえ・仮処分についてなしたもの,地方裁判所が第二審としてなしたものについて行われる。再上告。違憲上告。
特別予防
とくべつよぼう [5] 【特別予防】
刑法の目的は犯罪者を処罰することにより,犯罪者を改善し,再び罪を犯すことを予防することであるとする考え。
⇔一般予防
特別交付税
とくべつこうふぜい [7] 【特別交付税】
特別の財政需要がある場合や,普通交付税の額が財政需要に比べて過少であると認められた場合に交付される地方交付税。
特別任用
とくべつにんよう [5] 【特別任用】
旧制で,一定の経歴のある者を選考して,特別の官職に任用したこと。
特別会
とくべつかい [4] 【特別会】
「特別国会」の法令上での呼称。
特別会計
とくべつかいけい [5] 【特別会計】
一般会計とは別に,特別の経理を行うための会計。国については,特定の事業を行う場合,特定の資金を保有してその運用を行う場合,特定の歳入を特定の歳出に充てる場合に限り,法律により設置する。地方公共団体は,条例でこれを設置することができる。
特別償却
とくべつしょうきゃく [5] 【特別償却】
産業政策の一環として,普通償却の限度を越えて特別に認められた償却。設備近代化の投資などにつき,租税特別措置法が認めている初年度特別償却を指す場合が多い。
特別免許状
とくべつめんきょじょう [0] 【特別免許状】
都道府県単位で社会人に授与される教員免許状。1988年(昭和63)教職免許法改正により制度化。
特別公務員職権濫用罪
とくべつこうむいんしょっけんらんようざい [7][7] 【特別公務員職権濫用罪】
裁判,検察,警察の職務を行う者またはその補助者が,職権を濫用して人を逮捕または監禁する犯罪。
特別刑法
とくべつけいほう [5] 【特別刑法】
刑法典に定められた以外の刑罰法規の総称。軽犯罪法・暴力行為等処罰に関する法律など。
特別区
とくべつく [4][3] 【特別区】
東京都二三区をいう。特別地方公共団体の一種で,原則として市に関する規定が適用される。
特別区民税
とくべつくみんぜい [6] 【特別区民税】
都の特別区が課する住民税。個人に対する市町村民税に相当する。区民税。
特別史跡
とくべつしせき [5] 【特別史跡】
国が文化財保護法で指定した史跡のうち,特に価値の高さが認められたもの。国宝と同格。
特別名勝
とくべつめいしょう [5] 【特別名勝】
国が文化財保護法で指定した名勝のうち,特に価値の高さが認められたもの。国宝と同格。
特別国会
とくべつこっかい [5] 【特別国会】
衆議院総選挙の後,三〇日以内に召集される国会。内閣が総辞職し,首班の指名を行う。
〔法令上は「特別会」という〕
特別地方公共団体
とくべつちほうこうきょうだんたい [12] 【特別地方公共団体】
普通地方公共団体に比して,特別の性格をもつ地方公共団体。すなわち特別区・地方公共団体の組合・財産区・地方開発事業団をいう。
特別地方消費税
とくべつちほうしょうひぜい [10] 【特別地方消費税】
料理店・旅館などにおける遊興・飲食・宿泊・休憩などの利用に対して,料金を課税標準として課される地方税。従来,料理飲食等消費税と呼ばれていたもの。
特別天然記念物
とくべつてんねんきねんぶつ [10] 【特別天然記念物】
文化財保護法に基づき,天然記念物のうち,世界的または国家的に特に貴重なものとして文部大臣が指定したもの。指定されると保護の徹底が図られる。アホウドリ・トキ・屋久島スギ原始林などが代表的なもの。
特別委員会
とくべついいんかい [6] 【特別委員会】
国会の各院において,常任委員会の所管に属さない特定の案件を審査するために随時設置される委員会。
→常任委員会
特別定期預金
とくべつていきよきん [8] 【特別定期預金】
⇒無記名定期預金(ムキメイテイキヨキン)
特別少年院
とくべつしょうねんいん [7] 【特別少年院】
心身に著しい故障がなく,犯罪的傾向の進んだ,おおむね一六歳以上二三歳未満の非行少年を収容する少年院。特少。
特別弁護人
とくべつべんごにん [0] 【特別弁護人】
弁護士の資格をもたない者で裁判所の許可を得て弁護人に選任された者。簡易・家庭・地方の三種の裁判所においてのみ許される。
特別引き出し権
とくべつひきだしけん [8] 【特別引(き)出し権】
⇒エス-ディー-アール( SDR )
特別引出し権
とくべつひきだしけん [8] 【特別引(き)出し権】
⇒エス-ディー-アール( SDR )
特別徴収
とくべつちょうしゅう [5] 【特別徴収】
地方税を,直接納税義務者に納付させるのではなく,徴収の便宜を有する者に徴収・納入させる徴収方法。入湯税・給与所得者の住民税など。
特別急行
とくべつきゅうこう [5] 【特別急行】
普通急行よりも速い列車。特急。
特別扱い
とくべつあつかい [5] 【特別扱い】 (名)スル
他とは違った扱い。普通,他より良い扱いについていう。「―しないでほしい」
特別抗告
とくべつこうこく [5] 【特別抗告】
通常の抗告が許されていない決定・命令について,最高裁判所に対して行う不服申し立て。民事では違憲を理由とする場合,刑事では違憲および判例違反を理由とする場合に認められる。
特別担保
とくべつたんぽ [5] 【特別担保】
債務者の特定の財産が特定の債権のために抵当権や質権などの担保物権の目的とされること。また,その目的とされた財産。
⇔一般担保
特別攻撃隊
とくべつこうげきたい [0] 【特別攻撃隊】
特別に編成された攻撃部隊。特に第二次大戦中,体当たり攻撃を行なった日本の航空部隊。特攻隊。
特別教室
とくべつきょうしつ [5] 【特別教室】
理科・図工・料理・音楽など,学習に特別の設備を必要とする教科の授業を行うための設備がある教室。
特別教書
とくべつきょうしょ [5] 【特別教書】
アメリカで大統領が必要に応じて随時,議会に送るメッセージ。議会への立法の勧告・調査報告・宣戦の勧告などをこれにより行う。
特別栽培米
とくべつさいばいまい [0][7] 【特別栽培米】
有機栽培・減農薬などによる米。計画流通米以外の米で,消費者が生産者から直接購入できる。特栽米。
特別決議
とくべつけつぎ [5] 【特別決議】
株主総会の決議方法。発行済株式総数の過半数を有する株主を定足数とし,出席株主の議決権の三分の二以上の多数によって決められる。定款の変更・解散・合併など,特に重大な事項の決議に行われる。
→普通決議
特別法
とくべつほう [0] 【特別法】
(1)一般法に対して,適用の対象が特定の人・事物・行為・地域などに限られる法。
⇔一般法
(2)日本国憲法では,一つの地方公共団体のみに適用される法律。
特別活動
とくべつかつどう [5] 【特別活動】
小・中学校の教科・道徳と並ぶ教育課程の一領域。児童・生徒活動,学校行事,学級指導の三つから成り,集団の活動を通して個性を伸ばし実践的態度を育てることを目的とする。特活。
特別用途地区
とくべつようとちく [8] 【特別用途地区】
適切な土地利用規制を図るため,用途地域を設定した地区。特別業務地区,文教地区,厚生地区,娯楽・レクリエーション地区,観光地区など都市計画法によって定められる。
→用途地域
特別用途食品
とくべつようとしょくひん [8] 【特別用途食品】
乳児用・妊産婦用など,特別の用途に適している食品。用途が表示してある。
特別病棟
とくべつびょうとう [5] 【特別病棟】
健康保険で定める料金を超えた室料の病室で構成された病棟。
特別縁故者
とくべつえんこしゃ [7] 【特別縁故者】
被相続人と生計を同一にしていた者や被相続人の療養看護に努めた者など被相続人と特別の関係があった者で,相続人が存在しない場合に,請求により相続財産の分与を受けることができる者。
特別職
とくべつしょく [4][3] 【特別職】
国務大臣・大使・裁判官・地方公共団体の長など,その地位・職務が特別の性格をもっていて,国家公務員法・地方公務員法の適用を除外される職。
特別背任罪
とくべつはいにんざい [7] 【特別背任罪】
商法・有限会社法・保険業法上,取締役や監査役などの役職者によりなされる背任罪。刑法上の背任罪より重く処罰される。
特別裁判所
とくべつさいばんしょ [0][9] 【特別裁判所】
特殊の身分をもつ者または特定の種類の事件のみについて裁判権を行使する裁判所。旧憲法下の行政裁判所・皇室裁判所・軍法会議がこれにあたるが,現行憲法はその設置を禁止している。
特別規定
とくべつきてい [5] 【特別規定】
ある特別の事柄にだけ適用される規定。
特別賦金
とくべつふきん [5][6] 【特別賦金】
その事業により利益を受ける者から徴収する金銭。
→受益者負担(ジユエキシヤフタン)
特別送達
とくべつそうたつ [5] 【特別送達】
郵便物の特殊取扱の一。特定の郵便物について,一般の郵便物とは異なった手続きで送達され,送達事実を差出人に証明する制度。裁判所から訴訟関係者にあてて出す書類などに適用される。
特別配当
とくべつはいとう [5] 【特別配当】
(1)通常配当とは別に,会社の記念や特に業績がよいときに株主に払われる配当。再配当。
(2)保険会社の配当のうち,長期継続契約に対してなされる配当。通常配当に付加される。
特別養子縁組
とくべつようしえんぐみ [8] 【特別養子縁組】
養子縁組において,養子と実方の父母および血族との親族関係を法律上終了させる縁組。原則として六歳未満の子について,子の利益のために特に必要があると認められる場合など一定の要件の下に,家庭裁判所の審判により成立する。民法改正により1988年(昭和63)から認められた。
特別養護老人ホーム
とくべつようごろうじんホーム 【特別養護老人―】
老人福祉法に基づき,身体上または精神上著しい障害があるために常時介護を必要とする高齢者を入所させて,養護する施設。設置主体は地方公共団体および社会福祉法人。
特別高圧
とくべつこうあつ [5] 【特別高圧】
配電線相互あるいは配電線と大地間の電圧が7000ボルトを超える電圧。
特別高等警察
とくべつこうとうけいさつ [9] 【特別高等警察】
政治・思想・言論を取り締まるために設置された警察。大逆事件を契機として,1911年(明治44)警視庁に特別高等課が置かれたのに始まり,28年には全国に拡大。内務省直轄で,共産主義運動をはじめ,社会運動の弾圧にあたった。45年10月 GHQ の指令で解体。特高。
特功
とっこう トク― [0] 【特功】
特別にすぐれた功績。殊勲。
特効
とっこう トクカウ [0] 【特効】
特別の効能。著しいききめ。
特効がある
とっこう【特効がある】
be specially good <for> .特効薬 a specific (medicine) <for> .→英和
特効薬
とっこうやく トクカウ― [3] 【特効薬】
ある病気に対して特別に著しい効果を発揮する薬。肺炎に対するペニシリンなど。
特務
とくむ [1] 【特務】
特別の任務。
特務士官
とくむしかん [5][4] 【特務士官】
もと,特別任用による海軍士官。
特務曹長
とくむそうちょう [4] 【特務曹長】
旧陸軍で,曹長の上に置いた准士官。のちの准尉(ジユンイ)。
特務機関
とくむきかん [5][4] 【特務機関】
(1)旧軍部の特殊軍事組織。諜報・治安活動・特殊工作などを占領地域・作戦地域で担当する特殊機関。
(2)旧日本陸軍で,官衙・軍隊・学校以外の特別の任務をもつ機関。元帥府・軍事参議院・侍従武官府・皇族付武官・外国駐在員など。
特務艦
とくむかん [0] 【特務艦】
直接には戦闘に加わらないで,特別な任務を担当する艦船の総称。工作艦・標的艦・測量艦・運送艦など。
特化
とっか トククワ [0] 【特化】 (名)スル
(1)他と異なる特別なものとすること。特殊化すること。
(2)国際分業の結果,ある国が比較優位を有する産業分野に専門化するようになること。
特化係数
とっかけいすう トククワ― [6][4] 【特化係数】
一国の産業の有する比較優位の程度を,その産業への特化の程度で測る指標。一国の輸出総額に占めるある商品の輸出額の比率を,全世界の貿易総額に占める同商品の貿易額の比率で割った値で定義し,一より大きければ比較優位にあるとされる。
特命
とくめい [0] 【特命】
特別の任命・命令。「―が下る」
特命を帯びて
とくめい【特命を帯びて】
on special mission.特命全権大使 an ambassador extraordinary and plenipotentiary.
特命全権公使
とくめいぜんけんこうし [9] 【特命全権公使】
外交使節の第二階級。名誉と席次は特命全権大使の次に位するが,職務と特権は全権大使と異ならない。全権公使。公使。
特命全権大使
とくめいぜんけんたいし [9] 【特命全権大使】
外交使節の第一階級。外国に駐在し,自国元首の名誉と威厳を代表し,駐在大使館の長として外交交渉および自国民の保護にあたる。全権大使。大使。
特命検閲
とくめいけんえつ [5] 【特命検閲】
旧日本軍で,元帥その他の将官が勅命により陸軍部隊ならびに海軍艦船部隊を査察し,その状況および意見を奏上したこと。
特報
とくほう【特報】
a flash.→英和
〜する flash.
特報
とくほう [0] 【特報】 (名)スル
普通の定期的な報道以外に特にとりたてて報ずること。特別の報道。
特売
とくばい [0] 【特売】 (名)スル
(1)特別に安い値段で売ること。バーゲン-セール。「―場」「デパートの―に行く」「夏物を―する」
(2)入札によらず,特定の人に売り渡すこと。
特売
とくばい【特売】
a bargain sale.〜する sell at a special price.‖特売場(日) a bargain counter (day).特売品 a bargain.
特大
とくだい [0] 【特大】
特別に大きいこと。「―のおにぎり」
特大の
とくだい【特大の】
extra-large; <米> king-size(d).特大号 an enlarged special edition.
特定
とくてい [0] 【特定】 (名)スル
(1)特に決まっていること。
⇔不特定
「―の個人」「―の日」
(2)特に,それと断定すること。「犯人を―する」
特定の
とくてい【特定の】
specific;→英和
specified;special.→英和
特定(郵便)局 a special post office.特定銘柄 specified stocks.
特定フロン
とくていフロン [5] 【特定―】
クロロフルオロカーボンのうちオゾン層を破壊する主要なもの。オゾン層保護法で指定して,全廃を求めている。
→クロロフルオロカーボン
特定保健用食品
とくていほけんようしょくひん [10] 【特定保健用食品】
特別用途食品のうち,保健に役立つある種の効能が認められるとして厚生省がその表示を許可した食品。含有成分や摂取方法・量などの表示が義務づけられている。
→機能性食品
特定債券
とくていさいけん [5] 【特定債券】
(1)
⇒特定物債権
(2)金銭債権以外の債権。
特定局
とくていきょく [3] 【特定局】
「特定郵便局」の略。
特定承継
とくていしょうけい [5] 【特定承継】
他人の権利を個々に取得すること。売買などによる権利の取得はこの例。
⇔包括承継
特定料金
とくていりょうきん [5] 【特定料金】
ある条件・事項を定め,それに対してだけ適用する特別の料金。
特定施設
とくていしせつ [5] 【特定施設】
大気汚染防止法・水質汚濁法・騒音規制法・振動規制法などに定める物質や騒音・振動などを発生または排出する施設。
特定物
とくていぶつ [3] 【特定物】
具体的な取引にあたって,種類と数量だけを指定するのではなくその個性に着目し指定される物。頭数だけではなく,特定の馬を指定して取引する場合がその例。
⇔不特定物
特定物債権
とくていぶつさいけん [7] 【特定物債権】
特定物の引き渡しを内容とする債権。
特定疾患
とくていしっかん [5] 【特定疾患】
原因不明,治療法未確立で,後遺症のおそれが少なくない疾病や,経過が慢性にわたり,家族の経済的・人的・精神的負担が大きい疾病として厚生省が指定した病気。ベーチェット病・多発性硬化症など。調査研究の推進・医療施設の整備・医療費自己負担の解消などの対策がとられている。
特定線引小切手
とくていせんびきこぎって [10] 【特定線引小切手】
線引小切手のうち,横線内に銀行名(銀行が支払人のときは自己の取引先名)の記載のある小切手。
特定街区
とくていがいく [5] 【特定街区】
容積率,建築物の高さの限度等を,建築基準法によらずに特別に定めて,市街地の整備改善を図った地区または街区をいう。都市計画法によって定められる。
特定財源
とくていざいげん [5] 【特定財源】
予算の配分において,特定の歳入をもって特定の歳出にあてることとされている財源。
⇔一般財源
特定遺贈
とくていいぞう [5] 【特定遺贈】
特定の財産を与える遺贈。
⇔包括遺贈
特定郵便局
とくていゆうびんきょく [7] 【特定郵便局】
1941年(昭和16)に制定された郵便局の一。普通郵便局に比べて小規模であるものが多い。以前は三等郵便局と称された。特定局。
特定重要港湾
とくていじゅうようこうわん [9] 【特定重要港湾】
重要港湾のうち,外国貿易の増進に特に重要な役割を果たすものとして政令によって定められた港湾。室蘭・千葉・京浜・名古屋・四日市・清水・大阪・神戸・姫路・関門などの諸港。
特定金銭信託
とくていきんせんしんたく [9] 【特定金銭信託】
運用方法や運用先を委託者が特定できる金銭信託。特金。
特待
とくたい [0] 【特待】
特別に待遇すること。また,そのような取り扱い。「―制度」
特待生
とくたいせい [3] 【特待生】
学校で,成績・品行などが優秀であると認められ,授業料の免除,奨学金の支給など,特別の待遇を受ける学生。
特待生
とくたい【特待生】
a scholarship student.〜になる get a scholarship.→英和
特徴
とくちょう【特徴】
a characteristic;→英和
a special[distinctive]feature;a peculiarity;a trait.→英和
〜のある characteristic;peculiar;→英和
distinctive.→英和
〜のない common.→英和
…の〜である be characteristic of;characterize;→英和
mark.→英和
〜を発揮する display one's characteristics.
特徴
とくちょう [0] 【特徴】
他のものと比べてとりわけ目立つ点。そのもの特有の点。特色。「目元に―がある顔」
特徴付ける
とくちょうづ・ける [6] 【特徴付ける】 (動カ下一)
特徴のあるものにする。「見事な色彩表現が彼の文章を―・けている」
特徴的
とくちょうてき [0] 【特徴的】 (形動)
目立って明らかなさま。特徴であるさま。「現代の若者に―な考え方」
特急
とっきゅう【特急】
a special[limited]express (train).超特急 a superexpress (train).
特急
とっきゅう トクキフ [0] 【特急】
(1)特に急ぐこと。大急ぎ。大至急。「洋服を―で仕立てさせる」「―便」
(2)「特別急行」の略。「超―」「―券」
特性
とくせい【特性】
⇒特徴.
特性
とくせい [0] 【特性】
あるものに特別に備わっている性質。特有の性質。特質。「火に強い―を生かして耐火用とする」
特性X線
とくせいエックスせん [0] 【特性 X 線】
原子の内層部にある電子が放出され,外層部の電子がそのあとに移るときに放出される X 線。それぞれの原子に特有の線スペクトルを示す。固有 X 線。
特性曲線
とくせいきょくせん [5] 【特性曲線】
物質または特定の装置に外から与えた作用とそれに対する応答との関係を図示する曲線。応答が比例関係にない場合に利用する。例えば,ダイオードに加える電圧と流れる電流の関係を示す曲線など。また,物質の状態図などをもいう。
特恵
とっけい トク― [0] 【特恵】
特に有利な待遇。特別の恩恵。
特恵関税
とっけいかんぜい トク―クワン― [5] 【特恵関税】
特定国の貨物に対して,他の国よりも低い関税を課す制度。主に発展途上国に対して実施される。
→差別関税
特恵関税
とっけい【特恵関税(待遇)】
preferential duties (treatment).
特技
とくぎ [1] 【特技】
みずから得意とする特別の技能。「算盤(ソロバン)を―とする」
特技
とくぎ【特技】
one's special(i)ty.
特捜
とくそう [0] 【特捜】
「特別捜査」の略。「―本部」「―隊」
特撮
とくさつ [0] 【特撮】
「特殊撮影」の略。
特撮
とくさつ【特撮】
《映》special effects (cinematography).
特撰
とくせん [0] 【特選・特撰】 (名)スル
(1)展覧会・コンクールなどで,特に優れたものとして認められたもの。「―に入賞する」
(2)特に優れたものとして選ぶこと。また,そのもの。「―品」「皆各国より―せる抜群の人物/経国美談(竜渓)」
特攻
とっこう トク― [0] 【特攻】
「特別攻撃」の略。「―機」「―作戦」
特攻隊
とっこうたい【特攻隊】
a kamikaze.
特攻隊
とっこうたい トク― [0] 【特攻隊】
〔「特別攻撃隊」の略〕
第二次大戦中,爆弾を積んだ飛行機などで敵艦に体当たり攻撃を行うために編成した部隊につけた名。「神風―」
特旨
とくし [1] 【特旨】
貴人,特に天皇の特別のおぼしめし。
特書
とくしょ [0][1] 【特書】 (名)スル
とりたてて書き記すこと。特筆。「―すべき文学上の大革命なるべし/文学史骨(透谷)」
特有
とくゆう [0] 【特有】 (名・形動)[文]ナリ
他にはなく,そのものだけに特別に備わっている・こと(さま)。独特。「日本人―の発想」「この地方に―な慣習」
特有の
とくゆう【特有の】
special;→英和
unique;→英和
peculiar <to> ;→英和
characteristic <of> ;→英和
of one's own.
特有性
とくゆうせい [0] 【特有性】
そのものだけが特にもっている性質。特性。
特有財産
とくゆうざいさん [5] 【特有財産】
夫婦の一方が,婚姻前から有する財産,および婚姻中に自己の名で得た財産。
特栽米
とくさいまい [0] 【特栽米】
「特別栽培米」の略。
特権
とっけん トク― [0] 【特権】
(1)特別の権利。ある身分・資格のある者だけがもっている権利。
(2)特定の職務にある者が,その職務の故に与えられている特別な権利。例えば,外交官特権など。
特権
とっけん【特権】
a privilege;→英和
a prerogative.→英和
〜を与える give the privileges <of> .‖特権階級 the privileged classes.
特権階級
とっけんかいきゅう トク―キフ [5] 【特権階級】
社会において,一般の人のもてない政治的・経済的な支配権や優先権など,特別な権利をもっている人々。中世の貴族や僧侶,近代の資本家など。
特殊
とくしゅ [0] 【特殊】 (名・形動)[文]ナリ
(1)普通のものと異なっていること。平均的なものを超えていること。また,そのさま。特別。
⇔一般
⇔普通
「―な製法で作られた薬」
(2)ある種類のもの全体にわたるのではなく,限られた若干のものだけにいえる・こと(さま)。
⇔普遍
「これは―なケースだ」「―な事例」
(3)〔論〕
(ア)
〔particular〕
普遍が全体にかかわり,個別がその全体に含まれる個々の要素にかかわるのに対し,全体の一部にかかわることをいう。例えば,「人間」「この人間」に対して「ある人間」。
(イ)
〔special〕
類種系列において,下位のものの上位のものに対するより限定されたあり方をいう。
特殊の[な]
とくしゅ【特殊の[な]】
special;→英和
unique;→英和
particular;→英和
peculiar.→英和
‖特殊学級 a class for the handicapped.特殊技能 a special skill.特殊勤務 special duty.特殊鋼 special steel.特殊性 peculiarity.特殊免許 a special <driving> license.
特殊会社
とくしゅがいしゃ [4] 【特殊会社】
公益に重大な関係があり,国家による特別の保護・監督を必要とするために特別法で設立される会社。日本たばこ産業株式会社・旅客鉄道株式会社など。
特殊債
とくしゅさい [3] 【特殊債】
証券取引法二条一項に定められた「特別の法律により法人の発行する債券」のこと。公社・公団・公庫・金庫等の政府関係機関の発行する債券がこれに当たる。広義には銀行の発行する金融債も含める。
特殊化
とくしゅか [0] 【特殊化】 (名)スル
一般的・普遍的なものから特別なものにすること。「専門性が強まると―する」
特殊印刷
とくしゅいんさつ [4] 【特殊印刷】
(1)活版印刷・オフセット印刷・グラビア印刷以外の印刷法。
(2)紙以外の物質に印刷する方法。
特殊取扱郵便物
とくしゅとりあつかいゆうびんぶつ [12] 【特殊取扱郵便物】
郵便物の引き受け・運送および配達について特別な取り扱いをする郵便物。書留・速達・配達証明・内容証明・特別送達・代金引換・引受時刻証明などがある。
特殊学級
とくしゅがっきゅう [4] 【特殊学級】
学校教育法により,心身に故障のある児童・生徒のうち,故障の程度が比較的重度でない者に対して特殊教育を行うため,小・中学校および高等学校に付設された学級。
特殊性
とくしゅせい [0] 【特殊性】
他と異なっている特別の性質。
特殊撮影
とくしゅさつえい [4] 【特殊撮影】
特殊な機器や手法を用いて映画を撮影すること。特殊な効果や,現実には有りえないことを画面に表すためのもの。高速度撮影・微速度撮影・顕微鏡撮影・トリック撮影など。特殊技術。特撮。
特殊教育
とくしゅきょういく [4] 【特殊教育】
学校教育法により,心身に故障のある児童・生徒を対象として,その特性や能力に応じて行われる教育。盲学校・聾学校・養護学校と,小・中学校および高等学校内の特殊学級がこれを行う。障害児教育。
特殊条約
とくしゅじょうやく [4] 【特殊条約】
特定の数か国間だけで結ばれ,第三国の加入できない条約。個別条約。
特殊栄養食品
とくしゅえいようしょくひん [8] 【特殊栄養食品】
栄養改善法で規定される,強化食品,特別用途食品のこと。
→強化食品
→特別用途食品
特殊株主
とくしゅかぶぬし [5] 【特殊株主】
(一般株主に対し)総会屋のこと。
特殊毒性
とくしゅどくせい [4] 【特殊毒性】
化学物質などの有害作用のうち,発癌性・変異原性・催奇形性・抗原性・依存性などをいう。
特殊法人
とくしゅほうじん [4] 【特殊法人】
広義には,特別法によって設立される法人。政府関係法人。狭義には,法律により直接に設立される法人,および特別の法律により政府の命ずる設立委員による設立行為をもって設立される法人。総務庁の審査の対象とされる。
特殊潜航艇
とくしゅせんこうてい [0] 【特殊潜航艇】
旧海軍が開発した超小型の攻撃用潜水艇。魚雷を装備し,攻撃後の乗員の収容は考慮されていたが,実戦では未帰還。
特殊疾患
とくしゅしっかん [4] 【特殊疾患】
「難病」の行政上の名称。特殊疾病(シツペイ)。
特殊相対性理論
とくしゅそうたいせいりろん [10] 【特殊相対性理論】
⇒相対性理論(ソウタイセイリロン)
特殊自動車
とくしゅじどうしゃ [5] 【特殊自動車】
形態・構造・用途などが通常と異なる自動車。大型特殊と小型特殊とがあり,運転にはそれぞれの免許を要する。道路交通法で定める。
特殊裏書
とくしゅうらがき [4] 【特殊裏書】
手形などの裏書で,譲渡以外の取立委任や質入れなど特別な目的をもった裏書。
特殊銀行
とくしゅぎんこう [4] 【特殊銀行】
銀行法に基づく普通銀行に対し,特別の単独法規に基づく銀行。戦前,日本興業銀行・日本勧業銀行・横浜正金銀行・台湾銀行その他があった。
特殊鋼
とくしゅこう [0] 【特殊鋼】
普通の炭素鋼にケイ素・マンガン・ニッケル・クロム・銅・モリブデン・コバルトなどの元素を微量に加えた鋼。用途により,一般構造用鋼・機械構造用鋼・工具鋼・耐食鋼・耐熱鋼などに分けられる。合金鋼。
特殊飲食店
とくしゅいんしょくてん [7][6] 【特殊飲食店】
公娼制度廃止後,売春防止法の施行までの間,風俗取り締まり対策として指定された売春宿の称。特飲店。
特段
とくだん [0] 【特段】
特別。格別。副詞的にも用いる。「―の配慮」「―問題はない」「―に注意を要する」
特注
とくちゅう [0] 【特注・特註】 (名)スル
「特別注文」「特別発注」の略。「―品」「専門の業者に―する」
特注
とくちゅう【特注】
a special order.〜の custom-made <cars> .
特派
とくは [1][0] 【特派】 (名)スル
特別に派遣すること。「記者を―する」
特派する
とくは【特派する】
send[dispatch]specially.‖特派員 a (special) correspondent <of the Asahi at London> .特派使節 a special envoy.特派大使 an ambassador extraordinary.
特派員
とくはいん [3] 【特派員】
(1)特に任務を与えられて,その地に派遣された人。
(2)外国に特別に派遣されて,ニュースの取材報道に当たる,報道機関の記者。
特派大使
とくはたいし [4] 【特派大使】
主として儀式に参列するために,臨時に外国へ派遣される大使。
特漉き
とくすき [0] 【特漉き】
〔「とくずき」とも〕
使用目的に合わせて特別に紙をすくこと。また,その紙。
特火点
とっかてん トククワテン [3] 【特火点】
トーチカのこと。
特点
とくてん [0] 【特点】
他のものに比べて,特に異なったところ。「更らに其―を言へば/武蔵野(独歩)」
特牛
こというし コトヒ― 【特牛・牡牛】
〔古くは「こというじ」とも〕
強く大きな牡牛(オウシ)。こといのうし。ことい。こってい。こっていうし。こってうし。こっとい。「―程なる黒犬なるを/浮世草子・永代蔵 2」
特牛
こってい コツテヒ 【特牛】
〔「ことい」の転〕
「こというし(特牛)」に同じ。「ずいきの長(タケ)の余る―(孤屋)/炭俵」
特牛
ことい コトヒ 【特牛・特負】
「こというし(特牛)」に同じ。「淡路の門(ト)渡る―こそ角を並べて渡るなれ/梁塵秘抄」
特牛
こっていうし コツテヒ― 【特牛】
「こというし(特牛)」の転。
特牛
こってうし 【特牛】
「こというし(特牛)」の転。
特牛
こっとい コツトヒ 【特牛】
〔「ことい」の転〕
「こというし(特牛)」に同じ。[日葡]
特牛の
こというしの コトヒ― 【特牛の・特負牛の】 (枕詞)
「三宅の浦」にかかる。
〔特牛が租米を屯倉(ミヤケ)に運ぶことからいうか〕
「―三宅の潟にさし向ふ鹿島の崎に/万葉 1780」
特牛肥やし
こっといごやし コツトヒ― [5] 【特牛肥やし】
ウマゴヤシの異名。
特牛草履
こっといぞうり コツトヒザウ― [5] 【特牛草履】
鼻緒の前端が二本,牛の角のように出たわら草履。つのぞうり。
特産
とくさん【特産(物)】
a special[unique]product; <米> a specialty[ <英> speciality].→英和
特産
とくさん [0] 【特産】 (名)スル
特にある地方で生産または産出されること。また,その産物。「甲州―のブドウ」
特用
とくよう [0] 【特用】
特別に使用すること。
特用作物
とくようさくもつ [6] 【特用作物】
食用以外の用途にあてる農作物。桑・茶・麻・タバコ・藍(アイ)など。
特番
とくばん [0] 【特番】
(テレビ・ラジオの)特別番組。「日曜―」
特異
とくい [0][1] 【特異】 (名・形動)[文]ナリ
普通と特にことなっている・こと(さま)。「―な事件」「―な才能を示す」
[派生] ――さ(名)
特異な
とくい【特異な】
singular;→英和
peculiar;→英和
unique.→英和
‖特異性 peculiarity;uniqueness.特異体質 diathesis;idiosyncrasy;allergy.…に対する特異体質である be allergic <to> .
特異体質
とくいたいしつ [4] 【特異体質】
ある種の薬物や食物に対して異常に反応を示す体質。アレルギー性の素質を基盤とするものが多い。
特異性
とくいせい [0] 【特異性】
(1)物事に備わっている特殊な性質。特殊性。「この事件の―」
(2)酵素が特定の限られた種類の基質・反応に対してしか触媒作用を示さないこと。
(3)抗体が特定の抗原としか反応しないこと。
特異日
とくいび [3] 【特異日】
晴れとか雨とかの天気が,統計上高い確率で現れる特定の日。東日本では一一月三日は晴れの特異日といわれる。シンギュラリティー。
特異点
とくいてん [3] 【特異点】
曲線や曲面上で,その点での接線や接平面が存在しなかったり,二つ以上あったりする点。
特異的
とくいてき [0] 【特異的】 (形動)
酵素や抗体が特定の基質や抗原に対して特異性をもっているさま。
⇔非特異的
「―免疫療法」
特発
とくはつ [0] 【特発】 (名)スル
(1)(電車・バスや雑誌などを)臨時に,特別に出すこと。「臨時列車を―する」
(2)〔医〕 原因不明で発病すること。
特発性心筋症
とくはつせいしんきんしょう [9][0] 【特発性心筋症】
心筋に原因不明の障害のおきる疾患。肥大型と拡張型に大別される。拡張型は特定疾患である。
特発性疾患
とくはつせいしっかん [7] 【特発性疾患】
原因不明で発症する疾患。特発性心筋症,特発性癲癇(テンカン)など。
特科
とっか トククワ [1][0] 【特科】
特殊の科目。「―講義」
特科兵
とっかへい トククワ― [3] 【特科兵】
旧陸軍で,歩兵科以外の兵科の称。騎兵・砲兵・工兵・航空兵・輜重(シチヨウ)兵・憲兵など。
特科部隊
とっかぶたい トククワ― [4] 【特科部隊】
陸上自衛隊で,砲を主装備とする部隊。旧陸軍および他国の軍隊の砲兵にあたる。
特称
とくしょう [0] 【特称】 (名)スル
(1)全体の中で,特にそのものだけに用いていうこと。また,その称。「黄門」が水戸光圀(ミツクニ)をさす類。
(2)〔論〕 命題において,主語の外延のある一部についてのみ述語が述べられること。「ある S は…である」「…なる S が存在する」の類。特称肯定・特称否定の二種がある。
→全称
→単称
特種
とくしゅ [0][1] 【特種】
特別な種類。
特種
とくだね【特種】
[新聞の]a scoop;→英和
exclusive news.〜で他社を出し抜く scoop other papers.
特種
とくだね [0] 【特種】
新聞・雑誌などで,ある社だけが手に入れた重要な記事の材料。スクープ。「―記事」
特立
とくりつ [0] 【特立】 (名)スル
(1)多くのものの中で特に抜きんでていること。「此脈や,他の山系と―して/日本風景論(重昂)」
(2)他に頼らないこと。独立。
特筆
とくひつ [0] 【特筆】 (名)スル
特にとりたてて書くこと。多く,強調してほめる場合にいう。「―すべき美点」「―に値する」
特筆すべき
とくひつ【特筆(大書)すべき】
worthy of special mention;striking;→英和
highly important.
特筆大書
とくひつたいしょ [5] 【特筆大書】 (名)スル
特に目立つようにとりあげること。「―すべき事柄」
特等
とくとう [0] 【特等】
特別の等級。普通,一等よりもさらに上位に位置づけられる。「品評会で―に選ばれる」
特等
とくとう【特等】
a special class.‖特等席 a special seat.特等品 an article of special[superior]quality.
特約
とくやく [0] 【特約】 (名)スル
当事者間の特別の合意・約束。「災害―付き生命保険」
特約する
とくやく【特約する】
make a special contract <with> .特約店 a special agent.
特約店
とくやくてん [4][3] 【特約店】
製造業者または卸売業者と販売方法など,商品の取り扱いについて特別の契約をして,その商品を扱う販売店。
特級
とっきゅう トクキフ [0] 【特級】
特別上の等級。一級の上の等級。
特級品
とっきゅう【特級品】
an article of superior quality.特級酒 the special class sake.
特色
とくしょく [0] 【特色】
他のものと目立って違っている箇所。他のものと比べて優れている点。「他社の製品にない―を出す」「―のある本」
特色
とくしょく【特色】
⇒特徴.
特色付ける
とくしょくづ・ける [6] 【特色付ける】 (動カ下一)
(1)それによって,他のものと容易に区別ができるようにする。「彼の作品を―・けている文体」
(2)他のものと目立って異なるところを作り出す。「今回の事件を―・ける手口」
特落ち
とくおち [0] 【特落ち】
新聞・雑誌などで,複数の他社が載せた特種(トクダネ)を載せそこなうこと。
特薦
とくせん [0] 【特薦】 (名)スル
特別に推薦すること。「―品」
特融
とくゆう [0] 【特融】
特別に融資すること。
特装
とくそう [0] 【特装】
特別な装丁。「―版」
特製
とくせい [0] 【特製】 (名)スル
特別にこしらえること。また,そのもの。特別製。「式典のために―した記念品」
特製の
とくせい【特製の】
specially made[prepared] <by> ;specially bound (製本).
特訓
とっくん【特訓】
special training;a crash course.
特訓
とっくん トク― [0] 【特訓】 (名)スル
〔「特別訓練」の略〕
特に能力を向上させようとする人に対して,短期間に平素の量や内容を超えて行う特別の訓練。「夏休みに―する」
特記
とっき【特記】
⇒特筆.
特記
とっき トク― [0][1] 【特記】 (名)スル
特別に書き記すこと。「他に―すべきことなし」「―事項」
特設
とくせつ [0] 【特設】 (名)スル
特別に設けること。「―スタンド」「売り場を―する」
特設する
とくせつ【特設する】
establish[set up,organize]specially.〜の specially established[set up,installed (電話など)].
特許
とっきょ トク― [1] 【特許】
(1)行政機関が特定人のために権利・能力・資格などを設定し,法律上の地位を与えること。許可。免許。「―がおりる」
(2)特許法の定めにより,特許権を設定すること。また,特許権のこと。「―をもっている」
特許
とっきょ【特許】
<get> a patent <for,on> ;→英和
a license (免許);→英和
a concession (採掘などの).→英和
‖特許権 a patent (right).特許権者 a patentee.特許権侵害 a patent infringement.特許出願中 Patent pending[applied for].特許庁 the Patent Office.特許品 a patent;patented articles.特許料 a patent fee.
特許事務所
とっきょじむしょ トク― [5] 【特許事務所】
弁理士の事務所。
→弁理士
特許代理業
とっきょだいりぎょう トク―ゲフ [6] 【特許代理業】
発明・実用新案・意匠・商標に関する代理業。
特許企業
とっきょきぎょう トク―ゲフ [4] 【特許企業】
国から経営権を付与された企業。電気事業・ガス事業・地方鉄道事業など。
特許会社
とっきょがいしゃ トク―グワイ― [4] 【特許会社】
(1)経営権が国に保留されている事業の,一部または全部の経営権を,法律などにより付与された会社。
(2)ある範囲の行政権限をもって,植民地経営を行なった会社。植民会社。
特許原簿
とっきょげんぼ トク― [4] 【特許原簿】
特許権の設定・移転・変更・消滅などを登録する公簿。特許庁に備えつけられる。
特許品
とっきょひん トク― [0][3] 【特許品】
(1)特許権をもっている発明品。
(2)特許権のある方法で作ったもの。
特許審判
とっきょしんぱん トク― [4] 【特許審判】
特許に関する争訟を判定する手続き。特許庁長官の指定する審判官の合議で行われる。
特許局
とっきょきょく トク― [3] 【特許局】
特許庁の前身。
特許庁
とっきょちょう トク―チヤウ [3] 【特許庁】
通商産業省の外局の一。発明・実用新案・意匠および商標に関する事務を扱う。
特許料
とっきょりょう トク―レウ [3] 【特許料】
特許権設定の登録を受ける者または特許権者が,特許権の存続期間満了まで国に納付しなければならない料金。
特許権
とっきょけん トク― [3] 【特許権】
特許法により特許を受けた発明を業として排他的独占的に実施できる権利。工業所有権の一。特許法は,産業上の利用可能性,新規性,進歩性などを有する発明について,物の発明・方法の発明・物を生産する方法の発明のそれぞれについて独占的権利の範囲を定める。特許庁に出願し,登録されて発生。保護期間は出願公告の日から15年,出願日から20年以内。パテント。
特許法
とっきょほう トク―ハフ [0][3] 【特許法】
発明の保護と利用を図り,産業の発展を目的として,特許に関する手続きなどを規定する法律。1959年(昭和34)制定。
特註
とくちゅう [0] 【特注・特註】 (名)スル
「特別注文」「特別発注」の略。「―品」「専門の業者に―する」
特認
とくにん [0] 【特認】 (名)スル
特別に承認すること。
特講
とっこう トクカウ [0] 【特講】
特別講義。特別講習。
特負
ことい コトヒ 【特牛・特負】
「こというし(特牛)」に同じ。「淡路の門(ト)渡る―こそ角を並べて渡るなれ/梁塵秘抄」
特負牛の
こというしの コトヒ― 【特牛の・特負牛の】 (枕詞)
「三宅の浦」にかかる。
〔特牛が租米を屯倉(ミヤケ)に運ぶことからいうか〕
「―三宅の潟にさし向ふ鹿島の崎に/万葉 1780」
特賜
とくし [0][1] 【特賜】
特別に賜ること。また,その物。
特賞
とくしょう【特賞】
a special prize.
特賞
とくしょう [0] 【特賞】
特別の賞または賞品・賞金。「―に輝く」
〔一等の上に番外として設けられることが多い〕
特質
とくしつ【特質】
⇒特徴.
特質
とくしつ [0] 【特質】
そのものだけがもつ特殊な性質。独特の性質。「日本文化の―を研究する」
特赦
とくしゃ【特赦】
<grant> an amnesty <to> ;→英和
a special pardon (個人の).〜で <be released> on amnesty.
特赦
とくしゃ [1][0] 【特赦】
恩赦の一種。有罪の言い渡しを受けた特定の者に対して,その効力を失わせること。
特車
とくしゃ [0] 【特車】
もと,陸上自衛隊の戦車の称。
特輯
とくしゅう [0] 【特集・特輯】 (名)スル
雑誌・新聞・ラジオ・テレビなどで,特定の問題を中心にして編集したり放送すること。また,編集したもの。「物価問題について―する」
特進
とくしん [0] 【特進】 (名)スル
(1)特別の扱いで進級すること。「二階級―する」
(2)正二位の唐名。
特進
とくしん【特進】
a special promotion of rank.
特遇
とくぐう [0] 【特遇】
特別の待遇。殊遇。
特選
とくせん [0] 【特選・特撰】 (名)スル
(1)展覧会・コンクールなどで,特に優れたものとして認められたもの。「―に入賞する」
(2)特に優れたものとして選ぶこと。また,そのもの。「―品」「皆各国より―せる抜群の人物/経国美談(竜渓)」
特選になる
とくせん【特選になる】
be specially selected[approved] <at> .特選品 choice goods.
特配
とくはい [0] 【特配】 (名)スル
(1)特別に配ること。特別の配給。「米を―する」
(2)「特別配当」の略。
特金
とっきん トク― [0] 【特金】
「特定金銭信託」の略。
特長
とくちょう【特長】
a strong point;a merit.→英和
特長
とくちょう [0] 【特長】
(1)特に優れた事柄。特別の長所。
(2)他に比べて特に目立つ点。特徴。
特集
とくしゅう [0] 【特集・特輯】 (名)スル
雑誌・新聞・ラジオ・テレビなどで,特定の問題を中心にして編集したり放送すること。また,編集したもの。「物価問題について―する」
特集
とくしゅう【特集】
feature articles <on> .特集号 a special number[issue].
特集記事
とくしゅうきじ [5] 【特集記事】
新聞・雑誌などで,特に重点をおいて編集した記事。
特電
とくでん [0] 【特電】
〔「特別電報」の略〕
新聞社が特派員や海外の通信社から受けた特別のニュース。
特電
とくでん【特電】
a special telegram[dispatch].
特需
とくじゅ [0][1] 【特需】
〔「特別需要」の略〕
在日米軍が日本で調達する物資および役務の需要をいう。
特需
とくじゅ【特需】
special procurements.特需景気 a special procurement boom.
特需景気
とくじゅけいき [4] 【特需景気】
特需によってもたらされた好景気。朝鮮戦争・ベトナム戦争の際に生じたものなど。
特飲街
とくいんがい [3] 【特飲街】
特殊飲食店の立ち並ぶ繁華街。
特養
とくよう [0] 【特養】
「特別養護老人ホーム」の略。「―ホーム」
特高
とっこう トクカウ [0] 【特高】
「特別高等警察(トクベツコウトウケイサツ)」の略。
特鰭
とくびれ [0] 【特鰭】
カサゴ目の海魚。雄は全長50センチメートル,雌は35センチメートルほど。体は多数の骨板でおおわれ角ばっている。雄の第二背びれと尻びれは大きい。体の断面がほぼ八角形なので北海道ではハッカクと呼ばれる。食用。本州北部・北海道に分布。サチ。ワカマツ。
牽く
ひ・く [0] 【引く・曳く・退く・牽く・惹く】
■一■ (動カ五[四])
□一□(他動詞)
(1)物に手をかけて近くへ寄せる。《引》
〔綱や網の場合は「曳く」とも書く〕
(ア)物に手をかけて力を入れ,全体を自分の方へ近寄せる。引っ張る。
⇔押す
「押しても―・いてもびくともしない」「地曳き網を―・く」
(イ)装置や道具の一部分を,自分の近くへ寄せる。「サイド-ブレーキを―・く」「ひもを―・くと明かりがつく」「引き金を―・く」
(ウ)引き抜く。「大根を―・く」「お前の山の小松―・き遊ぶ/源氏(初音)」
(2)人・動物や物を離れないようにつないだりして,自分が先に立ち,ともに移動する。引っ張る。
(ア)車両などを引っ張って進む。《引・牽・曳》「荷車を―・く」「たくさんの貨車を―・いた機関車」「犬に橇(ソリ)を―・かせる」
(イ)動物などをついて来させる。《引・曳》「馬を―・いて村へ帰る」
(3)無理について来させて,ある場所に移動させる。《引・曳》「屠所に―・かれる羊」
(4)地面をこすって進むようにする。引きずる。《引・曳》「裾(スソ)を―・く」
(5)自分の体の中に入れる。「かぜを―・く」
(6)人を誘い寄せる。
(ア)呼びこむ。誘いこむ。《引》「店先で客を―・く」
(イ)他人の注意・心をこちらに向けさせる。《引・惹》「人目を―・くような服」「同情を―・く」「美貌に―・かれる」「気を―・く」「人柄に―・かれる」
(7)線状の施設を作って,自分の方へ導き入れる。「用水路を作って水を―・く」「水道を―・く」「電話を―・く」
(8)のばす。《引》
(ア)縮んでいたものを広げる。「窓にカーテンを―・く」「幕を―・く」
(イ)表面に広く塗る。「フライパンに油を―・く」「蝋(ロウ)を―・いた紙」
(ウ)本体から長く伸びるようにする。「声を長く―・く」「裾を長く―・く」
(9)線を書く。線状に長く伸ばす。「線を―・く」「図面を―・く」「納豆が糸を―・く」
(10)長く続ける。「声を長く―・く」
(11)一部を取る。《引》
(ア)数量や金額について,一部を取り去る。少なくする。「一〇―・く三は七」「毎月の給料から税金を―・かれている」
(イ)言葉・証拠などをあげる。「徒然草の一節を―・く」「吉野川を―・きて世中をうらみきつるに/古今(仮名序)」
(ウ)くじ引きなどで,一つを選んで自分のものとする。「おみくじを―・く」「(トランプデ)ばばを―・く」
(エ)こっそり盗む。「ねずみが餅を―・く」
(12)辞書・索引などを参照する。《引》「辞書を―・いて調べる」「電話帳を―・いて番号を調べる」
(13)血統・素質などを受け継ぐ。《引》「この子は祖父の血を―・いて気が強い」「彼の哲学はドイツ観念論の流れを―・いている」
(14)弓に張った弦を引っ張る。また,弓につがえた矢を射る。《引》「的に向かって弓を―・く」
(15)退却させる。《引・退》
(ア)出ていた体・手足などを引っこめる。「体を―・いて車をよける」「もう少しあごを―・いて」
(イ)自分の側の軍勢を退却させる。「兵を―・く」
(ウ)(「身を引く」の形で)それまでかかわりのあった人や事柄との関係を断つ。「実業界から身を―・く」
(16)花札で遊ぶ。《引》「花札を―・く」
(17)引き出物として与える。また,配付する。「布施に馬を―・き給へりける/今鏡(村上の源氏)」
(18)湯を汲んで浴びる。「湯殿しつらひなどして御湯―・かせ奉る/平家 10」
(19)取り外す。「橋を―・いたぞ,誤ちすな,とどよみけれども/平家 4」
(20)贔屓(ヒイキ)にする。「この弟の左の大臣を院とともに―・き給ひて/今鏡(藤波中)」
□二□(自動詞)
(1)後ろにさがる。退却する。また,やり始めたことを途中でやめる。《引・退》「進むことも―・くこともできない」「言いだしたらあとには―・かない」
(2)長く続いた勤めをやめる。引退する。《引・退》「 H 先生はこの三月で本校をお―・きになる」「今度の公演を最後に舞台から―・くことになった」
(3)勤めなどを休む。「『寝てゐるか』『あい,此頃は―・いてやすが,お前だから出たのよ』/洒落本・寸南破良意」
(4)十分な程度にあったものがなくなる。《引・退》
⇔出る
「潮が―・く」「汗が―・く」「顔から血の気が―・く」「やっと熱が―・いた」「腫れが―・く」
[可能] ひける
■二■ (動カ下二)
⇒ひける
[慣用] あとを―・糸を―・尾を―・杖(ツエ)を―・手薬煉(テグスネ)を―・手を―・弓を―・我が田へ水を―/鼠(ネズミ)に引かれそう
牽制
けんせい [0] 【牽制】 (名)スル
(1)相手を威圧したり監視したりして自由な行動を妨げること。「互いに―し合う」
(2)作戦上,自分の都合のよい所へ敵を引きとめること。また,敵の動きを封じること。
牽制する
けんせい【牽制する】
check;→英和
restrain;→英和
contain (軍事).→英和
走者を〜する《野》check a runner;→英和
peg a runner on the base.→英和
‖牽制球 a pick-off throw.
牽制球
けんせいきゅう [0] 【牽制球】
野球で,走者の盗塁を防いだりアウトにする目的で,走者のいる塁の内野手に投手や捕手が投げる球。
牽引
けんいん [0] 【牽引】 (名)スル
(1)ひっぱること。「機関車が客車を―する」
(2)大勢の先頭に立って引っぱっていくこと。
牽引
けんいん【牽引】
traction.→英和
〜する pull;→英和
draw;→英和
drag.→英和
‖牽引車 a tractor.牽引力 pulling[traction]capacity[power].
牽引療法
けんいんりょうほう [5] 【牽引療法】
直接もしくは間接的に牽引力を作用させて,局所の安静・整復・固定や疼痛の軽減を図る治療法。骨折・関節疾患・椎間板障害などに用いる。
牽引糸
けんいんし [3] 【牽引糸】
紡錘糸のうち,各染色体の動原体と極とを結ぶタンパク分子の重合した糸状構造。動原体糸。
牽引自動車
けんいんじどうしゃ [6] 【牽引自動車】
他の車両を牽引するための構造および装置を有する自動車。
牽引車
けんいんしゃ [3] 【牽引車】
(1)付属車両をひっぱるための機関車あるいは自動車。
(2)大勢の先頭に立って物事をおしすすめる人。リーダー。
牽強
けんきょう [0] 【牽強】 (名)スル
道理に合わないことを無理にこじつけること。こじつけ。「歴史上より論ずれば少しく―なりと雖も/希臘思潮を論ず(敏)」「彼の源語をさへ―して勧懲主意なるものなりなど/小説神髄(逍遥)」
牽強付会
けんきょうふかい [0] 【牽強付会】 (名)スル
自分の都合のいいように強引に理屈をこじつけること。「―の説をなす」
牽強付会の
けんきょうふかい【牽強付会の】
farfetched <interpretation> .→英和
牽牛
けんぎゅう [0] 【牽牛】
わし座のアルファ星アルタイルの漢名。天の河をへだてて織女と対する。牽牛星。彦星(ヒコボシ)。男星(オボシ)。[季]秋。
牽牛子
けんごし [3] 【牽牛子】
アサガオ。また,アサガオの種子。生薬として下剤に用いる。けにごし。
牽牛子
けにごし 【牽牛子】
「けんごし」に同じ。「うちつ―とや花の色を見む/古今(物名)」
牽牛子塚古墳
けんごしづかこふん 【牽牛子塚古墳】
奈良県高市郡明日香村にある七世紀末期の古墳。八角形の墳丘を二段に築いたもの。横穴式石室は左右の二室に分かれ,それぞれ造り付けの棺床をもつ。けんごうしづか。
牽牛星
けんぎゅうせい [3] 【牽牛星】
⇒牽牛(ケンギユウ)
牽牛星
けんぎゅうせい【牽牛星】
《天》Altair.
牽牛花
けんぎゅうか [3] 【牽牛花】
アサガオの漢名。[季]秋。
牽牛花
けんごか [3] 【牽牛花】
アサガオの別名。
牽用動物
けんようどうぶつ [5] 【牽用動物】
農具・車などを牽引させるのに使う動物。牛・馬などの類。
牽連
けんれん [0] 【牽連】 (名)スル
つながり続くこと。つながること。「今般―せる東洋電信線/新聞雑誌 7」
牽連犯
けんれんはん [3] 【牽連犯】
犯罪の手段または結果としての行為が,他の罪名に触れる場合をいう。住居に侵入し,窃盗をなすなどがその例。科刑上一つの罪と考え,牽連する犯罪のうち最も重い刑をもって処罰する。
犀
さい【犀】
a rhino(ceros).→英和
犀
さい [1] 【犀】
サイ科の哺乳類の総称。陸生の草食動物では象に次いで大きく,肩高1.4〜2メートル。四肢は太く短く三指がある。表皮は硬く,毛はほとんどない。鼻の上または額に一または二本の角をもつ。南アジアとアフリカに五種がすむが,いずれも数が激減している。
犀利
さいり [1] 【犀利】 (名・形動)[文]ナリ
〔兵器が硬く鋭い意〕
(1)頭の働きの鋭い・こと(さま)。「明敏―」「―な論述」
(2)文章の勢いの強いさま。「筆鋒―」「―な筆致」
[派生] ――さ(名)
犀川
さいがわ 【犀川】
(1)石川県金沢市を流れる川。奈良岳に源を発する。長さ34キロメートル。
(2)長野県松本盆地から長野盆地までを流れる川。長野盆地で千曲川と合流し信濃川となる。上流は飛騨山脈などを水源とする諸河川。長さ153キロメートル。
犀星
さいせい 【犀星】
⇒室生(ムロウ)犀星
犀角
さいかく [1][0] 【犀角】
(1)犀のつの。魔よけなどのまじないや飾りに用いた。
(2)犀のつのを粉にしたもの。漢方の高貴薬で,解毒剤・解熱剤として用いられた。黒色のものを上等とし,烏犀角(ウサイカク)という。現在はワシントン条約により使用できない。
犀角の帯
さいかくのおび 【犀角の帯】
石帯(セキタイ)の一。犀のつのを円または角形に切ってつけ飾りとしたもの。
犀鳥
さいちょう [0] 【犀鳥】
ブッポウソウ目サイチョウ科の鳥の総称。種により,カラス大から全長1.5メートルに及ぶ。長大なくちばしの上に大きな板状突起がある。森林にすみ,果実を主食にする。アフリカ・熱帯アジアに分布。
犀鳥[図]
犂
からすき [0][2] 【唐鋤・犂】
柄が曲がって刃が広い鋤。多くは牛や馬に引かせて田畑を耕すのに使う。うしぐわ。
唐鋤[図]
犂
すき [0] 【鋤・犂】
(1)幅の広い刃に柄をつけた櫂(カイ)状の農具。手と足で土を掘り起こすのに用いる。《鋤》
(2)牛馬に引かせて土を掘り起こす農具。からすき。《犂》
鋤(1)[図]
犂牛
りぎゅう [0][1] 【犂牛】
黄と黒のまだら毛の牛。
犂耕
りこう [0] 【犂耕】
牛馬に引かせた犂(スキ)による耕作。
→耨耕(ドウコウ)
犂鋤
りじょ [1] 【犂鋤】
(1)からすきとすき。農具。
(2)耕作。
犂[鋤]
すき【犂[鋤]】
a spade;→英和
a plow.→英和
〜で耕す plow <the field> .
犇と
ひしと [1] 【緊と・犇と】 (副)
(1)強く抱いたりつかんだりするさま。しっかりと。「―だきしめる」「―しがみつく」
(2)強く身に迫るさま。「寒さが―身にこたえる」「寂しさが―胸にせまる」
(3)床などが押されて鳴るさま。ぎしぎしと。みしみしと。「ぬばたまの夜はすがらにこの床の―鳴るまで嘆きつるかも/万葉 3270」
(4)ぴったりと密着するさま。「先帝の御面影―御身に添ひて/平家(灌頂)」
(5)物や人がすきまなく並ぶさま。「陣頭に馬車―たてたるを/著聞 10」
(6)すべてにわたるさま。完全に。「―国治まり/愚管 3」
(7)勢いよく打つさま。びしっと。「―ウツ/日葡」
犇めき
ひしめき [0] 【犇めき】
ひしめくこと。また,その音。「車馬の―」
犇めき合う
ひしめきあ・う [5] 【犇めき合う】 (動ワ五[ハ四])
(1)せまい所で大勢の人が押しあうようにしている。「ホームに乗客が―・う」
(2)互いに騒ぎあう。どよめきあう。「城中是(コレ)にさわがれて,声々に―・ひけれども/太平記 17」
犇めく
ひしめ・く [3] 【犇めく】 (動カ五[四])
(1)ひとところに多くの人や物が押しあうようにしている。また,集まって騒ぐ。「初詣での参拝者が―・く境内」「町工場が―・く」「京より御使ありとて―・きけり/平家 2」
(2)きしんで音がする。「いとど奥の方より,物の―・き鳴るもいと恐ろしくて/枕草子 125」
〔(2)が原義〕
犇犇
ひしひし [1][2] 【犇犇】 (副)
(多く「と」を伴って)
(1)締め付けるように厳しく身や心に迫ってくるさま。「寒さが―と身に迫る」「老いのわびしさが―と感じられる」
(2)少しのすき間もないほど詰まるさま。また,厳しく迫るさま。「数万の兵が―と城に迫る」「乗客―と詰合ひ/浮城物語(竜渓)」「五百余騎―とくつばみをならぶる/平家 9」
(3)ぴったりと締めるさま。かたく引き結ぶさま。「茶店は皆―と真夜中の如く戸を鎖して/婦系図(鏡花)」
(4)押されたりすれあったりして物がきしむ音を表す語。みしみし。ぎしぎし。「物の足音―とふみ鳴らしつつ/源氏(夕顔)」
(5)騒がしく言い合うさま。どよめき合うさま。「―と言ひ合ひたりける/今昔 23」
(6)強く打つさま。ぴしぴし。「―ト打タルル/日葡」
(7)少しのすき間もなく寄り添うさま。ぴったり。ひしと。「―と浄衣の袖に取り付きて泣きたまふ/盛衰記 44」
(8)動作がたゆみなく次々と行われるさま。どんどん。てきぱき。「―と事定まりぬ/盛衰記 34」
犍吉支
コニキシ 【犍吉支・王】
〔古代朝鮮語。コニは大,キシは君の意〕
(1)古代朝鮮の三韓の王の称。コキシ。「百済の―/日本書紀(雄略訓)」
(2)古代,百済から渡来した王族系氏族に与えられた姓(カバネ)。
犍陟駒
こんでいごま 【犍陟駒・金泥駒】
〔梵 Kaṇṭhaka〕
悉達(シツタ)太子が出家をするため王宮を去る時に乗った白馬。
犎牛
ほうぎゅう [0] 【犎牛】
ゼブの異名。
犒い
ねぎらい ネギラヒ [3] 【労い・犒い】
相手に苦労をかけたことに対して謝意を表すること。「―の言葉をかける」
犒う
ねぎら・う ネギラフ [3] 【労う・犒う】 (動ワ五[ハ四])
〔「労(ネ)ぐ」と同源〕
同等以下の人の苦労・尽力などを慰め,感謝する。「労を―・う」「孫権は…士を―・ひ衆を撫でしかば/太平記 20」
犒ぐ
ね・ぐ 【労ぐ・犒ぐ】 (動ガ上二)
(1)神の心を慰め,加護を願う。「和魂を―・ぎて玉船の鎮としたまふ/日本書紀(神功訓)」
(2)慰労する。ねぎらう。「かき撫でそ―・ぎたまふうち撫でそ―・ぎたまふ/万葉 973」
→ねぎ(禰宜)
犛牛
ぼうぎゅう [0] 【犛牛・旄牛】
ヤクのこと。
犛牛
りぎゅう [0][1] 【犛牛】
動物のヤクのこと。
犠打
ぎだ [1] 【犠打】
野球で,バントまたはフライによって打者自身はアウトとなるが,走者を進塁または得点させる打撃。犠牲打。
犠打
ぎだ【犠打】
《野》⇒犠牲(打).
犠牲
ぎせい [0] 【犠牲】
(1)目的のために身命をなげうって尽くすこと。ある物事の達成のために,かけがえのないものを捧げること。また,そのもの。「―を払う」「青春を―にする」
(2)「犠牲者」の略。「戦争の―となる」
(3)神に捧げるために生き物を殺すことやその儀礼。また,その生き物。いけにえ。供犠(クギ)。
→人身供犠
犠牲
ぎせい【犠牲】
(a) sacrifice;→英和
a victim (者);→英和
a scapegoat (身代り).→英和
〜的(精神) self-sacrificing (spirit).〜にする sacrifice;make a sacrifice <of> .〜になる fall victim <to> .…を〜にして at the sacrifice[cost,expense]of….‖犠(牲)打《野》a sacrifice hit.犠牲バント a sacrifice bunt.犠牲フライ a sacrifice fly.
犠牲
いけにえ [0] 【生け贄・犠牲】
(1)神への供え物として,生きている人や獣を捧(ササ)げること。また,そのもの。
(2)ある物事や人のために犠牲になること。
犠牲バント
ぎせいバント [4] 【犠牲―】
野球で,打者が走者を進塁させるために行うバント。
犠牲フライ
ぎせいフライ [4] 【犠牲―】
野球で,打者がフライ(ライナーも含む)を打って走者をホーム-インさせたときの,そのフライ。犠牲飛球。犠飛。
犠牲打
ぎせいだ [2] 【犠牲打】
⇒犠打(ギダ)
犠牲的
ぎせいてき [0] 【犠牲的】 (形動)
個人的な損得を捨てて自分から進んで事にあたるさま。「―精神」
犠牲者
ぎせいしゃ [2] 【犠牲者】
戦争や災害などで死んだり,大きな被害を受けたりした人。
犠飛
ぎひ [1] 【犠飛】
⇒犠牲(ギセイ)フライ
犢
こうし [0] 【小牛・子牛・犢】
〔古くは「こうじ」〕
牛の子。
犢鼻褌
たふさぎ 【犢鼻褌・褌】
〔古くは「たふさき」〕
短い下袴。今のふんどし,またはさるまたのようなものという。とうさぎ。「わが背子が―にする円石(ツブレイシ)の/万葉 3839」
犢鼻褌
とくびこん [0][3] 【犢鼻褌】
ふんどし。たふさぎ。[下学集]
犢鼻褌
ふんどし [0] 【褌・犢鼻褌】
(1)男子が陰部をおおい隠す細長い布。下帯(シタオビ)。まわし。たふさぎ。ふどし。
(2)〔盤上での形が丁字形となり(1)に似ることから〕
将棋で,桂馬で相手の駒二つを同時に取りにいく手。
(3)女性の腰巻。
(4)相撲の化粧回し。
(5)蟹(カニ)の腹部の生殖器の蓋板。
犬
いぬ【犬】
a dog;→英和
a puppy (子犬);→英和
a hound (猟犬);→英和
a spy (スパイ).→英和
〜の canine.→英和
〜畜生のような bestial.→英和
‖犬猫病院 a pets' hospital.
犬
いぬ 【犬・狗】
■一■ [2] (名)
(1)食肉目イヌ科の哺乳類。オオカミを家畜化した動物と考えられている。よく人になれ,番用・愛玩用・狩猟用・警察用・労役用などとして広く飼育される。品種が多く,大きさ・色・形などもさまざまである。
(2)(比喩的に)まわし者。スパイ。「警察の―」
■二■ (接頭)
名詞に付く。
(1)卑しめ軽んじて,価値の劣る意を表す。「―侍」
(2)似て非なるものの意を表す。「―山椒」「―蓼(タデ)」
(3)役に立たないもの,むだであることを表す。「―死に」
犬かき
いぬかき【犬かき】
a dog paddle.〜で泳ぐ dog-paddle.
犬ころ
いぬころ [3] 【犬ころ】
犬の子。いぬっころ。
犬じもの
いぬじもの 【犬じもの】
〔「じもの」は接尾語〕
(1)犬のようなもの。とるにたらないもの。「我等は―なりとて/沙石 7」
(2)(副詞的に用いて)犬でもないのに犬のように。「―道にふしてや命過ぎなむ/万葉 886」
犬の子
いんのこ 【犬の子】
〔「いぬのこ」の転〕
(1)犬の子。
(2)〔犬が物の怪(ケ)を払うものと考えられて〕
泣く子をあやしたり,子供を寝かしつけたりするときに唱えた語。「泣くな��。夢でも見たか。―/歌舞伎・小袖曾我」
犬の陰嚢
いぬのふぐり [4] 【犬の陰嚢】
ゴマノハグサ科の二年草。路傍に自生。茎は長さ5〜15センチメートルで,地を這(ハ)う。葉は卵円形。早春,葉腋に淡青紫色の小花を一個ずつつける。果実は扁球形で縦に筋があり,短毛が生え,犬の陰嚢(インノウ)に似る。ヒョウタングサ。テンニンカラクサ。[季]春。
犬の鬚
いぬのひげ [0] 【犬の鬚】
ホシクサ科の一年草。湿地に生える。高さ約15センチメートルで無毛,葉は束生し線形。葉間から多数の花茎を出し,秋,茎頂に半球状の頭状花序を単生し,小形の雌花と雄花とをつける。
犬を連れた奥さん
いぬをつれたおくさん 【犬を連れた奥さん】
〔原題 (ロシア) Dama ssobachkoi〕
チェーホフの短編小説。1899年発表。避暑地ヤルタ・サラトフ・モスクワを舞台に,妻子ある男グーロフと,美しい人妻アンナの不倫の恋を描く。
犬アカシア
いぬアカシア [3] 【犬―】
ハリエンジュの別名。
犬サフラン
いぬサフラン [4][3] 【犬―】
ユリ科の多年草。ヨーロッパ原産。薬用・観賞用に栽培。春,広線形の葉を三〜五枚出し,葉が枯れたのち,径10センチメートルの淡紅色の六弁花を数個開く。種子からは,染色体倍加ホルモンであり,リューマチの薬にもなるコルヒチンを採る。コルチカム。
犬上
いぬかみ 【犬上】
姓氏の一。
犬上御田鍬
いぬかみのみたすき 【犬上御田鍬】
飛鳥時代の官人。614年遣隋使として,630年第一回の遣唐使として中国に渡航。生没年未詳。
犬人
いぬひと 【犬人・狗人】
上代,犬の吠え声をまねて宮廷の門を守った隼人(ハヤト)。「一に云く―といふ/日本書紀(神代下訓)」
犬侍
いぬざむらい [3] 【犬侍】
武士としての道をわきまえない侍を卑しめ,ののしっていう語。
犬儒学派
けんじゅがくは 【犬儒学派】
⇒キニク学派(ガクハ)
犬児
えのころ ヱノコ― 【犬子・犬児・狗児】
(1)犬の子。えのこ。「―一疋来るをとらへて抱き/咄本・昨日は今日」
(2)エノコログサ。
犬児
えのこ ヱ― 【犬子・犬児・狗】
犬の子。えのころ。「白い―の/平家 12」
犬公方
いぬくぼう [3] 【犬公方】
江戸幕府第五代将軍徳川綱吉の異名。生類憐(シヨウルイアワレ)みの令を出したことからの名。
犬合せ
いぬあわせ [3] 【犬合(わ)せ】
闘犬。犬くい。
犬合わせ
いぬあわせ [3] 【犬合(わ)せ】
闘犬。犬くい。
犬吠
けんばい 【犬吠】
犬がほえること。また,その声。
犬吠え
いぬぼえ 【犬吠え・狗吠え】
上代,宮門警備の隼人(ハヤト)が大嘗会(ダイジヨウエ)などの群臣の出入りの時に宮門を守るため犬の吠えるような声を発したこと。また,その声。
→犬人(イヌヒト)
犬吠埼
いぬぼうさき 【犬吠埼】
千葉県銚子市東端の岬。1874年(明治7)設置の日本最初の回転式灯台がある。水郷筑波国定公園に属する。
犬子
えのこ ヱ― 【犬子・犬児・狗】
犬の子。えのころ。「白い―の/平家 12」
犬子
えのころ ヱノコ― 【犬子・犬児・狗児】
(1)犬の子。えのこ。「―一疋来るをとらへて抱き/咄本・昨日は今日」
(2)エノコログサ。
犬子集
えのこしゅう ヱノコシフ 【犬子集】
俳諧撰集。一七巻五冊。松江重頼編。1633年刊。江戸時代に出版された初めての俳書。「犬筑波集」「守武千句」以後の句を集め,貞門が俳諧の中心になるまでの空白期の資料としても貴重。狗猧集。書名は「犬筑波集」の子,の意。
犬小屋
いぬごや [0] 【犬小屋】
犬を飼う小屋。
犬小屋
いぬごや【犬小屋】
a kennel;→英和
<米> a doghouse.→英和
犬居
いぬい 【犬居】
犬が前足を立てて座っているような,尻もちをついた姿の形容。「―にどうと打ちすゑられ/太平記 17」
犬山
いぬやま 【犬山】
愛知県北西部の市。もと城下町。犬山城や明治村と日本ラインの名勝などで知られる。
犬山城
いぬやまじょう 【犬山城】
犬山市にある平山城。同地には古く永享年間(1429-1441)築城の斯波氏の城があったが,1469年には織田近広が現城域内の一部に築城。1537年現在地に織田信康が築城。織田・豊臣の大名が城主となり,江戸時代には平岩氏・成瀬氏がはいる。天守(国宝)が現存。白帝城。
犬山椒
いぬざんしょう [3] 【犬山椒】
ミカン科の落葉低木。山野に自生。サンショウに似るが,葉に悪臭があり,茎のとげが対をなさない。
犬山焼
いぬやまやき [0] 【犬山焼】
犬山市丸山の陶窯。宝暦年間(1751-1764)に始まる。乾山写しの製品が多く,赤絵付で桜花・楓(カエデ)の絵を特徴とする。丸山焼。犬山乾山。
犬山線
いぬやません 【犬山線】
名古屋鉄道の鉄道線。愛知県枇杷島(ビワジマ)分岐点・犬山・岐阜県新鵜沼(ウヌマ)間,26.8キロメートル。名古屋地下鉄鶴舞線との間に直通運転される。
犬張り子
いぬはりこ [3] 【犬張(り)子】
玩具の一。犬の立ち姿の張り子細工。子供の魔除(ヨ)けとして,宮参りやひな祭りの贈り物などに使われた。
犬張り子[図]
犬張子
いぬはりこ [3] 【犬張(り)子】
玩具の一。犬の立ち姿の張り子細工。子供の魔除(ヨ)けとして,宮参りやひな祭りの贈り物などに使われた。
犬張り子[図]
犬戎
けんじゅう 【犬戎】
古代中国の異民族西戎(セイジユウ)の一。西北辺境で勢力をふるい,周を東遷させたが,戦国時代に秦に圧迫されて衰えた。
犬掻き
いぬかき [3][4] 【犬掻き】
両手で水を掻き,両足で水をたたいて進む犬の動きに似た泳ぎ方。犬泳ぎ。
犬枇杷
いぬびわ [2][3] 【犬枇杷】
クワ科の落葉低木。関東以西の暖地の海辺に自生。高さ3メートル内外。葉は互生し,倒卵形。小さなイチジク状の偽果をつけ,熟すと食べられる。雌雄異株。イタブ。イタビ。コイチジク。古名イチジク。
犬枕
いぬまくら 【犬枕】
仮名草子。近衛信尹(ノブタダ)ほかの合作か。慶長(1596-1615)初年成るか。「物は尽くし」を中心とする,「枕草子」のパロディー。
犬桜
いぬざくら [3] 【犬桜】
バラ科の落葉高木。高さ5〜10メートル。本州中部以西に分布。葉はサクラに似る。春,白い小形の五弁花を総状に多数つける。萼(ガク)は花後も脱落せず,果実は熟して紫黒色となる。
犬棒ガルタ
いぬぼうガルタ イヌバウ― [5] 【犬棒―】
いろはガルタの一種。最初の「い」の札が「犬も歩けば棒に当たる」であるところからいう。江戸時代後期,江戸で作られ広く行われた。
犬榧
いぬがや [2] 【犬榧】
イヌガヤ科の常緑低木。高さ5メートルほどの小高木になることもある。葉は線形で二列に羽状に並び,カヤと異なり柔らかい。雌雄異株。種子から採れる油には悪臭があり,昔,灯油とした。材はかたいが細工しやすい。ヘボガヤ。
犬槙
いぬまき [2] 【犬槙】
マキ科の常緑高木。暖地の山林に自生し,高さ20メートルに達する。葉はほぼ披針形で互生する。雌雄異株。果実は緑色,果托は赤色に色づき食べられる。材は建築や桶材などに用いる。庭木・生け垣にする。クサマキ。単にマキともいう。
犬樟
いぬぐす [2] 【犬樟】
タブノキの別名。
犬橅
いぬぶな [2][3] 【犬橅・仙毛欅】
ブナ科の落葉高木。山地に自生し,高さ20メートルに達する。葉は互生し,卵形。樹皮が黒く,材は建材など用途が広い。クロブナ。
犬橇
いぬぞり [0] 【犬橇】
犬に引かせて走らせるそり。
犬歯
けんし [1] 【犬歯】
上下左右の門歯と臼歯の間にある四本の楔(クサビ)状の歯。食肉動物では発達して牙となる。糸切り歯。
犬歯
けんし【犬歯】
a canine[dog]tooth.
犬死する
いぬじに【犬死する】
die to no purpose[in vain].
犬死に
いぬじに [0] 【犬死に】 (名)スル
その死が何の役にも立たない無駄な死に方。「決して―してはいけない」
犬泳ぎ
いぬおよぎ [3] 【犬泳ぎ】
犬かき。「竪さま横さま立游ぎ―して沈み給はざりけるを/盛衰記 43」
犬潜り
いぬくぐり [3] 【犬潜り】
犬の出入りのために垣根や塀などに設けた小さい穴。
犬牙相制
けんがそうせい [1] 【犬牙相制】
〔史記(孝文本紀)〕
二国の境界を犬のきばがかみ合うように入りくませて,互いに牽制(ケンセイ)させること。
犬狩
いぬがり [0][4] 【犬狩(り)】
(1)野良犬を狩り出して捕殺すること。
(2)平安時代,宮中で野犬を捕らえる行事。諸門を閉じ,滝口の武士が弓矢で射とる。
犬狩り
いぬがり [0][4] 【犬狩(り)】
(1)野良犬を狩り出して捕殺すること。
(2)平安時代,宮中で野犬を捕らえる行事。諸門を閉じ,滝口の武士が弓矢で射とる。
犬独活
いぬうど [3] 【犬独活】
シシウドの別名。
犬猿
けんえん [0] 【犬猿】
犬と猿。仲の悪い者のたとえ。
犬猿の仲である
けんえん【犬猿の仲である】
be on bad terms <with> ;lead a cat-and-dog life (特に夫婦の).
犬畜生
いぬちくしょう [5] 【犬畜生】
(1)犬などのけだもの。また,そのような卑しいもの。
(2)不道徳な人をののしっていう語。「―にも劣る奴」
犬皮
けんぴ [1] 【犬皮】
犬の皮。安い三味線の胴に張る。「皮の性が悪いから―の三味線になつてな/滑稽本・浮世床 2」
犬神
いぬがみ 【犬神】
長唄の一。本名題「恋罠奇掛合(コイノワナテクダノカケアイ)」。二世杵屋(キネヤ)正次郎作曲。二世桜田治助作詞。1812年森田座初演。奪われた名玉を,栗生頼賢の妾に化けた娘狐が犬神使い長崎勘解由(カゲユ)から取り返すという筋。
犬神
いぬがみ [0] 【犬神】
憑(ツ)き物の一種。一般に,犬の霊とされ,人に憑いてさまざまな祟(タタ)りをなすとされる。中国・四国・九州で多くいわれる。
犬神人
いぬじにん 【犬神人】
中世,八坂神社に属した神人のうち,下層の民。京都建仁寺門前あたりに住み,平素は弓弦・沓(クツ)などを作るとともに,洛中の死屍の始末に当たり,また祇園祭には神幸の道路清掃なども行なった。いぬじんにん。つるめそ。
犬神使い
いぬがみづかい [5] 【犬神使い】
犬神をあやつる人。
犬神憑き
いぬがみつき [4] 【犬神憑き】
犬神のとりついた人。犬神がとりついたとする異常精神状態。
犬稗
いぬびえ [2] 【犬稗】
イネ科の一年草。荒れ地や路傍に自生する。茎は叢生(ソウセイ)し,高さ1メートル内外。葉は線形。夏,茎頂に小形の花穂をつける。芒(ノギ)は短い。サルビエ。
犬種
けんしゅ [1] 【犬種】
品種で分けた,犬の種類。
犬筑波集
いぬつくばしゅう 【犬筑波集】
俳諧撰集。山崎宗鑑編。享禄(1528-1532)末から天文(1532-1555)初年頃に成るか。俳諧が文芸として独立する機運を示した句集。奔放な作風は次に来る貞門派よりも,むしろ談林俳諧に受け継がれた。誹諧連歌。誹諧連歌抄。新撰犬筑波集。犬筑波。
犬箱
いぬばこ 【犬箱】
「御伽(オトギ)犬」に同じ。
犬羊
けんよう [0] 【犬羊】
犬と羊。また,つまらぬ者のたとえ。
犬胡麻
いぬごま [2] 【犬胡麻】
シソ科の多年草。湿った草地ややぶに自生。茎は高さ40センチメートル内外。葉は対生し,披針形。夏,茎の先に花穂をつくって淡紅色の唇形花を輪生する。チョロギダマシ。
犬脅し
いぬおどし 【犬脅し】
(1)犬を追い払うための,棒や音の出る物。「是は―迄にて候へ共/狂言・楽阿弥」
(2)見せかけだけのもの。こけおどし。「けいせいのたんすは本の―/柳多留 7」
犬舎
けんしゃ [1] 【犬舎】
犬小屋。
犬芥
いぬがらし [3] 【犬芥】
アブラナ科の多年草。路傍や庭に普通に見られる。高さ約30センチメートル。葉は長楕円形で鋸歯(キヨシ)がある。春から夏にかけて総状花序に黄色十字花を多数開く。花後に線形の果実をつける。
犬莧
いぬびゆ [2] 【犬莧】
ヒユ科の一年草。路傍に普通に見られる雑草。高さ30センチメートル内外。葉は菱形状卵形で,互生。夏,茎の先と葉腋(ヨウエキ)から緑色の花穂を出す。ノビユ。
犬蓼
いぬたで [2][0] 【犬蓼】
(1)タデ科の一年草。路傍に自生。高さ30センチメートル内外。葉は広披針形で互生し,全縁。夏から秋にかけ,約5センチメートルの穂状花序を出し紅色の小花を密につける。アカノマンマ。アカマンマ。
(2)オオケタデの古名。
犬蕨
いぬわらび [3] 【犬蕨】
オシダ科の夏緑性シダ植物。山野や庭に普通に見られる。葉は先端のとがった広卵形で二回羽状複葉,中央部が紫色を帯びる。葉に白斑のあるものをニシキシダという。
犬蚤
いぬのみ [2][0] 【犬蚤】
ノミの一種。体長約2ミリメートル。主に犬に寄生するが,人にもつく。ヒトノミのように跳ねない。
犬走り
いぬばしり [3] 【犬走り】
(1)築地(ツイジ)の外側の,壁と溝との間に設けられた狭い地面。
(2)城郭の石垣または土塁の外側,堀との間に帯状に残された平面。また,塁の中腹に設けられた細長い階段。
(3)建物の軒下など,外壁に沿った周囲の地面を砂利やコンクリート敷きにして固めた部分。小段。
(4)小股にちょこちょこ走ること。
犬蹲い
いぬつくばい [3] 【犬蹲い】
犬のすわるように両手両膝をつき,平伏すること。転じて,相手にへつらって機嫌をとること。「牛蒡(ゴボウ)程な尾を振つて,鎌倉武士に―/浄瑠璃・神霊矢口渡」
犬返し
いぬがえし [3] 【犬返し】
海岸や河岸で,断崖となり,犬も通行できないようなけわしい場所。
犬追物
いぬおうもの [3] 【犬追物】
騎馬武者が,馬を操りつつ,犬を弓矢で射止める武術。騎射の三種の一。鎌倉時代に起こった。竹垣で方形の馬場をつくり,折烏帽子(オリエボシ)をかぶり,直垂(ヒタタレ)または素襖(スオウ)を着た三六騎の騎馬武者が三手に分かれ,そのうちの四騎ずつが一五〇匹の犬を射る。犬に傷をつけないために蟇目(ヒキメ)矢を用いる。応仁の乱に中絶したが,島津家が元和年間(1615-1624)に再興した。
犬追物[図]
犬酸漿
いぬほおずき [3] 【犬酸漿】
ナス科の一年草。全国の山野に自生。高さ20〜90センチメートル。葉は互生し,卵形。夏,茎上部の節間の散形花序に五弁の白花をつける。果実は球形で黒熟。全草有毒。漢方では,干したものを竜葵(リユウキ)といい,解熱・利尿剤とする。ウシホオズキ。コナスビ。
犬釘
いぬくぎ [2] 【犬釘】
鉄道のレールを枕木に取り付けるための大きな釘。初期に使われた釘の頭が犬の頭に似ていたところからいう。枕木釘。
犬防ぎ
いぬふせぎ [3] 【犬防ぎ・犬防木】
(1)寺社の内陣と外陣との境に設けた格子。
(2)建物の門前に設けた低い柵。駒寄せ。犬除け。
犬防木
いぬふせぎ [3] 【犬防ぎ・犬防木】
(1)寺社の内陣と外陣との境に設けた格子。
(2)建物の門前に設けた低い柵。駒寄せ。犬除け。
犬陰嚢
いぬふぐり [3] 【犬陰嚢】
植物イヌノフグリのこと。[季]春。《―星のまたゝく如くなり/虚子》
犬雁足
いぬがんそく [3] 【犬雁足】
オシダ科の夏緑性シダ植物。山地の樹林の下に生える。葉は先のとがった長卵形または楕円形で,長さ1メートル以上になる。秋,短い褐色の葉が出,胞子嚢(ノウ)群をつけ,冬も黒褐色になって残る。
犬食い
いぬくい [0] 【犬食い】
〔「いぬぐい」とも〕
(1)食膳やテーブルに食器を置いたまま,顔を食器に近づけて犬のように物を食べること。無作法とされる。
(2)闘犬。犬合わせ。「―,田楽などをぞ愛しける/増鏡(むら時雨)」
犬飼
いぬかい 【犬飼】
犬の飼育を職業とする人。特に,鷹(タカ)狩り用の犬を飼育する者。犬飼人(イヌカイビト)。犬引き。犬遣り。
犬飼星
いぬかいぼし [3] 【犬飼星】
牽牛(ケンギユウ)星。彦星(ヒコボシ)。「―は,なん時候ぞ/閑吟集」
犬飼部
いぬかいべ [3] 【犬飼部】
古代,猟犬や屯倉(ミヤケ)の番犬の飼育を職とした部。「詔して国国の―を置く/日本書紀(安閑訓)」
犬養
いぬかい イヌカヒ 【犬養】
姓氏の一。
犬養毅
いぬかいつよし イヌカヒ― 【犬養毅】
(1855-1932) 政治家。備中庭瀬藩郷士の子に生まれる。慶応義塾に学ぶ。号は木堂。1929年(昭和4)政友会総裁となり,31年政友会内閣を組織。五・一五事件で暗殺された。
犬香薷
いぬこうじゅ [3] 【犬香薷】
シソ科の一年草。各地の山野に自生。高さ30センチメートル内外。全体に短い軟毛がある。茎は四角柱。葉は対生し,長楕円形。夏から秋,枝先や葉腋に総状の花穂を出し,淡紅紫色の小唇形花を密につける。
犬馬
けんば [1] 【犬馬】
(1)犬と馬。
(2)人につかえる者や,身分の卑しい者のたとえ。自分に関する謙称としても用いる。
犬骨
いぬぼね [0] 【犬骨】
むだ骨。徒労。「―折って鷹にとられたは/滑稽本・浮世床 2」
〔近世の俚諺(リゲン)「犬骨折って鷹にとられる」から〕
犬鷲
いぬわし [2][0] 【犬鷲・狗鷲】
タカ目タカ科の鳥。体は黒褐色で,後頭部に金色の羽毛がある。翼を開くと2メートルに及ぶ。主に深山に生息し,小獣・鳥類を捕食する。北半球に広く分布。日本では本州山地で繁殖するが生息数は少ない。天然記念物。絶滅危惧種。
犬鷲[図]
犬黄楊
いぬつげ [2][0] 【犬黄楊】
モチノキ科の常緑低木。山地に自生。普通高さ1.5〜3メートル内外。ツゲに似るが,別種。葉は密に互生し,長楕円形で革質,細鋸歯(キヨシ)をもつ。雌雄異株。初夏,白色の小花が密集してつき,球形の実は熟して黒色となる。庭木・盆栽用。材はツゲより劣る。
犯
はん 【犯】
■一■ (名)
接尾語的に用いて,その犯罪・犯罪者また犯行の意を表す。「殺人―」「知能―」「単独―」
■二■ (接尾)
助数詞。刑罰を受けた回数を表すのに用いる。「前科三―」
犯し
おかし ヲカシ 【犯し】
罪をおかすこと。また,罪。「おのづから―有りければ,その罪を終ふるほど/源氏(明石)」
犯し難い
おかしがた・い ヲカシ― [5] 【犯し難い】 (形)
傷つけたり,よごしたりできない。「かれには―・い威厳がある」
犯す
おか・す ヲカス [2][0] 【犯す】 (動サ五[四])
(1)法律・規則・道徳などにそむくことをする。「法を―・す」「罪を―・す」「禁を―・す」「過ちを―・す」
(2)女性に暴行を加える。姦淫する。「暴漢に―・される」「子と母と―・せる罪,畜―・せる罪/祝詞(六月晦大祓)」
[可能] おかせる
犯す
ぼん・す 【犯す】 (動サ変)
〔「ぼんず」とも〕
おかす。「いまだ禁戒を―・ぜず/平家 10」
犯人
はんにん [1] 【犯人】
罪を犯した人。犯罪人。
犯人
はんにん【犯人】
an offender;→英和
a criminal;→英和
a perpetrator (凶行の).→英和
犯人蔵匿罪
はんにんぞうとくざい [1][4] 【犯人蔵匿罪】
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者または拘禁中逃走した者の発見を困難にさせたりすることにより成立する罪。
犯則
はんそく [0] 【反則・犯則】 (名)スル
規則・ルールにそむくこと。「―をおかす」
犯土日
つちび [2] 【椎日・犯土日】
⇒つち(土)(7)
犯情
はんじょう [0] 【犯情】
犯罪を犯すに至った事情。
犯意
はんい【犯意】
《法》malice.→英和
⇒故意.
犯意
はんい [1] 【犯意】
罪を犯そうとする意思。法律に特別の規定のないかぎり,犯意のない行為は罰せられない。
→故意(2)
犯戒
ぼんかい [0] 【犯戒】
〔仏〕 仏の戒めを犯すこと。
犯科
ぼんか 【犯科】
罪科をおかすこと。犯罪。「山賊と海賊と寄合て互に―の得失を指合が如し/太平記 27」
犯科帳
はんかちょう ハンクワチヤウ 【犯科帳】
1666年〜1867年の200年間にわたる長崎奉行所の刑事判決記録。一四五冊。
犯罪
はんざい【犯罪】
a crime.→英和
〜を犯す commit a crime.→英和
〜の criminal <act> .→英和
‖犯罪捜査 a criminal investigation.犯罪者 a criminal.犯罪率 a crime rate.
犯罪
はんざい [0] 【犯罪】
罪を犯すこと。また,犯した罪。法律上は刑法その他の刑罰法規の規定により,刑罰を科される行為をいう。
犯罪学
はんざいがく [3] 【犯罪学】
犯罪の原因・性質・種類などについて研究する学問。
犯罪少年
はんざいしょうねん [5] 【犯罪少年】
家庭裁判所の審判の対象となる罪を犯した一四歳以上二〇歳未満の少年。
→触法少年
犯罪心理学
はんざいしんりがく [7] 【犯罪心理学】
犯罪および犯罪者の行動・心理を研究する心理学の一部門。犯罪行動とその心理,犯罪者のパーソナリティー,供述・証言の心理,矯正などの問題を取り扱う。
犯罪社会学
はんざいしゃかいがく [6] 【犯罪社会学】
犯罪を社会現象としてとらえ,その社会的諸条件の分析を目的とする社会学の一分野。刑事社会学。
犯罪被害者
はんざいひがいしゃ [6] 【犯罪被害者】
他人の犯罪により被害を受けた者。特に死亡した者,または重障害を受けた者については,1980年(昭和55)制定の犯罪被害者等給付金支給法により,本人またはその遺族は国より一定の給付金を支給される。
犯行
はんこう [0] 【犯行】
犯罪を行うこと。犯罪行為。「―を否認する」「―を重ねる」「―に及ぶ」
犯行
はんこう【犯行】
a crime;→英和
an offense.→英和
犯跡
はんせき [0] 【犯跡】
犯罪が行われた形跡。「―をくらます」
犯[冒
おかす【犯[冒・侵]す】
(1) commit <a crime> ;→英和
violate (法律などを);→英和
rape (婦人を).→英和
(2) brave <a danger> ;→英和
risk <one's life> .→英和
(3) invade (侵入);→英和
violate (侵害).
…を冒して in spite of;despite;→英和
at the risk of <one's life> ;in the face[teeth]of <a storm> .
病に冒される be seized with a disease.→英和
犰狳
きゅうよ キウ― [1] 【犰狳】
アルマジロの別名。
状
じょう ジヤウ [0][1] 【状】
(1)手紙。便り。
(2)ありさま。ようす。「その悲惨の―は見るにしのびない」
状する
じょう・する ジヤウ― [0][3] 【状する】 (動サ変)[文]サ変 じやう・す
言葉や文字で表現する。言い表す。「あゝ此間の景,我は最早―・する事能はじ/日光山の奥(花袋)」
状勢
じょうせい ジヤウ― [0] 【情勢・状勢】
変化する物事の,現在の様子。また,近い将来の変化・進展の具合。「―判断」「―は混沌(コントン)としている」
状差
じょうさし ジヤウ― [3][4] 【状差(し)】
柱などにかけておき,受け取った書状を入れておくもの。
状差し
じょうさし【状差し】
a letter file[rack].
状差し
じょうさし ジヤウ― [3][4] 【状差(し)】
柱などにかけておき,受け取った書状を入れておくもの。
状師
じょうし ジヤウ― [1] 【状師】
他人の訴訟の代理を業とするもの。代言人や弁護士。
状態
じょうたい ジヤウ― [0] 【状態・情態】
変化する物事の,その時その時の様子。「静止した―で測る」「生活―」「健康―」
状態
じょうたい【状態】
a state <of affairs> ;→英和
a situation;→英和
a condition.→英和
目下の〜では under the present circumstances.‖危険状態 a critical condition;a crisis.健康状態 one's health.
状態ベクトル
じょうたいベクトル ジヤウ― [5] 【状態―】
量子力学で,粒子の力学的な状態を数学的に表す無限次元の複素ベクトル。位置や運動量などの物理量はこのベクトルに作用する演算子として表される。状態ベクトルはハミルトニアンと呼ばれるエネルギー演算子の作用によって時間的に変化する。波動関数は状態ベクトルの一つの表示である。
→ヒルベルト空間
→波動関数
状態副詞
じょうたいふくし ジヤウ― [5] 【情態副詞・状態副詞】
主として動詞にかかり,動作・作用の様子をくわしく表す副詞。「がたり」「ぬるぬる」など,擬声語・擬態語がその中心をしめるが,「しばらく」など時に関するもの,「わざと」など態度に関するものも含まれる。
状態図
じょうたいず ジヤウ―ヅ [3] 【状態図】
物質の状態量(変数)の間の関係を図示したもの。圧力・温度を縦軸・横軸にとって,気体‐固体間・気体‐液体間の相平衡の条件を平面的に表した昇華曲線・蒸気圧曲線などはその例。
状態変化
じょうたいへんか ジヤウ―クワ [5] 【状態変化】
相転移,特に物質が三態のうちのある状態から別の状態に変化すること。三態変化。
状態式
じょうたいしき ジヤウ― [3] 【状態式】
(1)
⇒状態方程式(ジヨウタイホウテイシキ)
(2)物質の状態を種々の状態量で表した熱力学的な関係式。
状態方程式
じょうたいほうていしき ジヤウ―ハウテイ― [7] 【状態方程式】
組成が一定で均質な物質の一定量について,その圧力( � )・体積( � )・温度( � )の三つの状態変数の間に成立する関係式。理想気体の状態方程式 ��=���( � は気体の物質量モル,� は気体定数)はその代表例。状態式。
状態犯
じょうたいはん ジヤウ― [3] 【状態犯】
一定の法益侵害の結果が生ずれば,その後に法益侵害の状態が続いても,それがもはや別の犯罪事実とは認められない犯罪。窃盗罪・詐欺罪など。
→即時犯
→継続犯
状態量
じょうたいりょう ジヤウ―リヤウ [3] 【状態量】
物質系の状態によって定まり,直接測定の対象となる量。例えば熱力学的な平衡状態において定まった値をとるエネルギー・体積・圧力・温度・エントロピーなど。熱や仕事は状態の変化に伴う量であって状態量ではない。状態量を変数とみたとき,状態変数という。
状挟み
じょうばさみ ジヤウ― [3] 【状挟み】
書類・手紙などを挟んでおく金具。
状文
じょうぶみ ジヤウ― 【状文】
手紙。書状。
状景
じょうけい ジヤウ― [0] 【情景・状景】
人の心を動かす風景や場面。「言葉では表せない―」「ほほえましい―」[ヘボン(三版)]
状況
じょうきょう ジヤウキヤウ [0] 【状況・情況】
時とともに変化する物事の,その時,その時のありさま,ようす。
状況判断
じょうきょうはんだん ジヤウキヤウ― [5] 【状況判断】
状況を分析すること。また,それによってとるべき態度・方針を決定すること。
状箱
じょうばこ ジヤウ― [0] 【状箱】
(1)手紙を入れておく箱。
(2)手紙を入れて,使いに持たせる箱。
状紙
じょうし ジヤウ― [1] 【状紙】
書状を書くのに用いる紙。杉原紙を横に半分に切ったもの。半切り紙。半切れ。
状袋
じょうぶくろ ジヤウ― [3] 【状袋】
書状を入れる袋。封筒。
状貌
じょうぼう ジヤウバウ [0] 【状貌】
すがたかたち。容貌。
狂
きょう キヤウ 【狂】
名詞の下に付く。
(1)精神状態の異常なことを表す。「色情―」「偏執―」
(2)一つの事に熱中する意を表す。マニア。「野球―」「収集―」
狂
−きょう【−狂】
a <baseball> fan;→英和
a maniac;→英和
an enthusiast <for politics> .→英和
狂い
くるい【狂い】
madness (狂気);disorder (手順の);→英和
a warp (歪(ひず)み).→英和
〜が来る get out of order (機械などが);get warped (板など).〜まわる rave.→英和
〜死する rave oneself to death;die mad.
狂い
くるい クルヒ [2][3] 【狂い】
(1)正常でないこと。正確でないこと。狂うこと。「土台に―が生じる」「彼の目に―はない」
(2)理性を失うほど夢中になること。多く「ぐるい」の形で複合語として用いる。「女―」
狂い咲き
くるいざき クルヒ― [0] 【狂い咲き】
(1)初冬の小春日和の頃,時節外れに花が咲くこと。また,その花。返り咲き。[季]冬。
(2)盛りを過ぎたものが,ある時期だけ勢いを盛り返すこと。
狂い咲きする
くるいざき【狂い咲きする(花)】
bloom (a blossom) out of season.
狂い死に
くるいじに クルヒ― [0] 【狂い死に】
気が狂って死ぬこと。また,狂ったようにひどく苦しんで死ぬこと。
狂い花
くるいばな クルヒ― [2] 【狂い花】
狂い咲きの花。返り花。[季]冬。
狂う
くるう【狂う】
(1) go mad;become insane.(2) get out of order (機械が);go wrong;be upset (計画などが);miss <one's aim,the mark> .→英和
狂う
くる・う クルフ [2] 【狂う】 (動ワ五[ハ四])
(1)精神状態が正常でなくなる。「恐怖のあまり気が―・う」「嫉妬に―・った男」
(2)物事に異常に熱中して,正常な社会生活ができないほどになる。おぼれる。「ギャンブルに―・って家庭をかえりみない」「女に―・う」
(3)(他の動詞の下に付けて)夢中になって激しく…する。物事が激しく…する。「サンバのリズムに踊り―・う男女」「荒れ―・う海」
(4)予測・予定と現実が一致しなくなる。見込みがはずれる。「政府の経済予測が大幅に―・った」「雨で試合の日程が―・う」「勘が―・う」「手元が―・う」
(5)物事の状態や機械の機能などが正常でなくなる。「原稿の順序が―・っている」「この時計は月に一〇秒と―・わない」「体の調子が―・う」
(6)神霊や物の怪(ケ)がとりつく。神がかりになる。「これは物に―・ひたるにやあらむ/宇津保(嵯峨院)」
(7)憑(ツ)かれたように激しく動く。「八方を走り回りて―・ひけるを/義経記 8」
(8)ふざける。じゃれる。「あれ,御亭さん,―・ひなんすな/洒落本・遊子方言」
狂おしい
くるおし・い クルホシイ [4] 【狂おしい】 (形)[文]シク くるほ・し
〔動詞「狂う」の形容詞形。「くるはし」とも〕
(1)今にも気が狂いそうである。「―・い思いに悩まされる」
(2)じっとしていられないような気持ちにかりたてられる。「ジャズの―・いリズム」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
狂する
きょう・する キヤウ― [3] 【狂する】 (動サ変)[文]サ変 きやう・す
(1)正気を失う。気が狂う。「其状―・するが如く/花柳春話(純一郎)」
(2)気が狂ったように,一つの物事に夢中になる。「世を挙りて霊界に―・する時は/希臘思潮を論ず(敏)」
狂はかす
くるわか・す クルハ― 【狂はかす】 (動サ四)
(1)神霊などが取りついて,狂うようにさせる。「傀儡(クグツ)神と云ふ物の―・しけるなめり/今昔 28」
(2)だます。たぶらかす。「侍従に―・されてよものふるまひどもし給ふ/住吉」
狂ほす
くるお・す クルホス 【狂ほす】 (動サ四)
狂ったようにさせる。「この御酒(ミキ)は…少名御神の神寿(ホ)き,寿き―・し/古事記(中)」
狂る
たぶ・る 【狂る】 (動ラ下二)
心が乱れる。気が狂う。「―・れたる醜(シコ)つ翁の言(コト)だにも/万葉 4011」
狂る
ふ・る 【狂る】 (動ラ下二)
⇒ふれる
狂る
たわ・る タハル 【戯る・狂る】 (動ラ下二)
(1)遊び興ずる。たわむれる。「秋来れば野辺に―・るる女郎花(オミナエシ)/古今(雑体)」
(2)いたずら心でする。ふざける。「おほやけざまは少し―・れてあざれたる方なりし/源氏(藤裏葉)」
(3)みだらな振る舞いをする。不倫な関係を持つ。「うちしなひ寄りてそ妹は―・れてありける/万葉 1738」
(4)一途にそれにふける。おぼれる。狂う。「ひたすら―・れたる方にはあらで/徒然 3」
狂れる
ふ・れる [0] 【狂れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 ふ・る
〔「振れる」と同源〕
(「気がふれる」の形で)気がくるう。頭が正常でなくなる。
狂わしい
くるわし・い クルハシイ [4] 【狂わしい】 (形)[文]シク くるは・し
〔動詞「狂ふ」の形容詞形。「くるほし」とも〕
気が狂ったようである。くるおしい。「―・く泣き叫ぶ」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
狂わす
くるわ・す クルハス [3] 【狂わす】
■一■ (動サ五[四])
「くるわせる」に同じ。「気を―・す」「計画を―・す」
■二■ (動サ下二)
⇒くるわせる
狂わせる
くるわせる【狂わせる】
drive <a person> mad;put out of order (機械などを);upset (計画などを).→英和
狂わせる
くるわ・せる クルハセル [4] 【狂わせる】 (動サ下一)[文]サ下二 くるは・す
(1)正常な思考・判断のできない状態にする。「過重な精神的負担が彼を―・せた」
(2)機械などの機能に異常を起こさせる。「激しい磁気嵐が計器を―・せる」
(3)計画・予定などを,前もって考えていた通りに行かなくさせる。「ちょっとした不注意が全体の計画を―・せてしまう」「人生を―・せる」
(4)狂ったような身振りをする。「―・するやうが候/謡曲・桜川」
狂乱
きょうらん キヤウ― [0] 【狂乱】 (名)スル
(1)気が狂って普通ではない状態になること。
(2)比喩的に,物事が異常な状態であること。「―物価」
(3)演劇で,物狂いの所作。狂乱物。
狂乱
きょうらん【狂乱】
madness;frenzy.→英和
〜する become frantic.半〜で frantically.→英和
狂乱物価 skyrocketing prices.
狂乱物
きょうらんもの キヤウ― [0] 【狂乱物】
能・狂言や歌舞伎舞踊で狂乱を題材とした演目。能の「隅田川」,狂言の「枕物狂」,歌舞伎舞踊の「保名」など。
狂人
きょうじん【狂人】
a madman[madwoman (女)];→英和
a lunatic.→英和
狂人
きょうじん キヤウ― [0] 【狂人】
精神が異常な人。
狂人日記
きょうじんにっき キヤウジン― 【狂人日記】
中国,近代の短編小説。魯迅(ロジン)の処女作。1918年作。ゴーゴリの同名小説にヒントを得て,狂人の手記の形式で家族制度と儒教思想を批判したもの。中国近代文学の先駆的作品。
狂体
きょうたい キヤウ― [0] 【狂体】
詩歌で,おかしみや風刺をもたせた作品。
狂信
きょうしん【狂信(者)】
fanaticism (a fanatic).〜的(に) fanatic(ally).→英和
狂信
きょうしん キヤウ― [0] 【狂信】
正常な判断力を失うほどの,強烈な信仰。また,特定の考え方に強く支配されている状態。「―的な態度」
狂俳
きょうはい キヤウ― [0] 【狂俳】
江戸後期から名古屋地方に流行した雑俳の称。冠付(カムリヅ)けを中心とする。
狂句
きょうく キヤウ― [1] 【狂句】
(1)連歌・俳諧で,たわむれの句,滑稽な句のこと。連歌では無心連歌をさす。俳諧が盛んになると俳諧そのものをさし,また,蕉門では風狂精神に基づく自由闊達な句をいう。
(2)川柳のこと。
狂名
きょうみょう キヤウミヤウ [0] 【狂名】
狂歌作者として用いる号。きょうめい。狂号。
狂喜
きょうき キヤウ― [1] 【狂喜】 (名)スル
気が狂ったかのように,非常に喜ぶこと。「―乱舞」「―して独り室内を踴躍し/経国美談(竜渓)」
狂喜する
きょうき【狂喜する】
be mad with joy.
狂奔
きょうほん キヤウ― [0] 【狂奔】 (名)スル
(1)狂ったように走りまわること。「髪を乱して路上を―すること恰も疾風の如く/八十日間世界一周(忠之助)」
(2)ある目的のために熱心に奔走すること。「売り上げ増加に―する」
狂奔する
きょうほん【狂奔する】
busy oneself <about> ;make desperate efforts <to do> .
狂女
きょうじょ キヤウヂヨ [1] 【狂女】
発狂した女。
狂女物
きょうじょもの キヤウヂヨ― [0] 【狂女物】
女物狂(オンナモノグルイ)を主人公とする能。すべて現在能で,四番目物に属する。「班女(ハンジヨ)」「桜川」「隅田川」など。
→物狂
狂妄
きょうもう キヤウマウ [0] 【狂妄】 (名・形動)[文]ナリ
「きょうぼう(狂妄)」に同じ。「斯くの如き―なる試験は/月世界旅行(勤)」
狂妄
きょうぼう キヤウバウ [0] 【狂妄】 (名・形動)[文]ナリ
気違いじみて道理にはずれた行動をする・こと(さま)。きょうもう。「惑溺―なる者/明六雑誌 8」
狂客
きょうかく キヤウ― [0] 【狂客】
風流三昧(ザンマイ)の生活をする人。「―なにがし,しらら,吹上とかたり出ければ/笈日記」
狂宴
きょうえん キヤウ― [0] 【狂宴】
馬鹿騒ぎをする宴会。常識はずれの大騒ぎをするパーティー。
狂恋
きょうれん キヤウ― [0] 【狂恋】
狂ったような激しい恋。
狂悖
きょうはい キヤウ― [0] 【狂悖】
道義にそむいた非常識な言動をすること。「―の性は愈々抑へ難く/山月記(敦)」
狂惑
きょうわく キヤウ― 【狂惑】
心が狂い乱れていること。「やがて―になりて流されにき/愚管 6」
狂想
きょうそう キヤウサウ [0] 【狂想】
非現実的で,とりとめのない考え。「春日―」
狂想曲
きょうそうきょく【狂想曲】
a rhapsody.→英和
狂想曲
きょうそうきょく キヤウサウ― [3] 【狂想曲】
⇒カプリッチオ
狂愚
きょうぐ キヤウ― [1] 【狂愚】
気違いじみていて愚かなこと。「唯その妄漫(ボウマン)―を驚くの外なし/福翁百話(諭吉)」
狂態
きょうたい キヤウ― [0] 【狂態】
正気とは思われない,ばかげた振る舞い。「泥酔して―を演じる」
狂態を演じる
きょうたい【狂態を演じる】
make a scene.→英和
狂文
きょうぶん キヤウ― [0] 【狂文】
江戸中期に始まる戯文。漢文体に当時の俗語を交えて,世相・風俗を滑稽に表現したもの。当時,知識人の間に広がった文人趣味と,狂詩の流行に伴って栄え,江戸戯作の展開に影響を与えた。
狂暴
きょうぼう キヤウ― [0] 【狂暴】 (名・形動)[文]ナリ
気が違ったように暴れる・こと(さま)。「酒を飲むと―になる」「―なおこない」
[派生] ――さ(名)
狂歌
きょうか キヤウ― [1] 【狂歌】
(1)諧謔(カイギヤク)を主とし滑稽な趣を詠み込んだ卑俗な短歌。万葉集の戯咲歌(ギシヨウカ),古今和歌集の誹諧歌(ハイカイカ)などの系統で,各時代にわたって行われたが,江戸中期,天明年間(1781-1789)頃に大流行をみた。作家としては四方赤良(ヨモノアカラ)(蜀山人)・宿屋飯盛(ヤドヤノメシモリ)などが著名。戯歌。
(2)狂ったように歌うこと。「我世夢ぞと―乱舞するのである/空知川の岸辺(独歩)」
狂歌
きょうか【狂歌】
a comic tanka[poem];comic verse[poetry](総称).
狂歌合
きょうかあわせ キヤウ―アハセ [4] 【狂歌合】
歌合(ウタアワセ)にならい,左右に分かれて狂歌を合わせ,優劣を競う遊び。
狂歌師
きょうかし キヤウ― [3] 【狂歌師】
狂歌を詠むことを業とする人。
狂死
きょうし キヤウ― [0] 【狂死】 (名)スル
気が狂って死ぬこと。
狂死する
きょうし【狂死する】
die mad.
狂気
きょうき キヤウ― [1] 【狂気】
気が狂っていること。気違いじみた精神状態。「―の沙汰(サタ)」「―乱心」
狂気
きょうき【狂気】
insanity;→英和
madness.〜の insane;→英和
mad;→英和
crazy.→英和
狂濤
きょうとう キヤウタウ [0] 【狂濤】
荒れくるう大波。さかまく波。狂瀾(キヨウラン)。怒濤。
狂瀾
きょうらん キヤウ― [0] 【狂瀾】
(1)荒れ狂う大波。
(2)ひどく荒れ乱れて手のほどこしようもない情勢。
狂瀾怒濤
きょうらんどとう キヤウ―タウ [0] 【狂瀾怒濤】
荒れ狂う大波。はげしい荒波。「―の勢い」
狂熱
きょうねつ キヤウ― [0] 【狂熱】
物狂おしいほどの熱情。「―の恋」
狂犬
きょうけん キヤウ― [0] 【狂犬】
狂犬病にかかった犬。
狂犬
きょうけん【狂犬】
a mad dog.狂犬病 rabies;→英和
hydrophobia.→英和
狂犬病
きょうけんびょう キヤウ―ビヤウ [0] 【狂犬病】
届出伝染病の一。病原はウイルスで,元来は犬の疾患であるが,罹患(リカン)した犬にかまれると唾液を介して,人畜にも感染する。中枢神経がおかされ,興奮狂躁(キヨウソウ)状態となったり,唾液分泌亢進(コウシン)・痙攣(ケイレン)・幻覚・恐水発作などを起こし,全身麻痺(マヒ)でほとんどすべて死亡する。恐水病。
狂狷
きょうけん キヤウ― [0] 【狂狷】
〔論語(子路)〕
理想にはしってかたくななこと。志が高く意志が堅固なこと。「意は無情・―・聖賢・仏祖の境にも游(アソ)ぶべし/去来抄」
狂画
きょうが キヤウグワ [0] 【狂画】
ふざけて描いた画(エ)。ざれ絵。
狂疾
きょうしつ キヤウ― [0] 【狂疾】
狂気のやまい。「―を医す/金色夜叉(紅葉)」
狂癲
きょうてん キヤウ― [0] 【狂癲】
気が狂うこと。癲狂。「あのままで行くと―にでもなるんではないかと/星座(武郎)」
狂的
きょうてき キヤウ― [0] 【狂的】 (形動)
気が狂ったようなさま。正常でないさま。「―な思想」
狂簡
きょうかん キヤウ― [0] 【狂簡】
志が大きく,小事には心を用いないこと。また,志は大きいが,おこないはそれに伴わず疎略なこと。「疎大―採るあらば荷甚/佳人之奇遇(散士)」
狂者
きょうしゃ キヤウ― [1] 【狂者】
(1)気の狂った人。
(2)風流に熱中している人。風雅に徹した人。風狂者。「先師の意を以て見れば少し―の感も有るにや/去来抄」
(3)ざれごとをする人。狂言師。「―の言を巧みにする戯れ/太平記 5」
狂花
きょうか キヤウクワ [1] 【狂花】
季節はずれに咲く花。
狂草
きょうそう キヤウサウ [0] 【狂草】
草書体をさらに柔らかく崩した書体。中国唐代に発達。
狂薬
きょうやく キヤウ― [0] 【狂薬】
酒の異名。きちがいみず。
狂言
きょうげん【狂言】
a No(h) farce (能の);[作りごと]a trick;→英和
a fake.→英和
‖狂言自殺 a sham suicide.
狂言
きょうげん キヤウ― [3] 【狂言】
(1)日本の伝統芸能の一。猿楽の滑稽・卑俗な部分を劇化した芸能。室町時代に成立。猿楽能と併せ行われるが,舞踊的・象徴的な能と異なり,物まねの要素や写実的な科白(セリフ)劇の性格をもつ。主役をシテまたはオモ,相手役をアドという。独立して演じられる本狂言と能の曲中に行われる間(アイ)狂言とに大別される。江戸時代には大蔵流・鷺(サギ)流・和泉(イズミ)流の三流があったが,明治時代に鷺流は絶えた。能狂言。
(2)歌舞伎の演目。歌舞伎狂言。
(3)人をあざむくために仕組むたくらみ。お芝居。「―自殺」「―強盗」
(4)道理にはずれた言葉や行為。たわごと。「孔明が臥竜の勢をききをじしてかかる―をば云ふ/太平記 20」
(5)ふざけて面白おかしく言うこと。また,その言葉や動作。「正直にては能き馬はまうくまじかりけりと―して打連れてこそ上りけれ/盛衰記 34」
狂言作者
きょうげんさくしゃ キヤウ― [5] 【狂言作者】
歌舞伎で,劇場専属の脚本作者。
狂言回し
きょうげんまわし キヤウ―マハシ [5] 【狂言回し】
(1)芝居などで,筋の進行に終始かかわっている役柄。
(2)(比喩的に)表立たずに,物事の進行係の役を務める人物。
狂言小歌
きょうげんこうた キヤウ― [5] 【狂言小歌】
狂言謡の一。「住吉」「柴垣」など,室町時代の俗謡に由来したと考えられる特殊な謡物。恋心をうたったものが多い。能の小歌と区別していう。小歌。
狂言小謡
きょうげんこうたい キヤウ―ウタヒ [6] 【狂言小謡】
狂言で,主として酒宴の場で,酌に立つときにうたう,短い謡い物。小謡。
狂言師
きょうげんし キヤウ― [3] 【狂言師】
(1)能狂言を演ずる役者。
→狂言方
(2)「御(オ)狂言師」に同じ。
(3)嘘をついて人をだます常習犯。からくりや。
狂言幕
きょうげんまく キヤウ― [3] 【狂言幕】
⇒定式幕(ジヨウシキマク)
狂言座
きょうげんざ キヤウ― [0] 【狂言座】
(1)能舞台で,橋懸かりが後座(アトザ)に接する部分の奥まった場所。間狂言を演じる役者が控える位置。間座(アイザ)。
→能舞台
(2)歌舞伎を演じる劇場。操り芝居のための操り座に対していう。
狂言役者
きょうげんやくしゃ キヤウ― [5] 【狂言役者】
(1)能狂言を演ずる役者。狂言師。
(2)歌舞伎狂言を演ずる役者。
狂言扇
きょうげんおうぎ キヤウ―アフギ [5] 【狂言扇】
能狂言で用いる扇。大蔵流は霞(カスミ)に若松,和泉流は雪輪に折松葉と銀杏(イチヨウ)の葉の吹き寄せの図柄。
狂言方
きょうげんかた キヤウ― [0] 【狂言方】
(1)能楽師のうち,狂言を演じる人。本狂言・間狂言・三番叟(サンバソウ)などをつとめる。
(2)歌舞伎で,下級の狂言作者。幕の開閉,プロンプター,科白(セリフ)の書き抜きなどを担当。
狂言本
きょうげんぼん キヤウ― [0] 【狂言本】
⇒絵入(エイ)り狂言本(キヨウゲンボン)
狂言柱
きょうげんばしら キヤウ― [5] 【狂言柱】
〔狂言座に接するところから〕
後見柱(コウケンバシラ)の別名。
狂言浄瑠璃
きょうげんじょうるり キヤウ―ジヤウ― [5] 【狂言浄瑠璃】
(1)歌舞伎脚本で,清元・常磐津(トキワズ)などの浄瑠璃を使った場面がある作品。
(2)浄瑠璃を地(ジ)とする歌舞伎舞踊。
狂言綺語
きょうげんきご キヤウ― [5] 【狂言綺語】
〔「きょうげんきぎょ」とも〕
道理に合わない言と,巧みに飾った語。無いことを装飾して言い表したつくりごと。小説・物語・戯曲などを卑しめていう語。「―の誤ちは,仏を讃むる種として/梁塵秘抄」
狂言袴
きょうげんばかま キヤウ― [5] 【狂言袴】
能狂言の狂言方が用いる袴。紋尽くしの模様がある。
狂言記
きょうげんき キヤウゲンキ 【狂言記】
狂言の台本集。江戸時代に版本として刊行。狂言記・続狂言記・狂言記外篇・狂言記拾遺の四種があり,各五十番,計二百番を絵入りで収める。いずれの流儀によるものか不明。
狂言謡
きょうげんうたい キヤウ―ウタヒ [5] 【狂言謡】
狂言小歌など能狂言の中で謡われる謡の総称。能の一節をそのまま謡うもの,能の謡を模した節で謡うもの,狂言独自の節づけをしたものなどがある。
狂言面
きょうげんめん キヤウ― [3] 【狂言面】
狂言で用いる仮面。神・鬼・動物などの扮装に用いる。大黒・恵比寿(エビス)・武悪(ブアク)・祖父(オオジ)・乙(オト)・賢徳・うそふき・狐(キツネ)などがある。
狂詩
きょうし【狂詩】
a comic poem.狂詩曲《楽》a rhapsody.→英和
狂詩
きょうし キヤウ― [0][1] 【狂詩】
江戸中期以後流行した,漢詩体の滑稽・洒脱を主とした詩。卑近な俗情を,漢詩形式に仕立てたもので,当時知識人の間に広まっていた文人趣味を背景としている。江戸の寝惚(ネボケ)先生(蜀山人),京都の銅脈先生(畠中観斎)が代表的作者。
→狂文
狂詩曲
きょうしきょく キヤウ― [3] 【狂詩曲】
⇒ラプソディー
狂躁
きょうそう キヤウサウ [0] 【狂騒・狂躁】
狂ったようなさわぎ。「―の坩堝(ルツボ)」
狂酔
きょうすい キヤウ― [0] 【狂酔】 (名)スル
ひどく酒に酔うこと。また,酔って乱れること。
狂雲集
きょううんしゅう キヤウウンシフ 【狂雲集】
漢詩集。一巻。一休宗純作。室町中期成立。孤高の求道性,奔放な風狂の精神によって禅文学上に特異な位置を占める。
狂風
きょうふう キヤウ― [0] 【狂風】
(1)狂ったように強く吹き荒れる風。
(2)常軌を逸した振る舞い・風潮。
狂飆
きょうひょう キヤウヘウ [0] 【狂飆・狂飈】
吹き荒れる大風。暴風。「―波を鞭(ムチウ)ちて/即興詩人(鴎外)」
狂飈
きょうひょう キヤウヘウ [0] 【狂飆・狂飈】
吹き荒れる大風。暴風。「―波を鞭(ムチウ)ちて/即興詩人(鴎外)」
狂騒
きょうそう キヤウサウ [0] 【狂騒・狂躁】
狂ったようなさわぎ。「―の坩堝(ルツボ)」
狂騒の
きょうそう【狂騒の】
tumultuous;→英和
frenzied.
狄
てき 【狄】
中国古代,北方の異民族。北狄。
狄仁傑
てきじんけつ 【狄仁傑】
(630-700) 中国,初唐の政治家。字(アザナ)は懐英。高宗の時,巡撫使として地方行政に手腕を振るい,また,突厥(トツケツ)・契丹と戦い功をたてた。則天武后に宰相として重んぜられ国老と呼ばれた。
狆
ちん【狆】
《動》a Japanese spaniel;a Pekinese (中国種の).→英和
狆
ちん [1] 【狆】
イヌの一品種。日本原産。奈良時代に中国から輸入された犬種を改良したもの。体高25センチメートル程度。顔が平たく体毛は長い。白色の地に茶あるいは黒のぶちがある。愛玩犬。
狆くしゃ
ちんくしゃ [0] 【狆くしゃ】
〔狆がくしゃみをしたような顔の意〕
鼻が低く,くしゃくしゃとした感じの顔。また,そのような顔の人。
狆潜り
ちんくぐり [3] 【狆潜り】
床の間の脇を仕切る壁の下の方にある吹き抜け。犬潜り。
狎る
な・る 【慣る・馴る・狎る・熟る】 (動ラ下二)
⇒なれる(慣・馴)
⇒なれる(狎)
⇒なれる(熟)
狎れる
な・れる [2] 【狎れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 な・る
〔「慣れる」と同源〕
親しくなりすぎてけじめがない態度になる。なれなれしくなる。「彼の隔無く身近に―・れるを可忌(ウトマ)しと思へば/金色夜叉(紅葉)」
狎妓
こうぎ カフ― [1] 【狎妓】
ひいきにしている芸妓。「吉原の―の許に足繁く通つて/渋江抽斎(鴎外)」
狎客
こうかく カフ― [0] 【狎客】
なじみの客。
狎昵
こうじつ カフヂツ [0] 【狎昵】
なれ親しむこと。なれなれしくすること。
狎褻
こうせつ カフ― [0] 【狎褻】 (名・形動)[文]ナリ
なれなれしく,みだらになる・こと(さま)。
狐
きつね【狐】
a fox;→英和
a vixen (雌).→英和
〜につままれたような be[look]puzzled.‖狐色 light brown.狐の嫁入り a sunshine shower.狐火 a will-o'-the-wisp.狐狩り fox hunting.
狐
きつね [0] 【狐】
(1)イヌ科の哺乳類。体長約70センチメートル,尾長40センチメートルほどで,体が細く,口は長くとがり,尾は太く房状。夜行性でネズミ・ウサギなどを捕食し,果実なども食べる。毛色は様々で,普通は赤黄色。毛皮は襟巻などにされ,全身銀色のギンギツネのものは最高級とされる。古くから霊力をもつ動物として説話や俗信が多く,稲荷神の使者ともされる。北半球に広く分布し,日本にも各地の低山帯や草原にすむ。[季]冬。
(2)〔油揚げは狐の好物ということから〕
甘みを強くして煮つけた油揚げをのせた,かけのうどんやそば。けつね。
(3)「狐色(キツネイロ)」の略。
(4)〔狐は人をだましたり,たぶらかしたりすると俗にいうことから〕
(ア)悪賢い人。他人をだます人。「いづれか―ならむな/源氏(夕顔)」
(イ)娼婦をののしっていう語。「根性くさりの―め/浄瑠璃・天の網島(上)」
(5)「狐拳(キツネケン)」の略。「本拳か―か/滑稽本・七偏人」
狐
くつね 【狐】
キツネの転。[名義抄]
狐
けつね [0] 【狐】
キツネ。主に関西でいう。「―うどん」
狐の剃刀
きつねのかみそり [7] 【狐の剃刀】
ヒガンバナ科の多年草。山野に生える。全草ヒガンバナに似る。葉はやや幅狭く,白緑色で軟らかい。初秋,約40センチメートルの花茎を立て,黄赤色で漏斗形の六弁花を数個つける。有毒植物。
狐の剃刀[図]
狐の嫁入り
きつねのよめいり [0][8] 【狐の嫁入り】
(1)暗やみの中に狐火がいくつも連なっているのを,嫁入り行列の提灯に見たてたもの。
(2)日が照っているのに小雨が降ること。天気雨。
狐の孫
きつねのまご [6] 【狐の孫】
キツネノマゴ科の一年草。原野や畑などに自生。茎は基部が地をはいよく分枝して,高さ10〜40センチメートル。葉は狭卵形。夏から秋にかけ,枝頂の花穂に淡紅色の小花を密につける。
狐の孫[図]
狐の尾
きつねのお [5] 【狐の尾】
(1)フサモの別名。
(2)ノギランの別名。
狐の手袋
きつねのてぶくろ [6] 【狐の手袋】
ジギタリスの別名。
狐の提灯
きつねのちょうちん [7] 【狐の提灯】
「狐火(キツネビ)」に同じ。
狐の牡丹
きつねのぼたん [5] 【狐の牡丹】
キンポウゲ科の多年草。道端・田の畔(アゼ)などに生える。茎は高さ20〜80センチメートル。根葉は長い柄があり,三個の小葉からなる。春から秋にかけて,枝頂付近に出た柄に黄色五弁の小花をつけ,花後,金平糖のような淡緑色の果実を結ぶ。有毒植物。毛莨(モウコン)。
狐の絵筆
きつねのえふで [5] 【狐の絵筆】
担子菌類腹菌目のきのこ。秋,竹やぶなどに生える。高さ10センチメートル内外の先細りする角柱形で,絵筆に似る。下端は白く,上端は濃赤色。悪臭を放つ。
狐の茶袋
きつねのちゃぶくろ [6] 【狐の茶袋】
(1)ホコリタケの別名。
(2)コミカンソウの別名。
狐使い
きつねつかい [4] 【狐使い】
狐を使って行うというまじないの術。また,その術を使う人。
狐倍良
きつねべら [3] 【狐遍羅・狐倍良】
スズキ目ベラ科の海魚。体長55センチメートル程度。体はキツネダイに似るが,吻が尖らず,体側の上後部に尾まで広がる黒色域がある。小笠原諸島や和歌山県以南の太平洋・インド洋の岩礁部に分布。
狐六方
きつねろっぽう [4] 【狐六方】
歌舞伎の六方の一。狐の手振りをまじえて六方をふむもの。「義経千本桜」に見られる。
狐塚
きつねづか [3] 【狐塚】
(1)狐のすむ穴。
(2)狂言曲名(別項参照)。
狐塚
きつねづか 【狐塚】
狂言の一。狐塚の田へ鳥追いに来た太郎冠者(カジヤ)が,主を狐と思いこんで縛りあげ,青松葉をいぶして苦しめる。
狐媚
こび [1] 【狐媚】
(1)狐が人をばかすこと。
(2)狐が人をだますように,こびへつらって人を惑わすこと。
狐忠信
きつねただのぶ 【狐忠信】
人形浄瑠璃「義経千本桜」の四段目の通称。また,その登場人物。自分の親の皮を張った鼓を静御前が持っていると知った子狐が,佐藤忠信の姿となって静とともに旅をするというもの。のちに子狐は義経に,源九郎狐と名づけられる。
狐憑き
きつねつき [3] 【狐憑き】
狐にとりつかれたとして異常な精神状態になること。また,その人。
狐戸
きつねど [3] 【狐戸】
「狐格子{(2)}」を遣り戸にしたもの。
狐拳
きつねけん [0][3] 【狐拳】
拳の一種。両手を開いて両耳のあたりにあげるのを狐,肩を張って両手を膝の上に置くのを庄屋,握った左手を前に出すのを鉄砲(狩人(カリユウド))という。狐は庄屋に,庄屋は鉄砲に,鉄砲は狐に勝つ。庄屋拳。
狐拳[図]
狐施行
きつねせぎょう [4] 【狐施行】
⇒寒施行(カンセギヨウ)
狐日和
きつねびより [4] 【狐日和】
照ったり降ったりして一定しない天気。
狐柳
きつねやなぎ [4] 【狐柳】
ヤナギ科の落葉低木。日当たりのよい山地に生える。葉は楕円形。春,長さ3センチメートル内外の黄緑色の尾状花穂をつける。雌雄異株。イワヤナギ。
狐格子
きつねごうし [4] 【狐格子】
(1)入母屋造りの妻部分に妻飾りとして設ける,内側に板を張った格子。妻格子。木連れ格子。
(2)縦横に細かく組んだ格子。木連れ格子。
狐火
きつねび [3] 【狐火】
(狐の口から出るという)冬から春先にかけての夜間,野原・山間などに多く見られる奇怪な青白い火。鬼火。燐火。狐の提灯。[季]冬。《―や髑髏に雨のたまる夜に/蕪村》
狐物語
きつねものがたり 【狐物語】
〔原題 (フランス) Roman de Renart〕
一二世紀末から一三世紀にかけて成立したフランスの動物説話集。ルナールという狐と多くの動物たちを通して,人間社会を鋭く風刺する。
→ライネケ狐
狐狸
こり [1] 【狐狸】
(1)キツネとタヌキ。人を化かす動物と信じられた。
(2)人をだます信用できない人物。「―の輩」
狐狼
ころう [0] 【狐狼】
(1)キツネとオオカミ。
(2)狡猾(コウカツ)で,悪意のあることのたとえ。また,そのような人。
狐猿
きつねざる [4] 【狐猿】
霊長目キツネザル科の哺乳類の総称。原猿類。原始的なサルで,口先が狐のようにとがる。体長24〜56センチメートル,尾長22〜65センチメートル。雑食性で樹上生活をする。マダガスカル島と付近の島特産。近似種を合わせレムールともいう。
狐疑
こぎ [1] 【狐疑】 (名)スル
〔狐(キツネ)が疑い深い動物だということから〕
疑い深いこと。また,猜疑心(サイギシン)をもつこと。「怯懦にして―する人/西国立志編(正直)」
狐疑逡巡
こぎしゅんじゅん [1] 【狐疑逡巡】 (名)スル
疑い深く,決断をためらうこと。
狐福
きつねふく 【狐福】
思いがけない幸運。信じられないような幸い。「大黒殿の袋を拾ふか,―ならんと沙汰し侍る/浮世草子・二十不孝 3」
狐窓
きつねまど [4] 【狐窓】
入母屋造りの妻の部分などに設けた,狐格子をはめた通風・採光用の窓。狭窓(サマド)。
狐罠
きつねわな [4][3] 【狐罠】
狐を捕らえるための罠。[季]冬。
狐臭
わきが [0][2] 【腋臭・狐臭・胡臭】
腋臭(エキシユウ)症の俗称。腋の下から不快な臭気を放つ症状。また,その臭気。アポクリン腺の分泌物が皮膚表面上の細菌で分解され生じる。
狐色
きつねいろ [0] 【狐色】
狐の毛色に似た,黄みの強い茶色。パン・餅などのほどよく焼けた色にいう。きつね。「こんがりと―に焼く」
狐落し
きつねおとし [4] 【狐落(と)し】
(1)狐をとる罠(ワナ)。
(2)民間の俗信で,狐つきの人から狐を追い払って病気を治すこと。
狐落とし
きつねおとし [4] 【狐落(と)し】
(1)狐をとる罠(ワナ)。
(2)民間の俗信で,狐つきの人から狐を追い払って病気を治すこと。
狐薊
きつねあざみ [4] 【狐薊】
キク科の越年草。路傍・田などに生える。高さ約80センチメートル。葉は羽状に深裂,下面に白綿毛を密生する。晩春,枝端にアザミに似た淡紅紫色の小頭花をつける。
狐裘
こきゅう [0][1] 【狐裘】
〔「裘」は皮衣(カワゴロモ)の意〕
狐の腋(ワキ)の下の白毛皮でつくった衣服。古来貴人の朝服に用いられて珍重された。
狐遍羅
きつねべら [3] 【狐遍羅・狐倍良】
スズキ目ベラ科の海魚。体長55センチメートル程度。体はキツネダイに似るが,吻が尖らず,体側の上後部に尾まで広がる黒色域がある。小笠原諸島や和歌山県以南の太平洋・インド洋の岩礁部に分布。
狐釣
きつねつり 【狐釣(り)】
狐を罠(ワナ)にかけて捕らえること。また,その人。「―女房が来てもゆだんせず/柳多留 6」
狐釣り
きつねつり 【狐釣(り)】
狐を罠(ワナ)にかけて捕らえること。また,その人。「―女房が来てもゆだんせず/柳多留 6」
狐飯
きつねめし [3][0] 【狐飯】
味つけした油揚げを刻んで混ぜた飯。
狐饂飩
きつねうどん [4] 【狐饂飩】
狐{(2)}のうどん。きつね。
狐鮨
きつねずし [3] 【狐鮨】
稲荷(イナリ)ずしの別名。
狐鯛
きつねだい [3] 【狐鯛】
スズキ目ベラ科の海魚。体長35センチメートル程度。吻は尖り,背びれの棘状部に暗色域がある。夜は岩陰などで眠る。キツネベラは別種。相模湾以南の中部太平洋の岩礁域に分布。イノシシ。
狒々
ひひ【狒々】
《動》a baboon.→英和
狒狒
ひひ [1] 【狒狒】
(1)霊長目オナガザル科ヒヒ属とゲラダヒヒ属の哺乳類の総称。大形で地上性・雑食性のサル類。鼻口部は突出し,雄は強大な犬歯をもつ。サハラ以南のアフリカおよびアラビア半島南部に分布する。ギニアヒヒ・マントヒヒ・マンドリルなど。
(2)好色な中年以上の男をののしっていう語。「―おやじ」
狗
えのこ ヱ― 【犬子・犬児・狗】
犬の子。えのころ。「白い―の/平家 12」
狗
いぬ 【犬・狗】
■一■ [2] (名)
(1)食肉目イヌ科の哺乳類。オオカミを家畜化した動物と考えられている。よく人になれ,番用・愛玩用・狩猟用・警察用・労役用などとして広く飼育される。品種が多く,大きさ・色・形などもさまざまである。
(2)(比喩的に)まわし者。スパイ。「警察の―」
■二■ (接頭)
名詞に付く。
(1)卑しめ軽んじて,価値の劣る意を表す。「―侍」
(2)似て非なるものの意を表す。「―山椒」「―蓼(タデ)」
(3)役に立たないもの,むだであることを表す。「―死に」
狗人
いぬひと 【犬人・狗人】
上代,犬の吠え声をまねて宮廷の門を守った隼人(ハヤト)。「一に云く―といふ/日本書紀(神代下訓)」
狗児
えのころ ヱノコ― 【犬子・犬児・狗児】
(1)犬の子。えのこ。「―一疋来るをとらへて抱き/咄本・昨日は今日」
(2)エノコログサ。
狗吠
くはい [0] 【狗吠】
犬がほえること。また,その声。
狗吠え
いぬぼえ 【犬吠え・狗吠え】
上代,宮門警備の隼人(ハヤト)が大嘗会(ダイジヨウエ)などの群臣の出入りの時に宮門を守るため犬の吠えるような声を発したこと。また,その声。
→犬人(イヌヒト)
狗奴国
くなこく 【狗奴国】
⇒くぬこく(狗奴国)
狗奴国
くぬこく 【狗奴国】
三世紀に,邪馬台国の南にあった国。男王が支配し,邪馬台国と対立していた。くなこく。くなのくに。
狗子仏性
くしぶっしょう 【狗子仏性】
〔仏〕 無門関第一則の公案の題名。
→無字
狗尾続貂
くびぞくちょう [1] 【狗尾続貂】
〔「狗尾」は犬のしっぽ,「貂」はテン。中国,西晋(セイシン)の趙王司馬倫が帝位を称し,一族の者をつまらない者まで多数高位高官につけたために,冠に使うテンの尾が不足し犬の尾で代用するようになったという「晋書(趙王伝)」の故事から〕
(1)つまらない者が高官に列すること。
(2)劣った者がすぐれた者のあとに続くこと。また,他人の行なった仕事を受け継いで行うことのたとえ。
狗尾草
えのころぐさ ヱノコ― [4] 【狗尾草】
イネ科の一年草。路傍に普通に見られる雑草。高さ30〜50センチメートル。茎は叢生(ソウセイ)し,基部で分枝する。夏,茎頂に緑色の円柱状で芒(ノギ)の多い,子犬の尾に似た花穂をつける。ネコジャラシ。[季]秋。
狗尾草[図]
狗張子
いぬはりこ 【狗張子】
仮名草子。七巻。浅井了意作。了意の死後,1692年に門人林義端が刊行。「御伽婢子(オトギボウコ)」の続編ともいうべき怪異小説集。
狗母魚
えそ [1] 【狗母魚・鱛】
ハダカイワシ目エソ科の海魚の総称。全長25〜50センチメートル。からだはほぼ円筒形で細長く,尾部に向かって細くなる。体色と斑紋は種により異なり,日本近海には,マエソ・アカエソ・トカゲエソなど約一五種がいる。いずれも肉は白く美味であるが,小骨が多い。上等なかまぼこの原料にする。温帯から熱帯の砂泥底に分布。
狗盗
くとう [0] 【狗盗】
〔犬のようにひそかに盗みをする賊の意から〕
こぬすびと。こそどろ。「鶏鳴―」
狗肉
くにく [0][1] 【狗肉】
犬の肉。「羊頭―」
狗賓
ぐひん 【狗賓】
(1)天狗(テング)の異名。「これは―の業(ワザ)ぢや/狂言記・茸山伏」
(2)うぬぼれの強い人。
狗馬
くば [1] 【狗馬】
犬と馬。犬馬。
狗鷲
いぬわし [2][0] 【犬鷲・狗鷲】
タカ目タカ科の鳥。体は黒褐色で,後頭部に金色の羽毛がある。翼を開くと2メートルに及ぶ。主に深山に生息し,小獣・鳥類を捕食する。北半球に広く分布。日本では本州山地で繁殖するが生息数は少ない。天然記念物。絶滅危惧種。
犬鷲[図]
狙い
ねらい ネラヒ [0] 【狙い】
(1)(弓や銃で)ねらうこと。「―をつけて矢を放つ」「―を定める」
(2)ねらった目標。意図。「―はいいが実現は難しい」
狙い
ねらい【狙い】
an aim;→英和
a mark (標的).→英和
〜を誤る miss the[one's]mark.⇒狙う,狙撃(そげき).
狙い定める
ねらいさだ・める ネラヒ― [6] 【狙い定める】 (動マ下一)[文]マ下二 ねらひさだ・む
正確にねらいをつける。「―・めて撃つ」
狙い所
ねらいどころ ネラヒ― [0] 【狙い所】
ねらったところ。目標。
狙い打ち
ねらいうち ネラヒ― [0] 【狙い打ち・狙い撃ち】 (名)スル
目標を定めて打撃・射撃・攻撃すること。「カーブを―する」「―にして非難する」
狙い撃ち
ねらいうち ネラヒ― [0] 【狙い打ち・狙い撃ち】 (名)スル
目標を定めて打撃・射撃・攻撃すること。「カーブを―する」「―にして非難する」
狙い澄ます
ねらいすま・す ネラヒ― [5] 【狙い澄ます】 (動サ五[四])
十分にねらいをさだめる。「―・して的を射る」
狙い目
ねらいめ ネラヒ― [0] 【狙い目】
博打(バクチ)で,出ることを願っている賽(サイ)の目。また,賭けて勝ちの期待できそうな対象・時機など。「株を買うなら今が―だ」
狙う
ねら・う ネラフ [0] 【狙う】 (動ワ五[ハ四])
(1)目標に命中させようとして構える。「まとを―・って撃つ」
(2)手に入れようとして,ひそかに機会を待つ。「猫が金魚を―・っている」「マフィアに―・われている」
(3)ある目標を定める。また,それを達成する機会をうかがう。「優勝を―・っていた」「すきを―・って逃げる」「進入学シーズンを―・って売り出す」「心理的な効果を―・った発言」「大衆受けを―・った演出」「平家を一人にても―・ひてうたばや/平治(下)」
[可能] ねらえる
狙う
ねらう【狙う】
(1) (take) aim <at> ;→英和
aim one's gun <at> (銃で).
(2)[うかがう]have an eye <on a thing,a person> (目をつける);→英和
watch <for> ;→英和
be after <a thing> (求める).
狙公
そこう [1] 【狙公】
猿を飼う者。また,猿回し。
狙撃
そげき [0] 【狙撃】 (名)スル
ねらい撃つこと。「―手(シユ)」「―兵」「敵を―する」
狙撃する
そげき【狙撃する】
shoot[fire] <at> .→英和
狙撃兵 a sniper.
狙撃ちする
ねらいうち【狙撃ちする】
snipe <at> .→英和
狙猴
そこう [1] 【狙猴】
猿のこと。
狛
こま [1] 【高麗・狛】
(1)古代朝鮮の一国,高句麗(コウクリ)のこと。また,広く朝鮮半島の地をさす語。
(2)他の語の上に付いて,高麗(コウライ){(1)}から伝来した意を表す。「―楽(ガク)」「―錦(ニシキ)」
狛
こま [1] 【狛】
「狛犬(コマイヌ)」の略。
→高麗(コマ)
狛
こま 【狛】
姓氏の一。
狛剣
こまつるぎ [3] 【高麗剣・狛剣】
■一■ (名)
高麗から伝来した剣。高麗風の柄頭(ツカガシラ)に環のある剣。環頭の大刀(タチ)。
■二■ (枕詞)
高麗剣は柄頭に環があることから,地名「和射見(ワザミ)」や「我」の「わ」に言いかける。「―和射見が原の行宮(カリミヤ)に/万葉 199」
狛江
こまえ 【狛江】
東京都南部の市。多摩川の北岸にあり,住宅地域として発展。
狛犬
こまいぬ [0] 【狛犬】
〔高麗(コマ)の犬,の意〕
神社の神殿や社寺の前庭に置かれる一対の獅子(シシ)に似た獣の像。ライオンを基に形象化されたもので,初めは犬に似ていたが,平安末期に獅子に近い形になった。こま。
狛犬[図]
狛笛
こまぶえ [3] 【高麗笛・狛笛】
雅楽用の楽器の一。高麗楽と東遊(アズマアソビ)に用いられる竹製の横笛。長さ約33センチメートル。歌口の外に六孔あり,音律も高い。細笛。
高麗笛[図]
狛近真
こまちかざね 【狛近真】
(1177-1242) 鎌倉前期の雅楽家。南都左舞の伝承を記した「教訓抄」を著す。
狛鉾
こまぼこ 【狛鉾】
舞楽の一。右方高麗楽。高麗壱越(イチコツ)調。文の舞。裲襠(リヨウトウ)装束の四人の舞人が五色の棹を持って舞う。花釣楽。棹持舞。
狡
ずる [1] 【狡】
ずるいこと。またずるいおこない。また,ずるい人。「―をする」「仲間うちでも評判の―だ」
狡い
こす・い [2] 【狡い】 (形)[文]ク こす・し
(1)利にさとくずるい。狡猾(コウカツ)である。「―・い奴」
(2)けちである。「年の暮互に―・き銭づかひ(野坡)/炭俵」
[派生] ――さ(名)
狡い
ずるい【狡い】
cunning;→英和
sly;→英和
crafty.→英和
〜奴 a cunning fellow;a shirk.→英和
⇒ずる.
狡い
こすい【狡い】
cunning;→英和
sly.→英和
狡い
ずる・い [2] 【狡い】 (形)[文]ク ずる・し
〔近世以降の語〕
(1)自分の利益のために,ごまかしてうまく立ち回る性質である。狡猾(コウカツ)だ。こすい。「―・い男だから油断はできない」
(2)ふしだらだ。身持ちがわるい。「たまにゃあ―・いのもあるだらう/西洋道中膝栗毛(魯文)」
[派生] ――さ(名)
狡し
こす・し 【狡し】
⇒こすい
狡し
ずる・し 【狡し】 (形ク)
⇒ずるい
狡っ辛い
こすっから・い 【狡っ辛い】 (形)
「こすからい」の転。「―・い考え」
狡兎
こうと カウ― [1] 【狡兎】
すばしこいうさぎ。
狡智
こうち カウ― [1] 【狡知・狡智】
ずるがしこい考え。悪知恵。奸知(カンチ)。「―にたける」
狡猾
こうかつ カウクワツ [0] 【狡猾】 (名・形動)[文]ナリ
悪賢い・こと(さま)。「―な手段」
[派生] ――さ(名)
狡猾な
こうかつ【狡猾な】
cunning;→英和
sly;→英和
crafty.→英和
狡獪
こうかい カウクワイ [0] 【狡獪】 (名・形動)[文]ナリ
悪賢い・こと(さま)。狡猾(コウカツ)。「狐臭い―な所も少しはあつた/明暗(漱石)」
狡知
こうち【狡知】
cunning;→英和
craftiness.
狡知
こうち カウ― [1] 【狡知・狡智】
ずるがしこい考え。悪知恵。奸知(カンチ)。「―にたける」
狡童
こうどう カウ― [0] 【狡童】
悪がしこい子供。
狡計
こうけい カウ― [0] 【狡計】
ずるい計略。わるだくみ。
狡賢い
ずるがしこ・い [5] 【狡賢い】 (形)
きわめて巧妙に悪知恵をはたらかせるさま。悪賢い。「―・い奴」
狡辛い
こすから・い [4] 【狡辛い】 (形)
けちでずるい。こすっからい。「―・い男」
[派生] ――さ(名)
狢
うじな 【狢】
ムジナの古名。「陸奥国に―有りて/日本書紀(推古訓)」
狢
むじな [0] 【狢・貉】
(1)アナグマの異名。
(2)〔毛色がアナグマに似ているので混同して〕
タヌキのこと。[季]冬。
狢藻
むじなも [3] 【狢藻】
モウセンゴケ科の多年生食虫植物。池や沼に浮かんで生育。茎は長さ約10センチメートルで,まばらに分枝し,葉を輪生。葉身は袋状で貝のように開閉して虫を捕らえる。夏,淡緑色の小花を水上に開く。
狩
かり【狩】
(1) <go> hunting[shooting];→英和
a hunt.→英和
(2) gathering (採集).→英和
(3) viewing (見物).
(4) a roundup <of street girls> (検挙).→英和
‖狩場 a hunting ground.もみじ(桜)狩 maple (cherry) viewing.
狩
かり [1] 【狩(り)・猟】
(1)野生の鳥や獣をとること。猟(リヨウ)。狩猟。[季]冬。
(2)犯罪者などを捜索し,つかまえること。「暴力団―」「山―」
(3)自然の中に分け入って,野草や貝などをとったり,花やもみじを観賞したりすること。「きのこ―」「潮干―」「桜―」「紅葉(モミジ)―」
〔(2)(3)は他の語の下に付いて用いられ,「がり」と濁る〕
狩り
かり [1] 【狩(り)・猟】
(1)野生の鳥や獣をとること。猟(リヨウ)。狩猟。[季]冬。
(2)犯罪者などを捜索し,つかまえること。「暴力団―」「山―」
(3)自然の中に分け入って,野草や貝などをとったり,花やもみじを観賞したりすること。「きのこ―」「潮干―」「桜―」「紅葉(モミジ)―」
〔(2)(3)は他の語の下に付いて用いられ,「がり」と濁る〕
狩りの使ひ
かりのつかい 【狩りの使ひ】
平安初期,朝廷の用にあてる鳥獣を狩りするために,河内(カワチ)・遠江(トオトウミ)などの諸国に遣わされた勅使。
狩り人
かりびと 【猟人・狩り人】
(1)かりゅうど。猟師。「み―猟(サツ)矢手挟(タバサ)み騒きてあり見ゆ/万葉 927」
(2)狩りの際に獲物を追い立てる役の人。勢子(セコ)。猟夫(サツオ)。[和名抄]
狩り人の
かりびとの 【狩り人の】 (枕詞)
狩り人の「矢」「射る」から,同音の地名「いり野」「やた野」「やはぎ」にかかる。「―入野の露のしらま弓/続拾遺(秋上)」
狩り出す
かりだす【狩り出す】
hunt out;round up.
狩り出す
かりだ・す [3][0] 【駆(り)出す・狩(り)出す】 (動サ五[四])
(1)動物などを隠れ場所から追い立てて出す。「勢子(セコ)が熊を―・す」
(2)強制的に人を引っ張り出す。「町内の大掃除に―・される」
[可能] かりだせる
狩り場
かりば [0] 【狩(り)場】
狩猟をする場所。狩座(カリクラ)。かりやま。
狩り場の雉
かりばのきじ 【狩り場の雉】
狩り場で包囲された雉のように助かりようのない命のたとえ。狩り場の雉子(キギス)。「―の妻ゆゑ我も,首締めくくる罠結び/浄瑠璃・天の網島(下)」
狩り声
かりごえ 【狩(り)声】
〔「かりこえ」とも〕
狩りの時,獲物を追い出すため勢子(セコ)があげる鬨(トキ)の声。
狩り子
かりこ 【狩(り)子】
狩りのとき鳥獣を駆り立てる者。勢子(セコ)。
狩り山
かりやま [0] 【狩(り)山】
(1)「狩り場」に同じ。
(2)山で狩りをすること。
狩り矢
かりや 【狩(り)矢】
狩猟に用いる矢。多く,雁股(カリマタ)に鏑(カブラ)のついたものを用いる。
狩り立てる
かりたてる【狩り立てる】
hunt up[out].
狩り込み
かりこみ [0] 【狩(り)込み】
(1)獣を狩り立てて捕らえること。
(2)俗に,警察が,浮浪者・売春婦などを街頭で一斉に検挙すること。
狩る
か・る [0][1] 【狩る・猟る】 (動ラ五[四])
〔「駆る」と同源〕
(1)鳥獣などを追い立てて捕らえる。狩りをする。「狐を―・る」「鷹を手に据ゑ三島野に―・らぬ日まねく/万葉 4012」
(2)隠れている罪人や敵兵などを捕らえるために捜しまわる。「遠くはあらじ,一二町野を―・れ/浄瑠璃・丹波与作(下)」
(3)草木・花・キノコなどを探し求めて山野を歩く。「桜を―・り,紅葉をもとめ/方丈記」
狩る
かる【狩る】
hunt;→英和
chase.→英和
狩人
かりうど [1][2] 【狩人】
⇒かりゅうど(狩人)
狩人
かりうど【狩人】
⇒かりゅうど.
狩人
かりゅうど カリウド [1][2] 【狩人・猟人】
〔「かりひと」の転〕
猟師。かりうど。[季]冬。《―や銃の煙のなかにあり/田村木国》
狩人
かりゅうど【狩人】
a hunter;a huntsman.→英和
狩倉
かりくら 【狩座・狩倉・狩競】
(1)狩り場。「かの国に朝妻とて日本一の―あり/曾我 5」
(2)きそって狩りをすること。特に鹿狩りをいう。「―すでにすぎければ/曾我 1」
狩出す
かりだ・す [3][0] 【駆(り)出す・狩(り)出す】 (動サ五[四])
(1)動物などを隠れ場所から追い立てて出す。「勢子(セコ)が熊を―・す」
(2)強制的に人を引っ張り出す。「町内の大掃除に―・される」
[可能] かりだせる
狩勝峠
かりかちとうげ 【狩勝峠】
北海道中南部日高山脈北部,石狩・十勝の境にある峠。十勝平野を眺望する景勝地。
狩場
かりば [0] 【狩(り)場】
狩猟をする場所。狩座(カリクラ)。かりやま。
狩場明神
かりばみょうじん 【狩場明神】
高野山の守護神。空海が霊地を求めて高野山に来た時,大師を導いて案内したと伝える。
狩声
かりごえ 【狩(り)声】
〔「かりこえ」とも〕
狩りの時,獲物を追い出すため勢子(セコ)があげる鬨(トキ)の声。
狩子
かりこ 【狩(り)子】
狩りのとき鳥獣を駆り立てる者。勢子(セコ)。
狩山
かりやま [0] 【狩(り)山】
(1)「狩り場」に同じ。
(2)山で狩りをすること。
狩座
かりくら 【狩座・狩倉・狩競】
(1)狩り場。「かの国に朝妻とて日本一の―あり/曾我 5」
(2)きそって狩りをすること。特に鹿狩りをいう。「―すでにすぎければ/曾我 1」
狩漁
しゅぎょ [1] 【狩漁】
狩りと漁(リヨウ)。
狩漁時代
しゅぎょじだい [3] 【狩漁時代】
生産形態によって分けた時代区分の一。人間が鳥獣・魚介をとって生活していた時代。漁猟時代。
狩猟
しゅりょう [0] 【狩猟】 (名)スル
猟の道具をもって,山野の鳥獣をとらえること。狩り。猟。
狩猟
しゅりょう【狩猟】
<go> hunting[shooting].→英和
‖狩猟家 a hunter[huntress (女)].狩猟期 the hunting season.狩猟地 a hunting ground.狩猟免許証 a shooting license.
狩猟免許
しゅりょうめんきょ [4] 【狩猟免許】
狩猟法に基づき一定の狩猟を行うための免許。
狩猟文
しゅりょうもん [2] 【狩猟文】
狩猟の光景を表した文様。古代の工芸品の文様に多い。
狩猟文鏡
しゅりょうもんきょう [4] 【狩猟文鏡】
鏡背の文様に狩猟の光景を放射状に配置した銅鏡。中国の唐代に狩猟文が流行し,鏡に採用。日本では,人物と鹿を配した仿製鏡がある。
狩猟期
しゅりょうき [2] 【狩猟期】
一年のうちで狩猟が許可されている期間。一一月一五日から翌年2月15日まで(北海道は一〇月一日から翌年1月31日まで)。猟期。
狩猟法
しゅりょうほう 【狩猟法】
正称は「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」。狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲の禁止,狩猟者の登録,狩猟の制限など狩猟に関する規制等を定める。1918年(大正7)「狩猟法」として制定,63年(昭和38)現在の名称に改称。
狩猟豹
しゅりょうひょう [2] 【狩猟豹】
チーターの異名。
狩猟鳥獣
しゅりょうちょうじゅう [4] 【狩猟鳥獣】
「鳥獣保護及び狩猟に関する法律」で捕獲してもよいとされる鳥獣。マガモ・ウズラ・コジュケイ・スズメ・ノウサギ・リス・ムササビ・クマ・タヌキ・キツネ・イノシシなど。ただし,捕獲の方法・区域・期間・頭数など一定の制限を定める。
→保護鳥獣
狩矢
かりや 【狩(り)矢】
狩猟に用いる矢。多く,雁股(カリマタ)に鏑(カブラ)のついたものを用いる。
狩競
かりくら 【狩座・狩倉・狩競】
(1)狩り場。「かの国に朝妻とて日本一の―あり/曾我 5」
(2)きそって狩りをすること。特に鹿狩りをいう。「―すでにすぎければ/曾我 1」
狩衣
かりごろも 【狩衣】
■一■ (名)
(1)「かりぎぬ」の歌語。「秋の野の露わけ来たる―/源氏(手習)」
(2)〔「かり」に「仮」の意をかけて〕
旅の衣装。また,旅。「―,知らぬ道すぢを尋ねて/浮世草子・一代男 3」
■二■ (枕詞)
(1)狩衣の裾(スソ)の意で「裾野」に,また狩衣の紐(ヒモ)の意から同音の「日も」にかかる。「―裾野もふかし/新勅撰(冬)」
(2)狩衣を裁つ意から,同音の「立つ」にかかる。「―たち憂き花のかげにきて/玉葉(旅)」
(3)狩衣は乱れやすいので「みだる」「おどろ」にかかる。「―乱れにけりな梓弓/続古今(秋上)」
狩衣
かりぎぬ [3][0] 【狩衣】
〔もと,狩りなどのときに着たところから〕
盤領(マルエリ)で脇を縫い合わせず,くくり緒のある袖が後ろ身頃にわずかに付いているだけの衣服。地質は,布(フ)を用いるので布衣(ホイ)とも呼んだが,のちに絹綾(キヌアヤ)のものもできた。平安時代には公家の平常の略服であったが,鎌倉時代以後は公家・武家ともに正服,または礼服として用いた。現在は,神官の服装に見られる。狩襖(カリアオ)。かりごろも。
狩衣[図]
狩衣直衣
かりぎぬのうし 【狩衣直衣】
⇒小直衣(コノウシ)
狩衣袴
かりぎぬばかま [5] 【狩衣袴】
狩衣と,それに着ける指貫の袴。
狩衣装束
かりぎぬそうぞく 【狩衣装束】
狩衣に指貫(サシヌキ)・烏帽子(エボシ)などを着けた服装。「皆いでたちて―をして/宇津保(吹上・上)」
狩袴
かりばかま [3] 【狩袴】
狩衣(カリギヌ)の下に着る袴。堂上の用いる八幅(ヤノ)の指貫(サシヌキ)に対して,地下(ジゲ)の用いる六幅(ムノ)の括袴(ククリバカマ)をいう。地は布を用いる。
狩装束
かりしょうぞく [3] 【狩装束】
〔「かりそうぞく」とも〕
(1)公家が狩りや遊山に出かけるときの装束。狩衣(カリギヌ)に狩袴(カリバカマ)を着ける。
(2)武士が狩りに出る時の装束。狩衣または直垂(ヒタタレ)に行縢(ムカバキ)をはき,綾藺笠(アヤイガサ)をかぶる。太刀・腰刀を帯び籐巻(トウマキ)の弓,野矢を携行する。
狩装束(2)[図]
狩襖
かりあお 【狩襖】
「狩衣(カリギヌ)」に同じ。
狩谷
かりや 【狩谷】
姓氏の一。
狩谷棭斎
かりやえきさい 【狩谷棭斎】
(1775-1835) 江戸後期の考証学者。名は望之。江戸の人。漢学を修め,特に唐代律令の研究に優れ,また日本の古典・金石文・古辞書・度量衡などの研究にも力を注いだ。著「日本霊異記攷証」「古京遺文」「和名類聚抄箋注」「本朝度量権衡攷」など。
狩込み
かりこみ [0] 【狩(り)込み】
(1)獣を狩り立てて捕らえること。
(2)俗に,警察が,浮浪者・売春婦などを街頭で一斉に検挙すること。
狩込み
かりこみ【狩込み】
a roundup <of street girls> .→英和
狩野
かの 【狩野】
姓氏の一。
狩野
かのう 【狩野】
姓氏の一。
狩野亨吉
かのうこうきち 【狩野亨吉】
(1865-1942) 哲学者・思想家。秋田県生まれ。京大初代文科大学長。独自の唯物論・合理主義を貫いた百科全書的思想家。安藤昌益・本多利明・志筑忠雄など江戸期の忘れられた思想家を発掘。
狩野元信
かのうもとのぶ 【狩野元信】
(1476-1559) 室町後期の画家。法号,永仙。父正信に続いて幕府御用絵師として活躍。宋・元・明画様式に大和絵の技法を取り入れ,力強い装飾性をもつ様式を大成。桃山障壁画の基礎を確立。
狩野光信
かのうみつのぶ 【狩野光信】
(?-1608) 桃山時代の画家。山城の人。名は四郎次郎。狩野永徳の嫡男。大和絵風の優美な画風。
狩野尚信
かのうなおのぶ 【狩野尚信】
(1607-1650) 江戸初期の画家。探幽の弟。江戸幕府の御用絵師となり,木挽町(コビキチヨウ)狩野家の基礎を築く。水墨山水画に長じた。作「瀟湘(シヨウシヨウ)八景図屏風」など。
狩野山楽
かのうさんらく 【狩野山楽】
(1559-1635) 安土桃山後期・江戸初期の画家。近江国の生まれ。小姓として豊臣秀吉に仕えたが,画才を認められ,狩野永徳の門に入り狩野姓を許される。徳川幕府に仕えず,京都にとどまり社寺の障壁画を描いて京狩野家の祖となる。代表作「帝鑑図屏風」「牡丹図」など。
狩野山雪
かのうさんせつ 【狩野山雪】
(1590-1651) 江戸前期の画家。肥前の人。名は平四郎。狩野山楽に学び,その養子となる。花鳥画を得意とした。
狩野川
かのがわ 【狩野川】
静岡県伊豆半島を流れる川。天城峠付近に源を発して北流し,沼津市で駿河湾に注ぐ。長さ48キロメートル。
狩野川台風
かのがわたいふう 【狩野川台風】
1958年(昭和33)9月,伊豆半島・三浦半島に上陸し,伊豆半島・関東南部に記録的な豪雨を降らせた台風。特に伊豆の狩野川の決壊による被害が大きかった。
狩野常信
かのうつねのぶ 【狩野常信】
(1636-1713) 江戸前期の画家。父尚信(ナオノブ)の跡を継いで内裏障壁画制作に参加。探幽以来の狩野派の様式を集大成し,元信・永徳・探幽とともに狩野派の四大家の一人と称された。古画を模写した「常信縮図」は資料として貴重。
狩野探幽
かのうたんゆう 【狩野探幽】
(1602-1674) 江戸初期の画家。京都の人。本名,守信。徳川幕府の御用絵師として江戸鍛冶橋に屋敷を拝領し,鍛冶橋狩野家の祖となる。淡白・瀟洒(シヨウシヤ)な画風で,水墨画・彩色画など幅広く活躍。晩年法印に叙せられる。代表作は名古屋城上洛殿襖絵や「東照宮縁起絵巻」など。
狩野正信
かのうまさのぶ 【狩野正信】
(1434-1530) 室町中期の画家。別名,鹿野性玄(カノウセイゲン)。号,祐勢(ユウセイ)。元信の父。小栗宗湛(ソウタン)に師事して室町幕府の御用絵師となり,狩野派の基礎をつくる。代表作「周茂叔愛蓮図(シユウモシユクアイレンズ)」「崖下布袋図」など。
狩野永徳
かのうえいとく 【狩野永徳】
(1543-1590) 安土桃山時代の画家。山城国の生まれ。幼少の時から祖父元信の指導を受ける。織田信長・豊臣秀吉に用いられ,安土城・大坂城・聚楽第(ジユラクダイ)などに豪壮雄大な障壁画を制作,御用絵師としての狩野派の基礎を確立した。代表作「洛中洛外図屏風」「唐獅子図屏風」など。
狩野派
かのうは 【狩野派】
日本画の一流派。漢画様式を基調とした日本画中最大の画派。狩野正信を祖とする。安土桃山・江戸時代を通じて,将軍家の御用絵師として画界の主流をなした。土佐派の大和絵に対し,漢画系に分類される。
狩野直喜
かのうなおき 【狩野直喜】
⇒かのなおき(狩野直喜)
狩野直喜
かのなおき 【狩野直喜】
(1868-1947) 中国哲学・文学研究者。熊本県生まれ。京大教授。号,君山・半農人。経学(ケイガク)では清朝考証学を祖述し,文学では戯曲・小説を研究。また,敦煌文書を調査し,宋学中心の旧来の中国学に新風を吹き込む。著「支那学文藪」「読書籑餘」「中国哲学史」など。
狩野芳崖
かのうほうがい 【狩野芳崖】
(1828-1888) 日本画家。長門国の生まれ。江戸に出て狩野勝川に師事,橋本雅邦とともにその英才を謳(ウタ)われる。従来の狩野派の筆法に西洋画の画法を取り入れ,フェノロサ・岡倉天心の日本画革新運動に加わり,新しい日本画の領域を開拓。東京美術学校創立の準備中病死。代表作「大鷲」「悲母観音像」など。
独
どく [1] 【独】
「独逸(ドイツ)」の略。「日・―・仏」
独り
ひとり [2] 【一人・独り】
■一■ (名)
(1)一個の人。いちにん。「―の男が進み出る」
(2)その人しかいないこと。相手や仲間がいないこと。「―で遊ぶ」「―旅」「―息子」
(3)独身であること。ひとりみ。「まだ―です」
(4)(多く「ひとりで」の形で)他人の手を借りずにいること。他人の助けがないこと。「―で生きてゆく」「―で学ぶ」
■二■ (副)
(1)(下に打ち消しの語を伴って)ただ単に。「―日本国内の問題にとどまらない」
(2)ひとりだけで。「幸せを―夢みる」「―涙にくれる」「―悩む」
(3)ひとりでに。自然に。「―博奕はとどまるべし/仮名草子・浮世物語」
独りで
ひとりで【独りで】
[単身で]alone;→英和
by oneself;for oneself (独立で);[ひとりでに]of itself;automatically.
独りでに
ひとりでに [0] 【独りでに】 (副)
他からの力なしに。おのずから。自然に。「車が―動き出す」
独りぼっち
ひとりぼっち【独りぼっち】
lonely.→英和
独りぼっち
ひとりぼっち [4] 【独りぼっち】
〔「独り法師」の転。「ひとりぽっち」とも〕
肉親や仲間がいなくて,ただひとりであること。孤独であること。
独り住まい
ひとりずまい [4] 【独り住まい】
ただひとりで住むこと。多く,やもめ暮らしをいう。ひとりずみ。
独り勝ち
ひとりがち [0] 【一人勝ち・独り勝ち】
■一■ (名)
他の人はみな負けて,ひとりだけ勝つこと。
■二■ (形動)
ひとりだけでいることが多いさま。
独り占い
ひとりうらない [4] 【独り占い】
自分で自分の運勢を占うこと。また,その遊び。
独り占め
ひとりじめ [0] 【独り占め】 (名)スル
自分ひとりだけのものにすること。独占。「利益を―する」
独り占め
ひとりじめ【独り占め】
⇒独占.
独り台詞
ひとりぜりふ [4] 【独り台詞】
演劇で,心中の思いを観客に聞かせるための相手なしのせりふ。独白。
独り合点
ひとりがてん [4] 【独り合点】 (名)スル
自分ひとりでわかったつもりになること。ひとりのみこみ。「たしかめもせずに―する」
独り合点
ひとりがてん【独り合点】
one's personal opinion;a hasty conclusion (早合点).⇒独断.
独り呑み込み
ひとりのみこみ [4] 【独り呑み込み】
「独り合点(ガテン)」に同じ。
独り善がり
ひとりよがり [4] 【独り善がり】 (名・形動)[文]ナリ
自分ひとりだけでよいと決め込んで,他人の考えを全く聞こうとしない・こと(さま)。どくぜん。「―に陥る」「―な態度」
独り善がり
ひとりよがり【独り善がり】
self-conceit;self-satisfaction.〜の self-conceited[-satisfied].
独り子
ひとりご [3] 【一人子・独り子】
ひとりっこ。「―は国にはばかる(=一人子ハ甘ヤカサレテ育テラレルタメ,ワガママデ嫌ワレ者ニナル)」
独り寝
ひとりね [3][0] 【独り寝】
ひとりだけで寝ること。「―のわびしさ」
独り居
ひとりい 【独り居】 (名)スル
ただひとりでいること。ひとりぐらし。「かかる―し給ひつつ,身を焦し給ふ事絶えざりけり/狭衣 4」
独り暮し
ひとりぐらし [4] 【一人暮(ら)し・独り暮(ら)し】
ひとりで暮らすこと。ひとりだけの生活。「―の老人」
独り暮らし
ひとりぐらし [4] 【一人暮(ら)し・独り暮(ら)し】
ひとりで暮らすこと。ひとりだけの生活。「―の老人」
独り案内
ひとりあんない [4] 【独り案内】
人に聞かなくても,読めば自然とわかるように作られている本。独習書。
独り歩き
ひとりあるき [4] 【一人歩き・独り歩き】 (名)スル
(1)連れも付き添いもなくひとりだけで歩くこと。「夜道の―は危険だ」
(2)独力で物事をすること。他人の援助なしで生活をすること。ひとり立ち。「経済的に―できないでいる」
(3)本来,従属しているべきものが,勝手な行動をとること。「実施方法についての議論だけが―している」
独り歩きする
ひとりあるき【独り歩きする】
walk by oneself;[自立]stand on one's own feet;be independent.
独り決め
ひとりぎめ [0] 【独り決め】 (名)スル
(1)自分だけの考えで物事を決定すること。
(2)自分だけで思い込むこと。独断。「勝手に―されては困る」
独り決め
ひとりぎめ【独り決め】
⇒独断,独り合点.
独り狂言
ひとりきょうげん [4] 【独り狂言】
(1)「一人芝居」に同じ。
(2)ひとりで演ずる本狂言。狂言の古い形態の一つと思われる。「見物左衛門」など。
独り猿
ひとりざる [4] 【独り猿】
群れを形成するサル(ニホンザルなど)の社会において,群れから離脱した雄のサル。自群を離れて他群に加入することにより,近親婚の回避,種の均質化を助長する。離れ猿。一つ猿。一匹もの。入道。
独り相撲
ひとりずもう [4] 【独り相撲】
(1)ひとりで相撲をとるまねをすること。神事・大道芸などとして行われた。
(2)相手もいないのに,また,周囲の事情や結果を考えずに,ひとりで意気込むこと。「―をとる」
独り相撲をとる
ひとりずもう【独り相撲をとる】
beat the air.→英和
独り立ち
ひとりだち [0] 【独り立ち】 (名)スル
(1)他人に支えてもらったり物につかまったりせず,自分ひとりで立ち上がること。
(2)他人の助けを借りず,自分の力だけでやっていくこと。自立。独立。「―して商売を始める」
独り立ち
ひとりだち【独り立ち】
⇒独立,独り歩き.
独り笑い
ひとりわらい [4] 【独り笑い】 (名)スル
(1)思い出したり想像したりして,ひとりで笑うこと。ひとりえみ。「にやにやと―する」
(2)春画。枕絵。笑い絵。「このもしき枕絵,―を見て/浮世草子・一代男 4」
独り者
ひとりもの [0][5] 【独り者】
(1)結婚していない者。独身者。
(2)自分ひとりで他に家族のいない者。
独り聞き
ひとりぎき [0] 【独り聞き】
香道の組香で,連衆のうち一人だけが正解であること。
独り舞台
ひとりぶたい [4] 【独り舞台】
(1)舞台でただひとりの役者が演技すること。ひとりしばい。
(2)何人かの出演者の中で,ある役者の演技が他を圧倒し,舞台の上でただひとりが芝居しているような感じを与えること。独壇場(ドクダンジヨウ)。
(3)多くの中で,あるひとりの力がけたはずれにまさっていること。また,自分の思うままに振る舞うこと。独壇場。「その分野とくれば彼の―だ」
独り舞台である
ひとりぶたい【独り舞台である】
have the stage to oneself (俳優などが);[独占]hold the field;→英和
be without a rival (競争者がない).→英和
独り言
ひとりごと [0][4] 【一人言・独り言】
(1)相手がいないのにひとりでものを言うこと。人に聞かせるというわけでなく,ひとりで無意識に言うこと。また,その言葉。独語(ドクゴ)。「―を言う」
(2)書名(別項参照)。
独り言つ
ひとりご・つ 【独り言つ】 (動タ四)
〔「ひとりごと」の動詞化〕
ひとりごとを言う。「『然(ソウ)云つても可いかなあ』と―・ちたので/多情多恨(紅葉)」「をかしの御手やと―・ち居たれど/落窪 1」
独り言を言う
ひとりごと【独り言を言う】
talk[mutter (ぶつぶつと)]to oneself.
独り身
ひとりみ [3][0] 【独り身】
(1)結婚していないこと。また,その人。どくしん。「―を通す」
(2)家族などと別れて,ひとりだけで暮らすこと。また,その人。単身。「―の気楽さ」
独り連歌
ひとりれんが [4] 【独り連歌】
発句から挙句(アゲク)までをひとりで詠む連歌。独吟の連歌。
独ソ不可侵条約
どくソふかしんじょうやく 【独ソ不可侵条約】
1939年8月23日モスクワで調印された,ドイツ・ソ連両国の相互不可侵に関する条約。東ヨーロッパにおける両国の勢力範囲を画定した秘密議定書が付属されていた。一週間後ドイツがポーランドに侵入,九月にはソ連軍もポーランドに侵入,両国はポーランドを分割した。41年6月のドイツ軍のソ連侵攻により破棄。
独ソ戦
どくソせん 【独ソ戦】
第二次大戦におけるドイツとソ連の戦争。1941年6月ドイツのソ連攻撃により開始。43年のスターリングラードの戦いからソ連軍が攻勢に転じ,45年5月ベルリンを占領し終結。
独仏の
どくふつ【独仏の】
Franco-German.
独仏戦争
どくふつせんそう 【独仏戦争】
⇒普仏戦争(フフツセンソウ)
独任
どくにん [0] 【独任】 (名)スル
ひとりの人にある職務を任せること。
独任制
どくにんせい [0] 【独任制】
行政機関などがひとりの人で構成される制度。各省大臣など。単独制。
⇔合議制
独修
どくしゅう [0] 【独修】 (名)スル
先生につかず,自分一人で修得すること。「ロシア語を―する」
独創
どくそう [0] 【独創】 (名)スル
他人の真似をせず,自分一人の考えで物をつくり出すこと。また,そのもの。「彼が―した技法」
〔明治期につくられた語〕
独創
どくそう【独創(性)】
originality.→英和
〜的 original.→英和
‖独創力 <show> (much) originality; <have,lack> creative talent.
独創力
どくそうりょく [3] 【独創力】
物事を独創することのできる能力。
独創性
どくそうせい [0] 【独創性】
他人をまねることなく,独自の考えで物事をつくり出す性質・能力。
独創的
どくそうてき [0] 【独創的】 (形動)
独創によるものであるさま。独創する力のあるさま。「―な作品」
独力
どくりょく [0] 【独力】
自分ひとりの力。自力。「―で完成させる」
独力で
どくりょく【独力で】
(all) by oneself;independently;alone.→英和
独協医科大学
どっきょういかだいがく ドクケフイクワ― 【独協医科大学】
私立大学の一。独逸学協会学校を源とし,1972年(昭和47)設立。本部は栃木県壬生町。
独協大学
どっきょうだいがく ドクケフ― 【独協大学】
私立大学の一。独逸学協会学校を源とし,1964年(昭和39)設立。本部は草加市。
独占
どくせん【独占】
monopoly.→英和
〜する monopolize.→英和
‖独占禁止法 the Antimonopoly[Antitrust]Law.独占事[企]業 a monopoly.独占資本 monopolistic capital.独占者 a monopolizer[monopolist];a sole owner.独占欲 possessiveness;a desire to possess <something> (exclusively).
独占
どくせん [0] 【独占】 (名)スル
(1)ひとりじめにすること。自分一人のものにすること。「人気を―する」
(2)個人あるいは一つの企業が,他の競争者を排除し,市場を支配し,利益をひとりじめにする経済現象。供給を独占する場合を売り手独占,需要を独占する場合を買い手独占という。
→寡占
独占事業
どくせんじぎょう [5] 【独占事業】
政府が財政上の必要から,または社会政策上の配慮から,独占的な性質を付与している事業。郵便事業,ガス事業,電気事業など。
独占企業
どくせんきぎょう [5] 【独占企業】
競争相手が存在せず,価格を自己の都合のよいように支配して利益をあげている企業。
独占体
どくせんたい [0] 【独占体】
巨大企業の結合体。カルテル・トラスト・コンツェルンなどの形態がある。
独占価格
どくせんかかく [5] 【独占価格】
独占企業が自己に有利なように一方的に定める価格。
独占利潤
どくせんりじゅん [5] 【独占利潤】
独占企業が得る超過利潤。独占の場合には,平均費用を上回る価格を設定できることによる。
独占的
どくせんてき [0] 【独占的】 (形動)
独占しているさま。独占する傾向のあるさま。「―な特権をもつ」
独占的競争
どくせんてききょうそう [0] 【独占的競争】
市場にある多数の売り手が,製品差別化などによってある程度の独占力を有しながら競争し合う形態。
独占禁止法
どくせんきんしほう 【独占禁止法】
公正で自由な競争を基調とする民主的な国民経済の確立を図るための法律。1947年(昭和22)制定。企業の私的独占(トラスト・コンツェルン),不当な取引制限(各種のカルテル)・不公正な取引方法(不当ボイコット・ダンピング)の三つを禁止することを基本とする。その運用機関として公正取引委員会がある。独禁法。
独占資本
どくせんしほん [5] 【独占資本】
生産と資本が少数の巨大企業に集積して市場を独占的に支配する状態にある場合の資本形態。
独占資本主義
どくせんしほんしゅぎ [8] 【独占資本主義】
独占資本と金融資本が経済を支配して,独占利潤を追求する資本主義の段階。
独占金融資本
どくせんきんゆうしほん [9] 【独占金融資本】
独占的な市場支配力をもつに至った巨大金融資本。
独参湯
どくじんとう [0] 【独参湯】
(1)漢方処方の煎(セン)じ薬の名。気つけに効能があるという。
(2)〔効き目が著しいことから〕
歌舞伎で,いつ演じてもよく当たる出し物。「仮名手本忠臣蔵」はその一つ。
独吟
どくぎん [0] 【独吟】 (名)スル
(1)ひとりで詩歌などをうたうこと。「山中を逍遥しつつ―する」
(2)謡曲などの一節を一人でうたうこと。
⇔連吟
(3)ひとりだけで句を作ること。また,その句。「―千句」
→両吟
→三吟
独吟する
どくぎん【独吟する】
recite a poem.→英和
独和
どくわ [0] 【独和】
(1)ドイツ語と日本語。
(2)「独和辞典」の略。
⇔和独
独和辞典
どくわじてん [4] 【独和辞典】
ドイツ語の単語・熟語・句などの意味・用法を日本語で説明した辞典。
⇔和独辞典
独唱
どくしょう【独唱】
a vocal solo.→英和
〜する sing a solo.‖独唱会 <give> a recital.独唱者 a soloist.
独唱
どくしょう [0] 【独唱】 (名)スル
一人による歌唱の形態。ソロ。「発表会で―する」
→合唱
→斉唱
→重唱
独善
どくぜん [0] 【独善】
(1)自分ひとりが正しいと考えること。ひとりよがり。「―に陥る」「―家」
(2)自分ひとりの身を正しく修めること。
独善
どくぜん【独善】
self-righteousness.〜的 self-righteous; self-complacent[-satisfied];dogmatic.
独善主義
どくぜんしゅぎ [5] 【独善主義】
他人の立場を考えず,自分だけが正しいと考える主義。
独善的
どくぜんてき [0] 【独善的】 (形動)
ひとりよがりであるさま。「―な行動」
独在論
どくざいろん [3] 【独在論】
⇒独我論(ドクガロン)
独坐
どくざ [1] 【独座・独坐】 (名)スル
ひとりですわっていること。孤座。「一室に―し居り候/即興詩人(鴎外)」
独壇場
どくだんじょう [0] 【独壇場】
〔「独擅場(ドクセンジヨウ)」の「擅」を「壇」と誤って生じた語〕
「独擅場(ドクセンジヨウ)」に同じ。「この分野は彼の―だ」
独壇場である
どくだんじょう【独壇場である】
be unrivaled <as a Chopin player> .
独奏
どくそう【独奏】
<play> a solo.→英和
‖独奏会 <give> a recital.独奏者 a soloist.
独奏
どくそう [0] 【独奏】 (名)スル
単一楽器による演奏の形態。ソロ。
⇔合奏
「バイオリンを―する」
独存
どくそん [0] 【独存】 (名)スル
単独で存在すること。「精神に至りては始めより…―するものなり/文学史骨(透谷)」
独学
どくがく [0] 【独学】 (名)スル
師についたり学校に通ったりせずに,一人で勉強すること。「中国語を―する」
独学する
どくがく【独学する】
teach oneself <English> ;study <English> by oneself.独学者 a self-taught[-educated]man.
独客
どっきゃく ドク― [0] 【独客】
茶会で,客が一人であること。
独尊
どくそん [0] 【独尊】
〔「天上天下唯我独尊」の略〕
自分だけが他より優れて尊いとすること。また,その人。
独居
どっきょ ドク― [1][0] 【独居】 (名)スル
ひとりで住んでいること。ひとり住み。ひとり暮らし。「山中に―する」「―老人」
独居房
どっきょぼう ドク―バウ [3] 【独居房】
独房。独居監房。
独幅
どくふく [0] 【独幅】
対(ツイ)になっていない一幅の掛け物。
⇔対幅
独座
どくざ [1] 【独座・独坐】 (名)スル
ひとりですわっていること。孤座。「一室に―し居り候/即興詩人(鴎外)」
独庵玄光
どくあんげんこう 【独庵玄光】
(1630-1698) 江戸前期の禅僧・詩人。肥前の人。名は玄光,字(アザナ)は蒙山,独庵は号。睡庵とも号す。黄檗宗の道者超元に師事。智見広大で儒・仏に通じ,詩文をよくした。著「経山独庵叟護法集」など。
独往
どくおう [0] 【独往】 (名)スル
自分独自の道を行くこと。ひとりで進むこと。「自主―」
独得
どくとく [0] 【独得】 (形動)[文]ナリ
(1)その人だけが会得するさま。「自家―の曲乗のままで/自転車日記(漱石)」
(2)「独特」に同じ。「彼―の話し方」
独慎
どくしん [0] 【独慎】
(1)ひとりで謹慎すること。自分だけの生活をつつしんで行うこと。
(2)旧制で,一六歳未満の囚人または懲役人が獄則に反したとき,一定期間一室に独居し謹慎させられたこと。
独我論
どくがろん [3] 【独我論】
〔solipsism〕
真に実在するのは自分の自我だけであり,他者や外界の事物は自らの意識内容にすぎないとする考え。主観主義的認識論を極端に押し進めたもので,バークリー・フィヒテ・シュティルナーなどに見られる。独在論。唯我論。独知論。
独房
どくぼう【独房】
a cell (in a prison).→英和
独房
どくぼう [0] 【独房】
〔「独居監房」の略〕
受刑者を一人だけ入れておく監房。独居房。
独擅
どくせん [0] 【独擅】
自分ひとりの思いのままに振る舞うこと。
独擅場
どくせんじょう [0] 【独擅場】
その人ひとりだけで,思いのとおりの振る舞いができるような場面・分野。ひとり舞台。独壇場(ドクダンジヨウ)。
〔「擅」を「壇」と誤り,「ひとり舞台」の意から「独壇場(ドクダンジヨウ)」の語が生じた〕
独文
どくぶん [0] 【独文】
(1)ドイツ語の文章。「―和訳」
(2)ドイツ文学。「―を専攻する」
(3)「独文学科」の略。
独断
どくだん [0] 【独断】 (名)スル
(1)他人の考えを聞かずに,自分一人の考えだけで物事を決めること。また,その判断。ひとりぎめ。「―と偏見」「―で行う」「一心紛然として情義の間に迷ひ―すること能はず/花柳春話(純一郎)」
(2)調査・研究などで,自分独自の考えだけを正しいものとし,客観性を欠く結論になること。「―に陥る」
独断
どくだん【独断(論)】
a dogma;→英和
dogmatism.→英和
〜で on one's own judgment[responsibility].〜的 arbitrary;→英和
dogmatic.
独断専行
どくだんせんこう [0] 【独断専行】 (名)スル
自分だけの考えで決めて,勝手に物事を行うこと。
独断的
どくだんてき [0] 【独断的】 (形動)
他人の意見を聞かず,自分だけの考えで物事を決めてゆくさま。「―な態度」「最初に考へた程此点に於て―な暴君ではなかつた/明暗(漱石)」
独断論
どくだんろん [3] 【独断論】
〔dogmatism〕
〔哲〕
(1)何らかの教説を積極的に言明する態度。
⇔懐疑論
(2)(否定的な意味で)
(ア)ある言説をその当否の吟味を欠いたまま真理として主張する態度。また,その言説。教条主義。
(イ)カントが彼以前の形而上学を批判した用語。認識能力の権能や限界を批判することなしに理性の全能を信じる立場。
独楽
どくらく [0] 【独楽】
(1)ひとりで楽しむ・こと(さま)。「敷くものもなく―の樽枕に,いかなる夢を結ぶかはしらず/滑稽本・志道軒伝」
(2)「こま(独楽)」を音読みにした語。[色葉字類抄]
独楽
こま【独楽】
<spin> a top.→英和
独楽
こまつぶり 【独楽】
〔「こま」は「高麗」の意,「つぶり」は「円(ツブ)ら」の転〕
「こま」に同じ。「鉢,―のやうにくるめきて/宇治拾遺 13」
独楽
つむくり 【独楽】
こまの古名。[色葉字類抄]
独楽
こま [1] 【独楽】
〔「こまつぶり」の略〕
(1)玩具の一。円板または円錐形の胴を心棒や軸を中心に回転させて遊ぶもの。心棒をひねったり,軸に紐を巻きつけて引き,回転を与える。こまつぶり。[季]新年。
(2)〔物〕 一つの固定点あるいは重心の周りに自由に回転しうる剛体。
(3)家紋の一。{(1)}をかたどったもの。
(4)博打(バクチ)に使う,六角または八角の各面に絵や文字を書いたこま。お花ごま。
独楽回し
こままわし [3] 【独楽回し】
(1)こまを回すこと。また,その遊び。
(2)こまを使ってする曲芸。また,その芸人。曲ごま。
独楽塗
こまぬり [0] 【独楽塗(り)・高麗塗(り)】
漆工芸の一種。同心円の文様を彩漆(イロウルシ)で塗り分けたもの。東南アジアや中国から伝来したといわれ,江戸時代には香合・椀(ワン)・盆・茶器などに模作された。
独楽塗り
こまぬり [0] 【独楽塗(り)・高麗塗(り)】
漆工芸の一種。同心円の文様を彩漆(イロウルシ)で塗り分けたもの。東南アジアや中国から伝来したといわれ,江戸時代には香合・椀(ワン)・盆・茶器などに模作された。
独楽鼠
こまねずみ [3] 【独楽鼠・高麗鼠】
中国産のハツカネズミの突然変異を固定した品種。白色。内耳の渦巻き管に異常があるため,コマのように回転する習性をもつ。遺伝の実験用動物。
独歩
どくほ [1] 【独歩】
「どっぽ(独歩)」に同じ。「兎に角彼は―の姿であつた/思出の記(蘆花)」
独歩
どっぽ ドクホ [1] 【独歩】 (名)スル
(1)一人だけで歩くこと。単独で行くこと。どくほ。「緑の山野を―する」
(2)他の力を借りずに一人だけで事を行うこと。独立して事を行うこと。どくほ。「独立―」
(3)他に比べる物のないほどにすぐれていること。卓越していること。どくほ。「古今―の名作」
独歩
どっぽ ドクホ 【独歩】
⇒国木田(クニキダ)独歩
独法
どっぽう ドクハフ [0] 【独法】
ドイツの法律。
独泳
どくえい [0] 【独泳】 (名)スル
(1)ひとりで泳ぐこと。
(2)競泳で,他の選手を断然引き離して泳ぐこと。「二位以下を大きく引き離して―する」
独活
つちたら 【独活】
ウドの古名。[和名抄]
独活
どっかつ ドククワツ [0] 【独活】 (名)スル
(1)「うど(独活)」に同じ。
(2)ひとりで自立して生活すること。「東京に在りて―する職なきや否やを/欺かざるの記(独歩)」
独活
うど【独活】
《植》an udo.独活の大木 a big good-for-nothing fellow.
独活
うど [1] 【独活】
ウコギ科の多年草。山地に自生し,また野菜として栽培する。高さ2メートルに達する。葉は大形の羽状複葉で,小葉は卵形。茎葉に細毛がある。夏,茎頂に淡緑色の小花多数が球形に集まって大形の花序をなす。若い茎は独特の香りと苦みがあり,食用にする。どっかつ。[季]春。《雪間より薄紫の芽―かな/芭蕉》
〔「独活の花」は [季]夏。《山淋し萱を抽んづ―の花/島村はじめ》〕
独活[図]
独活の木
うどのき [1] 【独活の木】
オシロイバナ科の常緑高木。熱帯産で小笠原諸島・台湾・沖縄などにも生える。高さ10メートル以上にもなるが材質が柔らかく用材にならないのでこの名がある。葉は線状長楕円形。雌雄異株。初夏,白い花が房状散形花序につく。
独活芽
うどめ [2][0] 【独活芽】
(1)ウドの若芽。あえ物,汁の実とする。
(2)タラノキの若芽。ウドの香りに似る。食用。
独演
どくえん【独演(会)】
<give> a solo performance[a recital (音楽)].独演者 a solo performer;a soloist.→英和
独演
どくえん [0] 【独演】 (名)スル
一人だけで,演芸や講演などをすること。「義士銘々伝を―する」
独演会
どくえんかい [3] 【独演会】
(1)他に共演を求めずに一人で演ずる会。「三遊亭可笑―」
(2)(比喩的に)他の人の口出しを許さずに,一人しゃべり続けること。
独特
どくとく [0] 【独特】 (形動)[文]ナリ
他にはなく,そのものだけにあってきわだっているさま。独自。「彼―の文体」「―な口調」
[派生] ――さ(名)
独特の
どくとく【独特の】
special;→英和
unique;→英和
peculiar <to> ;→英和
characteristic <of> .→英和
〜のやり方で in one's own way.
独白
どくはく【独白】
a monologue;a soliloquy.→英和
独白劇 a monodrama.
独白
どくはく [0] 【独白】 (名)スル
(1)劇や小説で,登場人物が心の中に思っていることを相手なしにひとりで言うこと。また,そのせりふや文体。モノローグ。「心境を―する」
(2)ひとりごと。
独白体
どくはくたい [0] 【独白体】
独白{(1)}の文体。
独眼
どくがん [0] 【独眼】
片目。目が片方しか見えないこと。隻眼。
独眼の
どくがん【独眼の】
one-eyed;blind of[in]one eye.
独眼竜
どくがんりゅう [0][3] 【独眼竜】
〔中国,五代後唐の太祖李克用の異名から〕
片目の英雄。特に,伊達政宗をいう。
独知
どくち [0] 【独知】
(1)自分だけ知っていること。
(2)〔conscience に対する西周(ニシアマネ)の訳語〕
良心。道徳心。「是即ち魂にして魂の運用を―とす/百学連環(周)」
独知論
どくちろん [3] 【独知論】
⇒独我論(ドクガロン)
独禁法
どっきんほう ドクキンハフ [0] 【独禁法】
「独占禁止法(ドクセンキンシホウ)」の略。
独立
どくりつ [0] 【独立】 (名)スル
〔古くは「どくりゅう」〕
(1)他と離れて,一つだけ立っていること。また,他のものとはっきり別になっていること。「―家屋」「―の部屋」
(2)他人の援助・束縛を受けず,個人が一家をかまえて生活を営むこと。「親から―する」「―して店を出す」
(3)他から干渉を受けずに,単独で権限を行使し得ること。「司法権の―」
(4)他のいかなる権力,特にいかなる他国家の権力にも従属せず,主権を行使する能力を有すること。
(5)植民地・属領などが,主権を獲得して新たに独立国となること。
独立
どくりつ【独立】
<declare> independence.→英和
〜する be[become]independent <of> ;→英和
support oneself (生計).〜の independent;self-supporting.〜して independently;for oneself;alone;→英和
<live> on one's own.‖独立記念日 Independence Day (米国の).独立国 an independent country.独立採算制(で) (on) a self-supporting basis.独立心 the spirit of independence.独立戦争 the War of Independence[the Revolutionary War](米国の).
独立の法則
どくりつのほうそく 【独立の法則】
異なる二つ以上の形質は,それぞれの対立形質が特定の組み合わせをなすことなく,独立して遺伝すること。
→メンデルの法則
独立プロ
どくりつプロ [5] 【独立―】
〔プロはプロダクションの略〕
大資本の映画会社に属さず,プロデューサーや監督・俳優などが中心となって集まり,自主的に映画を制作する組織。
独立不羈
どくりつふき [5][6] 【独立不羈】
他から何の束縛も受けないこと。何の制約も受けることなく,みずからの考えに従って事を行うこと。
独立事象
どくりつじしょう [5] 【独立事象】
〔数〕 複数の事象において,ある事象の起こるか起こらないかが,別の事象の起こる確率に影響を与えないような関係にあるもの。
⇔従属事象
独立住宅
どくりつじゅうたく [5] 【独立住宅】
⇒一戸建(イツコダ)て住宅
独立党
どくりつとう 【独立党】
朝鮮,李朝末期における親日派。金玉均・朴泳孝らが清国の圧力から独立することを主張して形成。事大党と対立し,日本の援助のもとに1884年甲申事変を起こしたが失敗。日清戦争のあと,一時政権を握ったが,その後衰退した。
独立協会
どくりつきょうかい 【独立協会】
1896年7月,朝鮮漢城で結成された政治結社。開化派官僚を中心に,「独立新聞」を発行し,独立の確保と国政改革を主張した。
独立参加
どくりつさんか [5] 【独立参加】
係属中の民事訴訟に関連する権利をもつ第三者が,その訴訟に当事者として参加すること。独立当事者参加。権利者参加。
独立命令
どくりつめいれい [5] 【独立命令】
旧憲法下で,天皇に広い範囲で認められていた,法律から独立して発せられる命令。
独立国
どくりつこく [4][3] 【独立国】
外国の権力の下に服さない国家。完全な国際法の主体となりうる国。主権国。
独立国家共同体
どくりつこっかきょうどうたい 【独立国家共同体】
〔Commonwealth of Independent States〕
1991年12月ソビエト連邦の解体後,連邦を構成していた一二か国によって結成された,ゆるやかな国家連合体。95年現在の加盟国は,ロシア・ウクライナ・ベラルーシ・モルドバ・アルメニア・アゼルバイジャン・グルジア・カザフスタン・ウズベキスタン・トルクメニスタン・タジキスタン・キルギス。CIS 。
→アルマアタ宣言
独立変数
どくりつへんすう [5] 【独立変数】
関数 �=�(�)において,変数 � のこと。自変数。
独立官庁
どくりつかんちょう [5] 【独立官庁】
憲法上の権力分立理念に基づき,議会および政府から独立的な地位にある官庁。裁判所・人事院・会計検査院など。
独立宣言
どくりつせんげん 【独立宣言】
〔Declaration of Independence〕
1776年7月4日アメリカがイギリスから独立する理由・理念を内外に示した宣言。T =ジェファーソンが起草。自由・平等・幸福の追求を天賦の権利として主張している。
独立家屋
どくりつかおく [5] 【独立家屋】
⇒一戸建(イツコダ)て住宅(ジユウタク)
独立心
どくりつしん [4][3] 【独立心】
他に依存しないで,自立しようとする心。「―の旺盛な青年」
独立戦争
どくりつせんそう [5] 【独立戦争】
他国の支配下にある国が,独立を求めて起こす戦争。
独立投資
どくりつとうし [5] 【独立投資】
考察の対象となる経済体系の中では内生的に決定されず,外生的にその水準が定められる投資。消費や所得から独立して定められる公共投資が代表的。
→誘発投資
独立採算制
どくりつさいさんせい [0] 【独立採算制】
公企業や私企業において,部門ごとに経営管理の権限をゆだね,独立に自己の収支で採算をとるように経営させる制度。
独立栄養
どくりつえいよう [5] 【独立栄養】
⇒無機栄養(ムキエイヨウ)
独立栄養生物
どくりつえいようせいぶつ [9] 【独立栄養生物】
有機物の摂取を必要としない生物。自家栄養生物。無機栄養生物。
⇔従属栄養生物
独立権
どくりつけん [4][3] 【独立権】
国家が外国の権力に従属することなく内政・外交を処理することのできる国際法上の権利。
独立機関
どくりつきかん [6][5] 【独立機関】
〔法〕
(1)憲法上,内閣に対して独立の地位にある機関。国会・裁判所・会計検査院がある。
(2)内閣の所管の下で,職権行為の独立性が認められている機関。人事院や各行政委員会など。独立行政機関。
(3)地方公共団体において,その長に対して,一定の独立性が認められている機関。公安委員会・教育委員会・選挙管理委員会・監査委員など。
独立独歩
どくりつどっぽ [5] 【独立独歩】
独立して他から支配も影響も受けずに自分の思うとおりにやること。独立独行。
独立独行
どくりつどっこう [0] 【独立独行】
「独立独歩」に同じ。
独立税
どくりつぜい [4] 【独立税】
地方公共団体が,独立に税目を立てて課する租税。付加税に対していう。シャウプ勧告により1950年(昭和25),それまで付加税を中心としていた地方税はすべて独立税となった。
独立美術協会
どくりつびじゅつきょうかい 【独立美術協会】
洋画家の団体。1930年(昭和5)里見勝蔵・児島善三郎・林武・福沢一郎らが創設,翌年第一回展を開催,以後毎年公募展が開かれる。
独立自営
どくりつじえい [0] 【独立自営】
独立して自己の事業を経営すること。
独立自営農民
どくりつじえいのうみん [8] 【独立自営農民】
独立した農業経営を行う土地保有農民。中世末期の西ヨーロッパで,封建制解体の過程で生まれた。イギリスのヨーマンがその典型。
独立自尊
どくりつじそん [0][5] 【独立自尊】
他人に頼らず自分の尊さを守ること。「―の精神」
独立試行
どくりつしこう [5] 【独立試行】
〔数〕さいころを繰り返し振る場合のように,二つ以上の試行が互いにその実行による影響を受けないこと。
独立語
どくりつご [0] 【独立語】
文の成分の一。主語と述語,修飾語と被修飾語のように,他の成分と特定の関係をもつというようなことがなく,文中で比較的独立しているものをいう。「そして」「しかし」など接続の関係を示すものや,「ああ」「はい」「お母さん」など感動・応答・呼び掛けなどを表すものが独立語となる。なお,これらのうち,接続の関係を示すものは接続語として,別に扱う説もある。
独立重利
どくりつじゅうり [5] 【独立重利】
返済が遅延した利息を元本に組み入れず,利息自体を独立した元本としてさらに利息を付けること。
独習
どくしゅう【独習】
⇒独学.独習書 a book for self-study; <German> Self-Taught (書名).
独習
どくしゅう [0] 【独習】 (名)スル
先生につかず,自分一人で習うこと。「ピアノを―する」
独股
とっこ トク― [0][1] 【独鈷・独股】
〔「どっこ」とも〕
(1)密教で用いる仏具の一。種々の金属・象牙などを主材料とし,中央に握り部分があり,両端がとがっている杵形(キネガタ)の仏具。とこ。独鈷杵(トツコシヨ)。
→金剛杵(コンゴウシヨ)
(2)独鈷を連ねた図形を織り出した織物。
独臥
どくが [1] 【独臥】 (名)スル
ひとりで寝ること。独り寝。
独自
どくじ [1][0] 【独自】 (名・形動)[文]ナリ
(1)自分ひとり。単独。「―に発見する」
(2)他と異なり,そのものだけに見られる・こと(さま)。「―な考えを展開する」「―な立場」
独自の
どくじ【独自の】
original;→英和
unique;→英和
of one's own.〜の見解 one's personal views.‖独自性 originality.
独自性
どくじせい [0] 【独自性】
他と違い,それだけに特有の性質。
独航
どっこう ドクカウ [0] 【独航】
船舶が単独で航行すること。
独航船
どっこうせん ドクカウ― [0] 【独航船】
母船会社と契約を結んで漁獲を行い,とったものを母船に売り渡す小型の船。北洋の母船式サケ・マス漁業,工船式カニ漁業などにみられる。
独英の
どくえい【独英の】
Anglo-German.独英辞典 a German-English dictionary.
独行
どっこう ドクカウ [0] 【独行】 (名)スル
(1)ひとりだけで行くこと。「彼一人―するにもあらず/経国美談(竜渓)」
(2)他人の力を借りず,自分ひとりだけで事を行うこと。「農業を営み,独立―したし/欺かざるの記(独歩)」
独裁
どくさい [0] 【独裁】 (名)スル
(1)自分一人の判断で物事を決めること。
(2)絶対的な権力を握る一定の個人または集団・階級が独断によって全体を治めること。また,そのような体制。「一国を―する」
独裁
どくさい【独裁(政治)】
dictatorship;→英和
autocracy.→英和
〜的 dictatorial;→英和
autocratic.‖独裁者 a dictator;an autocrat.
独裁政治
どくさいせいじ [5] 【独裁政治】
民主的手続きを否定し,統治者の独断によって行われる政治。操作による大衆の動員・参加を前提にする点で,身分制を基礎にした専制政治とは異なる。古代ローマの戦時または非常時における独裁官による政治,イタリアのファシズム,ドイツのナチズムがその典型とされる。
独裁的
どくさいてき [0] 【独裁的】 (形動)
一人の人間の判断ですべてが決まってしまうさま。一人の人がすべてに支配的なさま。「―な政治」「―な組織」「―に運営する」
独裁者
どくさいしゃ [3] 【独裁者】
(1)政治権力のすべてを掌握しそれを独断で行使する者。
(2)何事も独断で決めてしまうような人。
独見
どっけん ドク― [0] 【独見】
自分一人の考え。自分独特の意見。
独覚
どっかく ドク― [0] 【独覚】
〔仏〕「縁覚(エンガク)」に同じ。
独言
どくげん [0] 【独言】 (名)スル
ひとりごと。独語。
独訳
どくやく [0] 【独訳】 (名)スル
ドイツ語に翻訳すること。また,そのもの。
独話
どくわ [0] 【独話】 (名)スル
(1)ひとりごとを言うこと。また,ひとりごと。独語。
(2)ひとりで大勢に向かって話すこと。
独語
どくご【独語】
⇒独言(ひとりごと).
独語
どくご [0] 【独語】 (名)スル
(1)ひとりごとを言うこと。また,ひとりごと。「われは―して,いでや人生の渦裏に投じて,人生の楽を受用し/即興詩人(鴎外)」
(2)ドイツ語。「―文法」
独走
どくそう [0] 【独走】 (名)スル
(1)他の競走者をはるかに引き離して,飛び抜けて速く走ること。また,リーグ戦などで,他を大きく離して首位にいること。「―態勢にはいる」
(2)他の意見を聞かず,ひとりよがりの活動をすること。「営業部の―があった」
(3)ひとりで走ること。
独走する
どくそう【独走する】
leave <all the other runners> far behind;have a walkover (楽勝する).→英和
独身
どくしん [0] 【独身】
(1)配偶者がいないこと。夫または妻がいない状態。ひとりもの。「―者(シヤ)」
(2)ただひとりであること。単身。
独身である
どくしん【独身である】
be single[not married].〜で暮らす remain single <all one's life> .‖独身者 an unmarried person; a bachelor (男);a spinster (女).
独身生活
どくしんせいかつ [5] 【独身生活】
配偶者のいない,ひとり身の生活。
独身貴族
どくしんきぞく [5] 【独身貴族】
時間的・経済的に余裕があり,気苦労のない独身者をいう語。
独軍
どくぐん [0] 【独軍】
(1)ドイツの軍隊。
(2)よその国や他の部隊の参加・応援に依存しない独自の軍隊。
独酌
どくしゃく [0] 【独酌】 (名)スル
ひとりで酒をついで飲むこと。「静かに―する」
独鈷
とっこ トク― [0][1] 【独鈷・独股】
〔「どっこ」とも〕
(1)密教で用いる仏具の一。種々の金属・象牙などを主材料とし,中央に握り部分があり,両端がとがっている杵形(キネガタ)の仏具。とこ。独鈷杵(トツコシヨ)。
→金剛杵(コンゴウシヨ)
(2)独鈷を連ねた図形を織り出した織物。
独鈷
とこ [1] 【独鈷】
⇒とっこ(独鈷)
独鈷
どっこ ドク― [0][1] 【独鈷】
⇒とっこ(独鈷)
独鈷
とくこ [0] 【独鈷】
⇒とっこ(独鈷)
独鈷杵
とっこしょ トク― [3] 【独鈷杵】
「独鈷{(1)}」に同じ。
独鈷石
とっこいし トク― [3] 【独鈷石】
縄文後期・晩期の磨製石器。両頭の中央に柄を装着したくびれがあり,仏具の独鈷杵(トツコシヨ)と形が似る。石斧(セキフ)として,また呪術的な儀器として使われた。両頭石斧。雷鈷(ライコ)。
独鈷鈴
とっこれい トク― 【独鈷鈴】
〔仏〕 密教で用いる法具の一。取っ手の部分が独鈷の形をしている鈴。
→金剛鈴(コンゴウレイ)
狭
せ 【狭】
〔「せ」は形容詞「さし(狭)」の「さ」と同源〕
せまいこと。「…も狭に」の形で,狭くなるくらいいっぱいにの意で用いる。「山も―に咲けるあしびの/万葉 1428」
狭い
せまい【狭い】
narrow;→英和
small <room> ;→英和
limited <view> .→英和
狭い
せま・い [2] 【狭い】 (形)[文]ク せま・し
〔「せばし」の転〕
(1)(空間的に)
(ア)面積が少ない。「―・い庭」
(イ)幅が短い。「―・い道路」
(2)(抽象的に)範囲が限られている。「市場(シジヨウ)が―・い」「視野が―・い」「知識が―・い」「どうも―・い所だ。出てあるきさへすれば必ず誰かに逢ふ/坊っちゃん(漱石)」
(3)(精神的に)ゆとりがない。狭量である。「―・い了見の持ち主」「―・イ心/ヘボン」
⇔広い
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
狭き門
せまきもん 【狭き門】 (連語)
(1)〔新約聖書マタイ福音書七章「狭き門より入れ,…生命にいたる門は狭く,その路は細く,之を見出す者すくなし」より〕
天国の救いに至る道が困難であることの象徴的表現。
(2)就職や進学などの,競争の激しい難関。
狭き門
せまきもん 【狭き門】
〔原題 (フランス) La Porte étroite〕
ジードの小説。1909年刊。従弟に対する恋を犠牲にして,ひたすら禁欲的な信仰の中で短い生涯を閉じた女性アリサの魂の悲劇を描く。
狭し
せば・し 【狭し】
〔「せまし(狭)」の古形〕
■一■ (形ク)
せまい。「白玉のまなくも散るかそでの―・きに/古今(雑上)」
■二■ (形シク)
{■一■}に同じ。「みさごゐる磯まに生ふる松の根の―・しく見ゆる世にもあるかな/堀河百首」
狭し
せま・し 【狭し】 (形ク)
⇒せまい
狭し
さ・し 【狭し】 (形ク)
せまい。「天地は広しといへど我がためは―・くやなりぬる/万葉 892」
狭し
せ・し 【狭し】 (形ク)
せまい。窮屈だ。多く「ところせし(所狭)」の形で用いる。
→ところせし
狭まる
せばま・る [3] 【狭まる】 (動ラ五[四])
幅がせまくなる。また,二者の間の距離・隔たりが小さくなる。「道幅が次第に―・る」「先頭との距離が―・る」
狭まる
せばまる【狭まる】
(become) narrow.→英和
狭みす
さみ・す 【狭みす・褊す】 (動サ変)
〔形容詞「さし(狭)」の語幹に接尾語「み」の付いた「さみ」にサ変動詞「す」の付いたもの〕
軽蔑する。見下す。軽んじる。「小説を―・する者またいへらく/小説神髄(逍遥)」「武家ノ輩公家ヲ―・シ/日葡」
狭む
せば・む 【狭む】 (動マ下二)
⇒せばめる
狭める
せばめる【狭める】
(make) narrow;→英和
contract.→英和
狭める
せば・める [3] 【狭める】 (動マ下一)[文]マ下二 せば・む
(1)幅をせまくする。また,二者の間の距離・隔たりを小さくする。「駐車中の車が道を―・めている」「先頭との距離を―・めてくる」「われは料らずも眉を―・めて/即興詩人(鴎外)」
(2)苦しめる。「人ヲ―・ムル/日葡」
狭匙
せっかい [1] 【狭匙・切匙】
すりばちの内側などについたものをかき落とすのに使う具。飯しゃもじを縦に半分に切ったような形のもの。[日葡]
狭小
きょうしょう ケフセウ [0] 【狭小】 (名・形動)[文]ナリ
狭くて小さい・こと(さま)。
⇔広大
「―な土地」「侯伯の家に比すれば―なり/花柳春話(純一郎)」
[派生] ――さ(名)
狭山
さやま 【狭山】
小さい山。小山。「さびしさに野べに立ち出でて眺むれば―がすそに鈴虫の鳴く/夫木 20」
狭山
さやま 【狭山】
(1)埼玉県中南部,入間(イルマ)川中流域にある市。宅地化が進み,食品・自動車などの工業が盛ん。狭山茶の産地。
(2)大阪府大阪狭山市の地名。
狭山池
さやまいけ 【狭山池】
大阪狭山市にあり,日本最古とされる農業用溜池。古事記に築造記事がみられる。現在も灌漑用水池として使用。
狭山湖
さやまこ 【狭山湖】
埼玉県所沢市,狭山丘陵の谷を山口ダムが堰止めた人造湖。東京の水源池の一。1934年(昭和9)完成。山口貯水池。
狭布
きょう ケフ 【狭布】
古代,陸奥(ムツ)国を中心に東北地方から貢上された,幅の狭い布。
狭心症
きょうしんしょう【狭心症】
stricture of the heart;→英和
《医》angina (pectoris).→英和
狭心症
きょうしんしょう ケフシンシヤウ [0][3] 【狭心症】
胸骨(後)部に起こる一過性のしめつけられるような疼痛(トウツウ)発作を主徴とする症候群。心臓壁血管(冠状動脈)の硬化や痙攣(ケイレン)・狭窄(キヨウサク)・閉塞(ヘイソク)などによって心筋へ流入する血液が減少するために起こる。アンギーナ。
→心筋梗塞
狭斜
きょうしゃ ケフ― [1] 【狭斜】
〔中国,長安の街の名で,遊里があったことから〕
色町。遊里。「―の巷(チマタ)を徘徊(ハイカイ)する」
狭母音
せまぼいん [3] 【狭母音】
下顎の開きが小さな母音。日本語ではイとウが典型的。高母音。閉じ母音。
⇔広母音(ヒロボイン)
狭母音
きょうぼいん ケフ― [3] 【狭母音】
⇒せまぼいん(狭母音)
狭狭し
せばせば・し 【狭狭し】 (形シク)
(1)幅がせまくて窮屈だ。いかにもせまい。「道―・しうて両方が険阻で難処ぢやほどに/史記抄 11」
(2)心がせまい。狭量だ。「大キナ国ヲ治ムルモノワ,―・シュウシテワカナワヌ/天草本金句集」
狭窄
きょうさく【狭窄】
《医》a stricture;→英和
contraction.
狭窄
きょうさく ケフ― [0] 【狭窄】 (名・形動)[文]ナリ
狭くすぼまっている・こと(さま)。「幽門―」「―な海峡」
狭窓
さまど [0] 【狭窓】
⇒狐窓(キツネマド)
狭筵
さむしろ 【狭筵】
(1)せまいむしろ。小さいむしろ。[色葉字類抄]
(2)〔「さ」は接頭語〕
むしろ。「―に衣かた敷き今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫/古今(恋四)」
狭範
きょうはん ケフ― [0] 【狭範】
⇒限界(ゲンカイ)ゲージ
狭織
さおり 【狭織】
狭く織った倭文(シズ)。幅の狭い布。「古(イニシエ)の―の帯を結び垂れ/万葉 2628」
狭義
きょうぎ ケフ― [1] 【狭義】
ある言葉が広い意味範囲と狭い意味範囲をもつとき,その狭い方の意味。
⇔広義
狭義
きょうぎ【狭義(の)】
(in) a narrow sense.
狭苦しい
せまくるしい【狭苦しい】
(be) narrow and close[confined].
狭苦しい
せまくるし・い [5] 【狭苦しい】 (形)[文]シク せまくる・し
部屋その他の空間が狭くてのびのびできない。「四畳半一間だけの―・い下宿」
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
狭衣
さごろも 【狭衣】
〔「さ」は接頭語〕
ころも。着物。「―のこの紐解けと言ふは誰が言/万葉 2866」
狭衣の
さごろもの 【狭衣の】 (枕詞)
〔衣の緒をつける意からか〕
「小筑波(オヅクハ)」にかかる。「―小筑波嶺(ネ)ろの山の岬/万葉 3394」
狭衣大将
さごろものたいしょう 【狭衣大将】
「狭衣物語」の主人公。堀河大臣の子。従妹源氏宮への終生得られぬ恋に懊悩(オウノウ)する。女二の宮・飛鳥井姫と契り,一品宮と結婚するがいずれも不幸に終わる。やがて帝となり源氏宮に似た宰相の中将の妹を后(キサキ)とする。
狭衣物語
さごろもものがたり 【狭衣物語】
物語。四巻。作者は禖子(バイシ)内親王宣旨(センジ)説が有力。一一世紀後半の成立。狭衣大将の悲恋物語。「源氏物語」の影響が強い。平安後期の物語中の秀作。
狭襟
せまえり [0] 【狭襟】
和服の襟型の一。背中心から襟先まで同じ幅に仕立てた襟。男物・子供物・女性の普段着に用いる。棒襟。
→広襟
→撥(バチ)襟
狭軌
きょうき【狭軌】
a narrow gauge.狭軌鉄道 a narrow-gauge railroad.
狭軌
きょうき ケフ― [1] 【狭軌】
鉄道のレールの間隔が標準軌間(1435ミリメートル)より狭いもの。日本の鉄道の多くは1067ミリメートルを用いている。ナロー-ゲージ。
⇔広軌
狭野弟上娘子
さののおとがみのおとめ 【狭野弟上娘子】
奈良中期の女流歌人。中臣宅守(ナカトミノヤカモリ)が禁を犯して娘子を娶(メト)ったため,宅守は越前に流された。その折の贈答歌六三首が万葉集にあり,うち二三首の娘子の作は,悲恋を情熱的に歌い上げている。狭野茅上(サノノチガミノ)娘子と伝える写本もある。生没年未詳。
狭野茅上娘子
さののちがみのおとめ 【狭野茅上娘子】
⇒狭野弟上娘子(サノノオトガミノオトメ)
狭量
きょうりょう ケフリヤウ [0] 【狭量】 (名・形動)[文]ナリ
一つの考えにとらわれ,異なる考えを受け入れられない・こと(さま)。度量の小さいさま。心のせまいさま。
⇔広量
「―な人」「―な考え」
[派生] ――さ(名)
狭量な
きょうりょう【狭量な】
narrow-minded.
狭長
きょうちょう ケフチヤウ [0] 【狭長】 (形動)[文]ナリ
地形などが狭くて長いさま。「―な島」
狭間
さま [2] 【狭間】
(1)城壁や櫓(ヤグラ)などに設け,外をうかがい矢弾を放つための小窓。矩形(クケイ)・三角形・円形などのものがあり,用途により矢狭間・鉄砲狭間などの別がある。
(2)細いすき間。「格子の―/浄瑠璃・天の網島(上)」
(3)窓。「明かり取りの―より隣を見れば/浮世草子・一代男 4」
狭間(1)[図]
狭間
はざま [0] 【狭間・迫間・間】
〔古くは「はさま」〕
(1)物と物との間の狭くなったところ。あいだ。「雲の―」「生と死の―」
(2)谷あい。谷間。
(3)城壁にあけた,弓・鉄砲などを射つための穴。銃眼。
(4)事と事の間。間の時間。「其の暇の―には天台の止観をぞ学しける/今昔 13」
狭間
はざま【狭間】
a loophole (銃眼).→英和
狭隘
きょうあい ケフ― [0] 【狭隘】 (名・形動)[文]ナリ
(1)土地などの小さくせまい・こと(さま)。「―な谷間」
(2)心がせまいこと。度量がないこと。また,そのさま。「―な心の持ち主」「何ぞ卿が胸田の―なる/世路日記(香水)」
狭隘な
きょうあい【狭隘な】
narrow;→英和
small.→英和
狭霧
さぎり [0] 【狭霧】
〔「さ」は接頭語〕
霧。[季]秋。
狭頭症
きょうとうしょう ケフトウシヤウ [0] 【狭頭症】
頭蓋骨の縫合部が早期に癒合するため,頭蓋が狭くなる疾患。脳蓋狭窄(キヨウサク)症。
→小頭症
狭鼻猿類
きょうびえんるい ケフビヱンルイ [4] 【狭鼻猿類】
霊長目オナガザル科のサル類の別名。普通,尻だこと頬袋があり,左右の鼻孔が接近して下方に向いている。尾は物に巻きつけることができない。ニホンザル・アカゲザル・マンドリルなどのオナガザル亜科とアビシニアコロブス・テングザルなどのコロブス亜科よりなる。アジア・アフリカなど旧世界に分布。旧世界猿。
〔類人猿を含めていう場合もある〕
狷介
けんかい [0] 【狷介】 (名・形動)[文]ナリ
心が狭く,自分の考えに固執し,人の考えを素直に聞こうとしない・こと(さま)。「―な人物」「―孤高」
[派生] ――さ(名)
狸
たぬき [1] 【狸・貍】
(1)イヌ科の哺乳類。体長65センチメートル内外。長毛が密生しているので太ってみえる。雑食性で,平地から低山の岩穴などにすむ。日本全土・朝鮮・中国などに分布。キツネと並んで民間伝承や民話によく登場し,人間をだまそうとするがどこか間が抜けていて,キツネよりは概してユーモラスに取り扱われる。驚くと気を失い,しばらくすると起きて逃げ出すので「たぬき寝入り」などという言葉も生まれたという。毛皮は防寒用,毛は筆に用いる。[季]冬。
(2)(比喩的に)表面はとぼけているが,裏では策略をめぐらす悪賢い人のこと。「あいつは相当の―だ」
(3)「狸寝入り」の略。「―をきめこむ」
(4)「狸饂飩(ウドン)」の略。
(5)「狸汁」の略。
狸
たたけ 【狸】
〔「たたげ」とも〕
(1)タヌキの異名。[名義抄]
(2)タヌキの毛。筆の穂に用いる。[日葡]
狸
たぬき【狸】
a raccoon dog;[人]a cunning fellow;an old fox.捕らぬ〜の皮算用をする count the chickens before they are hatched.‖狸親爺 an old fox.
狸の燭台
たぬきのしょくだい [1] 【狸の燭台】
ヒナノシャクジョウ科の腐生植物。徳島県の山中にまれに生える。葉緑体を持たず,全体白色。夏,高さ1〜4センチメートルの茎の頂に一花をつける。花筒は壺形,三枝の外花被は頂部で合着する。
狸囃子
たぬきばやし [4] 【狸囃子】
夜,狸が祭礼の囃子をまねて打つという腹鼓。
狸寝入り
たぬきねいり [4] 【狸寝入り】 (名)スル
寝たふりをすること。そらね。
狸寝入りする
たぬきねいり【狸寝入りする】
pretend to be asleep; <話> play possum.
狸小路
たぬきこうじ 【狸小路】
札幌市中央区にある地名。商店や飲食・娯楽施設などが建ち並び,札幌市の中心繁華街を形成。
狸掘り
たぬきぼり [0] 【狸掘り】
炭層や鉱床中の品位が高く採掘しやすい部分だけを選んで採掘すること。抜き掘り。
狸汁
たぬきじる [4] 【狸汁】
(1)タヌキの肉を大根・牛蒡(ゴボウ)などとともに味噌で煮た汁。[季]冬。
(2)蒟蒻(コンニヤク)に大根・牛蒡などを加えて味噌で煮た汁。
狸笛
たぬきぶえ [3][4] 【狸笛】
玩具の一。風琴の上部を狸の形に作り,これを押して鳴らすもの。
狸腹鼓
たぬきのはらつづみ 【狸腹鼓】
狂言の一。古塚にすむ雌狸が尼に化けて狸捕りの猟師に殺生の恐ろしさを説くが,犬にほえられて正体を現す。助命を請うて腹鼓を打つが,弓矢で追われる。
狸蕎麦
たぬきそば [4] 【狸蕎麦】
揚げ玉と葱(ネギ)・鳴門(ナルト)巻きなどを上にのせたかけそば。たぬき。
狸藻
たぬきも [3] 【狸藻】
タヌキモ科の多年生の食虫植物。池や水田などに浮かぶ。茎は軟らかく長さ約30センチメートル。葉は多数互生し,羽状に数回細裂して,所々に捕虫袋をつける。夏,水上に花茎を出し黄色の花を開く。全体が狸の尾に似る。
狸親父
たぬきおやじ [4] 【狸親父】
世故にたけた悪賢い男をののしっていう語。たぬきじじい。
狸豆
たぬきまめ [3] 【狸豆】
マメ科の一年草。山野に自生。茎は高さ約50センチメートル。葉は披針形。夏から秋にかけ,茎の先に青紫色の蝶形花を総状につける。豆果は長い褐色の毛が密生した萼(ガク)に包まれる。
狸顔
たぬきがお [0] 【狸顔】
そらとぼけたような顔つき。
狸饂飩
たぬきうどん [4] 【狸饂飩】
揚げ玉と葱(ネギ)・鳴門(ナルト)巻きなどを上にのせたかけうどん。たぬき。
狻猊
しゅんげい [0] 【狻猊】
玉をもつ獅子の彫り物。
狼
おおかめ オホカメ 【狼】
「おおかみ」の転。中世以降の語。[日葡]
狼
おおかみ【狼】
a wolf.→英和
一匹〜 a lone wolf.
狼
おおかみ オホカミ [1] 【狼】
(1)食肉目イヌ科の哺乳類。体長1.2メートル,肩高80センチメートルほど。全身灰褐色で,冬は淡色となる。原野・森林にすみ,性質は荒く,鳥獣を捕食し,時には人や家畜を襲う。北アメリカとユーラシア北部に分布。日本には亜種のエゾオオカミと近縁種のニホンオオカミがいたが,いずれも絶滅した。また,古来超自然の能力をもつ獣と考えられ,山の神の化身・使者として「お犬様」と呼ばれ信仰の対象にもなっている。[季]冬。
(2)表面は優しそうにしていても,すきを見せるとたちまち襲いかかってくるもの。「男はみんな―よ」「送り―」
狼子
ろうし ラウ― [1] 【狼子】
狼(オオカミ)の子。
狼子野心
ろうしやしん ラウ― [4][1][0] 【狼子野心】
〔左伝(宣公四年)〕
狼の子は人になれず飼いにくいことから,凶暴で教化し難いことにいう。また,謀反の心をもつことや身分不相応な望みをもつことにもいう。
狼少年
おおかみしょうねん オホカミセウ― [5] 【狼少年】
(1)狼に育てられた少年。
(2)何度もだまして信用されなくなった人のこと。
〔「狼が来た」と言って何度も大人をだました,イソップの寓話に登場する少年の話から〕
狼座
おおかみざ オホカミ― [0] 【狼座】
〔(ラテン) Lupus〕
七月上旬の宵に南中する星座。蠍(サソリ)座の南西に位置する。
狼弾き
おおかみはじき オホカミ― [5] 【狼弾き】
埋葬直後,土饅頭(ドマンジユウ)のまわりを囲むように,割り竹を曲げて両端を土にさしたもの。動物などが一方の端を掘ると,弾けるように作ってあるところからいう。犬はじき。目はじき。犬よけ。
狼戻
ろうれい ラウ― [0] 【狼戻】
(1)狼(オオカミ)のように欲が深く心がねじけていること。「常に―の心を懐きて/将門記」
(2)乱暴・狼藉(ロウゼキ)をすること。「洛中においてはいささか―に及ぶべからず/承久軍物語」
狼火
ろうか ラウクワ [1] 【狼火】
のろし。狼煙(ロウエン)。
狼烟
のろし [0] 【狼煙・狼烟・烽火】
(1)敵襲などの変事の急報のために,高く上げる煙や火。古くは草や薪を燃し,後には,火薬を用いた花火のようなものもあった。「―があがる」
〔中国で,狼の糞(フン)を加えると煙が直上するといわれた〕
(2)合図。信号。「新時代の到来を告げる―」
狼烟
ろうえん ラウ― [0] 【狼煙・狼烟】
〔昔,中国で煙をまっすぐ上げるため狼(オオカミ)の糞(フン)を用いたことから〕
のろし。狼火(ロウカ)。「四海しづまり,きうたう―たたざる所に/曾我 3」
狼煙
のろし【狼煙(を上げる)】
(light) a signal fire.
狼煙
ろうえん ラウ― [0] 【狼煙・狼烟】
〔昔,中国で煙をまっすぐ上げるため狼(オオカミ)の糞(フン)を用いたことから〕
のろし。狼火(ロウカ)。「四海しづまり,きうたう―たたざる所に/曾我 3」
狼煙
のろし [0] 【狼煙・狼烟・烽火】
(1)敵襲などの変事の急報のために,高く上げる煙や火。古くは草や薪を燃し,後には,火薬を用いた花火のようなものもあった。「―があがる」
〔中国で,狼の糞(フン)を加えると煙が直上するといわれた〕
(2)合図。信号。「新時代の到来を告げる―」
狼燧
ろうすい ラウ― [0] 【狼燧】
のろし。狼煙。
狼牙棒
ろうげぼう ラウゲバウ [3] 【狼牙棒】
⇒袖搦(ソデガラ)み
狼狽
ろうばい ラウ― [0] 【狼狽】 (名)スル
あわてふためくこと。うろたえること。「不意の質問に―する」「―気味」
狼狽える
うろた・える ウロタヘル [0][4] 【狼狽える】 (動ア下一)[文]ハ下二 うろた・ふ
(1)予想外の事態にどうしてよいかわからず,まごまごする。「何が起きても―・えるな」
(2)うろうろと歩く。うろつく。「もし此あたり―・へて見付けられてはいとしいこと/浄瑠璃・冥途の飛脚(下)」
狼狽する
ろうばい【狼狽する】
be upset;be confused.〜して in confusion;in a panic.→英和
狼狽ふ
うろた・う ウロタフ 【狼狽ふ】 (動ハ下二)
⇒うろたえる
狼瘡
ろうそう ラウサウ [0] 【狼瘡】
結核などの原因により皮膚の状態が破壊された病変。顔面に現れることが多い。
狼籍を働く
ろうぜき【狼籍を働く】
make a riot;→英和
use[resort to]violence.狼籍者 a rioter;a ruffian.→英和
狼藉
ろうじゃく ラウ― [0] 【狼藉】
(1)「ろうぜき(狼藉)」に同じ。
(2)「狼藉日」の略。
狼藉
ろうぜき ラウ― [0] 【狼藉】
〔「史記(滑稽列伝)」による。狼(オオカミ)が草を藉(シ)いて寝たあとの,草の乱れた状態の意〕
■一■ (名)スル
乱暴なふるまいをすること。また,そのようなふるまい。「乱暴―」「―をはたらく」「何者だ―するのは/鉄仮面(涙香)」
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
物が乱雑に散らかっている・こと(さま)。「落花―」「盃盤―として葉山は既に桜色の機嫌/多情多恨(紅葉)」
■三■ (名・形動)[文]ナリ
{■二■}に同じ。「家内―なる其家の門前に/文明論之概略(諭吉)」
狼藉日
ろうじゃくにち ラウ― [4] 【狼藉日】
陰陽道(オンヨウドウ)で,万事が凶であるという日。
狼藉者
ろうぜきもの ラウ― [0] 【狼藉者】
乱暴する者。あばれ者。
狼虎
ろうこ ラウ― [1] 【狼虎】
狼(オオカミ)と虎(トラ)。また,残忍なもの,飽くことなくむさぼるもののたとえ。
狼魚
おおかみうお オホカミウヲ [4] 【狼魚】
スズキ目の海魚。全長1メートルに達する。体は細長くてしわがあり,頭部は丸みをもち,大きな口の両あご前端に犬歯があり恐ろしい顔つきをしている。体色は全体に暗青色。性質は荒く,貝やカニ類を捕食する。おもにオホーツク海以北の岩礁域に分布。
猊下
げいか [1] 【猊下】
〔「猊座下」の意。「猊」は獅子の意で,仏をたとえた語〕
(1)高僧のそば。
(2)高僧に対する敬称。
(3)高僧に送る書簡の脇付(ワキヅケ)に用いる語。
猊座
げいざ [0] 【猊座】
⇒獅子座(シシザ)(1)
猖狂
しょうきょう シヤウキヤウ [0] 【猖狂】 (名)スル
たけり狂うこと。「児童か大人の恣雎―するを見て/三酔人経綸問答(兆民)」
猖獗
しょうけつ シヤウ― [0] 【猖獗】 (名)スル
(好ましくないものが)はびこって勢いが盛んであること。「―をきわめる」「羅馬の郭外は,強賊勢(イキオイ)―にて/慨世士伝(逍遥)」
猖獗を極める
しょうけつ【猖獗を極める】
rage;→英和
be rampant;be very prevalent.
猗頓
いとん 【猗頓】
中国,春秋時代末の富豪。陶朱公(范蠡(ハンレイ))に教えられて牧畜や製塩を行い,王者に劣らない巨万の富を蓄積したという。生没年未詳。
→陶朱猗頓の富
猛
もう マウ 【猛】 (名・形動)[文]ナリ
(1)勢いがさかんである・こと(さま)。「勢(イキオイ)―に/婦系図(鏡花)」
(2)たけだけしい・こと(さま)。「威ありて―ならず/花柳春話(純一郎)」
(3)(「猛に」の形で)程度のはなはだしいさま。たいへん。「―に違ふといふは何ごとにや/かたこと」
猛々しい
たけだけしい【猛々しい】
fierce (獰猛(どうもう));→英和
[ずうずうしい]impudent;→英和
cheeky.→英和
猛し
たけ・し 【猛し】 (形ク)
(1)勇猛である。勇ましい。「鶏が鳴く東男は出で向かひ顧みせずて勇みたる―・き軍士(イクサ)と/万葉 4331」
(2)勢いが盛んである。激しい。「―・き者も遂にはほろびぬ/平家 1」「―・き河のみなぎり流るるが如し/徒然 155」
(3)心強い。気丈夫だ。「誰も―・う心安くおぼされたり/栄花(楚王の夢)」
(4)すぐれている。立派だ。「逃げかくれ給ふとも,何の―・きことかあらむ/源氏(玉鬘)」
(5)(「たけき事」の形で)精一杯である。できる事のすべてである。関の山だ。「いとど音をのみ―・き事にて物し給ふ/源氏(蓬生)」
猛ぶ
たけ・ぶ 【猛ぶ・建ぶ・誥ぶ】 (動バ上二)
荒々しく振る舞う。「地(ツチ)を踏みきがみ―・びて/万葉 1809」
猛り狂う
たけりくる・う [5] 【猛り狂う】 (動ワ五[ハ四])
興奮して暴れ回る。荒れ狂う。「―・う荒波」
猛り立つ
たけりた・つ [4][2] 【猛り立つ】 (動タ五[四])
ひどく興奮する。「さあ,お打ちなさいと―・つて純之助に武者振り付かうとした/くれの廿八日(魯庵)」
猛る
たけ・る [2] 【猛る】 (動ラ五[四])
(1)荒々しく行動する。激しい勢いで動く。「―・る犬を必死にとどめる」
(2)感情が高ぶる。興奮する。「―・る心をしずめる」
(3)色情をもよおして興奮する。「浦島の子―・りて婦(メ)にす/日本書紀(雄略訓)」
猛る
たける【猛る】
rage;→英和
rave;→英和
storm.→英和
猛勇
もうゆう マウ― [0] 【猛勇】 (名・形動)[文]ナリ
たけだけしく,勇ましい・こと(さま)。「―をもって鳴る将軍」「―な武将」
猛勉
もうべん マウ― [0] 【猛勉】 (名)スル
猛烈に勉強すること。
猛勢
もうぜい マウ― [0] 【猛勢】
〔「もうせい」とも〕
盛んな勢い。また,勇猛な軍勢。「―を振ひ戦を挑み/太平記 34」[日葡]
猛卒
もうそつ マウ― [0] 【猛卒】
勇猛な兵卒。[日葡]
猛威
もうい マウヰ [1] 【猛威】
激しい勢いや威力。「―をふるう」
猛威
もうい【猛威】
violence;→英和
fury.→英和
〜を振るう rage;→英和
be violent.
猛安謀克
もうあんぼうこく マウアン― [0] 【猛安謀克】
中国,金の太祖阿骨打(アクダ)が始めた,三〇〇戸を一謀克,一〇謀克を一猛安とする部族的な軍事・行政単位,およびその長の称。
猛射
もうしゃ マウ― [1][0] 【猛射】 (名)スル
猛烈に射撃すること。「六隻の軍艦より―する弾丸は/此一戦(広徳)」
猛将
もうしょう マウシヤウ [0] 【猛将】
勇猛な武将。
猛悪
もうあく マウ― [0] 【猛悪】 (名・形動)[文]ナリ
乱暴で悪いこと。残酷で悪いこと。また,そのさま。「吾等を殺して…彼等の食物に供せんとする―なる人類に/月世界旅行(勤)」
猛打
もうだ マウ― [1] 【猛打】
猛烈な打撃。特に,野球などでいう。「敵に―を浴びせる」
猛打
もうだ【猛打】
《野》slugging.〜を浴びせる hit hard.
猛撃
もうげき マウ― [0] 【猛撃】 (名)スル
激しく攻撃すること。猛烈な攻撃。「―を加える」
猛攻
もうこう マウ― [0] 【猛攻】 (名)スル
激しく攻めたてること。猛攻撃。「敵陣を―する」「息もつがせぬ―」
猛攻撃
もうこうげき【猛攻撃】
a fierce attack.〜を加える attack fiercely[vigorously];make a fierce attack.
猛攻撃
もうこうげき マウ― [3] 【猛攻撃】
激しい攻撃。猛攻。
猛暑
もうしょ マウ― [1] 【猛暑】
きびしい暑さ。ひどい暑さ。「―の折,いかがお過ごしですか」
猛暑
もうしょ【猛暑】
intense heat;a heat wave (長期にわたる).
猛毒
もうどく【猛毒】
a deadly poison.
猛毒
もうどく マウ― [0] 【猛毒】
強い毒。激しい毒。
猛気
もうき マウ― [1] 【猛気】
たけだけしい気質。あらい気性。
猛火
みょうか ミヤウクワ 【猛火】
〔「みょう」は呉音〕
はげしく燃える火。もうか。「上は―燃えかかりければ/平治(上)」
猛火
もうか【猛火】
raging flames.〜を浴びせる direct a hot fire <to> .
猛火
もうか マウクワ [1] 【猛火】
激しい勢いで燃える火。
猛炎
もうえん マウ― [0] 【猛炎】
燃えさかるほのお。
猛烈
もうれつ マウ― [0] 【猛烈】 (名・形動)[文]ナリ
勢い・程度などのはなはだしい・こと(さま)。「―な勢いで突っ込む」「―に暑い」「―に働く」「―社員」
[派生] ――さ(名)
猛烈な
もうれつ【猛烈な(に)】
violent(ly);→英和
furious(ly);→英和
terrible(-bly) (ひどい(く)).→英和
‖モーレツ社員 an aggressive office worker;a workaholic.
猛然
もうぜん マウ― [0] 【猛然】 (ト|タル)[文]形動タリ
勢いの激しいさま。「―と突っ込む」
猛然と
もうぜん【猛然と】
fiercely;→英和
furiously.→英和
猛煙
もうえん マウ― [0] 【猛煙】
激しく立ちのぼる煙。
猛爆
もうばく マウ― [0] 【猛爆】 (名)スル
激しく爆撃すること。「敵陣を―する」「上陸地点に―を加える」
猛牛
もうぎゅう マウギウ [0] 【猛牛】
性質の荒々しい牛。
猛犬
もうけん マウ― [0] 【猛犬】
性質が荒々しく,人にかみついたりする犬。獰猛(ドウモウ)な犬。「―に注意」
猛犬
もうけん【猛犬】
a fierce dog.
猛猛しい
たけだけし・い [5] 【猛猛しい】 (形)[文]シク たけだけ・し
(1)いかにも勇ましく強そうである。ものすごい。「―・い顔つき」
(2)ずうずうしい。「盗人(ヌスツト)―・いとはお前のことだ」
→ぬすっと
[派生] ――げ(形動)――さ(名)
猛獣
もうじゅう マウジウ [0] 【猛獣】
性質の荒々しい,肉食の動物。
猛獣
もうじゅう【猛獣】
a fierce[savage]animal;a beast of prey.‖猛獣狩り a big game hunting.猛獣使い a tamer of wild beasts.
猛省
もうせい マウ― [0] 【猛省】 (名)スル
強く反省すること。「―を促す」「―して,さらに練習にはげめ」
猛省する
もうせい【猛省する】
reflect seriously <on oneself> .
猛禽
もうきん マウ― [0] 【猛禽】
肉食で性質の荒々しい鳥。
猛禽類
もうきんるい マウ― [3] 【猛禽類】
飛翔(ヒシヨウ)力が強く,曲がった鋭いくちばしと爪(ツメ)をもち,他の鳥類や哺乳類・爬虫類などを捕食する大形の鳥の総称。ワシタカ目とフクロウ目の総称として用いられることが多い。
猛禽類
もうきんるい【猛禽類】
birds of prey.
猛練習
もうれんしゅう【猛練習】
hard training.〜する train hard.
猛者
もさ [1] 【猛者】
荒々しい人。また,すぐれた技術・体力をもち,活躍している人。「空手部の―」
猛者
もさ【猛者】
a veteran.→英和
猛虎
もうこ マウ― [1] 【猛虎】
強くたけだけしい虎。また,勢いが強く荒々しいことのたとえ。
猛襲
もうしゅう マウシフ [0] 【猛襲】 (名)スル
激しく襲撃すること。「敵の―を撃退する」
猛追
もうつい マウ― [0] 【猛追】 (名)スル
激しい勢いで追いかけること。「首位球団を―する」「―を振り切る」
猛速
もうそく マウ― [0] 【猛速】
非常に速い速度。
猛進
もうしん マウ― [0] 【猛進】 (名)スル
激しい勢いで進むこと。「相手のゴールへ―する」「猪突(チヨトツ)―」
猛進する
もうしん【猛進する】
dash forward <to> .
猛雨
もうう マウ― [1] 【猛雨】
激しく降る雨。
猛風
もうふう マウ― [0] 【猛風】
強い風。
猛鳥
もうちょう マウテウ [0] 【猛鳥】
性質の荒い肉食の鳥。猛禽(モウキン)。
猜む
そね・む [2] 【嫉む・妬む・猜む】 (動マ五[四])
(1)嫉妬(シツト)する。ねたむ。「同僚の昇進を―・む」
(2)嫌う。にくむ。「天且つ―・み地復(マタ)にくみ/霊異記(上訓注)」
猜忌
さいき [1] 【猜忌】 (名)スル
ねたみきらうこと。「斉武(セーベ)の強大を―する事/経国美談(竜渓)」
猜忍
さいにん [0] 【猜忍】
疑い深くて無慈悲なこと。
猜疑
さいぎ【猜疑】
suspicion.→英和
〜の目で見る look <on a person> with suspicion.→英和
〜心が強い be suspicious[jealous] <of> .
猜疑
さいぎ [1] 【猜疑】 (名)スル
人をうたがったり,ねたんだりすること。「―の目で見る」「余を嫉むのみならで,又余を―することとなりぬ/舞姫(鴎外)」
猜疑心
さいぎしん [3] 【猜疑心】
相手の行為などをうたがったりねたんだりする気持ち。
猟
りょう レフ [1] 【猟】
鳥・獣を捕らえること。狩猟。かり。「―に出る」
猟
かり [1] 【狩(り)・猟】
(1)野生の鳥や獣をとること。猟(リヨウ)。狩猟。[季]冬。
(2)犯罪者などを捜索し,つかまえること。「暴力団―」「山―」
(3)自然の中に分け入って,野草や貝などをとったり,花やもみじを観賞したりすること。「きのこ―」「潮干―」「桜―」「紅葉(モミジ)―」
〔(2)(3)は他の語の下に付いて用いられ,「がり」と濁る〕
猟する
りょう・する レフ― [3] 【猟する】 (動サ変)[文]サ変 れふ・す
(1)狩りをする。「湖に漁し,山に―・す/十和田湖(桂月)」
(2)あさる。追い求めて手に入れる。「男の女を―・するのではない。女の男を―・するのである/侏儒の言葉(竜之介)」
猟に行く
りょう【猟に行く】
go hunting[shooting].〜が多い(少ない) have much (little) game.
猟る
か・る [0][1] 【狩る・猟る】 (動ラ五[四])
〔「駆る」と同源〕
(1)鳥獣などを追い立てて捕らえる。狩りをする。「狐を―・る」「鷹を手に据ゑ三島野に―・らぬ日まねく/万葉 4012」
(2)隠れている罪人や敵兵などを捕らえるために捜しまわる。「遠くはあらじ,一二町野を―・れ/浄瑠璃・丹波与作(下)」
(3)草木・花・キノコなどを探し求めて山野を歩く。「桜を―・り,紅葉をもとめ/方丈記」
猟人
かりゅうど カリウド [1][2] 【狩人・猟人】
〔「かりひと」の転〕
猟師。かりうど。[季]冬。《―や銃の煙のなかにあり/田村木国》
猟人
りょうじん レフ― [0] 【猟人】
狩猟する人。猟師。かりうど。
猟人
かりびと 【猟人・狩り人】
(1)かりゅうど。猟師。「み―猟(サツ)矢手挟(タバサ)み騒きてあり見ゆ/万葉 927」
(2)狩りの際に獲物を追い立てる役の人。勢子(セコ)。猟夫(サツオ)。[和名抄]
猟人
さつひと 【猟人】
猟師。かりゅうど。さつお。
猟人の
さつひとの 【猟人の】 (枕詞)
猟人が弓を用いることから,「弓月(ユツキ)が岳」にかかる。「―弓月が岳に霞たなびく/万葉 1816」
猟人日記
りょうじんにっき レフジン― 【猟人日記】
〔原題 (ロシア) Zapiski okhotnika〕
ツルゲーネフの短編集。1852年刊。一狩猟家の見聞のかたちで,農奴制下のロシア農民の悲惨な生活と,奪うことのできぬ魂の尊厳を描く。農奴制廃止の契機ともなった。
猟具
りょうぐ レフ― [1] 【猟具】
狩猟に使う道具。
猟区
りょうく レフ― [1] 【猟区】
狩猟が許される区域。設定には,「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」に基づき,環境庁長官の認可を必要とする。
猟場
りょうば【猟(漁)場】
a hunting (fishing) ground.
猟場
りょうば レフ― [0][3] 【猟場】
狩りをする所。かりば。
猟夫
さつお 【猟夫】
猟をする人。猟師。「むささびは木末(コヌレ)求むとあしひきの山の―にあひにけるかも/万葉 267」
猟夫
りょうふ レフ― [1] 【猟夫】
狩りをする人。猟師。かりゅうど。
猟奇
りょうき レフ― [1] 【猟奇】
怪奇・異常なものに執着して,それをあさり求めること。「―趣味」
猟奇的
りょうきてき レフ― [0] 【猟奇的】 (形動)
怪奇・異常なものをあさり求めるさま。「―な事件」
猟奇的
りょうき【猟奇的】
curiosity-hunting;adventurous;thrilling.→英和
猟奇心 curiosity.→英和
猟官
りょうかん レフクワン [0] 【猟官】 (名)スル
官職をあさること。官職に就こうと人々が争うこと。「―運動」「―したが失敗したから/社会百面相(魯庵)」
猟官制
りょうかんせい レフクワン― [0] 【猟官制】
公務員の任用を党派的情実により行う政治的慣行。スポイルズ-システム。
猟師
りょうし レフ― [1] 【猟師】
狩猟をする人。鳥獣をとることを業とする人。狩人(カリユウド)。
猟師
りょうし【猟師】
a hunter;a fisherman (漁師).→英和
猟弓
さつゆみ 【猟弓】
狩猟に用いる弓。「剣大刀腰に取り佩き,―を手握り持ちて/万葉 804」
猟書
りょうしょ レフ― [1] 【猟書】
本をさがしあさること。特に,珍本をあさること。
猟期
りょうき【猟(漁)期】
the hunting (fishing) season;the open season.
猟期
りょうき レフ― [1] 【猟期】
(1)狩猟に適している時期。
(2)「狩猟期」に同じ。
猟犬
かりいぬ [0][2] 【猟犬】
⇒りょうけん(猟犬)
猟犬
りょうけん レフ― [0] 【猟犬】
狩猟に用いる犬。鳥猟にはセッター・コッカー-スパニエル・ポインターなどが,獣猟にはテリア・ビーグルや各種のハウンド,日本犬などが用いられる。かりいぬ。[季]冬。
猟犬
りょうけん【猟犬】
a hound;→英和
a hunting dog.
猟犬座
りょうけんざ レフ― [0] 【猟犬座】
〔(ラテン) Canes Venatici〕
六月初旬の宵に日本のほぼ天頂を通過する星座。アルファ星コル-カロリは連星。北部に多くの渦巻き星雲がある。
猟猟
りょうりょう レフレフ [0] 【猟猟】 (ト|タル)[文]形動タリ
風の吹くさま。「―たる朔風の吹くを/不二の高根(麗水)」
猟矢
さつや 【猟矢】
狩猟に用いる矢。「天地の神を祈りて―貫き筑紫の島をさして行く我は/万葉 4374」
猟矢
ししや 【猟矢・鹿矢】
狩猟に用いる矢。さつや。「―あまたさして/盛衰記 36」
猟船
りょうせん レフ― [0] 【猟船】
魚をとる船。漁船(ギヨセン)。
猟色
りょうしょく【猟色】
debauchery;lechery.猟色家 a lecher;→英和
a womanizer.→英和
猟色
りょうしょく レフ― [0] 【猟色】
女をあさること。女あさりをすること。漁色(ギヨシヨク)。「―家」
猟虎
らっこ【猟虎(の毛皮)】
a sea otter (fur).
猟銃
りょうじゅう【猟銃】
a sporting[hunting]gun;a fowling piece (鳥撃ち用).
猟銃
りょうじゅう レフ― [0] 【猟銃】
狩猟に使用する銃。
猟鳥
りょうちょう レフテウ [0] 【猟鳥】
狩猟の対象とされる鳥。
猥ら
みだら [1][0] 【淫ら・猥ら】 (名・形動)[文]ナリ
〔「乱れる」「乱り」と同源〕
(男女の関係が)性的に乱れていること。ふしだらである・こと(さま)。「―な行為」「―な関係」
猥り
みだり [1] 【乱り・妄り・濫り・猥り】 (形動)[文]ナリ
〔動詞「乱る」の連用形から〕
(1)(規制などを受けずに)勝手気ままなさま。ほしいまま。多く「みだりに」の形で用いられる。
(2)考えの浅いさま。思慮のないさま。無分別。多く「みだりに」の形で用いられる。
(3)「みだら」に同じ。「姫は我向ひに坐りて,我―なる物語に耳かたむけ/浴泉記(喜美子)」
(4)秩序のないさま。筋道の立たないさま。「国の成敗―なるに依て,国人挙て是を背きけるにや/太平記 38」
猥りがましい
みだりがまし・い [6] 【濫りがましい・猥りがましい】 (形)[文]シク みだりがま・し
みだらな様子である。みだりがわしい。「―・い挙動(フルマイ)はしない/浮雲(四迷)」
[派生] ――さ(名)
猥りがわしい
みだりがわし・い [6] 【濫りがわしい・猥りがわしい】 (形)[文]シク みだりがは・し
(1)整っていない。いかにも乱れている。「―・き我姿をつくらふ暇なきのみか/当世書生気質(逍遥)」
(2)秩序や作法に合わないさま。無礼なさま。
(3)好色めいている。「―・い話」
(4)むやみである。思慮が足りない。「いささかの事にも春日の神木,日吉の神輿などいひて―・し/平家 5」
[派生] ――さ(名)
猥りに
みだりに [1] 【妄りに・濫りに・猥りに】 (副)
〔形容動詞「みだり」の連用形から〕
(1)分別なく行うさま。「―口出しをするな」
(2)正当な理由や資格もなく行うさま。「―立ち入ることを禁ず」
猥れがはし
みだれがわ・し 【猥れがはし】 (形シク)
「みだりがわしい」に同じ。「日ごろ―・しかりつる所々/蜻蛉(中)」
猥書
わいしょ [0] 【猥書】
「猥本(ワイホン)」に同じ。
猥本
わいほん [0] 【猥本】
性に関する事柄を,興味本位に扱った本。淫本。猥書。
猥本
わいほん【猥本】
an obscene book.
猥瑣
わいさ [1] 【猥瑣】 (名・形動)[文]ナリ
ごたごたしていてつまらない・こと(さま)。「―の甚だしいのを/北条霞亭(鴎外)」
猥画
わいが [0] 【猥画】
みだらな画(エ)。猥褻(ワイセツ)な画。
猥褻
わいせつ [0] 【猥褻】 (名・形動)[文]ナリ
(1)いやらしいこと。みだらなこと。また,そのさま。「―な行為」
(2)〔法〕 いたずらに性欲を興奮・刺激させ,普通人の正常な羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反すること。また,そのようなさま。「―な小説」「―な話」「―な絵」
[派生] ――さ(名)
猥褻な
わいせつ【猥褻な】
obscene;→英和
indecent.→英和
‖猥褻行為 an indecent act.猥褻罪 public indecency.猥褻文学 pornography.
猥褻罪
わいせつざい [4][0] 【猥褻罪】
刑法に定められている公然猥褻罪・猥褻物頒布罪・強制猥褻罪などの総称。
猥言
わいげん [0] 【猥言】
みだらな言葉や話。猥語(ワイゴ)。
猥語
わいご [0] 【猥語】
「猥言(ワイゲン)」に同じ。
猥談
わいだん [0] 【猥談】
性に関してのみだらな話。
猥談
わいだん【猥談】
an indecent[obscene]talk;a dirty talk.
猥雑
わいざつ [0] 【猥雑】 (名・形動)[文]ナリ
ごたごたしていること。雑然として下品なこと。また,そのさま。「―な通り」「―な話」
[派生] ――さ(名)
猨女
さるめ 【猿女・猨女】
古代,神祇官の職の一。縫殿(ヌイドノ)寮に属し,大嘗祭(ダイジヨウサイ)・鎮魂祭などの神事に神楽(カグラ)の舞を奉仕した女官。
猩猩
しょうじょう シヤウジヤウ 【猩猩】
(1)能の一。五番目物。作者未詳。唐土の高風という孝行者が,夢のお告げで酒を売り富貴になる。ある月夜潯陽江(シンヨウノエ)に猩猩が現れ,酒を酌(ク)みかわして舞を舞い,高風の孝心をめでて酒の泉を与えるという筋。乱(ミダレ)。
(2)能面の一。童子の面を赤く彩色したもの。「猩猩{(1)}」などに用いる。
(3)能の「猩猩」に題材をとった長唄・地歌・一中節などの曲。
猩猩(2)[図]
猩猩
しょうじょう シヤウジヤウ [3][1] 【猩猩】
(1)オランウータンのこと。または,オランウータン・ゴリラ・チンパンジーをさす。
(2)中国の,想像上の動物。猿に似ているとされ,人の顔と足をもち,人の言葉を解し,酒を好むという。日本では,赤面赤毛とされている。
(3)酒飲みの異名。
(4)能の曲名(別項参照)。
猩猩木
しょうじょうぼく シヤウジヤウ― [3] 【猩猩木】
ポインセチアの別名。[季]冬。
猩猩海老
しょうじょうえび シヤウジヤウ― [3] 【猩猩海老】
十脚目の海産のエビ。体長約20センチメートル。全体が真紅色で美しい。頭胸部は大きく,五対の胸脚の内,前の二対は大きく,先端が鋏(ハサミ)状になっている。採集例の少ない珍種。相模湾・駿河湾の深海にすむ。
猩猩緋
しょうじょうひ シヤウジヤウ― [3] 【猩猩緋】
(1)色の名。わずかに黒みを帯びた,あざやかな赤。
(2){(1)}の色に染めた舶来の毛織物。「毛類は―の百間つづき/浮世草子・永代蔵 6」
猩猩草
しょうじょうそう シヤウジヤウサウ [0] 【猩猩草】
トウダイグサ科の一年草。北アメリカ原産。観賞用に花壇で栽培する。茎は高さ約60センチメートル。葉は多くは楕円形で,中央に大きなくびれがある。夏,茎頂に緑黄色鐘形の花序が集まってつき,上方の数個の葉が朱赤色になる。花は小さく目立たない。
猩猩菅
しょうじょうすげ シヤウジヤウ― [3] 【猩猩菅】
カヤツリグサ科の多年草。山中に自生。葉は叢生し,線形。四,五月,高さ約20センチメートルの花茎を出し,赤褐色で棍棒状の雄花穂を頂生し,その下に長楕円形の雌花穂を二,三個側生する。
猩猩蜻蛉
しょうじょうとんぼ シヤウジヤウ― [5] 【猩猩蜻蛉】
トンボの一種。体長約4センチメートル。腹部は平たく幅広い。体は橙黄色で,雄は成熟すると鮮紅色になる。本州以南の日本と東南アジアに分布し,夏の池沼に普通にみられる。
→赤蜻蛉(アカトンボ)
猩猩蟹
しょうじょうがに シヤウジヤウ― [3] 【猩猩蟹】
アサヒガニの別名。
猩猩蠅
しょうじょうばえ シヤウジヤウバヘ [3] 【猩猩蠅】
ショウジョウバエ科のハエの総称。普通,体長2ミリメートル内外。体色は黄褐色や黒で褐色のものが多い。発酵したものに好んで集まる。キイロショウジョウバエは遺伝学の実験材料として用いられる。
猩猩袴
しょうじょうばかま シヤウジヤウ― [5] 【猩猩袴】
ユリ科の常緑多年草。山中の湿り気の多い斜面や湿原に生える。葉は倒披針形で,根茎上にロゼット状につく。早春,花茎の上方に半開で淡紅色の六弁花を数個つける。
猩猩袴[図]
猩猩講
しょうじょうこう シヤウジヤウカウ 【猩猩講】
大酒飲みの宴会。「長崎の湊にして―を結び/浮世草子・二十不孝 5」
猩猩足
しょうじょうあし シヤウジヤウ― [3] 【猩猩足】
花台・卓などの足の形の一。曲線形で,鷺足(サギアシ)と猫足の中間の高さのもの。
猩猩飲み
しょうじょうのみ シヤウジヤウ― [0] 【猩猩飲み】
多量の酒を一息に飲むこと。
猩紅
しょうこう シヤウ― [0] 【猩紅】
深紅色。猩猩緋(シヨウジヨウヒ)。
猩紅熱
しょうこうねつ シヤウ― [3] 【猩紅熱】
法定伝染病の一。多くは小児がかかり,秋冬に流行する。病原菌は連鎖球菌。突然発熱し,頭痛・咽頭痛を訴え,やがて全身に赤い発疹ができ,舌はイチゴ状となる。
猩紅熱
しょうこうねつ【猩紅熱】
《医》scarlet fever.
猪
いのしし【猪】
a wild boar.猪武者 a daredevil.→英和
猪
い ヰ 【猪・豬】
イノシシ・ブタの類の称。特に,イノシシのこと。「山口大菅原を牛は踏む―は踏むともよ民な踏みそね/琴歌譜」
猪
しし [1] 【獣・鹿・猪】
〔「しし(肉)」と同源〕
(1)猪(イノシシ)や鹿(シカ)など,その肉を食用にする獣の総称。「み吉野のをむろが嶽に―伏すと/古事記(下)」
(2)特に猪のこと。[季]秋。
猪
いのしし ヰ― [3] 【猪】
イノシシ科の哺乳類。体長1.5メートル前後。ブタの原種。ブタに似るが,犬歯が下顎(アゴ)から上方へ突き出る。体毛は硬く暗褐色。山林原野にすみ,夜行性で雑食。肉は山鯨(ヤマクジラ)・ぼたんと称して食用とする。しし。い。[季]秋。《―を荷ひ行く野や花薄/白雄》
猪じもの
ししじもの 【猪じもの・鹿じもの】
〔「じもの」は接尾語〕
鹿(シカ)や猪(イノシシ)のように。副詞的に用いる。「―い這(ハ)ひ伏しつつ/万葉 199」
猪の子
いのこ ヰ― [0][1][2] 【豕・猪の子】
(1)いのしし。
(2)いのししの子。「―のかたをつくりたりけるに/道綱母集」
(3)豚の異名。「此のわたりこそ―の侍らむやうに/宇津保(蔵開上)」
猪の手
いので ヰ― [0] 【猪の手】
オシダ科の夏緑性シダ植物。葉は根生して車状につく。葉身は大形で長さ70センチメートルに達し,二回羽状複葉。柄と中軸に鱗片(リンペン)が密生する。
猪の手[図]
猪の目
いのめ ヰ― [1] 【猪の目】
(1)器物や建築の装飾に用いる,ハート形に似た刳(ク)り形。一説に,形が猪(イノシシ)の目に似ているからという。猪の目透かし。
(2)琵琶(ビワ)の覆手(フクシユ)にある,弦を通す穴。
猪の目(1)[図]
猪の目懸魚
いのめげぎょ ヰ― [4] 【猪の目懸魚】
猪の目{(1)}を彫った懸魚。
→懸魚
猪俣
いのまた ヰノマタ 【猪俣】
姓氏の一。
猪俣津南雄
いのまたつなお ヰノマタツナヲ 【猪俣津南雄】
(1889-1942) 社会主義運動家。新潟市生まれ。早大卒。日本共産党結成に参加。のち,労農派の一員として日本資本主義論争に参加。著「帝国主義研究」「金の経済学」「農村問題入門」ほか。
猪八戒
ちょはっかい 【猪八戒】
中国,明代の長編小説「西遊記」に出てくる豚の名。天上界を追い出されて妖怪となっていたが,三蔵法師の法力で改心し,孫悟空・沙悟浄らとその供をしてインドから経典をもたらす。八戒。
猪勇
ちょゆう [0] 【猪勇】
猪(イノシシ)のように向こう見ずに突進する勇気。また,そのような勇士。
猪口
ちょこ [1] 【猪口】
(1)「ちょく(猪口)」の転。おちょこ。
(2)「ちょこざい」の略。「なにがとは―云ふてじや/滑稽本・膝栗毛 7」
猪口
いぐち ヰ― [1] 【猪口】
担子菌類ハラタケ目のきのこの総称。傘の裏面にはひだがなく,胞子は多数の管孔の内壁にできる。地上生。傘はまんじゅう形。表面は多く黄褐色。ヌメリイグチ・ヤマドリタケなど食用になる種が多い。
猪口[図]
猪口
ちょく [1] 【猪口】
〔「鍾」の字音からか〕
口が広く,底のすぼまった小形の陶器。本膳中の中付けの小器としたが,さらに小形の杯をいうようになった。正式の膳には漆杯が用いられたが,江戸時代以降,燗徳利(カンドクリ)とともに広く普及した。ちょこ。
猪口才
ちょこざい [3][0] 【猪口才】 (名・形動)[文]ナリ
小生意気な・こと(さま)。そのような人をもいう。「―なことを言う」「―な小僧め」
猪口才な
ちょこざい【猪口才な】
⇒生意気(なまいき).
猪名川
いながわ ヰナガハ 【猪名川】
兵庫県南端,川辺郡の町。猪名川流域に位置し,近世に栄えた多田銀山跡がある。
猪名野
いなの ヰナノ 【猪名野】
兵庫県伊丹市,猪名川と武庫(ムコ)川の間の台地の古名。古来名勝の地で,笹の名所として知られた。猪名の笹原。猪名の伏原。((歌枕))「しなが鳥―を来れば有間山夕霧立ちぬ宿りはなくて/万葉 1140」
猪子扠首
いのこさす ヰ― [4] 【豕扠首・猪子扠首】
社寺建築の梁(ハリ)の上に材を合掌形に組み,その中間に束(ツカ)を立てたもの。社寺建築の妻飾りなどに用いる。
豕扠首[図]
猪尻草
いのしりぐさ ヰノシリ― [4] 【猪尻草】
ヤブタバコの別名。
猪武者
いのししむしゃ ヰ― [5] 【猪武者】
思慮を欠き,向こう見ずにがむしゃらに突進する武士。また,そういう人。
猪牙
ちょき [1] 【猪牙】
「猪牙舟」の略。
猪牙掛かり
ちょきがかり 【猪牙掛かり】
猪牙舟のように威勢のよいこと。威勢よく物事を行うさま。「お前方が―に喧嘩をしたら/歌舞伎・巌石砕瀑布勢力」
猪牙掛かる
ちょきがか・る 【猪牙掛かる】 (動ラ四)
猪牙のようである。威勢がよい。「さつさ押せ押せと―・つた言葉に/たけくらべ(一葉)」
猪牙舟
ちょきぶね [3][0] 【猪牙舟】
(1)和船の一。江戸時代,市中の水路で大量に使われた一人あるいは二人漕(コ)ぎの屋根のない船で,舳(ミヨシ)が長く船足が速い。吉原の遊び客の足として盛んに用いられた。関西ではちょろと呼ぶ。ちょけぶね。ちょき。山谷船。
(2)瀬戸内を中心に関西方面で近距離の海運に使われた小型船の一船型。
猪牙舟(1)[図]
猪狩
ししがり [0][2][3] 【猪狩(り)・鹿狩(り)】
山野にはいって猪(イノシシ)・鹿(シカ)などの獣を捕らえること。しし。
猪狩り
ししがり [0][2][3] 【猪狩(り)・鹿狩(り)】
山野にはいって猪(イノシシ)・鹿(シカ)などの獣を捕らえること。しし。
猪独活
ししうど [3] 【猪独活】
セリ科の大形多年草。山地の草原に自生。根葉は羽状複葉。茎は中空で,高さ1.5メートル内外。夏,白色の小花を複散形花序につける。ウドに似るが食用にならない。根を風邪などの薬とする。イヌウド。
猪甘
いかい ヰカヒ 【猪養・猪飼・猪甘】
古代の品部(シナベ)の一。猪(豚)を飼うことを職とした部民。猪飼部(イカイベ)。
猪突
ちょとつ [1][0] 【猪突】 (名)スル
猪(イノシシ)の突き進むように,がむしゃらに物事を行うこと。「一度心に決めたら―するのみ」
猪突猛進
ちょとつもうしん [1] 【猪突猛進】 (名)スル
一つのことに向かって,向こう見ずに猛烈な勢いで,つき進むこと。「若さにまかせて―する」
猪突的
ちょとつ【猪突的(に)】
reckless(ly).→英和
猪突猛進する rush recklessly.
猪突豨勇
ちょとつきゆう [1] 【猪突豨勇】
〔「漢書(食貨志)」より。「豨」もイノシシの意〕
向こう見ずに突進する勇気。また,その勇士。猪勇。いのししむしゃ。
猪苓
ちょれい [0] 【猪苓】
担子菌類ヒダナシタケ目サルノコシカケ亜目に属するチョレイマイタケの菌核。地中に形成され,生薬として利尿・解熱・止渇薬に用いる。秋,菌核からマイタケに似たきのこが生じる。
猪苗代
いなわしろ ヰナハシロ 【猪苗代】
姓氏の一。
猪苗代
いなわしろ ヰナハシロ 【猪苗代】
福島県北西部,耶麻郡の町。磐梯山(バンダイサン)南,猪苗代湖北岸に位置。野口英世の生地。
猪苗代兼載
いなわしろけんさい ヰナハシロ― 【猪苗代兼載】
(1452-1510) 室町中期の連歌師。会津の人。早くに出家。心敬に師事し,宗祇の「新撰菟玖波(ツクバ)集」編集に協力。句集「園塵(ソノノチリ)」「若草山」など。
猪苗代湖
いなわしろこ ヰナハシロ― 【猪苗代湖】
福島県のほぼ中央にある湖。磐梯山南麓にある。日橋(ニツパシ)川(阿賀野川の上流)・安積(アサカ)疏水の水源。
猪茸
ししたけ [2] 【猪茸】
担子菌類ヒダナシタケ目のきのこ。傘の径は20〜30センチメートル。あくが強く,苦味がある。近縁種のコウタケと同種とする説もある。
猪豚
いのぶた ヰノ― [0] 【猪豚】
イノシシと家畜のブタとの交配による一代雑種。食肉用に飼育される。
猪道
ししみち [2] 【猪道・鹿道】
鹿(シカ)や猪(イノシシ)などが通って自然にできた道。けものみち。
猪鍋
ししなべ [0] 【猪鍋】
薄切りにした猪(イノシシ)の肉を野菜類とともに味噌仕立てにした鍋料理。割り下で煮ることもある。いのしし鍋。ぼたん鍋。[季]冬。
猪防ぎ
ししふせぎ [3] 【猪防ぎ・鹿防ぎ】
猪(イノシシ)や鹿(シカ)などが田畑を荒らすのを防ぐための設備。
猪飼
いかい ヰカヒ 【猪養・猪飼・猪甘】
古代の品部(シナベ)の一。猪(豚)を飼うことを職とした部民。猪飼部(イカイベ)。
猪養
いかい ヰカヒ 【猪養・猪飼・猪甘】
古代の品部(シナベ)の一。猪(豚)を飼うことを職とした部民。猪飼部(イカイベ)。
猪首
いくび ヰ― [1] 【猪首】
(1)人の首の短くて太いこと。「―の男」
(2)〔首が短く見えるようにかぶることから〕
兜(カブト)をあおむけてかぶること。「甲(カブト)―にきないて/平家 9」
猪首
いくび【猪首】
a bull neck.〜の thick-necked.
猪鹿蝶
いのしかちょう ヰノ―テフ [4] 【猪鹿蝶】
花札(ハナフダ)の出来役の一。猪(イノシシ)・鹿・蝶が描かれた,萩(ハギ)・紅葉・牡丹(ボタン)の一〇点札三枚をそろえた役。
猫
ねこ【猫】
a cat;→英和
a kitten (子猫).→英和
〜をかぶる simulate gentleness[innocence].‖猫かぶり a hypocrite (人).猫舌である be allergic to hot food.猫に小判 cast pearls before swine.
猫
ねこま 【猫】
ネコの古名。[和名抄]
猫
ねこ [1] 【猫】
(1)食肉目ネコ科の哺乳類。体長50センチメートル内外。毛色は多様。指先にはしまい込むことのできるかぎ爪がある。足裏には肉球が発達し,音をたてずに歩く。夜行性で,瞳孔は円形から針状まで大きく変化する。本来は肉食性。舌は鋭い小突起でおおわれ,ザラザラしている。長いひげは感覚器官の一つ。ペルシャネコ・シャムネコ・ビルマネコなど品種が多い。古代エジプト以来神聖な動物とされる一方,魔性のものともされる。愛玩用・ネズミ駆除用として飼われる。古名,ねこま。
(2)〔猫の皮を張ったものが多いところから〕
三味線。「―が悪くつて困つたに違(チゲエ)はねえのさ/洒落本・妓娼精子」
(3)〔三味線を使うところから〕
芸妓。「猿若町の老(フル)―が二組さね/安愚楽鍋(魯文)」
(4)大坂堀江付近・江戸本所回向院付近の私娼。「回向院ばかり涅槃に―が見え/柳多留 4」
(5)「猫火鉢」に同じ。
(6)「猫車(ネコグルマ)」の略。
→猫の恋
→猫の額
→猫の目
猫いらず
ねこいらず [3] 【猫いらず】
黄リン・亜ヒ酸などを用いた殺鼠(サツソ)剤の商標名。
猫いらず
ねこいらず【猫いらず】
rat poison;ratsbane.
猫じゃらし
ねこじゃらし [3] 【猫じゃらし】
(1)男帯の結び方。結んだ帯の両端を,長さを違えて下げたもの。
(2)エノコログサの別名。[季]秋。《―触れてけもののごと熱し/中村草田男》
猫っ毛
ねこっけ [2] 【猫っ毛】
猫の毛のように,やわらかい頭髪。
猫っ被り
ねこっかぶり [4] 【猫っ被り】
「ねこかぶり」の転。
猫の乳
ねこのちち [1] 【猫の乳】
クロウメモドキ科の落葉小高木。関東以西の山地に自生。葉は互生し,楕円形。初夏,葉腋(ヨウエキ)に黄白色の小五弁花を数個つける。果実は楕円形で,黒く熟す。果実を猫の乳頭に見たてた名称。
猫の恋
ねこのこい [1][1][1] 【猫の恋】
早春,雄猫が雌猫を恋すること。猫の交尾期にあたり,物狂おしく鳴く。主に俳諧でいう。[季]春。《―へつひの崩より通ひけり/芭蕉》
猫の目
ねこのめ [1] 【猫の目】
〔猫の瞳孔は明暗によって大きさが変わることから〕
物事がめまぐるしく変わることのたとえ。
猫の目草
ねこのめそう [0] 【猫の目草】
ユキノシタ科の多年草。山野の水辺に多い。全体に軟らかく無毛。花茎は高さ約15センチメートルで,広卵形の葉を対生。四,五月,茎頂に黄緑色の小花を十数個つける。果実は袋果で,熟して裂開したのを猫の目に見たてこの名がある。
猫の目草[図]
猫の舌
ねこのした [1] 【猫の舌】
キク科の多年草。海岸の砂地に生える。茎はよく分枝して地をはい,長さ約50センチメートルに達する。葉は両面に粗毛があってざらつく。七〜一〇月,茎頂に黄色の頭花を一個つける。ハマグルマ。
猫の額
ねこのひたい [1] 【猫の額】
場所が狭いことのたとえ。「―ほどの庭」
猫ばばをきめる
ねこばば【猫ばばをきめる】
pocket.→英和
猫下ろし
ねこおろし 【猫下ろし】
猫が物を食い残すこと。また,その残したもの。「きこゆる―し給ひたり/平家 8」
猫八
ねこはち [4][0] 【猫八】
近世の物乞いの一。猫・犬・鶏など鳥獣の鳴き声をまねて,金品をもらい歩いたもの。
猫又
ねこまた 【猫股・猫又】
想像上の怪獣。猫の目をもち,犬ほどの大きさで尾が二つに分かれ,よく化けて人に害を与えるという。「猫の経上りて―になりて/徒然 89」
猫可愛がり
ねこかわいがり [3][4] 【猫可愛がり】 (名)スル
盲目的にかわいがること。ひたすらかわいがること。
猫四手
ねこしで [0][2] 【猫四手】
ウラジロカンバの別名。
猫堝
ねこるつぼ [3] 【猫堝】
不純物の混入を防ぐため,小径の開口部を側面上部に設けたガラス用のるつぼ。猫が座ったように見える外観からの呼称。クローズド-ポット。ねこ。
猫堝[図]
猫掻き
ねこがき 【猫掻き】
藁(ワラ)で編んだむしろ。蹴鞠(ケマリ)などのときに庭に敷く。「―をしかれたり/著聞 11」
猫撫で声
ねこなでごえ [5] 【猫撫で声】
猫を撫でたときのような,やさしくこびを含んだ甘ったるい声。「―で呼びかける」
猫撫で声で
ねこなでごえ【猫撫で声で】
in an insinuating voice;insinuatingly.
猫板
ねこいた [0] 【猫板】
長火鉢の一端にわたした板。ここによく猫がうずくまることからいう。
猫柳
ねこやなぎ【猫柳】
a pussy willow.
猫柳
ねこやなぎ [3] 【猫柳】
ヤナギ科の落葉低木。各地の水辺に自生。庭木ともする。葉は細長い楕円形で裏は帯白色。雌雄異株。早春,葉に先だち長さ3〜4センチメートルの柔らかい白毛を密生した尾状花序をつける。川柳(カワヤナギ)。エノコロヤナギ。[季]春。《―四五歩離れて暮れてをり/高野素十》
猫火鉢
ねこひばち [3] 【猫火鉢】
土製または陶製の火鉢。中に入れた火桶をすっぽりおおい,側面に数個の穴をあけたもの。布団の中に入れて用いる。ねこ。
猫目石
ねこめいし【猫目石】
a cat's-eye.
猫眼石
ねこめいし [3] 【猫眼石】
金緑石の一。ブラジル・スリランカなどに産し,宝石として重用。猫睛(ビヨウセイ)石。キャッツ-アイ。
猫睛石
びょうせいせき ベウセイ― [3] 【猫睛石】
猫眼石(ネコメイシ)。
猫石
ねこいし [0][2] 【猫石】
板塀などの,土台と基礎の間に入れる石。ねこ。
猫糞
ねこばば [0] 【猫糞】 (名)スル
〔猫が糞に泥をかけて隠すことからという〕
悪事をごまかして知らない顔をすること。特に,拾った物をひそかに自分の物にしてしまうこと。「財布を―した」
猫義義
ねこぎぎ [3] 【猫義義】
ナマズ目ギギ科の淡水魚。全長約10〜12センチメートル。体は黄褐色で腹部は色が薄く,暗褐色の斑紋が頭部・背びれ・あぶらびれ・尾びれにある。上・下顎に二対のひげが,背びれ・胸びれには棘(トゲ)がある。三重県および愛知県の川の中流域に分布。個体数は減少している。天然記念物。
猫股
ねこまた 【猫股・猫又】
想像上の怪獣。猫の目をもち,犬ほどの大きさで尾が二つに分かれ,よく化けて人に害を与えるという。「猫の経上りて―になりて/徒然 89」
猫背
ねこぜ【猫背】
a stoop.→英和
〜の round-shouldered.
猫背
ねこぜ [2] 【猫背】
背が後方に丸く曲がり,首が前に出た状態。脊柱後湾症。円背(エンバイ)。
猫舌
ねこじた [0][2] 【猫舌】
猫のように,熱い食べ物が苦手なこと。また,そのような人。
猫草
ねこぐさ [2] 【猫草】
オキナグサの異名。
猫萩
ねこはぎ [0][2] 【猫萩】
マメ科の多年草。草地に自生。全体に長い軟毛がある。茎は細く地をはい,長さ約50センチメートル。葉は小葉三個からなる。七〜九月,葉腋(ヨウエキ)に黄白色の小花を数個つける。
猫被り
ねこかぶり [3] 【猫被り】
本性を隠して,おとなしそうな振りをしていること。また,その人。ねこっかぶり。
猫足
ねこあし [0][2] 【猫足】
(1)猫のように音をたてないで歩くこと。また,そのような歩き方。「―に歩く」
(2)机・膳などの脚の下部が,内側に向いて丸くふくらみ,猫の足の形に似ているもの。
猫足(2)[図]
猫足昆布
ねこあしこんぶ [5] 【猫足昆布】
褐藻類コンブ目の海藻。根室から千島にかけての沿岸に多産する。葉は厚い革質で,長さ2〜4メートル,幅4〜5センチメートル。葉の基部両縁に耳形状の突起ができ,これから新しい葉が出る。ヨウ化カリウムの原藻。食用。
猫跨ぎ
ねこまたぎ [3] 【猫跨ぎ】
〔魚の好きな猫でさえまたいで通るの意〕
まずい魚のこと。
猫車
ねこぐるま [3] 【猫車】
土砂などを運ぶための,一輪の手押し車。ねこ。
猫車[図]
猫這い止め
ねこばいどめ ネコバヒ― [0] 【猫這い止め】
⇒袖壁(ソデカベ)
猫間
ねこま [0] 【猫間】
(1)扇の親骨の透かし彫りの一。格狭間(コウザマ)の透かし文様を変形したもの。
(2)「猫間障子」の略。
猫間障子
ねこましょうじ [4] 【猫間障子】
障子の一部にガラスをはめ込み,その部分に上下または左右に,開閉できる小障子を組み込んだもの。猫間。
猫頭巾
ねこずきん [3][4] 【猫頭巾】
火事頭巾の一。紺木綿の刺し子。目だけが出るようにしたものもある。
猫頭巾[図]
猫額
ねこびたい [3] 【猫額】
「猫の額」に同じ。
→猫
猫額
びょうがく ベウ― [0] 【猫額】
ネコのひたい。また,そのように狭いこと。「―の庭」
猫騙し
ねこだまし [3] 【猫騙し】
相撲の(奇襲)戦法の一。立ち合いに相手の目の前で手を叩き,相手がひるんだすきに有利に組み付いたり,技を掛けたりする。
猫鮫
ねこざめ [2] 【猫鮫】
ネコザメ目の海魚。全長約1メートル。体は円柱形で,各ひれが大きい。頭部が丸みを帯び,顔つきは猫に似る。全身茶褐色だが濃淡による横縞がある。サザエなどをかみつぶして食う。卵生。かまぼこなどの原料。本州中部以南の沿岸に分布。サザエワリ。ネコブカ。
献
こん 【献】
■一■ (名)
(1)肴(サカナ)・銚子をととのえて,客に膳部をすすめること。「其の後―共度度参る/言国卿記」
(2)飲み干した杯の数。「『まだ飲むか。最早置かいで』『―が悪うござる』/狂言・寝音曲(鷺流)」
■二■ (接尾)
助数詞。
(1)杯をさす度数を数えるのに用いる。「一―献(ケン)ずる」
(2)吸い物・肴・銚子をととのえて膳をすすめる度数を数えるのに用いる。「一―にうちあはび,二―にえび,三―にかいもちひにてやみぬ/徒然 216」
献じる
けんじる【献じる】
present <a thing to a person,a person with a thing> ;→英和
dedicate.→英和
献じる
けん・じる [0][3] 【献じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「献ずる」の上一段化〕
「献ずる」に同じ。「著書を恩師に―・じる」
献ず
けん・ず 【献ず】 (動サ変)
⇒けんずる(献)
献ずる
けん・ずる [0][3] 【献ずる】 (動サ変)[文]サ変 けん・ず
(1)神仏や身分の高い人に差し上げる。たてまつる。「霊前に花を―・ずる」
(2)杯をさす。献杯する。「サカヅキヲ―・ズル/日葡」
献つ
た・つ 【奉つ・献つ】 (動タ下二)
ささげる。たてまつる。「九重にけふ―・てそむる氷こそ/千五百番歌合」
献上
けんじょう [0] 【献上】 (名)スル
(1)身分の高い人に物をさしあげること。たてまつること。「宮様に―する」
(2)「献上博多(ケンジヨウハカタ)」の略。
献上する
けんじょう【献上する】
present <a thing to a person> ;→英和
make <a person> a present <of a thing> ;offer.→英和
献上物[品]an offering.→英和
献上博多
けんじょうはかた [5] 【献上博多】
〔藩主黒田侯が幕府に献上したことから〕
独鈷(トツコ)縞のはいった図柄の博多織帯地。献上。
献上物
けんじょうもの [0] 【献上物】
献上する物品。献上品。特に江戸時代,将軍から朝廷へ,また諸侯から将軍に献じた物品。
献上菓子
けんじょうがし [5] 【献上菓子】
〔白砂糖は貴人用であったことから〕
白砂糖を用いた菓子。上菓子。
献体
けんたい [0] 【献体】 (名)スル
死後,自分の身体を大学などの解剖実習用に提供すること。
献体
けんたい【献体】
(body) organ donation.
献呈
けんてい [0] 【献呈】 (名)スル
さしあげること。進呈。「著書を―する」
献奏
けんそう [0] 【献奏】 (名)スル
神に演奏をささげること。
献替
けんたい [0] 【献替】 (名)スル
善をすすめ悪をいさめて主君をたすけること。けんてい。「華聖頓(ワシントン)の維幄に参じ,―する所多し/佳人之奇遇(散士)」
献本
けんぽん【献本】
a presentation[complimentary]copy.→英和
〜する present a copy.
献本
けんぽん [0] 【献本】 (名)スル
本を進呈すること。また,その本。「図書館に著書を―する」
献杯
けんぱい [0] 【献杯・献盃】 (名)スル
相手に敬意を表してさかずきをさすこと。こんぱい。
献残
けんざん 【献残】
大名・武家などが受けた献上品で,余ったり残ったりしたもの。
献残屋
けんざんや 【献残屋】
江戸時代,献残を買い集めて売る商売。「妙な物ばかり餌食(エジキ)にするのう,―の鼠のやうだ/滑稽本・和合人」
献灯
けんとう [0] 【献灯】 (名)スル
神仏にささげるため社寺に奉納する灯明。また,それを納めること。
献物
けんもつ [0] 【献物】
献上物。献上品。
献物帳
けんもつちょう [0] 【献物帳】
奈良時代,寺社に奉納する物品に付けた品目や趣旨を記した文書。
献献
こんこん 【献献】
(1)何度も杯のやりとりをすること。また,酒宴。「主人―をくむ/咄本・醒睡笑」
(2)三三九度の杯。「―過ぎて,舅まかり出/咄本・昨日は今日」
献盃
けんぱい [0] 【献杯・献盃】 (名)スル
相手に敬意を表してさかずきをさすこと。こんぱい。
献眼
けんがん [0] 【献眼】 (名)スル
アイ-バンクに眼球を提供すること。
献立
こんだて [0] 【献立】
〔「献」はすすめる,の意〕
(1)料理の種類・内容や供する順序。また,献立表。メニュー。「決まりきった―」
(2)物事の内容や細目。また,その順序・構成。
献立
こんだて【献立(表)】
a menu.→英和
献立表
こんだてひょう [0] 【献立表】
献立を書いたもの。メニュー。
献策
けんさく [0] 【献策】 (名)スル
計画をたてて上位の人や公の機関に申し上げること。建策。「社長に―する」
献納
けんのう [0] 【献納】 (名)スル
神仏・国家・貴人に金品などをたてまつること。「神社に灯籠(トウロウ)を―する」
献納する
けんのう【献納する】
offer;→英和
present.→英和
献納品 an offering;→英和
a present.→英和
献花
けんか [1][0] 【献花】 (名)スル
霊前などに花を供えること。「―する人の行列」
献芹
けんきん [0] 【献芹】
(1)〔「列子(楊朱)」による。野生のセリを献上する意から〕
人に物を贈ることをへりくだっていう語。「―の賂(マイナイ)は志を奪はんが為なれば/太平記 5」
(2)君主に忠義を尽くすことをへりくだっていう語。「唯―の愚悃を憫んで/新聞雑誌 45」
献茶
けんちゃ [0] 【献茶】 (名)スル
神仏に茶を献ずること。また,その茶。
献血
けんけつ [0] 【献血】 (名)スル
輸血用の血液を無償で提供すること。「―車」
献血
けんけつ【献血】
blood donation.〜する donate blood.‖献血者 a blood donor.献血車 a mobile blood bank.
献言
けんげん [0][3] 【献言】 (名)スル
主君・上司などに意見を申し上げること。また,その意見。「総理に―する」
献詞
けんし [1] 【献詞】
著者または発行者が,書物を人に贈るときに記す言葉。献辞。献題。
献詠
けんえい [0] 【献詠】 (名)スル
宮中・神社などに詩歌をよんで献上すること。また,その詩歌。
献身
けんしん [0] 【献身】 (名)スル
(1)自分の身をささげて尽くすこと。ある物事や人のために,自分を犠牲にして力を尽くすこと。「独立運動に―する」
(2)キリスト教で,聖職者となること。
献身する
けんしん【献身する】
devote oneself to <a task> .献身的(に) devoted(ly).
献身的
けんしんてき [0] 【献身的】 (形動)
自分を犠牲にして尽くすさま。「―な看護」
献辞
けんじ [0] 【献辞】
「献詞」に同じ。
献進
けんしん [0] 【献進】 (名)スル
さしあげること。献上。
献酌
けんしゃく [0] 【献酌】 (名)スル
杯をさして酒をつぐこと。
献酬
けんしゅう [0] 【献酬】 (名)スル
酒杯をやりとりすること。
献金
けんきん【献金】
donation; <make> a contribution <of ¥1,000> ;→英和
an offering (神社などでの);→英和
a collection (教会での).→英和
〜する contribute;→英和
donate.→英和
‖献金者 a contributor.献金箱 a collection box.
献金
けんきん [0] 【献金】 (名)スル
(援助などのために)金銭を差し上げること。「政党に―する」「政治―」
献題
けんだい [0] 【献題】
著者や発行者が書物を献呈する旨をしるした言葉。献詞。献辞。
献饌
けんせん [0] 【献饌】
神前に物を供えること。
⇔撤饌(テツセン)
献香
けんこう [0] 【献香】
香を炷(タ)いて神仏に供えること。
猯
まみ 【貒・猯】
アナグマの異名。また,タヌキ。[日葡]
猶
なお ナホ [1] 【猶・尚】
■一■ (副)
(1)以前の状態が引き続いているさまを表す。
(ア)相変わらず。いぜんとして。「今も―美しい」「今―語り継がれている」
(イ)引き続いて。もとのとおり。「―いっそうのお引き立てを」「―しばし試みよ/源氏(桐壺)」
(2)以前の状態や他の同類のものと比べて程度が進んでいるさまを表す。
(ア)ますます。よりいっそう。「手術して―悪くなった」「そのほうが―都合がいい」
(イ)(好ましくないと思う気持ちを強調して)さらに。もっと。「うそをつくほうが―悪い」「げに畜類にも―おとれり/沙石(八・古活字本)」
(3)それにさらに付け加える余地があるさまを表す。まだ。「試験まで―一〇日ある」「憎んでも―余りある」
(4)前の語を受けて強調する意を表す。…でさえも。でも。「昼―暗い杉並木」
(5)(漢文訓読に由来する語法で,下に,「如し」を伴う)あたかも。ちょうど。「過ぎたるは―及ばざるが如し」「上古―かくのごとし,況や末代においてをや/平家 10」
(6)(当然のこととして)なんといっても。やはり。たしかに。「世の中に―いと心憂きものは人ににくまれんとこそあるべけれ/枕草子 267」
■二■ (接続)
ある事柄を述べたあとにほかのことを言い添えるときに用いる語。さらに申しますと。付け加えていれば。《尚》「取りあえず御報告まで。―詳細は追ってお知らせします」
猶し
なおし ナホ― 【猶し・尚し】 (副)
〔「し」は強意の助詞〕
(1)それでもやはり。「橘は花にも実にも見つれどもいや時じくに―見が欲し/万葉 4112」
(2)ますます。いっそう。「懐の内を放つそら―悲(カナシミ)の心たへがたし/今昔 9」
(3)あたかも。まるで。多く「なおし…の如し」の形で用いられる。「侍(サブライ)の言葉は綸言にも同じ。―汗の如しとて/義経記 8」
猶も
なおも ナホ― [1] 【尚も・猶も】 (副)
(1)その上まだ。それでもまだ。「雪は―降り続く」「―言い張る」
(2)さすがに。やはり。「いくさの陣へ笛持つ人はよもあらじ。上臈は―やさしかりけり/平家 9」
猶且つ
なおかつ ナホ― [1] 【猶且つ・尚且つ】 (副)
(1)やっぱりまだ。それでも。あいかわらず。「強力なてこ入れをして―好転しない」
(2)その上また。「美しく,―やさしい」
猶予
ゆうよ イウ― [1] 【猶予】 (名)スル
(1)実行の期日を延ばすこと。また,延期を認めること。「支払いを―してもらう」「執行―」
(2)ぐずぐずして物事を決めないこと。「一刻も―すべき時ではない」
猶予
いざよい イザヨヒ [0] 【十六夜・猶予】
〔動詞「いざよう」の連用形から。上代は「いさよい」〕
(1)陰暦(八月)一六日の月。また,陰暦一六日の夜。《十六夜》 [季]秋。《―もまた更科の郡かな/芭蕉》
〔月の出が十五夜よりやや遅くなるのを,月がためらっていると見立てた語〕
(2)「いざよいの月」の略。
(3)ためらい。《猶予》「青嶺(アオネ)ろにたなびく雲の―に物をそ思ふ年のこのころ/万葉 3511」
猶予う
いざよ・う イザヨフ [3] 【猶予う】 (動ワ五[ハ四])
〔中古頃までは「いさよふ」と清音。「いさ」は感動詞の「いさ」と同源か〕
進もうとして進まない。ためらう。たゆたう。「傾きかかつた月の光が,―・いながら残つてゐる/偸盗(竜之介)」「網代木に―・ふ波の行くへ知らずも/万葉 264」
猶予する
ゆうよ【猶予する】
give time;give <three days'> grace (支払を);reprieve (刑を).→英和
〜なく without delay[hesitation];promptly.→英和
猶予日
ゆうよじつ イウ― [3] 【猶予日】
⇒恩恵日(オンケイビ)
猶予期間
ゆうよきかん イウ― [5][4] 【猶予期間】
(1)訴訟法上,当事者の利益として猶予が与えられる場合の,その期間。中間期間。
(2)労働法上の冷却期間。
猶以て
なおもって ナホ― [1][3] 【尚以て・猶以て】 (副)
(1)なおさらいっそう。なおのこと。「そうしていただければ―有り難い」
(2)それでもやはり。「数通の起請文を書き進ずといへども,―御宥免(ユウメン)なし/平家 11」
猶子
ゆうし イウ― [1] 【猶子】
〔古くは「ゆうじ」とも〕
(1)〔「礼記(檀弓上)」による。自分の子供のようなものの意〕
甥(オイ),または姪(メイ)。
(2)親族または他人の子を自分の子としたもの。養子。義子。
猶子説
ゆうしせつ イウ― [3] 【猶子説】
⇒養子論(ヨウシロン)
猶存社
ゆうぞんしゃ イウゾン― 【猶存社】
1919年(大正8)満川亀太郎,大川周明,北一輝らによって結成された国家主義団体。革命日本の建設やアジア民族の解放などを掲げたが,北と大川の対立により23年解散。
猶猶
なおなお ナホナホ [1] 【尚尚・猶猶】
〔「なお(尚)」を重ねて意味を強めた語〕
■一■ (副)
(1)ますます。いっそう。「―困った」「―勉学にはげめ」
(2)それでもやはり。「―とせちに宣へば/源氏(夕霧)」
■二■ (接続)
(手紙などで)付け加えて。なお。「大変に御馳走になり,―結構なおみやげまでいただき,誠にありがとうございました」
猾智
かっち クワツ― [1] 【猾知・猾智】
悪がしこい知恵。狡知(コウチ)。
猾知
かっち クワツ― [1] 【猾知・猾智】
悪がしこい知恵。狡知(コウチ)。
猿
ましら [0][1] 【猿】
猿の異名。
猿
まし 【猿】
サル。ましら。「―,行け行け/狂言・靭猿(虎寛本)」
猿
さる [1] 【猿】
(1)霊長目に属する人類以外の動物の総称。顔に毛が少なく,手の指が発達し,すぐれた知能をもつ。狭義にはニホンザルをさす。古くから,神聖視され,馬の守護神とされた。ましら。
(2)小利口な者をののしっていう語。「―まね」「―知恵」
(3)戸の框(カマチ)や桟に取り付ける木片あるいは金物で,敷居や鴨居(カモイ)・柱などの穴にさしこみ,戸締まりをする仕掛け。
(4)炉の自在鉤(カギ)の高さを調節する仕掛け。
(5)江戸時代,風呂屋にいた遊女。湯女(ユナ)の異称。
猿(3)[図]
猿
さる【猿】
a monkey;→英和
an ape.→英和
猿も木から落ちる Even Homer sometimes nods.
猿の生き肝
さるのいきぎも 【猿の生き肝】
動物昔話の一。竜宮の乙姫の病を治す妙薬として猿の生き肝を取りに行った海月(クラゲ)(または亀)が,猿をだまして連れ帰る途中,その目的をもらしたため猿に逃げられ,罰せられて骨なしになる話。
猿の腰掛
さるのこしかけ [1] 【猿の腰掛】
担子菌類ヒダナシタケ目サルノコシカケ亜目の木質多年生のきのこの総称。傘に柄はなく,樹幹に水平につき,半円形で上面に同心円状の模様があり下面に多数の微細な管孔がある。種類は多く,いずれも木材腐朽菌。種類により薬用・食用・細工用となる。
猿の腰掛[図]
猿丸大夫
さるまるだゆう 【猿丸大夫】
平安前期の伝説的歌人。三十六歌仙の一人。古今集の真名序にその名が見える。家集「猿丸大夫集」は大部分が古今集・万葉集の読人知らずの歌である。
猿人
えんじん ヱン― [0] 【猿人】
約四〇〇万年前から約一五〇万年前に生息した最古の化石人類。アフリカの東部・南部から発見された。脳容積は現生人類の三分の一ほどで,現生ゴリラと同じくらいだが,骨盤・歯の形状は人類に近く,直立二足歩行をし,きわめて粗末な礫(レキ)石器を用いた。アウストラロピテクスがその例。
猿公
えてこう [3] 【猿公】
猿を擬人化した言い方。えてきち。
→得手(エテ)(4)
猿利口
さるりこう 【猿利口】
こざかしいこと。「いつたい―にて,手のはやきものなれば/滑稽本・続膝栗毛」
猿匐い
さるばい [0] 【猿匐い】
「猿辷(サルスベ)り」に同じ。
猿唐人
さるとうじん 【猿唐人】
物のわからない人間を卑しんでいう語。唐変木。「郷在だから郷在と言つたわ。ええ,負いねえ―だ/歌舞伎・お染久松色読販」
猿喰鷲
さるくいわし サルクヒ― [3] 【猿喰鷲】
フィリピンワシの旧名。
猿回し
さるまわし [3] 【猿回し】
猿を使って種々の芸をさせ,金銭をもらい受ける大道芸。主として正月,門付(カドヅケ)や辻芸をしながら町々を巡り歩いた。さるかい。さるつかい。さるひき。[季]新年。《物思へば猿よりやせて―/内藤鳴雪》
猿回し[図]
猿回し
さるまわし【猿回し】
a monkey showman.
猿壻入り
さるむこいり 【猿壻入り】
昔話の一。異類婚姻譚。田に水を引いたので,約束どおり末娘と結婚した猿が里帰りのとき川に落ちて死ぬ。蛇婿入りに類似。
猿女
さるめ 【猿女・猨女】
古代,神祇官の職の一。縫殿(ヌイドノ)寮に属し,大嘗祭(ダイジヨウサイ)・鎮魂祭などの神事に神楽(カグラ)の舞を奉仕した女官。
猿子
ましこ [3][0] 【猿子】
(1)猿の異名。
(2)スズメ目アトリ科オオマシコ属の小鳥の総称。雄は赤色を帯びて美しい。雌は赤褐色。ハギマシコ・ベニマシコなどが北海道で繁殖し,アカマシコ・オオマシコなどが冬鳥として渡来。増子。猿子鳥。
猿子
さるこ [0] 【猿子】
綿入れの袖なし羽織。
猿子鳥
ましこどり [3] 【猿子鳥】
マシコ{(2)}に同じ。
猿尾
さるお [0] 【猿尾】
三味線の棹(サオ)が胴を貫く直前の棹の背面部の名。猿の尾に似ているのでいう。
猿山
さるやま [0] 【猿山】
動物園などで,猿の遊び場としてコンクリートなどで造ってある山。
猿島
さしま 【猿島】
(1)茨城県南西部,利根川沿いの地域。猿島郡や岩井市など。猿島茶を産する。平将門が根拠とした地。
(2)茨城県南西部,猿島郡の町。利根川西岸の平地にある。
猿座頭
さるざとう 【猿座頭】
狂言の一。盲人が妻と花見に行く。そこへやってきた猿引きが妻を誘う。盲人は綱で妻と自分の体を結びつけるが,猿引きは妻と猿とを結びかえて,妻を連れて逃げる。花見座頭。猿替勾当。
猿引き
さるひき [2] 【猿引き・猿曳き】
(1)厩(ウマヤ)祭の祈祷(キトウ)に,祝言を述べて猿を舞わす者。
(2)「猿回し」に同じ。[季]新年。《―や猿に着せたる晴小袖/正岡子規》
猿戸
さるど [2] 【猿戸】
(1)戸締まり用の猿{(3)}を設けた戸。
(2)露地などに用いる簡素な造りの戸。堅桟や押し縁(ブチ)の端を上下に出して角柄(ツノガラ)とした戸で,柱には皮付き丸太を用いる。角戸(ツノド)。
(3)大戸に取りつけた小さな引き戸。
猿投山
さなげやま 【猿投山】
愛知県北部,瀬戸市と豊田市の境にある山。海抜629メートル。古代・中世の窯址(ヨウシ)群がある。
猿曳き
さるひき [2] 【猿引き・猿曳き】
(1)厩(ウマヤ)祭の祈祷(キトウ)に,祝言を述べて猿を舞わす者。
(2)「猿回し」に同じ。[季]新年。《―や猿に着せたる晴小袖/正岡子規》
猿替勾当
さるかえこうとう サルカヘコウタウ 【猿替勾当】
「猿座頭」に同じ。
猿松
さるまつ 【猿松】
(1)猿の擬人名。えて公。「やあ,駒若ぢやない,こりや―/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
(2)浅慮な人,いたずらをする人,口うるさい人などをののしっていう語。「この―めらは何ぬかしやあがる/滑稽本・膝栗毛 8」
猿柿
さるがき [2] 【猿柿】
信濃(シナノ)柿の別名。
猿梨
さるなし [0][2] 【猿梨】
マタタビ科のつる性落葉低木。山地に自生。葉は広卵形で暗紅色の柄がある。雌雄異株。初夏,白色の五弁花をつける。果実は球形で淡緑黄色に熟し,甘酸っぱい。コクワ。シラクチヅル。
猿梨[図]
猿楽
さるがく [0] 【猿楽・申楽】
(1)軽業(カルワザ)・奇術や滑稽な物まねなどの演芸。奈良時代に唐から伝来した散楽(サンガク)を母胎につくり出されたもの。鎌倉時代頃からこれを職業とする者が各地の神社に隷属して祭礼などに興行し,座を結んで一般庶民にも愛好された。室町時代になると,田楽や曲舞(クセマイ)などの要素もとり入れ,観阿弥・世阿弥父子により能楽として大成される。さるごう。
(2)能楽の旧称。
猿楽
さるごう 【猿楽】
〔「さるがく(猿楽)」の転〕
(1)「さるがく{(1)}」に同じ。「いかなる―をして一日かあらまし/宇津保(蔵開上)」
(2)滑稽なことをすること。おどけること。たわむれ。「口をひき垂れて,知らぬことよとて,―しかくるに/枕草子 143」
猿楽ふ
さるが・う 【猿楽ふ】 (動ハ四)
〔「さるごう(猿楽)」を活用させた語〕
滑稽なことを言う。ふざける。「男などのうち―・ひものよくいふが来たるを/枕草子 140」
猿楽師
さるがくし [4] 【猿楽師】
猿楽を業とする人。
猿楽座
さるがくざ [0] 【猿楽座】
中世,猿楽師が結成した職業団体。社寺に隷属し,神事や法会(ホウエ)の際の興行独占権を与えられた。大和四座(ヤマトシザ)が著名。
→大和四座
猿楽法師
さるがくほうし [5] 【猿楽法師】
中世,猿楽を業とした僧形の芸人。
猿楽能
さるがくのう [4] 【猿楽能】
〔「猿楽の芸能」の意〕
能・能楽の古い呼び名。
猿楽言
さるごうごと 【猿楽言】
滑稽な言動。冗談。「日一日,ただ―をのみし給ふほどに/枕草子 104」
猿橋
さるはし 【猿橋】
日本三奇橋の一。山梨県大月市にあり,桂川に架かる木橋。両岸の懸崖から刎木(ハネギ)を何段にも重ねて突き出し,橋床を受ける構造のもの。
猿橋[図]
猿毛
さるげ [0] 【猿毛】
馬の毛色の名。鼠(ネズミ)色のもの。
猿沢池
さるさわのいけ サルサハ― 【猿沢池】
奈良公園内,興福寺の南にある池。放生(ホウジヨウ)池としてつくられたものという。池畔に,この池に入水した采女(ウネメ)をまつった采女神社がある。((歌枕))「わぎもこがねくたれ髪を―の五藻とみるぞかなしき/拾遺(哀傷)」
猿海老
さるえび [2] 【猿海老】
海産のエビ。体長12センチメートル内外。甲は厚く,一面に毛が生えている。食用。瀬戸内海・有明海・伊勢湾などに多い。
猿滑
さるすべり [3] 【猿滑・百日紅】
(1)ミソハギ科の落葉高木。中国原産。樹皮は褐色で,きわめて平滑なのでこの名がある。庭木として栽植される。高さ2〜8メートル。枝は四稜があり,楕円形の葉を対生。夏,長期にわたって枝頂に円錐花序を出して紅・白・淡紫色などの六弁花をつける。ヒャクジツコウ。[季]夏。
(2)ヒメシャラの別名。
猿猴
えんこう ヱン― [0] 【猿猴】
(1)猿類の総称。特に,手長猿のこと。
(2)河童(カツパ)の異名。[物類称呼]
(3)手のこと。人形浄瑠璃界でいう。
(4)月経のこと。「―へ手を出し亭主ひつかかれ/柳多留 77」
猿猴捉月
えんこうそくげつ ヱン― [0] 【猿猴捉月】
「猿猴月を取る」に同じ。
猿猴杉
えんこうすぎ ヱン― [3] 【猿猴杉】
スギの一変種。枝が長く伸びて先端は下垂し,手長猿の手を思わせる。庭木・盆栽用。
猿猴楓
えんこうかえで ヱン―カヘデ [5] 【猿猴楓】
イタヤカエデの一変種。葉は基部近くまで深裂し,手長猿の手を思わせる。
猿猴草
えんこうそう ヱン―サウ [0] 【猿猴草】
キンポウゲ科の多年草。本州中部の山地の湿地に自生。観賞用に栽培もされる。初夏,黄色の小花をつける。花柄は次第に伸びて,そのさまを手長猿の手にみたてる。
猿環
さるかん [0] 【猿環】
釣り道具の一。道糸と鉤素(ハリス)の接続や糸のよりの戻しに用いる金属の環。よりもどし。
猿田彦
さるたびこ 【猿田彦】
〔「さるだひこ」「さるたひこ」とも〕
記紀神話の神。天孫降臨に際して,その道案内をした。容貌魁偉で,鼻は高く,身長は七尺余。後世,庚申(コウシン)信仰や道祖神などとも結びついた。伊勢の猿田彦神社の祭神。
猿皮靫
さるかわうつぼ サルカハ― [5] 【猿皮靫】
猿の毛皮を張った靫。
猿真似
さるまね [0] 【猿真似】 (名)スル
猿が人の動作をまねるように,他人のすることの表面だけまねること。
猿真似
さるまね【猿真似】
indiscriminate imitation.
猿眼
さるまなこ [3] 【猿眼】
猿の目のように,大きく,くぼんだ目。「奴(ヤツコ)は―を晃(キラメ)かして/義血侠血(鏡花)」
猿知恵
さるぢえ [0] 【猿知恵】
一見気が利いていて実は間の抜けている考え。
猿知恵
さるぢえ【猿知恵】
shallow cunning.
猿神
さるがみ [0][2] 【猿神】
猿を神としてまつったもの。また,日吉(ヒエ)神社や山の神の使いとしてまつられたものもある。人身御供(ヒトミゴクウ)をとる神として説話が多い。
猿繋ぎ
さるつなぎ [3] 【猿繋ぎ】
(1)中世・近世において,開いた戸や扉が風にあおられるのを防ぐために壁や柱にとめておくのに用いた金具。あおりどめ。
→猿(3)
(2)猿をつなぐように,後ろ手にしばって柱などにつないでおくこと。「一人も洩さず―/浄瑠璃・会稽山」
猿股
さるまた [0] 【猿股】
腰から股のあたりをおおうズボン形の男子用下着。
猿臂
えんぴ ヱン― [1] 【猿臂】
猿のように長いひじ。
猿芝居
さるしばい【猿芝居】
a monkey show.
猿芝居
さるしばい [3] 【猿芝居】
(1)猿に芸を仕込み,かつらや衣装をつけて歌舞伎役者のまねをさせる見世物。
(2)すぐ見透かされるような,あさはかなたくらみ。
猿若
さるわか [0][2] 【猿若】
(1)初期歌舞伎において,滑稽な演技や雄弁術などを演じた役柄。また,その演技者。道化方の前身。
(2){(1)}を主人公とした演目。猿若座の家狂言として伝わる台本のほか,数種の曲名が伝わる。
(3)初世中村勘三郎の前姓。
(4)滑稽な演技をして歩く大道芸人。
(5)民俗芸能における道化役。
猿若座
さるわかざ 【猿若座】
江戸の歌舞伎劇場。江戸三座の筆頭,中村座の前身。1624年猿若勘三郎が中橋南地に創建。
猿若町
さるわかちょう 【猿若町】
東京都台東区の旧町名。現,浅草六丁目に当たる。天保改革のとき,風俗取り締まりのため江戸三座(のち猿若三座とも)を浅草聖天町に移して猿若町と命名。一丁目(中村座)・二丁目(市村座)・三丁目(森田座)と称し,明治初年まで栄えた。
猿葉虫
さるはむし [3] 【猿葉虫】
ハムシ科サルハムシ亜科の甲虫の総称。体長5ミリメートル内外の種が多い。体は楕円形で,背が隆起する。成虫は各種植物の葉を,幼虫は根を食害する。ブドウの害虫アカガネサルハムシ,サツマイモにつくイモサルハムシなど。
猿蓑
さるみの 【猿蓑】
俳諧撰集。六巻。去来・凡兆編。1691年刊。芭蕉七部集の一。発句・歌仙のほか幻住庵記・几右日記などを収める。景情融合の発句,匂付(ニオイヅ)けによる連句など,蕉風俳諧の一つの到達点を示す。
猿蟹合戦
さるかにかっせん 【猿蟹合戦】
動物昔話の一。蟹が握り飯との交換で猿からもらった柿の種をまいて育てたところ,猿が独り占めし,蟹には青柿を投げつけたので蟹は死ぬ。蟹の子は栗・蜂(ハチ)・臼(ウス)などの助力を得て仇討ちをするというのが一般的な筋。各地には,柿以外のものを争いの原因にする話も多く伝わる。
猿袴
さるばかま [3] 【猿袴】
労働用の袴の一種。腰のまわりはゆったりと,下部は股引(モモヒキ)のように足にぴったり仕立てた。
猿豆
さるまめ [0] 【猿豆】
ユリ科の落葉小低木。山地に自生。サルトリイバラに似るが茎にとげがほとんどない。五月頃,淡黄緑色の小花を開く。果実は球形で赤く熟す。
猿賢い
さるがしこ・い 【猿賢い】 (形)[文]ク さるがしこ・し
〔近世口語〕
わるがしこい。ずるくて抜け目がない。「結句―・いといふ物にて,にくし��/ひとりね」
猿轡
さるぐつわ [3] 【猿轡】
声を出せないように,口に押し込んだり,かませて後頭部にくくりつけておくもの。布などを用いる。「―をかませる」
猿轡
さるぐつわ【猿轡】
a gag.→英和
〜をはめられる be gagged.
猿辷り
さるすべり [3] 【猿辷り】
囲碁で,二の筋から一の筋へ,桂馬にすべりこみ,敵陣を荒らすこと。さるばい。
猿返り
さるかえり [3] 【猿返り】
(1)歌舞伎で,立ち回りの型の一。あおむけになった姿勢から後方に宙返りして立つ。
(2)雑芸の一。前後左右に自由自在に回転する芸。「―見てや立ちくる酉の年/犬子集」
猿遣い
さるつかい [3] 【猿遣い】
「猿回(サルマワ)し」に同じ。
猿酒
さるざけ [2] 【猿酒】
猿が樹木の穴などにためておいた果実が自然発酵し,酒のようになったもの。ましら酒。[季]秋。
猿隈
さるぐま [0] 【猿隈】
歌舞伎の隈取りの一。紅(ベニ)で額に三本の横筋を引き,猿の顔を表すもの。荒事の立ち役に用いる。
猿面
さるめん [0] 【猿面】
(1)猿の顔をかたどったお面。
(2)猿に似た顔つき。
猿面冠者
さるめんかんじゃ [5] 【猿面冠者】
(1)猿に似た顔つきの若者。
(2)豊臣秀吉の若い頃のあだな。
猿面硯
えんめんけん ヱンメン― 【猿面硯・円面硯】
古代の硯(スズリ)の一形態。陶質で,中央に平らな陸(オカ)を設けそのまわりに溝をめぐらし,下方に台脚をつけたもの。
猿頬
えてぼお [3] 【猿頬】
⇒さるぼおめん(猿頬面)
猿頬
さるぼお [0] 【猿頬】
(1)猿が食べ物を入れておくための,口の中の両側にある袋状の部分。ほおぶくろ。
(2)武具の名。ほおとあごをおおう鉄の面。
(3)海産の二枚貝。殻長5センチメートル内外。赤貝に似ている。東京湾以南の浅海の砂泥地にすむ。食用。
(4)片手桶(カタテオケ)の江戸での呼称。「そのくせ夏は―をつけて,随意(キママ)に汲ませる/滑稽本・浮世風呂 4」
猿頬天井
さるぼおてんじょう [5] 【猿頬天井】
猿頬面の竿縁(サオブチ)を使った天井。普通の竿縁天井より上等。
猿頬面
さるぼおめん [4][0] 【猿頬面】
切り面の一。四五度以上の角度で面取りした断面が猿の頬の形のようになるもの。戸の桟や天井の竿縁などに用いる。えてぼお。
猿頬面[図]
猿飛佐助
さるとびさすけ 【猿飛佐助】
真田(サナダ)十勇士の一人。戸沢白雲斎に甲賀流の忍術を習い,真田幸村に仕えて活躍し,大坂夏の陣で戦死したというが,架空の人物。
猿飼ひ
さるかい 【猿飼ひ】
「猿回(サルマワ)し」に同じ。
猿麻桛
さるおがせ [3] 【猿麻桛】
サルオガセ科サルオガセ属の樹枝状地衣植物の総称。深山の針葉樹の幹や枝に着生し,糸状でよく分枝し長く垂れ下がる。心臓疾患・結核などの薬用とされる。ヨコワサルオガセ・ナガサルオガセなど,日本に約四〇種ある。松蘿(シヨウラ)。
獄
ひとや [0] 【獄・人屋・囚獄】
とらえた罪人をおしこめておく建物。牢屋。牢獄。
獄
ごく【獄】
a prison;→英和
a jail.→英和
〜に投じる throw[put] <a person> into prison.
獄
ごく [1] 【獄】
(1)囚人を監禁しておくところ。牢獄。ごくや。ひとや。「―にくだる」
(2)さばき。判決。「―を断ずる法律家になるにも/舞姫(鴎外)」
獄丁
ごくてい [0] 【獄丁】
囚人を監督する役人。獄卒。
獄中
ごくちゅう [0] 【獄中】
牢獄のなか。刑務所のなか。獄内。
獄中に[で]
ごくちゅう【獄中に[で]】
in prison.
獄内
ごくない [2] 【獄内】
牢獄・監獄の中。獄中。
獄則
ごくそく [0] 【獄則】
牢獄内での規則。
獄卒
ごくそつ [0] 【獄卒】
(1)牢獄で,囚人の取り締まりにあたる下級の役人。獄丁(ゴクテイ)。
(2)〔仏〕 地獄で,亡者を責めさいなむ鬼。
(3)義理や人情を解さぬ人をののしっていう語。「天罰しらぬ―め/浄瑠璃・布引滝」
獄司
ごくし [1] 【獄司】
監獄の事務をつかさどる役人。牢役人。
獄吏
ごくり [1] 【獄吏】
監獄の役人。
獄囚
ごくしゅう [0] 【獄囚】
牢獄(ロウゴク)に入れられている罪人。
獄守
ごくもり [0] 【獄守(り)】
牢獄の番人。獄卒。
獄守り
ごくもり [0] 【獄守(り)】
牢獄の番人。獄卒。
獄官
ごっかん ゴククワン [0] 【獄官】
牢獄の役人。獄吏。
獄定
ごくじょう 【獄定】
入獄の刑に決定すること。「神輿(シンヨ)射奉りし武士六人―ぜらる/平家 1」
獄屋
ごくや [1] 【獄屋】
罪人を入れておく所。牢屋。牢獄。
獄所
ごくしょ [1] 【獄所】
囚人を入れておく所。牢獄。牢屋。
獄死
ごくし [0] 【獄死】 (名)スル
監獄の中で死ぬこと。牢死。
獄死する
ごくし【獄死する】
die in prison.
獄窓
ごくそう [0] 【獄窓】
牢獄の窓。また,牢獄のなか。獄中。
獄舎
ごくしゃ [1] 【獄舎】
囚人を監禁しておく建物。牢獄(ロウゴク)。
獄衣
ごくい [1] 【獄衣】
服役中の囚人の着る衣服。囚人服。
獄裏
ごくり [1] 【獄裡・獄裏】
牢獄の内。獄中。獄内。
獄裡
ごくり [1] 【獄裡・獄裏】
牢獄の内。獄中。獄内。
獄道
ごくどう [2] 【極道・獄道】 (名・形動)[文]ナリ
(1)悪事や酒色・ばくちにふけること。品行・素行のおさまらないさま。「―な息子」「―の限りをつくす」
(2)人をののしっていう語。
獄道者
ごくどうもの [0][6] 【極道者・獄道者】
極道にふける人。また,そのような人をののしっていう語。
獄門
ごくもん [0] 【獄門】
(1)牢獄の門。
(2)〔斬罪になった囚人の首を(1)にさらしたことから〕
江戸時代の刑罰の一。斬首のうえ,その首を一定の場所または悪事をした場所にさらすこと。獄門台にのせ,そばに罪状を記した立て札を立てた。梟首(キヨウシユ)。晒首(サラシクビ)。
獄門台
ごくもんだい [0] 【獄門台】
さらし首をのせるための台。
獄門首
ごくもんくび [3] 【獄門首】
獄門に処せられた人の首。さらし首。
獅噛
しかみ [0] 【獅噛】
(1)獅子の頭を模様化した装飾。兜(カブト)の目庇(マビサシ)の上や火鉢の脚などに飾りとして用いる。
(2)「獅噛火鉢」の略。
獅噛の兜
しかみのかぶと 【獅噛の兜】
獅噛の前立(マエダテ)を打った兜。
獅噛火鉢
しかみひばち [4] 【獅噛火鉢】
脚に獅噛がついている金属製の円形の火鉢。
獅子
しし【獅子】
a lion;→英和
a lioness (雌).→英和
‖獅子座 the Lion;Leo.獅子鼻 a pug nose.獅子奮迅の勢いで with irresistible force.獅子舞 a ritual dance with a lion's mask.
獅子
しし [1] 【獅子・師子】
(1)ライオン。古来,百獣の王とされ,権威・王権などの象徴ともされた。獅子王。
(2){(1)}を基に想像された獣。仏教では文殊(モンジユ)菩薩の乗物とする。
(3)神社の社頭などに置いて魔よけとする。{(1)}に似た獣の像。古くは器物の重しともした。
(4)「獅子舞」「獅子頭(シシガシラ){(1)}」の略。
(5)〔仏〕(人の王であるところから)仏。「―の座」
獅子
シーズー [1] 【獅子】
〔中国語〕
イヌの一品種。中国原産。ペキニーズとラサ-アプソの混血により誕生したといわれる。体高25センチメートル程度。外見はラサ-アプソによく似る。
シーズー[図]
獅子っ鼻
ししっぱな [0][2] 【獅子っ鼻】
「ししばな(獅子鼻)」に同じ。
獅子の座
ししのざ 【獅子の座】
⇒ししざ(獅子座)(1)
獅子口
ししぐち [2] 【獅子口】
(1)屋根の棟飾りの一。棟の両端に用いる箱形の瓦で,頂上に経の巻という丸瓦を三〜五個のせる。社寺・宮殿建築に多く用いる。
(2)能面の一。口を大きく開き,牙(キバ)をむき出した凶暴な面相のもの。石橋(シヤツキヨウ)の獅子などに用いる。
(3)竹筒の花入れの一。一重切りの窓が横に大きく切られたもの。鰐口(ワニグチ)。
獅子口(1)[図]
獅子口(2)[図]
獅子吼
ししく [2] 【獅子吼】 (名)スル
(1)獅子がほえること。
(2)釈迦の説法・教説。獅子がほえて,百獣を恐れさせる威力にたとえていう。
(3)熱弁をふるって真理・正義を説くこと。
獅子唐
ししとう [0] 【獅子唐】
「ししとうがらし」の略。
獅子唐芥子
ししとうがらし [5] 【獅子唐芥子】
トウガラシの栽培変種。いわゆるピーマンのうち,在来品種で,果実が小さく細長いもの。シシトウ。青唐芥子。
獅子国
ししこく 【獅子国】
セイロン(現スリランカ)の古名。
獅子奮迅
ししふんじん [1] 【獅子奮迅】 (名)スル
獅子が奮い立って猛進するような激しい勢い。また,勇猛に戦うさま。「―の勢い」「―の活躍」
獅子宮
ししきゅう [2] 【獅子宮】
黄道十二宮の第五宮。獅子座に相当していたが,現在は歳差のためずれている。
獅子座
ししざ [0] 【獅子座】
(1)仏の座る座。また,高僧の座る所。猊座(ゲイザ)。獅子の座。
(2)〔(ラテン) Leo〕
四月下旬の宵に南中する星座。黄道十二宮の獅子宮に相当した。ギリシャ神話ではネメアの谷間に住み人畜を害した獅子で,ヘラクレスに退治されたものという。
獅子座流星群
ししざりゅうせいぐん [6] 【獅子座流星群】
毎年11月一六,七日頃に現れる流星群。獅子座ガンマ星の近くに放射点がある。約33年ごとに大出現し,1799年.1833年には大流星雨をもたらした。
獅子文六
ししぶんろく 【獅子文六】
(1893-1969) 小説家・劇作家。横浜生まれ。本名,岩田豊雄。劇作・演出に活躍する一方,ユーモアと風刺に富んだ新聞小説で親しまれた。著「海軍」「てんやわんや」「自由学校」「大番」「娘と私」など。
獅子物
ししもの [0] 【獅子物】
近世の舞踊・音曲などで獅子に関係あるものの総称。能の「石橋(シヤツキヨウ)」に基づく「相生獅子」「執着(シユウジヤク)獅子」などの石橋物と,獅子舞を扱った「越後獅子」「角兵衛獅子」などがある。
獅子猿
ししざる [3] 【獅子猿】
ライオン-タマリンの別名。
獅子王
ししおう [3] 【獅子王】
(1)百獣の王として獅子をたたえていう語。
(2)名剣の名。源頼政が鵼(ヌエ)を射たとき二条天皇から賞賜されたもの。豊後(ブンゴ)定秀または高平の作という。
獅子神楽
ししかぐら [3] 【獅子神楽】
獅子頭(シシガシラ)に神を勧請(カンジヨウ)し,家々を清めて回る神楽。伊勢の太神楽(ダイカグラ)や東北地方の権現(ゴンゲン)舞など。
獅子舞
ししまい [0][2] 【獅子舞】
(1)獅子頭(シシガシラ)をかぶって演ずる芸能。一人の人間が頭に獅子頭をいただいて舞う風流(フリユウ)系統のものと,二人以上の人間が獅子のほろに入って舞う伎楽系統のものに大別される。[季]新年。
(2)能楽で,獅子の遊ぶさまに擬した急調の舞。
獅子踊り
ししおどり [3] 【獅子踊り】
東日本に広く行われる一人立ちの風流(フリユウ)獅子舞。四隅に花笠をかぶり簓(ササラ)を摺(ス)る者が立つ中で,胸に太鼓をつけ,獅子頭(シシガシラ)をかぶった者三人が踊る。
→獅子舞
獅子門
ししもん 【獅子門】
各務支考の風にならう俳人の一派。支考の号「獅子門」による名。美濃国が支考の生国で活動の中心だったので,美濃派ともいう。
獅子頭
ししがしら [3] 【獅子頭】
(1)獅子の頭の形に似せて作った木製の仮面。獅子舞に使う。しし。
(2)金魚の一品種。頭部に多くのいぼがあり,冠をかぶったように見える。背びれはない。
(3)ウラボシ科の常緑性シダ植物。葉は倒披針形の羽状葉で獅子のたてがみ状に多数根生。胞子葉は栄養葉より細長い。百足草(ムカデグサ)。鰯骨(イワシボネ)。オサバ。
獅子頭(3)[図]
獅子頭の兜
ししがしらのかぶと 【獅子頭の兜】
獅子頭{(1)}を前立(マエダテ)として付けた兜。
獅子鼻
ししばな [0] 【獅子鼻】
(1)(獅子頭{(1)}の鼻に似て)低く小鼻の広がった鼻。ししっぱな。
(2)獅子の頭部に似せて彫刻した木鼻(キバナ)。
獏
ばく【獏】
《動》a tapir.→英和
獏
ばく [1] 【貘・獏】
(1)奇蹄目バク科の哺乳類の総称。体長2〜3メートル内外。体形はカバに似る。鼻と上唇が結合して長く伸びる。体毛は短く疎生する。密林の水辺に生息し,木の実などを食う。中南米に分布するアメリカバク,東南アジアに分布するマレーバクなど。
(2)中国の想像上の動物。体形は熊に,鼻は象に,目は犀(サイ)に,尾は牛に,足は虎に似るという。人の悪夢を食うという。
貘(1)[図]
獐
のろ [1] 【麞・麕・獐】
シカ科の一種。肩高約75センチメートル。雄は長さ約20センチメートルの三本に枝分かれした角をもつ。夏毛は赤黄色,冬毛は灰褐色。ユーラシア大陸に分布。ノロジカ。
麞[図]
獣
けだもの [0] 【獣】
〔毛の物の意〕
(1)全身毛におおわれ,四肢で歩く哺乳動物。特に,野生のもの。けもの。
(2)人間らしい心のない人をののしっていう語。人でなし。「あいつは人間の皮をかぶった―だ」
獣
じゅう ジウ [1] 【獣】
けもの。けだもの。
獣
けだもの【獣】
a beast;→英和
a brute.→英和
獣
しし [1] 【獣・鹿・猪】
〔「しし(肉)」と同源〕
(1)猪(イノシシ)や鹿(シカ)など,その肉を食用にする獣の総称。「み吉野のをむろが嶽に―伏すと/古事記(下)」
(2)特に猪のこと。[季]秋。
獣
けもの [0] 【獣】
〔毛物の意〕
けだもの。
獣
けもの【獣】
a beast;→英和
an animal.→英和
獣偏
けものへん [0] 【獣偏】
漢字の偏の一。「狼」「猟」「犯」などの「犭」の部分。犬の字形が変わったもので,漢和辞典では一般に「犬」(四画)部に配列される。
獣医
じゅうい ジウ― [1] 【獣医】
⇒獣医師(ジユウイシ)
獣医
じゅうい【獣医】
<米> a veterinarian;→英和
<英> a veterinary surgeon; <話> vet.→英和
‖獣医学 veterinary science.獣医学校 a veterinary college.
獣医師
じゅういし ジウ― [3] 【獣医師】
獣医師法に基づき,飼育動物の病気を治療する者。獣医。
獣姦
じゅうかん ジウ― [0] 【獣姦】
動物を相手に行う性行為。
獣害
じゅうがい ジウ― [0] 【獣害】
ネズミ・野ウサギ・イノシシ・クマ・シカなど,けものによる農作物・樹木などへの被害。
獣帯
じゅうたい ジウ― [0] 【獣帯】
「黄道帯(コウドウタイ)」に同じ。
獣形
じゅうぎょう ジウギヤウ [0] 【獣形】
けものの形。
獣形幔
じゅうぎょうまん ジウギヤウ― [3] 【獣形幔】
朝賀・即位の大礼の時,使用する幕。白地の絹の中央に金色の太陽,その左右に,瑞雲・竜虎・麒麟(キリン)・獅子(シシ)・天馬を五色で縫いとったもの。大極殿または紫宸(シシン)殿の南の簷下(ノキシタ)にかけわたす。獣形の帽額(モコウ)。
獣心
じゅうしん ジウ― [0] 【獣心】
けもののような心。人の道をわきまえない残忍・卑劣な心。「人面―」
獣性
じゅうせい ジウ― [0] 【獣性】
(1)けもの類がもつ性質。
(2)人間がもっている肉体的欲望などの動物的な性質。
獣性
じゅうせい【獣性】
bestiality;brutality.〜を発揮する show brutality.
獣欲
じゅうよく ジウ― [0][1] 【獣欲】
けだもののような欲望。あくなき肉欲。
獣毛
じゅうもう ジウ― [0] 【獣毛】
けものの毛。
獣炭
じゅうたん ジウ― [0] 【獣炭】
(1)粉炭をねって獣の形に作ったたどん。
(2)活性炭の一種。獣の血・肉・骨などを乾留して作った黒色の炭素質の物質の総称。吸着剤として,薬用または脱臭・脱色用に用いる。骨炭・血炭など。
獣畜
じゅうちく ジウ― [0][1] 【獣畜】
野獣と家畜。けもの。
獣疫
じゅうえき ジウ― [0] 【獣疫】
家畜の伝染病。炭疽(タンソ)・狂犬病・家畜コレラなど。
獣的
じゅうてき ジウ― [0] 【獣的】 (形動)
獣のようなさま。
獣皮
じゅうひ ジウ― [1] 【獣皮】
けものの皮。
獣肉
じゅうにく ジウ― [0] 【獣肉】
けものの肉。
獣肉
じゅうにく【獣肉】
meat.→英和
獣脂
じゅうし ジウ― [1] 【獣脂】
獣類から取った脂肪。
獣脂
じゅうし【獣脂】
animal fat;grease.→英和
〜を塗る grease.→英和
獣行
じゅうこう ジウカウ [0] 【獣行】
けだもののような,残酷でみだらな行為。「―に及ぶ」
獣身
じゅうしん ジウ― [0] 【獣身】
けもののような体。また,首から下がけものの姿であること。
獣道
けものみち [3] 【獣道】
けものの往来によって,いつの間にかできた山中の細い道。「―に迷い込む」
獣類
じゅうるい ジウ― [1] 【獣類】
けだもの。けもの。
獦子鳥
あとり [0][1] 【獦子鳥・花鶏】
スズメ目アトリ科の小鳥。スズメよりやや大形で頭と背面は黒色。胸は橙褐色,腹は白色。ヨーロッパ・シベリアの北部で繁殖する。日本へは秋に渡来し,全土で越冬する。あっとり。
獫允
けんいん 【玁狁・獫允】
古代中国,北辺にいた異民族。しばしば周に侵攻。周の東遷の原因をつくった犬戎(ケンジユウ)と同一視される。
獯鬻
くんいく 【葷粥・獯鬻】
古代中国で北方に住んでいた異民族。匈奴と同一種族であるともいわれるが不明。
獰悪
どうあく ダウ― [0] 【獰悪】 (名・形動)[文]ナリ
性質や姿かたちが凶悪で,荒々しい・こと(さま)。「―な人相」「―なる夜叉の顔を/幻影の盾(漱石)」
獰猛
どうもう ダウマウ [0] 【獰猛】 (形動)[文]ナリ
強く,荒々しいさま。凶悪で乱暴なさま。「―な顔付き」「―な犬」
[派生] ――さ(名)
獰猛
ねいもう [0] 【獰猛】
「どうもう(獰猛)」の誤読。
獰猛な
どうもう【獰猛な】
fierce;→英和
savage.→英和
獲る
える [1] 【獲る】 (動ア下一)[文]ア下二 う
〔「得る」と同源〕
狩りや漁で獲物を捕らえる。
獲取
かくしゅ クワク― [1] 【獲取・攫取】 (名)スル
つかみとること。手に入れること。「巨万の怪利を―す/偽悪醜日本人(雪嶺)」
獲得
かくとく クワク― [0] 【獲得】 (名)スル
(努力や苦心の末に)手に入れること。自分のものにすること。「優勝杯を―する」「―した権利」
獲得
きゃくとく [0] 【獲得】
〔真宗での読みくせ〕
「かくとく(獲得)」に同じ。
獲得
かくとく【獲得】
acquisition.→英和
〜する acquire;→英和
get;→英和
obtain;→英和
secure.→英和
獲得免疫
かくとくめんえき クワク― [5] 【獲得免疫】
生後,感染や予防接種,抗血清の注射などにより獲得する免疫。後天性免疫。
⇔自然免疫
獲得形質
かくとくけいしつ クワク― [5] 【獲得形質】
生物が環境要因あるいは器官の用不用により得た形質で,後世に遺伝的に伝えられないもの。後天性形質。
獲物
えもの [0] 【獲物】
(1)狩りや漁で得た物。「逃がした―は大きい」
(2)戦いや勝負事に勝ってとった物。
獲物
えもの【獲物】
[狩猟]game;→英和
a bag;→英和
[漁猟]a catch;→英和
a take;→英和
[略奪品]spoils;booty;→英和
a prize.→英和
獲麟
かくりん クワク― [0] 【獲麟】
〔「麟」は麒麟(キリン)で,想像上の獣。魯(ロ)の哀公が西方に狩りをして麒麟を得たことに感心した孔子が,「春秋」に「西狩獲�麟」と書いて筆を絶ち,世を去ったことから〕
(1)絶筆。また物事の終わり。「開闢(カイビヤク)より―に至りて/正統記(神代)」
(2)孔子の死。また,一般に臨終。
獺
おそ ヲソ 【獺】
カワウソ。かわおそ。「そなたの鯉を―が喰うてないとおしやるごとく/狂言・鱸庖丁」
獺
だつ [1] 【獺】
カワウソの異名。
獺
うそ [1] 【獺】
カワウソの別名。おそ。
獺
かわうそ カハ― [0] 【獺・川獺】
イタチ科の哺乳類。頭胴長70センチメートル,尾長50センチメートル内外。体の背面は光沢のある褐色,腹面は淡褐色。四肢は短く,指の間に水かきがある。泳ぎはきわめて巧みで,魚・貝・カニなどを食べる。ユーラシアに広く分布するが,数が減っている。
獺[図]
獺の祭
おそのまつり ヲソ― [1] 【獺の祭(り)】
「川獺(カワウソ)の祭り」に同じ。[季]冬。
獺の祭
かわうそのまつり カハ― [0] 【獺の祭(り)】
〔礼記(王制・月令)「獺祭�魚」〕
⇒獺祭(ダツサイ)
獺の祭り
おそのまつり ヲソ― [1] 【獺の祭(り)】
「川獺(カワウソ)の祭り」に同じ。[季]冬。
獺の祭り
かわうそのまつり カハ― [0] 【獺の祭(り)】
〔礼記(王制・月令)「獺祭�魚」〕
⇒獺祭(ダツサイ)
獺祭
だっさい [0] 【獺祭】
「獺祭魚」の略。かわうその祭り。
獺祭忌
だっさいき [3] 【獺祭忌】
〔正岡子規が獺祭書屋主人と号したことから〕
子規の忌日。九月一九日。[季]秋。
獺祭魚
だっさいぎょ [3] 【獺祭魚】
(1)〔礼記(王制・月令)「孟春之月…獺祭�魚」〕
獺(カワウソ)が捕らえた魚を川岸に並べること。人が祭りのときに物を供えることに見立てていう。獺祭。
(2)〔談苑「李商隠為�文,多検�閲書冊�,左右鱗次,号�獺祭魚�」より〕
詩文を作る時に座の左右に多くの参考書を並べ広げること。また,詩文に多くの故事を引くこと。
獼猴
びこう [0] 【獼猴】
猿。
玁狁
けんいん 【玁狁・獫允】
古代中国,北辺にいた異民族。しばしば周に侵攻。周の東遷の原因をつくった犬戎(ケンジユウ)と同一視される。
玄
げん [1] 【玄】
(1)黒い色。黒。
(2)天。「黄に満ち―に満てり/三教指帰」
(3)老荘思想の根本概念。万物の根源としての道。
(4)奥深くて微妙なこと。深遠な道理。「―を談じ理を折(ヒラ)く/太平記 1」
(5)陰暦九月の異名。
(6)〔多く,名に「玄」のつくことからという〕
遊里で,医者のこと。また,多くの僧は遊里へ行く時に医者の姿をしていたことから,僧のこと。玄様。「浅草あたりの―いろ里にうかれゆきけるに/浮世草子・新吉原常々草」
玄々集
げんげんしゅう 【玄々集】
歌集。一巻。能因撰。1045〜46年頃成立。歌の師である藤原長能をはじめ道綱母ら能因と関連の深い九二人の秀歌を集めた私撰集。能因玄々集。
玄がる
くろが・る 【黒がる・玄がる】 (動ラ四)
玄人(クロウト)のふりをする。粋人ぶる。「―・るはすいにあらず/洒落本・間似合早粋」
玄上
げんじょう ゲンジヤウ 【玄象・玄上】
琵琶(ビワ)の名器の名。唐より伝来したといい,これにまつわる不思議な伝説が多い。「―・師子丸・青山三面の琵琶を相伝して/平家 7」
玄人
くろうと【玄人】
an expert <in[at]mah-jong> ;→英和
a professional (専門家);→英和
<話> a pro;→英和
a specialist;→英和
a woman of gay quarters (商売女).
玄人
くろと [1] 【玄人】
「くろうと(玄人)」に同じ。
⇔素人(シロト)
玄人
くろうと [1][2] 【玄人】
〔「くろと」とも〕
(1)一つの物事に熟達した人。専門家。本職。「―も顔負けするほどの腕」「―芸」
(2)芸者や娼妓など,水商売の女。「―じみた女」
⇔素人(シロウト)
玄人相場
くろうとそうば [5] 【玄人相場】
機関投資家や相場の経験をもつ玄人でなければ手出しできないようなむずかしい相場。
→大衆相場
玄人筋
くろうとすじ [4][5] 【玄人筋】
ある分野の専門家である人々。玄人と呼ばれる人々。「―に好まれる芸風」
玄人跣
くろうとはだし [1][5] 【玄人跣】
〔玄人がはだしで逃げる意〕
素人(シロウト)なのに,本職が恥ずかしくなるほど,技芸や学問などにすぐれていること。
玄元皇帝
げんげんこうてい 【玄元皇帝】
中国,唐の天宝年間に老子につけられた尊号。
玄兎
げんと [1] 【玄兎】
月の異名。
玄冬
げんとう [0] 【玄冬】
〔「けんとう」とも〕
冬の異名。
玄冶店
げんやだな 【玄冶店】
歌舞伎「与話情浮名横櫛(ヨワナサケウキナノヨコグシ)」四幕目「源氏店(ゲンジダナ)の場」の通称。
玄同
げんどう [0] 【玄同】
〔老子「和�其光�,同�其塵�,是謂�玄同�」より〕
彼我の差別を立てることなく俗世間と一体になること。和光同塵。
玄同放言
げんどうほうげん 【玄同放言】
随筆。三巻六冊。滝沢.馬琴著。渡辺崋山ら画。1818〜20年刊。天・地・植物・人事・器用・動物・雑の各部類,八五編の考証を収める。
玄圃
げんぽ [1] 【玄圃】
〔淮南子(覧冥訓)〕
中国の崑崙(コンロン)山上にあるという仙人の住む場所。
玄圃梨
けんぽなし [3] 【玄圃梨】
クロウメモドキ科の落葉高木。山野に生える。葉は広卵形。夏,小枝の先に多数の淡緑色の小花を散房花序につけ,球形の核果を結ぶ。果軸は肥厚して多肉となり食べられる。テンポナシ。
玄奘
げんじょう ゲンジヤウ 【玄奘】
(602-664) 中国,唐代初期の僧。経典漢訳者の代表的人物で,後世,法相・倶舎両宗の開祖とされる。629年長安を出発し,西域を経てインドに入り,戒賢について唯識の思想などを学ぶ。645年に仏舎利・仏像および経論を携えて帰国し,太宗の庇護のもとに「大般若経」「瑜珈師地論」などの仏典を漢訳。インド旅行記である「大唐西域記」は地誌的資料としても重要。のちにその旅を素材にして「西遊記」が作られた。玄奘三蔵。三蔵法師。
玄奥
げんおう [0] 【玄奥】
奥深く,はかり知れないこと。奥深い道理。
玄妙
げんみょう [0] 【玄妙】 (形動)[文]ナリ
道理や技芸が,奥深く微妙なさま。「禅家に悟道などの事ありて,其理頗(スコブ)る―なる由/学問ノススメ(諭吉)」
[派生] ――さ(名)
玄学
げんがく [0] 【玄学】
〔深遠な学問の意から〕
老荘の学。「老子」「荘子」に「易経」を加えて三玄の学ともいう。老荘思想を以て儒教経典を解釈する学問で,魏晋南北朝時代に仏教とともに隆盛をみた。魏の王弼(オウヒツ)や何晏(カアン),晋の郭象らの学問。
玄孫
げんそん [0] 【玄孫】
孫の孫。曾孫の子。やしゃご。
玄孫
やしわご ヤシハ― 【玄孫】
やしゃご。玄孫(ゲンソン)。[和名抄]
玄孫
やしゃご [0] 【玄孫】
〔「やしわご」の転〕
孫の孫。曾孫の子。
玄宗
げんそう 【玄宗】
(685-762) 唐の第六代皇帝(在位 712-756)。姓名は李隆基。睿宗(エイソウ)の第三子。韋后(イコウ)を殺して父を復位させ,譲られて即位。諸制度の改革を行い「開元の治」と称された。晩年は楊貴妃(ヨウキヒ)に溺れて安史の乱を招き,四川へ脱出。子の粛宗(シユクソウ)に譲位した。
玄室
げんしつ [0] 【玄室】
古墳の中の棺をおさめる室。玄宮。
玄徳
げんとく [0] 【玄徳】
(1)奥深い徳。
(2)天地の奥深い道理。
玄応
げんのう ゲンオウ 【玄応】
唐代の僧。玄奘(ゲンジヨウ)のもとで経典漢訳に参加。著「一切経音義(玄応音義)」など。生没年未詳。
玄恵
げんね ゲンヱ 【玄慧・玄恵】
⇒げんえ(玄慧)
玄恵
げんえ ゲンヱ 【玄慧・玄恵】
(?-1350)
〔「げんね」とも〕
鎌倉後期の天台宗の僧。京都の人。一説に虎関師錬(コカンシレン)の弟という。禅宗に心を寄せ,宋学にも詳しく,後醍醐天皇の侍読をつとめ,のち幕府に重んぜられて建武式目の制定に尽力。「庭訓往来」「喫茶往来」の作者,「太平記」の補作者とする説があるが,いずれも確証はない。
玄慧
げんね ゲンヱ 【玄慧・玄恵】
⇒げんえ(玄慧)
玄慧
げんえ ゲンヱ 【玄慧・玄恵】
(?-1350)
〔「げんね」とも〕
鎌倉後期の天台宗の僧。京都の人。一説に虎関師錬(コカンシレン)の弟という。禅宗に心を寄せ,宋学にも詳しく,後醍醐天皇の侍読をつとめ,のち幕府に重んぜられて建武式目の制定に尽力。「庭訓往来」「喫茶往来」の作者,「太平記」の補作者とする説があるが,いずれも確証はない。
玄旨
げんし [1] 【玄旨】
奥深い内容。奥深い道理。
玄旨帰命壇
げんしきみょうだん [5] 【玄旨帰命壇】
〔仏〕 中世の天台宗の一部で行われた秘法。摩多羅神(マタラジン)を本尊として,奥義を口伝した。中世天台の現実肯定的傾向が強く,のちには真言宗の異端立川流などの影響を受けて欲望を積極的に評価し,江戸中期には邪教として禁圧された。
玄昉
げんぼう ゲンバウ 【玄昉】
(?-746) 奈良時代の法相宗の僧。大和の阿刀(アト)氏出身。716年入唐,735年帰朝。皇太夫人藤原宮子の病を快癒させ栄進,権勢をふるったことで藤原広嗣(ヒロツグ)の乱の因となった。のち筑紫観世音寺に左遷。
玄昌石
げんしょうせき ゲンシヤウ― [3] 【玄昌石】
雄勝石(オカツイシ)の別名。
玄様
げんさま 【玄様】
〔医者に変装し,医者風に「玄」のつく名に変えて遊郭に通ったことから〕
江戸時代,吉原で僧侶の客をいう。玄。
玄樹
げんじゅ 【玄樹】
⇒桂庵(ケイアン)玄樹
玄機
げんき [1] 【玄機】
奥深い道理。
玄武
げんぶ [1] 【玄武】
〔「げんむ」とも〕
(1)四方をつかさどる天の四神(シジン)の一。水の神で,亀,のちには亀に蛇が巻きついた姿で表され,北に配する。
(2)二十八宿のうち,北方七宿の総称。
玄武(1)[図]
玄武岩
げんぶがん [3] 【玄武岩】
〔兵庫県の玄武洞に由来する命名〕
塩基性の火山岩。斜長石・輝石・橄欖(カンラン)石を含み,緻密で,暗灰色ないし黒色。火山岩のうち最も多く,世界各地に産する。
玄武岩
げんぶがん【玄武岩】
basalt.→英和
玄武洞
げんぶどう 【玄武洞】
兵庫県豊岡市,円山川下流の東岸にある洞窟。橄欖(カンラン)石玄武岩からなり,断面が亀甲に類似した六〜八角形の柱状節理が見られる。天然記念物。
玄水
げんすい 【玄水】
「間水(ケンズイ){(3)}」に同じ。「打銚子に―をたぶたぶと入て来れり/雑談 3」
玄洋社
げんようしゃ ゲンヤウ― 【玄洋社】
頭山満(トウヤマミツル)を中心とする右翼団体。1881年(明治14)自由民権運動の一翼として発足。次第に右傾化し大陸進出を推進した。1946年(昭和21)解散。
玄海国定公園
げんかいこくていこうえん 【玄海国定公園】
福岡県と佐賀県にまたがり,玄界灘に臨む海岸を中心とする国定公園。白砂青松の弧状海岸やリアス式海岸,海食洞などの景観美をもつ。
玄猪
げんちょ [1] 【玄猪】
陰暦十月の亥(イ)の日。また,その日に食べる餅。[季]冬。
→亥の子
玄玄
げんげん [0] 【玄玄】 (名・形動タリ)
きわめて奥深いこと。深くはかり知れないさま。「妙の一字は不可得不可思議の間に出て―のうちに有なり/ひとりね」
玄理
げんり [1] 【玄理】
深遠な真理。「―を談じて高尚なる可きに非ず/学問ノススメ(諭吉)」
玄界灘
げんかいなだ 【玄界灘】
九州北方,対馬海峡から響灘に至る海域。冬は季節風で荒れる。
玄米
くろごめ [0][2] 【黒米・玄米】
精白してない米。げんまい。
玄米
げんまい【玄米】
brown rice.玄米パン brown-rice bread.
玄米
げんまい [1][0] 【玄米】
もみがらを取り去っただけの,精白していない米。
玄米パン
げんまいパン [3] 【玄米―】
小麦粉に玄米粉を混ぜて作った蒸しパン。
玄米茶
げんまいちゃ [3] 【玄米茶】
番茶または下級煎茶に,焙(ホウ)じた玄米を混ぜた茶。
玄義
げんぎ [1] 【玄義】
(1)〔仏〕 奥深い教義。奥深い意味。
(2)キリスト教で,神によって啓示され,人の知識だけでは理解しがたい信仰の奥義をいう。
玄翁
げんのう ゲンヲウ 【玄翁・源翁】
南北朝時代頃の曹洞宗の僧。諱(イミナ)は心昭。越後の人。遊行中,下野(シモツケ)那須野の殺生石を杖で打ち砕いたという。生没年未詳。
→殺生石
玄翁
げんのう【玄翁】
a hammer.→英和
玄能
げんのう [3][0] 【玄能】
〔玄翁和尚が殺生石を割るのに用いたという伝説から〕
頭の両端にとがりのない金づち。大工や石工が鑿(ノミ)を叩いたり石を割るときなどに用いる。
→金槌(カナヅチ)
玄蕃
げんば [1] 【玄蕃】
(1)「玄蕃寮」の略。
(2)「玄蕃桶(オケ)」の略。
玄蕃寮
げんばりょう [3] 【玄蕃寮】
律令制で,治部省に属し,僧尼の監督,外国使節の接待などをつかさどった官司。玄蕃。
玄蕃桶
げんばおけ [4] 【玄蕃桶】
江戸時代,火災などの際,水を入れて担ぎ運んだ大形の桶。玄蕃。
玄蕃石
げんばいし [3] 【玄蕃石】
敷石やふた石などに用いる長方形の板石。
玄裳縞衣
げんしょうこうい ゲンシヤウカウイ 【玄裳縞衣】
〔蘇軾「後赤壁賦」より〕
黒色の裳(モ)と白色の上衣。転じて,鶴をいう語。
玄覧
げんらん [0] 【玄覧】
天子が見ることを敬っていう語。
玄言
げんげん [0] 【玄言】
「玄語(ゲンゴ)」に同じ。
玄言詩
げんげんし [3] 【玄言詩】
老荘思想を主題とし,老荘の用語を用いた詩。
玄語
げんご 【玄語】
(1)〔奥深い意味をもつ言葉の意から〕
老荘の説く道理。玄言。
(2)江戸時代,三浦梅園の著した哲学書。二八編。1753〜75年成立。
玄談
げんだん [0] 【玄談】
(1)〔仏〕 経論を講ずる前に,題号・著者・大意など,その経にまつわる深義を説明すること。開題。
(2)奥深い真理に関しての話。特に老荘思想についていう。
玄象
げんじょう ゲンジヤウ 【絃上・玄象】
〔「けんじょう」「げんしょう」とも〕
能の一。五番目物。作者未詳。藤原師長(モロナガ)が琵琶(ビワ)の奥義を究めようと入唐を思い立ち,思い出に須磨(スマ)の月を見に行くと,村上天皇が老人となって現れ,師長の入唐を断念させる。
玄象
げんじょう ゲンジヤウ 【玄象・玄上】
琵琶(ビワ)の名器の名。唐より伝来したといい,これにまつわる不思議な伝説が多い。「―・師子丸・青山三面の琵琶を相伝して/平家 7」
玄賓
げんぴん 【玄賓】
〔「げんびん」とも〕
(1)(?-818) 平安時代初期の法相宗の僧。河内の人。弓削(ユゲ)氏。名利を厭(イト)って隠遁したがその高徳は歴代天皇に慕われた。法相六祖の一人。
(2)「玄賓僧都(ソウズ)」の略。
玄賓僧都
げんぴんそうず 【玄賓僧都】
〔その姿が玄賓の隠遁姿に似るからとも,玄賓の創案によるからともいう〕
「案山子(カカシ)」のこと。玄賓。「いい実のり―首ばかり/柳多留 82」
玄趣
げんしゅ [1] 【玄趣】
奥深いおもむき。
玄輝門
げんきもん 【玄輝門】
平安京内裏内郭十二門の一。北側中央にあり外郭の朔平門と向かい合う。古くは女官の通用門。
→内裏
玄門
げんもん [0] 【玄門】
〔玄妙な法門の意〕
仏法。仏の教え。
玄関
げんかん【玄関】
the (front) door (入口);→英和
the entrance;→英和
[入口の室・土間]the hall;→英和
the vestibule.→英和
〜払いをくわせる turn <a visitor> away at the door.
玄関
げんかん [1] 【玄関】
〔近世には「げんか」とも〕
(1)一般に,建物の正面の出入り口。
(2)〔仏〕
(ア)禅にはいる入り口。禅学の入門。
(イ)禅寺の方丈に突出して設けられた,出入りのためのところ。門。
(ウ)禅修行の過程で重要ないし困難な部分。
(3)近世の住宅で,式台の前の駕籠(カゴ)をおろすための低い板敷きの部分。また,式台を含めた出入り口の全体。
(4)〔玄関を構えることを許されていたことから〕
江戸の町名主をいう。
〔(2)が原義〕
玄関先
げんかんさき [0][3] 【玄関先】
玄関のあたり。
玄関払い
げんかんばらい [5] 【玄関払い】
訪問者を主人が面会しないで帰すこと。「―を食う」
玄関番
げんかんばん [3][0] 【玄関番】
玄関にいて客の取次などをする人。玄関子。「―の書生/花間鶯(鉄腸)」
玄鳥
げんちょう [0] 【玄鳥】
ツバメの異名。
玄麦
げんばく [0] 【玄麦】
精白していない麦。
玄黄
げんこう [0] 【玄黄】
(1)天の黒い色と大地の黄色と。天と地と。
(2)〔黒い馬が病気をすると黄変するということから〕
馬の病気の名。
率
りつ [1] 【率】
割合。歩合。「―のいい仕事」「課税の―を変更する」
率
りつ【率】
a rate;→英和
a ratio;→英和
a percentage.→英和
〜で at a[the]rate <of> .〜が良い(悪い) show a good (poor) rate.
率いる
ひきいる【率いる】
lead;→英和
command.→英和
…を率いて at the head of….
率いる
ひき・いる ヒキヰル [3] 【率いる】 (動ア上一)[文]ワ上一
〔「引き率(イ)る」の意〕
大勢の人を引き連れる。指揮をとる。統率する。「生徒を―・いて,遠足に行く」「チームを―・いる」「そのわたりの家のむすめなど―・ゐて来て/枕草子 99」
率す
そっ・す 【率す】 (動サ変)
ひきいる。引き連れて行く。「数百騎の勢を―・して登山す/平家 6」
率ふ
あども・う アドモフ 【率ふ】 (動ハ四)
声をかけて引率する。「御軍士(ミイクサ)を―・ひたまひ/万葉 199」
率る
いる ヰル 【率る・将る】 (動ワ上一)
いっしょに連れて行く。ひきつれる。伴う。「この君達をさへや,知らぬ所に〈ゐ〉て渡し給はむと,危し/源氏(夕霧)」
率先
そっせん [0] 【率先・帥先】 (名)スル
人の先頭に立って物事を行うこと。「―して励行する」
率先
しゅっせん [0] 【率先】 (名)スル
〔「しゅつ」は漢音〕
「そっせん(率先)」に同じ。「衆庶に―し/新聞雑誌 34」
率先する
そっせん【率先する】
take the lead <in doing> ;→英和
be the first <to do> ;→英和
set an example <to others> .→英和
率先垂範
そっせんすいはん [0] 【率先垂範】
先に立って模範を示すこと。
率先躬行
そっせんきゅうこう [0] 【率先躬行】
先に立って実践すること。
率分
りつぶん [0] 【率分】
(1)割合。分数。りちぶん。
(2)平安時代,大蔵省の正倉に納める諸国からの官物のうち,一〇分の二を割いて率分所に収納したこと。正蔵率分。
率分所
りつぶんしょ [0] 【率分所】
平安時代,大蔵省に付属した税の収納庫。非常に備えて,率分を備蓄した。率分堂。
→大内裏
率励
そつれい [0] 【率励】
自ら先頭に立ち人々を励ますこと。
率土
そっと [1] 【率土】
「率土の浜(ヒン)」の略。「普天の下―の内/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
率土
そつど [1] 【率土】
⇒そっと(率土)
率土の浜
そっとのひん 【率土の浜】
陸地の果て。陸地の続く限り。領地の果て。国土。
率寝
い・ぬ ヰ― 【率寝】 (動ナ下二)
(男が女を)連れて行って一緒に寝る。「我が―・ねし妹は忘れじ/古事記(上)」
率川
いざかわ 【率川・伊邪河】
奈良市の春日山に発し西流する佐保川の支流。開化天皇の春日率川坂本陵,率川神社などが近くにある。
率然
そつぜん [0] 【卒然・率然】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)だしぬけなさま。にわかなさま。突然。「―として悟りを開いた」
(2)あわてるさま。「襖の音に,女は―と蝶から眼を余の方に転じた/草枕(漱石)」
率爾
そつじ [0][1] 【卒爾・率爾】 (名・形動)[文]ナリ
(1)予期していないことが突然起こる・こと(さま)。にわか。「明日の御幸もあまり―に存じ候ふ/平家 9」
(2)注意や思慮を欠く・こと(さま)。軽率。「奥深き宗清の心をはからず―の雑言/浄瑠璃・平家女護島」
(3)失礼なおこないをする・こと(さま)。失礼。無礼。「客僧達に―申し,余りに面目もなく覚え候ふ程に/歌舞伎・勧進帳」
率由
そつゆう [0] 【率由】 (名)スル
前例からはずれないようにすること。「むしろ穏健なる常識に―して/我邦現今の文芸界に於ける批評家の本務(樗牛)」
率直
そっちょく [0] 【率直】 (名・形動)[文]ナリ
飾ったりつくろったりしないこと。また,そのさま。素直でありのままであるさま。「―に言う」「―な人柄」
[派生] ――さ(名)
率直な
そっちょく【率直な】
frank;→英和
outspoken;→英和
straightforward;→英和
openhearted.〜に honestly;→英和
frankly;straightforward.〜に言えば frankly speaking;to be frank <with you> .
玉
ぎょく [0] 【玉】
(1)宝石。特に,中国などで尊ばれる硬玉・軟玉の類。
(2)飲食店などで,鶏卵。また,特に卵焼きのにぎり鮨(ズシ)。
(3) [1]
取引用語。
(ア)取引所で売買される株や商品のこと。
(イ)取引所で売買を約定された株式や商品。また,その数量。
(ウ)「建て玉(ギヨク)」の略。
(4) [1]
将棋で,「玉将」の略。
(5)花柳界で,芸者のこと。また「玉代(ギヨクダイ)」の略。「―を付ける」
玉
たま [2] 【玉・珠・球・弾】
(1)球形のもの。
(ア)丸い形状のもの。また,丸い形状にしたもの。《玉》「目の―」「こんにゃく―」「毛糸の―」「うどん―」
(イ)特に,水滴・涙など球状のもの。《玉》「―の汗」「涙の―」「―の露」
(ウ)野球・ゴルフ・ビリヤードなどのボール。《球》「沈む―」「速い―を投げる」
(エ)(「弾丸」とも書く)鉄砲の弾丸。《弾》「―をこめる」
(オ)電球。《球》「―がきれる」(カ)眼鏡などのレンズ。《玉》「―がくもる」(キ)算盤(ソロバン)玉のこと。《玉・珠》「―を置く」(ク)睾丸(コウガン)。きんたま。《玉》「―を抜く」
(2)(「璧」とも書く)丸い形をした美しい宝石。《玉・珠》
(ア)みがいた鉱石や真珠など。「―をちりばめる」「竜の頸に五色にひかる―あり/竹取」
(イ)転じて,価値あるもの,すぐれたもの,いつくしむべきもの,などのたとえにいう語。「掌中の―」「―のような男の子」「艱難(カンナン)汝(ナンジ)を―にす」
(3)女性のこと。また,女性の美しさ。《玉》「美しき―を盗み親分に預け/洒落本・客者評判記」
(4)芸者や遊女など客商売の女性。《玉》「上―」
(5)人物。その人品や器量をうんぬんする時にいう語。あざけっていう場合にも用いる。《玉》「その役がつとまる―ではない」「あいつもいい―だぜ」
(6)計略・策略などの手段に用いる,人や金銭。「このにせ金を―に使うて/歌舞伎・韓人漢文」
(7)玉落ちに使う丸めた紙。
→玉落ち
(8)名詞の上に付けて接頭語的に用いる。《玉》
(ア)美しいもの,すぐれているものをほめていう。「―垣」「―くしげ」
(イ)球形のものである意を添える。「―砂利」「―ねぎ」
玉
ぎょく【玉】
(1)[石]a gem[jewel];→英和
jade.→英和
(2)[相場]shares bought[sold].
玉あられ
たまあられ 【玉あられ】
語学書。本居宣長著。1792年刊。一〇〇余項の単語・言葉遣いについて,平安時代における意味と用法を説き,歌文の作法の規範を示す。
玉かぎる
たまかぎる 【玉かぎる】 (枕詞)
玉が微光を放つ意から「夕」「日」「ほのか」「岩垣淵」などにかかる。「―昨日の夕見しものを/万葉 2391」「―日も重なりて/万葉 3250」
玉くしげ
たまくしげ 【玉くしげ】
国学書。一冊。本居宣長著。1789年刊。国を治める心構えを,宣長の古道説によって論じたもの。政治意見書「秘本玉くしげ」に添えて,87年紀州侯徳川治貞に贈られた。
玉せせり
たませせり 【玉せせり】
⇒玉取祭(タマトリマツリ)
玉の井
たまのい タマノヰ 【玉の井】
東京都墨田区東向島にあった私娼街。永井荷風作「濹東綺譚」の舞台として知られる。
玉の井
たまのい 【玉の井】
井戸の美称。
玉の台
たまのうてな 【玉の台】
(1)立派な御殿。玉楼。「―をも見む/竹取」
(2)天皇の位。帝位。
玉の塵
たまのちり 【玉の塵】
雪を玉のくだけた塵にたとえた語。玉塵(ギヨクジン)。「―敷く庭の雪かな/夫木 18」
玉の小櫛
たまのおぐし 【玉の小櫛】
「源氏物語玉の小櫛」の略称。
玉の小琴
たまのおごと 【玉の小琴】
「万葉集玉の小琴」の略称。
玉の巵
たまのさかずき 【玉の杯・玉の巵】
宝玉で作ったさかずき。また,立派なさかずき。
玉の帯
ごくのおび 【玉の帯】
束帯の時,袍(ホウ)の上から締める玉石で飾った革製の帯。三位(サンミ)・参議以上の人が用いた。
玉の帯
たまのおび [4] 【玉の帯】
⇒石帯(セキタイ)
玉の杯
たまのさかずき 【玉の杯・玉の巵】
宝玉で作ったさかずき。また,立派なさかずき。
玉の汗
たまのあせ [4] 【玉の汗】
玉のような大粒の汗。[季]夏。
玉の浦
たまのうら 【玉の浦】
(1)和歌山県那智勝浦町の海浜。((歌枕))「我(ア)が恋ふる妹(イモ)は逢はさず―に衣片敷きひとりかも寝む/万葉 1692」
(2)万葉集に見える地名。岡山県倉敷市付近の海浜とも広島県尾道付近ともいう。
玉の簪
たまのかんざし [0] 【玉の簪】
ユリ科の多年草。中国原産。ギボウシの類で,葉は長楕円形で大きく,太い柄がある。八〜九月,狭漏斗形で六弁の白い花を総状につける。花は夜咲きで香りがある。
玉の緒
たまのお [3] 【玉の緒】
(1)玉をつらぬいた糸。また,特に宝玉の首飾り。
(2)〔「魂の緒」の意〕
いのち。生命。「なかなかに恋に死なずは桑子にぞなるべかりける―ばかり/伊勢 14」
(3)植物ミセバヤの別名。[季]秋。
玉の緒の
たまのおの 【玉の緒の】 (枕詞)
比喩的に「長し」「短し」「絶ゆ」「乱る」「間も置かず」「継ぐ」「惜し」などにかかる。また「うつし心」(かかり方未詳)の例もある。「―長き春日を思ひ暮らさく/万葉 936」「―絶えじい妹と結びてしことは果たさず/万葉 481」「―現し心や年月の行きかはるまで妹に逢はざらむ/万葉 2792」
玉の緒柳
たまのおやなぎ [5] 【玉の緒柳】
〔柳の露を玉の緒に見たてた語〕
柳の美称。「山賤(ヤマガツ)の片岡かけてしむる野の境に立てる―/新古今(雑中)」
玉の緒繰分
たまのおくりわけ タマノヲ― 【玉の緒繰分】
語学書。東条義門著。五巻。1841年刊。自著「てにをは友鏡」の解説書。本居宣長の「詞玉緒」の誤りを正し,用例を補っている。
玉の肌
たまのはだ [4] 【玉の肌・玉の膚】
玉のようにきれいな肌。主に若い女性の,美しい色つやのよい皮膚をほめていう。たまのはだえ。たまはだ。
玉の膚
たまのはだ [4] 【玉の肌・玉の膚】
玉のようにきれいな肌。主に若い女性の,美しい色つやのよい皮膚をほめていう。たまのはだえ。たまはだ。
玉の輿
たまのこし [0] 【玉の輿】
(1)貴人の乗る美しい立派な輿。
(2)女性が結婚によって得る富貴の身分。
玉の輿に乗る
たまのこし【玉の輿に乗る】
marry into the purple[a family of rank].→英和
玉サボテン
たまサボテン [3] 【玉―】
サボテン科エキノカクタス属の多肉植物。北米南部からメキシコの乾燥地に九種が生育する。茎は球状に肥大し,鋭い刺がある。近縁の別属で観賞用に栽培される小形・球状のものを含むこともある。エキノカクタス。金鯱。
玉ラシャ
たまラシャ [0] 【玉―】
布面に波状の毛羽のある厚地の紡毛織物。柔軟で厚みのある毛織物。主に外套用。
玉串
たまぐし【玉串】
<offer> a sprig of the sacred tree.
玉串
たまぐし [2] 【玉串】
(1)木綿(ユウ)または紙をつけて神前にささげる,榊(サカキ)の枝。「―をささげる」
(2)植物サカキの異名。「神風や―のはをとりかざし/新古今(神祇)」
玉串(1)[図]
玉串料
たまぐしりょう [4] 【玉串料】
神道の儀式で,神前にささげる供物。
玉乗り
たまのり [3][4] 【球乗り・玉乗り】
曲芸の一。大きな球の上に乗り,それを転がしながら種々の芸を演じる。
玉乗り
たまのり【玉乗り】
[人]a balancer[dancer]on a ball.→英和
玉井
たまのい タマノヰ 【玉井】
能の一。脇能物。観世小次郎信光作。海幸山幸の伝説に取材。彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)がなくした釣り針を求めて竜宮へ行き,玉の井のほとりで豊玉姫に会って結ばれ釣り針をとり戻して帰る。
玉人
ぎょくじん [0] 【玉人】
(1)玉を加工する職人。玉工。
(2)玉のように美しい人。美人。また,人格の高潔な人。
玉什
ぎょくじゅう [0] 【玉什】
〔「什」は,詩経の雅・頌(シヨウ)各一〇編の称。のち,詩の意に転じた〕
立派な詩歌。また,他人の詩歌を敬っていう語。玉詠。玉吟。
玉代
ぎょくだい [0] 【玉代】
芸者・娼妓(シヨウギ)の揚げ代。玉(ギヨク)。花代。
玉体
ぎょくたい [0] 【玉体】
(1)玉のように美しいからだ。
(2)天子や貴人のからだ。また,相手を敬ってそのからだをいう。
玉作
たまつくり [3] 【玉作・玉造】
「玉作部(ベ)」の略。
玉作部
たまつくりべ [5] 【玉作部】
大化前代,玉やガラスの装飾具の製造に従事して朝廷につかえた部民。たますりべ。
玉佩
ぎょくはい [0] 【玉佩】
即位・大嘗会(ダイジヨウエ)などの儀式の際に,礼服につけた飾り。五色の玉を貫いた組糸五本を金銅の花形につないで胸から足先に垂らし,歩くと沓(クツ)先に当たって音をたてる。天皇は左右に二本,臣下は右に一本下げる。
玉佩[図]
玉依姫
たまよりびめ 【玉依姫】
〔「たま」は「魂」の意。神霊を宿した巫女を一般的に称したものか〕
(1)記紀神話で,綿津見神の次女。姉の豊玉姫命の子鸕鷀草葺不合尊(ウガヤフキアエズノミコト)の妻として神武天皇などを生んだ。
(2)風土記に見える神。賀茂健角身命(カモタケツヌミノミコト)と伊古夜日売(イカコヤヒメ)との娘。丹塗矢(ニヌリヤ)となって通った火雷神(ホノイカズチノカミ)との間に,賀茂別雷命(カモワケイカズチノミコト)を生んだ。
玉偏
ぎょくへん [0] 【玉偏】
⇒たまへん(玉偏)
玉偏
たまへん [0] 【玉偏】
〔「�」は「玉」が偏になったときの形。「おうへん」は俗称〕
漢字の偏の一。「珠」「琢」「珍」などの「�」の部分。ぎょくへん。
玉兎
ぎょくと [1] 【玉兎】
〔月の中にウサギが棲(ス)むという伝説に基づく〕
月の異名。
玉兎
たまうさぎ 【玉兎】
歌舞伎舞踊の一。清元。本名題「玉兎月影勝(タマウサギツキノカゲカツ)」。二世桜田治助作詞。1820年江戸中村座初演。兎が影勝団子をつき狸退治の模様を踊る変化物。
玉入れ
たまいれ [3][0] 【玉入れ】
小学校などの運動会で,紅白に分かれて,竿の先につけた籠の中にそれぞれの玉を投げ入れ,入った数をきそう競技。
玉冠
ぎょっかん ギヨククワン [0] 【玉冠】
(1)玉で飾った冠。美しい冠。
(2)「冕冠(ベンカン)」に同じ。
(3)「礼冠(ライカン)」に同じ。
玉切り
たまぎり [0] 【玉切り】
立木の伐倒後,枝払いをし,木の特徴に合わせ規定の寸法に切断して素材丸太にすること。切断された丸太を玉という。
玉前神社
たまさきじんじゃ 【玉前神社】
千葉県一宮(イチノミヤ)町にある神社。祭神は玉埼神(タマサキノカミ)(玉依姫命(タマヨリヒメノミコト))。上総国の一の宮。九月一三日の例祭に行われる裸祭りは有名。
玉勝間
たまかつま 【玉勝間】
随筆集。本居宣長著。一四巻,目録一冊。1793年起稿し没年の1801年まで書き続けた。内容は学問・思想の全般にわたり,宣長の人生観・古道観・芸術論などを知ることができる。
玉勝間
たまかつま 【玉勝間】
■一■ (名)
〔「たま」は美称〕
目の細かい籠(カゴ)。
→かつま
■二■ (枕詞)
「勝間」の蓋と身とが合うところからとも,編み目が固く編み合わされてしまっていることからともいい,「逢ふ」「安倍島山」「島熊山」などにかかる。「―逢はむと言ふは誰なるか/万葉 2916」「―島熊山の夕暮れに/万葉 3193」
玉叉手
たまさで [0] 【玉叉手】
小魚を捕る小さい円形の手網。たもあみ。
玉取り
たまとり [4][3] 【玉取り】
数個の玉を手玉に取って巧みにもてあそぶ曲芸。品玉(シナダマ)。弄丸(ロウガン)。
玉取祭
たまとりまつり 【玉取祭】
福岡県福岡市の筥崎(ハコザキ)神宮で一月三日に行われる祭り。石や木の玉を取り合って一年の吉凶を占い,福をあずかろうとする神事。たませせり。
玉台
ぎょくだい [0] 【玉台】
玉で飾った美しい楼台。特に,天帝の宮殿にあるとされるもの。たまのうてな。
玉台新詠
ぎょくだいしんえい 【玉台新詠】
中国の古詩選集。一〇巻。梁(リヨウ)の簡文帝の命令で,徐陵が漢魏六朝時代の男女の情愛にかかわる艶体の詩を編集したもの。530年頃成立。梁の昭明太子の「文選(モンゼン)」とともに後世の文学に大きな影響を与えた。
玉名
たまな 【玉名】
熊本県北西部,島原湾に面する市。近世,菊池川の河港として発達。ノリ・貝の養殖,ミカン・ブドウ栽培,印刷・食品業が産業の中心。
玉味噌
たまみそ [0] 【玉味噌】
ソラマメを用いた味噌。団子に丸め,藁苞(ワラヅト)に包んで煙の通るかまどのそばに置き,一〜二年熟成させる。長持ちするが,臭く品質は悪い。みそだま。
玉器
ぎょっき ギヨク― [1] 【玉器】
玉製の器物。
玉囃す
たまはやす 【玉囃す】 (枕詞)
地名「武庫(ムコ)」にかかる。語義・かかり方未詳。「―武庫の渡りに天伝ふ/万葉 3895」
玉坏
たまつき 【玉坏】
玉で作ったつき。また,立派なつき。
玉垂れ
たまだれ [0] 【玉垂れ】
玉飾りのあるすだれ。また,すだれの美称。玉すだれ。
玉垂れの
たまだれの 【玉垂れの】 (枕詞)
「玉垂れの緒」ということから,地名「越智(オチ)」「小簾(オス)」などにかかる。「―越智野過ぎ行く/万葉 195」「―小簾(オス)の間通し一人居て/万葉 1073」
玉垣
たまがき [2] 【玉垣】
神社などの周囲に設ける垣根。瑞垣(ミズガキ)。斎垣(イガキ)。
玉垣の
たまがきの 【玉垣の】 (枕詞)
玉垣を瑞垣(ミズガキ)ともいうところから「御津(ミツ)」にかかる。「―御津の船戸に/好忠集」
玉垣の内つ国
たまがきのうちつくに 【玉垣の内つ国】
美しい垣のような山々に囲まれている国。「また大己貴大神(オオナムチノオオカミ)なづけて曰まはく,―とのたまふ/日本書紀(神武訓)」
玉城
たまぐすく 【玉城】
姓氏の一。
玉城朝薫
たまぐすくちょうくん 【玉城朝薫】
(1684-1734) 琉球の官人。薩摩や江戸で能・狂言・歌舞伎に接し,その形式を借りて琉球の伝説・史話を素材にした組踊りを創作。作「二童敵討(ニドウテキウチ)」「銘苅子(メカルシ)」「執心鐘入(シユウシンカネイリ)」など。
玉堂
ぎょくどう ギヨクダウ 【玉堂】
(1)
⇒浦上(ウラガミ)玉堂
(2)
⇒川合(カワイ)玉堂
玉堂
ぎょくどう [0][2] 【玉堂】
(1)玉で飾った美しい殿堂。立派な宮殿。
(2)他人を敬ってその家をいう語。
(3)中国漢代の宮殿で,学者の出仕した所。のち,翰林院(カンリンイン)の異名。
玉堅磐
たまがしわ 【玉堅磐】
〔「かしわ」は「かたしわ(堅磐)」の転〕
堅い岩の美称。「難波江の藻に埋もるる―/千載(恋一)」
玉塵
ぎょくじん [0] 【玉塵】
雪の異名。[伊京集]
玉女
ぎょくじょ [1] 【玉女】
(1)玉のように美しい女性。美人。
(2)仙人。天女。
玉子
たまご [2][0] 【卵・玉子】
(1)鳥・魚・虫などの雌性の生殖細胞で,大きくなってひなや幼生となるもの。
→らん(卵)
(2)鶏卵。「―料理」
(3)将来,ある地位や職業につくために,修業中の人。《卵》「医者の―」
(4)本格的になる前の未発達のもの。《卵》「台風の―」
玉子丼
たまごどんぶり [4] 【卵丼・玉子丼】
ミツバ・タマネギなどを煮たものに卵を流し込んでとじ,丼に盛った飯の上にかけたもの。たまどん。
玉子巻
たまごまき [0] 【卵巻(き)・玉子巻(き)】
卵を薄く焼いてほかの材料をつつんだ料理。
玉子巻き
たまごまき [0] 【卵巻(き)・玉子巻(き)】
卵を薄く焼いてほかの材料をつつんだ料理。
玉子湯
たまごゆ [3] 【卵湯・玉子湯】
鶏卵をかきまぜて砂糖を加え,熱湯をそそぎかけた飲み物。
玉子焼
たまごやき [0] 【卵焼(き)・玉子焼(き)】
鶏卵をかきまぜて味をつけたものを焼いた料理。また,それをつくるための,底の平たく浅い四角いフライ-パン。
玉子焼き
たまごやき [0] 【卵焼(き)・玉子焼(き)】
鶏卵をかきまぜて味をつけたものを焼いた料理。また,それをつくるための,底の平たく浅い四角いフライ-パン。
玉子煎餅
たまごせんべい [4] 【卵煎餅・玉子煎餅】
小麦粉に卵・砂糖を混ぜて焼いた煎餅。
玉子綴じ
たまごとじ [3] 【卵綴じ・玉子綴じ】
煮物や汁物で,煮立ったところに,溶いた鶏卵を流して,とじること。また,その料理。とじたまご。
玉子繋ぎ
たまごつなぎ [4] 【卵繋ぎ・玉子繋ぎ】
つなぎに鶏卵を入れたそば切りなどの称。
玉子豆腐
たまごどうふ [4] 【卵豆腐・玉子豆腐】
料理の名。古くはまだ固まらない豆腐に鶏卵を入れて蒸したもの。現在は鶏卵をといて味をつけ,箱形の容器に入れて蒸したもの。
玉子酒
たまござけ [3] 【卵酒・玉子酒】
日本酒に鶏卵と砂糖を加えかきまぜて煮立てて飲む飲み物。風邪に効くとされる。[季]冬。
玉容
ぎょくよう [0] 【玉容】
玉のように美しい顔立ち。
玉将
ぎょくしょう [0] 【玉将】
将棋で,下手(シタテ)がもつ王将(オウシヨウ)。
玉屋
たまや [2] 【玉屋】
(1)宝玉を造り,また売る店。また,その職人。たますり。
(2)江戸の花火屋の屋号。「鍵屋」から分家。
(3)江戸時代,夏にシャボン玉を売り歩く人。
玉屑
ぎょくせつ [0] 【玉屑】
(1)玉を砕いた粉末。不老不死の仙薬という。
(2)詩文のすぐれた句節をほめていう語。佳句。
(3)雪の異名。玉塵(ギヨクジン)。玉雪。「―紛々」
玉山
ぎょくざん 【玉山】
台湾中部にある山。台湾の最高峰で,海抜3997メートル。日本統治時代,富士山より高いので新高山(ニイタカヤマ)と呼んだ。モリソン山。ユイ-シャン。
玉山
ぎょくざん [2] 【玉山】
(1)珠玉の山。玉を産出する山。
(2)容姿が清らかなこと。清らかな容姿。
玉島
たましま 【玉島】
岡山県倉敷市の西南部を占める商工業地区。旧玉島市。瀬戸内海の要港として発達。
玉島川
たましまがわ 【玉島川】
現在の佐賀県東松浦郡を流れる川。荒川峠に源を発し,唐津湾に注ぐ。神功皇后の鮎釣りの伝説がある。((歌枕))「松浦なる―に鮎釣ると立たせる児(コ)らが家道(イエジ)知らずも/万葉 856」
玉川
たまがわ 【多摩川・玉川】
山梨県東部,秩父山地の笠取山付近に発し,東京都を貫流して東京湾に注ぐ川。下流部は神奈川県との境をなし,河口付近は六郷川という。都民の重要な上水源。上流は奥多摩の景勝地。長さ138キロメートル。
玉川
たまがわ タマガハ 【玉川】
「六玉川(ムタマガワ)」を題材とする各種の邦楽曲の題名または略称。
→六玉川
玉川
たまがわ タマガハ 【玉川】
姓氏の一。
玉川
たまがわ 【玉川】
川の名。六か所にあるので,六玉川(ムタマガワ)と総称される。((歌枕))
(1)宮城県多賀城市を流れていた川。野田の玉川。「陸奥(ミチノク)の野田の―千鳥鳴くなり/新古今(冬)」
(2)東京都を流れる多摩川。調布(タツクリ)の玉川。
→多摩川
「―にさらす手作りさらさらに/万葉 3373」
(3)滋賀県草津市老上町を流れる小川。野路の玉川。「明日もこむ野路の―萩こえて/千載(秋上)」
(4)京都府井手町を流れる川。井手の玉川。「山ぶきの花の露そふ井手の―/新古今(春下)」
(5)和歌山県高野山奥院大師廟畔の小川。高野の玉川。「高野の奥の―の水/風雅(雑中)」
(6)大阪府高槻市を流れる川。三島の玉川。「卯の花咲ける―の里/後拾遺(夏)」
玉川ダム
たまがわダム タマガハ― 【玉川―】
秋田県仙北郡田沢湖町,雄物川支流の玉川にある洪水調節・用水などの多目的ダム。ダム湖は宝仙湖。重力式で,堤高100メートル。総貯水量2億5400万立方メートル。1990年(平成2)完成。
玉川上水
たまがわじょうすい 【玉川上水】
東京都羽村市で,多摩川の水を取水し,都内新宿区四谷大木戸まで約50キロメートルに達する用水路。江戸市中の上水道とするため,玉川庄右衛門・清右衛門兄弟が1653年着工し,翌年完成。1965年(昭和40)淀橋上水場廃止まで使用された。
玉川勝太郎
たまがわかつたろう タマガハカツタラウ 【玉川勝太郎】
(二世)(1896-1969) 浪曲師。東京生まれ。本名,石渡金久。二世広沢虎造の好敵手で,「天保水滸伝」を得意とした。
玉川大学
たまがわだいがく タマガハ― 【玉川大学】
私立大学の一。1929年(昭和4)創立の玉川学園を基に,47年小原国芳が創設。49年新制大学に移行。本部は東京都町田市。
玉巵
ぎょくし [1] 【玉巵】
玉のように立派なさかずき。玉杯(ギヨクハイ)。
玉帛
ぎょくはく [0] 【玉帛】
玉と絹織物。特に中国古代,諸侯の朝覲(チヨウキン)・聘問(ヘイモン)・会盟のときに用いたもの。
玉帯
ぎょくたい [0] 【玉帯】
革製で,金具に宝石をちりばめて飾った帯。貴族が袍(ホウ)を留めた。たまのおび。
玉帳
ぎょくちょう [0] 【玉帳】
(1)玉で飾ったとばり。美しいとばり。
(2)天子・将軍の幕営。
(3)芸者・娼妓(シヨウギ)の玉代を記入する帳簿。
玉幡
ぎょくばん [0] 【玉旛・玉幡】
〔「旛」「幡」は旗の意〕
高御座(タカミクラ)の八角の棟の下にかける旗の形をした飾り。玉を鎖であやどり,先端に薄金の杏葉(ギヨウヨウ)をつける。
玉座
ぎょくざ【玉座】
the (Imperial) throne.
玉座
ぎょくざ [0][1] 【玉座】
天皇・王などのすわる席。
玉成
ぎょくせい [0] 【玉成】 (名)スル
〔玉のように立派に磨き上げる意〕
(1)立派な人物に育てること。
(2)仕事や研究などを,十分高く深い内容にすること。
玉房
たまぶさ [2] 【玉総・玉房】
先が玉のようになったふさ。
玉扆
ぎょくい [1] 【玉扆】
(1)天皇の御座の後ろにたてる屏風(ビヨウブ)。
(2)天皇の御座。玉座。
玉手
たまで 【玉手】
手の美称。玉のように美しい手。「―さし枕(マ)き/古事記(上)」
玉手
ぎょくしゅ [1] 【玉手】
(1)玉のように美しい手。美人の手。
(2)天子の手。また,他人の手を敬っていう語。御手(ミテ)。
(3)他人を敬ってその手紙・文字をいう語。
玉手箱
たまてばこ [3] 【玉手箱】
(1)浦島太郎が,竜宮の乙姫から贈られた箱。開いてはならないという禁を破って開き,浦島は老人となった。
(2)〔軽々しく開いてはならない大切な箱,の意から〕
秘密にして人にあかさない大切なもの。
(3)何が出てくるかわからないもの。
玉手箱
たまてばこ【玉手箱】
a (treasured) casket.
玉折
ぎょくせつ [0] 【玉折】
玉が砕けること。転じて,才子佳人が若死にすること。夭折(ヨウセツ)。
玉押金亀子
たまおしこがね [5] 【玉押金亀子】
コガネムシ科の一群の甲虫の総称。体長5〜40ミリメートル。多くは黒色で金属光沢をもつ。糞塊を丸め後ろ向きに後ろ足で転がし,地面に掘った穴に運び込んで卵を産みつける。幼虫は糞球の内部を食べて育つ。ファーブルの「昆虫記」に登場するヒジリタマオシコガネが代表種。ユーラシア・アフリカに分布。日本にはいない。フンコロガシ。
→スカラベ
玉振り振り
たまぶりぶり [3] 【玉振り振り】
「ぶりぶり{■一■(1)}」に同じ。
玉掛け
たまがけ [0] 【玉掛け】
クレーンやデリックなどに荷を吊らせる際,ワイヤー-ロープまたはチェーンなどを荷に掛けたり,運搬の合図を行う作業。
玉摧
ぎょくさい [0] 【玉砕・玉摧】 (名)スル
〔玉のように美しく砕け散る意から〕
大義・名誉などに殉(ジユン)じて,いさぎよく死ぬこと。
⇔瓦全(ガゼン)
「衆寡敵せず,全員―する」
玉散る
たまち・る 【玉散る】 (連語)
(1)水・露などが玉のように散る。
(2)刀剣の刃がきらめくさまの形容。「抜けば―・る氷の刃」
玉整理
ぎょくせいり [3] 【玉整理】
信用取引・清算取引で,売買が多くなったところで,売り玉が買い戻され,買い玉が転売されて,思惑的な玉が整理されること。
→玉(ギヨク)(3)
玉敷き
たましき 【玉敷き】
玉を敷いたように美しいこと。「―の都のうちに棟を並べ/方丈記」
玉敷きの庭
たましきのにわ 【玉敷きの庭】
玉を敷いたようにきれいな庭。特に,禁中の庭。「―の呉竹/続千載(賀)」
玉敷く
たまし・く 【玉敷く・珠敷く】 (連語)
美しい石を敷く。また,そのように美しいさまをいう。「―・きて待たましよりはたけそかに来たる今夜し楽しく思ほゆ/万葉 1015」
玉斗
ぎょくと [1] 【玉斗】
(1)玉で作った立派なひしゃく。酒をくむのに使う。
(2)北斗七星の異名。
玉斧
ぎょくふ [1] 【玉斧】
玉で飾った斧(オノ)。また,斧の美称。
玉旛
ぎょくばん [0] 【玉旛・玉幡】
〔「旛」「幡」は旗の意〕
高御座(タカミクラ)の八角の棟の下にかける旗の形をした飾り。玉を鎖であやどり,先端に薄金の杏葉(ギヨウヨウ)をつける。
玉書
ぎょくしょ [1][0] 【玉書】
相手を敬ってその手紙をいう語。玉章。
玉木
たまき 【玉木】
姓氏の一。
玉木文之進
たまきぶんのしん 【玉木文之進】
(1810-1876) 幕末期の長州藩士。吉田松陰の父杉百合之助の弟。松下村塾を開き松陰らを教育。1869年(明治2)塾を再開したが萩の乱に門下生多数が参戦,責任をとって自刃。
玉木正英
たまきせいえい 【玉木正英】
(1670-1736) 江戸中期の神道家。京都の人。通称は幸助,号は葦斎。垂加神道に神道行事を加え,秘伝などの組織化を図った。谷川士清をはじめ多くの門人がいる。著「玉籤集」「神代巻藻塩草」など。
→橘家神道(キツケシントウ)
玉札
ぎょくさつ [0] 【玉札】
相手を敬ってその手紙をいう語。芳札。玉簡。[日葡]
玉村
たまむら 【玉村】
群馬県南部,佐波(サワ)郡の町。近世,日光例幣使街道の宿場町。玉村八幡宮がある。
玉条
ぎょくじょう [0] 【玉条】
(1)美しい枝。
(2)大切に守るべき規則。とうとぶべき法律。「金科―」
玉杢
たまもく [0][2] 【玉杢・玉目】
渦巻を連ねたような美しい木目。ケヤキ・クスノキなどでは特に美しく,家具などに珍重される。
→杢
玉杯
ぎょくはい [0] 【玉杯】
玉で作った杯。また,杯の美称。
玉松
たままつ 【玉松】
姓氏の一。
玉松操
たままつみさお 【玉松操】
(1810-1872) 幕末の国学者・勤皇家。本姓,山本。京都醍醐寺の僧。還俗して岩倉具視の知遇を得,王政復古の計画に参与。
玉桂
たまかつら 【玉桂】
〔「たま」は美称〕
月の中にあるという桂の木。また,月の異名。「恋ひわびぬ影をだに見じ―/新撰万葉」
玉案
ぎょくあん [0] 【玉案】
〔「案」は机の意〕
(1)玉で飾った台または机。
(2)他人を敬ってその机をいう語。
玉案下
ぎょくあんか [3] 【玉案下】
手紙で,脇付に用いる語。机下(キカ)。
玉梓
たまずさ [2] 【玉梓・玉章】
〔「たまあずさ」の転。古代,使者が手紙を梓(アズサ)の木に結びつけて持参したことから〕
(1)手紙・便りの美称。
(2)料理で,材料を結び文のように結んだもの。
(3)〔形が結び文に似るところから〕
カラスウリの種子。
(4)使い。使者。「何時しかと待つらむ妹に―の言だに告げず去にし君かも/万葉 445」
玉梓の
たまずさの 【玉梓の】 (枕詞)
(1)「使い」にかかる。「―使ひの言へば/万葉 207」
(2)使いが恋文を運んだところから,「妹」にかかる。「―妹は玉かも/万葉 1415」
玉椿
たまつばき [3] 【玉椿】
(1)ツバキの美称。ツバキは,古来長寿の木とされ,末長くめでたい意をこめる。[季]春。
→大椿(ダイチン)
(2)白玉(シラタマ)椿の異名。
(3)ネズミモチの別名。
玉楮
たまかじ タマカヂ 【玉楮】
姓氏の一。
玉楮象谷
たまかじぞうこく タマカヂザウコク 【玉楮象谷】
(1807-1869) 漆工。讃岐(サヌキ)高松の人。鞘(サヤ)塗師藤川理右衛門の子。中国漆器や蒟醤(キンマ)塗の技法をもとに独自の作風を創出,讃岐塗・象谷塗として知られる。
玉楼
ぎょくろう [0] 【玉楼】
(1)玉で飾った立派な高殿(タカドノ)。美しい御殿。「―金殿の昔の栄花/盛衰記 43」
(2)文人墨客などが死後に入るとされる殿堂。白玉楼。
玉樟
たまぐす [2] 【玉樟】
タブノキの異名。
玉樹
ぎょくじゅ [1] 【玉樹】
(1)美しい木。
(2)すぐれて高潔な姿の人。
(3)エンジュの異名。
玉櫛笥
たまくしげ 【玉櫛笥】
■一■ [4] (名)
櫛笥(クシゲ)の美称。
■二■ (枕詞)
(1)櫛笥の「ふた(蓋)」「み(身)」ということから,「二上山」「三室(ミムロ)の山」などにかかる。「―二上山に月傾きぬ/万葉 3955」
(2)櫛笥を開く意から,「あく」「ひらく」などにかかる。「―明けまく惜しきあたら夜を/万葉 1693」
(3)地名「蘆城(アシキ)の川」(かかり方未詳)「奥に思ふ」などにかかる。「―蘆城の川を今日見ては/万葉 1531」「あきづ羽の袖振る妹を―奥に思ふを見たまへ我(ア)が君/万葉 376」
玉殿
たまどの 【玉殿】
(1)美しい御殿。
(2)〔稲荷神社の狐の像が宝玉を持っていることから〕
狐の異名。「稲荷前をぶら付いて彼の―につままりやせぬかの/浄瑠璃・忠臣蔵」
玉殿
ぎょくでん [0] 【玉殿】
玉で飾った宮殿。美しい宮殿。
玉毬杖
たまぎっちょう [3] 【玉毬杖】
⇒振(ブ)り振(ブ)り毬杖(ギツチヨウ)
玉水
たまみず タマミヅ 【玉水】
山城国井手にあった井手の玉川。
玉水
たまみず [2] 【玉水】
(1)玉のように美しく清らかな水。「げにや―の,水上澄めるみ代ぞとて/謡曲・養老」
(2)雨だれ。雫。「軒のたるひの下の―/好忠集」
玉水木
たまみずき [3] 【玉水木】
モチノキ科の落葉高木。静岡以西の山地に生える。長楕円形の薄い葉を互生。雌雄異株。初夏,腋生(エキセイ)の短い集散花序に白色小花を密につける。秋,赤熟する核果を結び美しい。
玉江草
たまえぐさ [3] 【玉江草】
植物アシの異名。
玉泉
ぎょくせん [0] 【玉泉】
(1)清らかな泉。
(2)〔天台大師智顗(チギ)が中国湖北省当陽県の玉泉山,玉泉寺に住したことから〕
天台宗の別名。
玉泉帖
ぎょくせんじょう 【玉泉帖】
平安時代の小野道風の書跡帖。白楽天の詩を楷・行・草三体で書写したもの。
〔巻頭の「玉泉南澗…」の句にちなむ名〕
玉津島
たまつしま 【玉津島】
和歌山市和歌浦の地名。かつては島で,和歌三神の一,玉津島神社がある。玉津島山。((歌枕))「わたの原よせくる浪のしばしばも見まくのほしき―かも/古今(雑上)」
玉津島神社
たまつしまじんじゃ 【玉津島神社】
玉津島にある神社。祭神は稚日女尊・神功皇后・衣通姫。古来,和歌の神として尊崇された。玉津島明神。
玉浮
たまうき [0] 【玉浮(き)】
釣り具で,球形の浮き。浮力が強い。
玉浮き
たまうき [0] 【玉浮(き)】
釣り具で,球形の浮き。浮力が強い。
玉海
ぎょくかい 【玉海】
(1)中国,宋代の類書。二〇〇巻。王応麟らの撰。各種文献からの抄録を天文・地理・芸文・礼儀などの二一部門に分類してある。
(2)「玉葉(ギヨクヨウ)」の別名。
玉滴石
ぎょくてきせき [4][3] 【玉滴石】
オパールの一種。岩石の表面をおおう皮殻状,あるいは滴状・葡萄(ブドウ)状をなして産する無色または白色透明の鉱物。
玉澗
ぎょくかん 【玉澗】
中国,南宋の画僧。本名,若芬(ジヤクフン)。字(アザナ)は仲石。天台宗の僧で諸方遊歴ののち,玉澗・芙蓉峰と号して作画三昧に過ごす。「廬山図」や「瀟湘(シヨウシヨウ)八景図」が日本に伝存,雪舟以下の日本水墨画に影響を与えた。生没年未詳。
〔宋・元時代に玉澗と号した画家はほかに三人(瑩玉澗・孟玉澗・彬玉澗)いる〕
玉瀾
ぎょくらん 【玉瀾】
(1727-1784) 江戸中期の女流画家。池大雅の妻。名は町。柳沢淇園・大雅に学んだ南画に,女性らしい優美さを示した。代表作「便面図巻」
玉無し
たまなし [0] 【玉無し】
せっかくのよいものを,だめにしてしまうこと。ものごとをぶちこわしにすること。だいなしにすること。「両親は独息子を―にしたやうに歎いて/平凡(四迷)」「女を―にしちやあ,事が面倒だ/歌舞伎・与話情」
玉版箋
ぎょくばんせん [3] 【玉版箋】
画仙紙よりも厚手で,きめがこまかく光沢のある紙。中国産で書画用。
玉珧
たいらぎ タヒラギ [0] 【玉珧】
海産の二枚貝。貝殻の長さは約25センチメートル,形は少し開いた扇に似,薄くもろい。色は淡緑褐色。大きな貝柱は鮨種(スシダネ)とされる。浅海の砂泥に突きささるようにして立つ。関東から九州まで分布。タイラガイ。
玉璽
ぎょくじ [1] 【玉璽】
天子の印。御璽(ギヨジ)。みしるし。
玉留
たまどめ [0] 【玉留(め)】
裁縫で,縫い終わりに結び玉を作ってとめること。
玉留め
たまどめ [0] 【玉留(め)】
裁縫で,縫い終わりに結び玉を作ってとめること。
玉盤
ぎょくばん [0] 【玉盤】
玉で飾って作った大皿やたらい。また,皿の美称。
玉目
たまもく [0][2] 【玉杢・玉目】
渦巻を連ねたような美しい木目。ケヤキ・クスノキなどでは特に美しく,家具などに珍重される。
→杢
玉眼
ぎょくがん [0] 【玉眼】
(1)水晶・珠玉・ガラスなどを細工してはめこんだ仏像などの目。日本では鎌倉時代から盛んに行われるようになった。
(2)女性の美しい目。
玉矛
たまほこ 【玉矛・玉鉾】
〔「たまぼこ」とも〕
(1)ほこの美称。
(2)〔枕詞としての用法から〕
道。「―に君し来よらば/平中 21」
玉矛の
たまほこの 【玉矛の】 (枕詞)
「道」「里」「手向けの神」などにかかる。「―道行き暮らし/万葉 79」「―里人皆に我(アレ)恋ひめやも/万葉 2598」「―の手向けの神も/古今六帖 4」
玉石
ぎょくせき [0] 【玉石】
(1)玉と石。また,よいものと悪いもの。
(2)宝石。[日葡]
玉石
たまいし [0][2] 【玉石】
(1)川や海岸などにある丸い石。石垣・庭などに使う。丸石。
(2)炭層の中にある,卵形の珪化した石炭。
玉石混交である
ぎょくせきこんこう【玉石混交である】
be a jumble of wheat and tares.
玉石混淆
ぎょくせきこんこう [0] 【玉石混淆】 (名)スル
〔抱朴子(外篇,尚博)〕
すぐれたものと劣ったものとが入りまじっていること。
玉砂利
たまじゃり [0][2] 【玉砂利】
丸く粒のそろった大きめの砂利。「―をふみしめて歩く」
玉砂利
たまじゃり【玉砂利】
pebbles;gravel.→英和
玉砂糖
たまざとう [3] 【玉砂糖】
下等の砂糖。赤砂糖をふるい分けた糖塊。また,粗糖工場の二番糖に水を加えて煮たのち結晶させたものの称。
玉砕
ぎょくさい [0] 【玉砕・玉摧】 (名)スル
〔玉のように美しく砕け散る意から〕
大義・名誉などに殉(ジユン)じて,いさぎよく死ぬこと。
⇔瓦全(ガゼン)
「衆寡敵せず,全員―する」
玉砕する
ぎょくさい【玉砕する】
die in an honorable defeat;die game.
玉磨り
たますり [4][0] 【玉磨り】
玉を磨き,細工する職人。たまつくり。「―の座右にひらくつばきかな/蕪村句集」
玉祖神社
たまのおやじんじゃ 【玉祖神社】
山口県防府市右田大崎にある神社。周防国の一の宮。祭神の玉祖神は天孫降臨に供奉したと伝えられる。たまっさま。
玉稿
ぎょっこう ギヨクカウ [0] 【玉稿】
相手を敬ってその原稿をいう語。
玉突き
たまつき【玉突き】
<play> billiards.→英和
‖玉突き台 a billiard table.玉突き場 a billiard room[saloon].玉突き衝突 a chain-reaction traffic accident; <話> a pileup.玉突き棒 a cue.
玉突き
たまつき [2][4] 【玉突き】
(1)ビリヤード。撞球(ドウキユウ)。
(2)ビリヤードの玉のように,追突された車が次々と前の車にさらに追突すること。「―衝突」
玉立て絹
たまだてぎぬ [5] 【玉立て絹】
たて糸・よこ糸ともに玉糸を使って平織りにした絹織物。
玉章
ぎょくしょう [0] 【玉章】
(1)美しい詩文。
(2)相手を敬ってその文章・手紙などをいう語。玉書。たまずさ。
玉章
たまずさ [2] 【玉梓・玉章】
〔「たまあずさ」の転。古代,使者が手紙を梓(アズサ)の木に結びつけて持参したことから〕
(1)手紙・便りの美称。
(2)料理で,材料を結び文のように結んだもの。
(3)〔形が結び文に似るところから〕
カラスウリの種子。
(4)使い。使者。「何時しかと待つらむ妹に―の言だに告げず去にし君かも/万葉 445」
玉章結び
たまずさむすび [5] 【玉章結び】
⇒吉弥結(キチヤムス)び
玉章豆腐
たまずさどうふ [5] 【玉章豆腐】
豆腐を封書のように細く薄く切って,鉢の水に浮かべたもの。
玉笹
たまざさ [2][0] 【玉笹】
ササの美称。
玉筆
ぎょくひつ [0] 【玉筆】
他人を敬って,その筆跡・詩歌・文章をいう語。
玉筋魚
いかなご [0] 【玉筋魚・鮊子】
スズキ目の海魚。全長20センチメートル内外。体形は細長くて側扁し,口はとがる。背びれと尻びれの基底が長く,腹びれがない。背部は青色。銀白色の腹側には多くの斜めのひだがある。幼魚は煮干し・佃煮(ツクダニ)とし,成魚は天ぷらにする。日本以北の北太平洋に広く分布。コウナゴ。カナギ。カマスゴ。[季]春。《―にまづ箸おろし母恋し/虚子》
玉筋魚醤油
いかなごじょうゆ [5] 【玉筋魚醤油】
生のイカナゴを百日ほど塩漬けにしたあと,その塩汁を紙で漉(コ)したもの。香川県で古くから造られる。
玉箒
たまぼうき [3] 【玉箒】
(1)タムラソウの別名。
(2)「たまばはき」に同じ。
玉箒
たまばはき 【玉箒】
〔「たまははき」とも。「たまばわき」とも読む〕
(1)ほうきの美称。
(2)ほうきを作るのに用いたコウヤボウキやホウキグサの古名。
(3)古代,正月の初子(ハツネ)の日に蚕室を掃くのに用いた,玉を飾りつけたほうき。
(4)〔悩みや心配を掃き払うことから〕
酒の異名。「愁イヲハラウ―/日葡」
→たまぼうき
玉算
たまざん [2] 【玉算・珠算】
算盤(ソロバン)を用いて計算すること。しゅざん。
玉篇
ごくへん 【玉篇】
⇒ぎょくへん(玉篇)
玉篇
ぎょくへん 【玉篇】
中国の辞書。三〇巻または三一巻。梁(リヨウ)の顧野王(コヤオウ)編。543年成立。字形により約一万七千字を五四二部に分類。原本「玉篇」は早く失われ,宋の陳彭年改訂の「大広益会玉篇」が広く用いられた。原本の写本のごく一部が日本に伝存し「篆隷万象名義(テンレイバンシヨウメイギ)」を初めとする諸辞書に影響を与えた。ごくへん。
玉簡
ぎょっかん ギヨク― [0] 【玉簡・玉翰】
相手を敬ってその手紙をいう語。
玉簾
ぎょくれん [0] 【玉簾】
玉で飾ったすだれ。また,すだれの美称。「―の内に竜顔に向ひ奉り/保元(上・古活字本)」
玉簾
たますだれ【玉簾】
a bead screen.
玉糸
たまいと [0] 【玉糸】
玉繭からとった生糸。節が多く光沢に乏しいが厚地の織物に適する。節糸。
玉糸織
たまいとおり [0] 【玉糸織(り)】
玉糸で織った織物の総称。節糸織り。
玉糸織り
たまいとおり [0] 【玉糸織(り)】
玉糸で織った織物の総称。節糸織り。
玉紫陽花
たまあじさい [3] 【玉紫陽花】
ユキノシタ科の落葉低木。山地に自生。高さ1メートル内外。若い花序は大形の苞(ホウ)に包まれて球形。開花して中央に淡紫色の小花を多数と,周囲に大形の中性花を数個つける。花期は七〜九月。
玉細工
たまざいく [3] 【玉細工】
宝玉類を素材とした細工。
玉結び
たまむすび [3] 【玉結び】
(1)「細結(コマムス)び」に同じ。
(2)背に垂れた髪の末端を折り返して輪とした女性の結髪。元禄(1688-1704)頃流行。
玉結び(2)[図]
玉絹
たまぎぬ [0] 【玉絹】
経(タテ)糸に生糸または玉糸,緯(ヨコ)糸に玉糸を用いた織物。
玉綿
たまわた [2][0] 【玉綿】
収穫したままの,種のついている綿。
玉総
たまぶさ [2] 【玉総・玉房】
先が玉のようになったふさ。
玉緑茶
たまりょくちゃ [4] 【玉緑茶】
茶葉が勾玉(マガタマ)状になるように仕上げた緑茶。ぐり茶。
玉縁
たまぶち [0][2] 【玉縁】
(1)美しく縁どりをしたもの。縁どりの飾り。
(2)服飾で,布の裁ち目や,ポケット・ボタン穴などを細くくるむこと。また,くるんだもの。
(3)〔建〕
(ア)竹の節欄間の上下にある横木。
(イ)袖垣や建仁寺垣の縁どりに用いる割竹など。
(ウ)刳形(クリカタ)の一。断面が弧状の突出した刳形。
玉縁笠
たまぶちがさ [5] 【玉縁笠】
万治年間(1658-1661)に流行した主に婦人用の編み笠。革で美しい縁どりをしたものとも,縁を美しく編んだものともいう。
玉織
たまおり [0] 【玉織(り)】
玉糸で織った織物。玉糸織り。
玉織り
たまおり [0] 【玉織(り)】
玉糸で織った織物。玉糸織り。
玉繭
たままゆ [2][0] 【玉繭】
(1)二匹以上の蚕が一緒になって作ったまゆ。同功繭。ふたつまゆ。ふたごもり。
(2)まゆの美称。[季]夏。
玉置流
たまきりゅう 【玉置流】
書道の流派。御家流から分かれたもので,玉置半助を祖とする。
玉羊歯
たましだ [0] 【玉羊歯】
シノブ科の常緑生シダ植物。暖地の海岸の岩などに自生。岩をはう匍匐枝(ホフクシ)に球状の塊茎を生じる。葉は細長い羽状複葉で,羽片は鈍頭の長楕円形。観賞用に栽培される。ネフロレピス。
玉翰
ぎょっかん ギヨク― [0] 【玉簡・玉翰】
相手を敬ってその手紙をいう語。
玉肌
たまはだ [0] 【玉肌】
〔「たま」は美称〕
「玉の肌」に同じ。
玉肌
ぎょっき ギヨク― [0][1] 【玉肌】
美しいはだ。たまのはだ。
玉臂
ぎょくひ [1] 【玉臂】
(美人の)美しいひじ・かいな。
玉茎
たまぐき 【玉茎】
〔「たまくき」とも〕
陰茎。ぎょっけい。「―を娘に問れ母こまり/柳多留 54」
玉茎
ぎょっけい ギヨク― [0] 【玉茎】
陰茎(インケイ)。男根。[日葡]
玉菊
たまぎく 【玉菊】
(1702-1726) 江戸中期,新吉原の遊女。才色兼備で諸芸に通じていた。
玉菊灯籠
たまぎくどうろう [5] 【玉菊灯籠】
新吉原の年中行事の一。盂蘭盆(ウラボン)に灯籠を軒先にともすもの。若くして死んだ玉菊という遊女の霊をとむらうため,新盆につけたといわれる。
玉落ち
たまおち [0] 【玉落ち】
江戸浅草の蔵前で,旗本や御家人の中で蔵米取りの者に扶持米を払い渡す際の抽選法。氏名と受け取り高を記入した紙を丸めて箱に入れ,その中から落ちた順に交付する。年三回春・夏・冬に行われた。
玉葉
ぎょくよう ギヨクエフ 【玉葉】
九条兼実の日記。記事は1164年から1203年にわたる。当時の政治・社会情勢や朝廷内部の事情・風俗などについて詳しい。のち二条良基が書写して「玉海」とも称する。
玉葉
ぎょくよう [0] 【玉葉】
(1)美しい葉。
(2)皇族を敬っていう語。「金枝―」
(3)相手を敬ってその手紙をいう語。
玉葉和歌集
ぎょくようわかしゅう ギヨクエフワカシフ 【玉葉和歌集】
第一四番目の勅撰和歌集。二〇巻。伏見上皇下命,京極為兼撰。1312年成立。歌数約二八〇〇首。「風雅和歌集」とともに,京極派歌人の集として,精緻な自然観照を本領とした歌風に特色がある。玉葉集。玉葉。
玉葛
たまかずら 【玉葛】
■一■ [3] (名)
つる性草本の美称。
→かずら
■二■ (枕詞)
(1)花だけ咲いて実がならないことから「実ならぬ樹」「花のみ咲き」にかかる。ただし,普通の語として解する説も有力。「―実成らぬ木にはちはやぶる神そつくといふ/万葉 101」「―花のみ咲きて成らざるは誰が恋ならめ/万葉 102」
(2)つる草が長くはえのびるところから「遠長し」「絶えず」「はふ」などにかかる。「―いや遠長く/万葉 443」「―はふ木あまたになりぬれば/古今(恋四)」
玉葛
たまかずら タマカヅラ 【玉鬘・玉葛】
(1)源氏物語の巻名。第二二帖。また,その女主人公の名。頭中将と夕顔との間に生まれ,筑紫に育ってのち,光源氏に引き取られ,髭黒大将に嫁した。
(2)能の一。四番目物。金春禅竹(コンパルゼンチク)作。「源氏物語」の玉鬘の巻に基づく。玉鬘の霊が,旅僧に昔語りをし,狂乱の態となるが,僧の弔いによって成仏する。
玉葱
たまねぎ【玉葱】
an onion.→英和
〜の皮 onion skins.
玉葱
たまねぎ [3] 【玉葱】
ユリ科の多年草。西南アジア原産で,日本には明治初年に渡来。鱗茎は肥厚し,平球形または広卵形で,径10センチメートルに達する。葉は円筒形で中空。初夏,花茎を出し,上端に白色の小花を多数散状につける。主に鱗茎を食用とする。オニオン。[季]夏。
玉蔭
たまかげ 【玉蔭】
ヒカゲノカズラの美称。
→蘿(カゲ)
玉蕗
たまぶき [2] 【玉蕗】
キク科の多年草。山地の林内に自生。茎は高さ50センチメートル内外で,裏面に綿毛のある広卵五角形の葉を互生。葉腋に零余子(ムカゴ)をつける。秋,白色の頭花を多数つける。
玉薬
たまぐすり [3] 【弾薬・玉薬】
銃砲弾の発射に用いる火薬。
玉藻
たまも 【玉藻】
藻の美称。「―沖つ藻/万葉 131」
玉藻なす
たまもなす 【玉藻なす】 (枕詞)
「藻」の形状から比喩的に「靡(ナビ)く」「寄る」「浮かぶ」にかかる。「―なびき寝し児を深海松(フカミル)の深めて思へど/万葉 135」「―か寄りかく寄りなびかひし夫の命の/万葉 194」「もののふの八十宇治川に―浮かべ流せれ/万葉 50」
玉藻よし
たまもよし 【玉藻よし】 (枕詞)
よい藻を産することから,「讃岐(サヌキ)」にかかる讃称。「―讃岐の国は/万葉 220」
玉藻刈る
たまもかる 【玉藻刈る】 (枕詞)
海辺の地名「敏馬(ミヌメ)」「辛荷(カラニ)の島」あるいは「処女(オトメ)」にかかる。「―敏馬を過ぎて夏草の/万葉 250」「―辛荷の島に島廻(シマミ)する/万葉 943」「―処女を過ぎて夏草の/万葉 3606」
玉藻前
たまものまえ 【玉藻前】
中国から来た金毛九尾の狐が化けたという伝説上の美女。宮廷に入り鳥羽院の寵をうけるが,陰陽師(オンヨウジ)安倍泰親に見破られ,下野国那須野に飛び去って殺生石(セツシヨウセキ)となる。浄瑠璃・歌舞伎などに脚色。
玉藻前曦袂
たまものまえあさひのたもと 【玉藻前曦袂】
人形浄瑠璃。時代物。近松梅枝軒・佐川藤太作。1806年初演。浪岡橘平・浅田一鳥ら作の同名の浄瑠璃を改作したもの。天竺・唐土・日本を舞台に九尾の狐が美女にとりついて悪行をはたらくという筋。現在は三段目の切「藤原道春館の場」のみ上演される。
玉蘂
ぎょくずい 【玉蘂】
九条道家の日記。1209〜38年の日記が現存。有職故実に詳しいのが特色。祖父兼実の「玉葉」にちなんで名付けたもの。光明峰寺殿記。峰禅閤記。
玉蘭
ぎょくらん [0] 【玉蘭】
「白木蓮(ハクモクレン)」の漢名。
玉虫
たまむし [2] 【玉虫】
(1)甲虫目の昆虫。体は紡錘形で体長3〜4センチメートル。全体に金属光沢があり,金緑色の地に銅紫色の二つの縦条が走る。幼虫はエノキ・サクラ・ケヤキなどの材部を食害する。美しい上ばねは各種の装飾・装身具に用いられ,玉虫厨子は,有名。本州以南に分布。ヤマトタマムシ。[季]夏。《―の光を引きて飛びにけり/虚子》
(2)鞘翅目タマムシ科の甲虫の総称。
(3)「玉虫色」の略。
玉虫厨子
たまむしのずし 【玉虫厨子】
法隆寺所蔵の入母屋造り錣葺(シコロブ)きの宮殿形厨子。木造,黒漆塗り。高さ2.226メートル。各部に施された透かし彫り飾り金具の下に玉虫の羽を敷いたのでこの名がある。飛鳥時代の代表的工芸品。国宝。
玉虫海気
たまむしかいき [5] 【玉虫海気】
たて糸とよこ糸に色違いの糸を用い,玉虫の羽に似た色合いを出した甲斐絹(カイキ)。裏地として用いる。
玉虫織
たまむしおり [0] 【玉虫織(り)】
たて糸・よこ糸に異なる糸を用いて織り,光の具合や見る角度で玉虫の羽に似た色合いになる布。傘,コート地などに用いられる。
玉虫織り
たまむしおり [0] 【玉虫織(り)】
たて糸・よこ糸に異なる糸を用いて織り,光の具合や見る角度で玉虫の羽に似た色合いになる布。傘,コート地などに用いられる。
玉虫色
たまむしいろ [0] 【玉虫色】
(1)玉虫の羽のように,光線の具合でいろいろな色に変わって見える染め色や色調。
(2)襲の色目の名。表は青黒,裏は二藍(フタアイ)または薄色。また,経(タテ)緑,緯(ヨコ)赤味のある紫の織り色。
(3)解釈のしようによって,どちらとも取れるあいまいな表現。「―の改革案」
玉虫色の
たまむし【玉虫色の】
iridescent;→英和
<比喩的> equivocal <answer> .→英和
玉蜀黍
とうもろこし【玉蜀黍】
<米> corn;→英和
<英> maize.→英和
玉蜀黍
とうもろこし タウ― [3] 【玉蜀黍】
イネ科の一年草。熱帯アメリカ原産。稲・小麦とともに世界の三大穀物の一。食用・飼料とするため,世界各地で広く栽培される。茎は高さ2メートル内外。葉は大形で,広線形。雌雄同株。夏,茎頂に雄花穂を,茎の中ほどの葉腋に雌花穂をつけ,毛髪状の花柱を総(フサ)のように出す。果穂は長さ約20センチメートルとなり,黄色の扁平な穎果(エイカ)が多数中軸に列をなしてつく。穎果はデンプンに富む。デント-コーン・フリント-コーン・スイート-コーン・ポップ-コーンなどの栽培変種がある。南蛮黍(ナンバンキビ)。唐黍(トウキビ)。[季]秋。
玉蟾
ぎょくせん [0] 【玉蟾】
〔西王母の仙薬を盗んで月へ逃げた姮娥(コウガ)が蟾(ガマ)と化してすんだという伝説に基づく〕
月の異名。
玉衣
たまごろも [3] 【玉衣・珠衣】
(1)「たまぎぬ(玉衣)」に同じ。
(2)〔「法華経」中に「酔った友の衣のうらに珠を縫い込み与えたが衣の持ち主は知らずに,貧乏のまま過ごした」という話があり,仏性もその玉のようなものだと比喩されている〕
裏に珠を縫い込んだ衣。「―身を離れずと聞けどなほ光見ねばやありとしもなき/夫木 34」
玉衣
たまぎぬ [3] 【玉衣】
〔「たま」は美称〕
美しい立派な衣服。たまごろも。
玉衣の
たまぎぬの 【玉衣の】 (枕詞)
美しい衣装の衣ずれの音から擬声語「さゐさゐ」にかかる。「―さゐさゐしづみ家の妹に物言はず来にて思ひかねつも/万葉 503」
玉裳
たまも 【玉裳】
裳の美称。「娘子(オトメ)らが―裾引くこの庭に/万葉 4452」
玉襷
たまだすき 【玉襷】
■一■ [3] (名)
たすきの美称。
■二■ (枕詞)
たすきをかける,また,たすきをうなじにかけるところから,「かけ」「畝火(ウネビ)」にかかる。「―かけて偲はむ恐(カシコ)くありとも/万葉 199」「―畝傍の山の橿原の/万葉 29」
玉觴
ぎょくしょう [0] 【玉觴】
玉で作った杯。立派な杯。玉杯。
玉詠
ぎょくえい [0] 【玉詠】
他人を敬ってその人の作った詩歌をいう語。玉吟。
玉貌
ぎょくぼう [0] 【玉貌】
(1)玉のように美しい容貌(ヨウボウ)。たまのかんばせ。
(2)他人を敬ってその容姿をいう語。
玉貝
たまがい [2] 【珠貝・玉貝】
(1)腹足綱タマガイ科の巻貝の総称。球形または卵形で,光沢があり,石灰質または革質のふたをもつ。砂中に潜り,二枚貝などをとらえ,殻に穴をあけて肉を食べる。卵嚢は砂を粘液で固めたもので「砂茶碗(スナヂヤワン)」と呼ばれる。多く熱帯域に分布。
(2)アコヤガイの異名。
玉趾
ぎょくし [1] 【玉趾】
〔「趾」は足の意〕
貴人の足を敬っていう語。おみあし。「公子・内宮ことごとく,あるいは―をすあしにして/太平記 17」
玉転がし
たまころがし [3] 【玉転がし】
(1)玉をころがして遊ぶ遊戯。ビー玉の類。
(2)玉突きの別名。
(3)繭形の玉を,すべり台状の板の上をころがし落とすおもちゃ。俵ころがし。
玉輦
ぎょくれん [0] 【玉輦】
玉で飾った車。天皇または貴人の乗る車。また,輦の美称。
玉輪
ぎょくりん [0] 【玉輪】
月の異名。
玉造
たまつくり 【玉造】
〔古代,玉造部の民が住みついたことに由来する地名〕
(1)宮城県西北部の郡名。
(2)茨城県南部,行方(ナメカタ)郡の町。南西は霞ヶ浦に面する。
(3)大阪市天王子区から中央区にまたがる地名。
(4)島根県八束郡玉湯町にある地名。玉造温泉がある。
玉造
たまつくり [3] 【玉作・玉造】
「玉作部(ベ)」の略。
玉酒
ぎょくしゅ [0][1] 【玉酒】
うまい酒。美酒。
玉野
たまの 【玉野】
岡山県南部,児島半島南東部にある市。宇野港は宇高連絡船の発着地として発達した。金属・造船工業が立地。
玉釧
たまくしろ 【玉釧】
■一■ (名)
くしろの美称。
■二■ (枕詞)
くしろを手に取る,巻く意から,「手に取り持ちて」「まく」にかかる。「口止まず我(ア)が恋ふる児を―手に取り持ちて/万葉 1792」「―まき寝(ヌ)る妹もあらばこそ/万葉 2865」
玉鉾
たまほこ 【玉矛・玉鉾】
〔「たまぼこ」とも〕
(1)ほこの美称。
(2)〔枕詞としての用法から〕
道。「―に君し来よらば/平中 21」
玉鉾百首
たまぼこひゃくしゅ 【玉鉾百首】
歌集。二巻。本居宣長作。1786年成立,翌年刊。日本の国つくり神話など,古道の大意を百首の古風な和歌に詠んだもの。
玉鋼
たまはがね [3] 【玉鋼】
和鋼(ワハガネ)の一種。砂鉄からたたら製鉄でつくる鋼で,日本刀を作るのに用いる。
玉鏡
たまかがみ [3] 【玉鏡】
(1)玉でつくった鏡。美しい鏡。
(2)副詞的に用いて,みがきたてた鏡のように澄んでいるさま,よごれがないさまのたとえ。「―をかけて一念の疑滞なし/著聞 2」「檜皮かはらを―とみがき立て/発心 5」
玉門
ぎょくもん [0] 【玉門】
(1)玉で飾った,立派な門。
(2)女性の陰部。陰門。
玉門
つび 【玉門・�】
陰門の古名。[和名抄]
玉門関
ぎょくもんかん 【玉門関】
〔玉の交易が行われた門戸の意〕
中国漢代,甘粛(カンシユク)省敦煌(トンコウ)の北西80キロメートルに設けられた関所。南西の陽関とともに,古来中国から西域に通じる門戸として名高い。
玉闕
ぎょっけつ ギヨク― [0] 【玉闕】
玉で飾った美しい宮殿。また,立派な宮殿。
玉霰
たまあられ [3] 【玉霰】
(1)あられの美称。その形が玉に似ていることからいう。[季]冬。《―幽かに御空奏でけり/川端茅舎》
(2)あられ形に作った菓子の名。
玉露
ぎょくろ【玉露】
superior green tea.
玉露
ぎょくろ [1][0] 【玉露】
(1)露を玉に見立てていう語。
(2)最優良の煎茶(センチヤ)。苦みが少なく甘みが多い。新芽に覆(オオ)いをかけ,日照を制限して育成した葉を用いる。天保年間(1830-1844)江戸の山本徳翁が宇治で命名し広めたという。宇治・八女(ヤメ)・岡部(静岡)が有名。
玉露糖
ぎょくろとう [0] 【玉露糖】
白砂糖・葛粉・片栗粉をこねて玉の形に木型で打ち出した菓子。熱湯を注いで飲む。江戸吉原の名物。
玉音
ぎょくいん [0] 【玉音】
(1)玉のように清らかな音,または声。
(2)「ぎょくおん(玉音)」に同じ。
(3)相手の音信を敬っていう語。
玉音
ぎょくおん [0] 【玉音】
天皇の声。ぎょくいん。
玉音放送
ぎょくおんほうそう 【玉音放送】
1945年(昭和20)8月15日,昭和天皇みずからの声でラジオを通じて全国民に戦争終結の詔書を放送したこと。日本国民ははじめて天皇の肉声に接した。
玉響
たまゆら 【玉響】
しばしの間。ほんの少しの間。暫時。副詞的にも用いる。「露しげき鳥羽田の面の秋風に―やどる宵の稲妻/風雅(秋中)」
〔万葉集 2391 の「玉響(タマカギル)昨日の夕見しものを…」の「玉響」を「たまゆらに」と訓(ヨ)んで,玉の触れ合うようにかすかにと解したところから生じた語〕
玉頭
たまがしら [3] 【玉頭】
スズキ目イトヨリダイ科の海魚。体長30センチメートル程度。体は卵形で側扁する。淡紅色の体側には四本の赤褐色の横帯がある。食用。本州中部以南から太平洋西部,インド洋東部まで分布。
玉顔
ぎょくがん [0] 【玉顔】
(1)玉のように美しい顔。花のかんばせ。[日葡]
(2)天皇の顔。竜顔。
玉風
たまかぜ [2] 【玉風】
冬,北日本の日本海側で吹く,北よりの風。豪雪をもたらし,海上は大しけとなる。束風(タバカゼ)。
玉食
ぎょくしょく [0] 【玉食】 (名)スル
大変ぜいたくな食事。美食。「呉姫越女に囲繞(トリマ)かれて錦衣―する/くれの廿八日(魯庵)」
玉骨
ぎょっこつ ギヨク― [0] 【玉骨】
貴人や美人の骨。「愁は衣に堪へぬ―を寸々に削る/薤露行(漱石)」
玉髄
ぎょくずい [0] 【玉髄】
石英の微細な結晶の集合体。岩石の割れ目や空洞をみたし,放射状・葡萄(ブドウ)状などをなして産する。含有する不純物の色によって,紅玉髄・緑玉髄などと呼ばれ,飾り石にする。
玉高
ぎょくだか [0][2] 【玉高】
(1)芸者・娼妓(シヨウギ)の揚げ代の金額。
(2)取引所で売買の約定が成立した数量。
玉鬘
たまかずら タマカヅラ 【玉鬘・玉葛】
(1)源氏物語の巻名。第二二帖。また,その女主人公の名。頭中将と夕顔との間に生まれ,筑紫に育ってのち,光源氏に引き取られ,髭黒大将に嫁した。
(2)能の一。四番目物。金春禅竹(コンパルゼンチク)作。「源氏物語」の玉鬘の巻に基づく。玉鬘の霊が,旅僧に昔語りをし,狂乱の態となるが,僧の弔いによって成仏する。
玉鬘
たまかずら 【玉鬘】
■一■ [3] (名)
(1)古代の装身具。多くの宝玉を緒で連ねて頭に飾る。
(2)〔「たま」は美称〕
(ア)かもじ・かつらの美称。
(イ)仏具の華鬘(ケマン)の美称。
■二■ (枕詞)
華鬘を「かげ」ともいったので,「かげ」「掛く」にかかる。「―影に見えつつ忘らえぬかも/万葉 149」「―かけぬ時なく恋ふれども/万葉 2994」
玉魫蘭
ぎょくちんらん [3] 【玉魫蘭】
ラン科の多年草。中国,福建省周辺と台湾の原産。葉は長さ約30センチメートルで幅が広い。秋,高さ約30センチメートルの細い花茎に淡緑色で香りの良い花を数個つける。園芸品種が多い。
玉鴫
たましぎ [0] 【玉鴫】
チドリ目タマシギ科の鳥。ハトよりひとまわり小形。雌の方が雄より美しい羽色をもつ。水田・湿地などにすみ,一雌多雄で,雄が抱卵・育雛する。本州中部以南で留鳥として繁殖。
玉黍
たまきび [3] 【玉黍】
(1)トウモロコシの異名。
(2)海産の巻貝。貝殻は球形で殻高1.5センチメートル内外。黒褐色で,時に黄色の帯ができる。潮間帯の岩礁上に群生し,乾燥に強い。
玉[珠
たま【玉[珠・球]】
(1)[球]a ball;→英和
a bowl (木製の);→英和
a bulb (電球など);→英和
a bead (じゅず玉).→英和
(2)[弾丸]a ball;a shell (砲弾);→英和
a bullet (小銃弾);→英和
a shot (実弾).→英和
(3)[宝石]a gem;→英和
a jewel.→英和
〜のような男の子 a gem of a baby boy.〜に瑕(きず) a flaw in a gem;the only drawback.〜をこめる load[charge]a gun.→英和
王
おう【王】
a king;→英和
a monarch (君主);→英和
a <financial> magnate (産業界などの).→英和
王
おおきみ オホ― [3][0] 【大君・王】
〔「おおぎみ」とも〕
(1)天皇を敬っていう語。
(2)親王・諸王など天皇の子孫の敬称。「我が―高照らす日の皇子(ミコ)/万葉 50」
王
おう ワウ [1] 【王】
(1)国を支配する人。
(ア)君主。中国では帝号ができてからは一等下の称号となった。
(イ)天皇。「都に―といふ人のましまして/太平記 26」
(2)最高の地位を占めるもの。同類中最もすぐれたもの。「ホームラン―」「百獣の―ライオン」
(3)将棋の駒の一。王将。
(4)皇族の男子の中で,親王宣下がなかった者。現制度の皇室典範では,三世以下の嫡男系嫡出の男子。
⇔女王
王
コニキシ 【犍吉支・王】
〔古代朝鮮語。コニは大,キシは君の意〕
(1)古代朝鮮の三韓の王の称。コキシ。「百済の―/日本書紀(雄略訓)」
(2)古代,百済から渡来した王族系氏族に与えられた姓(カバネ)。
王の鼻
おうのはな ワウ― [1] 【王の鼻】
神楽(カグラ)の面の一。鼻を高く突き出させ,全体を赤く塗ったもの。猿田彦の顔という。
王世貞
おうせいてい ワウ― 【王世貞】
(1526-1590) 中国,明代の文人。字(アザナ)は元美,号は弇州(エンシユウ)山人・鳳洲(ホウシユウ)。李攀竜(リハンリヨウ)とともに古文辞を唱え,復古主義派の重鎮として詩壇で活躍。主著「弇州山人四部稿」「芸苑巵言(ゲイエンシゲン)」
王之渙
おうしかん ワウシクワン 【王之渙】
中国,盛唐の詩人。辺塞(ヘンサイ)を詠じた佳作が多く,辺塞詩人といわれる。絶句を得意とし,「唐詩選」中の「鸛鵲楼(カンジヤクロウ)に登る」の詩は有名。生没年未詳。
王事
おうじ ワウ― [1] 【王事】
帝王や王室に関する事柄。
王仁
わに 【王仁】
古代の百済からの渡来人。祖は漢の高祖といい,応神天皇の時に来日し「論語」一〇巻・「千字文」一巻を献上したという。生没年未詳。
王仙芝
おうせんし ワウ― 【王仙芝】
(?-878) 中国,唐末期黄巣(コウソウ)の乱の首領の一人。塩の密売商。
王代
おうだい ワウ― [0][1] 【王代】
天子が統治した時代。王朝時代。
王代物
おうだいもの ワウ― [0] 【王代物】
浄瑠璃や歌舞伎で,奈良・平安時代の公卿の世界に題材や人物を借りたもの。「菅原伝授手習鑑(スガワラデンジユテナライカガミ)」「妹背山婦女庭訓(イモセヤマオンナテイキン)」など。大時代狂言。大時代物。
王位
おうい ワウヰ [1] 【王位】
王の位。帝位。「―につく」
王位
おうい【王位】
the throne[crown].→英和
〜につく(を継ぐ,奪う) ascend (succeed to,usurp) the throne.〜を譲る abdicate the throne <in favor of> .
王佐
おうさ ワウ― [1] 【王佐】
帝王を補佐すること。「―の才」
王侯
おうこう ワウ― [0] 【王侯】
王と諸侯。
王侯
おうこう【王侯(貴族)】
royalty (and nobility).→英和
王偏
おうへん ワウ― [0] 【王偏】
〔たまへんの偏が「�」であることから〕
玉偏(タマヘン)の俗称。
王充
おうじゅう ワウ― 【王充】
(27-100頃) 中国,後漢の思想家。字(アザナ)は仲任。「論衡(ロンコウ)」を著し,合理的・実証的な批判精神で,当時の儒家の尚古主義や俗論を攻撃した。
王党
おうとう【王党】
the Royalists.
王党
おうとう ワウタウ [0] 【王党】
国王を支持する党。「―派」
王公
おうこう ワウ― [0] 【王公】
王族と公族。また,身分の高い人。
王公家軌範
おうこうけきはん ワウ― 【王公家軌範】
王公族の身分・財産・親族・相続等について定めた規定。1926年(大正15)皇室令として公布,日本国憲法施行とともに廃止。
王公族
おうこうぞく ワウ― [3] 【王公族】
日韓併合後,旧韓国皇帝の親族・一族に対する称号である王族と公族のこと。
→王族(2)
→公族(2)
王冠
おうかん【王冠】
a crown;→英和
a crown cap (びんの).
王冠
おうかん ワウクワン 【王冠】
(1)帝王や君主がその主権を示すためにかぶる冠。「―をいただく」
(2)栄誉のしるしとして与えられる冠。
(3)〔形が(1)に似ているところから〕
瓶を密閉するための金属製の栓。
王制
おうせい ワウ― [0] 【王制】
王が統治する政治制度。君主制。
王力
おうりき ワウ― 【王力】
(1901-1986) 中国の言語学者。一般言語学の方法による中国語法体系の確立に努めた。著「中国音韻学」「中国現代語法」「漢語史論文集」など。ワン=リー。
王勃
おうぼつ ワウ― 【王勃】
(647?-675?) 中国,初唐の詩人。字(アザナ)は子安。才気煥発(カンパツ)で,詩文,特に五言絶句を得意とし,初唐の四傑に数えられる。詩文集「王子安集」
王化
おうか ワウクワ [1] 【王化】
天子の徳によって人々を従わせること。また,君主の政治がゆきわたること。おうけ。「―に順(シタガ)ふ者なし/太平記 16」
王台
おうだい ワウ― [0][1] 【王台】
ミツバチの巣の中で,女王蜂になる幼虫が育てられる特別の小部屋。または,シロアリの王・女王のすむ部屋。
王后
おうこう ワウ― [0] 【王后】
皇后。きさき。
王命
おうめい ワウ― [0] 【王命】
国王の命令。
王命婦
おうみょうぶ ワウミヤウブ 【王命婦】
皇族で命婦となっている人。
王嚞
おうてつ ワウ― 【王嚞】
(1113-1170) 中国,金の道士。全真教の創始者。字(アザナ)は知明,号は重陽。山東で布教。
王国
おうこく【王国】
a kingdom;→英和
a monarchy.→英和
王国
おうこく ワウ― [0] 【王国】
(1)王が支配している国。王制の国。
(2)ある方面で大きな勢力をもって栄えている国家・地域や団体などをたとえていう。「水産―」「石油―」
王国維
おうこくい ワウコクヰ 【王国維】
(1877-1927) 中国の学者。浙江省出身。字(アザナ)は静庵・伯隅。号は観堂,諡(オクリナ)は忠愨(チユウカク)。1901〜1902年,日本に留学。辛亥(シンガイ)革命後,京都に亡命。羅振玉に考証学・金石学を学び,藤田豊八に西洋の哲学・文学・美術を学ぶ。西洋美学によって中国古典を再評価し,「紅楼夢評論」「人間詞話」などを著し,甲骨文研究にも先駆的業績を残した。ワン=クオウェイ。
王土
おうど ワウ― [1] 【王土】
王の治めている領土。王地。
王地
おうじ ワウヂ [1] 【王地】
「王土(オウド)」に同じ。
王圻
おうき ワウ― 【王圻】
中国,明代の学者。上海の人。字(アザナ)は元翰(ゲンカン)。馬端臨の「文献通考」の後をうけて「続文献通考」を撰した。著「洪州類稿」「三才図会」など。生没年未詳。
王城
おうじょう ワウジヤウ [0] 【王城・皇城】
(1)王の住む城。王宮。皇居。
(2)都。「姿は―に聞えたり/義経記 6」
王塚古墳
おうづかこふん ワウヅカ― 【王塚古墳】
福岡県嘉穂郡桂川(ケイセン)町にある前方後円墳。全長約82メートル。横穴式石室に彩色壁画がある。
王士禎
おうしてい ワウ― 【王士禎】
(1634-1711) 中国,清代の詩人。本名は士禛(シシン),字(アザナ)は子真・貽上(イジヨウ),号は阮亭(ゲンテイ)・漁洋山人。神韻説をとなえ,その詩は清一代の正宗と称された。詩文集「帯経堂集」九二巻ほかがある。
王士禛
おうししん ワウ― 【王士禛】
⇒王士禎(オウシテイ)
王夫之
おうふうし ワウ― 【王夫之】
(1619-1692) 中国,明末・清初の学者・思想家。字(アザナ)は而農(ジノウ),号は薑斎(キヨウサイ)。通称,船山先生。明の遺老(イロウ)として隠棲,経史・文学などの著作を著し,陸象山・王陽明の学を否定して朱子学を批判的に継承。その華夷(カイ)思想は,清末の排満革命思想に影響を与えた。文集「王船山遺書」
王女
おうにょ ワウ― [1] 【王女】
⇒おうじょ(王女)
王女
おおきみおんな オホ―ヲンナ 【大君女・王女】
天皇の娘。ひめみこ。「京人と名のりける,ふる―,教へ聞えければ/源氏(常夏)」
王女
おうじょ ワウヂヨ [1] 【王女】
(1)帝王の娘。
→皇女(オウジヨ)
(2)もと皇族の女子のうち,内親王でない人をいう。女王。
⇔王子
王女御
おうにょうご ワウ― 【王女御】
王女または皇女で女御になった人。「―にてさぶらひ給ふを/源氏(乙女)」
王妃
おうひ ワウ― [1] 【王妃】
(1)国王の妻。
(2)皇族で王{(4)}の称号をもつ人の妻。
王妃
おうひ【王妃】
a queen.→英和
王威
おうい ワウヰ [1] 【王威】
帝王の威厳。王の威光。
王子
おうじ ワウ― [1] 【王子】
(1)帝王の男の子。
⇔王女
→皇子(オウジ)
(2)もと皇族の男子のうち親王でない人をいう。王。
⇔王女
(3)歌舞伎の鬘(カツラ)の一。「妹背山(イモセヤマ)」の入鹿(イルカ),「車引(クルマビキ)」の時平など,公家の悪人・謀反人の役で使う。
王子
おうじ ワウジ 【王子】
(1)東京都北区中央部の地名。日本の製紙工業誕生の地。王子神社・飛鳥山(アスカヤマ)がある。
(2)京都から熊野への街道沿いにある熊野神社の数々の末社。「藤代の―を始め奉つて―,―を伏し拝み/平家 10」
王子喬
おうしきょう ワウシケウ 【王子喬】
周の霊王の太子。名は晋。子喬は字(アザナ)。直諫して廃せられ庶人となった。のち登仙したと伝えられる。生没年不詳。
王子猷
おうしゆう ワウシイウ 【王子猷】
⇒王徽之(オウキシ)
王学
おうがく ワウ― [0][1] 【王学】
陽明学の中国での呼称。
王学左派
おうがくさは ワウ― 【王学左派】
陽明学の良知現成派。王畿(オウキ)・李贄(リシ)などが属する。経書を尊重し修養を重視する右派に対して,経書よりも人間の心に全幅の信頼を置いて情欲を肯定する。明末の思想界に大きな影響を与えた。
王孫
おうそん ワウ― [0] 【王孫】
(1)王の子孫。また,貴族の後裔(コウエイ)。
(2)ツクバネソウの異名。
王守仁
おうしゅじん ワウ― 【王守仁】
⇒王陽明(オウヨウメイ)
王安石
おうあんせき ワウ― 【王安石】
(1021-1086) 中国,北宋の政治家。字(アザナ)は介甫(カイホ),号は半山。神宗のとき宰相となり,新法を主唱し政治改革を断行したが,保守派の反対により辞職。文人・学者としてもすぐれ,唐宋八大家の一人。詩文集「臨川集」など。
王室
おうしつ【王室】
the Royal family[household].
王室
おうしつ ワウ― [0] 【王室】
王を中心としたその一族。王家。また,皇室のことにもいう。
王宮
おうぐう ワウ― 【王宮】
「おうきゅう(王宮)」に同じ。[日葡]
王宮
おうきゅう【王宮】
a (royal) palace.
王宮
おうきゅう ワウ― [0] 【王宮】
王の住む宮殿。おうぐう。
王家
おうけ【王家】
a royal family.
王家
おうけ ワウ― [1] 【王家】
王の家系。また,王の一族。おうか。
王家
おうか ワウ― [1] 【王家】
⇒おうけ(王家)
王家の谷
おうけのたに ワウ― 【王家の谷】
ナイル川中流域ルクソルの西方に位置する,エジプト新王国時代の王墓のある谷(古代都市の遺跡テーベ)。1922年ツタンカーメン王の墓が発見された。
王家の谷(ツタンカーメンの墓)[カラー図版]
王寵恵
おうちょうけい ワウ― 【王寵恵】
(1881-1958) 中国の法律家・政治家。広東省出身。字(アザナ)は亮疇。中華民国成立後,中国法典編纂に尽力。国際連盟代表・国際裁判所判事などを歴任。ワン=チョンホイ。
王寺
おうじ ワウジ 【王寺】
奈良県北西部,北葛城(キタカツラギ)郡の町。奈良盆地の中西部に位置し,交通の要地。
王将
おうしょう ワウシヤウ [0] 【王将】
将棋の駒の名。主将にあたり,上下左右と斜めに一つずつ動ける。これが敵に攻められて動けなくなったとき,負けとなる。一方の王将を玉将(ギヨクシヨウ)ともいい,普通,先手または下位の者がもつ。王。
王将
おうしょう【王将】
《将棋》a king.→英和
王導
おうどう ワウダウ 【王導】
(267?-330?) 中国,東晋(トウシン)の宰相。字(アザナ)は茂弘。元帝を助けて東晋の建国に尽くした。
王師
おうし ワウ― [1] 【王師】
(1)帝王の軍隊。
(2)帝王の先生。
王府井
ワンフーチン 【王府井】
北京(ペキン)市の繁華街。故宮の東を南北に通じ,商業ビルや高級商店が多い。
王座
おうざ ワウ― [1] 【王座】
(1)王のすわるところ。また,王位。
(2)第一人者の地位。「フライ級の―につく」「―を守る」
王座
おうざ【王座】
the throne.→英和
〜を占める be at the top <of> .→英和
〜を争う contend for supremacy.
王建
おうけん ワウ― 【王建】
(877-943)朝鮮,高麗(コウライ)の建国者(在位 918-943)。廟号(ビヨウゴウ)は太祖。新羅(シラギ)末の混乱期に後高句麗(ゴコウクリ)の水軍を率いて活躍。豪族の支持を受けて即位。935年新羅を併せ,翌年,後百済を破り朝鮮を統一。
王弼
おうひつ ワウ― 【王弼】
(226-249) 中国,三国時代魏の学者・思想家。字(アザナ)は輔嗣(ホシ)。何晏(カアン)とともに三国から晋にかけて老荘思想の風を起こした。著「老子道徳経注」「周易注」
王徽之
おうきし ワウ― 【王徽之】
(?-388) 中国,東晋(シン)の人。字(アザナ)は子猷。王羲之(オウギシ)の第五子。官は黄門侍郎に至る。会稽の山陰に隠居し,風流を好み,特に竹を愛した。
→此君(シクン)
王応麟
おうおうりん ワウ― 【王応麟】
(1223-1296) 中国,南宋の学者。字(アザナ)は伯厚,号は深寧。官は礼部尚書に至る。「玉海」「困学紀聞(コンガクキブン)」などを著し,清朝考証学の先駆となった。
王戎
おうじゅう ワウ― 【王戎】
(234-305) 中国,西晋の政治家。竹林の七賢の一人。字(アザナ)は濬沖(シユンチユウ)。呉との戦いに活躍。
王手
おうて【王手】
《将棋》checkmate.→英和
〜にする check(mate) <the king> .→英和
〜! Check!
王手
おうて ワウ― [1] 【王手】
(1)将棋で,相手の王将に直接攻めかける手。
(2)もう一歩で自分の勝利が決まるという最終段階。「優勝へ―をかける」
王手飛車
おうてびしゃ ワウ― [3] 【王手飛車】
将棋で,王手と同時に飛車取りとなるように駒をさすこと。王手飛車取り。
王政
おうせい【王政】
monarchic government.王政復古《英史》the Restoration.
王政
おうせい ワウ― [0] 【王政】
帝王・国王が行う政治。
王政復古
おうせいふっこ ワウ―フク― [5] 【王政復古】
(1)王政から武家政治・共和制に移った後,再び王政に戻ること。日本の明治維新,フランス革命後の王朝政治の復活など。
(2)1868年1月3日(慶応三年12月9日),討幕派が王政復古の大号令を発し,江戸幕府を廃して政権を朝廷に移した政変。
王族
おうぞく【王族】
(a member of) the Royal family.
王族
おうぞく ワウ― [0] 【王族】
(1)王の一族。
(2)日韓併合後,旧韓国皇帝を王とし,その王家の親族に対して設けられた地位・称号。世襲制で,皇族に準ずる待遇とした。
→公族
王昌齢
おうしょうれい ワウシヤウレイ 【王昌齢】
(698-755頃) 中国,盛唐の詩人。字(アザナ)は少伯。七言絶句の名手として李白(リハク)と並び称せられた。閨怨(ケイエン)の詩に優れた。
王昭君
おうしょうくん ワウセウクン 【王昭君】
中国,漢の元帝の後宮の美女。名は嬙(牆)(シヨウ),昭君は字(アザナ)。紀元前33年,匈奴(キヨウド)の王,呼韓邪単于(コカンヤゼンウ)が漢の元帝の王女を妻に求めたとき,親和政策により王女の身がわりとして嫁がせられ,その地で死んだ。後世,元曲「漢宮秋」などにうたわれた。生没年未詳。
王時敏
おうじびん ワウ― 【王時敏】
(1592-1680) 中国,明末・清初の画家。江蘇省出身。字(アザナ)は遜之,号は烟客。明の名家の出。家蔵の宋之の古画を研究し,董其昌に師事して,山水文人画の祖となる。明末・清初の文人画壇の中心にあって,同郷の王鑑とともに二王と称される。
王朝
おうちょう ワウテウ [0] 【王朝】
(1)同じ家系に属する国王の系列。また,その家系が国を支配している時期。「ブルボン―」
(2)「王朝時代」の略。「―文学」
王朝
おうちょう【王朝】
a dynasty.→英和
王朝文学
おうちょうぶんがく ワウテウ― [5] 【王朝文学】
王朝時代,特に平安時代の,主に女性の手になる仮名文学の称。
王朝時代
おうちょうじだい ワウテウ― [5] 【王朝時代】
武家時代に対して,天皇を中心とする政治が行われた時代。奈良時代と平安時代をいうが,平安時代だけをさすこともある。
王業
おうぎょう ワウゲフ [0] 【王業】
王として国を治める事業。
王様
おうさま ワウ― [0] 【王様】
(1)王を敬っていう語。
(2)その分野で,最高位にあるもの。王。「ライオンは動物の―」
王様ペンギン
おうさまペンギン ワウ― [5] 【王様―】
ペンギン目ペンギン科の大形の鳥。コウテイペンギンに次いで大きく,高さ1メートル内外。耳と胸が黄褐色。イカを主食とし,南極圏の雪のない島々で繁殖する。キング-ペンギン。
王権
おうけん【王権】
the royal prerogative.
王権
おうけん ワウ― [0] 【王権】
国王の権力。君権。「―の強大な国」
王権神授説
おうけんしんじゅせつ ワウ― [7] 【王権神授説】
君主の権力は神から授けられた絶対のものであり,教皇など他の権力から制約されないとする思想。近世のヨーロッパで,絶対君主の支配を正当化するために主張された。帝王神権説。
王母
おうぼ ワウ― [1] 【王母】
死んだ祖母を敬っていう語。
⇔王父
王氏
おうし ワウ― [1] 【王氏】
〔「おうじ」とも〕
天皇の子孫で,姓を与えられていないもの。律令制では二世以下五世以上の皇胤(コウイン)をいう。
王水
おうすい ワウ― [0] 【王水】
濃塩酸と濃硝酸とを体積比三対一に混合した黄色の発煙性液体。強烈な酸化剤で,通常の酸に溶けない金や白金をも溶かす。金属の王である金を溶かすところから命名された。
王法
おうほう ワウハフ [0] 【王法】
(1)王の定めたおきて。
(2)王のとるべき道。
→おうぼう(王法)
王法
おうぼう ワウボフ [0] 【王法】
仏教の立場から,現世の法である,国王の法令や政治をいう語。
⇔仏法
→おうほう(王法)
王照
おうしょう ワウセウ 【王照】
(1859-1923) 中国,清末・民国初期の学者。字(アザナ)は小航。日本語の仮名にならって官話字母を作り,言語改革に貢献。ワン=チャオ。
王父
おうふ ワウ― [1] 【王父】
死んだ祖父を敬っていう語。
⇔王母
王爺廟
おうやびょう ワウヤベウ 【王爺廟】
ウランホトの旧中国名。
王猛
おうもう ワウマウ 【王猛】
(325-375) 中国,前秦の宰相。字(アザナ)は景略。苻堅(フケン)を助け内政を充実させ,前燕(ゼンエン)を滅ぼし華北を統一した。
王献之
おうけんし ワウ― 【王献之】
(344-388) 中国,東晋の書家。字(アザナ)は子敬。王羲之(オウギシ)の第七子。父とともに二王と称され書の模範とされた。
王畿
おうき ワウ― [1] 【王畿】
帝王の直接治めている土地。王城の付近。畿内。
王畿
おうき ワウ― 【王畿】
(1498-1583) 中国,明代の陽明学者。字(アザナ)は汝中,号は竜渓。王学左派の思想家で無善無悪説を首唱。
王畿千里
おうきせんり ワウ― [1][1] 【王畿千里】
〔古代中国で,帝王の直轄地が王城を中心として千里(一里は日本の六町)四方の広さといわれたことから〕
王の直接に治めている地。畿内。
王直
おうちょく ワウ― 【王直】
(?-1557) 中国,明代の人。倭寇(ワコウ)の首領。日本・ルソン・安南などと密貿易。のち,五島に根拠地をおき日本の海賊を率いて徽王(キオウ)と号し,中国沿岸を略奪して回った。
王相神
おうそうじん ワウサウ― [3] 【王相神】
陰陽道(オンヨウドウ)でまつる王神と相神。この神の方角は月塞(ツキフサ)がりとして移転・建築などを嫌う。
王祇祭
おうぎまつり ワウギ― 【王祇祭】
山形県東田川郡櫛引町黒川の春日神社で,二月一日と二日(もと旧正月)に扇を御神体として行われる祭礼。黒川能の奉納で知られる。また,和歌山県の熊野那智大社(七月一四日)でも行われる。
王禹偁
おううしょう ワウ― 【王禹偁】
(954-1001) 中国宋代の詩人・散文家。字(アザナ)は元之。古文を主唱し,宋詩の散文化,議論化の気風を切りひらいた。文集「小畜集」
王立
おうりつ ワウ― [0] 【王立】
王や王家が設立したものであること。「―植物園」
王立の
おうりつ【王立の】
royal.→英和
王粛
おうしゅく ワウ― 【王粛】
(195-256) 中国,三国時代魏の儒学者。字(アザナ)は子雍(シヨウ)。鄭玄(ジヨウゲン)の新しい経典注釈を批判し,賈逵(カキ)・馬融の旧説により諸経の注を作った。「孔子家語(コウシケゴ)」の偽作者とされ,「偽古文尚書」の作者にも擬される。
王粲
おうさん ワウ― 【王粲】
(177-217) 中国,三国時代魏の詩人。字(アザナ)は仲宣。建安七子の一人。「従軍詩」「七哀詩」など二六首が伝わる。
王統
おうとう ワウ― [0] 【王統】
帝王・国王の血統。皇統。
王統照
おうとうしょう ワウトウセウ 【王統照】
(1897-1957) 中国の小説家・詩人。字(アザナ)は剣三。山東の人。文学研究会の発起人の一人。知識青年を描く短編集「春雨の夜」や詩集「童心」で知られる。ワン=トンチャオ。
王維
おうい ワウヰ 【王維】
(701-761)
〔生没年は (699-756) とも〕
中国,盛唐の詩人・画家。字(アザナ)は摩詰(マキツ)。仏教に帰依し,詩仏と称され,また晩年の官名により王右丞(オウユウジヨウ)とも呼ばれる。詩風は陶淵明に似,自然を歌詠した五言絶句にすぐれる。また,山水画を得意とし,後世,文人画(南宗画)の祖とされる。詩文集「王右丞集」など。
王羲之
おうぎし ワウ― 【王羲之】
(307-365) 中国,東晋(シン)の書家。字(アザナ)は逸少。隷書をよくし,楷・行・草の三体を芸術的な書体に完成,書聖と称された。その書は日本には奈良時代に伝わり,上代様の成立に大きな影響を与えた。文章もよくし,「蘭亭序」「十七帖」などを著す。子の王献之とともに「二王」と呼ばれる。真跡は伝存しないが,模本や拓本が伝えられる。
王翬
おうき ワウ― 【王翬】
(1632-1717) 中国,清代の画家。字(アザナ)は石谷。南宗・北宗の画風を合一して虞山(グザン)派を開き,画聖と称された。四王呉惲(ゴウン)の一人。
王翰
おうかん ワウ― 【王翰】
(687頃-726頃) 中国,盛唐初期の詩人。字(アザナ)は子羽。壮麗な作風の詩を得意とし,「葡萄(ブドウ)の美酒,夜光の杯」で始まる「涼州詞」は著名。
王者
おうじゃ ワウ― [1] 【王者】
〔古くは「おうしゃ」〕
(1)王である人。
(2)その集団で最高の地位にある人。「ボクシング界の―」
(3)王道によって天下を治める人。
⇔覇者(ハシヤ)
王者
おうじゃ【王者】
a king;→英和
the champion <of> (競技などの).→英和
王胤
おういん ワウ― [0] 【王胤】
王の子孫。
王臣
おうしん ワウ― [0] 【王臣】
帝王の臣下。王の家来。
王舎城
おうしゃじょう ワウシヤジヤウ 【王舎城】
〔梵 Rājagṛha〕
古代インドのマガダ国の都。ビハール州パトナ付近のラージギルに遺跡がある。紀元前六,五世紀,頻婆娑羅(ビンバシヤラ)王・阿闍世(アジヤセ)王の時代に繁栄。仏陀がこの地を中心に説法したので,霊鷲山(リヨウジユセン)・竹林精舎など仏跡が多い。ラージャグリハ。
王船山
おうせんざん ワウ― 【王船山】
⇒王夫之(オウフウシ)
王莽
おうもう ワウマウ 【王莽】
(前45-後23) 中国,前漢末の政治家。字(アザナ)は巨君。讖緯(シンイ)説を利用して人心を集め,皇帝を毒殺して新を建国。周礼の制に基づく改革政治を断行して豪族・民衆の反発を買い,劉秀(リユウシユウ)に滅ぼされた。
王蒙
おうもう ワウ― 【王蒙】
(1308-1385) 中国,元末・明初の画家。字(アザナ)は叔明,号は黄鶴山樵。董源(トウゲン)・巨然(キヨネン)の風を学び山水画に長じ,元末の四大家の一人に数えられる。
王蛇
おうじゃ ワウ― [1] 【王蛇】
(1)大蛇。うわばみ。
(2)ボアの別名。
王融
おうゆう ワウ― 【王融】
(467-493) 中国,南北朝時代の南斉の文人。字(アザナ)は元長。詩文に長じ,武帝の命をうけて「曲水詩序」を作る。
王覇
おうは ワウ― [1] 【王覇】
王道と覇道。また,王者と覇者。
王通
おうつう ワウ― 【王通】
〔「おうとう」とも〕
(584頃-617) 中国,隋代の儒者。字(アザナ)は仲淹(チユウエン),諡(オクリナ)は文中子。弟子との問答集「文中子」が伝わる。儒・仏・道三教の合一を主張。
王道
おうどう ワウダウ [0] 【王道】
(1)尭(ギヨウ)・舜(シユン)ら先王の行なった,仁徳に基づく政治。儒家の理想とする政治思想で,孟子によって大成された。
⇔覇道(ハドウ)
(2)安易な方法。楽な道。近道。「学問に―なし」
王道
おうどう【王道】
the rule of right; <There is no> royal road <to> (楽な方法).
王道楽土
おうどうらくど ワウダウ― [5] 【王道楽土】
王道によって政治の行われている平和な理想的な土地。
王都
おうと ワウ― [1] 【王都】
王宮のある都市。帝都。
〔たとえば,オランダ王国の首都はアムステルダム,王都はハーグ〕
王重陽
おうじゅうよう ワウヂユウヤウ 【王重陽】
⇒王嚞(オウテツ)
王鐸
おうたく ワウ― 【王鐸】
(1592-1652) 中国,明末清初の書家・画家。字(アザナ)は覚斯。清朝に仕えて礼部尚書となる。書は自由奔放で気力に富み,山水画は平明で簡素。
王鑑
おうかん ワウ― 【王鑑】
(1598-1677) 中国の画家。江蘇省出身。字(アザナ)は円照,号は湘碧。明の学者王世貞の孫。南宗画を学び,文人画の重鎮として清代絵画の基礎を築いた。
王闓運
おうがいうん ワウ― 【王闓運】
(1832-1916) 中国,清代の学者。字(アザナ)は壬秋。号は湘綺。湖南の人。公羊学を専攻し,各地で講学。詩文にもすぐれた。著「湘軍志」「春秋公羊伝箋」など。
王陽明
おうようめい ワウヤウメイ 【王陽明】
(1472-1528) 中国,明代の儒学者。浙江省余姚(ヨヨウ)出身。名は守仁,字(アザナ)は伯安,諡(オクリナ)は文成公。陽明は号。朱子学に満足せず,心即理・知行合一(チコウゴウイツ)・致良知を説き,陽明学を完成,実践倫理への道を開いた。また,寧王宸濠(シンゴウ)の乱を平定するなど軍事的才能もあった。著「王文成公全書」,語録「伝習録」がある。
→陽明学
王難
おうなん ワウ― [0] 【王難】
王に背いたことが原因で起こる災難。「忽ちに―にあひて/今昔 4」
王雲五
おううんご ワウ― 【王雲五】
(1888-1979) 中華民国の出版事業家。広東省出身。字(アザナ)は岫廬(シユウロ)。上海商務印書館編訳所長。「万有文庫」や辞典を編纂出版し,四角号碼(シカクゴウマ)検字法を発明。1949年台湾に移り,行政に参与し,財政と教育改革に尽力。ワン=ユンウー。
王[皇]女
おうじょ【王[皇]女】
a (Royal[an Imperial]) princess.
王[皇]子
おうじ【王[皇]子】
a (Royal[an Imperial]) prince.
玔
ひじたま ヒヂ― 【玔】
「釧(クシロ)」に同じ。
玖
く [1] 【九・玖】
(1)数の名。一〇より一つ少ない数。ここのつ。きゅう。
(2)九番目。
〔「玖」は大字として用いる〕
玖珠
くす 【玖珠】
大分県西部,玖珠郡の町。玖珠川流域にあり,林業・シイタケ栽培・牧牛が盛ん。
玢岩
ひんがん [1] 【玢岩】
火成岩の一。安山岩とほぼ同じ化学組成で,斜長石の斑晶を含む。
玦
けつ [1] 【玦】
古代の装飾品。一部分を欠いた環形の玉。男子が腰にさげる。
玦[図]
玦状耳飾り
けつじょうみみかざり ケツジヤウ― [7] 【玦状耳飾り】
〔形が古代中国の玉器の「玦」に似ているのでいう〕
縄文時代の石製または土製・骨製の耳飾り。円形または長方形で,中央に穴をあけ,外縁からこの穴に切れ目を入れたもの。
玩び
もちあそび [0] 【玩び・弄び】
玩具(ガング)。おもちゃ。もてあそびもの。もてあそび。「―を所狭しと並べたて/人情本・娘節用」
玩び
もてあそび [0] 【弄び・玩び・翫び】
(1)相手にして遊ぶこと。また,遊び相手。おもちゃ。「この宮ばかりをぞ―に見たてまつり給ふ/源氏(幻)」
(2)観賞や風流の対象とすること。また,その物。「五葉・紅梅・桜・藤・山吹・岩つつじなどやうの春の―をわざとは植ゑて/源氏(乙女)」
玩ぶ
もてあそ・ぶ [4][0] 【弄ぶ・玩ぶ・翫ぶ】 (動バ五[四])
〔「持て遊ぶ」の意〕
(1)手で持って遊ぶ。いじくる。「髪を―・ぶ」
(2)人をなぐさみものにする。「女を―・ぶ」
(3)思うままにあやつる。弄(ロウ)する。「政治を―・ぶ」「他人の運命を―・ぶ」
(4)心のなぐさみとして愛する。観賞して楽しむ。「詩文を―・ぶ」「茶山は…月を―・んだ/伊沢蘭軒(鴎外)」
(5)人をなぐさみの対象とする。寵愛(チヨウアイ)する。「楊貴妃夜る昼る―・び給ける程に/今昔 10」
[可能] もてあそべる
玩具
がんぐ【玩具】
a toy;→英和
a plaything.→英和
玩具
おもちゃ [2] 【玩具】
〔「おもちあそび」の転〕
(1)子供が持って遊ぶもの。がんぐ。「―の電車」
(2)なぐさみにもてあそばれる人や物。
→おもちゃにする
玩具
がんぐ グワン― [1] 【玩具・翫具】
もて遊ぶ道具。遊び道具。おもちゃ。「―店(テン)」
〔明治期につくられた語〕
玩具
おもちゃ【玩具】
a toy;→英和
a plaything.→英和
〜にする play with <a thing> ;make fun of (からかう);make a plaything of (もてあそぶ).‖玩具屋 a toyshop.
玩具箱
おもちゃばこ [3] 【玩具箱】
おもちゃを入れておく箱。
玩具絵
おもちゃえ [3] 【玩具絵】
子供の遊び向きの図柄に描かれた浮世絵版画の一種。安政(1854-1860)頃から明治中期にかけて流行。
玩味
がんみ グワン― [1] 【玩味・翫味】 (名)スル
(1)食物をかみわけて十分に味わうこと。「―して食べる」
(2)物事の意義をよく考え味わうこと。含味。「熟読―する」
玩弄
がんろう グワン― [0] 【玩弄・翫弄】 (名)スル
おもちゃにし,もてあそぶこと。慰みものにすること。愚弄。「那様(アナイ)な女は関係者(カマイテ)が無いから―してやる方が功徳になる/社会百面相(魯庵)」
玩弄物
がんろうぶつ グワン― [3] 【玩弄物】
(1)おもちゃ。玩具。
(2)慰みものとしてもてあそぶもの,または人間。
玩物
がんぶつ グワン― [0] 【玩物】
(1)物をもてあそぶこと。
(2)もてあそびもの。玩弄物。玩具。
玩物喪志
がんぶつそうし グワン―サウ― [5] 【玩物喪志】
〔書経(旅獒)「玩�人喪�徳,玩�物喪�志」〕
珍奇なものを愛玩し,それにおぼれて大切な志を失うこと。
玩読
がんどく グワン― [0] 【玩読】 (名)スル
文章の意味を,よく考え味わって読むこと。「倩(ツラツ)ら―して其隠微をしも味ふときには/小説神髄(逍遥)」
玩香
がんこう グワンカウ [0] 【翫香・玩香】
楽しむための香。薫物(タキモノ)合わせ・香合わせ・一炷聞(イツチユウギキ)・炷継(タキツギ)香・組香など。
→供香(グコウ)
→空香
玫瑰
まいかい [0] 【玫瑰】
(1)バラ科の落葉低木。ハマナスの変種。中国で観賞用に栽培。花を薬用にし,また,茶に香りを添えるため入れる。
(2)ハマナスの漢名。
(3)中国に産する美石の一。
玫瑰油
まいかいゆ [3] 【玫瑰油】
ハマナスの花から採った芳香油。香水の製造に用いる。
玲玲
れいれい [0] 【玲玲】 (形動タリ)
玉などがふれてすがすがしく鳴りわたるさま。「―たる鈴の声/太平記 25」
玲琴
れいきん [0] 【玲琴】
低音の胡弓(コキユウ)。木製台形の胴に棹(サオ)をつけ,三弦を張ってチェロの弓で擦奏する。1922年ごろ,胡弓・チェロ・ラバーブ・馬頭琴(バトウキン)などをもとに,田辺尚雄が新考案した。大胡弓。
玲瓏
れいろう [0] 【玲瓏】
■一■ (ト|タル)[文]形動タリ
(1)金属・玉などがさえた美しい音で鳴るさま。また,玉を思わせる美しい声の形容。「顔に似合はぬ―たる美音で演説を始めた/くれの廿八日(魯庵)」
(2)玉のように美しく輝くさま。さえて鮮やかなさま。「蜃中楼とは蜃(ハマグリ)が吐出した気の中に―たる楼閣が…出現せるを申せし/蜃中楼(柳浪)」
■二■ (形動)[文]ナリ
{■一■}に同じ。「玉のやうに―な詩人らしく見え/行人(漱石)」
玲瓏な
れいろう【玲瓏な】
brilliant.→英和
玳玻盞
たいひさん [3] 【玳玻盞・玳皮盞】
中国,南宋から元にかけて江西省の吉州窯で産した茶碗。黒色の地釉をかけた上に,藁灰釉を振りかけて製する。焼き上がったものは鼈甲(ベツコウ)(玳瑁(タイマイ)の皮)のような肌をもつ。
玳瑁
たいまい【玳瑁】
《動》a hawksbill (turtle).→英和
玳瑁
たいまい [0] 【玳瑁・瑇瑁】
海産のカメ。甲長90センチメートルほど。主に熱帯・亜熱帯に分布するが,個体数が減少。背甲は黄色と黒色の鼈甲(ベツコウ)色で,高級細工物の材料とするが,ワシントン条約で商取引が禁止されている。
玳瑁[図]
玳皮盞
たいひさん [3] 【玳玻盞・玳皮盞】
中国,南宋から元にかけて江西省の吉州窯で産した茶碗。黒色の地釉をかけた上に,藁灰釉を振りかけて製する。焼き上がったものは鼈甲(ベツコウ)(玳瑁(タイマイ)の皮)のような肌をもつ。
玻璃
はり [1] 【玻璃・頗梨・玻瓈】
〔梵 sphatịka〕
(1)仏教で,七宝(シツポウ)の一。水晶のこと。
(2)ガラスの別名。「―の杯には葡萄の酒注がれたり/ふらんす物語(荷風)」
(3)火山岩中に含まれるガラス質。
玻璃器
はりき [2] 【玻璃器】
ガラスのうつわ。
玻璃窓
はりまど [3][0] 【玻璃窓】
ガラス窓。
玻璃質
はりしつ [2] 【玻璃質】
⇒ガラス質(シツ)
玻璃鏡
はりきょう [0] 【玻璃鏡】
(金属製の鏡に対して)ガラス製の鏡。
玻璃長石
はりちょうせき [3] 【玻璃長石】
カリ長石の一種。単斜晶系に属し,無色でガラス光沢がある。カリウムに富む火山岩に見られる。サニディン。
玻璃障子
はりしょうじ [3] 【玻璃障子】
ガラス戸。
玻瓈
はり [1] 【玻璃・頗梨・玻瓈】
〔梵 sphatịka〕
(1)仏教で,七宝(シツポウ)の一。水晶のこと。
(2)ガラスの別名。「―の杯には葡萄の酒注がれたり/ふらんす物語(荷風)」
(3)火山岩中に含まれるガラス質。
珉平焼
みんぺいやき [0] 【珉平焼】
⇒淡路焼(アワジヤキ)
珊珊
さんさん [0] 【珊珊】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)下げた玉などの鳴る音。「孔子の車の玉鑾(ギヨクラン)が―と鳴つた/麒麟(潤一郎)」
(2)輝いて美しいさま。「細瀑(ダキ)小瀑の―として濺(ソソ)げるは/金色夜叉(紅葉)」「―たる羅浮山の梅/浄瑠璃・菅原」
珊瑚
さんご [1] 【珊瑚】
(1)花虫綱八放サンゴ亜綱サンゴ科の腔腸動物の総称。シロサンゴ・アカサンゴ・モモイロサンゴなどがある。深さ100〜300メートルの海底に多数のサンゴ虫(ポリプ)が集まって高さ50センチメートルほどの樹枝状の群体をつくり,個体が死ぬとその骨格だけが残る。この骨格を加工して装飾品を作る。古来,七宝の一に数えられる。暖流域に広く分布。六放サンゴ類の石サンゴ類や,ヒドロ虫類のギサンゴ類を含めていうこともある。
(2)一般に,サンゴ虫の群体の骨格。
珊瑚
さんご【珊瑚(色の)】
coral.→英和
‖珊瑚礁(虫) a coral reef (insect).
珊瑚アナナス
さんごアナナス [4] 【珊瑚―】
パイナップル科サンゴアナナス属の観葉植物。南米の熱帯地域に分布し,同属の数種と共に温室栽培される。葉は線形で革質,基部は短い茎に巻き付く。花序は脇生,苞(ホウ)が赤色に色づき美しい。
珊瑚島
さんごとう [0] 【珊瑚島】
珊瑚礁が水面上に現れてできた島。
珊瑚樹
さんごじゅ [3] 【珊瑚樹】
(1)スイカズラ科の常緑高木。暖地に自生し,また生け垣・防風林・防火樹などとして栽植される。葉は長楕円形で光沢がある。夏,枝端に白色小花を多数円錐状につけ,秋,赤熟する楕円形の液果を結ぶ。キサンゴ。
(2)樹枝状のサンゴ。
珊瑚樹茄子
さんごじゅなす [5] 【珊瑚樹茄子】
トマトの異名。
珊瑚樹菜
さんごじゅな [4] 【珊瑚樹菜】
フダンソウの栽培品種。葉脈・葉柄・根が紫赤色。根の形はカブに似,断面に渦巻状の模様がある。砂糖大根に近縁で甘みが多く,食用とする。赤萵苣(アカヂサ)。渦巻大根(ウズマキダイコン)。火焔菜(カエンサイ)。
珊瑚海
さんごかい 【珊瑚海】
南太平洋,ソロモン諸島とオーストラリアとの間にある海域。コーラル海。
珊瑚海海戦
さんごかいかいせん 【珊瑚海海戦】
1942年(昭和17)5月,珊瑚海で日米間に戦われた史上初の空母機動部隊どうしの海戦。双方が空母に打撃を受け,開戦以来の日本軍の前進が阻止された。
珊瑚珠
さんごじゅ [3] 【珊瑚珠】
珊瑚を加工した珠。装飾品に用いる。「―の首飾り」
珊瑚礁
さんごしょう [3] 【珊瑚礁】
サンゴ虫の遺骸や分泌物から成る石灰質の岩礁。水深20メートル程度の暖かいきれいな海に形成される。環礁・裾礁(キヨシヨウ)・堡礁(ホシヨウ)などに分ける。石花礁。
珊瑚礁[図]
珊瑚色
さんごいろ [0] 【珊瑚色】
サンゴのような明るい赤色。
珊瑚藻
さんごも [3] 【珊瑚藻】
紅藻類サンゴモ科の海藻の総称。直立して分枝するものと,岩上にはりつくものとがある。石灰質に富む。
珊瑚虫
さんごちゅう [3] 【珊瑚虫】
サンゴの群体をつくっている動物体。イソギンチャク形で,八本または六本の触手をもつポリプ。
珍
うず ウヅ 【珍】
尊く珍しいこと。尊厳。高貴。「天皇(スメラ)朕(ワレ)―の御手もち/万葉 973」
珍
ちん [1] 【珍】 (名・形動)[文]ナリ
(1)めずらしい・こと(さま)。めずらしいもの。「―とするに足る」「山海の―」
(2)他と変わっていること。奇妙なこと。また,そのさま。「成る程,これは―な獣ですな/象(潤一郎)」「一寸―だね/平凡(四迷)」
珍
めずら メヅラ 【珍】 (形動ナリ)
「めずらか」に同じ。「豊のあかりぞいや―なる/宝治百首」
珍か
めずらか メヅラ― [2] 【珍か】 (形動)[文]ナリ
普通とは違っているさま。めずらしいさま。めずら。「空気に―なるよきかほりをそへ/浴泉記(喜美子)」
珍しい
めずらし・い メヅラシイ [4] 【珍しい】 (形)[文]シク めづら・し
(1)見たり聞いたりすることがまれだ。
(ア)見なれないさま。「―・い動物」「―・い形の家」
(イ)あまり例がないさま。「今日は―・く帰りがおそい」
(ウ)めったになく貴重なさま。「―・いものを見せていただきました」
(2)賞美するに足りるさま。心ひかれるさま。すばらしい。「常に見れども―・し我(ア)が君/万葉 377」
(3)いつもと違って清新だ。目新しい。「常に,同じ事のやうなれど,見たてまつるたびごとに,―・しからむをば,いかがはせむ/源氏(賢木)」
〔動詞「愛(メ)づ」から派生した形容詞〕
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
珍しい
めずらしい【珍しい】
[まれな]rare;→英和
[新奇な]new;→英和
novel;→英和
[異常な]strange;→英和
unusual;→英和
uncommon.→英和
珍しがる
めずらしがる【珍しがる】
be curious <about> (知りたがる).
珍しむ
めずらし・む メヅラシム 【珍しむ】 (動マ四)
めずらしいと思う。珍しがる。「人々―・みあへる中に/住吉(千種本)」
珍事
ちんじ [1] 【珍事】
(1)珍しく変わった出来事。「前代未聞の―」
(2)「椿事(チンジ)」に同じ。
珍事中夭
ちんじちゅうよう 【珍事中夭】
思いがけない災難。「―に逢ふ事常の事なり/義経記 2」
珍優
ちんゆう [0] 【珍優】
変わった演技をする俳優。
珍名
ちんめい [0] 【珍名】
珍しい名前。珍しい,人の名前。
珍味
ちんみ【珍味】
a dainty;→英和
a delicacy.→英和
山海の珍味 all sorts of delicacies.
珍味
ちんみ [1][0] 【珍味】
めったに食べられない,珍しくおいしい食物。「山海の―」
珍味佳肴
ちんみかこう [1] 【珍味佳肴】
珍しい味の食べ物とよい肴(サカナ)。たいそうなごちそうをいう。
珍品
ちんぴん [0] 【珍品】
手に入りにくい珍しい品。
珍品
ちんぴん【珍品】
a rare[priceless]article;a curio.→英和
珍問
ちんもん [0] 【珍問】
見当ちがいの,滑稽な質問。「―珍答」
珍器
ちんき [1] 【珍器】
珍しい器物・器具。
珍奇
ちんき [1] 【珍奇】 (名・形動)[文]ナリ
非常に珍しく変わっている・こと(さま)。そういうもの。「なんとも―な出来事」「人の性質たる―を好むに切なるから/小説神髄(逍遥)」
珍奇な
ちんき【珍奇な】
strange;→英和
curious;→英和
queer;→英和
odd.→英和
珍妙
ちんみょう [0][1] 【珍妙】 (名・形動)[文]ナリ
(1)風変わりでおかしい・こと(さま)。奇妙。「―ないでたち」
(2)珍しくてすばらしい・こと(さま)。「天より―之花雨(フ)り下り/私聚百因縁集」
[派生] ――さ(名)
珍宝
ちんぽう [0] 【珍宝】
〔古くは「ちんぼう」〕
珍しい宝物。
珍宝島
ちんぽうとう 【珍宝島】
中国とロシア連邦の国境をなすウスリー川にある川中島。領有をめぐり1969年中ソ両軍が衝突。91年,東部国境協定が結ばれ,中国の主張にそった境界確定が行われた。ダマンスキー島。
珍客
ちんきゃく【珍客】
a welcome visitor.
珍客
ちんかく [0] 【珍客】
⇒ちんきゃく(珍客)
珍客
ちんきゃく [0] 【珍客】
珍しい客。ちんかく。
珍敷塚古墳
めずらしづかこふん メヅラシヅカ― 【珍敷塚古墳】
福岡県浮羽郡吉井町にある装飾古墳。横穴式石室に,鳥のとまる舟,盾を持つ人,靫(ユギ),ひきがえる,同心円文の彩画がある。
珍書
ちんしょ【珍書】
a rare book.
珍書
ちんしょ [1] 【珍書】
珍しい本。珍本(チンポン)。
珍本
ちんぽん [0] 【珍本】
めったにない本。珍書。
珍本
ちんぽん【珍本】
a rare book.
珍果
ちんか [1] 【珍果】
珍しいくだもの。
珍案
ちんあん [0] 【珍案】
珍しい案。変わった思いつき。
珍無類
ちんむるい [1] 【珍無類】 (名・形動)[文]ナリ
ほかに類のないほどひどく変わっていること。滑稽きわまりないこと。また,そのさま。「―の服装」「―な発言」
珍物
ちんぶつ [0] 【珍物】
珍しい物。珍品。
珍物茶屋
ちんぶつぢゃや 【珍物茶屋】
江戸後期,江戸で繁昌した,珍しい鳥獣を見せ物として出していた茶屋。
珍獣
ちんじゅう [0] 【珍獣】
姿や生態のめずらしいけもの。
珍玩
ちんがん 【珍玩】
珍重して楽しむこと。また,珍重している愛玩物。「金銀―の蒙恵なほ報謝す/正法眼蔵」
珍異
ちんい [1] 【珍異】 (名・形動)[文]ナリ
珍しくかわっている・こと(さま)。「―の徴候現れければ/西国立志編(正直)」
珍稀
ちんき [1] 【珍稀】 (名・形動)[文]ナリ
珍しくまれである・こと(さま)。「―な出来事」
珍種
ちんしゅ [0] 【珍種】
めずらしい種類。めずらしい物。特に,動植物についていうことが多い。
珍答
ちんとう [0] 【珍答】
見当違いの滑稽な答え。
珍籍
ちんせき [0] 【珍籍】
めずらしい書籍。珍書。珍本。
珍糞漢
ちんぷんかん [3] 【珍紛漢・珍糞漢・陳奮翰】 (名・形動)
〔儒者の用いた難解な漢語に擬した造語。あるいは外国人の言葉の口まねからともいう〕
人の話している言葉や内容が全くわからないこと。話が全く通じないこと。また,そのさま。ちんぷんかんぷん。「きょうの話はとてもむずかしくて―だ」
珍紛漢
ちんぷんかん [3] 【珍紛漢・珍糞漢・陳奮翰】 (名・形動)
〔儒者の用いた難解な漢語に擬した造語。あるいは外国人の言葉の口まねからともいう〕
人の話している言葉や内容が全くわからないこと。話が全く通じないこと。また,そのさま。ちんぷんかんぷん。「きょうの話はとてもむずかしくて―だ」
珍紛漢紛
ちんぷんかんぷん [5][0] 【珍紛漢紛】 (名・形動)
「ちんぷんかん」に同じ。「ロシア語は全く―だ」
珍羞
ちんしゅう [0] 【珍羞】
〔「羞」は食べ物の意〕
珍しい食べ物。珍しい料理。珍肴(チンコウ)。「世の書籍を骨董視する人々の朶頤(ダイ)すべき―であらう/伊沢蘭軒(鴎外)」
珍聞
ちんぶん [0] 【珍聞】
珍しい変わった内容の話。奇聞。
珍聞
ちんぶん【珍聞】
a curious[funny]story.
珍肴
ちんこう [0] 【珍肴】
珍しい酒のさかな。「美酒―」
珍膳
ちんぜん [0] 【珍膳】
めずらしい料理。珍肴(チンコウ)。
珍至梅
ちんしばい [3] 【珍至梅】
バラ科の落葉低木。中国原産。庭木とする。高さ3〜5メートル。羽状複葉を互生。六〜八月,枝先の大形の円錐花序に白色の小花を密生する。雄しべは多数で長く目立つ。ニワナナカマド。
珍花
ちんか [1] 【珍花】
珍しい花。形や色が珍しい花。
珍芸
ちんげい [0] 【珍芸】
変わっていておもしろい芸。
珍菓
ちんか [1] 【珍菓】
珍しい菓子。
珍蔵
ちんぞう [0] 【珍蔵】 (名)スル
めずらしいものとして大切にしまいこむこと。「古器を―し今に伝える」
珍襲
ちんしゅう [0] 【珍襲】 (名)スル
めずらしいものとしてしまっておくこと。「長持の底深く―して/生(花袋)」
珍語
ちんご [0] 【珍語】
珍しい言葉。奇妙な言葉。
珍説
ちんせつ [0] 【珍説・椿説】
(1)めずらしい話。珍談。
(2)めずらしい意見。また,風変わりな,ばかばかしい意見。
珍説
ちんせつ【珍説(を吐く)】
(advance) a strange view[theory].
珍談
ちんだん【珍談】
a funny story;an anecdote;→英和
an episode (挿話).→英和
珍談
ちんだん [0] 【珍談】
めったにありそうもない滑稽な話。
珍貨
ちんか [1] 【珍貨】
珍しい財宝。
珍貴
ちんき [1] 【珍貴】 (名・形動)[文]ナリ
珍しく貴重である・こと(さま)。「―な品々」
珍重
ちんちょう [0] 【珍重】 (名)スル
(1)めずらしがって大切にすること。「舶来物として―される」
(2)自らを大切にすること。主に書簡で,相手に自重自愛をすすめる意で用いられる。「願わくは―にせよかしとて/妾の半生涯(英子)」
(3)めでたいこと。祝うべきこと。「まずはご無事で―/浄瑠璃・二つ腹帯」
(4)連歌や俳諧で用いるほめ言葉。至極結構の意。「月の御発句,花の御脇,あふそれながら―/咄本・昨日は今日」
珍重する
ちんちょう【珍重する】
make much <of> ;prize[value]highly.
珍魚
ちんぎょ [1] 【珍魚】
珍しい魚。
珍鳥
ちんちょう [0] 【珍鳥】
めずらしい鳥。
珠
たま [2] 【玉・珠・球・弾】
(1)球形のもの。
(ア)丸い形状のもの。また,丸い形状にしたもの。《玉》「目の―」「こんにゃく―」「毛糸の―」「うどん―」
(イ)特に,水滴・涙など球状のもの。《玉》「―の汗」「涙の―」「―の露」
(ウ)野球・ゴルフ・ビリヤードなどのボール。《球》「沈む―」「速い―を投げる」
(エ)(「弾丸」とも書く)鉄砲の弾丸。《弾》「―をこめる」
(オ)電球。《球》「―がきれる」(カ)眼鏡などのレンズ。《玉》「―がくもる」(キ)算盤(ソロバン)玉のこと。《玉・珠》「―を置く」(ク)睾丸(コウガン)。きんたま。《玉》「―を抜く」
(2)(「璧」とも書く)丸い形をした美しい宝石。《玉・珠》
(ア)みがいた鉱石や真珠など。「―をちりばめる」「竜の頸に五色にひかる―あり/竹取」
(イ)転じて,価値あるもの,すぐれたもの,いつくしむべきもの,などのたとえにいう語。「掌中の―」「―のような男の子」「艱難(カンナン)汝(ナンジ)を―にす」
(3)女性のこと。また,女性の美しさ。《玉》「美しき―を盗み親分に預け/洒落本・客者評判記」
(4)芸者や遊女など客商売の女性。《玉》「上―」
(5)人物。その人品や器量をうんぬんする時にいう語。あざけっていう場合にも用いる。《玉》「その役がつとまる―ではない」「あいつもいい―だぜ」
(6)計略・策略などの手段に用いる,人や金銭。「このにせ金を―に使うて/歌舞伎・韓人漢文」
(7)玉落ちに使う丸めた紙。
→玉落ち
(8)名詞の上に付けて接頭語的に用いる。《玉》
(ア)美しいもの,すぐれているものをほめていう。「―垣」「―くしげ」
(イ)球形のものである意を添える。「―砂利」「―ねぎ」
珠光
じゅこう ジユクワウ 【珠光】
〔「しゅこう」とも〕
⇒村田珠光(ムラタジユコウ)
珠光緞子
じゅこうどんす ジユクワウ― [4] 【珠光緞子】
〔村田珠光が愛用したことから〕
名物裂(ギレ)の一。濃い花色を経(タテ)糸に,渋い萌黄(モエギ)を緯(ヨコ)糸に用いて,唐草・竜・宝づくしなどの文様を織り出した繻子(シユス)織物。
珠光青磁
じゅこうせいじ ジユクワウ― [4] 【珠光青磁】
〔村田珠光愛用の茶碗と同様の手とされたことから〕
淡黄褐色で透明質の釉(ウワグスリ)を施した,中国同安窯系の青磁。内外面に櫛目文(クシメモン),猫掻き文様がある。
珠孔
しゅこう [0] 【珠孔】
種子植物の胚珠にある小さい穴。花粉管はここを通って胚に至り,受精が起こる。
珠心
しゅしん [0] 【珠心】
胚珠の中央にある柔組織。外側に一,二枚の珠皮があり,内に胚嚢(ハイノウ)を作る。胚珠心。
珠敷く
たまし・く 【玉敷く・珠敷く】 (連語)
美しい石を敷く。また,そのように美しいさまをいう。「―・きて待たましよりはたけそかに来たる今夜し楽しく思ほゆ/万葉 1015」
珠暖簾
たまのれん [3] 【珠暖簾】
球状や管状の玉を糸に通して下げた暖簾。
珠柄
しゅへい [0] 【珠柄】
胚珠の下端にあり,胚珠を子房の胎座に付着させている柄。
珠江
しゅこう 【珠江】
中国,華南地方の大河。西江を本流とし,東江・北江から成る。広東省で大デルタを形成し南シナ海に注ぐ。流域は米作が盛ん。デルタの北端に広州がある。華南水路交通の動脈。長さ2130キロメートル。別称,粤江(エツコウ)。チュー-チアン。
珠洲
すず 【珠洲】
石川県北部,能登半島先端の市。景勝や温泉に恵まれた観光地。瓦などの製造でも知られる。
珠玉
しゅぎょく [0][1] 【珠玉】
(1)真珠と宝石。
(2)美しいもの,すぐれたもの,尊いもののたとえ。特に芸術作品にいうことが多い。「―の短編」「―の小品」
珠玉
しゅぎょく【珠玉】
a gem;→英和
a jewel.→英和
珠皮
しゅひ [1] 【珠皮・珠被】
胚珠を構成する組織で珠心をおおっている部分。発達して種皮となる。
珠算
しゅざん【珠算】
calculation on the abacus.→英和
珠算
しゅざん [0] 【珠算】
算盤(ソロバン)を使ってする計算。たまざん。
珠算
たまざん [2] 【玉算・珠算】
算盤(ソロバン)を用いて計算すること。しゅざん。
珠簾
しゅれん [1][0] 【珠簾】
(1)玉のすだれ。珠でかざったすだれ。たますだれ。
(2)すだれの美称。
珠芽
しゅが [1] 【珠芽】
⇒むかご(零余子)
珠衣
たまごろも [3] 【玉衣・珠衣】
(1)「たまぎぬ(玉衣)」に同じ。
(2)〔「法華経」中に「酔った友の衣のうらに珠を縫い込み与えたが衣の持ち主は知らずに,貧乏のまま過ごした」という話があり,仏性もその玉のようなものだと比喩されている〕
裏に珠を縫い込んだ衣。「―身を離れずと聞けどなほ光見ねばやありとしもなき/夫木 34」
珠被
しゅひ [1] 【珠皮・珠被】
胚珠を構成する組織で珠心をおおっている部分。発達して種皮となる。
珠貝
たまがい [2] 【珠貝・玉貝】
(1)腹足綱タマガイ科の巻貝の総称。球形または卵形で,光沢があり,石灰質または革質のふたをもつ。砂中に潜り,二枚貝などをとらえ,殻に穴をあけて肉を食べる。卵嚢は砂を粘液で固めたもので「砂茶碗(スナヂヤワン)」と呼ばれる。多く熱帯域に分布。
(2)アコヤガイの異名。
珠鶏
ほろほろちょう [0] 【ほろほろ鳥・珠鶏】
キジ目キジ科の鳥。全長約40センチメートル。頭頸部は裸出し,頭頂に赤い突起があり,頸部に赤い肉垂れがある。全身暗灰色あるいは淡青色で多数の小白斑があるものと,全身灰白色のもののほか数亜種がある。アフリカ西部原産。肉用・愛玩用として家禽化されている。
ほろほろ鳥[図]
珪ニッケル鉱
けいニッケルこう [0] 【珪―鉱】
蛇紋石の一。土状をなすことが多く,鮮緑色を呈する。ニッケルの原料鉱石の一。ニューカレドニア島などに産する。
珪化
けいか [1] 【珪化】 (名)スル
(1)ケイ素と,ケイ素よりも陽性の元素とが化合すること。
(2)堆積物や岩石中に水に溶けたケイ酸が浸透または付加してのち,二酸化ケイ素となって沈着すること。
珪化木
けいかぼく [3] 【珪化木】
ケイ化した木。地中に埋もれ,二酸化ケイ素を含む地下水などにより材がタンパク石または瑪瑙(メノウ)化したもの。
珪化物
けいかぶつ [3] 【珪化物】
ケイ素と他の元素との化合物。ケイ素化合物。
珪土
けいど【珪土】
silica.→英和
珪土
けいど [1] 【珪土】
土状の二酸化ケイ素のこと。ケイ砂。
珪孔雀石
けいくじゃくせき [5] 【珪孔雀石】
ケイ酸銅の水和物を成分とする鉱物。非晶質で,青緑色のもろい塊状をなし,ガラス光沢を呈する。銅鉱床の酸化帯中に産する。
珪岩
けいがん [0] 【珪岩】
主に石英の粒状結晶からなる変成岩。石英質の砂岩やチャートが変成再結晶したもの。
珪灰石
けいかいせき ケイクワイ― [3] 【珪灰石】
カルシウムを含むケイ酸塩鉱物。三斜晶系。白色でガラス光沢がある。繊維状ないし細柱状の結晶の集合体として,変成作用を受けた石灰岩中に産する。陶磁器・耐火材などの原料。
珪璋
けいしょう [0] 【珪璋・圭璋】
礼式に用いる玉。
珪石
けいせき [1] 【珪石】
陶磁器・ガラス・耐火材などの原料となるケイ質岩の総称。石英・ペグマタイト・チャートなど。
珪石
けいせき【珪石】
《鉱》silica;→英和
silex.→英和
珪砂
けいしゃ [1] 【珪砂】
石英粒からなる砂。花崗(カコウ)岩などが風化してできる。ガラスの原料や鋳物砂などに用いる。石英砂。けいさ。
珪素
けいそ [1] 【珪素・硅素】
〔silicon〕
炭素族元素の一。元素記号 Si 原子番号一四。原子量二八・〇九。酸化物やケイ酸塩として岩石中に多量に存在し,地殻中の存在量は酸素に次ぐ。単体のケイ素は灰黒色の結晶または褐色の無定形固体。高純度のものは典型的な半導体で,トランジスタ・集積回路その他の半導体素子として用いる。また,ケイ素樹脂・シリコーン油などの有機ケイ素化合物としても重要。
〔自然科学ではケイ素と書く〕
珪素
けいそ【珪素】
《化》silicon.→英和
珪素樹脂
けいそじゅし [4] 【珪素樹脂】
シリコーンの一。ゴム状・ワニス状・グリース状・油状のものがあり,低温から高温(摂氏マイナス八〇〜二六〇度)まで安定。電気絶縁物・耐熱性塗料・接着剤・防水剤などに用いる。
珪素鋼
けいそこう [3][0] 【珪素鋼】
ケイ素を0.4〜5パーセント含む特殊鋼。炭素などの不純物がきわめて少なく,透磁率・電気抵抗が高く,磁気ヒステリシス損失が少ないので,変圧器の鉄心や回転機などに用いる。
珪線石
けいせんせき [3] 【珪線石】
アルミニウムのケイ酸塩鉱物の一。斜方晶系。灰白色のガラス光沢があり,繊維状結晶の集合体として変成岩中に産する。耐火材の窯業原料。
珪肺
けいはい [0] 【珪肺】
塵肺(ジンパイ)の一。肺にケイ酸が沈着する疾患。ケイ酸を含む粉塵が吸入され肺胞に至り上皮細胞に沈着し,繊維増殖が起こって肺機能が障害される。採石・採鉱・セメント製造などで起こる職業病。よろけ。
珪肺症
けいはいしょう【珪肺症】
《医》silicosis.→英和
珪藻
けいそう [0] 【珪藻・ケイ藻】
「珪藻類」に同じ。
珪藻土
けいそうど [3] 【珪藻土】
ケイ藻の遺体に粘土などがまじった海底や湖底などの堆積物。多孔質のチョーク状で白または灰黄色。保温剤・濾過(ロカ)剤・吸着剤などに使われる。石川県能登半島などに産する。
珪藻土
けいそうど【珪藻土】
diatomaceous earth.
珪藻類
けいそうるい [3] 【珪藻類・ケイ藻類】
細胞膜に特殊な構造のケイ酸質の殻を生じ,褐色の色素を有する単細胞の微小な藻類。淡水・鹹水(カンスイ)・土壌中に広く分布し,種類が多い。殻の形が筆箱状のものと円盤ないし円筒形のものとに大別される。単独または群体で浮遊するもの(プランクトン)と,集合して着生生活をするものとがあり,前者は魚の餌(エサ)などとして重要。ケイ藻。
珪質
けいしつ [0][1] 【珪質】
ケイ素に富む物質。また,成分中のケイ素分。
珪質岩
けいしつがん [4] 【珪質岩】
二酸化ケイ素に富む岩石。珪華・チャート・珪岩など。
珪質海綿
けいしつかいめん [5] 【珪質海綿】
海綿動物のうち,石灰海綿を除いたものの総称。ケイ酸質の骨片をもつ。六放海綿類など。
珪質軟泥
けいしつなんでい [5] 【珪質軟泥】
ケイ酸に富むケイ藻・放散虫・ケイ質海綿などの遺体を含む,未固結できわめて細粒の深海堆積物。ケイ藻軟泥・放散虫軟泥など。
珪酸
けいさん [0] 【珪酸】
(1)オルトケイ酸 H�SiO�・メタケイ酸 H�SiO�・メタ二ケイ酸 H�Si�O� など,一般式 �SiO�・�H�O で表される組成の一定しない化合物。水にわずかに溶ける。アルカリ金属のケイ酸塩に塩酸を加えるとゾルあるいはゲルとなり,これを脱水すると白色粉末が得られる。
(2)二酸化ケイ素の通称。
〔自然科学ではケイ酸と書く〕
珪酸
けいさん【珪酸】
《化》silicic acid.
珪酸ナトリウム
けいさんナトリウム [7] 【珪酸―】
ケイ酸塩の一。多くの種類があり,普通はメタケイ酸ナトリウム Na�SiO� をさす。無水物は石英粉末を炭酸ナトリウムとよくまぜて摂氏約一〇〇〇度に加熱し溶融させ,冷却固化させてつくる。水に溶けて強アルカリ性を示す。濃水溶液は粘度の高い水あめのような液体で,多くの組成のケイ酸ナトリウムを含み,水ガラスと呼ばれる。ケイ酸ソーダ。
珪酸塩
けいさんえん [3] 【珪酸塩】
二酸化ケイ素と金属酸化物から成る塩。一般式 �M�O・�SiO� 造岩鉱物の主成分として地殻の大部分を形成する。金属はアルカリ金属,アルカリ土類金属,アルミニウム,鉄などのものが多い。アルカリ金属塩以外は水に溶けにくく,フッ化水素以外の普通の酸,その他の多くの試薬に侵されにくい。融解物を冷却するとガラスをつくりやすい。
珪酸塩鉱物
けいさんえんこうぶつ [7] 【珪酸塩鉱物】
二酸化ケイ素と金属酸化物より成る鉱物。地殻を形成する鉱物の大部分を占める。橄欖石(カンランセキ)・輝石・角閃石(カクセンセキ)・雲母・長石・石英など。
班
はん 【班】
■一■ [1] (名)
ある集団を小分けにした一つ一つ。組。グループ。「三つの―に分ける」
■二■ (接尾)
助数詞。組の数や順序を数えるのに用いる。上にくる語によっては「ぱん」ともなる。「小隊は六―から成る」
班員
はんいん [0] 【班員】
班のメンバー。班の人員。
班固
はんこ 【班固】
(32-92) 中国,後漢の学者。字(アザナ)は孟堅。父班彪(ハンヒヨウ)の遺志を継いで,「史記」に続く正史「漢書」を著した。大将軍竇憲(トウケン)の罪に連座し,獄死したため,妹の班昭が一部の未完部分を書いた。「両都賦」「白虎通義」も有名。武将の班超はその弟。
班女
はんじょ 【班女】
漢の成帝の女官班婕妤(ハンシヨウヨ)のこと。
班婕妤
はんしょうよ 【班婕妤】
〔「漢書(外戚伝)」より。「婕妤」は女官の名〕
中国,漢の女官。成帝の寵愛を得たが,のちに帝が趙飛燕姉妹を寵愛するようになったため,身をひいて太后に仕えた。その時自ら悲しんで「怨歌行」を作った。後世,寵愛を失った女性を歌った詩に登場することが多い。班女。生没年未詳。
班彪
はんひょう 【班彪】
(3-54) 中国,後漢の歴史家。字(アザナ)は叔皮。班固・班超・班昭の父。光武帝のとき,「史記」の後をうけて前漢の歴史編纂を企てたが途中で没した。班固さらに班昭が継いで「漢書」を完成。
班昭
はんしょう 【班昭】
中国,後漢の学者。字(アザナ)は恵班。班固・班超の妹。宮廷に招かれ,后妃らの師となり,曹大姑(ソウタイコ)とあおがれた。班固が獄死するとあとを継いで「漢書」を完成。他に著「女誡」など。生没年未詳。
班点
はんてん【班点】
a spot;→英和
a speck.→英和
〜のある spotted;→英和
speckled.→英和
班田
はんでん [0] 【班田】
律令制で,口分田(クブンデン)を人民にわかち与えること。また,その口分田。あかちだ。
班田
あかちだ 【班田】
「はんでん(班田)」に同じ。「戸籍・計帳・―収め授くる法を造れ/日本書紀(孝徳訓)」
班田使
はんでんし [3] 【班田使】
律令制で,特に畿内諸国の班田を行うために派遣された官人。
班田制
はんでんせい [0] 【班田制】
土地制度として班田を行うこと。また,その制度。日本では班田収授法,中国では唐の均田法。
班田収授の法
はんでんしゅうじゅのほう 【班田収授の法】
律令制で,一定年齢に達した人民に一定面積の口分田を与える法。中国の均田法にならい,大化の改新以後採用された。六年に一度行われ,六歳以上の人民に,良民男子は二段,女子はその三分の二,官戸・公奴婢は良民と同率,家人・私奴婢には男女それぞれ良民の三分の一が与えられ,死亡によって収公された。律令制の弛緩に伴い実施されなくなり,一〇世紀初めには廃絶。
班給
はんきゅう [0] 【班給】
いくつかにわけて与えること。
班超
はんちょう 【班超】
(32?-102?) 中国,後漢の武将。字(アザナ)は仲升。班彪(ハンヒヨウ)の子。班固の弟,班昭の兄。鄯善(ゼンゼン)・于闐(ウテン)など西域諸国を服属させ西域都護となり,さらにパミールの東西五〇余国を統轄した。97年,部下の甘英を大秦(ローマ)に派遣した。
班長
はんちょう [1] 【班長】
班を統率する人。班の長。
班[組]
はん【班[組]】
a group;→英和
a party;→英和
a squad (軍隊の).→英和
班長 a group[squad]leader.
珮
おもの 【佩物・珮】
「おびもの(佩物)」に同じ。
珮
はい [1] 【佩・珮】
■一■ (名)
古代の装身具の一。腰帯とそれにつりさげた玉(ギヨク)・金属器などの総称。中国の殷(イン)・周代に盛行し,古墳時代の日本に伝播した。
■二■ (接尾)
助数詞。刀剣の類を数えるのに用いる。ふり。《佩》
→佩玉
佩■一■[図]
珮
おんもの 【佩物・珮】
「おびもの」の転。[和名抄]
珮
おびもの 【佩物・珮】
(1)身につけるもの。腰にさげる装飾品。
(2)奈良時代,礼服(ライフク)に用いた装飾品。組み糸に玉を通し,胸の下から沓(クツ)のところまで垂らし,歩くときに鳴るようにしたもの。おんもの。玉佩(ギヨクハイ)。
現
げん [1] 【現】
(1)今,実際に存在すること。「―にここにある」
(2)現在その地位にあること。「無所属―」
(3)漢語の上に付いて連体詞的に用いる。今の。現在の。「―政府」「―執行部」
(4)現世。「普(アマネ)く―には千幸万福に楽しみて/盛衰記 39」
(5)実際にある物。本物。「―の山伏ならば,よも関手をばなさじ/義経記 7」
現
おつつ ヲツツ 【現】
〔上代では「おつづ」〕
今。うつつ。「いにしへゆ今の―に/万葉 3985」
現
うつつ [0][3] 【現】
(1)(夢に対して)目がさめている状態。現実。「夢か―か幻か」
(2)正常な心の状態。正気。本心。「―にかえる」
(3)(「夢うつつ」の形で使われることから誤って)夢見心地。半覚醒。「『…,お吸物が冷めます。』と言ふのを―に聞きながら/多情多恨(紅葉)」
(4)(死に対して)生きている状態。「―にありしやうにてありと見て/更級」
現
あら 【現】 (接頭)
名詞に付いて,世に現れている,目に見えている,の意を表す。「―人神」
現
うつし 【現】
(形容詞「うつし」の語幹)
現−
げん−【現−】
the present <Cabinet> ;→英和
the reigning <Emperor> .
現し
うつ・し 【現し・顕し】 (形シク)
(1)現に生きてある。現実だ。うつつである。「葦原の中つ国に有らゆる―・しき青人草の/古事記(上)」
(2)正気である。まことだ。「偽も似つきてそする―・しくもまこと吾妹子吾に恋ひめや/万葉 771」
現じる
げん・じる [0][3] 【現じる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「現ずる」の上一段化〕
「現ずる」に同じ。「奇跡が―・じる」
現す
あらわ・す アラハス [3] 【表す(表わす)・現す(現わす)・顕す】 (動サ五[四])
(1)今までなかったり隠れていたりした物・姿・様子などを,外から見えるようにする。《現》「姿を―・す」「全貌を―・す」「正体を―・す」「本性を―・す」
(2)感情などを表情や外見から読みとれるようにする。《表》「怒りを顔に―・す」
(3)人が,考え・感情などを,言葉・絵・音楽などによって相手に示す。表現する。《表》「自分の気持ちをうまく言葉に―・すことができない」「荘厳な雰囲気を音楽で―・す」
(4)記号や色がある意味を示す。表示する。《表》「交通信号の赤は『止まれ』を―・す」「地図で寺を―・す記号」
(5)広く世間に知らせる。顕彰する。《顕》「碑を建ててその功績を世に―・す」
(6)口に出して言う。「君をやさしみ―・さずありき/万葉 854」
[可能] あらわせる
〔「あらわれる」に対する他動詞〕
[慣用] 頭角を―・馬脚を―・化けの皮を―
現ず
げん・ず 【現ず】 (動サ変)
⇒げんずる(現)
現ずる
げん・ずる [0][3] 【現ずる】 (動サ変)[文]サ変 げん・ず
今まで見えなかったものが姿をあらわす。また,あらわれる。「金鋼力士が…十六丈の姿を―・じ/五重塔(露伴)」
(2)霊験があらわれる。「いみじう―・じ給ふといふに,まうで給ひて/浜松中納言 1」
現つ
うつつ【現つ】
reality.→英和
夢〜で暮らす dream away one's life[time].〜を抜かす be mad[crazy] <about> .
現つ御神
あきつみかみ 【現つ御神】
「あきつかみ」に同じ。「かけまくもかしこき―と/祝詞(出雲国造神賀詞)」
現つ神
あきつかみ 【現つ神】
現実に姿を現している神。天皇の尊称。あきつみかみ。あらひとがみ。「―吾が皇(オオキミ)の天の下/万葉 1050」
現なま
げんなま【現なま】
cold[hard]cash;ready money.⇒現金.
現に
げんに【現に】
[事実]actually;→英和
really;with one's own eyes (まのあたり);for instance[example](たとえば).
現に
げんに [1] 【現に】 (副)
現実に。実際に。「―見た人がいる」
現の夢
うつつのゆめ 【現の夢】
夢のようにはかないこの世の現実。はかない逢瀬(オウセ)をたとえることが多い。「魂は―にあくがれて見しも見えしも思ひわかれず/風雅(恋二)」
現の証拠
げんのしょうこ [4] 【現の証拠】
〔飲むとその証拠にすぐききめが現れる意〕
フウロソウ科の多年草。山野に自生。葉は掌状に三〜五裂し柄が長い。茎は斜上して長さ40センチメートル内外。夏,葉腋から出た花柄上に白紫色または紅紫色の小五弁花を二個開く。干したものを煎じて下痢止め・健胃薬とする。ミコシグサ。[季]夏。
現の証拠[図]
現の限り
うちのかぎり 【現の限り】
〔「うち」は「うつ(現)」の転か。また,「うち(内)(3)」の意とも〕
現世に生きている限り。「たまきはる―は平らけく安くもあらむを/万葉 897」
現る
あらわ・る アラハル 【表る・現る・顕る】 (動ラ下二)
⇒あらわれる
現れ
あらわれ アラハレ [0] 【表れ・現れ】
あらわれること。あらわれたもの。「好意の―」
現れる
あらわ・れる アラハレル [4] 【表れる(表われる)・現れる(現われる)・顕れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 あらは・る
(1)今までなかった人や物が出てきたり,隠れて見えなかった物や事柄が見えるようになる。出現する。《現》「一五分ほどおくれて―・れた」「この辺には時に熊の―・れることがある」
(2)それまで存在しなかった物や事柄が生じたり作られたりして,目で確認できるようになる。出現する。登場する。出る。《現》「皮膚に赤い発疹(ハツシン)が―・れる」「薬の効果が―・れる」
(3)考え・感情・傾向などが,他人に感知されるようになる。《表》「景気の動向はすぐ数字に―・れる」「顔に死相が―・れる」
(4)隠されていた物やわからなかった事柄などが,人々に知られるようになる。露顕する。《現》「これまでの悪事が―・れる」「こういう時にこそ,その人の真価が―・れる」
〔「あらわす」に対する自動詞〕
現れ出る
あらわれ∘でる アラハレデル [5] 【現れ出る】 (動ダ下一)
姿をあらわす。出現する。登場する。
現われ
あらわれ【現われ】
(a) manifestation;a sign;→英和
an expression;→英和
a reflex (反映).→英和
現下
げんか [1] 【現下】
現在。目下(モツカ)。今。「―の社会情勢」
現下の
げんか【現下の】
present <state of things> ;→英和
existing;→英和
of the day[hour].→英和
現世
うつしよ [3][0] 【現世】
この世。げんせ。
現世
げんせい [1][0] 【現世】
(1)「げんせ(現世)」に同じ。
(2)「完新世(カンシンセイ)」に同じ。
現世
げんせ [1] 【現世】
〔仏〕
〔「げんぜ」とも。「現在世」の略〕
三世の一。この世。現在の世。現在,生きている世界。現生。現在生(シヨウ)。げんせい。
→過去世
→未来世
→前世
→後世(ゴセ)
現世の[で]
げんせ【現世の[で]】
in this world[life].〜的 worldly;→英和
earthly.→英和
現世主義
げんせしゅぎ [4] 【現世主義】
現世の生活を第一義とし,来世の存在を無視ないし軽視する生活態度。
現世利益
げんせりやく [4] 【現世利益】
祈祷(キトウ)・念仏などによって神仏から授けられる,この世でのしあわせ。現益。
現事
うつしごと 【現事・顕事】
(1)現実の事。現世の出来事。「大八島国の現(アキ)つ事,―事避(ヨ)さしめき/祝詞(出雲国造神賀詞)」
(2)正気でする事。意識してする事。「年ごろの御ありさまは,―とやおぼしつる/とりかへばや(中)」
現人
うつつびと 【現人】
この世に生きている人。また,出家せず俗世間にある人。「かうまで―にて見るべかりしひとかは/狭衣 4」
現人
うつしおみ 【現人】
生きている現実の人間。この世の人の姿。「我が大神,―有らむとは,覚(サト)らざりき/古事記(下)」
→うつせみ
→うつそみ
現人
うつしびと 【現人】
(1)(僧に対して)在俗の人。「―にては,世におはせむも,うたてこそあらめ/源氏(手習)」
(2)(死者に対して)この世の人。「―にてだにむくつけかりし人の御けはひを/源氏(若菜下)」
現人神
あらひとがみ [4][5] 【現人神・荒人神】
(1)人の姿をして,この世に現れた神。天皇をいう。あきつかみ。「吾は是,―の子也/日本書紀(景行訓)」
(2)時に応じて現れ霊験を示す神。特に,住吉や北野の神などをいう。「住吉(スミノエ)の―舟の舳(ヘ)にうしはき給ひ/万葉 1020」
(3)人にたたりをする荒々しい神。[日葡]
現今
げんこん [1] 【現今】
現在。今。「―の情勢」
現今
げんこん【現今(では)】
now;→英和
at present.〜の present-day; <young people> of today.
現代
げんだい【現代】
the present age[day];our time;today.→英和
〜の present-day;modern;→英和
of our own time.〜式の up-to-date;modern.‖現代英語 present-day English.現代人 a modern.現代生活 (思想) present-day life (contemporary thought).現代版 a modern edition.現代文学(作家) (a) modern literature (writer).
現代
げんだい [1] 【現代】
(1)現在の時代。その人が生きている,今の時代。「―日本の諸問題」「―の若者たち」「―人」
(2)歴史の時代区分の一。世界史的には一般に,大衆社会の成立をみた一九世紀末以後,あるいは資本主義社会と社会主義社会の並立した第一次大戦後をさすが,日本史では,第二次大戦後をさすことが多い。
現代の英雄
げんだいのえいゆう 【現代の英雄】
〔原題 (ロシア) Geroi nashevo vremeni〕
レールモントフの小説。1840年刊。余計者の系譜に連なる貴族青年ペチョーリンを主人公とする五編の短編からなる連作。ロシアで最初の近代的な心理小説として,後世に大きな影響を与えた。
現代主義
げんだいしゅぎ [5] 【現代主義】
⇒モダニズム
現代仮名遣い
げんだいかなづかい [7] 【現代仮名遣い】
1946年(昭和21)11月16日の内閣告示によって公布された仮名遣い。現代国語の口語文を書き表すために,歴史的仮名遣いを現代語の発音に基づいた仮名遣いに近づけることを目指したもの。86年に改定され,新たに内閣告示として公布されたが,その内容はごく一部の変更があっただけで,全体としては,ほぼ従前のものが受け継がれた。新仮名遣い。
⇔歴史的仮名遣い
現代劇
げんだいげき [3] 【現代劇】
現代の風俗・世相感情・思想などを素材とした劇。
⇔時代劇
現代化
げんだいか [0] 【現代化】 (名)スル
時代遅れになった体制・機構・設備・方法などを今の世にふさわしい新しいものにすること。
現代文
げんだいぶん [0][3] 【現代文】
(1)現代語で書かれた文。現代の話し言葉に基づき,できるだけそれに近い文体で書かれた文。口語文。
(2)学校における国語科教育で,明治以後に書かれた文章。口語文も文語文も含む。
現代版
げんだいばん [0] 【現代版】
古典の主人公や,昔の著名な事件のもつ性格を現代において持っているもの。「―浦島太郎」
現代的
げんだいてき [0] 【現代的】 (形動)
現代の生活に関係あるさま。現代にふさわしいさま。現代風。当世風。モダン。今風。「―な生活様式」
現代華
げんだいか [3] 【現代華】
(1)1920年代のモダン-アートの流行に刺激され,欧米の芸術論を導入した生け花作品。1945年以降盛んになる。自由花。
(2){(1)}をとりこんだ生け花・立華・盛花など。
現代語
げんだいご [0] 【現代語】
現代の人がいま実際に使用している言語。一般に,明治以降用いられている言語。特に,東京語を中心とした共通語をいう。
現代音楽
げんだいおんがく [5] 【現代音楽】
一般には,第一次大戦以後の芸術音楽をさす語。広義には,ドビュッシー以後の二〇世紀の音楽全体,狭義には第二次大戦後のさまざまな新しい傾向の芸術音楽をさす。
現任
げんにん [0] 【現任】
現在,役職についていること。「―の委員」
現任訓練
げんにんくんれん [5] 【現任訓練】
⇒オン-ザ-ジョブ-トレーニング
現住
げんじゅう [0] 【現住】 (名)スル
(1)現在そこに住んでいること。「―地」
(2)〔仏〕
(ア)現在の住職。
(イ)現世にあること。
現住所
げんじゅうしょ【現住所】
one's present address.
現住所
げんじゅうしょ [3] 【現住所】
現在居住している場所。
現価
げんか [1] 【現価】
(1)現在のねだん。時価。
(2)将来の一定の時期に支払われる一定の金額の,現在における価額。その時点から支払時期までの利息を差し引いたもの。
現俸
げんぽう [0] 【現俸】
現在の俸給。現在の給料。
現像
げんぞう [0] 【現像】 (名)スル
(1)写真で,露出されたフィルム・印画紙を薬品で処理して,写された像を目に見えるようにすること。また,その処理。「フィルムを―する」
(2)ある形をとってあらわれること。また,その形。「外に現るゝ外部の行為と内に蔵(カク)れたる内部の思想と二条の―あるべき筈なり/小説神髄(逍遥)」
(3)「現象{(1)}」に同じ。「此有様はもと地球の動くために生じたる―なるゆえ/文明論之概略(諭吉)」
現像する
げんぞう【現像する】
develop <a film> .→英和
‖現像液 a developer.現像紙 developing-out paper <D.O.P.> .現像所 a processing laboratory.
現像液
げんぞうえき [3] 【現像液】
写真の現像に用いる溶液。現像主薬(メトール・ヒドロキノンなどの還元剤)とその作用を助ける現像助剤などからなる。
現先取引
げんさきとりひき [5][6] 【現先取引】
一定期間後の買い戻し,売り戻しを約束して行われる債券の売買取引。企業や証券会社は短期資金を調達できる。条件付き売買。
現先市場
げんさきしじょう [5] 【現先市場】
現先取引の市場。
現出
げんしゅつ【現出】
⇒出現.
現出
げんしゅつ [0] 【現出】 (名)スル
実際にあらわれ出ること。あらわし出すこと。「パラダイスを―する」
現制
げんせい [0] 【現制】
現在の制度。
現前
げんぜん [0] 【現前】 (名)スル
(1)現在,目の前にあること。目の前にあらわれていること。「俄然として新天地が―する/門(漱石)」
(2)〔哲〕
〔(ドイツ) Anwesen〕
現にここにあること。感官・意識に現れていること。西欧形而上学では恒常的実体と結びつけてとらえられたが,ハイデッガーはそれを出来事として考え,デリダも脱構築の対象としている。
現務
げんむ [1] 【現務】
現に取り扱っている事務。
現勢
げんせい [0] 【現勢】
現在の情勢。現状。
現化
げんげ [1] 【現化】
神仏がこの世に姿を現すこと。げんか。
現収
げんしゅう [0] 【現収】
現在の収入。
現品
げんぴん【現品】
the (very) thing[article].現品引替払い cash[payment]on delivery <C.O.D.> .
現品
げんぴん [1][3] 【現品】
実際の品物。現に手元にある品。現物。「―限り」「―取引」
現員
げんいん [0] 【現員】
現在の人員。現在員。
現員払方式
げんいんばらいほうしき [8] 【現員払方式】
社会福祉における措置費支払い方式の一。措置の費用を利用者の現在員に応じて支払う。
→定員払方式
現図
げんず [0] 【現図】
船体の設計図。実物大の原尺現図,縮尺した縮尺現図などがある。
現図場
げんずば [0] 【現図場】
原寸大の船の設計図を描いた場所。
現図曼荼羅
げんずまんだら ゲンヅ― 【現図曼荼羅】
〔出現したものを図像として描いた曼荼羅の意〕
空海が日本にもたらした東寺・神護寺などの曼荼羅。円仁・円珍・宗叡などのもたらしたものをもいうことがある。
現国
うつしくに 【現国】
人間の世界。この世。「―の水に天つ水を加へて奉らむと申せ/祝詞(中臣寿詞)」
現国玉神
うつしくにたまのかみ 【現国玉神】
〔現実の国土の霊の意〕
大国主神(オオクニヌシノカミ)の異名。
現在
げんざい【現在】
the present (time);→英和
《文》the present (tense);[目下]at present;now.→英和
〜の present;existing (現存の).→英和
〜まで up to now[the present]; <the total> to date.‖現在完了《文》the present perfect (tense).現在高 the amount on[in]hand.現在分詞《文》a present participle.
現在
げんざい [1] 【現在】 (名)スル
(1)時間を三つに区分した一つ。過去と未来の間。刻々と過去へと移り過ぎてゆく,今のこの時。また,その瞬間を含んで近い過去から近い未来にわたる時間。「―の状況」「―住んでいる町」
(2)〔時を表す語の下に用いられて〕
物事の変化する状態をその時点で区切ってとらえたことを示す。「一〇時―の気温」
(3)目の前にあること。確かに存在すること。「石炭時代に―せし一火山/日本風景論(重昂)」
(4)
(ア)(「現在の」の形で)まぎれもない。正真正銘の。「相伝の主(シユウ)と―の聟を討ち/平治(下)」
(イ)(副詞的に用いられて)まぎれもなく。たしかに。「―血を配(ワ)けた兄/魔風恋風(天外)」
(5)〔仏〕 三世の一。今,現に生を受けているこの世。現世。
(6)文法で,時制の一。発言する時点での動作・作用・状態などを表す表現形式。
現在世
げんざいせ [3] 【現在世】
⇒現世(ゲンセ)
現在価値
げんざいかち [5] 【現在価値】
将来に発生する価値を,利子率を用いて割り引き,現在の価値に直したもの。将来価値を A とし,利子率を r ,期間を n とすると,現在価値は A/(1+r)�。割引価値。割引現在価値。
現在分詞
げんざいぶんし [5] 【現在分詞】
〔present participle〕
ヨーロッパ諸語での動詞の活用変化形の一。助動詞とともに用いられて動作の進行などを表す。形容詞と同じ働きもする。
⇔過去分詞
現在員
げんざいいん [3] 【現在員】
現在その場にいる人数。現在在籍している人数。
現在地
げんざいち [3] 【現在地】
人または物が現在存在している地点。
現在完了
げんざいかんりょう [5] 【現在完了】
〔present perfect〕
英文法などでの相の一。過去に始まった動作・状態が現在まで続いていること,またはその動作・状態がすでに終わっていることを,現在とのかかわりにおいて表現するもの。
現在物
げんざいもの [0] 【現在物】
能の曲種の名称。四番目物の一類。現在能のうち,主に男性の直面(ヒタメン)物をさす。「安宅」「俊寛」など。
現在生
げんざいしょう [3] 【現在生】
⇒現世(ゲンセ)
現在能
げんざいのう [3] 【現在能】
能で,霊的存在ではなく現実に生きている人物を主人公(シテ)とし,現実的な時間経過の中で劇的状況が展開するもの。「現在物」より広義に用いる。「自然居士」など。
→夢幻能
現在高
げんざいだか [3] 【現在高】
現在ある数量または金額。
現地
げんち [1] 【現地】
(1)ある事が実際に行われている場所。現場。「―におもむく」「―調査」
(2)自分が現在住んでいる土地。現住の地。「―に来てから三年たった」
現地
げんち【現地】
<on> the spot.→英和
‖現地時間 local time.現地人 a native.現地調査(報告) a field survey (report).現地放送 an on-the-spot broadcast.
現地法人
げんちほうじん [4] 【現地法人】
現地(投資相手国)の法律に基づいて設立された法人。
現地貸し
げんちがし [0] 【現地貸し】
⇒外貨金融(ガイカキンユウ)
現報
げんぽう [0] 【現報】
〔仏〕 三報の一。現世の行為に対して,現世においてその報をうけること。また,その報。
現場
げんば [0] 【現場】
(1)事件や事故が現在起こっている,あるいはすでに行われた場所。げんじょう。「火災―」「殺人―」
(2)(建築・土木などの)作業が行われている場所。「工事―」
(3)会社などで管理部門に対して実務部門。「―に出る」
現場
げんば【現場】
the (actual) spot;the scene.→英和
〜を押える catch <a person> red-handed.‖現場監督 a field overseer.現場検証 ⇒実地(検証).
現場
げんじょう [0] 【現場】
「げんば(現場)」に同じ。
現場不在証明
げんじょうふざいしょうめい [8] 【現場不在証明】
⇒アリバイ
現場打ち
げんばうち [0] 【現場打ち】
コンクリートやリベットを工事現場で打ち込むこと。
現場検証
げんばけんしょう 【現場検証】
(1)実地検証。
(2)犯行現場での検証。
現場監督
げんばかんとく [4] 【現場監督】
土木・建築の工事現場で監督すること。また,その人。
現存
げんそん [0] 【現存】 (名)スル
〔「げんぞん」とも〕
現在,実際にあること。現在,生きていること。「―する人物」
現存の
げんそん【現存の】
existing;→英和
living;→英和
extant.→英和
〜する be in existence.
現存在
げんそんざい [3] 【現存在】
〔哲〕
〔(ドイツ) Dasein〕
一般には,あるものが現実に存在すること。ハイデッガーでは,自己の存在に関心をもち,それを了解する唯一の存在者,すなわち人間のこと。事物や道具などの存在者と異なって,実存として世界内存在するとされる。
現存在分析
げんそんざいぶんせき [7] 【現存在分析】
〔(ドイツ) Daseinsanalyse〕
実存哲学に基づき,ビンスワンガー・ボスにより提唱された人間学的な心理治療の立場。治療者と患者の人間としてのかかわりを重視し,現象学的手法をとる。
現官
げんかん [0] 【現官】
現在ついている官職。
現実
げんじつ [0] 【現実】
(1)今,現に事実として存在している事柄・状態。
⇔理想
「きびしい―を直視する」「理想と―との違い」「―に起こった事件」
(2)〔哲〕 現に事実として与えられていること。また,そのもの。
(ア)理想に対してその素材や障害となる日常的・物質的なもの。現状。
⇔理想
(イ)現に存在し活動するもの。想像・虚構や可能性ではなく,現に成り立っている状態。実際の存在。実在。
(3)実現すること。「光明より流れ出づる趣味を―せん事を要す/野分(漱石)」
〔actuality; real などの訳語〕
現実
げんじつ【現実】
reality;→英和
actuality;→英和
the realities of life.〜の(に) real(ly);→英和
actual(ly).→英和
〜的 realistic.→英和
〜化する realize.→英和
‖現実主義(者) realism (a realist).
現実み
げんじつみ [0][4] 【現実み】
現実性のあるさま。また,その程度。「―のない話」
現実主義
げんじつしゅぎ [5] 【現実主義】
(1)現実を重視する態度。リアリズム。
(2)理想やたてまえにこだわらず,現実に即応して事を処理しようとする態度。リアリズム。
現実化
げんじつか [0] 【現実化】 (名)スル
実際に存在したり生起したりするようになること。「恐れていたことが―した」
現実原則
げんじつげんそく [5] 【現実原則】
フロイトの用語。現実の要請に応じ,欲求の満足を延期したり断念したりする傾向。自我はこの原則に従い現実生活への適応をはかる。
⇔快楽原則
現実売買
げんじつばいばい [5] 【現実売買】
店頭で商品を購入し代金を現金で支払うような,目的物と代金を直ちに交換し合う売買。
現実性
げんじつせい [0] 【現実性】
実際に存在し得るもののもつ性質・特徴。現実として存在しているものの在り方。「―に欠ける議論」「―の薄い意見」
現実界
げんじつかい [4] 【現実界】
現実の世界。我々が経験する世界。
現実的
げんじつてき [0] 【現実的】 (形動)
(1)考え方などが現実に即しているさま。「―な方法」
(2)理想や夢がなく,実際の利害にのみさといさま。「―で夢のない人」
現実論
げんじつろん [4] 【現実論】
たてまえより,むしろ現実に即して考えてゆこうとする立場。
⇔理想論
現実買い
げんじつがい [0] 【現実買い】
⇒採算(サイサン)買い
現実贈与
げんじつぞうよ [5] 【現実贈与】
直接贈り物を届けたり,募金箱にお金を入れるなど,贈与者が目的物を直ちに受贈者に渡してしまう贈与。
現実離れ
げんじつばなれ [5] 【現実離れ】 (名)スル
現実に即していないこと。実際にはありそうにないこと。「―した議論」
現尺
げんしゃく [0] 【現尺】
実物どおりの寸法で図に表すこと。また,そのもの。
⇔縮尺
現川焼
うつつがわやき ウツツガハ― [0] 【現川焼】
現在の長崎市現川町鬼木に,江戸時代に開かれた陶窯。白土を用いた刷毛目(ハケメ)を特徴とし,皿・鉢・向付(ムコウヅケ)が中心。
現年度
げんねんど [3] 【現年度】
現在の会計年度,または事業年度。
現引き
げんびき [0] 【現引き】
株式の信用取引や商品の先物取引で,買い注文してある現株(現物)を,買い方が転売せずに引き取ること。
現当
げんとう [1] 【現当】
〔仏〕 この世とあの世。現世と来世。げとう。「―二世の御祈誓あり/保元(上)」
現当
げとう [0] 【現当】
〔仏〕「げんとう(現当)」に同じ。
現形
げんけい [0] 【現形】
現在の形・ありさま。
現役
げんえき [0] 【現役】
(1)旧軍隊の常備兵役の一。現在ある部隊に配属されて軍務についていること。また,その軍人。
(2)肩書だけではなく,実際に仕事をもち活動していること。また,その人。
(3)(浪人に対して)高校三年で大学を受験する者。また,その試験に合格した者。
現役
げんえき【現役】
<be in> active service.〜の on the playing[active]list.(野球など).〜を退く retire from (active) service.
現心
うつつごころ 【現心】
本心。正気。うつし心。「絶えしものの音わが耳にはなほ聞えて,―ならず部屋に還りしが/文づかひ(鴎外)」
現心
うつしごころ 【現心】
現実の心。正気の心。しっかりした心。「健男(マスラオ)の―も我(アレ)は無し夜昼といはず恋ひしわたれば/万葉 2376」
現成
げんじょう [0] 【現成・見成】
〔禅宗で「現前成就」の意〕
眼前に出現していること。自然にできあがっていること。
現成公案
げんじょうこうあん 【現成公案】
〔仏〕 現実に完成している公案。真理は常にすべての存在の上に,ありのままにはっきりとあらわれているということ。
現数
げんすう [3] 【現数】
現在,実際にある数量。
現時
げんじ [1] 【現時】
現在。今の時点。「―の情勢」
現時点
げんじてん [1] 【現時点】
現在の時点。今,この時。「―では適不適の判断は難しい」
現時点では
げんじてん【現時点では】
at the present time.
現有
げんゆう [0] 【現有】
現在所有していること。「―勢力」
現未
げんみ [1] 【現未】
〔仏〕 現在と未来。現世と来世。
現果
げんか [1] 【現果】
〔仏〕 過去のおこないが原因となって受ける現世での報い。
現株
げんかぶ [0] 【現株】
株式の現物。実物の株券。実株。
⇔空株(カラカブ)
現業
げんぎょう [0] 【現業】
管理・経営に対して,工場・作業場など現場で行う業務。「―部門」
現業員
げんぎょういん [3] 【現業員】
福祉事務所において,家庭訪問・面接・生活指導などの現業を行う所員。面接員・ケースワーカーなど。
現業官庁
げんぎょうかんちょう [5] 【現業官庁】
行政的業務ではなく,現業的事業をつかさどる官庁。郵政省・印刷局・造幣局・林野庁の四つ。
現様
うつしざま 【現様】
(1)正気なさま。「御心みな乱れて,―にもあらず/源氏(賢木)」
(2)普通のありさま。通常のありさま。「おほやけのかしこまりなる人の―にて世の中にありふるは/源氏(須磨)」
現段階
げんだんかい [3] 【現段階】
現在の段階。今のところ。「―では判断できない」
現況
げんきょう [0] 【現況】
現在の状況。現在のありさま。「―報告」「―を分析する」
現況
げんきょう【現況】
the present condition[state].⇒現状.
現法
げんほう [0] 【現法】
「現地法人(ゲンチホウジン)」の略。
現無し
うつつな・し 【現無し】 (形ク)
(1)正気を失っているさま。ぼんやりと放心しているさま。「この心を得ざらん人は,物狂ひともいへ,―・し,情なしとも思へ/徒然 112」
(2)しっかりした判断力がない。「心ばへなどもいかにぞや,―・くて/増鏡(むら時雨)」
現然
げんぜん [0] 【現然】 (形動タリ)
はっきりとしているさま。あらわ。「大事に至らんこと―たり/桐一葉(逍遥)」
現物
げんぶつ【現物】
the actual thing;spots (株式).〜で払う pay in kind.‖現物給与 an allowance[wages]in kind.現物取引[売買]spot transaction.
現物
げんぶつ [0] 【現物】
(1)現にある品。実際の品物。現品。
(2)取引で,空売りや空買いの対象となる先物(サキモノ)に対して,実在している株式や商品。直物(ジキモノ)。現品。実物。スポット。
現物出資
げんぶつしゅっし [5] 【現物出資】
金銭以外の動産・不動産・特許権などを出資して株主となること。金銭出資に対していう。
現物取引
げんぶつとりひき [5][6] 【現物取引】
⇒実物(ジツブツ)取引
現物株
げんぶつかぶ [4] 【現物株】
信用取引で証券金融会社の貸借取引の対象とならない銘柄。現物銘柄。
現物為替
げんぶつかわせ [5] 【現物為替】
外国為替の売買契約の成立した即日か数日以内に,外国為替と自国通貨の受け渡しが行われる為替。直物(ジキモノ)為替。
→先物(サキモノ)為替
現物経済
げんぶつけいざい [5] 【現物経済】
⇒自然(シゼン)経済
現物給与
げんぶつきゅうよ [5] 【現物給与】
通貨ではなく,企業の生産物や生活必需物資などの物品で労働者に支払われる給与。労働基準法で原則として禁止されているが,労働協約で条件付きで認められることもある。実物賃金。
現物給付
げんぶつきゅうふ [5] 【現物給付】
社会保険や公的扶助の給付のうち,医療の給付や施設の利用,サービスの提供など,金銭以外の方法で行うもの。
現状
げんじょう [0] 【現状】
現在のありさま。今の目の前の状態。「―を打破する」
現状
げんじょう【現状】
the present[actual]condition; <maintain> the existing state of things;the status quo.〜では as things are[stand].〜のままにしておく leave <a matter> as it is.‖現状維持 preservation of the status quo.
現状打破政策
げんじょうだはせいさく [7] 【現状打破政策】
現状の国際状況に不満を持ち,これを自国に有利な方向に修正・変更させようとする国家の対外政策。第一次大戦後の日本・ドイツの政策。
→現状維持政策
現状維持
げんじょういじ [5] 【現状維持】
現在の状態をそのまま保つこと。
現状維持政策
げんじょういじせいさく [7] 【現状維持政策】
既存の国際状況・領土的配分等の現状を維持しようとする政策。第一次大戦後の英米の政策。
→現状打破政策
現生
げんなま [0] 【現生】
現金をいう俗語。
〔近世からの用語〕
現生
げんせい [0] 【現生】 (名)スル
現代に生存・生息していること。
現生人類
げんせいじんるい [5] 【現生人類】
現在生存している人類。また,これと同じ種に属する化石人類をも含めていう。ホモ-サピエンス。新人。
現症
げんしょう [0] 【現症】
患者が受診した時点で示す自覚的症状および他覚的所見の総称。現在の患者の状態。
現益
げんやく [0] 【現益】
〔仏〕 現世で受ける利益(リヤク)。現世利益。
現石
げんこく 【現石】
江戸時代,草高(クサダカ)のうち,領主が現実に年貢として徴収できる石高。
現示
げんじ [1] 【現示】 (名)スル
「啓示(ケイジ)」に同じ。
現米
げんまい [0] 【現米・見米】
(1)実際にある米。また,貨幣などで代納される年貢に対し,実際の米。
(2)禄としてあてがう米。扶持(フチ)米。
現職
げんしょく [0] 【現職】
現在ついている職業。また,現在その職についていること。「―の市長」
現職
げんしょく【現職】
<remain in> one's present office[post].〜の <a policeman> in active service[on the active list].‖現職教育 in-service education.現職者 an incumbent.
現職教育
げんしょくきょういく [5] 【現職教育】
現に職についている者が在職のままで教育を受けること。企業内教育・教員の研修など。
現行
げんこう [0] 【現行】
現在行われていること。「―のままの料金」
現行の
げんこう【現行の】
existing <law> ;→英和
<the law> in force; <the textbooks> now in use.‖現行制度 the present system.現行犯(人) a flagrant offense (offender).現行犯で押えられる be caught red-handed.
現行法
げんこうほう [0][3] 【現行法】
現在施行されており,かつ効力を有する法。
現行犯
げんこうはん [3] 【現行犯】
現に行い,または現に行い終わった犯罪。また,その犯人(現行犯人)。現行犯人は逮捕状なくして逮捕できる。「すりの―」
現計
げんけい [0] 【現計】
(1)現在の計算高。
(2)現時点における金銭・物品の収支計算。
現認
げんにん [0] 【現認】 (名)スル
実際にあった事実として認めること。「事実として―する」
現象
げんしょう [0] 【現象】
(1)人が感覚によってとらえることのできる一切の物事。自然界・人間界の出来事。現像。「自然―」「―にとらわれる」
(2)〔哲〕 感覚や意識にあらわれるもの。
(ア)
〔phenomenon〕
(理性がとらえる「本体・本質」に対し)感覚のとらえる外面的・個別的なあらわれ。また,本体・本質が意識にあらわれた姿。
(イ)
〔(ドイツ) Erscheinung〕
(その背後にある「物自体」に対し)カント哲学で,多様な感覚内容が認識の主観的形式によって規定されたもの。
(ウ)
〔(ドイツ) Phänomen〕
(背後にある「本体・物自体」を想定せずに)フッサールの現象学で,純粋意識に端的にたちあらわれる限りでの事象。
現象
げんしょう【現象】
a <natural,social> phenomenon;→英和
a syndrome (社会状態の象徴としての).→英和
‖現象論 phenomenalism.
現象主義
げんしょうしゅぎ [5] 【現象主義】
〔phenomenalism〕
感覚にあらわれる現象以外の超越的実在を否認したり,不可知であるとする考え方。ヒューム・マッハ・アベナリウス・ルヌビエなど。現象論。
→還元主義
→操作主義
現象学
げんしょうがく [3] 【現象学】
〔(ドイツ) Phänomenologie〕
(1)現象界や現象する知についての哲学的理説。ランベルト・カント・ヘーゲルらに見られる。
(2)意識に直接的に与えられる現象を記述・分析するフッサールの哲学。現象そのものの本質に至るために,自然的態度では無反省に確信されている内界・外界の実在性を括弧に入れ(エポケー),そこに残る純粋意識を志向性においてとらえた。実存哲学などにも影響を与え,サルトルによるイマージュの現象学,メルロ=ポンティによる知覚の現象学などが生まれた。
現象学的社会学
げんしょうがくてきしゃかいがく [10] 【現象学的社会学】
フッサール現象学の方法を社会研究に応用しようと試みる社会学。シュッツ・ P =バーガーらが開拓。
現象界
げんしょうかい [3] 【現象界】
〔哲〕 カント哲学において,人間の主観的形式によって構成された対象から成る世界のこと。人間が認識可能であるのは,この現象界に限られる。物自体の世界である英知界に対する。
現責め
うつつぜめ 【現責め】
江戸時代の拷問(ゴウモン)の一種。眠らせずに責めるもの。「屏風の内の―。夜もとつくりと寝さしはせぬ/浄瑠璃・先代萩」
現身
げんしん [0] 【現身】
〔仏〕
(1)現世に生をうけている姿。うつしみ。
(2)「応身(オウジン)」に同じ。
現身
うつそみ 【現身】
〔「うつしおみ(現人)」の転〕
(1)現世。うつせみ。「―の人なるわれや明日よりは/万葉 165」
(2)この世の人。うつせみ。「―と思ひし時に携はり/万葉 213」
現身
うつしみ 【現身】
〔江戸時代の国学者が上代語「うつせみ」「うつそみ」の語源と考えて作った語〕
この世に生きている身。うつそみ。「―は世にはかなくて言の葉の花のみ見むと思ひかけきや/杉のしづ枝」
現送
げんそう [0] 【現送】 (名)スル
現金・現物を輸送すること。
現量
げんりょう [0] 【現量】 (名)スル
〔仏〕 推論などによることのない,直観的な認識。
現金
げんきん [3] 【現金】
■一■ (名)
(1)小切手・手形・為替などでなく,現在通用している貨幣。キャッシュ。現銀。「小切手を―に換える」「―払い」
(2)簿記上で,通用の貨幣およびすぐ貨幣に換えられる小切手・手形・郵便為替証書など。
■二■ (形動)[文]ナリ
利害によって簡単に主張や態度を変えるさま。打算的。「―なやつ」
[派生] ――さ(名)
現金
げんきん【現金】
cash;→英和
ready money.〜で払う(買う) pay in (buy for) cash.〜にする cash <a check> .〜な人 a calculating person.‖現金書留 a registered letter for sending money.現金自動支払機 a cash dispenser.現金出納係 a cashier.現金正価 a cash price.現金払い(取引) cash payment (transaction).現金引替渡し cash on delivery <C.O.D.> .現金輸送車 a bank transport truck.
現金主義
げんきんしゅぎ [5] 【現金主義】
現金の収支を根拠として,費用および収益を認識し,計上すること。現在は発生主義や実現主義に移行している。
現金出納帳
げんきんすいとうちょう [0] 【現金出納帳】
現金の出入りを記帳し残高や資金の動きを管理する帳簿。単なる補助記入帳として用いられる場合と,特殊仕訳帳として用いられる場合がある。
現金割引
げんきんわりびき [5] 【現金割引】
掛け払いなどの商品の代金を買い手が期日以前に全額支払う場合に,売り手が価格を割り引くこと。
現金勘定
げんきんかんじょう [5] 【現金勘定】
簿記で,現金または小切手など現金に換えられるものの収支を処理する勘定科目。金銀勘定。
現金取引
げんきんとりひき [5][6] 【現金取引】
商品の受け渡しと現金の授受が同時に行われる取引。
⇔掛け取引
現金商い
げんきんあきない [6][5] 【現金商い】
現金で売買すること。
⇔掛け商い
現金問屋
げんきんどんや [5] 【現金問屋】
仕入れ客が商品を現金で購入し,持ち帰るのを建前としている卸売業者。
現金売り
げんきんうり [0] 【現金売り】
現金と引き換えで商品を渡すこと。
⇔掛け売り
⇔現金買い
現金書留
げんきんかきとめ [5] 【現金書留】
現金を郵送する書留郵便。郵政省発行の現金封筒・現金封緘(フウカン)紙を使用し,印章で封印する。
現金準備
げんきんじゅんび [5] 【現金準備】
⇒銀行準備金(ギンコウジユンビキン)
現金給与総額
げんきんきゅうよそうがく [8] 【現金給与総額】
毎月勤労統計調査で,定期給与と特別給与を合わせた合計の給与額。
現金自動支払機
げんきんじどうしはらいき [10][3][6] 【現金自動支払機】
⇒シー-ディー( CD )(2)
現金買い
げんきんがい [0] 【現金買い】
現金と引き換えに商品を受け取ること。
⇔掛け買い
⇔現金売り
現金通貨
げんきんつうか [5] 【現金通貨】
中央銀行券・政府紙幣・補助貨幣など,法律上最終支払い手段としての資格を与えられている通貨。
→預金通貨
現銀
げんぎん 【現銀】
「現金」に同じ。近世,主に銀が通用貨幣であった京坂地方で用いた語。
現高
げんだか [0][3] 【現高】
(預貯金などの)現在の額。現在高。
現[表
あらわす【現[表・顕]わす】
(1) show;→英和
indicate;→英和
manifest;→英和
display <ability> ;→英和
prove (証する).→英和
(2)[露出]disclose;→英和
expose <ignorance> ;→英和
bare <one's arm> .→英和
(3)[表現]express.→英和
(4)[代表]represent;→英和
stand for.正体を〜 betray oneself.名を〜 distinguish oneself.言葉に表わせない indescribable;→英和
beyond description.
現[顕]われる
あらわれる【現[顕]われる】
(1)[出現]come out;appear;→英和
[見えてくる]come in sight;become visible.(2)[発見される]be discovered[found out];be disclosed[revealed].(3)[著名になる]become known.
球
きゅう【球】
a sphere (球体);→英和
a ball (まり);→英和
a bulb (電球など).→英和
球
たま [2] 【玉・珠・球・弾】
(1)球形のもの。
(ア)丸い形状のもの。また,丸い形状にしたもの。《玉》「目の―」「こんにゃく―」「毛糸の―」「うどん―」
(イ)特に,水滴・涙など球状のもの。《玉》「―の汗」「涙の―」「―の露」
(ウ)野球・ゴルフ・ビリヤードなどのボール。《球》「沈む―」「速い―を投げる」
(エ)(「弾丸」とも書く)鉄砲の弾丸。《弾》「―をこめる」
(オ)電球。《球》「―がきれる」(カ)眼鏡などのレンズ。《玉》「―がくもる」(キ)算盤(ソロバン)玉のこと。《玉・珠》「―を置く」(ク)睾丸(コウガン)。きんたま。《玉》「―を抜く」
(2)(「璧」とも書く)丸い形をした美しい宝石。《玉・珠》
(ア)みがいた鉱石や真珠など。「―をちりばめる」「竜の頸に五色にひかる―あり/竹取」
(イ)転じて,価値あるもの,すぐれたもの,いつくしむべきもの,などのたとえにいう語。「掌中の―」「―のような男の子」「艱難(カンナン)汝(ナンジ)を―にす」
(3)女性のこと。また,女性の美しさ。《玉》「美しき―を盗み親分に預け/洒落本・客者評判記」
(4)芸者や遊女など客商売の女性。《玉》「上―」
(5)人物。その人品や器量をうんぬんする時にいう語。あざけっていう場合にも用いる。《玉》「その役がつとまる―ではない」「あいつもいい―だぜ」
(6)計略・策略などの手段に用いる,人や金銭。「このにせ金を―に使うて/歌舞伎・韓人漢文」
(7)玉落ちに使う丸めた紙。
→玉落ち
(8)名詞の上に付けて接頭語的に用いる。《玉》
(ア)美しいもの,すぐれているものをほめていう。「―垣」「―くしげ」
(イ)球形のものである意を添える。「―砂利」「―ねぎ」
球
きゅう キウ 【球】
■一■ [1] (名)
(1)丸いもの。たま。
(2)〔数〕 ある点から一定の距離にある点の全体がつくる空間図形。
→球面
■二■ (接尾)
助数詞。野球などで,投手がボールを投げた回数を数えるのに用いる。
球乗り
たまのり [3][4] 【球乗り・玉乗り】
曲芸の一。大きな球の上に乗り,それを転がしながら種々の芸を演じる。
球体
きゅうたい キウ― [0] 【球体】
球,あるいは球の形をした物体。
球体
きゅうたい【球体】
a sphere;→英和
a globe.→英和
球児
きゅうじ キウ― [1] 【球児】
野球をする青少年。「高校―」
球史
きゅうし キウ― [1] 【球史】
野球の歴史。「―に残る名選手」
球団
きゅうだん【球団】
a baseball team.
球団
きゅうだん キウ― [0] 【球団】
プロ野球のチーム。職業野球団。
球場
きゅうじょう キウヂヤウ [0] 【球場】
野球場。
球場
きゅうじょう【球場】
a baseball ground[stadium]; <米> a ball park.
球威
きゅうい キウヰ [1] 【球威】
野球で,投手の投げる球の威力。
球宴
きゅうえん キウ― [0] 【球宴】
〔野球の饗宴の意〕
プロ野球のオールスター-ゲームの別称。
球審
きゅうしん キウ― [0] 【球審】
野球で,捕手の後方にいて,投手の投球や打者の打球,本塁上でのプレーなどの判定をし,またゲームの進行の管理をする審判員。主審。チーフ-アンパイア。
→塁審
→線審
球審
きゅうしん【球審】
《野》a ball[chief]umpire.
球尺
たまざし [0] 【球指・球尺】
⇒球面計(キユウメンケイ)
球帯
きゅうたい キウ― [0] 【球帯】
〔数〕 球を平行な二平面で切ったとき,その二平面に挟まれる球面の部分。内部を含めた部分は球台という。
球座標
きゅうざひょう キウザヘウ [3] 【球座標】
空間の極(キヨク)座標のこと。
球形
きゅうけい【球形】
⇒球状.
球形
きゅうけい キウ― [0] 【球形】
まりのように丸い形。球状。
球形嚢
きゅうけいのう キウ―ナウ [3] 【球形嚢】
耳の器官の一。水平方向の動きを感知する感覚器官。
→卵形嚢
球心
きゅうしん キウ― [0] 【球心】
〔数〕 球の中心点。
球戯
きゅうぎ キウ― [1] 【球戯】
(1)ボールを使ってする遊戯。
(2)ビリヤード。撞球(ドウキユウ)。
球技
きゅうぎ【球技】
a ball game.
球技
きゅうぎ キウ― [1] 【球技】
ボールを使って行う競技。野球・ゴルフ・ホッケー・テニス・バレーボール・サッカーなど。
球拾い
たまひろい [3] 【球拾い】
野球やテニスで,選手の練習の球を拾い集めること。また,それしかやらせてもらえないような新人などをいう。
球指
たまざし [0] 【球指・球尺】
⇒球面計(キユウメンケイ)
球春
きゅうしゅん キウ― [0] 【球春】
野球シーズンが開幕する春先のころ。
球果
きゅうか キウクワ [1] 【球果・毬果】
裸子植物のスギ科・ヒノキ科・マツ科などの果実。球形または楕円形に集まった鱗片が生長して,木化または肉質化したもの。俗にいうマツカサなど。
→果実
球根
きゅうこん キウ― [0] 【球根】
園芸上,地下にある植物体の一部(根・茎・葉)が芋(イモ)状に肥大し,養分を蓄えたものをいう。ダリアの塊根(カイコン)・ユリの鱗茎(リンケイ)・グラジオラスの球茎など。芋。
球根
きゅうこん【球根】
a bulb (百合(ゆり)などの);→英和
a tuber (芋(いも)などの).→英和
球欠
きゅうけつ キウ― [0] 【球欠】
〔数〕 球を一つの平面で切り取った空間図形。
球灯
きゅうとう キウ― [0] 【球灯・毬灯】
小形の丸い提灯(チヨウチン)。酸漿(ホオズキ)提灯。
球状
きゅうじょう キウジヤウ [0] 【球状】
ボールのようなまるい形。球形。
球状の
きゅうじょう【球状の】
spherical;→英和
globular.→英和
球状星団
きゅうじょうせいだん キウジヤウ― [5] 【球状星団】
数十万個以上の恒星が球状に集まっている古い天体。その直径は一〇〇光年程度。われわれの銀河系には約一三〇個が発見されている。
球状船首
きゅうじょうせんしゅ キウジヤウ― [5] 【球状船首】
大型タンカーなどの水面下部分の船首に突き出た球状の膨らみ。また,それをもつ船首。船全体の起こす波の抵抗を球状船首の起こす波の干渉によって減少させる効果がある。
球状蛋白質
きゅうじょうたんぱくしつ キウジヤウ― [8] 【球状蛋白質】
分子の形が球状または回転楕円体に近い,水に可溶性のタンパク質の総称。繊維状タンパク質に対するもので,酵素タンパク質・アルブミン・グロブリン・グロビンなど。
→繊維状蛋白(タンパク)質
球珊瑚
たまさんご [3] 【球珊瑚】
ナス科の常緑小低木。観賞用に栽培。高さは鉢植えで約30センチメートル,露地で約1メートルになる。葉は披針形。夏,開花。冬,枝先にホオズキの実に似た朱紅色の丸い果実をつける。冬珊瑚。
球界
きゅうかい キウ― [0] 【球界】
野球関係者の社会。野球界。
球磨川
くまがわ 【球磨川】
熊本県南部を流れる川。九州山地の石楠(シヤクナン)越・水上(ミズカミ)越付近に源を発し,南西に流れ,八代(ヤツシロ)市で八代海に注ぐ。長さ115キロメートル。日本三大急流の一つで,球磨川下りは有名。木棉(ユウバ)川。
球磨焼酎
くまじょうちゅう [3] 【球磨焼酎】
熊本県球磨川流域,人吉市付近で産する米もろみを用いた焼酎。
球種
きゅうしゅ キウ― [0] 【球種】
カーブ・スライダーなどピッチャーの投げる球の種類。「―が少ない」
球筋
たますじ [0] 【球筋】
野球で,投球のコース。
球簾
たますだれ [3] 【球簾】
(1)玉で飾った簾。また,簾の美称。たまだれ。[季]夏。「―かかるあふひの影そへば/宇津保(楼上・下)」
(2)ヒガンバナ科の多年草。南アメリカ原産。高さ30センチメートル。地下の鱗茎から円柱状多肉の細長い葉を多く出す。夏,白色の花をつける。四季水仙。ゼフィランサス。
球花
きゅうか キウクワ [1] 【球花・毬花】
雌しべや雄しべが主軸上に多数密生し円錐形または球形になったもの。マツ・スギなどの花。
球茎
きゅうけい キウ― [0] 【球茎】
地下茎の一種。主軸をなす茎の基部がデンプンなどの養分を蓄えて球形に肥大したもの。少数の芽があり,サトイモ・クワイ・グラジオラスなどのように多年草の越冬器官となる。
球菌
きゅうきん【球菌】
a micrococcus.
球菌
きゅうきん キウ― [0] 【球菌】
球形の細菌の総称。化膿(カノウ)の原因となるブドウ球菌や連鎖球菌,肺炎を起こす肺炎双球菌のほか,淋(リン)菌・髄膜炎菌など。
球菜
たまな [2][0] 【球菜】
キャベツの異名。
球萵苣
たまぢしゃ [2] 【球萵苣】
キク科チシャの一系統。葉は淡緑色で,幅広く短い茎を中心にキャベツ状にゆるく巻く。レタス。
球足
たまあし [0] 【球足】
野球・ゴルフなどで,打球のとぶ速さ・距離。「―がはやい」
球軸受
たまじくうけ [3] 【球軸受(け)】
⇒ボール-ベアリング
球軸受け
たまじくうけ [3] 【球軸受(け)】
⇒ボール-ベアリング
球速
きゅうそく キウ― [0] 【球速】
野球で,投手の投げるボールの速さ。「―におされる」
球道
きゅうどう キウダウ [0] 【球道】
野球で,投手が投げた球のコース。球筋(タマスジ)。
球陽
きゅうよう キウヤウ 【球陽】
(1)琉球の別名。
(2)歴史書。二二巻,付巻三巻,外巻「遺老説伝」三巻。鄭秉哲(テイヘイテツ)編。琉球国の正史。1745年完成,のち最後の国王尚泰まで書きつがれる。歴代国王の治世を中心に,あらゆる事件・事象を収録。漢文体。
球電
きゅうでん キウ― [0] 【球電】
雷雨の時,まれに現れる光の球。直径20センチメートルほどで雲から抜けでて数十秒間浮遊する。
球面
きゅうめん キウ― [0][3] 【球面】
(1)球の形をしたものの表面。
(2)〔数〕 与えられた点(中心)から,与えられた一定の距離(半径)にある空間の点の集合。
球面
きゅうめん【球面】
a spherical surface.球面幾何学(三角法) spherical geometry (trigonometry).
球面三角形
きゅうめんさんかくけい キウ― [7] 【球面三角形】
〔数〕 一つの球で,三つの大円の弧で囲まれた球面の部分。その内角の和は,平面三角形と異なり,一八〇度より大きい。
球面三角法
きゅうめんさんかくほう キウ―ハフ [7][8][0] 【球面三角法】
〔数〕 球面三角形の辺や角の間の関係を研究する三角法。
→三角法
球面収差
きゅうめんしゅうさ キウ―シウ― [5] 【球面収差】
軸から離れた平行光線あるいは軸上の一点から出た単色光が光学系を通ったとき,軸上で一点に集まらない光軸上の収差をいう。
→収差
球面天文学
きゅうめんてんもんがく キウ― [7] 【球面天文学】
天球上の天体の見かけ上の位置や運動を記述・研究する学問。天体までの距離や天体の空間的運動は直接には問題とされず,ただその方向のみが議論される。
球面幾何学
きゅうめんきかがく キウ― [6] 【球面幾何学】
〔数〕 球面上の図形の性質を論ずる幾何学。ユークリッド幾何学とはいろいろ異なる点がある。例えば三角形の内角の和は一八〇度より大きい,など。
球面波
きゅうめんは キウ― [3] 【球面波】
波面が球面または円である波。
球面角
きゅうめんかく キウ― [3] 【球面角】
〔数〕 球面上で,二つの大円がなす角。その大きさは大円の交点において,それらの大円に引いた二つの接線の角によって測られる。
球面計
きゅうめんけい キウ― [0] 【球面計】
球面の曲率半径を測る器械。三本の固定脚を球面にのせ,中心のマイクロメーターつき触針で中心部の高さを測り曲率半径を求めるもの。スフェロメーター。球指(タマザシ)。
球面鏡
きゅうめんきょう キウ―キヤウ [0] 【球面鏡】
球面の一部を反射面とした鏡。球面の外側で反射する凸面鏡と,内側で反射する凹面鏡とがある。球面収差はあるが色収差はない。
球音
きゅうおん キウ― [0] 【球音】
バットやラケットでボールを打つ音。
球]
たま【玉[珠・球]】
(1)[球]a ball;→英和
a bowl (木製の);→英和
a bulb (電球など);→英和
a bead (じゅず玉).→英和
(2)[弾丸]a ball;a shell (砲弾);→英和
a bullet (小銃弾);→英和
a shot (実弾).→英和
(3)[宝石]a gem;→英和
a jewel.→英和
〜のような男の子 a gem of a baby boy.〜に瑕(きず) a flaw in a gem;the only drawback.〜をこめる load[charge]a gun.→英和
琅玕
ろうかん ラウ― [0] 【琅玕】
(1)美しい玉。硬玉・軟玉などの宝石。
(2)美しい竹。
(3)美しい文章。佳文。
琅琅
ろうろう ラウラウ [0] 【琅琅】 (形動タリ)
(1)金属や玉石がふれあって鳴るさま。
(2)鳥のさえずるさま。
琅琊山
ろうやさん ラウヤ― 【琅邪山・琅琊山】
中国,山東省諸城県南東にある山。山東の名山として有名。ランヤー-シャン。
琅邪山
ろうやさん ラウヤ― 【琅邪山・琅琊山】
中国,山東省諸城県南東にある山。山東の名山として有名。ランヤー-シャン。
理
り [1][0] 【理】
(1)物事のすじ道。法則。ことわり。道理。「自然の―」「―にかなう」「盗人にも三分の―」
(2)〔仏〕(有為転変する,事実・現象に対して)真理・真実あるいは法・規範などをいう。仏教の真如・法性など。
(3)宋学で,宇宙の根本原理。
→気
→理気二元論
理
り【理】
reason (道理);→英和
truth (真理);→英和
[公正]justice;→英和
right.→英和
一〜ある There is some truth <in what you say> .〜にかなう(かなわぬ) be (un)reasonable.〜を説く reason <with a person> .
理
ことわり【理】
reason.→英和
⇒道理.
理
ことわり [0][4] 【理】
〔「ことわり(断)」と同源。理非を判断する意から〕
■一■ (名)
(1)もっともな事。道理。条理。「―を説く」
(2)理由。わけ。「その―を,あらはにえ承り給はねば/源氏(須磨)」
(3)理論。理屈。「この―を聞き果てむ/源氏(帚木)」
(4)格式・礼儀にかなっていること。「有司(ツカサツカサ),―を以て収め葬る/日本書紀(敏達訓)」
■二■ (形動ナリ)
(1)当然であるさま。もっともであるさま。「とはせ給はぬも―に思ひ給へながら/源氏(須磨)」
(2)もちろんであるさま。いうまでもないさま。「法師は―,男も女も,くるくるとやすらかに読みたるこそ/枕草子 158」
→断(コトワ)り
理す
り・す [1] 【理す】 (動サ変)
ととのえる。おさめる。「直ちに下僮に命じて旅装を―・せしむ/花柳春話(純一郎)」
理不尽
りふじん [2] 【理不尽】 (名・形動)[文]ナリ
物事の筋道が通らないこと。道理にあわないこと。また,そのさま。無理無体。「―な要求」「―な仕打ち」
[派生] ――さ(名)
理不尽な
りふじん【理不尽な】
unreasonable;→英和
unjust;→英和
unfair.→英和
理世
りせい [0] 【理世】
世を治めること。治世。「―安民」
理世撫民
りせいぶみん [0] 【理世撫民】
世を治め民をいたわること。
理乱
りらん [0] 【理乱】
〔「理」は治める意〕
世の中が治まることと乱れること。治乱(チラン)。
理事
りじ【理事】
a director;→英和
a manager;→英和
a trustee (学校などの).→英和
理事会(長) (the chairman of) the board of directors[trustees].
理事
りじ [1] 【理事】
(1)団体において,それを代表し事務を管掌する者。
(2)法人の業務を執行し,その法人を代表する者。株式会社・有限会社では「取締役」と呼ばれる。
(3)〔仏〕 普遍的な真理と事物・現象のこと。事理。
理事国
りじこく [2] 【理事国】
国際機関の理事会を構成する国。
→常任理事国
→非常任理事国
理事官
りじかん [2] 【理事官】
(1)海難審判庁理事官および副理事官の略称。海難審判の請求,それに係る海難の調査,採決の執行をつかさどる。
(2)主として外交・領事事務に直接従事する外務職員が,国際慣行により用いる公の名称。一等・二等・三等理事官および副理事官の区別がある。
理仏性
りぶっしょう [2] 【理仏性】
〔仏〕 本来衆生(シユジヨウ)がもっている仏となりうる仏性。
⇔行仏性
理会
りかい [1] 【理会】 (名)スル
物事の道理をさとること。合点。「人は自己の中にある理に由つて宇宙成立の原理を―することができる/善の研究(幾多郎)」
→理解
理体
りたい [0] 【理体】
(1)万物の本体。
(2)〔哲〕「本体{(2)}」に同じ。
理化学
りかがく【理化学】
physics and chemistry;physiological chemistry;physicochemistry.‖理化学研究所 the Physical and Chemical Research Institute.
理化学
りかがく [2] 【理化学】
物理学と化学。
理化学研究所
りかがくけんきゅうじょ 【理化学研究所】
科学研究機関。本部は埼玉県和光市。1917年(大正6)物理・化学の研究と応用,研究者養成を目的として設立され,財団法人として発足。研究成果を工業化・商品化して40年には理研コンツェルンに発展したが,敗戦により解体。一時,科学研究所と称したが,58年政府出資による特殊法人として再生。理研。
理博
りはく [0] 【理博】
理学博士の略。
理即
りそく [1] 【理即】
〔仏〕 天台宗で説く六即の一。一切衆生(シユジヨウ)が仏性・真如を備えながら,これを悟らずに生死輪廻(シヨウジリンネ)している位。
理合
りあい [0] 【理合(い)】
道理の程度。わけ。わけあい。「泥坊と云ふ―が何処に在るかと/真景累ヶ淵(円朝)」
理合い
りあい [0] 【理合(い)】
道理の程度。わけ。わけあい。「泥坊と云ふ―が何処に在るかと/真景累ヶ淵(円朝)」
理外
りがい [1] 【理外】
道理から外れていること。「―の銭を得んとして其場所を誤り/学問ノススメ(諭吉)」
理学
りがく [1] 【理学】
(1)〔physics〕
自然科学。明治初期には特に物理学の称。「―博士」
(2)〔philosophy〕
哲学。明治初期の用語。
(3)中国宋代に周濂渓(シユウレンケイ)・程頤(テイイ)・朱熹(シユキ)らが唱えた学問。人間が生まれつきもっている性と宇宙の根本である理とを重視した学問。宋学。性理学。
理学
りがく【理学】
(physical) science.→英和
‖理学士(博士) a bachelor (doctor) of science;Bachelor (Doctor) of Science <B.(D.) Sc.> (学位).理学部 the faculty[department]of science.
理学療法
りがくりょうほう [4] 【理学療法】
治療体操や運動,マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて,運動機能の回復を目的とした治療法。物理療法。
→作業療法
理学療法士
りがくりょうほうし [6] 【理学療法士】
〔physical therapist〕
国家試験により免許を受け,医師の指示のもとに理学療法を行う者。PT 。
理学神道
りがくしんとう 【理学神道】
⇒吉川神道(ヨシカワシントウ)
理容
りよう [0] 【理容】
容姿を整えること。特に,頭髪の刈り込みや顔剃りなどによって容姿を整えること。古くは「理髪」が用いられた。「―業」
理容
りよう【理容】
⇒理髪.
理容師
りようし [2] 【理容師】
理容の仕事をする者。都道府県知事の免許を必要とする。
理容店
りようてん [2] 【理容店】
理容を行う店。理髪店。
理屈
りくつ【理屈】
a reason;→英和
(a) theory (理論);→英和
logic (論理);→英和
an argument (議論);→英和
quibbling (こじつけ).〜に合う(合わない) be (un)reasonable;be (il)logical.〜を言う[こねる]argue;→英和
quibble.→英和
‖理屈家 an argumentative person;a quibbler.理屈っぽい prone to arguing.
理屈
りくつ [0] 【理屈・理窟】
(1)すじの通った考え。道理。「―に合ったやり方」
(2)無理にこじつけた理由や論理。「―をつける」「こむずかしい―をこねる」
(3)物事がそうなる理由。ことわり。「―ではわかっている」「―では飛ぶはずだが」
(4)事情。わけ。具合。「おつかさんの方の―や何かでね都合がわりいから/洒落本・角鶏卵」
(5)色事。情事。「はや床の―もすんだとみえ/洒落本・意妓の口」
理屈っぽい
りくつっぽ・い [5] 【理屈っぽい】 (形)
必要以上に理屈を言い立てる傾向が強い。「話が―・くなりがちだ」
[派生] ――さ(名)
理屈付ける
りくつづ・ける [5] 【理屈付ける】 (動カ下一)
筋道を立てて理論的に説明する。
理屈屋
りくつや [0] 【理屈屋】
何事にもすぐ理屈を言い立てる人。
理屈張る
りくつば・る [4] 【理屈張る】 (動ラ五[四])
理屈を言う。理屈っぽくなる。「―・った言い方」
理屈臭い
りくつくさ・い [5] 【理屈臭い】 (形)
〔近世上方語〕
理屈っぽい。「其様に―・い口上は有まい/浄瑠璃・冥途の飛脚(上)」
理屈詰め
りくつづめ [0] 【理屈詰め】
理屈を言い立てて相手を屈伏させようとすること。理詰め。
理屈責め
りくつぜめ [0] 【理屈責め】
理屈を言い立てて,人を困らせること。理責め。
理工
りこう [0] 【理工】
理学と工学。「―学部」
理工学部
りこう【理工学部】
the faculty[department]of science and engineering.
理念
りねん【理念】
an idea.→英和
理念
りねん [1] 【理念】
(1)物事のあるべき状態についての基本的な考え。「教育の―」
(2)〔哲〕
〔(ドイツ) Idee〕
理性の働きとして得られる最高概念。プラトンで存在者の原型・形相ととらえられたイデアは,近世のデカルトやイギリス経験論では主観としての人間の意識内容,観念の意に限定された。これに対しカントでは,無制約者(魂・世界・神)についての理性の先天的概念。またヘーゲルでは,世界の過程のうちに己を弁証法的に展開する精神的・絶対的実在であるとされる。
理念型
りねんけい [0] 【理念型】
〔(ドイツ) Idealtypus〕
マックス=ウェーバーの社会科学方法論の概念の一。特定の観点より現象の本質的・特徴的側面を抽出,それを純粋化・統一化して矛盾のない論理的な理想像として構成した型。現象を測定・比較し,社会を理解し因果的に認識するための手段となる。理想型。
理性
りせい [1] 【理性】
(1)感情におぼれずに,筋道を立てて物事を考え判断する能力。「―をはたらかせる」「―を失う」
(2)〔哲〕
〔英 reason; (ドイツ) Vernunft〕
(ア)感覚的能力に対して,概念的に思考する能力。
(イ)カントの用語。広義には,先天的能力の総称。このうち先天的認識能力を理論理性,先天的意志能力を実践理性と呼ぶ。また狭義には,感性・悟性から区別され,理念によって悟性認識を統一する能力をいう。
→感性
→悟性
(ウ)ヘーゲルの用語。抽象的概念の能力である悟性と区別される,具体的概念の能力。弁証法的思考能力。
(エ)神の啓示に対して,人間の自然的知。
→自然の光
(オ)宇宙や世界を支配する原理(世界理性・絶対理性)。
理性
りせい【理性】
reason.→英和
〜を失う lose one's reason.→英和
〜を欠いた reckless.→英和
理性的 rational.→英和
理性の狡智
りせいのこうち 【理性の狡智】
〔哲〕
〔(ドイツ) List der Vernunft〕
ヘーゲルの用語。理性(神)は自ら歴史の過程に入りこまずに,個々人の行動を手段として神の意図を実現させる,ということ。理性の詭計(キケイ)。
理性的
りせいてき [0] 【理性的】 (形動)
感情に走ることなく,理性に基づいて判断し行動するさま。
⇔感情的
「―な人間」「―行動」
理性的認識
りせいてきにんしき [0] 【理性的認識】
〔哲〕 感覚器官を媒介とせず,思惟や理性のみを基礎とする認識。プラトンのイデアの認識あるいは数学的認識などがこれにあたり,通常感性的認識より高次のものとされる。
理性院流
りしょういんりゅう リシヤウヰンリウ 【理性院流】
真言宗の一派。小野六流の一。賢覚(1080-1156)が始祖。のち,三派に分かれ現在に至る。玉心院流。
理想
りそう [0] 【理想】
(1)考えうるかぎり最もすばらしい状態。最も望ましい姿。行動の目的となって現実に意味を与える。
⇔現実
「―の男性」「―が高い」
(2)〔哲〕
〔ideal〕
物や心の最も十全で最高の形態。ふつう現実的具体的なものの対極ないし究極として,知性ないし感情の最高の形態とされる。実現可能な相対的な理想と,到達不可能な絶対的な理想(神・永遠・最高善など)とに区別でき,後者は超越的・規制的なものであり真の理想といえる。
理想
りそう【理想】
an ideal.→英和
〜的な ideal.〜化する idealize.→英和
〜をいだく have[entertain]an ideal.→英和
〜を実現する realize one's ideal.‖理想郷 a Utopia.理想主義 idealism.理想主義者 an idealist.理想主義的 idealistic.
理想主義
りそうしゅぎ [4] 【理想主義】
〔idealism〕
(1)現実にとどまるのではなく,理想の実現をめざそうとする立場,生き方。
⇔現実主義
(2)自然をあるがままに描かず,様式化し,理想化して表現しようとする美術上の立場。
(3)文学の意義を倫理的社会的理想の実現におく立場。近代文学では,写実主義に対立した,幸田露伴・夏目漱石,また白樺派の人道主義に見られる。
理想化
りそうか [0] 【理想化】 (名)スル
物事を自分の理想とする姿や状態にひきつけて,見たり考えたりすること。「すべてを―して考える」
理想型
りそうけい [0] 【理想型】
⇒理念型(リネンケイ)
理想家
りそうか [0] 【理想家】
理想を追い求める人。「―肌の人」
理想形
りそうけい [0] 【理想形】
〔化〕 同じ物質の結晶どうしで,対等な面の大きさが互いに等しくなるように描いた結晶の形。
理想気体
りそうきたい [4] 【理想気体】
あらゆる状態で,ボイル-シャルルの法則が成り立ち,内部エネルギーが絶対温度だけの関数である仮想上の気体。実在の気体は十分希薄な状態では理想気体として扱うことができるが低温・高圧の条件下では理想気体からのずれが大きくなる。完全気体。
理想流体
りそうりゅうたい [4] 【理想流体】
⇒完全(カンゼン)流体
理想溶液
りそうようえき [4] 【理想溶液】
蒸気圧に関するラウールの法則,浸透圧に関するファントホフの法則など,溶液の熱力学的法則に完全に従う仮想的溶液。理想溶液では,各成分から溶液をつくる際に体積や内部エネルギーが変化しない。実在の溶液は,希薄になるほど,理想溶液に近づく。
理想的
りそうてき [0] 【理想的】 (形動)
理想にあてはまっているさま。理想が実現していてすばらしいさま。「―な家庭」
理想論
りそうろん [2] 【理想論】
理想的ではあっても現実からかけ離れ,とても実現できそうにもない考え方。
⇔現実論
理想郷
りそうきょう [0] 【理想郷】
理想的な想像上の世界。ユートピア。「―に遊ぶ」
理数
りすう [2][0] 【理数】
理科と数学。「―が弱い」
理数科
りすうか [0] 【理数科】
理科と数学を統合した教科。
理智
りち [1] 【理知・理智】
(1)感情や本能に左右されず,論理的に物事の道理を判断する能力。思考する力。理性と知恵。「―的」
(2)(「理智」と書く)〔仏〕 不変の絶対的真実である真如の理と,それを悟る智慧のこと。
理智的
りちてき [0] 【理知的・理智的】 (形動)
理知に基づいて判断したり行動したりするさま。「―な文学」「―な顔だち」
理民
りみん [1] 【理民】
民を治めること。治民。「―安国の功徳を施す/太平記 13」
理気
りき [1] 【理気】
宋学の用語。宇宙の存在原理・道徳規範としての理と,物質・現象としての気。
→理
→気
理気二元論
りきにげんろん [4] 【理気二元論】
程頤(テイイ)の説を受け継いで朱熹(シユキ)が大成した宋学の形而上学的原理。物質を形成する素材およびその運動を気ととらえ,気を統制する原理であり,その運動に内在して全存在を貫く根拠となり,人間にあっては道徳原理となるものを理として,理気二元により存在の構造を解明する。
理法
りほう【理法】
a law.→英和
自然の〜 natural laws.
理法
りほう [0][1] 【理法】
道理にかなった法則。「自然の―」
理源大師
りげんだいし 【理源大師】
聖宝(シヨウボウ)の諡号(シゴウ)。
理無い
わりな・い [3] 【理無い】 (形)[文]ク わりな・し
〔「理(コトワリ)無し」の意から〕
(1)理屈では割り切れないほどの深い関係だ。特に,男女関係についていう。「―・い仲になる」
(2)道理に合わない。筋が通らない。むちゃくちゃだ。「人のうへいふを腹立つ人こそいと―・けれ/枕草子 270」
(3)どうしようもなくつらい。やりきれない。「手にてもえさし出づまじう,―・し/枕草子 184」
(4)やむを得ない。避けられない。「いみじう酔ひて,―・く夜ふけてとまりたりとも/枕草子 196」
(5)ひととおりでない。格別だ。「―・うふるめきたる鏡台の/源氏(末摘花)」
(6)非常にすぐれている。すばらしい。「みめかたち心ざま,優に―・きもので候とて/平家 10」
[派生] ――さ(名)
理無し
わりな・し 【理無し】 (形ク)
⇒わりない
理由
りゆう【理由】
a reason;→英和
a cause;→英和
[口実]an excuse;→英和
a pretext.→英和
…という〜で for the reason that…;by reason of;on account of;because of;on the ground of[that…].〜がある(ない) There is[We have]every (no) reason <to do,for> .〜のない unreasonable;→英和
groundless.→英和
理由
りゆう [0] 【理由】
(1)なぜそうなったかという筋道。また,なぜそうするかという根拠。わけ。事情。「反対する―はなにか」「一身上の―」
(2)言いわけ。口実。「―をつけて休む」「病気を―に面会を断る」
(3)〔哲・論〕 真理や存在が成立する基礎となるもの。論理的には結論に対する前提,実在的には結果に対する原因をいい,前者を認識理由,後者を実在理由という。根拠。
⇔帰結
理由の原理
りゆうのげんり 【理由の原理】
⇒充足理由律(ジユウソクリユウリツ)
理知
りち【理知】
intellect;→英和
intelligence.→英和
〜的な(に) intellectual(ly).→英和
理知
りち [1] 【理知・理智】
(1)感情や本能に左右されず,論理的に物事の道理を判断する能力。思考する力。理性と知恵。「―的」
(2)(「理智」と書く)〔仏〕 不変の絶対的真実である真如の理と,それを悟る智慧のこと。
理知的
りちてき [0] 【理知的・理智的】 (形動)
理知に基づいて判断したり行動したりするさま。「―な文学」「―な顔だち」
理研
りけん [0] 【理研】
⇒理化学研究所(リカガクケンキユウジヨ)
理研コンツェルン
りけんコンツェルン 【理研―】
第二次大戦前,理化学研究所を中心に発展した新興財閥。戦後の財閥解体により解体。
理神論
りしんろん [2] 【理神論】
〔deism〕
一七,八世紀ヨーロッパの啓蒙主義時代の合理主義的な宗教観。世界の創造者として神を認めるが,神が世界の出来事に関与することは信じない。聖書批判・比較宗教への道を開いた。自然神論。
理科
りか【理科】
science;→英和
the science course[department](学部).
理科
りか [1] 【理科】
(1)学校教育で,自然界の事物・現象を学ぶ教科。
(2)自然科学の学問。また,それを専攻する大学の部門。理学部のほか,工学部・医学部・農学部などを含めていう語。
⇔文科
「―系へ進む」
理窟
りくつ [0] 【理屈・理窟】
(1)すじの通った考え。道理。「―に合ったやり方」
(2)無理にこじつけた理由や論理。「―をつける」「こむずかしい―をこねる」
(3)物事がそうなる理由。ことわり。「―ではわかっている」「―では飛ぶはずだが」
(4)事情。わけ。具合。「おつかさんの方の―や何かでね都合がわりいから/洒落本・角鶏卵」
(5)色事。情事。「はや床の―もすんだとみえ/洒落本・意妓の口」
理系
りけい [0] 【理系】
理科の系統。また,その学科。
⇔文系
理義
りぎ [1] 【理義】
道理と正義。
理致
りち [1] 【理致】
道理にかなった趣旨。すじみち。「内外の―明かに言を尽して申されたりければ/太平記 18」
理蕃
りばん [0] 【理蕃】
日本統治下の台湾における,漢民族以外の山地住民(「蕃人」とよばれた)の統治をいった語。授産・教育などの撫育(ブイク)と軍事的威圧の両面から行われた。
理藩院
りはんいん 【理藩院】
中国,清朝の中央官庁の一。モンゴル・青海・チベット・新疆(シンキヨウ)の藩部を,自治機関の監督を通じて統治した。また,ロシアとの外交貿易事務もつかさどった。
→藩部
理観
りかん [1] 【理観】
〔仏〕 教理によって示される抽象的真理を直接対象とする観法。
⇔事観
理解
りかい [1] 【理解】 (名)スル
(1)物事のしくみや状況,また,その意味するところなどをわかること。納得すること。のみこむこと。「内容を正しく―する」「―力」
(2)相手の立場や気持ちをくみとること。「―ある態度」「相手の心情を―する」「相互の―を深める」
(3)道理。わけ。また,道理を説いて聞かせること。「義理ある兄貴の―でも/人情本・軒並娘八丈」
→理会
(4)「了解{(2)}」に同じ。
理解
りかい【理解(力)】
understanding;→英和
comprehension.→英和
〜のある(ない) (un)sympathetic.→英和
〜する(しない) (do not) understand[can(not) appreciate] <literature> ;→英和
(do not) realize <the importance> .→英和
理解社会学
りかいしゃかいがく [5] 【理解社会学】
〔(ドイツ) verstehende Soziologie〕
ウェーバーによって提唱された社会学の立場。社会的行為を行為者の動機(主観的意味)に従って理解し,それをさらに歴史の因果的説明と組み合わせる。
理詰で
りづめ【理詰で】
by reasoning.〜で説く reason <a person into doing> .→英和
理詰め
りづめ [0] 【理詰め】
議論や思考を理屈だけでおしすすめること。「―の談判」「―で攻めたてる」
理説
りせつ [0] 【理説】
理論や学説。また,理論的な説。
理論
りろん [1] 【理論】
□一□
(1)科学研究において,個々の現象や事実を統一的に説明し,予測する力をもつ体系的知識。狭義には,明確に定義された概念を用いて定式化された法則や仮説を組み合わせることによって形作られた演繹的体系を指す。「―を確立する」
(2)特定の研究領域や個々の学者の学説や見解を指すこともある。「批評―」「湯川―」
(3)実際の経験から離れて純粋に思考の中で組み立てられた知識。「実践」に対立し,否定的意味で使われることが多い。空理空論。「―倒れ」
□二□物事の道理・筋道などについて論じ合うこと。また,その議論。「可否は通と不通の―を待つのみ/人情本・辰巳園(序)」
理論
りろん【理論】
(a) theory.→英和
〜的 theoretical <dispute> .〜上 theoretically;→英和
in theory.‖理論家 a theorist.理論物理学 theoretical physics.
理論化学
りろんかがく [4] 【理論化学】
化学的な現象を熱力学・統計力学・量子力学の理論に基づいて理論的・体系的に研究する化学の一分野。物理化学あるいは化学物理学と同義。
理論哲学
りろんてつがく [5][4] 【理論哲学】
論理学・認識論など,理論的諸問題を扱う哲学の部門。
⇔実践哲学
理論家
りろんか [0] 【理論家】
理論に長じた人。理論を述べることを好む人。
理論物理学
りろんぶつりがく [6] 【理論物理学】
理論的研究を主とする物理学。実験や観測によって得られた事実をもとにして,より普遍的な,より基本的な物理法則を帰納し,さらに演繹によって,その時点では実現されていない状況のもとでの未知の物理現象を推定する。
⇔実験物理学
理論理性
りろんりせい [4] 【理論理性】
〔哲〕
〔(ドイツ) theoretische Vernunft〕
カントの用語。実践理性に対して,認識をなす理論的能力。
理論生計費
りろんせいけいひ [6] 【理論生計費】
実際の生活で支出された生計費ではなく,理論的方法に基づき,生活上必要な物量を定め,それに価格を乗じて算出された生計費。
理論的
りろんてき [0] 【理論的】 (形動)
理論にかかわるさま。また,それに基づくさま。理論上。
⇔実践的
「―な問題」「―にはこうなる」
理論空燃比
りろんくうねんひ [6] 【理論空燃比】
最も燃焼効率のよい空燃比。通常,ガソリン-エンジンでは空気一四・七に燃料一の割合とされる。
→空燃比
理論負荷性
りろんふかせい [1][0] 【理論負荷性】
〔theory-ladenness〕
デュエムに由来し,ハンソンが提唱した科学哲学上の概念。観察事実は理論を前提としており,その影響を免れることはできない,したがって理論の検証や反証の基盤となる純粋無垢の観察事実は存在しない,というもの。
理論闘争
りろんとうそう [4] 【理論闘争】
政治・社会運動において,自己の主張・論説・勢力を確立・拡大するため,理論によって他と争うこと。
理財
りざい [0][1] 【理財】
金銭,財物を有効に用いること。経済。「―の道にたけている」
理財
りざい【理財】
economy;→英和
finance.→英和
理財学
りざいがく [2] 【理財学】
〔political economy の井上哲次郎による訳語〕
経済学の旧称。
理財家
りざいか [0] 【理財家】
金銭,財物の運用にすぐれた人。経済家。
理責め
りぜめ [0] 【理責め】
理屈で人をやりこめること。理屈責め。「此―の弁護を聞いて/彼岸過迄(漱石)」
理趣
りしゅ [1] 【理趣】
物の道理。事の次第。「天地人の―の,流石(サスガ)に得見ぬかれぬと/小説神髄(逍遥)」
理趣経
りしゅきょう [0] 【理趣経】
〔正式には「大楽金剛不空真実三摩耶経」〕
一巻。真言宗の読誦経典。不空訳。大般若経理趣分に相当する。万物の本体が清浄であることを明らかにし,即身成仏の教義を説く。男女の愛欲などの欲望肯定的傾向が強い。般若理趣経。
理路
りろ [1] 【理路】
考え・話などの筋道。
理路整然
りろせいぜん [1] 【理路整然】 (ト|タル)[文]形動タリ
考え・話などの筋道が整っているさま。「―と話す」
理路整然たる
りろ【理路整然たる】
logical;→英和
consistent.→英和
理運
りうん [1] 【理運・利運】
■一■ (名)
〔(3)が原義〕
(1)よいめぐり合わせ。また,幸運・利益。「百中八十の―あり/八十日間世界一周(忠之助)」
(2)当然出合うべき運。そうなるのが当然であること。「去んぬる月此事有り。―の災か/小右記」
(3)道理にかなっていること。正当であること。「たとひ―の事の相違もいでき/十訓 9」
(4)戦いにおける勝運。勝利。「合戦の忠功をぬきんでずして,―の冠をえる事あるべからず/こんてむつすむん地」
■二■ (名・形動)
幸運に乗じて傍若無人なこと。高慢で気ままなこと。また,そのさま。「身に誤りあればこそ段々の詫言,あんまり―過ぎました/浄瑠璃・天の網島(中)」
理里有楽
りりうら [2] 【理里有楽】
早歌(ソウカ)の異名。
理非
りひ [1] 【理非】
道理にあっていることとはずれていること。正しいこととまちがっていること。是非。「―を明らかにする」
理非を弁える
りひ【理非を弁(わきま)える】
know right from wrong.〜を論じる make clear the relative merits <of a case> .
理非曲直
りひきょくちょく [1] 【理非曲直】
道理にあっていることとはずれていること。道徳的に正しいこととあやまったこと。「―もわきまえない人」「―を正す」
理髪
りはつ [0] 【理髪】 (名)スル
(1)主に男子の頭髪を刈り,形を整えること。調髪。散髪。
→理容
(2)昔,元服や裳着(モギ)の時に,頭髪を整えて成人の髪形に結うこと。また,その役に当たる人。
理髪
りはつ【理髪】
<get> a haircut;→英和
hairdressing.‖理髪師 a barber;a hairdresser.理髪店 <米> a barbershop; <英> a barber's (shop).
理髪師
りはつし [3] 【理髪師】
理髪を職業とする人。理容師。
理髪店
りはつてん [3][2] 【理髪店】
「理容店」に同じ。
琉歌
りゅうか リウ― [1] 【琉歌】
〔和歌に対して,琉球風の短歌の意〕
沖縄の短詩形歌謡。特に八・八・八・六形式の抒情的歌謡をいう。多く,三線(サンシン)の伴奏にのせて歌われる。
琉球
りゅうきゅう リウキウ 【琉球】
(1)沖縄の別名。本来,中国側からの呼び名で,「隋書」に見える「流求」は台湾説と沖縄説の両説がある。
→沖縄
(2)「琉球紬(ツムギ)」の略。
琉球処分
りゅうきゅうしょぶん リウキウ― 【琉球処分】
明治政府のもとで琉球が強制的に近代日本国家に組み込まれていった一連の政治過程。1872年(明治5)琉球藩設置に始まり,79年の沖縄県設置に至る過程をいう。これによって琉球王国は滅びた。
琉球出兵
りゅうきゅうしゅっぺい リウキウ― 【琉球出兵】
1609年に薩摩の島津氏が大軍を送って琉球を征服した事件。島津氏は奄美諸島を直轄地とし,琉球王国に貢納を課した。島津侵入事件。
琉球大学
りゅうきゅうだいがく リウキウ― 【琉球大学】
国立大学の一。1950年(昭和25)首里城跡に創設され,66年琉球政府立となり,72年国立となる。本部は沖縄県西原町。
琉球弧
りゅうきゅうこ リウキウ― 【琉球弧】
南九州から台湾へ連なる島列の弧。南西諸島弧。
琉球海溝
りゅうきゅうかいこう リウキウ― 【琉球海溝】
南西諸島海溝の別名。
琉球烏鳩
りゅうきゅうからすばと リウキウ― [8] 【琉球烏鳩】
ハト目ハト科の鳥。別種のカラスバトより大形,後頸に白色の帯があり,くちばしが青灰色。沖縄島と大東諸島にのみ分布したが,沖縄島では1904年(明治37),大東諸島では36年(昭和11)を最後に絶滅。
琉球猪
りゅうきゅういのしし リウキウヰノシシ [5] 【琉球猪】
南西諸島に生息するイノシシ。本土のイノシシに比べて小形。食用として好まれる。
琉球神道記
りゅうきゅうしんとうき リウキウシンタウキ 【琉球神道記】
沖縄の宗教について記した現存最古の書。五巻。浄土宗の僧,袋中著。1648年,京都で刊。和文で書かれている。
琉球笄
りゅうきゅうこうがい リウキウカウ― [5] 【琉球笄】
植物メヒルギの異名。
琉球紬
りゅうきゅうつむぎ リウキウ― [5] 【琉球紬】
沖縄産の平織りの紬。つむぎ糸を植物性染料などで染めて織る。質は柔らかで丈夫。久米島で織られる久米島紬がよく知られる。
琉球組
りゅうきゅうぐみ リウキウ― 【琉球組】
三味線組歌の一。本手組の第一曲で,地歌の最古の曲とされる。石村検校(ケンギヨウ)の作という。
琉球絣
りゅうきゅうがすり リウキウ― [5] 【琉球絣】
沖縄産の絣。またそれを模して織られた絣織物。手結いと呼ぶ古い技法で,独特の柄を織り出す。沖縄本島南部で織られた紺木綿絣が知られる。沖縄絣。
琉球芋
りゅうきゅういも リウキウ― [3] 【琉球芋】
(1)〔琉球を経て渡来したので〕
サツマイモの異名。
(2)ジャガイモの異名。
琉球藍
りゅうきゅうあい リウキウアヰ [5] 【琉球藍】
キツネノマゴ科の低木。沖縄・台湾・インドシナ半島に分布。枝葉から藍をとるために栽培する。高さ50センチメートル内外。葉は広披針形。夏,茎頂に淡紫色の唇形花をつける。キアイ。
琉球藺
りゅうきゅうい リウキウヰ [3] 【琉球藺】
植物シチトウの異名。
琉球表
りゅうきゅうおもて リウキウ― [5] 【琉球表】
畳表の一種。麻糸を縦とし,シチトウの茎を横として織ったもの。じょうぶで耐久力に富む。七島表。琉球ござ。
琉球語
りゅうきゅうご リウキウ― [0] 【琉球語】
沖縄本島を中心に,奄美大島諸島・宮古諸島・八重山諸島などで用いられている言語。日本語との類縁関係が実証されており,琉球方言として,内地方言と対立する。日本語の二大方言の一つとして扱われることが多いが,他方で,日本語と同系の姉妹語ともみなされる。日本語の古い姿を残している面もあるが,その反面,独自の発達をとげている点も多い。
琉球諸島
りゅうきゅうしょとう リウキウ―タウ 【琉球諸島】
沖縄諸島と先島(サキシマ)諸島の総称。南西諸島の南半部にあたり,沖縄県が全域を占める。
琉球躑躅
りゅうきゅうつつじ リウキウ― [5][6] 【琉球躑躅】
ツツジ科の常緑低木。五月頃,枝先に径約6センチメートルの漏斗状花を一,二個つける。花は白色で花冠の内面上部に緑斑がある。庭木とする。白琉球。
琉球音階
りゅうきゅうおんかい リウキウ― [5] 【琉球音階】
日本の五音音階の一。各音の音程関係は洋楽階名のド・ミ・ファ・ソ・シと同じ形。主に沖縄の音楽で用いられる。
→五音音階
琉球鮎
りゅうきゅうあゆ リウキウ― [5] 【琉球鮎】
アユの一亜種。アユとは鱗(ウロコ),鰭条(キジヨウ)の数が異なる。奄美大島と沖縄本島に生息していたが沖縄本島ではすでに絶滅。奄美大島でも個体数が減少している。
琉金
りゅうきん リウ― [0] 【琉金】
〔江戸時代,琉球から渡来したことから〕
金魚の品種の一。体は短く腹部が大きくふくれ,ひれが長い。尾びれは特に長く,三つ尾または四つ尾をなす。色は赤か赤白のまだらが普通。尾長(オナガ)。
琢磨
たくま [1] 【琢磨】 (名)スル
〔詩経(衛風,淇澳)〕
(1)玉などをとぎみがくこと。
(2)修行して,学問・技芸・精神などを向上させること。「切磋(セツサ)―」「武を―する/慨世士伝(逍遥)」
琥珀
こはく【琥珀】
amber.→英和
琥珀色(の) amber.→英和
琥珀
こはく [0] 【琥珀】
(1)地質時代の樹脂が石化したもの。黄褐色ないし黄色で樹脂光沢があり,透明ないし半透明。比重は一・〇九六,硬度二〜二・五。炭層に伴って産出する。良質のものは飾り石となる。くはく。赤玉。
(2)「琥珀織り」「琥珀色」などの略。
琥珀糖
こはくとう [0] 【琥珀糖】
寒天を煮溶かし,砂糖を加え,鬱金粉(ウコンコ)で着色して煮詰め,レモンまたは橙皮油を混ぜて冷して固めた菓子。
琥珀縞
こはくじま [0] 【琥珀縞】
琥珀織りの縞織物。
琥珀織
こはくおり [0] 【琥珀織(り)】
経(タテ)糸を密に,緯(ヨコ)糸に比較的太い糸を用いて平織りにし,横(ウネ)を表した練り絹織物。羽織地・袴地・帯地などに用いる。中国渡来のものであったが,天和年間(1681-1684)より京都西陣で織り出すようになった。横筋斜子(ナナコ)。
琥珀織り
こはくおり [0] 【琥珀織(り)】
経(タテ)糸を密に,緯(ヨコ)糸に比較的太い糸を用いて平織りにし,横(ウネ)を表した練り絹織物。羽織地・袴地・帯地などに用いる。中国渡来のものであったが,天和年間(1681-1684)より京都西陣で織り出すようになった。横筋斜子(ナナコ)。
琥珀色
こはくいろ [0] 【琥珀色】
琥珀の色。透明ないし半透明の,赤みをおびた黄色。
琥珀酸
こはくさん [0] 【琥珀酸】
琥珀の乾留によって発見された二価カルボン酸の一種。化学式 HOOC・CH�・CH�・COOH 天然の貝類,未熟な果実,発酵製品中に含まれ,現在はエチレンやベンゼンを原料として合成し,調味料にする。生体内では酸化・還元反応の過程の中間体として重要。TCA 回路などの一員。ブタン二酸。
琳派
りんぱ 【琳派】
「光琳派(コウリンハ)」の略。
琳琅
りんろう [0] 【琳瑯・琳琅】
■一■ (名)
美しい玉。また,美しい詩文などをたとえていう。
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
玉などが触れあって美しい音を立てるさま。「―璆鏘(キユウソウ)として鳴るぢやないか/吾輩は猫である(漱石)」
琳瑯
りんろう [0] 【琳瑯・琳琅】
■一■ (名)
美しい玉。また,美しい詩文などをたとえていう。
■二■ (ト|タル)[文]形動タリ
玉などが触れあって美しい音を立てるさま。「―璆鏘(キユウソウ)として鳴るぢやないか/吾輩は猫である(漱石)」
琴
きん [1] 【琴】
中国の弦楽器。琴柱(コトジ)をたてず,七本の弦を張り,一三個の徽(キ)(勘所(カンドコロ))を目印とし左手で弦を押さえ,右手で弾く。日本には奈良時代に伝来したといわれるが,平安末期には絶え,江戸時代,明の帰化僧心越により再興されたが,現在は衰微。きんのこと。七弦琴。
→箏(ソウ)
琴[図]
琴
こと【琴】
a koto;a harp (竪琴).→英和
〜をひく play the koto.
琴
こと [1] 【琴・箏】
(1)箏(ソウ)の通称。主に近世以後の用法。「琴」は代用漢字。
→箏(ソウ)
(2)琴(キン)・箏の和訓。古代以来の用法。広く琴・箏と同類の弦楽器(長胴チター属)をさす語(須磨琴(スマゴト)・大正琴(タイシヨウゴト)など)としても用いられる。
(3)原義では弦楽器全般の称。古代には,きんのこと(琴)・そうのこと(箏)・びわのこと(琵琶)・やまとごと(和琴)・くだらごと(百済琴)・しらぎごと(新羅琴)などと呼び分けた。
琴の琴
きんのこと 【琴の琴】
「琴(キン)」に同じ。「いでその―ひき給へ/源氏(手習)」
琴の組
ことのくみ 【琴の組】
箏曲の曲種名。箏の組歌のこと。箏の弾き歌いの曲で,数個の歌を組み合わせて一曲とする。八橋検校の「十三組」が有名。
琴の緒
ことのお 【琴の緒】
琴(キン)・箏(ソウ)など弦楽器の弦。琴糸。
琴占
ことうら [0] 【琴占】
古代の占いの一種。琴を掻(カ)き鳴らして神霊を呼び迎え,吉凶を占うもの。のちには琴板を笏(シヤク)でたたいて占った。
琴古流
きんこりゅう 【琴古流】
尺八の流派の一。明和(1764-1772)頃,黒沢琴古により創始された。明治に二世荒木古童が改良し,都山流とともに二大流派をなす。
琴尾
ことじり [0] 【琴尾・琴後】
琴の類の尾部。
⇔琴頭(コトガミ)
琴師
ことし [2] 【琴師】
(1)琴(箏)・琵琶(ビワ)などの製造・修理を職業とする人。
(2)琴(箏)を弾くことを職業とする人。
(3)雅楽寮で琴を教授する職員。
琴平
ことひら 【琴平】
香川県仲多度(ナカタド)郡の町。金刀比羅(コトヒラ)宮の鳥居前町として発展。
琴平山
ことひらやま 【琴平山】
琴平町を見下ろす山。海抜616メートル。金刀比羅宮が中腹にあり,自然林におおわれる。
琴平街道
ことひらかいどう 【琴平街道】
香川県,金比羅宮に向かう道の総称。多度津・丸亀・高松や愛媛県の川之江,徳島県の池田などからの道がある。「讃岐の道は金比羅に通じる」といわれる。
琴座
ことざ [0] 【琴座】
〔(ラテン) Lyra〕
八月下旬の宵に南中する星座。天の川の西岸にある。アルファ星はベガ(七夕の織女星)。ギリシャ神話によれば,楽人オルフェウスの死後その愛器の竪琴が天にかかげられたものという。
琴引
ことひき [2][0] 【琴引】
スズキ目シマイサキ科の海魚。体長25センチメートル程度。体は長楕円形でやや側扁する。背側は褐色を帯びた淡青色,腹側は銀白色。体側に弓形の三本の灰黒色帯がある。食用。本州南部以南,シナ海,東南アジアなどに分布。ヤカタイサキ。
琴後
ことじり [0] 【琴尾・琴後】
琴の類の尾部。
⇔琴頭(コトガミ)
琴後集
きんごしゅう 【琴後集】
⇒ことじりしゅう(琴後集)
琴後集
ことじりしゅう 【琴後集】
歌文集。一五巻七冊。村田春海(ハルミ)の家集。1813〜14年刊か。前半九巻は歌集,後半六巻は文集。歌風は師の賀茂真淵とは逆に,新古今的で繊細流麗。きんごしゅう。
琴曲
きんきょく [1] 【琴曲】
琴(コト)の曲。箏曲(ソウキヨク)。
琴書
きんしょ [1][0] 【琴書】
琴と書籍。また,音楽と読書。風流人の高尚な趣味のこと。琴棋書画。
琴柱
ことじ [0][1] 【琴柱・箏柱】
(1)箏(ソウ)・和琴(ワゴン)の胴の上にたてて弦を支え,その位置を変えて調律するための「人」の字形の具。材質は木・象牙・プラスチックなど。
(2)家紋の一。{(1)}を図案化したもの。
琴柱(1)[図]
琴柱棒
ことじぼう [3] 【琴柱棒】
〔先端の金具が,琴柱形をしているところから〕
刺股(サスマタ)。
琴棋
きんき [1] 【琴棋・琴碁】
〔「きんぎ」とも〕
琴(コト)と碁(ゴ)。風雅な遊びの意。「―詩酒に暮して/浮世草子・永代蔵 5」
琴棋書画
きんきしょが [4][1][1] 【琴棋書画】
琴と碁と書と絵。昔,中国で,四芸と称して,風流な人々の芸術的な遊びとされた。画題としても描かれた。
琴歌
きんか [1] 【琴歌】
(1)琴に合わせて歌う歌。
(2)和琴(ワゴン)に合わせて,神楽のときなどにうたった上代の歌謡。
→琴歌譜
琴歌
ことうた [2] 【琴歌・箏歌】
(1)琴に合わせて歌う歌。
(2)歌舞伎の下座の一。時代物の御殿・大名邸などの場の幕開きなどに用いられ,普通は三味線で琴の代用をする。
琴歌譜
きんかふ 【琴歌譜】
和琴(ワゴン)の譜本。一巻。編者・成立年ともに不詳。平安初期の成立か。上代歌謡一九曲二一首(異曲同歌を含めると二二首)の譜と歌詞,声の長短,琴の弾法などを記す。
琴水母
ことくらげ [3] 【琴水母】
有櫛(ユウシツ)動物のクラゲ。体長15センチメートル内外。体は U 字形で竪琴(タテゴト)に似る。両側の腕状の部分の先端から,長い羽毛状の触手を出す。色彩は美しく,黄・灰・淡紅色の地に,濃紅色のいぼ状突起が多数散在する。泳ぐことができず,岩などに付着する。
琴爪
ことづめ [0] 【琴爪・箏爪】
箏(コト)の演奏の際に弦を弾く小さな義甲。弦を弾く部分は象牙など堅い材料で製し,革製の輪を付けて,右手の拇指(ボシ)・食指・中指にはめて弾弦する。現行の箏曲では,生田流は角爪(カクヅメ),山田流は丸爪(マルヅメ)を用いる。つめ。ことづま。
琴瑟
きんしつ [0][1] 【琴瑟】
(1)琴と瑟(大型の琴)。
(2)夫婦仲がごくむつまじいことのたとえ。「―の和」
琴瑟相和す
きんしつ【琴瑟相和す】
lead a happy married life.
琴碁
きんき [1] 【琴棋・琴碁】
〔「きんぎ」とも〕
琴(コト)と碁(ゴ)。風雅な遊びの意。「―詩酒に暮して/浮世草子・永代蔵 5」
琴笛
ことふえ [1] 【琴笛】
琴と笛。管弦。
琴笛の道
ことふえのみち 【琴笛の道】
音楽の道。管弦の道。「―は遠う,弓をなむいとよく引きける/源氏(東屋)」
琴糸
こといと [2][0] 【琴糸・箏糸】
琴の弦。ことのお。
琴線
きんせん [0] 【琴線】
(1)琴に張ってある糸。
(2)外界の事物に触れてさまざまな思いを引き起こす心の動きを琴の糸にたとえた語。「心の―に触れる」
琴線に触れる
きんせん【琴線に触れる】
touch a person's heartstrings (心の).
琴責
ことぜめ 【琴責】
⇒阿古屋(アコヤ)の琴責(コトゼメ)
琴軋
ことさき [0] 【琴軋】
和琴(ワゴン)の撥(バチ)。
琴酒を
ことさけを 【琴酒を】 (枕詞)
「押垂(オシタ)れ小野」にかかる。語義・かかり方未詳。「―押垂小野ゆ出づる水/万葉 3875」
琴頭
ことがみ [0] 【琴頭】
琴の類の頭部。
⇔琴尻(コトジリ)
琴鳥
ことどり [2] 【琴鳥】
スズメ目コトドリ科の鳥。全長約1メートルで,スズメ目では最大。羽色は全体に茶色。雄の尾は70センチメートルに及び,形が西洋古代の竪琴(タテゴト)に似る。森林の地上で生活し,他の鳥の鳴き声や物音を巧みにまねる。雄はテリトリーの中に直径1メートルほどの踊り場をいくつも作り,誇示行動を行う。オーストラリア東部に二種が分布。オーストラリアの国鳥。
琴鳥[図]
琵琶
びわ [1] 【琵琶】
東洋の撥弦(ハツゲン)楽器。木製で,水滴形の平たい胴に柄がついており,普通四弦であるが五弦のものもある。ペルシャに起こり,インド・中国を経て,奈良時代に日本に渡来。日本では多く撥(バチ)を用いる。全長60〜106センチメートル。雅楽に用いる楽琵琶,平曲の伴奏の平家琵琶をはじめ,盲僧琵琶(荒神琵琶)・筑前琵琶・薩摩琵琶などの種類がある。四つの緒。びわのこと。
琵琶[図]
→琵琶[音声]
琵琶
びわ【琵琶】
《楽》a lute.→英和
琵琶打ち
びわうち ビハ― 【琵琶打ち】
(1)琵琶を演奏する人。
(2)琵琶を作る人。
琵琶歌
びわうた ビハ― [2] 【琵琶歌】
琵琶に合わせて歌う歌。特に,薩摩琵琶・筑前琵琶に用いられる歌をさす。
琵琶法師
びわほうし ビハホフシ [3] 【琵琶法師】
琵琶の弾き語りを職業とした僧体(法師姿)の盲人音楽家。平安時代から存在した放浪芸人の一種。中世以後は,経文読誦(ドクジユ)を表芸とする盲僧と,専ら平曲を演奏する者の二系統に分かれた。主に後者をさす。
琵琶法師[図]
琵琶湖
びわこ ビハ― 【琵琶湖】
滋賀県中央部にある湖。断層湖。面積674平方キロメートルで日本最大。最大深度104メートル。湖水は瀬田川を経て淀川に流れる。京阪神地区の重要な水資源であり,マス・アユ・シジミなどの漁業も行われる。古名,淡海(オウミ)・近江海(オウミノウミ)・鳰(ニオ)の海。
琵琶湖国定公園
びわここくていこうえん ビハ―コウヱン 【琵琶湖国定公園】
滋賀県と京都府にまたがる国定公園。琵琶湖を中心に比良山地・比叡山などを含む。
琵琶湖大橋
びわこおおはし ビハ―オホ― 【琵琶湖大橋】
滋賀県大津市堅田と守山市の間,琵琶湖南部にかかる橋。長さ1350メートル。1964年(昭和39)完成。
琵琶湖疏水
びわこそすい ビハ― 【琵琶湖疏水】
琵琶湖から京都市に通じる運河。明治時代に舟運・発電・上水道・灌漑の目的で開削。現在は蹴上浄水場への供給が主目的。
琵琶湖線
びわこせん ビハ― 【琵琶湖線】
JR 西日本の東海道本線のうち,米原・京都間の近郊列車線の称。
琵琶琴
びわごと ビハ― 【琵琶琴】
琵琶の異名。びわのこと。
琵琶笛
びやぼん [0] 【琵琶笛・口琴】
口琴(コウキン)の一種。細長い鋼鉄をかんざしのように二股につくり,その間に針のような鉄をつけた三股状のもの。閉じた側を横ぐわえにし,間の鉄を指で弾いて鳴らす。江戸末期に玩具として一時流行。きやこん。びわぼん。くちびわ。
琵琶蟹
びわがに ビハ― [2] 【琵琶蟹】
海産のカニ。甲は縦長の楕円形で長さ約5センチメートル。全身淡紅色。後ろから二番目の脚がごく小さい。房総半島からオーストラリアにかけての砂泥底に広く分布。
琵琶行
びわこう ビハカウ 【琵琶行】
中国,中唐の詩人白居易の七言古詩。816年,四五歳の作。船上で琵琶を弾く女の語る哀れな身の上話に,左遷された自分の境遇を重ね合わせて作った長編。「長恨歌」と並ぶ代表作。
琵琶記
びわき ビハキ 【琵琶記】
中国,元代の戯曲。四二幕。高明作。後漢の蔡邕(サイヨウ)が科挙のため都に上り,残った妻は悲惨な境遇に陥ったが,琵琶を弾きつつ単身遠い都へ旅をし,夫と再会するという筋。南曲の最高傑作とされる。
琵琶鱒
びわます ビハ― [2] 【琵琶鱒】
サケ目の淡水魚。全長60センチメートルに達する。幼魚は体側に小判形の斑紋が並び朱点が散在するが,成長すると消失し,体色は銀白色となる。原産は琵琶湖とされるが,諏訪湖・芦ノ湖などにも分布。美味で釣りの対象魚。アメノウオ。アメ。
→アマゴ
琵音
びおん [0] 【琵音】
⇒アルペッジョ
琺瑯
ほうろう【琺瑯(引きの)】
enamel(ed).→英和
琺瑯質 enamel.
琺瑯
ほうろう ハフラウ [0] 【琺瑯】
〔enamel〕
金属面を保護または装飾するためにガラス質の釉(ウワグスリ)を表面に塗り,高温で焼き付けたもの。日用器具・化学工業器具などに広く用いられる。
→七宝(シツポウ)
琺瑯引き
ほうろうびき ハフラウ― [0] 【琺瑯引き】
琺瑯が焼き付けてあること。また,その製品。
琺瑯質
ほうろうしつ ハフラウ― [3] 【琺瑯質】
⇒エナメル質(シツ)
琿春
こんしゅん 【琿春】
中国,吉林(キツリン)省の県。清(シン)初期より朝鮮との国境紛争の地。
→間島(カントウ)事件
瑇瑁
たいまい [0] 【玳瑁・瑇瑁】
海産のカメ。甲長90センチメートルほど。主に熱帯・亜熱帯に分布するが,個体数が減少。背甲は黄色と黒色の鼈甲(ベツコウ)色で,高級細工物の材料とするが,ワシントン条約で商取引が禁止されている。
玳瑁[図]
瑕
きず [0] 【傷・疵・瑕】
(1)打ったり切ったりしてできた,体の表面の損傷。創傷。「―がうずく」「切り―」
(2)物の表面にできた割れ目や欠け目。「柱の―」「―がつく」
(3)欠点。不完全な部分。「玉に―」「早とちりするのが―だ」
(4)不名誉なこと。また,好ましくない評判。「経歴に―がつく」
(5)心などに受けた痛手。「心の―」
瑕瑾
かきん [0] 【瑕瑾】
〔「瑕」は玉のきず,「瑾」は立派な玉の意。正しくは「瑕釁(「釁」はきずの意)」〕
(1)物についた,きず。
(2)欠点。短所。ほかは申し分ないのに,ほんのわずかな欠点のあることにいう。
(3)恥辱。名折れ。「武略―の謗(ソシ)りを遺さん/平家 7」
瑕疵
かし [1] 【瑕疵】
(1)きず。欠点。
(2)法的に何らかの欠陥・欠点のあること。
瑕疵担保責任
かしたんぽせきにん [6] 【瑕疵担保責任】
売買などの契約で,契約の目的物に隠れた欠陥があった場合,売り主などが負う担保責任。
→追奪担保責任
瑕]
きず【傷[疵・瑕]】
(1)[身体] <inflict> a wound <on> ;→英和
an injury;→英和
a cut;→英和
a scratch.→英和
(2)[品物]a flaw;→英和
a crack (ひび);→英和
a bruise (果物の).→英和
(3)[精神]a fault;→英和
a defect;→英和
a stain (汚点).→英和
〜のない flawless;→英和
perfect.→英和
〜のある defective;→英和
imperfect.→英和
〜をつける ⇒傷つける.
瑜伽
ゆが [1] 【瑜伽】
〔仏〕
〔梵 yoga「相応」と訳す〕
呼吸法・座法・瞑想法などの訓練によって,普通の人間以上の高度な心身を実現しようとする修行法。インドで多くの宗派に共有された方法で,仏教では唯識派・法相宗で特に重視され,密教への影響も大きい。
→ヨーガ
瑜伽三密
ゆがさんみつ [3] 【瑜伽三密】
⇒三密瑜伽(サンミツユガ)
瑜伽上乗
ゆがじょうじょう [3] 【瑜伽上乗】
〔仏〕
〔瑜伽の行は無上の仏乗であるとの意で〕
密教の美称。瑜伽最上乗。
瑜伽宗
ゆがしゅう [2] 【瑜伽宗】
〔仏〕
(1)法相宗の異名。
(2)密教の異名。
瑜伽密宗
ゆがみっしゅう [3] 【瑜伽密宗】
〔仏〕 密教の異名。
瑜伽師地論
ゆがしじろん ユガシヂロン 【瑜伽師地論】
〔梵 Yogācārabhūmi〕
仏書。一〇〇巻。四世紀頃弥勒(ミロク)または無着(ムジヤク)著。完訳は唐の玄奘訳。瑜伽行者(ヨーガの実践者)の修行や悟りの境地などを説き,唯識中道の道理を宣揚する。瑜伽論。
瑜伽振鈴
ゆがしんれい [3] 【瑜伽振鈴】
〔仏〕 密教の修法で,前鈴・後鈴の前後二回,金剛鈴を振り鳴らすこと。
瑜伽教
ゆがきょう [0] 【瑜伽教】
〔仏〕
〔三密の瑜伽を重んじるところから〕
密教の異名。
瑜伽論
ゆがろん 【瑜伽論】
⇒瑜伽師地論(ユガシジロン)
瑞
みず ミヅ 【瑞】
(1)みずみずしいこと。うるわしいこと。「汝(イマシ)の堅めし―の小佩(オヒモ)は誰かも解かむ/古事記(中)」
(2)瑞兆。めでたいしるし。「天,則ち応(コタ)へて其―を示す/日本書紀(孝徳訓)」
(3)他の語の上に付いて,みずみずしい,清らかな,美しい,などの意を表す。「―垣」「―枝」「―穂」
瑞
ずい [1] 【瑞】
めでたいしるし。瑞兆。「空玉子色に好天気の―はあらはれた/戸隠山紀行(美妙)」
瑞々しい
みずみずしい【瑞々しい】
fresh.→英和
瑞兆
ずいちょう [0] 【瑞兆】
めでたい前兆。吉兆。瑞徴。
瑞光
ずいこう [0] 【瑞光】
めでたい光。吉兆を表す光。
瑞垣
みずがき ミヅ― [2] 【瑞垣・水垣・瑞籬】
〔「みず」は美称。古くは「みずかき」〕
神社・宮殿の垣根。たまがき。
瑞垣の
みずがきの ミヅ― 【瑞垣の】 (枕詞)
「久し」「神」にかかる。「―久しき時ゆ恋すれば/万葉 3262」「―神の御代より篠の葉を/神楽歌」
瑞夢
ずいむ [1] 【瑞夢】
縁起のよい夢。
瑞宝章
ずいほうしょう [3] 【瑞宝章】
勲章の一。社会・公共に多年尽くしたと認められる功労者に与えられる。勲一等から勲八等まである。
瑞宝章
ずいほうしょう【瑞宝章】
the order of the Sacred Treasure.
瑞巌寺
ずいがんじ 【瑞巌寺】
宮城県松島町にある臨済宗妙心寺派の寺。山号青竜山。838年慈覚大師円仁の開基。北条時頼が再興し天台宗を臨済宗に改宗。その後伊達政宗が本堂・庫裏(クリ)・御成門などを造営,寺号を瑞巌円福寺とした。本堂・庫裏は国宝。松島寺。
瑞応
ずいおう [0] 【瑞応】
めでたいしるし。吉兆。瑞験。
瑞星
ずいせい [0] 【瑞星】
めでたいきざしを示す星。景星。
瑞木
みずき ミヅ― [0] 【瑞木】
みずみずしい若木。
瑞枝
みずえ ミヅ― 【瑞枝】
みずみずしい若枝。「い槻(ツキ)が枝に―さす秋のもみち葉/万葉 3223」
瑞歯
みずは ミヅ― [0] 【瑞歯・稚歯】
(1)みずみずしい歯。若々しい歯。
(2)老人の歯が抜け落ちてから再び生えたもの。長生きのしるしとしてめでたいものとされた。
(3)老いること。「かまど守る―の女(オミナ)/夫木 7」
瑞歯さす
みずはさ・す ミヅハ― 【瑞歯さす】 (動サ四)
「みずはぐむ」に同じ。「―・せるに耳を傾けつつ,他事なくみえける気色など/無名抄」
瑞歯含む
みずはぐ・む ミヅハ― 【瑞歯含む】 (動マ四)
〔歯のなくなった老人が再び瑞歯が生じるほど長く生きている意〕
はなはだしく年をとる。みずはさす。「惟光が父の朝臣の乳母に侍し者の―・みて住み侍るなり/源氏(夕顔)」
瑞気
ずいき [0] 【瑞気】
めでたい雲気。めでたくこうごうしい雰囲気。「―洋々として満地に瀰(ワタ)り/緑簑談(南翠)」
瑞泉寺
ずいせんじ 【瑞泉寺】
(1)鎌倉市二階堂にある臨済宗円覚寺派の寺。山号,錦屏山。1327年夢窓疎石の開創。鎌倉公方足利基氏の尊崇あつく,その墓所となる。
(2)富山県井波町にある浄土真宗大谷派の寺。井波別院。本願寺五世綽如(シヤクニヨ)の開創と伝える。一五世紀末の一向一揆(イツキ)の中心。
(3)京都市中京区木屋町通にある浄土宗西山派の寺。山号,慈舟山。開山は立空桂叔。1611年豊臣秀次の菩提を弔うため角倉了以が創建。
瑞浪
みずなみ ミヅナミ 【瑞浪】
岐阜県南東部の市。近世,中山道の宿駅。良質の陶土を産し,美濃焼の原産地として知られる。洋食器の生産が多い。
瑞渓周鳳
ずいけいしゅうほう 【瑞渓周鳳】
(1391-1473) 室町時代の臨済宗の僧。和泉国堺の人。別号,臥雲山人。相国寺鹿苑院塔主となり,僧録司。将軍義教・義政に重んぜられ,外交のことに携わった。著「善隣国宝記」,日記「臥雲日件録」
瑞物
ずいぶつ [0] 【瑞物】
めでたいことのしるしとなるもの。瑞鳥・瑞獣・瑞雲など。
瑞瑞
みずみず ミヅミヅ [3] 【瑞瑞・水水】 (副)スル
(1)水気を含んで生気があり,新鮮なさま。「―した稲の田の面(モ)を/発展(泡鳴)」
(2)若々しいさま。「まだ三十年四十年も生さうな―とした顔付して/いさなとり(露伴)」
瑞瑞しい
みずみずし・い ミヅミヅ― [5] 【瑞瑞しい・水水しい】 (形)[文]シク みづみづ・し
(1)つやがあって若々しい。つやつやと輝いている。「―・い若葉」
(2)若々しく新鮮である。「―・い感覚に満ちた詩」
[派生] ――さ(名)
瑞相
ずいそう [0][3] 【瑞相】
(1)めでたいことの起こるきざし。吉兆。瑞験。
(2)前兆。きざし。「世の乱るる―/方丈記」
瑞祥
ずいしょう [0] 【瑞祥・瑞象】
めでたいしるし。吉兆。祥瑞。「―が現れる」
瑞穂
みずほ ミヅホ 【瑞穂】
東京都西部,西多摩郡の町。青梅街道と国道一六号が交差する。南部に米軍の横田基地がある。
瑞穂
みずほ ミヅ― [0] 【瑞穂】
みずみずしい稲の穂。
瑞穂の国
みずほのくに ミヅ― 【瑞穂の国】
〔瑞穂を産する国の意〕
日本国の美称。「豊葦原の千五百秋の―/日本書紀(神代上訓)」
瑞竜寺
ずいりゅうじ 【瑞竜寺】
滋賀県近江八幡市にある日蓮宗の尼寺。豊臣秀次の母妙恵日秀尼が秀次の菩提をとむらうために京都村雲に建立。代々皇族・摂家が入寺した。1963年(昭和38)現在地に移転。村雲(ムラクモ)御所。
瑞竜山
ずいりゅうざん 【瑞竜山】
茨城県常陸太田市の北にある丘陵地。水戸徳川家代々の墓所。朱舜水の墓もある。
瑞籬
みずがき ミヅ― [2] 【瑞垣・水垣・瑞籬】
〔「みず」は美称。古くは「みずかき」〕
神社・宮殿の垣根。たまがき。
瑞籬
ずいり [1] 【瑞籬】
神社などの玉垣。みずがき。
瑞花
ずいか [1] 【瑞花】
(1)豊年の前兆となるめでたい花。
(2)雪の異名。
瑞草
ずいそう [0] 【瑞草】
めでたい草。
瑞象
ずいしょう [0] 【瑞祥・瑞象】
めでたいしるし。吉兆。祥瑞。「―が現れる」
瑞金
ずいきん 【瑞金】
中国,江西省南部にある県。1931年から34年まで中国共産党の本拠地となり,中華ソビエト臨時政府が置かれた。ロイチン。
瑞雨
ずいう [1] 【瑞雨】
穀物の生長を促す喜ばしい雨。慈雨。
瑞雪
ずいせつ [0] 【瑞雪】
めでたいしるしとされる雪。
瑞雲
ずいうん [0] 【瑞雲】
めでたいことの起こるきざしとして現れる雲。祥雲。
瑞風
ずいふう [0] 【瑞風】
能楽で,すぐれた風体のこと。「是はただ,無上の上手の得たる―かと覚えたり/花鏡」
瑞饋祭
ずいきまつり [4] 【芋茎祭・瑞饋祭】
京都の北野神社で,一〇月一日から四日にかけて行われる神事。芋茎で神輿(ミコシ)の屋根を葺(フ)き,柱などを米・麦・豆・野菜・花などで飾ってかつぎ回る。北野瑞饋祭。
瑞香
ずいこう [0] 【瑞香】
ジンチョウゲの漢名。
瑞験
ずいげん [0] 【瑞験】
〔「ずいけん」とも〕
めでたいしるし。瑞応。瑞相。「不思議の―あらたなれば/謡曲・田村」
瑞鳥
ずいちょう [0] 【瑞鳥】
めでたい鳥。鶴・鳳凰(ホウオウ)など。
瑟
しつ [2] 【瑟】
中国,古代の弦楽器の一。箏(ソウ)の大きなもの。柱(ジ)で調弦し,弦をつまんで奏する。二五弦のほか,二三弦や一九弦などがある。
瑟瑟
しつしつ [0] 【瑟瑟】 (ト|タル)[文]形動タリ
(1)風が寂しく吹くさま。「―たる刀禰川あたりの渡船で摺れちがふ処などは/濹東綺譚(荷風)」
(2)波の立つさま。
瑟瑟座
しつしつざ [0] 【瑟瑟座】
不動明王の台座。方形の材を組み合わせた整然とした形で,岩の堅固さを象徴するもの。
瑠璃
るり【瑠璃(色)】
lapis lazuli.
瑠璃
るり [1] 【瑠璃】
〔梵 vaiḍūrya の音訳「吠瑠璃(ベイルリ)」の略〕
(1)光沢のある青い宝石。七宝の一。ラピス-ラズリ。
(2)ガラスの古名。「沈(ジン)の箱に,―の坏(ツキ)二つすゑて/源氏(梅枝)」
(3)「瑠璃色」の略。
(4)「瑠璃鳥(ルリチヨウ)」の略。
瑠璃光如来
るりこうにょらい ルリクワウ― 【瑠璃光如来】
「薬師(ヤクシ)瑠璃光如来」の略。薬師仏の別名。
瑠璃光寺
るりこうじ ルリクワウ― 【瑠璃光寺】
山口市香山町にある曹洞宗の寺。山号,保寧山。1471年に陶(スエ)弘房を弔って建立された安養寺をもととする。五重塔(国宝)が残る。
瑠璃光浄土
るりこうじょうど ルリクワウジヤウド [5] 【瑠璃光浄土】
〔仏〕 薬師如来の仏国土。東方浄瑠璃世界。
瑠璃懸巣
るりかけす [3] 【瑠璃懸巣】
スズメ目カラス科の鳥。全長約35センチメートル。背と腹が栗色,他は濃い瑠璃色で,くちばしが白い。原生林やその周辺にすみ,木のうろに巣を作る。昆虫やシイの実などを食べる。日本特産種で,奄美大島と徳之島にのみ生息。天然記念物。
瑠璃懸巣[図]
瑠璃灯
るりとう [0] 【瑠璃灯】
(1)ガラスの油皿を中に入れた六角形の吊灯籠(ツリドウロウ)。「亭(チン)に雪舟の巻竜銀骨の―をひらかせ/浮世草子・永代蔵 3」
(2)歌舞伎・文楽で用いる照明具。面に直角な板をつけた四角い小板にろうそくを立てたもの。大道具に打ちつけたり,並べて下げたりする。多分に装飾的。
瑠璃瓦
るりがわら [3] 【瑠璃瓦】
釉(ウワグスリ)をかけて光沢を出した瓦。
瑠璃立羽
るりたては [3] 【瑠璃立羽・瑠璃蛺蝶】
タテハチョウ科のチョウ。開張6センチメートル内外。はねの表は藍黒色で,瑠璃色の幅広い帯が目立つ。幼虫の食草はサルトリイバラ・オニユリ・ホトトギスなど。日本各地と東南アジアに分布。
瑠璃紺
るりこん [0] 【瑠璃紺】
紫を帯びた紺色。
瑠璃羽太
るりはた [0] 【瑠璃羽太】
スズキ目の海魚。全長約30センチメートル。体は楕円形で側扁する。体色は濃紫色で,吻(フン)から目を横ぎり,背びれに沿って尾に達する太い黄色の縦帯がある。本州中部以南の沿岸岩礁域に分布。
瑠璃色
るりいろ [0] 【瑠璃色】
(1)紫がかった深い青色。古くは薄青色。
(2)襲(カサネ)の色目の名。表裏とも空色。四季通用。
瑠璃草
るりそう [0] 【瑠璃草】
(1)ムラサキ科の多年草。山中の林下に自生し,観賞用に栽培もされる。全体に毛がある。根葉は広倒披針形。春,高さ約30センチメートルの花茎の頂に二分する総状花序を立て,花冠が五裂した青色の花をまばらにつける。
(2)ホタルカズラの異名。
瑠璃草(1)[図]
瑠璃虎の尾
るりとらのお [5] 【瑠璃虎の尾】
ゴマノハグサ科の多年草。切り花用に栽培される。茎は高さ約80センチメートル,狭卵形の葉を対生。夏,茎頂に数個の長い花穂を立て,青紫色の花を多数つける。
瑠璃蛺蝶
るりたては [3] 【瑠璃立羽・瑠璃蛺蝶】
タテハチョウ科のチョウ。開張6センチメートル内外。はねの表は藍黒色で,瑠璃色の幅広い帯が目立つ。幼虫の食草はサルトリイバラ・オニユリ・ホトトギスなど。日本各地と東南アジアに分布。
瑠璃蜆
るりしじみ [3] 【瑠璃蜆】
シジミチョウ科のチョウ。開張3センチメートル内外。はねの表は青藍色で外縁は黒い。早春から秋まで連続的に発生する。幼虫はマメ科・ミズキ科・バラ科などの植物のつぼみや実を食べる。日本各地とユーラシア北部に広く分布。
瑠璃観音
るりかんのん 【瑠璃観音】
三十三観音の一。手に香炉を持ち,蓮華に乗って水面に浮かぶ。香王観音。
瑠璃鳥
るりちょう [0] 【瑠璃鳥】
オオルリ・コルリ・ルリビタキの俗称。特にオオルリの称。るり。[季]夏。
瑠璃鶲
るりびたき [3] 【瑠璃鶲】
スズメ目ツグミ科の小鳥。全長約14センチメートル。雄は背面が美しい瑠璃色,脇はオレンジ色で腹面は白。鳴き声も美しい。雌の背面は地味な緑褐色。ヒマラヤからアジア東北部に分布。日本では北海道・本州の亜高山帯で繁殖し,冬は低地に移る。
瑣事
さじ [1] 【瑣事・些事】
取るに足らないわずかばかりのこと。小事。「―にとらわれる」「―にこだわる」
瑣事
さじ【瑣事】
a trifle;→英和
a trivial matter.〜にこだわらぬ do not care about trifles.
瑣末
さまつ [0] 【瑣末】 (名・形動)[文]ナリ
さして重要でないこと。取るに足りないこと。また,そのさま。些細(ササイ)。「―なことをうるさく言う」「―事」
[派生] ――さ(名)
瑣末主義
さまつしゅぎ [4] 【瑣末主義】
⇒トリビアリズム
瑣瑣
ささ [1] 【瑣瑣】 (ト|タル)[文]形動タリ
こまかいさま。くだくだしいさま。「―たる問題にも,きわめて丁寧にいらへしつる余が/舞姫(鴎外)」
瑣細
ささい [1] 【些細・瑣細】 (形動)[文]ナリ
とるにたりないさま。わずかなさま。「―な違い」「―なこと」
瑣言
さげん [0] 【瑣言】
取るに足りないちょっとした言葉。
瑣談
さだん [0] 【瑣談】
つまらない話。
瑩ず
よう・ず ヤウ― 【瑩ず】 (動サ変)
瑩貝で絹をみがき,光沢を出す。「きよらなる黒紫の絹を―・ぜること/宇津保(あて宮)」
瑩山
えいざん 【瑩山】
⇒瑩山紹瑾(ケイザンジヨウキン)
瑩山紹瑾
けいざんじょうきん 【瑩山紹瑾】
(1268-1325) 鎌倉時代の僧。越前の人。日本曹洞宗の中興の祖で,太祖と呼ばれる。諡号(シゴウ)は常済大師・仏慈禅師。懐奘(エジヨウ)に学び,その死後,徹通義介(テツツウギカイ)の法を継ぎ,北陸の教化に活躍。総持寺の開山。道元の宗風を改め,民衆布教に力を注ぎ,教団発展の基礎を築いた。著「伝光録」「坐禅用心記」など。
瑩徹
えいてつ [0] 【瑩徹】
明らかで,すきとおっていること。
瑩貝
ようがい ヤウガヒ [0] 【瑩貝】
紙・布などをこすって光沢を出すための貝がら。竹や金属で作ったものもいう。
瑪瑙
めのう【瑪瑙】
《鉱》agate.→英和
瑪瑙
めのう [1][0][2] 【瑪瑙】
玉髄の一種。石英の微細結晶の集合体で,層状または縞状の模様のある鉱物。白・赤・緑・紫など美麗なものは飾り石に,また,硬質なので固体試料を粉砕・混合する乳鉢などに用いる。
瑰麗
かいれい クワイ― [0] 【瑰麗】 (形動)[文]ナリ
優れていてきれいなさま。珍しくて美しいさま。「―な建築」
瑶台
ようだい エウ― [0] 【瑶台】
玉で飾った美しい御殿。玉のうてな。玉楼。
瑶族
ヤオぞく 【瑶族】
〔Yao〕
中国,長江以南からベトナム・ラオス・タイなどの山岳地帯に居住する民族。主に,移動を伴う焼畑耕作に従事。瑶(ヨウ)族。傜(ヨウ)族。
瑶甫恵瓊
ようほえけい エウホヱケイ 【瑶甫恵瓊】
⇒恵瓊(エケイ)
璆鏘
きゅうそう キウサウ [0] 【璆鏘】 (ト|タル)[文]形動タリ
玉や金属が触れあって美しく鳴りひびくさま。詩や歌の美しいひびきの形容にもいう。「琳琅(リンロウ)―として鳴るぢやないか/吾輩は猫である(漱石)」
璞
あらたま [0] 【新玉・粗玉・荒玉・璞】
掘り出したままで磨いていない玉。
璞玉
はくぎょく [0] 【璞玉】
掘り出したままの玉。磨かれてない玉。あらたま。
璧
へき [1] 【璧】
古代中国の玉器の一種。円盤状の軟玉の中央に円孔を穿(ウガ)ったもの。祭祀用具,のちには装飾や古墳副葬品などに用いられた。
璧[図]
璫
こじり [0][3] 【鐺・璫】
〔「木尻」の意〕
(1)刀剣の鞘(サヤ)の末端。また,そこにはめる金物。
(2)〔建〕(「木尻」とも書く)部材の先端の総称。主として,破風板・垂木などの下方の端。
環
たまき [1] 【手纏・環・鐶】
〔手に巻く物の意〕
(1)上代の装身具の一。玉や鈴に紐(ヒモ)を通して,肘(ヒジ)のあたりに巻いた。くしろ。
(2)弓を射るとき肘につける籠手(コテ)。弓籠手(ユゴテ)。[和名抄]
(3)輪の形をし,中に穴のある玉。昔,指などに付けて飾りとした。
環
わ [1] 【輪・環】
(1)円の輪郭。円形。また,それに近い形。「土星の―」「―になって踊る」
(2)細くて長い糸・テープなどの両端を結んだもの。必ずしも円に近くなくてもいう。「ひもを結んで―にする」
(3)桶(オケ)などのたが。
(4)車輪。「足弱き車など―をおしひしがれ/源氏(行幸)」
環
かん クワン [1] 【環】
□一□
(1)円形の玉。
(2)〔数〕 一つの集合において,その元(要素)の間に加法と乗法の二種類の算法が定義され,(1)加法について可換群である,(2)乗法について結合法則が成り立つ,(3)加法・乗法の間に分配法則が成り立つ,という三つの条件が満たされているとき,この集合を環という。
□二□…を囲むの意で,接頭語的に用いる。「―太平洋」
環囲
かんい クワンヰ [1] 【環囲】 (名)スル
(1)まわりをかこうこと。「甚だ大いなる土地を―する/民約論(徳)」
(2)まわり。周囲。
環境
かんきょう【環境】
<be influenced by> one's environment[surroundings].‖環境アセスメント environmental assessment.環境衛生 environmental sanitation.環境汚染 environmental pollution.環境基準 environmental standards.環境庁 the Environment Agency.環境破壊 environmental disruption;ecocide.
環境
かんきょう クワンキヤウ [0] 【環境】
(1)取り囲んでいる周りの世界。人間や生物の周囲にあって,意識や行動の面でそれらと何らかの相互作用を及ぼし合うもの。また,その外界の状態。自然環境の他に社会的,文化的な環境もある。「―が良い」「―に左右される」「家庭―」「―破壊」
(2)周囲の境界。まわり。
環境〜
アセスメント【環境〜】
environmental assessment.
環境アセスメント
かんきょうアセスメント クワンキヤウ― [6] 【環境―】
〔environmental impact assessment〕
開発が環境に与える影響の程度や範囲またその対策について,事前に予測・評価をすること。環境影響評価。EIA 。
環境スワップ
かんきょうスワップ クワンキヤウ― [6] 【環境―】
発展途上国の累積債務の返済負担を軽減する代わりに,保護区の設定など,自然保護政策を確約させること。環境 NGO が金融機関から債権を割引価格で購入し,金融機関は途上国の現地通貨を債務国に提供する,という形をとる。債務・自然保護スワップ。DNS(debt for nature swap)。
環境人種差別
かんきょうじんしゅさべつ クワンキヤウ― [8] 【環境人種差別】
〔environmental racism〕
環境破壊の被害の負担が少数民族などに不釣り合いに多く課せられる状況をいう語。環境レイシズム。
環境倫理
かんきょうりんり クワンキヤウ― [5] 【環境倫理】
〔environmental ethics〕
人間の自然に対する傲慢(ゴウマン)さが環境破壊を招いたとの反省に立ち,生態系に対して人間がどのような義務を負うかを問う倫理の一分野。
環境基本法
かんきょうきほんほう クワンキヤウ―ハフ 【環境基本法】
環境保全についての基本理念,施策の基本事項などについて定める法律。1993年(平成5)制定。公害対策基本法(1967年制定)は本法律の施行により廃止。
環境基準
かんきょうきじゅん クワンキヤウ― [5] 【環境基準】
人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましいとされる,大気・土壌の汚染,水質汚濁,騒音など,環境上の条件についての基準。公害対策基本法に基づく。
環境変異
かんきょうへんい クワンキヤウ― [5] 【環境変異】
生育環境などの違いによって,同一種集団の個体間に生ずる,後天的な量的差異。彷徨変異。
環境容量
かんきょうようりょう クワンキヤウ―リヤウ [5] 【環境容量】
環境が水循環・生物循環によって浄化できる汚染の許容量。循環によって浄化できない放射能や有機塩素化合物について環境容量を設定することは困難である。また,地域の植生によって扶養できる家畜の頭数などをいうこともある。
環境庁
かんきょうちょう クワンキヤウチヤウ [3] 【環境庁】
総理府の外局の一。公害の防止,自然環境の保護・整備など,環境の保全に関する行政を総合的に推進する。1971年(昭和46)設置。長官には国務大臣が当てられる。
環境影響評価
かんきょうえいきょうひょうか クワンキヤウエイキヤウヒヤウカ [9] 【環境影響評価】
⇒環境アセスメント
環境心理学
かんきょうしんりがく クワンキヤウ― [7] 【環境心理学】
人間の意識や行動が周囲の建築物や都市空間から受ける影響を分析する学問。
環境改変技術軍事利用禁止条約
かんきょうかいへんぎじゅつぐんじりようきんしじょうやく クワンキヤウ―デウヤク 【環境改変技術軍事利用禁止条約】
正称,環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約。津波,地震,台風の進路変更,ダム破壊等を人工的に引き起こして軍事的に利用することを禁止する。1978年発効。
環境教育
かんきょうきょういく クワンキヤウケウ― [5] 【環境教育】
人間も地球に生きる多様な生物の一種であるという認識に立ち,環境について自然や地理・歴史などの総合的な学習を行うこと。
環境映像
かんきょうえいぞう クワンキヤウ―ザウ [5] 【環境映像】
特定のメッセージの伝達を目的とせず,その場の雰囲気を和らげる自然環境などのビデオ映像。
環境権
かんきょうけん クワンキヤウ― [3] 【環境権】
よい環境を享受する権利。公害防止・環境保全の立場から主張され,健康や福祉を侵す要因にわざわいされず,安全で快適な生活環境を確保しようとするもの。
環境法
かんきょうほう クワンキヤウハフ [3][0] 【環境法】
公害問題・環境保全に関する法の総称。日本では自然環境保全法・環境基本法などがある。
環境白書
かんきょうはくしょ クワンキヤウ― 【環境白書】
政府が毎年国会に提出する,公害の状況および政府が公害の防止に関して講じた施策についての報告書。環境庁の編集で,関係省庁が分担執筆する。
環境的公正
かんきょうてきこうせい クワンキヤウ― [0] 【環境的公正】
〔environmental justice〕
環境資源の便益と環境破壊の被害の負担の公平な配分を求める理念。
環境監査
かんきょうかんさ クワンキヤウ― [5] 【環境監査】
企業活動による環境への影響を定期的に査定・評価すること。
環境税
かんきょうぜい クワンキヤウ― [3] 【環境税】
環境に悪影響を及ぼす物質の排出源などに税負担を求め,その物質の排出・消費を抑制する税制度。化石燃料の消費を減らすための炭素税や,窒素酸化物の排出に対する課徴金が代表的な例。
環境管理
かんきょうかんり クワンキヤウクワン― [5] 【環境管理】
企業活動による環境への負荷を削減するため,企業が自主的にとる環境保全対策。方針・目標・行動計画の公表と実施,監査の受け入れなど。
環境芸術
かんきょうげいじゅつ クワンキヤウ― [5] 【環境芸術】
環境全体との関係で芸術作品や表現行為を捉えようとする芸術。観客も考慮に入れたパフォーマンスや,建築物や風景なども作品の一部とする表現など。1960年代以降に興った。
環境衛生
かんきょうえいせい クワンキヤウヱイ― [5] 【環境衛生】
人が健康な生活をおくるために,周囲の環境の保全または改善をはかること。または,そのための社会的努力。
環境要因
かんきょうよういん クワンキヤウエウ― [5] 【環境要因】
生物の個体または群を取り囲み,その生死,生育状態などに影響を与える自然要因。気候・土壌などの無機的な要因と,同所に生育する同種および他種の生物群の作用などの有機的な要因とがある。環境因子。
環境計量士
かんきょうけいりょうし クワンキヤウケイリヤウシ [7] 【環境計量士】
計量士のうち,濃度および騒音・振動レベルにかかわる職務を行う者。
環境音楽
かんきょうおんがく クワンキヤウ― [5] 【環境音楽】
演奏会のように特別に意識的な聴取体験とは異なり,日常的な環境の一部として自然な聴取体験を促す音や音楽。
環太平洋
かんたいへいよう【環太平洋】
the Pacific Rim.
環太平洋
かんたいへいよう クワンタイヘイヤウ [1][3] 【環太平洋】
太平洋をとりまく意。
環太平洋火山帯
かんたいへいようかざんたい クワンタイヘイヤウクワザン― 【環太平洋火山帯】
太平洋を取り巻いて分布する火山帯。南北アメリカ大陸の太平洋岸に沿って北上し,アラスカ・日本列島・フィリピン諸島を経てニュージーランドに達する。新生代第三紀以後噴出した火山から成る。地殻の不安定な地帯で,地震帯ともほぼ一致する。
環太平洋造山帯
かんたいへいようぞうざんたい クワンタイヘイヤウザウザン― 【環太平洋造山帯】
太平洋を取り巻く,中生代以後に発達した造山帯。アンデス・ロッキー両山脈,アリューシャン・日本・フィリピン・ニューギニア・ニュージーランドなどの諸島から成る。
環孔材
かんこうざい クワン― [3] 【環孔材】
広葉樹で,大きな導管が年輪に沿って並ぶもの。ケヤキ・クリなど。
→散孔材(サンコウザイ)
環帯
かんたい クワン― [0] 【環帯】
(1)シダ植物の胞子嚢(ノウ)の外側にある厚い細胞壁を有する一列の細胞。成熟した胞子をはじき出すはたらきをする。
(2)ミミズやヒル類で,体の前方の生殖孔付近にある,他の部分とは色が異なり,膨れあがった帯状の部分。分泌腺をなす。
環座
かんざ クワン― [0][1] 【環座】 (名)スル
(1)まるく並んですわること。くるまざ。「水夫の―せる中央に立ちて/即興詩人(鴎外)」
(2)〔数〕 二つ以上の点が同一円周上にあること。
環式化合物
かんしきかごうぶつ クワンシキクワガフブツ [6] 【環式化合物】
原子が環状に結合した構造を分子内にもつ化合物の総称。有機化合物に多くみられる。シクロヘキサンやベンゼンなど。環状化合物。環式体。
環形動物
かんけいどうぶつ クワンケイ― [5] 【環形動物】
動物分類上の一門。体形は一般に細長い円筒形で,前後に連なるほぼ同じ構造をもった多数の体節からできている。多くは海産で,淡水産・陸産のものもある。ゴカイ・ミミズ・ヒルなどを含む。環虫類。環節動物。
環日本海
かんにほんかい クワン― [1][2] 【環日本海】
日本海をとりまく意。
環日本海圏
かんにほんかいけん クワン― [6] 【環日本海圏】
日本・ロシア連邦の沿海州・朝鮮半島・中国東北部をいう。
環日本海文化
かんにほんかいぶんか クワン―クワ 【環日本海文化】
日本海沿岸の文化。原始・古代にアジア大陸との交流により文物・技術がもたらされ,北陸・山陰地方に独特の文化圏があったとされる。
環村
かんそん クワン― [0] 【環村】
⇒円村(エンソン)
環流
かんりゅう クワンリウ [0] 【環流】 (名)スル
(1)流れめぐること。「一種の苦液全身を―するが如き/欺かざるの記(独歩)」
(2)大気・海水の,地球全体にわたる大規模な流れ。
環海
かんかい クワン― [0] 【環海】
四方をとり囲んでいる海。
環濠集落
かんごうしゅうらく クワンガウシフラク [5] 【環濠集落】
周囲に濠(ホリ)をめぐらした集落。排水,防衛,集落の限界の機能をもつとみられる。弥生時代の遺跡もある。環溝集落。
環状
かんじょう クワンジヤウ [0] 【環状】
輪のような形。
環状の
かんじょう【環状の】
loop;→英和
circular.→英和
‖環状線(鉄道) a loop[belt]line.環状道路 a loop[circular]road.
環状列石
かんじょうれっせき クワンジヤウ― [5] 【環状列石】
新石器時代の遺構。立石などを直径数十メートルの円環状に並べたもの。日本では東北・北海道にみられる。ストーン-サークル。
環状列石[図]
環状剥皮
かんじょうはくひ クワンジヤウ― [5] 【環状剥皮】
木の幹または太い枝に細く浅い切り込みを入れて樹皮を環状に取り除く方法。剥皮部の上方で不定根が発生しやすくなるため,取り木などの際用いる。環状除皮。
環状土籬
かんじょうどり クワンジヤウ― [5] 【環状土籬】
縄文時代後期の北海道に特有の墓地。円形竪穴の周りに堤を設け,多くの墓穴をつくった集団墓。千歳市キウス遺跡が代表例。周堤墓。
環状星雲
かんじょうせいうん クワンジヤウ― [5] 【環状星雲】
琴座のベータ星とガンマ星の間にある星雲。中心星の発する高温の光によってそのまわりのガス体が環状に輝いて見える。リング星雲。
環状盛土遺構
かんじょうもりどいこう クワンジヤウ―ヰコウ [8] 【環状盛土遺構】
盛土をドーナツ状の堤に造った縄文時代の遺構。最初に発見された栃木県小山市寺野東遺跡のものは直径165メートル,高さ5メートル,祭祀儀礼の場と考えられている。
環状石斧
かんじょうせきふ クワンジヤウ― [5] 【環状石斧】
弥生時代の石器で,中央に孔があり円盤状で周縁に刃のある石斧。刃のないものを環石という。棍棒(コンボウ)の頭として武器に使われたとされる。
環状筋
かんじょうきん クワンジヤウ― [0] 【環状筋】
脊椎動物の腸管壁や環形動物の体壁などにある筋肉層のうち,筋繊維が内腔を環状にとりかこむもの。縦走筋と内外二層をなし,互いに拮抗(キツコウ)的にはたらいて管の運動を起こす。輪走筋。
環状線
かんじょうせん クワンジヤウ― [0] 【環状線】
環状になっている道路,またはバス・鉄道などの路線。
環状集落
かんじょうしゅうらく クワンジヤウシフ― [5] 【環状集落】
中央に広場と集団墓地を設け,その周りに竪穴住居を環状・同心円形に配置した,縄文時代集落の典型的な形。前期〜後期の集団の拠点的な集落。
環石
かんせき クワン― [0] 【環石】
⇒環状石斧(カンジヨウセキフ)
環礁
かんしょう【環礁】
an atoll.→英和
ビキニ環礁 the Bikini atolls.
環礁
かんしょう クワンセウ [0] 【環礁】
環状の珊瑚礁(サンゴシヨウ)。内側は礁湖となって浅く,外側は外洋で深い。ほとんどが太平洋・インド洋の熱帯海域に分布。「ビキニ―」
環節
かんせつ クワン― [0] 【環節】
⇒体節(タイセツ)
環節動物
かんせつどうぶつ クワン― [5] 【環節動物】
⇒環形動物(カンケイドウブツ)
環虫類
かんちゅうるい クワンチユウ― [3] 【環虫類】
⇒環形動物(カンケイドウブツ)
環視
かんし クワン― [1][0] 【環視】 (名)スル
多くの者が取り囲んで見ること。「衆人―の中で捕縛される」
環貝
たまきがい [3] 【環貝】
海産の二枚貝。貝殻はほぼ円形で殻高5センチメートル内外。厚く硬い。殻表は平滑で白地に褐色の雁木模様がある。かみ合わせの部分に「く」の字形の歯が並ぶ。房総半島以南の浅海の砂底にすむ。
環鈴
かんれい クワン― [0] 【環鈴】
古墳の副葬品として出土する青銅製品。三,四個の鈴を環でつないだもの。馬の胸繋(ムナガイ)などに垂らした馬鈴と考えられる。
環頭大刀
かんとうのたち クワントウ― [0][5] 【環頭大刀・環頭太刀】
柄頭(ツカガシラ)が環状になっている大刀。中国におこり,日本では主に古墳時代に用いられた。高麗剣(コマツルギ)。かんとうだち。
環頭大刀[図]
環頭太刀
かんとうのたち クワントウ― [0][5] 【環頭大刀・環頭太刀】
柄頭(ツカガシラ)が環状になっている大刀。中国におこり,日本では主に古墳時代に用いられた。高麗剣(コマツルギ)。かんとうだち。
環頭大刀[図]
環餅
まがりもちい 【糫餅・環餅】
米麦の粉を練り,細長く伸ばしてさまざまな形にして油で揚げた菓子。まがり。[新撰字鏡]
璽の御筥
しるしのみはこ 【璽の御筥】
三種の神器の一つである八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)を入れておく箱。転じて,八尺瓊勾玉。「―をば棄てられて/太平記 30」
璽書
じしょ [1] 【璽書】
天子の印の押してある文書。
璽符
じふ [1] 【璽符】
天子の印章。
瓊
ぬ 【瓊】
玉。「天の―矛/古事記(上)」
瓊
に 【瓊】
たま。赤色の玉。「八坂(ヤサカ)―の五百箇の御統(ミスマル)/日本書紀(神代上訓)」
瓊台
けいだい [0] 【瓊台】
玉のうてな。立派な宮殿。
瓊姿
けいし [1] 【瓊姿】
玉のように美しい姿。
瓊枝
けいし [1] 【瓊枝】
玉の実がなるという珍しい木。
瓊枝玉葉
けいしぎょくよう [1] 【瓊枝玉葉】
皇族の子孫。
瓊瓊杵命
ににぎのみこと 【瓊瓊杵命・邇邇芸命】
記紀神話の神。天照大神(アマテラスオオミカミ)の孫。天忍穂耳尊(アメノオシホミミノミコト)の子。天照大神の命により父神に代わって瑞穂(ミズホ)国の統治者として日向(ヒムカ)国高千穂峰に降臨。木花開耶姫(コノハナノサクヤビメ)を妻とし,彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)を生む。皇室の祖神。天津彦彦火(アマツヒコヒコホノ)瓊瓊杵尊。
瓊矛
ぬほこ 【瓊矛】
〔「ぬ」は玉の意〕
玉で美しく飾った矛。「天の―を以て,指し下して探(カキサグ)る/日本書紀(神代上訓)」
瓊筵
けいえん [0] 【瓊筵】
〔玉で飾った敷物の意〕
天子の宴席。また,宴席の美称。「然れば花鳥遊楽の―/謡曲・松虫」
瓊脂
ところてん [0] 【心太・瓊脂】
テングサなど,寒天質を含む海草を煮て溶かし,箱に流して冷やし固めた食品。ところてん突きで麺(メン)状に突き出し,醤油や酢・からしなどをかけて食べる。[季]夏。《―煙のごとく沈みをり/日野草城》
瓊音
ぬなと 【瓊音】
〔「ぬ」は玉,「な」は助詞「の」の意〕
玉が触れ合って出す音。玉の音。「―ももゆらに,天の真名井(マナイ)に振り滌(スス)ぎて/古事記(上)」
瓔珞
ようらく ヤウ― [1][0] 【瓔珞】
(1)珠玉や貴金属に糸を通して作った装身具。もとインドで上流の人々が使用したもの。仏教で仏像の身を飾ったり,寺院内で,内陣の装飾として用いる。
(2)洋風建築の軒先につける飾りの板。
瓜
うり【瓜】
a melon.→英和
瓜二つ be as like as two peas.
瓜
うり [1] 【瓜】
(1)ウリ科の植物の総称。野生の種類のほか,多くの栽培種がある。キュウリ・スイカ・カボチャ・ヒョウタン・カラスウリなど。[季]夏。
(2)特に,マクワウリ・シロウリなど食用になるウリ。
瓜の木
うりのき [1] 【瓜の木】
ウリノキ科の落葉低木。山林中に生える。葉は大きく,浅く三〜五裂する。花は晩春,葉腋(ヨウエキ)から出た短い柄上に数個下垂し,白色六弁で,花弁は広線形。開花時にはそりかえる。
瓜二つ
うりふたつ [1] 【瓜二つ】 (形動)
二つに割った瓜のように,形がよく似ているさま。「顔が母親と―だ」
瓜切り
うりぎり 【瓜切り】
ウリを切るように真っ二つに切ること。「或いは胴中を―に斬つて/太平記 33」
瓜呂根
かろこん クワロ― [2] 【瓜呂根】
キカラスウリなどの皮層を除いた塊根。解熱・咳止め・解毒に用いるほか,このデンプンを精製して天花粉とする。括楼根(カロウコン)。
瓜坊
うりぼう [2] 【瓜坊】
〔背のたて線がマクワウリを連想させるところから〕
イノシシの子。うりんぼう。まくわじし。
瓜子姫
うりこひめ 【瓜子姫】
昔話の一。異常誕生譚。川を流れてきた瓜の中から生まれた瓜子姫を主人公とする話。姫が美しく成長して機を織っているところに天邪鬼(アマノジヤク)が来るが,結局は姫を育てた老夫婦に退治されてしまうという話が多い。
瓜実
うりざね [0] 【瓜核・瓜実】
(1)瓜の種。
(2)「瓜実顔」の略。
瓜実条虫
うりざねじょうちゅう [5] 【瓜実条虫】
条虫綱の扁形動物。俗にいうサナダムシの一種。全長40センチメートル以上になる。体は多くの体節からなる。体節は長さ1センチメートルほどで,瓜の実に似る。人間や犬猫に寄生する。
瓜実蠅
うりみばえ [3] 【瓜実蠅】
ミバエ科のハエ。体長約8ミリメートル。黄赤褐色。ウリ類などの生の果実を食害する害虫。東南アジアやハワイなどに分布,日本では南西諸島に生息。
瓜実顔
うりざねがお [0][4] 【瓜実顔】
(瓜の種の形に似て)色白で鼻筋が通り,やや面長な顔。美人の一つの型とされる。うりざね。
瓜実顔
うりざねがお【瓜実顔】
an oval face.
瓜揉み
うりもみ [3][4] 【瓜揉み】
キュウリ・シロウリなどを薄く刻んで塩でもみ,三杯酢であえた料理。揉み瓜。[季]夏。
瓜核
うりざね [0] 【瓜核・瓜実】
(1)瓜の種。
(2)「瓜実顔」の略。
瓜生
うりゅう ウリフ 【瓜生】
瓜の生えている所。瓜畑。「柴囲ふ園の―の一列になるとしならばまくりあへかし/長方集」
瓜生
うりう 【瓜生】
⇒うりゅう(瓜生)
瓜生
うりゅう ウリフ 【瓜生】
姓氏の一。
瓜生保
うりゅうたもつ ウリフ― 【瓜生保】
(?-1337) 南北朝時代の武将。越前杣山(ソマヤマ)城主。足利尊氏方にあったが,三人の弟が新田義貞の甥(オイ)脇屋義治を奉じて挙兵するや,転じて南朝方として斯波高経・高師泰(コウノモロヤス)らと戦った。金崎城救援の途次敗死。
瓜生外吉
うりゅうそときち ウリフ― 【瓜生外吉】
(1857-1937) 海軍大将。加賀大聖寺藩士の子。佐世保・横須賀各鎮守府司令長官。日露戦争では仁川沖海戦で活躍。
瓜生山
うりゅうやま ウリフ― 【瓜生山】
京都市左京区北白川の北東にある山。海抜301メートル。((歌枕))「霧も立ち紅葉もちれる―越えまどひぬる今日にもあるかな/恵慶集」
瓜生岩
うりゅういわ ウリフイハ 【瓜生岩】
(1829-1897) 女性社会事業家。陸奥国耶麻郡の人。旧会津藩の藩校日新館を再興,また,窮民救済事業として福島救育所・福島育児院や済世病院を創設した。
瓜生野
うりゅうの ウリフノ 【瓜生野】
大阪市東住吉区瓜破(ウリワリ)一帯の古地名。1347年,楠木正行が山名時氏を破った地。
瓜田
かでん クワ― [0] 【瓜田】
ウリ畑。
瓜盗人
うりぬすびと 【瓜盗人】
狂言の一。瓜盗人が畑主がなりすましている案山子を相手にそれとは知らず祭りの稽古を始め,打ち追われる。
瓜科
うりか [0] 【瓜科】
双子葉植物,合弁花類に属する一科。特につる性草本のものが多い。巻きひげがある。花は単性で子房下位,花冠は合弁。胚珠(ハイシユ)は多数,果実は漿果(シヨウカ)様。世界に約一〇〇属,八五〇種ある。
瓜羽虫
うりはむし [3] 【瓜羽虫・瓜金花虫】
甲虫目ハムシ科の昆虫。体長約7ミリメートル。頭部とはねは黄褐色,腹部と脚は黒色の甲虫。瓜類の害虫で,幼虫は根を成虫は葉を食いあらす。本州以南・朝鮮・中国・インドに分布。ウリバエ。
瓜膚楓
うりはだかえで [5] 【瓜膚楓】
カエデ科の落葉高木。山地に自生し,高さ10メートルになる。樹皮はマクワウリの皮に似る。花は五月頃葉といっしょに出て下垂し,淡黄色。葉は秋紅葉する。材は楊枝・籠(カゴ)・箸(ハシ)などに用いる。
瓜草
うりくさ [2] 【瓜草】
ゴマノハグサ科の一年草。家の周りや田地などに生える。茎は地をはい,分枝する。葉は対生し,広卵形。葉腋に紫色の小唇形花をつける。
瓜蠅
うりばえ [2] 【瓜蠅】
ウリハムシの別名。
瓜金花虫
うりはむし [3] 【瓜羽虫・瓜金花虫】
甲虫目ハムシ科の昆虫。体長約7ミリメートル。頭部とはねは黄褐色,腹部と脚は黒色の甲虫。瓜類の害虫で,幼虫は根を成虫は葉を食いあらす。本州以南・朝鮮・中国・インドに分布。ウリバエ。
瓠
ひさご [0] 【瓠・匏・瓢】
〔古くは「ひさこ」〕
(1)ヒョウタン・ユウガオ・トウガンなどの果実の総称。ふくべ。[季]秋。
(2)ヒョウタンの果実の内部の柔らかい果肉を取り去って乾燥させたもの。酒や水の容器とした。ふくべ。
(3)(「柄杓」「杓」と書く)瓠を縦半分に割って水を汲むのに用いた用具。ひしゃく。
(4)家紋の一。ひょうたんの実や花をかたどったもの。丸に一つ瓠,抱き瓠など。
瓠
ふくべ [0] 【瓠・瓢】
(1)ヒョウタン{(1)}に同じ。特に,その実をいう。ひさご。[季]秋。
(2)ユウガオの変種。果肉から干瓢(カンピヨウ)を製する。また,熟果の外果皮で炭入れ・盆・花器などを作る。ひさご。
瓠形
ひさごがた [0] 【瓠形】
瓠のような形。
瓠花
ひさごばな [3] 【瓠花】
(1)瓠{(1)}の花。
(2)瓠の花をかたどった造花で,左右に分かれて試合をする相撲の右の組の印としたもの。「皆相撲の装束し,―挿頭などいと珍らかなることどもしつつ/宇津保(初秋)」
(3)上代の少年の髪の結い方か。「是の時,厩戸皇子,―にして/日本書紀(崇峻訓)」
(4)波頭の白くくだけるさまのたとえ。「沖に―といへるもののたちけるを見て/散木奇歌集」
瓢
ふくべ [0] 【瓠・瓢】
(1)ヒョウタン{(1)}に同じ。特に,その実をいう。ひさご。[季]秋。
(2)ユウガオの変種。果肉から干瓢(カンピヨウ)を製する。また,熟果の外果皮で炭入れ・盆・花器などを作る。ひさご。
瓢
ひさご [0] 【瓠・匏・瓢】
〔古くは「ひさこ」〕
(1)ヒョウタン・ユウガオ・トウガンなどの果実の総称。ふくべ。[季]秋。
(2)ヒョウタンの果実の内部の柔らかい果肉を取り去って乾燥させたもの。酒や水の容器とした。ふくべ。
(3)(「柄杓」「杓」と書く)瓠を縦半分に割って水を汲むのに用いた用具。ひしゃく。
(4)家紋の一。ひょうたんの実や花をかたどったもの。丸に一つ瓠,抱き瓠など。
瓢の実
ひょんのみ [1] 【瓢の実】
イスノキの葉にできた壺形の虫こぶ。その中の虫が飛び出して中空になったものを,子供たちが笛のように吹き鳴らす。いすの実。[季]秋。
瓢の木
ひょんのき [1] 【瓢の木】
イスノキの別称。
→ひょんのみ
瓢の笛
ひょんのふえ [1] 【瓢の笛】
「ひょんのみ(瓢の実)」を笛として吹き鳴らすもの。[季]秋。
瓢湖
ひょうこ ヘウ― 【瓢湖】
新潟県北蒲原郡水原町にある人造湖。冬,シベリアからハクチョウが飛来することで知られる。
瓢炭斗
ふくべすみとり [4] 【瓢炭斗】
茶の湯で用いる炭斗の一種。一一月の口切りの茶事の頃採った瓢箪(ヒヨウタン)で年ごとに作り,炉の時期を通して用いる。
瓢瓠
ひょうこ ヘウ― [1] 【瓢瓠】
ひょうたん。ふくべ。
瓢箪
ひょうたん【瓢箪】
a gourd.→英和
〜なまずだ be as slippery as an eel.→英和
瓢箪
ひょうたん ヘウ― [3] 【瓢箪】
(1)ウリ科の一年草。ユウガオの変種。茎は長く伸び,巻きひげで他物にからまる。葉は心臓形。花は白色。果実は中間部がくびれ,熟すと果皮が硬くなる。観賞用・日除け用に植える。実を容器にする。ひさご。ふくべ。[季]秋。
(2){(1)}のよく熟した果実の中身をくりぬき,十分に乾燥させたもの。酒・水や七味唐辛子の容器とする。ふくべ。ひさご。
瓢箪形
ひょうたんがた ヘウ― [0] 【瓢箪形】
瓢箪の実に似た中央部がくびれた楕円形。
瓢箪木
ひょうたんぼく ヘウ― [3] 【瓢箪木】
スイカズラ科の落葉低木。山地に自生。庭木とする。高さは約1.5メートル。葉は楕円形。初夏,筒状で先が五裂する花を二個ずつつける。果実は二個並んで瓢箪に似,赤く熟す。有毒。花色が白から黄に変わるので金銀木ともいう。
瓢箪鯰
ひょうたんなまず ヘウ―ナマヅ [5] 【瓢箪鯰】
(1)〔「瓢箪で鯰(ナマズ)を押さえる」から〕
とらえどころのないさま。また,そのような人。
(2)歌舞伎舞踊の一。長唄。本名題「拙筆力七以呂波(ニジリガキナナツイロハ)」の七変化の一。二世瀬川如皐作詞。1828年江戸中村座初演。大津絵の瓢箪鯰を舞踊化した陽気でひょうきんな踊り。
瓢虫
てんとうむし テンタウ― [3] 【天道虫・瓢虫・紅娘】
(1)甲虫目テントウムシ科に属する昆虫の総称。小形の甲虫で,体長7ミリメートル前後で半球形。黄または赤の地に黒色斑紋を有するものが多い。カイガラムシ・アブラムシなどの害虫やカビを食って益虫とされるもの,農作物を食害して害虫とされるものがある。日本には約一五〇種が産する。てんとむし。[季]夏。《羽出すと思へば飛びぬ―/虚子》
(2)ナミテントウの別称。
瓢鮎図
ひょうねんず ヘウネンヅ 【瓢鮎図】
水墨画。如拙筆。画は瓢箪(ヒヨウタン)で鮎(ナマズ)を押さえるという禅の公案を題材にしたもので,図上に大岳周崇ほか三〇人の禅僧の賛と応永22年(1415)の年紀がある。国宝。京都退蔵院蔵。
瓦
かわら【瓦】
a tile.→英和
〜ぶきの tiled <roof> .‖瓦家 a tile-roofed house.瓦屋 a tile-maker (焼く人);a tiler (ふく人).
瓦
かわら カハラ [0] 【瓦】
〔梵 kapāla から生じた語という〕
(1)粘土を一定の形に焼き固めたもの。多く屋根を葺(フ)く材料とし,また地面にも敷く。中国から寺院建築に伴って伝来した。現在ではセメント・ガラス・金属などを原料としたものもあり,和型と洋型がある。鬼瓦・丸瓦・平瓦・軒(ノキ)瓦・鐙(アブミ)瓦など。
(2)(玉に対して)価値のないもの。がらくた。
⇔玉
瓦の松
かわらのまつ カハラ― 【瓦の松】
〔白居易の新楽府「驪宮高」の「牆有�衣兮瓦有�松」から〕
家の荒れたさま。荒れた家の棟に草や木の生えるさま。「我が宿の―の木高さに/散木奇歌集」
瓦の窓
かわらのまど カハラ― 【瓦の窓】
(1)瓦焼きのもので作った窓。
(2)貧者・隠者の住居。また,そこに住む者。「―柴の庵の言の葉をも/千載(序)」
瓦人形
かわらにんぎょう カハラ―ギヤウ [4] 【瓦人形】
土焼きの人形。伏見人形・今戸人形・堤人形・古賀人形など。
瓦全
がぜん グワ― [0] 【瓦全】
〔北斉書(元景安伝)「大丈夫寧可�玉碎�,不�能�瓦全�」〕
かわらとなって安全に残る意。何もしないで生きながらえていること。甎全(センゼン)。
⇔玉砕(ギヨクサイ)
瓦器
がき グワ― [1] 【瓦器】
(1)素焼きの土器。主に古代の土製品にいう。かわらけ。
(2)平安から室町にかけて近畿地方で用いられた軟質の土器。表面がいぶされて灰黒色を呈する。主に食器など日常容器に用いられた。
瓦塀
かわらべい カハラ― [3] 【瓦塀】
竪(タテ)瓦を張った塀。目地(メジ)に海鼠漆喰(ナマコシツクイ)を施す。
瓦塔
がとう グワタフ [0] 【瓦塔】
瓦質または須恵器の塔。木造の塔の形を模して各層ごとに焼いてから組み立てたもの。奈良時代または平安前期頃に作られた。礼拝の対象あるいは墳墓の標識などとする説がある。
瓦子
がし グワ― [1] 【瓦市・瓦子】
中国宋代の,劇場・飲食店・妓楼(ギロウ)などが集中していた歓楽街。
瓦屋
かわらや カハラ― [3] 【瓦屋】
(1)瓦葺(ブ)きの家。
(2) [0]
瓦師。また,瓦を売る人。
(3)瓦を焼く窯。また,それのある所。瓦窯。
瓦屋
がおく グワヲク [0] 【瓦屋】
かわらぶきの家。
瓦屋根
かわらやね カハラ― [4] 【瓦屋根】
瓦葺(ブ)きの屋根。
瓦市
がし グワ― [1] 【瓦市・瓦子】
中国宋代の,劇場・飲食店・妓楼(ギロウ)などが集中していた歓楽街。
瓦師
かわらし カハラ― [3] 【瓦師】
(1)瓦を焼く職人。かわらや。
(2)瓦で屋根を葺(フ)く職人。
瓦座
かわらざ カハラ― [0] 【瓦座】
軒の敷平瓦(シキヒラカワラ)がすべらないようにするため裏甲の上に取り付ける細長い木の桟。
瓦当
がとう グワタウ [0] 【瓦当】
軒丸瓦の先端の半円または円形の部分。半円形から円形へと発展した。文様が施される。
瓦板塀
かわらいたべい カハラ― [5] 【瓦板塀】
塀の腰の部分を瓦で張り,上部を板張りにしたもの。
瓦桟
かわらざん カハラ― [3] 【瓦桟】
引っ掛け桟瓦を引っ掛けるために,軒先に平行に野地(ノジ)に打ち付けた木の桟。
瓦棒
かわらぼう カハラバウ [3] 【瓦棒】
金属板葺(ブ)きの屋根で,屋根の傾斜に沿って一定間隔に並べて取り付けた細長い角材。接合部の雨仕舞いのために用いる。
瓦灯
かとう クワ― [0] 【火灯・瓦灯】
〔「がとう」とも〕
(1)中に灯火をともすための陶製の用具。方形で上が狭く,下が広い。
(2)「火灯口」「火灯窓」「火灯額(カトウビタイ)」の略。
瓦焼
かわらやき カハラ― [0] 【瓦焼(き)】
瓦を焼くこと。また,その職人。
瓦焼き
かわらやき カハラ― [0] 【瓦焼(き)】
瓦を焼くこと。また,その職人。
瓦煎餅
かわらせんべい カハラ― [4] 【瓦煎餅】
小麦粉・卵・砂糖を材料として焼いた,屋根瓦形の煎餅。
瓦版
かわらばん カハラ― [0] 【瓦版】
江戸時代,事件などの速報記事を一枚刷りにしたもの。市中を売り歩いた。粘土に文字・絵をほりつけ,瓦形に焼いたものを版にしたというのが語源らしいが,現存するものは木版。
→読み売り
瓦猿
かわらざる カハラ― [4] 【瓦猿】
土焼きの猿の像。俗に「変わらざる」の意味にとって,平穏無事を祝うものとされた。
瓦石
がせき グワ― [0] 【瓦石】
(1)かわらと石。価値のないもののたとえ。がしゃく。
(2)煉瓦(レンガ)。
瓦硯
かわらすずり カハラ― [4] 【瓦硯】
陶製の硯。がけん。
瓦硯
がけん グワ― [0] 【瓦硯】
陶製の硯(スズリ)。石の硯が使われる以前に使用された。
瓦礫
がれき グワ― [0] 【瓦礫】
〔「がりゃく」とも〕
(1)瓦(カワラ)と小石。特に,建物の崩れた残骸をいう。「―の山」「一夜にして―と化した街」
(2)値打ちのないもの。「風流才子復た―の訳書を待たず/花柳春話(純一郎)」
瓦窯
かわらがま カハラ― [3] 【瓦窯】
瓦を焼くための窯。古代では,多く丘陵の斜面を利用した登り窯であった。すえがま。
瓦経
かわらぎょう カハラギヤウ [0] 【瓦経】
仏教経典の文章を瓦に刻んで焼き,土中に埋めたもの。経典を永遠に伝えようとする考えから起こった。平安末期に流行。兵庫県極楽寺などが有名。経瓦。
瓦茸
かわらたけ カハラ― [3] 【瓦茸】
担子菌類ヒダナシタケ目のきのこ。広葉樹の枯れた材に屋根瓦のように多数重なりあって生ずる。傘は半円形で径2〜7センチメートル,表面に同心円的な縞模様がある。裏面には多数の管孔(クダアナ)があり,その内面に担子胞子を生ずる。雲茸。
瓦葺き
かわらぶき カハラ― [0] 【瓦葺き】
(1)瓦で屋根を葺くこと。また,その屋根。
(2)寺をいう斎宮の忌み詞。
瓦解
がかい【瓦解】
collapse;→英和
a (down)fall <of a Cabinet> .→英和
〜する fall;collapse.
瓦解
がかい グワ― [0] 【瓦解】 (名)スル
組織や秩序あるものがばらばらに崩れてだめになってしまうこと。「幕藩体制が―する」「一国―せんとする/天賦人権論(辰猪)」
瓦釘
かわらくぎ カハラ― [3] 【瓦釘】
瓦がすべり落ちないように,瓦尻に打つ釘。
瓦餅
かわらもち カハラ― [3] 【瓦餅】
〔形が平たく瓦のようなのでいう〕
伸餅(ノシモチ)。
瓮
もたい モタヒ 【瓮・甕】
酒などを入れるかめ。「酒を好む猩々(シヨウジヨウ)は―のほとりに繋がれ/義経記 2」
瓮
へ 【瓮】
飲食物の容器。瓶(カメ)。もたい。「いわいべ(斎瓮)」「つるべ(釣瓶)」などの複合語を作る。「十石いるばかりの―,二十ばかり据ゑて/宇津保(吹上・上)」
瓶
へい [1] 【瓶】
壺のうち,口が小さく,普通,細い首のあるもの。
瓶
びん [1] 【瓶・壜】
〔「びん」は瓶の唐音〕
液体などを入れる容器。
瓶
かめ [2] 【瓶・甕】
(1)口が大きく,胴が丸く深い土器・陶器。また,壺の大形のものもいう。容器,食物の保存・加工用など様々に用いられる。
(2)「瓶子(ヘイジ)」に同じ。「烏のついゐたるかたを―に作らせ給ひて/大鏡(道隆)」
瓶
かめ【瓶】
a pot;→英和
a jar (広口の);→英和
a jug (取手付き).→英和
瓶
びん【瓶】
a bottle;→英和
a jar;→英和
a phial (薬の).→英和
瓶中
へいちゅう [0] 【瓶中】
かめの中。花瓶(カビン)の中。瓶裏。
瓶原
みかのはら 【瓶原】
京都府加茂町の北部の地名。元明天皇の離宮があった所。のち聖武天皇の恭仁京(クニノミヤコ)が置かれた。((歌枕))「宮こいでてけふ―泉川/古今(羇旅)」
瓶子
へいし [1] 【瓶子】
「へいじ(瓶子)」に同じ。
瓶子
へいじ [1] 【瓶子】
(1)酒を入れて,つぐのに用いる器。口の細い胴のふくらんだ細長い瓶。徳利(トクリ)。へいし。「白銀(シロガネ)の様器,瑠璃の御盃,―は紺瑠璃なり/源氏(宿木)」
(2)家紋の一。{(1)}を図案化したもの。
瓶子(1)[図]
瓶子草
へいしそう [0] 【瓶子草】
サラセニアの別名。
瓶掛
びんかけ [4][0] 【瓶掛】
茶の湯で,寄り付きまたは盆略点(ボンリヤクダテ)・茶箱点の席で用いられる火鉢,または小さい風炉。陶製・金属製など。
瓶水
びょうすい ビヤウ― [0] 【瓶水】
かめにたたえた水の意。かめを師にたとえ,水を仏法の奥義にたとえる。へいすい。
瓶水
へいすい [0] 【瓶水】
⇒びょうすい(瓶水)
瓶花
へいか [1] 【瓶花・瓶華】
(1)花瓶にさした花。
(2)生け花の様式の一つで,壺・瓶などに生けるもの。
瓶華
へいか [1] 【瓶花・瓶華】
(1)花瓶にさした花。
(2)生け花の様式の一つで,壺・瓶などに生けるもの。
瓶裏
へいり [1] 【瓶裏】
「瓶中(ヘイチユウ)」に同じ。
瓶覗
かめのぞき [3] 【瓶覗】
「のぞき色」に同じ。
瓶詰
びんづめ [0][4] 【瓶詰(め)・壜詰(め)】
瓶につめること。また,つめたもの。「―にしたジャム」
瓶詰の
びんづめ【瓶詰の】
bottled.
瓶詰め
びんづめ [0][4] 【瓶詰(め)・壜詰(め)】
瓶につめること。また,つめたもの。「―にしたジャム」
瓷器
じき [1] 【瓷器】
硬い焼き物。古代では,釉(ウワグスリ)のかかっているものをいう。
甃
いしだたみ [3] 【石畳・甃】
(1)板石を敷き詰めたところ。「―の道」
(2)石段。
(3)「市松{(1)}」に同じ。
(4)家紋の一。正方形や長方形を組み合わせたもの。
(5)海産の巻貝。殻高は3センチメートル内外で,球卵形。殻表は黒緑色で,{(1)}のような刻み目がある。北海道南部以南に広く分布し,岩礁に多い。
甃
しきがわら [3] 【敷瓦・甃】
(1)石畳のように土間や地面などに敷き並べる平たい瓦。塼(セン)。
(2){(1)}を並べたような模様。市松模様。「帯は―の折りびろうど/浮世草子・五人女 3」
(3)茶道で,鉄風炉(テツブロ)の下に敷く平たい瓦。
甄別
けんべつ [0] 【甄別】 (名)スル
はっきり見分けること。「同異を剖析し,是非を―し/真善美日本人(雪嶺)」
甌穴
おうけつ [0] 【甌穴】
川底の岩盤や波食台に掘られた円筒形の穴。岩盤のくぼみに入った小石が流れで回転して岩石を削ってできる。埼玉県長瀞(ナガトロ),長野県寝覚(ネザメ)の床(トコ),神奈川県江ノ島の隆起海食台上のものが有名。かめあな。ポット-ホール。
甌穴
かめあな [0] 【甌穴】
⇒おうけつ(甌穴)
甍
いらか [0] 【甍】
(1)屋根の大棟。また,棟瓦(ムネガワラ)。
(2)瓦葺(ブ)きの屋根。また,葺いた瓦。「―の波」
(3)切妻屋根の三角形の部分。
甍覆い
いらかおおい [4] 【甍覆い】
神明造りなどの屋根で,棟(ムネ)の上端をおおう水平の細長い板。甲板(コウイタ)。
甍造り
いらかづくり [4] 【甍造り】
⇒切妻造(キリヅマヅク)り
甎
せん [1] 【磚・塼・甎】
中国で粘土を型で固め,焼き,あるいは乾燥させて作った灰黒色の煉瓦(レンガ)。漢代に発達し,城壁・家屋・墓室の構築に用いられた。日本でも飛鳥時代の寺院跡や鎌倉時代の唐様建築などにみられる。
甎仏
せんぶつ [1] 【甎仏・塼仏】
素焼きの甎(カワラ)に仏像を浮き彫りに表したもの。日本では奈良時代の作品で,奈良県の橘寺・岡寺のものが有名。
甎全
せんぜん [0] 【甎全】
「瓦全(ガゼン)」に同じ。
甑
そう [1] 【甑】
こしき。
甑
こしき [1][0] 【甑】
弥生時代以降,米・豆などを蒸すのに用いた道具。底に数個の湯気を通す小穴を開けた深鉢形の土器。湯釜の上にのせて用いる。奈良時代頃から木製も現れた。のち,円形・方形の木製の蒸籠(セイロウ)にとって代わられた。そう。「かまどには火気(ホケ)吹き立てず―には蜘蛛の巣かきて/万葉 892」
甑[図]
甑倒し
こしきたおし [4] 【甑倒し】
酒造家の仕込み祝い。
甑島列島
こしきじまれっとう 【甑島列島】
鹿児島県西部,串木野(クシキノ)市の沖合にある島群。下甑島を主島に中甑島・上甑島とその他の小島から成る。近海は好漁場。甑列島。
甑布
こしきぬの [3] 【甑布】
甑で物を蒸すとき,その底に敷く布。
甑落し
こしきおとし 【甑落(と)し】
皇子・皇女出産の際行われた呪法(ジユホウ)。御殿の棟から甑を落とすもので,「甑」が「腰気」の音に通ずるからともいう。皇子のときは南へ,皇女のときは北へ落としたという。
甑落とし
こしきおとし 【甑落(と)し】
皇子・皇女出産の際行われた呪法(ジユホウ)。御殿の棟から甑を落とすもので,「甑」が「腰気」の音に通ずるからともいう。皇子のときは南へ,皇女のときは北へ落としたという。
甕
みかわ 【甕】
「みか(甕)」に同じ。「天の―に斎(イ)み籠(コモ)りて/祝詞(出雲国造神賀詞)」
甕
みか 【甕】
〔「み」は接頭語,「か」は容器の意か〕
酒を醸造するのに用いた大きなかめ。みかわ。「酒殿は広しま広し―越しに我が手な取りそ/神楽歌」
甕
たしらか 【甕】
天皇の祭具の一。手を洗う水を入れるかめ。[延喜式]
甕
もたい モタヒ 【瓮・甕】
酒などを入れるかめ。「酒を好む猩々(シヨウジヨウ)は―のほとりに繋がれ/義経記 2」
甕
かめ [2] 【瓶・甕】
(1)口が大きく,胴が丸く深い土器・陶器。また,壺の大形のものもいう。容器,食物の保存・加工用など様々に用いられる。
(2)「瓶子(ヘイジ)」に同じ。「烏のついゐたるかたを―に作らせ給ひて/大鏡(道隆)」
甕の蓋
かめのふた [0] 【甕の蓋】
南蛮焼きの一。本来は甕の蓋であったもので,茶人によって建水あるいは灰器に見立てられ重用された。
甕棺
かめかん [0] 【甕棺】
埋葬用に用いられた大形の土器。日本では弥生時代に多く用いられ,九州北部を中心に二個の甕の口縁を合わせた合わせ口甕棺が多く出土する。
甕棺[図]
甕菜
ようさい [0] 【甕菜】
ヒルガオ科の多年草。熱帯アジア原産。東南アジアなどで野菜として栽培される。水辺や水中に生え,茎・葉はサツマイモに似る。秋,淡紫または白色のヒルガオ状の花を開く。若芽・葉を食用とする。
甗
げん [1] 【甗】
中国古代の蒸し器。三本足の鬲(レキ)状の下部に,甑(コシキ)がのったもの。殷周時代の青銅製の祭器がよく知られる。
甗[図]
甘
うま 【甘】
〔ク活用の形容詞「うまし」の語幹から〕
他の体言の上に付き複合語として用いられる。
(1)味がよいの意を表す。「―酒」「―煮」
(2)生まれの尊貴な,の意を表す。「―人」
(3)眠りの深い,快い,の意を表す。「―寝(イ)」
甘い
あま・い [0] 【甘い】 (形)[文]ク あま・し
(1)砂糖や蜜(ミツ)のような味である。また,甘い味をうまいと感じていたことから,美味の意にも用いた。
⇔辛い
「―・い菓子」「よく熟した―・い柿」「山々の口より,さくなだりに下したまふ水を―・き水と受けて/祝詞(広瀬大忌祭)」
(2)塩気が少ない。
⇔辛い
「今日の味噌汁は―・い」「味付けが―・い」
(3)香りや雰囲気などが蜜の味を思わせる。うっとりと快い。「バラの―・い香り」「―・いメロディー」「―・いささやき」
(4)人の心を引き付けて迷わせるようだ。「―・い言葉で誘う」
(5)物事に対する態度がなまぬるい。厳しさ・正確さに欠ける。「女性に―・い」「見通しが―・い」「考え方が―・い」「敵を―・く見るな」
(6)満足できる状態ではない。不十分だ。「ピントが―・い」「ねじが―・い」
(7)(程度が)軽い。「縒(ヨ)りの―・い糸」
[派生] ――さ(名)――み(名)
[慣用] 脇が―
甘い
うま・い [2] 【旨い・甘い】 (形)[文]ク うま・し
(1)(「美味い」とも書く)飲食物の味がよい。美味である。おいしい。《旨・甘》
⇔まずい
「―・い料理」
(2)(多く「上手い」「巧い」と書く)技術・技量などがすぐれている。腕前がいい。上手だ。巧みだ。
⇔まずい
「―・い絵」「野球が―・い」「―・くごまかす」「口が―・い」
(3)自分にとって都合がよい。こちらの望ましい状態だ。《旨》
⇔まずい
「―・いときに来合わせたものだ」「仕事が―・く運んだ」「―・い話には気をつけろ」
(4)おろかだ。あさはかだ。ばかだ。「知つたとていふものか―・い奴ら/浄瑠璃・津国女夫池」
[派生] ――が・る(動ラ五[四])――げ(形動)――さ(名)
甘い
あまい【甘い】
(1)[味が]sweet;→英和
sugary.→英和
(2)[寛大な]indulgent <mother> ;→英和
fond <father> ;→英和
lenient (点が).→英和
(3)[鈍い]soft;→英和
weak;→英和
easy to deal with.(4)[転義]soft <drink> ;mild <tobacco> ;→英和
loose (ゆるい).→英和
〜物 <米> a candy;→英和
<英> sweets.〜言葉をかける say sweet things <to> .
〜物の考え方 a too optimistic way of thinking.味が〜 taste sweet.女に〜 have a soft heart <to a woman> .
甘いものに蟻(アリ)がつく
甘いものに蟻(アリ)がつく
甘いものにアリが群がるように,利益になりそうな所には人が集まる。
甘い汁(シル)を吸う
甘い汁(シル)を吸・う
自分で苦労せず,人を利用して利益をむさぼる。
甘え
あまえ [0] 【甘え】
甘えること。甘える気持ち。「―がある」
甘えっ子
あまえっこ【甘えっ子】
a spoilt child.
甘えっ子
あまえっこ [0][3] 【甘えっ子】
甘ったれな子。
甘える
あま・える [0] 【甘える】 (動ア下一)[文]ヤ下二 あま・ゆ
(1)物をねだったりかわいがってもらおうとして,ことさらになれなれしく振る舞う。甘ったれる。「親に―・える」
(2)人の好意・親切を遠慮なく受け入れる。また,好意・親切をあてにして,気ままに振る舞う。「お言葉に―・えてお世話になります」
(3)甘い香りがする。「いと―・えたる薫(タ)き物の香/源氏(常夏)」
(4)恥ずかしく思う。てれる。「いとはしたなくいひののしりければ,―・えて出にけり/栄花(浦々の別)」
甘える
あまえる【甘える】
behave like a spoilt child;coax (せびる);→英和
be coquettish (女が);avail oneself <of> (つけこむ).
甘えん坊
あまえんぼう [0] 【甘えん坊】
すぐ甘えた態度を見せる子供。人の好意や親切を期待して,甘える人。
甘え甚し
あまえいた・し 【甘え甚し】 (形ク)
とても恥ずかしい。きまりが悪い。「今は―・くて,まかり帰らむこともかたかるべき心ちしける/蜻蛉(中)」
甘く∘見る
甘く∘見る
たいしたことがないと軽く見る。
甘く見る
あまく【甘く見る】
make[think]little of;take it easy.〜なる become sweet;ripen;→英和
become indulgent (子女に).〜する sweeten (味を);→英和
be indulgent <to> .
甘し
あま・し 【甘し】 (形ク)
⇒あまい
甘し
うま・し 【旨し・甘し・美し】
■一■ (形シク)
満足すべき状態だ。十分で申し分ない。「かく物を思ひたるさまにて見たまふぞ。―・しき世に/竹取」
■二■ (形ク)
⇒うまい
〔■一■■二■ とも中古以降「むまし」と表記されることが多い〕
甘し
うまし 【美し・甘し】
(形容詞「うまし」から)
甘し物
うましもの 【甘し物】 (枕詞)
美味なるものとして知られていたことから,「阿倍橘(アエタチバナ)」にかかる。「吾妹子(ワギモコ)に逢はず久しも―阿倍橘の苔むすまでに/万葉 2750」
甘たるい
あまたる・い [4][0] 【甘たるい】 (形)[文]ク あまたる・し
「あまったるい」に同じ。「―・い金玉糖/門(漱石)」
甘たれる
あまた・れる [4][0] 【甘たれる】 (動ラ下一)
「あまったれる」に同じ。
甘ちこい
あまちこ・い 【甘ちこい】 (形)
〔近世語〕
考え方があまえている。手ぬるい。「―・い減らず口聞いて居るぬしでないぞえ/浄瑠璃・鬼一法眼」
甘ちょろい
あまちょろ・い [4] 【甘ちょろい】 (形)
「あまっちょろい」に同じ。「考え方が―・い」
甘ったるい
あまったる・い [5][0] 【甘ったるい】 (形)
〔「あまたるい」の転〕
(1)味が度をすぎて甘い。ひどく甘い。「―・いしるこ」
(2)相手の心をとろけさせるようだ。「―・い言葉で誘惑する」
(3)ひどく甘えた様子である。「―・い声」
(4)厳しさ・鋭さが足りない。「―・い考え」
[派生] ――さ(名)
甘ったるい
あまったるい【甘ったるい】
sugary;→英和
honeyed <words> ;→英和
sentimental <play> .→英和
甘ったれ
あまったれ [0] 【甘ったれ】 (名・形動)
ひどく甘えること。また,そのような人。「―の末っ子」
甘ったれる
あまった・れる [5][0] 【甘ったれる】 (動ラ下一)
〔「あまたれる」の転〕
(1)子供などが人なつこく甘える。ひどく甘える。「―・れた声」
(2)他人の好意や援助をあてにして行動する。「そんな―・れた根性でどうする」
甘ったれる
あまったれる【甘ったれる】
⇒甘える.
甘っちょろい
あまっちょろ・い [5][0] 【甘っちょろい】 (形)
〔「あまちょろい」の促音添加〕
考え方などが,きびしさがなく安易である。「―・い考え方」
[派生] ――さ(名)
甘なふ
あまな・う 【和ふ・甘なふ】 (動ハ四)
(1)和解する。同意する。「奏(モウ)す所を推(タズ)ね問ひて,相疑ふことを―・はしむ/日本書紀(継体訓)」
(2)甘んじて受ける。満足する。「古人の糟粕を―・つて,空く一生を区々の中に誤る/太平記 1」
(3)言葉をやわらげる。「事ヲ―・イ,面ヲヘツロウ/日葡」
甘にゅう
あまにゅう [0] 【甘にゅう】
山地に生えるセリ科の大形多年草。高さ2〜3メートル。夏,白色五弁の小花を多数つける。果実は7ミリメートルほどの楕円形。茎は甘みがあり,食用。
甘み
あまみ [0] 【甘み・甘味】
(1)甘さの程度。甘い味。甘さ。「―が足りない」
(2)菓子などの甘い食品。かんみ。
〔「み」は接尾語。「味」は当て字〕
甘め
あまめ [0] 【甘め】
(名・形動)
(1)甘さがやや多いこと。「―の味つけ」
(2)判定などが,普通よりもややゆるいこと。「―の判定をする」「―に採点する」
甘やか
あまやか [2] 【甘やか】 (形動)[文]ナリ
あまい感じのするさま。「―な歌声」「―な香り」
[派生] ――さ(名)
甘やかす
あまやかす【甘やかす】
be indulgent <to> ;indulge;→英和
coddle.→英和
甘やかした子 a spoilt child.
甘やかす
あまやか・す [4][0] 【甘やかす】 (動サ五[四])
(子供などを)きびしくしつけないでわがままな行動を許す。「一人っ子なので―・されて育った」
甘ゆ
あま・ゆ 【甘ゆ】 (動ヤ下二)
⇒あまえる
甘んじる
あまん・じる [4][0] 【甘んじる】 (動ザ上一)
〔サ変動詞「あまんずる」の上一段化した語〕
「あまんずる」に同じ。「清貧に―・じる」
甘んじる
あまんじる【甘んじる】
(1)[満足]be contented[satisfied] <with> .
(2)[こらえる]put up with;be resigned <to> .
甘んじて contentedly;willingly;→英和
resignedly.
甘んず
あまん・ず 【甘んず】 (動サ変)
⇒あまんずる
甘んずる
あまん・ずる [4][0] 【甘んずる】 (動サ変)[文]サ変 あまん・ず
〔「あまみする」の転〕
与えられたものが不十分であっても,それを受け入れる。甘んじる。「薄給に―・ずる」「寧ろ自分は平凡なる生活に―・ずる/田舎教師(花袋)」
甘九献
あまくこん 【甘九献】
〔女房詞〕
甘酒。あまくもじ。「新大介殿より―まゐる/御湯殿上(永禄九)」
甘井
かんせい [0] 【甘井】
うまい水の出る井戸。
甘党
あまとう [0] 【甘党】
酒よりも,甘いものを好む人。
⇔辛党(カラトウ)
甘党である
あまとう【甘党である】
have a sweet tooth.
甘南備山
かんなびやま 【甘南備山】
京都府綴喜(ツヅキ)郡田辺町にある山。
甘受
かんじゅ [1] 【甘受】 (名)スル
甘んじて受け入れること。「あえて批判を―する」
〔本来は,快く受け入れる意〕
甘受する
かんじゅ【甘受する】
put up with;submit <to an insult> .→英和
甘口
あまくち【甘口(にのる)】
(be deceived by) honeyed words.〜の mild <tobacco> ;→英和
light <wine> .→英和
甘口
あまくち [0] 【甘口】 (名・形動)
(1)酒・味噌などの味で,甘みがまさっていること。
⇔辛口
「―の酒」
(2)相手の気に入るようなうまい言い方。甘言(カンゲン)。「そんな―は請けねえ/人情本・辰巳園 3」
(3)口ぶりがおだやかなこと。「先刻から―にいやあ付上りがして/歌舞伎・助六」
(4)いいかげんなこと。また,手ぬるいさま。「そんな―な分説(イイワケ)では,比継原(ツギハ)は承知しないぞ/当世書生気質(逍遥)」
(5)思慮に欠けるさま。「ちと―な男なれば/浮世草子・諸道聴耳世間猿」
甘口
うまくち [0] 【甘口】
(1)人の気に入るような巧みな言葉。甘言。巧言。「―に乗る」
(2)酒・醤油・味噌などで甘みを感じるもの。あまくち。
甘味
かんみ [1] 【甘味】
(1)あまい味。また,あまみが主の食品。あまみ。「人工―」
(2)物事の面白さ。味わい。「誦読の際自から―涌出するの思あらしむ/日本開化小史(卯吉)」
甘味
あまみ【甘味】
sweetness;→英和
a sweet taste.〜がある taste sweet.〜が出る mellow (果実).→英和
〜をつける sweeten.→英和
甘味
あまみ [0] 【甘み・甘味】
(1)甘さの程度。甘い味。甘さ。「―が足りない」
(2)菓子などの甘い食品。かんみ。
〔「み」は接尾語。「味」は当て字〕
甘味
かんみ【甘味】
a sweet taste.甘味料 a sweetener (人工の).→英和
甘味剤
かんみざい [3] 【甘味剤】
医薬品・食品に甘味をつけるために用いる物質。果糖・乳糖などの糖類,甘草(カンゾウ)粉末など。
甘味噌
あまみそ [0] 【甘味噌】
塩味の薄い味噌。
⇔辛味噌(カラミソ)
甘味料
かんみりょう [3] 【甘味料】
食品に甘味をつけるのに用いる調味料。サッカリン・アスパルテームなど人工のものは食品添加物として食品衛生法により規制される。
甘塩
あまじお [0] 【甘塩】
塩けが薄いこと。薄塩。「―の鮭」
甘塩の
あまじお【甘塩の】
slightly-salted.
甘夏
あまなつ [0] 【甘夏】
ナツミカンの栽培品種。酸味が少なく甘い。甘夏蜜柑。甘夏柑。
甘子
あまご [0] 【甘子】
サケ目の淡水魚。全長約30センチメートル。サケの一種で,背面は淡い青紫色で小黒点があり,体側には小判形の斑紋と赤色の小斑点が並び,成長しても消えない。ビワマスの河川型とされてきた。渓流の冷水にすみ,海に下るものもいる。釣りの好対象。美味。本州の中部以南,四国,九州の一部に分布。アメゴ。ヒラメ。
甘州楽
かんしゅうらく カンシウラク 【甘州楽】
舞楽の一。左方に属する唐楽で平調(ヒヨウジヨウ)の準大曲。新楽。六人または四人による文の舞。襲装束(カサネシヨウゾク)を諸肩袒(モロカタヌギ)にして舞う。
甘干
あまぼし [0] 【甘干(し)】
(1)渋柿をむいて少し干したもの。
(2)魚を少し干したもの。
甘干し
あまぼし [0] 【甘干(し)】
(1)渋柿をむいて少し干したもの。
(2)魚を少し干したもの。
甘心
かんしん [0] 【甘心】 (名)スル
〔「かんじん」とも〕
(1)満足すること。快く思うこと。「此儀然るべし,とぞ―せられける/太平記 19」
(2)心の内で納得すること。「理論を聴分けて―すべきものならねば/緑簑談(南翠)」
甘木
あまぎ 【甘木】
福岡県中部の市。近世,豊後街道の宿場町・市場町として発展。北東部の秋月は黒田氏の城下町。
甘木
あまき 【甘木・甘草】
植物カンゾウの古名。[本草和名]
甘柿
あまがき [2][0] 【甘柿】
渋みがほとんどなく,そのまま食べられる甘い柿。御所柿・富有柿・次郎柿など。[季]秋。
甘栗
あまぐり【甘栗】
broiled (sweet) chestnuts.
甘栗
あまぐり [2][0] 【甘栗】
(1)熱した小石の中に入れ,甘味料を加えてかき回しながら加熱して製した栗。中国産の小粒の栗(天津栗)を用いる。
(2)平安時代,大臣の大饗(タイキヨウ)の際に天皇から大臣に賜る搗(カ)ち栗。
甘栗の使
あまぐりのつかい 【甘栗の使】
大臣の大饗の時,大臣に甘栗{(2)}を賜るための勅使。六位の蔵人がつとめた。
甘樫丘
あまかしのおか 【甘橿岡・甘樫丘】
奈良県高市郡明日香村豊浦にある丘。允恭(インギヨウ)天皇が姓氏の混乱を正すため探湯(クカタチ)を行なった地,また蘇我蝦夷・入鹿父子の邸があった地と伝える。うまかしのおか。
甘橿岡
あまかしのおか 【甘橿岡・甘樫丘】
奈良県高市郡明日香村豊浦にある丘。允恭(インギヨウ)天皇が姓氏の混乱を正すため探湯(クカタチ)を行なった地,また蘇我蝦夷・入鹿父子の邸があった地と伝える。うまかしのおか。
甘汞
かんこう [1][0] 【甘汞】
塩化水銀{(1)}の別名。
甘汞電極
かんこうでんきょく [5] 【甘汞電極】
⇒カロメル電極(デンキヨク)
甘泉
かんせん [0] 【甘泉】
うまい水のわき出る泉。
甘泉宮
かんせんきゅう 【甘泉宮】
中国,秦代,咸陽の北西,甘泉山に造られた離宮。のち漢の武帝が増築。揚雄の「甘泉賦」で有名。
甘海老
あまえび [2] 【甘海老】
ホッコクアカエビの通称。体長約9センチメートルで,全身が赤い。美味。日本海で産する。アカエビ。ナンバンエビ。
甘海苔
あまのり [2] 【甘海苔】
紅藻類ウシケノリ目の海藻。体は薄い葉状で,紅紫色・黒紫色など。アサクサノリ・スサビノリ・マルバアマノリなどの種があり,古くから食用にされる。
甘煮
うまに [0][3] 【旨煮・甘煮】
煮物の一。芋・筍(タケノコ)・人参(ニンジン)などの根菜類や魚介類を味醂(ミリン)・砂糖・醤油などで煮詰めて照りを出したもの。照り煮。
甘煮
あまに [0] 【甘煮】
甘く味付けして,煮ること。また,その食べ物。「小魚の―」
甘物
あまもの [0] 【甘物】
(1)味の甘いもの。
(2)乳児に飲ませた,甘葛(アマズラ)を煎(セン)じた湯。「すり粉・―にて人間そだちたるためしあまたあり/浮世草子・男色大鑑 1」
甘瓜
あまうり [2] 【甘瓜】
マクワウリの別名。
甘皮
あまかわ [0] 【甘皮】
(1)樹木や果実の,外皮の内側にある薄皮。あまはだ。
⇔粗皮(アラカワ)
(2)爪(ツメ)の根もとの薄皮。
甘皮
あまかわ【甘皮】
the cuticle (爪の);→英和
the epidermis (果実の).→英和
甘粕
あまかす [0] 【甘粕・甘糟】
固練りの甘酒。
甘粕事件
あまかすじけん 【甘粕事件】
1923年(大正12)関東大震災の直後,憲兵大尉甘粕正彦(1891-1945)らが大杉栄とその妻伊藤野枝らを虐殺した事件。亀戸事件・朝鮮人虐殺事件とともに,戒厳令下の不法弾圧事件。
甘粛
かんしゅく 【甘粛】
中国,黄河の上流域を占める省。草原地帯で羊・牛などの牧畜が盛ん。シルクロードが通り,古く西域への交通路として重要な役割を果たした。敦煌・玉門などの古都がある。省都,蘭州。別名,隴(ロウ)。カンスー。
甘精
かんせい [0] 【甘精】
サッカリン。
甘糟
あまかす [0] 【甘粕・甘糟】
固練りの甘酒。
甘納豆
あまなっとう [3] 【甘納豆】
アズキ・ササゲ・インゲンなどの豆を甘く煮つめ,汁けを切って砂糖をまぶした菓子。
甘納豆
あまなっとう【甘納豆】
sugared beans.
甘縒り
あまより [0] 【甘縒り】
糸などの縒り方が,普通よりも縒りの数が少なくゆるやかなこと。また,その糸。
甘美
かんび [1] 【甘美】 (名・形動)[文]ナリ
(1)甘くて味のよい・こと(さま)。「―な果実」
(2)うっとりと快く楽しい・こと(さま)。「―な陶酔に浸る」
[派生] ――さ(名)
甘美な
かんび【甘美な】
sweet;→英和
delicious.→英和
甘肌
あまはだ 【甘肌】
「甘皮(アマカワ){(1)}」に同じ。[日葡]
甘苦
かんく【甘苦(を共にする)】
(share a person's) joys and sorrows.
甘苦
かんく [1] 【甘苦】
(1)あまいこととにがいこと。
(2)楽しみと苦しみ。「―をともにする」
甘英
かんえい 【甘英】
後漢の西域都護班超(ハンチヨウ)の部将。97年,命を受け大秦国(ローマ)に使したが,条支国(シリアのことか)まで至り断念,帰国した。生没年未詳。
甘茶
あまちゃ [0] 【甘茶】
(1)ユキノシタ科の落葉低木。ヤマアジサイの変種。やや小振りで,栽培もされる。
(2)アマチャ・アマチャヅルの葉を蒸してもみ,乾燥したものを煎(セン)じた飲料。黄褐色で甘みが強く,食品の甘味料ともする。四月八日の灌仏会(カンブツエ)に釈迦像にかけ,また,飲む。[季]春。
〔「甘茶の花」は [季]夏〕
甘茶
あまちゃ【甘茶】
hydrangea tea.
甘茶蔓
あまちゃづる [3] 【甘茶蔓】
ウリ科のつる性多年草。山野のやぶ際に生える。葉は五小葉からなり,巻きひげで他の物にからまる。秋に黄緑色の小花を開く。果実は球形で,黒緑色に熟す。雌雄異株。ツルアマチャ。
甘草
あまくさ [0][2] 【甘草】
植物カンゾウの異名。
甘草
かんぞう [0][1] 【甘草】
(1)マメ科の多年草。中国北部に自生。高さ1メートル内外。全体に腺毛があり,羽状複葉を互生。晩夏,葉腋に淡紫色の蝶形花が総状につく。根に甘みがあり,乾燥させて鎮咳・鎮痛・解毒などの薬用とし,また甘味料とする。アマキ。アマクサ。[季]夏。
(2){(1)}の根を乾燥したもの。特異なにおいがあり味は甘い。主成分としてグリチルリチンを含み,矯味・緩和・鎮咳・去痰薬として用いるほか,消化器の潰瘍(カイヨウ)などにも用いられる。
甘草(1)[図]
甘草
あまき 【甘木・甘草】
植物カンゾウの古名。[本草和名]
甘草
かんぞう【甘草】
《植》a licorice (plant,root).→英和
甘草エキス
かんぞうエキス [5] 【甘草―】
甘草を常温で抽出したものにアルコールを加えて製したもの。褐色で特異なにおいがあり,味は甘い。矯味・賦形(フケイ)剤として用いる。
甘菜
あまな [0] 【甘菜】
(1)ユリ科の多年草。鱗茎からニラに似た葉を二枚出す。春,暗紫色の筋のある六弁の白花を開く。鱗茎は食用。ムギグワイ。
(2)ナルコユリの古名。[新撰字鏡]
(3)アマドコロの古名。[和名抄]
甘菜(1)[図]
甘菜
かんさい [0] 【甘菜】
サトウダイコンの別名。「―糖」
甘葛
あまずら 【甘葛】
(1)ツタの古名。[新撰字鏡]
(2)つる草の一種。今のアマチャヅルにあたるか。茎に切り傷をつけ,したたる樹液を集めて煎(セン)じ,甘味料とした。「削り氷に―入れて,新しき金鋺(カナマリ)に入れたる/枕草子 42」
甘蔓
あまづる [0][2] 【甘蔓】
(1)ブドウ科の落葉つる性木本。中部以西の山野に自生。葉は三角状卵形。果実は秋に黒熟し,食べられる。オトコブドウ。
(2)ツタの異名。
甘蔗
かんしゃ [1] 【甘蔗】
サトウキビの漢名。かんしょ。
甘蔗
かんしょ【甘蔗】
a sugar cane.
甘蔗
かんしょ [1] 【甘蔗】
〔「かんしゃ(甘蔗)」の慣用読み〕
サトウキビの別名。
甘蔗糖
かんしょとう [0] 【甘蔗糖】
サトウキビの茎の汁からとった砂糖。